(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-24
(54)【発明の名称】薬物ペレットのための送達デバイス
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A61J7/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021574219
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2020067249
(87)【国際公開番号】W WO2020254662
(87)【国際公開日】2020-12-24
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521545592
【氏名又は名称】オンドシス,エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バロンネット,ステファン レネ
(72)【発明者】
【氏名】カレミール,マグナス
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA40
4C047BB11
4C047BB13
4C047BB20
4C047BB21
4C047BB26
4C047CC13
4C047NN10
4C047NN11
(57)【要約】
ペレット形態の薬物または医薬品を排出するためのデバイス(100)が記載されている。このデバイスは、複数のペレットを収容するためのチャンバ(220)、およびスクリューポンプを備えるカートリッジ(200)を備えており、そのスクリューポンプは、チャンバ(220)からペレットを受容し、スクリューポンプの回転時に、スクリューポンプを介してそのデバイス(100)から排出されるように、チャンバ(220)からペレットを輸送するように構成されている。このデバイスは、カートリッジ(200)を通って延在し、そのカートリッジからペレットを排出するように、スクリューポンプを回転させるように構成された回転部材(250)をさらに備える。そのカートリッジ(200)は、チャンバ(220)内に収容されたペレットを、前述のようにスクリューポンプを介してデバイス(100)から排出するために、スクリューポンプ内に誘導するように構成されたテーパ部分(207)をさらに備える。そのスクリューポンプは、カートリッジ(200)のテーパ部分(207)の外側に位置している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレット形態の薬物または医薬品を排出するためにデバイス(100)であって、
複数のペレットを収容するためのチャンバ(220)、およびスクリューポンプを備えるカートリッジ(200)であって、前記スクリューポンプが、前記チャンバ(220)からペレットを受容して、前記スクリューポンプの回転時に、前記スクリューポンプを介して前記デバイス(100)から排出されるように、前記チャンバ(220)から前記ペレットを輸送するように構成されている、カートリッジと、
前記カートリッジ(200)を通って延在し、前記カートリッジからペレットを排出するように、前記スクリューポンプを回転させるように構成された回転部材(250)と、を備えており、
前記カートリッジ(200)が、前記チャンバ(220)内に収容されたペレットを、前述のように前記スクリューポンプを介して前記デバイス(100)から排出するために、前記スクリューポンプ内に誘導するように構成されたテーパ部分(207)をさらに備えており、
前記スクリューポンプが、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)の外側に位置している、デバイス。
【請求項2】
前記カートリッジ(200)が、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)から延在する出口管(212)を備え、前記出口管(212)が、前記スクリューポンプを収容しており、前記スクリューポンプが、前記テーパ部分(207)および前記出口管(212)の合流点から変位されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記テーパ部分(207)が、第1の方向に距離(d)だけ延在しており、前記スクリューポンプが、前記テーパ部分(207)と前記出口管(212)との前記合流点から、前記第1の方向に前記距離(d)の少なくとも50%だけ変位されている、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
少なくとも前記テーパ部分(207)を形成する前記カートリッジ(200)の内壁が、第1の直径(D1)から第2の直径(D2)までテーパになっており、前記第1の直径(D1)が、前記第2の直径(D2)よりも大きく、前記内壁が、前記テーパ部分(207)の上方の前記カートリッジ(200)の一部において前記第1の直径(D1)を有し、かつ前記内壁が、前記テーパ部分(207)を通って延在するにつれて、前記第1の直径(D1)から前記第2の直径(D2)にテーパになっている、請求項1、2、または3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記回転部材(250)が、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)を通って延在するにつれて、第1の直径(d1)から第2の直径(d2)までテーパになっており、前記第1の直径(d1)が、前記第2の直径(d2)よりも大きく、前記回転部材(250)が、前記テーパ部分(207)の上方の前記カートリッジ(200)の一部において前記第1の直径(d1)を有し、かつ前記回転部材(250)が、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)を通って延在するにつれて、前記第1の直径(d1)から前記第2の直径(d2)までテーパになっている、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
ペレット形態の薬物または医薬品を排出するためにデバイス(100)であって、
複数のペレットを収容するためのチャンバ(220)、およびスクリューポンプを備えるカートリッジ(200)であって、前記スクリューポンプが、前記チャンバ(220)からペレットを受容して、前記スクリューポンプの回転時に、前記スクリューポンプを介して前記デバイス(100)から排出されるように、前記チャンバ(220)から前記ペレットを輸送するように構成されている、カートリッジと、
前記カートリッジ(200)を通って延在し、前記カートリッジからペレットを排出するように、前記スクリューポンプを回転させるように構成された回転部材(250)と、を備えており、
前記カートリッジ(200)が、前記チャンバ(220)内に収容されたペレットを、前述のように前記スクリューポンプを介して前記デバイス(100)から排出するために前記スクリューポンプ内に誘導するように構成されたテーパ部分(207)をさらに備えており、
前記スクリューポンプが、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)の内側に位置し、前記テーパ部分(207)と一緒にテーパになっている、デバイス。
【請求項7】
少なくとも前記テーパ部分(207)を形成する前記カートリッジ(200)の内壁が、前記チャンバ(220)内に収容されたペレットを前記スクリューポンプ内に誘導するように構成された漏斗を形成する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記カートリッジ(200)が、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)を備える出口管(212)を備え、前記出口管(212)が、前記スクリューポンプを収容しており、前記テーパ部分(207)が、第1の方向に距離(d)だけ延在し、その距離(d)が、前記第1の方向における前記出口管(212)の長さ(L)の約30%~100%である、請求項6または7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記距離(d)が、前記第1の方向における前記出口管(212)の長さ(L)の約40%~60%である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記スクリューポンプの外径が、前記カートリッジ(200)の前記テーパ部分(207)内の前記カートリッジ(200)の内面と実質的に同一平面のままである、請求項6~9のいずれかに記載のデバイス。
【請求項11】
前記ペレットの最大寸法が、約150μm~1200μmである、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記カートリッジ(200)が、第1の端部から第2の排出端部まで延在し、前記スクリューポンプが、前記カートリッジ(200)の前記第2の排出端部に位置している、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイス(100)が、手持ち式デバイス(100)である、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記チャンバ(220)内に収容される経口剤形を提供する複数のペレットをさらに備える、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記回転部材(250)が、前記スクリューポンプへの入口に位置し、前記スクリューポンプ内にペレットを集約および方向付けするように構成された1つ以上のフィン(290)を備える、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記1つ以上のフィン(290)の各々が、前記スクリューポンプのそれぞれのスクリュー開始点に整列および関連付けされている、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記回転部材(250)が、前記回転部材(250)と一緒に回転し、かつ前記チャンバ(220)を通って前記テーパ部分(207)内にペレットを移動させるのを支援するように構成された1つ以上のバッフル(390)を備える、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記スクリューポンプが、可変ピッチを有する1つ以上のねじ山を備える、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記スクリューポンプは、前記スクリューポンプが前記回転部材の一部を形成するように、前記回転部材の周りに形成された1つ以上のねじ山を備える、先行請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
先行請求項のいずれか一項に記載のデバイスを使用する方法であって、
前記デバイス(100)からペレットを排出させるように、例えば、前記回転部材(250)を使用して、前記スクリューポンプを回転させることを含む、方法。
【請求項21】
前記チャンバ(220)を、経口剤形を提供するペレットで充填することと、
前記ペレットの所定量を前記デバイス(100)から排出させることになる、前記スクリューポンプの回転量を決定することと、
ペレットの前記所定量を前記デバイス(100)から排出させるように、前記所定量だけ前記スクリューポンプを回転させることと、をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ペレット形態の薬物または医薬品を排出するためにデバイス(100)であって、
複数のペレットを収容するためのチャンバ(220)、およびスクリューポンプを備えるカートリッジ(200)であって、前記スクリューポンプが、前記チャンバ(220)からペレットを受容して、前記スクリューポンプの回転時に、前記スクリューポンプを介して前記デバイス(100)から排出されるように、前記チャンバ(220)から前記ペレットを輸送するように構成されている、カートリッジと、
前記カートリッジ(200)を通って延在し、前記カートリッジからペレットを排出するように、前記スクリューポンプを回転させるように構成された回転部材(250)と、を備えており、
前記カートリッジ(200)が、前記チャンバ(220)内に収容されたペレットを、前述のように前記スクリューポンプを介して前記デバイス(100)から排出するために、前記スクリューポンプ内に誘導するように構成されたテーパ部分(207)をさらに備えており、
前記スクリューポンプが、可変ピッチを有する1つ以上のねじ山を備える、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、薬物ペレット(例えば、ペレット形態の薬物または医薬品)のための送達デバイスに関し、例えば、デバイスからのペレットの排出、ならびに係るデバイスの動作および機構に関連する、係るデバイスの様々な態様に関する。
【背景技術】
【0002】
固体の経口剤形(「ODF」)薬剤は、例えば、錠剤またはペレット形態で製造することができる。錠剤またはペレットは、主成分が医薬品有効成分(「API」)である様々な物質を含有し得る。薬物ペレットは、予め充填されたカプセルとして患者に投与されるか、または他の材料を有する錠剤内に圧縮され得る。様々なタイプのODFのための排出メカニズムは、既知であり、個々の錠剤がポケット内に保持され得、ホイルの使用によってポケット内に保持することができる透明包装タイプのデバイスから、排出ボトルまで多岐にわたり得る。特に他のタイプの薬物製剤、例えば、ペレット形態のタイプの場合には、より複雑な様々なメカニズムもまた既知であり、これは、通常、単位当たりの特定の投薬量の10%未満であり得る。
【0003】
薬物をペレット形態で排出する利点は、同じ排出デバイスを使用して投与量を変えることができることであり得る。もう1つの利点は、ペレットが比較的摂取しやすいのに対し、錠剤は、患者が摂取または飲み込むために粉砕される場合があることである。錠剤の粉砕または分割は、処方薬から投与量の半分を取得するために、患者によってよく使用されるが、このプロセスは推奨されない。ペレットを使用することによって、錠剤またはカプセルなどのより大きな剤形を使用して達成され得るものよりも正確な投与量の調整が可能になる。さらに、放出調節製剤の場合、ペレットは、多くの場合、錠剤などのより大きな剤形よりも食品相互作用に対して、より堅牢である。
【0004】
ペレット形態の薬剤が排出されるメカニズムを改善することが望まれる。係る改善が多くの分野のためになることが認識されており、それらの分野としては、例えば、小児医療および処方箋、特に高齢者医療の場合の飲み込みやすい抗生物質、より飲み込みやすくするための慢性投薬治療、ADHD用興奮剤などの特定の制御された物質、または合成麻酔薬などの鎮痛剤の場合、排出される投与量を超えた制御、もしくは過剰排出のリスクの制限を改善する場合、例えば、臓器移植後の免疫抑制の場合、疾病の多様性の結果として、もしくは達成された成果の結果として、開始時の滴定もしくは柔軟な調整を必要とする薬物療法の場合、うつ病などの精神疾患の場合、てんかんなどの神経疾患の場合、が挙げられる。
【0005】
ペレットタイプの薬剤を排出するために方法が考えられてきたが、係るデバイスの機構は、ペレットの性質、および係るデバイスの可動部分とのそれらの相互作用に起因して、最適化するのが難しい場合があることが見出された。例えば、ペレットは、デバイス内で剪断し、一塊になり、または激しく動くことがわかっており、ペレットが排出されるときに、ペレットを詰まらせ、または粉砕するなどの問題を引き起こす。
【0006】
したがって、これらおよび同様の問題を回避するために、このタイプの経口剤形を排出するためにデバイスの機構を改善することが望まれる。
【発明の概要】
【0007】
ここから直ちに、本発明で使用され得、本明細書に記載された発明の態様および実施形態のいずれかに関する排出デバイスの様々な態様および実施形態が説明されるであろう。
【0008】
本発明によれば、ペレット形態で少なくとも1つの固体の経口剤形(例えば、薬物または医薬品)を排出するためにデバイスが提供される。以下に説明されるように、固体の経口剤形(例えば、ペレット)の最大寸法(例えば、幅または直径)は、約150μm~約1200μm(またはさらには、約1500μm)、任意選択的に約200μm~約300μm、約300μm~約500μm、約500μm~約700μmであり得る。様々な実施形態では、固体の経口剤形(例えば、ペレット)の最大寸法(例えば、幅または直径)は、約700μm~約900μm、または約800μm~約1100μmであり得る。
【0009】
このデバイスは、
固体の経口剤形を格納するように構成されたチャンバを備えるカートリッジと、
例えば、アルキメデススクリューであるスクリューポンプであって、チャンバからその固体の経口剤形の複数の最小構成単位を受容して、そのスクリューポンプの回転時に、スクリューポンプ(例えば、スクリューポンプの出口)を介して、デバイス(ならびに/または、例えば、カートリッジおよび/もしくはチャンバ)から排出されるように、チャンバから固体の経口剤形の最小構成単位を輸送するように構成された、スクリューポンプと、
カートリッジを通って延在し、そのカートリッジから固体の経口剤形の複数の最小構成単位を投薬するように、スクリューポンプを回転させるように構成された回転部材と、を備える。
【0010】
そのカートリッジは、チャンバ内に収容されたペレットを、前述のようにスクリューポンプを介してデバイスから排出するためにスクリューポンプ内に誘導するように構成されたテーパ部分をさらに備えることができる。そのテーパ部分は、以下に考察される本発明の第1および第2の態様にとって不可欠であるが、他の態様では、不可欠ではない場合がある(例えば、可変ピッチを有するねじ山を必要とする態様)。
【0011】
本発明の第1の態様では、そのスクリューポンプは、カートリッジのテーパ部分の(例えば、そのテーパ部分から変位された)外側に位置する。そうすると、そのテーパ部分は、スクリューポンプ内に入るペレットに都合のよい漏斗または供給路を提供することができ、一方、その変位により、ペレットが任意に通りにくい境界面を含む、スクリューポンプと漏斗との間の望ましくない相互作用が回避される。これにより、スクリューポンプへの、より容易でかつより効率的なペレットの供給が提供される。スクリューポンプがテーパ部分から変位していなければ、スクリューポンプの、テーパ部分との相互作用によって、通りにくい境界面が形成される可能性がある。この変位は、スクリューポンプの出口の方向にあり得る。
【0012】
テーパ部分において、その内側に、またはそれに隣接して位置したスクリューポンプの部分、特にテーパ部分におけるカートリッジの内面によって形成された縁端部は、存在してはならない。そのような縁端部からスクリューポンプを変位させることにより、それ以外の場合に生じる可能性がある、この場所でのペレットの剪断が回避される。
【0013】
カートリッジは、そのカートリッジのテーパ部分から延在する出口管を備えることができる。この出口管は、スクリューポンプを収容することができ、そのスクリューポンプは、テーパ部分と出口管との合流点から変位させることができる。
【0014】
テーパ部分は、第1の方向に距離(d)だけ延在することができ、スクリューポンプは、テーパ部分と出口管との合流点から、第1の方向に距離(d)の少なくとも50%だけ変位することができる。その第1の方向は、回転部材の軸方向に対応することができる。これにより、テーパ部分とスクリューポンプとの間に大きな間隙が生じ、その大きな間隙により、ペレットの損傷(剪断など)の可能性がさらに低減される。
【0015】
カートリッジの内壁は、少なくともテーパ部分を形成することができ、第1の直径(D1)から第2の直径(D2)までテーパになり得、第1の直径(D1)は、第2の直径(D2)よりも大きい。この内壁は、テーパ部分の上方のカートリッジの一部において第1の直径(D1)を有し得、かつこの内壁は、テーパ部分を通って延在するにつれて、第1の直径(D1)から第2の直径(D2)までテーパになり得る。
【0016】
回転部材は、カートリッジのテーパ部分を通って延在するにつれて、第1の直径(d1)から第2の直径(d2)までテーパになり得、第1の直径(d1)は、第2の直径(d2)よりも大きい。その回転部材は、テーパ部分の上方のカートリッジの一部において第1の直径(d1)を有し得、かつその回転部材は、カートリッジのテーパ部分を通って延在するにつれて、第1の直径(d1)から第2の直径(d2)までテーパになり得る。
【0017】
本発明の第2の態様では、スクリューポンプは、カートリッジのテーパ部分の内側に位置し、テーパ部分と一緒にテーパになり得る。これは、スクリューポンプが、テーパ部分を通ってカートリッジの幾何形状に従うことを意味し、その結果、ペレットは、使用中に、チャンバからスクリューポンプの中に、より容易かつより効率的に供給される。
【0018】
カートリッジの内壁は、少なくともテーパ部分を形成することができ、チャンバ内に収容されたペレットをスクリューポンプ内に誘導するように構成された漏斗を形成することができる。
【0019】
カートリッジは、そのカートリッジのテーパ部分を備える出口管を備えることができ、出口管は、スクリューポンプを収容することができる。
【0020】
テーパ部分は、第1の方向に距離(d)だけ延在することができ、その距離(d)は、第1の方向における出口管の長さ(L)の約30%~100%である。その第1の方向は、回転部材の軸方向に対応することができる。距離(d)は、第1の方向における出口管(212)の長さ(L)の約40%~60%であり得る。
【0021】
スクリューポンプの外径は、カートリッジのテーパ部分内のカートリッジの内面と実質的に同一平面のままである。
【0022】
本発明の第1および第2の態様は、本質的に同じ問題、すなわち、スクリューポンプと、チャンバの内面との間の通りにくい境界面の影響を解決することに寄与する。これは、上述したように、それぞれの場合において解決され、スクリューポンプへの、より容易かつより効率的なペレットの供給という同じ効果を伴う。本発明が第1および第2の態様に限定されないことに留意されたい。
【0023】
上述および本明細書に記載の態様および実施形態のいずれにおいても、ペレットの最大寸法は、約150μm~1200μmであり得る。ペレットは、他の寸法を有してもよく、本明細書の他所で指定された特定の寸法のいずれかが含まれ得る。
【0024】
本デバイスは、チャンバ内に収容される経口剤形を提供する複数のペレットをさらに備えることができる。
【0025】
回転部材は、スクリューポンプへの入口に位置し、そのスクリューポンプ内にペレットを集約および方向付けするように構成された1つ以上のフィンを備えることができる。その1つ以上のフィンの各々は、スクリューポンプのそれぞれのスクリューの開始点に整列され、かつ/または関連付けられ得る。係るフィンは、ペレットがスクリューポンプに入るときに、ペレットの目詰まりを解体および回避するのに有効に役立ち得る。
【0026】
回転部材は、回転部材と共に回転し、かつチャンバを通ってテーパ部分にペレットを移動させるのを支援するように構成された1つ以上のバッフルを備えることができる。係るバッフルは、ペレットがスクリューポンプに向かって移動するときに、ペレットの目詰まりを解体および回避するのに有効に役立ち得る。
【0027】
本発明の一態様では、上述したようなデバイスを使用する方法が提供され、その方法は、例えば、回転部材を使用してペレットをデバイスから排出させるように、スクリューポンプを回転させることを含む。
【0028】
この方法は、
チャンバを、経口剤形を提供するペレットで充填することと、
ペレットの所定(および/またはおおよそ)の量をデバイスから排出させることになる、スクリューポンプの回転の量を決定することと、
所定(および/またはおおよそ)の量のペレットをデバイスから排出させるための所定の量だけスクリューポンプを回転させることと、をさらに含むこともできる。
【0029】
上述および本明細書に記載の態様および実施形態のいずれにおいても、そのチャンバは、デバイスの第1の端部から、デバイスの第2の排出端部まで延在することができる。カートリッジは、第1の端部から、第2の排出端部まで延在し得、スクリューポンプは、カートリッジの第2の排出端部に位置し得る。
【0030】
スクリューポンプは、デバイスの第2の排出端部に位置し得る。
【0031】
スクリューポンプは、重力送りであってもよい。言い替えると、チャンバ内に保持されたペレットは、少なくとも部分的に重力によって第2の排出端部に向かって移動することができ、そのとき、デバイスは、排出配向にある(例えば、排出端部が、下向きに向いている状態にある)。
【0032】
デバイスは、手持ち式デバイスおよび/または可搬型デバイスであってもよい。言い替えると、デバイスは、片手で保持および輸送することができ、かつ/または片手を使って操作可能であり得る。
【0033】
例えば、デバイス(例えば、デバイス全体またはカートリッジ)の長さ(その最大寸法に対応する)は、約250mm以下(約200mm、約150mm、または約100mm未満など)であり得、幅または高さ(すなわち、その長さに対して横方向)は、約50mm以下であり、任意選択的には、約40mm以下(また、いくつかの実施形態では、30mm未満、またはさらには20mm未満)であり得る。
【0034】
デバイスの手持ち式の性質を最適化するために、デバイスの長さは、約150mm~約220mm(例えば、約160mm~約180mm、任意選択的には、約165mm)、幅(デバイスの長さに対して横方向の)は、約35mm~約45mm(任意選択的には、約40mm)、高さ(デバイスの幅に対して横方向の)は、約22mm~約32mm(任意選択的には、約28mm)であり得る。
【0035】
デバイス(またはカートリッジ)の重量は、せいぜい約500g、約400g、約300g、約200g、またはさらには約100gを超えない場合がある。これにより、デバイスが片手で搬送するには十分軽いことを確実にすることができる。
【0036】
カートリッジ(またはカートリッジアセンブリ)の長さ(その最大寸法に対応する)は、約90mm~約120mm(任意選択的に、約105mm)、幅(その長さに対して横方向の)は、約33mm~約43mm(任意選択的に、約40mm)、高さ(その幅に対して横方向の)は、約15mm~約32mm、例えば、約23mm~約32mm(任意選択的に、約28mm)であり得る。カートリッジ(またはカートリッジアセンブリ)の長さについての上記の値のいずれかとの組み合わせでは、その幅は、代わりに、約33mm~約43mmであり得、その高さは、代わりに、約15mm~約25mmであり得る。
【0037】
スクリューポンプは、回転部材の一部であってもよく、または回転部材の一部を備えてもよい。例えば、スクリューポンプは、回転部材の周りに形成された1つ以上のねじ山を備えることができ、その結果、そのスクリューポンプは、回転部材の一部を形成する。「1つ以上」という用語は、スクリューポンプが1つ以上のねじ開始部を備え得、各々が別個のねじ山を形成するという可能性があることに起因して、本明細書で使用される。以後、簡潔にするために、複数形用語を使用するが、本明細書に記載される単数形または複数形のねじ山への言及は、単数形のねじ山または複数形のねじ山を包含することを理解されたい。
【0038】
スクリューポンプは、可変ピッチを有する1つ以上のねじ山を含み得る。これにより、例えば、ペレットをスクリューポンプの出口に向かってパックまたは圧縮することによって、スクリューポンプを介したペレットの輸送を支援することが見出された。ピッチは、スクリューポンプの軸方向の長さに沿って可変とすることができる。ピッチは、スクリューポンプの軸方向の長さの少なくとも一部(またはすべて)について、出口から離れる軸方向に漸進的に(例えば、連続的に)増加することができる。別の言い方をすれば、そのピッチは、スクリューポンプの軸方向の長さの少なくとも一部(またはすべて)について、出口に向かって軸方向に漸進的に(例えば、連続的に)減少することができる。
【0039】
この特徴は、それ自体が有利であると見なされ、したがって、本発明の態様から、上記のようなカートリッジ、スクリューポンプ、および回転部材が提供されており、スクリューポンプは、上述したように可変ピッチを有する1つ以上のねじ山を含む。
【0040】
上述および本明細書に記載の態様および実施形態では、ねじ部の長さ(例えば、カートリッジの長手方向軸に沿った)は、ねじ山の長さによって画定され得、その長さは、約10mm~約30mm、例えば、約10mm~20mmであり得る。
【0041】
デバイスは、回転部材およびスクリューポンプが使用時に回転するときに、ペレットが、スクリューポンプから排出するために、チャンバ中に延在するねじ山の一部分から、ねじ山の反対側の端部まで、スクリューポンプのねじ山に沿って移動するように構成され得る。
【0042】
ねじ山は、カートリッジの内側円筒形表面と協働してスクリューポンプを形成し得、その結果、回転部材が使用時に回転するときに、ねじ山は、内側円筒形表面内で回転し、チャンバ内に収容されているペレットをねじ山に入らせ、スクリューポンプから排出するために、ねじ山を下方に移動させる。カートリッジは、それ自体、一般に円筒形でなくてもよいことに留意されたい。むしろ、スクリューポンプを形成するために、カートリッジは、内側円筒形表面を含み得るが、このことは、カートリッジ自体が全体的にまたは部分的に円筒形であることを必ずしも意味するものと解釈されるべきではない。
【0043】
カートリッジおよび/またはチャンバは、任意の好適な形状、例えば、円筒形または直方体であってもよい。カートリッジおよび/またはそのチャンバは、少なくとも部分的に円筒形であってもよく、そのカートリッジおよび/またはチャンバの円筒形部分は、スクリューポンプの内側円筒形表面、ならびにペレットを保持するためのチャンバの少なくとも一部を備えることができる。この実施形態では、カートリッジは、デバイスの第2の排出端部で開放され得、回転部材は、デバイスの第2の排出端部におけるカートリッジおよび/またはチャンバの内径と実質的に整合する外径を有するねじ部(スクリューポンプの一部を形成する)を備えることができる。
【0044】
別の方法として、カートリッジは、チャンバから延在する出口または出口管(例えば、上述したような)を備えることができる。出口管は、チャンバの内径未満である幅または直径を有し得る。回転部材は、出口管の中に延在し得、その結果、出口管の内側円筒形表面は、スクリューポンプの内側円筒形表面を形成する。これらの実施形態では、カートリッジおよび/またはチャンバは、チャンバ内に収容されたペレットを出口管の中に向けている、カートリッジおよび/またはチャンバの第2の排出端部において、円錐台形部分またはテーパ部分(例えば、上述したような)を備えることができる。
【0045】
様々な実施形態では、回転部材の長さの大部分(例えば、カートリッジ内)は、スクリューポンプを形成するねじ山を有しない。例えば、回転部材の長さ(例えば、カートリッジ内)の少なくとも約70%、80%、90%、またはさらには95%は、スクリューポンプを形成するねじ山を有しない。このことは、ねじ山が、チャンバの第2の排出端部に向いているペレットのみと作用および収集することを意味し、これは、ねじ山がペレットの大部分と作用ないし干渉しないという点で、第1の端部に向かって位置しているペレットにとって有益であり得る。
【0046】
重力(および/または以下に説明されているようなプランジャ装置)を使用して、ペレットをチャンバの排出端部に移動させることができ、その時点においてペレットは、ねじ山によって収集され、そしてスクリューポンプの中に取り込まれ得る。
【0047】
デバイスは、チャンバ内に収容されているペレットをスクリューポンプに向かって押し付けるように構成されたデバイス(例えば、プランジャ)をさらに備えることができる。このデバイスは、重力に加えて作用し得、その結果、重力と、デバイスにより提供された力との組み合わせにより、チャンバ内に収容されているペレットをスクリューポンプに向かって移動させる。例えば、そのデバイスは、デバイスがペレットの排出を可能にする配向にあるときに、チャンバ内に収容されているペレットの上に載置されるように構成されている錘の形態のプランジャであってもよく、または同プランジャを備えてもよい。
【0048】
デバイスは、自動的にまたは回転部材の回転の結果として、回転部材に沿って移動するように構成されたプランジャを備え得る。例えば、チャンバ内の回転部材の一部分は、ねじ山(例えば、スクリューポンプの任意のねじ山とは異なり得るプランジャねじ山)を備え得、プランジャは、使用時に回転部材のねじ山に沿って移動するように構成されている回転部材の周りにナットを形成し得、その結果、回転部材が回転するときに、プランジャは、スクリューポンプに向かって移動して、チャンバ内に収容されているペレットをスクリューポンプに向かって押し付ける。プランジャは、カートリッジおよび/またはチャンバの内面と当接および/または接触するように構成され得、摩擦嵌合が、プランジャと、カートリッジおよび/またはチャンバの内面との間に存在し得、プランジャが回転部材と一緒に回転するのを防止するのを助けることができる。
【0049】
この摩擦嵌合は、プランジャがシリンダ(例えば、円筒形のカートリッジ)内で回転する実施形態において、特に有用であり得る。説明されている摩擦嵌合(すなわち、プランジャの回転を防止するための)は、円筒形カートリッジ(および/またはプランジャが移動する円筒形の内面)を使用するときには、特に重要であり得る。非円筒形カートリッジ(または非円筒形表面)の場合、プランジャは、プランジャの外周部がカートリッジの内面と当接していることに起因して、回転が妨げられる場合がある。例えば、カートリッジが正方形または直方体の場合、プランジャは、回転することができない。
【0050】
様々な実施形態では、デバイスは、例えば、上述したように、プランジャの重量に依拠することに加えて、またはそれとは別の方法で、チャンバ内に位置したペレットに向かってプランジャに駆動力を提供する特定の特徴を含むことができる。例えば、ラチェットメカニズムを使用して、プランジャが単一方向のみに、すなわち、チャンバ内に位置したペレットに向かって移動することができることを確実にすることができる。別の方法として、または追加的に、弾性部材(例えば、ばね)が提供され(例えば、プランジャの表面とカートリッジの一部分との間で付勢され)、チャンバ内に位置したペレットに向かってプランジャを押し付けることができる。別の方法として、または追加的に、圧搾空気ソースが提供され得、チャンバ内に位置したペレットに向かってプランジャを加圧することができる。
【0051】
デバイスは、回転部材とカートリッジとの間で圧力嵌合される変形可能な材料を備えることができ、そこでは、プランジャは、回転部材の長手方向軸に沿って変形可能な材料を押すように構成され、変形可能な材料は、プランジャにより押されたときに、ペレットを移動する(例えば、チャンバを形成するカートリッジの1つ以上(またはすべての)内壁をこする)ように構成され、その結果、スクリューポンプに向かってペレットを移動する際に助けとなる。
【0052】
プランジャは、プランジャの本体から(回転部材の長手方向軸に対して)軸方向に延在する1つ以上の歯またはフォーク歯を備えることができる。この歯は、遠位端にあり(本体から離れた)、かつ回転部材上のねじ山と係合するように構成されたレールを備え得、その結果、回転部材の回転により、レールがねじ山に沿って移動し、軸に沿ってプランジャを移動させる。歯は、半径方向に湾曲するように構成され得、その結果、レールは、ねじ山から解除することができる。
【0053】
プランジャは、プランジャの本体から(回転部材の長手方向軸に対して)軸方向に延在し、かつ回転部材に向かって付勢されている1つ以上の歯またはフォーク歯を備えることができ、その結果、プランジャが使用時に軸に沿って移動するときにプランジャを安定させることができる。
【0054】
プランジャは、複数の突起部(例えば、上述したような歯またはフォーク歯)、および半径方向の内向きに突起部を付勢するように構成された弾性部材を備える弾性装置を備えることができる。弾性部材は、回転部材の周りに同心円状に延在する弾性バンドであり得る。
【0055】
プランジャは、回転部材に隣接する第1の厚さから、プランジャの外周(半径方向)における第2の厚さまでテーパをなすことができ、第2の厚さは、第1の厚さよりも小さい。その外周は、チャンバの一部分を形成するカートリッジの内壁に隣接することができる。プランジャは、プランジャの周辺部における先端縁端部に向かってテーパをなすことができる。プランジャは、弾力性を有する方法で外周において湾曲するように構成され得る。これにより、プランジャとカートリッジとの間の摩擦を低減し、また、スクリューポンプに向かってペレットを移動させる際に助けとなる。
【0056】
デバイスは、スクリューポンプの出口に接続され、例えば、スクリューポンプが回転しておらずまたは使用前であるときに、排出動作以外でペレットがスクリューポンプから排出されるのを防止するように構成されたバルブをさらに備えることができ、例えば、使用時のスクリューポンプの回転時に、ペレットが排出動作中のスクリューポンプから排出されるのを可能にすることができる。
【0057】
このバルブは、弾性部分、例えば、ゴムシートを備えることができ、このゴムシートは、スクリューポンプが使用時に回転するときに、ペレットが排出されるのを可能にするように湾曲して開放し、次いでスクリューポンプが回転していないときに元に戻るように構成されており、その結果、ペレットがスクリューポンプから外に落下するのを停止し、カートリッジの密閉の助けとなる。
【0058】
弾性シートは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり得、第1の位置では、シートは、スクリューポンプの端部を閉鎖して、ペレットが排出されるのを防止し、第2の位置では、シートは、スクリューポンプの端部を解除して、ペレットが排出されるのを可能にする。様々な実施形態では、シートは、スクリューポンプの回転を介して、またその回転に基づいて、ペレットによってシートに加わる力に起因して移動するように構成されてもよい。
【0059】
バルブは、傘形バルブを備えることができる。
【0060】
バルブは、スクリューポンプの出口に接続するバルブの第1の端部から、バルブの第2の端部まで延在する円錐台形部分を備えることができる。バルブの第2の端部は、ペレットをその中から排出するために出口を備える出口部分を備えることができる。バルブは、回転部材の回転時に、ペレットがバルブの出口を通ってバルブから外に押し出される必要があるように構成することができる。例えば、出口のサイズは、排出されるペレットのサイズに適合され得、その結果、最小寸法(例えば、幅)は、ペレットの幅または直径に実質的に等しくてもよく、かつ/またはペレットの幅または直径の約1.5倍、1.4倍、1.3倍、1.2倍、または1.1倍未満としてもよい。
【0061】
デバイスは、回転部材を回転させるように構成された1つ以上のアクチュエータを備えることができる。アクチュエータは、機械式アクチュエータまたは電気機械式アクチュエータであり得る。アクチュエータは、デバイスの第1の端部に位置し得る。アクチュエータは、回転部材を回転させるように構成され得る。これにより、(関連する実施形態では)プランジャを回転部材のねじ部分の下方に移動させ、かつ/またはねじ部を回転させることができ、ペレットをスクリューポンプを介して排出させることができる。
【0062】
アクチュエータは、電気機械式アクチュエータ(例えば、1つ以上のモータ)であるか、または電気機械式動作メカニズムを備えてもよく、その結果、デバイスは、正確な量のペレットを繰り返し排出することが可能であり得る。モータおよび制御システムは、一体型バッテリ(ユーザが交換可能であり得る)によって給電され得、そのバッテリは、アクチュエータのハウジング内に保持され得る。
【0063】
デバイスは、制御システム(例えば、アクチュエータの一部として)を含むことができ、その制御システムは、入力装置またはメカニズムからの動作信号を受信した後、所定の時間(例えば、2、3、または5秒未満)内に投与量を排出するように構成され得る。動作信号は、例えば、デバイス上に位置した好適なボタンもしくは他の入力メカニズムを押すユーザによって、または任意選択的に無線もしくは有線の外部制御装置などの異なる制御装置を介して開始されてもよい。
【0064】
アクチュエータは、1つ以上の電気(例えば、ステッピング)モータを備えてもよく、そのモータは、さしあたっての状況に基づいて、例えば、カートリッジ内の医薬品のタイプ、またはユーザに基づいて、任意の好適な回転数(例えば、ステップ数)だけ回転部材を回転するように構成することができる。制御システムは、例えば、プリント配線板(「PCB」)上のマイクロコントローラの形態で提供されてもよく、そのプリント配線板は、アクチュエータ内のデバイスのハウジング内に位置してもよい。
【0065】
本発明の態様では、上述した態様および実施形態のいずれかにおいて、デバイスを使用する方法が提供される。
【0066】
本方法は、
この方法は、例えば、回転部材を使用して、所定量のペレットをデバイスから排出させるための所定の回転量だけスクリューポンプを回転させることを含む。このデバイスは、短期間の処方薬排出を行うことを目的とする、使い捨てまたは比較的安価なデバイスに関するものであり得、その処方薬には、例えば、既存の透明包装薬剤および液体製剤よりも単純でかつより便利な抗生物質を含むが、これに限定されない。
【0067】
この方法は、経口剤形を提供するペレットでチャンバを充填することと、所定量のペレットをデバイスから排出させることになるスクリューポンプの回転量を決定することと、所定量のペレットをデバイスから排出させるための所定量だけスクリューポンプを回転させることと、をさらに含み得る。
【0068】
この方法は、カートリッジ(例えば、カートリッジのチャンバ)内に経口剤形を提供するペレットを格納することを含み得、それらのペレットは、以下のうちの1つ以上の治療のための薬剤または化合物を含み得、それらの治療とは、注意欠陥多動性障害(「ADHD」-薬剤または化合物には、アンフェタミンおよび/またはメチルフェニデートが含まれる可能性がある)、一般的な痛み(薬剤または化合物には、フェンタニール、メサドン、メペリジン、トラマドール、モルヒネ、コデイン、テバイン、オキシモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ヒドロモルホン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、およびメサドンのうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、臓器移植後の免疫抑制(薬剤または化合物には、タクロリムス、シロリムス、エベロリムス、コルチコステロイド、サイクロスポリン、真菌フェノラート、およびアザチオプリンのうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、糖尿病(薬剤または化合物には、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、メトホルミン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、およびセマグルチドのうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、心不全(薬剤または化合物には、一つ以上のカルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、および利尿薬のうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、パーキンソン病(「PD」-薬剤または化合物には、レボドーパおよび/またはカルビドーパが含まれる可能性がある)、てんかん(薬剤または化合物には、バルプロ酸ナトリウム・カルバマゼピン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキスカルバゼピン、エトスクシミド、およびトピラマートのうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、うつ病(薬剤または化合物には、シタロプラム、アンフェブタモン、パロキセチン、ミルナシプラン、フルオキセチン、デュロキセチン、フルボキサミン、およびレボキセチンのうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、統合失調症(薬剤または化合物には、アリピプラゾール、アセナピン、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、クロザピン、イロペリドン、ルラシドン、およびオランザピンのうちの一つ以上が含まれる可能性がある)、癌、動物の健康である。
【0069】
この方法は、注意欠陥多動性障害(「ADHD」)、一般的な痛み、臓器移植後の免疫抑制、糖尿病、心不全、パーキンソン病(「PD」)、てんかん、うつ病、統合失調症、癌、および動物の健康、のうちの1つ以上の治療において、本デバイスを使用することを含み得る。カートリッジ(例えば、カートリッジのチャンバ)内の経口剤形は、特定の治療で使用される場合、その特定の治療に関して上記で言及された薬剤または化合物のうちの1つ以上を含み得る。
【0070】
このデバイスは、より堅牢で長期間にわたるディスペンサに関するものであり得、そこには、デバイスの第1の部分(例えば、以下に説明されるアクチュエータ300、300’、および任意選択的に、回転部材250、250’、250A、250B)が、排出メカニズムの比較的複雑または高価な部分を備え、デバイスの1つ以上の第2の部分(例えば、以下に説明されるカートリッジまたは複数のカートリッジ200、200’、200AB)が、排出メカニズムの比較的単純または安価な部分、および薬物または経口剤形を備える。1つ以上の第2の部分は、第1の部分の中に挿入することができる交換可能なカートリッジ(または、以下に説明されるカートリッジ200ABなどの交換可能な一体型カートリッジ)であり得、その結果、第1の部分は、異なるカートリッジ、および様々なタイプの医薬品、薬物、および投薬(例えば、経口剤形)と共に使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の部分は、カートリッジまたは複数のカートリッジを保持するように構成されるハウジング(例えば、以下に説明されるハウジング400を参照)を含むことができ、第2の部分は、ハウジングの中に挿入することができるカートリッジまたは複数のカートリッジを含むことができる。
【0071】
本発明は、カートリッジおよび排出メカニズムの一体化に関する。ペレットは、スクリューポンプを使用して、例えば、「アルキメデス」スクリューメカニズムの形態で排出され、そのスクリューポンプは、その精度、単純さ、および使いやすさに起因して有利であることが見出されている。いくつかの実施形態では、デバイスは、ペレットが保持されているチャンバ内のペレットに圧力を加えるための手段、例えば、以下に説明されているように、プランジャ230を使用する手段を備えることができる。この方法でペレットに圧力を加えてペレットを適切に梱包することは、投薬量がカートリッジの耐用年数にわたって一定であり、最初の投与量が、最後の容積または重量と同じような投与量であることを意味し得る。さらに、係る動作は、デバイスが任意の配向で動作することができることを意味し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、デバイスはまた、プランジャメカニズムの使用も組み込み、そのメカニズムは、ペレットをデバイスの動作機構から分離する。
【0073】
さらなる技術的効果が、以下に提供される説明から明らかになるであろう。
【0074】
定義
ペレット-経口剤形(例えば、医薬品、薬物、薬剤など)の単一顆粒であり、任意選択的に、約150μm~約1200μm(または、さらには約1500μm、任意選択的に、約200μm~約300μm、約300μm~約900μm、または約500μm~約700μm)の寸法(例えば、最大の寸法、幅、または直径)を有する。「直径」によって、それは、ペレットが不規則な形状であっても、ペレットがおおむね球形であると想定されることを意味する。直径は、ペレットが球形であるとは想定されない場合、ペレットの最大幅に対応し得る。ペレットは、表面コーティングを有しても、または有さなくてもよい。表面コーティングが提供される場合、本明細書で提供される寸法は、任意の表面コーティングを有するペレットに対応する。
【0075】
様々な実施形態では、ペレットは、以下の範囲である、150~300μm、150~400μm、200~400μm、200~500μm、300~500μm、400~600μm、300~700μm、500~700μm、200~800μm、600~800μm、700~900μm、700~1200μm、800~1000μm、800~1100μm、900~1100μm、900~1200μm、および1000~1200μmのうちの1つ以上の範囲内の寸法(例えば、最大の寸法、幅、または直径)を有し得る。
【0076】
投与量-ペレットの単一の測定値(例えば、容積または重量)であり、例えば、総容積約0.05mL~約0.8mL(約0.1mL~約0.6mLなど)、例えば、容積約0.3mLである(ただし、場合によっては、係るペレットは、重量によって測定される)。
【0077】
排出メカニズム-システムであり、例えば、ユーザの操作を投与量の排出に変換する電気機械システムである。
【0078】
カートリッジ-コンポーネントであり、例えば、ペレットを貯蔵および排出するために使用される交換可能なコンポーネントであり、任意選択的に、例えば、中央のねじ付きバーの形態の回転部材、移動するプランジャ、およびペレットなどのデバイスの特徴を含有する。
【0079】
プランジャ-ペレットが、カートリッジの排出端部に向かって一緒に圧縮されたままになることを確実にすることができるプレート(ただし、他のタイプのプランジャも想定される)。プレートは、実質的に硬い場合があるが、プレートの各部分、例えば、カートリッジの他の部品と相互作用するそれらの部分は、可撓性を有し得る。
【0080】
排出アパーチャ-ペレットを消費のために排出させることができるカートリッジの開口端部。
【0081】
キャップ-投与量の収集、および貯蔵されたペレットを湿気から保護するための、送達アパーチャを覆う容器またはトレイ。
【0082】
プレス-指定された投薬量を排出したいときに、ユーザがデバイス上で実行する操作であり、これは、回転運動または直線運動であり得る。
【0083】
本明細書で言及されたときの、「1つの」薬物または医薬品への言及は、「1つ以上の」薬物または医薬品として見なされ得ることを理解されたい。例えば、ペレットは、ペレット形態のいくつかの薬物または医薬品を含み得る。これは、ペレットを混合することによって、各々が、異なる薬物または医薬品を備え、かつ/または各ペレット内で薬物または医薬品を混合することによって、達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
以降に、様々な実施形態が、添付図面を参照しながら、例としてのみ説明される。
【0085】
【
図1】ペレット形態の薬物または医薬品(例えば、経口剤形)を排出することができるデバイスの斜視図を示す。
【
図2-2A】
図1に示したデバイスの断面図を示す。
【
図3】テーパ表面と出口管との遷移点または合流点に位置しているねじ山を概略的に示す。
【
図4】
図1のデバイスと同様のデバイスの第2の排出端部を示す本発明の実施形態を例示するが、スクリューポンプは、テーパ表面と出口管との合流点から変位している。
【
図5】
図1のデバイスと同様のデバイスの第2の排出端部を示す本発明の実施形態を例示するが、スクリューポンプは、カートリッジのテーパ部分の内側に位置し、そのテーパ部分と共にテーパになっている。
【
図6A-6B】
図5の実施形態の変形例を示し(
図4の実施形態にも適用可能であるが)、そこでは、回転部材は、ペレットをスクリューポンプ内に集約および方向付けするように構成された1つ以上のフィンを備える。
【
図7A-7B】回転部材と共に回転し、またカートリッジを通ってペレットを移動させるのに変位または補助するように構成された1つ以上のバッフルの形態で、
図5の実施形態(
図4の実施形態にも適用可能である)に対するさらなる改良例を示す。
【
図8】スクリューポンプのねじ山の輪郭、およびそのねじ山に関連付けられ得る様々な寸法を概略的に示す。
【
図9-10】可変ピッチを有するねじ山の一実施形態を示す。
【
図11-12】ハウジング内に並んで位置決めされている2つのカートリッジを備える実施形態を示す。
【
図13】カートリッジの出口管を覆って位置した第1のバルブを組み込んでいる実施形態を示す。
【
図14A-14B】カートリッジの出口管を覆って位置した第1のバルブを組み込んでいる実施形態を示す。
【
図15】プラグの形態でカートリッジの出口管を覆って位置した第2のバルブを組み込んでいる実施形態を示す。
【
図16A-16G】プラグの形態でカートリッジの出口管を覆って位置した第2のバルブを組み込んでいる実施形態を示す。
【
図17】変更された出口管を組み込んでいる実施形態を示す。
【
図18A-18B】変更された出口管を組み込んでいる実施形態を示す。
【
図19A-19B】出口管の出口端部を覆って位置し得る可動構成要素を含む実施形態を示す。
【
図20A-20C】変形例である実施形態を示し、そこでは、
図16Aおよび16Bの実施形態で示されたバルブは、回転部材の端部から同様の方法で延在する異なるバルブによって置き換えられている。
【
図21A】内部通路と連絡するねじ山を有する変更された回転部材を示す。
【
図21B】
図21Aの実施形態の変形例を示し、この例では、弾性キャップが回転部材の端部を覆って位置し、デバイスが動作していないときにペレットが排出されるのを防止する。
【
図22】出口管を覆うように、カートリッジの第2の排出端部においてカートリッジに接続するように構成されているキャップを備えるデバイスを示す。
【
図23】出口管を覆うように、カートリッジの第2の排出端部においてカートリッジに接続するように構成されているキャップを備えるデバイスを示す。
【
図24A-24B】出口管を覆うように、カートリッジの第2の排出端部においてカートリッジに接続するように構成されているキャップを備えるデバイスを示す。
【
図25-26】
図11および12のデュアルカートリッジの実施形態と同様のカートリッジの実施形態を示すが、ただし、2つのカートリッジが単一のユニットに組み合わされていることを除く。
【
図27】回転部材のスクリュー部が「ツイストプレート」の構成形態のスクリュー部によって置き換えられているカートリッジの一実施形態を示す。
【
図28A-28B】回転部材のスクリュー部が「ツイストプレート」の構成形態のスクリュー部によって置き換えられているカートリッジの一実施形態を示す。
【
図29A-29C】プランジャの半径方向に延在する表面上に位置決めされている変形可能な材料がプランジャを随伴するデバイスの一実施形態を示す。
【
図30A-30C】デバイスのプランジャが複数の軸方向に延在する歯または突起を設けられている実施形態を示す。
【
図31A-31C】デバイスのプランジャが
図30A、30Bおよび30Cの実施形態の歯と同様の機能を有する弾力性のあるデバイスを含む一実施形態を示す。
【
図32A-32C】プランジャと、カートリッジの壁との間の摩擦を軽減するように構成された形状を備える、変更されたプランジャを有するデバイスの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1は、デバイス100の斜視図を示し、このデバイスは、ペレット形態の薬物または医薬品(例えば、経口剤形)を排出することができる送達デバイスである。このデバイス100は、ペレットタイプの投与量の排出をより効率的に行うことを目的としており、様々な実施形態が、デバイスの機構の改善に向けられて、ペレットがデバイスを通って移動する際の、ペレットの目詰まりおよび/または粉砕を防止する。
【0087】
デバイス100は、アクチュエータまたは他の駆動機構(例えば、モータ)に接続するための第1の端部102、およびデバイス100の排出端部を含む第2の端部104(第1の端部102の反対側)を備える。使用中、ペレット形態の薬剤は、駆動機構(例えば、モータ)の動作の結果として、第2の端部104から外へ排出されることになる。
【0088】
デバイス100は、デバイス100の第1の端部102においてアクチュエータまたは駆動機構(例えば、モータ)に取り付けるように構成されている1つ以上のカートリッジ200を備える。このカートリッジ200は、経口剤形(今の場合、ペレット)の複数の単位を格納または保持するように構成されている1つ以上のチャンバ220を備える。
【0089】
デバイス100は、カートリッジ200を通って延在する回転部材250を備える。以下にさらに詳細に説明されるように、デバイス100の第1の端部102において、回転部材250は、アクチュエータまたは駆動機構(例えば、モータ)に接続し、そのアクチュエータまたは駆動機構は、回転部材250を回転させて、デバイス100の第2の端部104からペレットを排出させるように構成されている。
【0090】
デバイス100は、その第2の端部104において出口(例えば、
図2の出口管212)を備え、この出口を通って、ペレット(薬物、医薬品等)が排出される。
【0091】
図2および2Aは、
図1に示したデバイス100の断面図を示し、この断面図は、カートリッジ200の内部、および回転部材250のいくつかの特徴を詳細に示している。カートリッジ200は、中空であり、上述したように、ペレットを保持するためのチャンバ220を備え、回転部材250は、このチャンバを通って、デバイス100の第1の端部102からデバイス100の第2の端部104まで延在する。
【0092】
チャンバ220および/またはカートリッジ200は、実質的に気密封止され得る(例えば、ペレットが排出される流路を除いて)。例えば、第1の端部102において、回転部材250とカートリッジ200との間の接続は、封止材、例えば、ゴム弾性のパッキンまたはバルブ(図示せず)を備えてもよい。同様に、デバイス100の第2の排出端部104において、適切な封止材(図示せず)が、回転部材250と出口管212との間に設けることができる。例えば、デバイスの出口(例えば、出口管212)を覆ってかつ封止するパッケージング封止材が提供されてもよく、ユーザは、デバイスを使用開始したいときに、その封止材を取り外す(例えば、剥がす)ことができる。さらに、または別の方法として、バルブを使用して、デバイス100の第2の排出端部を少なくとも部分的に封止することができる(例示的な「傘型バルブ」が、
図4に関連して図示および説明されている)。これらの特徴は、空気および/または湿気がチャンバ220に入ること、および固体の経口剤形のユニットと好ましくなく干渉するのを防止するのに役立ち得る。
【0093】
回転部材250は、デバイス100の第2の端部104において出口管212中に延在し、ねじ部240を備える。共に、出口管212およびねじ部240は、デバイス100の第2の端部104からペレットを排出するように構成されたタイプのスクリューポンプを形成する。すなわち、ペレットは、スクリュー部240のねじ山242に入ることになり、回転部材250の回転時に、ねじ山242を介して出口管212から外に押し出されて、デバイス100から排出されることになる。
【0094】
回転部材250およびカートリッジ200は、共通の長手方向軸を有し得、その軸はまた、回転部材250の回転軸でもあり得る。これにより、ペレットの、スクリュー部240への対称的な装填を有効に提供することができる。ただし、様々な実施形態では、カートリッジ200の長手方向軸は、回転部材250の長手方向軸、および/または回転部材250の回転軸からオフセットされる場合があるが、本明細書の他所で説明される技術的効果を依然として達成することができる。
【0095】
図1~2Aは、長円形の形状を有するカートリッジ200を示しているが、これは、必須ではなく、カートリッジ200は、任意の適切な形状、例えば、円筒形を有することができる。
【0096】
デバイス100は、回転部材に沿って自動的に、または回転部材の回転の結果として移動するように構成されているプランジャ230(
図1~2Aに示す)をさらに備えることができる。
【0097】
上述したように、各カートリッジ200は、そのチャンバ220内にペレットを保持する。プランジャ230を使用する実施形態では、チャンバ220の容積は、以下にさらに詳細に説明されるプランジャ230の操作により、デバイス100の動作中、およびその耐用年数全体にわたって変化する。
【0098】
一方の端部において、チャンバ220は、プランジャ230、より具体的には、チャンバ220に対面するプランジャ230の半径方向に延在する表面232によって、少なくとも部分的に密閉されている。チャンバ220の他方の端部は、カートリッジ200の表面210によって、少なくとも部分的に密閉されている。回転部材250は、カートリッジ200の長手方向軸Aに沿ってチャンバ220を通って延在している。
【0099】
図2は、プランジャ230を備えるカートリッジ200の断面図を示す。回転部材250が使用中に回転すると、プランジャ230は、チャンバ220内に位置したペレット(図示せず)の上部に載置する。
【0100】
このプランジャは、重力によって作動して、チャンバ内に収容されたペレットをスクリューポンプに向かって移動させることができる。例えば、プランジャは、デバイスがペレットの排出を可能にする配向にあるときに、チャンバ内に収容されたペレットの上部に載置するように構成された錘とすることができる。非後退デバイス(例えば、爪車)を設けて、プランジャが使用中に排出端部から離れる方向に移動するのを防止することができる。
【0101】
プランジャは、回転部材に沿って自動的に、または回転部材の回転の結果として移動するように構成することができる。例えば、チャンバ内の回転部材の一部分は、ねじ山(例えば、スクリューポンプの任意のねじ山とは異なり得るプランジャねじ山)を備え得、プランジャは、使用時に回転部材のねじ山に沿って移動するように構成されている回転部材の周りにナットを形成し得、その結果、回転部材が回転するときに、プランジャは、スクリューポンプに向かって移動して、チャンバ内に収容されているペレットをスクリューポンプに向かって押し付ける。プランジャは、カートリッジおよび/またはチャンバの内面と当接および/または接触するように構成され得、摩擦嵌合が、プランジャと、カートリッジおよび/またはチャンバの内面との間に存在し得、プランジャが回転部材と一緒に回転するのを防止するのを助けることができる。
【0102】
デバイス100は、例えば、上述したように、プランジャ230の重量に依拠すること以外に、チャンバ220内に位置したペレットに向かう方向に作用する、プランジャ230への駆動力を提供する特定の特徴を含むことができる。例えば、ラチェットメカニズムを使用して、プランジャ230が単一方向のみに、すなわち、チャンバ220内に位置するペレットに向かって移動することができることを確実にすることができる。弾性部材(例えば、ばね)が提供されて、チャンバ220内に位置するペレットに向かってプランジャ230を押し付けることができる。圧搾空気ソースが提供され得、それによって、チャンバ220内に位置するペレットに向かってプランジャ230を加圧することができる。
【0103】
使用中、半径方向に延在するプランジャ230の表面232は、ペレットを加圧し、それらのペレットをデバイス100の第2の排出端部104に向けて押し付けて、チャンバ220内にペレットをきつく圧縮するのを助ける。
【0104】
図2では、軸Aに対して垂直に延在するように示されているが、プランジャ230の半径方向に延在する表面232は、むしろ、カートリッジ200の反対側表面210に正確に適合するように成形することができ、これにより、チャンバ220内のペレットの捕捉を強化することができるため、ペレットは、チャンバから排出されることができる。例えば、表面232は、カートリッジ200の反対側表面210と同様および強調的な方法で角度を付けることができる。
【0105】
様々な実施形態では、プランジャ230は、回転部材250に動作可能に接続され、その結果、回転部材250の回転により、回転部材250に沿って(すなわち、回転部材250およびカートリッジ200の長手方向軸Aに沿って)軸方向に、プランジャ230を移動させる。例えば、プランジャ230は、ナットであってもよく、そのナットは、その回転時に、回転部材250に沿って、カートリッジ200の第1の端部102(すなわち、以下に説明される、アクチュエータの中に挿入される端部)からカートリッジ200の第2の排出端部104まで並進する。
【0106】
このようにして、プランジャ230が回転部材250に沿って並進するにつれて、チャンバ220の容積は、徐々に減少する。さらに、チャンバ220内に収容されたペレットは、デバイス100の動作および耐用年数の全体にわたって、プランジャ230によってカートリッジ200の第2の端部104に向かって押し付けられることになる。
【0107】
プランジャ230の直接移動を実現するために、回転部材250は、プランジャ230における対応するねじ山233と協働するように構成されているねじ山252を備えることができ、その結果、前述のように、長手方向軸Aに沿ってプランジャを移動させる。カートリッジ200の第2の排出端部104において、回転部材250は、ねじ部240を備え、そのねじ部は、プランジャ230と協働するねじ山252から軸方向に分離されている。
【0108】
様々な実施形態では、プランジャ230(またはその少なくともねじ山233)は、熱可塑性エラストマー(「TPE」)またはポリブチレンテレフタレート(「PBT」)から作製することができ、約100、80、70、60、またはさらには50ショア未満の硬度を有し得る。ショア硬度試験は、ショア00またはショアAで実施することができる。これらの実施形態では、プランジャ230が軸Aに沿って移動するにつれて、プランジャ230が、例えば、ペレット、またはカートリッジ200の端部に出会うことから、十分な抵抗力を満たす場合、ねじ山233は、ねじ山252との係合を解除することができる。これにより、プランジャ230がペレットと接触すると、回転部材250の回転が可能になり、プランジャ230によってペレットに加えられる力を制限する。例えば、排出中にペレットの容積が減少すると、抵抗力は減少し、ねじ山233は、ある時点でねじ山252と再度係合して、軸Aに沿ってプランジャ230を移動し続けることになる。
【0109】
様々な実施形態では、ねじ山233は、取り外され得、しっかり固定した摩擦嵌合を使用して、回転部材250が回転するときに、ねじ山252に沿ってプランジャを移動させることができる。例えば、プランジャ230は、2つの摩擦表面、すなわち、カートリッジ200の内面に対面する、その外側周辺部上の第1の表面、および回転部材250に対面する、内側周辺部上の第2の表面を有することができる。第1の摩擦表面間の摩擦は、プランジャ230が回転するのを防止し得るが、プランジャ230が軸方向に(すなわち、軸Aに沿って)移動するのを可能にし得る。プランジャ230の中央ホール(回転部材250がそこを通って延在する)は、ねじ山252の外径よりもわずかに小さく製造することができる。これは、プランジャが協働するねじ山自体を備えない場合であっても、回転部材250が回転するときに、プランジャ230は、ねじ山252に沿って軸方向に移動することになることを意味する。プランジャは、この実施形態を容易にするために、ゴムで作製することができる。第2の摩擦表面は、ペレットが完全に圧縮されたとき、すなわち、プランジャ230がペレットを可能な限り下方に押し付けた場合に、プランジャ230が滑るように構成することができる。
【0110】
図2Aは、カートリッジ200の第2の排出端部104をさらに詳細に示しており、出口管212が、カートリッジの端部に位置し、上述したように、回転部材250のねじ部240は、出口管212を通って延在している。
【0111】
ねじ部240の半径方向の外面241は、出口管212の半径方向の内面214と実質的に接触(および/または当接)し得る。すなわち、スクリュー部240の外面241、および出口管212の半径方向の内面214は、実質的に互いに接触するか、または当接することができる(例えば、連続的にまたは断続的に)。これは、それらが互いに通り越してスムーズに移動することができることを確実にし、また使用中における信頼性の高い排出を確実にするために、それらが互いに対して締まり嵌めまたは摩擦嵌合を有するという程度でなくてもよい。すなわち、スクリュー部240の半径方向の外面241が、出口管212の半径方向の内面を超えて回転するとき。ねじ部240の外面241と出口管212の内面214との間の任意の公差は、ねじ部240が出口管212内で回転するのを依然として可能にしながら、可能な限り厳密であることが想定される。
【0112】
例えば、ねじ部240の外面241と出口管212の内面214との間には、例えば、製造寸法公差に起因して、わずかな寸法誤差または間隙が存在する場合がある。表面が互いに接触するように構成されている場合(例えば、連続的にまたは断続的に)、それらの表面は、摩擦の少ない材料(例えば、テフロンを使用して、対向する表面のうちの一方または両方に塗布された、例えば、付着防止コーティングまたは添加剤)で製造することができ、それらの材料は、摩擦嵌合または締まり嵌めを伴わない嵌合(例えば、接触嵌合)をもたらし得る。様々な実施形態(例えば、内部にペレットを収容するカートリッジを含むもの)では、スクリュー部240の外面241と、出口管212の内面214との間に寸法公差または間隙が存在する場合があり、シャフト250の自由回転を可能にするのに十分広い場合があるが、いずれのペレット(および/またはペレットの残がい)も間隙の間(摩擦を増加させ、また自由回転を抑制する可能性のある)を滑らかに移動するのを防ぐのに十分狭くすることができる。
【0113】
ねじ部240は、チャンバ220内に収容されたペレットを受容し、かつ回転部材250が回転すると、出口管212から外へ排出されるようにねじ山242に沿ってそれらのペレットを輸送するように構成されたねじ山242を備える。ねじ山242は、1つ以上の開始点からなり、各々の開始点は、例えば、チャンバ220内のペレット上に押し付けて、ペレットをねじ山242に押し付けるプランジャ230の作用に(少なくとも部分的に)起因して、ペレットがデバイス100の動作中に充填する連続的な螺旋を形成する。
【0114】
ねじ部240、およびそのねじ山242は、カートリッジ200の出口管212と共にスクリューポンプ(例えば、「アルキメデス」スクリュー)を形成するように出口管212の内側半径方向表面と接触する。すなわち、回転部材250が回転するときに、ねじ部240、およびそのねじ山242もまた回転し、チャンバ220内に収容されたペレットをねじ山242の空隙に入れ、ねじ山242の下方に移動させ、カートリッジ200から出すことになる。スクリューポンプは、ペレットが排出される出口243を備えることができる。
【0115】
アクチュエータまたは駆動機構(例えば、モータ)は、回転部材250を回転させるように構成され得、上述したように、デバイスの第1の端部102で回転部材250に接続され得る。アクチュエータは、回転部材250、および順次、回転部材250のねじ山242、252に回転力を提供するように構成することができる。アクチュエータは、機械式(例えば、手動で操作される)か、または電気機械式(例えば、電気的に操作される、例えば、電気モータ)のいずれかとすることができる。アクチュエータ(またはアクチュエータを備える制御ユニット)は、カートリッジ200から脱着可能であり得、その結果、別のカートリッジを同じアクチュエータまたは制御ユニットに接続することができる。
【0116】
カートリッジ200からペレットを排出するために、アクチュエータ300は、回転部材250を回転させることができる。これにより、(関連する実施形態では、)プランジャ230に回転部材250のねじ山252を下方に移動させ、スクリュー部240を回転させて、スクリュー部240と出口管212との間に形成されたスクリューポンプを介して、ペレットを排出させる。
【0117】
デバイス100は、制御システムを含むことができ(例えば、アクチュエータまたは制御ユニットの一部として)、その制御システムは、例えば、入力デバイスまたは機構から動作信号を受信した後に、チャンバ220内に収容されたペレットの投与量を排出するように構成することができる。動作信号は、例えば、ユーザが制御ユニット上に位置した適切なボタンまたは他の入力機構を押すことによって、または無線もしくは有線の外部制御などの別の制御を介して、任意選択的に開始することができる。
【0118】
電気機械式動作メカニズムを使用することによって、デバイス100は、正確なペレット量を繰り返して排出することが可能であり得る。モータおよび制御システムは、一体型バッテリ(ユーザが交換可能であり得る)によって給電され得、そのバッテリは、アクチュエータのハウジング内に保持され得る。
【0119】
アクチュエータは、1つ以上のモータを備えることができる。アクチュエータ(例えば、アクチュエータのモータ)は、所定の投与量、または投与量の一部分に対応する量だけ回転部材250を回転させるように構成することができる。例えば、アクチュエータは、例えば、特定の期間、例えば、0.5秒間動作させることによって、パルスで回転部材250を回転させるように構成することができる。投与量が、複数のパルスから構成することができ、その結果、様々な投与量が、モータのパルス数に応じて排出することができる。例えば、0.3mLの投与量は、モータ回転の約3秒に相当し得、したがって、アクチュエータは、モータに6回パルス出力し、それは、0.5秒毎の6パルスである。
【0120】
モータは、ステッピングモータであってもよく、これは、例えば、カートリッジ200内の医薬品のタイプ、またはユーザに基づき、当面の状況に基づいて、任意の好適なステップ数だけ回転部材250を回転させるように構成することができる。制御システムは、例えば、PCB上のコンピュータ、プロセッサ、処理デバイス、またはマイクロコントローラの形態で提供され得、そのPCBは、デバイス100のハウジング内、またはアクチュエータもしくは制御ユニット内に位置することができる。
【0121】
カートリッジ200は、剛性材料、例えば、ポリカーボネートまたはポリアミドで作製することができるが、任意の好適な材料を使用することができる。カートリッジ200の各部分、例えば、回転部材250および/またはプランジャ230と接触しているところは、それらの両者間の相対的な移動を助けるために、摩擦が低減された表面(例えば、カートリッジの他の部分に対して低減された)を有することができる。カートリッジ200(すなわち、チャンバ220を形成する)の内径は、約5mm~約200mm、任意選択的には、約10mm~約20mmであってもよい。カートリッジ200の長さ(その最長寸法に対応する)は、約90mm~約120mm、幅(その長さに対して横方向の)は、約33mm~約43mm、また高さ(その幅に対して横方向の)は、約15mm~約25mmであってもよい。
【0122】
出口管212は、回転部材250、具体的にはその回転部材のねじ部240の直径と実質的に等しい内径を有することができる。この内径は、10mm未満、例えば、約6mm未満であってもよい。デバイス100の長手方向軸Aに沿った出口管212の長さは、約20mm未満(約15mmまたは約10mmなど)であってもよい。
【0123】
チャンバ220の容積(すなわち、動作容積または最大容積に先立って)は、約50mL未満、例えば、20mL未満、またはほぼ11mLに等しいとすることができる。
【0124】
プランジャ230は、回転部材250と容器200の壁との間の間隙を充填するように構成することができ、その結果、チャンバ220内に収容されたペレットは、ペレットが使用時に回転部材250の下方に移動するときに、プランジャ230を通り越して移動することができない。
【0125】
様々な実施形態では、プランジャ230のサイズ(および、例えば、外周)は、小さな間隙がプランジャ230とカートリッジ200の壁との間に存在するようなサイズであり得、プランジャ230とカートリッジ200との間の実質的な摩擦を回避することができる。これは、ペレットが間隙を通って、プランジャ230とカートリッジ200の壁との間を通過し得ることを意味し得る。これを回避するために、間隙のサイズ(例えば、幅)は、そのサイズがペレットのサイズ(例えば、平均的なサイズまたは直径)未満であるように構成することができる。さらに、または別の方法として、プランジャ230が使用中に移動するときに、変形可能であり、かつ/またはプランジャ230よりも小さい摩擦を有する材料が、カートリッジ200の壁に接触するように構成されているプランジャ230に隣接して提供され得る。
【0126】
カートリッジ200は、デバイス100の第2の端部104において、テーパ部分を備えることができ、そのテーパ部分は、チャンバ220内に収容されたペレットをスクリュー部240のねじ山242に誘導または方向付けするように構成することができる。言い替えると、表面210は、テーパまたは角度を付けることができ、その結果、その表面は、長手方向軸Aに対して垂直ではなく、その長手方向軸Aに対してある角度、例えば、約30°超、約60°超、またはそれを上回る角度で配向される。他の実施形態では、表面210は、長手方向軸Aに対して垂直であり得る。テーパ部分は、円錐台形またはトランペット形とすることができる。
【0127】
カートリッジ200は、軸方向の位置206(
図2A)においてテーパ部分204に接続する1つ以上の側面部分202を備えることができ、テーパ部分204は、その位置から出口管212に向かって延在する。したがって、カートリッジ200がその法線配向にある場合、ペレットに、テーパ部分204の下方に(現在、角度が付いている表面210に沿って)、そしてスクリュー部分240のねじ山242の中に移動することになる。
【0128】
上で説明したように、図示してはいないが、プランジャ230の下面232は、整合する幾何形状を有することができ、その結果、その下面が回転部材250に沿って下面の進行の終わりに到達したときに、プランジャ230の下面232は、実質的にその領域全体にわたってテーパ表面に接触する。これにより、可能な限り多くのペレットを排出することに役立つことになり、無駄を最小化する。ねじ山252は、最終的に、ねじ山242に交代するため、プランジャ230上のねじ山をその下面から離して提供する必要があり得、その結果、下面232を含むプランジャ230の一部が、プランジャ230(もしあれば)のねじ山の下方に延在して、プランジャ230がその最低点(すなわち、ねじ山252の端部における)にあるときに、表面232がカートリッジの反対側表面210に接触し、当接し、または少なくともその近くに移動するのを可能にする。
【0129】
ねじ部240の外面241は、低摩擦材料、例えば、任意選択的に摩擦低減添加剤を含有するナイロン、ポリエチレン(「PE」)、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)で作製されてもよい。カートリッジ200と、ねじ部240、プランジャ230、またはデバイス100の他の移動パーツに当接、対向、もしくは接触するカートリッジの各部分もまた、低摩擦材料、例えば、任意選択的に摩擦低減添加剤を含有するナイロン、ポリエチレン(「PE」)、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)で作製されてもよい。
【0130】
図1~2Aの実施形態では、スクリュー部240は、ねじ山242の高さが少なくとも1回の完全回転で出口管212の上方に(チャンバ220に向かって)延在するように構成されている。ねじ山が反対側表面210と出口管212との遷移点または合流点に、またはその近くに位置している場合、ある程度の剪断が生じ得ることが見出された。これは、
図3の点P1に示されており、その点は、表面210と出口管212との間の遷移点または合流点を形成し得る外周部211を取り囲む領域に対応する。
【0131】
本発明によれば、スクリューポンプは、表面210および出口管212の遷移点または合流点から変位しており、その結果、この場所におけるペレットの任意の剪断が回避され得る。様々な実施形態では、スクリューポンプ(例えば、スクリュー部240)は、スクリューポンプの出口243に向かって変位している。最適化された実施形態では、カートリッジ200は、上述したように、テーパ部分207、ならびに表面210(テーパ表面であり得る)と出口管212の遷移点または合流点の変位を含むことができる。これは、デバイス100のこの部分を介したペレットの輸送のさらなる最適化を提供し、その理由は、ペレットが、テーパ部分207を使用して、チャンバ220から出口管212の入口領域に、その後に続いて(同時にではなく)、スクリューポンプに効率的に供給され得るからである。
【0132】
図4は、第2の排出端部104(例えば、上述したようなデバイス100の)を示す実施形態を例示しており、この排出端部は、上述したように、ペレットの輸送を最適化するために、チャンバ220から、スクリュー部240によって形成されたスクリューポンプへの輸送を容易にすることができるテーパ部分207を備える。
【0133】
この実施形態では、カートリッジ200の側面部分202は、カートリッジ200の側面部分202と、テーパ部分207との間の第1の接合部206まで、実質的に直線状(または円筒形)のプロファイルに従い、その地点において、テーパ部分207によって形成されたカートリッジ200の壁は、表面210を有する漏斗を形成する。漏斗および/または表面210は、漏斗の入口301から出口管212の入口311(これはまた、漏斗の出口にも対応する)まで、チャンバ220内に収容されたペレットを誘導するように構成されている。
【0134】
図4からわかるように、スクリューポンプは、表面210と出口管212(例えば、その入口、縁端部または外周部311)の合流点から距離D(回転部材250の軸Aに沿った方向に測定される)だけ変位している。言い替えると、スクリューポンプの入口は、合流点から、出口管212の出口に向かって変位している。これにより、テーパ部分207と出口管212との間の境界面でペレットの剪断を低減することが見出されており、それにより、ペレットを粉砕ないし損傷する可能性を下げ、スクリューポンプの充填の改善を与える。さらに、このようにしてスクリューポンプを変位させることにより、回転部材250のトルク要件を低減することができることが見出された。理論によって拘束されるつもりはないが、これは、スクリューポンプと外周部311との間の相互作用の除去、ならびにスクリューポンプの、カートリッジ200の壁との接触面積がより小さいことに起因する可能性がある。
【0135】
テーパ部分207は、軸方向に距離dだけ延在し得、この場合、スクリューポンプの変位距離Dは、テーパ部分207の軸方向の距離dの少なくとも50%であり得る。さらなる改良において、スクリューポンプの変位距離Dは、テーパ部分207の軸方向の距離dの少なくとも60%、70%、80%、または90%であり得る。1つの特定の構成では、スクリューポンプの変位距離Dは、テーパ部分207の軸方向の距離dの約50%~約90%、例えば、約60%~約80%であり得る。
【0136】
カートリッジ200はまた、カートリッジの内壁(例えば、チャンバ220、テーパ部分207、および出口管212を形成する)が第1の直径D1から第2の直径D2までテーパになるように、テーパにすることができ、内壁は、第1の遷移206(例えば、テーパ部分207の上方)の上方の、カートリッジ200の一部における第1の直径D1を有する。内壁は、テーパ部分207を通って延在するにつれて、第1の直径D1から第2の直径D2までテーパになり得、その結果、内壁は、出口管212に到達すると、第2の直径D2を有する。
【0137】
様々な実施形態では、スクリューシャフト250はまた、第1の直径d1から第2の直径d2までテーパになり得、この場合、スクリューシャフト250は、第1の遷移206(例えば、テーパ部分207の上方)の上方のカートリッジ200の一部に第1の直径d1を有する。スクリューシャフト250は、カートリッジ200のテーパ部分207を通って延在するにつれて、第1の直径d1から第2の直径d2までテーパになり得、その結果、スクリューシャフト250は、出口管212に到達すると、第2の直径d2を有する。これにより、デバイスのこの部分を通るペレットの輸送がさらに最適化および支援される。
【0138】
図4の実施形態はまた、カートリッジ200の出口管212(および、例えば、スクリューポンプの出口243)を覆って位置した取捨選択可能なバルブも含む。このバルブは、ペレットが意図せずにスクリューポンプから落下するのを防止するように構成することができる(例えば、回転部材250が静止しているときに)。
【0139】
例示された実施形態では、これは、プラグ500の形態で提供される。プラグ500は、チャンバ220から離れて対面する、出口管212の端部と接触するように構成することができる。様々な実施形態では、プラグ500は、回転部材250の第2の排出端部104(すなわち、ねじ部分240を備える)に形成された空洞254中に挿入するように構成されている。プラグ500は、ベース部分502、およびベース部分502の中央から回転部材250の空洞254内に延在する細長い部分504を備える。ベース部分502は、例えば、使用前または使用中に、出口管212(および、例えば、スクリューポンプの出口243)に対して載置し(例えば、封止材を設け)、例えば、カートリッジ200内のペレットを封止(例えば、気密封止)するように構成することができる。
【0140】
バルブは、プラグ500によって具現化されるような「傘形バルブ」であり得る。すなわち、プラグ500の少なくともベース部分502は、弾力性があり、例えば、ゴム膜であり、ベース部分502の外周部506は、ペレットが使用中にスクリューポンプから外に押し出されるときに屈曲して開放し、次いで、スクリューポンプが回転していないときに跳ね返るように構成されており、その結果、外に落下するペレットを停止し、さらにカートリッジ200を任意選択的に封止する。プラグ500の細長い部分504は、回転部材250の空洞254内のその位置から実質的に移動しなくてもよい。
【0141】
図5は、第2の排出端部104(例えば、上述したようなデバイス100の)を示す別の実施形態を示す。
図4の実施形態は、別個のテーパ部分207および出口管212を備えるのに対して、
図5の実施形態は、出口管212は、上述のように、ペレットの輸送を最適化するために、チャンバ220から、スクリュー部240によって形成されたスクリューポンプまでのペレットの輸送を容易にするためのテーパ形のトランペット形部分207を備える。
図5ではトランペット形として示されているが、テーパ部分は、円錐台形であってもよい。
【0142】
この実施形態では、カートリッジ200の側面部分202は、カートリッジ200の側面部分202と、出口管212のテーパ部分207との間の接合部206まで、実質的に直線状(または円筒形)のプロファイルに従い、その地点において、カートリッジ200の壁は、表面210を有する漏斗を形成する。表面210は、出口管212の入口311から、スクリューポンプの一部を通って、最終的にその出口243から排出されるように、チャンバ220内に収容されたペレットを誘導するように構成されている。
【0143】
出口管212のテーパ部分207は、軸方向(すなわち、軸Aに対応する)に距離dだけ延在し、その距離は、出口管212の長さLのおおよそ50%であり得る。様々な実施形態では、距離dは、出口管212の長さLの少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%であり得る。距離Dは、出口管212の長さLの100%でさえあり得、その結果、出口管212全体が、テーパ形またはトランペット形である。
【0144】
この実施形態のスクリューポンプは、出口管212のテーパ部分207の内側に少なくとも部分的に位置している。例えば、スクリューポンプの開始点は、出口管212の入口311から距離Iだけ変位され得、その距離Iは、テーパ部分207の軸方向範囲(すなわち、距離d)の50%、40%、30%、またはさらには10%未満であり得る。様々な代替の実施形態では、スクリューポンプは、出口管212の入口311から、必ずしもすべて変位されていなくてもよい。
【0145】
スクリューポンプは、出口管212のテーパ部分207と共にテーパとなるねじ山242を備え、その結果、スクリューポンプは、その開始点(例えば、出口管212の入口311に隣接する)における第1の直径D1’から、出口管212の出口(およびスクリューポンプの出口243)に隣接する第2の直径D2までテーパとなり、第1の直径D1’は、第2の直径D2よりも大きい。
【0146】
スクリューポンプの第1の直径D1’は、回転部材250の直径d1よりも大きい場合があり、その結果、スクリューポンプのねじ山242は、回転部材250の直径d1から外側へ延在する。したがって、ペレットは、スクリューポンプに入る前に、実質的に半径方向の内向きに移動される必要なしに、ねじ山242の上部に載置することになる。これにより、ペレットの、スクリューポンプへの輸送がさらに最適化される。
【0147】
様々な実施形態では、スクリューポンプのねじ山242は、出口管212の内面と同一平面(または実質的に同一平面)のままであり、その内面は、そのテーパ部分の表面210を含む。したがって、チャンバ220内に収容されたペレットは、例えば、
図3(点P1を参照)に示すように、通りにくい境界面には出会わない。これにより、ペレットのための、スクリューポンプへのより大きく、かつより容易な入口が作成され、ペレットの目詰まり、またはペレットの粉砕のリスクが軽減される。
【0148】
図4の実施形態と同様に、バルブ(例えば、傘形バルブ500)は、図に示すように含まれ得る(ただし、これは、取捨選択可能である)。このバルブの特徴は、
図4を参照して上述したものと同じであり得る。
【0149】
デバイス100の第2の排出端部104に対するいくつかのさらなる改良が、以降に説明される。これらは、
図5の実施形態に関連して示されることになるが、説明される特徴が、スクリューポンプを組み込む任意のデバイスに適用可能であることが理解されるであろう。
【0150】
図6Aおよび6Bは、回転部材250が、ペレットをスクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)に集約および方向付けするように構成された1つ以上のフィン290を備える、一実施形態を示す。
図6Aおよび6Bには、1つのフィン290のみが示されているが、例えば、複数のスクリュー開始点がスクリューポンプ内に設けられているかどうかに基づいて、より多く(例えば、2、3、またはさらには4個)のフィンが設けられ得ることが理解されるであろう。例えば、スクリューポンプは、本明細書の他所で説明されるように、複数のスクリュー開始点を備えることができ、複数のフィン290の各々は、スクリュー開始点のうちの1つに整列され、関連付けることができる。1つ以上のフィン290は、各々、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)のそれぞれのスクリューの開始点に誘導するように構成することができる。複数のフィン290が設けられている場合、それらは、回転部材250の周縁部の周りに実質的に等間隔に位置することができる。
【0151】
図6Aおよび6Bに示すように、1つ以上のフィン290は、角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、フィン290は、ねじ山242(例えば、ねじ山のスクリュー開始点)から延在し得、それぞれのねじ山よりも急勾配の角度を有し得る(例えば、ねじ山242のねじ角度よりも大きい/急勾配である)。軸Aに対する(例えば、軸Aから角度をなす)フィン290の角度(例えば、その長手方向軸に沿って取得される)は、約10度(例えば、フィン290の一方の端部において)から約80度(例えば、フィン290の他方の端部において)まで変化し得る。
【0152】
様々な実施形態では、各フィン290の幅は、例えば、そのフィンがスクリューポンプに出会う箇所での第1の比較的大きい幅から、フィンの反対側の端部での第2の比較的小さい幅(軸Aに対して)までテーパとなり得る。第1の幅は、ねじ山242の幅に対応し得、一方、第2の幅は、ゼロであり得る。
【0153】
フィン290は、スクリューシャフト250に巻き付くことができ、様々な実施形態では、スクリューシャフト250の周りに約10度~約180度の間で延在し得る。
【0154】
フィン290は、ねじ山242の開始点に位置決めされ得、チャンバ220内部からスクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)中にペレットを誘導するようにカーブを付けることができる。フィン290はまた、チャンバ220内で塊になっているペレットを砕くのを助けることもでき、その結果、それらのペレットは、ねじ山242を通ってより容易に移動する。フィン290の使用により、例えば、スクリューポンプのねじ山242内の空隙を除去するのを助けることによって、スクリューポンプを通るペレットの改善された圧縮および/または輸送を確実にするのにも役立ち得る。これは、精度の向上に役立ち得る。
【0155】
様々な実施形態では、1つ以上のフィン290は、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)と、プランジャ230がそれに沿って移動する回転部材250のねじ山252との間に位置することができる。
【0156】
この1つ以上のフィン290は、回転部材250の本体から半径方向の外側に(例えば、軸Aに対して)延在し得、かつ少なくともねじ山242の半径方向の範囲まで延在し得る。いくつかの実施形態では、フィン290は、ねじ山242よりも半径方向にさらに延在して、ペレットをねじ山242の中にすくい取ることをさらに容易にすることができる。
【0157】
1つ以上のフィン290は、このフィンが出口管212に別個の要素を形成すること(例えば、
図4に示すように)、または出口管212それ自体の一部を形成すること(例えば、
図5に示すように)にかかわらず、(例えば、上述したように)カートリッジ200のテーパ部分207内に位置することができる。フィン290は、テーパ部分207の入口301、311において、またはそれらに隣接して、位置することができる。様々な実施形態では、フィン290は、カートリッジ200のテーパ部分207の上方に位置することができ、テーパ部分207内に延在することができる。
【0158】
フィン290は、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)のピッチにほぼ等しい、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)の上方の距離だけ延在することができる。このピッチは、最大ピッチであり得る(ピッチが変化する場合)。例えば、フィン290は、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)の約0.5~約1.5倍である、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)の上方の距離だけ延在することができる。様々な実施形態では、フィン290は、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)の上方に約1mm~約10mmの距離だけ延在することができる。
【0159】
図7Aおよび7Bは、回転部材250と共に回転するように構成され、かつペレットの動き、例えば、ペレットの撹拌、およびペレットの塊の破壊を支援することを企図された1つ以上のバッフル390の形態におけるさらなる改良を示し、このため、それらの改良は、スクリューポンプを通って輸送されるための最適化された状態にある。
【0160】
図7Aおよび7Bには、1つのバッフル390のみが示されているが、より多くの(例えば、2つ、3つ、またはさらには4つ)のバッフルが設けられ得ることが理解されるであろう。複数のバッフル390が設けられている場合、それらは、回転部材250の周縁部の周りに実質的に等間隔に位置することができる。別の方法として、またはさらに、バッフル390は、回転部材250の軸Aに沿って、同じまたは異なる軸方向の位置に位置することができる。
【0161】
バッフル390は、スクリューシャフト250から(例えば、軸Aを横切って)約0.5mm~約3mmの距離を延在することができる。バッフルの幅および/または長さおよび/または厚さのうちのいずれかまたはすべては、約0.5mm~約3mmであってもよい。
【0162】
図7Aおよび7Bは、スクリューシャフト250のねじ山252から延在するバッフル390を示しているが、これは、当てはまらない場合があり、バッフル390は、ねじ山252の外側、例えば、ねじ山252とスクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)との間、および/またはねじ山252とフィン290(例えば、軸Aに沿ったその上部範囲)との間に位置決めされてもよい。
【0163】
1つ以上のバッフル390は、フィン290に追加して設けられてもよいが、様々な実施形態では、バッフル390は、フィン290なしで設けることができる。
【0164】
1つ以上のバッフル390は、上述したフィン290と同様であってもよいが、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山)から軸方向に変位されてもよい。プランジャ230を移動させるための回転部材250上にねじ山252を必要とする実施形態では、バッフル390は、スクリューポンプのねじ山252における回転部材250の上に位置することができる。
【0165】
バッフル390は、回転部材250の本体から、半径方向(例えば、軸Aに対して垂直)の外側に延在することができ、ねじ山242の少なくとも半径方向の範囲まで延在することができる。いくつかの実施形態では、バッフル390は、ねじ山242よりも半径方向にさらに延在することができ、その結果、使用中にペレットがバッフル390を超えて移動するときに、ペレットを解体することを容易にすることができる。
【0166】
図7Aおよび7Bに示すように、1つ以上のバッフル390は、わずかに角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、バッフル390は、ねじ山よりも急勾配の角度(例えば、ねじ山242のねじ角度よりも大きい/急勾配である)を有することができるが、1つ以上のフィン290(提供される場合)よりも浅い角度を有することができる。バッフル390は、このバッフルが出口管212に別個の要素を形成すること(例えば、
図4に示すように)、または出口管212それ自体の一部を形成すること(例えば、
図5に示すように)にかかわらず、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)から距離X、および/または入口301、311からカートリッジ200のテーパ部分207までの距離Yに位置決めすることができる。
【0167】
1つ以上のバッフル390は、フィン290と同様の機能を有する。スクリューポンプから軸方向に変位するバッフル390を位置決めすることにより、(理論によって拘束されるつもりはないが)バッフル390がスクリューポンプより先んじてペレットを撹拌することになるという点で、追加の機能および能力が提供され、その結果、上述したように、1つ以上のフィン290(設けられている場合)のさらなる助けとなるため、ペレットは、スクリューポンプ中をより容易に通過することができることが見出された。
【0168】
長さXは、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)のピッチの少なくとも1、2、またはさらには3倍であり得る。このピッチは、最大ピッチであり得る(このピッチが変化する場合)。例えば、ねじ山242が約4mmのピッチ(例えば、最大ピッチ)を有する場合、Xは、約4mm、8mm、または12mmであり得る。様々な実施形態では、Xは、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)のピッチ(例えば、最大ピッチ)の約3倍であり得る。様々な実施形態では、長さXは、約6mm~約20mmの範囲内であり得る。
【0169】
バッフル390は、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)の上方約5mmに位置決めすることができ、様々な実施形態では、スクリューポンプ(例えば、そのねじ山242)の周りに約1mm~約15mmの距離に位置決めすることができる。
【0170】
一般に、スクリュー部240の長さは、ねじ山242の長さによって画定され得、その長さは、約10mm~約30mm、例えば、約10mm~20mmであり得る。
【0171】
出口管212は、約5mm~約20mm(任意選択的には、約10mm~約15mm)の長さを有し得、この場合、カートリッジ200の長手方向軸Aに沿った方向のねじ山242の長さは、同じ方向の出口管212の長さの少なくとも0.5倍、例えば、出口管212の長さの約0.5~約2倍、または出口管212の長さの約0.5~約1倍であり得る。
【0172】
ピッチは、特にペレットのランスルー(回転部材が回転していない場合であっても、ペレットがスクリュー部を通って流れること)に関して、排出される投与量の精度に大きな影響を及ぼすことが見出された。これにより、特定の状況において、デバイスがペレットを「漏出」させる可能性がある。高ピッチにより、ペレットが排出動作以外にねじ部を通って進行するリスクが増大するように思われる。したがって、低ピッチ(例えば、以下に説明されているように、ペレットの直径の約15~30倍未満)により、例えば、ペレットの出力速度を制御することはより容易であるという理由から、排出されるペレットの投与量の精度を高めることが見出されることがわかった。小ピッチは、回転部材を駆動するための負荷およびトルク要件を増大させ得、これは、トレードオフの関係にあり、このピッチ範囲が重要と考えられるようになった。
【0173】
したがって、ねじ山242は、(上述したように)ペレットの直径よりも少なくとも15~30倍下回るピッチを有し得る。様々な実施形態では、ピッチは、約1mm~約20mm、および任意選択的には、約4mm~約8mmであり得る。以下に説明されるように、ピッチが変化する場合、これは、最大ピッチに対応し得る。
【0174】
図8は、ねじ山242の輪郭、およびそのねじ山に関連付けられ得る様々な寸法を概略的に示す。「D」は、ねじの外形を表し、「CD」は、供給チャネルの深さを表し、「CW」は、供給チャネルの幅を表し、「P」は、ねじ山242のピッチを表し、そのピッチは、隣接するねじ間の距離として定義することができる。
図8の特徴は、カートリッジから排出するために、チャンバからペレットを輸送するためのねじ山を含む、本明細書に記載されている態様および実施形態のいずれかに適用することができる。寸法に与えられた値は、ねじ山242および/またはスクリュー部240の長さ全体の寸法を表し得る。
【0175】
以下の表は、
図8および本明細書に示され、かつ上述された寸法を参照して、ねじ山のいくつかの例示的な寸法を提供する(mm単位で)。表中の実施形態において、ペレット直径は、約200~300μmであったが、より大きな直径、例えば、約900μmまでの直径を有するペレットの場合に、同じ寸法を使用することができた。ペレットの典型的な寸法(例えば、幅または直径)は、約150μm~約1200μm(またはさらには、1500μm)、任意選択的に、約200μm~約300μm、約300μm~約500μm、約300μm~約700μm、約500μm~約700μm、約700μm~約900μm、または約800μm~約1100μmであってもよい。値は、ペレットの直径の倍数で提供される場合があり、これらの値は、一般的な値と見なされ、ペレットのいかなる特定のサイズ(またはサイズの範囲)に限定されるべきではない。
【表1】
【0176】
ねじ開始点数は、ペレットが排出される速度に影響を及ぼすことが見出されており、ねじ開始点が多いほど、回転当たりの出力は当然ながらより高くなる。この時点までに、排出されるペレットの精度を最大化するには、比較的低い出力比を有することが有益であり、1つまたは2つのいずれかのねじ開始点を使用することが、言ってみれば、3つ以上の開始点を使用すること以上の有益性があることが判明した。
【0177】
チャネル深さ/幅とペレットサイズとの間の関係を見ると、これは、ねじとねじ山の表面との間に倍数のペレットにするための余地が存在するように選択することができる。重要であり得ることは、ペレットは、互いに悪影響を及ぼさずに、例えば、排出動作中の流れの中に詰まりまたは閉塞を引き起こすことなく、自由に流れることができることである。したがって、いくつかの実施形態では、寸法は、チャネル内で少なくとも2~3個のペレットが互いに通過するのに十分な余地があるように選択される。流れの中に詰まりまたは閉塞を引き起こさない排出の連続性を有することは、各投与量の間での高い精度および再現性を達成する上で重要であり得る。したがって、様々な実施形態では、チャネル深さおよび/または幅は、ペレットの直径の少なくとも2倍、3倍、または4倍であり得る。
【0178】
例えば、ペレット直径が約200~300μmである場合、チャネル深さ(「CD」)および/またはチャネル幅(「CW」)は、約1~2mmであり得る。ペレット直径が700μm~約900μmである場合、チャネル深さおよび/またはチャネル幅は、約1.4mm~約3.6mmであり得、ペレット直径が約800μm~約1100μmの場合、チャネル深さおよび/またはチャネル幅は、約1.6mm~約4.4mmであり得る。
【0179】
ピッチ(「P」)は、上述したように、デバイスの精度(すなわち、排出精度)に大きな影響を及ぼすことが見出されている。高ピッチは、デバイスがアイドル状態にあるときは、ペレットがねじ部を通って進行するリスクが高まるように思われるが、ピッチの減少により回転部材を回転させるのに必要なトルクが増加するため、トレードオフが存在する。様々な実施形態では、ピッチは、ペレットの直径の約15~30倍未満、場合によっては、ペレットの直径の約10倍未満に制限され得る。例えば、ペレット直径が約200~300μmである場合、ピッチは、約6mmであり得、また場合によっては、約3、4、または5mm未満であり得る。
【0180】
ピッチは、可変とすることができ、例えば、ねじ山のピッチは、スクリューポンプの軸方向の長さに沿って可変とすることができる。この可変ピッチは、例えば、テーパ部分を含む上述した実施形態、または本明細書に記載されている実施形態のいずれか(例えば、テーパ部分が設けられていない場合であっても)に適用することができる。この特徴は、それ自体が有利であるものと見なされ、したがって、本発明の態様から、上記(または以下)に説明されているように、カートリッジ、スクリューポンプ、および回転部材が提供され、この場合、スクリューポンプは、可変ピッチを有する1つ以上のねじ山を備える。
【0181】
図9は、可変ピッチを有するねじ山242の実施形態を示し、可変ピッチを有するねじ山242を例示しており、この場合、ピッチは、出口243から離れて軸方向に漸進的に(例えば、連続的に)増加する。これは、ペレットがスクリューポンプを通って押し付けられる方法を改良することが見出され、その理由は、ペレットが、スクリューポンプそれ自体によってさらにパック/圧縮され得るからである。例えば、スクリューポンプの入口により近いねじ山242の第1のピッチAは、比較的大きくまたは最大値にあり得、スクリューポンプの出口243により近いねじ山242の第2のピッチBは、比較的小さくまたは最小値にあり得る。第1のピッチAは、第2のピッチBの約1.2~2倍であり得、任意選択的に、第1のピッチAは、第2のピッチBの約1.4~1.6倍であり得る。
【0182】
図10に示すように、顆粒に加えられる力は、回転力(F
r)および軸力(F
a)の組み合わせとして理解することができる。上記で考察された理由から、可変ピッチが望ましいとすることができる。ただし、必ずしも必須である必要はないが、スクリューポンプの軸方向の長さにわたってピッチの変化を制限することは、有益であり得る。例えば、第2のピッチBの3倍を超える第1のピッチAを有することは、スクリューポンプへのペレットの流れを減少させ得、その理由は、回転力F
rが軸力F
aを超えて優位に立ち始めるからである。ピッチがあまりに大きいと、顆粒が制御されずにスクリューを通って流れるというリスクが高まる可能性もある。これは、投与量の均一性、ならびにスクリューポンプを通るペレットの供給およびランスルーに悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、様々な実施形態では、ピッチの変化は、制限され得、その結果、ピッチは、スクリューポンプの軸方向の長さに沿って、初期値(例えば、最大値または最小値)の約3倍を上回るまで変化(例えば、増加または減少)しない。例えば、第1のピッチAは、第2のピッチBの3倍を上回ることができない。
【0183】
図8に戻って参照すると、「フライト幅」(「FW」)とは、ねじ山の厚さであり、ピッチおよびチャネル幅を選択した結果である。より具体的には、フライト幅は、ピッチからチャネル幅を差し引いたものに等しい。フライト幅は、ねじが詰まるのを防止する際の重要な因子であることが見出されている。フライト幅をより小さくすると、ねじの外面とねじ山の表面との間の接触面積は減少し、これは、小さいペレット、および/または破砕されたペレットからのダスト、詰まり、ならびにねじの付着のリスクを低減する。
【0184】
したがって、様々な実施形態では、フライト幅は、ペレットの直径の約3、5、または10倍未満に制限され得る。特に、ペレット直径が約200~300μmの場合、フライト幅は、約1、2、または3mm未満であり得る。ペレットが約900μmまで、または約700μm~約900μm、または約800μm~約1100μmの場合、フライト幅は、約1、2、または3mm未満、例えば、約1mmに制限され得る。
【0185】
フライト幅が小さい(例えば、約1mm未満)と、より安定した投与量を提供することに起因して、ペレットが最大約900μmの場合でも有益であることが見出されている。より小さいペレット(すなわち、約200~300μm)の場合、ダストは、そのペレットがねじ部240を通って移動するときに作り出され得、そのダストは、ねじ部240の外側と出口管212との間で詰まり得ることが見出されている。フライト幅を約1、2、または3mm未満、特に約1mm未満に制限することは、上述したように、より大きいペレットの場合にはより安定した投与量の効果があることに加えて、これらのより小さいペレットの場合には、この影響を最小限に抑えることが見出されている。
【0186】
様々な実施形態では、回転部材250(例えば、ねじ部240において)は、外径6mm、および2つのねじ開始点を有することになり、それぞれの高さまたはチャネル幅は、約2mmであり、チャネル深さは、約1mmであり、またピッチは、約6mmである。これらの実施形態におけるペレット直径は、200~900μm、例えば、約200~300μmであり得る。
【0187】
ねじ山のパラメータの各々は、質量出力率、および必要とされる駆動トルクに影響を与える。ピッチは、設定された値であってもよく、スクリューの直径が増えるに従って変化しなくてもよいが、ペレットに対するねじの有効角度は、変化する。ピッチが同じ値のままで、かつ直径が増加する場合、ペレットねじ山は、減らした角度においてペレットとぶつかる。これは、排出速度および必要とされるトルクに影響を及ぼし得る。上述したように、ピッチは、スクリューポンプの軸方向の長さに沿って変化し得る。
【0188】
ねじパラメータは、排出されるペレットのサイズに基づいて調整または構成することができる。ねじ山242は、最大ペレット直径の少なくとも1~3倍であり得る。
【0189】
ねじ山242の深さは、約1mm~約3mmであり得る。別の方法として、ねじ山242の深さは、ペレットの直径に合わせることができ、その結果、ねじ山242の深さが少なくともペレットの直径である。同様に、ねじ山242の高さは、約1mm~約10mmの範囲であり得、例えば約1mm~約4mmの範囲であり得る。ねじ山242は、少なくとも2個のねじ開始点を備えることができる。
【0190】
回転部材250のスクリュー部240は、少なくとも1つ、2つ、3つ、またはそれを超えるスクリュー開始点がスクリューポンプ中に組み込まれるのを可能にする直径を備えることができる。各ねじ山242のピッチは、それに応じて、増加され得、かつ/または各ねじ山内で変化し得る。
【0191】
回転部材250は、高剛性および/または剛性材料、例えば、ポリカーボネートまたはポリアミドを備えてもよい。回転部材250の直径は、約3mm~約10mm、例えば約3mm~約6mmまで変化し得る。回転部材250の直径は、例えば、回転部材の全長に沿って(長手方向軸Aに沿って)、ねじ部240の外面241の直径に等しくてもよい。
【0192】
プランジャ230と協働するねじ山252は、カートリッジ200内の回転部材250の長さの少なくとも約80%、約90%、またはそれ以上に沿って進行することができる。ねじ山252のピッチは、プランジャ230がカートリッジ内に貯蔵されたペレットに安定して圧力を加えるように選択することができる。
【0193】
アクチュエータ300は、電気機械モータが提供されている場合、回転部材250を、約0rpm~約1000rpm、任意選択的に約50rpm~約500rpm、任意選択的に約90rpm~約150rpmの速度で回転させるように構成することができる。
【0194】
デバイス100は、デバイス100の第2の端部104において、カートリッジ200の端部を覆うように適合するキャップ(例えば、以下に説明される)を備えることができる。このキャップは、カートリッジ200の外面との締まり嵌めを備えることができる。ペレットが意図せずに出口管212(またはカートリッジ200)から外へ落下するのを防止するための手段を提供することができる。キャップは、カートリッジ200上に位置する協働溝と整列するように構成されているマーカーを備えることができ、その結果、マーカーは、キャップをねじる前に溝の第1の端部と整列し、ねじる間に溝に沿って移動し、次いで、必要とされるまたは所定の投与量が排出されたときに、溝の端部に到達する。
【0195】
様々な実施形態では、アクチュエータ300は、排出の完了後、逆方向に回転部材250を回転させるように構成することができる。これは、ペレットをチャンバ220に引き戻す際に有用であり得、これにより、ペレット損失(これは、部分的にペレットのランスルーに起因し得る)を低減することができる。回転方向におけるそのような変化はまた、プラグを移動させ、出口管212と接触および非接触させて、カートリッジ200を封止することも有用であり得る。これを使用して、封止材(例えば、本明細書の他所で説明されているような気密封止材)を提供し、またペレットロスを回避することもできる。様々な実施形態では、回転の変化を使用して、カートリッジ200の寿命の終わりに駆動メカニズムを破壊して、例えば、ユーザまたは第三者によって、カートリッジ200の再充填および再利用を防止することもできる。様々な実施形態は、回転部材の回転がペレットの駆動に必要となる方向から逆転するときに、回転部材250の回転を恒久的にロックするラッチを含むことができる。
【0196】
以降に、本発明の様々な実施形態が説明されることになるが、以下に説明される特徴は、それらの特徴が実施形態に適合可能である範囲で、上述した実施形態のいずれかと組み合わせることができる。同様の特徴は、同様の参照数字を用いて示される。
【0197】
以下に関連付けられた図では、スクリューポンプのねじ山は、上述したようには図示されていない場合があり、例えば、テーパ部分、またはテーパ部分と共にテーパになっている、もしくは可変ピッチを有するテーパから変位されている場合がある。しかしながら、説明される特徴は、上述した態様および実施形態とは、依然として組み合わせ可能であり得る。言い替えると、以下に説明される実施形態は、スクリューポンプのねじ山が上述および本発明のねじ山に対応するように、適合することができる。例えば、テーパ部分から変位され、もしくはテーパ部分と共にテーパになり、または可変ピッチを有することである。同様に、各図は、テーパ部分を示していない場合があるが、それは、適宜提供され得ることを理解されたい。
【0198】
図11および
図12は、ハウジング400内に並んで位置決めされている2つのカートリッジ200を含む実施形態を示す。2つのカートリッジ200は、当接しており、共通のアクチュエータ300’によって動作することができる。アクチュエータ300’は、単一カートリッジアクチュエータ300に関して上述した方法と同様の方法で、各接続部分303’が、各カートリッジ200の各それぞれの回転部材250のそれぞれの接続部分280を駆動するように構成されている二連接続部分303’を備えることができる。
【0199】
図13、
図14A、および
図14Bは、カートリッジ200の出口管212を覆うように位置する第1のバルブを組み込んでいる実施形態を示す。
【0200】
第1のバルブ500は、締まり嵌めまたは摩擦嵌合タイプの方法で、出口管212の外面216と接触するように構成された第1の表面252を備える。第1のバルブ500は、第1の表面252から出口部分255までテーパをなすように、円錐台形である第2の表面251を備える漏斗部分をさらに備える。漏斗部分は、ねじ部240から、具体的にはそのねじ山242からペレットを受容するように構成されている。出口部分255は、円錐台形部分からペレットを受容するように構成され、これらのペレットがユーザに排出される出口257を備える。出口部分255および/または出口257は、
図13に示すように、細長くすることができ、出口257の幅(すなわち、
図14Bに示すように、そのより小さい幅)は、排出されるペレットのサイズに適合され得る。例えば、この幅は、ペレットの幅または直径の1.5倍未満であり得る。
【0201】
図15、
図16A、および
図16Bは、プラグ550の形態でカートリッジ200の出口管212を覆うように位置する第2のバルブ550を組み込んだ実施形態を示す。プラグ550は、チャンバ220から離れて対面する、出口管212の端部と接触するように構成することができる。様々な実施形態では、プラグ550は、回転部材250の第2の排出端部104(すなわち、ねじ部分240を備える)に形成された空洞254中に挿入するように構成されている。プラグ550は、ベース部分552、およびベース部分552の中央から回転部材250の空洞254内に延在する細長い部分554を備える。ベース部分552は、例えば、使用前または(いくつかの実施形態では)使用中に、出口管212に対して載置して(例えば、封止材を設けて)、カートリッジ200内のペレットを維持および、例えば、気密封止するように構成することができる。
【0202】
プラグ550は、「傘形バルブ」の形態であってもよい。すなわち、プラグ550の少なくともベース部分552は、弾力性を有し得、例えば、ゴムシートであり得、ベース部分552の外縁は、ペレットが使用時にスクリューポンプから押し出されるときに湾曲して開放するように構成され、次いで、スクリューポンプが回転していないときに跳ね返り、その結果、ペレットが外に落下するのを停止し、カートリッジ200を封止するのに役立つ。プラグ550の細長い部分554は、回転部材250の空洞254内のその位置から実質的に移動しなくてもよい。
【0203】
図16C~Eは、
図16Aおよび16Bに示した実施形態に適用することができる傘形バルブの概念の改良を示す。この実施形態では、デバイス100は、出口管212の周りに同心円状に位置し、出口管に対して軸方向に(すなわち、軸Aに沿って)スライドするように構成されているスライド部材560を備える。プラグ550のベース部分552は、(軸Aに対して)半径方向に延在し、出口管212の半径方向範囲を通過し、スライド部材560の移動ライン内に少なくとも部分的に入る。これは、
図16Cに示されている。
【0204】
図16Dに概略的に示すように、回転部材250(すなわち、ねじ部分240およびねじ山242を備える)が回転すると、ペレット10は、ねじ山242を通って下向きに押し出されることになり、少なくとも一部のペレット10’は、弾性プラグ550のベース部分552と、出口管212の端部か、またはスライド部材560の端部との間に捕捉されるようになる。
【0205】
デバイス100からペレットを排出するために、ユーザは、軸Aに沿ってスライド部材560をスライドさせることができ、これによって、弾性プラグ550のベース部分552を湾曲させて、プラグ550のベース部分552の間に捕捉されたペレット10’がデバイス100から解放および排出される。これは、
図16Eに概略的に示されている。
【0206】
ペレットがデバイス100から排出されると、ユーザは、スライド部材560を元の場所にスライドさせることができ、その時点で、バルブは、その元の位置に戻り(
図16Cに示すように)、これにより、ペレットが出口管212から意図せずに排出されるのを防止する。様々な実施形態では、スライド部材560は、プラグ550のベース部分552の弾力性によってこの元の位置に向かって付勢され得る。例えば、好適な弾性部材が、スライド部材560をこの位置に対して付勢してもよく、またはソレノイド、リレー、または他のアクチュエータなどの電気機械装置であってもよい。
【0207】
回転部材250の回転中、ペレットは、弾性プラグ550のベース部分552を通過して、出口管212から外へ連続的に排出されることが理解されるであろう。スライド部材560の目的は、この排出動作の後に、上述したように、弾性プラグ550と、プラグ550のベース部分552かまたはスライド部材560の端部との間に残されたいずれかのペレットを取り外すことである。このようにして、スライド部材560は、排出動作を終了させ、浮遊ペレットがいずれかの排出動作以外にデバイス100から外に落下するのを防止するように構成されている。
【0208】
図16Fおよび
図16Gは、変形可能材料またはシート545の形態のバルブが出口管212の排出端部を覆うように配置されている、さらなる実施形態を例証する。この変形可能材料545は、実質的に弾力性を有し得、ピン253が延在するアパーチャ546を含むことができ、そのピン253は、回転部材250の端部から延在する。
図16Fに示すように、非動作位置または休止位置では、ピン253の外面は、アパーチャ546の内面と接触して、出口管212の端部を閉鎖し、ペレットが排出されるのを防止する。
【0209】
様々な実施形態では、ピン253の長さは、約1.5mm(すなわち、回転部材250の長手方向軸に沿って)であり得、その直径は、約2.5mmであり得、変形可能材料545の厚さは、約1mmであり得、アパーチャの幅または直径は、約2または2.5mmであり得る。変形可能材料545の長さ(回転部材250の長手方向軸の方向)は、ピン253の長さ未満であり、ピン253の長さの約80%未満であってもよい。変形可能材料545は、熱可塑性エラストマー(「TPE」)またはポリブチレンテレフタレート(「PBT」)を含み得、かつ/または約100、80、70、60、またはさらには50ショア未満の硬度を有し得る。ショア硬度試験は、ショア00またはショアAで実施することができる。任意選択的に、硬度は、ショア00またはショアAで実施される、約30ショア~約50ショアであり得る。ピン253は、実質的に剛性であり得る。変形可能材料545は、任意の好適な方法で、例えば接着剤で、出口管212に取り付けることができる。
【0210】
回転部材250が回転すると、ペレットは、デバイス100から排出するために出口管212の端部に向かって促進されることになり、その休止位置で変形可能材料545に出会うと(
図16Fに示すように)、ペレットは、変形可能材料545に対して押し付けられ、変形材料を変形させることになり、
図16Gに示すように、変形可能材料545とピン253との間の間隙Gを作り出し、ペレットがそこを通って排出され得る。排出動作の終わりに、回転部材250が回転を停止すると、ペレットは、もはや、変形可能材料545に対して促進されないことになり、
図16Fに示すように、変形可能材料545は、その休止位置に跳ね返り、出口管212の端部はそこで閉鎖される。
【0211】
図17、
図18A、および
図18Bは、改良された出口管212’を組み込んだ実施形態を示し、その特徴は、出口管を使用する、本明細書に記載された他のいずれの実施形態にも組み込むことができる。この実施形態では、出口管212’は、可動構成要素により、ペレットが排出されるかまたはスクリューポンプから外に移動するのを防止する第1の位置と、ペレットがスクリューポンプから排出されるのを可能にする第2の位置との間を移動するように構成されている可動構成要素と協働するように改良されている。
【0212】
より具体的には、例証された実施形態における可動構成要素は、ねじ部240のねじ山242に沿って移動するように構成されているナット270の形態である。出口管212は、実質的に円筒形の部分215、および回転部材250の長手方向軸Aの方向に円筒形部分215から延在するフランジ217を備える。フランジ217は、ナット270が使用時に移動するトラック218を備える。フランジ217は、トラック218のどちらかの端部に位置し、ナット270のための停止を提供するように構成された対向する肩部分219A、219Bをさらに備える。
【0213】
ナット270は、回転部材(およびねじ部240)が回転すると、回転部材250の長手方向軸A(これはまた、ねじ山242の軸でもある)に沿って移動するように構成されている。ナット270は、そのナットのねじ山242との関連付けによって、ねじ山をブロックし、ペレットがその位置を過ぎてねじ山242の下方に移動するのを防止するように構成されている。さらに、ナット270が肩部分の第1の219Aに出会うと、ナット270は、出口管212の円筒形部分215に対して封止を形成し、これは、ねじ山242のどの部分も露出されていないことを意味する。したがって、ペレットは、ねじ山242を去ってデバイスから排出されることができない。
【0214】
回転部材250が第1の回転方向に回転すると、ナット270は、トラック218に沿って第1の肩部分219Aから離間して移動するように構成され、ねじ山242を露出させ、その結果、ペレットは、ねじ山242の下方に移動し、カートリッジ200から排出され得る。回転部材250が特定量だけ回転した後、ナット270は、第2の肩部分219Bと接触することになり、その肩部分により、ナット270がさらに遠くに移動するのを防止する(また、好都合にも、回転部材250のさらなる回転を防止する)。この位置において(
図18Bに示されている)、ねじ山242および出口管212’によって形成されたスクリューポンプは、特定容積(例えば、所定のまたは事前定義された量)のペレットを排出したことになる。
【0215】
回転部材250が第2の回転方向(第1の回転方向の反対方向である)に回転すると、ナット270は、トラック218に沿って第2の肩部分219Bから離間して移動し、最終的に第1の肩部分219Aに接触するように構成され、その結果、出口管212の円筒形部分215に対して封止し、ペレットがデバイスから排出されるのを防止する。
【0216】
ナット270は、ねじ山242の長手方向軸Aに沿って直線的に(かつ軸方向に)移動することができる。ナット270は、ナット270と、出口管212’の円筒形部分215から下向きに延在するフランジ217との間の摩擦嵌合を通じて回転方向の制約を受け得る(すなわち、ナットが回転部材250と一緒に回転しないように)。
【0217】
必要とされる投与量(トラック218に沿った通り道すべてを移動するナット270に対応し得ない)が送達されると、回転部材250は、上述したように、反対方向に回転され得、これにより、ねじ山242内に残ったペレットをチャンバ220内に引き戻し、同時に、ナットがその休止位置に戻り、出口管212’の第1の肩部分219Aと接触するまで、ナット270を鉛直方向に引き出す。上述したように、この接触により、出口管212’の円筒形部分215に対して封止し、ペレットが外に落下するのを防止する。
【0218】
図19Aおよび
図19Bは、出口管212の出口端部を覆うように位置し得る可動構成要素570を含む実施形態を示す。可動構成要素570は、
図16Aおよび
図16Bに示した実施形態に含まれ得、この実施形態に関連して開示されたバルブ550(および任意選択可能なスライド部材560)に追加して、またはその置き換えとして提供され得る。
【0219】
この実施形態では、可動構成要素570は、出口管212の出口端部を密閉するように構成されたばね仕掛けのプレート572を備えることができる。好適な弾性部材(図示せず)が、可動構成要素570を
図19Aに示したその位置に付勢するように構成することができる。これは、湿気保護を加え、かつペレットが出口管212から意図せずに外に落下するのを防止する上で助けとなり得る。いくつかの実施形態では、プレート572は、出口管212に対して載置(例えば、気密封止)するように構成することができる。プレート572は、それ自体、弾性材料で作製され得、例えば、プレート572は、エラストマーで作製され得、エラストマーコーティングを備えることができる。これは、出口管212を封止し、ペレットがその出口管から外に落下するのを防止する上でさらに助けとなる。
【0220】
特定の一実施形態では、可動構成要素570は、電磁石を備える電子リレー580と組み合わされ、これは、可動構成要素570を、
図19Aに示すその休止位置から
図19Bに示すその開放位置まで移動させるように、概略的に示され、かつ構成されている。休止位置において、電磁石をスイッチオフにすると、プレート572は、出口管212の端部に対して付勢されてその端部を封止し、ペレットが外に落下するのを防止することができる。開放位置において、電磁石をスイッチオンにすると、プレート572は、電子リレー580に向かって引っ張られ、それによって、ペレットが排出動作中に出口管212から排出されるのを可能にする。この実施形態では、可動構成要素570は、電子リレー580の電磁石がその休止位置から離間して可動構成要素を適切に移動させることができるように、磁気的構成要素を備える必要があり得る。
【0221】
様々な他の実施形態では、可動構成要素570は、ユーザの操作に対して、単純に、ばね仕掛けであってもよい。例えば、電子リレー580は、提供されなくてもよく、可動構成要素570は、ユーザによってその休止位置からその開放位置まで移動されてもよい。ソレノイド、または他のアクチュエータなどの他のタイプの電気機械装置を使用してもよい。
【0222】
図20Aおよび20Bは、
図16Aおよび16Bの改良と見なすことができる実施形態を示し、この場合、バルブ550は、回転部材250の端部から同様の方法で延在するバルブ590によって置き換えられている。この実施形態のバルブ590は、ねじ山242の出口243と整列するように構成されているノッチ592を有するディスク591を備え、ノッチ592および出口243が整列すると、ペレットは、デバイス100から排出されるように構成されている。ディスク591は、ノッチ592が出口243と整列する第1の位置(
図20Aに示すように)と、ノッチ592が移動して出口243との整列から外れる第2の位置との間で回転可能である。
【0223】
様々な実施形態では、
図20Bに示すように、バルブ590は、その第2の位置に向かってディスク591を付勢するように構成されている弾性部材594を備えることができる。ディスク591は、これらの2つの構成要素間の摩擦嵌合に起因して、回転部材250と一緒に回転するように構成することができる。回転部材250が回転し始めて排出動作を開始すると、ディスク591は、回転部材と一緒に回転し、その第1の位置まで移動して、ノッチ592を出口243と整列させ、ペレットの排出を可能にすることができる。回転部材250が、排出動作を終了するために回転を終了させると、弾性部材594は、付勢され、そしてディスク591を移動させて第2の休止位置に戻すことができる。
【0224】
このタイプのバルブのわずかな改良版が
図20Cに示されており、これは、弾性部材(例えば、ゴム部材)の形態のバルブ590’を示している。弾性部材590’は、
図20Aおよび
図20Bに関して説明したのと同じ機能を有するノッチ592’を備え、すなわち、このノッチ592’は、ねじ山242の出口243と整列して排出動作中のペレットの排出を可能にするように構成されている。この実施形態では、弾性部材590’は、単一片であり、使用時にディスク部分591’から回転部材250に向かって延在する突起部596’を有するディスク部分591’を備える。この実施形態では、回転部材250は、回転部材の端部内に形成されたアパーチャ254’を備え、弾性部材590’の突起部596’は、アパーチャ254’に挿入されている。弾性部材590’の突起部596’(例えば、その王冠597’)は、アパーチャ254’の内面との摩擦嵌合を有する。ディスク部分591’は、出口管212内で嵌合し得、同出口管と摩擦嵌合を有し得る(この実施形態では、出口管212は、弾性部材590’を通過して延在し得る)。
【0225】
排出動作中、回転部材250は回転され得、これにより、弾性部材590’のディスク部分591’に対して回転部材250を回転させ、その結果、ディスク部分591’のノッチ592’をねじ山242の出口243と整列させることになる。この動作中、弾性部材590’の突起部596’は、ノッチ592’が整列されるまでディスク部分591’に対して湾曲することになり、次いで弾性部材590’全体は、ノッチ592’が出口243に整列されているままの状態で回転部材250と一緒に回転することになる。排出動作が終了し、回転が停止すると、弾性部材590’の弾力性により回転部材250(および突起部596’)に対してディスク部分591’を回転させ、その結果ノッチ592’は、出口243との整列から外れて移動することになる。
【0226】
第1のバルブ500および第2のバルブ550(ならびに改良された出口管212’、およびバルブ590、590’)は、ねじ山242内に位置するペレットが使用中に外に落下するのを防止するのに役立つように構成することができる。デバイス100は、ペレットを第1のバルブ500または第2のバルブ550を通して排出するために、ユーザが、ねじ山242に沿ってペレットを押し付けるための回転部材250を回転させ、第1のバルブ500または第2のバルブ550に対して力を提供する必要があり、その結果、ペレットがどちらかのバルブを通して排出され得るように構成することができる。状況によっては、バルブは、必ずしも必要でなくてもよく(ただし、依然として含まれている場合がある)、例えば、ペレットは、それら自体、摩擦によってねじ山242内に保持され得、またはキャップもしくはカバーが、カートリッジの出口(例えば、出口管)を覆うように提供され得る。
【0227】
様々な実施形態では、
図21Aに示すように、回転部材250は、ねじ山242がねじ山242からペレットを受容するように構成された内部流路245と流体連通し、次いで回転部材250の底面内に位置した出口243’から外に排出するために流路を通って移動するように改良され得る。
図21Bに示すように、改良点において、弾性(例えば、ゴム)キャップ540は、回転部材250の端部を覆うように配置され得、その端部は、デバイス100が動作していないときに、ペレットが排出されるのを防止するように構成されている。キャップ540は、弾性開口部542を備えることができ、その弾性開口部は、出口243’と整列されているが、ペレットが通過するのを防止する実質的に閉鎖された位置に付勢されている。回転部材250が回転すると、ペレットは、出口243’から外に、開口部542に向かって押し出されることになり、結果として弾性的に開放し、ペレットの排出を可能にするように構成されている。
【0228】
図22、
図23、
図24A、および
図24Bは、出口管212を覆うようにデバイスの第2の排出端部104でカートリッジ200に接続されるように構成されているキャップ600を備えるデバイス100を示す。キャップ600は、任意の好適な方法、例えば、締まり嵌め、磁気ラッチ、クリップファスナー、またはねじ接続によってカートリッジ200に接続するように構成することができる。キャップ600は、ベース部分602、およびベース部分602のどちらかの端部から延在する1つ以上の側面部分604を備える。側面部分604の各々は、カートリッジ200に接続して、キャップ600とチャンバ200との間に封止材(例えば、気密封止材)を任意選択的に提供する。チャンバ606が、カートリッジ200とキャップ600との間に形成されてもよい。
【0229】
キャップ600を使用して、ペレットのための集約キャップを提供し(例えば、排出される投与量が、チャンバ606内に保持することができる)、かつ/または使用前および使用中に封止材(例えば、気密封止材)を提供することができる。キャップ600は、上述した第1のバルブ500かまたは第2のバルブ550のどちらかと組み合わされてもよい。
【0230】
図25~
図26は、2つのカートリッジ200が単一のユニットに組み合わされていることを除いて、
図11および
図12の二連カートリッジ実施形態と同様の代替カートリッジ200ABの実施形態を示す。
【0231】
単一カートリッジ200ABは、第1のチャンバ220Aを通って延在する第1の回転部材250Aであって、第1の出口管212A内に延在する第1のねじ山252Aおよび第1のねじ部分240Aを備える、第1の回転部材250A、ならびに単一カートリッジ200に関して上述したような同様の方法で、使用時に第1のねじ山252Aの下方に移動する第1のプランジャ230Aを含む、第1のセットの構成要素を備える。
【0232】
第1のセットの構成要素のうちの第1のねじ部分240Aは、チャンバ220Aから出口部材212A中に延在するねじ山242Aを備え、その結果、第1の回転部材250Aが回転すると、ペレットは、単一カートリッジ200に関して上述したような同様の方法で、ねじ山242Aを介して、第1の出口管212Aから外に排出される。
【0233】
単一カートリッジ200ABは、第2のチャンバ220Bを通って延在する第2の回転部材250Bであって、第2の出口管212B中に延在するねじ山252Bおよび第2のねじ部分240Bを備え、第2の回転部材250B、ならびに単一カートリッジ200に関して上述したような同様の方法で、使用時に第2のねじ山252Bの下方に移動する第2のプランジャ230Bを含む、第2のセットの構成要素を備える。
【0234】
第2のセットの構成要素のうちの第2のねじ部分240Bは、チャンバ220Bから出口部材212B中に延在するねじ山242Bを備え、その結果、第2の回転部材250Bが回転すると、ペレットは、単一カートリッジ200に関して上述したような同様の方法で、ねじ山242Bを介して第2の出口管212Bから外に排出される。
【0235】
第1のセットの構成要素、および第2のセットの構成要素は、別々に構成され得、その結果、例えば、様々なねじ山242A、252A、242B、252Bは、第1のセットの構成要素が第2のセットの構成要素よりも速い速度でペレットを排出するように構成されている。また、異なるチャンバ220Aおよび220Bは、異なるサイズのペレットと共に使用するように構成することができる。例えば、アクチュエータ300’は、各別個の回転部材250A、250Bが異なるモータまたは機械的制御装置によって駆動されるように構成することができ、その異なるモータまたは機械的制御装置は、異なる回転速度で作動するように構成されている。
【0236】
図26に示すように、第1の回転部材250Aは、第1の軸AAの周りを回転するように構成され、第2の回転部材250Bは、第2の軸ABの周りを回転するように構成されている。様々な実施形態では、第1の軸AAおよび第2の軸ABは、互いに平行であってもよい。
【0237】
2つの回転部材250Aおよび250Bは、共通のアクチュエータ300’によって動作され得る。アクチュエータ300’は、
図11および
図12に関して上述したものと同様であってもよく、単一カートリッジアクチュエータ300に関して上述したものと同様の方法で、それぞれの回転部材250A、250Bを駆動するように構成されている各接続部分303’を有する二連接続部分303’を備える。
【0238】
図27、28Aおよび28Bは、回転部材250のスクリュー部240が「ツイストプレート」の構成形態のスクリュー部240’’によって置き換えられているカートリッジ200の一実施形態を示し、この「ツイストプレート」の構成形態は、スクリュー部のねじ山242’’を最大化させ、かつペレット上へのスクリュー部の摩擦の大きな影響を最小化する。この実施形態のねじ部240’’は、複数回ねじられたプレートによって形成され、ねじ山242’’の全長に沿って延在する、直接対向するねじ開始点を作り出す。これは、例えば、以前説明した実施形態に示したように、ねじ山が回転部材の円周方向の表面から切り出されている実施形態とは対照的である。
【0239】
ねじ部240’’は、回転部材250のねじ山252に直接接続し、以前説明した実施形態のねじ部240と同様の方法でチャンバ220内の位置から出口管212内に延在することができる。その外側螺旋表面241’’によって画定されるねじ部240’’の幅は、出口管212の内側円筒形表面214の幅に実質的に等しくてもよい。すなわち、ねじ部240’’の表面、および出口管212の内側円筒形表面214は、実質的に互いに接触または当接し得る(例えば、連続的にまたは断続的に)が、それらが互いに対して締まり嵌めまたは摩擦嵌合を有する範囲までではなく、それらが滑らかに移動して互いに通過することができることを確実にし、信頼性のある排出を確実にすることができる。
【0240】
図29A、29B、および29Cは、プランジャ230の半径方向に延在する表面232上に位置決めされている変形可能材料234がプランジャを随伴するデバイス100の一実施形態を示す。様々な実施形態では、変形可能材料234は、発泡体またはスポンジであってもよい。変形可能材料234の機能は、ペレットをデバイス100の排出端部に向かって(すなわち、ねじ部240に)押し出すことを助けることである。特に、変形可能材料234は、チャンバ220内に収容された小さなペレットが、排出端部に向かって、特にチャンバ220の内壁から移動するのを確実にする効率的な方法を提供することができる。
【0241】
様々な実施形態では、プランジャ230は、チャンバ220の内壁までの半径方向距離よりもわずかに小さい距離まで(軸Aに対して)半径方向に延在し、プランジャ230とカートリッジ200の壁との間の摩擦を回避することができる。しかしながら、これらの実施形態では、変形可能材料234は、チャンバ220の内壁までの半径方向距離に等しい距離まで半径方向に延在し得、その結果、プランジャ230ではなく変形可能材料234がペレットがチャンバ220の内壁から排出端部に向かって移動され、プランジャ230とカートリッジ200の壁との間を通過することができないことを確実にすることができる。変形可能材料234は、
図29A~
図29Cに示すように、適切な位置に配置されると部分的に変形するようにサイズ設計され得、これは、変形材料が使用時にカートリッジ200の壁を押してこの効果を最大化することになることを意味する。
【0242】
変形可能材料234は、回転部材250とカートリッジ200との間でプレス嵌めされてもよく、(例えば、接着剤によって)プランジャ230には取り付けられなくてもよい。使用時に、プランジャは、本明細書に記載されているように、軸Aに沿って移動し、変形可能材料234と接触し、そして同様に軸Aに沿って変形可能材料を移動させることになる。別の方法として、変形可能材料234は、任意の好適な手段、例えば、接着剤によってプランジャ230に固定されてもよい。
【0243】
変形可能材料234は、プランジャ230を組み込んでいる本明細書に含まれる態様または実施形態のいずれかに含まれ得るが、
図29A~
図29Cに示された実施形態に限定されない(これらは、単に、この特徴を例証するためだけに提供されたにすぎない)。例えば、変形可能材料234は、プランジャ230がねじ山252に沿って移動する実施形態において提供することができ、これらの実施形態では、変形可能材料234の軸方向の厚さは、ねじ山252のピッチの少なくとも2倍とすることができ、このため、いくつかまたはいずれのペレットも、変形可能材料234を通り越して移動することができないことを確実にすることができる。
【0244】
図30A、30B、および30Cは、デバイス100のプランジャ230が複数の軸方向に延在する歯または突起236を設けられている一実施形態を示す。少なくとも一部の(またはすべての)歯236は、回転部材250のねじ山252に沿って乗るように構成されたレール237を備える。さらに、歯236は、半径方向に湾曲するように構成され、その結果、歯236の上のレール237は、ねじ山252に出入りすることができる。回転部材250が、使用時に回転すると、プランジャ230は、レール237がねじ山252と係合する結果として、軸Aに沿って移動することになる。プランジャ230が、チャンバ220内に収容されたペレットと接触(またはチャンバ220の底部に到達)すると、プランジャ230は、さらなる軸方向の移動を制限され得る。この時点で、歯236は、半径方向の外向きに湾曲するように構成され、その結果、レール237は、ねじ山252との係合を解除し、回転部材250は、プランジャ230が軸Aに沿って移動することなく回転し続ける。例証された実施形態に示すように、レール237は、プランジャ230の本体から最も遠い歯236の軸方向の端部に位置し、上記のように、半径方向の外向きに湾曲するための歯236の能力を最大化する。
【0245】
一部の歯236は、つまり、ねじ山252と係合するレール237を有さない安定化装置として提供することができ、これらは、プランジャが軸Aに沿って移動するときに、また、レール237を備える他の歯236を湾曲させる際に、プランジャ230を安定化させる機能を果たすことができる。プランジャ230を安定化させる機能を果たす歯236は、半径方向の内向きに付勢され得、その結果、それらの歯は、プランジャ230が軸Aに沿って移動するときに、回転部材250に密着する。
【0246】
任意の好適な数、例えば2~10個の歯236を提供することができ、いくつかの実施形態では、単一歯236を提供してもよい。例証された実施形態では、プランジャ230は、6つの歯236を備え、これらの歯のうちの3つは、レール237を有し、他の3つは、安定化装置(すなわち、歯236を有さない)としての機能を果たす。
【0247】
本明細書で提供されるいずれかの態様および実施形態におけるプランジャ230は、
図30A~
図30Cに関して示され、かつ説明されるように、歯236を備えることができる。歯236は、レール237を備えることができ、または別の方法として、上述したように、安定化装置として提供することができる。係る実施形態では、プランジャ230は、通常、それ自体が持つねじ山を備えない。言い替えると、プランジャ230は、回転部材250のねじ山252とのレール237の係合のみによって、軸Aに沿って移動される。
【0248】
図31A、31B、および31Cは、デバイス100のプランジャ230が上記の歯236と同様の機能を有する弾力性のあるデバイス260を含む一実施形態を示す。弾性装置260は、複数の突起部262(2つは、図示した実施形態に示されている)、および突起部262を半径方向の内向きに付勢するように構成された弾性部材264を備える。突起部262は、プランジャ230の本体から延在し、その本体と一体形成され得、または別個の部品として提供され得、かつ任意の好適な方法によってプランジャに固定され得る。突起部262は、各々、回転部材250上のねじ山252と係合するように構成されたレール266を備える。例証された実施形態に示すように、レール266は、プランジャ230の本体から最も遠い突起部262の軸方向の端部に位置し、以下に説明するように、半径方向の外向きに湾曲させるための突起部262の能力を最大化する。弾性部材264は、例えば、弾性バンドであってもよい。
【0249】
回転部材250が、使用中に回転すると、プランジャ230は、レール266がねじ山252と係合する結果として、軸Aに沿って移動することになる。弾性部材264は、レール266がこの回転の最中にねじ山252と係合することを確実にする。プランジャ230が、チャンバ220内に収容されたペレットと接触(またはチャンバ220の底部に到達)すると、プランジャ230は、さらなる軸方向の移動を制限され得る。この時点で、突起部262は、弾性部材264の操作に対抗して半径方向の外向きに湾曲するように構成され、その結果、レール266は、ねじ山252との係合を解除し、回転部材250は、プランジャ230が軸Aに沿って移動することなく回転し続ける。
【0250】
本明細書で提供される態様または実施形態のいずれかにおけるプランジャ230は、
図31A~
図31Cに関して示し、かつ説明されるように、弾性装置260を備えることができる。係る実施形態では、プランジャ230は、通常、それ自体が持つねじ山を備えない。言い替えると、プランジャ230は、回転部材250のねじ山252とのレール266の係合のみによって、軸Aに沿って移動される。
【0251】
図32A、32B、および32Cは、改良されたプランジャ230’を備える一実施形態を示す。この実施形態では、プランジャ230’は、プランジャとカートリッジ200の壁との間の摩擦を低減するように構成されている独特の形状を備える。特に、プランジャ230’は、回転部材252のねじ山252に隣接する第1の厚さから、そのプランジャの外周における、カートリッジ200の壁に隣接する第2の厚さまでテーパをなしており、第2の厚さは、第1の厚さよりも小さい。
【0252】
より具体的には、
図32Cに示すように、プランジャ230’は、カートリッジ200の壁に接触するように構成されたプランジャ230’の外周を備える、実質的に平坦な下面232’を備えることができる。外周から半径方向の内向きに、カートリッジ200の壁から離間して位置し、かつ回転部材250に隣接する上部縁端部231’まで延在するテーパ表面233’が提供され得る。カートリッジ200の壁に近づくほど小さくなる厚さ部分を提供することによって、プランジャ230’とカートリッジ200との間の摩擦を減らすことができる。さらに、例証された実施形態に示したように、テーパ表面233’を使用することは、プランジャ230’の外周が、プランジャ230’の軸方向への移動に従って湾曲することができることを意味する。係る実施形態では、プランジャ230’は、ゴムなどのエラストマーの材料で作製され得、この方法で湾曲するためのプランジャ230’の能力を高めることができる。
【0253】
プランジャ230’の様々な実施形態では、プランジャ230’の周辺部の点縁端部までテーパをなすことができる。その周辺部におけるプランジャ230’の厚さは、例えば、約2mm未満、またはさらには約1mm未満であり得る。プランジャ230’は、熱可塑性エラストマー(「TPE」)またはポリブチレンテレフタレート(「PBT」)から作製することができる。プランジャ230’は、約100、80、70、60、またはさらには50ショア未満の硬度を有し得る。ショア硬度試験は、ショア00またはショアAにおいて実行することができる。これにより、使用中の軸Aに沿った移動中に適切に屈曲することができるプランジャ230’が提供されることを見出した。プランジャ230’は、プランジャ230’の幅が(例えば、分離して)、それが嵌合する範囲内でカートリッジ200の寸法よりもわずかに大きいという点から、わずかに大型にサイズ設計することができる。プランジャ230’はまた、回転部材250のねじ山252と協働するように構成されているねじ山と共に構成することもできる。
【0254】
概して、本明細書に開示されている装置およびデバイスは、重量による薬剤の正確な投与量を提供すること、およびまた、投与量を管理し、かつ/または薬剤を滴定する単純な機構を提供することを目的とされ得る。投与量を飲み込むこと、およびこれの実行時に一般的な利便性を提供することを含む、投与量を容易に排出するために様々な機械的特徴が提供されている。その上に、様々な実施形態が、デバイスまたは器具を介してペレットの効率的な移動を確実にすることを目的とする。
【0255】
手持ち式器具10は、医学的知識をデジタル機能と組み合わせることができる。制御ユニットは、再利用可能であり得、処方された薬剤で事前充填されている様々な異なるカートリッジ200と組み合わせることができる。例えば、ADHDの場合、カートリッジ200は、1ヶ月の期間にわたって使用するための関連する薬剤で事前充填することができる。カートリッジ200は、ペレットまたは顆粒(すなわち、経口剤形)で充填することができる。ペレットは、薬剤の飲み込みを支援する液体または柔らかい食物と共に摂取することができる。器具は、ADHDで特に使用されるが、本明細書に開示された技術は、多くの他の治療、および特に小児科での使用に、または精神医学、神経病学、心臓代謝疾患、もしくは口腔癌治療での使用に適用可能である。
【0256】
本明細書に記載されている器具に関連し得る例示的な治療は、注意欠陥多動性障害(「ADHD」-装置において使用される薬剤には、アンフェタミンおよび/またはメチルフェニデートが含まれる可能性がある)、一般的な痛み(薬剤には、フェンタニール、メサドン、メペリジン、トラマドール、モルヒネ、コデイン、テバイン、オキシモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ヒドロモルホン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン、およびメサドンのうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、臓器移植後の免疫抑制(薬剤には、タクロリムス、シロリムス、エベロリムス、コルチコステロイド、サイクロスポリン、真菌フェノラート、およびアザチオプリンのうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、糖尿病(薬剤には、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、メトホルミン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、およびセマグルチドのうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、心不全(薬剤には、カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール、および利尿薬のうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、パーキンソン病(「PD」-薬剤には、レボドーパおよび/またはカルビドーパが含まれる可能性がある)、てんかん(薬剤には、バルプロ酸ナトリウム・カルバマゼピン、ラモトリジン、レベチラセタム、オキスカルバゼピン、エトスクシミド、およびトピラマートのうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、うつ病(薬剤には、シタロプラム、アンフェブタモン、パロキセチン、ミルナシプラン、フルオキセチン、デュロキセチン、フルボキサミン、およびレボキセチンのうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、統合失調症(薬剤には、アリピプラゾール、アセナピン、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、クロザピン、イロペリドン、ルラシドン、およびオランザピンのうちの1つ以上が含まれる可能性がある)、癌、動物の健康である。例えば、器具10は、前述の治療、例えば、上述されたそれらのうちのいずれかもしくはすべてに向けられ、または関連する薬剤(例えば、ペレット形態)と組み合わせることができる。
【0257】
小さいペレットまたは顆粒として処方された薬剤の使用により、正確な投与量調整をサポートし、嚥下障害を伴う小児科の役に立つことができる。小児科医薬品の開発には、一般に、この患者集団が直面する課題のうちの1つまたは2つを解決するのに役立つ様々な製剤またはデバイスが含まれる。本明細書に開示されている手持ち式器具10とデジタル機能を備えた薬剤を組み合わせることによって、投与量の設定、滴定、使い易さ、飲み込み能力、および法令遵守における改善がもたらされる。この技術は、併用療法を含む小児集団のための様々な治療法に合わせて調整することができる。本明細書に開示された器具10を使用する治療の他の分野は、てんかん、および一般的な痛みの軽減であり得る。排出技術はまた、例えば、小児における感染症のために開発することができ、例えば、器具と共に使用される薬剤(例えば、ペレット形態)は、アモキシシリンおよび/またはペニシリンを含むことができる。
【0258】
制御ユニット(本明細書に記載されている態様または実施形態のいずれかにおける)は、入力デバイスまたはユーザインターフェースを含むことができ、それには、器具10、例えば、内部にある排出機構300を操作するための1つ以上のボタンが含まれ得る。
【0259】
制御ユニットは、器具10の様々な電気的および機械的部品、例えば、ユーザインターフェース、ディスプレイ、および排出機構300を動作させるように構成された制御システムを備えることができる。
【0260】
事前に充填されたカートリッジ200(例えば、ADHDの場合、1ヶ月処方を伴う)が、関連情報を制御ユニットに伝達する集積回路ボードトリップを有し得る。制御ユニット、および特にその制御ユニットの制御システムは、投与量を設定し、最大投与量を超える摂取を防止し、滴定を可能にし、また改ざんの通知を確実にすることができる。制御システムは、例えば、画定された期間(例えば、1ヶ月の処方)にわたって薬剤の排出を記録することができる。
【0261】
本明細書に開示された方法、方法のステップ、または機能的特徴は、例えば、上述した制御ユニットの制御システムに関連して、ソフトウェア、例えば、コンピュータプログラムを使用して、少なくとも部分的に実施され得る。これらは、制御ユニット自体上のデータプロセッサ上に位置し得る。したがって、さらなる態様から見ると、本発明は、データ処理手段に実装されるときに、本明細書に記載の方法、方法のステップ、または機能的特徴を実行するように特に適合されたコンピュータソフトウェアと、プログラム要素がデータ処理手段上で実行されるときに、本明細書に記載の方法、方法のステップ、または機能的特徴を実行するためのコンピュータソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム要素と、プログラムがデータ処理システム上で実行されるときに、本明細書に記載の方法、方法のステップ、または機能的特徴のすべてのステップを実行するように適合されたコード手段を含むコンピュータプログラムと、を提供することが分かるであろう。データプロセッサは、マイクロプロセッサシステム、プログラム可能なFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等であってもよい。
【0262】
本発明は、好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、形態および細部での様々な変更が行われ得ることは、当業者ならば理解されるであろう。
【国際調査報告】