(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-15
(54)【発明の名称】水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置
(51)【国際特許分類】
A01G 31/04 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
A01G31/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566129
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(85)【翻訳文提出日】2021-11-06
(86)【国際出願番号】 CN2019100931
(87)【国際公開番号】W WO2020232846
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】201910432944.9
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517149405
【氏名又は名称】福建省中科生物股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】FUJIAN SANAN SINO-SCIENCE PHOTOBIOTECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Photoelectric Industrical Park, Hengshan Village, Hutou Town, Anxi County Quanzhou, Fujian 362411, CN
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】饒 振文
(72)【発明者】
【氏名】黄 陽印
(72)【発明者】
【氏名】劉 甘霖
【テーマコード(参考)】
2B314
【Fターム(参考)】
2B314NA13
2B314PB03
(57)【要約】
水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置であって、シャーシ(1)と、反復水平移動手段(2)と、ジャッキアップ手段(3)と、真空吸着手段(4)とを含み、反復水平移動手段(2)はシャーシ(1)に設けられ、ジャッキアップ手段(3)はシャーシ(1)に摺動接続され、反復水平移動手段(2)の出力端子はジャッキアップ手段(3)に固定接続され、ジャッキアップ手段(3)の出力端子は真空吸着手段(4)に固定接続される。本装置は、反復水平移動手段によりジャッキアップ手段を押し、真空吸着手段を栽培板における栽培孔の真下まで移動させ、ジャッキアップ手段により真空吸着手段を上昇駆動させることにより、真空吸着手段の出力端子が栽培孔を通過して水耕栽培植物のひげ根に接触して、ひげ根を真空引きロッドに吸着密着させ、ジャッキアップ手段により取り戻し、それにより、ひげ根が栽培板にかからずに、順調に栽培孔内に入り、ひげ根が腐らないようにし、それにより、水耕栽培植物の安定成長を保証する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置であって、
真空吸着手段とジャッキアップ手段とを含み、前記真空吸着手段は、ジャッキアップ手段の駆動下で栽培板に沿って上下移動し、該真空吸着手段は、栽培板の上方に付着した植物根系を集めて栽培孔内に入れる、ことを特徴とする水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【請求項2】
水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置であって、
真空吸着手段と、シャーシと、反復水平移動手段と、ジャッキアップ手段とを含み、前記反復水平移動手段はシャーシに設けられ、前記ジャッキアップ手段はシャーシに摺動接続され、前記反復水平移動手段の出力端子はジャッキアップ手段に固定接続され、前記ジャッキアップ手段の出力端子は真空吸着手段に固定接続され、前記真空吸着手段の出力端子は上に向いて設けられる、ことを特徴とする水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【請求項3】
前記真空吸着手段は、複数本の真空引きロッドと、真空引き装置と、取付台とを含み、前記真空引きロッドは、真空引き装置上に配列して設けられ、前記真空引き装置は、取付台に設けられ、前記取付台は、ジャッキアップ手段の出力端子に固定接続される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置
【請求項4】
前記真空引きロッドは、円筒状であり、前記真空引きロッドには、複列の小さい吸着孔が設けられ、前記真空引きロッドには、方向調整ロックナットが設けられ、前記方向調整ロックナットは、真空引き装置に設けられる、ことを特徴とする請求項1又は3に記載の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【請求項5】
前記ジャッキアップ手段は、接合板と、接合板に設けられるジャッキアップシリンダーとを含み、前記接合板は、シャーシに摺動接続され、前記接合板の一端は、反復水平移動手段の出力端子に設けられ、前記ジャッキアップシリンダーの出力端子には、真空吸着手段に固定接続されるフローティングジョイントが設けられる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【請求項6】
前記接合板の両端には、前記真空吸着手段に固定接続される対称的なガイドロッドが設けられ、前記ジャッキアップシリンダーは、2つのガイドロッドの間に位置し、反復水平移動手段の出力端子に固定接続されるように、前記接合板は、ジャッキアップシリンダーと一方のガイドロッドとの間に同期ベルト固定ブロックが設けられる、ことを特徴とする請求項1又は5に記載の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【請求項7】
前記反復水平移動手段は、モーターと2つの同期プーリとを含み、前記モーターはシャーシに設けられ、一方の前記同期プーリは、モーター出力端子に設けられ、他方の前記同期プーリは、シャーシに設けられ、且つモーターの位置と対称的であり、前記同期プーリには、1本の同期ベルトが設けられ、前記同期ベルトの一部は、ジャッキアップ手段に設けられる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【請求項8】
前記シャーシには、同期ベルトに平行する2本のガイドレールが設けられ、前記ガイドレールには、嵌合するガイドレールスライダーが設けられ、前記ガイドレールスライダーはジャッキアップ手段に固定接続される、ことを特徴とする請求項1又は7に記載の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水耕栽培技術分野に関し、特に水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水耕栽培は、新規の植物土なし栽培方法であり、栄養液栽培とも呼ばれ、その核心は、植物の根系を直接栄養液に浸潤させるものであり、この栄養液は、土壌に取って代わることができ、植物に水分、養分、酸素などの成長因子を供給し、植物を正常に成長させることができる。
【0003】
従来技術には、株分けの過程で、水耕栽培されている植物のひげ根が生い茂っており、栽培板に入る過程に、一部のひげ根が栽培孔の外にかかって栽培板に残り、ひげ根が腐りやすく、水耕栽培植物の成長に影響を与えるという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのためには、各構造の合理的なレイアウトと協働によって、水耕栽培植物の根系が栽培板にかからずに、順調に栽培孔内に入り、それにより、水耕栽培植物の安定成長を確保する水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置を提供し、水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置は、シャーシと、反復水平移動手段と、ジャッキアップ手段と、真空吸着手段とを含み、前記反復水平移動手段はシャーシに設けられ、前記ジャッキアップ手段はシャーシに摺動接続され、前記反復水平移動手段の出力端子はジャッキアップ手段に固定接続され、前記ジャッキアップ手段の出力端子は真空吸着手段に固定接続され、前記真空吸着手段の出力端子は上に向いて設けられる。その水耕栽培植物の根系が栽培板にかからずに、順調に栽培孔内に入り、それにより、水耕栽培植物の安定成長を確保する。
【0006】
さらに、前記真空吸着手段は、複数本の真空引きロッドと、真空引き装置と、取付台とを含み、前記真空引きロッドは、真空引き装置に配列して設けられ、前記真空引き装置は、取付台に設けられ、前記取付台はジャッキアップ手段の出力端子に固定接続される。複数の水耕栽培植物のひげ根を同時に吸着できる。
【0007】
さらに、前記真空引きロッドは、円筒状であり、前記真空引きロッドには、複列の小さい吸着孔が設けられ、前記真空引きロッドには、方向調整ロックナットが設けられ、前記方向調整ロックナットは、真空引き装置に設けられる。水耕栽培植物のひげ根を傷つかずに吸着でき、ニーズに応じて方向を調整できる。
【0008】
さらに、前記ジャッキアップ手段は、接合板と、接合板に設けられるジャッキアップシリンダーとを含み、前記接合板はシャーシに摺動接続され、前記接合板の一端は反復水平移動手段の出力端子に設けられ、前記ジャッキアップシリンダーの出力端子には、真空吸着手段に固定接続されるフローティングジョイントが設けられる。安定上昇構造により、真空吸着手段が上下移動して根入れを補助する。
【0009】
さらに、前記接合板の両端には、前記真空吸着手段に固定接続される対称的なガイドロッドが設けられ、前記ジャッキアップシリンダーは、2つのガイドロッドの間に位置し、反復水平移動手段の出力端子に固定接続されるように、前記接合板は、ジャッキアップシリンダーと一方のガイドロッドとの間に同期ベルト固定ブロックが設けられる。ジャッキアップ手段が水平面を移動できるようにする。
【0010】
さらに、前記反復水平移動手段は、モーターと2つの同期プーリとを含み、前記モーターはシャーシに設けられ、一方の前記同期プーリは、モーター出力端子に設けられ、他方の前記同期プーリは、シャーシに設けられ、且つモーターの位置と対称的であり、前記同期プーリには、1本の同期ベルトが設けられ、前記同期ベルトの一部は、ジャッキアップ手段に設けられる。ジャッキアップ手段が水平面を反復移動できるようにする。
【0011】
さらに、前記シャーシには、同期ベルトに平行する2本のガイドレールが設けられ、前記ガイドレールには、嵌合するガイドレールスライダーが設けられ、前記ガイドレールスライダーはジャッキアップ手段に固定接続される。ジャッキアップ手段がより安定かつ安全に移動できるようにする。
【発明の効果】
【0012】
上記技術的解決手段は、従来技術と異なり、以下の有益な効果を有する。
【0013】
1、本発明では、反復水平移動手段によりジャッキアップ手段を押し、真空吸着手段を栽培板における栽培孔の真下まで移動させ、ジャッキアップ手段により真空吸着手段を上昇駆動させることにより、真空吸着手段の出力端子が栽培孔を通過して水耕栽培植物のひげ根に接触して、ひげ根を真空引きロッドに吸着密着させ、ジャッキアップ手段により取り戻し、それにより、ひげ根が栽培板にかからずに、順調に栽培孔内に入り、ひげ根が腐らないようにし、それにより、水耕栽培植物の安定成長を保証する。
【0014】
2、本発明では、真空引きロッドに複列の小さい吸着孔が開けられることにより、単一の小さい吸着孔のみがある場合、一部のひげ根が詰まられるため、全てのひげ根が吸着できず、一部のひげ根が栽培板にかかってしまうという問題を効果的に防止する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】は、本発明の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置の構造模式図である。
【
図2】は、本発明の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置の分解構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
技術案の技術内容、構造特徴、実現される目的および効果を詳細に説明するために、以下に具体的な実施形態を併せて図面に関して詳細に説明する。
【0017】
図1~
図2を参照すると、本実施例の水耕栽培の株分け用の根入れ補助装置は、シャーシ1を含み、前記シャーシ1は、2つの短い支持板、及び短い支持板に固定して取り付けられる2つの長い支持板からなる長方形フレームを含み、前記長い支持板には、ガイドレール101が設けられ、ガイドレール101には、嵌合するガイドレールスライダー102が設けられる。前記駆動手段は、反復水平移動手段2と、ジャッキアップ手段3と、真空吸着手段4とを含み、前記反復水平移動手段2は、シャーシ1の短い支持板に設けられ、前記ジャッキアップ手段3は、シャーシ1の2つの長い支持板のガイドレールスライダー102に固定接続され、前記反復水平移動手段2の出力端子は、ジャッキアップ手段3に固定接続され、前記ジャッキアップ手段3の出力端子は、真空吸着手段4の下端に固定接続され、前記真空吸着手段4の出力端子は、上に向いて設けられ且つ栽培板5に垂直であり、前記ジャッキアップ手段3は、真空吸着手段4が上昇して栽培板5を貫通して水耕栽培植物のひげ根を吸着するように駆動する。
【0018】
本実施例では、前記真空吸着手段4は、複数本の真空引きロッド405と、真空引き装置402と、取付台401とを含み、前記取付台401の中心位置の下端は、ジャッキアップ手段3の出力端子にナットを介して固定接続され、前記真空引き装置402の下端全体は、取付台401に設けられ、前記真空引きロッド405は、真空引き装置402上に配列して設けられ、且つ配列の間隔距離は、栽培板5における栽培孔の間隔距離と一致し、前記真空引きロッド405は、円筒状であり、前記真空引きロッド405には、複列の小さい吸着孔404が設けられ、前記真空引きロッド405の底端には方向調整ロックナット403が設けられ、前記方向調整ロックナット403は、真空引き装置402に設けられる。
【0019】
本実施例では、前記ジャッキアップ手段3は、接合板302と、接合板302に設けられるジャッキアップシリンダー301を含み、前記接合板302の両端は、シャーシ12つの長い支持板におけるガイドレールスライダー102に対応して接続され、且つ接合板302の両端には、前記真空吸着手段4における取付台401の対応する両端に固定接続される対称的なガイドロッド303が設けられ、前記ジャッキアップシリンダー301は、2つのガイドロッド303の間に位置し、接合板302の下方に設けられる。反復水平移動手段2の出力端子に固定接続されるように、前記接合板302は、ジャッキアップシリンダー301と一方のガイドロッド303との間に同期ベルト203固定ブロックが設けられ、前記ジャッキアップシリンダー301の出力端子には、真空吸着手段4における取付台401に固定接続される、真空吸着手段4を上下移動駆動できるフローティングジョイント304が設けられる。
【0020】
本実施例では、前記反復水平移動手段2は、モーター201と2つの同期プーリ202とを含み、前記モーター201は、L字型取付板を介してシャーシ1の短い支持板に設けられ、一方の前記同期プーリ202は、モーター201の出力端子に設けられ、モーター201は、該同期プーリ202を回転駆動させ、前記他方の同期プーリ202は、2つの固定板を介してシャーシ1の短い支持板に設けられ、該同期プーリ202の位置とモーター201の位置とは、対称的であり、前記同期プーリ202には、1本の同期ベルト203が設けられ、モーター201は、一方の同期プーリ202を駆動するとき、他方の同期プーリもともに回転し、前記同期ベルト203の上端の小さい部分は、接合板302における同期ベルト203固定ブロックを貫通して内部に設けられ、同期ベルト203は作動するとき、接合板302を移動させるようにする。
【0021】
具体的に作動とき、その栽培板5を該装置に置き、次に反復水平移動手段2におけるモーター201は、出力して同期プーリ202を回転駆動させ、その同期ベルト203を水平面において伝動させ、それにより、取付台401がジャッキアップ手段3全体を真空吸着手段4とともに栽培板5の栽培孔の下まで移動させるように引くようにし、ジャッキアップ手段3におけるジャッキアップシリンダー301は、出力してその取付台401を押して真空引き装置402を上へ移動させ、その真空引きロッド405を栽培板5における栽培孔から水耕栽培植物のひげ根まで接触させるように延出させ、次に、真空引き装置402は、起動して、その真空引きロッド405に吸力を発生させ、ひげ根をすべて真空引きロッド405の小さい吸着孔404に吸着させ、次にジャッキアップ手段3におけるジャッキアップシリンダー301によりひげ根を取り戻し、その真空引きロッド405は、ひげ根を下へ移動させて栽培板5における栽培孔を通過させ、次に真空引き装置402は、作動を停止して、その真空引きロッド405にひげ根を解放させ、水耕栽培植物のひげ根をすべて栽培孔に入れることができ、水耕栽培植物が安定して成長できることを確保する。
【0022】
なお、本明細書では、第1および第2のような関係用語は、1つのエンティティまたは動作を他のエンティティまたは動作と区別するためにのみ使用されためのものに過ぎず、これらのエンティティまたは動作の間にこのような実際的な関係または順序が存在することを必ずしも要求しない、または暗示しない。さらに、用語の「含む」、「備える」、またはその何らの他の変形は、非排他的な「含んでいる」を意図しており、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、その要素だけでなく、具体的に列挙されていない他の要素をさらに含み、またはこのプロセス、方法、物品または装置の固有の要素を含むようにする。より多くの制限がない場合、「…を含む」とまたは「備える」という文言によって限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品、または装置において、さらに他の同じ要素が存在することを排除するものではない。さらに、本明細書では、「大きい」、「小さい」、「超える」などは、この数を含まないと理解される。「以上」、「以下」、「以内」などは、この数を含むと理解される。
【0023】
上記の各実施形態について説明したが、当業者が基本的な進歩性概念を知ると、これらの実施形態に対して追加的な変更と修正を行うことができるので、上記は本発明の実施例に過ぎず、本発明の特許保護範囲を限定するものではない。本発明の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造または等価フロー変換、または他の関連技術分野に直接的または間接的に適用されるものは、同様に本願の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0024】
1、シャーシ、101、ガイドレール、102、ガイドレールスライダー、2、反復水平移動手段、201、モーター、202、同期プーリ、203、同期ベルト、3、ジャッキアップ手段、301、ジャッキアップシリンダー、302、接合板、303、ガイドロッド、304、フローティングジョイント、4、真空吸着手段、401、取付台、402、真空引き装置、403、方向調整ロックナット、404、小さい吸着孔、405、真空引きロッド、5、栽培板
【国際調査報告】