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特表2022-523901粉体と液体の混合装置のロータ及び粉体と液体の混合装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-27
(54)【発明の名称】粉体と液体の混合装置のロータ及び粉体と液体の混合装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/80 20220101AFI20220420BHJP
   B01F 23/50 20220101ALI20220420BHJP
【FI】
B01F7/16 G
B01F3/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021539619
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2020050828
(87)【国際公開番号】W WO2020156806
(87)【国際公開日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】102019102585.0
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521297602
【氏名又は名称】イーストラル ゲーエムベーハー マシーネンバオ ウント プロセステヒニーク
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】マンケ、ダーヴィト
(72)【発明者】
【氏名】ゼーガー、ハンスペーター
【テーマコード(参考)】
4G035
4G078
【Fターム(参考)】
4G035AB46
4G035AE13
4G078AA02
4G078BA01
4G078BA05
4G078DA16
4G078DA21
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】スループットが比較的大きく粉体のへばりつきが比較的少ない粉体・液体混合装置の提供。
【解決手段】粉体と液体の混合装置のためのロータ。該ロータは、アウターブレード支持プレート(215)と、該アウターブレード支持プレート(215)に形成されており半径方向外方に位置し軸方向に延伸する複数のアウターブレード(127)と、該アウターブレード支持プレート(215)と中央部に設けられたシャフト受容部(117)の間の結合構造体(203)を有する。前記結合構造体は、前記アウターブレード支持プレート(215)と前記シャフト受容部(117)の間に延伸する複数の結合アーム(203)によって構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体と液体の混合装置のためのロータであって、
該ロータは、アウターブレード支持プレート(215)と、該アウターブレード支持プレート(215)に形成されており半径方向外方に位置し軸方向に延伸する複数のアウターブレード(127)と、該アウターブレード支持プレート(215)と中央部に設けられたシャフト受容部(117)の間の結合構造体(203)を有し、
前記結合構造体は、前記アウターブレード支持プレート(215)と前記シャフト受容部(117)の間に延伸する複数の結合アーム(203)によって構成されていること
を特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記アウターブレード支持プレート(215)と前記結合アーム(203)の間に、軸方向に延伸する結合ウェブ(212)が形成されていること
を特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は軸方向に対し直角に配向された面に位置していること
を特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は、軸方向に対し角度をなすよう構成されて(angestellt)おり、及び、前記シャフト受容部(117)が配された隆起部を有するドーム状部(603)を形成していること
を特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載のロータにおいて、
結合アーム(203)には、シャフト受容部(117)の半径方向外方に配置された剪断ブレード(124)が形成されていること
を特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は半径方向においてアウターブレード(127)と面一になっていること
を特徴とするロータ。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は周方向において前記アウターブレード(127)に対しずらされていること
を特徴とするロータ。
【請求項8】
粉体と液体を混合するための装置であって、
該装置は、請求項1~7の何れかに記載のロータ(109)を有し、
結合アーム(203)の異なる複数の側において粉体と液体の供給が行われること
を特徴とするロータ。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
複数の混合物貫流開口(115)を有するリング状壁部材(112)を備えるステータ(106)が設けられており、
該リング状壁部材(112)はロータ(109)のアウターブレード(127)の半径方向内側に配置されていること
を特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部(前置部)に応じた粉体と液体の混合装置のためのロータに関する。
【0002】
本発明は、更に、そのようなロータを有する、粉体と液体の混合装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この種のロータは及びこの種の装置はEP3069786A1から既知である。既知のロータは、アウターブレード支持プレートと、該アウターブレード支持プレートに形成され半径方向外方に位置し軸方向に延伸する複数のアウターブレードを有する。更に、アウターブレード支持プレートと中央部に設けられたシャフト受容部との間の結合構造体として、アウターブレード支持プレートと比べて肉厚の楔形インナープレートが設けられている。
【0004】
US1862906A及びDE29608713U1から、複数の結合アームを有するアウターブレード支持プレートを備えた構成された粉体と液体の混合装置のためのロータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP3069786A1
【特許文献2】US1862906A
【特許文献3】DE29608713U1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、比較的大きな輸送量(スループット)と、粉体側へのへばりつき(Verkleben)に対する比較的小さな傾向(性質)を有する冒頭に記載したタイプのロータ及びそのようなロータを備えた装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、冒頭に記載したタイプのロータが本発明に応じ請求項1の特徴部の特徴を有することによって解決される。
【0008】
この課題は、本発明に応じた装置が請求項8の特徴部の特徴を有することによって解決される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
【0010】
本発明に応じた結合構造体がアウターブレード支持プレートとシャフト受容部の間に延伸する複数の結合アームであって、軸方向における液体の比較的大きな輸送量(スループット)を形成する(結合アーム間の)中間に位置する自由領域(複数)を備えた複数の結合アームによって構成されることによって、比較的大きな液体表面及び液体の比較的大きな貫流速度(率)、従ってへばりつきの傾向が小さく全体として比較的大きな物質輸送量(スループット)が達成される。
【0011】
本発明の目的に適する更なる形態は従属請求項の対象である。
【0012】
本発明の目的に適する更なる形態及び利点は図面を参照した本発明の以下の実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に応じたロータの一実施例を有する本発明に応じた装置の一実施例の部分分解斜視図。
図2】本発明に応じたロータの一実施例の斜視図。
図3図2に示したロータの実施例の平面図。
図4図2及び図3に示したロータの実施例の断面図。
図5】本発明に応じたロータの更なる一実施例の斜視図。
図6】本発明に応じたロータの更なる一実施例の斜視図。
図7図6に示したロータの実施例の平面図。
図8図6に示したロータの実施例の断面図。
【実施例
【0014】
図1は、本発明に応じた粉体と液体の混合装置の一実施例を部分分解斜視図で示す。図1に示した実施例は処理室ハウジング103を備えて構成されており、処理室ハウジング103内には、定置のステータ106が当該処理室ハウジング103(の内周面)に対向して配置されており、かつ、回転可能なロータ109がステータ106に対向して配置されている。
【0015】
ステータ106は、全体的に(周方向に:umfaenglich)閉じられたシリンダ形状に構成されたリング状壁部材112を有し、リング状壁部材112は混合物貫流開口(複数)115を備えて構成されている。
【0016】
ロータ109は、中央部に位置するシャフト受容部117の領域に配されたロータ固定ネジ118を介して、動力駆動可能な駆動シャフト121に結合されている。ロータ109は、半径方向内方に位置する複数の剪断ブレード124と、半径方向外方に位置する複数のアウターブレード127を有する。これらのブレードは、それぞれほぼ軸方向に延伸しかつそれらの間にリング状壁部材受容ギャップ130が形成されている。該ギャップには、ステータ106とロータ109が規定通りに配置されたとき、リング状壁部材112が嵌め込まれている。
【0017】
更に、駆動シャフト121が部分的に液体供給室ハウジング133によって取り囲まれていることを図1から見出すことができる。液体供給室ハウジング133は処理室ハウジング103に密封的にフランジで固定されており、かつ、半径方向に配向された液体供給連結管136を備えて構成されている。液体供給連結管136を図1に不図示の液体供給輸送管に連結すると、液体は、剪断ブレード124(が位置する側)と(アウターブレード支持プレート215に関し)反対の側で、処理室ハウジング103へ供給可能になる。
【0018】
液体供給室ハウジング133(が位置する側)と反対の側では、処理室ハウジング103に、処理室蓋139がフランジで固定されている。処理室蓋139は、軸方向に配向された粉体供給連結管142を備えて構成されている。粉体供給連結管142が図1に不図示の粉体供給輸送管に接続されると、剪断ブレード124に指向された側において、処理室ハウジング103に粉体が供給可能になる。
【0019】
処理室ハウジング103は、また、半径方向に配向された混合物流出連結管145を有し、処理室ハウジング103内でステータ106とロータ109の協働の下で生成される粉体と液体の混合物が、混合物流出連結管145を介して、図1に不図示の混合物流出輸送管へ供給可能になる。
【0020】
図2は、本発明に応じたロータ109の一実施例を斜視図で示す。このロータ109は、本発明に応じた装置において、とりわけ図1に示した相応の実施例において、使用可能である。本発明に応じたロータ109の図2に示した実施例は、図1に関連して既に説明した要素(複数)に加えて、結合構造体として、複数のウェブ状(ないし板片状)の(strebenartig)結合アーム203を有する。結合アーム203は、この実施例では、その中央領域にロータ固定ネジ118が配されている(1つの)(平)面に位置している。幾つかの結合アーム203には、半径方向外方に剪断ブレード(複数)124が形成されており(angeformt)、剪断ブレード124は軸方向において結合アーム203から離隔するよう延伸(軸方向突部を形成)している。
【0021】
シャフト受容部117から星状に(概略半径方向外方ないし放射状に)離隔するよう延伸する結合アーム(複数)203間には、半径方向内方に先細になるよう構成された(複数の)液体流出領域206が、夫々同じ角度範囲にわたって延在し、結合アーム203の周にわたって規則的に(一定間隔で)分散配置されている自由領域(複数)として、設けられている。結合アーム203の半径方向外方の円周に位置する端面(複数)209は、この実施例では、半径方向においてアウターブレード(の内周面)127に対向している。
【0022】
結合アーム203の半径方向外方に位置する端部(複数)には、剪断ブレード(複数)124とは反対の側に、軸方向に延伸する結合ウェブ(Verbindungsstege)(複数)212が形成されており、これらの結合ウェブ212の結合アーム203から離隔する側の端部(複数)にはアウターブレード支持プレート215が(一体的に)形成されている(angeformt)。アウターブレード支持プレート215は、円環の形態を有し、結合アーム203に対向し軸方向に平行にシフトされた(1つの)(平)面に配されており、そのため、隣り合う結合ウェブ212間には夫々1つの液体貫流チャンネル218が形成されている。
【0023】
アウターブレード支持プレート215はアウターブレード(複数)127を担持し、アウターブレード127は、実質的に直方体の形状に構成され、その長辺が半径方向において延伸し、軸方向においてはアウターブレード支持プレート215から、結合アーム203の反対側に位置する剪断ブレード124の上面221に位置する(対応する)(平)面まで延伸する。
【0024】
剪断ブレード(複数)124は、この実施例では、夫々、鋭角三角形の形状の楔の基本形態で構成されており、この楔の先端領域は半径方向内方を指向している。この場合、各楔形剪断ブレード124の半径方向外方を指向する終端壁(Abschlusswand)224は、結合アーム203の端面209の周に対応する半径で丸められるよう形成されている。そのような剪断ブレード124の各々の側壁227、230は(それぞれ)平面的に形成されており、かつ、鋭角的に互いに接近して結合し、前端部としての、軸方向に延伸するシャープな(鋭い)前縁(フロントエッジ)233を形成する。
【0025】
図2から明らかなように、実線の矢印236で示されたロータ109の規定通りの回転方向Rにおいて、(剪断ブレードの)前縁233が、主成分が破線の矢印239で示され回転方向Rに或る半径方向成分だけ追加された(外方に示された)(回転方向Rと)反対方向の混合時の流動方向Fに関して、前方に(先頭に)位置するよう、楔形剪断ブレード124は半径方向に対して配向(調整)されて(angestellt)いる。
【0026】
かくして、流体力学的にリーサイド(Leeseite:風下側ないし下流側)に即ち主流動方向を基準として背面側に位置する後側側壁230に対する効果的な後流(Hinterstroemung)が層流成分(複数)を伴って生成し、そのため、後側側壁230における妨害的な積着及び付着の危険が低下する。
【0027】
後側側壁230における妨害的な積着及び付着の危険の更なる低下のために、及び、混合プロセスを実行する際の粉体と液体の混合物をリング状壁部材112の方向へ効果的(効率的)に方向転換するために、流動方向Fに関して前側の側壁227が流動方向Fに関して後側の側壁230よりも前縁233を通過する直径に対しよりフラットになるよう(より傾斜が小さくなるよう)構成されていると目的に適する。
【0028】
積着耐性及び付着に対する抵抗性を更に改善するために、後側側壁230から結合アーム203への移行(部)は移行領域242において丸みが付けられるよう構成されている。
【0029】
図2に示した実施例では、楔形剪断ブレード124は、半径方向において、アウターブレード127に直接的に対向している。かくして、比較的大きな剪断作用(効果)と、積着及び付着を回避する又は少なくとも連続運転のために許容可能な程度に維持(抑制)する(表面)接触流動(Anstroemung)が生じる。
【0030】
図3は、本発明に応じたロータ109の図2に示した実施例を平面図で示す。図3から分かるように、楔形に構成された剪断ブレード124はその前縁233が回転方向R(矢印)へかつ流動方向F(矢印)に向かって前方に(先頭に)位置するよう構成(配向)されて(angestellt)おり、そのため、流動方向Fに関し後側に位置する側壁230は、シャフト受容部117と前縁233を通過し一点鎖線303によって示されたアウターブレード支持プレート215の直径Dに対し相対的に大きな角度α、例えば直角をなすよう配向(構成)されており、他方、流動方向Fに関し前側に位置する側壁227は、角度αに対しより小さな角度βでアウターブレード支持プレート215のこの直径Dに対し斜めに、従って、流動方向Fへ向かってよりフラットになるよう構成(配向)されている。
【0031】
かくして、前側側壁227において、粉体と液体の混合のために、ステータ106のリング状壁部材112は混合物貫流開口115を貫流するための半径方向外方への効果的(効率的)な方向転換が生じ、従って、極めて有効(効率的)な混合挙動が得られ、他方、後側側壁230に沿った流れは、この領域における積着及び付着の回避ないし抑制に役立つ少なからぬ層流成分を有する。
【0032】
更に、図3に示した記載から明確に理解できるように、液体流出領域206は軸方向において、結合アーム203のアウターブレード支持プレート215を指向する側から結合アーム203の剪断ブレード124を担持する側への直接的な移行(部)を形成する(即ち、連通空間を形成する)。かくして、[液体の]比較的大きな輸送量(スループット)と液体の存在が達成される。
【0033】
図4は、本発明に応じたロータ109の図2及び図3を用いて説明した実施例を図3のIV-IV線断面図で示す。図4の記載から見出すことができるように、ロータ109は、図4に不図示の駆動シャフト121を受容するようかつ該シャフトをロータ固定ネジ118によって固定するよう構成された駆動シャフト受容スリーブ403を有する。
【0034】
図4から更に分かるように、一方では、流体力学的自由領域として作用する(機能する)液体流出領域206によって、軸方向において、結合アーム203の両側間の直接的な連通が形成されるのに対し、他方では、液体貫流チャンネル218を通るロータ固定ネジ118に境を接する駆動シャフト受容スリーブ403の領域での半径方向における液流の一部の方向反転(転換)後、ステータ106を規定通りに配置したときに剪断ブレード124とアウターブレード127の間に形成されるリング状壁部材受容ギャップ130内に位置する図4に不図示のリング状壁部材112の方向へ直接的に液体の貫流が形成される。
【0035】
液体流出領域206の(流れ断面の)サイズ(大きさ)を変更することによって、液体流出領域206を通って流出し、液体貫流チャンネル218を通って半径方向に貫流する液体の割合は、比較的大きなスループット(の達成)に加えて、とりわけ粉体側への比較的大きな液体取り込み(侵入)による粉体のへばりつき(Verkleben)に対する比較的小さな傾向(性質)を達成するために、その都度達成されるべき混合結果に適合されることができる。
【0036】
図5は、本発明に応じたロータ109の更なる一実施例を斜視図で示す。本発明に応じたロータ109の図2図3及び図4を用いて説明した実施例と本発明に応じたロータ109の図5を用いて説明する実施例において、互いに対応する構成要素には同じ図面参照符号が付されており、従って、以下においては詳細には説明されていない。
【0037】
本発明に応じたロータ109の図5を用いて説明する実施例は、本発明に応じたロータ109の図2図4を用いて説明した実施例と比べると、楔形剪断ブレード124がアウターブレード127に対し周方向にずらされている点において、変形されている。図5に示した実施例では、楔形剪断ブレード124は周方向において(隣り合う)アウターブレード127間に位置している。かくして、ロータ109の回転方向(R)において楔形剪断ブレード124がアウターブレード127の後側に配置されていることによって、比較的大きな粉体吸引速度が生じる。
【0038】
図6は、本発明に応じたロータ109の更なる一実施例を斜視図で示す。本発明に応じたロータ109の図2図5を用いて説明した実施例と本発明に応じたロータ109の図6を用いて説明する実施例において、互いに対応する構成要素には同じ図面参照符号が付されており、従って以下において詳細には説明されていない。
【0039】
図6に示したロータ109は、既に説明した実施例(複数)とは異なり、アウターブレード支持プレート215に形成されたアウターブレード127のみを有し、他方、結合アーム(複数)203はアウターブレード(複数)127の軸方向においてアウターブレード支持プレート215から離れるように延伸し、(互いに対し)(所定の)角度をなすよう構成(配向)されて(angestellt)おり、かつ、アウターブレード127が位置する側に(隆起する)ドーム状部(Kuppel)603を形成している。ドーム状部603の隆起領域にはシャフト受容部117とロータ固定ネジ118が配されている。
【0040】
図7は、本発明に応じたロータ109の図6を用いて説明した実施例を平面図で示す。図7から分かる通り、このロータ109は、極めて大きく(深く)半径方向内方に及ぶ(達する)液体流出領域(即ち、流れ断面)206と、星形(ないし略放射状に)に配置され比較的細い(filigran)結合アーム(複数)203を有し、従って、軸方向において流出する比較的大きな量(割合)の液体を提供すると共に、粉体のへばりつきの傾向(性質)がこの実施例では格別に小さいという結果をもたらす。
【0041】
図8は、本発明に応じたロータ109の図6及び図7を用いて説明した実施例を図7のVIII-VIII線断面図で示す。図8から分かるように、ドーム状部603(の上端)は軸方向においてアウターブレード127の高さのほぼ真ん中あたりに位置付けられている。更に分かるように、駆動シャフト受容スリーブ403はその外側においてドーム状部603に境を接するその領域が丸み(角取り)が付けられており、そのため、この場合、駆動シャフト受容スリーブ403の付近をよぎって半径方向外方へ流れる液体の部分は、アウターブレード127の方向において半径方向外方へ方向転換する。(液体の)この部分は、斜設された結合アーム203によって提供される顕著な(ausgepraegt)剪断作用を受ける。
【0042】
【符号の説明】
【0043】
106 ステータ
109 ロータ
112 リング状壁部材
115 混合物貫流開口
117 シャフト受容部
124 剪断ブレード
127 アウターブレード
203 結合アーム
205 結合構造体
212 結合ウェブ
215 アウターブレード支持プレート
603 ドーム状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2020-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体と液体の混合装置のためのロータであって、
該ロータは、アウターブレード支持プレート(215)と、該アウターブレード支持プレート(215)に形成されており半径方向外方に位置し軸方向に延伸する複数のアウターブレード(127)と、該アウターブレード支持プレート(215)と中央部に設けられたシャフト受容部(117)の間の結合構造体(203)を有し、
前記結合構造体は、前記アウターブレード支持プレート(215)と前記シャフト受容部(117)の間に延伸する複数の結合アーム(203)によって構成されていること
前記アウターブレード支持プレート(215)と、1つの平面に位置しかつ前記シャフト受容部(117)から星状に離隔するよう延伸するウェブ状の結合アーム(203)の間に、軸方向に延伸する結合ウェブ(212)が形成されていること、
結合アーム(203)と結合アーム(203)の間に、半径方向内方に先細になるよう構成された複数の液体流出領域(206)が、夫々同じ角度範囲にわたって延在し、結合アーム(203)の周にわたって規則的に分散配置されている自由領域として、設けられていること
を特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は軸方向に対し直角に配向された面に位置していること
を特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は、軸方向に対し角度をなすよう構成されて(angestellt)おり、及び、前記シャフト受容部(117)が配された隆起部を有するドーム状部(603)を形成していること
を特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1~の何れかに記載のロータにおいて、
結合アーム(203)には、シャフト受容部(117)の半径方向外方に配置された剪断ブレード(124)が形成されていること
を特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項1~の何れかに記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は半径方向においてアウターブレード(127)と面一になっていること
を特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項1~の何れかに記載のロータにおいて、
前記結合アーム(203)は周方向において前記アウターブレード(127)に対しずらされていること
を特徴とするロータ。
【請求項7】
粉体と液体を混合するための装置であって、
該装置は、請求項1~の何れかに記載のロータ(109)を有し、
結合アーム(203)の異なる複数の側において粉体と液体の供給が行われること
を特徴とするロータ。
【請求項8】
請求項に記載の装置において、
複数の混合物貫流開口(115)を有するリング状壁部材(112)を備えるステータ(106)が設けられており、
該リング状壁部材(112)はロータ(109)のアウターブレード(127)の半径方向内側に配置されていること
を特徴とする装置。
【国際調査報告】