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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】視野アセスメントシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/024 20060101AFI20220629BHJP
   A61B 3/113 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
A61B3/024
A61B3/113
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564113
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(85)【翻訳文提出日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 GB2020051043
(87)【国際公開番号】W WO2020221997
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】1905934.4
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314000752
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・マンチェスター
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF MANCHESTER
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アスラム、タリク
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA18
4C316AA21
4C316AB16
4C316FA01
(57)【要約】
視野アセスメントシステム(100)は、表示領域を有する表示装置(116)、ユーザ入力デバイス(118)、及びプロセッサ(102、104)を含む。プロセッサは、表示領域の中心表示領域(301A)内に第一視覚刺激(306)を断続的に表示し、表示領域の周辺表示領域(301B)内に第二視覚刺激(308)を断続的に表示するように構成される。プロセッサは、ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、ユーザが第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、その決定に基づいて、周辺表示領域から中心表示領域に向けて移動するグラフィカルオブジェクト(310)を選択的に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域を有する表示装置と、
ユーザ入力デバイスと、
プロセッサと、
を含む、視野アセスメントシステムであって、
前記プロセッサは、
前記表示領域の中心表示領域内に第一視覚刺激を断続的に表示し、
前記表示領域の周辺表示領域内に第二視覚刺激を断続的に表示し、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、ユーザが前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、
前記決定に基づいて、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動するグラフィカルオブジェクトを選択的に表示する、
ように構成される、視野アセスメントシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第二視覚刺激の前記表示に続く前記第二視覚刺激の前記断続的な表示に関連する時間枠内に、または前記第二視覚刺激が消えた/表示されなくなった後の所定の期間内に、前記ユーザ入力デバイスを前記ユーザがアクティブ化した場合に、前記ユーザが前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したと決定するように構成される、請求項1に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動する前記グラフィカルオブジェクトをアニメーション表示として選択的に表示するように構成される、請求項1または2に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項4】
前記第二視覚刺激は、前記周辺表示領域内に前記グラフィカルオブジェクトを断続的に表示することを含む、請求項3に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記周辺表示領域内の異なる位置に複数の前記第二視覚刺激を断続的に表示するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの少なくとも1つを正しく視覚的に検出したと決定し、
前記周辺表示領域内の第一位置に、前記複数の第二視覚刺激のうちの第一のさらに1つを断続的に表示し、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第一のさらに1つを正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、
前記周辺表示領域内の第二位置に、前記複数の第二視覚刺激のうちの第二のさらに1つを断続的に表示し、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第二のさらに1つを正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、
前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの、前記第一のさらに1つ、及び前記第二のさらに1つを正しく視覚的に検出していないと前記プロセッサが決定する場合、前記プロセッサは変更された第二視覚刺激を表示するように構成される、
ように構成される、請求項5に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項7】
前記変更された第二視覚刺激は、前記第二視覚刺激と視覚的に異なる、例えば異なるサイズである、請求項6に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項8】
前記変更された第二視覚刺激は、前記周辺表示領域の前記第一位置に表示される、請求項6または7に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記変更された第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定するように構成され、前記ユーザが前記変更された第二視覚刺激を正しく視覚的に検出していないと前記プロセッサが決定する場合、前記プロセッサは、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動する前記変更された第二視覚刺激を表示するように構成される、請求項6から8のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項10】
前記プロセッサは、その後、前記周辺表示領域内の前記第二位置に前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第二のさらに1つを再表示し、前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第二のさらに1つを正しく視覚的に検出したかどうかを決定するように構成される、請求項6から9のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項11】
眼/視線追跡装置をさらに含み、前記プロセッサは前記眼/視線追跡装置を使用して、前記第二視覚刺激の前記断続的な表示中に、前記ユーザの視線が前記中心表示領域に向けられるかどうかを決定するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記中心表示領域内の複数の異なる位置に複数の前記第一視覚刺激を断続的に表示するように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、少なくとも前記第二視覚刺激を視覚的に検出する際の前記ユーザのパフォーマンスを示す出力を生成するように構成される、請求項1から12のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項14】
前記出力は、表示されている変更された第二視覚刺激の数、前記ユーザによって見逃されている前記変更された第二視覚刺激の数、見逃されている前記第一視覚刺激の数、のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項15】
前記第一視覚刺激が表示されていない時間窓中に、前記第二視覚刺激は表示され、例えば前記ユーザのパフォーマンスなどに基づいて、前記時間窓は使用中に調整される、請求項1から14のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記ユーザが前記第一視覚刺激及び/または前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出した場合に肯定的な結果を提供するように構成され、前記ユーザが前記第一視覚刺激及び/または前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出していない場合に否定的な結果を提供するように構成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項17】
使用中、前記ユーザと、前記表示装置及び前記ユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つとの間に位置決めされる/位置決め可能であるパネルをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項18】
前記パネルは、前記表示装置及び前記ユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つを有するハウジングの表面を含む、請求項17に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記第二視覚刺激が前記周辺表示領域内に断続的に表示されていても、前記中心表示領域上に前記ユーザの視線の焦点が合わされる/維持されるように、表示を前記中心表示領域内に生成するように構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の視野アセスメントシステム。
【請求項20】
表示装置の表示領域の中心表示領域内に第一視覚刺激を断続的に表示することと、
前記表示領域の周辺表示領域内に第二視覚刺激を断続的に表示することと、
ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、ユーザが前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動するグラフィカルオブジェクトを選択的に表示することと、
を含む、コンピュータに実装された視野アセスメント方法。
【請求項21】
請求項20に記載の視野アセスメント方法を動作させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視野アセスメントシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
視野アセスメントの基本的な前提は、ヒトが、彼/彼女の視野の中心にないが、周辺にあるオブジェクトを見ることができるかどうかを評価することができることである。これを行うには、ある特定の焦点を彼らが見ていることを確実にし、その中心焦点から少し離れて現れる周辺視覚刺激に彼らが反応するように求めることが望ましい。彼らは、検査されているのが実際には彼らの周辺視野であり、中心視野ではないことを確実にするために、周辺刺激ではなく焦点を見続ける必要がある。周辺位置は、焦点から測定されるさまざまな角度にある必要がある。
【0003】
けれども、周辺オブジェクトが現れると、子供(及び一部の大人)は周辺の点に彼らの視線をシフトさせる傾向があることから、彼らに焦点を見続けてもらうことは困難であるため、周辺視力検査の有効性及び結果品質が低下する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施形態は、上記に議論されている問題に対処し、改善された視野アセスメント結果を提供することができる。実施形態は、ユーザ、特に子供に、中心表示領域(第一視覚刺激が断続的に表示される)の方向のみを見てもらい、それでも周辺表示領域内に断続的に表示される他の視覚刺激に反応してもらうという課題に対処することができる。
【0005】
第一態様によれば、視野アセスメントシステムが提供され、
前記視野アセスメントシステムは、
表示領域を有する表示装置と、
ユーザ入力デバイスと、
プロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記表示領域の中心表示領域内に第一視覚刺激を断続的に表示し、
前記表示領域の周辺表示領域内に第二視覚刺激を断続的に表示し、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、ユーザが前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、
前記決定に基づいて、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動するグラフィカルオブジェクトを選択的に表示する、
ように構成される。
【0006】
前記プロセッサは、前記第二視覚刺激の前記断続的な表示に関連する時間枠内に前記ユーザが前記ユーザ入力デバイスをアクティブ化したことを、例えば、前記第二視覚刺激の前記表示に続く所定の期間(マイクロ秒数など)内に(または前記第二視覚刺激が消えた/表示されなくなった後の所定の期間内に)前記ユーザ入力デバイスがアクティブ化されることなどを、前記ユーザ入力デバイスの前記使用が示す場合、前記ユーザが前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したと決定することができる。
【0007】
前記プロセッサは、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動する前記グラフィカルオブジェクトをアニメーション表示として選択的に表示することができる。前記第二視覚刺激は、前記周辺表示領域内に前記グラフィカルオブジェクトを断続的に表示することを含むことができる。
【0008】
前記プロセッサは、前記周辺表示領域内の異なる位置に複数の前記第二視覚刺激を断続的に表示するように構成されることができる。
前記プロセッサは、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの少なくとも1つを正しく視覚的に検出したと決定し、
前記周辺表示領域内の第一位置に、前記複数の第二視覚刺激のうちの第一のさらに1つを断続的に表示し、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第一のさらに1つを正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、
前記周辺表示領域内の第二位置に、前記複数の第二視覚刺激のうちの第二のさらに1つを断続的に表示し、
前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第二のさらに1つを正しく視覚的に検出したかどうかを決定し、
前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの、前記第一のさらに1つ、及び前記第二のさらに1つを正しく視覚的に検出していないと前記プロセッサが決定する場合、前記プロセッサは変更された第二視覚刺激を表示するように構成される、
ように構成されることができる。
【0009】
前記変更された第二視覚刺激は、前記第二視覚刺激と視覚的に異なる場合があり、例えば、異なるサイズ(通常はより大きい)、異なる形状、異なる色などである場合がある。前記変更された第二視覚刺激は、前記周辺表示領域の前記第一位置に表示されることができる。前記プロセッサは、前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記変更された第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定するように構成されることができる。前記ユーザが前記変更された第二視覚刺激を正しく視覚的に検出していないと前記プロセッサが決定する場合、前記プロセッサは、前記周辺表示領域から前記中心表示に向けて移動する前記変更された第二視覚刺激を表示するように構成されることができる。
【0010】
前記プロセッサは、その後、前記周辺表示領域内の前記第二位置に前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第二のさらに1つを再表示し、前記ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、前記ユーザが前記複数の第二視覚刺激のうちの前記第二のさらに1つを正しく視覚的に検出したかどうかを決定するように構成されることができる。
【0011】
前記システムは、眼/視線追跡装置をさらに含むことができる。前記プロセッサは、前記眼/視線追跡装置を使用して、前記第二視覚刺激の前記断続的な表示中に、前記ユーザの視線が前記中心表示領域に向けられるかどうかを決定するように構成されることができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記中心表示領域内の複数の異なる位置に複数の前記第一視覚刺激を断続的に表示するように構成されることができる。例えば、前記第一視覚刺激の位置は、前記中心表示領域内のさまざまな位置に表示されることなどによって移動することができる。前記プロセッサは、ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、ユーザが前記第一視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定するように構成されることができる。
【0013】
前記プロセッサは、少なくとも前記第二視覚刺激を視覚的に検出する際の前記ユーザのパフォーマンスを示す出力を生成するように構成されることができる。前記出力は、表示されている前記変更された第二視覚刺激の数、前記ユーザによって見逃されている前記変更された第二視覚刺激の数、見逃されている前記第一視覚刺激の数を含むことができる。前記第二視覚刺激は、前記第一視覚刺激が表示されていない時間窓中に表示されることができる。前記時間窓は、例えば前記ユーザの前記パフォーマンスなどに基づいて、前記ゲームプレイ中に調整されることができる。
【0014】
前記ユーザが前記第一視覚刺激及び/または前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出した場合、前記プロセッサは、肯定的な結果を提供する(例えば、ゲームルールに関して)ように構成されることができる。前記ユーザが前記第一視覚刺激及び/または前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出していない場合、前記プロセッサは、否定的な結果を提供する(例えば、ゲームルールに関して)ように構成されることができる。
【0015】
前記システムは、使用中に、前記ユーザと、前記表示装置及び前記ユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つとの間に位置決めされる/位置決め可能であるパネルをさらに含むことができる。前記パネルは、前記表示装置及び前記ユーザ入力デバイスのうちの少なくとも1つを有するハウジングの表面を含むことができる。
【0016】
前記プロセッサは、前記中心表示領域上に前記ユーザの視線の焦点が合わされる/維持される(前記第二視覚刺激が前記周辺表示領域内に断続的に表示されていても)ように、表示を前記中心表示領域内に生成するように構成されることができる。
【0017】
別の態様によれば、視野アセスメント方法(コンピュータに実装された)が提供され、前記視野アセスメント方法は、
表示装置の表示領域の中心表示領域内に第一視覚刺激を断続的に表示することと、
前記表示領域の周辺表示領域内に第二視覚刺激を断続的に表示することと、
ユーザ入力デバイスの使用に基づいて、ユーザが前記第二視覚刺激を正しく視覚的に検出したかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記周辺表示領域から前記中心表示領域に向けて移動するグラフィカルオブジェクトを選択的に表示することと、
を含む。
【0018】
さらなる態様によれば、実質的に本明細書に記載されるような視野アセスメント方法を動作させるコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読媒体が提供される。
【0019】
本発明をよりよく理解するために、また、同じものの例示的な実施形態がどのように実施されることができるかを示すために、例としてのみ、添付の図表の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態によるシステムの概略図である。
図2】システムの具体的な一例を示す。
図3A】システムによって生成されるグラフィカル表示の例を示す。
図3B】システムによって生成されるグラフィカル表示の例を示す。
図3C】システムによって生成されるグラフィカル表示の例を示す。
図3D】システムによって生成されるグラフィカル表示の例を示す。
図4】システムによって生成される例示的な出力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に記載されるようなシステム及び方法が提供される。本発明の他の特徴は、従属請求項、及び以下の説明から明らかになるであろう。
【0022】
本明細書に記載の任意選択の特徴は、個別に、または適切な場合には、互いに組み合わせて、そして特に添付の特許請求の範囲に記載の組み合わせでかいずれかで使用されることができる。本明細書に記載される本発明の態様または例示的な実施形態ごとの任意選択の特徴は、適切な場合には、本発明のすべての他の態様または例示的な実施形態にも適用可能である。換言すれば、本明細書を読む当業者は、本発明の態様または例示的な実施形態ごとの任意選択の特徴を、異なる態様と例示的な実施形態との間で交換可能かつ組み合わせ可能であると見なすべきである。
【0023】
図1は、例示的な視野アセスメントシステム100を概略的に示す。システムは、従来の電子コンピュータ102を含むことができ、この従来の電子コンピュータは、プロセッサ104及びメモリ106などの周知のコンポーネントだけでなく、少なくとも1つの通信インタフェース108などのような他の特徴をも含むことができる。このコンピュータは、ラップトップPC、デスクトップPC、タブレットコンピュータ、またはリモートサーバなどを含んでもよい。
【0024】
システム100のいくつかの実施形態は、パネル110をさらに含むことができ、このパネル110は、使用中に、ユーザとシステムの少なくとも1つのコンポーネントとの間に位置決めされる。通常、ユーザは、図1に示されるようにパネルの前に座る、または立つ。いくつかの実施形態では、パネルは、一般に直方体の形状などのハウジングの部分であることができる平らな表面を含む。ただし、パネル/ハウジングの設計及び寸法が変わることができること、ならびにそれがプラスチック、段ボールなどのような剛性または半可撓性の材料など、任意の適切な材料(複数可)から形成されることができることが理解されよう。使用中、ユーザは、場合によっては調整可能なヘッドレスト/顎受け台の上に彼らの頭を置き、ハウジングの内部を視ることができる。場合によっては、黒いフェルトなどの材料を使用して、システムの側面を覆うことがある。
【0025】
いくつかの実施形態では、ユーザがシステム100のコンポーネント(複数可)を見る、及び/または物理的に操作することができるように、システム100のその他の側面上に位置決めされる少なくとも1つのアパーチャをパネル110は含む。図示された例では、パネルは、第一上部アパーチャ112及び第二下部アパーチャ114を含む。図示された例では、表示装置116は、上部アパーチャを通して少なくとも部分的に視られることができ、ユーザ入力デバイス118は、下部アパーチャを通して物理的にアクセス可能であることができる。パネル/ハウジングの使用は、ユーザの視線の焦点を表示装置上に合わせるのに役立つことができるだけでなく、彼/彼女がゲーム/アセスメントに精神的に没入するのにも役立つことができる。
【0026】
表示装置116及びユーザ入力デバイス118は、コンピュータ112と、そのインタフェース(複数可)108を介して通信することができ、そのインタフェース(複数可)108は、任意の適切な有線または無線インタフェース(複数可)、例えば、HMDI、シリアルケーブル、Bluetooth(登録商標)、Wifi(商標)またはインターネットを有するネットワークリンクなどを含むことができる。表示装置は、LEDまたはLCD画面などの任意の適切なディスプレイテクノロジーを含むことができる。ユーザ入力デバイスは、押しボタン、ジョイスティックなどの任意の適切なデバイスを含むことができる。通常、ユーザ入力デバイスは、中心視覚刺激及び周辺視覚刺激(以下に詳述される)の両方に応答する単一の応答ボタンを含む。詳細な検査後、これは、ほとんどの子供にとって必要な簡易化であることがわかった。
【0027】
いくつかの実施形態では、システム100は、眼/視線追跡装置119をさらに含むことができる。通常、これは、表示装置116上に/表示装置116に隣接して配置され、そのうえ、コンピュータ102と通信する。
【0028】
いくつかの実施形態では、視野アセスメント方法は、ゲーム要素を含む。本明細書に記述される、主な詳細な実施形態では、このゲームは、女王が買い物に行くために家を出ており、彼女の息子、キャスパー王子を1人で城に残しているというテーマを有する。彼は、ドアを開けたままにして、「グーグリー」と呼ばれるたくさんの生き物を城に入れた。ゲームの目的は、彼がそれらの生き物を、彼のお母さんが戻る前に掃除機で一掃する/吸いこむことである。王子は中心のゲーム/メインゲームとして現れ、中心表示領域内に現れる中心のグーグリーをブラシで掃いてゴミ箱に入れる。また、彼は、周辺表示領域内に現れる任意の周辺グーグリーを吸い込むために掃除機を持っている。これは単なる例示であり、適用されることができる方法及びゲームタイプルールのグラフィカルな/視覚の提示の両方での多くの変形形態が可能であることが理解されよう。
【0029】
図2は、システム100の具体的な実施形態を示し、そこではパネル110は、視野アセスメントゲームの一例の視覚要素と結び付けるために城型の建物を表すハウジング202の部分である。ただし、これは単なる例示であり、他の多くの変形が可能であることが理解されよう。例えば、コンピュータのすべてのコンポーネントは、パネル110の後ろに配置されることができる。このパネルは、システムの他のコンポーネントがその下、または側面に配置されている状態で、ユーザと表示装置116との間にのみ配置されることができる。ディスプレイ及びユーザ入力デバイスが独立している状態でパネルがまったくない場合がある。1つより多い表示装置(例えば、中心表示領域として使用可能な1つの中心のもの、及び周辺表示領域(複数可)として使用可能な少なくとも1つの周辺表示装置)などがあってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態は、視野アセスメントのゲーミフィケーションを使用することによって、上記で議論されている問題を解決することができる。いくつかの実施形態は、プレイヤーが焦点を合わさなくてはならない第一視覚刺激を生成する中心ゲーム、及びプレイヤーが中心視覚刺激を直接見つつも、反応しなくてはならないような周辺視覚刺激が表示される周辺ゲームという、並行して行われる視野アセスメントの2つの態様を有することができる。通常、中心視覚刺激/ゲームの位置は、ディスプレイ上のさまざまな位置に表示されることなどによって移動するため、それらは常に絶対的な中心にあるとは限らない。これにより、例えば中心視覚刺激/ゲームが画面の左端にある場合、周辺視覚刺激は画面の右端に表示され、中心視覚刺激/ゲームが中心領域内にただとどまっている場合よりもより大きな角度で検査できるというように、周辺視覚刺激の可能な限り最も多様な角度を表示することができる。
【0031】
図3Aは、コンピュータ102によって生成され、表示装置116上に示される第一表示300Aの簡略化された一例である。この表示は、インストラクション/ソフトウェアのセットによって生成され、そのセットは、コンピュータのメモリ106内に少なくとも一時的に格納され、そのプロセッサ104によって実行される。他の実施形態/事例では、本明細書に記述されるステップのいくつかが再順序付けされる、省略される、及び/または繰り返されることができることが理解されよう。追加のステップもまた実行されてもよい。一部のステップは、順次ではなく同時に実行されてもよい。また、本明細書に記載の方法の実施形態が任意の適切なプログラミング言語/手段、及び/またはデータ構造を使用して実装されることができることが理解されよう。
【0032】
いくつかの実施形態は、表示装置116の中心表示領域内に第一視覚刺激を表示することと、表示装置の周辺表示領域内に第二視覚刺激を表示することとを含むことができる。いくつかの実施形態の意図は、ユーザが彼/彼女の焦点を中心表示領域上に維持しながら、そのうえ、彼/彼女が周辺表示領域内の第二視覚刺激を見る/正しく視覚的に検出することができるかどうかを検査することである。
【0033】
通常、中心表示領域は、表示装置116の表示領域/画面全体の実質的に中心領域内にある。中心表示領域は、図中の矩形301Aによって概略的に示される。ただし、これが説明のみのためであり、方法の実行中に実際に表示されない場合があることが理解されよう。また、中心表示領域の輪郭/形状(例えば、矩形/正方形である必要はないが、楕円形などであることができる)及び寸法が異なることができることが理解されよう。一般に、中心表示領域は、表示装置の表示領域/画面全体の実質的に中心点を中心とし、表示領域/画面全体のエッジの一部/すべてから離隔される。例えば、中心表示領域のエッジと、表示領域/画面全体の隣接するエッジとの間に表示領域全体の最大約20%のマージンがあってもよい。一般に、これらの領域は、周辺-中心標的の可能な限り最も広い範囲の角度を得るために、できる限り多くの画面領域を使用してもよい。
【0034】
通常、周辺表示領域は、表示装置116の表示領域/画面全体の実質的に周辺領域を含む。周辺表示領域は、図中の301Bでは概略的に図示されている/シェーディングされている。ただし、これが説明のみのためのものであり、方法の実行中に実際に領域が示されない場合があることが理解されよう。また、周辺表示領域の輪郭/形状及び寸法が異なる場合があることも理解されよう。一般に、周辺表示領域は、表示装置の表示領域/画面全体の中心領域から離れて配置される/その中心領域を除くエッジ領域を含む。例えば、周辺表示領域は、表示領域全体の最大約20%のマージン、または表示領域/画面全体のコーナー領域を含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、視野アセスメント方法は、中心表示領域301A内に第一視覚刺激を断続的に表示することを含んでもよい。ユーザは、ユーザ入力デバイス118を使用することにより、例えばボタンを押下することにより、彼/彼女が第一視覚刺激を見ている/視覚的に検出していることを示すことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第一視覚刺激の断続的な表示に関連する時間枠内にユーザがユーザ入力デバイスをアクティブ化したことを、例えば、第一視覚刺激の表示に続く所定の期間(マイクロ秒数など)内に(または第一視覚刺激が消えた/表示されなくなった後の所定の期間内に)ユーザ入力デバイスがアクティブ化されることなどを、ユーザ入力デバイスの使用が示す場合、ユーザが第一視覚刺激を正しく視覚的に検出していると決定することができる。第一視覚刺激は、第一表示オブジェクトを含むことができ、この第一表示オブジェクトは、例えば現れてから消える、拡大する、色が変わる、位置が変わるなど、ある特定の/所定の表示状態で表示される(またはその表示状態に変化する)ことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、視野アセスメント方法は、周辺表示領域301B内に第二視覚刺激を断続的に表示することをさらに含んでもよい。ユーザは、彼/彼女がユーザ入力デバイス118を使用することにより第二視覚刺激を見ていることを示すことができる。また、いくつかの実施形態では、プロセッサは、第二視覚刺激の断続的な表示に関連する時間枠内にユーザがユーザ入力デバイスをアクティブ化したことを、例えば、第二視覚刺激の表示に続く所定の期間(マイクロ秒数など)内に(または第二視覚刺激が消えた/表示されなくなった後の所定の期間内に)ユーザ入力デバイスがアクティブ化されることなどを、ユーザ入力デバイスの使用が示す場合、ユーザが第二視覚刺激を正しく視覚的に検出していると決定することができる。第二視覚刺激は、第二表示オブジェクトを含むことができ、この第二表示オブジェクトは、例えば現れてから消える、拡大する、色が変わる、位置が変わるなど、ある特定の/所定の表示状態で表示される(またはその表示状態に変化する)ことができる。
【0037】
第一及び第二視覚刺激の断続的な表示は、通常、特定のタイミングスケジュール、例えば、表示イベントを生成するために事前に格納されたスケジュール及び/またはアルゴリズムまたはイベント駆動型アプローチなどに基づく。例えば、第一視覚刺激及び/または第二視覚刺激は点滅してもよい。
【0038】
上記のように、一部のユーザ、特に子供は、多くの場合、1つの入力ボタンしかうまく対処することができない。これを可能にするために、彼らは、第一視覚刺激/中心標的の出現に迅速に応答するように指導される(及び/または初期の「トレーニングゲーム」ではトレーニングされる)ことがある。第二視覚刺激/周辺標的は、中心標的が応答を必要としない時間窓中にのみ表示されることができる。この時間窓は、ゲームプレイ中に、例えばユーザのパフォーマンスなどに基づいて調整されることができる。
【0039】
例示的な第一表示300Aは、ユーザ入力デバイス118を使用するユーザによって概念的に制御されることができる、少なくとも1つのグラフィカルオブジェクトを含むことができる。この例では、これはブラシ/掃除機オブジェクト302を含む。この例示的な表示は、少なくとも1つのさらなるグラフィカルオブジェクトをさらに含むことができる。この例では、これはゴミ箱オブジェクト304を含む。例示的な表示は、第一視覚刺激として機能することができる、少なくとも1つのグラフィカルオブジェクトをさらに含むことができる。この例では、これは、断続的に表示される「グーグリー」オブジェクト306を含む。図3Aの例示的な表示では、ブラシの下に浮かぶ小さな円盤状のオブジェクト(「待機中のグーグリー」)を含む。図3Bに示されるように、時々、それは完全に丸い円形のグーグリー307に変わる。これが現れたら、ユーザは応答ボタンを押下する必要がある。
【0040】
ユーザに注意及び視覚的焦点を中心のゲーム/メインゲームに維持するように促すために、方法は、彼/彼女が第一視覚刺激を正しく見ていることを示すことに対して肯定的な結果を提供する(ゲームルールに関して)ことを含んでもよい。例えば、正しく検出されたグーグリー307ごとに、ユーザのスコアを上げる(例えば、+100ポイント)ことができる。追加で、または代替に、この方法は、第一視覚刺激を見ている、及び/または見逃していることを誤って示すことに対して、否定的な結果を提供することを含むことができる。例えば、グーグリー307が現れるときにユーザがボタンを押下しない場合、グーグリーモンスターは飛び上がり、王子の顔に当たる。さらなる一例として、第一視覚刺激/中心グーグリー307がないときにユーザがボタンを押下する場合、王子は倒れ、ユーザのスコアは100ポイント減少する。
【0041】
図3Cを参照して、ゲーム中、時々/断続的に第二視覚刺激、例えば周辺の丸い円308(グーグリー)などは、周辺表示領域301B内の位置に表示される。これは、中心のゲームのオブジェクトの位置に関して、さまざまな角度及び方向にあることができる。この位置は、位置セットを含むストアから取得されるランダム/疑似ランダム方式での実施形態によって決定されることができる、及び/またはアルゴリズムまたはイベント駆動型方式などで決定されることができる。いくつかの実施形態では、王子を含む中心のゲームの位置は、周辺のゲームのオブジェクトの表示位置の最大限の多様化を容易にするために、画面全体に時々移動することができる(例えば、ある特定の数の中心グーグリーが捕らえられた後、またはある特定の期間が経過した後)。
【0042】
ユーザが周辺グーグリー308を見る/視覚的に検出すると、彼/彼女は、ユーザ入力デバイス118の応答ボタンを押下する必要がある。次に、グーグリーは王子に向けて移動し(「吸い込まれ」)、場合によっては、視覚検出が成功したことを示すために、ゴミ箱オブジェクト304内に移動してそれをいっぱいにすることが示される。この方法は、ユーザが第二視覚刺激を正しく見ていることを示すことに対し肯定的な結果を提供する(ゲームのルールに関して)ことを含んでもよい。例えば、正しく検出される周辺/第二刺激ごとに、ユーザは1つの小さな星を獲得してもよい。それらの星が10個に達すると、ユーザは大きな星を獲得する。もちろん、ある他の方法ではユーザのスコアを上げるなど、他のリワード/追加のリワードが可能である。
【0043】
このようにして、ユーザは、彼/彼女が中心のゲームを見ていることを確実にする(さもなければ、中心のグーグリー306が顔の上に付着する)が、それでも彼らが周辺オブジェクト/グーグリー308を見ると、ボタンを押下しようとする最大の意欲を持つ。それらのオブジェクトが内向きに/中心に移動している(「吸い込まれている」)と、ユーザの視線が周辺に向けて過度に引きつけられない。したがって、ユーザが第二視覚刺激を正しく視覚的に検出しているかどうかに関する決定に基づいて(その第二視覚刺激の彼らの視覚検出を示すためのユーザ入力デバイスの彼らの使用に基づいて)、周辺表示領域から中心表示領域に向けて移動する第二視覚刺激の形式でグラフィカルオブジェクトを選択的に表示する(アニメーションとして)ことは、向上した精度を有する結果を提供する、改善された視野アセスメントシステム/方法の有益な技術的効果を有することができる。
【0044】
応答を必要とする中心または周辺の標的がないときにユーザが入力ボタンを押下する場合、彼らは、エラーグラフィックを見てもよい、及び/またはポイントを失ってもよい。通常、一部のユーザは、すぐにこれを行う習慣から抜け出す。なぜならば、正確な時間に標的が現れると、トリガーハッピーを脱して押下することで、正のスコアを得ることは理論上可能であるが、非常にまれであり、これが有効なゲーム戦略であるとプレイヤーは思わないためである。
【0045】
多くの正確な周辺位置は、それぞれが順(例えば、ランダムまたは所定の順)に検査され、それらの位置のすべてが検査されるまで、存在することができる。第二視覚刺激のうちの1つが見逃されている場合、それはもう一度、表示される/検査されることができる。これらのそれぞれのサイズは、位置ごとに関連する年齢の子供にちょうど見える標的サイズを表すそれ以前の研究から決定された。通常、これらの位置は、視覚アセスメントの分野で標準的な文献に基づき、探している視野欠損のタイプ、例えば眼疾患とは異なる神経疾患などに応じて変えることができる。これらのサイズは、さまざまな年齢の標準的な子供での閾値レベルを検査する広範な公開された研究によって決定されてもよい。
【0046】
時々ユーザが中心のゲームに夢中になりすぎて、周辺を考慮に入れることを忘れる場合があることがわかっている。したがって、彼らが周辺に注意を払わない場合、何らかの形の否定的な結果を提供することが望ましい。彼らは、真の視野欠損がある場合、ポイントを失い続け、ゲームを終了することができない、またはとても落胆するため、ポイントを失うだけでなく、その位置で再検査されることが有益である。ドットを爆発させる、またはいずれかの周辺視覚に関する影響を過度に与えることは望ましくない。なぜなら彼らはそれを見たくなく、ゲームプレイ中に、中心のゲームに彼らの視線を固定するのをやめさせる可能性があることは何もすべきではない。
【0047】
いくつかの実施形態は、変更された第二視覚刺激(「エラードット」と称される)を使用することで、この問題を解決することができる。ユーザが少なくとも1つの「通常の」周辺視覚刺激を見た後でのみ、この変更されたプロセスが使用される。通常の周辺視覚刺激は、正しく見えるかどうかを検査するために表示されるものである。正しく見える場合、通常の周辺視覚刺激は一度示されてその位置に見えたと記録され、例えば、XMLファイルに記録される。通常の周辺視覚刺激が正しく検出されていない場合、後でもう一度検査されてもよい。次に、それは、2回検査されて2回目に正しく見えた、または正しく見えなかったと、例えば、XMLファイルに記録されることができる。ある特定の数の、例えばいずれかの2つの継続的な周辺視覚刺激をユーザが見逃す場合、変更された第二視覚刺激/「エラードット」は、通常の第二刺激がユーザによって正しく検出された最後の位置のうちの1つに表示される。いくつかの実施形態では、変更された第二視覚刺激/エラードットは、通常の第二視覚刺激よりも大きい。したがって、第二視覚刺激が以前に正しく検出された最後の位置のうちの1つに、その変更された第二視覚刺激/エラードットが表示されるため、ユーザはそれを簡単に見ることができる。もちろん、変更された第二視覚刺激は、他の何らかの方法で通常の第二視覚刺激とは視覚的に異なることができ、例えば、異なる形状、異なる色などであってもよい。
【0048】
したがって、ユーザがこの変更された第二視覚刺激/エラードットを見逃す場合、それは視野欠損があるからではなく、ゲーム/アセスメントに集中していない、またはそれに応じていないことが原因である可能性が高い。いくつかの実施形態では、その場合、エラードットの否定的なフィードバックのアニメーションをアクティブ化することができ、このアニメーションは、同じより大きなエラードット(図3D中の310)が周辺から中心表示領域に向けて移動して/「飛んで」(矢印309によって示される)王子の顔に当たることからなる。これは、周辺についてユーザに思い出させるのに役立ち、ユーザが応答するように再刺激することができる。中心に向けて飛んでいるドットは、中心のゲームから注意が引き離されすぎないようにする。したがって、ユーザが第二視覚刺激を正しく視覚的に検出しているかどうかに関する決定に基づいて(その第二視覚刺激の彼らの視覚検出を示すためのユーザ入力デバイスの彼らの使用に基づいて)、周辺表示領域から中心表示領域に向けて移動する変更された第二視覚刺激の形式でグラフィカルオブジェクトを選択的に表示する(アニメーションとして)ことは、向上した精度を有する結果を提供する、改善された視野アセスメントシステム/方法の有益な技術的効果をもう一度有することができる。
【0049】
これらのステップが実行されると、2つの見逃された周辺の第二刺激をさらにもう1回(最終回)検査することができる。したがって、エラードットは、ユーザを「目覚めさせる」ことが意図される変更された第二視覚刺激であることができる。変更された第二視覚刺激は、通常の第二視覚刺激よりもサイズが大きい場合がある。示された/見られたエラードット数は、ゲームの終了時に表示されてもよい(ただし、これらは子供についての視野マップを生成するために使用されるXMLファイルにカウントしない)。XML(または他のタイプの出力)は、通常の意図されたサイズの刺激が見えるか、見えないかに基づいて自動的に生成されることができ、そのサイズ及び位置は、検査の開始前に履歴/実験に基づいたデータベースから指定されてもよい。このデータからグラフを作成することができる。
【0050】
変更された第二視覚刺激/エラードットを含む詳細な一例を与えるために、
-周辺/第二刺激が周辺表示領域の位置Aに表示される
-ユーザが周辺刺激を見てボタンを押下する(結果として、それを「掃除機で吸い込む」)
-周辺/第二刺激は周辺表示領域の位置Bに提示される
-ユーザは時間内にボタンを押下することでそれを正しく検出しない
-周辺/第二刺激は周辺表示領域の位置Cに提示される
-ユーザは時間内にボタンを押下することでそれを正しく検出しない
-変更された周辺/第二刺激は位置Aに「エラードット」310として再表示される。この変更された刺激はより大きい(例えば、2サイズ大きい)。ユーザはこの位置Aで刺激を以前に見たため、彼/彼女は同じ位置ではより大きな刺激を簡単に見ることができる。それが見逃される場合、それは視野の損失とは異なって集中力の欠如が原因である可能性がある。
-ユーザが変更された第二刺激/エラードットを見る場合、方法は通常どおり続行する
-ユーザが変更された第二刺激/エラードットを見逃す場合、ユーザの集中力を取り戻そうとして、それは飛んで(309)王子に当たる
-ユーザが変更された第二刺激/エラードットを見るか、見ないかにかかわらず、見逃された第二刺激はすぐに再検査され、彼らの2回目の検査としてカウントされる。
-変更された第二刺激/エラードットが示されるには、ユーザは2つの継続的な刺激を見逃す必要がある。ユーザが1つの刺激を見逃すが、その次に示される刺激を捕捉する場合、エラードットは示されず、見逃された刺激は2回目についてはゲームの後半で単純に再表示される。
-方法/ゲーム中に少なくとも1回の第二刺激時に子供が正しく検出した場合にのみエラードットは表示される。
【0051】
システム100のユーザを管理する検査者は、ゲームの終了時に提示されて見逃されたエラードットの総数を見ることができる。見逃されたエラードットが多数ある場合、その領域が信頼できないと推定することができ、エラードットの使用を検討することができる。いくつかの実施形態は、さまざまな方法で出力されることができる、ユーザのパフォーマンスを示す出力を生成することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、すべての周辺視覚刺激を検査すると、信頼性指標をゲームの最後に表示することができる。実施形態は、視覚刺激が正しく見られた/検出された、すべての位置を示す出力を生成することができる。検査の信頼性/妥当性を決定するために、この出力は、提示されたエラードット数、見逃されたエラードット数(これは欠損のあるユーザがそれらの欠損によって連続していくつかの周辺刺激を見逃すことがある場合に重要である)、見逃された中心視覚刺激/グーグリーの数(中心固視の可能性のある損失を評価することに役立つ)、王子が倒された回数(ユーザが「トリガーハッピー」であったことを示すことができる)など、追加の情報をも含むことができる。
【0053】
図4は、表示装置116上に表示されている例示的な出力を示す。
【0054】
したがって、エラードット機能は複数の機能/利点を有すると見なされることができる。これら複数の機能/利点は、
1.ユーザに周辺を思い出させることによって、彼らに周辺に注意を払うように促すこと、
2.ユーザが大きな視野欠損を持っていても、ユーザが見ることができることを彼/彼女が実証しているそれらの位置に、いくつかの周辺ドットを頻繁に出現させることで、ゲームプレイ継続を確実にすること、
3.不注意のために見逃されている可能性のある領域を再検査すること、
4.最後に検査スコアの全体的な信頼性の指標を提供すること、
を含む。
【0055】
システム100のいくつかの実施形態は、任意選択の眼/視線追跡装置119を使用してもよい。これらの実施形態は、単純に視線が中心のゲームに期待通りに向けられているかどうかを確立するために、アイトラッキングテクノロジーを使用してもよい。追跡によってこれが確認される場合にのみ、周辺表示領域内に周辺標的が示される。これは、アイトラッキングを使用して、周辺オブジェクトが見えるか、見えないかを決定する、既存のシステム(これはユーザを疲れさせ、精度が低くなる)よりも優れている。したがって、実施形態は、より単純でありながら同時に有効であり、ユーザをゲームに従事させ続けることができる。
【0056】
ユーザ/子供の関心を維持するために、いくつかの実施形態は、複数のレベルのゲームを提供してもよい。例えば、レベル1では10個の視覚刺激が提示され、その次のレベルでは20個まで増加する。例えば、場合によっては、レベル2及び3では、連続するいくつかの第二視覚刺激を子供が正しく検出すると、ゲームの速度を上げてもよい。子供が再びドットを見逃した場合、ゲームの速度を下げて戻してもよい。いくつかの実施形態において、レベル3では、中心のグーグリー307の代わりに猫が中心に提示される時がある。これが起こる場合、彼らがボタンを押下すると、猫に当たってしまうため、彼らはボタンを押下しない。いくつかの実施形態では、ゲームは、応答時間がわずかに増加したバージョンを有してもよく、レベル2及び3は、苦労している子供に対してそれほど速度を上げなくてもよい。ユーザはレベル間に休憩を与えられてもよく、ゲームはいつでもオペレーターによって一時停止されてもよい。
【0057】
ユーザがシステム100の使用方法を確実に理解することを助けるために、いくつかの実施形態は、ゲームを適切に開始する前に使用されるトレーニングレベルを提供してもよい。これらは、中心のゲームだけで開始することができ、時間内にボタンを押下する時間要件がなく、否定的な結果がない状態で開始することができる。トレーニングレベルは、ユーザがボタンを押下するまで中心のグーグリーモンスター及び外部からの刺激が消えないレベルを含んでもよい。このレベルを使用して、ユーザがボタンを押下する必要がある場合をユーザが確実に理解することができる。
【0058】
ある試験では、神経発達遅滞のある患者が特定され、このシステムの検査への適合性について評価された。除外されたものは、6/24より多い視覚アクティビティ、及びシステムを使用する能力に影響する可能性のある健康状態、重度の認知障害が原因で不適切であると特定されたものなどを含んだ。同意する各患者の病歴が記録され、これらの病歴は、それらの患者の診断、視力、及び可能な場合はいずれかの以前の視野検査からの結果を含んだ。次に、子供及びその保護者は、コンピュータゲームに対する彼らの意見、及び視野検査の過去の経験について尋ねられた。ある研究では、15人の患者(7人の少女と8人の少年)は、参加に同意した(平均年齢7.5歳、4~14歳の範囲)。これらのうちの2人(6歳及び7歳)は、トレーニングレベルを超えて進むことができず、どちらも全般的発達遅滞と診断された。残りの13人の患者では、6人が両眼、そして7人が片眼の検査を完了することができた。左右の視野が得られることができなかった7人の子供のうち、4人は注意持続時間が短いことが原因であり、1人は疲労が原因であり、1人は時間制約が原因であり、1人は第二眼の視力が低いことが原因であった。注意持続時間が短いことが原因で2回目の視野検査を完了することができなかった4人の子供のうち、2人はADHDで、2人は認知障害であった。
【0059】
検査された15人の子供のうち、5人は神経線維腫症、1人はCNS腫瘍、2人はまだ正式な診断を受けておらず、1人は脱髄による視神経萎縮、1人はキアリ1型奇形、1人はニーマン・ピック病、1人は矢状縫合早期癒合症であった。
【0060】
この研究では、各患者について個別に話し合い、例えばシステムによって自動的に生成されたExcelファイルを使用して、信頼性指標、及びHumphreys視野との比較を可能な場合に行った。システムに関するフィードバックはおおむね肯定的であった。例えば、過去に正式な視覚検査を経験した子供の100%、特に、従来の視野検査が不可能であることが証明されているADHDである子供は、システムがより楽しく、長期間このシステムに集中し続けることがはるかに楽しいため、システムを好むと報告した。
【0061】
研究の結果は、これらの実施形態をうまく使用して神経発達遅滞のある子供の視野を測定することができることを実証した。4歳でADHD及び認知障害のある子供でさえ、検査を完了することができた。これは、著しい欠損のみが検出される対面式簡易視野検査に検査が一般に限定されている、この子供群にとって非常に貴重であることを証明することができる。また、実施形態は、視神経膠腫の大多数が6歳より前に診断される神経線維腫症1型の子供において特に有益であることができる。
【0062】
検査の結果は、Humphreyの視野検査と同等であった。したがって、実施形態は、特に発達が遅れている子供における視力検査の開発及び評価にかなり貢献することができる。研究によると、発達が遅れている子供の親は発達が正常の子供の親に比べて、未だ対処されていない医療ニーズが多いと報告することが示される。また、左右検査を受けた子供の大多数は第二眼ではより速く検査が行われただけでなく、より良い信頼性指標で検査が行われたことがわかった。これらの知見の意義は、子供が自宅で練習するためにタブレットコンピュータなどに実装されるシステムのバージョンを使用することができることで、信頼性が向上し、正式なアセスメント中の予約時間が短縮されることができることである。
【0063】
好ましい実施形態が示され、説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に規定され、上記で説明されるように、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正がなされ得ることが当業者には理解されよう。
【0064】
本出願に関連して本明細書と同時に、または本明細書の前に出願され、本明細書に関して公開されている、すべての論文及び文書に注意を向け、それらのようなすべての論文及び文書の内容は参照により本明細書に援用されている。
【0065】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲及び図面を含む)に記載される全ての特徴、及び/またはそのように開示されるあらゆる方法またはプロセスのステップの全ては、それらのような特徴及び/またはステップのうちの多くていくつかが相互排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされてよい。
【0066】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲及び図面を含む)に開示される各特徴は、別段に明示的に定められない限り、同じ、同等、または同様の目的を果たす代替の特徴に置き換えられてもよい。したがって、別途明確に示されない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の同等または同様の特徴の一例にすぎない。
【0067】
本発明は、前述の実施形態(複数可)の詳細に限定されない。本発明は、本明細書に開示された特徴(あらゆる添付の特許請求の範囲及び図面を含む)の任意の新規のもの、もしくは任意の新規の組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法もしくはプロセスのステップの任意の新規のもの、もしくは任意の新規の組み合わせに及ぶ。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
【国際調査報告】