(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】モノバイデンテート、ビスバイデンテート、およびテトラバイデンテートグアニジン第IV族遷移金属オレフィン共重合触媒
(51)【国際特許分類】
C08F 4/64 20060101AFI20220804BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20220804BHJP
【FI】
C08F4/64
C08F10/00 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570924
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 US2020034832
(87)【国際公開番号】W WO2020243241
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】カメリオ、アンドリュー エム.
(72)【発明者】
【氏名】バイレイ、ブラッド シー.
(72)【発明者】
【氏名】フローセ、ロバート ディー.ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マコーパディヤイ、スクリット
【テーマコード(参考)】
4J128
【Fターム(参考)】
4J128AA01
4J128AB00
4J128AC01
4J128AC26
4J128AE03
4J128AE07
4J128BA00A
4J128BA03B
4J128BB00A
4J128BB01B
4J128BC09B
4J128BC12B
4J128BC25B
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB07
4J128EC01
4J128EC02
4J128FA02
4J128FA07
4J128GA01
4J128GA06
4J128GA19
(57)【要約】
【解決手段】 ポリオレフィンを重合するためのプロセスは、触媒系の存在下でエチレンおよび任意の1つ以上の(C
3-C
12)α-オレフィンを接触させることを含み、触媒系は式(I)による構造を有する金属-配位子錯体を含む。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィンを重合するためのプロセスであって、前記プロセスが、触媒系の存在下でエチレンおよび任意に1つ以上の(C
3-C
12)α-オレフィンを接触させることを含み、前記触媒系が、式(I)による金属-配位子構造を含み、
【化1】
式中、
Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択される金属であり、前記金属が、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、
Xが、独立して、不飽和(C
2-C
20)炭化水素、不飽和(C
2-C
50)ヘテロ炭化水素、(C
1-C
50)ヒドロカルビル、(C
6-C
50)アリール、(C
6-C
50)ヘテロアリール、(C
4-C
12)ジエン、ハロゲン、-OR
C、-N(R
N)
2、および-NCOR
Cから選択される単座または二座配位子であり、
nが、1、2、または3であり、
mが、1または2であり、
m+n=3または4であり、
各R
1が、R
1aまたはR
1bであり、
各R
4が、R
4aまたはR
4bであり、
R
1a、R
1b、R
4a、およびR
4bが、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、(C
1-C
40)アリール、(C
1-C
40)ヘテロアリール、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、または(R
C)
2C=N-から選択され、
各Aが、独立して、-NR
1R
2であり、各R
2が、R
2aまたはR
2bであり、各R
3が、R
3aまたはR
3bであり、R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、(C
1-C
40)アリール、または(C
1-C
40)ヘテロアリールであり、
ただし、
(1)mが2であり、(2)R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bのうちのすべてがメチルである場合、R
1a、R
1b、R
4a、およびR
4bのうちの少なくとも1つが、2-プロピルではなく、
mが1である場合、各Xが、同一であり、
R
1およびR
2、またはR
2およびR
3、またはR
3およびR
4のいずれも、任意に接続されて環を形成し得る、プロセス。
【請求項2】
mが、2であり、nが、2であり、前記金属-配位子錯体が、式(II)による構造を有し、
【化2】
式中、
R
1a、R
1b、R
4a、R
4b、M、およびXが、式(I)で定義される通りであり、A
1およびA
2が、独立して、式(I)で定義される通りである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
mが、2であり、nが、2であり、R
4aおよびR
4bが、共有結合され、それによって、前記金属-配位子錯体が、前記2つの共有結合基R
4aおよびR
4bからなる二価ラジカルQを含み、前記金属-配位子錯体が、式(III)による構造を有し、
【化3】
式中、
Qが、(C
2-C
12)アルキレン、(C
2-C
12)ヘテロアルキレン、(C
6-C
50)アリーレン、(C
4-C
50)ヘテロアリーレン、(-CH
2Si(R
C)
2CH
2-)、(-CH
2CH
2Si(R
C)
2CH
2CH
2-)、(-CH
2Ge(R
C)
2CH
2-)、または(-CH
2CH
2Ge(R
C)
2CH
2CH
2-)であり、
R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
4a、R
4b、M、およびXが、式(I)で定義される通りであり、A
1およびA
2が、式(II)で定義される通りである、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
各Xが、同一である、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
各Xが、ベンジル、クロロ、-CH
2SiMe
3、またはフェニルである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
各R
1、R
1a、またはR
1bおよび各R
4、R
4a、またはR
4bが、独立して、(C
1-C
20)アルキルまたは(C
1-C
20)アリールである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
各R
1および各R
4が、独立して、ベンジル、シクロヘキシル、2,6-ジメチルフェニル、tert-ブチル、またはエチルである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
R
1aおよびR
1bが、2-プロピルである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項9】
各Aが、以下の構造のうちの1つを有する、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【化4】
【請求項10】
R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが、(C
1-C
12)アルキルである、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、2-メチルプロピル(イソブチル)、n-ブチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-オクチル、またはtert-オクチルである、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
R
1a、R
1b、R
4a、およびR
4bが、独立して、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,4,6-トリイソプロピルフェニル、2,6-ジ-イソ-プロピルフェニル、ベンジル、シクロヘキシル、または2-プロピルから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
Qが、-(CH
2)
x-から選択され、式中、xが、2~5である、請求項3に記載の触媒系。
【請求項14】
Qが、-(CH
2)
4-である、請求項3に記載の触媒系。
【請求項15】
前記触媒系が、連鎖移動剤をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒系。
【請求項16】
前記連鎖移動剤が、ジエチル亜鉛である、請求項15に記載の触媒系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月31日に出願された、米国仮特許出願第62/855,306号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、オレフィン重合触媒系およびプロセス、より具体的には、モノバイデンテート、ビスバイデンテート、およびテトラデンテート第IV族遷移金属触媒を含むオレフィン重合触媒系、ならびに触媒系を組み込むオレフィン重合プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレン、エチレン系ポリマー、ポリプロピレン、およびプロピレン系ポリマーなどのオレフィン系ポリマーは、様々な触媒系によって生成される。オレフィン系ポリマーの重合プロセスに使用されるそのような触媒系の選択は、そのようなオレフィン系ポリマーの特徴および特性に寄与する重要な要因である。
【0004】
エチレン系ポリマーは、多種多様な物品のために製造される。ポリエチレン重合プロセスは、様々な樹脂を様々な用途での使用に好適なものとする様々な物理的特性を有する、得られる幅広い種類のポリエチレン樹脂を生成するために、多くの点で変更され得る。エチレンモノマーおよび任意に1つ以上のコモノマーは、アルカンまたはイソアルカン、例えば、イソブテンなどの液体希釈剤(溶媒など)中に存在する。水素も反応器に添加することができる。エチレン系を生成するための触媒系は、典型的には、クロム系触媒系、チーグラー-ナッタ触媒系、および/または分子(メタロセンもしくは非メタロセンのどちらか)触媒系を含み得る。希釈剤および触媒系中の反応物は、反応器において高い重合温度で循環し、それによってエチレン系ホモポリマーまたはコポリマーを生成する。定期的または連続的に、希釈剤中に溶解したポリエチレン生成物を含む反応混合物の一部を、未反応エチレンおよび1つ以上の任意選択的なコモノマーと一緒に、反応器から除去する。反応器から除去されたときの反応混合物は、希釈剤および未反応反応物からポリエチレン生成物を除去するために処理されてもよく、希釈剤および未反応反応物は典型的には反応器中に再循環される。代替的に、反応混合物を、第1の反応器に直列に接続された第2の反応器に送ってもよく、ここで第2のポリエチレン画分が生成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在利用可能な均一溶液オレフィン重合触媒系の数にもかかわらず、狭い多分散性(PDI)を有する高分子量(Mw)ポリマー、および/またはコモノマー組み込みの範囲(すなわち、0~20mol%の1-ヘキセンもしくは1-オクテンなど)を有する高分子量(Mw)エチレン/コモノマーコポリマー、および/または連鎖移動剤(CSA)による連鎖移動を受けて、オレフィンブロックコポリマー(OBC)を生成することができる高分子量(Mw)ポリマーの生成を容易にする改善した分子特性を有する高温重合触媒の必要性がある。
【0006】
本開示の実施形態は、重合プロセスを含む。これらの重合プロセスは、エチレン系ポリマーを製造する。その重合プロセスは、触媒系の存在下でエチレンおよび任意の1つ以上の(C
3-C
12)α-オレフィンを接触させることを含み、その触媒系は、式(I)による構造を有する金属-配位子錯体を含む。
【化1】
【0007】
式(I)中、Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムである。各Xは、独立して、不飽和(C2-C20)炭化水素、不飽和(C2-C50)ヘテロ炭化水素、(C1-C50)ヒドロカルビル、(C1-C50)ヘテロヒドロカルビル、(C6-C50)アリール、(C6-C50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、(C4-C12)ジエン、ハロゲン、-ORX、-N(RX)2、または-NCORXから選択される単座または二座配位子であり、各RXは、(C1-C30)ヒドロカルビルまたは-Hである。(X)nの下付き文字nは、1、2、または3である。下付き文字mは、1または2であり、mプラスnは、3または4に等しい(m+n=3または4)。
【0008】
式(I)中、各R1は、R1aまたはR1bであり、各R4は、R4aまたはR4bであり、R1a、R1b、R4a、およびR4bは、独立して、-H、(C2-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、またはハロゲンから選択される。
【0009】
式(I)中、各Aは、独立して、-NR2R3であり、各R2は、R2aまたはR2bであり、各R3は、R3aまたはR3bであり、R2a、R2b、R3a、およびR3bは、独立して、-Hまたは(C1-C40)ヒドロカルビルであり、ただし、(1)mが2であり、(2)R2a、R2b、R3a、およびR3bのうちのすべてがメチルである場合、R1a、R1b、R4a、およびR4bのうちの少なくとも1つは、2-プロピルではなく、mが1である場合、各Xは、同一であり、R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4のうちのいずれかは、任意に、接続されて環を形成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、配位子の合成に使用され得る一般的な合成スキームである。
【
図2】
図2は、配位子1の合成のための合成スキームである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、触媒系の具体的な実施形態を説明する。本開示の触媒系は、異なる形態で実施されてもよく、本開示に記載される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全となり、また主題の範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。
【0012】
一般的な略語を、以下に列記する。
R、Z、M、X、およびn:上記で定義される通り、Me:メチル、Et:エチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、i-Pr:イソ-プロピル、t-Bu:tert-ブチル、t-Oct:tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)、Tf:トリフルオロメタンスルホネート、THF:テトラヒドロフラン、Et2O:ジエチルエーテル、CH2Cl2:ジクロロメタン、CV:カラム体積(カラムクロマトグラフィーで使用)、EtOAc:酢酸エチル、C6D6:重水素化ベンゼンまたはベンゼン-d6:CDCl3:重水素化クロロホルム、Na2SO4:硫酸ナトリウム、MgSO4:硫酸マグネシウム、HCl:塩化水素、n-BuLi:ブチルリチウム、t-BuLi:tert-ブチルリチウム、Cu2O:酸化銅(I)、N,N’-DMEDA:N,N’-ジメチルエチレンジアミン、K3PO4:三塩基性リン酸カリウム、Pd(AmPhos)Cl2:ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)、Pd(dppf)Cl2:二塩化[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、AgNO3:硝酸銀、K2CO3:炭酸カリウム、Cs2CO3:炭酸セシウム、i-PrOBPin:2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、BrCl2CCCl2Br:1,2-ジブロモテトラクロロエタン、HfCl4:塩化ハフニウム(IV)、HfBn4:ハフニウム(IV)テトラベンジル、ZrCl4:塩化ジルコニウム(IV)、ZrBn4:ジルコニウム(IV)テトラベンジル、ZrBn2Cl2(OEt2):ジルコニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノ-ジエチルエーテレート、HfBn2Cl2(OEt2):ハフニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノ-ジエチルエーテレート、TiBn4:チタン(IV)テトラベンジル、Zr(CH2SiMe3)4:ジルコニウム(IV)テトラキス-トリメチルシリルメチル、Hf(CH2SiMe3)4:ハフニウム(IV)テトラキス-トリメチルメチル、N2:窒素ガス、PhMe:トルエン、PPR:並列圧力反応器、MAO:メチルアルミノキサン、MMAO:変性メチルアルミノキサン、GC:ガスクロマトグラフィー、LC:液体クロマトグラフィー、NMR:核磁気共鳴、MS:質量分析、mmol:ミリモル、mL:ミリリットル、M:モル、minまたはmins:分、hまたはhrs:時間、d:日、Rf:滞留画分、TLC:薄層クロマトグラフィー、rpm:1分あたりの回転である。
【0013】
「独立して選択された」という用語とそれに続く複数のオプションは、R1、R2、R3、R4およびR5など、その用語の前に表示される個々のR基が、同一または異なってもよく、その用語の前に現れる他の基の同一性について依存関係がないことを示すために本明細書では用いられる。
【0014】
「プロ触媒」という用語は、活性化剤と組み合わせたときに触媒活性を有する化合物を指す。「活性化剤」という用語は、プロ触媒を触媒的に活性な触媒に転換するようにプロ触媒と化学的に反応する化合物を指す。本明細書で使用されるとき、「共触媒」および「活性化剤」という用語は交換可能な用語である。
【0015】
ある特定の炭素原子含有化学基を記載するために使用される場合、「(Cx-Cy)」の形態を有する括弧付きの表現は、化学基の非置換形態がxおよびyを含めてx個の炭素原子からy個の炭素原子までを有することを意味する。例えば、(C1-C50)アルキルは、その非置換形態では1~50個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態および一般構造において、ある特定の化学基は、RSなどの1つ以上の置換基によって置換されてもよい。括弧付きの「(Cx-Cy)」を使用して定義される、化学基のRS置換バージョンは、任意の基RSの同一性に応じてy個超の炭素原子を含有し得る。例えば、「RSがフェニル(-C6H5)である正確に1つの基RSによって置換された(C1-C50)アルキル」は、7~56個の炭素原子を含有し得る。したがって、一般に、括弧付きの「(Cx-Cy)」を使用して定義される化学基が1つ以上の炭素原子含有置換基RSによって置換されるとき、化学基の炭素原子の最小および最大合計数は、xとyとの両方に、すべての炭素原子含有置換基RS由来の炭素原子の合計数を加えることによって、決定される。
【0016】
「置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した少なくとも1個の水素原子(-H)が置換基(例えばRS)によって置き換えられることを意味する。「過置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合したすべての水素原子(H)が置換基(例えばRS)によって置き換えられることを意味する。「多置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した、少なくとも2個の、ただし、すべてよりは少ない水素原子が置換基によって置き換えられることを意味する。「-H」という用語は、別の原子に共有結合している水素または水素ラジカルを意味する。「水素」および「-H」は、交換可能であり、明記されていない限りは、同一の意味を有する。
【0017】
「(C1-C50)ヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルを意味し、「(C1-C50)ヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子を有する炭化水素ジラジカルを意味し、そこで、各炭化水素ラジカルおよび各炭化水素ジラジカルは、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、環式(3個以上の炭素を有し、単環式および多環式、縮合および非縮合の多環式、ならびに二環式を含む)または非環式であり、1つ以上のRSによって置換されているか、または置換されていない。
【0018】
本開示において、(C1-C50)ヒドロカルビルは、非置換または置換(C1-C50)アルキル、(C3-C50)シクロアルキル、(C3-C20)シクロアルキル-(C1-C20)アルキレン、(C6-C40)アリール、または(C6-C20)アリール-(C1-C20)アルキレン(ベンジル(-CH2-C6H5)など)であり得る。
【0019】
「(C1-C50)アルキル」および「(C1-C18)アルキル」という用語は、非置換または1つ以上のRSによって置換されている、それぞれ、1~50個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルおよび1~18個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C1-C50)アルキルの例は、非置換(C1-C20)アルキル、非置換(C1-C10)アルキル、非置換(C1-C5)アルキル、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1-ノニル、および1-デシルである。置換(C1-C40)アルキルの例は、置換(C1-C20)アルキル、置換(C1-C10)アルキル、トリフルオロメチル、および[C45]アルキルである。「[C45]アルキル」という用語は、置換基を含むラジカル中に最大45個の炭素原子が存在することを意味し、例えば、それぞれ、(C1-C5)アルキルである1つのRSによって置換されている(C27-C40)アルキルである。各(C1-C5)アルキルは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1-プロピル、1-メチルエチル、または1,1-ジメチルエチルであり得る。
【0020】
「(C6-C50)アリール」という用語は、6~40個の炭素原子を有し、そのうちの少なくとも6~14個の炭素原子は芳香環炭素原子である、非置換または(1つ以上のRSによって)置換された単環式、二環式、または三環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式芳香族炭化水素ラジカルは、1つの芳香環を含み、二環式芳香族炭化水素ラジカルは2つの環を有し、三環式芳香族炭化水素ラジカルは3つの環を有する。二環式または三環式芳香族炭化水素ラジカルが存在するとき、そのラジカルの環のうちの少なくとも1つは芳香族である。芳香族ラジカルの他の1つまたは複数の環は独立して、縮合または非縮合の芳香族または非芳香族であり得る。非置換(C6-C50)アリールの例としては、非置換(C6-C20)アリール、非置換(C6-C18)アリール、2-(C1-C5)アルキル-フェニル、フェニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、インダセニル、ヘキサヒドロインダセニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、およびフェナントレンが挙げられる。置換(C6~C40)アリールの例としては、置換(C1~C20)アリール、置換(C6~C18)アリール、2,4-ビス(¥[C20]アルキル)-フェニル、ポリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、およびフルオレン-9-オン-1-イルが挙げられる。
【0021】
「(C3-C50)シクロアルキル」という用語は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換されている、3~50個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素ラジカルを意味する。他のシクロアルキル基(例えば(Cx-Cy)シクロアルキル)は、x~y個の炭素原子を有し、非置換であるか、または1つ以上のRSによって置換されているかのいずれかであるものと同様な様式で定義される。非置換(C3-C40)シクロアルキルの例は、非置換(C3-C20)シクロアルキル、非置換(C3-C10)シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、およびシクロデシルである。置換(C3~C40)シクロアルキルの例は、置換(C3~C20)シクロアルキル、置換(C3~C10)シクロアルキル、シクロペンタノン-2-イル、および1-フルオロシクロヘキシルである。
【0022】
(C1-C50)ヒドロカルビレンの例としては、非置換または置換(C6-C50)アリーレン、(C3-C50)シクロアルキレン、および(C1-C50)アルキレン(例えば、(C1-C20)アルキレン)が挙げられる。ジラジカルは、同じ炭素原子上(例えば-CH2-)もしくは隣接する炭素原子(すなわち1,2-ジラジカル)上にあってもよく、または1個、2個、もしくは3個以上の介在炭素原子によって離間されている(例えば1,3-ジラジカル、1,4-ジラジカルなど)。いくつかのジラジカルとしては、1,2-、1,3-、1,4-、またはα,ω-ジラジカルが挙げられ、他のものとしては1,2-ジラジカルが挙げられる。α,ω-ジラジカルは、ラジカル炭素間に最大の炭素骨格間隔を有するジラジカルである。(C2-C20)アルキレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、エタン-1,2-ジイル(すなわち-CH2CH2-)、プロパン-1,3-ジイル(すなわち-CH2CH2CH2-)、2-メチルプロパン-1,3-ジイル(すなわち-CH2CH(CH3)CH2-)が挙げられる。(C6~C50)アリーレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、フェニル-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、またはナフタレン-3,7-ジイルが挙げられる。
【0023】
「(C1-C50)アルキレン」という用語は、非置換または1つ以上のRSによって置換されている1~50個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐鎖ジラジカル(すなわち、ラジカルが環原子上にない)を意味する。非置換(C1-C50)アルキレンの例は、非置換(C1-C20)アルキレンであり、非置換-CH2CH2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-、-(CH2)7-、-(CH2)8-、-CH2C*HCH3、および-(CH2)4C*(H)(CH3)を含み、式中、「C*」は、水素原子が除去されて、二級もしくは三級アルキルラジカルを形成する炭素原子を表す。置換(C1-C50)アルキレンの例は、置換(C1-C20)アルキレン、-CF2-、-C(O)-、および-(CH2)14C(CH3)2(CH2)5-(すなわち、6,6-ジメチル置換ノルマル-1,20-エイコシレン)である。前述のように、2つのRSは一緒になって、(C1~C18)アルキレンを形成することができ、置換(C1~C50)アルキレンの例としては、1,2-ビス(メチレン)シクロペンタン、1,2-ビス(メチレン)シクロヘキサン、2,3-ビス(メチレン)-7,7-ジメチル-ビシクロ¥[2.2.1]ヘプタン、および2,3-ビス(メチレン)ビシクロ¥[2.2.2]オクタンも挙げられる。
【0024】
「(C3-C50)シクロアルキレン」という用語は、3~50個の炭素原子を有する、非置換または1つ以上のRSによって置換されている、環式ジラジカル(すなわち、ラジカルが環原子上にある)を意味する。
【0025】
「ヘテロ原子」という用語は、水素または炭素以外の原子を指す。1個または2個以上のヘテロ原子を含有する基の例としては、O、S、S(O)、S(O)2、Si(RC)2、P(RP)、N(RN)、-N=C(RC)2、-Ge(RC)2-、または-Si(RC)-が挙げられ、各RCおよび各RPは、非置換(C1-C18)ヒドロカルビルまたは-Hであり、各RNは非置換(C1-C18)ヒドロカルビルである。「ヘテロ炭化水素」という用語は、炭化水素の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている分子または分子骨格を指す。「(C1-C50)ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ラジカルを意味し、「(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ジラジカルを意味する。(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルまたは(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレンのヘテロ炭化水素は、1個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロヒドロカルビルのラジカルは、炭素原子上またはヘテロ原子上に存在することができる。ヘテロヒドロカルビレンの2つのラジカルは、単一の炭素原子上または単一のヘテロ原子上に存在することができる。さらに、ジラジカルの2つのラジカルのうちの一方は炭素原子上に存在することができ、他方のラジカルは異なる炭素原子上に存在することができ、2つのラジカルのうちの一方は炭素原子上に存在することができ、他方はヘテロ原子上に存在することができ、または、2つのラジカルのうちの一方はヘテロ原子上に存在することができ、他方のラジカルは異なるヘテロ原子上に存在することができる。各(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルおよび(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレンは、非置換または(1つ以上のRSによって)置換、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、環式(単環式および多環式、縮合多環式および非縮合多環式を含む)または非環式であってもよい。
【0026】
(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルは、非置換または置換されてもよい。(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルの非限定的な例としては、(C1-C50)ヘテロアルキル、(C1-C50)ヒドロカルビル-O-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S(O)2-、(C1-C50)ヒドロカルビル-Si(RC)2-、(C1-C50)ヒドロカルビル-N(RN)-、(C1-C50)ヒドロカルビル-P(RP)-、(C2-C50)ヘテロシクロアルキル、(C2-C19)ヘテロシクロアルキル-(C1-C20)アルキレン、(C3-C20)シクロアルキル-(C1-C19)ヘテロアルキレン、(C2-C19)ヘテロシクロアルキル-(C1-C20)ヘテロアルキレン、(C1-C50)ヘテロアリール、(C1-C19)ヘテロアリール-(C1-C20)アルキレン、(C6-C20)アリール-(C1-C19)ヘテロアルキレン、または(C1-C19)ヘテロアリール-(C1-C20)ヘテロアルキレンが挙げられる。
【0027】
「(C4-C50)ヘテロアリール」という用語は、合計4~50個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子を有する、非置換または(1つ以上のRSによって)置換されている単環式、二環式、または三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、1つのヘテロ芳香環を含み、二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、3つの環を有する。二環式または三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルが存在する場合、ラジカルにおける環のうちの少なくとも1つは、ヘテロ芳香族である。ヘテロ芳香族ラジカルの他の1つまたは複数の環は独立して、縮合または非縮合および芳香族または非芳香族であることができる。他のヘテロアリール基(例えば、一般に(Cx-Cy)ヘテロアリール、(C4-C12)ヘテロアリールなど)は、x~y個の炭素原子(4~12個の炭素原子など)を有し、かつ非置換または1つもしくは2つ以上のRSによって置換されているものと同様な様式で定義される。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5員環または6員環である。5員環は、5マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子数であり、1、2または3であり得、各ヘテロ原子は、O、S、N、またはPであり得る。5員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピロール-1-イル、ピロール-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピラゾール-1-イル、イソキサゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、テトラゾール-1-イル、テトラゾール-2-イルおよびテトラゾール-5-イルが挙げられる。6員環は、6マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子数であり、1または2であり得、ヘテロ原子は、NまたはPであり得る。6員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例は、ピリジン-2-イル、ピリミジン-2-イルおよびピラジン-2-イルである。二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6-または6,6-環系であり得る。縮合5,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、インドール-1-イル、およびベンズイミダゾール-1-イルが挙げられる。縮合6,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、キノリン-2-イル、およびイソキノリン-1-イルが挙げられる。三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは縮合5,6,5-、5,6,6-、6,5,6-、または6,6,6-環系であり得る。縮合5,6,5-環系の例としては、1,7-ジヒドロピロロ[3,2-f]インドール-1-イルが挙げられる。縮合5,6,6-環系の例としては、1H-ベンゾ[f]インドール-1-イルが挙げられる。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,6,6-環系の例としては、アクリジン-9-イルである。
【0028】
「(C1-C50)ヘテロアルキル」という用語は、1~50個の炭素原子、またはそれよりも少ない炭素原子、およびヘテロ原子のうちの1個以上を含有する飽和直鎖または分岐鎖ラジカルを意味する。「(C1-C50)ヘテロアルキレン」という用語は、1~50個の炭素原子および1個または2個以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖または分岐鎖ジラジカルを意味する。ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレンのヘテロ原子としては、Si(RC)3、Ge(RC)3、Si(RC)2、Ge(RC)2、P(RP)2、P(RP)、N(RN)2、N(RN)、N、O、ORC、S、SRC、S(O)、およびS(O)2が挙げられ得、ヘテロアルキルおよびヘテロアルキレン基の各々は、非置換または1つ以上のRSによって置換されている。
【0029】
非置換(C2-C40)ヘテロシクロアルキルの例としては、非置換(C2-C20)ヘテロシクロアルキル、非置換(C2-C10)ヘテロシクロアルキル、アジリジン-1-イル、オキセタン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、ピロリジン-1-イル、テトラヒドロチオフェン-S,S-ジオキシド-2-イル、モルホリン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロアゼピン-4-イル、3-オキサ-シクロオクチル、5-チオ-シクロノニル、および2-アザ-シクロデシルが挙げられる。
【0030】
「ハロゲン原子」または「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、またはヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハロゲン化物」という用語は、フッ化物(F-)、塩化物(Cl-)、臭化物(Br-)またはヨウ化物(I-)のハロゲン原子のアニオン形態を意味する。
【0031】
「飽和」という用語は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、ならびに(ヘテロ原子含有基において)炭素-窒素、炭素-リン、および炭素-ケイ素二重結合を欠くことを意味する。飽和化学基が1つ以上の置換基RSで置換されている場合、1つ以上の二重および/または三重結合は、任意で、置換基RS中に存在してもしなくてもよい。「不飽和」という用語は、1つ以上の炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、または(ヘテロ原子含有基において)1つ以上の炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、または炭素-ケイ素二重結合を含有し、置換基RS(存在する場合)、または(ヘテロ)芳香環(存在する場合)中に存在し得る二重結合を含まないことを意味する。
【0032】
本開示の幾つかの実施形態は、重合プロセスを含む。これらの重合プロセスは、エチレン系ポリマーを製造する。その重合プロセスは、触媒系の存在下でエチレンおよび任意の1つ以上の(C
3-C
12)α-オレフィンを接触させることを含み、その触媒系は、式(I)による構造を有する金属-配位子錯体を含む。
【化2】
【0033】
式(I)中、Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムである。各Xは、独立して、不飽和(C2-C20)炭化水素、不飽和(C2-C50)ヘテロ炭化水素、(C1-C50)ヒドロカルビル、(C1-C50)ヘテロヒドロカルビル、(C6-C50)アリール、(C6-C50)ヘテロアリール、シクロペンタジエニル、置換シクロペンタジエニル、(C4-C12)ジエン、ハロゲン、-ORX、-N(RX)2、または-NCORXから選択される単座または二座配位子であり、各RXは、(C1-C30)ヒドロカルビルまたは-Hである。(X)nの下付き文字nは、1、2、または3である。下付き文字mは、1または2であり、mプラスnは、3または4に等しい(m+n=3または4)。
【0034】
式(I)中、各R1は、R1aまたはR1bであり、各R4は、R4aまたはR4bであり、R1a、R1b、R4a、およびR4bは、独立して、水素(-H)、(C2-C40)ヒドロカルビル、(C6-C40)アリール、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、(C5-C40)ヘテロアリール、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、またはハロゲンから選択される。
【0035】
式(I)中、各Aは、独立して、-NR2R3であり、各R2は、R2aまたはR2bであり、各R3は、R3aまたはR3bであり、R2a、R2b、R3a、およびR3bは、独立して、-Hまたは(C1-C40)ヒドロカルビルであり、ただし、(1)mが2であり、(2)R2a、R2b、R3a、およびR3bのうちのすべてがメチルである場合、R1a、R1b、R4a、およびR4bのうちの少なくとも1つは、2-プロピルではなく、mが1である場合、各Xは、同一であり、R1およびR2、またはR2およびR3、またはR3およびR4のうちのいずれかは、任意に、接続されて環を形成し得る。
【0036】
式(I)のいくつかの実施形態では、mは、2であり、nは、2であり、金属-配位子錯体は、式(II)による構造を有する。
【化3】
【0037】
式(II)中、R1a、R1b、R4a、R4b、M、およびXは、式(I)で定義される通りである。A1およびA2は、独立して、式(I)で定義されるAである。
【0038】
1つ以上の実施形態では、式(I)および(II)中、各R1、R1a、またはR1bおよび各R4、R4a、またはR4bは、独立して、(C1-C40)アルキル、(C1-C40)ヘテロアルキル、(C6-C40)アリール、または(C5-C40)ヘテロアリールである。
【0039】
1つ以上の実施形態では、式(I)および(II)中、各R1、R1a、またはR1bおよび各R4、R4a、またはR4bは、独立して、ベンジル、シクロヘキシル、2,6-ジメチルフェニル、tert-ブチル、またはエチルである。
【0040】
1つ以上の実施形態では、式(III)中、mは、2であり、nは、2であり、R
4aおよびR
4bは、共有結合され、それによって、金属-配位子錯体は、2つの共有結合基R
4aおよびR
4bからなる二価ラジカルQを含む。金属-配位子錯体は、式(III)による構造を有する。
【化4】
【0041】
式(III)中、Qは、(C2-C12)アルキレン、(C2-C12)ヘテロアルキレン、(C6-C50)アリーレン、(C4-C50)ヘテロアリーレン、(-CH2Si(RC)2CH2-)、(-CH2CH2Si(RC)2CH2CH2-)、(-CH2Ge(RC)2CH2-)、または(-CH2CH2Ge(RC)2CH2CH2-)、ならびにR1a、R1b、M、およびXは、式(I)で定義される通りであり、A1およびA2は、式(II)で定義される通りである。
【0042】
1つ以上の実施形態では、式(III)中、Qは、-(CH2)x-から選択され、式中、xは、2~5である。いくつかの実施形態では、Qは、-(CH2)4-である。
【0043】
いくつかの実施形態では、式(III)中、R1aおよびR1bは、2-プロピルまたは2,6-ジメチルフェニルである。
【0044】
様々な実施形態では、式(I)、(II)、および(III)中、各Aは、カルバゾリル、イミダゾリル、インドリル、ピロリル、またはピラゾリルである。いくつかの実施形態では、各A、A
1、およびA
2は、以下の構造のうちの1つを有する環構造である。
【化5】
【0045】
式(I)、(II)、および(III)中、各A、A1、およびA2は、独立して、-NR2R3であり、各R2は、R2aまたはR2bであり、各R3は、R3aまたはR3bである。1つ以上の実施形態では、(I)、(II)、および(III)中、R2a、R2b、R3a、およびR3bは、(C1-C20)アルキル、(C1-C20)ヘテロアルキル、(C1-C20)アリール、または(C1-C20)ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、R2a、R2b、R3a、およびR3bは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、2-メチルプロピル(イソブチル)、n-ブチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-オクチル、またはtert-オクチルである。
【0046】
様々な実施形態では、式(I)、(II)、および(III)中、R1a、R1b、R4a、およびR4bは、独立して、シクロヘキシル、ベンジル、2-プロピル、または2,6-ジメチルフェニルから選択される。
【0047】
1つ以上の実施形態では、R1およびR4が2-プロピルである場合、R2およびR3は、メチルではない。1つ以上の実施形態では、R1およびR4が2-プロピルである場合、R2およびR3は、-N(CH3)2ではない。式(II)の一実施形態では、R1aは、R2bまたはR3bに共有結合して環を形成していない。
【0048】
式(I)、(II)、および(III)による金属-配位子錯体において、各Xは、共有結合、配位結合、またはイオン結合を通してMと結合する。いくつかの実施形態では、各Xは、同一である。金属-配位子錯体は、6つ以下の金属-配位子結合を有し、全体として電荷中性であり得るか、または金属中心と関連する陽性電荷を有してもよい。いくつかの実施形態では、触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含み、式中、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、各Xは、独立して、(C1-C20)アルキル、(C1-C20)ヘテロアルキル、(C6-C20)アリール、(C4-C20)ヘテロアリール、(C4-C12)ジエン、またはハロゲンから選択される。
【0049】
いくつかの実施形態では、Xは、単座配位子であり、単座配位子は、モノアニオン性配位子であり得る。モノアニオン性配位子は-1の正味の形式酸化状態を有する。各モノアニオン性配位子は独立して、ヒドリド、(C1-C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン、ハロゲン化物、ニトレート、カーボネート、ホスフェート、スルフェート、HC(O)O-、HC(O)N(H)-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)O-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)N((C1-C20)ヒドロカルビル)-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)-、RKRLB-、RKRLN-、RKO-、RKS-、RKRLP-、またはRMRKRLSi-であり得、式中、各RK、RL、およびRMは独立して、水素、(C1-C40)ヒドロカルビル、もしくは(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルであるか、またはRKおよびRLは一緒になって、(C2-C40)ヒドロカルビレンもしくは(C1-C20)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、RMは、上で定義されている通りである。
【0050】
他の実施形態では、少なくとも1つの単座配位子Xは、他のいずれの配位子Xとも独立して、中性配位子であってもよい。特定の実施形態では、中性配位子は、RQNRKRL、RKORL、RKSRL、またはRQPRKRLなどの中性ルイス塩基基であり、式中、各RQは、独立して、水素、[(C1-C10)ヒドロカルビル]3Si(C1-C10)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヒドロカルビル、[(C1-C10)ヒドロカルビル]3Si、または(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルであり、各RKおよびRLは、独立して、以前に定義される通りである。
【0051】
さらに、各Xは、他のいずれの配位子Xとも独立して、ハロゲン、非置換(C1-C20)ヒドロカルビル、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルC(O)O-、またはRKRLN-である単座配位子であり得、式中、RKおよびRLの各々は独立して、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、各単座配位子Xは、塩素原子、(C1-C10)ヒドロカルビル(例えば、(C1-C6)アルキルもしくはベンジル)、非置換(C1-C10)ヒドロカルビルC(O)O-、またはRKRLN-であり、式中、RKおよびRLの各々は独立して、非置換(C1-C10)ヒドロカルビルである。式(I)、(II)、および(III)の1つ以上の実施形態では、Xは、ベンジル、クロロ、-CH2SiMe3、またはフェニルである。
【0052】
さらなる実施形態では、各Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、またはクロロから選択される。いくつかの実施形態では、各Xはベンジルである。場合によっては、少なくとも2つのXは互いに異なる。少なくとも2つのXが、少なくとも1つのXとは異なる実施形態では、Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、およびクロロとは異なるものである。さらなる実施形態では、二座配位子は、2,2-ジメチル-2-シラプロパン-1,3-ジイルまたは1,3-ブタジエンである。
【0053】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基(例えば、XおよびR1~R4)のいずれかまたはすべては、非置換であり得る。他の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体の化学基XおよびR1~R4のいずれも1つもしくは2つ以上のRSで置換されないか、またはそれらのいずれかもしくはすべては、1つもしくは2つ以上のRSで置換され得るか。2つまたは3つ以上のRSが式(I)の金属-配位子錯体の同じ化学基に結合している場合、化学基の個々のRSは、同じ炭素原子もしくはヘテロ原子に、または異なる炭素原子もしくはヘテロ原子に結合し得る。いくつかの実施形態では、化学基XおよびR1-R4のいずれもRSで過置換されていなくてもよく、いずれかまたはすべてがRSで過置換されていてもよい。RSで過置換されている化学基では、個々のRSはすべて同一であっても、独立して選択されてもよい。
【0054】
例示的な実施形態では、触媒系は、以下に列挙されるプロ触媒1~74のいずれかの構造を有する式(I)による金属-配位子錯体を含み得、それらは
図3~5に示される対応する配位子1~17から合成される。
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
【化6-4】
【化6-5】
【化6-6】
【化6-7】
【化6-8】
【0055】
連鎖シャトリングおよび/または連鎖移動剤
1つ以上の実施形態では、本開示の重合プロセスは、触媒系および連鎖移動剤または連鎖シャトル剤の存在下で、反応器内でエチレンおよび/または1つ以上の(C3-C12)α-オレフィンを接触させることを含む。そのような実施形態では、重合プロセスは、3つの成分:(A)式(I)の構造を有する金属-配位子錯体を含むプロ触媒および、任意に、共触媒と、(B)プロ触媒(A)とは異なるコモノマー選択性を有するオレフィン重合触媒と、(C)連鎖移動剤または連鎖シャトリング剤と、を含む。
【0056】
触媒系への追加として、連鎖移動剤および連鎖シャトリング剤は、単一の重合反応器において2つの触媒分子間でポリマー鎖を移動させることができる化合物である。触媒分子は、同じ構造または異なる構造を有し得る。触媒分子が異なる構造を有する場合、それらは異なるモノマー選択性を有し得る。化合物が連鎖移動剤としてまたは連鎖シャトリング剤として機能するかは、前述の3つの成分(A)~(C)がいずれのタイプの重合反応器において化学的に同一であっても、重合反応器のタイプに依存する。例えば、単一触媒系または二重触媒系を備えたバッチ反応器では、化合物は連鎖移動剤として機能する。二重触媒系を備えた連続反応器では、化合物は連鎖シャトリング剤として機能する。一般に、バッチ反応器において連鎖移動剤として機能する化合物は、連続反応器において連鎖シャトリング剤としても機能することができ、逆に、連鎖シャトリング剤として機能する分子は、連鎖移動剤としても機能することができる。したがって、本開示における重合プロセスの実施形態では、「連鎖移動剤」としての化合物の開示は、「連鎖シャトリング剤」としての同じ化合物の開示をさらに構成することを理解されたい。よって、「連鎖移動剤」および「連鎖シャトリング剤」という用語は、化合物に関して交換可能であるが、プロセスが特定の種類の重合反応器内で行われるように指定される場合は区別可能である。
【0057】
触媒の連鎖移動能力は、シャトル触媒について予想される分子量の低下およびPDIの狭小化を観察するために連鎖移動または連鎖シャトル剤(CSA)のレベルを変化させる試みを実行することによって最初に評価される。良好な連鎖シャトル剤である潜在性を有する触媒によって生成されるポリマーの分子量は、より劣るシャトリングまたはより遅い連鎖移動速度によって生成されるポリマー分子量よりも、CSAの添加に対してより感受性であろう。メイヨー式(式1)は、連鎖移動剤が存在しない場合に、連鎖移動剤が天然の数平均鎖長
【数1】
から数平均鎖長
【数2】
をどのように減少させるかを表す。式2は、連鎖移動定数または連鎖シャトル定数Caを、連鎖移動定数および伝播速度定数の比として定義する。連鎖伝播の大部分がコモノマー組み込みではなくエチレン挿入によって起こると仮定することによって、式3は、重合の予想されるMnを表す。Mn
0は、連鎖シャトリング剤の不在下での触媒のネイティブな分子量であり、Mnは、連鎖シャトリング剤で観察される分子量である(Mn=連鎖シャトリング剤なしでのMn
0)。
【数3】
【数4】
【数5】
[モノマー]=(Mol%C2)x[エチレン]+(Mol%C8)x[オクテン] 式4
【0058】
通常、連鎖移動剤は、+3の形式酸化状態にあるAl、BもしくはGaである金属を含むか、または+2の形式酸化状態にあるZnもしくはMgである金属を含む。本開示のプロセスに適する連鎖移動剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第US2007/0167315号に記載されている。
【0059】
重合プロセスの1つ以上の実施形態では、連鎖移動剤は、存在する場合、ジエチル亜鉛、ジ(イソブチル)亜鉛、ジ(n-ヘキシル)亜鉛、ジ(n-オクチル)亜鉛、トリエチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリエチルガリウム、イソブチルアルミニウムビス(ジメチル(t-ブチル)シロキサン)、イソブチルアルミニウムビス(ジ(トリメチルシリル)アミド)、n-オクチルアルミニウムジ(ピリジン-2-メトキシド)、ビス(n-オクタデシル)イソブチルアルミニウム、イソブチルアルミニウムビス(ジ(n-ペンチル)アミド)、n-オクチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノキシド、n-オクチルアルミニウムジ(エチル(l-ナフチル)アミド)、エチルアルミニウムビス(t-ブチルジメチルシロキシド)、エチルアルミニウムジ(ビス(トリメチルシリル)アミド)、エチルアルミニウムビス(2,3,6,7-ジベンゾ-l-アザシクロヘプタンアミド)、n-オクチルアルミニウムビス(2,3,6,7-ジベンゾ-l-アザシクロヘプタンアミド)、n-オクチルアルミニウムビス(ジメチル(t-ブチル)シロキシド、エチル亜鉛(2,6-ジフェニルフェノキシド)、エチル亜鉛(t-ブトキシド)、ジメチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、およびn-ブチル-sec-ブチルマグネシウムから選択され得る。
【0060】
共触媒成分
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系は、オレフィン重合反応の金属系触媒を活性化するための当該技術分野で既知の任意の技術によって触媒的に活性にされ得る。例えば、式(I)の金属-配位子錯体によるプロ触媒は、錯体を活性化共触媒と接触させるか、または錯体を活性化共触媒と組み合わせることによって、触媒的に活性にされ得る。さらに、式(I)による金属-配位子錯体は、中性であるプロ触媒形態、およびベンジルまたはフェニルなどのモノアニオン配位子の損失によって正に帯電され得る触媒形態の両方を含む。本明細書に使用するのに好適な活性化共触媒としては、アルキルアルミニウム、ポリマーまたはオリゴマーアルモキサン(アルミノキサンとしても知られる)、中性ルイス酸、および非ポリマー、非配位、イオン形成化合物(酸化条件下でのそのような化合物の使用を含む)が挙げられる。好適な活性化技術は、バルク電気分解である。前述の活性化共触媒および技法のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図される。「アルキルアルミニウム」という用語は、モノアルキルアルミニウムジヒドリドもしくはモノアルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニウムヒドリドもしくはジアルキルアルミニウムハライド、またはトリアルキルアルミニウムを意味する。ポリマーアルモキサンまたはオリゴマーアルモキサンの例としては、メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン、およびイソブチルアルモキサンを挙げることができる。
【0061】
ルイス酸活性化共触媒は、本明細書に記載の(C1-C20)ヒドロカルビル置換基を含有する13族金属化合物を含む。いくつかの実施形態では、13族金属化合物は、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-置換アルミニウムまたはトリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物である。他の実施形態では、13族金属化合物は、トリ(ヒドロカルビル)-置換アルミニウム、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物、トリ((C1-C10)アルキル)アルミニウム、トリ((C6-C18)アリール)ホウ素化合物、およびそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体である。さらなる実施形態では、13族金属化合物は、トリス(フルオロ置換フェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。いくつかの実施形態では、活性化共触媒は、トリス((C1-C20)ヒドロカルビルボレート(例えば、トリチルテトラフルオロボレート)またはトリ((C1-C20)ヒドロカルビル)アンモニウムテトラ((C1-C20)ヒドロカルビル)ボラン(例えば、ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)である。本明細書で使用される場合、「アンモニウム」という用語は、((C1~C20)ヒドロカルビル)4N+、((C1~C20)ヒドロカルビル)3N(H)+、((C1~C20)ヒドロカルビル)2N(H)2
+、(C1~C20)ヒドロカルビルN(H)3
+、またはN(H)4
+である窒素カチオンを意味し、各(C1~C20)ヒドロカルビルは、2つ以上存在する場合、同じであっても、異なっていてもよい。
【0062】
中性ルイス酸活性化共触媒の組み合わせとしては、トリ((C1-C4)アルキル)アルミニウムとハロゲン化トリ((C6-C18)アリール)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの組み合わせを含む混合物が挙げられる。他の実施形態は、そのような中性ルイス酸混合物とポリマーまたはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせ、および単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマーまたはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせである。(金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)[例えば(第4族金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)]のモルの数の比は、1:1:1~1:10:30であり、他の実施形態では1:1:1.5~1:5:10である。
【0063】
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系を活性化して、1つ以上の共触媒、例えば、カチオン形成共触媒、強ルイス酸、またはそれらの組み合わせと組み合わせることによって、活性触媒組成物を形成することができる。好適な活性化共触媒としては、ポリマーまたはオリゴマーアルミノキサン、特にメチルアルミノキサン、ならびに不活性、相溶性、非配位性、イオン形成性化合物が挙げられる。例示的な好適な共触媒としては、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、ビス(水素化タローアルキル)メチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1-)アミン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0064】
いくつかの実施形態では、2つ以上の前述の活性化共触媒を互いに組み合わせて使用することができる。共触媒の組み合わせの特定の例は、トリ((C1-C4)ヒドロカルビル)アルミニウム、トリ((C1-C4)ヒドロカルビル)ボラン、またはアンモニウムボレートとオリゴマーもしくはポリマーアルモキサン化合物との混合物である。式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数と1つ以上の活性化共触媒の総モル数との比は、1:10,000~100:1である。いくつかの実施形態では、この比は、少なくとも1:5000であり、他のいくつかの実施形態では、少なくとも1:1000および10:1以下であり、他のいくつかの実施形態では、1:1以下である。アルモキサンを単独で活性化共触媒として使用する場合、用いられるアルモキサンのモル数は、式(I)の金属-配位子錯体のモル数のうちの少なくとも100倍であることが好ましい。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを単独で活性化共触媒として使用する場合、いくつかの他の実施形態では、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数に対して用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのモル数は、0.5:1~10:1、1:1~6:1、または1:1~5:1である。残りの活性化共触媒は一般に、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル量におおよそ等しいモル量で用いられる。
ポリオレフィン
【0065】
前の段落に記載される触媒系は、オレフィン、主にエチレンおよびプロピレンの重合に利用される。いくつかの実施形態では、重合スキーム中に単一種類のオレフィンまたはα-オレフィンのみが存在し、ホモポリマーを生成する。しかしながら、追加のα-オレフィンを重合手順に組み込んでもよい。追加のα-オレフィンコモノマーは、典型的には、20個以下の炭素原子を有する。例えば、α-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子、または3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、および4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群から、または代替的に1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群から選択され得る。
【0066】
エチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマーおよび/またはインターポリマー(コポリマーを含む)、ならびにα-オレフィンなどの任意選択的な1つ以上のコモノマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも50重量パーセント含み得る。「少なくとも50重量パーセントから」によって包含される個々の値および部分範囲はすべて、別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、エチレンのホモポリマーおよび/またはインターポリマー(コポリマーを含む)、ならびにα-オレフィンなどの任意選択的な1つ以上のコモノマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも60重量パーセント、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも70重量パーセント、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも80重量パーセント、エチレン由来のモノマー単位を50~100重量パーセント、またはエチレン由来のモノマー単位の80~100重量パーセント含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも90モルパーセント含み得る。少なくとも90モルパーセントからのすべての個々の値および部分範囲は本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に開示される。例えば、エチレン系ポリマーは、エチレン由来の単位を少なくとも93モルパーセント、単位を少なくとも96モルパーセント、エチレン由来の単位を少なくとも97モルパーセント、または代替的に、エチレン由来の単位を90~100モルパーセント、エチレン由来の単位を90~99.5モルパーセント、もしくはエチレン由来の単位を97~99.5モルパーセントを含み得る。
【0068】
エチレン系ポリマーのいくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、50%未満であり、他の実施形態は、少なくとも0.5モルパーセント(mol%)~25mol%を含み、さらなる実施形態では、追加のα-オレフィンの量は少なくとも5mol%~10mol%を含む。いくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンは1-オクテンである。
【0069】
任意の従来の重合プロセスを使用してエチレン系ポリマーを生成してもよい。そのような従来の重合プロセスとしては、1つ以上の従来の反応器、例えばループ反応器、等温反応器、流動床気相反応器、撹拌槽型反応器、バッチ反応器などの並列、直列、またはそれらの任意の組み合わせを使用する、溶液重合プロセス、気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0070】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、ここで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系および任意選択的に1つ以上の共触媒の存在下で重合される。別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、ここで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示および本明細書に記載の触媒系および任意選択的に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器または第2の反応器において使用することができる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、そこで、エチレン、および任意に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において重合される。
【0071】
別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば単一ループ反応器系において、溶液重合で生成することができ、そこで、エチレン、および任意に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載の触媒系および任意に1つ以上の共触媒の存在下で、前の段落に記載のように重合される。
【0072】
エチレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤をさらに含むことができる。そのような添加剤としては、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーおよび1つ以上の添加剤の重量に基づいて、そのような添加剤を合計約0~約10重量パーセントを含み得る。エチレン系ポリマーは、充填剤をさらに含んでもよく、その充填剤としては、有機または無機充填剤を挙げることができるが、それらに限定されない。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーとすべての添加剤または充填剤の合計重量に基づいて、例えば炭酸カルシウム、タルク、またはMg(OH)2などの約0~約20重量パーセントの充填剤を含み得る。エチレン系ポリマーは、1つ以上のポリマーとさらに配合されてブレンドを形成することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーを生成するための重合プロセスは、触媒系の存在下でエチレンと少なくとも1つの追加のα-オレフィンを重合することを含むことができ、触媒系は、式(I)のうちの少なくとも1つの金属-配位子錯体を組み込む。式(I)の金属-配位子錯体を組み込むかかる触媒系から得られたポリマーは、ASTM D792(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、例えば、0.850g/cm3~0.950g/cm3、0.880g/cm3~0.920g/cm3、0.880g/cm3~0.910g/cm3、または0.880g/cm3~0.900g/cm3の密度を有し得る。
【0074】
別の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、5~15のメルトフロー比(I10/I2)を有し、ここで、メルトインデックスI2は、ASTM D1238(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、190℃および2.16kgの積載で測定され、メルトインデックスI10は、ASTM D1238に従って、190℃および10kgの積載で測定される。他の実施形態では、メルトフロー比(I10/I2)は5~10であり、他では、メルトフロー比は5~9である。
【0075】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られるポリマーは、1~25の分子量分布(MWD)を有し、MWDは、Mw/Mnとして定義され、Mwは、重量平均分子量であり、Mnは、数平均分子量である。他の実施形態では、触媒系から得られたポリマーは、1~6のMWDを有する。別の実施形態は、1~3のMWDを含み、他の実施形態は、1.5~2.5のMWDを含む。
【0076】
本開示に記載される触媒系の実施形態は、形成されたポリマーの高分子量およびポリマーに組み込まれたコモノマーの量の結果として、固有のポリマー特性をもたらす。
【0077】
すべての溶媒および試薬を、商業的供給源から入手し、別段の記載がない限り、受け取ったまま使用する。無水トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン、およびジエチルエーテルを、活性アルミナ、および場合によってはQ-5反応物質を通過させることによって精製する。窒素充填グローブボックス中で行われた実験に使用された溶媒は、活性化4Åモレキュラーシーブ上での貯蔵によってさらに乾燥させる。感湿反応用ガラス器具を、使用前に一晩オーブン内で乾燥させる。NMRスペクトルを、Varian 400-MRおよびVNMRS-500分光計で記録する。LC-MS分析は、Waters 2424 ELS検出器、Waters 2998 PDA検出器、およびWaters 3100 ESI質量検出器と組み合わせたWaters e2695分離モジュールを使用して行う。LC-MS分離は、XBridge C18 3.5μm 2.1×50mmカラムで、5:95~100:0のアセトニトリルおよび水の勾配(イオン化剤として0.1%のギ酸を含む)を使用して行う。HRMS分析は、エレクトロスプレーイオン化を備えたAgilent 6230 TOF質量分析計と組み合わせたZorbax Eclipse Plus C18 1.8μm 2.1×50mmカラムを備えたAgilent 1290 Infinity LCを使用して行う。1H NMRデータは、次のように報告する:化学シフト(多重度(br=幅広線、s=1重線、d=2重線、t=3重線、q=4重線、p=5重線、sex=6重線、sept=7重線、およびm=多重線)、積分値、および帰属)。基準物質として重水素化溶媒中の残留プロトンを使用して、1H NMRデータの化学シフトをテトラメチルシラン内部からの低磁場のppm(TMS、δスケール)で報告する。13C NMRデータは、1Hデカップリングを用いて決定し、化学シフトは、基準として重水素化溶媒中の残留炭素を使用して、テトラメチルシラン(TMS、δスケール)からの低磁場(ppm)として報告する。
【0078】
PPRスクリーニング実験の一般的手順
ポリオレフィン触媒スクリーニングは、ハイスループット並列重合反応器(PPR)システムで行う。PPRシステムは、不活性雰囲気グローブボックス内の48個の単一セル(6×8マトリックス)反応器のアレイで構成されている。各セルは、約5mLの内部作動液体積を有するガラスインサートを備える。各セルは独立した圧力制御を有し、セル内の液体を800rpmで連続的に撹拌する。触媒溶液は、別段の記載がない限り、適切な量のプロ触媒をトルエン中に溶解することによって調製する。すべての液体(例えば、溶媒、1-オクテン、実験に適切なチェーンシャトリング剤溶液、および触媒溶液)を、ロボットシリンジを介して単一セル反応器に添加する。ガス状試薬(すなわち、エチレン、H2)は、ガス注入ポートを介して単一セル反応器に添加される。各実行前に、反応器を80℃に加熱し、エチレンでパージし、通気する。
【0079】
Isopar-Eの一部分を反応器に添加する。反応器を実行温度まで加熱し、エチレンで適切なpsigまで加圧する。試薬のトルエン溶液を以下の順序で添加する。(1)500nmolの捕捉剤MMAO-3Aとともに1-オクテン、(2)活性化剤(共触媒-1、共触媒-2など)、および(3)触媒。
【0080】
各液体の添加後に少量のIsopar-Eを加え、最終的な添加後に全反応体積が5mLになるようにする。触媒を添加すると、PPRソフトウェアは各セルの圧力の監視を開始する。圧力(およそ2~6psig以内)を、設定値マイナス1psiでバルブを開き、圧力が2psiより高くなったときにバルブを閉じることによる、エチレンガスの追加の添加によって維持する。すべての圧力低下を、実行期間、または取り込みもしくは変換要求値に達するまでのいずれか早く起こる期間にわたって、エチレンの「取り込み」または「変換」として累積的に記録する。各反応を、反応器圧力よりも40~50psi高い圧力で4分間、アルゴン中の10%一酸化炭素の添加によってクエンチする。「クエンチ時間」が短いほど、触媒がより活性であることを意味する。任意の所与のセルにおける過剰なポリマーの形成を防止するために、反応は、所定の取り込みレベル(120℃の実行で50psig、150℃の実行で75psig)に達した時点でクエンチされる。すべての反応をクエンチした後、反応器を70℃まで冷却する。反応器を通気させ、窒素で5分間パージして、一酸化炭素を除去し、管を取り外す。ポリマー試料を遠心蒸発器内で70℃で12時間乾燥させ、重さを量って、ポリマー収率を決定し、IR(1-オクテンの組み込み)およびGPC(分子量)分析に供した。
【0081】
SymRAD HT-GPC分析
分子量データは、ハイブリッドのSymyx/Dow構築ロボット支援希釈高温度ゲル浸透クロマトグラフィー装置(Sym-RAD-GPC)における分析によって決定する。ポリマー試料を、300百万分率(ppm)のブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)によって安定化された10mg/mLの濃度で、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)中に160℃で120分間加熱することによって溶解する。250μLアリコートの試料を注入する直前に、各試料を1mg/mLに希釈した。GPCは、160℃で2.0mL/分の流速で2つのPolymer Labs PLgelの10μmの混合-Bカラム(300×10mm)を備える。試料検出を、濃度モードでPolyChar IR4検出器を使用して行う。狭ポリスチレン(PS)標準の従来の較正は、この温度でのTCBにおけるPSおよびPEの既知のMark-Houwink係数を使用してホモポリエチレン(PE)に調整された見かけの単位で利用される。
【0082】
1-オクテン組み込みIR分析
HT-GPC分析用の試料の実行がIR分析に先行する。IR分析の場合、試料の堆積および1-オクテン組み込みの分析には、48ウェルのHTシリコンウエハを利用する。分析では、試料を160℃まで210分間以下加熱し、試料を再加熱して磁気GPC撹拌棒を取り外し、J-KEM Scientific加熱式ロボット振とう機においてガラス棒の撹拌棒を用いて振とうする。試料をTecan MiniPrepの75堆積ステーションを使用して加熱しながら堆積させ、1,2,4-トリクロロベンゼンを窒素パージ下、160℃でウエハの堆積ウェルから蒸発させる。1-オクテンの分析は、NEXUS 670 E.S.P.FT-IRを使用して、HTシリコンウエハ上で行う。
【0083】
バッチ反応器重合手順
バッチ反応器での重合反応は、4LのParr(商標)バッチ反応器内で行われる。反応器は、電気加熱マントルによって加熱し、冷却水を含有する内部蛇管冷却コイルによって冷却した。反応器および加熱/冷却システムの両方は、Camile(商標)TGプロセスコンピュータによって制御および監視される。反応器の底部には、反応器の内容物をステンレス鋼のダンプポットに移すダンプ弁が取り付けられている。ダンプポットには、触媒失活溶液(典型的には、5mLのIrgafos/Irganox/トルエン混合液)が事前に充填されている。ポットおよびタンクの両方を窒素でパージして、ダンプポットを30ガロンのブローダウンタンクに通気する。重合または触媒補給のために使用したすべての溶媒を溶媒精製カラムに通過させて、重合に影響を及ぼし得る一切の不純物を除去する。1-オクテンおよびIsoparEを、A2アルミナを含有する第1のカラム、Q5を含有する第2のカラムの2つのカラムに通す。エチレンを、A204アルミナおよび4
【数6】
モレキュラーシーブを含有する第1のカラム、Q5反応物質を含有する第2のカラムの2つのカラムに通す。移送に使用されるN
2を、A204アルミナ、4
【数7】
モレキュラーシーブ、およびQ5を含有する単一のカラムに通す。
【0084】
反応器は、反応器の負荷に応じて、IsoparE溶媒、および/または1-オクテンを含有し得るショットタンクからまず装填する。ショットタンクは、ショットタンクに取り付けたラボスケールを使用して負荷設定点まで充填する。液体供給物を添加した後、反応器を重合温度設定点に加熱する。エチレンが使用される場合、反応圧力設定点を維持するための反応温度で、エチレンが反応器に添加される。添加されるエチレンの量は、マイクロモーション流量計によって監視される。いくつかの実験では、120℃での標準条件は、1155gのIsoparE中の88gのエチレンおよび568gの1-オクテンであり、150℃での標準条件は、1043gのIsoparE中の81gのエチレンおよび570gの1-オクテンである。
【0085】
プロ触媒および活性化剤を適切な量の精製トルエンと混合して、モル濃度の溶液を得る。プロ触媒および活性化剤は、不活性グローブボックス内で処理され、シリンジ内に引き込まれ、触媒ショットタンク内に加圧移送される。シリンジを5mLのトルエンで3回すすぐ。触媒が添加された直後に、実行タイマーが始まる。エチレンを使用する場合は、それは、反応器内の反応圧力設定点を維持するためにカミールによって添加される。重合反応を10分間実行し、次いで、撹拌機を停止し、下部のダンプ弁を開放して、反応器の内容物をダンプポットに移す。ダンプポットの内容物をトレイ中に注ぎ、ラボフード内に置き、そこで、溶媒を一晩蒸発させる。残存するポリマーを含むトレイを真空オーブンに移し、真空下で140℃まで加熱して、いずれの残存する溶媒も除去する。トレイが周囲温度に冷却された後、効率を測定するためにポリマーの収量が測定され、ポリマー試験に供された。
【実施例】
【0086】
実施例1~45は、配位子中間体、配位子、および単離されたプロ触媒の合成手順である。配位子1~17の構造を
図3~5に提供する。プロ触媒1~74は、配位子1~17から合成した。一般的な合成スキームを例示する。本開示の1つ以上の特徴を以下の例の観点で例示する。
【0087】
実施例1:配位子1へのモノカルボジイミド中間体の合成
【化7】
CH2Cl2(50mL)中のベンジルイソチオシアネート(2.00mL、15.079mmol、1.00eq)の溶液に、ニートなシクロヘキシルアミン(1.70mL、15.079mmol、1.00eq)を、シリンジを介して添加した。23℃で24時間撹拌(300rpm)した後、EtOH(50mL)を添加し、続いてヨードメタン(1.40mL、22.620mmol、2.00eq)を添加した。23℃で24時間撹拌した後、透明な淡黄色の溶液をNaHCO
3(50mL)の飽和水性混合物で中和し、続いて水性NaOH(15mL、1N)を加え、二相混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、分液漏斗に注ぎ入れ、分配し、有機物をNaHCO
3(3×25mL)の飽和水性混合物で洗浄し、CH
2Cl
2(2×20mL)を用いて水層から残留有機物を抽出し、合わせ、固体Na
2SO
4で乾燥させ、デカントし、濃縮して、粗メチルイソチオ尿素を透明な黄金色の油(3.740g、14.252mmol、95%)として得た。NMRは異性体の複雑な混合物として存在する生成物を示した。精製せずに、未精製の材料を続く反応に使用した。
【0088】
23℃のオーブン乾燥褐色ジャーにおけるMeCN-CH2Cl2(150mL、1:1)中の粗イソチオ尿素(3.740g、14.252mmol、1.00eq)およびEt3N(1.586g、2.20mL、15.677mmol、1.10eq)の透明な黄金色の溶液に、固体AgNO3(2.542g、14.965mmol、1.05eq)を一度に全部添加した。2時間撹拌(500rpm)した後、鮮黄色の不均一混合物を取り出し、ヘキサン(100mL)で希釈し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、セライトのパッドで吸引濾過し、ヘキサン(3×25mL)ですすぎ、約10mLまで濃縮し、ヘキサン(25mL)を添加し、暗黄色を約10mLまで濃縮し、このプロセスをさらに2回繰り返して、残留MeCN、CH2Cl2を除去し、残留銀およびアンモニウム塩を粉砕し、得られた暗黄褐色の不均一混合物をヘキサン(25mL)で希釈し、セライトのパッドに通して吸引濾過し、ヘキサン(3×25mL)ですすぎ、濃縮して、モノカルボジイミドを透明な淡黄色の油(2.510g、11.712mmol、82%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0089】
チオ尿素の特徴評価:
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.39-7.27(m、5H)、6.16(br s、1H)、5.79(br s、1H)、4.61(br s、2H)、3.80-3.90(m、1H)、1.94(dq、J=12.6、4.0Hz、2H)、1.64(dt、J=13.8、3.9Hz、2H)、1.56(dq、J=12.2、4.0Hz、1H)、1.37-1.27(m、2H)、1.14(tt、J=15.3、7.6Hz、3H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 180.54、136.88、128.92、127.92、127.54、52.96、48.38、32.69、25.31、24.51。
【0090】
メチルイソチオ尿素の特徴評価:
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.34(dt、J=14.8、7.6Hz、4H)、7.23(t、J=7.3Hz、1H)、4.70-4.30(m、2H)、4.25-3.90(m、1H)、3.90-3.40(m、1H)、2.38(s、3H)、2.09-1.80(m、2H)、1.72(dt、J=13.4、4.1Hz、2H)、1.62(dt、J=13.0、4.0Hz、1H)、1.37(q、J=12.5Hz、2H)、1.20(q、J=12.2Hz、3H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 150.83、141.74、128.23、127.35、126.42、54.16、50.70、34.61、25.81、24.92、14.44。HRMS(ESI):C15H22N2S[M+H]+の計算値263.1577、実測値263.1555。
【0091】
モノカルボジイミドの特徴評価:
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.38-7.24(m、5H)、4.35(s、2H)、3.15(dp、J=8.3、3.8Hz、1H)、1.72(ddt、J=56.9、13.0、4.0Hz、4H)、1.55-1.48(m、1H)、1.31-1.09(m、5H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 140.72、138.70、128.55、127.68、127.43、55.68、50.72、34.68、25.37、24.48。C14H18N2[M+H]+のHRMS(ESI)計算値215.1543、実測値215.1536。
【0092】
実施例2:配位子1の合成
【化8】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(5.0mL)中のEt
2NH(5.0mL)の溶液に、THF(0.90mL)中のカルボジイミド(90.0mg、0.4200mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。24時間撹拌(300rpm)した後、透明無色の溶液を濃縮し、ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留Et
2NHを除去し、不溶性不純物を粉砕し、白色の非晶質固体をヘキサン(5mL)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な淡黄色の非晶質油(0.109g、0.3792mmol、90%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0093】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.56(d、J=7.5Hz、2H)、7.25(t、J=7.6Hz、2H)、7.11(d、J=10.5Hz、1H)、4.45-4.30(m、2H)、3.19(q、J=7.1Hz、4H)、3.25-3.00(m、2H)、1.84-1.31(m、4H)、1.06(q、J=13.4、10.2Hz、10H)、0.81(dq、J=74.8、12.2Hz、2H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 155.66、143.13、128.11、125.95、53.42、51.62、42.74、34.50、25.49、25.31、24.89、12.66。
【0094】
実施例3:配位子2の合成
【化9】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2.5mL)中のピロリジン(3.0mL)の溶液に、THF(0.50mL)中のカルボジイミド(50.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。24時間撹拌(300rpm)した後、透明無色の溶液を濃縮し、ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留ピロリジンを除去し、不溶性不純物を粉砕し、白色の非晶質固体をヘキサン(5mL)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な淡黄色の非晶質油(55.5mg、0.1944mmol、83%)として得た。NMRは、異性体と水素結合互変異性体/異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0095】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.62(d、J=7.4Hz、2H)、7.27(t、J=7.6Hz、2H)、7.20-7.05(m、1H)、4.55-4.35(m、2H)、3.45-3.27(m、4H)、3.26-3.17(m、1H)、3.10-2.94(m、1H)、1.86-1.68(m、2H)、1.56-1.41(m、6H)、1.40-0.71(m、6H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 154.99、143.50、128.07、127.93、125.90、53.14、51.67、48.12、34.74、25.51、25.30、25.14。
【0096】
実施例4:配位子3の合成
【化10】
ジイソプロピルアミン(5.0mL)の溶液に、カルボジイミド(35.0mg、0.1633mmol、1.00eq)を85℃に加熱したマントルに入れ、48時間撹拌(300rpm)した後、透明無色の溶液を濃縮し、ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留ジイソプロピルアミンを除去し、不溶性不純物を粉砕し、白色の非晶質固体をヘキサン(5mL)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明無色の非晶質油(36.0mg、0.1141mmol、70%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。(*)マイナー異性体の化学シフトを示す
【0097】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.58(d、J=7.6Hz、2H)、7.24(p、J=11.4、9.4Hz、2H)、7.10(d、J=16.5Hz、1H)、(4.88-4.67(m、2H)*)4.43-4.33(m、2H)、(4.06-3.92(m、1H)*)3.67-3.49(m、2H)、3.07(br s、1H)3.01-2.86(m、1H)、2.15-1.86(m、2H)、1.86-1.35(m、4H)、1.27(dd、J=22.4、6.7Hz、12H)、1.29-1.20(m、2H)、1.13-0.69(m、2H)、(0.97-0.90(m、12H)*)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 155.13、143.25、128.10、127.09、125.90、(53.52*)51.95、49.37、47.62(46.99*)、34.65(33.25*)、(26.10*)25.47(24.92*)、21.81、20.98。
【0098】
実施例5:配位子4の合成
【化11】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2mL)中のピロール(16.0μL、0.2333mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(10.0μL、0.0233mmol、0.10eq、ヘキサン中で滴定された2.40M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(0.5mL)中のカルボジイミド(50.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。24時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFおよびピロールを除去し、得られた不透明な混合物をヘキサン(5mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な淡黄色の非晶質油(55.5mg、0.1972mmol、85%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0099】
生成物は、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0100】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.40-7.30(m、2H)、7.29-6.92(m、3H)、6.69-6.58(br s、2H)、6.25-6.14(br s、2H)、4.50-4.32(br s、2H)(4.26(s、2H)*)、(3.76(s、1H)*)3.61-3.43(br s、2H)、3.30-3.13(m、1H)、1.98-1.83(m、2H)、1.73-1.16(m、4H)、1.16-1.04(m、2H)、0.99-0.53(m、2H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 142.41、(128.31*)128.14、(127.10*)126.08、119.74、(110.09*)109.26、52.26、50.02、(35.64*)(34.41*)32.53、25.74、24.73。
【0101】
実施例6:配位子5の合成
【化12】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2mL)中のイミダゾール(15.9mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(5.0μL、0.0166mmol、0.05eq、ヘキサン中で滴定された2.40M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(0.5mL)中のカルボジイミド(50.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、PhH-ヘキサン(5mL、1:1)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFおよびピロリジンを除去し、得られた不透明な混合物をPhH-ヘキサン(5mL、1:1)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、PhH-ヘキサン(3×5mL、1:1)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な淡黄色の非晶質泡沫(63.9mg、0.2263mmol、95%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との混合物として存在する生成物を示した。
【0102】
生成物は、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0103】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.26(d、J=7.8Hz、2H)、7.19-6.95(m、5H)、6.57-6.48(m、1H)、4.23-4.14(br s、2H)、3.70(br s、1H)、3.00-2.80(m、1H)、1.91(m、2H)、1.66-1.28(m、4H)、1.19-0.76(m、4H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 141.65、141.12、135.57、129.09、(128.29*)128.20(128.15*)、(127.52*)、126.96、126.27、117.68、(56.30*)52.13、50.25(45.91*)、35.40、32.37、25.69、24.75(24.23*)。
【0104】
実施例7:配位子6の合成
【化13】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2mL)中のピラゾール(15.9mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(10.0μL、0.0233mmol、0.10eq、ヘキサン中で滴定された2.40M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(0.5mL)中のカルボジイミド(50.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFおよびピラゾールを除去し、得られた不透明な混合物をヘキサン(5mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な無色の非晶質油(58.6mg、0.2075mmol、89%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0105】
生成物は、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0106】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 8.42(d、J=2.6Hz、1H)、7.46(d、J=7.5Hz、2H)、7.38-6.95(m、3H)、6.22(d、J=9.8Hz、1H)、6.03-5.91(m、1H)(5.91-5.80(m、J=4.6、2.4Hz、1H)*)、(4.90-4.76(d、J=15.2Hz、2H)*)4.64(s、2H)、4.58-4.38(m、1H)、(4.18-4.10(m、J=6.0Hz、1H)*)、(3.62-3.49(m、1H)*)3.48-3.32(m、1H)、2.08-1.83(m、2H)、1.83-0.74(m、8H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 143.90、142.03、(139.77*)139.74、129.61、128.19、127.26、126.31、107.39(106.16*)、(51.99*)51.28、33.81、(25.74*)25.25、(24.59*)24.20。
【0107】
実施例8:配位子7の合成
【化14】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2mL)中のインドール(27.3mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(5.0μL、0.0166mmol、0.05eq、ヘキサン中で滴定された2.40M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(0.5mL)中のカルボジイミド(50.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFおよびピロリジンを除去し、得られた不透明な混合物をヘキサン(5mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な淡黄色の非晶質泡沫(73.6mg、0.2221mmol、95%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0108】
生成物は、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0109】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.62-7.52(m、1H)、7.44-7.30(br s、1H)、7.30-7.06(m、6H)、7.06-6.98(m、1H)、6.85-6.71(br s、1H)、6.49-6.31(br s、1H)、4.35-4.07(br s、2H)、(3.99-3.72(m、1H)*)、3.72-3.38(m、1H)、3.10-2.73(m、1H)、2.09-1.74(m、2H)、1.74-0.61(m、8H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 141.97、135.45、128.14、127.93、127.17、126.17、125.88、123.06、122.91、121.08、120.94、111.32、103.54、(56.36*)52.36、50.32(46.12*)、(35.52*)(34.07*)32.63、(26.83*)25.57、24.73、(24.23*)。
【0110】
実施例9:配位子8の合成
【化15】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2mL)中のカルバゾール(39.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(10.0μL、0.0233mmol、0.10eq、ヘキサン中で滴定された2.40M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(0.5mL)中のカルボジイミド(50.0mg、0.2333mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFを除去し、不溶性不純物を粉砕し、得られた不透明な混合物をヘキサン(5mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを非晶質の黄色の油(72.3mg、0.1887mmol、81%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0111】
生成物は、複雑な異性体の混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0112】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 8.01-7.82(m、2H)、7.43-7.29(m、2H)、7.29-7.23(m、3H)、7.22-6.94(m、6H)、4.32-4.10(br s、2H)(4.05-3.84(br s、2H)*)、3.61-3.37(br s、1H)、3.07-2.82(br s、1H)、2.15-1.84(m、2H)、1.80-0.66(m、8H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 141.92、139.10、127.74、127.51、126.94、126.34、126.01、123.20、120.39、120.27、110.55、(56.67*)52.66、50.23(46.15*)、(35.48*)32.65、25.67、24.80。
【0113】
実施例10:配位子9の合成
【化16】
23℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(5mL)中のカルバゾール(265.0mg、1.585mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(60.0μL、0.1585mmol、0.10eq、ヘキサン中で滴定された2.61M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(5mL)中のカルボジイミド(200.0mg、0.25mL、1.585mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFを除去し、不溶性不純物を粉砕し、得られた不透明な混合物をヘキサン/PhH(5mL、2:1)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhH(3×5mL、2:1)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを非晶質の淡黄色の泡沫(317.0mg、1.080mmol、68%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0114】
生成物は、複雑な異性体の混合物として存在する:メジャー異性体化学シフトのみを列挙する。
【0115】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 8.01-7.85(m、J=7.7Hz、2H)、7.46-7.24(m、4H)、7.23-7.13(m、2H)、4.35-3.95(br s、1H)、3.44-3.17(m、1H)、3.17-2.93(br s、1H)、1.18-0.74(m、12H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 139.46、128.17、126.28、122.98、120.42、120.27、110.04、48.94、42.96、25.09、21.94。
【0116】
実施例11:配位子10および11への中間体の合成
【化17】
23℃のEt
2O(125mL)中のイソチオシアネート(1.85mL、12.252mmol、1.00eq)の撹拌(500rpm)溶液に、ベンジルアミン(1.34mL、12.252mmol、1.00eq)をニートでシリンジを介して滴下した。12時間後、透明無色の溶液を濃縮して、チオ尿素を灰白色の固体(3.310g、12.252mmol、100%)として得た。NMRは、さらに精製することなく次の反応に使用した生成物を示した。
【0117】
23℃のEtOH-CH2Cl2(100mL、1:1)中のチオ尿素(3.285g、12.149mmol、1.00eq)の撹拌(500rpm)溶液に、ヨードメタン(3.10mL、48.596mmol、4.00eq)をニートでシリンジを介して添加した。12時間後、透明な淡黄色の溶液をNaHCO3(100mL)の飽和水性混合物で中和し、次いで水性NaOH(15mL、1N)を加え、二相混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、分液漏斗に注ぎ入れ、分配し、有機物をNaHCO3(3×50mL)の飽和水性混合物で洗浄し、CH2Cl2(2×25mL)を用いて水層から残留有機物を抽出し、合わせ、固体Na2SO4で乾燥させ、デカントし、濃縮して、メチルイソチオ尿素を淡黄色の固体(3.450g、12.149mmol、100%)として得た。この材料を、さらに精製することなく次の反応に用いた。
【0118】
粗メチルイソチオ尿素の特性データ:
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.36(d、J=5.5Hz、3H)、7.33-7.27(m、2H)、7.04-6.98(m、2H)、6.87(t、J=7.5Hz、1H)、4.74-4.46(m、3H)、2.45-2.34(m、3H)、2.12(s、6H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 152.80、146.31、138.75、129.32、128.63、127.90、127.55、127.45、122.71、47.09、18.07、13.80。
【0119】
チオ尿素の特徴評価データ:
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.65(s、1H)、7.32-7.27(m、2H)、7.26-7.22(m、3H)、7.16(dd、J=8.5、6.5Hz、1H)、7.10(d、J=7.5Hz、2H)、5.72-5.54(m、1H)、4.85(d、J=5.4Hz、2H)、2.26(s、6H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 181.26、137.63、137.30、132.68、129.04、128.67、127.63、127.51、49.17、18.10。
【0120】
実施例12:リガンド10および11へのモノカルボジイミド中間体の合成
【化18】
光から保護されたオーブン乾燥褐色ジャーにおけるMeCN(130mL)中のチオグアニジン(3.698g、13.002mmol、1.00eq)およびEt
3N(4.00mL、28.604mmol、2.20eq)の溶液を30分間氷水浴に入れ、その後固体AgNO
3(4.528g、26.654mmol、2.05eq)を一度に全部添加した。2時間撹拌(500rpm)した後、ヘキサン(150mL)を鮮黄色の不均一混合物に添加し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、セライトのパッドで吸引濾過し、約10mLに濃縮し、さらにヘキサン(50mL)で希釈し、約10mLに濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返して、残留MeCNを除去し、ここでは黄色の不均一混合物をヘキサン(50mL)で希釈し、セライトのパッドで吸引濾過し、濃縮して、モノカルボジイミドを透明な淡黄色の油(1.781g、7.536mmol、58%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0121】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 7.39(d、J=4.3Hz、4H)、7.35-7.29(m、1H)、7.00(d、J=7.9Hz、2H)、6.93(dd、J=8.5、6.3Hz、1H)、4.55(s、2H)、2.26(s、6H)。13C NMR(101MHz、クロロホルム-d)δ 138.04、136.34、134.33、132.32、128.67、128.07、127.62、127.50、124.27、50.57、18.84。
【0122】
実施例13:配位子10の合成
【化19】
23℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(5mL)中のカルバゾール(0.144g、0.6094mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(25.0μL、0.0609mmol、0.10eq、ヘキサン中で滴定された2.50M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(5mL)中のカルボジイミド(0.102g、0.6094mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン/PhMe(5mL、1:1)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFを除去し、不溶性不純物を粉砕し、得られた不透明な混合物をヘキサン/PhMe(5mL、1:1)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhH(3×5mL、1:1)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを非晶質の淡黄色の泡沫(0.197g、0.4875mmol、80%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との混合物として存在する生成物を示した。
【0123】
生成物は、異性体の混合物として存在する:メジャー異性体化学シフトのみを列挙する。
【0124】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 8.05-7.79(m、4H)、7.40-7.24(m、2H)、7.24-7.09(m、4H)、7.09-6.69(m、6H)、4.64-4.31(br s、1H)、3.60-3.30(br s、2H)、2.15(s、6H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 145.15、139.53、128.49、128.32、128.14、127.95、127.25、126.30、125.50、124.41、123.39、123.28、120.99、120.13、112.48、47.76、18.55。
【0125】
実施例14:配位子11の合成
【化20】
22℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(5.0mL)中のEt
2NH(5.0mL)の溶液に、無水脱酸素化ベンゼン(1.0mL)中のカルボジイミド(0.144g、0.6094mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌(300rpm)した後、透明無色の溶液を濃縮し、ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留Et
2NHを除去し、不溶性不純物を粉砕し、透明な黄金色の泡沫をヘキサン(5mL)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×5mL)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを透明な黄金色の非晶質油(0.118g、0.3813mmol、63%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0126】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.07-7.03(m、2H)、7.02-6.97(m、2H)、6.97-6.92(m、1H)、6.90-6.81(m、3H)、3.81(d、J=6.4Hz、2H)、3.63-3.56(m、1H)、3.09(q、J=7.1Hz、4H)、2.16(s、6H)、1.00(t、J=7.0Hz、6H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 152.67、147.85、139.70、129.14、128.26、128.14、126.91、123.27、121.47、48.19、42.60、18.50、12.79。
【0127】
実施例15:配位子12の合成
【化21】
23℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(5mL)中のカルバゾール(0.265g、1.585mmol、1.00eq)の溶液に、n-BuLi(63.0μL、0.1585mmol、0.10eq、ヘキサン中で滴定された2.50M)をニートでシリンジを介してゆっくりと滴下した。2分間撹拌(300rpm)した後、THF(5mL)中のカルボジイミド(0.25mL、1.585mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。48時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン/PhMe(5mL、1:1)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFを除去し、不溶性不純物を粉砕し、得られた不透明な混合物をヘキサン/PhMe(5mL、1:1)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhH(3×5mL、1:1)ですすぎ、濃縮して、グアニジンを非晶質の淡黄色の泡沫(0.395g、1.347mmol、85%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との混合物として存在する生成物を示した。
【0128】
生成物は、異性体の混合物として存在する:メジャー異性体化学シフトのみを列挙する。
【0129】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.92(dt、J=7.8、1.0Hz、2H)、7.37(d、J=8.2Hz、2H)、7.29(ddd、J=8.2、7.1、1.2Hz、2H)、7.15(ddd、J=8.1、7.1、1.1Hz、2H)、3.63-3.44(br s、1H)、2.93-2.75(m、2H)、1.24(s、9H)、1.01-0.90(m、3H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 139.49、139.23、126.27、122.94、120.41、120.25、110.31、50.71、43.62、28.21、17.20。
【0130】
実施例16:配位子13、14、および15への中間体の合成
【化22】
窒素下にある23℃の無水エチルエーテル(50mL)中のイソチオシアネート(2.11mL、19.77mmol、2.00eq)の激しく撹拌(1000rpm)する溶液に、カダベリン(1.16mL、9.88mmol、1.00eq)の溶液をニートで2分かけてシリンジを介して滴下した。透明無色の溶液は、即座に白色の不均一な混合物に変化し、これを12時間激しく撹拌(1000rpm)し、その上でアリコートを取り出し、濃縮し、NMRは生成物を示した。白色の混合物を濃縮して、ビスチオ尿素(3.01g、9.88mmol、100%)を得た。NMRは生成物を示した。この材料を、さらに精製することなく次の反応に用いた。
【0131】
1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 7.16(br s、2H)、7.09(br s、2H)、4.18(br s、2H)、3.33-3.24(m、4H)、1.43(p、J=7.3Hz、4H)、1.21(tt、J=8.2、6.0Hz、2H)、1.05(dd、J=6.5、0.9Hz、12H)。13C NMR(101MHz、DMSO-d6)δ 181.25、45.21、43.72、29.03、24.29、22.79。HRMS(ESI):C13H28N4S2[M+H]+の計算値305.2255、実測値305.2285。
【0132】
実施例17:配位子13、14、および15への中間体の合成
【化23】
23℃のCH
2Cl
2およびエタノール(40mL、1:1)中のビスチオ尿素(850.0mg、2.79mmol、1.00eq)の混合物に、ヨードメタン(0.70mL、11.16mmol、4.00eq)を加えた。白色の混合物を12時間撹拌(300rpm)し、ここでは透明な無色の均一溶液を、NaHCO
3(60mL)およびCH
2Cl
2(20mL)の水性飽和混合物で中和し、白色の混合物を5分間激しく撹拌し(1000rpm)、次いでNaOH(10mL、1N)の水性溶液を加えた。無色透明になった二相混合物を分液漏斗に注ぎ入れ、分配し、有機物をNaHCO
3の飽和水性混合物(3×20mL)で洗浄した。残留有機物を水性物からCH
2Cl
2(3×10mL)で逆抽出し、合わせ、ブライン(20mL)で洗浄し、固体Na
2SO
4で乾燥させ、デカントし、濃縮して、イソチオ尿素を灰白色の固体(866.7mg、2.61mmol、94%)として得た。固体のNMRは、生成物を示した。この材料を、さらに精製することなく次の反応に用いた。
【0133】
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 3.82(br s、3H)、3.23(br s、5H)、2.32(br s、6H)、1.57(p、J=7.3Hz、4H)、1.47-1.34(m、2H)、1.11(d、J=6.3Hz、12H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 149.84、46.11、30.63、24.95、23.78、23.59、14.35。HRMS(ESI):C15H32N4S2[M+H]+の計算値333.2630、実測値333.2634。
【0134】
実施例18:配位子13、14、および15への中間体の合成
【化24】
光から保護された褐色ジャーにおける非無水アセトニトリル(140mL)中のビスメチルイソチオ尿素(2.363g、7.105mmol、1.00eq)およびEt
3N(2.10mL、14.921mmol、2.10eq)の溶液を20分間氷水浴に入れ、その後固体AgNO
3(2.474g、14.565mmol、2.05eq)を一度に全部添加した。2時間撹拌(500rpm)した後、黄色の不均一混合物をヘキサン(100mL)で希釈し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、セライトのパッドに通して低温で吸引濾過し、ヘキサン(4×20mL)ですすぎ、得られた黄金色の濾過溶液を約10mLに濃縮し、ヘキサン(50mL)を加え、約10mLに濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返して、残留アセトニトリルを除去し、残留固体不純物を粉砕し、ヘキサン(50mL)を加え、混合物をセライトのパッドに通して吸引濾過し、濃縮して、ビスカルボジイミドを透明無色の油(1.558g、6.590mmol、93%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0135】
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 3.56(hept、J=6.4Hz、2H)、3.22(t、J=6.8Hz、4H)、1.68-1.51(m、4H)、1.51-1.37(m、2H)、1.22(d、J=6.4Hz、12H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 140.12、48.91、46.65、30.90、24.59、24.11。HRMS(ESI):C13H24N4[M+H]+の計算値237.2035、実測値237.2027。
【0136】
実施例19:配位子13の合成
【化25】
27℃のEt
2NH(5mL)の撹拌(300rpm)溶液に、無水脱酸素化THF(2mL)中のビスカルボジイミド(137.4mg、0.5813mmol、1.00eq)の溶液を27℃でゆっくりと滴下した。72時間撹拌した後、ここでは淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)を添加し、混合物を濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返して、残留Et
2NHおよび不溶性不純物を除去し、粘性泡沫をヘキサン(5mL)に懸濁し、激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmサブミクロンフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×3mL)ですすぎ、濃縮して、ビスグアニジンを透明な粘性非晶質泡沫(217.3mg、0.5679mmol、98%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0137】
生成物は、複雑な異性体/互変異性体の混合物として存在する:メジャー異性体のみを列挙する
【0138】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 3.34(tdd、J=12.5、6.2、2.3Hz、4H)、3.11(dq、J=14.0、7.1、6.3Hz、8H)、2.92(dd、J=15.4、9.0Hz、2H)、2.66-2.55(m、2H)、1.87(p、J=7.0Hz、4H)、1.41-1.33(m、2H)、1.23(d、J=6.1Hz、12H)、1.05(tt、J=7.0、2.3Hz、12H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 154.50、47.90、45.87、42.72、32.55、25.22、23.49、12.65。HRMS(ESI):C21H46N6[M+H]+の計算値383.3857、実測値383.3855。
【0139】
実施例20:配位子14の合成
【化26】
ピロリジン(5mL)の撹拌(300rpm)溶液に、無水脱酸素化THF(2mL)中のビスカルボジイミド(137.4mg、0.5813mmol、1.00eq)の溶液を27℃でゆっくりと滴下した。72時間撹拌した後、ここでは淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)を添加し、混合物を濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返して、残留Et
2NHを除去し、粘性泡沫をヘキサン(5mL)に懸濁し、激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmサブミクロンフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×3mL)ですすぎ、濃縮して、ビスグアニジンを白色の粘性非晶質泡沫(150.6mg、0.3978mmol、68%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0140】
生成物は、複雑な異性体/互変異性体の混合物として存在する:メジャー異性体のみを列挙する
【0141】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 3.43-3.34(m、4H)、3.31(d、J=6.5Hz、8H)、2.94(q、J=6.9Hz、2H)、1.95(p、J=7.1Hz、4H)、1.84(q、J=7.6Hz、4H)、1.75(t、J=8.0Hz、4H)、1.57-1.50(m、2H)、1.50-1.39(m、12H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 154.08、48.17、47.98、45.69、32.95、32.43、25.72、25.08、23.77。HRMS(ESI):C21H42N6[M+H]+の計算値379.3544、実測値379.3556。
【0142】
実施例21:配位子15の合成
【化27】
23℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2.5mL)中のカルバゾール(0.165g、0.9850mmol、2.00eq)の溶液に、KHMDS(0.20mL、0.0985mmol、0.20eq、PhMe中で滴定されていない0.5M)の溶液を添加した。ここでは透明な淡いオレンジ色の溶液を2分間撹拌(300rpm)し、続いてTHF(2.5mL)中のビスカルボジイミド(0.116g、0.4925mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。72時間撹拌(300rpm)した後、透明な黄金柑色の溶液を濃縮し、ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFを除去し、不溶性不純物を粉砕し、淡黄色の非晶質固体をPhH/ヘキサン(5mL、1:1)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、PhH/ヘキサン(3×5mL、1:1)ですすぎ、濃縮して、ビスグアニジンを透明な淡黄色の非晶質泡沫(0.281g、0.4914mmol、99%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在する生成物を示した。
【0143】
生成物は、異性体の複雑な混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0144】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 8.00-7.87(m、4H)、7.44-7.23(m、8H)、7.17(d、J=8.3Hz、4H)、4.33-3.92(m、2H)、3.39-3.05(m、4H)、3.04-2.75(m、2H)、1.55-1.16(m、4H)、1.16-1.06(m、2H)、1.07-0.85(m、12H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 141.00、(139.40*)139.18、128.19、126.23、123.01、(120.39*)120.36(120.22*)、110.48、48.76、42.95(41.95*)、31.59、25.23、22.05。
【0145】
実施例22:配位子16~18への中間体の合成
【化28】
Et
2O(65mL)中の2,6-ジメチルフェニルイソチオシアネート(1.85mL、12.252mmol、2.00eq)の激しく撹拌(1000rpm)する溶液に、カダベリン(0.72mL、6.126mmol、1.00eq)を1分かけてゆっくりと滴下した。透明無色の溶液を12時間23℃で激しく撹拌させ、その後、白色の不均一混合物を氷水浴に1時間入れ、低温で吸引濾過し、白色の濾過固体を冷Et
2O(3×20mL)で洗浄し、真空で乾燥させて、ビスチオ尿素を白色の粉末(2.331g、5.438mmol、89%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0146】
1H NMR(500MHz、アセトン-d6)δ 8.45-8.21(br s、1H)、7.19-7.04(m、6H)、6.64-6.27(br s、1H)、3.62-3.48(m、4H)、2.22(s、12H)、1.64-1.47(br s、4H)、1.36-1.16(br s、2H)。13C NMR(126MHz、アセトン-d6)δ 181.44、137.22、134.45、128.35、127.98、44.44、28.91、23.82、17.40。
【0147】
実施例23:配位子16~18への中間体の合成
【化29】
23℃のEtOH-CH
2Cl
2(100mL、1:1)中のビスチオ尿素(2.331g、5.438mmol、1.00eq)の溶液に、ヨードメタン(3.087g、1.40mL、21.752mmol、4.00eq)を加えた。12時間撹拌(500rpm)した後、透明な淡黄色の溶液をNaHCO
3(100mL)の飽和水性混合物で中和し、次いで水性NaOH(15mL、1N)を徐々に加え、白色の二相不均一混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、分液漏斗に注ぎ入れ、分配し、有機物をNaHCO
3(3×50mL)の飽和水性混合物で洗浄し、CH
2Cl
2(2×25mL)を用いて水層から残留有機物を抽出し、合わせ、ブライン(1×50mL)で洗浄し、固体Na
2SO
4上で乾燥させ、デカントし、濃縮してビスメチルイソチオ尿素(2.483g、5.438mmol、100%)を得た。NMRは、少量の不純物とともに異性体/互変異性体の混合物として生成物を示した。さらに精製せずに、未精製の材料を続く反応に使用した。
【0148】
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.00(d、J=7.5Hz、4H)、6.86(t、J=7.5Hz、2H)、4.40-4.13(br s、2H)、3.49-3.20(br s、4H)、2.51-2.27(br s、6H)、2.10(s、12H)、1.71-1.50(br s、4H)、1.46-1.25(br s、2H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 152.52、146.60、129.25、127.89、122.52、43.01、29.90、24.07、18.01、13.66。
【0149】
実施例24:配位子16~18への中間体の合成
【化30】
光から保護された褐色ジャーにおける23℃の非無水CH
2Cl
2およびアセトニトリル(110mL、1:1)中のビスメチルイソチオ尿素(2.493g、5.459mmol、1.00eq)およびEt
3N(3.20mL、22.928mmol、4.20eq)の撹拌(500rpm)溶液に、固体AgNO
3(3.709g、21.836mmol、4.00eq)を一度に全部添加した。3.5時間後、黄金色の不均一混合物をヘキサン(100mL)で希釈し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、セライトパッドに通して吸引濾過し、約10mLに濃縮し、ヘキサン(50mL)を加え、約10mLに濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返し、ヘキサン(50mL)を加え、セライトパッドに通して混合物を吸引濾過し、濃縮してビスカルボジイミドを淡い黄金色の油として得た(1.575g、4.370mmol、80%)NMRは生成物を示した。
【0150】
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 7.01(dq、J=7.3、0.7Hz、4H)、6.93(dd、J=8.2、6.8Hz、2H)、3.40(t、J=6.8Hz、4H)、2.34(s、12H)、1.74-1.66(m、4H)、1.59-1.51(m、2H)。13C NMR(126MHz、クロロホルム-d)δ 136.80、133.75、132.19、128.12、124.11、46.67、30.72、24.27、18.93。HRMS(ESI):C23H28N4[M+H]+の計算値361.2314、実測値361.2299。
【0151】
実施例25:配位子16の合成
【化31】
23℃の窒素充填グローブボックスにおける無水脱酸素化THF(2.5mL)中のカルバゾール(39.0mg、0.2330mmol、2.00eq)の溶液に、溶液KHMDS(23.0μL、0.0117mmol、0.20eq、PhMe中で滴定されていない0.5M)を添加した。ここでは透明な淡いオレンジ色の溶液を2分間撹拌(300rpm)し、続いてTHF(2.5mL)中のビスカルボジイミド(42.5mg、0.1165mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。72時間撹拌(300rpm)した後、透明な黄金柑色の溶液を濃縮し、ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回続けて、残留THFを除去し、不溶性不純物を粉砕し、淡黄色の非晶質固体をPhH/ヘキサン(5mL、1:1)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、PhH/ヘキサン(3×5mL、1:1)ですすぎ、濃縮して、ビスグアニジンを透明な淡黄色の非晶質泡沫(67.5mg、0.0971mmol、84%)として得た。NMRは、異性体と互変異性体との複雑な混合物として存在し、ヘキサンを含有する生成物を示した。
【0152】
生成物は、異性体の複雑な混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0153】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ(8.04-7.88(m、4H)*)7.88-7.78(m、4H)、7.40-7.24(m、4H)、7.18-7.08(m、4H)、7.09-6.97(m、6H)、6.97-6.85(m、4H)、4.33-4.07(m、2H)、4.04-3.76(br s、4H)、2.35-2.15(br s、12H)、2.15-1.97(m、4H)、1.30-1.15(m、2H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 145.44、139.70、128.59、128.32、(128.17*)、127.23、126.30、(125.49*)、124.20(123.16*)、120.93、(120.27*)120.22、112.17(110.39*)、43.22、30.44、25.24、18.67。
【0154】
実施例26:プロ触媒1の合成
【化32】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるZrBn
4(23.8mg、0.0512mmol、1.00eq)の透明な黄金柑色の溶液に、C
6D
6(0.60mL)中のグアニジン(15.0mg、0.0512mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびPhMeを除去し、得られた混合物をヘキサン(2mL)に懸濁し、PhMe(2mL)を加え、混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3×3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を鮮黄色の泡沫(31.3mg、0.0481mmol、94%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0155】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.21-7.17(m、2H)、7.15-7.09(m、3H)、7.08-7.03(m、6H)、6.89-6.83(m、3H)、6.80-6.75(m、6H)、4.13-4.04(m、2H)、3.14-3.00(m、1H)、2.58(q、J=7.1Hz、4H)、2.30(s、6H)、1.71(dt、J=30.7、12.2Hz、6H)、1.53-1.46(m、1H)、1.20-0.99(m、3H)、0.58(t、J=7.0Hz、6H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 175.90、143.85、141.97、130.53、129.21、128.36、126.27、125.76、122.28、72.74、58.53、51.12、41.12、34.64、26.51、25.54、12.61。
【0156】
実施例27:プロ触媒3の合成
【化33】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.38mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルジルコニウム(18.4mg、0.0418mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.24mL)中のグアニジン(12.0mg、0.0418mmol、1.00eq)の溶液を添加した。透明な淡黄色の溶液を1時間撹拌(300rpm)し、その時点でアリコートを取り出し、NMRは所望の錯体への完全な変換を示した。溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返し、得られた淡黄色の泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、得られた淡黄色の混合物を1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(22.8mg、0.0356mmol、85%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0157】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.31-7.28(m、2H)、7.20-7.14(m、2H)、7.01(t、J=7.4Hz、1H)、4.52(s、2H)、3.03(tt、J=11.4、3.8Hz、1H)、2.70(q、J=7.1Hz、4H)、1.89-1.78(m、2H)、1.74-1.64(m、2H)、1.63-1.43(m、4H)、1.09(d、J=8.2Hz、2H)、1.01(s、6H)、0.59(t、J=7.1Hz、6H)、0.28(s、27H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 174.64、141.89、128.26、126.43、126.22、65.84、56.20、51.93、41.75、35.85、26.01、25.63、12.58、3.05。
【0158】
実施例28:プロ触媒4の合成
【化34】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.44mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルハフニウム(22.1mg、0.0418mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.24mL)中のグアニジン(12.0mg、0.0418mmol、1.00eq)の溶液を添加した。透明な淡黄色の溶液を1時間撹拌(300rpm)し、その時点でアリコートを取り出し、NMRは所望の錯体への完全な変換を示した。溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返し、得られた淡黄色の泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、得られた淡黄色の混合物を1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ハフニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(27.0mg、0.0371mmol、89%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0159】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.30(d、J=7.5Hz、2H)、7.18(t、J=7.5Hz、2H)、7.02(t、J=7.4Hz、1H)、4.61(s、2H)、3.22(d、J=12.1Hz、1H)、2.70(q、J=7.1Hz、4H)、1.82(m、2H)、1.68(m、2H)、1.60(m、2H)、1.49(m、1H)、1.09(m、3H)、0.58(t、J=7.1Hz、6H)、0.48(s、6H)、0.31(s、27H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 173.68、141.70、128.28、126.50、126.26、72.71、55.92、51.41、41.70、35.71、26.05、25.64、12.59、3.44。
【0160】
実施例29:プロ触媒7の合成
【化35】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.16mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルジルコニウム(7.7mg、0.0174mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.20mL)中のグアニジン(10.0mg、0.0348mmol、2.00eq)の溶液を添加した。透明な淡黄色の溶液を1時間撹拌(300rpm)し、その時点でアリコートを取り出し、NMRは所望の錯体への完全な変換を示した。溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返し、得られた淡黄色の泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、得られた淡黄色の混合物を1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(13.1mg、0.0156mmol、90%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0161】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.41(d、J=7.5Hz、4H)、7.14-7.07(m、4H)、7.01(t、J=7.3Hz、2H)、4.67(s、4H)、3.22-3.08(m、2H)、2.85(q、J=7.0Hz、8H)、1.91-1.48(m、14H)、1.27-1.10(m、6H)、0.89(s、4H)、0.72(t、J=7.0Hz、12H)、0.38(s、18H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 176.24、142.93、128.26、126.65、125.94、56.99、56.81、52.46、41.40、35.69、26.44、12.85、3.73。
【0162】
実施例30:プロ触媒13の合成
【化36】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるZrBn
4(36.1mg、0.0792mmol、1.00eq)の透明な黄金柑色の溶液に、C
6D
6(1.00mL)中のグアニジン(25.0mg、0.0792mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびPhMeを除去し、得られた混合物をヘキサン(2mL)に懸濁し、PhMe(2mL)を加え、混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3×3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を薄い琥珀色の泡沫(52.8mg、0.0778mmol、98%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0163】
23℃での特性評価:
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.22-7.05(m、11H)、6.92-6.87(m、3H)、6.82-6.78(m、6H)、4.33(s、2H)、3.40-3.32(m、1H)、3.28(hept、J=6.9Hz、2H)、2.30(s、6H)、1.75-1.62(m、4H)、1.18-0.97(m、6H)、0.94(br s、12H)。
【0164】
50℃での特性評価:
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.16(dt、J=15.2、7.5Hz、5H)、7.08(t、J=7.6Hz、6H)、6.88(t、J=7.4Hz、3H)、6.82-6.78(m、6H)、4.36(s、2H)、3.37(dq、J=14.2、6.9、6.3Hz、1H)、3.29(h、J=6.8Hz、2H)、2.29(s、6H)、1.72-1.62(m、3H)、1.55-1.47(m、1H)、1.20-0.99(m、6H)、0.94(d、J=6.8Hz、12H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 178.01、144.00、141.64、129.14、128.27、127.86、126.26、126.08、122.35、74.48、57.39、51.00、49.79、34.88、26.29、25.55、22.91。
【0165】
実施例31:プロ触媒15の合成
【化37】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(1.0mL)中のグアニジン配位子(20.2mg、0.0640mmol、2.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.58mL)中のZrBn
4(14.6mg、0.0320mmol、1.00eq)の溶液を添加した。1時間撹拌した後、NMRは、出発配位子の完全な消費を示した。黄金色の溶液を0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、PhH(3×2mL)ですすぎ、濃縮して、ジルコニウム錯体を黄金色の泡沫(27.0mg、0.0272mmol、85%)として得た。NMRおよびVT-NMRは、回転異性体混合物として存在する生成物を示した。
【0166】
化学シフトは、70℃でのVT-NMRで列挙する。
【0167】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.31(d、J=7.6Hz、4H)、7.26(d、J=7.5Hz、4H)、7.17(t、J=7.6Hz、4H)、7.08(t、J=7.6Hz、4H)、6.99(dq、J=15.5、8.5Hz、2H)、6.84(t、J=7.3Hz、2H)、4.56(s、4H)、3.45(p、J=6.9Hz、4H)、3.40-3.32(m、2H)、2.57(s、4H)、1.83-1.42(m、10H)、1.29-1.12(m、10H)、1.06(d、J=7.0Hz、24H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 179.02、149.03、142.43、128.79、128.04、128.01、126.42、125.74、120.23、56.19、52.10、50.07、35.48、26.36、25.71、23.51。
【0168】
実施例32:プロ触媒17の合成
【化38】
23℃の無水脱酸素化PhMe(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるZrCl
4(7.0mg、0.0301mmol、1.00eq)の黄色の懸濁液に、MeMgBr(0.12mL、0.3612mmol、6.00eq、Et
2O中で滴定された3.0M)、20秒間激しく撹拌(1000rpm)した後、PhMe(1.0mL)中のグアニジン(19.0mg、0.0602mmol、2.00eq)の溶液を素早く滴下した。ここでは暗褐色の混合物を2時間激しく撹拌(1000rpm)し、ここでは黒色の混合物を無水脱酸素化PhMe/ヘキサン(4mL、1:1)で希釈し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、PhMe/ヘキサン(3x3mL、1:1)ですすぎ、濃縮し、灰色の混合物をヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留Et
2Oを除去し、不溶性不純物を粉砕し、混合物をヘキサン/PhMe(3mL、1:1)に懸濁し、2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3x3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮し、前述のヘキサン懸濁/濃縮プロセスを3回繰り返し、得られた淡琥珀色の混合物をヘキサン/PhMe(3mL、1:1)に懸濁し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3x3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を淡琥珀色の泡沫(20.9mg、0.0279mmol、93%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0169】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.51-7.45(m、4H)、7.18-7.12(m、4H)、7.05-7.00(m、2H)、4.64(s、4H)、3.46-3.32(m、6H)、1.87(d、J=12.1Hz、4H)、1.81-1.67(m、6H)、1.60-1.53(m、2H)、1.34-1.07(m、8H)、1.02(d、J=6.8Hz、24H)、0.81(s、6H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 176.77、142.99、128.01、126.59、125.87、55.98、51.22、49.46、43.65、35.84、26.28、25.93、23.06。
【0170】
実施例33:プロ触媒35の合成
【化39】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.26mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルジルコニウム(13.3mg、0.0302mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.20mL)中の基質(10.0mg、0.0302mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。1.5時間撹拌(300rpm)した後、アリコートを取り出し、NMRは、出発グアニジンの所望のジルコニウム錯体への完全な変換を示した。透明な淡黄色の溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返して、残留C
6D
6を除去し、得られた淡黄色の非晶質泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(17.0mg、0.0248mmol、82%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0171】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.54(d、J=8.3Hz、1H)、7.49(d、J=7.9Hz、1H)、7.18(t、J=7.7Hz、1H)、7.07(t、J=7.5Hz、1H)、7.02(t、J=7.5Hz、2H)、6.94(d、J=7.9Hz、3H)、6.77(d、J=3.3Hz、1H)、6.38(d、J=3.3Hz、1H)、4.26(d、J=15.1Hz、1H)、4.16(d、J=15.1Hz、1H)、3.07-2.94(m、1H)、1.71-1.60(m、2H)、1.49-1.37(m、3H)、1.37-1.28(m、1H)、1.22(d、J=26.3Hz、6H)、0.84(q、J=12.5Hz、1H)、0.68(dt、J=46.7、13.5Hz、1H)、0.29(s、27H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 165.30、140.35、134.89、128.35、128.27、127.10、126.80、124.93、123.67、121.63、121.39、111.07、105.25、70.93、56.08、51.20、35.97、35.62、25.15、25.11、25.04、2.91。
【0172】
実施例34:プロ触媒36の合成
【化40】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.26mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルハフニウム(16.0mg、0.0302mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.20mL)中のグアニジン(10.0mg、0.0302mmol、1.00eq)の溶液を添加した。90分間撹拌(300rpm)した後、アリコートを取り出し、NMRは、出発グアニジンの所望のハフニウム錯体への完全な変換を示した。透明な淡黄色の溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返して、残留C
6D
6を除去し、得られた淡黄色の非晶質泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ハフニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(20.1mg、0.0261mmol、86%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0173】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.52(dq、J=8.3、0.9Hz、1H)、7.48-7.45(m、1H)、7.18-7.13(m、1H)、7.05(ddd、J=8.1、7.2、1.0Hz、2H)、7.02-6.97(m、2H)、6.93-6.88(m、2H)、6.74(dd、J=3.3、0.4Hz、1H)、6.36(dd、J=3.4、0.9Hz、1H)、4.31(d、J=15.0Hz、1H)、4.24(d、J=15.0Hz、1H)、3.17(tt、J=11.4、4.0Hz、1H)、1.63(m、2H)、1.51-1.12(m、8H)、0.60(s、6H)、0.28(s、27H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 164.78、140.04、134.87、128.42、128.25、127.49、126.84、124.89、123.70、121.70、121.40、111.11、105.47、77.15、55.88、50.85、35.79、35.43、25.11、25.03、3.27。
【0174】
実施例35:プロ触媒37の合成
【化41】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるZrBn
4(23.9mg、0.0524mmol、1.00eq)の透明な黄金柑色の溶液に、C
6D
6(0.80mL)中のグアニジン(20.0mg、0.0524mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびPhMeを除去し、得られた混合物をヘキサン(2mL)に懸濁し、PhMe(2mL)を加え、混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3×3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を薄い琥珀色の泡沫(36.1mg、0.0485mmol、92%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0175】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.79-7.75(m、2H)、7.24(ddd、J=8.3、7.1、1.3Hz、2H)、7.17-7.08(m、8H)、7.03-6.88(m、6H)、6.87-6.82(m、4H)、6.80-6.72(m、4H)、6.62-6.57(m、2H)、4.09(s、2H)、2.83(tt、J=11.6、4.1Hz、1H)、2.42(s、6H)、1.54-1.45(m、1H)、1.41-1.27(m、3H)、1.22(d、J=13.5Hz、2H)、1.02(d、J=13.2Hz、1H)、0.66(qt、J=13.0、3.5Hz、1H)、0.41(dddd、J=16.8、13.1、8.3、3.6Hz、2H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 165.27、142.64、139.77、138.29、130.53、129.66、128.30、128.28、128.15、127.12、126.57、126.38、124.09、123.29、123.17、121.02、120.44、110.69、76.72、57.47、50.73、34.69、25.19、24.93。
【0176】
実施例36:プロ触媒38の合成
【化42】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるHfBn
4(28.5mg、0.0524mmol、1.00eq)の透明な黄金色の溶液に、C
6D
6(0.80mL)中のグアニジン(20.0mg、0.0524mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびPhMeを除去し、得られた混合物をヘキサン(2mL)に懸濁し、PhMe(2mL)を加え、混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3×3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ハフニウム錯体を薄い琥珀色の泡沫(40.3mg、0.0484mmol、92%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0177】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.75(ddd、J=7.8、1.3、0.7Hz、2H)、7.23-7.17(m、8H)、7.00(dt、J=7.6、1.2Hz、6H)、6.95(dddd、J=8.7、3.5、2.5、1.2Hz、6H)、6.76(d、J=2.0Hz、1H)、6.75-6.73(m、2H)、6.54-6.46(m、3H)、4.07(s、2H)、2.99(tt、J=11.5、4.2Hz、1H)、2.30(s、6H)、1.45-1.14(m、5H)、1.02(d、J=13.1Hz、1H)、0.68(qt、J=13.2、3.7Hz、2H)、0.38(tdd、J=13.1、9.4、3.6Hz、2H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 164.21、143.05、139.33、138.06、128.99、128.54、128.22、128.15、128.03、127.29、126.65、126.55、123.45、122.94、121.22、120.44、110.78、86.80、56.88、50.48、34.52、25.05、24.81。
【0178】
実施例37:プロ触媒41の合成
【化43】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.23mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルジルコニウム(11.5mg、0.0262mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.20mL)中の基質(10.0mg、0.0262mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。90分間撹拌(300rpm)した後、アリコートを取り出し、NMRは、出発グアニジンの所望のジルコニウム錯体への完全な変換を示した。透明な淡黄色の溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返して、残留C
6D
6を除去し、得られた淡黄色の非晶質泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(15.5mg、0.0211mmol、81%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0179】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.82(d、J=7.8Hz、2H)、7.53(d、J=8.2Hz、2H)、7.28(t、J=7.7Hz、2H)、7.13-7.08(m、2H)、6.86-6.82(m、2H)、6.80-6.76(m、3H)、4.21(s、2H)、3.10-3.01(m、1H)、1.75-1.68(m、2H)、1.48(qd、J=11.8、11.1、6.9Hz、2H)、1.30(s、6H)、1.30-1.25(m、1H)、1.12-1.04(m、1H)、0.90-0.73(m、2H)、0.57-0.45(m、2H)、0.34(s、27H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 164.76、140.05、138.27、128.17、128.06、126.72、126.65、123.61、121.30、120.64、110.60、71.46、56.20、51.62、35.89、25.04、24.96、2.96。
【0180】
実施例38:プロ触媒43の合成
【化44】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.29mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルジルコニウム(14.4mg、0.0328mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.50mL)中のグアニジン(25.0mg、0.0655mmol、2.00eq)の溶液を添加した。透明な淡黄色の溶液を1時間撹拌(300rpm)し、その時点でアリコートを取り出し、NMRは所望の錯体への完全な変換を示した。溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返し、得られた淡黄色の泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、得られた淡黄色の混合物を1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を灰白色の非晶質泡沫(29.4mg、0.0286mmol、87%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0181】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.85(d、J=7.8Hz、4H)、7.68(d、J=8.2Hz、4H)、7.30(t、J=7.8Hz、4H)、7.12(t、J=5.2Hz、4H)、6.87(d、J=7.4Hz、4H)、6.80(t、J=7.5Hz、4H)、6.73(t、J=7.3Hz、2H)、4.57(s、4H)、3.18-3.05(m、2H)、1.91-1.83(m、4H)、1.67-1.55(m、4H)、1.45(s、4H)、1.42-1.34(m、4H)、1.25-1.12(m、2H)、1.01-0.87(m、2H)、0.70-0.54(m、4H)、0.49(s、18H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 165.34、140.20、138.60、128.14、128.05、126.41、126.36、123.56、121.09、120.57、111.12、68.13、56.49、51.91、35.88、24.96、22.32、13.87、3.72。
【0182】
実施例39:プロ触媒44の合成
【化45】
23℃の窒素充填グローブボックスにおけるC
6D
6(0.35mL)中のテトラキス-トリメチルシリルメチルハフニウム(17.3mg、0.0328mmol、1.00eq)の溶液に、C
6D
6(0.50mL)中のグアニジン(25.0mg、0.0655mmol、2.00eq)の溶液を添加した。透明な淡黄色の溶液を1時間撹拌(300rpm)し、その時点でアリコートを取り出し、NMRは所望の錯体への完全な変換を示した。溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、この懸濁/濃縮プロセスをさらに3回繰り返し、得られた淡黄色の泡沫をペンタン(3mL)に懸濁し、得られた淡黄色の混合物を1分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ハフニウム錯体を淡黄色の非晶質泡沫(33.4mg、0.0299mmol、91%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0183】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.84(d、J=7.8Hz、4H)、7.67(d、J=8.2Hz、4H)、7.29(t、J=7.7Hz、4H)、7.12(d、J=7.2Hz、4H)、6.86(d、J=7.5Hz、4H)、6.79(t、J=7.5Hz、4H)、6.74(d、J=7.3Hz、2H)、4.62(s、4H)、3.26(t、J=11.9Hz、2H)、1.92-1.82(m、4H)、1.68-1.58(m、4H)、1.42-1.33(m、4H)、1.25-1.12(m、2H)、1.01-0.87(m、2H)、0.85(s、4H)、0.67-0.54(m、4H)、0.51(s、18H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 164.40、140.01、138.67、128.14、126.46、126.34、123.58、121.14、120.57、111.17、68.15、56.34、51.70、35.86、24.96、4.20。
【0184】
実施例40:プロ触媒49の合成
【化46】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるZr(CH
2SiMe
3)
4(30.0mg、0.0682mmol、1.00eq)の透明無色の溶液に、C
6D
6(0.80mL)中のグアニジン(20.0mg、0.0682mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびMe
4Siを除去し、得られた混合物をペンタン(3mL)に懸濁し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を鮮黄色の泡沫(35.2mg、0.0545mmol、80%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0185】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.88(dt、J=7.8、1.1Hz、2H)、7.58(dt、J=8.2、0.9Hz、2H)、7.32(ddd、J=8.3、5.8、1.2Hz、2H)、7.17-7.11(m、2H)、3.10(q、J=6.5Hz、2H)、1.32(s、6H)、0.90(d、J=6.5Hz、12H)、0.35(s、27H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 163.21、138.78、126.76、123.39、121.18、120.79、109.98、71.04、48.01、24.89、2.99。
【0186】
実施例41:プロ触媒50の合成
【化47】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるHf(CH
2SiMe
3)
4(36.0mg、0.0682mmol、1.00eq)の透明無色の溶液に、C
6D
6(0.80mL)中のグアニジン(20.0mg、0.0682mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ペンタン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびMe
4Siを除去し、得られた混合物をペンタン(3mL)に懸濁し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ペンタン(3×3mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、ハフニウム錯体を鮮黄色の泡沫(43.0mg、0.0587mmol、86%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0187】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.88(d、J=7.7Hz、2H)、7.59(d、J=8.1Hz、2H)、7.37-7.30(m、2H)、7.14(dd、J=15.5、7.8Hz、2H)、3.31(p、J=6.5Hz、2H)、0.90(d、J=6.4Hz、12H)、0.72(s、6H)、0.37(s、27H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 163.07、138.81、126.79、123.49、121.29、120.81、110.03、77.17、47.83、24.78、3.39。
【0188】
実施例42:プロ触媒55の合成
【化48】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるZrBn
4(32.4mg、0.0711mmol、1.00eq)の透明な黄金色の溶液に、C
6D
6(0.88mL)中のグアニジン(22.0mg、0.0711mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびPhMeを除去し、得られた混合物をヘキサン(2mL)に懸濁し、PhMe(2mL)を加え、混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3×3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ジルコニウム錯体を黄金柑色の泡沫(47.1mg、0.0560mmol、79%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0189】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.34-7.30(m、2H)、7.18-7.13(m、2H)、7.09-7.04(m、5H)、7.04-6.99(m、2H)、6.98-6.95(m、2H)、6.90-6.86(m、4H)、6.68-6.63(m、6H)、4.02(s、2H)、2.58(q、J=7.1Hz、4H)、2.31(s、6H)、2.11(s、6H)、0.39(t、J=7.1Hz、6H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 174.22、146.19、143.48、141.85、132.84、129.39、128.82、128.43、128.32、128.17、125.80、124.10、122.35、72.59、50.69、39.72、19.48、11.98。
【0190】
実施例43:プロ触媒57の合成
【化49】
23℃の無水脱酸素化C
6D
6(1.0mL)中の窒素充填グローブボックスにおけるHfBn
4(22.0mg、0.0404mmol、1.00eq)の透明な黄金色の溶液に、C
6D
6(0.48mL)中のグアニジン(12.5mg、0.0404mmol、1.00eq)の溶液を滴下した。ここでは鮮やかな黄金色の溶液を1時間激しく撹拌(1000rpm)し、アリコートを取り出し、NMRは、出発配位子の完全な変換を示し、溶液を濃縮し、無水脱酸素化ヘキサン(3mL)に懸濁し、濃縮し、懸濁/濃縮プロセスをさらに2回繰り返して、残留C
6D
6およびPhMeを除去し、得られた混合物をヘキサン(2mL)に懸濁し、PhMe(2mL)を加え、混合物を2分間激しく撹拌(1000rpm)し、0.20μmPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン/PhMe(3×3mL、1:1)ですすぎ、濾液を濃縮して、ハフニウム錯体を黄金柑色の泡沫(29.0mg、0.0381mmol、94%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0191】
1H NMR(500MHz、ベンゼン-d6)δ 7.33-7.29(m、2H)、7.18-7.13(m、2H)、7.11-7.08(m、4H)、6.95(dq、J=7.3、0.6Hz、3H)、6.90-6.82(m、6H)、6.75-6.70(m、6H)、4.13(s、2H)、2.53(q、J=7.1Hz、4H)、2.30(s、6H)、1.91(s、6H)、0.35(t、J=7.1Hz、6H)。13C NMR(126MHz、ベンゼン-d6)δ 172.41、145.18、143.74、141.53、133.14、128.94、128.71、128.45、128.17、126.47、125.78、124.54、122.38、80.43、50.24、39.89、19.31、12.00。
【0192】
実施例44:配位子17の合成
【化50】
Et
2NH(5mL)の撹拌(300rpm)溶液に、無水脱酸素化THF(2mL)中のビスカルボジイミド(98.0mg、0.2718mmol、1.00eq)の溶液を1分かけてゆっくりと滴下した。27℃で72時間撹拌した後、淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)を添加し、混合物を濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返し、残留Et
2NHを除去し、粘性泡沫をヘキサン(5mL)に懸濁し、激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmサブミクロンPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×3mL)ですすぎ、濃縮して、ビスグアニジンを粘性白色の泡沫(128.0mg、0.2526mmol、93%)として得た。NMRは生成物を示した。
【0193】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.07(d、J=7.5Hz、4H)、6.88(t、J=7.4Hz、2H)、3.13(q、J=7.0Hz、10H)、2.59-2.47(m、4H)、2.21(s、12H)、1.06(t、J=7.1Hz、12H)、0.76(p、J=7.5Hz、4H)、0.55(p、J=7.7、7.2Hz、2H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 153.15、148.13、129.14、128.07、121.44、44.37、42.61、30.19、23.61、18.55、12.85。
【0194】
実施例45:配位子18の合成
【化51】
i-Pr
2NH(5mL)の撹拌(300rpm)溶液に、無水脱酸素化THF(2mL)中のビスカルボジイミド(98.0mg、0.2718mmol、1.00eq)の溶液をゆっくりと滴下した。27℃で24時間撹拌した後、ここで淡黄色の溶液を濃縮し、ヘキサン(5mL)を添加し、混合物を濃縮し、このプロセスをさらに3回繰り返し、残留i-Pr
2NHを除去し、粘性泡沫をヘキサン(5mL)に懸濁し、激しく撹拌(1000rpm)し、0.45μmサブミクロンPTFEフィルターに通して濾過し、ヘキサン(3×3mL)ですすぎ、濃縮して、ビスグアニジンを透明な無色の油(150.8mg、0.2679mmol、99%)として得た。NMRは、異性体と回転異性体との混合物として存在する生成物を示した。
【0195】
生成物は、異性体の混合物として存在する:(*)マイナー異性体を示す
【0196】
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ 7.06(dd、J=7.5、4.7Hz、4H)、6.90-6.78(m、2H)、3.69(pd、J=6.8、2.1Hz、4H)、3.21(t、J=6.0Hz、2H)(2.84(t、J=6.8Hz、2H)*)、(2.50(q、J=6.5Hz、4H)*)2.47-2.40(m、4H)、(2.27(d、J=0.8Hz、6H*)(2.26(s、6H)*)2.24(s、12H)、1.20(d、J=6.8Hz、24H)、(0.91-0.80(m、4H)*)0.75(p、J=7.5Hz、4H)、0.54(p、J=7.6、7.0Hz、2H)。13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ 152.22、148.45、(132.07*)128.77、124.07、120.84、47.11(46.09*)、(44.03*)44.01、(30.46*)29.89(29.76*)、(23.83*)23.77、21.82、18.87(18.74*)。
【0197】
実施例46-重合プロセス
触媒活性(クエンチ時間、効率、およびポリマー収率の観点から)ならびに得られたポリマー特性をプロ触媒1~74について評価した。重合反応は、並列圧力反応器(PPR)および/またはセミバッチ反応器で行った。
【0198】
PPR重合実験は、[HNMe(C
18H
37)
2][B(C
6F
5)
4]を活性化剤としてプロ触媒に対して1.5モル当量の量で使用して120℃および150℃の両方で実施し、MMAO-3A(120℃で500nモルまたは150℃で750nモル)を捕捉剤として使用した。反応器温度が120℃であったとき、エチレン圧力は150psiであった。反応器温度が150℃であったとき、エチレン圧力は213psiであった。反応実行時間は、30分、または120℃での50psi変換もしくは150℃での75psi変換までであった。反応物を10%COでクエンチした。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表2】
【0199】
セミバッチ反応器の重合反応は、4Lセミバッチ反応器において、まずはジエチル亜鉛(DEZ)なしで120℃および150℃で、次いで3つの異なるDEZの装填を(0、95、および380μmolの量で)添加して150℃で実施した。活性化剤は、1.2モル当量の[HNMe(C18H37)2][B(C6F5)4]であり、捕捉剤は、MMAO-3(19.0μmol)であった。各重合実験の実行時間は、10分であった。
【0200】
プロ触媒の連鎖移動速度を決定するために、セミバッチキャンペーンは、様々な量の連鎖移動剤、Et
2Znを(0μモル、95μモル、および380μモルの量で)使用して行った。すべての反応は、150℃で活性化剤として1.2当量の[HNMe(C
18H
37)
2][B(C
6F
5)
4]を使用した。バッチキャンペーンは、163psiの圧力下で34gのエチレン、110gの1-オクテン、および1010gのIsoparEを使用して150℃で実施した。各重合実験の実行時間は、10分であった。測定されたエチレン取り込み、ならびに対応する生成されたポリマーのMw、PDI、およびコモノマー組み込みを表3に提示する。各実行についてのMnは、特定の触媒を用いたすべての実行についての当てはめ分子量データと実験分子量データとの間の二乗偏差を最小化するために、Microsoft Excel Solverを使用してCaおよびMn
0フィットの値で式3を使用して計算した。計算されたCa値を表4に提示する。
【表3】
【表4】
【0201】
150℃でのプロ触媒1、15、および55についての1以上の高い連鎖移動定数は、これらの触媒が連鎖移動剤に対して高い感受性を有し、これらの連鎖移動剤による連鎖移動を迅速に受けることを示す。プロ触媒13、37、および56では、連鎖シャトリング剤に対する適度な感受性(Ca≧0.5)のみが観察される。プロ触媒1、13、15、および56では、PDIの減少または一貫して狭いPDIが、Et2Zn(DEZ)の量の増加とともに観察される。この傾向は、プロ触媒1、13、15、および56が、不可逆的な連鎖移動とは対照的に、連鎖シャトリング剤による可逆的な連鎖移動を潜在的に受ける証拠である。これらの挙動は、プロ触媒37、38、または55では観察されず、これについては増加する量のDEZに伴ってPDIの増加が観察され、これによって連鎖シャトリング剤による不可逆的な連鎖移動と一貫した挙動を示す。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィンを重合するためのプロセスであって、前記プロセスが、触媒系の存在下でエチレンおよび任意に1つ以上の(C
3-C
12)α-オレフィンを接触させることを含み、前記触媒系が、式(I)による金属-配位子構造を含み、
【化1】
式中、
Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択される金属であり、前記金属が、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、
Xが、独立して、不飽和(C
2-C
20)炭化水素、不飽和(C
2-C
50)ヘテロ炭化水素、(C
1-C
50)ヒドロカルビル、(C
6-C
50)アリール、(C
6-C
50)ヘテロアリール、(C
4-C
12)ジエン、ハロゲン、-OR
C、-N(R
N)
2、および-NCOR
Cから選択される単座または二座配位子であり、
nが、1、2、または3であり、
mが、1または2であり、
m+n=3または4であり、
各R
1が、R
1aまたはR
1bであり、
各R
4が、R
4aまたはR
4bであり、
R
1a、R
1b、R
4a、およびR
4bが、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、(C
1-C
40)アリール、(C
1-C
40)ヘテロアリール、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、または(R
C)
2C=N-から選択され、
各Aが、独立して、-NR
1R
2であり、各R
2が、R
2aまたはR
2bであり、各R
3が、R
3aまたはR
3bであり、R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが、独立して、-H、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、(C
1-C
40)アリール、または(C
1-C
40)ヘテロアリールであり、
ただし、
(1)mが2であり、(2)R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bのうちのすべてがメチルである場合、R
1a、R
1b、R
4a、およびR
4bのうちの少なくとも1つが、2-プロピルではなく、
mが1である場合、各Xが、同一であり、
R
1およびR
2、またはR
2およびR
3、またはR
3およびR
4のいずれも、任意に接続されて環を形成し得る、プロセス。
【請求項2】
mが、2であり、nが、2であり、前記金属-配位子錯体が、式(II)による構造を有し、
【化2】
式中、
R
1a、R
1b、R
4a、R
4b、M、およびXが、式(I)で定義される通りであり、A
1およびA
2が、独立して、式(I)で定義される通りである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
mが、2であり、nが、2であり、R
4aおよびR
4bが、共有結合され、それによって、前記金属-配位子錯体が、前記2つの共有結合基R
4aおよびR
4bからなる二価ラジカルQを含み、前記金属-配位子錯体が、式(III)による構造を有し、
【化3】
式中、
Qが、(C
2-C
12)アルキレン、(C
2-C
12)ヘテロアルキレン、(C
6-C
50)アリーレン、(C
4-C
50)ヘテロアリーレン、(-CH
2Si(R
C)
2CH
2-)、(-CH
2CH
2Si(R
C)
2CH
2CH
2-)、(-CH
2Ge(R
C)
2CH
2-)、または(-CH
2CH
2Ge(R
C)
2CH
2CH
2-)であり、
R
1a、R
1b、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
4a、R
4b、M、およびXが、式(I)で定義される通りであり、A
1およびA
2が、式(II)で定義される通りである、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
各Xが、ベンジル、クロロ、-CH
2SiMe
3、またはフェニルである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
各R
1、R
1a、またはR
1bおよび各R
4、R
4a、またはR
4bが、独立して、(C
1-C
20)アルキルまたは(C
1-C
20)アリールである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
各R
1および各R
4が、独立して、ベンジル、シクロヘキシル、2,6-ジメチルフェニル、tert-ブチル、またはエチルである、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
R
1aおよびR
1bが、2-プロピルである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項8】
各Aが、以下の構造のうちの1つを有する、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【化4】
【請求項9】
R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが、(C
1-C
12)アルキルである、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、2-メチルプロピル(イソブチル)、n-ブチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、n-オクチル、またはtert-オクチルである、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
R
1a、R
1b、R
4a、およびR
4bが、独立して、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,4,6-トリイソプロピルフェニル、2,6-ジ-イソ-プロピルフェニル、ベンジル、シクロヘキシル、または2-プロピルから選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
Qが、-(CH
2)
x-から選択され、式中、xが、2~5である、請求項3に記載の触媒系。
【請求項13】
Qが、-(CH
2)
4-である、請求項3に記載の触媒系。
【請求項14】
前記触媒系が、連鎖移動剤をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒系。
【請求項15】
前記連鎖移動剤が、ジエチル亜鉛である、請求項14に記載の触媒系。
【国際調査報告】