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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】方向制御バルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/087 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
F16K11/087 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562038
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2020061621
(87)【国際公開番号】W WO2020229148
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019112559.6
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ネッツァー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ツフォケユ
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA24
3H067CC32
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA05
3H067EA06
3H067EB04
3H067FF17
(57)【要約】
バルブハウジング(1)に配置されている回転部材(9)が、貫通チャネル(11)を貫通し、第1切替位置と第2切替位置との間で方向制御バルブを調整するために回転軸線(10)のまわりで回転可能である。貫通チャネル(11)の第1端部が回転軸線(10)と同心であり、各切替位置において1次連結チャネル(6)が貫通チャネル(11)を介して2次連結チャネル(7、8)のうち一方と連通し、他方から遮断される。回転部材(9)が、貫通チャネル(11)の第2端部が開口し、球冠状に湾曲した外側面(13)を有している。バルブハウジング(1)が、回転部材(9)の球冠状に湾曲した外側面(13)の反対側にあって、2次連結チャネル(7、8)が開口し、球冠状に湾曲した内側面(14)を有している。当該外側面(13)および当該内側面(14)は、最大で半球の領域にわたり延在している。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブハウジング(1)および前記バルブハウジング(1)に配置された回転部材(9)を備えている方向制御バルブであって、
前記バルブハウジング(1)が、1次連結チャネル(6)を有する1次連結部(3)と、第1の2次連結チャネル(7)を有する少なくとも1つの第1の2次連結部(4)と、第2の2次連結チャネル(8)を有する少なくとも1つの第2の2次連結部(5)と、を備え、
前記回転部材(9)が、貫通チャネル(11)を貫通し、少なくとも1つの第1切替位置と1つの第2切替位置との間で前記方向制御バルブを調整するために回転軸線(10)のまわりで回転可能であり、前記貫通チャネル(11)の第1端部が回転軸線(10)と同心であり、それぞれの切替位置において前記1次連結チャネル(6)が前記貫通チャネル(11)を介して前記2次連結チャネル(7、8)のうち一方と連通し、前記2次連結チャネル(7、8)のうち他方から遮断され、
前記回転部材(9)が、前記貫通チャネル(11)の第2端部が開口し、かつ、球冠状に湾曲した外側面(13)を有し、
前記バルブハウジング(1)が、前記回転部材(9)の球冠状に湾曲した前記外側面(13)の反対側にあって、前記2次連結チャネル(7、8)が開口し、かつ、球冠状に湾曲した内側面(14)を有し、
前記回転部材(9)の湾曲した前記外側面(13)および前記バルブハウジング(1)の湾曲した前記内側面(14)は、最大で半球の領域にわたり延在している
方向制御バルブ。
【請求項2】
請求項1に記載の方向制御バルブにおいて、
前記バルブハウジング(1)のハウジング上部(1a)が球冠状に湾曲した前記内側面(14)を有し、前記1次連結部(3)を有するハウジング下部(1b)に対して封止リング(2)により封止状態で連結されている
方向制御バルブ。
【請求項3】
請求項2に記載の方向制御バルブにおいて、
前記ハウジング下部(1b)に配置された当接面(24)に当接する支持面(23)が回転部材(9)に配置され、前記支持面(23)および前記当接面(24)は平坦に形成されている
方向制御バルブ。
【請求項4】
請求項3に記載の方向制御バルブにおいて、
前記支持面(23)および前記当接面(24)が、前記回転軸線に対して垂直な平面に存在する
方向制御バルブ。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の方向制御バルブにおいて、
前記貫通チャネル(11)の第1端部を取り囲む1次封止リング(15)が前記回転部材(9)に配置され、当該1次封止リング(15)が前記バルブハウジング(1)に配置された封止面(16)に当接する、または、
前記貫通チャネル(11)の第1端部を取り囲む封止面が前記回転部材(9)に配置され、当該封止面が前記バルブハウジング(1)に配置された1次封止リングに当接する
方向制御バルブ。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項に記載の方向制御バルブにおいて、
前記回転軸線(10)に対して平行に延在する駆動シャフト(19)が、球冠状の前記外側面(13)の頂点から延在し、前記バルブハウジング(1)の開口部を封止状態で貫通する
方向制御バルブ。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項に記載の方向制御バルブにおいて、
前記貫通チャネル(11)の中心軸線が、前記貫通チャネル(11)の第1端部の領域では前記回転部材(10)に対して平行に延在し、かつ、前記貫通チャネル(11)の第2端部の領域では前記貫通チャネル(11)に対して少なくとも35°の角度(12)をなしている
方向制御バルブ。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか1項に記載の方向制御バルブにおいて、
前記回転軸線(10)に対して平行に延在する前記バルブハウジング(1)の案内面および前記回転部材(10)に対して平行に延在する前記回転部材(10)の案内面の間に、前記回転軸線(10)を取り囲む案内リング(22)が配置されている
方向制御バルブ。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか1項に記載の方向制御バルブにおいて、
前記バルブハウジング(1)の球冠状の前記内側面(14)において、前記回転部材(9)の球冠状に湾曲している前記外側面(13)に対して当接する、前記第1の2次連結チャネル(7)の開口部を取り囲む第1の2次封止リング(17)および前記第2の2次連結チャネル(8)の開口部を取り囲む第2の2次封止リング(18)が配置されている
方向制御バルブ。
【請求項10】
請求項1~9のうちいずれか1項に記載の方向制御バルブにおいて、
前記第1の2次封止リング(17)および前記第2の2次封止リング(18)が、圧力媒体によってそれぞれの圧力媒体ライン(30)を介して、球冠状に湾曲した前記回転部材(9)の前記外側面(13)に対して当接可能であり、それぞれの前記2次封止リング(17、18)が、前記圧力媒体ライン(30)の非加圧状態において、前記回転部材(9)の球冠状の前記外側面(13)に対して低圧で当接するまたは前記回転部材(9)の球冠状の前記外側面(13)から離間する
方向制御バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
バルブハウジングおよび前記バルブハウジングに配置された回転部材を備えている方向制御バルブであって、
前記バルブハウジングが、1次連結チャネルを有する1次連結部と、第1の2次連結チャネルを有する少なくとも1つの第1の2次連結部と、第2の2次連結チャネルを有する少なくとも1つの第2の2次連結部と、を備え、
前記回転部材が、貫通チャネルから貫通し、少なくとも1つの第1切替位置と1つの第2切替位置との間で前記方向制御バルブを調整するために回転軸線のまわりで回転可能であり、前記貫通チャネルの第1端部が回転軸線と同心であり、それぞれの切替位置において前記1次連結チャネルが前記貫通チャネルを介して前記2次連結チャネルのうち一方と連通し、前記2次連結チャネルのうち他方から遮断される方向制御バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな形態の方向制御バルブが知られている。従来の方向制御バルブによれば、球状の回転部材が回転軸線のまわりを回転する。公知の形態の1つによれば、当該球はL字型のチャネルを有している。したがって、チャネルは相互に垂直に延在する2つの部分によって形成されている。チャネルの一方の部分は、ボールの回転軸線に対して同軸に配置され、すべての回転位置で方向制御バルブの1次連結部に対して連結される。チャネルの他方の部分は、回転位置に応じて2次連結部の1つに対して連結される。この方向制御バルブの欠点は、特に方向制御バルブの公称サイズが大きい場合、そのサイズが比較的大きいことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、全体のサイズが比較的小さい、前述のタイプの有利な方向制御バルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、これは、請求項1の特徴を備えた方向制御バルブによって達成される。
【0005】
本発明に係る方向制御バルブにおいて、回転部材は、貫通チャネルの第2端部が開口している球冠状に湾曲した外側面を有し、バルブハウジングは、回転部材の球冠状に湾曲した外側面の反対側にあって2次連結チャネルが開口している球冠状に湾曲した内側面を有する。回転部材の球冠状に湾曲した外側面およびバルブハウジングの球冠状に湾曲した内側面は、最大でも半球の領域にわたり広がっている。
【0006】
バルブハウジングは、好ましくは、ハウジング上部およびハウジング下部を有し、当該両部材は、ハウジング封止リングによって封止された状態で相互に連結されている。ハウジング封止リングは、好ましくは、回転部材の回転軸線に対して垂直な平面に配置される。
【0007】
ハウジング下部に配置された当接面に当接する支持面が回転部材に配置されていることが好ましい。これにより、回転部材は、ハウジングの下側の軸線に向かう方向について支持される。支持面および当接面は、好ましくは平坦であり、特に好ましくは回転軸線に対して垂直な平面に存在している。
【0008】
貫通チャネルの第1端部を取り囲む1次封止リングが回転部材に配置され、当該1次封止リングが、バルブハウジング、好ましくはバルブハウジング下部に配置されているバルブハウジングの封止面に当接すること、または、貫通チャネルの第1端部を取り囲む封止面が回転部材に配置され、当該封止面がバルブハウジング、好ましくはハウジング下部に配置されている1次封止リングに当接することが好ましい。これにより、回転部材と、バルブハウジング、好ましくはハウジング下部との間の軸線方向のシールが実現される。封止面は平坦に形成されていることが好ましい。1次封止リングは、特に好ましくは、回転軸線に対して垂直な平面に配置されている。本発明の一実施形態では、封止面は、回転軸線に対して垂直な平面に存在していてもよい。他の実施形態では、封止面は回転軸線のまわりに延在する円錐面に存在していてもよい。
【0009】
回転部材と、ハウジング、特にハウジング下部との間の軸線方向の封止に代えて、周方向の封止が実現されてもよい。回転部材の円筒状の外側面は、好ましくは貫通チャネルの第1端部の軸線領域に配置され、この場合、バルブハウジング、好ましくはハウジング下部の円筒状の封止面に当接してもよい。
【0010】
本発明の有利な実施形態では、回転軸線に対して平行に延在する駆動シャフトが、回転部材の球冠状の外側面の頂点から延在し、バルブハウジング、好ましくはハウジング上部の開口部を封止状態で貫通している。
【0011】
バルブハウジング、好ましくはハウジング上部に対する回転部材の径方向の案内のために、回転軸線に対して平行に延在しているバルブハウジングの案内面と、回転軸線に対して平行に延在している回転部材の案内面との間に配置されている、回転軸線を取り囲む周方向案内リングが設けられている。バルブハウジングの案内面は、ハウジング下部に配置されていることが好ましい。
【0012】
第1および第2の2次連結チャネルの口を取り囲み、かつ、回転部材の球冠状に湾曲した外側面に当接する第1および第2の2次封止リングが、バルブハウジング、好ましくはハウジング上部の球冠状の内側面に適当に配置されている。本発明の一実施形態では、第1および第2の2次封止リングには、それぞれの圧力媒体ラインを介して圧力媒体によって圧力が作用し、これにより、封止リングの一方には、圧力媒体によって回転部材の球冠状に湾曲した外側面に対して圧力が作用し、圧力媒体の減圧状態または非加圧状態では、回転部材の球冠状の外側面に対してより低圧で静止するかまたは当該外側面から離間する。方向制御バルブが作動した際、回転部材の外側面における第1および第2の2次封止リングに作用する押圧力を低減または解消することができる。これにより、第1および第2の2次封止リングに作用する剪断応力を大幅に低減することができる。
【0013】
方向制御バルブは、好ましくは、気体状の流体を案内するように設計されている。方向制御バルブが設計される圧力範囲は、例えば、10-2mbarから2barの範囲であってもよい。より狭い圧力範囲、例えば、0.1barから1.1barの範囲であってもよい。
【0014】
1次連結チャネルの直径および2次連結チャネルの直径と同様に、貫通チャネルの直径は、好ましくは25mm以上、特に好ましくは35mm以上である。
【0015】
本発明のさらなる利点および詳細は、添付の図面を参照して以下に説明される。図は部分的に簡略化され、概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る方向制御バルブの斜視図。
図2】一の視線方向からの分解図。
図3】他の視線方向からの分解図。
図4】側面図。
図5図4の断面線A-Aに沿った断面図。
図6図4の断面線B-Bに沿った断面図。
図7】下方からの俯瞰図。
図8】方向制御バルブが第1切替位置にある状態での図7の断面線C-Cに沿った断面図。
図9】方向制御バルブが第2切替位置にある状態での図7の断面線C-Cに沿った断面図。
図10】回転部材(1次封止リングなし)の斜視図。
図11】回転部材(1次封止リングなし)の側面図。
図12図11の断面線D-Dに沿った断面図。
図13図11に対して90°回転された回転部材の側面図。
図14図13の断面線E-Eに沿った断面図。
図15図13の断面線F-Fに沿った断面図。
図16】ハウジング上部の側面図。
図17図16の断面線G-Gに沿った断面図。(2次封止リングおよび付加的封止リングなし)。
図18】2次シールの他の実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る方向制御バルブの一実施形態が図1図17に示されている。方向制御バルブは、バルブハウジング1を備えている。バルブハウジング1は、ハウジング上部1aおよびハウジング下部1bを備えている。両部材1a、1bは相互に螺合されまたはねじ込まれ、当該両部材1a、1bの間に配置されているハウジング封止リング2によって相互に封止またはシールされている。
【0018】
バルブハウジング1は、1次連結部3と、第1の2次連結部4および第2の2次連結部5を有している。1次連結部3は1次連結チャネル6を構成し、第1の2次連結4は第1の2次連結チャネル7を構成し、第2の2次連結5は第2の2次連結チャネル8を構成する。
【0019】
本実施形態では、1次連結部3および2次連結部4、5のそれぞれは、それらの自由端に配置された連結フランジを備えているパイプ部分を有している。図示されたのとは異なる他の連結方式が採用されていてもよい。
【0020】
回転部材9は、バルブハウジング1に配置されている。当該回転部材10は、方向制御バルブを第1切替位置および第2切替位置の間で調整するため、回転軸線10のまわりに回転可能である。回転部材9は、貫通チャネル11を有する。第1切替位置では、1次連結チャネル6は、貫通チャネル11によって第1の2次連結チャネル7に対して連結されている。第2切替位置では、1次連結チャネル6は、貫通チャネル11によって第2の2次連結チャネル8に対して連結されている。
【0021】
少なくとも1次連結チャネル6のハウジング1の内部における開口部は、回転軸線10と同心または同軸に延在している。本実施形態では、1次連結チャネル6の全体と1次連結部6の全体が回転軸線10に対して同心に延在している。
【0022】
1次連結チャネル6の開口部に連結している貫通チャネル11の第1端部は、回転軸線10と同心に延在している。1次連結チャネル6の開口部は、ハウジングの内部に連通し、かつ、図示されているように貫通チャネル11の第1端部に相互に位置合わせされていることが好ましい。
【0023】
したがって、方向制御バルブの第1切替位置および第2切替位置の両方において、1次連結チャネル6は、貫通チャネル11に連通している。
【0024】
貫通チャネル11の第1端部に隣接する貫通チャネル11の中心軸線の部分は、回転軸線10に対して平行であり、かつ、これと共通の直線上にある。貫通チャネル11は、第1端部から第2端部までの経路において少なくとも1つの湾曲したまたは屈曲した部分を有している。貫通チャネル11の第2端部の領域における貫通チャネル11の中心軸線の部分は、回転軸線10に対して少なくとも35°、好ましくは少なくとも45°の角度12をなしている。
【0025】
貫通チャネル11の直径は、好ましくは、当該経路の全体にわたり少なくとも実質的に一定である。
【0026】
貫通チャネル11の第2端部は、回転部材9の球冠状に湾曲した外側面13において開口している。これは、ハウジング上部1aの球冠状に湾曲した内側面14の反対側にある。2次連結チャネル7、8は、内側面14において開口しており、当該2次連結チャネル7、8の開口部は、回転軸線10のまわりに少なくとも90°、好ましくは少なくとも100°だけ相互に離間して配置されている。
【0027】
回転部材9は、1次封止リング15によってハウジング下部1bから遮断または封止されている。本実施形態では、これは、回転部材9に配置され、ハウジング下部1bの平坦な封止面16に当接している。1次封止リング15および封止面16のそれぞれは、回転軸線10に対して垂直な平面に存在している。
【0028】
代替的に、封止面16が回転部材9に配置され、かつ、1次封止リング15がハウジング下部1bに配置されていてもよい。
【0029】
支持面23が回転部材9に配置され、ハウジング下部1bに配置された当接面24と当接している。支持面23および当接面24は平坦であり、回転軸線10に対して垂直な平面に存在している。本実施形態では、回転部材9の支持面23は、回転部材9の径方向外側の周縁部に配置されている。
【0030】
第1の2次封止リング17および第2の2次封止リング18は、ハウジング上部1aの球冠状に湾曲している内側面14に配置されている。第1の2次封止リング17は、内側面14における第1の2次連結チャネル7の開口部を取り囲んでいる。第2の2次封止リングは、内側面14における第2の2次連結チャネル8の開口部を取り囲んでいる。封止リング17、18は、回転部材9の球冠状に湾曲した外側面13に当接する封止面を構成している。
【0031】
第1切替位置では、第1の2次連結チャネル7は、貫通チャネル11に連結され、当該チャネルは、好ましくは、連結領域において相互に整列されている。第2の2次連結チャネル8は、回転部材9の球冠状に湾曲している外側面13によって閉塞されている。
【0032】
第2の切替位置では、第2の2次連結チャネル8は、貫通チャネル11に連結され、当該チャネルは、好ましくは、連結領域において相互に整列されている。第1の2次連結チャネル7は、回転部材9の球冠状に湾曲している外側面13によって閉塞されている。
【0033】
回転軸線10に対して平行に延在している駆動シャフト19は、回転部材9の球冠状の外側面13の頂点から延在している。駆動シャフト19は、ハウジング上部1aの開口部を封止状態で貫通している。ハウジング上部1aの開口部は回転軸線10と同心または同軸である。駆動シャフト19をハウジング上部1aから遮断または封止するため、ここではハウジング上部1aに配置され、駆動シャフト19を取り囲む封止面に対して当接する封止リング20が使用される。原則として、封止リング20が駆動シャフト19に配置され、かつ、封止面がハウジング上部1aに配置されていてもよい。
【0034】
駆動シャフト19は、貫通チャネル11の第1端部の反対側において回転部材9から延在している。
【0035】
本実施形態では、封止リング20のハウジングの外側に、駆動シャフト19を回転可能に取り付けるためのボールベアリング21がハウジング上部1aに配置されている。
【0036】
案内リング22は、回転部材9を径方向に案内する際にも使用される。その前側の狭小面は、回転軸線10に対して平行な方向を指している。案内リング22は、回転軸線10を同心円状に取り囲み、かつ、ハウジング下部1bに配置され、回転軸線10に対して平行に延在しているバルブハウジング1の案内面、および、回転部材9に配置され、回転軸線10に対して平行に延在している回転部材10の間に配置されている。
【0037】
第1切替位置および第2切替位置の間で方向制御バルブを調整するため、駆動シャフト19は、概略的に図示されている駆動モータ25によって駆動される。駆動モータ25は、例えば、気圧式のモータであってもよい。
【0038】
回転部材9の回転を制限するため、バルブハウジング1、好ましくは下部ハウジング部品1bに配置され、回転部材9の端部位置において回転部材9のカウンターストッパに当接する少なくとも1つのストッパ26が用いられてもよい。カウンターストッパは、例えば、回転部材9のくぼみの周縁部によって構成されていてもよい。
【0039】
本実施形態では、第1の2次封止リング17および第2の2次封止リング18は、回転部材9の封止状態を実現するため、圧力媒体、例えば圧縮空気によって回転部材9の外側面13に対して押し付けられる。この目的のために、第1の2次封止リング17および第2の2次封止リング18のそれぞれは、ハウジング上部1aの凹部または窪みに変位可能に取り付けられている。第1の2次封止リング17および第2の2次封止リング18のそれぞれの回転部材9から遠位にある側に、封止の信頼性を向上させるための付加的封止リング28が配置されていてもよい。ただし、これは省略されてもよい。第1の2次封止リング17および第2の2次封止リング18、ならびに、選択的に付加的封止リング28および29が配置されている中空空間には、圧力媒体経路30(ハウジング上部1aに配置されている端部のみが図示されている。)を介して圧力媒体により圧力が作用する。回転部材9が回転軸線10のまわりに回転すると、それぞれの圧力媒体通路30が開放される。これにより、回転部材9におけるそれぞれの2次封止リング17、18の押圧力が解除される。
【0040】
回転部材9は、本実施形態では、凹部27(中空空間)を有する。その結果、回転部材9の質量が低減されている。当該中空空間は、方向制御バルブを加熱することができる加熱装置を受容するために用いられてもよい。電力供給線を加熱装置に供給するために、駆動シャフト19は、図示されているように中空に設計されていてもよい。
【0041】
圧力媒体が作用可能な2次封止リング17の他の実施形態が図18に示されている。ここでは、2次封止リング17は管状に形成されている。圧力媒体が内部中空空間32に導入されることにより、2次封止リングが「膨張」し、シール部材31が回転部材9の表面に対して押し付けられる。減圧状態または非加圧状態では、シール部材を表面から離間させることができる。封止リング18も同様に設計されうる。
【0042】
本発明の範囲から逸脱することなく、他の様々な実施形態が実現可能である。例えば、回転部材9が軸方向のシール部材に代えて径方向シール部材によってハウジング下部1bに対して封止されていてもよい。例えば、案内リング22に隣接する領域に、下部ハウジング部品1bの当接面24に当接する1次封止リングが設けられ、この場合、当接面24が封止面を形成してもよい。
【0043】
回転部材9の円筒ドーム状の外側面13が、円筒部材によって延長されていてもよく、回転部材9を径方向についてハウジング1、特にハウジング下部1bから封止するため、案内リング22および/または1次封止リングが当該延長領域に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1‥バルブハウジング
1a‥ハウジング上部
1b‥ハウジング下部
2‥ハウジング封止リング
3‥1次連結部
4‥第1の2次連結部
5‥第2の2次連結部
6‥1次連結チャネル
7‥第1の2次連結チャネル
8‥第1の2次連結チャネル
9‥回転部材
10‥回転軸線
11‥貫通チャネル
12‥角度
13‥外側面
14‥内側面
15‥1次封止リング
16‥封止面
17‥第1の2次封止リング
18‥第2の2次封止リング
19‥駆動シャフト
20‥封止リング
21‥ボールベアリング
22‥案内リング
23‥支持面
24‥当接面
25‥駆動モータ
26‥ストッパ
27‥くぼみ
28‥付加的封止リング
29‥付加的封止リング
30‥圧力媒体通路
31‥封止部
32‥中空空間。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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【国際調査報告】