(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(54)【発明の名称】モジュール化された触媒コンバータ及び触媒コンバータの効率を向上させる方法
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20220721BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
F01N3/28 J
F01N3/28 P
B01D53/94 280
B01D53/94 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567783
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 NO2020050127
(87)【国際公開番号】W WO2020236007
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521443117
【氏名又は名称】ヴェストランデッツ イノバスジョンセルズカップ エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ネルハイム,ラース マグネ
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
【Fターム(参考)】
3G091AB01
3G091BA15
3G091CA03
3G091HA08
4D148AA18
4D148AB01
4D148CA06
4D148CC32
4D148CC33
4D148CC43
4D148CC53
4D148CC57
(57)【要約】
【課題】 効率的且つコンパクトな触媒コンバータを提供することである。
【解決手段】 触媒コンバータモジュールアセンブリ(30)は、ガス(E)が連続する触媒コンバータモジュール(1
1、1
2、…1
n)を通して供給され得るように、直列に配置された複数の触媒コンバータモジュール(1
1、1
2、…1
n)を含む。各触媒コンバータモジュール(1)は、ガス(E)と流体接触するように配置及び構成された1つ以上の触媒コンバータ部材(2a)を有する触媒コンバータ(2)と、触媒コンバータ(2)の近く及び上流に配置された熱発生器(3)とを含む。熱発生器(3)及び触媒コンバータ(2)は、流体連通して配置され、単一の装置を形成するように接続手段(6)によって相互接続される。本発明は、ガスが触媒コンバータ(2)又は触媒コンバータ部材(2a)に曝される直前に、熱発生器を通過して流れるガス(E)を加熱することを可能にし、それによって触媒コンバータの効率が高められる。本発明は、排気ガス中のメタン、一酸化炭素、又は窒素酸化物などの非燃焼炭化水素を浄化するのに特に有用である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する触媒コンバータモジュール(1
1、1
2、…1
n)を通してガス(E)が供給され、段階的に処理され得るように、直列に配置された複数の触媒コンバータモジュール(1
1、1
2、…1
n)によって特徴付けられる、触媒コンバータモジュールアセンブリ(30)。
【請求項2】
触媒コンバータモジュール(1)は、
触媒コンバータ(2)であって、前記触媒コンバータによって処理されるガス(E)と流体接触するように配置された1つ以上の触媒コンバータ部材(2a)を有する、触媒コンバータ(2)と、
前記触媒コンバータ(2)に隣接してその上流に配置された電動式熱発生器(3)と
を含み、
前記熱発生器(3)及び前記触媒コンバータ(2)は、流体連通して配置され、単一の装置(モジュール)を形成するように接続手段(6)によって相互接続される、請求項1に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ(30)。
【請求項3】
前記熱発生器(3)は、前記触媒コンバータ(2)の上流に距離(X)をおいて配置され、ガス反応ゾーン(A)は、前記熱発生器内の少なくとも1つの加熱部材(3a)と前記1つ以上の触媒コンバータ部材(2a)との間に規定される、請求項1又は請求項2に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ。
【請求項4】
前記熱発生器(3)及び前記触媒コンバータ(2)はスクリーンタイプの設計を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ。
【請求項5】
断熱導管(7)の内部に配置される、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ。
【請求項6】
前記熱発生器(3)は1つ以上の加熱部材(3a)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ。
【請求項7】
前記熱発生器(3)は1つ以上のタービュレータ(3b)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ。
【請求項8】
前記触媒コンバータモジュール(1
1、1
2、…1
n)は異なる触媒材料を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の触媒コンバータモジュールアセンブリ。
【請求項9】
熱機関(10)からの排気ガスを処理するための浄化アセンブリ(20)であって、
-前記熱機関(10)の排気ガス導管(11)に流体的に接続され、排気ガス(E)を受け取れるように配置された排気ガスタービン(21)と、
-前記排気ガス(E)を受け取り、前記ガスを加熱及び処理するように構成された、請求項1から8のいずれか一項に記載の触媒コンバータアセンブリ(30)と
によって特徴付けられる浄化アセンブリ。
【請求項10】
前記排気ガスタービン(21)によって駆動される発電機(24)を更に含む、請求項9に記載の浄化アセンブリ。
【請求項11】
前記触媒コンバータアセンブリ(30)は前記排気ガスタービン(21)の上流に配置される、請求項8又は請求項9に記載の浄化アセンブリ。
【請求項12】
前記触媒コンバータアセンブリ(30)は前記排気ガスタービン(21)の下流に配置される、請求項8又は請求項9に記載の浄化アセンブリ。
【請求項13】
前記熱機関(10)は内燃機関である、請求項8から12のいずれか一項に記載の浄化アセンブリ。
【請求項14】
局所的な熱発生器(3)を触媒コンバータ(2)又は触媒コンバータ部材(2a)の上流に距離(X)をおいて提供し、且つ、ガスが前記触媒コンバータ(2)又は前記触媒コンバータ部材(2a)に曝される直前に、前記熱発生器を通過して流れるガス(E)を加熱し、触媒コンバータモジュール(1)を通って流れるときに処理される前記ガスの入熱及び触媒接触面積を最適化するために前記熱発生器にエネルギーを与えることを特徴とする、触媒コンバータ(2)の効率を向上させる方法。
【請求項15】
ガスが連続する触媒コンバータモジュール1
1、1
2、…1
nを通過するときに、前記ガスを加熱(3)及び浄化(2)の段階に繰り返してかけることを特徴とする、ガス(E)を処理する方法。
【請求項16】
前記熱(3)は、システムの作動条件に応じて、温度プロファイルを恒久的又は一時的に最適化するような方式で発生する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスプラント、内燃機関、ガスタービン、ボイラなどの様々な産業プロセスからの排気ガス又は排煙、特に微量のメタンを含有するガスの熱処理に関する。より具体的には、本発明は、モジュールベースの触媒コンバータ、及び外部ソースから特別な方式で電気エネルギーを適用することによって触媒コンバータの効率を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス(NG)、バイオガス(BG)などのような様々なエネルギーガスには、主要なエネルギー運搬成分としてメタン(CH4)が含有されている。メタンベースの燃料は、その低汚染燃焼特性及び良好な低炭素含有量(生じるエネルギーの単位あたりの低CO2排出量)のために、様々なタイプの燃焼機械で人気が高まっている。
【0003】
しかし、メタンは非常に安定したガスであるため、発火と完全燃焼の両方が困難である。更に、最新の燃焼機械は、効率を向上させ、窒素酸化物(NOx)の形成(主に温度の問題)を制限するために、ほとんどの場合、空気過剰(「リーンバーン」)で作動する。この比較的低温の燃焼では、全ての(安定した)メタン燃料を完全に燃焼させることが困難であり得るため、少量の部分燃焼又は未燃焼炭化水素(UHC)、特にメタンが排気ガスと共に大気中に放出される可能性がある。
【0004】
近年、地球温暖化への懸念や様々なガスの「温室効果」への意識と共に、この「メタンスリップ」は通常は非常に小さいものではあるが、より懸念されるようになっている。これは、現在CO2の28倍と推定されているメタンの非常に強い温室効果によるものである。従って、あらゆる種類のメタン排出、特に燃焼機械の排気ガスにおけるメタン排出は、規制機関及び社会一般から急速に重大な注目を集めている。
【0005】
この「メタンスリップ」を排除するための効率的なタイプのメタン触媒の開発は、長年にわたって行われてきた。しかしながら、最新のガス燃焼概念の低い排気ガス温度と、酸化されるメタンの安定性との組み合わせは、今までのところ、燃焼機械で実際に使用するための成功した又は効率的なタイプのメタン排気触媒をもたらしていない。
【0006】
メタンを含有する「換気ガス」又は「ヒューム」の産業処理において、これらは通常、中温又は周囲温度であるため、このことは更に大きな問題である。
【0007】
従って、ほとんどの排気ガス浄化装置の効率はガス温度に依存する。触媒コンバータは、触媒が排気ガスとの反応を開始するために一定の最低温度を必要とする。フィルタやスクラバーなどのようなガス浄化装置の浄化効率も、排気ガスの温度に依存する。従来技術のシステムに関する1つの問題は、排気ガス温度が低すぎるため、浄化効率が低下することである。本発明の本質的な目的は、排気温度が低い用途におけるガス浄化装置(すなわち、触媒コンバータ)の効率(性能)を改善することである。
【0008】
従来技術は、内燃機関用の排気ガス制御システムを説明する特開平09-100715号を含む。このシステムは、排気通路の一部をバイパスする分岐通路を含む。排気切替弁は制御装置によって切り替えられ、電気加熱式触媒が通電すると、制御装置によって排気通路を遮断し、排気ガスが分岐通路を通って流れる。そして、発電機によって得られた電力を電気加熱式触媒に供給する。これにより、内燃機関の始動不良やバッテリの劣化を防ぐことができる。エンジンにおいて、排気通路の途中に、通路を流れる排気ガス流によって電力を発生する発電機を提供し、電気加熱式触媒が通電すると、発電機によって得られた電力を電気的に加熱する。そして、発電機は電気加熱式触媒に接続されている。
【0009】
従来技術はまた、限られた領域、例えば、車両トンネル、駐車場、又はその中の自動車両の運転の対象となるその他の限られた領域のための触媒コンバータを開示する米国特許第8992843号を含む。コンバータは、選択的触媒還元によって内燃機関の排気副産物を触媒する。触媒反応に必要な熱は、コンバータに提供された電熱器によって提供され、コンバータは熱を保持するために断熱されている。触媒コンバータは、ハウジング内に配置され、触媒コンバータ要素に隣接する少なくとも1つの電気加熱要素を含み、電気加熱要素は、実質的にハウジングの第1の端部から第2の端部まで延びる。加熱要素は、好ましくは、触媒コンバータ要素に直接隣接し、要素の加熱効率を最大化するために、断熱材と、触媒コンバータ要素を有するセラミックシェルとで囲まれている。加熱要素のための電力は、任意の適切な従来の手段によって提供されてもよい。
【0010】
従来技術はまた、触媒コンバータの上流に配設された電動リボンヒータを開示する特開平05-1525号を含む。アセンブリは、内燃機関の排気通路又はバイパスに装着され、リボンヒータが通電して、触媒を活性化温度に加熱する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特にUHC、とりわけメタンを含有するガスが大気に放出されるシステムにおける使用、及び、自動車、貨物自動車、航海船のためのエンジン室などの限られたスペースにおける使用のために、従来技術のものよりも効率的且つコンパクトな触媒コンバータを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、主請求項に記載され、特徴付けられており、従属請求項は、本発明の他の特徴を説明している。
【0013】
従って、ガスが連続する触媒コンバータモジュールを通して供給され、段階的に処理され得るように、直列に配置された複数の触媒コンバータモジュールによって特徴付けられる触媒コンバータモジュールアセンブリが提供される。触媒コンバータモジュールは、触媒コンバータによって処理されるガスと流体接触するように配置及び構成された1つ以上の触媒コンバータ部材を有する触媒コンバータを含み、触媒コンバータモジュールは、触媒コンバータに隣接してその上流に配置された熱発生器を更に含むことを特徴としており、熱発生器及び触媒コンバータは、流体連通して配置され、単一の装置(モジュール)を形成するように接続手段によって相互接続される。
【0014】
一実施形態において、熱発生器は、触媒コンバータの上流に距離をおいて配置され、ガス反応ゾーンは、熱発生器内の少なくとも1つの加熱部材と1つ以上の触媒コンバータ部材との間に規定される。上記距離はゼロであってもよく、その場合、熱発生器及び触媒コンバータは、共通のユニット(メッシュ)として互いに直接隣接して配置される。接続手段は、クランプアセンブリであってもよい。
【0015】
一実施形態において、熱発生器及び触媒コンバータは、スクリーンタイプの設計である。触媒コンバータモジュールは、好ましくは、断熱導管の内部に配置される。熱発生器は、1つ以上の加熱部材を含んでもよい。熱発生器は、1つ以上のタービュレータを含んでもよい。
【0016】
触媒コンバータモジュールは、異なる触媒材料を有してもよい。
【0017】
また、熱機関の排気ガス導管に流体的に接続され、排気ガスを受け取れるように配置された排気ガスタービンによって特徴付けられる、熱機関からの排気ガスを処理するための浄化アセンブリが提供され、本発明による触媒コンバータアセンブリは、排気ガスを受け取り、ガスを加熱及び処理するように構成されている。浄化アセンブリは、排気ガスタービンによって駆動される発電機を更に含んでもよい。一実施形態において、触媒コンバータアセンブリは、排気ガスタービンの上流に配置される。触媒コンバータアセンブリはまた、或いは追加的に、排気ガスタービンの下流に配置されてもよい。熱機関は、内燃機関であってもよい。
【0018】
また、局所的な熱発生器を触媒コンバータ又は触媒コンバータ部材(2a)の上流に距離をおいて提供し、且つガスが触媒コンバータ又は触媒コンバータ部材に曝される直前に、熱発生器を通過して流れるガスを加熱し、触媒コンバータモジュール(1)を通って流れるときに処理されるガスの入熱及び触媒接触面積を最適化するために熱発生器にエネルギーを与えることを特徴とする、触媒コンバータの効率を向上させる方法が提供される。上記距離はゼロであってもよく、その場合、熱発生器及び触媒コンバータは、共通のユニットとして互いに直接隣接して配置される。
【0019】
また、ガスが連続する触媒コンバータモジュールを通過するときに、ガスを加熱及び浄化の段階に繰り返してかけることを特徴とする、ガスを処理する方法が提供される。熱は、システムの作動条件に応じて、温度プロファイルを恒久的又は一時的に最適化するような方式で発生してもよい。
【0020】
本発明は、異なるタイプのメタン燃焼機械との包括的な関与、及び「メタンスリップ」の問題と効率的なメタン排気触媒の開発の両方に関する深遠な研究の結果である。これは、必要なエネルギー量を制限するために、電気的加熱を新しい方式で適用される追加のエネルギーとして使用して、排気流中のメタンに対して特に好ましい酸化条件を生成する、斬新で独創的なアプローチにつながった。この新しい概念は、他のタイプの酸化性排気触媒にも適用され得る。
【0021】
本発明は、ガスが触媒コンバータに曝される直前にガスの温度を上昇させるために、触媒コンバータの近くに配置された局所的な熱発生器を含み、これが組み合わさって局所的な高温反応ゾーンを生成する。
【0022】
本発明は、排気ガス又は換気ガス流中のメタン、一酸化炭素などのような非燃焼炭化水素を処理(浄化)するのに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のこれら及び他の特徴は、添付の概略図を参照して、非限定的な例として与えられた、本発明の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0024】
【
図1】本発明による触媒コンバータモジュールの実施形態の概略断面図であり、触媒コンバータユニットと組み合わせた熱発生器の典型的な配置を示す。
【
図2】単一のパッケージとして、一方が他方の下流に配置された、本発明による触媒コンバータモジュールのアレイを概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図1に対応する概略断面図であるが、乱流を誘発する熱発生器を有する実施形態を示す。
【
図4】触媒コンバータモジュールが、触媒コンバータ部材及び加熱部材が1つのユニットに組み合わされ、触媒コンバータ部材及び加熱部材が共通のメッシュ構造を形成するユニットを含む、本発明の代替実施形態を概略的に示す斜視図である。
【
図5】内燃機関に関連して使用される本発明による触媒コンバータモジュールを組み込んだシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明では、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「横(lateral)」、「前後(back and forth)」、「上下(up and down)」、「上部(upper)」、「下部(lower)」、「内側(inner)」、「外側(outer)」、「前方(forward)」、「後方(rear)」などのような用語を使用する場合がある。これらの用語は、一般に、図面に示され、本発明の通常の使用に関連する図及び方向を指す。これらの用語は、読者の便宜のためにのみ使用されており、限定するものではない。
【0026】
最初に
図1を参照すると、本発明の触媒コンバータモジュール1は、図示の実施形態において、触媒コンバータ2と、触媒コンバータ2の上流及び短い距離をおいて配置された熱発生器3とを含む。熱発生器3は、電力源(図示せず)に接続された抵抗線及び電源ケーブル8の形の1つ以上の加熱部材3aを有する、電動式熱発生器として示されている。加熱部材3aは、電気的に絶縁されたハウジング4内に配置されている。加熱部材3aは、任意のタイプの電気加熱源(例えば、正温度係数(PTC)要素又は抵抗線)であってもよいことを理解されたい。
【0027】
触媒コンバータ2は、複数の触媒コンバータ部材2aを含み、そのような部材自体は当分野で知られている。これらの触媒コンバータ部材は、フレーム5に配置され、触媒コンバータを通って流れるガスに曝されるようになっている。参照符号Aは、触媒コンバータ部材2aと加熱部材3aとの間の中心間距離を示し、触媒コンバータモジュール1内のガス反応ゾーンAを規定する。
【0028】
熱発生器3は、触媒コンバータ2に隣接して、その上流に距離Xをおいて配置され、接続手段6によって、ここではクランプアセンブリ6の形で、触媒コンバータ2に接続されている。図示されていないが、接続手段6は、ボルト、接着剤、及び/又は他の任意の結合手段を含んでもよく、図示されたクランプアセンブリに限定されないことを理解されたい。好ましい実施形態において、熱発生器3及び触媒コンバータ2は両方ともスクリーンタイプの設計であってもよいが、他の設計が考えられ得る。距離Xは、手元の用途に応じて寸法を決めてもよく、ゼロから数センチメートルの範囲にしてもよい。熱発生器3及び触媒コンバータ2の複合効果は、様々なパラメータに応じて浄化反応を一緒に生じさせ、その反応ゾーンAのサイズが重要である。スペーサ要素として規定され得る距離Xは、熱発生器及び触媒コンバータが正しい距離に維持されることを保証し、距離Xを変更することにより、反応ゾーンAの拡張を最適化してもよい。
【0029】
触媒コンバータモジュール1は、断熱ダクトであってもよい導管7の内部に配置されている。図示されていないが、導管7及び触媒コンバータモジュール1は、円形の断面又は長方形の断面を有してもよい。本発明は、断面形状に限定されないものとする。従って複数の触媒コンバータモジュール1
1、1
2、…1
nは、浄化効果を向上させるために、
図2に示されるようにアレイ(アセンブリ)30において一方が他方の下流に配置されてもよい。1つ以上の個別の触媒コンバータモジュール1
nは、浄化又は検査の目的、交換などのために取り外されてもよい。またアレイ(アセンブリ)30は、用途に応じて、異なる特性(例えば、触媒材料)を有する触媒コンバータモジュールを含んでもよい。
【0030】
図2に示されるような触媒コンバータモジュール1の「積層(stacking)」は、温度、滞留時間、流動条件、触媒材料などのような重要な反応パラメータの所与の排気処理プロセスへの最適化を可能にし得る。排気ガスは、連続する触媒コンバータモジュール1
1、1
2、…1
nを通過するときに、加熱及び浄化の段階に繰り返してかけられる。
【0031】
使用中、未処理の排気ガスEは、熱発生器3に入り、そこで非常に限られた軸方向距離のゾーンで高い局所温度に曝され、その直後に、触媒コンバータ2の触媒コンバータ部材2aと接触する。
図1の矢印Cは処理ガスを示している。
【0032】
熱発生器3に供給される電気エネルギーは、一定量であってもよく、又は適切なユニット(図示せず)から能動的に制御されてもよい。後者の場合、通常、閉ループ制御システムとして配置され、触媒の内部及び/又は下流のフィードバックセンサが信号を電気制御装置に戻す。電気制御装置は、システムの作動条件に応じて、様々な電熱器部材3を個別に及び異なって更に制御してもよい。このようにして、予め設定された排出値までのアクティブな排気の浄化が達成され得、システムを安全に保護し得る。
【0033】
所与の触媒コンバータモジュール1の浄化効果は、熱発生器3及び触媒コンバータ2が排気流Eに及ぼす複合効果によって生じる。エネルギー消費、サイズなどに関してこの効果を最適化するために、モジュール内に熱発生器及び触媒コンバータを配置する様々な方式が可能であり得る。
【0034】
図3は、熱発生器3の別の実施形態を示しており、ここでは、1つ以上の加熱部材3bが、乱流発生器として機能するように成形及び配置されている。図示されていないが、熱発生器は、加熱部材及び乱流発生器を別個の部材として含んでもよいことを理解されたい。乱流発生器は、反応ゾーンAを流れるガスに影響を与えるため、一定の用途の浄化効率の向上に貢献する。乱流発生器は、使用と共に触媒コンバータに蓄積する傾向がある粒子、酸化物などの除去にも貢献する。
【0035】
図4は、複数の触媒コンバータ部材2a及び加熱部材3bが細長い部材として成形され、相互接続されて共通のスクリーン(メッシュ)を形成する、触媒コンバータモジュール1’の別の実施形態を示している。
【0036】
図5は、熱機関10(例えば、内燃機関)からの排気ガスを処理するために浄化アセンブリ20に配置された、本発明の触媒コンバータアセンブリ30の用途を示している。浄化アセンブリ20は、熱機関10の排気ガス導管(例えば、マニホルド)11に流体的に接続され、排気ガスEを受け取れるように配置された排気ガスタービン21を含む。排気ガスタービン21は、それ自体が当分野で知られている手法で、シャフト27を介して発電機24を駆動している。排気ガスは、上記のようにガスを加熱及び処理(浄化)する触媒コンバータアセンブリ30に供給される。電力は、電力線25を介して触媒コンバータアセンブリ30に供給される。参照符号26は外部電源を示す。点線で描かれたボックスは、発電機24及び触媒コンバータアセンブリ30の代替の配置を示している。排気ガスタービン21はまた、入口マニホルド23に流体的に接続された入口圧縮機22を駆動してもよい。
【0037】
排気タービン21及び発電機24は、好ましくは、排気ターボチャージャの一部であってもよく、ターボチャージャ及び触媒コンバータアセンブリ30は、排気浄化アセンブリ20を形成するために適切な方法で配置されてもよい。
【国際調査報告】