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特表2022-532538高い機械的性能を備えるビチューメンコングロメレートのための添加剤の製造方法および添加剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】高い機械的性能を備えるビチューメンコングロメレートのための添加剤の製造方法および添加剤組成物
(51)【国際特許分類】
   E01C 7/26 20060101AFI20220708BHJP
   C08J 3/20 20060101ALI20220708BHJP
   B29B 17/04 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
E01C7/26
C08J3/20 Z CES
B29B17/04 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021566003
(86)(22)【出願日】2020-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-01-05
(86)【国際出願番号】 EP2020062260
(87)【国際公開番号】W WO2020225184
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】102019000006600
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518418692
【氏名又は名称】イテルキミカ ソチエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャンナッタージオ、フェデリーカ
(72)【発明者】
【氏名】チサーニ、セルジオ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトゥレッティ、エリーザ
【テーマコード(参考)】
2D051
4F070
4F401
【Fターム(参考)】
2D051AE05
2D051AE06
2D051AF17
2D051AG02
2D051AG15
2D051AH02
4F070AA13
4F070AA15
4F070AA26
4F070AB02
4F070AB26
4F070FA01
4F070FB09
4F401AA08
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA13
4F401AA15
4F401BA07
4F401CA02
4F401CA14
4F401CA23
4F401CA25
4F401CA82
4F401FA04Y
4F401FA04Z
4F401FA08Y
4F401FA08Z
(57)【要約】
本発明は、道路舗装のためのビチューメンコングロメレートに混合されることが意図される添加剤組成物、換言すると、ビチューメン調製物に剛性を与えるための、プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料由来の、ビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよびビチューメン製品の改変に使用され得るポリマーおよび添加剤の混合物の製造方法に関し、プラスティック材料の該混合物は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含み、20mm~40mmの粒子サイズに粉砕する工程、洗浄工程、1.0kg/m3より小さいかまたは等しい平均密度を有し、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーを含むプラスティック材料の一部を分離する工程、該プラスティック材料の一部を10mm~20mmの粒子サイズまで粉砕する工程、それをPVBと混合する工程、および、4mm~6mmの粒子サイズまでさらに粉砕する工程を含む。本プロセスによって得られ得る添加剤組成物にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装のためのビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよび他のビチューメン製品中に混合されることが意図される添加剤組成物の製造方法であって、
a)プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料を提供する工程であって、プラスティック材料の前記混合物がポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
b)前記混合廃棄物材料を40mm~80mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは約60mmのサイズに等しい粒子サイズになるまで粉砕する工程、
c)得られた粉砕混合廃棄物材料を洗浄し、および、制御された様式で前記混合廃棄物材料から特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部を分離する工程であって、前記プラスティック材料の一部は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの前記少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
d)特徴的な平均密度を有する前記プラスティック材料の一部を、10mm~20mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは12mm~15mmのあいだの粒子サイズに到達するまで粉砕する工程、
e)粉砕された特徴的な平均密度を有する前記プラスティック材料の一部をポリビニルブチラールベースの材料と混合し、および、そのように得られた混合物を、4mm~6mmのあいだの粒子サイズをもつそのまま使用可能な粒子状添加剤組成物を製造するためにさらに粉砕する工程
を含み、
ここで、洗浄および分離の前記工程c)は、密度分離の技術を用いて行われ、これによって所定の密度限界値を選択し、および、前記混合廃棄物材料から、前記所定の限界値よりも低いかまたは等しい特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の前記一部が分離され、前記特徴的な平均密度は、DIN 55990の手順にしたがって測定され、1.0kg/m3より小さいかまたは等しい方法。
【請求項2】
混合廃棄物材料を提供する前記工程a)において、前記混合廃棄物材料は、都市の固体廃棄物由来、または、プラスティック材料もしくはそれらの任意の組み合わせで作製された製品の工業的もしくは手作業での生産由来であるプラスティック材料から作製される固体残渣を含み、前記体残渣は、プラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収されないか回収不可能である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記混合廃棄物材料が、そのあいだに塩化ポリビニルで形成されている存在し得る留分、および/または、例えば紙、カードボード、木、布、金属またはガラスなどの不要な材料から形成されている留分が除去される分離の前工程へと予め付される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
粉砕の前記工程b)において、いったん粉砕された前記混合廃棄物材料が、その中に含まれている可能性のある金属留分を分離するための手順へと付され、好ましくは、前記手順が、磁力の手段を使用する第1の分離工程および非鉄の金属留分を分離する第2の分離工程を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
洗浄および分離の前記工程c)のあいだ、前記特徴的な平均密度は、DIN 55990手順にしたがって測定されて、0.70kg/m3~0.90kg/m3のあいだに含まれている請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の前記部分において、前記少なくとも一つのプラスティック材料は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの材料の混合物を含む群から選択されるポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースであり、好ましくは、プラスティック材料の前記一部は、総計の重量に対して75重量%より高いかまたは等しい量で、好ましくは、総計の重量に対して80重量%より高いかまたは等しい量で、前記少なくとも1つのプラスティック材料を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
洗浄および分離の前記工程c)において、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含むプラスティック材料の第2の混合物が、前記混合廃棄物材料に添加され、および混合され、好ましくは、前記第2の混合物は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの前記少なくとも一つのプラスティック材料の総計の重量の少なくとも75重量%に等しい量で、より好ましくは、総計の重量の少なくとも80重量%に等しい量で含まれている請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ポリビニルブチラールベースの前記材料が、ポリビニルブチラールベースの前記材料の総重量の80重量%より多いかまたは等しい量のポリビニルブチラールを含む請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ポリビニルブチラールベースの前記材料が、ポリビニルブチラールベースの回収材料であり、好ましくは、ポリビニルブチラールベースの前記回収材料は、自動車のフロントガラス、ペアガラス、耐熱ガラスの窓ガラス、安全ガラスの窓ガラスを含む使用済みの廃棄製品由来、および/または、前記製品の作製のための工業的製造からのくず由来である請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ポリビニルブチラールベースの前記材料が、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の前記一部に、プラスティック材料の前記一部の重量の5~25重量%に等しい量で、好ましくは、プラスティック材料の前記一部の重量の10~20重量%に等しい量で添加される請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記添加剤組成物を調節剤化合物と混合する追加の工程を含み、ここで、前記調節剤化合物は、好ましくは、グラフェン、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択され、より好ましくは、前記調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物である請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
以下の追加の工程:
前記添加剤組成物を押出機、好ましくは2軸押出機にフィードする工程、
前記添加剤組成物を所定の温度まで加熱する工程、
1.85mm~4.5mmのあいだ、好ましくは、2mm~4mmのあいだの粒子サイズをもつ押し出し粒子の形状である添加剤組成物を得るために、前記添加剤組成物を押し出し、冷却する工程
を含む請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
0.85mm~2.5mmのあいだ、好ましくは1mm~2mmのあいだの粒子サイズを有する細かい粒子の形状の添加剤組成物を得るために、前記添加剤組成物をさらに粉砕する追加の工程を含む請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
以下の追加の工程:
所定の量の細かい粒子の形状である前記添加剤組成物を用量化し、そして圧縮する工程であって、好ましくは、添加剤組成物の前記所定の量が、10g~20gのあいだである工程、
そのように圧縮された添加剤組成物を、熱可塑性ポリマーベースであるプラスティック材料フィルムを用いてコーティングする工程であって、好ましくは、前記プラスティック材料はポリエチレンであり、この結果カプセルが得られる工程
を含み、
好ましくは、用量化の前記工程は、前記添加剤組成物に、所定の量の液状調節剤化合物を添加する工程を含み、より好ましくは、前記液状調節剤化合物は、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の方法によって得られ得る、少なくとも一つのポリオレフィン熱可塑性ポリマーおよびポリビニルブチラールを含み、好ましくは、190℃の温度で、2.16kgのロードを用いてISO 1133の方法にしたがって測定された1g/10分間より高いかまたは等しい、より好ましくは、1.5g/10分間~2.5g/10分間のあいだのメルトフローインデックスを有する、道路舗装のためのビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよび他のビチューメン製品中に混合されることが意図される、ならびに、前記ビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよび他のビチューメン製品の機械的特性を向上させるために適切である添加剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装を提供するために適切な、ビチューメン調製物に弾性を提供するための、ビチューメンコングロメレートのための添加剤、換言するとビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよびビチューミナス製品、例えばアスファルトなどの改変において使用され得るポリマーと添加剤との混合物の製造の技術分野に関する。
【0002】
特には、本発明は、回収および/またはリサイクルプラスティック材料からのビチューメンコングロメレートのための添加剤組成物の製造のためのプロセスに関する。
【0003】
特には、本発明はまた、それによって得られ得る、前記添加剤を含むビチューメンコングロメレートの機械的性能を改良することを可能とする、および、そのようなビチューメンコングロメレートを用いて製造された道路舗装の寿命を延長する添加剤組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
特には再生可能なまたはエコフレンドリーな原料を使用することによる、可能な限り環境に優しい技術および製品を開発する要求が石油化学産業の全ての分野において、とりわけビチューメン、アスファルトおよびビチューメンコングロメレートの分野において、依然としてある。
【0005】
そのような技術分野において、ビチューメンコングロメレートとその調合のために必要な成分との両方の製造プロセスを最適化し、そのようなプロセスに帰すことのできる材料の総体的な利用、すなわちカーボンフットプリントを減少させる必要性が非常に重要になっている。
【0006】
例えば、所望の目的は、未加工のビチューメンをそのより劣等な品質のために改変するために適切な調製物の開発である。
【0007】
さらに、当該技術分野において、ビチューメンコングロメレート、ビチューメン、ビチューメン製品の性能および一般的なアスファルトの性能を向上させるための添加剤の使用は公知であり、例えば、そのような添加剤は、そのような添加剤を含むビチューメンコングロメレート、ビチューメン、ビチューメン製品の機械的特性、例えば一般的に破壊強度および亀裂形成抵抗などを向上するため、および、典型的には道路の表面を覆うように使用されるビチューメンコングロメレートにおける劣化を減少させるために使用される熱可塑性ポリマーまたはエラストマーを含む組成物であり得る。
【0008】
骨材、例えばタイヤくずなどのゴムくず由来の粒状または粉末状の材料、ならびに熱可塑性重合体および共重合体の混合物、ならびに追加の添加剤および充填材料を含むアスファルトの組成物が特許文献1に記載されている。
【0009】
特許文献2は、無機骨材を含む、熱可塑性ポリマーの組成物(本質的にポリビニルブチラールを含む)でコートされた高性能のビチューメン混合物に関する。
【0010】
特には、そのような組成物は、建築産業および自動車のフロントガラスの分野で使用されるガラスパネルのリサイクルからのリサイクルされたポリビニルブチラールを含む、回収またはリサイクルの熱回収ポリマーを含んでいてもよい。
【0011】
このようなポリマー組成物中にポリオレフィンも含有する単なる可能性は考えられているが、熱可塑性ポリマー組成物中の材料の具体的な組み合わせについては何らの情報も与えられていない。
【0012】
特許文献3は、以下の成分を以下の重量部で含むアスファルト混合物で改変された材料に関する:150~200重量部のポリエチレン、60~90重量部のスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、16~30重量部のポリエチレンテレフタレート、50~80重量部のポリビニルブチラール、および20~40重量部の充填剤。
【0013】
アスファルト混合物で改変された材料を調製するための方法は、前記原料を提供する工程、それらの溶解および粒子化によってポリエチレンおよびスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマーの混合物を得る工程、その後溶解および共押出によって得られた混合粒子を残存する原料と混合しそして混合物を得る工程を含む。
【0014】
いずれの場合も、市販のアスファルトおよびそれらで作製され得るアスファルトの化学的および機械的特性を改良するための添加剤は一般的に環境インパクトに留意して、例えば他の工業プロセスからのくず材料またはリサイクル材料を使用するなどして製造されているが、このような材料を得るためのプロセスは依然として、該添加剤の製造における環境インパクトを顕著に低下させる必要性を、該添加剤を添加することによって調合されるビチューメンコングロメレートを使用して作製される道路舗装の機械的特性と最も良好に組み合わせることはできていない。
【0015】
従来技術における別の不利益点は、一定の品質の均一なブレンドであって容易に使用され得るブレンドを製造することを可能とするような上述のタイプの添加剤を技術によって製造することの困難性である。
【0016】
従来技術のさらなる不利益点は、最終添加物の一定の品質を保証し得る上述のタイプの添加剤を製造することの困難性である。
【0017】
実際のところ、リサイクル可能であるかまたは可能ではないプラスティック材料のくずまたは廃棄物を処置し、および再使用するための有益な方法を発見する必要が非常に重要になってきている。
【0018】
特には、欧州において、および欧州だけではないが、上記のタイプの廃棄物のための代替的な行先を見出す必要性が最も重要であり、これは、一方で大陸の多くの地域においては該廃棄物の回収のための十分な数の工場および/または廃棄物-エネルギー工場が存在せず、また他方では焼却またはごみ処分場への投棄と比較してより低い環境インパクトを有するその再使用が検討されているためである。
【0019】
加えて、大量消費材を作製するために使用される未使用プラスティックと比較してリサイクルプラスティックの割合量は、廃棄物の分別に基づくますます効率的な収集システムのおかげでリサイクルされたおよび選択された用量の増加に比例していないということが考慮されるべきである。
【0020】
したがって、これらの回収プロセスなどからのプラスティックおよび非リサイクルのプラスティックの量は、廃棄物-エネルギープロセス、ごみ処分場への運搬という観点から、または、より低頻度ではあるものの代替的な燃料の製造のため、処理される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際公開第2015/179553号
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/016325号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第103509356号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上述の従来技術に照らして、本発明の課題は、廃棄物プラスティックからビチューメンコングロメレートのための添加剤組成物を製造するためのプロセスを開発することであり、これは、広範囲な種類の廃棄物材料の再使用を提供し、および、環境的により持続性であり、かつ、高性能なビチューメンコングロメレート混合物の調合のための添加剤としての使用のために特に適切である、高付加価値な組成物を製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このような課題は、以下の工程を含む、ビチューメンコングロメレート、ビチューメン、または、道路舗装のための他のビチューメン製品中に混合されることが意図される添加剤組成物の製造のためのプロセスによって解決された:
a)プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料を提供する工程であって、プラスティック材料の該混合物がポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
b)該混合廃棄物材料を40mm~80mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは約60mmのサイズに等しい粒子サイズになるまで粉砕する工程、
c)得られた粉砕混合廃棄物材料を洗浄し、および、制御された様式で該混合廃棄物材料から特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部を分離する工程であって、該プラスティック材料の一部は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
d)特徴的な平均密度を有する該プラスティック材料の一部を、10mm~20mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは12mm~15mmのあいだの粒子サイズに到達するまで粉砕する工程、
e)粉砕された特徴的な平均密度を有する該プラスティック材料の一部をポリビニルブチラール(PVB)ベースの材料と混合し、および、そのように得られた混合物を、4mm~6mmのあいだの粒子サイズ、好ましくは約4mmのサイズに等しい粒子サイズをもつそのまま使用可能な粒子状添加剤組成物を製造するために粉砕する工程、
ここで、洗浄および分離の該工程c)は、密度分離の技術を用いて行われ、これによって所定の密度限界値を選択し、および、該混合廃棄物材料から、該所定の限界値よりも低いかまたは等しい特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部が分離され、該特徴的な平均密度は、DIN 55990の手順にしたがって測定され、1.0kg/m3より小さいかまたは等しい。
【0024】
本発明において、「廃棄物混合材料(waste mixed material)」は、目の粗い固体残渣、すなわち一般的に60mmよりも大きいかまたは等しい粒子サイズを有する固体残渣の混合物を意味し、ここで、該混合物は、同様に一または複数のプラスティック材料を含む固体残渣を含み、この結果該混合物は、混成材料からなる固体残渣、すなわちプラスティック材料と、異なる化学的性質を有する固体材料、例えば紙、カードボード、またはアルミニウムなどの金属などを含んでいる。
【0025】
特には、該混合廃棄物材料は、プラスティック材料から作製される固体残渣を含んでいてもよく、これは、都市の固体廃棄物由来、または、プラスティック材料もしくはそれらの任意の組み合わせで作製された製品の工業的もしくは手作業での生産由来であり、該固体残渣は、プラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収されないか回収不可能であり、例えばフロントガラスおよび二重ガラスの粉砕から得られるPVBを含んでいる。
【0026】
特には、該プラスティック材料残渣、すなわち回収されたプラスティックの大部分は、いわゆる「硬質プラスティック(hard plastics)」すなわち折れにくく固いプラスティック材料を含み、一般的には例えばおもちゃ、ペン、マーカーおよびプラスティック材料で作製されている筆記用具、フリップフロップ、プラスティック製の容器およびバスケット、フルーツ籠、パイプ、プラスティック製の机および椅子、園芸家具、バケツ、洗面器および洗面ボール、オーディオカセットのケース、CD、DVD、ビデオカセットおよび類似の製品などのプラスティック材料のリサイクルチェーン内では回収されず、また回収可能でもない廃棄物由来であってもよい。
【0027】
本発明において、該プラスティック材料残渣は、塩化ポリビニルと二次的な望ましくない材料、例えば紙、カードボード、木、布、金属またはガラスなどとから構成される残渣から全体的に、または部分的に予め取り除かれた廃棄物由来であってもよい。
【0028】
いずれの場合も、該混合廃棄物材料は、プラスティック以外の材料、例えば紙、カードボード、木、金属またはガラスなどからなる少量の固体残渣を含んでいてもよい。
【0029】
要約すると、本発明のプロセスは、ごみ処分場に通常廃棄される、または焼却炉に送られる該混合廃棄物材料を回収および再使用することを可能にするものであり、環境的視点からみて顕著な優位性を得ることができる。
【0030】
また、本発明において、「熱可塑性ポリマーベースを含む少なくとも一つのプラスティック材料(at least one plastic material comprising based on a thermoplastic polymer)」とは、分子間相互作用すなわちファンデルワールス力によって結合されている、直鎖または枝分かれ構造を形成するポリマー鎖を含むプラスティック材料(すなわちプラスティック)を意味し、特には、それらの化学構造に起因して、加熱によって、熱可塑性プラスティックが軟化されるまたは溶解され、そして形づけられ、形成され、結合され、そして冷却されて固化される。
【0031】
本発明において、用語「室温(room temperature)」は、操作が行われる外部環境の温度を意味する。
【0032】
換言すると、上述の工程e)は、混合される材料に、外部環境から受身的に出される潜在的に無視し得る熱以外の追加の熱を与えることなく行われる。
【0033】
例えば、該室温は、2℃~45℃のあいだ、特には15℃~25℃のあいだに含まれ得る。
【0034】
最後に、本発明において、用語「粒子サイズ(particle size)」とは、廃棄物混合材料、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料のそのような一部と本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物とのプラスティック材料を構成する粒子/チップの直径の最小値および最大値を含む数値範囲を意味する。
【0035】
優位には、本発明のプロセスは、ビチューメンコングロメレート混合物、ビチューメン、または、他のビチューメン製品に添加され得る添加剤組成物を製造することを可能にする。
【0036】
好ましくは、本発明のプロセスは、高性能なビチューメンコングロメレート混合物を得るためにビチューメンコングロメレート混合物に添加され得る添加剤組成物を製造することを可能にする。
【0037】
実際に、本発明のプロセスによって得られ得る粒子状添加剤組成物を含むビチューメンコングロメレート混合物が道路舗装を製造するために使用される場合、後者は、本発明の添加剤組成物を含まないビチューメンコングロメレート混合物で作製された道路舗装と比較して、機械的特性を向上させた。
【0038】
一貫して、上述の粒子状添加剤組成物は、即使用可能であり、これは、ビチューメンと骨材とを含むビチューメンコングロメレート混合物の調合に必要な追加の成分中に容易に分散され得ることを意味し、この結果、添加剤組成物の実際的な使用の観点から優位であり、ならびに、まさにそのコングロメレート中での高い均一性および分散性のために、添加物混合物は、改変されたコングロメレート混合物を使用することによって向上された機械特性を有する道路舗装を得ることを可能にする。
【0039】
換言すると、特徴的な平均密度を有する該プラスティック材料と一定かつ均一な品質特性をもつポリビニルブチラールベースの該材料の両方の混合物を含む押出粒子を得るために、本発明の添加剤組成物を加熱、溶解および押出に付すことは必須ではない。
【0040】
特には、上述の粒子状添加剤組成物は、そのようなプラスティック材料の存在のために、ビチューメンコングロメレート混合物の調合のために必要な追加の成分中に直接的に分散され得、このため、該工程c)のあいだに選択され、該特徴的な平均密度、プラスティック材料それ自体の遷移状態特性にも深く関係している特性を有している。
【0041】
実際、プラスティック材料の一部に含有されており、工程c)のあいだに選択される少なくとも一つの熱可塑性ポリオレフィンポリマーは、120~180℃のあいだの軟化点を有し、およびしたがって、ビチューメンコングロメレートの製造のあいだに、骨材に、およびビチューメンに、いわゆる「ドライメソッド(dry method)」によって(骨材への添加の前に熱可塑性樹脂および他のビチューメンの改変剤の加熱混合を必要としない)直接的に添加される。
【0042】
優位には、本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物は、したがって、ビチューメンコングロメレートの調合工程のあいだに既に、ビチューメンおよび骨材と効果的に加熱混合されてもよい。
【0043】
別の方法では、従来の「ウェットメソッド(wet method)」にしたがって、従来の添加剤が初めにビチューメンだけと高温で、通常180℃より高いかまたは等しい温度で、例えば180~200℃のあいだで必ず混合される。これによって添加剤と混合されたビチューメンは、その後、道路上に敷設されることのできるビチューメンコングロメレートを得るための次の骨材との混合まで通常の温度で維持される。
【0044】
同時に、プラスティック材料の一部に含有されており、工程c)のあいだに選択される少なくとも一つの熱可塑性ポリオレフィンポリマーは、ASTM D3418手順にしたがって示差走査熱量測定(DSC)により測定された、120~165℃のあいだに含まれる融点(Tm)を有する。
【0045】
別の方法では、上述のプラスティック材料の一部が工程c)のあいだに分離される前の該混合廃棄物材料中に含有されているプラスティック材料の該混合物中に含まれているプラスティックの平均の密度は、典型的には、DIN 55990の手順にしたがって測定された、1.5~2kg/m3のあいだに含まれている。
【0046】
同時に、上述のプラスティック材料の一部が工程c)のあいだに分離される前の該混合廃棄物材料中に含有されているプラスティック材料の該混合物中に含まれているプラスティックの融点(Tm)は、ASTM D3418手順にしたがって示差走査熱量測定(DSC)により測定された、40~250℃のあいだに含まれる。
【0047】
当然、代替的な使用にしたがい、上述の粒子状添加剤組成物は、そのようなプラスティック材料の存在によって、ビチューメンまたは他のビチューメン混合物の配合のために必要な追加の成分中に分散されてもよく、これによって、該工程c)のあいだに選択され、そして特徴的な平均密度も有している。
【0048】
特には、上述の粒子状添加剤組成物が、ビチューメンの直接的な改変において、またはビチューメンが使用される他のプロセスにおいて、例えばアスファルトにおいて、使用される場合、それは、その低い軟化点に起因して(およびその特異的なMFI値に起因して)類似の公知の製品と比較してより容易に分散する。
【0049】
特には、該工程a)において提供される混合廃棄物材料中、プラスティック材料の該混合物は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、または任意のそれらの組み合わせから選択されるポリマーを少なくとも含むプラスティック材料を含んでいる。
【0050】
より特には、該工程a)において提供される混合廃棄物材料中、該ポリオレフィン熱可塑性ポリマーは、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの材料の任意の組み合わせから選択される。
【0051】
より好ましくは、ポリエチレンは、高密度ポリエチレンおよび/または低密度ポリエチレンであり得る。
【0052】
要約すると、本発明のプロセスによって得られ得る添加剤混合物は、使用のより高い実用性、エネルギー節約、および、より一定かつ均一な最終の物理的および化学的特性を、従来の添加剤混合物と比較して、与える。
【0053】
本発明のプロセスによって得られ得る添加剤混合物はさらに、減少された溶融および混合時間を必要とし、これは、ビチューメンコングロメレートを構成する材料を、1分を越えない時間で、したがって道路上に直ちに敷設することができるように、混合することを可能にする。
【0054】
好ましくは、該混合廃棄物材料は、そのあいだに塩化ポリビニル(PVC)で形成されている存在し得る留分、および/または、例えば紙、カードボード、木、布、金属またはガラスなどの不要な材料から形成されている留分が除去される分離の前工程へと予め付される。
【0055】
同様に好ましい様式において、粉砕の工程b)において、いったん粉砕された該混合廃棄物材料は、その中に含まれている可能性のある金属留分を分離するための手順へと付され、より好ましくは、粉砕された該混合廃棄物材料から金属留分を分離するための該手順は、磁力の手段を使用する第1の分離工程(除鉄)および非鉄の金属留分を分離する第2の分離工程を含む。
【0056】
上述されたように、洗浄および分離の工程c)は、密度分離の技法によって行われ、所定の限度の密度を選択し、および、該限度値より低いかまたは同じ平均密度を有するプラスティック材料の該一部を該混合廃棄物材料から分離する。
【0057】
特には、詳細な説明を参照して以下から明らかであるように、密度分離の技法によって行われる洗浄および分離の該工程c)のあいだ、該混合廃棄物材料の選択されたプラスティック材料は、事前に設定された値と等しい密度を有する溶液を使用して、傾斜法によって分離され得る。
【0058】
特には、該密度分離は、プラスティック材料の該混合物の特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部に含まれているポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料の密度の値と、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料の密度より高い密度の値を有している該混合廃棄物材料に含まれている材料の密度の値と、とのあいだにある事前に設定された値と等しい密度を有する水溶液を使用して行われ得る。
【0059】
したがって、洗浄および分離の該工程c)において、プラスティック材料の該一部が除去された混合廃棄物材料から、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部を効果的におよび正確に分離することが可能である。
【0060】
所望の添加剤組成物の応用に応じて、例えば、添加剤組成物を用いることによって得られ得るビチューメンコングロメレートの具体的な種類に依存して、洗浄および分離の該工程c)において、該所定の密度の限界値が選択され、そして、該限界値よりも低いかまたは同じ平均の密度を有するプラスティック材料の一部が分離され、ここで、該特徴的な平均密度は、DIN 55990の手順にしたがって測定されて、0.70kg/m3~0.90kg/m3のあいだである。
【0061】
好ましい実施態様において、洗浄および分離の該工程c)において分離された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該部分において、少なくとも一つのプラスティック材料は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの材料の任意の組み合わせから選択されるポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースである。
【0062】
好ましくは、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部は、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して75重量%より高いかまたは等しい量で、より好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して80重量%より高いかまたは等しい量で、さらにより好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して85重量%より高いかまたは等しい量で、最も好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して90重量%より高いかまたは等しい量で、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも1つのプラスティック材料を含み得る。
【0063】
同様に好ましい様式において、洗浄および分離の該工程c)において分離された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部は、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部の総計の重量に対して15重量%より低いかまたは等しい量で、好ましくはプラスティック材料の該一部の総計の重量に対して10重量%より低いかまたは等しい量で、より好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して5重量%より低いかまたは等しい量で、ポリスチレンおよび/またはポリウレタンを含み得る。
【0064】
好ましい実施形態において、洗浄および分離の該工程c)において、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含むプラスティック材料の第2の混合物が、該混合廃棄物材料に添加され、および混合されてもよく、好ましくは該第2の混合物は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料の総計の重量の少なくとも75重量%に等しい量で、より好ましくは、総計の重量の少なくとも80重量%に等しい量で、さらにより好ましくは、総計の重量の少なくとも85重量%に等しい量で、含まれている。
【0065】
本発明において、プラスティック材料の該第2の混合物は、回収可能な廃棄物由来のプラスティック材料で形成される残渣、特にはリサイクル可能であり廃棄物分別によって回収される廃棄物の処理からの残渣を含む。
【0066】
特には、例えばプラスティックで作製されている包装、混合された包装、例えば2以上のプラスティック材料または複合材料で形成されるフィルム、およびそれらの混合物などの、回収可能な廃棄物由来のプラスティック材料で形成される該残渣は、通常、廃棄され、および、プラスティックの廃棄物分別に基づく収集において回収され、および、リサイクルチェーンへと送られる。
【0067】
好ましくは、洗浄および分離の該工程c)において、プラスティック材料の該第2の混合物は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリエチルアクリレート(PEA)、ポリメチルメタクリレート(PMA)、ポリブチルアクリレート(PBA)またはこれらの材料の任意の組み合わせから選択される少なくとも一つのポリマーを含む。
【0068】
全く好ましい様式において、プラスティック材料の該第2の混合物中に含まれるプラスティック材料の該残渣は、プラスティック材料または複合材料で作製され、廃棄され、プラスティックの廃棄物分別に基づいた収集において回収されたリサイクル可能な廃棄物の回収のプロセスからのくずであってもよい。
【0069】
同様に好ましい様式において、第2の混合物中に含まれるプラスティック材料の該残渣は、プラスティック材料で作製された製品の工業的および/または手作業での生産からの削りくずであってもよい。
【0070】
全く好ましい様式において、プラスティック材料の該第2の混合物は、該混合廃棄物材料の重量の5~35重量%のあいだの量で、好ましくは、該混合廃棄物材料の重量の10~30重量%のあいだの量で、該混合廃棄物材料に添加される。
【0071】
優位には、本発明のプロセスはしたがって、該工程c)において、廃棄物材料のさらなる部分、すなわちプラスティック材料の該第2の混合物を、該混合廃棄物材料へと添加し、それにより通常ではしばしばごみ処分場に廃棄されるかまたはごみ焼却場に送られる材料を再使用することを可能にするという可能性を提供し得、これは、環境的観点からさらなる優位性を得るものである。
【0072】
優位には、該工程c)においてプラスティック材料の該第2の混合物を添加することによって、該混合廃棄物材料には含まれていない可能性のあるプラスティック材料に富んだ添加剤組成物を製造することが可能となる。この方法では、応用の必要性に応じて、例えば該組成物がそれに添加され得る、ビチューメンコングロメレート混合物の必要とされる機械特性に応じて、特定の組成をもつプラスティック材料の第2の混合物が該工程c)において添加され得る。
【0073】
好ましくは、プラスティック材料の一部を粉砕する該工程d)は、水砕によって、あるいは湿式粉砕機によって行われる。
【0074】
好ましくは、粉砕および混合の該工程e)において、ポリビニルブチラールベースの該材料であって、それと一緒にプラスティック材料の該一部が混合されるポリビニルブチラールベースの該材料は、10mm~20mmのあいだ、好ましくは、12mm~15mmのあいだの粒子サイズを有する。
【0075】
好ましい実施形態において、該工程e)において特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部に添加されるポリビニルブチラールベースの該材料は、ポリビニルブチラールベースの該材料の総重量の80重量%より多いかまたは等しい量、好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該材料の総重量の90重量%より多いかまたは等しい量、より好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該材料の総重量の95重量%より多いかまたは等しい量のポリビニルブチラール(PBV)を含み得る。
【0076】
同等に好ましい様式において、粉砕および混合の該工程e)において、ポリビニルブチラールベースの該材料であって、それと一緒にプラスティック材料の該一部が混合されるポリビニルブチラールベースの該材料は、ポリビニルブチラールベースの回収材料である。
【0077】
好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該回収材料は、例えば自動車のフロントガラス、ペアガラス、耐熱ガラスの窓ガラス、安全ガラスの窓ガラスなどを含む使用済みの廃棄製品由来、および/または、上記の製品の作製のための工業的製造からのくず(または切断残渣)由来、より好ましくは、自動車のフロントガラス由来である。
【0078】
より好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該回収材料はまた、天然ゴム、ブタジエンおよびスチレンゴム、エチレン-プロピレンジエンモノマー(EPDM)、ニトリルゴム(ニトリルブタジエンゴム、NBR)またはこれらの任意の組み合わせなどを含むエラストマーを含有し得る。
【0079】
代替的には、粉砕および混合の該工程e)において、ポリビニルブチラールベースの該材料は、未使用のポリビニルブチラールまたは上記回収材料と未使用のポリビニルブチラールとの混合物である。
【0080】
優位には、本発明によるプロセスは、したがって、ガラス廃棄物の処理からの、または、顕著な割合のガラスの存在がそれらの回収を困難にするために、通常廃棄物からのエネルギー回収プロセスへと送られる車のフロントガラスの取り換えからの上記の廃棄製品由来のくず材料を回収することを可能にし、これは、エネルギー回収プロセスによる廃棄と比較した経済的な観点からだけではなく、環境的な観点からもより優位である。
【0081】
さらに、本発明のプロセスは、ポリビニルブチラールの直接の作用のおかげで使用時にビチューメンコングロメレート添加される、高性能の、著しい弾性特性をビチューメンコングロメレートに与えることのできる、上述のタイプの添加剤組成物を製造することを可能にする。
【0082】
さらに、プラスティック材料のそのような一部に含まれているプラスティック材料と同様に、ポリビニルブチラールは、上述のビチューメンコングロメレートを用いて建設される道路舗装の弾性値を増大させることを可能にする。
【0083】
本発明のプロセスの実施態様において、粉砕および混合の該工程e)において、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部と混合される前に、ポリビニルブチラールベースの該回収材料は、以下の工程に付される:
ポリビニルブチラール(PVB)を含む使用済み廃棄製品または工業的製造由来の切りくずの予備的粉砕を、30mm以下の粒子サイズが達成されるまで行う工程、
該回収材料の重量の10重量%より低いかまたは等しい量、好ましくは、該回収材料の重量の7重量%より低いかまたは等しい量、より好ましくは、該回収材料の重量の5重量%より低いかまたは等しい量のガラスを含むポリビニルブチラール(PVB)ベースの回収材料を得るために、ガラス残渣を粉砕された該廃棄製品から分離する工程、
10mm~20mmのあいだの粒子サイズ、好ましくは、12~15mmのあいだの粒子サイズとなるまで該回収材料を粉砕する工程。
【0084】
同等に好ましい様式において、ポリビニルブチラールベースの該材料は、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部の重量の5~25重量%に等しい量で、好ましくは、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部の重量の10~20重量%に等しい量で、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部に添加される。
【0085】
これにより、本発明によるプロセスは、上述のタイプの高性能な添加剤組成物を得ながら、本発明の添加剤組成物が添加されるビチューメンコングロメレート混合物または他のビチューメン製品の作業性およびそのようなビチューメンコングロメレート混合物を用いて得られ得る道路舗装の機械的特徴を損なうことのない、確実に最小量のガラスを含む、ポリビニルブチラール(PVB)ベースの該回収材料を回収することを可能にする。
【0086】
好ましくは、本発明のプロセスは、さらに、上述のタイプの添加剤組成物を乾燥する工程を含む。
【0087】
同等に好ましい様式において、本発明のプロセスはさらに、該添加剤組成物を、調節剤化合物と混合する工程を含み、ここで、該調節剤化合物は、好ましくは、グラフェン、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0088】
確実に好ましい様式において、調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物であり得る。
【0089】
本発明において、用語「グラフェン(graphene)」は、六方マトリックスを有する炭素単原子層の二次元構造をもつ炭素材料を意味しており、ここで、各炭素原子は、共有結合により他の3つの炭素原子と結合しており、かつ、ファンデルワールス力によって隣接する層の原子と結合しており、また、用語はこのような炭素材料の任意の機能的誘導体、例えばグラフェンオキサイドすなわち酸素含有官能基で部分的に官能基化されているグラフェンなども意味している。
【0090】
好ましくは、本発明のプロセスにおいて使用されるグラフェンは、2~100g/dm3のあいだの、より好ましくは、10~70g/dm3のあいだの、見掛け密度を有し、同時に、本発明の添加剤組成物において使用されるグラフェンは、10~300m2/gのあいだの表面積を有する。
【0091】
該表面積は、不活性ガス(窒素)の吸着によるBET法を用いて、特にはISO 9277:2010の手順にしたがって、測定される。
【0092】
さらに、本発明のプロセスにおいて使用されるグラフェンの層の横方向寸法は、200μmより小さく、好ましくは、100μmより小さく、より好ましくは、50μmより小さい。
【0093】
好ましい実施態様において、本発明のプロセスにおけるグラフェンは、リサイクルグラフェン、未使用のグラフェン、またはリサイクルグラフェンおよび未使用のグラフェンの混合物である。
【0094】
完全に簡潔な様式において、グラフェンが本発明のプロセスによって得られ得る上述の添加剤組成物に添加される場合、さらにより高い性能をもつ添加剤組成物すら得られる。特には、グラフェンは、弾性値を向上させること、そして、さらに一般的には、グラフェン含有添加剤組成物が添加されるビチューメンコングロメレートを用いて建設される道路舗装の機械的特性を向上させることが可能である。
【0095】
本発明の好ましい実施態様において、本発明のプロセスは、以下の追加の工程を含む:
上述の粒子状添加剤組成物を押出機、好ましくは2軸押出機にフィードする工程、
該添加剤組成物を所定の温度まで加熱する工程、
1.85mm~4.5mmのあいだ、好ましくは、2mm~4mmのあいだの粒子サイズをもつ押し出し粒子の形状である添加剤組成物を得るために、該添加剤組成物を押し出し、冷却する工程。
【0096】
優位には、この最後の実施態様において、本発明のプロセスは、特には組成物の流動特性、および、ビチューメンコングロメレート混合物に添加される場合のそのデリバリースピードに関して、実際の使用に適しているサイズを有する粒子の形状である添加剤組成物を提供することを可能にする。
【0097】
代替的な実施形態において、本発明のプロセスは、0.85mm~2.5mmのあいだ、好ましくは1mm~2mmのあいだの粒子サイズを有する細かい粒子の形状の添加剤組成物を得るために、上述の粒子添加剤組成物をさらに粉砕する追加の工程を含む。
【0098】
優位には、この最後の実施態様において、本発明のプロセスは、高性能なビチューメンコングロメレートの配合のための添加剤組成物を提供することを可能にする。添加剤組成物は、例えばビチューメンおよび骨材などのビチューメンコングロメレートの配合のために必要な追加の成分と効果的に混合され得る。
【0099】
実際、細かい粒子の形状である上述の添加剤組成物は、ビチューメンおよび骨材を含む、ビチューメンコングロメレート混合物の配合に必要な追加の成分中により容易に分散することが確認されている。
【0100】
さらに、細かい粒子の形状である上述の添加剤組成物は、取扱い上いかなる場合も安全であり、これは、それを使用するオペレーターによって吸入されてしまうような微細な粉末を含まないためである。
【0101】
好ましくは、細かい粒子の形状である添加剤組成物を得るために添加剤組成物を粉砕する上述のさらなる追加の工程は、約0.85mmより小さいかまたはそれと等しい直径を有する添加剤粒子の留分を除去するために、ふるい分け工程を含んでいてもよい。
【0102】
同様に好ましい様式において、いったん押出された粒子の形状または細かい粒子の形状である上述の添加剤組成物が得られると、本発明のプロセスは、添加剤組成物に調節剤化合物を添加する追加の工程を含んでいてもよく、ここで、該調節剤化合物は、グラフェン、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0103】
確実に好ましい様式において、該調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物であり得る。
【0104】
本発明のより好ましい実施態様において、本発明のプロセスは、以下の追加の工程を含む:
所定の量の細かい粒子の形状である上述の粒子状の添加剤組成物を用量化し、そして圧縮する工程、
そのように圧縮された添加剤組成物を、熱可塑性ポリマーベースであるプラスティック材料フィルムを用いてコーティングする工程であって、ここで、該プラスティック材料は、好ましくはポリエチレンであり、この結果カプセルが得られる工程。
【0105】
好ましくは、用量化の上述の工程は、添加剤組成物に、所定の量の液状調節剤化合物を添加する工程を含み、ここでより好ましくは、後者は、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0106】
確実に好ましい様式において、調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物であり得、例えば該調節剤化合物は、植物由来のオイルであってもよく、より特には、植物由来の該オイルは脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステルの混合物であってもよい。
【0107】
より好ましくは、用量化の該工程のあいだ、添加剤組成物の該所定の量は、10g~20gのあいだである。
【0108】
換言すると、本発明のプロセスの好ましい実施態様において、プラスティック材料のフィルムによってコーティングされた細かい粒子の形状である該添加剤組成物を含むカプセルを得ることができる。
【0109】
優位には、カプセルの形状の該添加剤組成物は、高性能なビチューメンコングロメレートの配合のために特に適しており、実際、該カプセルは、例えばビチューメンおよび骨材などのビチューメンコングロメレートの配合のために必要な追加の成分と混合されることにより効果的に添加され得る。
【0110】
特には、カプセルの形状の該添加剤組成物が加熱された骨材およびビチューメンに添加される場合、該プラスティック材料のフィルムは、好都合なことに溶融し、そして崩壊し、混合の工程のあいだに、添加剤の粒子が効果的にビチューメンコングロメレートの配合に直接的に、効果的に分散することを可能にする。
【0111】
コングロメレート配合への直接的な分散の該手順は、従来技術における添加剤のビチューメンへの分散のプロセスと比較した場合に、短時間、一般的には60秒より短いか等しいで行われ、これは、実用面だけでなく、顕著なエネルギーおよびコスト節約という注目に値する優位性をもたらす。
【0112】
さらに、所定の、適切に用量化された量の添加剤組成物を含むカプセルとしての祖の形状にまさに起因して、本実施態様は、粉末または粒子の形状、すなわちカプセルの形状ではない形状の添加剤組成物と比較して、同様により容易に、例えば空圧式用量化装置を用いて用量化される、ビチューメンコングロメレートのための添加剤を提供することを可能にしている。
【0113】
上述された技術的課題はまた、道路舗装のためのビチューメンコングロメレートに混合されることが意図されており、および、該ビチューメンコングロメレートの機械的特性を改善するために適切である、上述のプロセスによって得られ得る、少なくとも一つのポリオレフィン熱可塑性ポリマーおよびポリビニルブチラール(PVB)を含む、添加剤組成物によって解決された。
【0114】
好ましくは、上述の添加剤組成物は、190℃の温度で、2.16kgのロードを用いてISO 1133の方法にしたがって測定された、1g/10分間より高いかまたは等しい、より好ましくは、1.5g/10分間~2.5g/10分間のあいだの、さらにより好ましくは、2g/10分間~2.5g/10分間のあいだのメルトフローインデックスを有する。
【0115】
特には、本発明の添加剤組成物を特徴付ける特定のメルトフローインデックスにまた起因して、後者は、例えばビチューメンおよび骨材などのビチューメンコングロメレート混合物の配合のために必要な追加の成分中に効果的に分散されることが可能であることが発見され、これは、組成物の実用的な使用に関して有利であることをもたらす。
【0116】
加えて、コングロメレート混合物中の添加剤組成物の高い均一性および分散性が達成され得るため、添加剤組成物は、改変するためにコングロメレート混合物を使用することによって工場された機械的特性を有する道路舗装を得ることを可能にしている。
【0117】
より特には、該工程c)に関連して、洗浄および分離である上述の工程c)において分離されたプラスティック材料の該一部が、DIN 55990の手順にしたがって測定される、0.70kg/m3~0.90kg/m3のあいだの平均の密度を有する場合、得られた添加剤のメルトフローインデックスが、190℃の温度で、2.16kgのロードを用いてISO 1133の方法にしたがって測定される、1.5g/10分間~2.5g/10分間のあいだに含まれることが発見された。
【0118】
本発明のプロセスに関連して上記で説明されたように、上述の添加剤組成物は以下の優位点を有している:
現在の技術水準によるプラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収しないまたは回収可能でないプラスティック材料の混合物由来の材料を含んでおり、これは、ごみ処分場への廃棄またはエネルギー回収プロセスが意図されるしかなかった廃棄物材料の回収および再使用を可能にする。
リサイクル可能な廃棄物由来のプラスティック材料の残渣、特には廃棄物分別によって収集された該リサイクル可能な廃棄物の処理の残渣であり得る、プラスティック材料の第2の混合物由来の材料を含み得る。
回収されたポリビニルブチラールを含み得、これは経済的および環境的観点の両方からのさらなる優位性をもたらし得る。
応用における必要性に依存して、例えばそれが添加され得るビチューメンコングロメレート混合物の所望の機械的特性に依存して、選択され得る種々のプラスティック材料の混合物を含み得る。
従来技術による類似の添加剤よりも顕著に低い融点をそれぞれ有するプラスティック材料の混合物を含み得、これにより、ビチューメンコングロメレートの調合時、道路への敷設の直前に、直接的に、ビチューメンおよび骨材と混合されることが可能である。
ビチューメンコングロメレート混合物の内部への容易な分散を保証する粒子サイズを有し、これは、いったんそれが広がり、および固化されたならば、まさにコングロメレート混合物中での添加剤組成物の均一な分散により、向上された機械的特性を有する道路舗装の形成をもたらす。
【0119】
本発明の特徴および優位性は、以降で限定のためではなく説明のために開示されるいくつかの実施形態によってさらに協調されるであろう。
【0120】
詳細な説明
高性能なビチューメンコングロメレート、ビチューメンまたはビチューメン製品のための添加剤組成物を製造するための本発明のプロセスを行うための方法の概要が以下に示されている。特には、実施例3において、本発明の添加剤組成物を用いることによって得られたビチューメンコングロメレートに関する機械的特性が評価されている。
【0121】
実施例1:本発明のプロセスにしたがい添加剤組成物を得る
一般廃棄物などの収集のプラットフォームとして、廃棄物分別によって収集されないプラスティック材料の混合物を含む、主としては、例えばおもちゃ、プラスティック材料で作製されている筆記用具、フリップフロップ、プラスティック製の容器およびバスケット、フルーツ籠、パイプ、プラスティック製の机および椅子、園芸家具、バケツ、洗面器および洗面ボール、オーディオカセットのケースなどの現在の技術水準にしたがったプラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収され得ないプラスティック材料で形成されている製品由来の固体残渣を含む、廃棄物が予め詰められたオープントップコンテナがオペレーターに提供された。
【0122】
周知のように、上述の製品はポリオレフィン熱可塑性ポリマー、具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンベースのプラスティック材料で主に作られている。
【0123】
ハードプラスティックを主に含むプラスティック材料で形成された残渣をオペレーターがオープントップコンテナから、PVCからなる留分または物品(ケーブルおよびラミネート)および例えば木、ティッシュおよび金属などの二次的な望ましくない材料の留分を入れてしまうことを可能な限り避けながら取り出した。
【0124】
このようにして取り出されたプラスティック材料がオープントップコンテナに貯められ、プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料が提供され、後者は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含んでいる。
【0125】
混合廃棄物材料は、PVCで構成されているさらなる留分および二次的な望ましくない材料の留分を始めに除去するためにベルトコンベアに載せられた。
【0126】
次に、混合廃棄物材料が、材料を約60mmの大きさまで小さくする第1の粉砕工程のために、一軸廃棄物粉砕機に送られた。
【0127】
該第1の粉砕工程は、より取扱いが簡単であり、続く処理のために均一な粒子サイズを有する混合廃棄物材料を得ることを可能にする。
【0128】
次に、粉砕された材料が、磁力で操作される分離のステーションへとベルトコンベア上で供給された。
【0129】
続いて鉄の留分が該廃棄物が混合された材料から分離され、この手順の後、材料の総重量の約3%の重量損失が記録された。
【0130】
これにより鉄が除去された混合廃棄物材料が、ベルトコンベアによって、アルミニウム、ステンレス、および銅を含む非磁性金属を分離することが可能な誘導電流分離器へと供給された。
【0131】
非鉄金属残渣を除去する該工程の後、材料の総重量の約2%のさらなる重量損失が記録された。
【0132】
ベルトコンベアによって、金属を含まない材料が洗浄および分離セクションへと送られた。
【0133】
目的の材料と共に、洗浄および密度分離の工程を行うためにアレンジされたタンク中に、混合廃棄物材料が、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含むプラスティック材料の第2の混合物と共に供給された。
【0134】
プラスティック材料の第2の混合物は、プラスティック材料または複合材料で作製され、廃棄され、およびプラスティックの廃棄物分別に基づいた収集物から回収されたリサイクル可能な廃棄物の回収のプロセスからのくずの形状であった。
【0135】
プラスティック材料の第2の混合物の重量は、それが添加された、金属が除去された混合廃棄物材料の総重量の25重量%に対応していた。
【0136】
そのままの、および/または、プラスティック材料に混合されたミネラルチャージによって増強された可能性のある第2の混合物を構成しているプラスティック材料におけるポリオレフィンの重量パーセントは、後者の乾燥重量の85重量%よりも多かった。
【0137】
混合廃棄物材料は、したがって、プラスティックのリサイクル手順由来の純粋なポリオレフィンで富化され、そしてそれらと混合された。
【0138】
興味の対象であるポリオレフィン材料(特には、ポリエチレンおよびポリプロピレン)で富化された混合廃棄物材料は、最も大きな分子量を有する成分から、特にはプラスティック材料の残渣から、1.1kg/m3より高い密度を有する、特に興味の対象であるプラスティック材料、すなわち高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよびポリプロピレンよりも高い密度値を有する水溶液だけではなく、該混合廃棄物材料中に含まれるより低い密度の、かつ興味の対象のプラスティック材料の密度よりは高い密度値を有するプラスティック材料を使用して、密度分離の技術を用いて分離された。
【0139】
上記にリストされた材料と共に、得られた特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部は、ポリスチレンおよび発泡ポリスチレンを含んでいた。
【0140】
非プラスティックの不活性材料および1.1kg/m3より高い密度をもつプラスティック材料、例えばナイロンロープまたは塩化ポリビニルおよび/またはポリエチレンテレフタレート残渣などが、傾斜法を可能にし、タンクの底に沈殿した。
【0141】
そのように分離された最も高い密度の材料の一部の重量は、洗浄および分離タンクに導入された混合廃棄物材料の総重量の約21重量%に対応した。
【0142】
タンクの上部分には、水よりも少し上に配置されている櫛状の突起のお陰で、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の残渣は容易に、一緒に詰まってしまう可能性のあるより高い密度の材料の残渣から分離された。櫛型の突起はまた、水出口に配置されているドレイン蓋に対応しているタンクのゾーンへと浮遊材料を移動させた。
【0143】
蓋を用いて、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部がさらなる粉砕の工程へと送られ、一方、材料のサイズは、湿式粉砕機を使用して約13mmまで小さくされた。粉砕された材料は、コンテナ内に収集された。
【0144】
粉砕され、および収集された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の部分は、その後材料を乾燥させるための横型遠心分離機に送られ、そして、具体的には、材料は、ホッパーに導入され、そして、その後穴が開けられており、その内部には非常な高速で回転させられる、したがって強加速度を材料にかけることのできるブレードローターのあるバスケット内に運搬され、残渣の水分は穴あきバスケットの穴から排出された。
【0145】
このように一部の水蒸気が除去されたプラスティック材料が、この後、ファンを用いて乾燥された。
【0146】
このように乾燥された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部は、以下の表1に示されている組成および物理的特徴を有していた。
【0147】
【表1】
【0148】
得られた特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の部分は、したがって、UNI規格 10667-16によって提供/要求される特徴を有し、したがって、これは、押出プロセスおよび/または射出形成のための母体として使用可能であった。
【0149】
加えて、乾燥された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部は、以下の表2に示されている物理的および流動学的特性をもっていた。
【0150】
【表2】
【0151】
乾燥材料は、20立方メートル用量の混合サイロ内に圧気輸送によって送られ、その中で、それは、ホモジナイズされ、および、ポリビニルブチラールベースの使用済みの回収材料として提供されるリサイクルされた材料、特には総重量に対して90重量%と等しい量のポリビニルブチラールを含むリサイクルされた材料と混合された。
【0152】
添加されたリサイクル材料の重量は、特徴的な平均密度を有する乾燥されたプラスティック材料の部分の総重量の10重量%に対応した。
【0153】
ホモジナイズおよび混合のあいだ、材料は、約5mmの粒子サイズに到達するまで、ナイフ粉砕機を用いた室温での粉砕に付された。
【0154】
最後に、そのようにして得られた材料は、次の粉砕の工程に送られ、そして、ディスクグラインディングチャンバーへとフィードされ、そこで、粉砕され、そしてそこでは、粒子サイズがディスク間の距離によって決定された。このような距離は、グラインディングチャンバーの外側から調節可能である。
【0155】
このようにして得られた添加剤混合物は、以下の表3に示される組成および物理的特徴を有していた。
【0156】
【表3】
【0157】
得られた特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の部分は、UNI規格 10667-14によって提供/要求される特徴を有し、したがって、それは、リサイクルポリマー材料と、例えばセメントモルタル中、ビチューメン中、およびアスファルト中の例えば骨材などの他の材料と、の混合物として使用され得た。
【0158】
最終的に、添加剤混合物は、本発明の添加剤組成物を含む、結果として得られる添加剤混合物に特異的な特性を与えることのできるさらなる改変化合物およびさらなる改変化合物と混合するための空気再循環を備えるサイロに送られた。結果として得られた添加剤組成物は、道路のビチューメンコングロメレートのための改変剤として優位に用いられ得る。
【0159】
実施例2:本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物とのビチューメンコングロメレート混合物の調合
本実施例は、添加剤の調製ではなく、ビチューメンコングロメレート中の添加剤の特徴の評価に関する。
【0160】
実施例1の添加剤組成物を使用して、以下の表4に示されている成分の割合にしたがった組成を含む、直径100mmおよび厚さ約25mmの、適切な数のビチューメンコングロメレートのブリケットが研究室において調製された。
【0161】
【表4】
【0162】
表4に記載されている処方にしたがった全ての成分を含むビチューメンコングロメレートが研究室で、以下の手順を用いて、通常、工場においてビチューメンコングロメレートの製造に使用されているより大きなスケールの機械を機能的に再現している装置を用いて、調製された:
現在調製中のビチューメンコングロメレートを用いて作製したい道路舗装に基づいて粒度分布曲線を選択すること、
上記の粒度分布曲線にしたがって骨材、本例では表4の骨材を選択すること、および、ミキサーの中で170~180℃の温度まで骨材を加熱すること、
適切な量の添加剤組成物を添加することと、ブレンドを得るためにその後40~60秒のあいだ混合すること、
適切な量、本例では表4に記載の量のビチューメンをブレンドに添加すること、その後少なくとも20~30秒のあいだ混合すること、
適切な量、本例では表4に記載の量のフィラーをブレンドに添加すること、その後(EN 12697-35に示されているように)少なくとも5分間混合すること、ビチューメンコングロメレートの均一なブレンドを得ること。
【0163】
特には、ブレンドはそれを処理する全てのステップのあいだ、170~180℃のあいだの温度に維持された。
【0164】
得られたビチューメンコングロメレートのブレンドは、粘性の外観を有する、骨材が均一に分散されている単一のビチューメンベース分散相として現れた。
【0165】
得られたビチューメンコングロメレートのブレンドは、その後ミキサーから取り出され、コンテナ中に約1210gと等しい量で用量化され、そしてその後、約3時間150℃の温度でオーブンでコンディショニングされた(コンディショニングは、運搬条件をシミュレーションするためだけに行われた)。
【0166】
得られたビチューメンコングロメレートは、オーブンでのコンディショニングの工程の後、テンプレート内に挿入された。その後、約2.5%の空隙率を得るために、ジャイレトリー式締固め機を用いて締固めが行われた(ジャイレトリー式締固め機の代替として目的に適した任意の他の種類のコンパクタ、例えばマーシャルコンパクタなどを使用することが可能である):
締め固め圧力:600kPa、
旋回角度:1.25°、
最大密度:2400kg/m3
【0167】
適切な数のブリケットが機械的試験を行うために作製され、そして最終的に、該ブリケットが機械的試験を行うための適切なコンディショニングのために気候チャンバー内に配置された。
【0168】
実施例3:機械的試験の実施
本実施例は、添加剤の調製ではなく、ビチューメンコングロメレート中の添加剤の特徴の評価に関する。
【0169】
再現性のある結果を得るために適切な数のブリケットがそれぞれ、指定の試験用バスケットの機械プレスの中に収容され、その後、UNI EN 12697-23の手順にしたがって引張強さ試験が行われた。
【0170】
機械的特性の評価は、間接引張強度(ITS)を用いて行われた。ITSは、道路舗装によって許容され得る、車の通過によって生み出される最大圧力をシミュレーションしている。間接引張強度は、相対的なパラメータITSを通じて評価された。
【0171】
各試験の結果の平均は、本発明の添加剤組成物を用いることによって得られ得るコングロメレートと関連するITS(MPa)を示し、これは、従来の添加剤を用いて得られ得るビチューメンコングロメレートと比較して同等かまたはそれより高いという完全に満足のいく結果であった。
【0172】
その後、曲げ剛性率を測定するための試験が行われ、これは、車のタイヤの轍エリアから道路表面に及ぼされる負荷をその上部構造内で伝播するビチューメンコングロメレートの能力を意味している。
【0173】
再現性のある結果を得るために適切な数のブリケットが、動的試験のための空気サーボシステムの指定のハウジング状に配置され、これは、続いて、温度制御のための気候セル内に配置され、その後、曲げ剛性率の測定のための試験が、UNI EN 12697-26の手順にしたがって行われた。
【0174】
曲げ剛性率の測定のために使用された試験条件は以下のとおり:
温度:可変、
課せられた水平応力:5μm、
ピーク時間:124ms(周波数 2Hz)、
ポアソン比:0.35。
【0175】
各試験の結果の平均は、本発明の添加剤組成物を用いることによって得られ得るコングロメレートと関連する、種々の温度(T=5℃、T=20℃、およびT=40℃)でのサンプルの剛性(MPa)を示し、これは、従来の添加剤を用いて得られ得るビチューメンコングロメレートと比較して同等かまたはそれより高いという完全に満足のいく結果であった。
【0176】
上記の試験はしたがって、本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物の、高い機械的性能をもつビチューメンコングロメレート混合物を得るための絶対的な効果を示しており、その結果得られたビチューメンコングロメレートは、耐性および稼働性の道路舗装を提供するために使用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2020-12-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装のためのビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよび他のビチューメン製品中に混合されることが意図される添加剤組成物の製造方法であって、
a)プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料を提供する工程であって、プラスティック材料の前記混合物がポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
b)前記混合廃棄物材料を40mm~80mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは約60mmのサイズに等しい粒子サイズになるまで粉砕する工程、
c)得られた粉砕混合廃棄物材料を洗浄し、および、制御された様式で前記混合廃棄物材料から特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部を分離する工程であって、前記プラスティック材料の一部は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの前記少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
d)特徴的な平均密度を有する前記プラスティック材料の一部を、10mm~20mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは12mm~15mmのあいだの粒子サイズに到達するまで粉砕する工程、
e)粉砕された特徴的な平均密度を有する前記プラスティック材料の一部をポリビニルブチラールベースの材料と混合し、および、そのように得られた混合物を、4mm~6mmのあいだの粒子サイズをもち、190℃の温度で、2.16kgのロードを用いてISO 1133の手順にしたがって測定された、1g/10分間より高いかまたは等しい、好ましくは、1.5g/10分間~2.5g/10分間のあいだのメルトフローインデックスを有するそのまま使用可能な粒子状添加剤組成物を製造するためにさらに粉砕する工程
を含み、
ここで、洗浄および分離の前記工程c)は、密度分離の技術を用いて行われ、これによって所定の密度限界値を選択し、および、前記混合廃棄物材料から、前記所定の限界値よりも低いかまたは等しい特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の前記一部が分離され、前記特徴的な平均密度は、DIN 55990の手順にしたがって測定され、1.0kg/m3より小さいかまたは等しい方法。
【請求項2】
混合廃棄物材料を提供する前記工程a)において、前記混合廃棄物材料は、都市の固体廃棄物由来、または、プラスティック材料もしくはそれらの任意の組み合わせで作製された製品の工業的もしくは手作業での生産由来であるプラスティック材料から作製される固体残渣を含み、前記体残渣は、プラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収されないか回収不可能である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記混合廃棄物材料が、そのあいだに塩化ポリビニルで形成されている存在し得る留分、および/または、例えば紙、カードボード、木、布、金属またはガラスなどの不要な材料から形成されている留分が除去される分離の前工程へと予め付される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
粉砕の前記工程b)において、いったん粉砕された前記混合廃棄物材料が、その中に含まれている可能性のある金属留分を分離するための手順へと付され、好ましくは、前記手順が、磁力の手段を使用する第1の分離工程および非鉄の金属留分を分離する第2の分離工程を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
洗浄および分離の前記工程c)のあいだ、前記特徴的な平均密度は、DIN 55990手順にしたがって測定されて、0.70kg/m3~0.90kg/m3のあいだに含まれている請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の前記部分において、前記少なくとも一つのプラスティック材料は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの材料の混合物を含む群から選択されるポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースであり、好ましくは、プラスティック材料の前記一部は、総計の重量に対して75重量%より高いかまたは等しい量で、好ましくは、総計の重量に対して80重量%より高いかまたは等しい量で、前記少なくとも1つのプラスティック材料を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
洗浄および分離の前記工程c)において、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含むプラスティック材料の第2の混合物が、前記混合廃棄物材料に添加され、および混合され、好ましくは、前記第2の混合物は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの前記少なくとも一つのプラスティック材料の総計の重量の少なくとも75重量%に等しい量で、より好ましくは、総計の重量の少なくとも80重量%に等しい量で含まれている請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ポリビニルブチラールベースの前記材料が、ポリビニルブチラールベースの前記材料の総重量の80重量%より多いかまたは等しい量のポリビニルブチラールを含む請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ポリビニルブチラールベースの前記材料が、ポリビニルブチラールベースの回収材料であり、好ましくは、ポリビニルブチラールベースの前記回収材料は、自動車のフロントガラス、ペアガラス、耐熱ガラスの窓ガラス、安全ガラスの窓ガラスを含む使用済みの廃棄製品由来、および/または、前記製品の作製のための工業的製造からのくず由来である請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ポリビニルブチラールベースの前記材料が、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の前記一部に、プラスティック材料の前記一部の重量の5~25重量%に等しい量で、好ましくは、プラスティック材料の前記一部の重量の10~20重量%に等しい量で添加される請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
前記添加剤組成物を調節剤化合物と混合する追加の工程を含み、ここで、前記調節剤化合物は、好ましくは、グラフェン、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択され、より好ましくは、前記調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物である請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
以下の追加の工程:
前記添加剤組成物を押出機、好ましくは2軸押出機にフィードする工程、
前記添加剤組成物を所定の温度まで加熱する工程、
1.85mm~4.5mmのあいだ、好ましくは、2mm~4mmのあいだの粒子サイズをもつ押し出し粒子の形状である添加剤組成物を得るために、前記添加剤組成物を押し出し、冷却する工程
を含む請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
0.85mm~2.5mmのあいだ、好ましくは1mm~2mmのあいだの粒子サイズを有する細かい粒子の形状の添加剤組成物を得るために、前記添加剤組成物をさらに粉砕する追加の工程を含む請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
以下の追加の工程:
所定の量の細かい粒子の形状である前記添加剤組成物を用量化し、そして圧縮する工程であって、好ましくは、添加剤組成物の前記所定の量が、10g~20gのあいだである工程、
そのように圧縮された添加剤組成物を、熱可塑性ポリマーベースであるプラスティック材料フィルムを用いてコーティングする工程であって、好ましくは、前記プラスティック材料はポリエチレンであり、この結果カプセルが得られる工程
を含み、
好ましくは、用量化の前記工程は、前記添加剤組成物に、所定の量の液状調節剤化合物を添加する工程を含み、より好ましくは、前記液状調節剤化合物は、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される請求項13記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装を提供するために適切な、ビチューメン調製物に弾性を提供するための、ビチューメンコングロメレートのための添加剤、換言するとビチューメンコングロメレート、ビチューメンおよびビチューミナス製品、例えばアスファルトなどの改変において使用され得るポリマーと添加剤との混合物の製造の技術分野に関する。
【0002】
特には、本発明は、回収および/またはリサイクルプラスティック材料からのビチューメンコングロメレートのための添加剤組成物の製造のためのプロセスに関する。
【0003】
特には、本発明はまた、それによって得られ得る、前記添加剤を含むビチューメンコングロメレートの機械的性能を改良することを可能とする、および、そのようなビチューメンコングロメレートを用いて製造された道路舗装の寿命を延長する添加剤組成物に関する。
【背景技術】
【0004】
特には再生可能なまたはエコフレンドリーな原料を使用することによる、可能な限り環境に優しい技術および製品を開発する要求が石油化学産業の全ての分野において、とりわけビチューメン、アスファルトおよびビチューメンコングロメレートの分野において、依然としてある。
【0005】
そのような技術分野において、ビチューメンコングロメレートとその調合のために必要な成分との両方の製造プロセスを最適化し、そのようなプロセスに帰すことのできる材料の総体的な利用、すなわちカーボンフットプリントを減少させる必要性が非常に重要になっている。
【0006】
例えば、所望の目的は、未加工のビチューメンをそのより劣等な品質のために改変するために適切な調製物の開発である。
【0007】
さらに、当該技術分野において、ビチューメンコングロメレート、ビチューメン、ビチューメン製品の性能および一般的なアスファルトの性能を向上させるための添加剤の使用は公知であり、例えば、そのような添加剤は、そのような添加剤を含むビチューメンコングロメレート、ビチューメン、ビチューメン製品の機械的特性、例えば一般的に破壊強度および亀裂形成抵抗などを向上するため、および、典型的には道路の表面を覆うように使用されるビチューメンコングロメレートにおける劣化を減少させるために使用される熱可塑性ポリマーまたはエラストマーを含む組成物であり得る。
【0008】
骨材、例えばタイヤくずなどのゴムくず由来の粒状または粉末状の材料、ならびに熱可塑性重合体および共重合体の混合物、ならびに追加の添加剤および充填材料を含むアスファルトの組成物が特許文献1に記載されている。
【0009】
特許文献2は、無機骨材を含む、熱可塑性ポリマーの組成物(本質的にポリビニルブチラールを含む)でコートされた高性能のビチューメン混合物に関する。
【0010】
特には、そのような組成物は、建築産業および自動車のフロントガラスの分野で使用されるガラスパネルのリサイクルからのリサイクルされたポリビニルブチラールを含む、回収またはリサイクルの熱回収ポリマーを含んでいてもよい。
【0011】
このようなポリマー組成物中にポリオレフィンも含有する単なる可能性は考えられているが、熱可塑性ポリマー組成物中の材料の具体的な組み合わせについては何らの情報も与えられていない。
【0012】
特許文献3は、以下の成分を以下の重量部で含むアスファルト混合物で改変された材料に関する:150~200重量部のポリエチレン、60~90重量部のスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、16~30重量部のポリエチレンテレフタレート、50~80重量部のポリビニルブチラール、および20~40重量部の充填剤。
【0013】
アスファルト混合物で改変された材料を調製するための方法は、前記原料を提供する工程、それらの溶解および粒子化によってポリエチレンおよびスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマーの混合物を得る工程、その後溶解および共押出によって得られた混合粒子を残存する原料と混合しそして混合物を得る工程を含む。
【0014】
いずれの場合も、市販のアスファルトおよびそれらで作製され得るアスファルトの化学的および機械的特性を改良するための添加剤は一般的に環境インパクトに留意して、例えば他の工業プロセスからのくず材料またはリサイクル材料を使用するなどして製造されているが、このような材料を得るためのプロセスは依然として、該添加剤の製造における環境インパクトを顕著に低下させる必要性を、該添加剤を添加することによって調合されるビチューメンコングロメレートを使用して作製される道路舗装の機械的特性と最も良好に組み合わせることはできていない。
【0015】
従来技術における別の不利益点は、一定の品質の均一なブレンドであって容易に使用され得るブレンドを製造することを可能とするような上述のタイプの添加剤を技術によって製造することの困難性である。
【0016】
従来技術のさらなる不利益点は、最終添加物の一定の品質を保証し得る上述のタイプの添加剤を製造することの困難性である。
【0017】
実際のところ、リサイクル可能であるかまたは可能ではないプラスティック材料のくずまたは廃棄物を処置し、および再使用するための有益な方法を発見する必要が非常に重要になってきている。
【0018】
特には、欧州において、および欧州だけではないが、上記のタイプの廃棄物のための代替的な行先を見出す必要性が最も重要であり、これは、一方で大陸の多くの地域においては該廃棄物の回収のための十分な数の工場および/または廃棄物-エネルギー工場が存在せず、また他方では焼却またはごみ処分場への投棄と比較してより低い環境インパクトを有するその再使用が検討されているためである。
【0019】
加えて、大量消費材を作製するために使用される未使用プラスティックと比較してリサイクルプラスティックの割合量は、廃棄物の分別に基づくますます効率的な収集システムのおかげでリサイクルされたおよび選択された用量の増加に比例していないということが考慮されるべきである。
【0020】
したがって、これらの回収プロセスなどからのプラスティックおよび非リサイクルのプラスティックの量は、廃棄物-エネルギープロセス、ごみ処分場への運搬という観点から、または、より低頻度ではあるものの代替的な燃料の製造のため、処理される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際公開第2015/179553号
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/016325号明細書
【特許文献3】中国特許出願公開第103509356号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上述の従来技術に照らして、本発明の課題は、廃棄物プラスティックからビチューメンコングロメレートのための添加剤組成物を製造するためのプロセスを開発することであり、これは、広範囲な種類の廃棄物材料の再使用を提供し、および、環境的により持続性であり、かつ、高性能なビチューメンコングロメレート混合物の調合のための添加剤としての使用のために特に適切である、高付加価値な組成物を製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
このような課題は、以下の工程を含む、ビチューメンコングロメレート、ビチューメン、または、道路舗装のための他のビチューメン製品中に混合されることが意図される添加剤組成物の製造のためのプロセスによって解決された:
a)プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料を提供する工程であって、プラスティック材料の該混合物がポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
b)該混合廃棄物材料を40mm~80mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは約60mmのサイズに等しい粒子サイズになるまで粉砕する工程、
c)得られた粉砕混合廃棄物材料を洗浄し、および、制御された様式で該混合廃棄物材料から特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部を分離する工程であって、該プラスティック材料の一部は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料を含む工程、
d)特徴的な平均密度を有する該プラスティック材料の一部を、10mm~20mmのあいだの粒子サイズに到達するまで、好ましくは12mm~15mmのあいだの粒子サイズに到達するまで粉砕する工程、
e)粉砕された特徴的な平均密度を有する該プラスティック材料の一部をポリビニルブチラール(PVB)ベースの材料と混合し、および、そのように得られた混合物を、4mm~6mmのあいだの粒子サイズ、好ましくは約4mmのサイズに等しい粒子サイズをもつそのまま使用可能な粒子状添加剤組成物を製造するために粉砕する工程、
ここで、洗浄および分離の該工程c)は、密度分離の技術を用いて行われ、これによって所定の密度限界値を選択し、および、該混合廃棄物材料から、該所定の限界値よりも低いかまたは等しい特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部が分離され、該特徴的な平均密度は、DIN 55990の手順にしたがって測定され、1.0kg/m3より小さいかまたは等しい。
【0024】
本発明において、「廃棄物混合材料(waste mixed material)」は、目の粗い固体残渣、すなわち一般的に60mmよりも大きいかまたは等しい粒子サイズを有する固体残渣の混合物を意味し、ここで、該混合物は、同様に一または複数のプラスティック材料を含む固体残渣を含み、この結果該混合物は、混成材料からなる固体残渣、すなわちプラスティック材料と、異なる化学的性質を有する固体材料、例えば紙、カードボード、またはアルミニウムなどの金属などを含んでいる。
【0025】
特には、該混合廃棄物材料は、プラスティック材料から作製される固体残渣を含んでいてもよく、これは、都市の固体廃棄物由来、または、プラスティック材料もしくはそれらの任意の組み合わせで作製された製品の工業的もしくは手作業での生産由来であり、該固体残渣は、プラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収されないか回収不可能であり、例えばフロントガラスおよび二重ガラスの粉砕から得られるPVBを含んでいる。
【0026】
特には、該プラスティック材料残渣、すなわち回収されたプラスティックの大部分は、いわゆる「硬質プラスティック(hard plastics)」すなわち折れにくく固いプラスティック材料を含み、一般的には例えばおもちゃ、ペン、マーカーおよびプラスティック材料で作製されている筆記用具、フリップフロップ、プラスティック製の容器およびバスケット、フルーツ籠、パイプ、プラスティック製の机および椅子、園芸家具、バケツ、洗面器および洗面ボール、オーディオカセットのケース、CD、DVD、ビデオカセットおよび類似の製品などのプラスティック材料のリサイクルチェーン内では回収されず、また回収可能でもない廃棄物由来であってもよい。
【0027】
本発明において、該プラスティック材料残渣は、塩化ポリビニルと二次的な望ましくない材料、例えば紙、カードボード、木、布、金属またはガラスなどとから構成される残渣から全体的に、または部分的に予め取り除かれた廃棄物由来であってもよい。
【0028】
いずれの場合も、該混合廃棄物材料は、プラスティック以外の材料、例えば紙、カードボード、木、金属またはガラスなどからなる少量の固体残渣を含んでいてもよい。
【0029】
要約すると、本発明のプロセスは、ごみ処分場に通常廃棄される、または焼却炉に送られる該混合廃棄物材料を回収および再使用することを可能にするものであり、環境的視点からみて顕著な優位性を得ることができる。
【0030】
また、本発明において、「熱可塑性ポリマーベースを含む少なくとも一つのプラスティック材料(at least one plastic material comprising based on a thermoplastic polymer)」とは、分子間相互作用すなわちファンデルワールス力によって結合されている、直鎖または枝分かれ構造を形成するポリマー鎖を含むプラスティック材料(すなわちプラスティック)を意味し、特には、それらの化学構造に起因して、加熱によって、熱可塑性プラスティックが軟化されるまたは溶解され、そして形づけられ、形成され、結合され、そして冷却されて固化される。
【0031】
本発明において、用語「室温(room temperature)」は、操作が行われる外部環境の温度を意味する。
【0032】
換言すると、上述の工程e)は、混合される材料に、外部環境から受身的に出される潜在的に無視し得る熱以外の追加の熱を与えることなく行われる。
【0033】
例えば、該室温は、2℃~45℃のあいだ、特には15℃~25℃のあいだに含まれ得る。
【0034】
最後に、本発明において、用語「粒子サイズ(particle size)」とは、廃棄物混合材料、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料のそのような一部と本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物とのプラスティック材料を構成する粒子/チップの直径の最小値および最大値を含む数値範囲を意味する。
【0035】
優位には、本発明のプロセスは、ビチューメンコングロメレート混合物、ビチューメン、または、他のビチューメン製品に添加され得る添加剤組成物を製造することを可能にする。
【0036】
好ましくは、本発明のプロセスは、高性能なビチューメンコングロメレート混合物を得るためにビチューメンコングロメレート混合物に添加され得る添加剤組成物を製造することを可能にする。
【0037】
実際に、本発明のプロセスによって得られ得る粒子状添加剤組成物を含むビチューメンコングロメレート混合物が道路舗装を製造するために使用される場合、後者は、本発明の添加剤組成物を含まないビチューメンコングロメレート混合物で作製された道路舗装と比較して、機械的特性を向上させた。
【0038】
一貫して、上述の粒子状添加剤組成物は、即使用可能であり、これは、ビチューメンと骨材とを含むビチューメンコングロメレート混合物の調合に必要な追加の成分中に容易に分散され得ることを意味し、この結果、添加剤組成物の実際的な使用の観点から優位であり、ならびに、まさにそのコングロメレート中での高い均一性および分散性のために、添加物混合物は、改変されたコングロメレート混合物を使用することによって向上された機械特性を有する道路舗装を得ることを可能にする。
【0039】
換言すると、特徴的な平均密度を有する該プラスティック材料と一定かつ均一な品質特性をもつポリビニルブチラールベースの該材料の両方の混合物を含む押出粒子を得るために、本発明の添加剤組成物を加熱、溶解および押出に付すことは必須ではない。
【0040】
特には、上述の粒子状添加剤組成物は、そのようなプラスティック材料の存在のために、ビチューメンコングロメレート混合物の調合のために必要な追加の成分中に直接的に分散され得、このため、該工程c)のあいだに選択され、該特徴的な平均密度、プラスティック材料それ自体の遷移状態特性にも深く関係している特性を有している。
【0041】
実際、プラスティック材料の一部に含有されており、工程c)のあいだに選択される少なくとも一つの熱可塑性ポリオレフィンポリマーは、120~180℃のあいだの軟化点を有し、およびしたがって、ビチューメンコングロメレートの製造のあいだに、骨材に、およびビチューメンに、いわゆる「ドライメソッド(dry method)」によって(骨材への添加の前に熱可塑性樹脂および他のビチューメンの改変剤の加熱混合を必要としない)直接的に添加される。
【0042】
優位には、本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物は、したがって、ビチューメンコングロメレートの調合工程のあいだに既に、ビチューメンおよび骨材と効果的に加熱混合されてもよい。
【0043】
別の方法では、従来の「ウェットメソッド(wet method)」にしたがって、従来の添加剤が初めにビチューメンだけと高温で、通常180℃より高いかまたは等しい温度で、例えば180~200℃のあいだで必ず混合される。これによって添加剤と混合されたビチューメンは、その後、道路上に敷設されることのできるビチューメンコングロメレートを得るための次の骨材との混合まで通常の温度で維持される。
【0044】
同時に、プラスティック材料の一部に含有されており、工程c)のあいだに選択される少なくとも一つの熱可塑性ポリオレフィンポリマーは、ASTM D3418手順にしたがって示差走査熱量測定(DSC)により測定された、120~165℃のあいだに含まれる融点(Tm)を有する。
【0045】
別の方法では、上述のプラスティック材料の一部が工程c)のあいだに分離される前の該混合廃棄物材料中に含有されているプラスティック材料の該混合物中に含まれているプラスティックの平均の密度は、典型的には、DIN 55990の手順にしたがって測定された、1.5~2kg/m3のあいだに含まれている。
【0046】
同時に、上述のプラスティック材料の一部が工程c)のあいだに分離される前の該混合廃棄物材料中に含有されているプラスティック材料の該混合物中に含まれているプラスティックの融点(Tm)は、ASTM D3418手順にしたがって示差走査熱量測定(DSC)により測定された、40~250℃のあいだに含まれる。
【0047】
当然、代替的な使用にしたがい、上述の粒子状添加剤組成物は、そのようなプラスティック材料の存在によって、ビチューメンまたは他のビチューメン混合物の配合のために必要な追加の成分中に分散されてもよく、これによって、該工程c)のあいだに選択され、そして特徴的な平均密度も有している。
【0048】
特には、上述の粒子状添加剤組成物が、ビチューメンの直接的な改変において、またはビチューメンが使用される他のプロセスにおいて、例えばアスファルトにおいて、使用される場合、それは、その低い軟化点に起因して(およびその特異的なMFI値に起因して)類似の公知の製品と比較してより容易に分散する。
【0049】
には、該工程a)において提供される混合廃棄物材料中、該ポリオレフィン熱可塑性ポリマーは、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの材料の任意の組み合わせから選択される。
【0050】
より好ましくは、ポリエチレンは、高密度ポリエチレンおよび/または低密度ポリエチレンであり得る。
【0051】
該工程a)において提供される混合廃棄物材料中、プラスティック材料の該混合物は、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、または任意のそれらの組み合わせから選択されるポリマーを少なくとも含むプラスティック材料を含み得る。
【0052】
要約すると、本発明のプロセスによって得られ得る添加剤混合物は、使用のより高い実用性、エネルギー節約、および、より一定かつ均一な最終の物理的および化学的特性を、従来の添加剤混合物と比較して、与える。
【0053】
本発明のプロセスによって得られ得る添加剤混合物はさらに、減少された溶融および混合時間を必要とし、これは、ビチューメンコングロメレートを構成する材料を、1分を越えない時間で、したがって道路上に直ちに敷設することができるように、混合することを可能にする。
【0054】
好ましくは、該混合廃棄物材料は、そのあいだに塩化ポリビニル(PVC)で形成されている存在し得る留分、および/または、例えば紙、カードボード、木、布、金属またはガラスなどの不要な材料から形成されている留分が除去される分離の前工程へと予め付される。
【0055】
同様に好ましい様式において、粉砕の工程b)において、いったん粉砕された該混合廃棄物材料は、その中に含まれている可能性のある金属留分を分離するための手順へと付され、より好ましくは、粉砕された該混合廃棄物材料から金属留分を分離するための該手順は、磁力の手段を使用する第1の分離工程(除鉄)および非鉄の金属留分を分離する第2の分離工程を含む。
【0056】
上述されたように、洗浄および分離の工程c)は、密度分離の技法によって行われ、所定の限度の密度を選択し、および、該限度値より低いかまたは同じ平均密度を有するプラスティック材料の該一部を該混合廃棄物材料から分離する。
【0057】
特には、詳細な説明を参照して以下から明らかであるように、密度分離の技法によって行われる洗浄および分離の該工程c)のあいだ、該混合廃棄物材料の選択されたプラスティック材料は、事前に設定された値と等しい密度を有する溶液を使用して、傾斜法によって分離され得る。
【0058】
特には、該密度分離は、プラスティック材料の該混合物の特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部に含まれているポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料の密度の値と、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料の密度より高い密度の値を有している該混合廃棄物材料に含まれている材料の密度の値と、とのあいだにある事前に設定された値と等しい密度を有する水溶液を使用して行われ得る。
【0059】
したがって、洗浄および分離の該工程c)において、プラスティック材料の該一部が除去された混合廃棄物材料から、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部を効果的におよび正確に分離することが可能である。
【0060】
所望の添加剤組成物の応用に応じて、例えば、添加剤組成物を用いることによって得られ得るビチューメンコングロメレートの具体的な種類に依存して、洗浄および分離の該工程c)において、該所定の密度の限界値が選択され、そして、該限界値よりも低いかまたは同じ平均の密度を有するプラスティック材料の一部が分離され、ここで、該特徴的な平均密度は、DIN 55990の手順にしたがって測定されて、0.70kg/m3~0.90kg/m3のあいだである。
【0061】
好ましい実施態様において、洗浄および分離の該工程c)において分離された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該部分において、少なくとも一つのプラスティック材料は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、またはこれらの材料の任意の組み合わせから選択されるポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースである。
【0062】
好ましくは、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部は、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して75重量%より高いかまたは等しい量で、より好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して80重量%より高いかまたは等しい量で、さらにより好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して85重量%より高いかまたは等しい量で、最も好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して90重量%より高いかまたは等しい量で、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも1つのプラスティック材料を含み得る。
【0063】
同様に好ましい様式において、洗浄および分離の該工程c)において分離された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部は、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部の総計の重量に対して15重量%より低いかまたは等しい量で、好ましくはプラスティック材料の該一部の総計の重量に対して10重量%より低いかまたは等しい量で、より好ましくは、プラスティック材料の該一部の総計の重量に対して5重量%より低いかまたは等しい量で、ポリスチレンおよび/またはポリウレタンを含み得る。
【0064】
好ましい実施形態において、洗浄および分離の該工程c)において、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含むプラスティック材料の第2の混合物が、該混合廃棄物材料に添加され、および混合されてもよく、好ましくは該第2の混合物は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの該少なくとも一つのプラスティック材料の総計の重量の少なくとも75重量%に等しい量で、より好ましくは、総計の重量の少なくとも80重量%に等しい量で、さらにより好ましくは、総計の重量の少なくとも85重量%に等しい量で、含まれている。
【0065】
本発明において、プラスティック材料の該第2の混合物は、回収可能な廃棄物由来のプラスティック材料で形成される残渣、特にはリサイクル可能であり廃棄物分別によって回収される廃棄物の処理からの残渣を含む。
【0066】
特には、例えばプラスティックで作製されている包装、混合された包装、例えば2以上のプラスティック材料または複合材料で形成されるフィルム、およびそれらの混合物などの、回収可能な廃棄物由来のプラスティック材料で形成される該残渣は、通常、廃棄され、および、プラスティックの廃棄物分別に基づく収集において回収され、および、リサイクルチェーンへと送られる。
【0067】
好ましくは、洗浄および分離の該工程c)において、プラスティック材料の該第2の混合物は、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリエチルアクリレート(PEA)、ポリメチルメタクリレート(PMA)、ポリブチルアクリレート(PBA)またはこれらの材料の任意の組み合わせから選択される少なくとも一つのポリマーを含む。
【0068】
全く好ましい様式において、プラスティック材料の該第2の混合物中に含まれるプラスティック材料の該残渣は、プラスティック材料または複合材料で作製され、廃棄され、プラスティックの廃棄物分別に基づいた収集において回収されたリサイクル可能な廃棄物の回収のプロセスからのくずであってもよい。
【0069】
同様に好ましい様式において、第2の混合物中に含まれるプラスティック材料の該残渣は、プラスティック材料で作製された製品の工業的および/または手作業での生産からの削りくずであってもよい。
【0070】
全く好ましい様式において、プラスティック材料の該第2の混合物は、該混合廃棄物材料の重量の5~35重量%のあいだの量で、好ましくは、該混合廃棄物材料の重量の10~30重量%のあいだの量で、該混合廃棄物材料に添加される。
【0071】
優位には、本発明のプロセスはしたがって、該工程c)において、廃棄物材料のさらなる部分、すなわちプラスティック材料の該第2の混合物を、該混合廃棄物材料へと添加し、それにより通常ではしばしばごみ処分場に廃棄されるかまたはごみ焼却場に送られる材料を再使用することを可能にするという可能性を提供し得、これは、環境的観点からさらなる優位性を得るものである。
【0072】
優位には、該工程c)においてプラスティック材料の該第2の混合物を添加することによって、該混合廃棄物材料には含まれていない可能性のあるプラスティック材料に富んだ添加剤組成物を製造することが可能となる。この方法では、応用の必要性に応じて、例えば該組成物がそれに添加され得る、ビチューメンコングロメレート混合物の必要とされる機械特性に応じて、特定の組成をもつプラスティック材料の第2の混合物が該工程c)において添加され得る。
【0073】
好ましくは、プラスティック材料の一部を粉砕する該工程d)は、水砕によって、あるいは湿式粉砕機によって行われる。
【0074】
好ましくは、粉砕および混合の該工程e)において、ポリビニルブチラールベースの該材料であって、それと一緒にプラスティック材料の該一部が混合されるポリビニルブチラールベースの該材料は、10mm~20mmのあいだ、好ましくは、12mm~15mmのあいだの粒子サイズを有する。
【0075】
好ましい実施形態において、該工程e)において特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部に添加されるポリビニルブチラールベースの該材料は、ポリビニルブチラールベースの該材料の総重量の80重量%より多いかまたは等しい量、好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該材料の総重量の90重量%より多いかまたは等しい量、より好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該材料の総重量の95重量%より多いかまたは等しい量のポリビニルブチラール(PBV)を含み得る。
【0076】
同等に好ましい様式において、粉砕および混合の該工程e)において、ポリビニルブチラールベースの該材料であって、それと一緒にプラスティック材料の該一部が混合されるポリビニルブチラールベースの該材料は、ポリビニルブチラールベースの回収材料である。
【0077】
好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該回収材料は、例えば自動車のフロントガラス、ペアガラス、耐熱ガラスの窓ガラス、安全ガラスの窓ガラスなどを含む使用済みの廃棄製品由来、および/または、上記の製品の作製のための工業的製造からのくず(または切断残渣)由来、より好ましくは、自動車のフロントガラス由来である。
【0078】
より好ましくは、ポリビニルブチラールベースの該回収材料はまた、天然ゴム、ブタジエンおよびスチレンゴム、エチレン-プロピレンジエンモノマー(EPDM)、ニトリルゴム(ニトリルブタジエンゴム、NBR)またはこれらの任意の組み合わせなどを含むエラストマーを含有し得る。
【0079】
代替的には、粉砕および混合の該工程e)において、ポリビニルブチラールベースの該材料は、未使用のポリビニルブチラールまたは上記回収材料と未使用のポリビニルブチラールとの混合物である。
【0080】
優位には、本発明によるプロセスは、したがって、ガラス廃棄物の処理からの、または、顕著な割合のガラスの存在がそれらの回収を困難にするために、通常廃棄物からのエネルギー回収プロセスへと送られる車のフロントガラスの取り換えからの上記の廃棄製品由来のくず材料を回収することを可能にし、これは、エネルギー回収プロセスによる廃棄と比較した経済的な観点からだけではなく、環境的な観点からもより優位である。
【0081】
さらに、本発明のプロセスは、ポリビニルブチラールの直接の作用のおかげで使用時にビチューメンコングロメレート添加される、高性能の、著しい弾性特性をビチューメンコングロメレートに与えることのできる、上述のタイプの添加剤組成物を製造することを可能にする。
【0082】
さらに、プラスティック材料のそのような一部に含まれているプラスティック材料と同様に、ポリビニルブチラールは、上述のビチューメンコングロメレートを用いて建設される道路舗装の弾性値を増大させることを可能にする。
【0083】
本発明のプロセスの実施態様において、粉砕および混合の該工程e)において、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部と混合される前に、ポリビニルブチラールベースの該回収材料は、以下の工程に付される:
ポリビニルブチラール(PVB)を含む使用済み廃棄製品または工業的製造由来の切りくずの予備的粉砕を、30mm以下の粒子サイズが達成されるまで行う工程、
該回収材料の重量の10重量%より低いかまたは等しい量、好ましくは、該回収材料の重量の7重量%より低いかまたは等しい量、より好ましくは、該回収材料の重量の5重量%より低いかまたは等しい量のガラスを含むポリビニルブチラール(PVB)ベースの回収材料を得るために、ガラス残渣を粉砕された該廃棄製品から分離する工程、
10mm~20mmのあいだの粒子サイズ、好ましくは、12~15mmのあいだの粒子サイズとなるまで該回収材料を粉砕する工程。
【0084】
同等に好ましい様式において、ポリビニルブチラールベースの該材料は、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部の重量の5~25重量%に等しい量で、好ましくは、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部の重量の10~20重量%に等しい量で、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の該一部に添加される。
【0085】
これにより、本発明によるプロセスは、上述のタイプの高性能な添加剤組成物を得ながら、本発明の添加剤組成物が添加されるビチューメンコングロメレート混合物または他のビチューメン製品の作業性およびそのようなビチューメンコングロメレート混合物を用いて得られ得る道路舗装の機械的特徴を損なうことのない、確実に最小量のガラスを含む、ポリビニルブチラール(PVB)ベースの該回収材料を回収することを可能にする。
【0086】
好ましくは、本発明のプロセスは、さらに、上述のタイプの添加剤組成物を乾燥する工程を含む。
【0087】
同等に好ましい様式において、本発明のプロセスはさらに、該添加剤組成物を、調節剤化合物と混合する工程を含み、ここで、該調節剤化合物は、好ましくは、グラフェン、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0088】
確実に好ましい様式において、調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物であり得る。
【0089】
本発明において、用語「グラフェン(graphene)」は、六方マトリックスを有する炭素単原子層の二次元構造をもつ炭素材料を意味しており、ここで、各炭素原子は、共有結合により他の3つの炭素原子と結合しており、かつ、ファンデルワールス力によって隣接する層の原子と結合しており、また、用語はこのような炭素材料の任意の機能的誘導体、例えばグラフェンオキサイドすなわち酸素含有官能基で部分的に官能基化されているグラフェンなども意味している。
【0090】
好ましくは、本発明のプロセスにおいて使用されるグラフェンは、2~100g/dm3のあいだの、より好ましくは、10~70g/dm3のあいだの、見掛け密度を有し、同時に、本発明の添加剤組成物において使用されるグラフェンは、10~300m2/gのあいだの表面積を有する。
【0091】
該表面積は、不活性ガス(窒素)の吸着によるBET法を用いて、特にはISO 9277:2010の手順にしたがって、測定される。
【0092】
さらに、本発明のプロセスにおいて使用されるグラフェンの層の横方向寸法は、200μmより小さく、好ましくは、100μmより小さく、より好ましくは、50μmより小さい。
【0093】
好ましい実施態様において、本発明のプロセスにおけるグラフェンは、リサイクルグラフェン、未使用のグラフェン、またはリサイクルグラフェンおよび未使用のグラフェンの混合物である。
【0094】
完全に簡潔な様式において、グラフェンが本発明のプロセスによって得られ得る上述の添加剤組成物に添加される場合、さらにより高い性能をもつ添加剤組成物すら得られる。特には、グラフェンは、弾性値を向上させること、そして、さらに一般的には、グラフェン含有添加剤組成物が添加されるビチューメンコングロメレートを用いて建設される道路舗装の機械的特性を向上させることが可能である。
【0095】
本発明の好ましい実施態様において、本発明のプロセスは、以下の追加の工程を含む:
上述の粒子状添加剤組成物を押出機、好ましくは2軸押出機にフィードする工程、
該添加剤組成物を所定の温度まで加熱する工程、
1.85mm~4.5mmのあいだ、好ましくは、2mm~4mmのあいだの粒子サイズをもつ押し出し粒子の形状である添加剤組成物を得るために、該添加剤組成物を押し出し、冷却する工程。
【0096】
優位には、この最後の実施態様において、本発明のプロセスは、特には組成物の流動特性、および、ビチューメンコングロメレート混合物に添加される場合のそのデリバリースピードに関して、実際の使用に適しているサイズを有する粒子の形状である添加剤組成物を提供することを可能にする。
【0097】
代替的な実施形態において、本発明のプロセスは、0.85mm~2.5mmのあいだ、好ましくは1mm~2mmのあいだの粒子サイズを有する細かい粒子の形状の添加剤組成物を得るために、上述の粒子添加剤組成物をさらに粉砕する追加の工程を含む。
【0098】
優位には、この最後の実施態様において、本発明のプロセスは、高性能なビチューメンコングロメレートの配合のための添加剤組成物を提供することを可能にする。添加剤組成物は、例えばビチューメンおよび骨材などのビチューメンコングロメレートの配合のために必要な追加の成分と効果的に混合され得る。
【0099】
実際、細かい粒子の形状である上述の添加剤組成物は、ビチューメンおよび骨材を含む、ビチューメンコングロメレート混合物の配合に必要な追加の成分中により容易に分散することが確認されている。
【0100】
さらに、細かい粒子の形状である上述の添加剤組成物は、取扱い上いかなる場合も安全であり、これは、それを使用するオペレーターによって吸入されてしまうような微細な粉末を含まないためである。
【0101】
好ましくは、細かい粒子の形状である添加剤組成物を得るために添加剤組成物を粉砕する上述のさらなる追加の工程は、約0.85mmより小さいかまたはそれと等しい直径を有する添加剤粒子の留分を除去するために、ふるい分け工程を含んでいてもよい。
【0102】
同様に好ましい様式において、いったん押出された粒子の形状または細かい粒子の形状である上述の添加剤組成物が得られると、本発明のプロセスは、添加剤組成物に調節剤化合物を添加する追加の工程を含んでいてもよく、ここで、該調節剤化合物は、グラフェン、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0103】
確実に好ましい様式において、該調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物であり得る。
【0104】
本発明のより好ましい実施態様において、本発明のプロセスは、以下の追加の工程を含む:
所定の量の細かい粒子の形状である上述の粒子状の添加剤組成物を用量化し、そして圧縮する工程、
そのように圧縮された添加剤組成物を、熱可塑性ポリマーベースであるプラスティック材料フィルムを用いてコーティングする工程であって、ここで、該プラスティック材料は、好ましくはポリエチレンであり、この結果カプセルが得られる工程。
【0105】
好ましくは、用量化の上述の工程は、添加剤組成物に、所定の量の液状調節剤化合物を添加する工程を含み、ここでより好ましくは、後者は、接着促進剤、蓄冷剤、可塑剤、リグニン、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0106】
確実に好ましい様式において、調節剤化合物は、合成、無機、または植物由来の化合物であり得、例えば該調節剤化合物は、植物由来のオイルであってもよく、より特には、植物由来の該オイルは脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステルの混合物であってもよい。
【0107】
より好ましくは、用量化の該工程のあいだ、添加剤組成物の該所定の量は、10g~20gのあいだである。
【0108】
換言すると、本発明のプロセスの好ましい実施態様において、プラスティック材料のフィルムによってコーティングされた細かい粒子の形状である該添加剤組成物を含むカプセルを得ることができる。
【0109】
優位には、カプセルの形状の該添加剤組成物は、高性能なビチューメンコングロメレートの配合のために特に適しており、実際、該カプセルは、例えばビチューメンおよび骨材などのビチューメンコングロメレートの配合のために必要な追加の成分と混合されることにより効果的に添加され得る。
【0110】
特には、カプセルの形状の該添加剤組成物が加熱された骨材およびビチューメンに添加される場合、該プラスティック材料のフィルムは、好都合なことに溶融し、そして崩壊し、混合の工程のあいだに、添加剤の粒子が効果的にビチューメンコングロメレートの配合に直接的に、効果的に分散することを可能にする。
【0111】
コングロメレート配合への直接的な分散の該手順は、従来技術における添加剤のビチューメンへの分散のプロセスと比較した場合に、短時間、一般的には60秒より短いか等しいで行われ、これは、実用面だけでなく、顕著なエネルギーおよびコスト節約という注目に値する優位性をもたらす。
【0112】
さらに、所定の、適切に用量化された量の添加剤組成物を含むカプセルとしての祖の形状にまさに起因して、本実施態様は、粉末または粒子の形状、すなわちカプセルの形状ではない形状の添加剤組成物と比較して、同様により容易に、例えば空圧式用量化装置を用いて用量化される、ビチューメンコングロメレートのための添加剤を提供することを可能にしている。
【0113】
上述された技術的課題はまた、道路舗装のためのビチューメンコングロメレートに混合されることが意図されており、および、該ビチューメンコングロメレートの機械的特性を改善するために適切である、上述のプロセスによって得られ得る、少なくとも一つのポリオレフィン熱可塑性ポリマーおよびポリビニルブチラール(PVB)を含む、添加剤組成物によって解決された。
【0114】
好ましくは、上述の添加剤組成物は、190℃の温度で、2.16kgのロードを用いてISO 1133の方法にしたがって測定された、1g/10分間より高いかまたは等しい、より好ましくは、1.5g/10分間~2.5g/10分間のあいだの、さらにより好ましくは、2g/10分間~2.5g/10分間のあいだのメルトフローインデックスを有する。
【0115】
特には、本発明の添加剤組成物を特徴付ける特定のメルトフローインデックスにまた起因して、後者は、例えばビチューメンおよび骨材などのビチューメンコングロメレート混合物の配合のために必要な追加の成分中に効果的に分散されることが可能であることが発見され、これは、組成物の実用的な使用に関して有利であることをもたらす。
【0116】
加えて、コングロメレート混合物中の添加剤組成物の高い均一性および分散性が達成され得るため、添加剤組成物は、改変するためにコングロメレート混合物を使用することによって工場された機械的特性を有する道路舗装を得ることを可能にしている。
【0117】
より特には、該工程c)に関連して、洗浄および分離である上述の工程c)において分離されたプラスティック材料の該一部が、DIN 55990の手順にしたがって測定される、0.70kg/m3~0.90kg/m3のあいだの平均の密度を有する場合、得られた添加剤のメルトフローインデックスが、190℃の温度で、2.16kgのロードを用いてISO 1133の方法にしたがって測定される、1.5g/10分間~2.5g/10分間のあいだに含まれることが発見された。
【0118】
本発明のプロセスに関連して上記で説明されたように、上述の添加剤組成物は以下の優位点を有している:
現在の技術水準によるプラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収しないまたは回収可能でないプラスティック材料の混合物由来の材料を含んでおり、これは、ごみ処分場への廃棄またはエネルギー回収プロセスが意図されるしかなかった廃棄物材料の回収および再使用を可能にする。
リサイクル可能な廃棄物由来のプラスティック材料の残渣、特には廃棄物分別によって収集された該リサイクル可能な廃棄物の処理の残渣であり得る、プラスティック材料の第2の混合物由来の材料を含み得る。
回収されたポリビニルブチラールを含み得、これは経済的および環境的観点の両方からのさらなる優位性をもたらし得る。
応用における必要性に依存して、例えばそれが添加され得るビチューメンコングロメレート混合物の所望の機械的特性に依存して、選択され得る種々のプラスティック材料の混合物を含み得る。
従来技術による類似の添加剤よりも顕著に低い融点をそれぞれ有するプラスティック材料の混合物を含み得、これにより、ビチューメンコングロメレートの調合時、道路への敷設の直前に、直接的に、ビチューメンおよび骨材と混合されることが可能である。
ビチューメンコングロメレート混合物の内部への容易な分散を保証する粒子サイズを有し、これは、いったんそれが広がり、および固化されたならば、まさにコングロメレート混合物中での添加剤組成物の均一な分散により、向上された機械的特性を有する道路舗装の形成をもたらす。
【0119】
本発明の特徴および優位性は、以降で限定のためではなく説明のために開示されるいくつかの実施形態によってさらに協調されるであろう。
【0120】
詳細な説明
高性能なビチューメンコングロメレート、ビチューメンまたはビチューメン製品のための添加剤組成物を製造するための本発明のプロセスを行うための方法の概要が以下に示されている。特には、実施例3において、本発明の添加剤組成物を用いることによって得られたビチューメンコングロメレートに関する機械的特性が評価されている。
【0121】
実施例1:本発明のプロセスにしたがい添加剤組成物を得る
一般廃棄物などの収集のプラットフォームとして、廃棄物分別によって収集されないプラスティック材料の混合物を含む、主としては、例えばおもちゃ、プラスティック材料で作製されている筆記用具、フリップフロップ、プラスティック製の容器およびバスケット、フルーツ籠、パイプ、プラスティック製の机および椅子、園芸家具、バケツ、洗面器および洗面ボール、オーディオカセットのケースなどの現在の技術水準にしたがったプラスティック材料のリサイクルチェーンにおいては回収され得ないプラスティック材料で形成されている製品由来の固体残渣を含む、廃棄物が予め詰められたオープントップコンテナがオペレーターに提供された。
【0122】
周知のように、上述の製品はポリオレフィン熱可塑性ポリマー、具体的にはポリエチレンおよびポリプロピレンベースのプラスティック材料で主に作られている。
【0123】
ハードプラスティックを主に含むプラスティック材料で形成された残渣をオペレーターがオープントップコンテナから、PVCからなる留分または物品(ケーブルおよびラミネート)および例えば木、ティッシュおよび金属などの二次的な望ましくない材料の留分を入れてしまうことを可能な限り避けながら取り出した。
【0124】
このようにして取り出されたプラスティック材料がオープントップコンテナに貯められ、プラスティック材料の混合物を含む混合廃棄物材料が提供され、後者は、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含んでいる。
【0125】
混合廃棄物材料は、PVCで構成されているさらなる留分および二次的な望ましくない材料の留分を始めに除去するためにベルトコンベアに載せられた。
【0126】
次に、混合廃棄物材料が、材料を約60mmの大きさまで小さくする第1の粉砕工程のために、一軸廃棄物粉砕機に送られた。
【0127】
該第1の粉砕工程は、より取扱いが簡単であり、続く処理のために均一な粒子サイズを有する混合廃棄物材料を得ることを可能にする。
【0128】
次に、粉砕された材料が、磁力で操作される分離のステーションへとベルトコンベア上で供給された。
【0129】
続いて鉄の留分が該廃棄物が混合された材料から分離され、この手順の後、材料の総重量の約3%の重量損失が記録された。
【0130】
これにより鉄が除去された混合廃棄物材料が、ベルトコンベアによって、アルミニウム、ステンレス、および銅を含む非磁性金属を分離することが可能な誘導電流分離器へと供給された。
【0131】
非鉄金属残渣を除去する該工程の後、材料の総重量の約2%のさらなる重量損失が記録された。
【0132】
ベルトコンベアによって、金属を含まない材料が洗浄および分離セクションへと送られた。
【0133】
目的の材料と共に、洗浄および密度分離の工程を行うためにアレンジされたタンク中に、混合廃棄物材料が、ポリオレフィン熱可塑性ポリマーベースの少なくとも一つのプラスティック材料を含むプラスティック材料の第2の混合物と共に供給された。
【0134】
プラスティック材料の第2の混合物は、プラスティック材料または複合材料で作製され、廃棄され、およびプラスティックの廃棄物分別に基づいた収集物から回収されたリサイクル可能な廃棄物の回収のプロセスからのくずの形状であった。
【0135】
プラスティック材料の第2の混合物の重量は、それが添加された、金属が除去された混合廃棄物材料の総重量の25重量%に対応していた。
【0136】
そのままの、および/または、プラスティック材料に混合されたミネラルチャージによって増強された可能性のある第2の混合物を構成しているプラスティック材料におけるポリオレフィンの重量パーセントは、後者の乾燥重量の85重量%よりも多かった。
【0137】
混合廃棄物材料は、したがって、プラスティックのリサイクル手順由来の純粋なポリオレフィンで富化され、そしてそれらと混合された。
【0138】
興味の対象であるポリオレフィン材料(特には、ポリエチレンおよびポリプロピレン)で富化された混合廃棄物材料は、最も大きな分子量を有する成分から、特にはプラスティック材料の残渣から、1.1kg/m3より高い密度を有する、特に興味の対象であるプラスティック材料、すなわち高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよびポリプロピレンよりも高い密度値を有する水溶液だけではなく、該混合廃棄物材料中に含まれるより低い密度の、かつ興味の対象のプラスティック材料の密度よりは高い密度値を有するプラスティック材料を使用して、密度分離の技術を用いて分離された。
【0139】
上記にリストされた材料と共に、得られた特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部は、ポリスチレンおよび発泡ポリスチレンを含んでいた。
【0140】
非プラスティックの不活性材料および1.1kg/m3より高い密度をもつプラスティック材料、例えばナイロンロープまたは塩化ポリビニルおよび/またはポリエチレンテレフタレート残渣などが、傾斜法を可能にし、タンクの底に沈殿した。
【0141】
そのように分離された最も高い密度の材料の一部の重量は、洗浄および分離タンクに導入された混合廃棄物材料の総重量の約21重量%に対応した。
【0142】
タンクの上部分には、水よりも少し上に配置されている櫛状の突起のお陰で、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の残渣は容易に、一緒に詰まってしまう可能性のあるより高い密度の材料の残渣から分離された。櫛型の突起はまた、水出口に配置されているドレイン蓋に対応しているタンクのゾーンへと浮遊材料を移動させた。
【0143】
蓋を用いて、特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部がさらなる粉砕の工程へと送られ、一方、材料のサイズは、湿式粉砕機を使用して約13mmまで小さくされた。粉砕された材料は、コンテナ内に収集された。
【0144】
粉砕され、および収集された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の部分は、その後材料を乾燥させるための横型遠心分離機に送られ、そして、具体的には、材料は、ホッパーに導入され、そして、その後穴が開けられており、その内部には非常な高速で回転させられる、したがって強加速度を材料にかけることのできるブレードローターのあるバスケット内に運搬され、残渣の水分は穴あきバスケットの穴から排出された。
【0145】
このように一部の水蒸気が除去されたプラスティック材料が、この後、ファンを用いて乾燥された。
【0146】
このように乾燥された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部は、以下の表1に示されている組成および物理的特徴を有していた。
【0147】
【表1】
【0148】
得られた特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の部分は、したがって、UNI規格 10667-16によって提供/要求される特徴を有し、したがって、これは、押出プロセスおよび/または射出形成のための母体として使用可能であった。
【0149】
加えて、乾燥された特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の一部は、以下の表2に示されている物理的および流動学的特性をもっていた。
【0150】
【表2】
【0151】
乾燥材料は、20立方メートル用量の混合サイロ内に圧気輸送によって送られ、その中で、それは、ホモジナイズされ、および、ポリビニルブチラールベースの使用済みの回収材料として提供されるリサイクルされた材料、特には総重量に対して90重量%と等しい量のポリビニルブチラールを含むリサイクルされた材料と混合された。
【0152】
添加されたリサイクル材料の重量は、特徴的な平均密度を有する乾燥されたプラスティック材料の部分の総重量の10重量%に対応した。
【0153】
ホモジナイズおよび混合のあいだ、材料は、約5mmの粒子サイズに到達するまで、ナイフ粉砕機を用いた室温での粉砕に付された。
【0154】
最後に、そのようにして得られた材料は、次の粉砕の工程に送られ、そして、ディスクグラインディングチャンバーへとフィードされ、そこで、粉砕され、そしてそこでは、粒子サイズがディスク間の距離によって決定された。このような距離は、グラインディングチャンバーの外側から調節可能である。
【0155】
このようにして得られた添加剤混合物は、以下の表3に示される組成および物理的特徴を有していた。
【0156】
【表3】
【0157】
得られた特徴的な平均密度を有するプラスティック材料の部分は、UNI規格 10667-14によって提供/要求される特徴を有し、したがって、それは、リサイクルポリマー材料と、例えばセメントモルタル中、ビチューメン中、およびアスファルト中の例えば骨材などの他の材料と、の混合物として使用され得た。
【0158】
最終的に、添加剤混合物は、本発明の添加剤組成物を含む、結果として得られる添加剤混合物に特異的な特性を与えることのできるさらなる改変化合物およびさらなる改変化合物と混合するための空気再循環を備えるサイロに送られた。結果として得られた添加剤組成物は、道路のビチューメンコングロメレートのための改変剤として優位に用いられ得る。
【0159】
実施例2:本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物とのビチューメンコングロメレート混合物の調合
本実施例は、添加剤の調製ではなく、ビチューメンコングロメレート中の添加剤の特徴の評価に関する。
【0160】
実施例1の添加剤組成物を使用して、以下の表4に示されている成分の割合にしたがった組成を含む、直径100mmおよび厚さ約25mmの、適切な数のビチューメンコングロメレートのブリケットが研究室において調製された。
【0161】
【表4】
【0162】
表4に記載されている処方にしたがった全ての成分を含むビチューメンコングロメレートが研究室で、以下の手順を用いて、通常、工場においてビチューメンコングロメレートの製造に使用されているより大きなスケールの機械を機能的に再現している装置を用いて、調製された:
現在調製中のビチューメンコングロメレートを用いて作製したい道路舗装に基づいて粒度分布曲線を選択すること、
上記の粒度分布曲線にしたがって骨材、本例では表4の骨材を選択すること、および、ミキサーの中で170~180℃の温度まで骨材を加熱すること、
適切な量の添加剤組成物を添加することと、ブレンドを得るためにその後40~60秒のあいだ混合すること、
適切な量、本例では表4に記載の量のビチューメンをブレンドに添加すること、その後少なくとも20~30秒のあいだ混合すること、
適切な量、本例では表4に記載の量のフィラーをブレンドに添加すること、その後(EN 12697-35に示されているように)少なくとも5分間混合すること、ビチューメンコングロメレートの均一なブレンドを得ること。
【0163】
特には、ブレンドはそれを処理する全てのステップのあいだ、170~180℃のあいだの温度に維持された。
【0164】
得られたビチューメンコングロメレートのブレンドは、粘性の外観を有する、骨材が均一に分散されている単一のビチューメンベース分散相として現れた。
【0165】
得られたビチューメンコングロメレートのブレンドは、その後ミキサーから取り出され、コンテナ中に約1210gと等しい量で用量化され、そしてその後、約3時間150℃の温度でオーブンでコンディショニングされた(コンディショニングは、運搬条件をシミュレーションするためだけに行われた)。
【0166】
得られたビチューメンコングロメレートは、オーブンでのコンディショニングの工程の後、テンプレート内に挿入された。その後、約2.5%の空隙率を得るために、ジャイレトリー式締固め機を用いて締固めが行われた(ジャイレトリー式締固め機の代替として目的に適した任意の他の種類のコンパクタ、例えばマーシャルコンパクタなどを使用することが可能である):
締め固め圧力:600kPa、
旋回角度:1.25°、
最大密度:2400kg/m3
【0167】
適切な数のブリケットが機械的試験を行うために作製され、そして最終的に、該ブリケットが機械的試験を行うための適切なコンディショニングのために気候チャンバー内に配置された。
【0168】
実施例3:機械的試験の実施
本実施例は、添加剤の調製ではなく、ビチューメンコングロメレート中の添加剤の特徴の評価に関する。
【0169】
再現性のある結果を得るために適切な数のブリケットがそれぞれ、指定の試験用バスケットの機械プレスの中に収容され、その後、UNI EN 12697-23の手順にしたがって引張強さ試験が行われた。
【0170】
機械的特性の評価は、間接引張強度(ITS)を用いて行われた。ITSは、道路舗装によって許容され得る、車の通過によって生み出される最大圧力をシミュレーションしている。間接引張強度は、相対的なパラメータITSを通じて評価された。
【0171】
各試験の結果の平均は、本発明の添加剤組成物を用いることによって得られ得るコングロメレートと関連するITS(MPa)を示し、これは、従来の添加剤を用いて得られ得るビチューメンコングロメレートと比較して同等かまたはそれより高いという完全に満足のいく結果であった。
【0172】
その後、曲げ剛性率を測定するための試験が行われ、これは、車のタイヤの轍エリアから道路表面に及ぼされる負荷をその上部構造内で伝播するビチューメンコングロメレートの能力を意味している。
【0173】
再現性のある結果を得るために適切な数のブリケットが、動的試験のための空気サーボシステムの指定のハウジング状に配置され、これは、続いて、温度制御のための気候セル内に配置され、その後、曲げ剛性率の測定のための試験が、UNI EN 12697-26の手順にしたがって行われた。
【0174】
曲げ剛性率の測定のために使用された試験条件は以下のとおり:
温度:可変、
課せられた水平応力:5μm、
ピーク時間:124ms(周波数 2Hz)、
ポアソン比:0.35。
【0175】
各試験の結果の平均は、本発明の添加剤組成物を用いることによって得られ得るコングロメレートと関連する、種々の温度(T=5℃、T=20℃、およびT=40℃)でのサンプルの剛性(MPa)を示し、これは、従来の添加剤を用いて得られ得るビチューメンコングロメレートと比較して同等かまたはそれより高いという完全に満足のいく結果であった。
【0176】
上記の試験はしたがって、本発明のプロセスによって得られ得る添加剤組成物の、高い機械的性能をもつビチューメンコングロメレート混合物を得るための絶対的な効果を示しており、その結果得られたビチューメンコングロメレートは、耐性および稼働性の道路舗装を提供するために使用され得る。
【国際調査報告】