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特表2022-528957キノリンカルボキシラート系化合物、その製造方法及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】キノリンカルボキシラート系化合物、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/56 20060101AFI20220609BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220609BHJP
   A01N 43/42 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
C07D215/56 CSP
A01P3/00
A01N43/42 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560430
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 CN2020080891
(87)【国際公開番号】W WO2020199981
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】201910273279.3
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910512103.9
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521441685
【氏名又は名称】山東省聯合農薬工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】許輝
(72)【発明者】
【氏名】唐剣峰
(72)【発明者】
【氏名】遅会偉
(72)【発明者】
【氏名】呉建挺
(72)【発明者】
【氏名】韓君
(72)【発明者】
【氏名】劉瑩
(72)【発明者】
【氏名】趙宝修
(72)【発明者】
【氏名】張振国
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BB09
4H011DA14
(57)【要約】
本発明は殺菌剤の技術分野に属し、具体的に下記式(I)で表されるキノリンカルボキシラート系化合物に関し、
【化1】

式(I)の化合物は、農業分野における様々な細菌に対して良好な活性を示す。また、これらの化合物は非常に高い生物学的活性を有するため、非常に低い用量で優れた効果を得ることができ、農業分野では殺菌剤の製造に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるキノリンカルボキシラート系化合物であって、
【化1】

ここで、Rは水素又はハロゲンから選ばれ、
は水素、ハロゲン、C-C16アルコキシ基、C-C16ハロアルコキシ基、C-C12シクロアルコキシ基、C-C16アルキルチオ基、C-C16ハロアルキルチオ基、C-C16アルキルアミノ基、ジ(C-C16アルキル)アミノ基又は3-12員ヘテロ環基から選ばれ、
は水素、C-C16アルキル基又はC-C12シクロアルキル基から選ばれ、
nは1~10の整数である、
ことを特徴とする化合物。
【請求項2】
式(I)では、
は水素又はハロゲンから選ばれ、
は水素、ハロゲン、C-Cアルコキシ基、C-Cハロアルコキシ基、C-Cシクロアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基、C-Cハロアルキルチオ基、C-Cアルキルアミノ基、ジ(C-Cアルキル)アミノ基又は3-10員ヘテロ環基から選ばれ、
は水素、C-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基から選ばれ、
nは1~4の整数である、
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)では、
は水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、
は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C-Cアルコキシ基、C-Cハロアルコキシ基、C-Cシクロアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基、C-Cハロアルキルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
【化2】

から選ばれ、
は水素、C-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基から選ばれ、
nは1~4の整数である、
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(I)では、
は水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCH(CH、OCHCHCHCH、OCHCH(CH、OCH(CH)(CHCH)、OC(CH、OCF、OCHF、OCHCHCl、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCCl
【化3】

SCH、SCHCH、SCHCHCH、SCH(CH、SCHCHCHCH、SCHCH(CH、SCH(CH)(CHCH)、SC(CH、SCF、SCHCHCl、SCHCF、NHCH、NHCHCH、N(CH、N(CHCH
【化4】

から選ばれ、
はH、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、CHCH(CH、CH(CH)(CHCH)、C(CH
【化5】

から選ばれ、
nは1~4の整数である、
ことを特徴とする請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物の製造方法であって、
式(II)で表される化合物と式(III)で表される化合物とを反応させて式(I)で表される化合物を得る工程、
【化6】

又は、式(V)で表される化合物と式(IV)で表される化合物とを反応させて式(I)で表される化合物を得る工程を含み、
【化7】

ここで、R、R、R、nは請求項1~4のいずれか1項に定義された通り、Lは例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素などハロゲン原子のような脱離基から選ばれ、Mは例えばナトリウム又はカリウムなどのアルカリ金属から選ばれる、
ことを特徴とする化合物の製造方法。
【請求項6】
農業分野に応用される殺菌剤の製造における請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項7】
活性成分としての請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物のうちの少なくとも1種を含む、
ことを特徴とする組成物。
【請求項8】
前記組成物は、例えば作物殺菌剤又は植物殺菌剤などの殺菌剤である、
ことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
農業分野に応用される殺菌剤としての請求項7又は8に記載の組成物の使用。
【請求項10】
有効量の請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1種を、細菌又は病害の増殖培地に適用する工程を含む、細菌又はそれによる病害の防除方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は2019年4月4日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が201910273279.3であり、発明名称が「キノリンカルボキシラート系化合物、その製造方法及び使用」及び2019年6月13日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が201910512103.9であり、発明名称が「キノリンカルボキシラート系化合物、その製造方法及び使用」という2件の先行出願の優先権を主張する。この2件の出願は、その全体が引用により本願に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は農業用殺菌剤の技術分野に属し、具体的にはキノリンカルボキシラート系化合物、その製造方法及び使用に関する。
【0003】
〔背景技術〕
作物の細菌性病害は中国の農業生産における常発病害であり、その危害の程度はすでにウイルスを超えており、真菌に次いで2番目の病原体になっている。細菌性病害の伝播方式が多様であり、防除薬剤も不足しており、また長期連作のため、防除の難度が日々増加している。概算統計によると、中国の細菌性病害の発生面積は現在、1.2億畝×回である。細菌性病害防除の市場規模は20億元を超えている。
【0004】
現在、農業生産中、細菌性病害の防除剤は主に高用量の銅剤(有機又は無機銅剤を含む)と抗生物質製品を含む。そのうち、銅剤の防除効果は低く、かつ大量の重金属が環境中に散布され、土壌、水と食品を汚染し、環境及び食品の安全上に懸念を引き起こす。一方、大量の抗生物質を使用すると、ヒト病原菌の医療用抗生物質に対する薬物耐性を引き起こす可能性がある。農業用細菌治療に適用できる防除剤の種類は他に少なく、実際の生産において抵抗性と防除効果の二重制限を受け、採用範囲は限られている。そのため、低毒性、低残留、安全で環境に優しい新型化学農薬の開発は切実な需要である。
【0005】
〔発明の概要〕
性能に優れた殺菌剤をさらに開発するために、本発明は、下記式(I)で表されるキノリンカルボキシラート系化合物を提供し、
【0006】
【化1】
【0007】
ここで、Rは水素又はハロゲンから選ばれ、
は水素、ハロゲン、C-C16アルコキシ基、C-C16ハロアルコキシ基、C-C12シクロアルコキシ基、C-C16アルキルチオ基、C-C16ハロアルキルチオ基、C-C16アルキルアミノ基、ジ(C-C16アルキル)アミノ基又は3-12員ヘテロ環基から選ばれ、
は水素、C-C16アルキル基又はC-C12シクロアルキル基から選ばれ、
nは1~10の整数であり、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10である。
【0008】
本発明の実施形態によると、式(I)では、
は水素又はハロゲンから選ばれ、
は水素、ハロゲン、C-Cアルコキシ基、C-Cハロアルコキシ基、C-Cシクロアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基、C-Cハロアルキルチオ基、C-Cアルキルアミノ基、ジ(C-Cアルキル)アミノ基又は3-10員ヘテロ環基から選ばれ、
は水素、C-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基から選ばれ、
nは1~4の整数である。
【0009】
好ましくは、Rは水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、
は水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、C-Cアルコキシ基、C-Cハロアルコキシ基、C-Cシクロアルコキシ基、C-Cアルキルチオ基、C-Cハロアルキルチオ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、
【0010】
【化2】
【0011】
から選ばれ、
は水素、C-Cアルキル基又はC-Cシクロアルキル基から選ばれ、
nは1~4の整数である。
【0012】
さらに好ましくは、式(I)では、
は水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、
は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCH(CH、OCHCHCHCH、OCHCH(CH、OCH(CH)(CHCH)、OC(CH、OCF、OCHF、OCHCHCl、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCCl
【0013】
【化3】
【0014】
SCH、SCHCH、SCHCHCH、SCH(CH、SCHCHCHCH、SCHCH(CH、SCH(CH)(CHCH)、SC(CH、SCF、SCHCHCl、SCHCF、NHCH、NHCHCH、N(CH、N(CHCH
【0015】
【化4】
【0016】
から選ばれ、
はH、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、CHCH(CH、CH(CH)(CHCH)、C(CH
【0017】
【化5】
【0018】
から選ばれ、
nは1~4の整数である。
【0019】
好ましくは、式(I)では、
は水素、フッ素、塩素から選ばれ、
は水素、フッ素、塩素、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCH(CH、OCHCHCHCH、OCHCH(CH、OCH(CH)(CHCH)、OC(CH、OCHCHF、OCHCF、OCHCHCCl
【0020】
【化6】
【0021】
SCH、SCHCH、SCHCHCH、SCH(CH、SCHCHCHCH、SCHCH(CH、SCH(CH)(CHCH)、SC(CH、SCHCHCl、SCHCF、NHCH、NHCHCH、N(CH、N(CHCH
【0022】
【化7】
【0023】
から選ばれ、
はH、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、CHCH(CH、CH(CH)(CHCH)、C(CH
【0024】
【化8】
【0025】
から選ばれ、
nは1~4の整数である。
【0026】
さらに好ましくは、式(I)では、
はフッ素又は塩素から選ばれ、
は水素、フッ素、塩素、OCH、OCHCH、OCHCHCH、OCH(CH、OCHCHCHCH、OCHCH(CH、OCH(CH)(CHCH)、OC(CH、OCHCF
【0027】
【化9】
【0028】
SCH、SCHCH、SCHCHCH、SCH(CH、SCHCHCHCH、SC(CH、NHCH、NHCHCH、N(CH、N(CHCH
【0029】
【化10】
【0030】
から選ばれ、
はH、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHCHCHCH、CHCH(CH、CH(CH)(CHCH)又はC(CHから選ばれ、
nは2又は3である。
【0031】
実例として、前記式(I)の化合物は以下の化合物から選ばれ、
【0032】
【表1】
【0033】
明細書の長さを短縮する目的で、上記表の形で本発明の例示的な基及び/又は化合物を説明する。換言すれば、上記に列挙された定義は、前記基をそれぞれ定義すること、及び前記基の結合を定義することを含むと理解されるべきである。
【0034】
本発明は上記式(I)化合物の製造方法をさらに提供し、式(II)で表される化合物と式(III)で表される化合物とを反応させて式(I)で表される化合物を得る工程を含み、
【0035】
【化11】
【0036】
ここで、R、R、R、nは以上に定義された通り、Lは例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲン原子のような脱離基から選ばれる。
【0037】
本発明の実施形態によると、前記反応は、アルカリの存在下で行うことができ、前記アルカリは有機アルカリ又は無機アルカリから選ばれ、前記有機アルカリはトリエチルアミン、ピリジンなどから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよく、前記無機アルカリは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウムなどから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよい。
【0038】
本発明の実施形態によると、前記反応は溶媒中で行うことができ、前記溶媒は芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化アルカン系溶媒、エーテル系溶媒などから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよく、例えば、トルエン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、tert-ブチルメチルエーテル又は酢酸エチルなどから選ばれる1種、2種又は複数種である。
【0039】
本発明の実施形態によると、前記反応の温度は-10℃~50℃が好ましい。
【0040】
又は、式(V)で表される化合物と式(IV)で表される化合物とを反応させて式(I)で表される化合物を得る工程を含み、
【0041】
【化12】
【0042】
ここで、R、R、R、nは以上に定義された通り、Lは例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲン原子のような脱離基から選ばれ、Mは例えばナトリウム又はカリウムなどのアルカリ金属から選ばれる。
【0043】
本発明の実施形態によると、前記反応は溶媒中で行うことができ、例えば、トルエン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、ブタノン、N,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドなどから選ばれる1種、2種又は複数種である。
【0044】
本発明の実施形態によると、前記反応の温度は20℃~120℃が好ましい。
【0045】
本発明の実施形態によると、式(II)で表される化合物は式(II-1)で表される化合物で製造されてもよく、
【0046】
【化13】
【0047】
ここで、R、Rは以上に定義された通り、Lはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲン原子のような脱離基から選ばれる。
【0048】
本発明の実施形態によると、ハロゲン化試薬は無機酸の酸ハロゲン化物から選ばれてもよく、例えば三塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、三臭化リンなどである。
【0049】
本発明の実施形態によると、前記ハロゲン化反応は溶媒中で行うことができ、前記溶媒は芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化アルカン系溶媒、アルカン系溶媒から選ばれる1種、2種又は複数種であってもよく、例えばトルエン、1,2-ジクロロエタン、又は石油エーテルなどから選ばれる1種、2種又は複数種である。
【0050】
本発明の実施形態によると、前記ハロゲン化反応の温度は20℃~120℃であってもよい。
【0051】
本発明の実施形態によると、式(V)で表される化合物は式(II-1)で表される化合物で製造されてもよく、
【0052】
【化14】
【0053】
ここで、R、Rは以上に定義された通り、Mは例えばナトリウム又はカリウムなどのアルカリ金属から選ばれる。
【0054】
本発明の実施形態によると、前記反応はアルカリの存在下で行うことができ、前記アルカリは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウムなどの無機アルカリから選ばれる1種又は2種であってもよい。
【0055】
本発明の製造方法によると、前記反応は水及び/又は有機溶媒中で行うことができ、例えば、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどから選ばれる1種又は2種である。
【0056】
本発明の実施形態によると、前記反応の温度は20℃~90℃が好ましい。
【0057】
本発明の実施形態によると、式(II-1)で表される化合物は市販品から得るか、又は既知の方法で製造されてもよい。
【0058】
本発明の実施形態によると、RがC-C16アルコキシ基、C-C16ハロアルコキシ基、C-C12シクロアルコキシ基、C-C16アルキルチオ基、C-C16ハロアルキルチオ基、C-C16アルキルアミノ基、ジ(C-C16アルキル)アミノ基又は3-12員ヘテロ環基から選ばれる場合、式(II-1)で表される化合物は式(II-2)で表される化合物と(VI)で表される化合物で製造されてもよく、
【0059】
【化15】
【0060】
ここで、R、Rは以上に定義された通り、Lはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲン原子のような脱離基から選ばれる。
【0061】
本発明の実施形態によると、前記反応はアルカリの存在又はアルカリの非存在の条件下で行うことができ、前記アルカリは有機アルカリ又は無機アルカリから選ばれ、前記有機アルカリはトリエチルアミン、ピリジンなどから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよく、前記無機アルカリは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウム又はカリウムなどから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよい。
【0062】
本発明の製造方法によると、前記反応は溶媒中で行うことができ、前記溶媒は芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒などから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよく、例えばトルエン、N-メチルピロリジノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドなどから選ばれる1種、2種又は複数種である。
【0063】
本発明の実施形態によると、前記反応の温度は50℃~150℃が好ましい。
【0064】
本発明の実施形態によると、RがC-C16アルコキシ基、C-C16ハロアルコキシ基、C-C16アルキルチオ基又はC-C16ハロアルキルチオ基から選ばれる場合、式(II-1)で表される化合物は、式(II-2)で表される化合物と式(VI)で表される化合物の金属塩(VI-1)とを反応させることで得られ、
【0065】
【化16】
【0066】
ここで、R、Rは以上に定義された通り、Lは例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素などのハロゲン原子のような脱離基から選ばれ、Mは例えばナトリウム又はカリウムなどのアルカリ金属から選ばれる。
【0067】
本発明の製造方法によると、前記反応は溶媒中で行うことができ、前記溶媒は芳香族炭化水素系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒などから選ばれる1種、2種又は複数種であってもよく、例えばトルエン、N-メチルピロリジノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドなどから選ばれる1種、2種又は複数種である。
【0068】
本発明の実施形態によると、前記反応の温度は50℃~150℃が好ましい。
【0069】
本発明の実施形態によると、式(II-1)で表される化合物はさらに市販品から得るか、又は既知の方法で製造されてもよい。
【0070】
開始原料でアセトフェノン(X)を置換して炭酸ジメチル又は炭酸エチルと反応させて対応するベンゾイル酢酸エステル(IX)を製造し、続いて(IX)とオルトギ酸トリアルキルとを反応させて対応するアクリル酸エステル(VIII)を製造し、(VIII)とシクロプロピルアミンとを反応させてアミドアクリル酸エステル(VII)を製造し、(VII)はアルカリ性条件下で環化によってキノリンカルボキシラート(II-3)を製造し、(II-3)を加水分解してキノリンカルボン酸(II-1)を製造する。
【0071】
【化17】
【0072】
ここで、R、Rは以上に定義された通り、R’は例えばメチル基又はエチル基などのアルキル基から選ばれる。
【0073】
好ましくは、前記Rは、例えば水素、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素などの水素又はハロゲンから選ばれてもよい。
【0074】
本発明の実施形態によると、式(II-2)で表される化合物は市販品から得るか、又は既知の方法で製造されてもよい。
【0075】
開始原料でアセトフェノン(X-1)を置換して炭酸ジメチル又は炭酸エチルと反応させて対応するベンゾイル酢酸エステル(IX-1)を製造し、続いて(IX-1)とオルトギ酸トリアルキルとを反応させて対応するアクリル酸エステル(VIII-1)を製造し、(VIII-1)とシクロプロピルアミンとを反応させてアミドアクリル酸エステル(VII-1)を製造し、(VII-1)はアルカリ性条件下で環化によってキノリンカルボキシラート(II-4)を製造し、(II-4)を加水分解してキノリンカルボン酸(II-2)を製造する。
【0076】
【化18】
【0077】
ここで、Rは以上に定義された通り、Lも以上に定義された通り、R’は例えばメチル基又はエチル基などのアルキル基から選ばれる。
【0078】
本発明の実施形態によると、前記反応は、従来技術又は類似の方法を参照して実施することができる。
【0079】
本発明の実施形態によると、式(X)、(X-1)で表される化合物は市販品から得るか、又は既知の方法で製造されてもよい。
【0080】
本発明の製造方法は、様々な場合に適合した反応条件と原料に応じて選択することができる。例えば、ワンステップ反応では、本発明による別の置換基で1つの置換基のみを置換するか、又は、同じ反応工程では、本発明による他の置換基で複数の置換基を置換することができる。
【0081】
各化合物が上記経路を介して得られない場合、それらは、式(I)で表される他の化合物を誘導するか、又は前記合成経路を常規に変化させることによって製造することができる。
【0082】
反応混合物は、常規の方法、例えば水との混合、相分離、及び例えばアルミナ又はシリカゲル上のクロマトグラフィーによる粗生成物の精製によって後処理される。
【0083】
上記製造方法は、式(I)で表される化合物の異性体混合物を得ることができ、純粋な異性体を得る必要がある場合、結晶化又はクロマトグラフィーなどの常規の方法を用いて分離することができる。
【0084】
特に明記しない限り、上記の全ての反応は、大気圧又は特定の反応の圧力下で都合よく行うことができる。
【0085】
本発明は、農業分野に応用される殺菌剤の製造における式(I)で表される化合物のうち少なくとも1種の使用をさらに提供する。
【0086】
本発明は、農業分野に応用される殺菌剤としての式(I)で表される化合物のうち少なくとも1種の使用をさらに提供する。
【0087】
本発明は、活性成分としての式(I)で表される化合物のうち少なくとも1種を含む組成物をさらに提供する。
【0088】
本発明は、農業分野に応用される殺菌剤としての前記組成物の使用をさらに提供する。
【0089】
好ましくは、前記組成物は殺菌組成物である。
【0090】
本発明によると、前記殺菌剤は好ましくは作物殺菌剤又は植物殺菌剤である。
【0091】
本発明は、有効量の式(I)で表される化合物の少なくとも1種又は前記組成物を、細菌又は病害の増殖培地に適用する工程を含む細菌(例えば植物病原菌)又はそれによる病害の防除方法をさらに提供する。
【0092】
以下に述べる細菌性病害の例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0093】
式(I)で表される化合物は以下の細菌又はそれによる病害の防除に利用することができる。
【0094】
グラム陰性菌:エルウィニア属(火傷病などを引き起こす)、ペクトバクテリウム属(アブラナ科野菜の軟腐病、ジャガイモ黒あし病などを引き起こす)、Dickeya zeae属(サツマイモ基腐病、トウモロコシ細菌茎腐病、イネ細菌基腐病、ジャガイモ黒あし病、ナシさび色胴枯病などを引き起こす)、パントエア属(トウモロコシ葉枯細菌病、トウモロコシパントエア葉斑病、アズキ葉枯細菌病、核果樹潰瘍病などを引き起こす)、シュードモナス菌(桃樹潰瘍菌、エンドウ菌、アブラナ科黒斑細、トマト葉斑細菌病、トマト斑点細菌病、アブラナ黒斑細菌病、胡麻角斑細菌病、キュウリ角斑細菌病、タバコ野火病、トウモロコシ褐斑細菌病、トウモロコシ褐斑細菌病、マメ細菌性茎疫病、大豆斑点細菌病、テンサイ細菌斑枯病、トマト細菌性髄部壊死病、人参緑膿菌軟腐病などを引き起こす)、ラルストニア属(多種の青枯病などを引き起こす)、バークホルデリア属(香石竹細菌性萎縮病、タマネギ腐敗病、イネ細菌性穂枯病などを引き起こす)、アシドフィルス(グミ類の果実斑病、蘭花の褐斑病、オーツ麦褐条病、こんにゃく菌性葉斑病などを引き起こす)、キサントモナス属(イネ白葉枯病、イネ条斑細菌病、トウガラシとトマト斑病、トウガラシとトマト仮皮病、マンゴー黒斑細菌病、コショウ葉斑細菌病、ユーフォルビア細菌性疫病、綿花角斑病、大豆斑疹細菌病、アブラナ科黒腐病、タピオカ細菌枯散病、サトウキビ流膠病、赤焼病、柑橘類潰瘍病、ヒヤシンス黄腐病、モモせん孔細菌病、イチゴ角斑病菌、楊樹細菌性潰瘍病などを引き起こす)、アグロバクテリウム属(コナラ科植物の根癌病などを引き起こす)、ピアス病菌属(ブドウのピルス病とみかんの雑色萎縮病などを引き起こす)、Candidatus Liberibacter属(柑橘類黄龍病などを引き起こす)、Enterobacter属(楊樹枯れ菌などを引き起こす)、好木質菌属(ブドウ細菌性疫病などを引き起こす)。
【0095】
グラム陽性菌:コリネバクテリウム属(ジャガイモ環腐病、トマト細菌潰瘍病、アルファルファ細菌萎縮病、トウモロコシ内州萎縮病、小麦細菌モザイクなどを引き起こす)、ストレプトマイセス(カビ)菌属(ジャガイモのかさぶたなどを引き起こす)、ブレビバクテリウム属(インゲンマメ細菌性萎縮病、チューリップ黄色斑病、インゲンマメ萎縮病などを引き起こす)、アルスロバクター属(アメリカヒイラギモチ疫病などを引き起こす)、ロドコッカス属(香エンドウの帯化病などを引き起こす)、バチルス属(トウモロコシバチルス葉病、小麦白葉条斑病などを引き起こす)、ラセリアック属(カモ病などを引き起こす)。
【0096】
その有利な特性により、上記化合物は、農業及び園芸産業において重要な作物又は植物を細菌性病菌から保護するために効果的に使用することができる。
【0097】
所望の効果を達成するために、化合物の使用量は、使用される化合物、事前保護される作物、有害生物の種類、感染の程度、気候条件、施用方法、使用される剤形などの様々な要因によって変化する。
【0098】
本明細書に記載される剤形又は組成物成分の選択は、有効成分の物理的性質、適用方式、及び土壌タイプ、湿度及び温度などの環境要因と一致すべきである。
【0099】
前記剤形は、溶液(クリームを含む)、懸濁剤、エマルジョン(マイクロエマルジョン及び/又は懸濁剤を含む)などの液剤を含み、これらは、任意に粘稠にしてゲル状にすることができる。前記剤形は、水分散性(「水和性」)又は水溶性である散剤、粉末、顆粒剤、錠剤、丸剤、薄膜などの固体をさらに含むことができる。有効成分は、マイクロカプセル化されてから懸濁剤又は固体剤形に製造されてもよく、さらに有効成分の剤形全体がカプセル化されてもよい。カプセル化は、有効成分の放出を制御又は遅延させることができる。噴霧可能な剤形は、好適な媒体中で希釈することができ、使用される噴霧体積は、1ヘクタール当たり約100から数百リットルである。高濃度の組成物は、主に、さらなる加工するための中間体として使用される。
【0100】
典型的な固体希釈剤は、WatkinsらのHandbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。典型的な液体希釈剤は、Marsden,SolventsGuide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。McCutcheon′s Detergents and Emulsifiers Annual,Allured Publ.Corp.,Ridgewood,New Jersey、及びSisely and Wood,Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964には、界面活性剤及び推奨応用を列挙した。全ての剤形は、泡の減少、固結防止、腐食防止、微生物の成長防止などのために少量の添加剤を含有してもよく、又は粘度を増加させるために増粘剤を添加してもよい。
【0101】
界面活性剤は、例えば、ポリエトキシル化アルコール、ポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、スルホコハク酸ジアルキル、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、有機シラン、N,N-ジアルキルタウレート、リグノスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩用アルデヒド縮合物、ポリカルボン酸エステルとポリエチレンオキシド/ポリオキシプロピレンブロック共重合体を含む。
【0102】
固体希釈剤は、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイトとカオリンなどの粘土、澱粉、糖類、シリカ、タルク、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウムを含み、液体希釈剤は、例えば、水、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホン、N-アルキルピロリドン、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、パラフィンワックス、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、オリーブ油、ヒマシ油、アマニ油、桐油、ゴマ油、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、大豆油、菜種油及びココア油、脂肪酸エステル、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン類、及びメタノール、シクロヘキサノール、ドデカノール及びテトラヒドロフランアルコールなどのアルコールを含む。
【0103】
クリームを含む溶液は、各成分を単に混合することによって製造することができる。散剤及び微粉末は、混合するか、又は通常に、ハンマーミル又は液体エネルギーミル中で粉砕することによって製造することができる。懸濁剤は、一般的には、US 3060084に記載されている方法のような湿式粉砕によって製造される。顆粒剤及び丸剤は、製造された直後の顆粒状担体上に活性物質を噴霧することによって、又は造粒技術によって製造される。Browning,“Agglomeration”,Chemical Engineering,December 4,1967,147-48、Perry′s Chemical Engineer′s Handbook,4TH Ed.,McGraw-Hill,NewYork,1963,8-57、及びWO9113546を参照することができる。丸剤の製造は、US4172714に記載されている通り、水分散性及び水溶性顆粒剤の製造は、例えばUS4144050、US3920442及びDE3246493に記載されている通り、錠剤の製造は、例えばUS5180587、US5232701とUS5208030に記載されている通りである。薄膜は、GB2095558及びUS3299566に記載されている方法によって製造することができる。
【0104】
加工に関する詳細情報はUS3235361の6欄16行から7欄19行及び実施例10-41、US3309192の5欄43行から7欄62行及び実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138-140、162-164、166、167と169-182、US2891855の3欄66行から5欄17行及び実施例1-4、Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York 1961,81-96、及びHanceらのWeed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989を参照することができる。
【0105】
本明細書では、例えば農業などにおける前記組成物のいくつかの使用について、本発明に記載の組成物には、1種、2種又は複数種の他の殺菌剤、殺虫殺ダニ剤、除草剤、植物成長調節剤又は肥料などを添加することができ、それによって付加的な利点及び効果をもたらすことができる。
【0106】
〔用語の定義及び説明〕
他に定義されない限り、本明細書の全ての技術用語は、特許請求の範囲の主旨が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。特に断りのない限り、本明細書に全体的に引用される全ての特許、特許出願、公開材料は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書における用語に対して複数の定義がある場合には、本章の定義に準じる。
【0107】
本明細書において、安定的な構造部分及び化合物を提供するために当業者によって基及びその置換基を選択し得る。左から右に書かれた常規の化学式によって置換基を説明する場合、当該置換基はまた、右から左に書かれた構造式から得られる化学的に等価な置換基も含む。例えば、CHOはOCHと等価である。
【0108】
本願の明細書及び特許請求の範囲に記載される数値範囲は、単に「整数」である場合、その範囲の2つの端点及びその範囲内の各整数が記載されていると理解されるべきである。例えば、「1~10の整数」は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の各整数を記載したものとして理解されるべきである。
【0109】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0110】
用語「C-C16アルキル基」は、1~16個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素基を表し、好ましくはC1--C10アルキル基であると理解されるべきである。「C-C10アルキル基」は好ましくは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素基を表すと理解されるべきである。前記アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、ネオペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、2-エチルブチル基、1-エチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基又は1,2-ジメチルブチル基など又はそららの異性体である。特に、前記基は1個、2個、3個、4個、5個、6個の炭素原子(「C-Cアルキル」)を有し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基であり、より特に、前記基は1個、2個、3個又は4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和一価炭化水素基である。前記アルキル基は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基又はそれらの異性体である。
【0111】
以上に記載の用語「アルキル基」、例えば「C-Cアルキル基」についての定義は同じく「C-Cアルキル基」を含む他の用語、例えば用語「C-Cアルコキシ基」、「C-Cハロアルコキシ基」、「C-Cアルキルチオ基」、「C-Cハロアルキルチオ基」、「C-Cアルキルアミノ基」などに適用する。
【0112】
用語「C-C12シクロアルキル基」は、3~12個炭素原子を有する飽和一価単環式又は二環式炭化水素環を表し、好ましくは「C-C10シクロアルキル基」であると理解されるべきである。用語「C-C10シクロアルキル基」は、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又は10個の炭素原子を有する飽和一価単環式又は二環式炭化水素環を意味すると理解されるべきである。前記C-C10シクロアルキル基は、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデシル基などの単環式炭化水素基であってもよく、又はデカヒドロナフタレン環などの二環式炭化水素基であってもよい。特に、前記基は、3個、4個、5個、6個の炭素原子を有し、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
【0113】
以上に記載の用語「シクロアルキル基」、例えば「C-Cシクロアルキル基」についての定義は同じく「C-Cシクロアルキル基」を含む他の用語、例えば用語「C-Cシクロアルコキシ基」、「C-Cシクロアルキルアミノ基」、「C-Cオキソシクロアルキルアミノ基」などに適用する。
【0114】
用語「3-12員ヘテロ環基」とは、独立してN、O及びSから選ばれる1-5個のヘテロ原子を含む飽和一価単環式又は二環式炭化水素環を表し、好ましくは「3-10員ヘテロ環基」である。用語「3-10員ヘテロ環基」とは、N、O及びSから選ばれる1-5個、好ましくは1-3個のヘテロ原子を含む飽和一価単環式又は二環式炭化水素環を表す。前記ヘテロ環基は、前記炭素原子のいずれか又は窒素原子(存在する場合)を介して分子の残りの部分に結合していてもよい。特に、前記ヘテロ環基は、アゼチジニル基、オキセタニル基などの4員環、テトラヒドロフラン基、ジオキソリル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリニル基などの5員環、又はテトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、ジチアニル基、チオモルホリニル基、ピペラジニル基又はトリチアン基などの6員環、又はジアザシクロヘプタン基などの7員環を含むが、これらに限定されない。より特に、前記ヘテロ環基は、少なくとも1個のN原子を含む6員環であり、前記ヘテロ環基は、前記N原子を介して分子の残りの部分に結合している。
【0115】
用語「ハロアルキル基」は、例えばCFCH-など、アルキル基における水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されている直鎖又は分枝鎖アルキルとして理解されるべきである。用語「アルコキシ基」は、例えばCHCHO-など、酸素原子結合を介して構造に結合されている直鎖又は分枝鎖アルキル基として理解されるべきである。
【0116】
用語「ハロアルコキシ基」は、例えばClCHCHO-など、アルコキシ基のアルキル基における水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換可能であると理解されるべきである。
【0117】
用語「アルキルチオ基」は、例えばCHCHS-など、硫黄原子結合を介して構造に結合されている直鎖又は分枝鎖アルキル基として理解されるべきである。
【0118】
用語「ハロアルキルチオ基」は、例えばClCHCHS-など、アルキルチオ基のアルキル基における水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換可能であると理解されるべきである。
【0119】
用語「アルキルアミノ基」は、例えばCHCHNH-など、窒素原子結合を介して構造に結合されている直鎖又は分枝鎖アルキル基として理解されるべきである。
【0120】
用語「ジ(アルキル)アミノ基」は、例えば(CHCHN-など、窒素原子結合を介して構造に結合されている2つの直鎖又は分枝鎖アルキル基として理解されるべきである。
【0121】
〔有益な効果〕
発明者らは、驚くべきことに、本発明に記載の式(I)で表される化合物が、農業分野における様々な細菌性病菌に対して良好な活性を示すことを見出した。さらに、これらの化合物は、非常に低い用量で優れた防除効果を得ることができ、従って、殺菌剤、特に作物又は植物用の殺菌剤の製造に適用できる。さらに、前記化合物は作物の成長発育を改善する良好な活性を有し、植物の高さの成長を促進し、クロロフィルの合成を刺激し、かつ植物の葉面積を増加させ、作物の葉をより緑にし、より厚くし、光合成効率を向上させ、間接的に植物の免疫力と外部の不良環境に対する耐性を改善し、植物をより丈夫にさせることも証明された。
【0122】
また、本発明の化合物は製造工程が簡単であり、収率が高いため、良好な応用見通しを有する。
【0123】
〔発明を実施するための形態〕
以下、具体的な実施例に合わせて、本発明の技術案をより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を例示的に説明し、解釈するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の上記内容に基づいて実施される技術は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0124】
特に記載のない限り、以下の実施例で使用される原料及び試薬は、市販品であるか、又は公知の方法によって製造することができる。
【0125】
以下の方法はLC-MS分析に用いられる。
【0126】
カラム:Agilent ZORBAX SB-C18 150mm×4.6mm、5μm(内径)、
検出波長:254nm、
流速:0.8mL/min、
カラム温度:30℃、
勾配溶離条件:
【0127】
【表2】
【0128】
〔合成の実施例〕
実施例1:メトキシメチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物1)
【0129】
【化19】
【0130】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸カリウム
室温で、1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(12.3g、0.05mol)、30%の水酸化カリウム水溶液(12ml)を三口フラスコに加える。60℃まで加熱し、2時間反応させる。加熱を停止し、減圧下で脱水し、生成物13.6gを収率96%で得る。
【0131】
第2ステップの反応:メトキシメチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸カリウム(2.85g、0.01mol)、クロロメチルメチルエーテル(0.96g、0.012mol)を順にN,N-ジメチルホルムアミド(15ml)中に溶解する。100℃まで加熱し、6時間反応させる。加熱を停止し、反応混合物に水(15ml)、酢酸エチル(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.92gを収率66%で得る。
【0132】
LC/MS[M+H]=292.1、[M+Na]=314.08、
[M+K]=330.05。
【0133】
実施例2:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物10)
【0134】
【化20】
【0135】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(14.9g、0.06mol)、ジクロロエタン(90ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.2g)を三口フラスコに加え、上記混合物中に塩化チオニル(14.6g、0.12mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物14.6gを収率92%で得る。
【0136】
第2ステップの反応:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.52g、0.0095mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物2.63gを収率91%で得る。
【0137】
LC/MS[M+H]=306.12、[M+Na]=328.1、
[M+K]=344.07。
【0138】
実施例3:2-メトキシエチル6-クロロ-1-シクロプロピル-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物45)
【0139】
【化21】
【0140】
第1ステップの反応:6-クロロ-1-シクロプロピル-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、6-クロロ-1-シクロプロピル-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(15.8g、0.06mol)、ジクロロエタン(90ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.2g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(14.6g、0.12mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物16.2gを収率96%で得る。
【0141】
第2ステップの反応:2-メトキシエチル6-クロロ-1-シクロプロピル-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に6-クロロ-1-シクロプロピル-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.68g、0.0095mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物2.81gを収率92%で得る。
【0142】
LC/MS[M+H]=322.09、[M+Na]=344.07、
[M+K]=360.04。
【0143】
実施例4:2-ヒドロキシエチル7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物151)
【0144】
【化22】
【0145】
第1ステップの反応:7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(16.9g、0.06mol)、ジクロロエタン(90ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.2g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(14.6g、0.12mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物16.2gを収率90%で得る。
【0146】
第2ステップの反応:2-ヒドロキシエチル7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、1,2-ジヒドロキシエタン(0.62g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.85g、0.0095mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物2.32gを収率75%で得る。
【0147】
LC/MS[M+H]=326.06、[M+Na]=348.04、
[M+K]=364.01。
【0148】
実施例5:2-メトキシエチル7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物152)
【0149】
【化23】
【0150】
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.85g、0.0095mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物2.83gを収率88%で得る。
【0151】
LC/MS[M+H]=340.08、[M+Na]=362.06、
[M+K]=378.03。
【0152】
実施例6:3-ヒドロキシプロピル7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物164)
【0153】
【化24】
【0154】
室温で、1,2-ジヒドロキシプロパン(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.85g、0.0095mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物2.22gを収率69%で得る。
【0155】
LC/MS[M+H]=340.08、[M+Na]=362.06、
[M+K]=378.03。
【0156】
実施例7:3-メトキシプロピル7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物165)
【0157】
【化25】
【0158】
室温で、3-メトキシ-1-プロパノール(0.90g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.85g、0.0095mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*15ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物2.83gを収率84%で得る。
【0159】
LC/MS[M+H]=354.09、[M+Na]=376.07、
[M+K]=392.04。
【0160】
実施例8:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-エトキシ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物282)
【0161】
【化26】
【0162】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-7-エトキシ-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸
室温で、エタノール(2.30g、0.05mol)に数回分けてナトリウム糸(0.46g、0.02mol)を加え、加熱し、3 h還流する。上記溶液にN,N-ジメチルホルムアミド15ml、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.82g、0.01mol)を順に加え、次第に90℃に加熱し、5h反応させる。室温まで温度を低下させ、上記反応系に水(20ml)、酢酸エチル(3*15ml)を加えて抽出する。有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル、石油エーテル及びギ酸の混合液(1:1:0.01))により、生成物1.86gを収率64%で得る。
【0163】
LC/MS[M+H]=292.1、[M+Na]=314.08、
[M+K]=330.05。
【0164】
第2ステップの反応:1-シクロプロピル-7-エトキシ-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、1-シクロプロピル-7-エトキシ-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(1.80g、0.006mol)、ジクロロエタン(15ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(2.5g、0.02mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物1.76gを収率95%で得る。
【0165】
第3ステップの反応:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-エトキシ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に1-シクロプロピル-7-エトキシ-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(1.75g、0.0055mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8ml)、ジクロロメタン(3*10ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*10ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.65gを収率86%で得る。
【0166】
LC/MS[M+H]=350.14、[M+Na]=372.12、
[M+K]=388.09。
【0167】
実施例9:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物292)
【0168】
【化27】
【0169】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸
室温で、トリフルオロエタノール(4.00g、0.04mol)に数回分けてナトリウム糸(0.46g、0.02mol)を加え、加熱し、5 h還流する。上記溶液にN,N-ジメチルホルムアミド15ml、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.82g、0.01mol)を順に加え、次第に90℃に加熱し、5h反応させる。室温まで温度を低下させ、上記反応系に水(20ml)、酢酸エチル(3*15ml)を加えて抽出する。有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル、石油エーテル及びギ酸の混合液(1:1:0.01))により、生成物2.13gを収率62%で得る。
【0170】
LC/MS[M+H]=346.07、[M+Na]=368.05、
[M+K]=384.02。
【0171】
第2ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.10g、0.006mol)、ジクロロエタン(20ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(2.5g、0.02mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物2.01gを収率92%で得る。
【0172】
第3ステップの反応:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-7-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.00g、0.0055mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8ml)、ジクロロメタン(3*10ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*10ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.82gを収率82%で得る。
【0173】
LC/MS[M+H]=404.11、[M+Na]=426.09、
[M+K]=442.06。
【0174】
実施例10:2-メトキシエチル7-シクロプロポキシ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物294)
【0175】
【化28】
【0176】
第1ステップの反応:7-シクロプロピル-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸
室温で、シクロプロパノール(2.32g、0.04mol)に数回分けてナトリウム糸(0.46g、0.02mol)を加え、加熱し、6 h還流する。上記溶液にN,N-ジメチルホルムアミド15ml、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.82g、0.01mol)を順に加え、次第に90℃に加熱し、5h反応させる。室温まで温度を低下させ、上記反応系に水(20ml)、酢酸エチル(3*15ml)を加えて抽出する。有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル、石油エーテル及びギ酸の混合液(1:1:0.01))により、生成物1.57gを収率52%で得る。
【0177】
LC/MS[M+H]=304.1、[M+Na]=326.08、
[M+K]=342.05。
【0178】
第2ステップの反応:7-シクロプロピル-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、7-シクロプロピル-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(1.56g、0.005mol)、ジクロロエタン(20ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(2.5g、0.02mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物1.51gを収率94%で得る。
【0179】
第3ステップの反応:2-メトキシエチル7-シクロプロポキシ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に7-シクロプロピル-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(1.50g、0.0046mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8ml)、ジクロロメタン(3*10ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*10ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.46gを収率88%で得る。
【0180】
LC/MS[M+H]=362.14、[M+Na]=384.12、
[M+K]=400.09。
【0181】
実施例11:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-メチルチオ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物381)
【0182】
【化29】
【0183】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-メチルチオ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸
室温で、順にメチルメルカプタンナトリウム(1.40g、0.02mol)、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.82g、0.01mol)をN,N-ジメチルホルムアミド15mlに溶解し、次第に90℃に加熱し、6h反応させる。室温まで温度を低下させ、上記反応系に水(20ml)、酢酸エチル(3*15ml)を加えて抽出する。有機層を合わせ、水(1*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル、石油エーテル及びギ酸の混合液(1:1:0.01))により、生成物1.64gを収率56%で得る。
【0184】
LC/MS[M+H]=294.06、[M+Na]=316.04、
[M+K]=332.01。
【0185】
第2ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-メチルチオ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-メチルチオ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(1.62g、0.0055mol)、ジクロロエタン(20ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(2.5g、0.02mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物1.64gを収率96%で得る。
【0186】
第3ステップの反応:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-メチルチオ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-メチルチオ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(1.60g、0.0051mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8ml)、ジクロロメタン(3*10ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*10ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.52gを収率85%で得る。
【0187】
LC/MS[M+H]=352.1、[M+Na]=374.08、
[M+K]=390.05。
【0188】
実施例12:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-7-(ジエチルアミノ)-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物420)
【0189】
【化30】
【0190】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-7-(ジエチルアミノ)-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸
室温で、順にジエチルアミノ(2.19g、0.03mol)、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.82g、0.01mol)をジメチルスルホキシド15mlに溶解し、次第に90℃に加熱し、6h反応させる。室温まで温度を低下させ、上記反応系に水(20ml)、酢酸エチル(3*10ml)を加えて抽出する。有機層を合わせ、水(2*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル、石油エーテル及びギ酸の混合液(1:1:0.01))により、生成物2.59gを収率81%で得る。
【0191】
LC/MS[M+H]=319.15、[M+Na]=341.13、
[M+K]=357.1。
【0192】
第2ステップの反応:1-シクロプロピル-7-(ジエチルアミノ)-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、1-シクロプロピル-7-(ジエチルアミノ)-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.5g、0.008mol)、ジクロロエタン(15ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(2.5g、0.02mol)を滴下する。4時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物2.39gを収率89%を得る。
【0193】
第3ステップの反応:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-7-(ジエチルアミノ)-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に1-シクロプロピル-7-(ジエチルアミノ)-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.06g、0.006mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を自然に室温まで昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)、ジクロロメタン(3*10ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*10ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.95gを収率86%を得る。
【0194】
LC/MS[M+H]=377.19、[M+Na]=399.17、
[M+K]=415.14。
【0195】
実施例13:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-モルホリン-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル(化合物426)
【0196】
【化31】
【0197】
第1ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-モルホリン-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸
室温で、順にモルホリン(1.76g、0.02mol)、7-クロロ-1-シクロプロピル-6-フルオロ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.82g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)をジメチルスルホキシド15mlに溶解し、次第に120℃に加熱し、6h反応させる。室温まで温度を低下させ、上記反応系に水(20ml)、酢酸エチル(3*15ml)を加えて抽出する。有機層を合わせ、水(2*15ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル、石油エーテル及びギ酸の混合液(1:1:0.01))により、生成物2.62gを収率79%で得る。
【0198】
LC/MS[[M+H]=333.13、[M+Na]=355.11、
[M+K]=371.08。
【0199】
第2ステップの反応:1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-モルホリン-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド
室温で、1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-モルホリン-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸(2.66g、0.008mol)、ジクロロエタン(20ml)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05g)を三口フラスコに加え、上記混合物に塩化チオニル(2.5g、0.02mol)を滴下する。5時間加熱還流する。加熱を停止し、減圧下で溶媒及び残りの塩化チオニルを除去し、生成物2.6gを収率92%で得る。
【0200】
第3ステップの反応:2-メトキシエチル1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-モルホリン-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸エステル
室温で、2-メトキシエタノール(0.76g、0.01mol)、トリエチルアミン(2.02g、0.02mol)を順にジクロロメタン(20ml)中に溶解する。0℃に低温冷却する。上記混合物に1-シクロプロピル-6-フルオロ-7-モルホリン-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-アシルクロリド(2.10g、0.006mol)のジクロロメタン(10ml)溶液を滴下し、滴下終了後、混合物を35℃に昇温し、4時間反応させる。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8ml)、ジクロロメタン(3*10ml)を加えて抽出し、有機層を合わせ、水(1*10ml)で洗浄し、飽和食塩水(1*10ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。減圧下で脱溶媒し、トルエンを再結晶して、生成物1.9gを収率81%で得る。
【0201】
LC/MS[[M+H]=391.17、[M+Na]=413.15、
[M+K]=429.12。
【0202】
本発明の他の化合物は、上記方法を参照して合成される。
【0203】
式(I)の化合物の他の部分の構造特性データは以下の通りである:
【0204】
【表3】
【0205】
〔製剤の実施例〕
以下の実施例において、全てのパーセンテージは重量基準であり、全ての剤形は常規の方法で製造される。
【0206】
実施例14:
本実施例は上記実施例で得られた化合物を用いて水和剤を製造し、具体的には以下の配合比の原料組成を用いて製造する。
【0207】
化合物151 60.0%、ドデシルフェノールポリエトキシルエチレングリコールエーテル4.0%、リグノスルホン酸ナトリウム5.0%、アルミノ珪酸ナトリウム6.0%、モンモリロナイト(か焼)25.0%。
【0208】
実施例15:
本実施例は上記実施例で得られた化合物を用いて顆粒剤を製造し、具体的には以下の配合比の原料組成を用いて製造する。
【0209】
化合物152 10.0%、他の成分はドデシル硫酸ナトリウム2%、リグノスルホン酸カルシウム6%、塩化カリウム10%、ポリジメチルシロキサン1%、残部は可溶性デンプンを用いて100%まで補足する。
【0210】
実施例16:
本実施例は上記実施例で得られた化合物を用いてプレス丸剤を製造し、具体的には以下の配合比の原料組成を用いて製造する。
【0211】
化合物164 25.0%、無水硫酸カルシウム10.0%、粗リグニンスルホン酸カルシウム5.0%、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム1.0%、カルシウム/マグネシウムベントナイト59.0%。
【0212】
実施例17:
本実施例は上記実施例で得られた化合物を用いてクリームを製造し、具体的には以下の配合比の原料組成を用いて製造する。
【0213】
化合物165 25.0%、溶媒150 60%、PEG400 5%、Rhodacal 70/B 3%、Rhodameen RAM/7 7%。
【0214】
実施例18:
本実施例は上記実施例で得られた化合物を用いて水性懸濁液を製造し、具体的には以下の配合比の原料組成を用いて製造する。
【0215】
化合物282 30.0%、POEポリスチレンフェニルエーテル硫酸塩5.0%、キサンタンガム0.5%、ポリエチレングリコール5%、トリエタノールアミン1%、ソルビトール0.5%、残部は水を用いて100.0%まで補足する。
【0216】
〔生物学的活性の測定〕
本発明の化合物は農業分野における様々な細菌性病菌に対して良好な活性を示す。
【0217】
実施例19:殺菌活性の測定
本発明の化合物は植物の様々な細菌性病害に対してin vitro抗菌活性又はin vivo保護効果試験を行い、また農作物の成長発育効果を改善する試験を行った。殺菌活性の測定結果と農作物の成長発育の改善効果を以下の各実施例に示した。
【0218】
1.in vitro殺菌活性測定
試験方法は以下の通りである:薬剤を、適切な溶媒(溶媒として、例えばアセトン、メタノール、N,Nジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどが挙げられ、試料を溶解する能力に応じて選択する)を用いて、一連の濃度に希釈して製造する。無菌の操作条件下でNB培養液を試験管に等量分注し、低濃度から高濃度まで順次薬液を定量的に吸引し、それぞれ前記試験管に加え、十分に均一化した後、対数増殖期にある菌懸濁液をそれぞれ等量加え、プロセスごとに4回繰り返した。均一に混合した後、25℃の振とう培養機に入れて暗所で培養し、対数増殖期でOD値を測定した。
【0219】
(1)一部の化合物のキュウリ角斑細菌病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、キュウリ角斑細菌病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのキュウリ角斑細菌病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ2%、48%である。
【0220】
1ppm用量で、キュウリ角斑細菌病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのキュウリ角斑細菌病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ0、21%である。
【0221】
(2)一部の化合物のタバコ青枯病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、タバコ青枯病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのタバコ青枯病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ5%、51%である。
【0222】
1ppm用量で、タバコ青枯病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、10、18、44、143、144、160、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのタバコ青枯病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ0、28%である。
【0223】
(3)一部の化合物のジャガイモ黒あし病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、ジャガイモ黒あし病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのジャガイモ黒あし病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ3%、55%である。
【0224】
1ppm用量で、ジャガイモ黒あし病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、45、151、152、153、164、165、177、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、10、18、44、143、144、160、178、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのジャガイモ黒あし病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ0、38%である。
【0225】
(4)一部の化合物のサツマイモ基腐病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、サツマイモ基腐病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのサツマイモ基腐病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ7%、46%である。
【0226】
1ppm用量で、サツマイモ基腐病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのサツマイモ基腐病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ2%、25%である。
【0227】
(5)一部の化合物のイネ白葉枯病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、イネ白葉枯病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのイネ白葉枯病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ16%、48%である。
【0228】
1ppm用量で、イネ白葉枯病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、45、151、152、153、164、165、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、10、18、44、143、144、160、177、194、312、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのイネ白葉枯病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ9%、30%である。
【0229】
(6)一部の化合物のスイカ果実汚斑細菌病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、スイカ果実汚斑細菌病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのスイカ果実汚斑細菌病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ3%、52%である。
【0230】
1ppm用量で、スイカ果実汚斑細菌病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのスイカ果実汚斑細菌病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ0、29%である。
【0231】
(7)一部の化合物のハクサイ黒あし病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、ハクサイ黒あし病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのハクサイ黒あし病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ5%、46%である。
【0232】
1ppm用量で、ハクサイ黒あし病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364、397である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのハクサイ黒あし病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ0、19%である。
【0233】
(8)一部の化合物のキャッサバ葉枯細菌病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、キャッサバ葉枯細菌病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのキャッサバ葉枯細菌病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ15%、51%である。
【0234】
1ppm用量で、キャッサバ葉枯細菌病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのキャッサバ葉枯細菌病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ7%、32%である。
【0235】
(9)一部の化合物の火傷病の病原菌に対するin vitro抗菌活性(抑制率で表す)の試験結果は以下の通りである:
5ppm用量で、火傷病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinの火傷病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ3%、43%である。
【0236】
1ppm用量で、火傷病の病原菌に対する抑制率が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、抑制率が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364、397である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinの火傷病の病原菌に対する抑制率はそれぞれ0、23%である。
【0237】
2.in vivo保護活性の測定
スイカ果実汚斑細菌病、タバコ青枯病、サツマイモ基腐病に対し、測定対象の化合物を少量の適切な溶媒(溶媒として、例えばアセトン、メタノール、N,Nジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどが挙げられ、試料を溶解する能力に応じて選択する)で溶解した後、試験濃度まで0.1%トゥイーン80で希釈する。安定的な成長期まで培養した病原細菌を定量化合物溶液と均一に混合し、催芽したメロン種子、トマト種子、タバコ種子及びジャガイモ種子を菌液と化合物の混合液に入れて半時間浸漬し、続いて種子をミミズ土壌培養カップに播種し、温室に入れて加湿培養を行い、照合対象が十分に発症した後に防除効果を調査する。
【0238】
ハクサイ軟腐病については、2cm角のハクサイ葉を切り出し、二重濾紙を敷き詰めたガラスシャーレに入れる。測定対象の化合物を少量の適切な溶媒(溶媒として、例えばアセトン、メタノール、N,Nジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどが挙げられ、試料を溶解する能力に応じて選択する)で溶解した後に、水で必要な濃度に希釈し、ハクサイの葉の表面に噴霧し、ヒュームフードでハクサイの葉の表面薬液を乾かした後、接種針を用いてハクサイの葉の表面に針を刺して傷口を作り、安定的な成長期まで培養したハクサイ軟腐病菌を5マイクロリットル採取して傷口に加え、接種を行う。最後に試料をインキュベータに入れて48時間光を避けて培養し、照合対象が十分に発症した後に防除効果を調査する。
【0239】
キュウリ角斑細菌病、イネ白葉枯病について、測定対象の化合物を少量の適切な溶媒(溶媒として、例えばアセトン、メタノール、N,Nジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどが挙げられ、試料を溶解する能力に応じて選択する)で溶解した後に、水で必要な濃度に希釈する。化合物の水溶液を植物試料の表面に噴霧し、表面の薬液を涼しい場所で風乾した後、安定的な成長期まで培養した病原細菌の菌液を植物試料の表面に噴霧接種した後、植物試料を温室に入れて加湿培養する。通常は10日程度培養し、照合対象が十分に発症した後に防除効果を調査する。
【0240】
ジャガイモ黒あし病に対し、測定対象の化合物を少量の適切な溶媒(溶媒として、例えばアセトン、メタノール、N,Nジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドなどが挙げられ、試料を溶解する能力に応じて選択する)で溶解した後に、水で必要な濃度に希釈する。設計された薬剤の濃度に応じて試験ジャガイモに対して根灌注を行い、1株当たりに200mlを使用し、各株のジャガイモに対する施用量が同じであるようにする(対照処理を含む)。黒あし病菌の接種は施用後の翌日に行う。発症状況によって結果を調査する。
【0241】
(1)一部の化合物のキュウリ角斑細菌病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、キュウリ角斑細菌病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのキュウリ角斑細菌病に対する防除効果はそれぞれ15%、20%である。
【0242】
5ppm用量で、キュウリ角斑細菌病に対する防除効果が90%以上の化合物は、10、45、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、防除効果が80%以上の化合物は1、18、44、143、144、160、194、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのキュウリ角斑細菌病に対する防除効果はそれぞれ10%、12%である。
【0243】
(2)一部の化合物のタバコ青枯病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、タバコ青枯病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのタバコ青枯病に対する防除効果はそれぞれ11%、35%である。
【0244】
5ppm用量で、タバコ青枯病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのタバコ青枯病に対する防除効果はそれぞれ5%、24%である。
【0245】
(3)一部の化合物のジャガイモ黒あし病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、ジャガイモ黒あし病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのジャガイモ黒あし病に対する防除効果はそれぞれ22%、25%である。
【0246】
5ppm用量で、ジャガイモ黒あし病に対する防除効果が90%以上の化合物は、151、152、153、164、165、177、195、207、208、264、265、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、防除効果が80%以上の化合物は1、10、18、44、45、143、144、160、178、194、270、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのジャガイモ黒あし病に対する防除効果はそれぞれ11%、17%である。
【0247】
(4)一部の化合物のサツマイモ基腐病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、サツマイモ基腐病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのサツマイモ基腐病に対する防除効果はそれぞれ20%、38%である。
【0248】
5ppm用量で、サツマイモ基腐病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのサツマイモ基腐病に対する防除効果はそれぞれ13%、23%である。
【0249】
(5)一部の化合物のイネ白葉枯病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、イネ白葉枯病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのイネ白葉枯病に対する防除効果はそれぞれ10%、35%である。
【0250】
5ppm用量で、イネ白葉枯病に対する防除効果が90%以上の化合物は、151、152、153、164、165、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、防除効果が80%以上の化合物は1、10、18、44、45、143、144、160、177、194、312、353、360、364である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのイネ白葉枯病に対する防除効果はそれぞれ6%、24%である。
【0251】
(6)一部の化合物のスイカ果実汚斑細菌病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、スイカ果実汚斑細菌病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのスイカ果実汚斑細菌病に対する防除効果はそれぞれ22%、33%である。
【0252】
5ppm用量で、スイカ果実汚斑細菌病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのスイカ果実汚斑細菌病に対する防除効果はそれぞれ15%、19%である。
【0253】
(7)一部の化合物のハクサイ黒あし病に対する防除効果の試験結果は以下の通りである:
10ppm用量で、ハクサイ黒あし病に対する防除効果が90%以上の化合物は、1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのハクサイ黒あし病に対する防除効果はそれぞれ16%、39%である。
【0254】
5ppm用量で、ハクサイ黒あし病に対する防除効果が90%以上の化合物は、151、152、153、164、165、177、178、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、371、372、381、382、390、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432であり、防除効果が80%以上の化合物は1、10、45、18、44、143、144、160、194、353、360、364、397である。この用量では、対照薬であるオキシン銅、Zhongshengmycinのハクサイ黒あし病に対する防除効果はそれぞれ6%、23%である。
【0255】
3.農作物の成長と発育を改善する作用
屋内の鉢植えのキュウリ苗を例として、主に本発明の化合物が作物株の成長速度、クロロフィル含有量、葉面積などに与える影響を評価する。
【0256】
(1)成長速度
施用前及び施用14日後の植物の株の高さをそれぞれ測定する。
【0257】
式<1>で成長速度を算出する
【0258】
【数1】
【0259】
式中:R-成長速度(mm/d)、
L-植物の新たに成長した高さ又は長さ(mm)、
D-時間日数(d)。
【0260】
式<2>で成長速度の増加率(%)を算出する
【0261】
【数2】
【0262】
式中:RI-成長速度の増加率、単位は百分率(%)である。
【0263】
R1-空白対照の成長速度、
R2-薬剤処理の成長速度。
【0264】
(2)葉面積
施用前及び施用14日後の植物の株の2番目の葉の縦径、横径(即ち葉長、葉幅であり、葉長は葉基部から葉先までの距離であり、葉幅は葉上部肩幅の測定値である)をそれぞれ測定する。
【0265】
式<3>で葉面積を算出する
【0266】
【数3】
【0267】
式中:S-葉面積(cm)、
a-葉の長さ(cm)、
b-葉の幅(cm)。
【0268】
式<4>で葉面積の増加量を算出する
【0269】
【数4】
【0270】
式中:
S1-施用前の葉面積、
S2-施用14日後の葉面積。
【0271】
式<5>で葉面積成長の増加率(%)を算出する
【0272】
【数5】
【0273】
(3)クロロフィル含有量
型番SPAD-520 Plusのクロロフィル測定装置を用いてクロロフィル含有量を測定する。
【0274】
式<6>でクロロフィル含有量の増加量を算出する
【0275】
【数6】
【0276】
式中:
SP1-施用前のクロロフィル含有量、
SP2-施用14日後のクロロフィル含有量。
【0277】
式<7>でクロロフィル含有量の増加率(%)を算出する
【0278】
【数7】
【0279】
本発明の化合物のキュウリ苗に対する安全性と保健作用の結果は以下の表1に示す。
【0280】
【表4】
【0281】
200ppmの用量で、化合物1、2、10、18、44、45、143、144、151、152、153、160、164、165、177、178、194、195、207、208、264、265、270、275、281、282、287、292、294、296、300、307、309、312、315、320、323、326、329、335、342、353、360、364、371、372、381、382、390、397、400、401、407、408、413、414、419、420、425、426、431、432は植物体の成長に対して安全であり、施用後に変色、壊死、萎縮、奇形などの現象がない。即ち、本発明の化合物は試験作物に対していずれも悪い影響を与えず、安全性が高く、グリーン農薬の安全性要件を満たす。
【0282】
本発明の化合物の作物に対する有利な生理学的効果は具体的に以下の通りである。空白対照と比較して、植物株の高さの成長を促進し、クロロフィルの合成を刺激し、かつ植物の葉面積を増加させ、作物の葉をより緑にし、より厚くし、光合成効率を向上させ、間接的に植物の免疫力と外部の不良環境に対する耐性を改善し、植物をより丈夫にさせる。
【0283】
4.畑における軟腐病の防除試験
試験は2019年10月に山東泰安市のハクサイ、キャベツ、レタス畑で行った。本発明の化合物152、282(いずれも10質量%の分散剤として製造された)の処理用量は、16.87ga.i./hmと33.75ga.i./hmであり、対照薬は3質量%のZhongshengmycin水和剤及び33.5%のオキシン銅水性懸濁液(いずれも市販品)を使用した。Zhongshengmycinの処理用量は67.5ga.i./hmであり、オキシン銅の処理用量は337.5ga.i./hmであり、試験薬剤と対照薬はランダムブロック配列を採用し、セル面積は15mであり、3回繰り返した。施用方式は茎葉噴霧であり、合計2回施用し、7日の間隔をおいて、最終回の薬剤施用7日後に防除効果の調査を行った。調査時、セルごとに5点でサンプルを採取し、農薬畑薬効試験準則GB/T17980.114-2004の関連技術標準を参照してハクサイ軟腐病、レタス軟腐病とキャベツ軟腐病の発病状況を記載し、発病株率を計算し、さらに発病株率を利用して防除効果を計算した。
【0284】
【表5】
【0285】
以上、本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨及び原理から逸脱しない限り、行われたいかなる修正、同等置換及び改良などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】