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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(54)【発明の名称】挿管用の口腔ケアデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/04 20060101AFI20220826BHJP
【FI】
A61M16/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576880
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 US2020039574
(87)【国際公開番号】W WO2020264130
(87)【国際公開日】2020-12-30
(31)【優先権主張番号】16/456,873
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521562234
【氏名又は名称】フリント、デリック
【氏名又は名称原語表記】FLINT,Derrick
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フリント、デリック
(57)【要約】
挿管の間に使用するための口腔ケアデバイスである。このデバイスは、第1のガード、第2のガード、第1の延長部、第2の延長部、及び、中央経路を含みうる。第1のガードは、患者の口腔内に挿入されるように構成されうる。第1の延長部及び第2の延長部は、第1のガードからそれぞれ延び、共に患者の歯列に係合するように構成されうる。第2のガードは、患者の口腔の外側を取り囲み且つその外側に係合するように構成されうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿管の間に使用するための口腔ケアデバイスであって、
患者の口腔内に挿入されるように構成された第1のガードであって、第1のガードは該第1のガードを通って延びる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形され、前記中央経路は、その中に気管内チューブを受け入れるように構成されている、第1のガードと、
前記第1のガードからそれぞれ延び、共に患者の歯列に係合するように構成された第1の延長部及び第2の延長部と、
患者の口腔の外側を取り囲み且つその外側に係合するように構成された第2のガードであって、第2のガードを通って延びる前記中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形された第2のガードと、を備え、
前記第2のガードは、口腔でシールを形成するように結合可能な第1の部分及び第2の部分を備え、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記気管内チューブを前記中央経路に受け入れるために第2のガードを開くように再シール可能に分離するように構成される、口腔ケアデバイス。
【請求項2】
前記第1のガードが、歯列の上方部分に係合するように構成された口腔内ガードを含む、請求項1に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項3】
前記第1のガードを前記第2のガードに接続する中央導管をさらに備え、前記中央経路は前記中央導管を通って延びる、請求項1または2に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項4】
前記第2のガード内に位置し、前記第2のガードの前記第1の部分及び前記第2の部分に接続された第2のシールをさらに備え、前記中央経路は前記第2のシールを通って延び、前記第2のシールは、口腔で前記第2のシールを形成するように結合可能な第1のシール部分及び第2のシール部分を含み、前記第1のシール部分及び前記第2のシール部分は、前記気管内チューブを前記中央経路に受け入れるために前記第2のシールを開くように再シール可能に分離するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項5】
前記第2のシールが半透過性である、請求項4に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項6】
前記第2のシールが、口腔で前記第2のシールを形成するために前記第1のシール部分及び前記第2のシール部分に結合可能な第3のシール部分を含み、前記第1のシール部分は、前記気管内チューブを前記中央経路に受け入れるために前記第2のシールを開くように前記第2のシール部分から再シール可能に分離するように構成される、請求項4に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項7】
前記第1の延長部及び前記第2の延長部内に延びる供給チャネルをさらに備え、前記供給チャネルは、歯列に近接する口腔内に流体を送達するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項8】
前記供給チャネルに接続され、前記第2のガードを通って延びる供給ポートをさらに備え、前記供給ポートは流体供給部に結合可能である、請求項7に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項9】
前記第1の延長部及び前記第2の延長部内に延びる戻りチャネルであって、前記供給チャネルから流体的に分離され、口腔から流体を受け取るように構成された戻りチャネルと、
前記戻りチャネルに接続され、前記第2のガードを通って延び、流体戻り部に結合可能である戻りポートと、をさらに備える、請求項8に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項10】
前記第2のガードの前記第1の部分及び前記第2の部分が、前記第2のガードの下方部分で分離可能である、請求項1~9のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項11】
挿管デバイスとともに使用するように構成された口腔ケアデバイスであって、
患者の口腔内に挿入されるように構成された第1のガードと、
前記第1のガードから延び、患者の歯列に係合するように構成された延長部と、
前記第1のガードによって少なくとも部分的に画定された中央経路であって、前記第1のガードを通って延び、その中にチューブを受け入れるように構成された中央経路と、
患者の口腔の外側を少なくとも部分的に取り囲み且つその外側に係合し、口腔の外側でシールを形成するように構成された第2のガードであって、前記中央経路は第2のガードを通って延び、第2のガードは前記中央経路に前記チューブを受け入れるように分離可能である、第2のガードと、
前記延長部内に延びる供給チャネルであって、歯列に近接した口腔内に流体を送達するように構成された供給チャネルと、
前記延長部内に延びる戻りチャネルであって、前記供給チャネルから分離され、口腔から流体を受け入れるように構成された戻りチャネルと、を備える口腔ケアデバイス。
【請求項12】
前記第2のガードが、口腔でシールを形成するために結合可能であり、且つ前記チューブを前記中央経路に受け入れるために前記第2のガードを開くように解放可能である第1の部分及び第2の部分を含む、請求項11に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項13】
前記第1のガードを前記第2のガードに接続する中央導管をさらに備え、前記中央経路は前記中央導管を通って延びる、請求項1~12のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項14】
前記供給チャネルに接続され、前記第2のガードを通って延び、流体供給部に結合可能な供給ポートと、
前記戻りチャネルに接続され、前記第2のガードを通って延び、流体戻り部に結合可能な戻りポートと、をさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項15】
前記第1のガードが、前記供給チャネルに接続され、前記供給チャネルから歯列に近接した口腔に流体を送達するように構成された複数の供給ポートを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項16】
前記第1のガードが、前記戻りチャネルに接続され、歯列に近接する口腔から流体を受け入れるように構成された複数の戻りポートを含む、請求項15に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項17】
挿管の間に使用するための口腔ケアデバイスであって、
患者の口腔内に挿入するように構成された第1のガードと、
前記第1のガードからそれぞれ延び、共に患者の歯列に係合するように構成された第1の延長部及び第2の延長部と、
前記第1のガードを通って延び、その中にチューブを受け入れるように構成された中央経路と、
患者の口腔の外側を取り囲み且つその外側に係合するように構成された第2のガードであって、前記中央経路は第2のガードを通って延び、第2のガードは、口腔でシールを形成するために結合可能であり、且つ前記チューブを前記中央経路に受け入れるために第2のガードを開くように解放可能な第1の部分及び第2の部分を備える、第2のガードと、
前記第2のガード内に位置し、前記第2のガードの前記第1の部分及び前記第2の部分に接続された第2のシールであって、前記中央経路は第2のシールを通って延び、第2のシールは、口腔で第2のシールを形成するために結合可能な第1のシール部分及び第2のシール部分を含み、前記第1のシール部分及び前記第2のシール部分は、前記チューブを前記中央経路に受け入れるために第2のシールを開くように再シール可能に分離するように構成される、第2のシールと、
前記第1の延長部及び前記第2の延長部内に延び、歯列に近接した口腔内に流体を送達するように構成された供給チャネルと、
前記第1の延長部及び前記第2の延長部内に延び、前記供給チャネルから流体的に分離され、口腔から流体を受け入れるように構成された戻りチャネルと、を備える口腔ケアデバイス。
【請求項18】
前記供給チャネルに接続され、前記第2のガードを通って延び、流体供給部に結合可能な供給ポートと、
前記戻りチャネルに接続され、前記第2のガードを通って延び、流体戻り部に結合可能な戻りポートと、をさらに備える、請求項17に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項19】
前記第2のガードが、患者の口腔の外側で流体を保持するように構成されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項20】
前記第2のシールが、口腔で前記第2のシールを形成するために前記第1のシール部分及び前記第2のシール部分に結合可能な第3のシール部分を含み、前記第3のシール部分は、前記チューブを前記中央経路に受け入れるために前記第2のシールを開くように前記第1のシール部分及び前記第2のシール部分から再シール可能に分離するように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項21】
前記第1のガードと前記第2のガードとの間に延び、前記中央経路を少なくとも部分的に形成するバイトブロックをさらに備える、請求項1~20のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項22】
前記第1の延長部及び前記第2の延長部が吸収性材料で構成されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【請求項23】
前記第1の延長部及び前記第2の延長部が高吸水性ポリマーで構成されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の口腔ケアデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、挿管用の口腔ケアデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
気管内チューブは、手術麻酔や集中治療などの様々な処置の間に患者の呼吸を支援するために、及び、口、喉又は気管閉塞の間に呼吸を支援するために、挿管の間に一般的に使用される。気管内チューブを患者の口から気管に挿入することで、気道を確保し、窒息を防ぐことができる。場合によっては、気管内チューブは、患者の呼吸を支援するために、数日又はそれ以上にわたって挿入されたままであることもある。
【発明の概要】
【0003】
鎮静状態を必要とする患者又は昏睡状態の患者など、寝たきりの患者は、長期にわたる挿管を必要とすることが多い。このような場合、気管内チューブを患者の口から気管に挿入することによって、気道を確保し、窒息を防ぐことができる。場合によっては、気管内チューブは、患者の呼吸を支援するために、数日間、数週間、又は数か月にわたって挿入したままにされることもある。挿管によって呼吸が代替されている間、唾液の分泌、舌の運動、嚥下など、他の身体的プロセスが不活発になることがある。その結果、患者の口(又は口腔)内に細菌が蓄積し、これにより口腔感染症や肺炎が引き起こされたり、歯が蝕まれたりする可能性がある。また、患者の口は長期間開かれたままなので、乾燥することもあり、これによりひび割れや切り傷ができて、感染しやすくなり得る(細菌が繁殖しやすい環境に一部起因する)。現在の解決策には、フラッシング及び拭き取りが含まれ、これらは病院のスタッフによってしばしば行われる作業であり、有用であるが、上述の合併症を防ぐには不十分である可能性がある。
【0004】
本開示は、複数のガード及び流体チャネルを含む口腔ケアデバイスを提供することによって、これらの問題に対処する。内部ガードは、患者の歯列を保護することができ、外部ガードは、湿った口腔環境を維持するのに役立つように、患者の口に湿分シールを提供することができる。湿分シールは、補助しながら挿管を可能にするために口腔デバイスを介して気管内チューブを受け入れるために解放可能であり得、また、気管内チューブの安定化を補助しながら湿った口腔環境をさらに維持するために再シール可能であり得る。また、口腔ケアデバイスは、口腔洗浄液を受け入れるため、及び唾液及び洗浄液を排出するためのチャネル及びポートを含むことができ、これにより細菌の蓄積を低減することができる。
【0005】
この概要は、本特許出願の主題の概要を提供することを意図している。本発明の排他的又は網羅的な説明を提供することを意図していない。本特許出願に関するさらなる情報を提供するために、この発明を実施するための形態が含まれる。
【0006】
図面(必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない)中、同様の数字は、異なる図において同様の構成要素を説明し得る。異なる文字の接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表し得る。図面は、本文書で考察される様々な実施形態を、限定するものではなく例示として、一般的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の少なくとも1つの例による、患者上の口腔ケアアセンブリの前方からの図を示す。
図2】本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアアセンブリの後方上方からの図を示す。
図3】本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアアセンブリの側方からの図を示す。
図4A】本開示の少なくとも1つの例による、第1の状態における口腔ケアデバイスの前方からの図を示す。
図4B】本開示の少なくとも1つの例による、第2の状態における口腔ケアデバイスの前方からの図を示す。
図5A】本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアデバイスの前方からの図を示す。
図5B】本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアデバイスの上方からの図を示す。
図6】本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアデバイスの上方からの図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本開示の少なくとも1つの例による、患者50上の口腔ケアアセンブリ100の前方からの図である。口腔ケアアセンブリ100は、気管内チューブ102と、ストラップ104と、口腔ケアデバイス106とを含むことができる。
【0009】
気管内チューブ102は、プラスチック、金属、複合材料、又は発泡体等のうちの1つ又は複数などの、様々な材料で構成された気管チューブ又はカテーテルであり得る。チューブ102は、患者50の気管に挿入可能であり、患者50の呼吸のための気道を確保及び維持することができる。気管内チューブ102は、長尺状の中空の円筒など、様々な形状及びサイズのものとすることができる。いくつかの例では、気管内チューブは、可撓性を有することができる。チューブ102は気管内チューブであるものとして考察されるが、いくつかの例では、チューブ102は、他のタイプのチューブ、つまり気管挿入以外の目的に使用されるチューブであり得る。
【0010】
ストラップ104は、口腔ケアデバイス106に固定可能な1つ又は複数のピースであって、口腔ケアデバイス106を患者に固定するために患者50の1つ又は複数の特徴部に係合するように構成された1つ又は複数のピースであり得る。いくつかの例では、ストラップ104は、患者の鼻54及び顔52に係合することができ、患者の耳58の周りを通り、ストラップ104は患者50の頭部の後ろで固定されることができる。
【0011】
口腔ケアデバイス106は、患者50の歯列及び口腔を保護するための1つ又は複数のガードを含む口腔ケアデバイスであり得る。また、口腔ケアデバイス106は、口腔ケアデバイス106が設置されている間又は使用中に患者の挿管を可能にするために、その中に気管内チューブ102を受け入れるための中央経路を含むことができる。さらに詳細に後述するように、口腔ケアデバイス106は、患者50の歯列を保護するための内部ガードと、感染を抑える一助となる湿った口腔環境を維持するのに役立つべく患者50の口56で湿分シールを提供するための外部ガードとを含むことができる。
【0012】
図2は、本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアアセンブリ100の後方上方からの図を示す。図3は、本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアアセンブリ100の側方からの図を示している。図2及び3は以下、同時進行で考察される。
【0013】
口腔ケアアセンブリ100は、気管内チューブ102と、ストラップ104と、口腔ケアデバイス106とを含むことができる。口腔ケアデバイス106は、第1のガード108、第2のガード110、中央導管112、第1の延長部114、及び第2の延長部116を含むことができる。また、図2及び3には、向きの指標として前方、後方、中央、及び側方が示されている。
【0014】
第1のガード108は、金属、プラスチック、発泡体、エラストマー、セラミック、複合材料、又はそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数などの材料で作られた剛性又は半剛性の部材であり得る。一例では、第1のガードは、可撓性プラスチック材料で作ることができる。第1のガード108は、患者(図1の患者50など)の口腔内に挿入するように構成することができる。第1のガード108は、その中に気管内チューブ102を受け入れるために第1のガード108を通って延びることができる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形することができる。
【0015】
同様に、第2のガード110は、金属、プラスチック、発泡体、エラストマー、セラミック、複合材料、又はそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数などの材料で作られた剛性又は半剛性の部材であり得る。第2のガード110は、口腔(又は、図1に示すように、患者50の口56)の外側を取り囲み且つその外側に係合するように構成することができる。第2のガード110は、第2のガード110を通って延びることができる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形することができる。
【0016】
中央導管112は、第1のガード108及び第2のガード110を接続する剛性又は半剛性の本体であることができ、そこを通って延びることができる中央経路を少なくとも部分的に画定することができる。中央導管112は、バイトブロックを含み得る、又はバイトブロックの一部であり得る。例えば、図2に示すように、中央経路は、中央経路を通って延びることができる気管内チューブ102を取り囲むように構成されたチューブを形成する。このようなバイトブロックは、気管内チューブ102が噛まれるのを保護することができ、これにより、気管内チューブ102の漏れ及び潰れを制限することができる。
【0017】
第1の延長部114及び第2の延長部116は、金属、プラスチック、発泡体、エラストマー、セラミック、複合材料、又はそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数などの材料で構成された剛性又は半剛性の部材であり得る。第1の延長部114及び第2の延長部116は、第1のガード108及び/又は中央導管112に接続することができ、そこから後方に延びることができる。第1の延長部114及び第2の延長部116のそれぞれは、患者(図1の患者50など)の歯列に係合するように構成することができる。第1の延長部114及び第2の延長部116は、挿管中に患者の歯列に係合して、上部歯列と下部歯列との間の接触を制限して、長期の挿管中に患者の歯列の摩耗を軽減するのを助けることができる。
【0018】
口腔ケアアセンブリ100は、挿管の前又は後に患者に固定することができ、口腔ケアデバイス106は、挿管が行われる前又は後のいずれかに気管内チューブに固定することができる。さらに、口腔ケアデバイス106は、挿管が行われる前又は後のいずれかに患者の口腔内に挿入することができる。一例では、気管内チューブ102を患者の口腔及び気管に挿入し、気管内チューブ102が患者の気管に挿入されている間に、口腔ケアデバイス106を気管内チューブ102の上に通すことができる。次に、第2のガード110が患者の口腔に当接している状態で、第1の延長部114、第2の延長部116、及び第1のガード108を患者の口腔に挿入することができる。
【0019】
口腔ケアデバイス106は、患者の口腔内に挿入することができ、支持体111(又はチューブホルダ111)を介して気管内チューブに固定することができる。支持体111は、ストラップ104に接続することができ、ストラップ104及び口腔ケアデバイス106に対して気管内チューブを固定位置で支持及び保持するように構成することができる。外部(第2の)ガード110は、患者の口に湿分シールを提供して、湿った口腔環境の維持を助けることができる。以下でさらに詳細に考察するように、湿分シールは、口腔ケアデバイス106を通して気管内チューブ102を受け入れるために再シール可能であり、口腔ケアデバイス106及び気管内チューブ102を任意の順序で設置することをさらに可能にすることができる。
【0020】
図4Aは、本開示の少なくとも1つの例による、第1の状態における口腔ケアデバイス406の前方からの図を示す。図4Bは、本開示の少なくとも1つの例による、第2の状態における口腔ケアデバイス406の前方からの図を示す。口腔ケアデバイス406は、気管内チューブを受け入れるために解放可能であり得、湿った環境を維持するために再シール可能であり得る湿分シールを含むことができる。上述及び後述の口腔ケアデバイスは、そのような湿分シールを含むように変更することができる。図4A及び4Bは以下、同時進行で考察される。
【0021】
口腔ケアデバイス406は、第2のガード410と、中央経路418と、入口ポート420と、出口ポート422とを含むことができる。第2のガード410は、第1の部分424と、第2の部分426と、第1のシール428と、第2のシール430とを含むことができる。第2のシール430は、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436を含むことができる。また、図4A及び4Bには、気管内チューブ402、方向矢印D(図4Aのみ)、及び向きの指標としての側方、上方、及び下方が示されている。
【0022】
第1の部分424及び第2の部分426はそれぞれ、シール428で解放可能に接続可能な第2のガード410の部分であり得る。シール428は、図4A及び4Bに示すように、第2のガード410の下方部分にあることができるが、他の例では、上方部分又は側方部分にあることができる。第1の部分424及び第2の部分426は、突き合わせ接合を形成することによって、第1のシール428を形成することができる。他の例では、第1の部分424及び第2の部分426は、第1の部分424を第2の部分426に固定するために、インターロック機能又はタブ又は他の留め具構成を含むことができる。
【0023】
入口ポート420及び出口ポート422はそれぞれ、第2のガード410を通って延びるポートとすることができ、以下でさらに詳細に考察されるように、それぞれ流体供給部及び流体戻り部に接続するように構成することができる。入口ポート420及び出口ポート422は、口腔ケアデバイスの第1のガード及び延長部にも接続することができ、そこで入口ポート420は、第1のガード及び/又は延長部に流体を供給するように構成することができ、出口ポート422は、延長部及び/又は第1のガードから流体を受け取るように構成することができる。一緒に、入口ポート420及び出口ポート422は、患者の口腔に及び患者の口腔から流体を移送して、細菌の成長を低減するのを助けながら、湿った環境を維持するのを助けることができる。
【0024】
第2のシール430は、口腔又は口の入口で再シール可能なシールを形成するように構成された湿分バリアであり得る。第2のシール430は、第2のガード410に接続され、第2のガード410から半径方向内側に延びて、中央経路418の入口を画定する複数のシール部分で構成され得る。例えば:上方シール部分432は、第2のガード410の上方部分から半径方向内側に延びることができ;下方シール部分434は、第2のガード410の側方下方部分から半径方向内側に延びることができ;下方シール部分436は、下方シール部分434の反対側の第2のガード410の側方下方部分から半径方向内側に延びることができる。上方シール部分432は、下方シール部分434及び436と接触することができ、下方シール部分434及び436は、すべて、中央経路418への開口部を画定することができる第2のシール430を形成するために、互いに接触することができる。
【0025】
上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436は、いずれも半剛性又は可撓性の材料(プラスチック又はゴムなど)で構成することができ、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436のそれぞれがガード410に対して動くことができ、そこを通りぬける湿分の移動に抵抗できるようになっている。また、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436は、第2のガード410に対する可撓性を向上させるために、比較的小さな厚さを有することができる。
【0026】
いくつかの例の動作において、気管内チューブ402を口腔ケアデバイス406に挿入することが望まれる場合、第1の部分424及び第2の部分426を、第1のシール428で分離することができる。下方シール部分434が第1の部分424に接続され、下方シール部分436が第2の部分426に接続されているので、下方シール部分434及び436は、それぞれ第1の部分424及び第2の部分426と一緒に移動して、下方シール部分434及び436の互いからの分離及び上方シール部分432からの分離を可能にし、中央経路418を開くことができる。中央経路418が開かれると、気管内チューブ402を方向Dに移動させて、第1の部分424と第2の部分426との間でシール430に挿入することができる。
【0027】
それらの可撓性の特性のために、第1の部分424及び第2の部分426が解放されると、第1の部分424及び第2の部分426は、シール428を再形成するために互いに接触するように戻ることができる。気管内チューブ402がシール430内に配置されると、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436は、図4Bに示すように、気管内チューブ402の形状に適合するように撓む及び/又は曲がることができ、口腔で気管内チューブ402の周囲に部分的にシール430を再形成することができる。これらの特徴及び機能は、気管内チューブ402が口腔ケアデバイス406を通って延びることを可能にする一方で、第2のガード410における湿分バリア又はシールを維持するのに役立ち得る。シール430は、シール428及び430に対する気管内チューブの再配置、及び挿管中の患者の口腔からの口腔ケアデバイスの除去を可能にするために、容易に解放可能及び再シール可能であり得る。
【0028】
いくつかの例では、第2のシール430は、第2のシールを介したいくらかの湿分の移動を可能にするために半透過性とすることができ、ここで、濡れている又は湿っているときの第2のシール430の蒸発率は、患者の口腔内の所望の湿分環境を維持するのに役立つように選択することができる。
【0029】
いくつかの例では、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436は、口腔での湿分シールの確立を助けるために互いに重なり合うことができる。いくつかの例では、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436はそれぞれ、患者の口腔でシールを形成するために、患者の口(唇など)に接触することができる。
【0030】
第1のシール428は、ガード410の下側にあるものとして示されているが、第1のシール428は、上方シール部分432、下方シール部分434、及び下方シール部分436の位置と同様に、任意の位置にあることができる。例えば、第1のシール428は、上方シール部分432及び下方シール部分434の境界と整列した第2のガードの側方側にあることができる。
【0031】
図5Aは、本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアデバイス506の前方からの図を示す。図5Bは、本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアデバイス506の上方からの図を示す。口腔ケアデバイス506は、気管内チューブを受け入れるために解放可能なツーピース湿分シールを含むことができる。上述及び後述の口腔ケアデバイスは、そのような湿分シールを含むように変更することができる。図5A及び5Bは以下、同時進行で考察される。
【0032】
口腔ケアデバイス506は、第1のガード508、第2のガード510、第1の延長部514、第2の延長部516、中央経路518、入口ポート520、及び出口ポート522を含むことができる。第1の延長部514及び第2の延長部516のそれぞれは、隆起542を含むことができる。シール530は、上方シール部分532及び下方シール部分534を含むことができる。同じく図5Aに示されているのは、気管内チューブ502と、向きの指標としての上方及び下方である。同じく図5Bに示されているのは、気管内チューブ502、入口チューブ538、出口チューブ540、及び向きの指標としての前方、側方、及び中央である。
【0033】
図5A及び5Bの口腔ケアデバイス506は、シール530が2つのシール部分(上方シール部分532及び下方シール部分534)のみを含むことができることを除いて、上述した図4A及び4Bの口腔ケアデバイス406と同様であり得る。上方シール部分532及び下方シール部分534は、第2のガード510に結合され、第2のガード510から半径方向内側に延びる可撓性部材であり得る。上方シール部分532及び下方シール部分534は可撓性であり、気管内チューブ502が中央経路に挿入されたときに、気管内チューブ502の周りにシールを形成するように構成され得る。
【0034】
図5Aの例では、第2のガード510は、外部シールなしで示されており、これにより、第2のガード510は相対的により剛性であることが可能になり得る。他の例では、第2のガード510は、いくつかの例の口腔ケアデバイス406と同様の外部シール又は第1のシールを含むことができ、ここで外部シールは、上方シール部分532及び下方シール部分534の継ぎ目又は当接部と整列している。しかしながら、気管内チューブは、ガード510を分離することなく、挿管に先立ってシール530を介して挿入することができるので、外部シールは必要ではない。図5Aは、ガード510を2つのシール部分(上方シール部分532及び下方シール部分534)のみを有するものとして示しているが、第2のガード510は、図4A及び4Bに示すように3つのシール部分を有することができ、また、4、5、6、7、8、9、又は10等など、より多くのシール部分を有することができる。
【0035】
図5Bは、中央経路518が、第1のガード510及び第2のガード508を通って、患者の気管に挿入するために患者の口腔内に延びることができる様子を示す。図5Bはまた、延長部514及び516の表面から延びることができる隆起542を示す。隆起542は、患者の歯列に係合して、歯列及び口腔に対するガードの移動を防止するのを助けるように構成することができ、これは、患者の口腔に対する潰瘍などの傷を軽減するのを助けることができる。
【0036】
図5Bはまた、入口チューブ538が入口ポート520に挿入可能となり得る方法を示し、同様に、出口チューブ540が出口ポート522に挿入可能となり得る方法を示す。入口ポート520及び出口ポート522は、それぞれ、入口チューブ538及び出口チューブ540との圧入係合を有することができる。他の例では、入口ポート520及び出口ポート522は、ねじ式、バーブ式、クランプ式、インターロック式(留め具式)、又はスリップ式(プッシュ式)等などの他の係合タイプとすることができる。
【0037】
動作中、入口チューブ538は、入口ポート520に送達するために、矢印Iで示される方向に液体(洗浄液など)を受け入れるように構成することができる。入口ポート520は、患者の口腔内に液体を分配するために、第1のガード508に接続することができる。分配は、(図6に関して後述するように)延長部514及び516のチャネル及びポートによって行うことができ、及び/又は、延長部514及び516(及び/又はガード508)が透過性材料(及び吸収性材料)で作られている場合には、延長部514及び516自体を介して行うことができる。いくつかの例では、第1の延長部514及び第2の延長部516は、患者の口腔内での使用に安全な吸収性又は超吸収性のポリマーで構成することができる。いくつかの例では、ガード508及び延長部は、スポンジ材料又はスポンジ様材料で構成することができる。
【0038】
ガード508及び/又は延長部514及び516を介した流体の分配に続いて、ガード508及び/又は延長部514及び516は、唾液及び/又は洗浄液を吸収することができ、これは、さらに後述されるように、液体を廃棄又は処理のための機械まで矢印Oで示される方向に移送するために、出口ポート522に、最終的には出口チューブ540に送達することができる。
【0039】
内部又は第1のガード508及び延長部514及び516が吸収性材料で作られている場合、それらは第2のガード510から分離可能であり、延長部514及び516(及びいくつかの例では第1のガード508)を医療スタッフが定期的に交換して、口腔内での細菌の成長を減らすのを助けることができる。いくつかの例では、これらの構成要素は、消毒又は滅菌後に再利用可能となり得る。また、内部又は第1のガード508及び延長部514及び516が吸収性材料で作られている場合、その材料は、潰瘍の発生を制限するのに役立つように、比較的柔らかく、患者の口腔に適合するように選択することができる。
【0040】
図6は、本開示の少なくとも1つの例による、口腔ケアデバイス606の上方からの図を示す。口腔ケアデバイス606は、流体を送達し、流体及び唾液を収集するためのガード内の供給チャネル及び戻りチャネルを含むことができ、これは、患者の口腔の細菌の成長を抑えるのに役立ち得る。上述及び後述の口腔ケアデバイスは、これらのチャネルを含むように変更することができる。
【0041】
口腔ケアデバイス606は、第1のガード608、第2のガード610、第1の延長部614、第2の延長部616、中央経路618、入口ポート620、出口ポート622、供給チャネル648、及び戻りチャネル650を含むことができる。供給チャネル648は、供給チャネルポート652を含むことができ、戻りチャネル650は、戻りチャネルポート654を含むことができる。また、図6には、気管内チューブ602、入口チューブ638、出口チューブ640、ポンプシステム646、及び向きの指標としての前方及び側方が示されている。
【0042】
供給チャネル648は、ガード608、第1の延長部614、及び第2の延長部616の中に延びる、流体を送るように構成されたチャネルであり得る。供給チャネル648は、供給チャネルポート652を含むことができ、これらはそれぞれ、供給チャネル648からガード608、第1の延長部614、又は第2の延長部616のいずれかの外面に延びることができる。例えば、供給チャネルポート652は、第2の延長部616内の供給チャネル648から第2の延長部616の上面まで延びて、口腔を供給チャネル648に流体的に接続することができる。
【0043】
同様に、戻りチャネル650は、ガード608、第1の延長部614、及び第2の延長部616の中に延びる、流体を送るように構成されたチャネルであり得る。戻りチャネル650は、戻りチャネルポート654を含むことができ、これらはそれぞれ、戻りチャネル650からガード608、第1の延長部614、又は第2の延長部616のいずれかの外面まで延びることができる。例えば、戻りチャネルポート654は、第1の延長部614内の戻りチャネル650から第1の延長部614の下面まで延びて、口腔を供給チャネル648に流体的に接続することができる。
【0044】
供給チャネル648、戻りチャネル650、及びそれらのポートは、流体が供給チャネル648から口腔内に分配されることを確実にするために、ガード608、第1の延長部614、及び第2の延長部616内で流体的に隔離することができ、これは供給チャネル648から戻りチャネル650への流体のバイパスを回避するのに役立つ。いくつかの例では、供給チャネルポート652及び戻りチャネルポート654は、ガード608、第1の延長部614、及び第2の延長部616の反対側の表面まで延在して、バイパスの低減をさらに助けることができる。
【0045】
ポンプシステム646は、第1のチューブ(入口チューブ638)から低圧且つ断続的な吸引を提供し、第2のチューブ(出口チューブ640)から正圧化された流体(洗浄液など)を提供するように構成された病室で一般的に採用されるシステムであり得る。
【0046】
いくつかの例の動作において、口腔ケアデバイス606は、1つ又は複数の湿分及び/又は流体シールを提供するために患者の口腔内に固定されることができる。気管内チューブ602は、上述したように、口腔ケアデバイス606の設置前又は設置後に、口腔ケアデバイスの中央経路618を介して挿入することができる。供給チューブ638は、入口又は供給ポート620に接続することができ、戻りチューブ640は、出口又は戻りポート622に接続することができる。
【0047】
次に、ポンプシステム646を、洗浄液などの流体を供給チューブ638に送達するように作動させることができ、供給チューブ638は、入口ポート620を通って、供給チャネル648まで移動することができる。供給チャネル648は、ガード608、第1の延長部614、及び第2の延長部616の全体に流体を分配することができ、流体は、供給チャネルポート652を介して口腔に分配されることができる。流体は、口腔の表面と相互作用して、細菌を死滅させ、細菌を溶解するか、又は別の方法で流体中に受け入れることができる。
【0048】
流体の送達中又は送達後に、ポンプシステム646は、出口チューブ640に吸引を供給して、戻りチャネル650、したがって戻りチャネルポート654内に比較的負圧を生じさせ、流体が口腔から戻りチャネルポート654に流入し、戻りチャネル650を通って、戻りチューブ640に流れるようにすることができる。口腔内の唾液は、同様の流路を辿ることができる。流体はそれと一緒に口腔内から細菌及び他の物質を取り去ることができ、これは、口及び呼吸器系(肺炎など)の感染を低減するのに役立ち得る。
【0049】
注記及び実施例
以下の非限定的な実施例は、特に、本明細書で考察される課題を解決し、利点を提供するために、本主題の特定の態様について詳述する。
【0050】
実施例1は、挿管の間に使用するための口腔ケアデバイスであって、患者の口腔内に挿入されるように構成された第1のガードであって、第1のガードを通って延びる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形され、中央経路は、その中に気管内チューブを受け入れるように構成されている第1のガードと;第1のガードからそれぞれ延び、共に患者の歯列に係合するように構成された第1の延長部及び第2の延長部と;患者の口腔の外側を取り囲み且つその外側に係合するように構成された第2のガードであって、第2のガードを通って延びる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形され、第2のガードは、口腔でシールを形成するように結合可能な第1の部分及び第2の部分であって、気管内チューブを中央経路に受け入れるために第2のガードを開くように再シール可能に分離するように構成された第1の部分及び第2の部分を備える第2のガードとを備える口腔ケアデバイスである。
【0051】
実施例2において、実施例1の主題は、第1のガードが、歯列の上方部分に係合するように構成された口腔内ガードを含む主題を任意選択的に含む。
実施例3において、実施例1~2のいずれか1つ又は複数の主題は、第1のガードを第2のガードに接続する中央導管を任意選択的に含み、中央経路は中央導管を通って延びる。
【0052】
実施例4において、実施例1~3のいずれか1つ又は複数の主題は、第2のガード内に位置し、第2のガードの第1の部分及び第2の部分に接続された第2のシールを任意選択的に含み、中央経路は第2のシールを通って延び、第2のシールは、口腔で第2のシールを形成するように結合可能な第1のシール部分及び第2のシール部分であって、気管内チューブを中央経路に受け入れるために第2のシールを開くように再シール可能に分離するように構成された第1のシール部分及び第2のシール部分を含む。
【0053】
実施例5において、実施例4の主題は、第2のシールが半透過性であることを任意選択的に含む。
実施例6において、実施例4~5のいずれか1つ又は複数の主題は、第2のシールが、口腔で第2のシールを形成するために第1のシール部分及び第2のシール部分に結合可能な第3のシール部分を含み、その結果、第1のシール部分は、気管内チューブを中央経路に受け入れるために第2のシールを開くように第2のシール部分から再シール可能に分離するように構成されることを任意選択的に含む。
【0054】
実施例7において、実施例1~6のいずれか1つ又は複数の主題は、第1の延長部及び第2の延長部内に延びる供給チャネルを任意選択的に含み、供給チャネルは、歯列に近接する口腔内に流体を送達するように構成される。
【0055】
実施例8において、実施例7の主題は、供給チャネルに接続され、第2のガードを通って延びる供給ポートを任意選択的に含み、供給ポートは流体供給部に結合可能である。
実施例9において、実施例8の主題は、第1の延長部及び第2の延長部内に延びる戻りチャネルであって、供給チャネルから流体的に分離され、口腔から流体を受け取るように構成された戻りチャネルと;戻りチャネルに接続され、第2のガードを通って延び、流体戻り部に結合可能である戻りポートとを任意選択に含む。
【0056】
実施例10において、実施例1~9のいずれか1つ又は複数の主題は、第2のガードの第1の部分及び第2の部分が、第2のガードの下方部分で分離可能である主題を任意選択的に含む。
【0057】
実施例11は、挿管デバイスとともに使用するように構成された口腔ケアデバイスであって、患者の口腔内に挿入されるように構成された第1のガードと;第1のガードから延び、患者の歯列に係合するように構成された延長部と;第1のガードによって少なくとも部分的に画定された中央経路であって、第1のガードを通って延び、その中にチューブを受け入れるように構成された中央経路と;患者の口腔の外側を少なくとも部分的に取り囲み且つその外側に係合し、口腔の外側でシールを形成するように構成された第2のガードであって、中央経路は第2のガードを通って延び、第2のガードは中央経路にチューブを受け入れるように分離可能である第2のガードと;延長部内に延びる供給チャネルであって、歯列に近接した口腔内に流体を送達するように構成された供給チャネルと;延長部内に延びる戻りチャネルであって、供給チャネルから分離され、口腔から流体を受け入れるように構成された戻りチャネルとを備える口腔ケアデバイスである。
【0058】
実施例12において、実施例11の主題は、第2のガードが、口腔でシールを形成するために結合可能であり、且つチューブを中央経路に受け入れるために第2のガードを開くように解放可能である第1の部分及び第2の部分を含む主題を任意選択的に含む。
【0059】
実施例13において、実施例11~12のいずれか1つ又は複数の主題は、第1のガードを第2のガードに接続する中央導管を任意選択的に含み、中央経路は中央導管を通って延びる。
【0060】
実施例14において、実施例11~13のいずれか1つ又は複数の主題は、供給チャネルに接続され、第2のガードを通って延び、流体供給部に結合可能な供給ポートと;戻りチャネルに接続され、第2のガードを通って延び、流体戻り部に結合可能な戻りポートとを任意選択的に含む。
【0061】
実施例15において、実施例11~14のいずれか1つ又は複数の主題は、第1のガードが、供給チャネルに接続され、供給チャネルから歯列に近接した口腔に流体を送達するように構成された複数の供給ポートを含む主題を任意選択的に含む。
【0062】
実施例16において、実施例15の主題は、第1のガードが、戻りチャネルに接続され、歯列に近接する口腔から流体を受け入れるように構成された複数の戻りポートを含む主題を任意選択的に含む。
【0063】
実施例17は、挿管の間に使用するための口腔ケアデバイスであって、患者の口腔内に挿入するように構成された第1のガードと;第1のガードからそれぞれ延び、共に患者の歯列に係合するように構成された第1の延長部及び第2の延長部と;第1のガードを通って延び、その中にチューブを受け入れるように構成された中央経路と;患者の口腔の外側を取り囲み、係合するように構成された第2のガードであって、中央経路は第2のガードを通って延び、第2のガードは、口腔でシールを形成するために結合可能であり、且つチューブを中央経路に受け入れるために第2のガードを開くように解放可能な第1の部分及び第2の部分を備える第2のガードと;第2のガード内に位置し、第2のガードの第1の部分及び第2の部分に接続された第2のシールであって、中央経路は第2のシールを通って延び、第2のシールは、口腔で第2のシールを形成するために結合可能な第1のシール部分及び第2のシール部分であって、チューブを中央経路に受け入れるために第2のシールを開くように再シール可能に分離するように構成された第1のシール部分及び第2のシール部分を含む第2のシールと;第1の延長部及び第2の延長部内に延び、歯列に近接した口腔内に流体を送達するように構成された供給チャネルと;第1の延長部及び第2の延長部内に延び、供給チャネルから流体的に分離され、口腔から流体を受け入れるように構成された戻りチャネルとを備える口腔ケアデバイスである。
【0064】
実施例18において、実施例17の主題は、供給チャネルに接続され、第2のガードを通って延び、流体供給部に結合可能な供給ポートと;戻りチャネルに接続され、第2のガードを通って延び、流体戻り部に結合可能な戻りポートとを任意選択的に含む。
【0065】
実施例19において、実施例17~18のいずれか1つ又は複数の主題は、第2のガードが、患者の口腔の外側で流体を保持するように構成されていることを任意選択的に含む。
【0066】
実施例20において、実施例17~19のいずれか1つ又は複数の主題は、第2のシールが、口腔で第2のシールを形成するために第1のシール部分及び第2のシール部分に結合可能な第3のシール部分であって、チューブを中央経路に受け入れるために第2のシールを開くように第1のシール部分及び第2のシール部分から再シール可能に分離するように構成された第3のシール部分を含むことを任意選択的に含む。
【0067】
実施例21は、挿管の間に使用するための口腔ケアデバイスであって、患者の口腔内に挿入されるように構成された第1のガードであって、第1のガードを通って延びる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形され、中央経路は、その中にチューブを受け入れるように構成されている第1のガードと;第1のガードからそれぞれ延び、共に患者の歯列に係合するように構成された第1の延長部及び第2の延長部と;患者の口腔の外側を取り囲み、係合するように構成された第2のガードであって、第2のガードを通って延びる中央経路を少なくとも部分的に画定するように成形され、第2のガードは、口腔でシールを形成するために結合可能な第1の部分及び第2の部分であって、チューブを中央経路に受け入れるために第2のガードを開くように再シール可能に分離するように構成された第1の部分及び第2の部分を備える第2のガードとを備える口腔ケアデバイスである。
【0068】
実施例22において、実施例21の主題は、第1のガードと第2のガードとの間に延び、中央経路を少なくとも部分的に形成するバイトブロックを任意選択的に含む。
実施例23において、実施例21~22のいずれか1つ又は複数の主題は、第1の延長部及び第2の延長部が吸収性材料で構成されていることを任意選択的に含む。
【0069】
実施例24において、実施例23の主題は、第1の延長部及び第2の延長部が高吸水性ポリマーで構成されていることを任意選択的に含む。
実施例25において、実施例1~24のいずれか1つ又はいずれかの組み合わせの装置又は方法は、任意選択的に、記載されているすべての要素又は選択肢が使用又は選択に利用可能であるように構成することができる。
【0070】
上記の発明を実施するための形態には、発明を実施するための形態の一部を形成する添付の図面への参照が含まれる。図面は、説明のために、本発明を実施することができる特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。このような例は、図示又は記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らは、図示又は記載された要素のみが提供される例も企図している。さらに、本発明者らは、特定の例(又はその1つ又は複数の態様)に関して、又は本明細書に図示又は記載された他の例(又はその1つ又は複数の態様)に関して、図示又は記載されたそれらの要素(又はその1つ又は複数の態様)の任意の組み合わせ又は置換を使用する例も企図している。
【0071】
本文書と、参照により組み込まれる文書との間で使用方法が一致しない場合、本文書における使用方法が支配する。
本文書中、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、特許文書で一般的なように、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」の他の事例又は使用とは無関係に、1つ又は1つより多い、を含むために使用される。本文書中、「又は」という用語は、他に指示がない限り、非排他的を指すために使用され、すなわち、「A又はB」は、「AであるがBでない」、「BであるがAでない」及び「A及びB」を含む。本文書中、「含む(including)」及び「そこで(in which)」という用語は、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語としての同等物として使用される。また、以下の請求項において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語はオープンエンドであり、すなわち、請求項においてそのような用語の後に列挙された要素に加えて、要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスが、なおもその請求項の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」、及び「第3」等の用語は、単にラベルとして使用され、その対象に数値的要求を課すことを意図していない。
【0072】
上の記載は、例示を目的としたものであり、制限的なものではない。例えば、上述した例(又はその1つ又は複数の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。他の実施形態は、上の記載を検討した上で、当業者によるなどして使用することができる。要約書は、読者が本技術開示の性質を迅速に確認できるように提供されている。これは、請求項の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されないことを理解した上で提出されている。また、上記の発明を実施するための形態において、本開示を合理化するために様々な特徴をグループ化している場合がある。これは、特許請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項に必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴未満のところにあるかもしれない。したがって、以下の請求項は、これによって例又は実施形態として発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は別個の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせ又は置換において互いに組み合わせることができることが企図されている。本発明の範囲は、添付の請求項を参照して、そのような請求項が権利を有する均等物の全範囲とともに決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】