(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】ばね束のための騒音防止要素
(51)【国際特許分類】
F16F 1/20 20060101AFI20220428BHJP
B60G 11/02 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
F16F1/20
B60G11/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555383
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 BR2020050088
(87)【国際公開番号】W WO2020181351
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】BR2020190049796
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521417369
【氏名又は名称】ラッシーニ-エニ・アガー・カー・アウトペサス・リミタダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フルタード,ダニロ
(72)【発明者】
【氏名】ドス・サントス,マルコス
(72)【発明者】
【氏名】マニーニ,リカルド・ゲジス
【テーマコード(参考)】
3D301
3J059
【Fターム(参考)】
3D301AA76
3D301CA22
3D301DA02
3J059AB11
3J059AD02
3J059AE05
3J059BA14
3J059DA04
3J059GA02
(57)【要約】
騒音防止要素(EAR)は、ばね束(FM)の重ね合わせおよび隣接する各2つのばねブレード(LM)の端部を分離するために適用され、ポリアミド‐11熱硬化性樹脂のコーティング(20)で覆われ、騒音防止要素(EAR)が着座して保持されるばねブレード(LM)の端部に設けられた対応する穴(F)に嵌合して保持される中央突起(12)を組み込んだ金属板(10)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重ね合わされて取り付けられたばねブレード(LM)のアセンブリによって形成され、それぞれの隣接する2つのばねブレード(LM)の端部部分がそれぞれの騒音防止要素(EAR)によって分離されたタイプのばね束のための騒音防止要素であって、金属板(10)を備え、その幅は、ばね束(FM)の全幅に合致され、2つの隣接するばねブレード(LM)の端部の重ね合わされた部分の間の直接的な接触を防止する長さを有し、前記金属板(10)は、熱可塑性ポリアミド-11樹脂中のコーティング(20)によって覆われ、騒音防止要素(EAR)が着座して保持されるばねブレード(LM)の端部に設けられた対応する穴(F)に嵌め込まれて保持される中央突起(12)を組み込むことを特徴とする、騒音防止要素。
【請求項2】
コーティング(20)は、0.01mm~2.00mmの厚さを有するポリアミド-11樹脂層によって画定されることを特徴とする、請求項1に記載の騒音防止要素。
【請求項3】
金属板(10)は、ばねブレード(LM)の厚さよりも薄い厚さを有することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の騒音防止要素。
【請求項4】
金属板(10)の中央突起(12)は、後者の中の中央引込部(11)によって画定されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の騒音防止要素。
【請求項5】
中央引込部(11)により形成された中央突起(12)は、互いに離間してばね束(FM)の長手方向に配置された一対の平行なリブ(12a)により画定され、、それぞれのばねブレード(LM)の端部の穴(F)に嵌入されていることを特徴とする、請求項4に記載の騒音防止要素。
【請求項6】
金属板(10)は、ばね束(FM)において、ばねブレード(LM)の隣接する側縁部に直接隣接して、上方または下方に着座するサイドフラップ(15)を各長手方向縁部に組み込んでいることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の騒音防止要素。
【請求項7】
中央突起(12)および最終的な上側フラップ(15)を含む金属板(10)全体が、ポリアミド-11中のコーティング(20)で覆われていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の騒音防止要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実用新案の性質において、通常、車両および道路用具、一般的に貨物または乗客輸送用車両のサスペンションに適用される、ばね束のブレードの間に配置される要素であって、車両の走行中にサスペンションが動作しているときに、ばね束の隣接するばねブレード間の摩擦運動によって引き起こされる騒音を低減する、または排除するための要素に関する。
【背景技術】
【0002】
最新技術
道路車両に適用されるばね束は、最新技術で知られており、それぞれが、互いに重ね合わされて取り付けられた、等しい長さまたは別個の長さを有するばねブレードのアセンブリを備え、それらに加えられる荷重に反応することによって、互いに屈曲する。
【0003】
ばねブレードのこれらの広範囲に使用されるばね束は、各バンドルの隣接するばねブレードの摩擦運動が、移動中の車両によってそれらに課される異なる荷重の下で曲げられるときに、大きな音を発生させ、不快な騒音を発生させる不都合を呈する。この不都合は、車両の乗客にとって特に不快である。
【0004】
これらの騒音除去要素のための既知の構造的解決策の1つによれば、各要素は、その組成物中に補強添加剤を含むかまたは含まない、ポリマー材料および/または複合ゴムで形成された、通常矩形および/または円形の輪郭を有する板またはブレードによって形成され、ばね束のブレードの幅に調整された幅と、ばね束の各2つの隣接するばねブレードの端部間の直接接触を防ぐのに十分なだけの、束の長手方向の延長部とを提示する。各要素は、少なくとも1つの突起が、騒音防止要素によって分離される各対のブレードの隣接するばねブレードに設けられた対応する穴に嵌合され、ばね束内での要素の正しい位置決めを確実にするように組み込まれる。
【0005】
高分子材料および/または複合ゴムで形成された、騒音防止機能を有するこれらの要素は、それらが受ける仕事負荷および/または摩擦によって、それらの作動不良が生じるまで、材料が排出または摩耗し、それによって、ばね束の騒音防止要素の外れ、または2つのブレード間のその変位が、ばねブレードの中央領域に向かって引き起こされ、ばね束のブレードの早期破壊を引き起こす可能性があるため、耐用年数が制限されている。上記いずれの故障においても、騒音防止要素はその機能を喪失する。
【0006】
騒音防止要素の別の公知の構造では、各要素は金属板またはシートによって形成され、その上面に、結合、加硫または他の適切な手段によって、複合ゴムの層を組み込み、その下面に、少なくとも1つの下部位置決め突起、一般には金属、例えばスタッドを組み込み、騒音防止要素によって分離される各対のブレードの下部ばねブレードに設けられた対応する穴に嵌め込まれ、ロックされる。この複合要素はまた、ばね束のブレードの幅に調整された幅と、ばね束のそれぞれの隣接する2つのばねブレードの端部間の直接接触を防止するのにちょうど十分な長手方向延長部とを有する。
【0007】
金属シートに形成され、ゴムパッドを担持するこれらの要素は、摩擦による摩耗およびゴムパッドが提出される作業負荷のために、耐用年数も限られている。さらに、ゴムパッドを有するこれらの要素は、通常はスタッドおよびナットによって、ばね束内に保持され、より長い製造時間を必要とし、ポリマー防音要素に関して製品のコストを増大させる。
【0008】
別の公知の構造は、特許文献ブラジル国特許出願公開第0503283号明細書に開示されている。この場合、各騒音防止要素は、厚さが薄く、ばね束の2つの隣接するブレードの幅および長さに対応する幅および長さを有する矩形の鋼ブレードを備え、これらのブレードの間に要素が取り付けられる。各騒音防止要素は、少なくともその端部が、好ましくは加硫ゴムによって画定されるが、様々な合成材料または天然材料から形成することができるエラストマー材料の層で、上下にコーティングされている。この騒音防止要素は、全てのブレードを貫通する通常のピンまたは中央ロッドによって、およびばね束内に設けられた通常の保持クランプによって、ばね束内の所定位置に保持された平滑な金属ブレードの形態とすることができる。更に、鋼ブレード要素は、一方の面上に、リブの形成で引き出された突起、および、反対側の面上に、対応する凹部を含むことができる。
【0009】
この以前の構造は、ゴムパッドを担持する金属シートを使用する解決策の同じ欠点を提示する他に、それが装着される一対のばねブレードの全長にわたって延在する鋼ブレードの使用を示唆し、ばね束の建設コストを実質的に増加させ、不必要にその最終重量を増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】ブラジル国特許出願公開第0503283号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、公知の解決策の欠点のために、本発明は、簡単な構造、比較的低コスト、層状ばねの束における容易かつ安全なアセンブリを提供し、公知の構造解決策と比較して増大した耐用年数を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ここで、添付図面を参照しながら、本騒音防止要素について以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明による騒音防止要素が設けられ、2つの隣接するばねブレードのそれぞれの端部の間に配置された、ばねブレードの典型的な束の端部の1つの側面立面図を表す。
【
図2】
図2は、第1の実施形態による、ばねブレードの端部と、該ばねブレード上に着座して保持される対応する騒音防止要素とを示す等角分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示されるその第1の実施形態による、騒音防止要素の等角斜視図を表す。
【
図4】
図4は、騒音防止要素の断面図を示し、該要素は、
図3のIV-IV線に沿った断面で示され、2つの隣接するばねブレードの間に取り付けられている。
【
図5】第2の実施形態に従って構成された騒音防止要素の等角斜視図を表す。
【
図6】
図6は、その第2の実施形態における騒音防止要素の断面図を表しており、該要素は、
図5のVI-VI線に沿った断面で示され、、2つの隣接するばねブレードの間に取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の説明
先に述べ、添付図面に図示したように、本騒音防止要素EARは、ばね束FMの各2つのばねブレードLMの端部の間に配置され、ばね束FMは、通常、車両および道路用具のサスペンションに適用され、ばねブレードLMのアセンブリによって形成される。図示の構成では、ばね束FMを形成するために同じ長さのばねブレードLMを使用することが可能であるが、ばねブレードLMは異なる長さを有する。ばねブレードLMは、当技術分野で公知の整列機能の保持要素ERを備えるかまたは備えないで、互いに重ね合わされて取り付けられる。
【0015】
ばねブレードという用語は、サスペンションばねとして動作するばねブレードだけでなく、ばね束の下部領域に配置され、ばね束が破損した場合に、追加の安全要素ほどにはサスペンションばねとして動作せず、1つまたは複数のサスペンションばねブレードを備えることができる最終的な安全ばねブレードをも定義することを理解されたい。
【0016】
本発明によれば、各騒音防止要素EARは、鋼または任意の適切な合金で、可変輪郭、多角形、円形、または楕円形の金属板10を備え、最大幅は、ばね束FMの全幅に合致され、保持要素ERが設けられているか、または設けられておらず、長さ方向に、その幅にほぼ等しく、2つの隣接するばねブレードLMの重ね合わされた端部間の直接接触を防止するのに十分な伸展を有する。
【0017】
2つの図示した実施形態では、各金属板10は、ばねブレードLMの厚さよりも小さい厚さを有し、一般に隣接するばねブレードLMの厚さの半分よりも小さく、各金属板10は、ポリアミド-11として知られる熱可塑性樹脂の層の形態のコーティング20で覆われ、コーティング20の厚さは0.01mm~2.00mmの範囲にあり、騒音防止要素EARが適用されるであろうばね束FMのばねブレードLMの寸法特性に応じて変化する。
【0018】
コーティング20は、ポリアミド-11によって画定される熱硬化性樹脂の利用により、浸漬または任意の他の適切なプロセスによって画定され、任意のタイプのばね束FMに使用されることができ、構造および組立てが容易であり、コスト競争力があり、現在知られている解決策の耐久性と比較した場合に優れた耐久性を示す騒音防止要素を得ることを可能にする。コーティング20は、騒音防止要素EAR上に部分的に示されている(
図2、3および5を参照)。
【0019】
図3および
図4に示すように、第1の実施形態では、騒音防止要素EARは、金属板10によって画定されることができ、幅、長さ、および厚さの寸法は、上記で画定され、図示の構造では、中央引込部11によって画定される中央突起12を組み込み、前記中央突起12は、騒音防止要素EARが着座し、保持されるばねブレードLMの端部に設けられた対応する穴F内に、変位に対抗して嵌合および保持されるように設計される。
【0020】
図3および
図4の例では、中央引込部11は、ばね束FMの長手方向に離間して配置された一対の平行なリブ12aによって画定される中央突起12を生成し、それぞれのばねブレードLMの端部の穴Fに嵌合させ、ばね束FMにおける騒音防止要素EARの正しい安全な位置決めを確実にする。
【0021】
図5および
図6は、騒音防止要素EARの第2の実施形態を示し、この実施形態は、
図3および
図4に示す第1の実施形態と同様の特性を示し、同じ参照符号を付している。しかしながら、第2の実施形態では、金属板10は、各長手方向縁部に、ばね束FM内で隣接する、上方または下方のばねブレードLMの隣接する側縁部に着座されるサイドフラップ15を組み込んでいる。
図6では、直上に位置するばねブレードLMの側縁部に対する金属板10の側部フラップ15の着座のみが図示されている。しかしながら、金属板10は、ばねブレードLMの反対側の縁部に対してその側部フラップ15が直下に配置された状態で、
図6に図示したものに対して反転した位置に取り付けることができることを理解すべきである。従って、金属板10が側部フラップ15を組み込んだ本明細書で提案される構造では、
図1に示される保持要素ERは、ばね束FMから完全にまたは部分的に取り外すことができる。
【0022】
第1および第2の実施形態の両方において、好ましくは、中央突起12および最終的なサイドフラップ15を含む金属板10全体が、ポリアミド-11のコーティング20で覆われ、騒音防止要素自体と2つの隣接するばねブレードLMとの間のいかなる直接的な金属接触も回避する。
【0023】
本明細書では、本発明の騒音防止要素の2つの実施形態のみが提示されているが、提案された構成概念から逸脱することなく、要素の構成部品の形状および配置に変更を加えることができる。
【国際調査報告】