(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-09
(54)【発明の名称】電気メッキされたニッケル・亜鉛含有の保護層とケイ素含有のシーリング層とを有するスパークプラグハウジング、ならびにこのようなハウジングを有するスパークプラグ、およびこのようなハウジングの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01T 13/20 20060101AFI20220426BHJP
H01T 21/02 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H01T13/20 B
H01T13/20 E
H01T21/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554997
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 EP2020057388
(87)【国際公開番号】W WO2020187966
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019203803.4
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヌーファー シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルテ ティナ
【テーマコード(参考)】
5G059
【Fターム(参考)】
5G059DD27
5G059GG01
5G059GG05
5G059GG07
5G059GG09
(57)【要約】
スパークプラグ(1)のためのハウジング(2)において、ハウジング(2)の長軸Xに沿って穴を有し、それによってハウジング(2)が外面(205)と内面(204)を有し、ハウジング(2)の外面(205)の少なくとも1つの部分に電気メッキ式に塗布されたニッケル・亜鉛含有の保護層(210)が配置され、ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)の上にシーリング層(220)が配置され、シーリング層(220)がケイ素を含んでいる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグ(1)のためのハウジング(2)であって、前記ハウジング(2)の長軸Xに沿って穴を有し、それによって前記ハウジング(2)が外面(205)と内面(204)を有し、前記ハウジング(2)の前記外面(205)の少なくとも1つの部分に電気メッキ式に塗布されたニッケル・亜鉛含有の保護層(210)が配置され、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)の上にシーリング層(220)が配置されている、ハウジングにおいて、前記シーリング層(220)がケイ素を含むことを特徴とする、ハウジング。
【請求項2】
前記シーリング層(220)はクロムフリーであることを特徴とする、請求項1に記載のハウジング(2)。
【請求項3】
前記シーリング層(220)は10nm~10μm、特に100nm~1μmの層厚Aを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のハウジング(2)。
【請求項4】
前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)は1μm~30μmの層厚Bを前記ハウジング(2)の上に有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項5】
前記ハウジング(2)と前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)との間に第1の中間層(301)が塗布され、および/または前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)と前記シーリング層(220)との間に第2の中間層(302)が塗布され、および/または前記シーリング層(220)の上に被覆層(303)が塗布されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項6】
前記第1の中間層(301)は1nm~1000nmの層厚Cを有することを特徴とする、請求項5に記載のハウジング(2)。
【請求項7】
前記第2の中間層(302)は1nm~1000nmの層厚Dを有することを特徴とする、請求項5または6に記載のハウジング(2)。
【請求項8】
前記被覆層は1nm~2000nmの層厚(303)Eを有することを特徴とする、請求項5から7までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項9】
前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)と前記シーリング層(220)は前記ハウジング(2)の前記外面(205)全体に構成され、および特に前記ハウジング(2)の前記内面(204)の少なくとも1つの部分に構成され、前記第1の中間層(301)および/または前記第2の中間層(302)および/または前記被覆層(303)が存在する場合には、前記第1の中間層(301)および/または前記第2の中間層(302)および/または前記被覆層(303)が前記ハウジング(2)の前記外面(205)全体に構成され、および特に前記ハウジング(2)の内面(204)の少なくとも1つの部分に構成されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項10】
スパークプラグ(1)において、請求項1から9までのいずれか1項に記載のハウジング(2)と、前記ハウジング(2)の中に配置された絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の中に配置された中心電極(4)と、前記ハウジング(2)の燃焼室側の端部に配置された接地電極(5)とを有し、前記接地電極(5)と前記中心電極(4)は点火ギャップを共同で形成するためにセットアップされている、スパークプラグ。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法において、次の各ステップを有し、
電気メッキ式のコーティング方法によって前記ハウジング(2)に塗布されたニッケル・亜鉛含有の保護層(210)を有するスパークプラグ(1)のためのハウジング(2)が準備され、前記ハウジングは任意選択として第1および/または第2の中間層(301,302)を有し、
次いで、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)でコーティングされた前記ハウジング(2)が洗流され(S2)、
次いで、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)または前記第2の中間層(302)にシーリング層(220)が塗布されるステップ(S3)が行われる、製造方法。
【請求項12】
前記製造方法は前記洗流ステップ(S2)の前に、少なくとも前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)でコーティングされている前記ハウジング(2)の表面が清掃されるステップ(S1)を有することを特徴とする、請求項11に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項13】
前記製造方法は、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)または前記第2の中間層(302)へ前記シーリング層(220)が塗布された後に、前記ハウジング(2)の表面から、特に前記シーリング層の塗布に由来する、考えられる水または溶剤が除去される乾燥ステップ(S4)を有することを特徴とする、請求項11または12に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項14】
前記製造方法は前記乾燥ステップ(S4)の後に、前記シーリング層(220)が硬化する重縮合ステップをさらに有することを特徴とする、請求項13に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項15】
前記製造方法は、前記シーリング層(220)に被覆層(303)が塗布されるステップをさらに有することを特徴とする、請求項11から14までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項16】
前記シーリング層(220)を塗布するためにゾル・ゲル・プロセス、CCVD、またはPVDがコーティング法として適用されることを特徴とする、請求項11から15までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項17】
前記シーリング層(220)のために官能化されたシラン、特にアルコキシシラン、アミノシラン、またはアクリルシランが使用されることを特徴とする、請求項11から16までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項18】
官能化されていないシラン、特にアルキルトリアルコキシシランも前記シーリング層(220)のために追加的に使用されることを特徴とする、請求項17に記載のハウジング(2)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されているスパークプラグのためのハウジング、少なくともこのようなハウジングを有する請求項10に記載されているスパークプラグ、および請求項11に記載されているハウジングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日のスパークプラグは、エンジンで生じる条件のもとで腐食する、特に錆びがつく、鋼材からなるハウジングを有している。したがってスパークプラグのハウジングはすでに以前から、鋼材ハウジングを腐食から守るための保護層でコーティングされている。非常に広く普及しているのがニッケル含有および/または亜鉛含有の保護層である。ニッケル・亜鉛含有の保護層は、純粋な亜鉛コーティングよりも高い、腐食と熱に対する耐性を有しており、それと同時に、純粋なニッケルコーティングよりも低コストである。しかしニッケル・亜鉛含有の保護層の防食性は、保護層の不良個所によって低下する。このような不良個所は、ニッケル・亜鉛含有の保護層の表面からハウジングの表面にまで達し、そのためにハウジングそのもので腐食の作用経路として機能する。
【0003】
たとえば特許文献1および特許文献2により、ニッケル含有の保護層の上にクロム含有のシーリング層が塗布され、そのようにして不良個所をシーリングすることによって、ニッケル含有の保護層におけるこうした問題を緩和できることが知られている。
【0004】
クロム含有のシーリング層は、たとえばCrVI含有の媒体からハウジング表面に析出させることができる。その場合、結合された3価クロムを有するシーリング層が生じる。しかし環境条件によっては、本来は表面に結合される3価クロムが、シーリング層表面から遊離した6価クロムに転換することが起こることがある。この場合の問題は、6価クロムが健康に有害なものに分類されていて、いくつかの国ではその使用が禁じられていることにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2546938A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2605348A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、良好な防食性を提供すると同時にCr含有のシーリング層の使用をほぼ不要にする、防食層システムを有するスパークプラグのためのハウジングを提供することにある。特に、防食層システムは300℃のもとでの耐温度性を有するのがよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、ニッケル・亜鉛含有の保護層の上に配置されるシーリング層がケイ素を含むことにより、スパークプラグのための本発明のハウジングによって解決される。ケイ素含有のシーリング層を利用することで、クロム含有のシーリング層を不要にすることができ、そのようにして、6価クロムが形成されてシーリング層から出る危険が防止されるという利点がもたらされる。さらに、ケイ素をベースとするシーリング層は非常に耐温度性が高いことが判明している。具体的には、ニッケル含有の保護層とケイ素含有のシーリング層とを有する防食層システムを有するスパークプラグハウジングについての試験シリーズにおいて、このハウジングは塩水噴霧試験で24時間後にも依然として0の錆度を有し、すなわち、防食層が塗布されているハウジングの領域に、錆のある個所をハウジングが示さないことが示されている。ハウジングが300℃のもとで3時間のあいだ人工老化された後でさえ、このハウジングは塩水噴霧試験で24時間後に依然として0の錆度を有する。
【0008】
スパークプラグのためのハウジングはその長軸に沿って穴を有する。この穴により、ハウジングは外面と内面を得る。ハウジングの穴は、典型的には、絶縁体を中心電極および接続手段とともに収容するために意図される。ハウジングは、典型的には、たとえば炭素鋼などの鋼材からなる。外面の少なくとも1つの部分に、ハウジングを腐食から防護するための保護層がハウジングの表面に塗布される。この保護層は、電気メッキ技術を用いてハウジングに塗布されるニッケル・亜鉛含有の保護層である。電気メッキ技術では、陽極としてのハウジングが、陰極としての役目を果たす電極とともに、ニッケル・亜鉛含有の電解浴に浸漬される。ハウジングと電極の間に電圧が印加されることで、コーティング電極から電解液を通ってハウジングへと電流が流れ、それにより、コーティング電極のほうを向いているハウジングの側でニッケル・亜鉛含有の保護層が析出される。保護層は実質的にニッケルと亜鉛からなる。このとき保護層のニッケル割合は12~15重量%であるのが好ましい。そのとき保護層は約500℃までの熱への耐性を有する。これよりもニッケル含有率が低いと、熱への耐性が低くなる。これよりもニッケル含有率が高いと亜鉛が十分に安定化せず、腐食性の負荷が生じたときに保護層の脱亜鉛が起こる。このことは、たとえば保護層での亜鉛の酸化によって、亜鉛が保護層でいっそう強力に分解されることを意味する。保護層がその防食効果を失う。コーティング電極に由来する鉄が、ニッケルおよび亜鉛とともに同じくハウジングで析出される。ニッケル・亜鉛含有の保護層における鉄の割合は、典型的には2~6重量%である。ニッケル・亜鉛含有の保護層のその他の不純物、たとえば硫黄や、微量のナトリウムまたはカリウムがあることも考えられる。
【0009】
ハウジングの上のニッケル・亜鉛含有の保護層は陰極防食としての役目を果たし、すなわち、ニッケル・亜鉛含有の保護層は電気化学的にハウジングの材料よりも貴であり、湿潤した媒体に対するバリア層を形成する。ニッケル・亜鉛含有の保護層が提供する防食性は、ニッケル・亜鉛含有の保護層の層厚Bと、その不良個所のなさとに左右される。ニッケル・亜鉛含有の保護層の厚みが大きいほど、ニッケル・亜鉛含有の保護層の表面からニッケル・亜鉛含有の保護層の厚み全体を通ってハウジングの表面まで不良個所が延びて、そのためにハウジングでの腐食プロセスの作用経路が開かれる蓋然性は低くなる。ニッケル・亜鉛含有の保護層の上の追加のシーリング層により、このような不良個所が閉じられて、ハウジングの防食性が改善される。
【0010】
その他の好ましい実施形態は、従属請求項の対象となっている。
【0011】
1つの好ましい実施形態ではシーリング層がクロムフリーであることが意図され、すなわち、シーリング層は意図的に添加されるべきクロムを含まず、最大でも、たとえば製造プロセスでシーリング層に意図せず取り込まれる技術的に不可避の不純物の量でしかクロムを含まない。
【0012】
シーリング層が10nmを下回らず10μmを上回らない層厚Aを有し、特に100nmを下回らない、および/または1μmを上回らない層厚を有するのが好ましいことが判明している。ニッケル・亜鉛含有の保護層の不良個所を閉じるのに十分にシーリング層を厚くするために、シーリング層が10nmを下回らない層厚Aを有するのがよいことが示されている。さらに、10μmを上回るシーリング層の層厚Aのもとでは、上に説明したシーリング層の技術的効果にさほどの改善が見られないことが示されている。
【0013】
その追加または代替として、ニッケル・亜鉛含有の保護層の層厚Bは1μm~30μmの範囲内にある。
【0014】
本発明の1つの発展例では、ハウジングとニッケル・亜鉛含有の保護層との間に第1の中間層が塗布され、および/またはニッケル・亜鉛含有の保護層とシーリング層との間に第2の中間層が塗布され、および/またはシーリング層の上に被覆層が塗布されることが意図される。
【0015】
第1の中間層により、ニッケル・亜鉛含有の保護層がハウジングにいっそう良く付着するという利点がもたらされる。第1の中間層は付着結合層としての役目を果たし、たとえば銅またはニッケルストライクからなる。
【0016】
第2の中間層により、ケイ素含有のシーリング層がニッケル・亜鉛含有の保護層にいっそう良く付着し、各層の間の熱応力が低減されるという利点がもたらされる。第2の中間層は付着結合層としての役目を果たし、たとえばニッケル、銅、クロム、亜鉛、またはチタンの各元素のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0017】
ケイ素含有のシーリング層の上の被覆層は、シーリング層を機械的な損傷から守る役目を果たし、たとえばニッケル、銅、亜鉛、クロム、またはチタンの各元素のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
その追加または代替として、第1の中間層は1nm~1000nmの層厚Cを有し、および/または第2の中間層は1nm~1000nmの層厚Dを有し、および/または被覆層は1nm~2000nmの層厚Eを有する。中間層と被覆層の層厚が、ニッケル・亜鉛含有の保護層よりも明らかに小さい厚みであると好ましく、それにより、中間層と被覆層で内部応力が生じることが防止される。層内の内部応力に基づき、付着結合不良や、ニッケル・亜鉛含有の保護層またはシーリング層など他の層からの層の剥離が起こることがある。
【0019】
ニッケル・亜鉛含有の保護層と、シーリング層と、任意選択として第1の中間層および/または第2の中間層および/または被覆層とを有する防食層システムの好ましい効果は、特に、ニッケル・亜鉛含有の保護層とシーリング層、ならびに任意選択の第1の中間層および/または任意選択の第2の中間層および/または任意選択の被覆層がハウジングの外面全体に構成されている場合にもたらされる。そして防食層システムは、特に、ハウジングの内面の少なくとも1つの部分にも追加的に構成される。ニッケル・亜鉛含有の保護層とシーリング層、ならびに任意選択の第1の中間層および/または任意選択の第2の中間層および/または任意選択の被覆層がハウジングの表面全体に構成されると、特別に好ましい。防食層システムを有しているハウジングの表面が広いほど、腐食プロセスの影響を受けやすい露出したハウジング表面が少なくなる。
【0020】
本発明は、本発明によるハウジングと、ハウジングの中に配置された絶縁体と、絶縁体の中に配置された中心電極と、ハウジングの燃焼室側の端部に配置された接地電極とを有するスパークプラグも対象としており、接地電極と中心電極は共同で点火ギャップを形成するためにセットアップされる。
【0021】
さらに本発明は、本発明によるハウジングの製造方法も対象とする。この製造方法は次の各ステップを有する。
・電気メッキ式のコーティング方法によってハウジングに塗布されたニッケル・亜鉛含有の保護層を有する、スパークプラグのためのハウジングが準備され、ハウジングは任意選択として第1および/または第2の中間層を有し、
・次いで、少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされたハウジングが洗流され、
・次いで、ニッケル・亜鉛含有の保護層または第2の中間層にシーリング層が塗布されるステップが行われる。
【0022】
任意選択として、この製造方法は洗流ステップの前に、少なくとも1つのニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされたハウジングの表面が清掃される清掃ステップをさらに含むことができる。清掃ステップは、ハウジングの表面およびニッケル・亜鉛含有の保護層の表面から、または任意選択の第2の中間層の表面から、たとえば粒子、汚れ、および不動態化剤などを清掃し、特に、シラン溶液の結合のための表面の加水分解または活性化を行う役目を果たす。
【0023】
洗流ステップで、少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされたハウジングから清掃剤もしくはその残滓が取り除かれる。または、独自の清掃ステップが省略される場合には、洗流ステップのときにたとえばダストなどの大まかな汚れも洗い落とされる。
【0024】
シーリング層の塗布ステップで、少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層または第2の中間層にシーリング層が塗布される。
【0025】
シーリング層はケイ素含有のシーリング層であるのが好ましく、ケイ素含有のシーリング層は、少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされたハウジング表面のシラン化によって構成される。シラン化は、表面へのシラン化合物の化学的な結合である。この結合は、使用されるシランの加水分解可能な基と、表面にある化学基との間の縮合反応によって行われる。シラン化に利用されるシランは典型的にはRmSiXnの一般形態を有し、ここでRは有機官能化された基を表し、Xは加水分解可能な基を表し、mおよびnは有機官能化された基と加水分解可能な基の数を表す。
【0026】
本方法は、好ましい発展例では、コーティングされてシーリングされたハウジングの表面から水または溶剤が除去される、少なくとも1つの乾燥ステップを有する。このとき、たとえばシラン化合物はすでに架橋し始める。さらに本製造方法は、シーリング層を硬化させるための重縮合ステップも有することができる。シラン化合物が硬化するとシラン化合物の架橋が完了し、架橋が固定され、それにより強固でロバストなシーリング層が構成される。
【0027】
その追加または代替として、この製造方法は、被覆層がシーリング層に塗布されるステップをさらに有することができる。それにより、シーリング層が機械的な損傷から守られる。
【0028】
たとえば好ましいシラン化では、ハウジングの第2の中間層の表面またはニッケル・亜鉛含有の保護層の表面に結合されているシラン化合物の相互の重縮合だけでなく、ハウジングの第2の中間層の表面またはニッケル・亜鉛含有の保護層の表面に結合されているシラン化合物と、結合されていないシラン化合物との重縮合も含むことができる。
【0029】
原則として、たとえばシリコンオイル(たとえばジオルガノポリシロキサン)などの他のケイ素化合物が、重縮合によって生じるシラン化合物の網状構造に取り込まれることも可能である。
【0030】
製造方法の好ましい発展例では、シーリング層を塗布するためにゾル・ゲル・プロセス、CCVD、またはPVDがコーティング方式として適用される。
【0031】
ゾル・ゲル・プロセスでは、シラン溶液にハウジングが投入される。シラン化の途中で、少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされているハウジングの表面にシランが堆積し、そこで相互に架橋してシーリング層を形成し始める。
【0032】
燃焼化学蒸着とも呼ばれるCCVD法(combustion chemical vapor deposition)では、所望の層を生成するのに適した出発化合物が、本例ではシランが、燃焼ガスに添加される。コーティングされるべき物質にわたって、本例ではニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされたハウジングにわたって、わずかな間隔をおいて火炎を動かしていく。高い燃焼エネルギーによって出発化合物が非常に反応性の種を形成し、これが物質表面と堅固に結合する。物質そのものにとっての熱負荷は、短時間のあいだ火炎と接触するだけなのでわずかである。
【0033】
PVD法(physical vapor deposion)では、分離されるべき材料が、本例ではシランが、コーティング室内に固体として存在している。レーザビーム、イオン、電極、またはアーク放電が打ち込まれることで材料が蒸発する。蒸発した材料がコーティング室を通ってコーティングされるべき部分まで、本例では少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層でコーティングされるハウジングまで移動してそこで凝縮し、そのようにして保護層を形成する。
【0034】
ケイ素含有のシーリング層の製作のために、官能化されたシラン、特にアルコキシシラン、アミノシラン、またはアクリルシランを使用するのが好ましいことが判明している。これに加えて官能化されていないシラン、特にアルキルトリアルコキシシランも、シラン含有のシーリング層のために使用することができる。部分フルオロ化またはペルフルオロ化されたシロキサンは限定的にのみ使用可能である。これらから形成される層は、最大300℃の耐温度性を有さないからである。
【0035】
本発明のその他の構成要件、適用可能性、および利点は、図面の各図に示されている本発明の実施例についての以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】ハウジングの上の本発明による防食層システムの一例を示す図である。
【
図2】ハウジングの上の本発明による防食層システムの別の例を示す図である。
【
図3】本発明によるハウジングを有するスパークプラグの一例を示す図である。
【
図4】本発明によるハウジングの製造方法を例示として示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、ニッケル・亜鉛含有の保護層210と、ケイ素含有のシーリング層220とからなる、本発明による防食層システムの一例を示している。ハウジング2の表面に、ニッケル・亜鉛含有の保護層210が塗布されている。さらにニッケル・亜鉛含有の保護層210に、ケイ素含有のシーリング層220が塗布されている。
【0038】
ニッケル・亜鉛含有の保護層210は層厚Bを有している。層厚は、ハウジング表面に対して垂直に測定される。ニッケル・亜鉛含有の保護層210は電気メッキ技術によりハウジング2に塗布されるので、ニッケル・亜鉛含有の保護層210の層厚Bがハウジング2の異なる個所で相違していてよい。たとえばハウジング2はその内面204にニッケル・亜鉛含有の保護層210を有さなくてよく、または、ニッケル・亜鉛含有の保護層210を部分的にのみ有することができる。ハウジング2はその外面205の全体に、ニッケル・亜鉛含有の保護層210を有するのが好ましい。
【0039】
ケイ素含有のシーリング層220は層厚Aを有している。シラン溶液への浸漬浴によって塗布されるケイ素含有のシーリング層220では、通常、ケイ素含有のシーリング層220についての非常に均等な層厚Aがもたらされる。特にハウジング2の表面全体に、たとえばハウジング2の内面204の領域のようにニッケル・亜鉛含有の保護層210がないハウジング2の個所も含めて、ケイ素含有のシーリング層220が形成されていてよい。
【0040】
図2は、ニッケル・亜鉛含有の保護層210と、ケイ素含有のシーリング層220と、第1の中間層301と、第2の中間層302と、被覆層303とからなる、本発明による防食層システムの別の例を示している。ハウジング2の表面に第1の中間層301が塗布されている。さらにその上に、ニッケル・亜鉛含有の保護層210が塗布されている。ニッケル・亜鉛含有の保護層210とケイ素含有のシーリング層220との間に、第2の中間層302が配置されている。さらにケイ素含有のシーリング層220の上に、被覆層303が塗布されている。
【0041】
ニッケル・亜鉛含有の保護層210は層厚Bを有している。第1の中間層301は層厚Cを有し、第2の中間層302は層厚Dを有する。これらの層厚はハウジング表面に対して垂直に測定される。ニッケル・亜鉛含有の保護層210が電気メッキ技術によってハウジング2に塗布されるとき、ニッケル・亜鉛含有の保護層210の層厚Bはハウジング2の異なる個所で相違していてよい。たとえばハウジング2はその内面204にニッケル・亜鉛含有の保護層210を有さなくてよく、または、ニッケル・亜鉛含有の保護層210を部分的にのみ有することができる。
【0042】
ケイ素含有のシーリング層220は層厚Aを有している。シラン溶液への浸漬浴によって塗布されるケイ素含有のシーリング層220では、通常、ケイ素含有のシーリング層220についての非常に均等な層厚Aがもたらされる。特にハウジング2の表面全体に、たとえばハウジング2の内面204の領域のようにニッケル・亜鉛含有の保護層210がないハウジング2の個所も含めて、ケイ素含有のシーリング層220が形成されていてよい。被覆層303は層厚Eを有する。
【0043】
本発明による防食層システムを有するハウジング2のさらに別の実施形態では、防食層システムは、ニッケル・亜鉛含有の保護層210とシーリング層220のほかに被覆層303だけを有することができ、または、第1もしくは第2の中間層301,302だけを有することができ、または、第1もしくは第2の中間層301,302との組み合わせで被覆層303を有することができる。
【0044】
図3は、スパークプラグ1を半断面図として示している。スパークプラグ1はハウジング2を含んでいる。ハウジング2に絶縁体3が挿入されている。ハウジング2と絶縁体3はそれぞれの長軸Xに沿って穴を有している。この穴によって、ハウジング2が外面205と内面204を有している。ハウジング2の長軸、絶縁体3の長軸、およびスパークプラグ1の長軸は一致する。絶縁体3に中心電極4が挿入されている。さらに絶縁体3の中にターミナルボルト8が延びている。ターミナルボルト8にターミナルナット9が配置されていて、これを介してスパークプラグ1が、ここには図示しない電圧源と電気接触可能である。ターミナルナット9は、燃焼室と反対を向く側のスパークプラグ1の端部を形成する。
【0045】
中心電極4とターミナルボルト8との間で絶縁体3に、CCM(Ceramic Compound Material)とも呼ばれる抵抗部材7がある。抵抗部材7は中心電極4をターミナルボルト8と導電接続する。抵抗部材7は、たとえば第1の接触CCM72aと、抵抗CCM71と、第2の接触CCM72bとからなる層システムとして構成される。抵抗部材7の各層は、材料組成およびそこから帰結される電気抵抗によって区別される。第1の接触CCM72aと第2の接触CCM72bは、異なる電気抵抗または等しい電気抵抗を有することができる。抵抗部材7は、ただ1つの層の抵抗CCMを有することもでき、または、材料組成と抵抗が相違する複数の異なる層の抵抗CCMを有することもできる。
【0046】
絶縁体3は肩部をもって、ハウジング内面に構成されたハウジングシートの上に載っている。ハウジング内面と絶縁体3との間のエアギャップを封止するために、絶縁体肩部とハウジングシートとの間に内側シール材10が配置されていて、絶縁体3が嵌め込まれたときにハウジング2の中でこれが可塑変形し、それによってエアギャップを封止する。
【0047】
ハウジング2には、その燃焼室側の端面に接地電極5が導電的に配置されている。接地電極5と中心電極4は、点火火花が生成される点火ギャップがこれらの間で形成されるように相互に配置される。
【0048】
ハウジング2はシャフトを有している。このシャフトに、多角部21、収縮切込み、およびねじ山22が構成されている。ねじ山22は、内燃機関にスパークプラグ1をねじ込む役目を果たす。ねじ山22と多角部21の間に、外側のシール部材6が配置されている。外側のシール部材6は、本実施例では折り畳みガスケットとして構成されている。
【0049】
ハウジング2は、たとえば炭素鋼などの鋼材でできている。ハウジング2の上に、特にその外面の上に、ニッケル・亜鉛含有の保護層210が塗布される。ニッケル・亜鉛含有の保護層210は層厚Bを有しており、Bは1μmより小さくなく30μmより大きくないのが好ましい。ニッケル・亜鉛含有の保護層210は不動態化防食としての役目を果たす。ニッケル・亜鉛含有の保護層210の上に、ケイ素含有のシーリング層220がさらに塗布されている。ケイ素含有のシーリング層220は層厚Aを有しており、Aは10nmより小さくなく1000nmより大きくないのが好ましい。
【0050】
図4は、本発明によるハウジング2を製造する方法の一例としての手順の一部分を模式的に示している。
【0051】
第1の任意選択のステップS1で、事前に電気メッキ技術により少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層210で、および任意選択として1つまたは2つの中間層でコーティングされて表面が清掃されたハウジング2が準備される。そのために、少なくともニッケル・亜鉛含有の保護層210でコーティングされたハウジング2が、高アルカリ性の清掃剤を含む浴に入れられ、約5分のあいだ浴中で超音波により追加的に照射される。任意選択の清掃ステップは、一方では、シーリング層220の塗布を妨げる粒子、汚れ、不動態化剤などを除去する役目を果たし、他方では、シーリング層220が良好な結合性を有するようにするために、シーリング層220が塗布されるべき表面が加水分解または活性化される。任意選択として、任意選択の清掃の前にハウジング2がニッケル・亜鉛含有の保護層210に加えて第1の中間層301および/または第2の中間層302も有することができる。
【0052】
第2のステップS2で、考えられる清掃剤の残滓を除去するために、清掃されたハウジング2がたとえば脱塩水で洗流される。
【0053】
第3のステップS3でシーリング層220が塗布される。その際には、たとえばコーティングされたハウジング2のシラン化によって塗布を行うことができる。このときハウジング2がシラン溶液に浸漬され、またはシラン溶液を噴霧される。このステップで、ハウジング2の加水分解された表面にシランが結合して架橋し始め、それによってシーリング層220が生じる。
【0054】
任意選択の第4のステップS4で、ハウジング2の乾燥とシーリング層220の硬化が行われる。このときハウジング2はシラン化の後に、たとえば約130℃のもとで約15分のあいだ乾燥炉に装入される。このとき、たとえば考えられる浴の残留水分や残留溶剤がシーリング層220から取り除かれる。それと同時にシラン相互の架橋が完了し、それによってシーリング層220が硬化する。乾燥ステップが特別に好ましいのは、それによってシラン相互の架橋が補助、促進されるからである。
【0055】
ここに示した最後のステップS5でハウジング2が冷却されてから、たとえばケイ素含有のシーリング層220への被覆層303の塗布、スパークプラグ1の組立など、以後の加工に回される。
【符号の説明】
【0056】
1 スパークプラグ
2 ハウジング
3 絶縁体
4 中心電極
5 接地電極
204 内面
205 外面
210 ニッケル・亜鉛含有の保護層
220 シーリング層
301 第1の中間層
302 第2の中間層
303 被覆層
【手続補正書】
【提出日】2021-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパークプラグ(1)のためのハウジング(2)であって、前記ハウジング(2)の長軸Xに沿って穴を有し、それによって前記ハウジング(2)が外面(205)と内面(204)を有し、前記ハウジング(2)の前記外面(205)の少なくとも1つの部分に電気メッキ式に塗布されたニッケル・亜鉛含有の保護層(210)が配置され、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)の上にシーリング層(220)が配置されている、ハウジングにおいて、前記シーリング層(220)がケイ素を含むことを特徴とする、ハウジング。
【請求項2】
前記シーリング層(220)はクロムフリーであることを特徴とする、請求項1に記載のハウジング(2)。
【請求項3】
前記シーリング層(220)は10nm~10μ
mの層厚Aを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のハウジング(2)。
【請求項4】
前記シーリング層(220)は100nm~1μmの層厚Aを有することを特徴とする、請求項1または2に記載のハウジング(2)。
【請求項5】
前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)は1μm~30μmの層厚Bを前記ハウジング(2)の上に有することを特徴とする、請求項1から
4までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項6】
前記ハウジング(2)と前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)との間に第1の中間層(301)が塗布され、および/または前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)と前記シーリング層(220)との間に第2の中間層(302)が塗布され、および/または前記シーリング層(220)の上に被覆層(303)が塗布されることを特徴とする、請求項1から
5までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項7】
前記第1の中間層(301)は1nm~1000nmの層厚Cを有することを特徴とする、請求項
6に記載のハウジング(2)。
【請求項8】
前記第2の中間層(302)は1nm~1000nmの層厚Dを有することを特徴とする、請求項
6または
7に記載のハウジング(2)。
【請求項9】
前記被覆層は1nm~2000nmの層厚(303)Eを有することを特徴とする、請求項
6から
8までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項10】
前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)と前記シーリング層(220)は前記ハウジング(2)の前記外面(205)全
体、およ
び前記ハウジング(2)の前記内面(204)の少なくとも1つの部分に構成され、前記第1の中間層(301)および/または前記第2の中間層(302)および/または前記被覆層(303)が存在する場合には、前記第1の中間層(301)および/または前記第2の中間層(302)および/または前記被覆層(303)が前記ハウジング(2)の前記外面(205)全
体、およ
び前記ハウジング(2)の内面(204)の少なくとも1つの部分に構成されることを特徴とする、請求項1から
9までのいずれか1項に記載のハウジング(2)。
【請求項11】
スパークプラグ(1)において、請求項1から
10までのいずれか1項に記載のハウジング(2)と、前記ハウジング(2)の中に配置された絶縁体(3)と、前記絶縁体(3)の中に配置された中心電極(4)と、前記ハウジング(2)の燃焼室側の端部に配置された接地電極(5)とを有し、前記接地電極(5)と前記中心電極(4)は点火ギャップを共同で形成するためにセットアップされている、スパークプラグ。
【請求項12】
請求項1から
10までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法において、次の各ステップを有し、
電気メッキ式のコーティング方法によって前記ハウジング(2)に塗布されたニッケル・亜鉛含有の保護層(210)を有するスパークプラグ(1)のためのハウジング(2)が準備され、前記ハウジングは任意選択として第1および/または第2の中間層(301,302)を有し、
次いで、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)でコーティングされた前記ハウジング(2)が洗流され(S2)、
次いで、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)または前記第2の中間層(302)にシーリング層(220)が塗布されるステップ(S3)が行われる、製造方法。
【請求項13】
前記製造方法は前記洗流ステップ(S2)の前に、少なくとも前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)でコーティングされている前記ハウジング(2)の表面が清掃されるステップ(S1)を有することを特徴とする、請求項
12に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項14】
前記製造方法は、前記ニッケル・亜鉛含有の保護層(210)または前記第2の中間層(302)へ前記シーリング層(220)が塗布された後に、前記ハウジング(2)の表面から、特に前記シーリング層の塗布に由来する、考えられる水または溶剤が除去される乾燥ステップ(S4)を有することを特徴とする、請求項
12または
13に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項15】
前記製造方法は前記乾燥ステップ(S4)の後に、前記シーリング層(220)が硬化する重縮合ステップをさらに有することを特徴とする、請求項
14に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項16】
前記製造方法は、前記シーリング層(220)に被覆層(303)が塗布されるステップをさらに有することを特徴とする、請求項
12から
15までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項17】
前記シーリング層(220)を塗布するためにゾル・ゲル・プロセス、CCVD、またはPVDがコーティング法として適用されることを特徴とする、請求項
12から
16までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項18】
前記シーリング層(220)のために官能化されたシラン、特にアルコキシシラン、アミノシラン、またはアクリルシランが使用されることを特徴とする、請求項
12から
17までのいずれか1項に記載のハウジング(2)の製造方法。
【請求項19】
官能化されていないシラン、特にアルキルトリアルコキシシランも前記シーリング層(220)のために追加的に使用されることを特徴とする、請求項
18に記載のハウジング(2)の製造方法。
【国際調査報告】