(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-18
(54)【発明の名称】横方向磁束機械のためのクローポールステータ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/14 20060101AFI20220511BHJP
H02K 1/18 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
H02K1/14 C
H02K1/18 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556414
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 EP2020057604
(87)【国際公開番号】W WO2020188032
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019107136.4
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515056277
【氏名又は名称】ゲーカーエン シンター メタルズ エンジニアリング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】ティラー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】トゥ,ホン ザン
(72)【発明者】
【氏名】モンシュ,ヴィルヘルム
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA09
5H601BB20
5H601CC01
5H601CC02
5H601CC15
5H601DD02
5H601DD11
5H601EE12
5H601EE19
5H601GA11
5H601GD02
5H601GD08
5H601GD12
5H601GD22
5H601HH22
5H601KK10
5H601KK25
(57)【要約】
本発明は横方向磁束機械のためのクローポールステータに関する。上記クローポールステータは、上記クローポールステータを形成するように周方向に沿って相互に隣接して配置された多数のセグメントによって作成される。各セグメントは、内周面から半径方向に沿って外周面に延び、上記周方向において第1側面及び第2側面によって区切られ、かつ軸方向において第1端面及び第2端面によって区切られる。各セグメントは、環状の上記クローポールステータを形成するため上記側面で追加のセグメントに接続され、隣接するセグメントが、上記第1側面上の第1接触面で又は上記第2側面上の第2接触面で相互に接触し、かつ上記接触面で上記周方向において連結する接続を構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向磁束機械(2)のためのクローポールステータ(1)であって、
上記クローポールステータ(1)が、周方向(4)に沿って相互に隣接して配置された多数のセグメント(3)によって形成され、
各セグメント(3)が、内周面(5)を起点として、半径方向(6)に沿って外周面(7)に延び、上記周方向(4)において第1側面(8)及び第2側面(9)によって区切られ、かつ軸方向(10)において第1端面(11)及び第2端面(12)によって区切られ、
各セグメント(3)が、上記側面(8,9)で少なくとも1つのさらなるセグメント(3)に接続され、
相互に隣接するように配置されたセグメント(3)が、上記第1側面(8)上の第1接触面(13)で又は上記第2側面(9)上の第2接触面(14)で相互に接触し、かつ上記接触面(13、14)で上記周方向(4)及び上記半径方向(6)において係合する接続(15)を構成し、
上記周方向(4)に生じる上記接続(15)の第一間隙(24)が、上記半径方向(6)に生じる上記接続(15)の第二間隙(25)よりも大きいクローポールステータ(1)。
【請求項2】
上記第二間隙(25)が、上記第一間隙(24)の50%以下である請求項1に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項3】
上記クローポールステータ(1)が、上記周方向(4)において環状となるように構成され、かつ最大の公称直径として最大の第一直径(29)を有し、
上記クローポールステータ(1)が、上記第一間隙(24)の結果として、変形された上記クローポールステータ(1)の最大の第二直径(30)が上記第一直径(29)から少なくとも2%逸脱するように変形可能である請求項1又は請求項2に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項4】
各セグメント(3)が、複数のポール(19)を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項5】
各セグメント(3)が、正確に1つのポール(19)を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項6】
セグメント(3)のそれぞれが、押圧及び加熱処理による粉末冶金によって製造されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項7】
上記クローポールステータ(1)が、同一に具現化されたセグメント(3)のみによって構成される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項8】
上記セグメント(3)が、少なくとも上記セグメント(3)の上記外周面(7)又は上記内周面(5)と連結して、円筒状の輪郭を形成し、
上記外周面(7)及び上記内周面(5)のうちの1つの周面が、上記セグメント(3)の上記ポール(19)によって形成される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)。
【請求項9】
少なくとも請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)とステータキャリア(32)とを備えるステータアセンブリ(31)であって、
上記クローポールステータ(1)が、上記ステータキャリア(32)上に配置され、上記ステータキャリア(32)が、少なくとも上記クローポールステータ(1)の内径又は外径について、上記クローポールステータ(1)の公称形状を事前定義するステータアセンブリ(31)。
【請求項10】
少なくとも2つのセグメント(3)の間の間隙(33)が、少なくとも電磁伝導性の第一材料(35)によって少なくとも部分的に満たされている請求項9に記載のステータアセンブリ(31)。
【請求項11】
上記セグメント(3)が、上記クローポールステータ(1)の公称形状が第二材料(36)によって規定されるように、少なくとも部分的に上記第二材料(36)によって取り囲まれる請求項9又は請求項10に記載のステータアセンブリ(31)。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)のためのセグメント(3)であって、
上記セグメント(3)が、内周面(5)を起点として、半径方向(6)に沿って外周面(7)に延び、周方向(4)において第1側面(8)及び第2側面(9)によって区切られ、かつ軸方向(10)において第1端面(11)及び第2端面(12)によって区切られ、
上記セグメント(3)が、上記側面(8,9)で少なくとも1つのさらなるセグメント(3)に接続され得、
相互に隣接するように配置され得るセグメント(3)が、上記第1側面(8)における第1接触面(13)で又は上記第2側面(9)における第2接触面(14)で相互に接触し、
相互に隣接するように配置され得るセグメント(3)の相補的に形成された接触面(14,13)への接続(15)が、上記周方向(4)において係合し、それぞれ接触面(13,14)によって構成され得るように、上記接触面(13、14)が形成されるセグメント(3)。
【請求項13】
上記接触面(13,14)の少なくとも1つが上記軸方向(10)に平行となるように延びる請求項11に記載のセグメント(3)。
【請求項14】
ステータ(26)及びロータ(27)を少なくとも備える横方向磁束機械(2)であって、
上記ステータ(26)が少なくとも2つの請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のクローポールステータ(1)を有し、
第一の上記クローポールステータ(1)のポール(19)及び第二の上記クローポールステータ(1)のポール(19)が、上記周方向(4)に沿って交互にかつそれぞれ相互に隣接して配置され、かつ上記軸方向(10)に相互に重なるように配置される横方向磁束機械(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向磁束機械のためのクローポールステータに関する。横方向磁束機械は、発電機及びモータとして使用され得る電気装置である。横方向磁束機械は、一般にステータ及びロータを備える。ステータはコイルアセンブリを有する一方で、ここでは、ロータとは永久磁石のキャリアを意味する。上記ロータ又は上記ステータは、横方向磁束機械によって駆動されるシャフトに接続され得(モータとしての作動)、又は回転運動を横方向磁束機械に伝達する(発電機としての作動)。
【0002】
電動アキシャルフラックス機械は、例えば、独国特許出願公開102009021703号明細書から既知である。そこでは特に、複数の環状のシリンダーセグメントから磁束ヨークを形成することが提示されている。上記環状のシリンダーセグメントは周方向を向く側面で相互に接触している。
【0003】
クローポールステータは、粉末冶金によって製造されると特に有利である。この目的で、所定の組成による粉末がプレスに送られ、圧縮される。その後の加熱処理は、有機分を除去する役割を果たす。上記粉末の粒子は、特に電気絶縁コーティングを有する。粉末冶金製造によって、高精度の部材が生成され得る。
【0004】
特に有利な方法で製造されているクローポールステータのためのセグメントは、国際公開第2018/166858号から既知である。ここでのセグメントは、個々のセグメントの正確な適合が保証され得るようにそれぞれ高精度に製造され得る。ほぼ間隙が無い上記セグメントの相互配置は、セグメント間の間隙無しに磁束が伝達され得るため、横方向磁束機械の高効率な作動を可能にする。環状のステータを形成するように少なくとも10、又は20を超える若しくはより多くのセグメントを組み立てるためには、同様に、個々のセグメントにおいて高い精度が要求される。
【0005】
環状のクローポールステータを形成するようなこの種のセグメントの組み立ては、困難を伴うことがこれまでに実証されている。精密な適合が要求されるため、個々のセグメントを相互に連結することは特に困難である。その一方で、完成したクローポールステータは、セグメントから形成されるステータが実質的に硬質であるため、例えばステータキャリアの上への配置が非常な困難を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開102009021703号明細書
【特許文献2】国際公開第2018/166858号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、先行技術の背景に記載された問題を少なくとも部分的に解決することにある。粉末冶金による製造に適し、組み立て又は搭載がそれぞれ容易なクローポールステータが特に提示される。
【0008】
この目的を達成するため、請求項1の特徴に係るクローポールステータが提示される。有利な具現化は従属項の主題としている。請求項で個々に列記された特徴は、技術的に適した様式で相互に組み合わせることができ、本発明のさらなる変更実施形態が示される、明細書での記載事項及び図面からの詳細からの説明事項によって高度化できる。
【0009】
この目的のために寄与するのは、横方向磁束機械のためのクローポールステータであって、上記クローポールステータは、周方向に沿って相互に隣接して配置された(又はそれぞれ環状のクローポールステータを形成する)多数のセグメントによって形成される。各セグメントは、内周面を起点として、半径方向に沿って外周面に延び、上記周方向において第1側面及び第2側面によって区切られ、かつ軸方向において第1端面及び第2端面によって区切られる。各セグメントは、(上記環状のクローポールステータを形成するために)上記側面で少なくとも1つのさらなるセグメントに接続され、相互に隣接するように配置されたセグメントは、各セグメントにおける上記第1側面の第1接触面で又は上記第2側面の第2接触面で相互に接触し、かつ上記接触面で上記周方向及び上記半径方向において係合する接続を構成する。上記周方向に(又は上記周方向についてそれぞれ)生じる上記接続の第一間隙は、上記半径方向に(又は上記半径方向についてそれぞれ)生じる上記接続の第二間隙よりも大きい。
【0010】
ここでの「間隙」は、特に、特定方向(第一間隙は上記周方向、第二間隙は上記半径方向)における2つの部材の(あり得る)相対変位の大きさと定義する。
【0011】
第一セグメントは、特に第二セグメントの上記第一接触面又は第二接触面で、第一セグメントに隣接するように配置された第二セグメントに接触する。両方のセグメントが相互に同一の場合は、上記第一セグメントの第一接触面及び上記第二セグメントの第二接触面で、上記第一セグメントが第二セグメントに(それぞれ直に又は直接的に)接触し得る。
【0012】
しかしながら、上記クローポールステータのセグメント化は、上記環状のクローポールステータを形成するように上記セグメントを連結する課題を生じさせる。一方で、ここでは上記セグメントの容易な取り扱いが可能であり、他方で、上記セグメントの相互の理想的に精密な位置決めを達成できる。現在まで、2つの要件は、配置されたセグメント間の接続が隣接するように構成し、この接続が上記周方向において係合することで、それぞれ達成又は保証されてきた。高精度のセグメントは、組み立てにさらなる問題を生じさせる可能性があることが実証されている。
【0013】
したがって、本発明では係合する接続における間隙を特に1つの方向にのみ配することを提示する(ここでは、上記周方向についての間隙)。
【0014】
係合接続は少なくとも2つの接続相手(ここでは、上記セグメント)の相互の関与によって生成される。この結果として、力の伝達の不在又は遮断にあっても接続相手が離れ得ない。換言すると、係合接続の場合、接続相手の一方が他方を阻む(ここでは、上記周方向及び上記半径方向における相互の相対的な移動について)。ここで、上記係合接続は、上記軸方向に沿って2つのセグメントを相対的に変位させることによって、それぞれ生成又は再び解除される。
【0015】
個々のセグメントは、上記係合接続で上記環状クローポールステータを形成するように組み立てられ得る。上記セグメントは、少なくとも上記セグメントをその内周面側に又はその外周面側に横断して相互に整列する、又は少なくとも上記セグメントをその内周面側に又はその外周面側に横断して相互に整列されるように上記セグメントをそれぞれ保持するキャリア部材上に特に配置され得る。また、上記セグメントは、例えば液状で上記クローポールステータに挿入され、その後に凝固する第二材料(例えば接着剤)によって例えば相互に接続されることが好ましい。
【0016】
クローポールステータの構造は、以下で説明される。2つのクローポールステータは、上記軸方向に沿って相互に隣接して配置され、上記2つのクローポールステータは上記端面で相互に接触する。各ポールステータは、ベース領域を起点として上記軸方向に沿って延びる多数のポールを有する。第一クローポールステータの第一ポール及び第二クローポールステータの第二ポールは、上記周方向に沿って交互にかつそれぞれ相互に隣接して配置され、上記軸方向において相互に重なりつつも相互に間隔を空けるように配置される。上記ポールは上記内周面又は上記外周面に配置され得る。上記クローポールステータは、この例では、上記外周面又は上記内周面の端面で相互に接触する。上記クローポールステータの内部の空間では、上記端面の間の上記軸方向、及び相互に接触する端面と上記ポールとの間の上記半径方向において、上記クローポールステータの間を上記周方向において環状となるようにコイルが配置され得る。クローポールステータの第一の一対の上のさらなる複数対の配置も同様に可能である。結果として、例えば複数フェーズの横方向磁束機械が形成され得る。横方向磁束機械は、特に0.01kW[キロワット]から5000kW超の電気出力を供給できる。
【0017】
対向する端面上で対応する位置決め補助部(例えば隆起部又は凹み)が作用し合う位置決め補助部が、上記クローポールステータの上記端面上に配され得る。
【0018】
少なくとも1つの上記接触面は、特に第一半径と第二半径との間を上記半径方向に沿って蛇行するように延びる。「蛇行」とは、特に湾曲部を介して、特に上記半径方向について交互に繰り返すように方向づけされる曲率半径を意味する。上記接触面の輪郭の中心又は中央にそれぞれ位置し上記半径方向に平行な仮想線の両側に上記接触面が延びる場合に、その輪郭が「蛇行」となり得る。
【0019】
上記半径方向におけるポールは、特に上記接触面の外側又は内部に配置される。
【0020】
1つの接触面は上記セグメントの各側面上に配される。上記接触面は、少なくとも上記側面の部分面を有する。上記接触面は、それぞれ特に上記軸方向に沿った上記側面の全延び幅に亘って延びる。上記接触面は、上記半径方向に沿った上記側面の延び幅の一部のみに亘って延びることが好ましい。
【0021】
上記接触面は上記半径方向に沿って蛇行するように延び、上記接触面の蛇行形状の結果として、隣接して配置されたセグメントの上記係合接続が形成される。
【0022】
例えば上記接触面が蟻継ぎ手として具現化されることによって、このような上記接触面の蛇行する輪郭(ここでは鋭角な縁部を有する)が実現される。
【0023】
上記蛇行する輪郭に沿った少なくとも1つの上記接触面は、少なくとも1.0mm[ミリメートル]、好ましくは少なくとも2.0mm[ミリメートル]の最小曲率半径を有する。このような最小曲率半径は、上記セグメントにおける亀裂形成のリスクを低減する。この亀裂は、特に鋭角な縁部を有する係合接続(例えば蟻継ぎ手)を具現化する場合に生じる可能性がある。
【0024】
少なくとも1つの接触面は、特に上記蛇行する輪郭に沿って専ら湾曲する輪郭を有する。このように、特に、上記半径方向において上記接触面の直線部位は配されない。これは上記半径方向に沿った上記接触面の各点が(上記半径方向に沿って変化する)曲率半径によって形成されることを意味する。
【0025】
少なくとも1つの接触面は、上記蛇行する輪郭に沿って、好ましくは上記半径方向に沿った上記第一半径と第二半径との間の間隔よりも1.5倍、特に少なくとも2倍(2.0倍)大きい長さに亘って延びる。このように、上記蛇行する輪郭の結果として、上記接触面は(上記半径方向に沿った上記第一半径と上記第二半径との間の直線状の輪郭に比べ)長さを延ばす。
【0026】
上記接触面の拡大は、さらに上述の連結されたクローポールステータの強度を高める。また、上記蛇行する輪郭及び上記接触面の拡大の結果として、上記間隙及び上記セグメントの相互の相対移動性が低減される。
【0027】
上記第二間隙は、上記第一間隙の特に50%以下、好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。
【0028】
隣接する上記セグメント間の上記第一間隙は、上記周方向に沿って、特に0.2ミリメートル以上1.0ミリメートル以下、好ましくは0.2ミリメートル以上0.5ミリメートル以下の上記セグメントの相互の相対変位を可能にする。隣接する上記セグメント間の上記第二間隙は、上記半径方向に沿って、特に0.5ミリメートル以下、好ましくは0.25ミリメートル以下のセグメントの相互の相対変位を可能にする。
【0029】
特に、上記第二間隙は、第一間隙に関する上記セグメントの相互の位置とは無関係に、常に一定的に存在している。
【0030】
上記クローポールステータは、上記周方向において環状となるように構成され、かつ最大の公称直径(したがって上記クローポールステータの最大直径であり、この直径の構成に関して規定された公称寸法がここで考慮される)として最大の第一直径を有し、上記クローポールステータが、上記第一間隙の結果として、変形された上記クローポールステータの最大の第二直径が上記第一直径から少なくとも2%、好ましくは少なくとも5%逸脱するように変形可能である。
【0031】
上記最大の公称直径は、特に、公称寸法として規定されている上記クローポールステータの最大の第一直径である。上記最大の第二直径は、セグメントが(第一間隙によって)引き離される又は(第一間隙によって)押し合わせられるときに実現される。そして、この例における上記第二直径は、上記最大の第一直径から特に上述の値だけ変位し、このため上記最大の第一直径よりも小さい又は大きい可能性がある。
【0032】
上記セグメントが引き離される又は押し合わされること、及び第二直径の調整の結果として、例えば上記クローポールステータ又はステータアセンブリをそれぞれ組み立てる際に、上記クローポールステータはステータキャリア上により容易に配置され得、例えば軸方向に沿って押し付けられ得る。そして、上記ステータアセンブリに押し合わせ又は配置する上記クローポールステータの上記公称直径は、上記ステータキャリアによって事前定義される。例えば、場合によっては間隙又は隙間をそれぞれ設けずに、上記第一間隙を変化させることによって、上記ステータキャリア上に上記クローポールステータが配置される。
【0033】
上記クローポールステータの公称形状は特に円環状であり、したがって例えば一定の内部直径及び外部直径を有する。第一間隙の結果として、例えば環状の一定のより大きい(第二)直径となるように上記セグメントがスライドするときに、この公称形状が特に拡大され得る、又は環状形状が部分的にさらに大きい第二直径を有する楕円に変形し得る。逆に、上記セグメントが押し合わされる(この例では対応して第二直径が低減される)場合に、同様のことが実現され得る。
【0034】
提示される上記第一間隙(上記周方向に作用)及びより小さい第二間隙(上記半径方向に作用)の配置において、隣接するセグメントの間のほんの小さな隙間が、結果として磁束が通過する領域となることを特に考慮に入れ得る。上記クローポールステータの作動時に生じる磁束のプロファイルを、ここで考慮に入れる必要がある。
【0035】
上記第二間隙の領域における接触面は、特に実質的に上記周方向に沿って(及び特に上記軸方向に実質的に平行に)、かつ上記半径方向を横断して広がる。
【0036】
上記第一間隙の領域における接触面は、特に実質的に上記半径方向に沿って(及び特に上記軸方向に実質的に平行に)、かつ上記周方向を横断して広がる。
【0037】
上記第二間隙より大きい上記第一間隙によって、特に上記セグメントの製造において上記セグメントの許容範囲に関してより低い要件を設定することが可能になる。特に、上記周方向に関する許容範囲を、上記半径方向に関する許容範囲に比べて大きくできる。これは、例えば工具製造のためのコスト、監視品質、棄却率等の点で、特に上記セグメントの製造において有利な結果となる。
【0038】
第一の設計実施形態について、各セグメントは複数のポールを有する。
【0039】
第二の設計実施形態について、各セグメントは、正確に1つの(単一の)ポールを有する。この種のセグメントの場合、上記セグメントの製造で使用される、特に小型のプレス工具の鋳型を使用できる。また、特にこの例では、押圧部分(圧粉体)の密度をさらに均質化するための追加手段を、単純かつ費用効率の高い方式で実施できる。
【0040】
一つには非常に小さいセグメントを高精度で製造し得るため、他方で上記セグメントは、仮枠取付(例えば上記ステータキャリア、したがってキャリア部材)によって精密に相互に整列、配置され得るため、セグメント化はクローポールステータの費用効率が高く、高精度の製造を可能にする。このように生成された上記クローポールステータの高精度な形状は、その後、規定手段(例えば可塑性材料による埋め込み)によって確定され得る。
【0041】
上記セグメントのそれぞれが、押圧及び加熱処理による粉末冶金によって製造されることが特に提示される。
【0042】
上記クローポールステータは、好ましくは同一に具現化されたセグメントのみによって構成される。この例での上記セグメントは、第一接触面に隣接するように配置された同一のセグメントの第二接触面と一体化して上記係合接続を構成する第一接触面を有する。
【0043】
上記クローポールステータは、上記セグメントの上記外周面又は上記内周面で特に円筒状の輪郭を形成し、上記外周面及び上記内周面のうちの1つの周面は上記セグメントの上記ポールによって形成される。
【0044】
さらに提示されるのは、少なくとも上述のクローポールステータとステータキャリアとを備えるステータアセンブリであって、上記クローポールステータが、上記ステータキャリア上に配置され、上記ステータキャリアが、少なくとも上記クローポールステータの内径又は外径について、上記クローポールステータの公称形状を事前定義する。
【0045】
上記公称形状は、構成に関して規定された上記クローポールステータの形状であり、したがって規定されたそれぞれの公称寸法からの偏差を有さない。
【0046】
少なくとも2つのセグメントの間の間隙は、特に、少なくとも電磁伝導性の第一材料によって少なくとも部分的に満たされている。このように、それぞれ例えば上記第一間隙によって(任意に他の寸法によって)形成される間隔、又は間隙は、上記ステータアセンブリの作動において小さな電気の損失のみ生じるように、2つの相互に隣接するセグメントの間において特に閉じられ得る。
【0047】
上記第一材料は、特に電気的又は電磁気的にそれぞれ絶縁する材料である。
【0048】
少なくとも1つのセグメントの少なくとも1つの接触面は、特にコーティングによって電気絶縁となるように特に具現化される。コーティングは、例えばラッカーの形態で、粉末冶金による上記セグメントの製造後、特に上記接触面上に配置される。特に、各セグメントは、この種の少なくとも1つの電気絶縁性の接触面を経由して、隣接するセグメントに関連して配置される。各セグメントは、好ましくは少なくとも1つの電気絶縁性の接触面を有する。セグメントの両方の接触面は、特に好ましくは電気絶縁となるように具現化される。特に、すべてのセグメントのすべての接触面が電気絶縁となるように具現化される。
【0049】
電気絶縁性の接触面は、粉末粒子に電気絶縁性のコーティングが付与される結果として、特に粉末冶金によるセグメントの製造においてすでに実装される。その後のコーティングは、特に、上記接触面のこの電気絶縁状態を確実にするために有用である。
【0050】
上記セグメントは特に、上記クローポールステータの公称形状が第二材料によって規定されるように、少なくとも部分的に上記第二材料によって取り囲まれる。上記第二材料は、その塗工時に、上記クローポールステータ内の小さな空間であっても上記第二材料によって満たされ得るように、特に低粘度又は液状である。上記第二材料は、特に電気的又は電磁気的に導電性を有さない。
【0051】
さらに提示されるのは、上述のクローポールステータのためのセグメントであって、上記セグメントが、内周面を起点として、半径方向に沿って外周面に延び、周方向において第1側面及び第2側面によって区切られ、かつ軸方向において第1端面及び第2端面によって区切られる。上記セグメントは、上記(環状の)クローポールステータを形成するように、上記側面で少なくとも1つのさらなるセグメントに接続され得、相互に隣接するように配置され得るセグメントは、上記第1側面における第1接触面で又は上記第2側面における第2接触面で相互に接触する。相互に隣接するように配置され得るセグメントの相補的に形成された接触面への接続は、上記周方向において係合し、それぞれ接触面によって構成され得るように、上記接触面が形成される。
【0052】
上記接触面の少なくとも1つ(好ましくは両方)は、特に上記軸方向に平行となるように延びる。
【0053】
上記セグメントのポールは、ベース領域を起点として、特に上記軸方向に沿ってかつ上記軸方向において先細りするように延びる。
【0054】
上記セグメントは、特に押圧及び加熱処理による粉末冶金によって製造される。
【0055】
さらなる態様に係る提示はステータ及びロータを少なくとも備える横方向磁束機械であって、上記ステータが少なくとも2つの上述のクローポールステータを有し、第一の上記クローポールステータの第一ポール及び第二の上記クローポールステータの第二ポールが、上記周方向に沿って交互にかつそれぞれ相互に隣接して配置され、かつ上記軸方向に相互に重なるように配置される。上記クローポールステータはここで、上記ベース領域を起点とする上記ポールが上記軸方向に沿って他の上記クローポールステータに向かって延びるように、相互に配置される。
【0056】
上記軸方向は、上記横方向磁束機械の回転軸と平行となるように位置合わせされる。
【0057】
上記ロータは特に環状に延び、上記周方向に沿って多数の永久磁石を有する。上記ロータと上記ステータとの間に上記周方向において環状となる空気間隙が配される。
【0058】
上記クローポールステータに関連する説明は、同様に上記セグメント、上記ステータアセンブリ及び/又は上記横方向磁束機械に適用する。その逆も同様である。
【0059】
上記横方向磁束機械は、特に電気作動自転車(eバイク)に使用され得る。
【0060】
留意事項として、本明細書において使用される数値用語(「第一」、「第二」等)は、主に(専ら)いくつかの類似する対象、寸法又は工程の間を区別するために機能すること、つまり特に、対象、寸法又は工程の従属関係及び/又は順序を不可避的に予め定義はしないことが指摘される。従属関係及び/又は順序が必要な場合は、その旨が本明細書に明示的に記載されるか、又は具体的に記述された実施形態を検討することから当業者にとって自明となるように明らかとなる。
【0061】
本発明及び技術分野を、図面に基づいてより詳細に以下に記載する。本発明は開示された例示的な実施形態によって限定されることを意図していないことが指摘される。特に、明示的に示されない限り、図面で示された重要事項の部分的な側面を抽出し、本明細書及び/又は図面からの知見並びに他の構成要素と組み合わせることも可能である。特に、図示された図面及び特に大きさの比率は模式的に過ぎないことが指摘される。同一の対象を示すために、同一の参照符号が使用される。これにより、適宜、他の図面からの説明を補足的に考慮に入れることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図2】
図1に係るセグメントの第二の斜視図を示す。
【
図5】
図4に係るクローポールステータの軸方向に沿った下面図を示す。
【
図6】
図1から
図3に係るセグメントの軸方向に沿った上面図を示す。
【
図7】
図4及び
図5に係るクローポールステータの2つのセグメントの係合接続について軸方向に沿った下面図を示す。
【
図8】他のクローポールステータの2つのセグメントの係合接続について軸方向に沿った下面図を示す。
【
図9】軸方向に沿って下からクローポールステータを見て
図8に係るクローポールステータの一部を通過する磁束の模式図を示す。
【
図12】ステータアセンブリの第一の変更実施形態の側方断面図を示す。
【
図13】ステータアセンブリの第二の変更実施形態の側方断面図を示す。
【
図14】
図12に係るステータアセンブリの斜視断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、セグメント3の第一の斜視図を示す。
図2は、
図1に係るセグメント3の第二の斜視図を示す。
図3は、
図1及び
図2に係るセグメント3の側面図を示す。
【0064】
セグメント3は、内周面5を起点として、半径方向6に沿って外周面7に延び、周方向4において第1側面8及び第2側面9によって区切られ、かつ軸方向10において第1端面11及び第2端面12によって区切られる。セグメント3は、環状クローポールステータ1を形成するように側面11でさらなるセグメント3に接続され得、相互に隣接するように配置されたセグメント3が、第1側面8の第1接触面13で又は第2側面9の第2接触面14で相互に接触する。相互に隣接するように配置され得るセグメント3の相補的に形成された接触面14、13への接続15が、周方向4において係合し、接触面13、14によって構成され得るように、接触面13、14が形成される。両方の接触面13、14は軸方向10に平行となるように延びる。
【0065】
セグメント3のポール19は、ベース領域22を起点として、特に軸方向10に沿ってかつ軸方向10において先細りするように延びる。
【0066】
隣接するように配置された他のクローポールステータ1のセグメントにおいて、対向する端面11、12上で対応する位置決め補助部34(ここでは隆起部又は凹み)が作用し合う位置決め補助部34が、セグメント3の端面11、12上に配され得る。
【0067】
接触面13、14は、半径方向10に沿って第一半径16と第二半径17との間を蛇行するように延びる。
【0068】
半径方向6におけるポール19は、接触面13、14の外側に配置される。
【0069】
1つの接触面13、14はセグメント3の各側面8、9上に配される。接触面13、14は、側面8、9の部分面を有する。接触面13、14は、それぞれ軸方向10に沿った側面8、9の全延び幅に亘って延びる。接触面13、14は、半径方向6に沿った側面8、9の延び幅の一部のみに亘って延びる。
【0070】
接触面13、14は半径方向6に沿って蛇行するように延び、隣接するように配置されたセグメント3への係合接続15は、接触面13、14の蛇行形状によって形成される。上記蛇行する輪郭に沿った接触面13、14は、最小曲率半径18を有する。
【0071】
接触面13、14は、上記蛇行する輪郭に沿って専ら湾曲する輪郭を有する。このように、ここでは半径方向6において接触面13、14の直線部位は配されない。つまり、半径方向6に沿って接触面13、14の各点が(半径方向6に沿って変化する)曲率半径18によって形成される。
【0072】
接触面13、14は、上記蛇行する輪郭に沿って、半径方向6に沿った第一半径16と第二半径17との間の間隔21よりも倍数分大きい長さ20に亘って延びる。このように、上記蛇行する輪郭の結果として、接触面13、14は半径方向6に(半径方向6に沿った第一半径16と第二半径17との間の直線状の輪郭に比べ)長さを延ばす。
【0073】
図4は、クローポールステータ1の斜視図を示す。
図5は、
図4に係るクローポールステータ1の軸方向10に沿った下面図を示す。
図4及び
図5は、以下で組み合わせて説明される。
図1から
図3に関する説明が参照される。
【0074】
クローポールステータ1は、
図1から
図3に図示されたセグメント3の多数によって形成される。セグメント3は、周方向4に沿って相互に隣接して配置され、環状のクローポールステータ1を形成する。各セグメント3は、内周面5を起点として、半径方向6に沿って外周面7に延び、周方向4において第1側面8及び第2側面9によって区切られ、かつ軸方向10において第1端面11及び第2端面12によって区切られる。各セグメント3は、上記環状のクローポールステータ1を形成するために、側面8、9でさらなるセグメント3に接続される。相互に隣接するように配置されたセグメント3は、各セグメント3(
図1から
図3も参照)における第1側面8の第1接触面13で又は第2側面9の第2接触面14で相互に接触し、かつ接触面13、14で周方向4において係合する接続15を構成する。
【0075】
半径方向6におけるポール19は、接触面13、14の外側に配置される。
【0076】
ここでは、第一セグメント3がその第一接触面13で、第二セグメント3にその第二接触面14を介して接触するように、すべてのセグメント3が相互に同一となるように具現化される。そして、同様のことが、同様の方式で、第一セグメント3の他の第二側面9及びそこに配置された第二接触面14に適用される。
【0077】
クローポールステータ1は、周方向4において環状となるように構成され、かつ最大の公称直径として最大の第一直径29を有し、クローポールステータ1が、第一間隙24(
図7を参照)の結果として、変形されたクローポールステータ1の最大の第二直径30(
図5で指示される)が第一直径29から最小寸法で逸脱するように変形可能である。
【0078】
図6は、
図1から
図3に係るセグメント3の軸方向に沿った上面図を示す。
図1から
図5に関する説明が参照される。
【0079】
第二間隙25より大きい第一間隙24によって、セグメント3の製造においてセグメント3の許容範囲に関してより低い要件を設定することが可能になる。したがって、周方向4に関する第一の許容範囲41を、半径方向6に関する第二の許容範囲42に比べて大きくできる。
【0080】
図7は、
図4及び
図5に係るクローポールステータ1の2つのセグメント3の係合接続15について軸方向10に沿った下面図を示す。
図8は、他のクローポールステータ1の2つのセグメント3の係合接続15について軸方向10に沿った下面図を示す。
図7及び
図8は、以下で組み合わせて説明される。
図1から
図6に関する説明が参照される。
【0081】
参照できる通り、他のクローポールステータ1のポール19は、各セグメント3の内周面5上に配置される。
【0082】
隣接するセグメント3間の第一間隙24は、周方向4に沿ってセグメント3の相互の相対変位を可能にする。隣接するセグメント3間の第二間隙25は、半径方向6に沿って、セグメント3のより小さい相互の相対変位を可能にする。
【0083】
両方のクローポールステータ1は、周方向4において環状となるように構成され、かつ最大の公称直径として最大の第一直径29を有し、クローポールステータ1が、第一間隙24の結果として、変形されたクローポールステータ1の最大の第二直径30が第一直径29から逸脱するように変形可能である。
図8では、セグメント3が引き離される場合、第二直径30が第一直径29よりも大きいことが図示されている。
【0084】
セグメント3が引き離される又は押し合わされること、及び第二直径30の調整の結果として、例えばクローポールステータ1又はステータアセンブリ31をそれぞれ組み立てる際に、環状のクローポールステータ1はステータキャリア32上により容易に配置され得、例えば軸方向10に沿って押し付けられ得る。そして、ステータアセンブリ32に押し合わせ又は配置するクローポールステータ1の公称直径は、ステータキャリア32によって事前定義される。例えば、場合によっては間隙又は隙間をそれぞれ設けずに、第一間隙24を変化させることによって、ステータキャリア32上にクローポールステータ1が配置される。
【0085】
第二間隙25の領域における接触面13、14は、実質的に周方向4に沿って、ここで軸方向10に平行に、かつ半径方向6を横断して広がる。
【0086】
第一間隙24の領域における接触面13、14は、実質的に半径方向6に沿って、ここで軸方向10に平行に、かつ周方向4を横断して広がる。
【0087】
例えば第一間隙24の結果として、2つの隣接するセグメント3の接触面13、14の間に生じる間隙33は、少なくとも電磁伝導性の第一材料35によって満たされ得る。
【0088】
図9は、軸方向10に沿って下からクローポールステータ1を見て(したがってベース領域22又は第二端面12それぞれから見て)、
図8に係るクローポールステータ1の一部を通過する磁束43を図示する図を示す。
図10は、
図9の詳細を示す。
図11は、
図10の詳細を示す。
図9から
図11は、以下で組み合わせて説明される。
図1から
図8に関する説明が参照される。
【0089】
横方向磁束機械2の作動においてクローポールステータ1を通過する磁束43のフロー方向44を
図9から
図11に示す。参照できる通り、接触面13、14の領域及びセグメント3の係合接続15の領域におけるフロー方向44は、主に半径方向6に沿って走る。
【0090】
提示される第一間隙24(周方向4に作用)及びより小さい第二間隙25(半径方向6に作用)の配置において、隣接するセグメント3の間のほんの小さな隙間が、結果として磁束が通過する領域となることを考慮に入れ得る。クローポールステータ1の作動時に生じる磁束43のプロファイル(フロー方向44)を、ここで考慮に入れる必要がある。
【0091】
第二間隙25の領域における接触面13、14は、実質的に周方向4に沿って、ここで軸方向10に平行に、かつ半径方向6を横断して広がることが
図11で強調されている。第二間隙25が極めて小さいことで、間隙33が生じないか、又は極めて小さい間隙33しか生じないことが保証され、これにより1つのセグメント3から他のセグメント3へ磁束43が理想的に損失なく誘導される。
【0092】
図12は、ステータアセンブリ31の第一の変更実施形態の側方断面図を示す。
図13は、ステータアセンブリ31の第二の変更実施形態の側方断面図を示す。
図12及び
図13は、以下で組み合わせて説明される。
図1から
図8に関する説明が参照される。
【0093】
ステータアセンブリ31は複数の(ここでは6つの)クローポールステータ1を備え、周方向4に通るコイル40が、第一端面11で相互に接触する2つのクローポールステータ1の間にそれぞれ配置され、上記2つのクローポールステータ1のポール19が周方向4に沿って相互に隣接して配置され、かつここでは軸方向10に相互に重なるように配置される。ステータアセンブリ31は、さらにクローポールステータ1が配置されるステータキャリア32を備える。ステータキャリア32は、内径についてクローポールステータ1の公称形状を事前定義する(内径はクローポールステータ1の内周面5の間に延びる)。クローポールステータ1は、軸方向10に沿って
図12に係るステータキャリア32に押し当てられる。この目的で、ステータキャリア32は、純円筒状の外形を有し、クローポールステータ1の内周面5が上記純円筒状の外径に影響する。
【0094】
ステータキャリア32は第一端部38上及び第二端部39上に、この部分以外では円筒状の外形を起点として、半径方向6にそれぞれ外向きに延びる肩部37を有することが、
図13で示されている。これらの肩部37の結果として、クローポールステータ1が公称形状を有する場合に、クローポールステータ1が軸方向10に沿って押し込められることが不可能となる。ここで、第一間隙24の結果として、個々のセグメント3は、クローポールステータ1が拡張された第二の直径30を有するように引き離され得る。この状態のクローポールステータ1は、肩部37に交差しても、軸方向10に沿ってステータキャリア32に押し込められ得る。
【0095】
【0096】
ステータアセンブリ31は、6つのクローポールステータ1を備え、周方向4に通るコイル40は、それぞれ2つのクローポールステータ1の間に配置される。ステータアセンブリ31は、さらにクローポールステータ1が配置されるステータキャリア32を備える。
【0097】
図12から
図15に係る状態において、セグメントの接触面13、14の間に生じ得る間隙33が第一材料35によって満たされ得るように、第一材料35は特に配置され得る。
【0098】
クローポールステータ1の公称形状が第二材料36によって規定されるように、クローポールステータ1又はセグメント3はそれぞれ少なくとも部分的に第二材料よって取り囲まれることが、
図16で図示されている。第二材料36はその塗工時に、クローポールステータ1内の小さな空間、例えばコイル40とセグメント3との間であっても満たされ得るように、特に低粘度又は液状である。
【0099】
国際公開第2018/166858号から既知の横方向磁束機械2は、
図16に示される。横方向磁束機械2は特に、ステータ26及びロータ27を備え、ステータ26はここで6つのクローポールステータ1を有する。2つのクローポールステータ1は、軸方向10に沿ってそれぞれ相互に隣接して配置され、クローポールステータ1は第一端面11で相互に接触し、2つのクローポールステータ1のポール19は、周方向4に沿って交互にかつそれぞれ相互に隣接して配置され、かつ上記軸方向10に相互に重なるように配置される。クローポールステータ1はここで、ポール19がベース領域22を起点として軸方向10に沿って他のクローポールステータ1まで延びるように、相互に配置される。一のコイル40はそれぞれこれらのクローポールステータ1の間に配置される。
【0100】
軸方向10は、横方向磁束機械2の回転軸32と平行となるように位置合わせされる。
【0101】
ロータ27は環状に延び、周方向4に沿って多数の永久磁石45を有し、ロータ27とステータ26との間に周方向4において環状となる空気間隙が配される。
【符号の説明】
【0102】
1 クローポールステータ
2 横方向磁束機械
3 セグメント
4 周方向
5 内周面
6 半径方向
7 外周面
8 第一側面
9 第二側面
10 軸方向
11 第一端面
12 第二端面
13 第一接触面
14 第二接触面
15 接続
16 第一半径
17 第二半径
18 曲率半径
19 ポール
20 長さ
21 間隔
22 ベース領域
23 先細り
24 第一間隙
25 第二間隙
26 ステータ
27 ロータ
28 回転軸
29 第一直径
30 第二直径
31 ステータアセンブリ
32 ステータキャリア
33 間隙
34 位置決め補助部
35 第一材料
36 第二材料
37 肩部
38 第一端部
39 第二端部
40 コイル
41 第一許容範囲
42 第二許容範囲
43 磁束
44 フロー方向
45 永久磁石
【国際調査報告】