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特表2022-536141無菌状態又は超清浄状態でそれぞれの容器にキャップを被着するためのキャッピング装置
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  • 特表-無菌状態又は超清浄状態でそれぞれの容器にキャップを被着するためのキャッピング装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-12
(54)【発明の名称】無菌状態又は超清浄状態でそれぞれの容器にキャップを被着するためのキャッピング装置
(51)【国際特許分類】
   B67B 3/20 20060101AFI20220804BHJP
【FI】
B67B3/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021573183
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2020059713
(87)【国際公開番号】W WO2020249286
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】19179285.2
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルスコニ,ルイージ
(72)【発明者】
【氏名】ソンチニ,ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】フサロ,アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
3E080
【Fターム(参考)】
3E080BB02
3E080CD01
(57)【要約】
容器(3)が通過する、不純物からの保護領域(30)と、保護領域(30)から仕切壁(22)によって分割された非保護領域(31)と、少なくとも1つの操作ユニット(4)であって、保護領域(30)内に配置された容器支持要素(6)、同様に保護領域(30)内に配置され、相対容器(3)に1つのキャップ(2)を被着するように構成された操作ヘッド(6)、非保護領域(31)内に配置され、垂直軸線(B)に沿って、かつ/又は垂直軸線(B)の周りで操作ヘッド(7)の動きを駆動するように構成されたモータアセンブリ(10)、モータアセンブリ(10)と操作ヘッド(7)との間に間置されたトルク制御ヘッド(11)、垂直軸線(B)と同軸上に、かつ保護領域(30)内に配置され、トルク制御ヘッド(11)の出力シャフト(18)によって密閉形式で横断される、仕切壁(22)に隣接する1つの軸線方向端部(58、70a)、及び1つの対向する軸線方向端部(59、70b)を有する環状ベローズ要素(57、70)を含み、トルク制御ヘッド(11)は、非保護領域(31)において仕切壁(22)の上に配置され、また、出力シャフト(18)は、前記開口部(25)及びベローズ要素(57、70)全体を横断している、少なくとも1つの操作ユニット(4)と、を備える、キャッピング装置(1)が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれの容器(3)にキャップ(2)を被着するためのキャッピング装置(1)であって、前記装置(1)は、
-容器(3)が通過する、不純物からの保護領域(30)と、
-前記保護領域(30)が仕切壁(22)自体の下に延在するように、前記保護領域(30)から仕切壁(22)によって分離された非保護領域(31)と、
-保護領域(30)と非保護領域(31)とを互いから隔離するためのシール手段(22)と、
-容器(3)にキャッピング操作を実行するように構成され、前記仕切壁(22)に直交する垂直軸線(B)と同軸上に配置され、かつ非保護領域(31)の前記仕切壁(22)の上に部分的に、前記仕切壁(22)の開口部(25)を介して部分的に、かつ保護領域(30)の前記仕切壁の下に部分的に延在する、少なくとも1つの操作ユニット(4)であって、前記操作ユニット(4)は、
-保護領域(30)内に配置され、垂直軸線(B)と同軸上に1つの容器(3)を支持するように構成された、少なくとも1つの容器支持要素(6)と、
-保護領域(30)内に配置され、容器支持要素(6)によって保持される容器(3)に少なくとも1つのキャップ(2)を被着するように構成された、少なくとも1つの操作ヘッド(6)と、
-前記非保護領域(31)内に配置され、前記垂直軸線(B)に沿って、かつ/又は前記垂直軸線(B)の周りで操作ヘッド(7)の動作を駆動するように構成されたモータアセンブリ(10)と、
-前記モータアセンブリ(10)と前記操作ヘッド(7)との間に介在され、モータアセンブリ(10)から操作ヘッド(7)に結合された出力シャフト(18)に伝達される最大トルクを制限するように構成されたトルク制御ヘッド(11)、及び、
-環状ベローズ要素(57、70)であって、前記垂直軸線(B)と同軸上に、かつ前記保護領域(30)内に配置され、前記出力シャフト(18)によってシールされるように横断される、前記仕切壁(22)に隣接する第1の軸線方向端部(58、70a)及び、対向する第2の軸線方向端部(59、70b)を有し、前記出力シャフト(18)の対応する移動に従って、軸線方向に収縮かつ伸長するように構成されている、環状ベローズ要素(57、70)と、を備える操作ユニット(4)と、
を備え、
前記トルク制御ヘッド(11)は、非保護領域(31)において前記仕切壁(22)の上に配置され、また、前記出力シャフト(18)は、前記仕切壁(22)の両方の前記開口部(25)及びベローズ要素(57、70)全体を軸線方向に横断していることを特徴とする、キャッピング装置(1)。
【請求項2】
前記出力シャフト(18)は、少なくとも1つのベアリング(56、65)によって、前記仕切壁(22)の前記開口部(25)内で回転自在に支持されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記操作ユニット(4)は、スリーブ要素(64)をさらに備え、スリーブ要素(64)は、仕切壁(22)の開口部(25)を通って同軸上に延在し、固定軸線方向位置に、かつ回転自在に前記ベアリング(65)によって前記開口部(25)内に径方向に支持され、また前記出力シャフト(18)によって軸線方向に横断され、かつ出力シャフト(18)自体に角度付きで結合され、前記出力シャフト(18)は、前記垂直軸線(B)に沿って前記スリーブ要素(64)にスライド結合され、前記ベローズ要素(70)の前記第1の軸線方向端部(70a)は、保護領域(30)内に配置されたスリーブ要素(64)の縁部にシールされるように固定され、また、前記ベローズ要素(70)の前記第2の軸線方向端部(70b)は、前記出力シャフト(18)の外面にシールされるように固定されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記保護領域(30)に面しており、使用時にはスリーブ要素(64)自体の外面と接触して協働する、前記開口部(25)の縁部に取り付けられた環状ガスケット(68)をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記操作ユニット(4)は、管状スライダ(54)をさらに備え、管状スライダ(54)は、前記仕切壁(22)の前記開口部(25)を通って前記垂直軸線(B)に沿って摺動するように取り付けられ、かつ前記保護領域(30)内で、仕切壁(22)自体から突出し、前記出力シャフト(18)は、前記スライダ(54)内で、前記ベアリング(56)、及び保護領域内に配置されたスライダ(54)自体の底部軸線方向端部(60)に隣接する別のベアリング(56)により、固定軸線方向位置に、かつ回転自在に径方向に支持され、また、前記ベローズ要素(57)の前記第1の軸線方向端部(58)は、前記保護領域(30)に面する前記開口部(25)の縁部にシールされるように固定され、前記ベローズ要素(57)の前記第2の軸線方向端部(59)が、前記スライダー(54)の前記底部軸線方向端部(60)に固定されている、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記操作ユニット(4)は、環状ガスケット(62)をさらに含み、環状ガスケット(62)は、スライダ(54)の前記底部軸線方向端部(60)によって支持され、かつ前記スライダ(54)から前記容器支持要素(6)に向かって突出している、前記出力シャフト(18)の一部と接触して径方向に協働する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記トルク制御ヘッド(11)は、
-駆動マンドレル(8)に結合され、次いで前記モータアセンブリ(10)によって操作される入力要素(17)と、
-前記出力シャフト(18)と、
-前記垂直軸線(B)の周りの角運動を前記入力要素(17)から前記出力シャフト(18)に伝達するための磁気クラッチ(45)と、
を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の装置であって、
-それぞれの前記垂直軸線(B)を有し、前記垂直軸線(B)に平行な中心軸線(A)の周りで互いから角度的に離隔した複数の操作ユニット(4)と、
-前記中心軸線(A)と同軸であり、操作ユニット(4)及び前記仕切壁(22)に角度付きで結合された駆動シャフト(5)と、
を備え、
前記駆動シャフト(5)、前記仕切壁(22)及び前記操作ユニット(4)は、径方向最外位置内に配置された装置1自体の固定部(27)と協働する前記装置(1)の回転部(26)を画定しており、また、
シール手段(22)は、前記回転部(26)と前記固定部(27)との間に設けられている、装置。
【請求項9】
前記シール手段(22)は、前記固定部(27)に結合され、無菌液で部分的に充填される固定環状流路(33)と、回転部(26)に結合され、環状流路(33)と同軸であり、かつ、使用時に環状流路(33)自体の液体中で回転可能な環状要素(34)と、を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記保護領域は無菌領域(30)である、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌状態又は超清浄状態で、それぞれの容器にネジ付きキャップを被着するためのキャッピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
公知であるように、無菌状態下又は超清浄状態下での容器のキャッピングを行う際、異物混入を回避するために、容器に対してキャッピング作業が行われる領域は、外部環境から適切に隔離され、不純物から保護され、さらには無菌状態に保たれる必要がある。
【0003】
第1の実施形態によれば、典型的な瓶詰め工場で使用されるキャッピング装置及び他の装置は、外部環境に対して高圧に保たれた大容量のチャンバ内に完全に挿入されている。実際には、周囲空気は、装置やシステム構成要素が挿入されている部屋に搬入又は搬出される容器の進入又は退出に必要な開口部に対応して、外側に向かって一方向に流れる。このようにして、容器の処理領域において想定される微生物の侵入が防止されている。
【0004】
しかしながら、一般に回転式の装置の寸法は相当に大型になるため、隔離されているチャンバも非常に大型になることから、無菌状態又は超清浄状態で管理したり、維持したりするのが困難となる。
【0005】
別の既知の解決策によれば、チャンバの寸法を縮小するために、装置のプロセス領域のみが隔離され、装置の残りの部分は非保護雰囲気領域内に留まることになる。
【0006】
回転式キャッピング装置では、通常、回転部と固定部との間に隔離すべきプロセス領域が定められており、また、操作ユニットが搭載されている回転部と固定部との間に障壁が必要となっており、これは、例えば、装置の外側又は伝達部材に対する保護用ケーシングなどである。
【0007】
この目的のために、一般に回転部に適用されるエラストマー材料製のガスケットが、通常は金属製の固定部上をスライドするように使用されている。
【0008】
この解決策が有する信頼性の主な条件(摩擦係数が低く、ガスケットに平行で、摺動速度が遅い、平滑で硬質のスライド面)とは対照的に、こうした装置の寸法が相当な大きさであるため、必要となる機械加工公差及び生産速度のために、これらの諸条件の実現が妨げられていることを考慮すると、この解決策の主な欠点は、ガスケットの急激な損耗と、その結果としてのシールの喪失によるものであることが理解されることができる。
【0009】
別の既知の解決策は、ラビリンスシールを使用することを含み、これにより、相対移動する部品間で物理的接触を伴わないため、ガスケットの損耗の課題を克服している。
【0010】
ただし、このシールが良好に機能するかどうかは可動部品間の距離に依存しており、この距離が短縮されると、シールの品質は向上するが、距離を短縮する(即ち、10分の1ミリメートルにする)ことは、非常に大型の装置ではとりわけ複雑でコストがかかり、それは、なぜならば、機械加工の公差により、そのような短い距離にすることが困難になるからである。
【0011】
この解決策では、ラビリンスシールによって外部環境との換気を行う、実行可能な別の方法が提供されているので、適切な超過圧力を得るためには、より多くの無菌空気流又は超清浄空気流が必要となり、その結果コストが上昇し、隔離されないリスクも生じている。
【0012】
このため、本出願と同じ出願人の名で欧州特許第1601606号明細書に例示されている、その内部で回転部に結合された同軸環状要素が回転してスライドする形態の、無菌液で部分的に充填される固定環状流路を設けて構成された、さらに別の解決策が見出されている。
【0013】
この後者の解決策では明らかに損耗の影響を受けないため、シールを構成する部品間の結合公差を確実に低減するために、コストのかかる機械加工を必要としていない。
【0014】
しかしながら、この解決策は、固定部と、純粋な回転移動が生じる部分との間のシールを確保する場合にのみ適している。キャッピング装置のように、並進運動が生じ、かつ装置において非保護雰囲気領域と保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域との間で、使用中に移動可能となる部材を回転部が含む場合、追加のシール要素、通常はベローズ要素を使用する必要があり、このベローズ要素の使用により、実行されるシール及び関連コストに関して、良好な結果を得ることができる。
【0015】
このタイプのキャッピング装置の典型的な解決策は、垂直軸線を中心に回転する駆動シャフトと、垂直軸線の周りに角度的に等間隔で配置され、駆動シャフトに角度付きで結合され、かつそれぞれの容器をネジ付きキャップでキャッピングするように構成された、複数の操作ユニットと、を含む。
【0016】
各操作ユニットは、
-垂直方向に配置された相対容器を受け取るように構成された容器支持要素と、
-容器の上に同軸上に配置され、容器支持要素によって保持されている容器にキャップを被着するように構成された操作ヘッドと、
-相対容器と協働させて使用するように設計されたヘッドの反対側にある操作ヘッドに同軸上で結合された駆動マンドレルと、
-駆動マンドレルにその軸線に沿って、かつその周りに回転並進運動を伝達するためのモータアセンブリと、
-駆動マンドレルと操作ヘッドとの間に介在され、駆動マンドレルから操作ヘッドに伝達される最大トルクを制限するように構成されたトルク制御ヘッドと、
を備える。
【0017】
操作ユニットの様々なモータアセンブリ(これらのモータアセンブリはそれぞれ、通常、モータおよび、必要に応じて伝達歯車、ベアリング、カム要素などを含む)は、駆動シャフトの上にあるドラムケーシングに収容され、かつ非保護雰囲気領域内に配置されている。
【0018】
その一方で、容器支持要素と操作ヘッドとは、ドラムケーシングの下の、キャッピング装置の保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域内に収容されている。同じことがトルク制御ヘッドにも当てはまり、このトルク制御ヘッドは通常、操作ヘッドの動きをより効果的に駆動するために、操作ヘッドの可能な限り近傍に維持される。
【0019】
各駆動マンドレルは、一部が非保護雰囲気領域のドラムケーシング内に、そして一部が保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域内に、それぞれのベローズ要素を通って延在しており、これは即ち、各駆動マンドレルが、その軸線に沿って相対容器に出入する並進運動と、その軸線の周りに生じる回転運動との影響下にあるということを意味する。
【0020】
トルク制御ヘッドの例は欧州特許第2407415号明細書に開示されており、このトルク制御ヘッドは、
-相対駆動マンドレルに直接かつ同軸上で結合された上部要素と、
-上部要素に角度を有して結合され、かつ弾性圧縮ばねによって上部要素に対して軸線方向に移動可能となる中間要素と、
-中間要素に角度を有して結合され、この中間要素から相対容器支持要素に向かって軸線方向に突出している管状ブッシングと、
-操作シャフトであって、管状ブッシングを通して同軸上に延在し、かつ管状ブッシングから相対容器支持要素に向かって軸線方向に突出し、かつその自由端で操作ヘッドを支持している操作シャフトと、
-磁気クラッチであって、通常は2つの磁気クラッチディスクから構成され、管状ブッシングと操作シャフトとの間に放射状に介在され、管状ブッシングから操作シャフトに、したがって操作ヘッドに伝達される最大トルクを規定するように構成された磁気クラッチと、
を含む。
【0021】
具体的には、各操作ユニットの操作シャフトは、一対のベアリングによって管状ブッシング内で支持されており、このようにして、管状ブッシング内に操作シャフトが回転自在に取り付けられている。管状ブッシングから操作シャフトへのトルク伝達は、所定のトルク閾値まで磁気クラッチによって実行される。具体的には、相対容器へのキャップのねじ込みが終了するときに、ねじ込み動作を継続するために必要なトルクが前述のトルク閾値を超えるため、磁気クラッチディスクが互いに対して回転することにより、キャップの正確な被着を損なう恐れのあるそれ以上のトルク伝達が、いずれも停止されるようにしている。
【0022】
トルク制御ヘッドには、ベアリングや磁気クラッチディスクなど、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域を汚染する恐れのある「汚染要素」が含まれているため、トルク制御ヘッドの内部と保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域との間における流体の通過をいずれも阻止する必要がある。
【0023】
加えて、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域では、ベアリングや磁気クラッチディスクなど、トルク制御ヘッドに設けられた一部の機械要素を損傷する恐れのある化学物質で、その中に配置された部品を頻繁に洗浄する必要もある。
【0024】
保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域をトルク制御ヘッドの汚染要素から隔離するために、トルク制御ヘッド内に膨大な数のガスケットが設けられる必要があり、その結果、コストが高くなり、保守作業が複雑になる。
【0025】
その上、キャッピング装置の既知の解決策では、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域内に、汚染される可能性のある多数の箇所がなおも見受けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】欧州特許第1601606号明細書
【特許文献2】欧州特許第2407415号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
したがって、本発明の目的は、上記の欠点を容易に、かつ低コストで克服するように設計されたキャッピング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
この目的は、請求項1に記載のキャッピング装置によって達成される。
【0029】
本発明の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照しながら、例示として以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の示唆に係る、明確にするために部品が取り外された状態の、キャッピング装置の部分断面斜視図を概略的に示す。
図2】明確にするために部品が取り外された状態の、図1のII-II線に沿った拡大断面図を示す。
図3図2に類似しており、図1及び図2のキャッピング装置の可能な変形形態に関連している図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1及び図2を参照すると、符号1は概して、無菌状態又は超清浄状態で、各容器3に、具体的にはボトルにネジ付き又はネジなしキャップ2(図2)を被着するように構成されたキャッピング装置を示す。
【0032】
装置1は、各容器3に対してキャッピング操作を実行するように構成され、垂直中心軸線Aの周りに角度的に等間隔で配置された、複数のステーション又は操作ユニット4を備える。
【0033】
操作ユニット4はまた、中心軸線Aを中心に回転することができ、入力スターホイール(それ自体既知であるため、図示は省略する)によって封鎖される容器3を収容しており、次いで、封鎖された容器3は、入力スターホイールに隣接する位置に配置された出力スターホイール(それ自体既知であるため、図示は省略する)に解放される。
【0034】
操作ユニット4は、中心軸線Aと同軸の駆動シャフト5に角度付きで結合されている。
【0035】
具体的には、操作ユニット4(図1及び図2)はそれぞれ、中心軸線Aに平行な垂直軸線Bを示し、また、
-容器支持要素6であって、垂直方向に配置された相対容器3を受け取るように構成された、即ち、それ自体の軸線Cが軸線Aに平行であり、各軸線Bと同軸である、容器支持要素6と、
-容器支持要素6によって保持される容器3自体に1つのキャップ2を被着するために、相対容器3の上に同軸上に配置された操作ヘッド7と、
-相対軸線Bと同軸であり、軸線B自体に沿って、かつその周りで操作ヘッド7の動きを駆動するように構成された駆動マンドレル8(それ自体既知であるため、図1及び図2に部分的にのみ図示している)と、
-モータアセンブリ10であって、駆動マンドレル8に各軸線Bに沿って、かつその周りに回転並進運動を伝達するためのモータアセンブリ10(図2)と、
-駆動マンドレル8、又はモータアセンブリ10と操作ヘッド7との間に介在され、駆動マンドレル8、又はモータアセンブリ10から操作ヘッド7に伝達される最大トルクを制限するように構成されたトルク制御ヘッド11と、
を備える。
【0036】
具体的には、示している実施例では、各操作ユニット4の容器支持要素6は、相対軸線Bに直交して延在し、かつその上面で各々一つの容器3を受け取るように構成された載置プレート12を含む。
【0037】
示していない利用可能な代替実施形態として、各容器支持要素6は、その上部又は首部において、相対容器3を懸架支持する把持要素を含んでもよい。
【0038】
各容器支持要素6は、相対容器3の軸線方向及び回転方向の移動を制限するように構成されている。
【0039】
各操作ユニット4の操作ヘッド7は、容器3の上部にねじ込み又は被着されるネジ付き又はネジなしキャップ2を同軸上に把持するように構成された把持部材13(図2)を含む。
【0040】
各駆動マンドレル8は、それぞれのトルク制御ヘッド11に直接結合され、それ自体既知であるため、図示は省略するが、その軸線Bに沿って、かつその周りで、相対モータアセンブリ10が選択的に移動させる駆動部15に限定して示されている。
【0041】
各駆動マンドレル8の駆動部15は、相対トルク制御ヘッド11に結合されたその端部においてヘッド凹部16を有しており、その機能については以下で明らかにされる。
【0042】
とりわけ図2を参照すると、各トルク制御ヘッド11は、相対駆動マンドレル8の駆動部15に直接結合された入力要素17と、相対軸線Bと同軸上に延在し、その自由端でそれぞれの操作ヘッド7に結合された出力シャフト18と、を有する。
【0043】
出力シャフト18はそれぞれ、相対軸線Bを中心に回転することができ、それぞれのモータアセンブリ10及び駆動マンドレル8の作用下でこの軸線に沿って並進移動することにより、各操作ヘッド7の対応する回転及びその対応する並進を、各容器3に向かって、かつ各容器3から離隔するように、したがって、各容器支持要素6に向かって、かつ各容器支持要素6から離隔するように発生させることができる。
【0044】
図1及び図2から分かるように、モータアセンブリ10はそれぞれ、実際のモータに加えて伝達装置、ベアリング、カム要素(すべてそれ自体既知であるため、図示は省略する)などを含み、また、駆動マンドレル8は、駆動シャフト5の上にあるドラムケーシング20内に収容され、駆動シャフト5に対して径方向に片持ち梁状に突出している。
【0045】
より具体的には、ドラムケーシング20は、その下端で円盤状の底部ヘッド壁22によって閉じられ、またその上端で、底部ヘッド壁22に面する円盤状の上部ヘッド壁23によって閉じられる円筒形側壁21によって画定されている。
【0046】
図1に示すように、ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22は、駆動シャフト5の上端の環状フランジ24に固定されている。
【0047】
有利なことに、トルク制御ヘッド11でさえもドラムケーシング20内に収容されている一方で、出力シャフト18は、ドラムケーシング20自体の底部ヘッド壁22のそれぞれの開口部25を通って、それぞれの操作ヘッド7と共にドラムケーシング20から下方に突出するように、密閉状態で延在している。
【0048】
実際には、駆動シャフト5、ドラムケーシング20及び操作ユニット4は、径方向最外位置に配置された装置1自体の固定部27と協働する、装置1の回転部26を画定している。
【0049】
図1に示す事例では、固定部27はドラムケーシング20の周りに延在し、また、ドラムケーシング20自体の底部ヘッド壁22とほぼ同じ高さ又はわずかに下にある、環状プラットフォーム28を含む。
【0050】
図1及び図2から分かるように、ケーシング20の底部ヘッド壁22及び環状プラットフォーム28は、下部においてプロセス環境、又は、より正確には、外部環境から隔離されており、無菌状態又は超清浄状態(即ち、不純物から保護されている)に、かつ、わずかな過圧状態に保たれている、容器3のための閉鎖環境を画定している。
【0051】
したがって、この閉鎖環境は、装置1の保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30を画定しており、それぞれの容器支持要素6によって搬送される容器3が、ここを通過している。
【0052】
保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30へのキャッピング対象容器3の進入、及び保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30からのキャップ済み状態の容器3の退出は、当該領域の横方向境界壁(それ自体既知であるため、図示は省略する)の適切な開口部(図示せず)を介して行われることができる。
【0053】
その一方で、環状プラットフォーム28及びドラムケーシング20の底部ヘッド壁22の上に位置する環境は、装置1の非保護雰囲気領域又は非無菌雰囲気領域31を画定している。
【0054】
保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30と、非保護雰囲気領域又は非無菌雰囲気領域31とは、シール手段32によって互いから離隔されている。この場合、シール手段32は固定部27に結合され、無菌液で部分的に充填される固定環状流路33と、回転部26に結合され、環状流路33と同軸であり、かつ、使用時に環状流路33自体の液体中で回転可能な環状要素34と、を備える。
【0055】
具体的には、環状流路33は、環状プラットフォーム28の径方向最内縁から軸線Aに向かう張出部内に延在している。
【0056】
その一方で、環状要素34は、ドラムケーシング20の側壁21の下向き環状延長部によって画定されており、底部ヘッド壁22から片持ち梁状に突出している。環状要素34は、環状流路33の液体に部分的に浸漬することができ、ドラムケーシング20の回転によって牽引される環状流路33自体の内部を移動する。
【0057】
好ましくは、あらゆるバクテリアを除去することができる静菌液である無菌液、例えば水と塩素から成る溶液は、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30と周囲外部環境との間の接触を防止する絶縁体として機能している。
【0058】
保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30内でわずかな過圧が生じているために、無菌雰囲気領域又は保護雰囲気領域30と接触して配置された環状流路33内に存在する液体と、外部環境と接触している環状要素34の外側に配置された環状流路33内に存在する液体との間に、高低差(数mmの水から成り、生成された過圧に等しい)が形成される。
【0059】
とりわけ図2を参照すると、各操作ユニット4のトルク制御ヘッド11の入力要素17は、
-それぞれの軸線Bと同軸であり、それぞれの駆動マンドレル8の駆動部15のヘッド凹部16と部分的にスライド係合する上部を有する管状要素35と、
-管状要素35の底部に外部かつ同軸上で結合された円筒形側壁37、及び側壁37の底部環状縁に結合され、軸線方向にヘッド凹部16に面しているヘッド壁38を有する、実質的にカップ形状のブッシング要素36と、
を備える。
【0060】
具体的には、管状要素35はそれぞれ、複数の外部長手方向スロット39を有し、これらスロットは軸線A、Bに平行であり、相対軸線Bを中心に角度的に等間隔で配置される。スロット39は、軸線A、Bに平行となるようにスライド結合され、その際、それぞれのピン40が、相対ヘッド凹部16を画定している相対駆動マンドレル8の駆動部16の側壁から、軸線B自体に向かって径方向に突出している。このように配置することにより、相対駆動マンドレル8の駆動部15に対して、各トルク制御ヘッド11の管状要素35が相対軸線Bに沿って制限されて移動することができる。これらの軸線方向移動は、相対管状要素35内に収容され、相対ヘッド凹部16のヘッド壁と管状要素35自体の側壁から径方向内側に突出する中間環状ショルダー42との間に、軸線方向に間置される円筒形のコイルばね41によって制御されている。ばね41を設けたことで、キャッピング対象容器3上に生じる操作ヘッド7の衝撃を緩和することができる。
【0061】
ブッシング要素36はそれぞれ、相対管状要素35に角度付きで、かつ軸線方向に結合されている。ブッシング要素36の側壁37は、内部にネジ山を有し、管状要素35の底部に設けられた外側ネジと係合するので、ブッシング要素36と管状要素35との間の軸線方向の相対位置を、既知の方法で調整することができる。この機能の目的については、この後説明する。
【0062】
各トルク制御ヘッド11の出力シャフト18は、相対管状要素35及び相対ブッシング要素36の両方の内側に収容された上部18aを有し、その中央開口部43を介して相対ヘッド壁38を横断し、ヘッド壁38自体から、相対操作ヘッド7及びドラムケーシング20の底部ヘッド壁22に向かって軸線方向に突出している。
【0063】
各出力シャフト18の上部18aは、磁気クラッチ45によって、相対管状要素35に、したがって相対駆動マンドレル8に結合されている。
【0064】
具体的には、各出力シャフト18の上部18aは、相対軸線Bを中心に角度自在に相対管状要素35及び相対ブッシング要素36内に取り付けられ、また、ベアリング46、具体的にはボールベアリングを用いて、管状要素35自体によって支持されている。
【0065】
示している実施例では、磁気クラッチ45はそれぞれ、好ましくは環状ディスクのように成形され、相対出力シャフト18の上部18aによって支持される上部磁石47と、同じく好ましくは環状ディスクのように成形され、相対ブッシング要素36のヘッド壁38によって支持され、かつ上部磁石47から相対軸線Bに沿って、所与の距離を置いて配置された下部磁石48と、を含む。
【0066】
上部磁石47及び下部磁石48の各対の間の軸線方向距離は、磁気クラッチ45によって、相対管状要素35から相対出力シャフト18に伝達される最大トルクを規定している。
【0067】
各トルク制御ヘッド11の入力要素17から相対出力シャフト18に伝達される最大トルクの値は、相対上部磁石47と相対下部磁石48との間の軸線方向距離を変更することによって調整されることができ、具体的には、この調整は、相対管状要素35上で相対ブッシング要素36をねじ込むか、又はネジを外すことによって実行されることができる。
【0068】
図1及び図2から認識できるように、出力シャフト18はそれぞれ、ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22の相対開口部25を通って、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30内に密閉状態で延在している主要部18bをさらに含み、出力シャフト18はそれぞれ、相対操作ヘッド7に直接結合された底部18cをさらに含む。
【0069】
具体的には、図1及び図2の実施例では、底部ヘッド壁22は、各操作ユニット4において、スリーブ要素50をさらに含み、スリーブ要素50は、相対開口部25を通して取り付けられ、また端部環状フランジ51を有し、端部環状フランジは、ドラムケーシング20内に配置され、かつ上部ヘッド壁23に面している、底部ヘッド壁22自体にその側面上でネジ52によって固定される。
【0070】
スリーブ要素50はそれぞれ、その径方向内面に、軸線A、Bに平行であり、以下にさらに詳述しているように、その軸線Bに沿った相対出力シャフト18の長手方向軸線の変位を可能にするように構成された、複数の長手方向スロット53を呈している。
【0071】
示していない利用可能な代替実施形態として、長手方向スロット53は、底部ヘッド壁22の相対開口部25の内側境界面上に直接形成されてもよい。
【0072】
図1及び図2に示している実施例では、各操作ユニット4は、相対スリーブ要素50と相対出力シャフト18の主要部18bとの間に径方向に介在されて取り付けられた、管状スライダ54をさらに含む。スライダ54には、スライダの径方向外面から径方向に突出し、相対軸線Bに平行となるように、それぞれの長手方向スロット53とスライド係合する長手方向突起部55が設けられている。長手方向突起部55とそれぞれの長手方向スロット53とが相互作用することにより、それらの軸線Bに沿ったスライダ54の並進移動を案内することができる。
【0073】
各出力シャフト18の主要部18bは、それぞれのスライダ54を通って延在し、固定軸線方向位置で回転自在にスライダ54自体に結合されている。具体的には、各出力シャフト18の主要部18bは、一対のベアリング56、好ましくはボールベアリングによって、相対スライダ54内で支持されている。
【0074】
保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30内の各スライダ54の軸線方向移動をシールするために、相対操作ユニット4は、環状ベローズ要素57をさらに含む。具体的には、ベローズ要素57は、ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22にシールされるように固定された1つの軸線方向端部58と、スライダ54の底部軸線方向端部60にシールされるように固定された、対向する1つの軸線方向端部59と、を有する。ベローズ要素57は、1つ置きの円錐形を有する、複数の相互接続された円錐台状リング61によって、既知の方法で形成されている。リング61は、ベローズ要素57が収縮した場合の最小軸線方向長さを規定するために、互いに向かって折り畳まれることができ、又は、ベローズ要素57自体が伸長した場合の最大軸線方向長さを規定するために、軸線方向に伸長されることができる。
【0075】
このようにして、各スライダ54及び相対出力シャフト18のいずれかが軸線方向に移動した後に、対応するベローズ要素57の収縮又は伸長が続く。
【0076】
相対スライダ54に対する各出力シャフト18の回転移動は、スライダ54自体の底部軸線方向端部60によって、その底部開口部で支持される環状ガスケット62によってシールされる。具体的には、ガスケット62はそれぞれ、相対出力シャフト18の底部18cと接触するか、又は底部18cをこするように協働する環状リップ63を有する。
【0077】
使用中、すでに注入可能な製品で充填された容器3は、それぞれの容器支持要素6に装填され、これら容器支持要素6によって軸線Aの周りを移動する。
【0078】
この回転の間、操作ユニット4は、キャップ2をそれぞれの容器3に被着する操作を実行する。
【0079】
具体的には、各操作ヘッド7は、相対モータアセンブリ10及び駆動マンドレル8によって相対軸線Bに沿って軸線方向に移動し、かつ相対軸線Bを中心に回転する一方、操作ヘッド7自体は、軸線Aを中心に駆動シャフト5と共に回転する。
【0080】
明確にするために、以下の説明は、1つの相対キャップ2を被着するためにただ1つの容器3に作用する、ただ1つの操作ユニット4に言及され、同じ一連のステップが、それぞれの容器3のキャッピング操作を実行するための他のあらゆる操作ユニット4にも適用されることは明らかである。
【0081】
キャッピング対象容器3が、被着されるキャップ2を設けた操作ヘッド7の下に配置された場合、容器3自体に向かう軸線Bに沿った軸線方向移動は、モータアセンブリ10及び駆動マンドレル8によって、トルク制御ヘッド11の入力要素17に伝達される。同じ軸線方向の移動が、出力シャフト18及びスライダ54、並びに操作ヘッド7に伝達される。操作ヘッド7が容器3に接触すると、ばね41は、駆動マンドレル8の駆動部15に対して、入力要素17、出力シャフト18、及びスライダ54の相対軸線方向移動によって圧縮される。この相対軸線方向移動は、スロット39とピン40とがスライド係合することによって行われ、操作ヘッド7と容器3との接触を緩和することができる。
【0082】
通常、軸線方向移動が起こる間、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30と非保護雰囲気領域又は非無菌雰囲気領域31との間のシールは、出力シャフト18及び相対スライダ54の底部ヘッド壁22に向かい、かつ、これから離隔する軸線方向移動に従って収縮又は伸長するベローズ要素57によって得られる。
【0083】
操作ヘッド7と容器3とが接触した後、軸線Bに対する回転並進移動が、モータアセンブリ10及び駆動マンドレル8によってトルク制御ヘッド11の入力要素17に伝達される。この移動は、磁気クラッチ45によって出力シャフト18に、したがって操作ヘッド7に伝達され、容器3へのキャップ2のねじ込みをもたらす。キャップ2のストローク終了時に、キャップ2自体をさらに回転させる場合は、容器3によって作用する抵抗トルクを克服する必要がある。そのような抵抗トルクは、磁気クラッチ45によって出力シャフト18に伝達されることができる最大トルクを超えるので、上部磁石47と下部磁石48との間で相対回転が起こり、これにより、容器3にキャップ2が無理に押し込まれて、それらのネジに損傷を与える可能性が回避される。
【0084】
キャッピング操作の完了に続いて、操作ヘッド7、出力シャフト18、スライダ54及び入力要素17は、キャッピングされた容器3から離隔するように軸線方向に移動され、これにより、キャッピング装置1から容器3が解放される。
【0085】
図1及び図2に示しているようなキャッピング装置1の利点は、前述の説明から明らかである。
【0086】
具体的には、本解決策は、既知の操作ユニットの機能と同じ機能を維持しながら、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30内に収容された各操作ユニット4の部品を隔離するために必要なガスケット及びシールの数を、最小限に抑えることができるようにしている。実際、この場合は、各操作ユニット4と保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30との間に必要なシールを確保するためには、1つの環状ガスケット61及び1つの環状ベローズ要素57のみで十分である。
【0087】
なお、各出力シャフト18は、相対操作ヘッド7に近接した領域まで径方向に適切に支持されている。
【0088】
さらに、各操作ユニット4のトルク制御ヘッド11が底部ヘッド壁22の上に配置され、したがって保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30の外側に配置されるという事実により、この後者の保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30の寸法及び汚染される可能性のある地点が最小化されることができる。また、無菌のトルク制御ヘッドの代わりに、通常のトルク制御ヘッドを使用することもできる。
【0089】
さらに、無菌状態又は超清浄状態で稼働する瓶詰工場では、キャッピング装置1の保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30の屋根部(即ち、底部ヘッド壁22)が、隣接する充填機の保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域の対応する屋根部と同じ高さに配置されることができる。
【0090】
図3の変形形態は、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30内で、各出力シャフト18が、ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22の相対開口部25を通って密閉状態で延在する方式においてのみ、図1及び図2の解決策と異なっている。
【0091】
具体的には、この場合、各出力シャフト18の主要部18bは、外側スリーブ要素64に角度付きで結合され、次いで、ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22の相対貫通開口部25内で、固定軸線方向位置に、かつ回転自在に取り付けられる。より具体的には、スリーブ要素64はそれぞれ、ベアリング65、具体的にはボールベアリングによって、相対開口部25内で支持されている。
【0092】
各スリーブ要素64には、軸線A、Bに平行な複数の長手方向溝66がさらに設けられ、相対出力シャフト18の主要部18bのそれぞれの径方向突起部67によって、使用中にスライド係合するように構成されている。
【0093】
このようにして、出力シャフト18はそれぞれ、相対スリーブ要素64に対して、その軸線Bに沿って軸線方向に並進することができ、また、スリーブ要素64自体と共に、そのような軸線Bを中心に、ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22に対して回転するようにさらに適合されている。
【0094】
ドラムケーシング20の底部ヘッド壁22に対して形成される、各出力シャフト18の主要部18b及び相対スリーブ要素64によるアセンブリの回転移動時のシールは、相対開口部25の底部縁に取り付けられ、スリーブ要素64自体の外面と接触して使用時に協働する環状ガスケット68によって得られる。
【0095】
非保護雰囲気領域又は非無菌雰囲気領域31から保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30への、及びその逆の各出力シャフト18の並進運動時のシールは、ベローズ要素57と同様であるため、以下でさらに述べることはない環状ベローズ要素70によって得られ、その際、その上部軸線方向端部70aが相対スリーブ要素64の下縁にシールされるように係合され、また、その底部軸線方向端部70bが、底部18cに近接する出力シャフト18自体の主要部18bにシールされるように固定されている。
【0096】
図3の解決策の利点は、図1及び図2の解決策によって達成されるものと同じであり、簡潔にするためにこれは繰り返されない。
【0097】
さらに、図3の解決策では、保護雰囲気領域又は無菌雰囲気領域30内にベアリングを設けていない(設けている唯一のベアリングは、底部ヘッド壁20の開口部25内に配置される)。
【0098】
本明細書に記載しているように、キャッピング装置1に変更が加えられてもよいが、その変更が、添付の特許請求の範囲で定義されている保護の範囲から逸脱しないことは明らかである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】