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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】開存性チェックシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20220414BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M5/145
A61M25/06 580
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541656
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020013884
(87)【国際公開番号】W WO2020150476
(87)【国際公開日】2020-07-23
(31)【優先権主張番号】62/794,434
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/742,456
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ スパタロ
(72)【発明者】
【氏名】フイ トラン
(72)【発明者】
【氏名】キャスリン ウィリーバイロ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】バート ディー.ピーターソン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD02
4C267BB02
4C267CC08
4C267FF01
(57)【要約】
開存性チェックシステムは、流路の遠位端で静脈内(IV)装置に連結される流路と、流路の長さに沿って形成された開存性ポートと、流路の開存性を確認するために流路内に血液を選択的に引き込むための、開存性ポートで流路に流体的に連結されたプランジャとを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開存性チェックシステムであって、
流路の遠位端で静脈内(IV)装置に連結される流路と、
前記流路の長さに沿って形成された開存性ポートと、
前記流路の開存性を確認するために流路内に血液を選択的に引き込むための、開存性ポートで流路に流体的に連結されたプランジャと、
を備える、開存性チェックシステム。
【請求項2】
前記プランジャは、前記プランジャを非引き込み状態に引っ張るように付勢されたばねをさらに備える、請求項1に記載の開存性チェックシステム。
【請求項3】
前記プランジャは、流路アダプタを介して前記流路に流体的に連結されるシリンジを形成するためにバレル内に形成される、請求項1に記載の開存性チェックシステム。
【請求項4】
前記流路に沿って形成され、前記流路の前記遠位端と前記プランジャとの中間にある弁をさらに備える、請求項1に記載の開存性チェックシステム。
【請求項5】
前記プランジャに流体的に連結された流体フラッシュリザーバをさらに備え、前記弁は、静脈内装置での開存性チェックと、前記静脈内装置をフラッシュするための前記流体フラッシュリザーバからの流体の引き込みとを選択的に可能にする、請求項4に記載の開存性チェックシステム。
【請求項6】
前記プランジャを非引き込み状態にロックするロック装置をさらに備える、請求項1に記載の開存性チェックシステム。
【請求項7】
臨床医によるボタンの作動時にプランジャを自動的に前進させるリニアモータをさらに備える、請求項1に記載の開存性チェックシステム。
【請求項8】
前記リニアモータは、前記流路の長さに基づいて前記プランジャを設定距離、前進させる、請求項7に記載の開存性チェックシステム。
【請求項9】
前記プランジャを引き戻すために用いられる力を検出する力センサをさらに備える、請求項1に記載の開存性チェックシステム。
【請求項10】
前記力センサは、前記プランジャを引き戻すために用いられる力が前記静脈内装置の非開存性を示していることを前記力センサによって検出された力が示すときに、そのことを説明する通知を臨床医に提示する通知モジュールをさらに備える、請求項9に記載の開存性チェックシステム。
【請求項11】
開存性チェックシステムを製造する方法であって、
流路に開存性ポートを形成する工程と、
流路の遠位端に静脈内(IV)カプラーを形成する工程と、
シリンジを開存性ポートに連結する工程と、
を含み、前記シリンジは、プランジャを備える、方法。
【請求項12】
前記シリンジ内にばねを形成して、前記プランジャを非引き込み状態に付勢する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記開存性ポートと前記流路の遠位端との中間に弁を形成する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
流体フラッシュリザーバをシリンジに流体的に連結して、
静脈内(IV)カプラーで連結した静脈内装置での開存性チェック;および
静脈内装置をフラッシュするための流体フラッシュリザーバからの液体の引き込み
を選択的に可能にする工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記シリンジにロック装置を形成して、前記プランジャを非引き込み状態でロックする工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
リニアモータおよびモータ作動ボタンを前記プランジャに機械的に連結し、前記モータ作動ボタンの臨床医による作動時に前記プランジャを自動的に前進させる工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
血液注入システムであって、
静脈内(IV)装置と、
流路の遠位端で前記静脈内(IV)装置に連結される流路と、
流路の長さに沿って形成された開存性ポートと、
流路の開存性を確認するために、シリンジのプランジャを用いて、血液を選択的に流路内に引き込むための、開存性ポートで流路に流体的に連結されたシリンジと、
を備える、血液注入システム。
【請求項18】
前記シリンジが、前記プランジャを非引き込み状態に引っ張るように付勢されたばねをさらに備える、請求項17に記載の血液注入システム。
【請求項19】
流路に沿って形成され、前記流路の遠位端と前記プランジャとの中間にある弁と、
前記プランジャに流体的に連結された流体フラッシュリザーバと、
をさらに備え、前記弁は、静脈内装置での開存性チェック、および静脈内装置をフラッシュするための流体フラッシュリザーバからの流体の引き込みを選択的に可能にする、請求項17に記載の血液注入システム。
【請求項20】
前記プランジャを非引き込み状態にロックするロック装置をさらに備える、請求項17に記載の血液注入システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
末梢静脈カテーテル(PIVC)などの静脈内(IV)装置は、患者の血流への流路(fluid path)を提供するために、患者の血管内に導入され得る。例えば、静脈内装置および関連する治療システムは、生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。静脈内療法システムは、患者から血液を抜き取るためにも用いられ得る。
【0002】
これらの静脈内装置の使用中、静脈内装置の針および/またはカテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養を患者の血流に何回でも適用するために、患者の血管内にとどまることができる。いくつかの例では、静脈内装置は、最長10日間、患者の血管内にとどまることができる。この時間の間、患者の体内で、ある合併症が、静脈内装置と患者の身体との界面に関連して起こり得る。合併症の1つとして、静脈内装置の使用中の静脈の開存性が挙げられる。本明細書および添付の特許請求の範囲において、用語「開存性(patency)」は、静脈内(IV)または他のカテーテルデバイスが、患者の体内への流路として作用するようにブロックされずに、開かれている状態である。静脈内装置が患者の体内にあるこのような長期間の間、静脈内装置の開存性は損なわれる可能性がある。開存性を確認するために、臨床医は、シリンジを静脈内装置に接続し、一定量の血液を抜き取ったり、一定量の生理食塩水を静脈内装置内に注入したりすることができる。血液の抜き取りの間、臨床医は、静脈内装置の接続ポートで、静脈内装置とシリンジを連結しているチューブ内の血液の量を確認することができる。生理食塩水の注入中、臨床医は患者の血管内への生理食塩水の適切な流れを監視し、抵抗がある場合には、完全な開存性の欠如またはあるレベルの開存性の欠如が静脈内装置内で発生したと判断してもよい。これらの生理食塩水の注入または血液の抜き取りのプロセスは、定期的に、および/または生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養の患者への任意の注入前に完了され得る。
【0003】
静脈内装置は、患者の体内で特定の向きに維持されるべきであるため、静脈内装置の操作が増加すると、脱落、注入部位でのウイルスまたは細菌の侵入、および場合によっては静脈炎などの静脈内装置の合併症を引き起こす可能性がある。静脈炎は血管の炎症で、場合によっては、比較的重篤な病状につながる可能性のある前兆疾患(precursor ailment)となることがある。
【0004】
本明細書に請求される主題は、いずれかの欠点を解決する実施形態、または本明細書に記載されるような環境においてのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景は、現在説明されている実施形態が動作し得る環境を説明するために提供される。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に、開存性チェックシステムに関する。開存性チェックシステムは、流路の遠位端で静脈内(IV)装置に連結される流路と、流路の長さに沿って(along a length of the fluid path)形成された開存性ポートと、そして、流路の開存性を確認するために流路内に血液を選択的に引き込むための、開存性ポートで流路に流体的に連結されたプランジャとを含むことができる。プランジャは、ある実施形態では、バレル内に形成されてシリンジを形成してもよい。一実施形態では、シリンジは、開存性チェックシステムが使用されていないときに偶発的な血液の引き込みを防止するために、プランジャを非引き込み状態に付勢するばねを含むことができる。
【0006】
本明細書に記載される開存性チェックシステムは、静脈内装置への流路としての、ある長さのチューブ(a length of a tube)も含み得る。長さはさまざまであってよいが、本明細書では、開存性の血液の引き込みまたは開存性の生理食塩水の注入プロセス中に、臨床医が静脈内装置を直接操作しないように、流路の長さが静脈内装置から離れた距離を超えてもよいことを意図している。
【0007】
本明細書に記載されている開存性チェックシステムはまた、流路に沿って形成され、流路の遠位端とプランジャとの中間にある弁と、プランジャに流体的に連結された流体フラッシュリザーバとともにプランジャとを含んでもよく、弁は、静脈内装置での開存性チェックと、静脈内装置をフラッシュするための流体フラッシュリザーバからの流体の引き込みとを選択的に可能にするように作られてもよい。
【0008】
開存性チェックシステムのある実施形態において、シリンジ内にプランジャを自動的に引き込むために、リニアモータまたは他のモータ装置が含まれてもよい。リニアモータは、臨床医によるボタンの作動によってプランジャが引き出され、静脈内装置から一定量の血液が引き出されるか、または生理食塩水リザーバから生理食塩水が引き出されるように、電源および作動ボタンに電気的に連結されてもよい。ある実施形態では、開存性チェックシステムは、プランジャを引き戻すために用いられる力を検出する力センサを含むことができる。力センサはさらに、プランジャを引き戻すために用いられる力が静脈内装置の非開存性を示していることを力センサによって検出された力が示すときに、そのことを説明する通知を臨床医に提示する通知モジュールも含む。
【0009】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、特許請求の範囲に記載されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的な変更を行ってもよいことも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味では解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
例示的な実施形態は、添付の図面を用いて、さらなる具体性および詳説を伴って記載および説明される。
【0011】
図1】本開示の一実施形態による開存性チェックシステムの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態による開存性チェックシステムの斜視図である。
図3A】本開示の一実施形態による開存性チェックシステムの上面図である。
図3B】本開示の一実施形態による開存性チェックシステムの上面図である。
図3C】本開示の一実施形態による開存性チェックシステムの上面図である。
図4】本開示のある実施形態による開存性チェックシステムの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用される場合、用語「近位の」は、使用中、静脈内治療システムを使用する臨床医に最も近く、装置が使用される患者から最も遠い、静脈内治療システムの針の位置を指す。逆に、用語「遠位の」は、使用中、静脈内治療システムを使用する臨床医から最も遠く、静脈内治療システムが使用される患者に最も近い静脈内治療システムの針の位置を指す。
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「上部(top)」、「上方へ(up)」または「上方に(upwardly)」は、使用中に、静脈内治療システムの長手軸から半径方向に離れ、かつ患者の皮膚から離れる、この静脈内治療システムの針の位置を指す。逆に、本明細書で使用される場合、用語「下部(bottom)」、「下方へ(down)」または「下方に(downwardly)」は、使用中、装置の長手軸から半径方向に離れて患者の皮膚に向かう、この静脈内治療システムの針の位置を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「中に(in)」または「内方に(inwardly)」は、使用中、静脈内治療システムの内側に向かう、この静脈内治療システムの針に関する位置を指す。逆に、本明細書で使用される場合、用語「外に(out)」または「外方に(outwardly)」は、使用中に静脈内治療システムの外側に向かう、この静脈内治療システムの針に関する位置を指す。
【0015】
本発明は、異なる実施形態における同様の要素に対して同様の参照番号を用いて本明細書に記載される。本明細書に記載される実施形態は、血液試料を受け取るか、または患者の体内に薬剤を導入するための静脈内治療システムとしての使用に関連して用いられるが、この静脈内治療システムは、針および/またはカテーテルが患者の血管内に挿入されることが望ましい他の医療装置にも適用可能であることが理解されるべきである。さらに、静脈内治療システムの実施形態は、多くの異なる形態の実施形態によって満足されるが、添付の特許請求の範囲によって示される開示の範囲を有する本発明の好ましい実施形態が図面に示され、本明細書に詳細に記載される。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態による、開存性チェックシステム100の斜視図である。開存性チェックシステム100は、本明細書に記載する任意の実施形態に従って、静脈内装置120に連通連結され(communicatively coupled)てもよい。静脈内装置120は、患者内の血管にアクセスすることができる任意の装置であってよく、とりわけ、血管へのアクセスを得るための針およびカテーテルを含むことができる。一実施形態では、カテーテルが患者の血管内にとどまるように、針を静脈内装置120から取り外してもよい。ある実施形態では、静脈内装置120のカテーテルは、10日間も患者の体内にとどまることができる。操作を防止するために、静脈内装置120は、静脈内装置120の注入位置から離れた位置に配置される開存性チェックシステム100に流体的に連結されてもよい。さらに、開存性チェックシステム100が静脈内装置120からいっそう離れた位置に配置されているので、静脈内装置120は、例えばテープを用いて患者に固定されてもよく、それによって、臨床医が図1に示された留置状態(indwell state)の静脈内装置120を操作することなく、開存性チェックシステム100による静脈内装置120の流体チャネルへのアクセスを可能にする。
【0017】
一実施形態では、開存性チェックシステム100は、バレル115内に収容されたプランジャ105を含むことができる。ある実施形態では、バレル115およびプランジャ105は、静脈内装置120と開存性チェックシステム100との間に配置された流路150に流体的に連結されたシリンジを形成することができる。この実施形態では、シリンジは、バレル115を流路150内に形成されたポートに連結するために使用される専用ポートを介して、流路150にアクセスすることができる。図1に示された例示的な実施形態では、バレル115は、プランジャ105が、流路150の内部に流体的に連結された状態で、流路150に一体化されたポートの一部を形成してもよい。
【0018】
流路150は、流路カプラー125を有してもよい。流路カプラー125は、この実施形態では、開存性チェックシステム100の流路150を、静脈内装置120に関連するチューブまたは他のアクセスポートに連結することができる。一実施形態では、流路カプラー125は、静脈内装置120に形成された相補的なねじ切りカプラーと連結するねじ切りを含むことができる。開存性チェックシステム100を静脈内装置120に流体的に連結するこの流路カプラー125は、開存性チェックシステム100を操作する臨床医が静脈内装置120を操作しなくてもいいように、静脈内装置120の留置期間中に維持されてもよい。
【0019】
開存性チェックシステム100は、任意の数の流体ポート110をさらに含み得る。本明細書に記載される実施形態では、流体ポート110は、開存性チェックシステム100を流体フラッシュリザーバ(図示せず)に流体的に連結してもよい。この実施形態では、流体フラッシュリザーバは、開存性チェックシステム100の動作中に、開存性チェックシステム100にフラッシュ流体を提供し得る。ある実施形態では、流体ポート110は、生理食塩水、種々の薬剤、または非経口栄養を、開存性チェックシステム100および静脈内装置120を介して患者に導入するために使用されてもよい。流路カプラー125と同様に、流体ポート110は、流体ポート110が、本明細書に記載される、生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養の流体フラッシュリザーバまたは他の供給源に連結されることを可能にするねじ山または他のタイプの連結装置を含んでもよい。
【0020】
図2は、本開示の一実施形態による、開存性チェックシステム100の斜視図である。図1と同様に、開存性チェックシステム100は、本明細書に記載する任意の実施形態に従って、静脈内装置120に連通連結されてもよい。静脈内装置120は、患者内の血管にアクセスすることができる任意の装置であってよく、とりわけ、血管へのアクセスを得るための針およびカテーテルを含むことができる。一実施形態では、カテーテルが患者の血管内にとどまるように、針を静脈内装置120から取り外してもよい。ある実施形態では、静脈内装置120のカテーテルは、10日間も患者の体内にとどまることができる。操作を防止するために、静脈内装置120は、静脈内装置120の注入位置から離れた位置に配置される開存性チェックシステム100に流体的に連結されてもよい。さらに、開存性チェックシステム100が静脈内装置120からいっそう離れた位置に配置されているので、静脈内装置120は、例えばテープを用いて患者に固定され得、それによって、臨床医が静脈内装置120を留置状態で操作することなく、開存性チェックシステム100による静脈内装置120の流体チャネルへのアクセスを可能にする。
【0021】
一実施形態では、開存性チェックシステム100は、バレル115内に収容されたプランジャ105を含むことができる。ある実施形態では、バレル115およびプランジャ105は、静脈内装置120と開存性チェックシステム100との間に配置された流路150に流体的に連結されたシリンジを形成することができる。この実施形態では、シリンジは、バレル115を流路150内に形成されたポートに連結するために使用される専用ポートを介して、流路150にアクセスすることができる。図1に示された例示的な実施形態では、バレル115は、プランジャ105が、流路150の内部に流体的に連結された状態で、流路150に一体化されたポートの一部を形成してもよい。
【0022】
開存性チェックシステム100は、プランジャ105に機械的に連結されたばね135をさらに含み得る。図2は、プランジャ105が臨床医130によってバレル115を通って出て行くことを示す。プランジャ105は、本明細書に記載される実施形態において、静脈内装置120を介して患者内から一定量の血液155を抜き出すために、臨床医130によって一定の距離だけバレル115から引き出され得る(矢印140)。血液155が静脈内装置120のチューブおよび/または開存性チェックシステム100の流路150を通って引き出されるとき、血液155は、臨床医130によって視覚的に知覚可能であり得る。ばね135は、臨床医130が、この開存性チェックプロセスの間にバレル115に加えられた力を解放するときに、プランジャ105をバレル115内に引き戻すように付勢されていてもよい。
【0023】
一実施形態では、ばね135は、プランジャ105がバレル115内から完全に取り外されるのを防止することができる。類似の実施形態または代替の実施形態では、プランジャ105が機械的にバレル115から完全に引き出されるのを防止するように、止め具(stop)を、プランジャ105とバレル115との間に形成してもよい。
【0024】
繰り返しになるが、流路150は、流路カプラー125を有してもよい。流路カプラー125は、この実施形態では、開存性チェックシステム100の流路150を、静脈内装置120に関連するチューブまたは他のアクセスポートに結合することができる。一実施形態では、流路カプラー125は、静脈内装置120に形成された相補的なねじ切りカプラーと連結するねじ切りを含むことができる。開存性チェックシステム100を静脈内装置120に流体的に連結するこの流路カプラー125は、開存性チェックシステム100を操作する臨床医が静脈内装置120を操作しないように、静脈内装置120の留置期間を通して維持されてもよい。
【0025】
開存性チェックシステム100は、任意の数の流体ポート110をさらに含み得る。本明細書に記載する実施形態では、流体ポート110は、開存性チェックシステム100を流体フラッシュリザーバ(図示せず)に流体的に連結してもよい。この実施形態では、流体フラッシュリザーバは、開存性チェックシステム100の操作中に、開存性チェックシステム100にフラッシュ流体を提供してもよい。ある実施形態では、流体ポート110は、生理食塩水、種々の薬剤、または非経口栄養を、開存性チェックシステム100および静脈内装置120を介して患者に導入するために使用されてもよい。流路カプラー125と同様に、流体ポート110は、流体ポート110が本明細書に記載される生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養の流体フラッシュリザーバまたは他の供給源に連結されることを可能にするねじ山または他のタイプの連結装置を含んでもよい。
【0026】
図3Aは、本開示の一実施形態による、開存性チェックシステム200の上面図である。開存性チェックシステム200は、本明細書に記載される任意の実施形態に従って、静脈内装置(図示せず)に連通連結されてもよい。静脈内装置は、患者内の血管にアクセスすることができる任意のデバイスであってよく、とりわけ、血管へのアクセスを得るための針およびカテーテルを含んでもよい。ある実施形態では、静脈内装置のカテーテルは、10日間も患者の体内にとどまることができる。操作を防止するために、静脈内装置は、静脈内装置の注入位置から離れた位置に配置される開存性チェックシステム200に流体的に連結されてもよい。さらに、開存性チェックシステム200が静脈内装置からいっそう離れた位置に配置されているので、静脈内装置は、例えばテープを用いて患者に固定され得、それによって、臨床医が静脈内装置を留置状態で操作することなく、開存性チェックシステム200による静脈内装置の流体チャネルへのアクセスを可能にする。
【0027】
開存性チェックシステム200は、バレル215内に同軸に形成され、開存性チェックシステム200内に形成された流体チャネルに流体的に連結されたプランジャ205をさらに含み得る。一実施形態では、プランジャ205およびバレル215は、図3Aに示されるようなシリンジの形態であり得る。バレル215は、いくつかの例において、そのプランジャ205を有するバレル215が、開存性チェックシステム200内の流体チャネルに流体的に連結されることを可能にするねじ山を含み得る。
【0028】
プランジャ205は、臨床医が選択的に、プランジャ205をバレル215から引き出したり、プランジャ205をバレル215内に押し込んだりするために使用し得るプランジャアームおよびプランジャヘッドを含んでもよい。一実施形態では、バレル215は、プランジャ205をバレル215の内面に機械的に連結するばね235を含んでもよい。本明細書に記載されているように、ばね235は、バレル215の外へのプランジャ205の動きに抵抗するように付勢されていてもよい。一実施形態では、ばね235は、プランジャ205のバレル215からの完全な取り外しを防止し得る。一実施形態では、バレル215は、プランジャ205がバレル215から完全に取り外されるのを防止するためにバレル215内に形成された構造を含むことができる。
【0029】
バレル215はまた、任意の測定インジケータを含んでもよい。これらの測定インジケータは、開存性チェックシステム200を静脈内装置に連結する流路内から除去される気体の量を臨床医に示してもよい。
【0030】
開存性チェックシステム200は、流路カプラー225をさらに含んでもよい。流路カプラー225は、一実施形態では、開存性チェックシステム200の流路(図示せず)を、静脈内装置に関連するチューブまたは他のアクセスポートに連結してもよい。一実施形態では、流路カプラー225は、静脈内装置に形成された相補的なねじ切りカプラーと連結するねじ切りを含むことができる。開存性チェックシステム200を静脈内装置に流体的に連結するこの流路カプラー225は、開存性チェックシステム200を操作する臨床医がそこに流体的に連結された静脈内装置を操作しなくてもいいように、静脈内装置の留置期間中に維持されてもよい。
【0031】
開存性チェックシステム200は、流体ポート210をさらに含み得る。本明細書に記載される実施形態では、流体ポート210は、開存性チェックシステム200を流体フラッシュリザーバ(図示せず)に流体的に連結し得る。この実施形態では、流体フラッシュリザーバは、開存性チェックシステム200の作動中に、開存性チェックシステム200にフラッシュ流体を提供してもよい。ある実施形態では、流体ポート210は、生理食塩水、種々の薬剤、または非経口栄養を、開存性チェックシステム200および静脈内装置を介して患者に導入するために使用されてもよい。流路カプラー225と同様に、流体ポート210は、流体ポート210が、本明細書に記載される生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養の流体フラッシュリザーバまたは他の供給源に流体的に連結されることを可能にするねじ山または他のタイプの連結装置を含み得る。
【0032】
開存性チェックシステム200は、弁245をさらに含んでもよい。一実施形態では、弁245は、バレル215と静脈内装置に通じる流路カプラー225との間に形成されてもよい。さらに、図3Aに示される例示的な実施形態では、弁245は、バレル215と、流体フラッシュリザーバまたは他の薬剤リザーバに通じる流体ポート210との間に配置されてもよい。弁245は、一実施形態では、バレル215内のプランジャ205の作動を介して、バレル215と静脈内装置との間の流路を介して血液を選択的に引き込むために、臨床医によって手動で操作されてもよい。これは、バレル215と流体フラッシュリザーバとの間の流体通路(fluidic passage)が弁245によってふさがれるか、さもなければ弁245によって連結が解除されている間に行われてもよい。また、弁245は、一実施形態では、バレル215内のプランジャ205の作動を介して、流体フラッシュリザーバからフラッシュ流体を選択的に引き込むために、臨床医によって手動で操作されてもよい。
【0033】
図3Aは、本明細書に記載するように、プランジャ205を作動させて静脈内装置を通して一定量の血液を引き込みし得るような向きに配置された弁245を示す。この実施形態では、弁245は、流路カプラー225を介して開存性チェックシステム200に連結された静脈内装置内の流路と、バレル215の内部とを流体的に連結する流体通路を含んでもよい。図3Aは、非引き込み状態でのバレル215内のプランジャ205も示す。この状態では、プランジャ205は、バレル215内に気体が存在しないように、バレル215内に配置される。作動中に、弁245が図3Aに示される向きにある状態で、臨床医は、プランジャ205をバレル215から離れたところまで引っ張ることによって、血液を引き込む手順を行い得る。これにより、バレル215内および流路内に負圧が形成され、その結果、負圧が患者の血管内から、本明細書に記載される流路を介して開存性チェックシステム200に流体的に連結された静脈内装置を介して、一定量の血液が引き込みまれる。一実施形態では、流路は半透明のチューブを備えるので、臨床医は、プランジャ205の作動時に、血液が引き込まれているかどうかを検出することができる。臨床医が、血液が静脈内装置から引き込まれることを検出する実施形態では、臨床医は、静脈内装置の開存性が維持されていると結論することができる。しかしながら、臨床医がプランジャ205を作動させたときに、血液が静脈内装置を通って引き込みがされず、臨床医が流路において目視で検出可能な場合、臨床医は、静脈内装置の開存性が、静脈内装置内に形成された流路を遮断する血液または他の流体によって損なわれていると結論することができる。この時点で、臨床医は、静脈内装置を取り外し、閉塞のない新しい静脈内装置を再挿入することを選択してもよい。ある実施形態では、プランジャ205の作動時に、臨床医は、プランジャ205における、予想される以上の抵抗を検出することができるが、それでも静脈内装置から血液が引き込まれていることを視覚的に検出することができる。この実施形態では、臨床医は、IVカテーテルが部分的に開存性を有し、その結果、静脈内装置を通る流体が、その中の完全ではない閉塞のために減速され得ることを確認することができる。この時点で、臨床医は、静脈内装置を交換するか、または本明細書に記載の流体フラッシュプロセスを実施することを選択してもよい。
【0034】
開存性チェックシステム200の作動中、弁245は、弁245のアームが流体ポート210の方を指すように回転され得る。これは、臨床医に、流路がバレル215と、流体ポート210で開存性チェックシステム200に連結された流体フラッシュリザーバとの間に形成されることを視覚的に示すことができる。本明細書に記載されるように、流体フラッシュリザーバは、本明細書に記載される流路を介して開存性チェックシステム200に流体的に連結された静脈内装置をフラッシュするために使用される一定量のフラッシュ流体を維持し得る。この実施形態の操作において、臨床医は、プランジャ205を作動させることによって、一定量のフラッシュ流体をバレル215内に引き込むことができる。臨床医がプランジャ205をこの後退状態に維持している間に、臨床医は、図3Aに示されるように、弁245のアームを再び流路カプラー225に向けて回転させることができる。その後、臨床医は、プランジャ205をさらにバレル215内に通過させて、バレル215から、流路を通って、静脈内装置内の流体チャネル内に一定量のフラッシュ流体を渡すことができる。フラッシュ流体は、あらゆる閉塞物を患者の血管内に洗い戻す試みにおいて、静脈内装置の流体チャネルを通過させてもよい。本明細書に示される実施形態では、フラッシュ流体は、精製水および患者の血液の塩分濃度と一致するかまたはほぼ一致する塩化ナトリウムのレベルを含む生理食塩水であってもよく、したがって、患者の血流に含まれても、患者の健康に悪影響を及ぼさないであろう。開存性チェックシステム200の操作は、フラッシュ流体が静脈内装置内のあらゆる閉塞物を十分にフラッシュしたかどうかを決定するために、本明細書に記載されるように、臨床医が再び血液の引き込みプロセスを行いながら継続してもよい。
【0035】
一実施形態によると、開存性チェックシステム200は、臨床医がプランジャ205を引き込み状態、半引き込み状態、および/または非引き込み状態に選択的にロックすることを可能にするロック装置を含んでもよい。プランジャ205を非引き込み状態に固定することにより、臨床医は、本明細書に記載されているように、血液またはフラッシュ流体の偶発的な引き込みを防止することができる。プランジャ205を引き込み状態または半引き込み状態に固定することによって、臨床医は、一定量のフラッシュ流体または負圧を維持することができ、一方、臨床医は、本明細書に記載されるように、弁245の作動に対処する。
【0036】
一実施形態によると、開存性チェックシステム200は、プランジャ205に機械的に連結されるリニアモータ(図示せず)を含んでもよい。開存性チェックシステム200は、リニアモータを動かすための電源(図示せず)をさらに含むことができる。さらに、開存性チェックシステム200は、電源およびリニアモータに電気的に連結された作動ボタン(図示せず)を含んでもよい。この実施形態の開存性チェックシステム200の操作中、臨床医は、作動ボタンを作動させて、リニアモータにプランジャ205をバレル215内から自動的に引いて動かすことができる。この実施形態では、臨床医は、一定量の血液が静脈内装置の流体チャネル内から引き出されているかどうかを観察している間、またはフラッシュ流体のバレル215内への流れを監視している間、作動ボタンを作動させることができる。
【0037】
一実施形態によると、開存性チェックシステム200は、電源に電気的に連結された力センサ(図示せず)と、電源および力センサにも連結された通知モジュール(図示せず)とをさらに含み得る。動作中、力センサは、プランジャ205をバレル215から移動させるために用いられる力を検出することができる。プランジャ205を移動させるために用いられる力(臨床医によって物理的に、またはリニアモータによって機械的に)が、ある閾値を超えない実施形態では、通知モジュールは、プランジャ205を移動させるために用いられる力が、静脈内装置から一定量の血液を引き出すのに十分であることを臨床医に示す、視覚的インジケータ、可聴インジケータ、触覚インジケータを提供してもよく、または、インジケータを全く提供しなくてもよい。これは、臨床医に対して、静脈内装置内の流体チャネルが開存しており、血液がそこを通過できることを示す。プランジャ205を移動させるために用いられる力(臨床医によって物理的に、またはリニアモータによって機械的に)がある閾値を超えている実施形態では、通知モジュールは、プランジャ205を移動させるために用いられる力が、静脈内装置から一定量の血液を引き出すのに十分ではないことを臨床医に示す、視覚的インジケータ、可聴インジケータ、触覚インジケータを提供してもよい。これは、臨床医に、静脈内装置内の流体チャネルが開存しておらず、血液がそこを通過できないことを示す。
【0038】
図3Bは、本開示の一実施形態による、開存性チェックシステム200の上面図である。開存性チェックシステム200は、本明細書に記載される任意の実施形態による静脈内装置(図示せず)に連通連結されてもよい。静脈内装置は、患者内の血管にアクセスすることができる任意のデバイスであってよく、とりわけ、血管へのアクセスを得るための針およびカテーテルを含んでもよい。ある実施形態では、静脈内装置のカテーテルは、10日間も患者の体内にとどまることができる。操作を防止するために、静脈内装置は、静脈内装置の注入位置から離れた位置に配置される開存性チェックシステム200に流体的に連結されてもよい。さらに、開存性チェックシステム200が、静脈内装置からさらに離れた位置に配置されるので、静脈内装置は、例えばテープを使用して患者に固定され得、それによって、臨床医が静脈内装置を留置状態で操作することなく、開存性チェックシステム200による静脈内装置の流体チャネルへのアクセスを可能にする。
【0039】
開存性チェックシステム200は、図3Aに関連して記載されたものと類似の、バレル215内に同軸に形成されたプランジャ205、バレル215内に形成されたばね235、流路カプラー225、および流体ポート210をさらに含み得る。図3Bに関連して本明細書に記載されたこれらの要素は、図3Aに関連して記載されたものと類似であり得るが、本明細書では、これらの要素のそれぞれの異なる実施形態が、図3Bに示された類似の要素に反映され得ることを意図している。さらに、ある実施形態において、図3Bの開存性チェックシステム200はまた、図3Aに関連して記載された機能を提供する、リニアモータ(図示せず)、電源(図示せず)、作動ボタン(図示せず)、力センサ(図示せず)、および通知モジュール(図示せず)をも含み得る。
【0040】
図3Bは、さらに、流路カプラー225を介して開存性チェックシステム200に流体的に連結された流路250を示す。流路250は、本明細書に記載されるように、開存性チェックシステム200を静脈内装置に流体的に連結することができる。図3Bに示す実施形態では、流路250は、臨床医が血液またはフラッシュ流体のような流体の通過を視覚的に検出することを可能にする半透明チューブであってもよい。
【0041】
一実施形態では、IV連結装置265は、流路250の遠位端に形成され得る。本明細書に記載されるように、IV連結装置265は、流路250を静脈内装置に機械的に連結し得、その結果、流体チャネルが、開存性チェックシステム200からIVカテーテルまで形成され得る。流路250は、ある実施形態では、静脈内装置が偶発的に操作されないように、開存性チェックシステム200が、静脈内装置に対して十分に離れた位置に配置されるような長さを有してもよい。流路250を含むことにより、臨床医は、静脈内装置の留置状態に影響を与えることなく、本明細書に記載するように、開存性チェックシステム200を操作することができる。
【0042】
一実施形態では、流路250は、流路クランプ260を含むことができる。流路クランプ260は、気体、血液、またはフラッシュ流体などの流体が流路250を通過するのを選択的に防止することができる。特定の実施形態では、流路クランプ260は、臨床医が本明細書に記載されるように弁245および/またはプランジャ205を作動させている場合に、弁245が回転するときに流体が偶発的に移動するのを防止するために、流路250を挟んでもよい。
【0043】
図3Cは、本開示の一実施形態による、開存性チェックシステム200の上面図である。開存性チェックシステム200は、本明細書に記載する任意の実施形態に従って、静脈内装置280に連通連結されてもよい。静脈内装置280は、患者内の血管にアクセスすることができる任意の装置であってよく、とりわけ、血管へのアクセスを得るための針およびカテーテルを含むことができる。ある実施形態では、静脈内装置280のカテーテルは、10日間も患者の体内にとどまることができる。操作を防止するために、静脈内装置280は、静脈内装置280の注入位置から離れた位置に配置される開存性チェックシステム200に流体的に連結されてもよい。さらに、開存性チェックシステム200が静脈内装置280からいっそう離れた位置に配置されているので、静脈内装置280は、例えばテープを使用して患者に固定され得、それによって、臨床医が静脈内装置280を留置状態で操作することなく、開存性チェックシステム200による静脈内装置280の流体チャネルへのアクセスを可能にする。
【0044】
開存性チェックシステム200は、図3Aに関連して記載されたものと類似の、バレル215内に同軸に形成されたプランジャ205、バレル215内に形成されたばね235、流路カプラー225、および流体ポート210をさらに含み得る。図3Cに関連して本明細書に記載されたこれらの要素は、図3Aに関連して記載されたものと類似であり得るが、本明細書では、これらの要素のそれぞれの異なる実施形態が、図3Cに示された類似の要素に反映され得ることを意図している。さらに、ある実施形態において、図3Cの開存性チェックシステム200はまた、図3Aに関連して記載された機能を提供する、リニアモータ(図示せず)、電源(図示せず)、作動ボタン(図示せず)、力センサ(図示せず)、および通知モジュール(図示せず)をも含み得る。
【0045】
図3Cは、さらに、流路カプラー225を介して、開存性チェックシステム200に流体的に連結された流路250を示す。流路250は、本明細書に記載されるように、開存性チェックシステム200を静脈内装置に流体的に連結することができる。図3Cに示される実施形態では、流路250は、臨床医が血液またはフラッシュ流体のような流体の通過を視覚的に検出することを可能にする半透明チューブであってもよい。
【0046】
一実施形態では、流路250は、流路カプラー225で開存性チェックシステム200に機械的かつ流体的に連結される静脈内装置280の一部を形成してもよい。流路250は、ある実施形態では、静脈内装置280が偶発的に操作されないように、開存性チェックシステム200が静脈内装置280に対して十分に離れた位置に配置されるような長さを有してもよい。流路250を含むことにより、臨床医は、静脈内装置280の留置状態に影響を与えることなく、本明細書に記載するように、開存性チェックシステム200を操作することができる。
【0047】
一実施形態では、流路250は、流路クランプ260を含むことができる。流路クランプ260は、気体、血液、またはフラッシュ流体などの流体が流路250を通過するのを選択的に防止することができる。特定の実施形態では、流路クランプ260は、臨床医が本明細書に記載されるように弁245および/またはプランジャ205を作動させている場合に、弁245が回転するときに流体が偶発的に移動するのを防止するために、流路250を挟んでもよい。
【0048】
図3Cは、さらに、流体ポート210に流体的に連結された流体フラッシュリザーバ270を示す。この実施形態では、流体フラッシュリザーバ270は、開存性チェックシステム200の動作中に、開存性チェックシステム200にフラッシュ流体を提供し得る。ある実施形態では、流体ポート210は、生理食塩水、種々の薬剤、または非経口栄養を、開存性チェックシステム200および静脈内装置280を介して患者に導入するために使用されてもよい。流路カプラー225と同様に、流体ポート210は、流体ポート210が、本明細書に記載される、生理食塩水、種々の薬剤、および非経口栄養の流体リザーバ270または他の供給源に連結されることを可能にするねじ山または他のタイプの連結装置を含んでもよい。流体フラッシュリザーバ270は、開存性チェックシステム200の動作中に、本明細書に記載する静脈内装置280のフラッシュプロセスを実施するために、そこから一定量のフラッシュ流体を引き出すために使用され得る。
【0049】
図4は、本開示のある実施形態による、開存性チェックシステムの製造方法400を示すフローチャートである。方法400は、ブロック405において、流路に開存性ポートを形成する工程を含み得る。開存性ポートは、本明細書に記載のバレルおよびプランジャが連結され得る流路に沿った任意の位置であり得る。
【0050】
方法400は、ブロック410において、流路の遠位端に静脈内(IV)カプラーを形成する工程を続けてもよい。IVカプラーは、本明細書に記載するように、開存性チェックシステムを静脈内装置に機械的かつ流体的に連結することを可能にする任意のデバイスであってよい。
【0051】
方法400はさらに、シリンジを開存性ポートに連結する工程であって、シリンジがプランジャを備える、工程も含み得る。本方法のシリンジは、図1~3Cのいずれかに関連して本明細書に記載されるプランジャおよびバレルであってもよい。
【0052】
方法40は、ある実施形態において、図1~3Cに関連して記載されたこれらの追加要素をさらに追加する工程を含み得る。これらの追加要素は、限定されるものではないが、本明細書に記載された機能を提供する、リニアモータ、電源、作動ボタン、力センサ、通知モジュール、流体フラッシュリザーバ、および流路クランプを含む。
【0053】
繰り返しになるが、本出願の実施形態は、組み合わせてもよいことが理解される。一例として、図1~4の実施形態は、実施される動作の種類に基づく特定の用途に適合するように配置されてもよい。
【0054】
本明細書に記載する開存性チェックシステムは、本明細書に記載するように、静脈内装置の開存性の評価および静脈内装置のフラッシュを可能にし得る。開存性チェックシステムは、これらのチェックの各々の間にシリンジを静脈内装置に接続する必要なく、静脈内装置の開存性チェックを可能にする。開存性チェックシステムは、本明細書に記載する開存性チェックおよび流体フラッシュプロセス中に静脈内装置の留置が変更されないように、開存性チェックシステムを静脈内装置から離れた位置に配置する、独立型装置、カテーテルの一部、または拡張セットの一部であってもよい。この開存性チェックシステムは、静脈内装置の脱落、静脈内装置の注入部位における感染、および静脈炎の発生の可能性を減少させる。
【0055】
本明細書に記載される全ての例および条件付き言語は、本発明および本技術の発展に本発明者が貢献した概念を読者が理解するのを助けるための教育的な目的のためのものであり、このような具体的に記載された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本開示の実施形態を詳細に説明してきたが、開示された実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を本明細書で行うことができることを理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【国際調査報告】