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特表2022-524222マルチプロジェクタ3次元印刷のためのデバイス、システム、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(54)【発明の名称】マルチプロジェクタ3次元印刷のためのデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/282 20170101AFI20220421BHJP
   B29C 64/129 20170101ALI20220421BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220421BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220421BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220421BHJP
   B29C 64/393 20170101ALI20220421BHJP
【FI】
B29C64/282
B29C64/129
B33Y30/00
B33Y10/00
B33Y50/02
B29C64/393
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560334
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 US2020025838
(87)【国際公開番号】W WO2020205804
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】62/826,361
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440600
【氏名又は名称】アズール・3ディー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・フリン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・ヴァルディレス
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL43
4F213WL76
4F213WL85
4F213WL96
(57)【要約】
3次元印刷、たとえば積層造形のためのデバイス、システム、および/または方法が提供され、ここでは、エネルギーパターニング(たとえば、ライトパターニング)モジュールのアレイが、アレイのパターニングモジュールの実装を調整するために自動化位置制御システムとともに使用される。アレイの実装は、感覚フィードバックによって制御することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターニングモジュールのアレイから離れたコントローラにより共通制御下にある前記パターニングモジュールの前記アレイの一部としての、積層造形システム用のパターニングモジュールであって、前記パターニングモジュールは、
積層造形のためにエネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタと、
前記マイクロプロジェクタの、前記パターニングモジュールの前記アレイ内の他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタに対する配置を制御するための多軸マイクロポジショニングシステムと、
を備え、
前記マイクロポジショニングシステムは、前記リモートコントローラによって与えられるパターニングデータに基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含む、パターニングモジュール。
【請求項2】
前記多軸マイクロポジショニングシステムは、前記マイクロプロジェクタの、前記アレイの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタに対する配置を実施し、前記アレイのマイクロプロジェクタの視野を位置合わせして連続した表示領域を生成する、請求項1に記載のパターニングモジュール。
【請求項3】
前記多軸マイクロポジショニングシステムは、前記リモートコントローラからの自動化された制御コマンドに従って前記マイクロプロジェクタの配置を実施して、前記マイクロプロジェクタの視野を前記アレイの前記他のパターニングモジュールの少なくとも1つの視野と自動的に位置合わせする、請求項2に記載のパターニングモジュール。
【請求項4】
前記リモートコントローラは、データを収集するための少なくとも1つのセンサーと通信し、前記他のパターニングモジュールのうちの1つ以上の相対位置を判定して、前記マイクロプロジェクタの前記視野を前記アレイの少なくとも1つの他のパターニングモジュールの前記マイクロプロジェクタと位置合わせするように構成される、請求項3に記載のパターニングモジュール。
【請求項5】
前記リモートコントローラによって、前記マイクロプロジェクタおよび前記マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方を考慮したフィードバック制御情報を使用して、前記多軸マイクロポジショニングシステムに対する自動化された制御コマンドが生成される、請求項3に記載のパターニングモジュール。
【請求項6】
前記マイクロプロジェクタおよび前記多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方と通信し、前記マイクロプロジェクタおよび前記多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方の動作を制御するための前記パターニングデータを含む制御コマンドを前記リモートコントローラから受信するように構成されたマイクロコンピュータをさらに備える、請求項1に記載のパターニングモジュール。
【請求項7】
マイクロコンピュータによって前記リモートコントローラから受信される前記パターニングデータは、前記多軸マイクロポジショナに対する位置コマンドを含む、請求項6に記載のパターニングモジュール。
【請求項8】
マイクロコンピュータによって前記リモートコントローラから受信される前記パターニングデータは、積層造形のために前記マイクロプロジェクタによって投影すべき投影データセットを含む、請求項6に記載のパターニングモジュール。
【請求項9】
前記マイクロコンピュータとリモートコントローラとの間の通信が暗号化される、請求項6に記載のパターニングモジュール。
【請求項10】
前記マイクロコンピュータと前記リモートコントローラとの間の前記通信の暗号化は、前記パターニングモジュールに関連するアドレスに送られるベクターストリングの暗号化を含む、請求項9に記載のパターニングモジュール。
【請求項11】
暗号化は、対称暗号の適用を含む、請求項10に記載のパターニングモジュール。
【請求項12】
暗号化は、前記積層造形システムに固有の暗号キーおよびトークンのうちの1つ以上の適用を含む、請求項9に記載のパターニングモジュール。
【請求項13】
暗号化は、データバッファリング周波数およびデータ送信速度の少なくとも一方に基づいてx-y画像平面データおよびz画像スタックの少なくとも一方をスクランブルすることを含む、請求項9に記載のパターニングモジュール。
【請求項14】
積層造形デバイスであって、
デバイスコントローラと、
前記デバイスコントローラの共通制御下にあるパターニングモジュールのアレイであって、前記デバイスコントローラが、前記パターニングモジュールアレイに対して離れて配置される、パターニングモジュールのアレイと、
を備え、
前記アレイ内の前記パターニングモジュールの各々は、
積層造形のためにエネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタと、
前記マイクロプロジェクタの、前記パターニングモジュールの前記アレイ内の他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタに対する配置を制御するための多軸マイクロポジショニングシステムと、
を備え、
前記マイクロポジショニングシステムが、前記デバイスコントローラによって与えられるパターニングデータに基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含む、積層造形デバイス。
【請求項15】
各パターニングモジュールは、対応する前記マイクロプロジェクタおよび多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方と通信するマイクロコンピュータをさらに備え、各マイクロコンピュータは、対応する前記マイクロプロジェクタおよび多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方の動作を制御するための前記パターニングデータを含む制御コマンドを前記リモートコントローラから受信するように構成される、請求項12に記載の積層造形デバイス。
【請求項16】
前記多軸マイクロポジショニングシステムは、1つ以上の前記マイクロプロジェクタの、前記アレイの他のパターニングモジュールの少なくとも1つのマイクロプロジェクタに対する配置を実施し、前記アレイの前記マイクロプロジェクタの視野を位置合わせして連続した表示領域を生成する、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項17】
前記多軸マイクロポジショニングシステムは、前記リモートコントローラからの自動化された制御コマンドに従って前記1つ以上のマイクロプロジェクタの配置を実施して、前記アレイの前記マイクロプロジェクタの視野を自動的に位置合わせする、請求項16に記載の積層造形デバイス。
【請求項18】
データを収集するための少なくとも1つのセンサーをさらに備え、前記少なくとも1つのセンサーは、前記デバイスコントローラと通信し、前記パターニングモジュールのうちの1つ以上の相対位置を判定して、前記アレイの前記マイクロプロジェクタの1つ以上の視野を位置合わせするように構成される、請求項17に記載の積層造形製造デバイス。
【請求項19】
前記リモートコントローラによって、前記マイクロプロジェクタおよび前記マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方を考慮したフィードバック制御情報を使用して、前記多軸マイクロポジショニングシステムに対する自動化された制御コマンドが生成される、請求項18に記載の積層造形デバイス。
【請求項20】
少なくとも1つのマイクロコンピュータによって前記リモートコントローラから受信される前記パターニングデータは、前記多軸マイクロポジショナに対する位置コマンドを含む、請求項15に記載の積層造形デバイス。
【請求項21】
少なくとも1つのマイクロコンピュータによって前記リモートコントローラから受信される前記パターニングデータは、前記マイクロプロジェクタによって投影すべき投影データセットを含む、請求項15に記載の積層造形デバイス。
【請求項22】
前記マイクロコンピュータのうちの1つ以上とリモートデバイスコントローラとの間の通信が暗号化される、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項23】
暗号化は、前記パターニングモジュールに関連するアドレスに送られるベクターストリングの暗号化を含む、請求項22に記載の積層造形デバイス。
【請求項24】
暗号化は、対称暗号の適用を含む、請求項23に記載の積層造形デバイス。
【請求項25】
暗号化は、前記積層造形システムに固有の1つ以上の暗号キーの適用を含む、請求項22に記載の積層造形デバイス。
【請求項26】
暗号化は、データバッファリング周波数およびデータ送信速度の少なくとも一方に基づいてx-y画像平面データおよびz画像スタックの少なくとも一方をスクランブルすることを含む、請求項22に記載の積層造形デバイス。
【請求項27】
前記パターニングデータは、前記アレイの異なるモジュール間の投影を同期させるための同期データを含む、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項28】
前記アレイの1つ以上のパターニングモジュールの取り付けを受けるように構成されたベースマウントをさらに備える、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項29】
前記ベースマウントは、いくつかの接続ポートを含み、各接続ポートは、前記ベースマウント上に取り付けられた前記パターニングモジュールのうちの1つと通信する、請求項28に記載の積層造形デバイス。
【請求項30】
前記パターニングデータは、前記アレイの異なるパターニングモジュール間の投影を同期させるための同期データを含む、請求項1に記載のパターニングモジュール。
【請求項31】
前記パターニングモジュールの前記視野は、前記パターニングモジュールのフットプリントよりも大きい、請求項1に記載のパターニングモジュール。
【請求項32】
前記アレイの前記パターニングモジュールのうち少なくとも1つのパターニングモジュールの視野は、前記少なくとも1つのパターニングモジュールのフットプリントよりも大きい、請求項14に記載の積層造形デバイス。
【請求項33】
積層造形を実行する方法であって、
複数のパターニングモジュールのアレイによる投影されたエネルギーの放出を、前記パターニングモジュールアレイに対して離れたデバイスコントローラによって制御するステップであって、前記アレイ内の前記パターニングモジュールの各々が、エネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタを含む、ステップと、
多軸マイクロポジショニングシステムを使用して、前記マイクロプロジェクタの、前記パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を制御するステップであって、前記マイクロポジショニングシステムが、前記リモートデバイスコントローラによって与えられる命令に基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項34】
前記マイクロプロジェクタおよび/または前記多軸マイクロポジショニングシステムに結合されたマイクロコンピュータによって前記リモートデバイスコントローラから受信されたデータを、前記マイクロプロジェクタまたは多軸マイクロポジショニングシステムに中継するステップをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記マイクロコンピュータと前記リモートデバイスコントローラとの間で送られる前記データを暗号化するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記多軸マイクロポジショニングシステムは、前記マイクロプロジェクタの、前記パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を自動的に制御することにより、前記パターニングモジュールアレイの前記マイクロプロジェクタの視野を自動的に位置合わせして連続した表示領域を生成する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
感覚要素を使用してデータを収集し、前記パターニングモジュールの相対位置を判定して、前記マイクロプロジェクタの前記視野を前記アレイ内の少なくとも1つの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタと位置合わせするステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記多軸マイクロポジショニングシステムの制御は、前記マイクロプロジェクタおよび/または前記マイクロポジショナを含むフィードバックループを使用して実行される、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
この特許出願は、2019年3月29日に出願され、“METHOD AND SYSTEM FOR METHODOLOGIES AND HARDWARE FOR MULTI-PROJECTOR THREE DIMENSIONAL PRINTING”という名称を有する米国仮出願第62/826361号の優先権の利益を主張し、同出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本開示は、3次元印刷に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/200173号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開示される実施形態は、3次元印刷、たとえば、3次元印刷用のステレオリソグラフィックアプローチ(SLA)および/またはデジタルライトパターニング(DLP)を含んでもよい積層造形のためのデバイス、システム、および方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、3D印刷方法においてエネルギーパターニング(たとえば、ライトパターニング)モジュールのアレイが使用されてもよい。
【0006】
少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、各パターニングモジュールは、プロジェクタを含むエネルギーパターニングシステムと連動する多軸マイクロポジショニングシステムを含んでもよい。
【0007】
少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、投射システムおよび/またはマイクロポジショナは、エネルギーパターニングシステムの自動的な位置合わせを行って連続表示領域を生成するためのフィードバック制御ループに関与してもよい。
【0008】
少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、各パターニングモジュールは、ローカルまたはリモートホストからコマンドを受信してエネルギーパターニングシステムおよび/またはマイクロポジショニングシステムに割り振ることに関与する搭載マイクロコンピュータを含んでもよい。マイクロコンピュータとホストとの間の通信は、(i)有線または無線であり、(ii)暗号化され、かつ(iii)双方向であってもよい。
【0009】
少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、マイクロコンピュータは、パターニングモジュールに送られたコマンド/データを受信し、エネルギーパターニングシステムの投影のエネルギー出力(パターンと強度の両方)を制御してもよい。マイクロポジショナは、パターニングモジュールについてパターニングモジュール内のプロジェクタと一緒に位置を調整するために使用されるコマンド/データを受信してもよい。
【0010】
図面に例示的な実施形態が示されており、この実施形態について以下に図を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】開示される実施形態に従って設計されたパターニングモジュールの実例の図である。
図2】開示される実施形態に従って設計されたパターニングモジュールの実例の図である。
図3】開示される実施形態に従って設計されたパターニングモジュールの実例の図である。
図4】開示される実施形態に従って設計されたパターニングモジュールの実例の図である。
図5】光学ボードに取り付けられた単一のパターニングモジュールの実例の図である。
図6】開示される実施形態に従って使用されてもよいモジュールの例示的な組合せの比較および例示のために光学ボード上に取り付けられたパターニングモジュールの3x3アレイ(合計9つ)の実例の図である。
図7】位置合わせが完全にはならない取り付け部を有する2つの別個のプロジェクタからの視野を位置合わせする位置合わせ動作の例を示す図である。
図8】位置合わせが完全にはならない取り付け部を有する2つの別個のプロジェクタからの視野を位置合わせする位置合わせ動作の例を示す図である。
図9】開示される実施形態による3x3アレイにおけるパターニングモジュールの位置合わせ動作の一例を示す図である。
図10】開示される実施形態による3x3アレイにおけるパターニングモジュールの位置合わせ動作の一例を示す図である。
図11】大直径のガスケットを印刷するための少なくとも1つの開示される実施形態による、視野が位置合わせされた光学モジュールの上面図である。
図12】大直径のガスケットを印刷するための少なくとも1つの開示される実施形態による、視野が位置合わせされた光学モジュールの別の上面図である。
図13】本開示による別の光学モジュールの図である。
図14】本開示による別の光学モジュールの図である。
図15】本開示による別の光学モジュールの図である。
図16】本開示による別の光学モジュールの図である。
図17】本開示による別の光学モジュールの図である。
図18図13図17の光学モジュールが取り付けられたベースマウントを含む積層造形システムの斜視図である。
図19図13図17の複数の光学モジュールが取り付けられたベースマウントを示す図18の積層造形システムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
従来、積層造形のためのステレオリソグラフィックアプローチ(SLA)は、競合する技術を超える独自の機能および技術的機会を提示している。これは、SLAが、堅牢な材料のライブラリからオブジェクトを生成しつつ、高印刷速度を実現することができるからである。
【0013】
SLA用の印刷構成の中心的役割を果たすのは「光エンジン」、すなわちプロジェクタであり、プロジェクタは、造形プロセスにおいて感光液体樹脂の重合反応を駆動するように光/エネルギーをパターニングすることに関与する。投影光のスペクトル、投影光の出力密度、および光をパターニングできる速度はすべて、光エンジンを利用する積層造形デバイスまたはプリンタの機能を支配する。
【0014】
本開示では、「エネルギー」という用語は、限定はしないが、放射エネルギー、たとえば、可視光と不可視光の両方を含む様々な形態で測定されるエネルギーを指すために使用される。したがって、「エネルギー」の印加が、限定はしないが、熱、光(放射)、電気エネルギー、磁気エネルギーの印加を含むことを意図していることを理解されたい。
【0015】
積層造形デバイスにおける光/エネルギーパターニングには2つの共通する経路が存在する。第1の経路は、一連の電動ミラー(たとえば、「ガルバノ」とも呼ばれる反照検流計、または共鳴断層撮影装置)を有する2次元(2D)平面を介して移動させるレーザ光線を利用して、印刷すべき正味形状の2D断面画像をトレースする。
【0016】
代替的に、デジタルライトプロセッシング(DLP)チップを従来のプロジェクタ構成において使用して2D平面にわたって微細画素をパターニングすることができ、各画素は、内部クロック周波数で更新される。
【0017】
結局、どちらの光/エネルギーパターニング技法も、より大きい2Dプリントベッドにスケーリングする能力に関して制限を有する。
【0018】
走査レーザ光線の場合、ビームが広がる距離が延びるにつれて、ビーム断面の方位分解能の対応する損失が生じる。これによって、印刷オブジェクトの分解能の対応する損失が生じる。さらに、固定スキャン速度を使用する結果として、サイズが大きくなると2D表示周波数がかなり遅くなり、これによって、走査レーザ光線を使用して構成される任意の3Dプリンタの垂直印刷速度が制限される。
【0019】
DLPベースパターニング技術の場合、映写レンズを使用してより大きい2D領域を覆ってもよい。しかし、従来、市場において入手可能なDLPチップの画素密度が限られているので、同様にこの構成の技術的効果は制限される。より詳細には、画素密度が制限されているので、より広い領域にわたって投影すると、単に投影画素が大きくなり、3D印刷オブジェクトが粗くなる。
【0020】
DLP手法のさらなる制限は、より広い領域にスケーリングしたときに、投影出力密度が制限されることである。これは、単位面積当たりに給送される光子が少なくなると、印刷機構に関与する化学反応が低速になり、印刷プロセスのボトルネックになるからである。この問題に対処する従来の手法には、複数のプロジェクタを使用してより広い領域に対処することが含まれる。そのような手法は、数十年も前からエンタテインメント産業におけるライティングの専門家によって、DLPとレーザ走査システムの両方とともに使用されている。このようにして、各独立光エンジンの投影領域を切り替えて大きい画像を生成することができる。実際、従来、(たとえば、特許文献1において開示されたように)光エンジンのアレイが3D印刷を首尾よく実行することが示されている。
【0021】
しかし、実装時には、各独立光エンジンの効果を組み合わせるには、無限手段においてこれらのプロジェクタをタイリングするのを可能にする方法および機器が必要である。ミラーを使用して2~4つのプロジェクタを容易にアレイとしてタイリングすることができるが、ある点を超えると、従来知られているミラーの使用法では、スケーリングが不可能ではないにしても非実用的になる。
【0022】
したがって、より多い数のライトパターニングモジュールをタイリングするための新しい構成が必要である。現在開示されている実施形態は、マイクロパターニングモジュールの高い横方向精度の自動位置合わせおよびステッチング(すなわち、500μmよりも小さい画素サイズ)を可能にするハードウェアおよびソフトウェアによって実施されるシステムを提供する。
【0023】
開示される実施形態は、SLA印刷アプリケーション用のDLPベースマイクロプロジェクタ(本明細書では、一緒に「DLP SLA」印刷アプリケーションと呼ぶ)をタイリングする技術的有用性を有効化するが、本明細書で説明するハードウェアおよび技法は、他の形態の3D印刷に適用される技術的有用性も有し、そのような技術的有用性では、複数のエネルギーパターニングモジュールが使用されてもよいことを理解されたい。
【0024】
たとえば、本明細書で開示される新規技術は、選択的レーザ(SL)SLA(SL-SLAと呼ばれることが多い)または選択的レーザ焼結法(SLS)に適用される特定の有用性を有し、この有用性では、強化された分解能によってより広い領域に対処するように複数のレーザモジュールがタイリングされてもよい。
【0025】
本明細書で説明するハードウェアおよび対応するソフトウェアは、2D投影面がハードウェアフットプリントよりも実質的に一桁大きい(たとえば、演劇ステージ、映画スクリーン、建物の外観など)ことが多い従来のエンタテインメントアプリケーションにおいて使用されているハードウェアおよびソフトウェアに対して技術的構造と機能の両方において特異的であることを理解されたい。
【0026】
そればかりでなく、3D印刷の技術的造形コンテキストおよび工業造形コンテキストでは、2D投影面は、投影/パターニングハードウェアのフットプリントよりも小さいことが多い。したがって、開示される実施形態は、小型化された投影ハードウェアおよびそのようなハードウェア用の対応する位置合わせシステムを利用してシステムを所望の投影領域よりも狭いフットプリントに適合させる。
【0027】
そのような実装形態は、より大きい2Dプリントベッドにより効果的にスケーリングする能力を有効化する。上記で言及したように、光学系におけるパターニングモジュールの数が増えるにつれて、それらのモジュールの厳密な位置合わせがより大きな問題となる。より具体的には、少数のプロジェクタを含む投影システムにおいて使用される手動位置合わせシステムは、すぐに非実用的になる。たとえば、2プロジェクタシステムでは、手動マイクロマニピュレータを介した単一のプロジェクタへの調整は、近傍のプロジェクタに干渉する可能性が低い。これは、マニピュレータが一方向を除いてどの方向でも妨害を受けないからである。
【0028】
しかし、10~100個のマイクロプロジェクションシステムのアレイがあるとき、厳密な位置合わせは、効果的な実装に対して技術的な問題および障害となる。その理由は、アレイ内のマイクロプロジェクションシステムのうちの1つを周囲のマイクロプロジェクションシステムをそれほど妨害せずに手動で調整する実用的な方法がないからである。
【0029】
この障害を解消するために、開示される実施形態は、無線通信を利用して位置制御データと投影データの両方に関するデータを送信するマイクロプロジェクションパターニングモジュールを有するシステムを提供する。一例では、位置データと投影データの両方のそのような送信の技術的効果は、たとえば、大きいアレイ、たとえば、10~100個のプロジェクタにおいて認識することができ、集中コントローラからの無線送信は、パターニングのための投影データの位置調整および供給を実施するのに必要なワイヤ/接続線の数を大幅に削減する。図示していないが、1つ以上のコンピュータプロセッサおよび複数の投影モジュールの各々と無線通信するための関連するハードウェアを使用してそのような集中コントローラが実装されてもよい。
【0030】
開示される実施形態によれば、各パターニングモジュールは、動作電力を供給するための単一の固定ワイヤのみを備えてもよい。したがって、すべての他の制御、コンテンツ、および動作情報は、集中コントローラから無線でパターニングモジュールに搬送されてもよい。
【0031】
開示される実施形態に従ってもたらされるシステムの高度なモジュール性によって融通性、使いやすさが向上し、メンテナンス時間が短縮される。10x10プロジェクタアレイ内の単一のパターニングモジュールにおけるプロジェクタ(すなわち、100個のプロジェクタのうちの1つ)が故障した場合、そのパターニングモジュールを取り外し、投影システムの残りの部分に干渉せずに使用可能なパターニングモジュールと交換することができる。
【0032】
さらに、このモジュール性は、プロジェクタを所与のアプリケーションの必要に応じて可変アスペクト比または場合によっては非連続ドメインのアレイに配置する能力を有効化する。たとえば、100個のプロジェクタを10x10アレイにする代わりに、アレイを1x100アレイ、2x50アレイ、4x25アレイ、5x20アレイなどとすることができる。
【0033】
上述のように、少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、3D印刷法においてエネルギーパターニング(たとえば、ライトパターニング)モジュールのアレイが使用されてもよい。SLA3D印刷において、ビルドインターフェースに光/エネルギーを給送する光学投影システムによってx-y平面の分解能が制限されることが多い。複数の投影システムを大きい高分解能アレイにタイリングする能力は、複数のマイクロプロジェクションシステムを横方向に位置合わせする能力によって制限されることが多い。
【0034】
このことを実現するために、開示される実施形態は、(i)光学投影構成要素、(ii)データ受信機、および(iii)電子的に制御されるマイクロポジショナ、を含む投影モジュールパッケージボリュームを利用する。光学投影構成要素とデータ受信機とマイクロポジショナとはすべて、投影画像のフットプリント内に収まらなければならない。たとえば、例示のために、1080p分解能DLP投影モジュールとともに100μmの「粗い」分解能が与えられた場合、このプロジェクタ/マニピュレータモジュールの断面は横方向において4.25”x7.5”に制限されてもよい。一般的な標準の50nmなどのより高い分解能のシステムが必要である場合、この領域は~2.2”x3.8”に縮小することがある。開示される実施形態は、このような些細な制約が与えられた場合に、そのような必要な分解能を実現するカスタマイズされたモジュールを提供することを目的とする。
【0035】
図1図4は、開示される実施形態に従って提供されるパターニングモジュールの例を示す。それらの図は、パターニングモジュール100およびその構成要素の様々な図を示す。図1図4に示すように、パターニングモジュール100は、構成済みでありエネルギーを(DLPを介してUV光を)パターニングするように動作するマイクロプロジェクタ110を含んでもよい。しかし、マイクロプロジェクタ110は、1つ以上のレーザがガルボミラーまたは市販のもしくはカスタムメイドのパターニング/エネルギーシステムと連動することによって実装されてもよいことを理解されたい。
【0036】
少なくとも1つの開示される実施形態によれば、本明細書で開示されるパターニングモジュール100は、在庫モデル(すなわち、従来、カスタマイズされていない状態で入手可能なモデル)であるマイクロプロジェクタを含んでもよく、その場合、このモデルは、(SLA印刷プロセスで使用される光開始剤に必要な)紫外(UV)線を投影するように修正される。パターニングモジュール100は、マイクロコンピュータ120を含んでもよく、マイクロコンピュータ120は、ホストコンピュータに無線で結合され、ホストコンピュータからコマンド(たとえば、位置データおよび投影データを含む)を受信してプロジェクタ110の配置およびエネルギーの出力を制御し、3D印刷プロセスのパターニングを有効化する。したがって、少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、マイクロコンピュータ120は、ホストコンピュータによってパターニングモジュール100に送られ、プロジェクタ110の投影のエネルギー出力(パターンと強度の両方)を制御するコマンド/データを受信してもよい。
【0037】
マイクロコンピュータ120は、任意の適切なマイクロコンピューティングデバイス、たとえば、(たとえば、有線のイーサネット(登録商標)接続、wifi(登録商標)モジュール、NFC、Bluetooth(登録商標)、NIR、光学、および/またはその他の適切な有線または無線通信機器などによって)外部通信用に備えられたプロセッサ/マイクロプロセッサ、CPU、RAMからなる電子回路として定義されるマイクロコンピューティングデバイスを含んでもよい。例示的なマイクロコンピューティングデバイスは、標準的なラップトップまたはデスクトップコンピューティングデバイスのサイズ範囲よりも小さくてもよい。例示的な適切なマイクロコンピューティングデバイスは、Raspberry Pi、Arduinoボード、Intel ‘Stick’もしくは‘NUC’コンピュータ、または列挙されたデバイスと同程度またはそれよりも少ない体積を有する任意のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0038】
マイクロコンピュータ120および/またはホストコンピュータは、その開示される動作を実施するための適切なメモリおよび/または通信回路を含んでもよい。適切なプロセッサの例には、特に、1つ以上のマイクロプロセッサ、集積回路、システムオンチップ(SoC)が含まれてもよい。適切なメモリの例には、特に、1つ以上の一次ストレージおよび/または非一次ストレージ(たとえば、二次ストレージ、三次ストレージなど)、永久、半永久、および/もしくは一時ストレージ、ならびに/または限定はしないが、ハードドライブ(たとえば、磁気、固体)、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM)、RAM(たとえば、DRAM、SRAM、DRDRAM)、ROM (たとえば、PROM、EPROM、EEPROM、Flash EEPROM)、揮発性および/または不揮発性メモリを含むメモリストレージデバイスが含まれてもよい。通信回路は、プロセッサ動作を推進するための構成要素を含んでもよく、たとえば、適切な構成要素には、送信機、受信機、変調器、復調器、フィルター、モデム、アナログデジタル変換器、演算増幅器、および/または集積回路が含まれてもよい。
【0039】
パターニングモジュール100は、複数のステッピングモータ140、たとえば、3つのステッピングモータの組合せによって駆動されるマイクロポジショナシステム130を含んでもよい。ステッピングモータは、空気圧システム、DCモータ、レールシステムなどの他の作動デバイスによって置き換えることができる。各プロジェクタ110は、修正されたX-Y-Z配置ステージに取り付けられてもよい。これらのステージの軸は、複数のステッピングモータ(軸ごとに1つ)の調整された制御および動作によって操作されるように修正されてもよい。マイクロポジショナ130は、マイクロコンピュータ120を介してコマンド/データを受信してもよく、そのようなコマンド/データは、パターニングモジュールについてパターニングモジュール100内のプロジェクタと一緒に位置を調整するために使用される。
【0040】
マイクロプロジェクタ110、搭載Wi-Fi(登録商標)対応マイクロコンピュータ120、およびマイクロポジショナ構成要素130は、集合的にサイズが定められ、配置され、それらの構成要素を含む全体的なパターニングモジュールの断面積が単一のマイクロプロジェクタの投影フィールドよりも狭くなるように機能する。
【0041】
開示される実施形態によれば、各パターニングモジュール100は、プロジェクタ110を含むエネルギーパターニングシステムと連動する多軸マイクロポジショニングシステム130を含んでもよい。より具体的には、パターニングモジュール100に含まれるマイクロプロジェクタ110を電動多軸マイクロマニピュレータに結合する光学機械ハードウェアが設けられる。これらのパターニングモジュール100およびその構成要素マイクロプロジェクタ110を一緒にタイリングすると、任意の大きいプリントベッドにわたって高分解能光学投影システムを生成するように、これらのパターニングモジュール100およびその構成要素マイクロプロジェクタ110を位置合わせすることができる。
【0042】
同様に、各パターニングモジュール100は、リモートホスト(たとえば、マルチプロジェクタシステム用の集中コンピュータ実装コントローラ)からコマンドを受信してエネルギーパターニングシステムおよびマイクロポジショニングシステム130に割り振ることに関与する搭載マイクロコンピュータ120を含んでもよい。マイクロコンピュータ120とホストとの間の通信は、(i)有線および/または無線通信、(ii)暗号化および/またはセキュア通信、ならびに(iii)一方向および/または双方向通信のうちの1つ以上を含んでもよい。このようにして、開示される実施形態は、無線通信を利用して、位置制御データと投影データの両方に関するデータを送信するマイクロプロジェクションパターニングモジュール100をシステムに設ける。位置データと投影データの両方のそのような送信の技術的効果は、たとえば、大きいアレイ、たとえば、10~100個のプロジェクタにおいて認識することができ、無線送信は、パターニングのための投影データの位置調整および供給を実施するのに必要なワイヤ/接続線の数を大幅に削減する。いくつかの実施形態では、有線通信と無線通信が一緒に実施されてもよく、たとえば、1つ以上のモジュール100が、有線接続によってホストコンピュータと通信し、1つ以上の他のモジュール100が、無線接続によってホストコンピュータと通信する。
【0043】
搭載マイクロコンピュータ120は、Wi-Fi(登録商標)対応であり、位置コマンドを受信し、これらのコマンドを、複数のステッピングモータ140の動作を制御して投影モジュール100を作動させ再配置させるモータドライバ命令に変換する。さらに、搭載マイクロコンピュータ120を使用して共通のリモートホストから投影データを受信してもよく、投影データは、マイクロプロジェクタ110に経路指定されディスプレイ出力を制御してもよい。
【0044】
集中ホストコンピュータとパターニングモジュールとの間の通信は暗号化されてもよく、たとえば、AES(対称128ビット暗号)などのアルゴリズムを介したスケーラブルベクターグラフィックス(SVG)ストリングを暗号化して各パターニングモジュールアドレスに送ってもよく、それによって、適正な命令が改ざんの可能性なしに(または改ざんの可能性を低減させて)アレイ内の各パターニングモジュールに送られる。いくつかの実施形態では、グラフィカルベクターストリングは、任意の適切な形態のベクターストリング定義、フォーマット、物質などを含んでもよく、たとえば、投影データは、任意の適切なストリングフォーマット、すなわち、非ラスタ化画像として表される一連のベクターによって表されてもよい。同様に、制御および/またはフィードバックデータの暗号化は、全体的なマルチプロジェクタ実装積層造形デバイス自体に固有の暗号キーを使用して実施されてもよく(これは、たとえば、位置ライブラリへのMACアドレスを使用して実施されてもよい)、このようにしてx-y画像平面データがスクランブルされてもよい。さらに、暗号化は、z画像スタックデータをスクランブルするバッファリング周波数/速度に基づいてもよい。スクランブリングは、(関連する軸の)データを不規則化して情報を非線形化することを含んでもよい。
【0045】
自動位置合わせ(たとえば、フィードバック制御のための位置マーカーの投影)を有効化するかまたは3D印刷を目的としてアレイ全体にわたって表示されるより大きい2D画像のサブセットの投影を有効化するように投影データを形成することができる。したがって、少なくとも1つの実施形態によれば、パターニングモジュール100は、ビルドインターフェースにおいて試験パターンを投影することができ、フィードバック制御ループを使用することによってビルドインターフェースを高分解能位置合わせ(すなわち、画像センサーの分解能に応じた単一の画素の分解能による位置合わせ)に利用することができる。
【0046】
図5は、光学ボード150に取り付けられた単一のパターニングモジュール100を含む単一のプロジェクタアレイ505の一例を示す。図6は、光学ボード150上に取り付けられた合計で9つのプロジェクタの3x3構成に配置されたモジュール100のアレイ605の一例を示す。
【0047】
少なくともいくつかの開示される実施形態によれば、投影システムおよび/またはマイクロポジショナは、連続した表示領域を生成するためのエネルギーパターニングシステムの自動位置合わせ用のフィードバック制御ループに関与してもよい。図7および図8は、取り付けプレート、すなわち光学ボード上で互いに対して配置された別個のパターニングモジュール300、300’の一部である2つの別個のマイクロプロジェクタ310、310’からの視野360、360’のための位置合わせ動作の一例を示す。マイクロプロジェクタ310、310’の結合視野360、360’は適用可能な表示領域を表す。
【0048】
図7を見るとわかるように、マイクロプロジェクタ310、310’を取り付けても位置合わせは完全にならない。視野360、360’の隣接する縁部(360の長手方向底縁部および360’の長手方向頂縁部)は、互いに間隔を置いて配置されている。視野360、360’の対応する横縁部(左右の縁部)はずれている。いくつかの実施形態では、互いに隣接する視野360、360’は、他の態様のずれ、たとえば、対応する長手方向縁部および/または横縁部が互いに平行にならないような傾斜を受けることがある。これに対して、図8に示すように、図7に示す取り付けプレート上のマイクロプロジェクタ310、310’の配置は、図7に示す位置と同じ位置のままである(すなわち、位置合わせが完全ではない)が、マイクロプロジェクタ310およびその得られる視野360は、視野360、360’の互いに隣接する縁部における連続性を有する位置合わせされた連続する視野360、360’を作成するようにマイクロポジショナシステム(図1図4に示す搭載構成要素の制御下にあるステッピングモータ140を使用するマイクロポジショナシステム130など)によってx-y-z方向のうちの1つ以上において再配置されてもよい。図8の例は、視野360、360’が互いに接触しならびに/または係合するように視野360、360’間の隙間を無くすように厳密に所定の位置で対応する長手方向縁部による連続的なディスプレイと、対応する横縁部間の位置合わせとを示す。しかし、いくつかの適用例では、連続ディスプレイは横縁部のそのような位置合わせを必要としないことがあり、たとえば、ビルド対象の適用可能なフットプリントが、互いにずれた隣接する視野によって覆われる場合がある。同様に、いくつかの適用例では、互いに隣接する縁部が連続していると横縁部が互いに接触しならびに/または係合していると見なされることがあり、長手方向縁部は、特定の適用例に応じて揃えられるかそれともずらされるかにかかわらず、相対的な配置を有することがある。いくつかの実施形態では、連続ディスプレイは、互いに隣接する縁部の厳密な接触を必要としないことがあるが、互いに隣接する縁部間の間隔をしきい値間隔、たとえば、1画素幅よりも小さい値まで縮小することを含む場合がある。ただし、しきい値間隔は、適用例固有の間隔であり、たとえば、0.1画素から10画素まで(便宜的に、約0.001インチ(0.0254mm)~約0.10インチ(2.54mm))の画素幅の任意の適切な範囲内の間隔であることがある。
【0049】
本開示内において、個々のモジュール100の視野360は、モジュール100のフットプリントよりも大きくなるように配置される。図7を簡単に参照するとわかるように、視野360は、x-y平面におけるモジュール100のフットプリント363よりも大きい。同様に、視野360’は、x-y平面における対応するモジュール100のフットプリントよりも大きい。図9を簡単に参照するとわかるように、アレイの個々の各モジュール100の各視野は、対応するモジュールのフットプリントよりも大きい。図示の実施形態では、表示領域を構成するアレイの集合視野は、アレイのモジュール100の集合フットプリントよりも大きい。
【0050】
図9および図10は、3D印刷システム400の一例を示し、この場合、複数のパターニングモジュール410A、410B、410C、410A’、410B’、410C’、および410A”、410B”、410C”のアレイ405が位置合わせされる(たとえば、モジュールの3x3アレイ)。図9および図10に示すように、観測センサー420は、パターニングモジュールアレイ405に含まれるプロジェクタの各々の視野に関連する位置インジケータマーカー430のずれを検出するように構成される。
【0051】
これらの位置インジケータマーカー430の近傍の位置インジケータマーカー430との相対配置に基づいて、3D印刷システム400の観測センサー420は、図9に矢印によって示すように、中央プロジェクションモジュール410B’がずれており、配置し直さなければならないことを検出することができる。その場合、中央プロジェクションモジュール410B’の位置を平行移動させて位置合わせ配置に作用するかまたは位置合わせ配置を完成してもよい。図10は、本明細書で例示するマイクロポジショナおよびステッピングモータを使用してx-y平面移動を行った後に得られる位置合わせを示す。
【0052】
観測センサー420はまた、単一のプロジェクタ上の位置インジケータマーカー(すなわち、投影視野の左側と右側)間の間隔が大きすぎるかまたは小さすぎることを認識するように構成されたセンサーならびに関連する計算および制御ソフトウェアを含んでもよい。これは、パターニングモジュール(この場合、固定焦点距離を有する)が不足焦点であるかまたは過焦点であるかを示すと見なされてもよい。その指示およびその認識に基づいて、計算および制御ソフトウェアはそのプロジェクタについてz軸における対応する調整を施してもよい。観測センサー420は、画像(たとえば、写真、ビデオ、熱、赤外線、UV、など)、位置(たとえば、レーダー、ライダー、タイムオブフライト、など)、および/または他の適切なセンサーデバイスを含んでもよい。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態について説明したが、当業者には上記の説明を考慮して多数の代替実施形態、修正実施形態、置換実施形態、および変形実施形態が明らかになることが明白である。したがって、上述のような様々な実施形態は、例示的なものであり、制限的なものではない。本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに様々な変更を加えてもよい。
【0054】
たとえば、上述のように、開示される実施形態によれば、モジュール性によって、所与の適用例の必要に応じて様々なアスペクト比または場合によっては非連続領域のアレイに配置し、たとえば、100個のプロジェクタを10x10アレイとする能力が有効化される。代替的に、大直径の管状構造が必要である場合、図11および図12に示すように、プロジェクタのある潜在的に最適な配置が、中央に不連続部分がある環状体のフットプリントを覆い、したがって、その位置にはパターニングモジュールが必要ではないことがある。
【0055】
図11は、視野が位置合わせされた(黒い点線によって表されている)光学モジュールの上面図を示す。所望のオブジェクトは、曲線の陰影によって表される環状体の外形を有する。これによって、より少ない光学モジュールユニットを用いて、たとえば、連続アレイ内に12個ではなく10個の光学モジュールユニットを使用してこのオブジェクトを印刷することが可能になる。このような節約は、そのような構造が大きくなるにつれて顕著になる。したがって、実装時には、そのような実施形態は、外径が3フィート(91.44cm)のガスケットを印刷する必要があるシナリオにおいて特定の技術的有用性を有する。そのシナリオでは、そのような実施形態を実装する場合、環状体が印刷すべき内径内に光学モジュールを必要としないことを理解されたい。
【0056】
図12は、視野が位置合わせされた(この場合も黒い点線によって表されている)光学モジュールの上面図を示す。図12において、この場合も曲線の陰影によって表される所望のオブジェクトの2D投影は、16個の光学モジュールの全アレイ(すなわち、4x4)を必要としない。この場合も、実装時には、そのような実施形態は、大きい非円形ガスケットを印刷する必要があるシナリオにおいて特定の技術的有用性を有する。そのシナリオでは、そのような実施形態を実装する場合、他の場合に必要になる投影モジュールの75%を使用することが可能であり、そうする際に、この実装形態は、この特定の用途の場合に3Dプリンタの製造コストを大幅に削減することを理解されたい。
【0057】
提案された方法および関連するデバイスをハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用プロセッサ、またはそれらの組合せの様々な形態で実装できることを理解されたい。したがって、本明細書において投影モジュールの一部として開示する機器と、リモート集中コントローラホストと、の両方を実装することができる。したがって、専用プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備えてもよい。したがって、現在開示されているマルチプロジェクタ実装積層造形デバイスおよびそれに関連する機能は、ハードウェアとソフトウェアの組合せとして実装されてもよい。このソフトウェアは、プログラムストレージデバイス上にアプリケーションプログラムとしてインストールされてもよい。この場合には、一般に、たとえば、1つ以上の中央ユニット(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および1つ以上の入出力(I/O)インターフェースなどのハードウェアを有するコンピュータプラットフォームに基づくマシンが使用される。さらに、オペレーティングシステムは一般に、コンピュータプラットフォーム上にインストールされる。ここで説明した異なる各プロセスおよび機能は、アプリケーションプログラムの一部、またはオペレーティングシステムを介して実行される部分を形成してもよい。
【0058】
したがって、開示される実施形態によれば、パターニングモジュールは、積層造形デバイスにおいて、パターニングモジュールアレイに対してリモートなデバイスコントローラによる共通制御下でパターニングモジュールのアレイの一部として使用されるように設けられてもよく、パターニングモジュールは、デバイス用のリモートコントローラから受信されたデータに基づいてエネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタを含み、マイクロプロジェクタの配置は、受信されたデータに基づいて、パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対して制御される。
【0059】
開示される実施形態によれば、パターニングモジュールは、場合によっては、マイクロプロジェクタを介してエネルギーを放出するためのデバイス用のリモートコントローラからデータを受信して、受信された命令に基づいてエネルギーを放出するようにマイクロプロジェクタを制御するようにマイクロプロジェクタに結合されたマイクロコンピュータを含んでもよい。
【0060】
それらの開示される実施形態によれば、パターニングモジュールは、場合によっては、マイクロコンピュータに結合され、マイクロプロジェクタの、パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を制御するように構成された多軸マイクロポジショニングシステムを含んでもよく、マイクロポジショニングシステムは、マイクロポジショニングシステムによって与えられるデータに基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含み、そのようなデータは、場合によってはマイクロコンピュータを介してリモートデバイスからマイクロポジショニングシステムによって受信されるデータに基づく。
【0061】
同様に、いくつかの開示される実施形態によれば、積層造形デバイスにおいて、パターニングモジュールアレイに対してリモートなデバイスコントローラによる共通制御下でパターニングモジュールのアレイの一部として使用されるパターニングモジュールが提供され、パターニングモジュールは、エネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタと、マイクロプロジェクタの、パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を制御するための多軸マイクロポジショニングシステムと、を含み、マイクロポジショニングシステムは、リモートデバイスコントローラによって与えられるデータに基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含む。
【0062】
それらの開示される実施形態によれば、パターニングモジュールは、場合によっては、マイクロプロジェクタに結合されたマイクロコンピュータ、および/またはリモートデバイスコントローラによって受信されたデータをマイクロプロジェクタまたは多軸マイクロポジショニングシステムのいずれかに中継する多軸マイクロポジショニングシステムを含んでもよい。
【0063】
さらに、それらの開示される実施形態の各々によれば、マイクロコンピュータとリモートデバイスコントローラとの間のデータは暗号化される。たとえば、この場合、場合によっては、対称暗号を適用することによって実行される、パターニングモジュールに関連するアドレスに送られるSVGストリングの暗号化、積層造形デバイスに固有の1つ以上の暗号キーもしくはトークンを適用することによって実行される暗号化、および/またはバッファリング周波数/速度に基づいてx-y画像平面データおよび暗号化データをスクランブルし、それによってz画像スタックデータをスクランブルする暗号化が使用されてもよい。
【0064】
さらに、それらの開示される実施形態の各々によれば、多軸マイクロポジショニングシステムは、マイクロプロジェクタの、パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を自動的に制御することにより、パターニングモジュールアレイのマイクロプロジェクタの視野を自動的に位置合わせして連続した表示領域を生成してもよい。
【0065】
さらに、それらの開示される実施形態の各々によれば、感覚要素が、パターニングモジュールの相対位置を判定するために使用されるデータを収集してマイクロプロジェクタの視野をアレイ内の少なくとも1つの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタと位置合わせするのを可能にする。
【0066】
さらに、それらの開示される実施形態の各々によれば、多軸マイクロポジショニングシステムの制御は、場合によっては、マイクロプロジェクタおよび/またはマイクロポジショナを含むフィードバックループを使用して実行されてもよい。
【0067】
さらに、それらの開示される実施形態の各々によれば、リモートコントローラからマイクロコンピュータによって受信されるデータは、多軸マイクロポジショナに対する位置コマンドおよび/またはマイクロプロジェクタによって投影すべきデータセットを含んでもよい。
【0068】
次に図13図18を参照するとわかるように、すでに上記で説明した積層造形デバイスおよび/またはシステムと同様な積層造形デバイスおよび/またはシステムが示されており、上述のデバイス、システム、および方法の開示は、後述のデバイス、システム、および方法に同様に適用可能である。図13では、マイクロプロジェクタ、マイクロコンピュータと、マイクロプロジェクタの位置の精密な動きを実現するためのステッピングモータを備えるアクチュエータ(x、y、およびz)を含むパターニングモジュール1100が示されている。図14および図15を参照するとわかるように、ステッピングモータは、モジュールのフレーム支持体を対応するx、y、およびz軸に沿って向きを定めた案内レールに沿って平行移動させてマイクロプロジェクタを配置するように構成される。リモートホストコンピュータに従ったマイクロコンピュータによるステッピングモータの動作制御を案内するためにリミットスイッチが設けられてもよい。次に図16を参照するとわかるように、各モジュール1000は、例示的に、アクチュエータを作動させるための1つ以上の制御ボード1112を含む。制御ボード1112は、マイクロコンピュータの案内の下で動作させてもよい。
【0069】
次に図18および図19を参照するとわかるように、ベースマウント1140を含む積層造形システムが示されている。ベースマウント1140は、例示的に、パターニングモジュール1100の接続を受けるための取り付けプレートとして具現化される。ベースマウント1140は、例示的に、取り付けられるモジュール1100の選択的な配置を収容しつつアクチュエータの耐荷重動作用の支持体を構成する構造部材として形成されている。図18に示すように、パターニングモジュール100は、一方の(長手方向)端部がベースマウント1140に取り付けられるように示されている。モジュール1100の一方の端部は、例示的に、マイクロプロジェクタを有する端部の反対側である。ベースマウント1140は、取り付けられたパターニングモジュール1100内の位置合わせ穴内に適切な取り付けを助けるために挿入される位置合わせピンとして例示的に具体化されたガイド1142を例示的に含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の位置合わせピンの配列がモジュール1100上に形成され、対応する1つ以上の位置合わせ穴がベースマウント1140上に形成されてもよい。ベースマウント1140は、例示的にコネクタ1144を含む。コネクタ1144は、例示的に、ホストコンピュータとパターニングモジュール1100のマイクロコンピュータとの間の有線電気通信を実現するように具現化される。例示的な実施形態では、コネクタ1144は、電力およびデータ通信のための電気的接続を実現する。いくつかの実施形態では、コネクタ1144は、有線電力を供給するように構成されてもよく、データがモジュール1100と無線で通信されてもよい。パターニングモジュール1100は、パターニングモジュール1100の合わせコネクタ1146を介して対応するコネクタ1144に接続される。ベースマウント1140上に電源回路が取り付けられてもよい。
【0070】
次に図19を参照するとわかるように、ベースマウント1140に取り付けられた4つのパターニングモジュール1100が示されている。各パターニングモジュール1100は、対応するコネクタ1144と通信するようにその合わせコネクタ1146を介して配置される。したがって、ビルドプロジェクトに適した表示領域を構成するように様々な位置に取り付けられるように容易に接続し切り離すことのできる選択的に配置可能なモジュール1100によってモジュラーアレイを形成することができる。
【0071】
本開示内において、パターニングモジュールのアレイに対してリモートなコントローラによる共通制御下にあるパターニングモジュールのアレイの一部としての、積層造形システム用のパターニングモジュールは、積層造形のためのエネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタと、マイクロプロジェクタの、パターニングモジュールのアレイ内の他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタに対する配置を制御するための多軸マイクロポジショニングシステムと、を含んでもよい。マイクロポジショニングシステムは、リモートコントローラによって与えられるパターニングデータに基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、多軸マイクロポジショニングシステムは、マイクロプロジェクタの、アレイの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタに対する配置を実施し、アレイのマイクロプロジェクタの視野を位置合わせして連続した表示領域を生成してもよい。多軸マイクロポジショニングシステムは、リモートコントローラからの自動化された制御コマンドに従ってマイクロプロジェクタの配置を実施して、マイクロプロジェクタの視野をアレイの他のパターニングモジュールの少なくとも1つの視野に自動的に位置合わせしてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、リモートコントローラは、データを収集するための少なくとも1つのセンサーと通信し、他のパターニングモジュールのうちの1つ以上の相対位置を判定して、マイクロプロジェクタの視野をアレイの少なくとも1つの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタと位置合わせするように構成されてもよい。多軸マイクロポジショニングシステム用の自動化された制御コマンドは、マイクロプロジェクタおよびマイクロポジショニングシステムの少なくとも一方を考慮したフィードバック制御情報を使用してリモートコントローラによって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、微分制御、フィードフォワード制御、および/またはそれらの組合せを含む任意の適切な態様の制御方式が適用されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、パターニングモジュールはマイクロコンピュータをさらに含んでもよい。マイクロコンピュータは、マイクロプロジェクタおよび多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方と通信するように構成されてもよい。マイクロコンピュータは、マイクロプロジェクタおよび多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方の動作を制御するためのパターニングデータを含む制御コマンドをリモートコントローラから受信するように構成されてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、マイクロコンピュータによってリモートコントローラから受信されるパターニングデータは、多軸マイクロポジショナに対する位置コマンドを含んでもよい。パターニングデータは、積層造形のためにマイクロプロジェクタによって投影されるべき投影データセットを含んでもよい。パターニングデータは、アレイのモジュールのタイミングを同期させるための同期データを含んでもよい。たとえば、同期データは、クロック信号を含んでもよく、ならびに/またはデジタルに形成されてもよく、および/もしくはアナログ信号によって形成されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、マイクロコンピュータとリモートコントローラとの間の通信は暗号化されてもよい。マイクロコンピュータとリモートコントローラとの間の通信の暗号化は、パターニングモジュールに関連するアドレスに送られるベクターストリングの暗号化を含んでもよい。暗号化は対称暗号の適用を含んでもよい。いくつかの実施形態では、暗号化は、積層造形システムに固有の暗号キーおよび/またはトークンの適用を含んでもよい。暗号化は、データバッファリング周波数およびデータ送信速度の少なくとも一方に基づいてx-y画像平面データおよびz画像スタックの少なくとも一方をスクランブルすることを含んでもよい。
【0077】
本開示内において、積層造形デバイスは、デバイスコントローラと、デバイスコントローラの共通制御下にあるパターニングモジュールのアレイとを含んでもよく、デバイスコントローラは、パターニングモジュールアレイに対してリモートに配置される。デバイスコントローラは、リモートであることによって、近傍に位置するがモジュールとは異なり、モジュールの好ましい物理的配置を可能にし、一方、中央制御を行ってもよい。いくつかの実施形態では、アレイ内のパターニングモジュールの各々は、積層造形のためにエネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタを含んでもよい。パターニングモジュールのうちの1つ以上は、マイクロプロジェクタの、パターニングモジュールのアレイの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタに対する配置を制御するための多軸マイクロポジショニングシステムを含んでもよい。1つ以上のマイクロポジショニングシステムは、デバイスコントローラによって与えられるパターニングデータに基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含んでもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、各パターニングモジュールは、対応するマイクロプロジェクタおよび多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方と通信するマイクロコンピュータをさらに含んでもよい。各マイクロコンピュータは、対応するマイクロプロジェクタおよび多軸マイクロポジショニングシステムの少なくとも一方の動作を制御するためのパターニングデータを含む制御コマンドをリモートコントローラから受信するように構成されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、多軸マイクロポジショニングシステムは、マイクロプロジェクタのうちの1つ以上の、アレイの他のパターニングモジュールの少なくとも1つのマイクロプロジェクタに対する配置を実施し、アレイのマイクロプロジェクタの視野を位置合わせして連続した表示領域を生成する。多軸マイクロポジショニングシステムは、リモートコントローラからの自動化された制御コマンドに従って1つ以上のマイクロプロジェクタの配置を実施してアレイのマイクロプロジェクタの視野を自動的に位置合わせしてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、積層造形デバイスは、データを収集するための少なくとも1つのセンサーをさらに備えてもよい。少なくとも1つのセンサーは、デバイスコントローラと通信してパターニングモジュールのうちの1つ以上の相対位置を判定し、アレイのマイクロプロジェクタの1つ以上の視野を位置合わせするように構成されてもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、多軸マイクロポジショニングシステムに対する自動化された制御コマンドは、リモートコントローラによって生成されてもよい。リモートコントローラは、マイクロプロジェクタおよびマイクロポジショニングシステムの少なくとも一方を考慮したフィードバック制御情報を使用して自動化された制御コマンドを生成してもよい。いくつかの実施形態では、微分制御、フィードフォワード制御、および/またはそれらの組合せを含む任意の適切な制御方法が実施されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのマイクロコンピュータによってリモートコントローラから受信されるパターニングデータは、多軸マイクロポジショナに対する位置コマンドを含んでもよい。パターニングデータは、マイクロプロジェクタによって投影すべき投影データセットを含んでもよい。パターニングデータは、アレイの異なるモジュール間の投影を同期させるための同期データを含んでもよい。
【0083】
いくつかの実施形態では、マイクロコンピュータのうちの1つ以上とリモートデバイスコントローラとの間の通信は暗号化されてもよい。暗号化は、パターニングモジュールに関連するアドレスに送られるベクターストリングの暗号化を含んでもよい。暗号化は、対称暗号の適用を含んでもよい。暗号化は、積層造形システムに固有の暗号キーおよび/またはトークンの適用を含んでもよい。暗号化は、データバッファリング周波数およびデータ送信速度の少なくとも一方に基づいてx-y画像平面データおよびz画像スタックの少なくとも一方をスクランブルすることを含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、積層造形デバイスは、アレイの1つ以上のパターニングモジュールの取り付けを受けるように構成されたベースマウントをさらに含んでもよい。ベースマウントは、電力を供給しならびに/または通信を実現するためのいくつかの接続ポートを含んでもよい。各接続ポートは、ベースマウント上に取り付けられたパターニングモジュールのうちの1つと通信し、リモートコントローラとの通信を可能にして電力を供給しならびに/または通信を実現するように構成されてもよい。
【0085】
本開示内において、積層造形を実行する方法は、デバイスコントローラによって複数のパターニングモジュールのアレイによる投影されたエネルギーの放出を制御することを含んでもよい。デバイスコントローラは、パターニングモジュールアレイに対してリモートであってもよい。アレイ内のパターニングモジュールの各々は、エネルギーパターニングを実行するためのエネルギーを投影するように構成されたマイクロプロジェクタを含んでもよい。この方法は、多軸マイクロポジショニングシステムを使用してマイクロプロジェクタの、パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を制御することを含んでもよく、マイクロポジショニングシステムは、リモートデバイスコントローラによって与えられる命令に基づいて動作させられる複数のアクチュエータを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、この方法は、マイクロプロジェクタおよび/または多軸マイクロポジショニングシステムに結合されたマイクロコンピュータによってリモートデバイスコントローラから受信されたデータをマイクロプロジェクタまたは多軸マイクロポジショニングシステムに中継することをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、この方法は、マイクロコンピュータとリモートデバイスコントローラとの間で送られるデータを暗号化することをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、多軸マイクロポジショニングシステムは、マイクロプロジェクタの、パターニングモジュールアレイ内の他のパターニングモジュールに含まれるマイクロプロジェクタに対する配置を自動的に制御し、パターニングモジュールアレイのマイクロプロジェクタの視野を自動的に位置合わせして連続した表示領域を生成してもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、感覚要素を使用してデータを収集し、パターニングモジュールの相対位置を判定して、マイクロプロジェクタの視野をアレイ内の少なくとも1つの他のパターニングモジュールのマイクロプロジェクタと位置合わせすることをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、多軸マイクロポジショニングシステムの制御は、マイクロプロジェクタおよび/またはマイクロポジショナを含むフィードバックループを使用して実行されてもよい。
【0088】
本開示は、本明細書で説明する例示的な実施形態に限定されない。当業者がその専門知識に起因して、同じく本開示に属するものと見なす様々な適応実施形態および修正実施形態の範囲がある。
【符号の説明】
【0089】
100、300、300’、410A、410B、410C、410A’、410B’、410C’、410A”、410B”、410C”、1000、1100 パターニングモジュール、モジュール
110、310、310’ マイクロプロジェクタ、プロジェクタ
120 マイクロコンピュータ
130 マイクロポジショナシステム、マイクロポジショナ、マイクロポジショナ構成要素
140 ステッピングモータ
360、360’ 視野
363 フットプリント
400 3D印刷システム
405 アレイ、パターニングモジュールアレイ
410B’ パターニングモジュール、中央プロジェクションモジュール
420 観測センサー
430 位置インジケータマーカー
505 プロジェクタアレイ
605 アレイ
1112 制御ボード
1140 ベースマウント
1142 ガイド
1144 コネクタ
1146 合わせコネクタ
図1
図2
図3
図4
図5
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【国際調査報告】