(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】補綴アクセサリ滅菌器
(51)【国際特許分類】
A61L 2/20 20060101AFI20220428BHJP
A61L 101/10 20060101ALN20220428BHJP
【FI】
A61L2/20 100
A61L101:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555380
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 IB2020052209
(87)【国際公開番号】W WO2020183407
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ZA
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521417299
【氏名又は名称】ヴィセル,ヨハン コーネリアス
【氏名又は名称原語表記】VISSER, Johann Cornelius
【住所又は居所原語表記】2 Rhodes Ave, Walmer Estate, Woodstock 8001 Cape Town (ZA)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセル,ヨハン コーネリアス
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA12
4C058BB07
4C058CC05
4C058EE22
4C058EE26
4C058JJ14
4C058JJ29
(57)【要約】
本発明は、補綴アクセサリ滅菌器(1)、より具体的には、補綴ライナーまたはスリーブ滅菌器に関するが、これに限定されない。本発明によれば、その上にスリーブを受けるための細長支持体(3)、細長支持体(3)内のいくつかの通気開口部(4)、通気開口部(4)を通して空気を移動させる空気移動手段、オゾンだけではないがオゾンなどの細菌を殺す空気中生成粒子を含む補綴アクセサリ滅菌器が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上にスリーブを受け入れるための細長支持体と、前記細長支持体内の複数の通気開口部と、前記通気開口部を通して空気を移動させる空気移動手段とを含む補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項2】
前記細長支持体はベースから作動的に直立して延在し、前記支持体の上に配置可能なカバーと、前記ベース上のシート構造に着座するための前記カバーの下側開口端部とを有する、請求項1に記載の補綴アクセサリ滅菌器
【請求項3】
前記補綴アクセサリ滅菌器が、オイルディフューザを含む、請求項1又は2に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項4】
前記ディフューザは、オイルリザーバからオイルを拡散させる、請求項3に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項5】
前記拡散されたオイルが、前記細長支持体を通って、前記細長支持体の前記通気開口部から前記スリーブの内面に向かって押し出される、請求項4に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項6】
前記補綴アクセサリ滅菌器がオゾン源を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項7】
前記細長支持体がその上の前記スリーブの内側の一部を支持するために、太くした端部で終端する、請求項1~6のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項8】
前記太くした端部はそこから延在する突出部を有することにより、前記太くした端部から離間させて前記スリーブを支持する、請求項7に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項9】
前記突出部は丸みを帯びた端部で終端する、請求項8に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項10】
前記スリーブが前記太くした端部を覆うときに前記支持体から離間するように、前記太くした端部は前記支持体の断面よりも大きい断面を有する、請求項7~9のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項11】
前記カバーが、その上部開放端に蓋を有する、請求項2~10のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項12】
前記カバーが、閉鎖可能な水分逃がし開口部を有する、請求項2~11のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項13】
前記ベースが、閉鎖可能な水分逃がし開口部を有する、請求項2~11のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項14】
前記滅菌器がUVライトを含む、前記請求項1~13のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項15】
前記ベースを通って循環するオゾンを変性させるように前記UVライトが前記ベースに含まれる、請求項14に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項16】
空気流路が前記ベースの外側から前記ベースのフィルタ開口部を通って前記細長支持体の動作可能な下端部へと延び、前記細長支持体の中で動作可能に上方へと延び、前記細長支持体の通気開口部と、前記細長支持体の上端の太くした端部の通気開口部を通って外へと出る、請求項1~16のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項17】
前記ベースが、前記オイルディフューザ、電子部品、水分逃がし開口部、空気移動手段、UVライトまたは青色ライトおよび/またはオゾン源を収容する、請求項1~16のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項18】
前記細長支持体が一連の通気開口部を含む、請求項1~17いずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項19】
前記オイルリザーバは、再充填のための前記ベースから摺動可能に取り外し可能なトレイである、請求項4~17のいずれか一項に記載の補綴アクセサリ滅菌器。
【請求項20】
補綴アクセサリを滅菌する方法であって、
-細長支持体上に前記アクセサリを配置することと、
-空気移動手段で前記支持体の内部から前記細長支持体の複数の通気開口部を通して前記アクセサリに向かって空気を移動させることと、
を有する方法。
【請求項21】
オゾンを発生させ、オゾンに富んだ空気を前記細長支持体に通し、前記通気開口部を通って前記アクセサリに向かって外に移動させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
拡散または霧化したオイルを含む空気を、前記細長支持体を通して、前記細長支持体の壁の前記通気開口部を通って外へ出し、前記アクセサリに向かって移動させることをさらに含む、請求項20または21に記載の補綴アクセサリを滅菌する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は補綴アクセサリ(又は、補綴付属物/人工器官付属物/prosthetic accessory)滅菌器に関し、より詳細には補綴ライナーまたはスリーブ用の滅菌器に関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0002】
ライナーまたはスリーブ(以下、「スリーブ」)は、補綴物(又は、補綴/プロテーゼ/人工器官/prosthesis)が嵌合する残存肢の領域を覆うために使用される。
【0003】
細菌、汗、死んだ皮膚細胞および他の汚染物質が、使用によりスリーブ内に蓄積する。皮膚の微小病変は補綴物の長期にわたる摩耗(又は、着用/wear)によって起こり、および/または引き起こされることがある。これが感染を起こすことがある。
【0004】
感染は、創傷が治癒するまで、使用者がプロテーゼを着用することを妨げる。これは、移動性、日常生活、責任及び自信を含むユーザの一般的な健康(又は、すこやかさ/well-being)に影響を及ぼす。
【0005】
悪臭および感染を防ぐために、スリーブは、毎日、使用後、特に運動後に洗浄されなければならない。
【0006】
アルコールおよびUV光の使用を含む、種々の滅菌方法が利用可能である。アルコールおよびUV光の使用は、スリーブの寿命に悪影響を及ぼし得る。
【0007】
米国特許出願公開第2015/0064063A1号、名称「補綴ライナーを洗浄および乾燥するための装置および方法」(「’063出願」)は、補綴ライナー中の微生物を排除する装置を開示する。これらの装置は、補綴ライナーから臭気および湿気を除去する。開示された装置および方法は補綴ライナーを抗菌ライトで照らし、補綴ライナーを通過して空気を押し出す。
【0008】
’063出願は、補綴スリーブの底部開口端部に空気を吹き込むための空気移動手段を開示している。これらのスリーブは、たいていの場合、ソックスを形成するために反対側の端部で閉鎖されている。したがって、開口端に押し込まれた空気は、スリーブの内部で、常に効率的に、または所望の程度まで循環するとは限らない。’063出願に開示された装置はUV光または青色光を含むが、オゾンを変性させるUV光または青色光を開示していない。開示された装置はまた、芳香族物質、または、スリーブの少なくとも一部に芳香族物質を塗布するためのシステムを含まない。’063はまた、オゾンの使用を開示していない。
【0009】
「補綴スリーブ保持装置」と題する米国特許第US9,585,498B1号(「’498特許」)は、補綴スリーブ保持装置を開示している。保持装置は少なくとも1つの補綴スリーブを保持し、ほぼ平坦な構成を有する対向する上面および底面を含むベース部材を含む。ベース部材は、上面に配置された第1のガイドリングを含む。支持部材はベース部材に回転可能に連結されており、支持部材は上面及び下面を有し、仮想の垂直回転軸を中心に回転する円形構成を有している。支持部材は、支持部材の下面に位置する第2のガイドリングを含む。一対の離間した支持ロッドは支持部材から上方に延び、各支持ロッドは円筒形構成と、ベース部材から変位した自由端とを有し、補綴スリーブを支持するように構成される。
【0010】
’498号特許に開示された器具は、スリーブの内側又は外側の周りに空気を移動させるための空気移動手段を開示していない。その代わりに、ロッドの内側にある、またはその一部である除湿器に向かって、ロッドの1つの上にドレープされたスリーブから空気を引き出すための、支持ロッド(シリンダ)内に通気孔を有している。除湿器は、シリカパックまたは他の吸湿材料を含む。空気の移動方向はスリーブの内側から、スリーブがドレープされる支持ロッドの内側、またはその一部の除湿器材料に向かってである。’498特許の装置は、芳香ディスペンサまたは芳香ディスペンサシステムを含まない。また、抗菌灯(UVまたは青色光)を含まない。この装置は、オゾンの使用またはオゾンを変性させるためのUV光の使用も開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は少なくとも部分的に、上述の問題のいくつかを軽減する補綴アクセサリ滅菌器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、その上にスリーブを受け入れる(又は、受容する)ための細長支持体と、細長支持体内の多数の通気開口部と、通気開口部を通って空気を移動させるための空気移動手段とを含む補綴アクセサリ滅菌器が提供される。
【0013】
細長支持体は支持体およびカバーの上に位置するようにベースおよびカバーから動作可能に直立して延び、カバーの下側開放端は、ベース上に形成されて着座する。
【0014】
本発明のさらなる特徴は、補綴アクセサリ滅菌器がオイルディフューザを含むことを提供する。
【0015】
ディフューザは、オイルリザーバからオイルを拡散させ、拡散されたオイルが細長支持体を通ってスリーブの内面に向かって細長支持体の通気開口部から押し出されるように設けられている。
【0016】
本発明のさらなる特徴は、オゾン源を含む人工補装具滅菌器を提供する。
【0017】
さらに、細長支持体は、スリーブの内側の一部を支持体から離れるように支持するために、太くした端部で終端するように提供される。
【0018】
太くした端部はそこから延びる突起を有し、丸みを帯びた端部で終端し、太くした端部からスリーブの他の部分が空間をあけるように設けられている。
【0019】
太くした端部は、支持体の断面よりも大きな断面を有する。
【0020】
本発明のさらなる特徴は、カバーがその上部開放端に蓋を有することを提供する。
【0021】
さらに、カバーまたはベースは、閉鎖可能な水分逃がし開口部を有するように提供される。
【0022】
滅菌器がUVライト(又は、UV光)を含むことも提供される。
【0023】
UVライトは、ベースを通って循環するオゾンを変性させるためにベースに含まれる。
【0024】
本発明のさらに別の特徴は、空気流路がベースの外側からフィルタ開口部を通ってベースの内側に延び、細長支持体の動作可能な下端に入り、細長支持体で動作可能な上向きに上がり、細長支持体の通気開口部を通って、細長支持体の上端の太くした端部の通気開口部を通って外に出ることを提供する。
【0025】
ベースは、オイルディフューザ、電子部品、水分逃がし開口、空気移動手段、UVライトまたは青色ライト(又は、青色光)、およびオゾン源を収容する。
【0026】
オイルリザーバは、再充填するためにベースから摺動可能に取り外し可能なトレイであることが提供される。
【0027】
本発明は、以下のステップを含む、補綴アクセサリを滅菌する方法に及ぶ:
細長支持体の上にアクセサリを置くステップ;
細長支持体を通して、細長支持体の壁の通気開口部を通して、およびアクセサリを通してオゾンを強制的に流出させるステップ;
細長支持体を通して、細長支持体の壁の通気開口部を通して、およびアクセサリを通して、拡散または霧化されたオイルを含む空気を押し出すステップ。
【0028】
空気を押し出すステップは、細長支持体を通して空気と共にオゾンを押し出すさらなるステップを含む。
【0029】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下により詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の一実施形態を、単なる例として、図面を参照して以下に説明する。
【
図2】補綴アクセサリ滅菌器の一部の側面図(カバーの蓋はこの図から除外)、および補綴アクセサリ滅菌器から取り外されたオイルトレイを示す。
【
図3】カバーの蓋が含まれ、トレイがその動作位置に配置された状態の補綴アクセサリ滅菌器の側断面図を示す。
【
図4】説明目的のため、透明な図のスリーブを細長支持体の上に描いた、補綴アクセサリ滅菌器を示す。
【
図5】
図1の補綴用補助滅菌器と同じ図であるが、カバーに蓋がない状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面を参照すると、補綴アクセサリを滅菌するための補綴アクセサリ滅菌器が、参照番号1によって全体的に示されている。
【0032】
補綴滅菌器は、スリーブ23をその上に支持するための中空の細長支持体3を含む。通気開口部4は、空気が支持体3の内側からスリーブ23の内面に向かって流れるのを可能にする。ファン9の形態の空気移動手段は、空気を支持体3内に押し上げ、通気開口部4を通って外に出す。
【0033】
アクセサリ滅菌器1は更に、ベース17と、電源ケーブル18と、取り外し可能なカバー5と、蓋24とを含む。
【0034】
ベース17は、ベースプレート19と、頂部20と、通気キャビティ21とを有する。
【0035】
細長支持体3は、ベース17の中心から上方に作動的(又は、作動可能/動作可能)に延びる管である。細長支持体3は中空で円筒形の形状であり、底部が開放された端部を有する。
【0036】
ベースプレート19は、ベース17の作動可能な底部にあるディスク状の底部またはディスクである。
【0037】
頂部20は、ベースプレート19から延びている。頂部20は円筒状または実質的にドーム形状であり、以下にさらに説明するように下部ハウジングを形成する。ドーム20の頂点は、その中に細長支持体3を支持する。細長支持体3の下端は、ドーム20の内側で終端する。
【0038】
オイルトレイ7がドーム20の側部に配置されている。オイルトレイ7は開放端ボックス(又は、オープンエンドのボックス)であり、その作動上端が開放されている。オイルトレイ7の外壁の外面はドーム20の表面に対して相補的に湾曲しており、トレイの支持壁(側壁および底壁)を提供する。ハンドルは、トレイ7の外側表面または壁から延びている。ハンドルは角が湾曲した長方形である。
【0039】
トレイ7の底面および側面に相補的な支持壁は
図2に示すように、ドーム19から内側に延びている。
【0040】
ドーム20の側面には、空気抜き開口部25が配置されている。空気抜き開口部25は長方形の形状であり、ドーム20の側壁を貫通して延在している。ドア26が開口部を覆う。ドア26は電子的に操作可能であり、閉鎖位置と開放位置との間で移動可能である。
【0041】
制御パネル2は、ドーム20の上または側面に配置されている。制御パネル2は略矩形状である。電子制御パネル2は、ドーム20内の構成要素の機能を制御する。制御パネル2はタイマー(図示せず)を含み、構成要素の電子機器を制御し、したがって滅菌器1の動作を制御する。タイマは電子構成要素が特定の期間の後に、またはスケジュールされた時間に、オンおよび/またはオフに切り替えられることを可能にする。
【0042】
UVB光のようなUV光を放射するLEDライト27は、ベースプレート19の作動可能な内側の表面上に配置される。
【0043】
電源ケーブル18がドーム20から延びている。
【0044】
平坦な動作可能な水平(又は、等角)のリング形状の仕切壁は、底部ハウジングのベースと、上部頂点または切頭円錐形部分とを分割する(又は、ベースを、底部ハウジングと上部頂点または切頭円錐形部分とに分割する)。壁は細長支持体の周りに、ドーム状ベースの外側の円周方向リムまで延びている。リムの外周はカバー5の底部エッジを受け入れるために、頂部のベースの周囲に外側の平坦なリング又は段部又はシートを形成する。
【0045】
通気開口部14は、ドーム20の平坦なリング状表面上の細長支持体の周囲に離間して配置されている。
【0046】
図2に示すように、エアフィルタ15が仕切壁の下側(内側)表面に、仕切壁の通気開口部14を下方で覆うように取り付けられている。
【0047】
ディフューザ8は、トレイ空洞の上端でドーム20の底部ハウジングの内側に取り付けられている。ディフューザ8は、支持体3の底端を通って延び、支持体3の内側でファン9の上方で終端するノズルを有する。
【0048】
ファン9は、ベース17の中央に配置されている。ファンインペラ24は、ベースプレート19に取り付けられたモータ9に取り付けられている。インペラ24は、モータ9の上端に位置している。
【0049】
細長支持体3の底部開放端は、インペラ24を覆い、底部エッジがファン9のすぐ下まで延在する。
【0050】
オゾン発生器13は、細長支持体3の下端で、ファンインペラ24の上方の内面に配置されている。
【0051】
通気キャビティ21は、スロットを有する上下逆さまの(円錐台形)漏斗または頂点部分と、細長支持体3の下端との間に形成される。スロットは、ドーム20の平坦なリング状壁のフィルタ開口14に対応する。
【0052】
管の形態の細長支持体3はドーム20から上方に延び、太くした端部22で終端する。太くした端部22はドーム形状であり、管よりも大きな直径を有する。細長支持体3は、ドーム20の内側でより大きな直径を有する。その後、細長支持体3は、より小さな直径まで先細りになり、そこで、スロット付き漏斗21の頂点と接合する。細長支持体3の残りの部分は、太くした端部22まで直円柱(又は、right-circular)である。
【0053】
通気開口部4は、細長支持管3の壁上およびその周囲に間隔を置いて配置されている。
【0054】
スタブ6は、太くした端部22の上面から延びている。スタブ6は、その頂部が丸みを帯びており、凹状である。
【0055】
円筒形中空カバー5は所定の位置にあるときに、上述した段部でドーム20上に着座し、細長支持体3を覆う。カバー5の上端は開放されている。
【0056】
蓋24は、カバー5の頂部開口端部に着座する。ハンドル16が蓋24から延びている。蓋24はその底縁の周りにシールを有し、蓋24とカバー5との間に気密シールを形成する。
【0057】
空気流路は、ベースの外側から通気開口部14またはエアベント開口部25を通ってベース17の内側に伸び、細長支持体3の動作可能な下端に入り、細長支持体3内で動作可能に上向きに、細長支持体3内の通気開口部4を通って、および細長支持体3の上端の太くした端部22内の通気開口部4を通って外に出る。
【0058】
使用時には、補綴スリーブ23が細長支持体3の上に配置される。スタブ6は空気分配を改善するために、補綴スリーブ23を太くした端部22の外面から離間させる。また、太くした端部22はスリーブ23が管3から離れて吊り下げられること、即ち、そこから離間することを確実にする。カバー5は、ベース17上に載置されている。蓋24は、蓋24を配置するためにハンドルを使用してカバー5上に配置される。電気ケーブル18は、電源に接続される。ファン9は後述するように、滅菌器1内に空気循環を生じさせる。このとき、ディフューザ8とオゾン発生器12の両方を動作させてもよいし、いずれか一方を選択的に動作させてもよい。制御パネル2は、ディフューザ8及び/又はオゾン発生器12を選択的に作動又は停止させるために使用することができる。オイルは、オイルトレイ7の内部に配置される。ディフューザ8は、オイルをファン9に運ぶ、又はオイルをファン9の上に拡散させる。空気は、漏斗21及びドーム20のフィルタ開口14を通って漏斗21及びドーム20に入る。空気はフィルタ15を通して濾過される。ファン9は、細長支持体3の内側で空気を上方に押し上げ、通気開口部4を通過させる。オゾン発生器12およびディフューザ8は空気が細長支持体3の通気開口部4に押し込まれ、通される前に、空気を拡散したオイルおよび/またはオゾンと混合させる。オイル含浸された(又は、オイルを含有する)空気及びオゾンは、通気開口部4を通って押し出され、空気不透過性スリーブ23の場合にはスリーブ23の内面上に押しつけられる。空気透過性スリーブ23の場合には、空気拡散されたオイル及び/又はオゾンの一部がスリーブ23を通って移動する。使用者はオゾンをより速い速度で変性させる必要があることを要求することが可能であり、したがって、UVBライト27は、任意の所望の期間、制御パネル2でオンに切り替えることができる。UVBライト27は、加速されたペースでオゾンを除去する。いずれにしても、空気またはその一部がスリーブ23を通って流れるか否かにかかわらず、カバー5および蓋24は滅菌器1の内部に空気を収容し、循環させる。オゾンを最適に作用させるために、通気開口部25のドア26を開いて、カバー5内の空気中の過剰な水分を最初に放出する。その後、ドア26を閉じて、オゾンをカバー5内に保持する。
【0059】
本明細書において上述した滅菌器1はオゾンで補綴スリーブを滅菌し、芳香効果のためにオイルを拡散させるために使用するのに便利であることが想定される。場合によっては、オイルは抗菌物質を含んでもよく、オイルといっしょに拡散され循環されてもよい。オゾンは放出性であり、また吸入されるべきではなく、カバー5及び蓋24は気密シールを提供しないかもしれないが、カバー5及び蓋24は大部分が滅菌器1の内部にオゾンを含む。UV光はまた、オゾンを変性させる。蓋24は、使用者がスリーブまたはライナー23を滅菌器1の内側に配置することを容易にする。
【0060】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの他の実施形態が可能であることを理解するであろう。例えば、補綴アクセサリ滅菌器は、拡散器またはオゾン発生器のいずれか、または両方を有する可能性がある。カバーはまた、気密であってもよく、または、少量の空気が滅菌器に入るための小さな通路を可能にするように調節されてもよい。制御装置は滅菌器から離れて配置されてもよく、滅菌器は遠隔制御されてもよい。ハウジング又はドームは、任意の便利な形状とすることができる。細長支持体は、任意の実質的に細長い中空の柱であってもよく、開示されるように異なる直径を有する円形である必要はない。
【国際調査報告】