(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-14
(54)【発明の名称】フラッシュシリンジアセンブリおよび血管アクセスデバイスの消毒方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/31 20060101AFI20220407BHJP
【FI】
A61M5/31 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549330
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020018760
(87)【国際公開番号】W WO2020172230
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヴァン レイボウィッツ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB10
4C066CC01
4C066NN04
(57)【要約】
消毒剤を含む吸収パッドと、血管アクセスデバイス(VAD)のフラッシュ手順で使用する無菌技術への順守を確実にするための回転可能なキャップを含む注射器(シリンジ)アセンブリについて説明されている。また、血管アクセスデバイスを消毒する方法についても説明されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面を有する側壁、流体を保持するためのチャンバーを規定する内面、開放近位端、および前記チャンバーと流体連絡する際に通る第1の通路を有する遠位先端がそこから遠位に延びる遠位壁を含む遠位端を含むバレルと、
周辺遠位面に配置された取り外し可能なシールと、
前記取り外し可能なシールと前記遠位先端の間に配置された消毒剤を含むキャップおよび吸収パッドであって、前記キャップは、前記遠位先端が前記キャップによって覆われる第1の位置と、前記バレルの前記遠位先端が、前記外側スリーブの開放遠位端を通して露出される第2の位置とから回転可能である、前記キャップおよび吸収パッドとを含む、フラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項2】
前記バレルの外面とスライド可能に係合する外側スリーブをさらに含み、前記外側スリーブは、内面、外面、および周辺遠位面を含む開放遠位端を含み、前記外側スリーブと前記バレルの相対的なスライド運動により、前記バレルの遠位先端と前記外側スリーブの遠位端を互いに近づけると、前記遠位先端が前記キャップを前記第1の位置から前記第2の位置に回転させる、請求項1に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項3】
前記キャップが前記遠位先端と前記外側スリーブの前記開放遠位端との間に回転可能に配置されている、請求項2に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項4】
前記バレルは、前記遠位先端を取り囲む接続カラーと、前記接続カラーと同軸の位置合わせカラーとをさらに備え、前記位置合わせカラーは、前記外側スリーブと係合する周辺タブを備える、請求項3に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項5】
前記外側スリーブは、前記周辺タブと協働して、前記キャップを前記外側スリーブの前記開放遠位端と位置合わせし、前記バレルと前記外側スリーブとの間の相対的な滑り運動を案内するスロットを備える、請求項4に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項6】
前記外側スリーブの前記スロットが、前記注射器バレルおよび前記外側スリーブの意図しない相対運動を防止するための戻り止めを含む、請求項5に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項7】
前記キャップと前記取り外し可能なシールとの間に配置された固定シールをさらに含み、吸収パッドは、厚さおよび前記厚さを通るカットパターンを有する、請求項3に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項8】
前記キャップの回転により、前記キャップが前記固定シールを貫通し、前記吸収パッドを通って前記第2の位置に移動する、請求項7に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項9】
前記吸収パッドが前記キャップ内に含まれる、請求項3に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項10】
前記取り外し可能なシールを剥がすと、前記吸収パッドが露出する、請求項9に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項11】
前記キャップが前記第1の位置にあるとき、前記吸収パッドは、前記外側スリーブの前記開放遠位端を通して露出され、前記キャップが前記第2の位置にあるとき、前記キャップは、前記外側スリーブの前記開放遠位端を通して回転されて前記バレルの前記遠位先端を露出させる、請求項10に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項12】
前記吸収パッドが前記キャップ内に含まれる、請求項5に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項13】
前記取り外し可能なシールを剥がすと、前記吸収パッドが露出する、請求項12に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項14】
前記キャップが前記第1の位置にあるとき、前記吸収パッドは、前記外側スリーブの前記開放遠位端を通して露出され、前記キャップが前記第2の位置にあるとき、前記キャップは、前記外側スリーブの前記開放遠位端を通して回転されて前記バレルの前記遠位先端を露出させる、請求項13に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項15】
前記取り外し可能なシールが、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムのピールバックトップを含む、請求項1に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項16】
前記接続カラーがルアーコネクタを含む、請求項4に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項17】
前記外側スリーブは、近位端にフランジを含み、前記バレルは、前記近位端に前記バレルフランジを含む、請求項1に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項18】
外面を有する側壁、流体を保持するためのチャンバーを規定する内面、開放近位端、および前記チャンバーと流体連絡する際に通る第1の通路を有する遠位先端がそこから遠位に延びる遠位壁を含む遠位端を含むバレルと、
前記遠位先端を覆うキャップであって、前記キャップは遠位ディップを覆う近位側と、その上に取り付けられた吸収パッドを含む遠位側とを含み、前記キャップが遠位先端を覆う第1の位置から前記キャップが前記遠位先端から離れるように移動される第2の位置まで枢動可能に移動可能である前記キャップとを含む、フラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項19】
前記バレルとスライド可能に係合する外側スリーブであって、内面、外面、および周辺遠位面を含む開放遠位端を備える前記外側スリーブと、前記周辺遠位面に配置された取り外し可能なシールとをさらに含む、請求項18に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項20】
前記取り外し可能なシールを剥がすと、前記吸収パッドが露出する、請求項19に記載のフラッシュシリンジアセンブリ。
【請求項21】
血管アクセスデバイスを消毒する方法であって、
キャップで覆われた遠位先端を有するバレルを含むフラッシュシリンジアセンブリの遠位端に消毒剤を含む吸収パッドを露出させ、
前記血管アクセスデバイスを吸収パッドと接触させ、そして
前記キャップを回転させて前記バレルの前記遠位先端を露出させる、方法。
【請求項22】
前記フラッシュシリンジアセンブリが、前記注射器バレルとスライド可能に係合する開放遠位端および遠位端面を有する外側スリーブをさらに含み、この方法は、前記注射器バレルおよび前記外側スリーブを互いに対してスライドさせて、前記キャップを前記遠位先端から離れるように回転させることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記注射器バレルおよび前記外側スリーブを互いに対してスライドさせて、前記キャップを前記遠位先端から離れるように回転させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記吸収パッドを露出させるために、前記外側スリーブの前記遠位端面から取り外し可能なシールを除去することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記吸収パッドが前記キャップに取り付けられる、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
消毒機能付きシリンジに関し、注射器(syringe)アセンブリ、特に血管(vascular)アクセスデバイス(VAD’s)の洗浄手順で使用するための消毒キャップを含む注射器(シリンジ)アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
バスキュラー(血管の)アクセスデバイス(VAD’s)は一般的に使用される治療デバイスであり、静脈内(IV)カテーテルを含む。VAD’sには、末梢カテーテルおよび中心静脈カテーテルという、2つの一般的な分類がある。VADが正しく使用および維持されることを保証するために、一般にカテーテルのフラッシングと呼ばれる洗浄手順を含む実践の基準が開発された。
【0003】
VADプロトコール(standards of practice)では、通常、カテーテル留置後、輸液前、薬物投与、採血、輸血、非経口栄養の前後にフラッシュ手順を実行することが推奨される。これらのフラッシュ手順の目的は、カテーテルの開通性を確認し、薬物の非互換性を回避し、完全な薬物投与を確実にし、血栓形成を防ぎ、血流感染のリスクを最小限に抑えることである。フラッシュ手順には、さまざまなタイプと量のフラッシュ溶液(flush solutions)が必要である。最も一般的に使用されるフラッシュ溶液は、生理食塩水および/またはヘパリンロック溶液である。フラッシュ溶液の種類と量は、カテーテルの特定の種類によって異なる。5~10mlのフラッシュ溶液の量が最も一般的であるが、1ml~20mlの範囲である可能性がある。
【0004】
フラッシュ手順の場合、IVラインとは、VAD、クランプ付きのチューブセット、および終端としてVADコネクタを含めることができるシステムを指す。一般的なタイプのVADコネクタは、ゴムまたは別のエラストマー材料で作られた貫通可能なセプタム(septums)またはプレスリットセプタムで覆われており、これにより、カテーテルに液体を注入したり、カテーテルから液体を抜き取ったりするために鋭利な針カニューレを挿入できる。針カニューレを引き抜くと、セプタムはそれ自体を密閉する。プレスリットセプタムを備えたポートは、鈍いプラスチックカニューレまたは注射器バレルの円錐台形(frusto-conically)の先端で使用される。注射器の先端または鈍いプラスチック製のカニューレ(通常は注射器に取り付けられている)をプレスリットセプタムに静かに押し込み、液体の連絡を確立する。
【0005】
鋭い先端を有する針を必要としない別のタイプのVADコネクタであるIVバルブは、注射器バレルの円錐台形の先端によって作動され、注射器の内部とカテーテルとの間の流体連絡を可能にする。これらの弁は、弁内の貯蔵区画からカテーテルに流体を送達するための特徴を含み得、当技術分野では容積式弁(positive displacement valves)と呼ばれる。そのような弁の例は、米国特許第6,206,861号に開示されている。
【0006】
細菌および他の微生物(Bacteria and other microorganisms)は、流体または薬剤を送達するためのVADへの接続時にアクセスハブおよびポート/バルブから患者の血管系に侵入する場合がある。それぞれのアクセスハブ(またはアクセスポート/バルブまたは接続部)は、カテーテル関連の血流感染(CRBSI)を伝播する若干のリスクを伴い、これは、犠牲が大きく(costly)および潜在的に致命的となる可能性がある。汚染は、薬物の混合、カニューレの取り付け、およびアクセスハブへの挿入中に起こる可能性がある。現在、病院および患者へのリスクは、接続を行う臨床医の勤勉さの実質的な機能(function)であり、およびこの勤勉さはほとんど管理できない。
【0007】
汚染されたVADコネクタに関連する問題と戦うことを目的とした現在入手可能な製品はSwabCap(登録商標)である。このデバイスは、VADコネクタを覆い、キャップを取り付けた後の接触や空気中の汚染から保護することにより、VADコネクタを消毒する。SwabCap(登録商標)をVADコネクタに捻じ込むと、キャップ内のフォームパッド(foam pad)が圧縮され、イソプロピルアルコールが放出され、そのイソプロピルアルコールは、キャップが所定の位置にあるときにVADコネクタの上部とネジ山を受動的に消毒する。SwabCap(登録商標)は独立したコンポーネントであるため、エラーの余地があり、フラッシュプロセスのすべてのステップの後にキャップを使用できない場合がある。したがって、キャップは無菌操作への準拠を保証しない。
【0008】
したがって、追加の拭き取りおよび消毒ステップを排除することにより、無菌技術への準拠を促進するフラッシュシリンジアセンブリが必要である。
【発明の概要】
【0009】
本開示の態様は、フラッシュ用途および注射器を消毒する方法で使用するための注射器(シリンジ)アセンブリに関する。注射器アセンブリ、例えば、本開示の第1の態様によるフラッシュシリンジアセンブリは、外面を有する側壁、流体を保持するためのチャンバーを規定する内面、開放近位端、および、チャンバーと流体連絡する際にそれを通る第1の通路を有する遠位先端がそこから遠位に延びる遠位壁を含む遠位端を含むバレルと、周辺遠位面に配置された取り外し可能なシールと、取り外し可能なシールと遠位先端との間に配置された消毒剤を含むキャップおよび吸収パッドであって、遠位先端がキャップによって覆われる第1の位置およびバレルの遠位先端が外側スリーブの開放遠位端を通して露出される第2の位置から回転可能であるキャップとを含む。いくつかの実施形態では、アセンブリは、バレルの外面とスライド可能に係合する外側スリーブをさらに含み、外側スリーブは、内面、外面、および周辺遠位面を含む開放遠位端を含み、外側スリーブとバレルの相対的なスライド運動により、バレルの遠位先端と外側スリーブの遠位端が互いに近づいて、遠位先端がキャップを第1の位置から第2の位置に回転させる。
【0010】
第2の実施形態として、注射器アセンブリ、例えば、フラッシュシリンジアセンブリは、外面を有する側壁、流体を保持するためのチャンバーを規定する内面、開放近位端、および、遠位端を含むバレルを含むバレルを含む。遠位先端がそこから遠位に延在し、チャンバーと流体連絡する第1の通路を有する遠位壁がそこから遠位に延びる遠位壁を含む遠位端を含むバレルと、遠位先端を覆うキャップであって、遠位ディップを覆う近位側と、その上に取り付けられた吸収パッドを含む遠位側とを含むキャップであり、キャップが遠位先端を覆う第1の位置からキャップが遠位先端から離れる方向に移動される第2の位置まで枢動可能に移動可能なキャップとを含む。
【0011】
本開示の第2の態様は、血管アクセスデバイスを消毒する方法に関する。一実施形態によるこの方法は、キャップで覆われた遠位先端を有するバレルを含むフラッシュシリンジアセンブリの遠位端に消毒剤を含む吸収パッドを露出させ、血管アクセスデバイスを吸収パッドと接触させ、次にキャップを回転させてバレルの遠位先端を露出させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態によるフラッシュシリンジアセンブリの分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態によるフラッシュシリンジアセンブリの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のフラッシュシリンジアセンブリの拡大された部分断面側面図である。
【
図4】
図4は、
図2のフラッシュシリンジアセンブリの遠位部分を示す部分斜視図である。
【
図5】
図5は、キャップがフラッシュシリンジの遠位端から延長された、
図2のフラッシュシリンジの斜視図である。
【
図6】
図6は、キャップがフラッシュシリンジの遠位端から延長された、
図2のフラッシュシリンジの拡大された部分断面の側面図である。
【
図7】
図7は、キャップがフラッシュシリンジの遠位端から延長された、
図2のフラッシュシリンジの部分斜視図である。
【
図9】
図9は、
図2のフラッシュシリンジの位置合わせカラー(alignment collar)の斜視図である。
【
図10】
図10は、本開示の第2の実施形態によるフラッシュシリンジアセンブリの分解斜視図である。
【
図11】
図11は、本開示の第2の実施形態によるフラッシュシリンジアセンブリの斜視図である。
【
図12】
図12は、キャップが格納位置にある
図11のフラッシュシリンジアセンブリの拡大された部分断面側面図である。
【
図13】
図13は、格納位置から伸長位置に移動しているキャップが示されている、
図11のフラッシュシリンジアセンブリの拡大された部分断面の側面図である。
【
図14】
図14は、キャップがフラッシュシリンジの遠位端から延長された、
図11のフラッシュシリンジの拡大された部分断面の側面図である。
【
図15】
図15は、キャップが伸長位置にあるフラッシュシリンジアセンブリの遠位端の部分斜視図である。
【
図17】
図17は、
図11のフラッシュシリンジアセンブリの位置合わせカラーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に示される構成またはプロセス工程の詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態であることができ、様々な方法で実施または実行することができる。
【0014】
本開示で使用される用語に関して、以下の定義が提供される。
【0015】
「フラッシュシリンジアセンブリ」への言及は、VADの洗浄(flushing)での使用が示されているシリンジを含む。洗浄を行うことにより、カテーテルの開通性が確保および維持され、互換性のない医薬品の混合を防ぐことができる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の使用は、単数形および複数形を含む。本明細書で使用される場合、「カテーテル関連血流感染」または「CRBSI」という用語は、カテーテルまたはIVラインの存在に起因するあらゆる感染を指す。本明細書で使用する場合、「微生物(microorganism)」という用語は、単細胞であるか、または細胞生物のコロニーに住んでいる微生物または生物を指す。微生物は非常に多様であり、これらに限定されないが、それらには、細菌、真菌、古細菌、および原生動物が含まれる。微生物は、しばしばCRBSIの原因となる。CRBSIに関連する最も一般的な微生物には、これらに限定されないが、黄色ブドウ球菌と表皮、エンテロコッカス・ファエカリス、大腸菌、緑膿菌、およびカンジタ・アルビカンスが含まれる。
【0017】
本明細書で使用する場合、「抗細菌剤(antimicrobial agent)」または「抗菌剤(antimicrobial)」という用語は、細菌、真菌、古細菌、または原生動物などの微生物を殺すか、その増殖(growth)を阻害する物質を指す。抗菌剤は微生物を殺すか、微生物の増殖を防ぐ。本明細書で使用される場合、「消毒剤」という用語は、非生物体上または体外、例えば皮膚上で使用される抗菌物質を指す。1つまたは複数の実施形態において、消毒剤または抗菌剤は、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル(propyl gallate)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロオキシレノール、クロロヘキシジン、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、過酸化水素、コロイド銀、およびそれらの混合物であってもよい。
【0018】
本明細書で使用される場合、「吸収材料」および「吸収パッド」という用語は、別の物質を吸収または吸収する能力または傾向を有する材料を指す。1つまたは複数の実施形態において、吸収材料は、消毒剤または抗菌剤を吸収する傾向を有する。吸収材料および吸収パッドには、スポンジ、吸収性綿、フォーム、他の吸収性布、および合成ポリマーマトリックスが含まれ得る。
【0019】
本明細書で使用する場合、「ルアーコネクタ」という用語は、シリンジ、カテーテル、ハブ付き針、IVチューブなどを互いに取り付ける標準的な方法である接続カラーを指す。ルアーコネクタは、オスとメスのインターロックチューブで構成されており、わずかにテーパー付けられているため、単純な押圧/捩じり篏合(twist fit)だけでも、しっかりと結合できる。ルアーコネクタは、オプションでねじ山の外側の縁(rim)を含むことができ、それをよりしっかりと固定することができる。ルアーコネクタのオス型の端は、通常、フラッシュシリンジに関連付けられており、VADにあるメス型の端に連結して接続できる。ルアーコネクタは、遠位端、近位端、不規則な形状の外壁、シリンジのバレルのチャンバーからVADのハブへの流体連通のための形付(profiled)けられた中央通路を備える。ルアーコネクタはまた、ルアーコネクタをVADのハブに取り外し可能に取り付ける遠位端チャネル、およびルアーコネクタをシリンジのバレルに取り外し可能に取り付ける近位端チャネルを有する。
【0020】
1つまたは複数の実施形態によれば、注射器の遠位端から離れて移動して注射器の遠位先端を露出させる、消毒剤または抗菌材料を含む吸収材料または吸収パッドを含む注射器アセンブリが提供される。1つまたは複数の実施形態では、吸収材料は、注射器の遠位先端への障害物が最小限になるように配置され、これにより、注射器の遠位先端は、Yコネクタなど、通常はアクセスが困難なポートにアクセスできる。1つまたは複数の実施形態によれば、消毒剤が露出されるようにデバイスを活性化することは、注射器アセンブリの2つの部分を一緒に圧搾することによって達成される。これにより、アセンブリのユーザーは片手でデバイスをアクティブ化できるため、ワークフローの中断を防ぐことができる。
【0021】
ここで
図1~9を参照すると、フラッシュシリンジアセンブリ100の第1の実施形態が示されている。フラッシュシリンジアセンブリ100は、外面106を有する側壁104を含むバレル102を含み、内面108は、流体を保持するためのチャンバー110を規定する。バレル102はさらに、開いた開放近位端112と、チャンバー110と流体連絡する第1の通路120を有する遠位先端118を有する遠位壁116を含む遠位端114とを備える。
【0022】
図1~11に示される実施形態は、バレル102の外面106とスライド可能に係合する外側スリーブ132をさらに含み、外側スリーブ132は、内面134、外面136、および遠位面140の周辺部を含む開いた開放遠位端138を備える。注射器アセンブリ100は、周辺遠位面140に配置された取り外し可能なシール150をさらに備える。装置は、キャップ152と、取り外し可能なシール150と遠位先端との間に配置された消毒剤を含む吸収パッド154とをさらに含み、キャップ152は、バレル102の遠位先端118がキャップ152によって覆われる第1の位置と、バレル102の遠位先端118が、外側スリーブ132の開放遠位端138を通して露出される第2の位置とから回転可能である。
【0023】
図2~4は、バレル102の遠位先端118がキャップ152で覆われた、第1の位置にあるフラッシュシリンジアセンブリ100を示している。この実施形態では、キャップ152は、近位側151および遠位側153を含む。第1の位置では、キャップ152の近位側151は、バレル102の遠位先端118を覆う。
図1~9に示される実施形態では、キャップ152は、キャップ152が折りたたまれた位置または覆われた位置である第1の位置にあるときに、バレルの遠位先端118を受け入れるためのキャップの近位側151上の凹部156を備える。さらに、
図1~9に示される実施形態では、吸収パッド154は、キャップ152の遠位側153に配置されている。示される実施形態では、キャップ152の遠位側153は、吸収パッド154を受け入れるハウジング158を備える。
【0024】
したがって、
図1~9に示される実施形態では、バレル102を含む注射器アセンブリは、バレル102の遠位先端118を覆うキャップ152を含み、キャップ152は、遠位先端118を覆う近位側151を含み、遠位側153は、その上に取り付けられた吸収パッド154を含む。キャップ152は、キャップ152が遠位先端118を覆う第1の位置から、キャップ152が遠位先端118から離れるように移動される第2の位置まで枢動可能に移動可能(pivotally movable)である。いくつかの実施形態では、キャップ152は、遠位先端118と外側スリーブの開放遠位端138との間に回転可能に配置される。
【0025】
ここで
図5~7を参照すると、外側スリーブ132とバレル102の相対的なスライド運動は、バレル102の遠位先端118と外側スリーブ132の開放遠位端138とを互いに近づけて動かして、遠位先端118を押し、遠位先端にキャップ152を第1の位置から第2の位置に回転させる。
図5は、キャップ152が遠位先端118を覆う第1の位置152aから、キャップ152が遠位先端から離れて位置152c、次いで位置152dに回転されるときに位置152bまで矢印165の方向に回転されるキャップ152を示し、キャップ152は覆われていない位置にあり、遠位先端118は、
図7に示されるように露出されている。外側スリーブ132およびバレルの相対的な滑り運動は、注射器アセンブリの使用者が、バレルフランジ119に遠位方向の力(
図2の矢印121の方向)を加えながら、外側スリーブフランジ139に近位方向の力(
図2の矢印141の方向)を加えるときに発生する。1つまたは複数の実施形態によれば、ユーザーは、注射器アセンブリ100を用いてVADを洗浄し、次いで、片手を使用して注射器アセンブリをVADに接続することができる。例えば、ユーザーは、人差し指と中指の間に外側スリーブを握って配置することにより、
図2~4に示すように、キャップ付きの注射器アセンブリを第1の位置に保持することができる。次に、ユーザーは、外側スリーブ132を把持することによって、キャップ152および吸収パッド154を邪魔にならないように動かすことができ、外側スリーブをユーザーの指の間に配置し、バレルフランジ119を必要に応じて、ユーザーの手のひらまたは親指に押し込むことによって、近位方向の力を外側スリーブフランジ139に加え、これにより、バレルフランジ119に遠位方向の力を加える。このように力を加える注射器アセンブリ100の使用者は、外側スリーブフランジ139およびバレルフランジ119を互いに向かって圧迫(squeezes)し、キャップ152を遠位先端118から離し、遠位先端118を露出させ、これをVADに接続することができる。
【0026】
注射器アセンブリ100は、遠位先端118を取り囲む接続カラー170と、接続カラー170と同軸の位置合わせカラー172とを備えるものとしてさらに示され、位置合わせカラー172は、外側スリーブ132と係合する周辺タブ174を備える。外側スリーブ132は、周辺タブ174と協働して、キャップ152を外側スリーブ132の開放遠位端138と位置合わせし、バレル102と外側スリーブ132との間の相対的な滑り運動を案内するスロット135を備える。実施形態に示され、また
図7に最もよく見られるように、外側スリーブのスロット135は、注射器バレル102および外側スリーブ132の意図しない相対運動を防止するための戻り止め(detent)137を備える。
図2および4は、アセンブリをすぐに使用できる位置に保持する、スロット135内の戻り止め137の下にある周辺タブ174を示している。スロット135内の周辺タブ174および戻り止め137は、ユーザーが周辺タブ174を戻り止め137を越えて前進させ、キャップを第1の位置から第2の位置に移動させるのに十分な量の力を加えなければならないように構成される。
図7は、周辺タブ174が戻り止め137を越えて前進し、遠位方向(
図2の矢印121で示されている)に移動し、遠位先端118を外側スリーブの開放遠位端138を越えて前進させて、遠位先端をVADに接続できるようにした後の周辺タブ174を示している。1つまたは複数の実施形態では、位置合わせ(alignment)カラー172は、複数の周辺タブ174、例えば、2つ、3つ、またはそれ以上を備えることができる。外側スリーブ132は、同様に、周辺タブ174と協働して、相対的なスライド運動中に外側スリーブ132およびバレル102を案内する複数のスロット135を備えることができる。
【0027】
ここで
図10-17を参照すると、フラッシュシリンジアセンブリ200の第2の実施形態が示されている。フラッシュシリンジアセンブリ200は、外面206を有する側壁204を含むバレル202を含み、内面208は、流体を保持するためのチャンバー210を規定する。バレル102はさらに、開放近位端112と、チャンバー210と流体連絡する第1の通路220を有する遠位先端218を遠位に延びる遠位壁216を含む遠位端114とを備える。
【0028】
図10~17に示される実施形態は、バレル202の外面206とスライド可能に係合する外側スリーブ232をさらに含み、外側スリーブ232は、内面234、外面236、および周辺遠位面240の開放遠位端238を備える。注射器アセンブリ200は、周辺遠位面240に配置された取り外し可能なシール250aをさらに備える。この装置は、取り外し可能なシール250と遠位先端との間に配置された消毒剤を含むキャップ252および吸収パッド254をさらに備える。
図10-17の実施形態は、キャップ252と吸収パッド254との間に配置された固定シール250bをさらに含む。キャップ252は、バレル202の遠位先端218がキャップ252によって覆われる第1の位置、およびバレル202の遠位先端218が外側スリーブ232の開放遠位端238を通して露出される第2の位置から回転可能である。
【0029】
ここで
図11および12を参照すると、外側スリーブ232とバレル202の相対的なスライド運動は、バレル202の遠位先端218と外側スリーブ232の開放遠位端238とを互いに近づけて動かし、遠位先端218を押して、遠位先端にキャップ252を第1の位置から第2の位置に回転させる。
図13は、キャップ252が遠位先端218を覆う第1の位置252aから位置252dに矢印265の方向に回転し、
図14および15に示すように、キャップ252は遠位先端から離れて位置252cに、次いで、キャップ252はカバーされていない位置であって、遠位先端218が露出している第2の位置である位置252dに回転する。外側スリーブ232およびバレルの相対的な滑り運動は、注射器アセンブリの使用者が、バレルフランジ219に遠位方向(
図11の矢印221の方向)の力を加えながら、外側スリーブフランジ239に近位方向(
図11の矢印241の方向)の力を加えるときに発生する。1つまたは複数の実施形態によれば、ユーザーは、注射器アセンブリ100を用いてVADを洗浄し、次いで、片手を使用して注射器アセンブリをVADに接続することができる。例えば、ユーザーは、人差し指と中指の間に外側スリーブを握って配置することにより、
図2~4に示すように、キャップ付きの注射器アセンブリを第1の位置に保持することができる。次に、ユーザーは、外側スリーブ232を把持することによって、キャップ252および吸収パッド254を邪魔にならないように動かすことができ、外側スリーブをユーザーの指の間に配置し、バレルフランジ219を必要に応じて、ユーザーの手のひらまたは親指に押し込むことによって、近位方向の力を外側スリーブフランジ139に加え、これにより、バレルフランジ119に遠位方向の力を加える。このように力を加える注射器アセンブリ200の使用者は、外側スリーブフランジ239およびバレルフランジ219を互いに向かって圧迫(squeezes)し、キャップ252を遠位先端118から離し、遠位先端218を露出させ、これをVADに接続することができる。
図10-17に示される実施形態では、キャップ252の回転は、固定シール250bを貫通し、吸収パッド254を押し通す。
【0030】
注射器アセンブリ200は、遠位先端218を取り囲む接続カラー270と、接続カラー270と同軸の位置合わせカラー272とを備えるものとしてさらに示され、位置合わせカラー272は、外側スリーブ232と係合する周辺タブ274を備える。外側スリーブ232は、周辺タブ274と協働して、キャップ252を外側スリーブ232の開放遠位端238と位置合わせし、バレル202と外側スリーブ232との間の相対的な滑り運動を案内するスロット235を備える。実施形態に示され、また
図7に最もよく見られるように、外側スリーブのスロット235は、注射器バレル202および外側スリーブ232の意図しない相対運動を防止するための戻り止め(detent)237を備える。
図11および12は、アセンブリをすぐに使用できる位置に保持する、スロット235内の戻り止め237の下にある周辺タブ274を示している。スロット235内の周辺タブ274および戻り止め237は、ユーザーが周辺タブ274を戻り止め237を越えて前進させ、キャップを第1の位置から第2の位置に移動させるのに十分な量の力を加えなければならないように構成される。
図15は、周辺タブ274が戻り止め237を越えて前進し、遠位方向(
図11の矢印221で示されている)に移動し、遠位先端218を外側スリーブの開放遠位端238を越えて前進させて、遠位先端をVADに接続できるようにした後の周辺タブ274を示している。1つまたは複数の実施形態では、位置合わせ(alignment)カラー272は、複数の周辺タブ274、例えば、2つ、3つ、またはそれ以上を備えることができる。外側スリーブ232は、同様に、周辺タブ274と協働して、相対的なスライド運動中に外側スリーブ232およびバレル202を案内する複数のスロット235を備えることができる。
【0031】
図10-17に示される実施形態では、キャップ252は、キャップ252が第1の位置から第2の位置に移動されるときに固定シール250bを貫通するのを助けるために鋭利なエッジ257を含み得る。位置合わせカラー272はまた、スパイクなどの鋭利な特徴277を含み得、これはまた、ユーザーが外側スリーブフランジ239およびバレルフランジ219を圧迫してデバイスを作動させて遠位先端218を露出させるときに固定シール252を貫通し得る。吸収パッドは厚さを有し、キャップ252が吸収パッド254を押し通すことができるように、厚さ全体にパターンをカットすることができる。
【0032】
使用中、注射器アセンブリ200の使用者が取り外し可能なシール250を剥がすと、吸収パッド254が露出し、VADを洗浄または交換するために使用することができる。洗浄中、キャップ252は第1の位置にあり、吸収パッド254は、外側スリーブ232の開いた開放遠位端を通して露出される。ユーザーによる洗浄が完了すると、ユーザーは、上記のようにデバイスを作動させて、キャップ252を第2の位置に配置し、キャップ252を、外側スリーブ232の開放遠位端238を通して回転させて、バレル202の遠位先端218を露出させることができる。
【0033】
1つまたは複数の実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態の取り外し可能なシールは、アルミニウムまたは多層ポリマーフィルムのピールバックトップを含む。取り外し可能なシールは、取り外し可能なシールを外側スリーブの周辺遠位面に接着する適切な接着剤によって液密シールを提供する。取り外し可能なシールは、消毒剤が急速に消散するのを防ぎ、長い貯蔵寿命を促進する。取り外し可能なシールは、耐薬品性、遮光性、非透過性、または滅菌性にすることができる。1つまたは複数の実施形態では、接続カラーはルアーコネクタを含む。
【0034】
図には示されていないが、1つまたは複数の実施形態による注射器アセンブリは、バレルに対するストッパーの動きによってチャンバー内に流体を引き込み、チャンバーから流体を駆動するためにバレルの内面と液密に係合してスライド可能に配置されたストッパーを含む遠位端を含むプランジャーロッドをさらに含むことができる。プランジャーロッドは、バレルの開いた開放近位端から外側に伸びている。
【0035】
1つまたは複数の実施形態による吸収パッドは、消毒剤または抗菌剤を吸収する。消毒剤または抗菌剤は、エタノール、2-プロパノール、ブタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、没食子酸プロピル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン、t-ブチル-ヒドロキノン、クロロキシレノール、クロロヘキシジン、ジクロロベンジルアルコール、デヒドロ酢酸、ヘキセチジン、トリクロサン、およびそれらの混合物からなる群から選択される群から選択される液体またはゲルであり得る。
【0036】
本明細書に記載の注射器アセンブリは、既知の方法を使用してフラッシュ溶液で満たすことができる。さらに、注射器アセンブリは、製造業者または供給業者から事前充填されて提供されてもよい。フラッシュソリューションは、VADのパフォーマンスをフラッシュまたは維持することを目的とした任意のソリューションである。フラッシュ溶液は、生理食塩水フラッシュ溶液およびヘパリンロックフラッシュ溶液などの適切なフラッシュ溶液から選択することができる。これらの溶液は、当技術分野で知られており、容易に入手可能である。生理食塩水フラッシュ溶液の例には、注射用の0.9%塩化ナトリウムUSPが含まれるが、これに限定されない。ヘパリンロックフラッシュ溶液の例としては、1mLあたり100USP単位のヘパリンナトリウムまたは1mLあたり10USP単位のヘパリンナトリウムを含む0.9%塩化ナトリウムが含まれるが、これに限定されない。
【0037】
注射器アセンブリは、カテーテルやIVセットなどの血管アクセスデバイスの洗浄に使用できる。IVセットは非常に複雑になる可能性があり、複数の注入ポート、バルブ、および/またはその他のコンポーネントが含まれる場合がある。
【0038】
VAD’sには、末梢カテーテルおよび中心静脈カテーテルという、2つの一般的な分類がある。末梢カテーテルは、手やアン(ann)などの末梢端の静脈にアクセスするために使用される。末梢カテーテルは、長さが約14mmから48mmの範囲の比較的短い長さであり、約16から24のゲージサイズで利用可能である。最も一般的に使用される末梢カテーテルは、約0.8lmm(0.032インチ)のIDを有する20ゲージおよび約0.66mm(0.026インチ)のIDを有し、約25mmから32mmの長さを有する22ゲージであると考えられている。本明細書で使用される場合、「末梢カテーテル」という用語は、約25mmの長さを有する20ゲージまたは22ゲージのカテーテルを指すことを意図している。中心静脈カテーテルは末梢カテーテルよりもかなり長く、患者に挿入され、心臓の近くで終端する。
【0039】
本開示の別の態様は、血管アクセスデバイスを消毒する方法に関する。この方法は、キャップで覆われた遠位先端を有するバレルを含むフラッシュシリンジアセンブリの遠位端に消毒剤を含む吸収パッドを露出させ、血管アクセスデバイスを吸収パッドと接触させ、次にキャップを回転させてバレルの遠位先端を露出させることを含む。この方法は、本明細書に記載の注射器アセンブリの実施形態を利用することをさらに含むことができ、例えば、注射器バレルとスライド可能に係合する開放遠位端および遠位端面を有する外側スリーブを含む注射器アセンブリであり、この方法は、注射器バレルと外側スリーブを互いに対してスライドさせて、キャップを遠位先端から離れるように回転させる方法をさらに含む。注射器バレルと外側スリーブを相互にスライドさせると、キャップが遠位先端から離れるように回転する。外側スリーブとバレルを互いに対してスライドさせる前に、ユーザーは外側スリーブの遠位端面から取り外し可能なシールを取り外して、吸収パッドを露出させる。取り外し可能なシールを取り外す前(または後)に、ユーザーはストッパーを外すことができる。VADコネクタを擦った(scrubbing)後、ユーザーは外側スリーブをスライドさせてシリンジチップを露出させ、シリンジチップをVADコネクタに取り付け、VADはフラッシュされる。注射器アセンブリは、フラッシング手順の後に取り外され、廃棄される。
【0040】
本開示は特定の実施形態を参照して記載されているが、これらの実施形態は本開示の原理及び応用の例示に過ぎないことが理解されるべきである。したがって、例示的な実施形態に多くの修正を加えることができ、開示される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の構成を考案することができることを理解されたい。
【国際調査報告】