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特表2022-540914無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法
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  • 特表-無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-20
(54)【発明の名称】無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20220912BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20220912BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220912BHJP
【FI】
G07F9/00 107A
E05B65/02 C
G07F9/00 110A
G06Q30/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502534
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2020093124
(87)【国際公開番号】W WO2021008246
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】201910639781.1
(32)【優先日】2019-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520194696
【氏名又は名称】合肥美的智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI MIDEA INTELLIGENT TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】2 Fioor,Building G2,Mingzhu Road 198,Hefei High-Tech Zone,Hefei,Anhui 230088,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】陶 ▲海▼金
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ 秀▲鳳▼
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA07
3E044DB02
3E044DD06
3E044FB04
5L049BB72
(57)【要約】
本開示は、無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法に関する。無人販売機器は、キャビネット本体(1)と、キャビネット本体(1)に設けられたドア本体(2)とを備え、キャビネット本体(1)とドア本体(2)との間に設けられ、ドア本体(2)を施錠し、且つ、電源切れ後にラッチが掛かるための電気プラグロック(3)と、ドア本体(2)の開閉を検出するためのドア開閉検出手段(4)と、電気プラグロック(3)とドア開閉検出手段(4)とにそれぞれ電気的に接続され、電源切れの場合における電源投入後に、ドア本体(2)の開閉を検出するようにドア開閉検出手段(4)を制御するための主制御板(5)と、をさらに備え、ドア開閉検出手段(4)は、ドア本体の開放を検出してドア本体の開放の信号を主制御板(5)に送信し、主制御板(5)は、電気プラグロック(3)がリセットされるように制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット本体と、前記キャビネット本体に設けられたドア本体とを備える無人販売機器であって、
前記キャビネット本体と前記ドア本体との間に設けられ、前記ドア本体を施錠し、且つ、電源切れ後にラッチが掛かるための電気プラグロックと、
前記ドア本体の開閉を検出するためのドア開閉検出手段と、
前記電気プラグロックと前記ドア開閉検出手段とに、それぞれ電気的に接続され、電源切れの場合における電源投入後に、前記ドア本体の開閉を検出するように前記ドア開閉検出手段を制御するための主制御板と、をさらに備え、
前記ドア開閉検出手段は、前記ドア本体の開放を検出して前記ドア本体の開放の信号を前記主制御板に送信し、前記主制御板は、前記電気プラグロックがリセットされるように制御することを特徴とする無人販売機器。
【請求項2】
前記電気プラグロックは、
前記キャビネット本体に設けられた第1のロック片と、
前記ドア本体に設けられ、前記第1のロック片に対向して設けられ、前記ドア本体の内部まで貫通したロック孔が形成された第2のロック片と、
前記第1のロック片に設けられ、前記ロック孔にフィットするボルトと、を有することを特徴とする請求項1に記載の無人販売機器。
【請求項3】
前記電気プラグロックは、
前記第1のロック片及び前記第2のロック片の一方に設けられた磁性部材と、
前記第1のロック片及び前記第2のロック片の他方に設けられた磁性感知部材と、をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の無人販売機器。
【請求項4】
前記ドア開閉検出手段は、近接スイッチ、赤外線感知センサ、又はドアマグネット感知センサを含むことを特徴とする請求項1に記載の無人販売機器。
【請求項5】
前記主制御板に電気的に接続されるアラームモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の無人販売機器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法であって、
前のユーザの決済情報を呼び出して、前記前のユーザの買い物が決済されていないと判断することと、
ドア本体が閉じられていないと判断することと、
電気プラグロックをリセットすることと、
前記ドア本体が閉じられたと判断し、決済及び料金の差し引きを完了することと、を含むことを特徴とする決済方法。
【請求項7】
前のユーザの買い物の決済が完了したと判断した場合、フローを終了することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前のユーザの買い物が決済されていないと判断し、且つ前記ドア本体が閉じられたと判断した場合、決済及び料金の差し引きを行うことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムがプロセッサにより実行されると、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を実現することを特徴とする非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
無人販売機器と、サーバと、ユーザの端末とを備え、前記サーバは、請求項6乃至8のいずれか1項に記載の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を実行することを特徴とする無人販売機器による自動販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年7月16日に提出された、出願番号が2019106397811であり、発明の名称が「無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体が参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、無人販売機器の技術分野に関し、特に、無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、市販されている一般的な電気プラグロックは、安全上の観点から、通常、電源切れ後に自動的にラッチが掛かる。この電気プラグロックを無人販売機器に使用する場合、ユーザが買い物をする時に電源切れが起こった場合、ドアは実際に開いているが、電気プラグロックは自動的にラッチが掛かる。この時、ドアは、閉じることができず、電源が投入されても閉じることができない。新型の無人販売機器は、携帯電話でコードをスキャンすることでドアが開けられて、ドアが閉じられると自動的に支払いを行うため、ドアが正常に閉じることができない場合、ユーザは正常な決済を完了できない。また、このようなドアが開いた状態で電気プラグロックはラッチが掛かったという問題に対して、現在、カスタマーサービスに手動で連絡して遠隔制御による解錠を行うことにより、一時的に解決することができるが、電源が切れて再起動した後は、錠のリセットを制御することができないため、このような電気プラグロックを使用する際の安全性やエクスペリエンスが大幅に低下していた。また、無人販売機器のシステムには電源オフメモリ機能がないため、電源投入後に、この前に電源切れが起こったか否かを検知することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、無人販売機器、自動販売システム、及び電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を提供し、従来技術において無人販売機器は電源切れ後に電気プラグロックは自動的にラッチが掛かり、ドアを閉めることができず、電源投入後においても電気プラグロックがリセットされないため、ユーザが正常な決済を行うことができないという課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示の第1の形態は、無人販売機器を提供し、当該無人販売機器は、キャビネット本体と、前記キャビネット本体に設けられたドア本体とを備え、前記キャビネット本体と前記ドア本体との間に設けられ、前記ドア本体を施錠し、且つ、電源切れ後にラッチが掛かるための電気プラグロックと、前記ドア本体の開閉を検出するためのドア開閉検出手段と、前記電気プラグロックと前記ドア開閉検出手段とに、それぞれ電気的に接続され、電源切れの場合における電源投入後に、前記ドア本体の開閉を検出するように前記ドア開閉検出手段を制御するための主制御板と、をさらに備え、前記ドア開閉検出手段は、前記ドア本体の開放を検出して前記ドア本体の開放の信号を前記主制御板に送信し、前記主制御板は、前記電気プラグロックがリセットされるように制御する。
【0006】
そのうち、前記電気プラグロックは、前記キャビネット本体に設けられた第1のロック片と、前記ドア本体に設けられ、前記第1のロック片に対向して設けられ、前記ドア本体の内部まで貫通したロック孔が形成された第2のロック片と、前記第1のロック片に設けられ、前記ロック孔にフィットするボルトとを有する。
【0007】
そのうち、前記電気プラグロックは、前記第1のロック片及び前記第2のロック片の一方に設けられた磁性部材と、前記第1のロック片及び前記第2のロック片の他方に設けられた磁性感知部材と、をさらに有する。
【0008】
そのうち、前記ドア開閉検出手段は、近接スイッチ、赤外線感知センサ、又はドアマグネット感知センサを含む。
【0009】
そのうち、前記無人販売機器は、前記主制御板に電気的に接続されるアラームモジュールをさらに備える。
【0010】
本願の第2の形態によれば、無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を提供し、当該方法は、前のユーザの決済情報を呼び出して、前記前のユーザの買い物が決済されていないと判断することと、ドア本体が閉じられていないと判断することと、電気プラグロックをリセットすることと、前記ドア本体が閉じられたと判断し、決済及び料金の差し引きを完了することと、を含む。
【0011】
そのうち、前のユーザの買い物の決済が完了したと判断した場合、フローを終了する。
【0012】
そのうち、前のユーザの買い物が決済されていないと判断し、且つ前記ドア本体が閉じられたと判断した場合、決済及び料金の差し引きを行う。
【0013】
本願の第3の形態によれば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記プログラムがプロセッサにより実行されると、上記の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を実現する。
【0014】
本願の第4の形態によれば、無人販売機器による自動販売システムを提供し、当該システムは、無人販売機器と、サーバと、ユーザの端末とを備え、前記サーバは、上記の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を実行する。
【発明の効果】
【0015】
本開示が提供する無人販売機器は、従来技術に比べて、次のような利点を有する。
無人販売機器における電力供給システムに異常な電源切れが起こった場合に、電気プラグロックは自動的にラッチが掛かるようになり、無人販売機器における電力供給装置に再度電源投入された後、まず、この主制御板により前のユーザの決済情報を呼び出して、前のユーザの買い物が決済されたか否かを判断する必要がある。前のユーザの買い物が決済されていない場合、ドア開閉検出手段によりドア本体が閉じられたか否かを判断する必要がある。ドア本体が閉じられていない場合、主制御板によりこの電気プラグロックをリセットし、つまり、この電気プラグロックを、現在のラッチが掛かった状態から初期のラッチが掛からなかった状態にリセットする必要がある。その後、再度、主制御板によりドア開閉検出手段がドア本体の閉じ状態を判断するように制御し、ドア本体が既に閉じられた状態であれば、決済及び料金の差し引きを行う。これにより、前のユーザの買い物が決済済みであることを示し、次のユーザの正常な買い物は開始可能となる。これで分かるように、本願の無人販売機器は、電力供給システムに電源切れが起こってから再度電源投入後に、電気プラグロックをリセットし、ドア本体を確実に改めて閉じて前のユーザの買い物の決済を完了することを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本願の実施形態に係る無人販売機器の全体構成を示す模式図である。
図2図2は、本願の実施形態に係る無人販売機器の主制御板、電気プラグロック、ドア開閉検出装置、及びアラームモジュールの接続ブロック図である。
図3図3は、本願の実施形態に係る無人販売機器の電源切れ後の電源投入の場合における決済方法のフロー模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施形態を参照して本開示の実施形態を更に詳細に説明する。以下の実施形態は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0018】
本開示の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取付」「互いに接続」、「接続」の用語の意味は、広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、或いは一体的な接続でも可能であり、機械的な接続や、電気的な接続も可能であり、直接接続することや、中間媒体を介して互いに間接接続すること、2つの部材の内部の連通も可能である。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本開示での具体的な意味を理解することができる。
【0019】
図1及び図2に示すように、キャビネット本体1と、ドア本体2と、電気プラグロック3と、ドア開閉検出手段4と、主制御板5とを備える該無人販売機器を模式的に示している。
【0020】
本願の実施形態では、該無人販売機器は、キャビネット本体1と、キャビネット本体1に設けられたドア本体2とを備える。このうち、ドア本体2は、該キャビネット本体1に枢着可能に設けられており、該キャビネット本体1を開閉するためのものである。
【0021】
当該電気プラグロック3は、当該キャビネット本体1と当該ドア本体2との間に設けられ、ドア本体2に対する施錠をするためのものであって、電源切れ後にラッチが掛かる。
【0022】
ドア開閉検出手段4は、ドア本体2の開閉を検出するためのものである。なお、このドア開閉検出手段4は、キャビネット本体1に取り付けてもよいし、ドア本体2に取り付けてもよい。
【0023】
当該主制御板5は、当該電気プラグロック3と当該ドア開閉検出手段4とにそれぞれ電気的に接続されており、電源切れの場合に電源投入後に当該ドア本体2の開閉を検出するようにドア開閉検出手段4を制御するためのものである。当該ドア開閉検出手段4は、当該ドア本体2の開放を検出してドア本体2の開放の信号を主制御板5に送信し、当該主制御板5は、当該電気プラグロック3がリセットされるように制御する。具体的には、無人販売機器における電力供給システムに異常な電源切れが起こった場合に、電気プラグロック3は自動的にラッチが掛かるようになり、無人販売機器における電力供給装置に再度電源が投入された後、まず、この主制御板5により前のユーザの決済情報を呼び出して、前のユーザの買い物が決済されたか否かを判断する必要がある。前のユーザの買い物が決済されていない場合、ドア開閉検出手段4によりドア本体2が閉じられたか否かを判断する必要がある。ドア本体2が閉じられていない場合、主制御板5によりこの電気プラグロック3をリセットし、つまり、この電気プラグロック3を、現在のラッチが掛かった状態から初期のラッチが掛からなっかた状態にリセットする必要がある。その後、再度、主制御板5によりドア開閉検出手段4がドア本体2の閉じ状態を判断するように制御し、ドア本体2が既に閉じられた状態であれば、決済及び料金の差し引きを行う。これにより、前のユーザの買い物が決済済みであることを示し、次のユーザの正常な買い物は開始可能となる。これで分かるように、本願の無人販売機器は、電力供給システムに電源切れが起こってから再度電源投入後に、電気プラグロック3をリセットし、ドア本体2を確実に改めて閉じて前のユーザの買い物の決済を完了することを確保することができる。また、本願では、ドア開閉検出手段4は、ドア本体2の開閉状態を検出することに用いられ、電気プラグロック3とは別個に構成されているので、汎用性が高い。
【0024】
主制御板5を用いて電気プラグロック3をリセットすることにより、遠隔制御が不要となり、遠隔強制解錠によって電気プラグロック3が制御不能となる事態も回避される。
【0025】
また、本願は、ドア開閉検出手段4を併せて、主制御板5により前のユーザの決済及び料金の差し引き情報を呼び出すようにしており、主制御板5による制御により、電源切れ後の自動解錠ードア閉ーラッチの掛かりなどの一連の動作を実現し、事業者の損失を効果的に回避することができる。
【0026】
なお、図1に示す矢印の方向がドア開けの側である。
【0027】
図1及び図2に示すように、本願の一つの好ましい実施形態において、この電気プラグロック3は、キャビネット本体1にネジ又はリベットにより固定可能な第1のロック片31を有する。
【0028】
第2のロック片32は、このドア本体2に設けられ、この第1のロック片31と対向して設けられ、この第2のロック片32には、このドア本体2の内部まで貫通するロック孔321が形成されている。
【0029】
ボルト33は、第1のロック片31に設けられ、このロック孔321にフィットされている。具体的には、ドア本体2が正常に閉じられる時に、電気プラグロック3は自動的にラッチが掛かり、ボルト33はロック孔321内に挿入される。この時、非正常な操作の場合に、ドア本体2が開けられなくなる。このように、無人販売機器内の商品が紛失することを回避している。
【0030】
理解できるように、このボルト33は、ロック孔321と上下に対向するように設けられており、このようにして、電気プラグロック3は、ラッチが掛かる場合に、ボルト33がロック孔321内に円滑に挿入可能であることを確保できる。
【0031】
なお、無人販売機器における電力供給システムに異常な電源切れが起こった場合、例えば、ユーザがコードをスキャンしてドア本体2を開けた後、買い物をしている途中において、突然、電力供給システムに異常な電源切れが起こった場合、そのとき電気プラグロック3は自動的にラッチが掛かり、すなわち、ボルト33が突出し、その際、ボルト33は、ドア本体2の閉鎖に干渉し、ドア本体2の閉鎖を阻止する。ドア本体2は、ボルト33の阻止の作用の下でスムーズに閉じることができなくなる。このとき、ボルト33が初期の状態にリセットされ、つまり、ボルト33がキャビネット本体1の内部に引っ込められるように、主制御板5により電気プラグロック3をリセットする必要がある。このとき、ドア本体2はスムーズに閉じることができ、ユーザはスムーズに決済及び料金の差し引きを完了することができる。
【0032】
本願の実施形態では、この無人販売機器は、無人商品販売キャビネット、無人コールド飲料販売キャビネット、無人フルーツ販売キャビネットなどであってもよい。
【0033】
本願の一つの好ましい実施形態では、該第1のロック片31及び第2のロック片32は、好ましくアルミニウム材製である。
【0034】
なお、この第1のロック片31及び第2のロック片32は、ドア本体2のドア開けの側、ドア本体2の頂端又は底端に取り付けることができ、すなわち、ドア本体2の閉鎖、及びボルト33のロック孔321内への円滑な挿入を満足できる限り、この第1のロック片31及び第2のロック片32の具体的な取付位置は限定されない。
【0035】
なお、ボルト33がロック孔321に円滑に挿入されることを容易にするためには、このロック孔321のサイズはこのボルト33の輪郭のサイズよりも僅かに大きくてもよく、好ましくは、このロック孔321のサイズはボルト33の輪郭のサイズよりも1cm~2cm大きくてもよい。
【0036】
本願の他の実施形態では、該無人販売機器は、自動閉鎖装置7をさらに備える。この自動閉鎖装置7は、ドア本体2に設けられた第1の取付座と、この第1の取付座に連結された第1のリンクと、第1のリンクに枢着された第2のリンクと、キャビネット本体1に設けられ、この第2のリンクに連結された第2の取付座とを有する。なお、この自動閉鎖装置7は、一般的に、ドア本体2の角箇所に設けられており、ドア本体2を自動的に閉めるためのものである。ユーザがコードをスキャンしてドア本体2を開けた後、ドア本体2を開いた状態にするには、ある程度の力が必要である。人が離れると、自動閉鎖装置7は、ブロックされない場合に自動的にドア本体2を閉めることで、人がドアを閉めるのを忘れてしまったことに起因する料金差し引きエラーが効果的に回避される。
【0037】
図1に示すように、本願の一つの好ましい実施形態では、該電気プラグロック3は、第1のロック片31及び第2のロック片32の一方に設けられた磁性部材34と、第1のロック片31及び第2のロック片32の他方に設けられた磁気感知部材35とをさらに有する。具体的には、磁気感知部材35が磁気部材34からの磁気信号を感知したと、電気プラグロック3は自動的にラッチが掛かり、すなわち、ボルト33はロック孔321内に挿入される。なお、磁気感知部材35と磁性部材34とが徐々に接近してくると、磁気感知部材35は磁性部材34の磁気信号を感知でき、逆に、磁気感知部材35と磁性部材34とが徐々に離間していくと、磁気感知部材35が感知した磁性部材34の磁気信号は徐々に弱くなり、ひいては消える。このとき、電気プラグロック3は、ラッチが掛からなかったリセット状態にあり、ドア本体2を開けることができる。
【0038】
具体的な一実施形態では、該磁気部材34は、磁石であることが好ましく、該磁気感知部材35は、ホール素子であることが好ましい。
【0039】
図1に示すように、本願の他の好ましい実施形態では、該ドア開閉検出手段は、近接スイッチ、赤外線感知センサ、又はドアマグネット感知センサを含む。具体的には、近接スイッチは、トラベルスイッチやタッチスイッチと呼ばれてもよく、ドア本体2が開閉される際、それぞれ2つの信号が発せられる。
【0040】
赤外線感知センサは、ドア本体2とキャビネット本体1の対応する位置に送信モジュールと受信モジュールがそれぞれ設置され、ドア本体2がある程度の距離だけキャビネット本体1に近接する場合、受信モジュールは、送信モジュールによって送信された信号を検出して、ドア本体2に閉じ信号を与える。逆に、ドア本体2に開け信号を与える。
【0041】
ドアマグネット感知センサの動作原理は以下の通りである。ドアマグネットは、ドア、窓又は引き出しなどの部品が不正に開けられたり動いたりしたか否かを検知するために使用されるものであり、無線送信モジュールと磁気ブロックの2つの部分から構成され、無線送信モジュールには「スチールリードパイプ」式の素子が配置されており、磁気ブロックとスチールリードパイプとの距離が1.5cm(通常の距離、調節可能)に保持されると、スチールリードパイプは開状態になり、磁気ブロックとスチールリードパイプの距離が1.5cmを超えると、スチールリードスイッチ は閉状態になる。
【0042】
図2に示すように、本願のある一つの好ましい実施形態において、該無人販売機器は、アラームモジュール6をさらに備え、このアラームモジュール6が主制御板5に電気的に接続されている。具体的には、アラームモジュール6は、無人販売機器の電力供給システムに電源切れが起こった場合に、ドア開閉検出手段4の検出結果及びアラーム情報をスタッフに送信し、スタッフに注意を払うように促すことにより、電力供給システムに電源切れが起こった場合に、ドア本体2を正常に閉めることができる状態に短時間で復帰させることを確保でき、ユーザの買い物が完了した後に、正常な決済及び料金の差し引きを行うことを確保できる。
【0043】
図3に示すように、本願の第2の態様によれば、無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法をさらに提供し、当該方法は、
前のユーザの決済情報を呼び出して、前記前のユーザの買い物が決済されていないと判断するステップ1と、
ドア本体2が閉じられていないと判断するステップ2と、
電気プラグロック3をリセットするステップ3と、
ドア本体2が閉じられたと判断して決済及び料金の差し引きを完了するステップ4と、を含む。
【0044】
本願の他の好ましい実施形態では、前のユーザの買い物の決済が完了したと判断した場合、フローを終了する。
【0045】
本願の一つの好ましい実施形態では、前のユーザの買い物が決済されていないと判断し、且つドア本体2が閉じられたと判断した場合、決済及び料金の差し引きを行う。
【0046】
具体的には、無人販売機器における電力供給システムに異常な電源切れが起こった場合に、電気プラグロック3は自動的にラッチが掛かるようになり、無人販売機器における電力供給装置に再度電源が投入された後、まず、この主制御板5により前のユーザの決済情報を呼び出して、前のユーザの買い物が決済されたか否かを判断する必要がある。前のユーザの買い物が決済されていない場合、ドア開閉検出手段4によりドア本体2が閉じられたか否かを判断する必要がある。ドア本体2が閉じられていない場合、主制御板5によりこの電気プラグロック3をリセットし、つまり、この電気プラグロック3を、現在のラッチが掛かった状態から初期のラッチが掛からなかった状態にリセットする必要がある。その後、再度、主制御板5によりドア本体2の閉じ状態を判断し、ドア本体2が既に閉じられた状態であれば、決済及び料金の差し引きを行う。これにより、前のユーザの買い物が決済済みであることを示し、次のユーザの正常な買い物は開始可能となる。これで分かるように、本願の無人販売機器は、電力供給システムに電源切れが起こってから再度電源投入後に、電気プラグロック3をリセットし、ドア本体2を確実に改めて閉じて前のユーザの買い物の決済を完了することを確保することができる。
【0047】
上記ステップのうち、ステップ1の目的は、前のユーザの買い物の過程中に異常な中断があったか否かを検知することであり、もし異常な中断があった場合に、電源切れ後に電気プラグロック3は自動的ラッチが掛かるため、電気プラグロック3はラッチが掛かったが、ドア本体2が閉じられていない可能性が非常に高い。この際、さらにドア開閉検出手段4によりドア本体2の開閉状態を確認する必要がある。
【0048】
ステップ2~ステップ4において、ドア本体2が閉じられていないことがドア開閉検出手段4により検出されると、このとき電気プラグロック3は既にラッチが掛かったので、主制御パネル5により電気プラグロック3を1回リセットし、すなわち、ロックを1回解除する必要があり、このとき、買い物を正常に行うことができるようになり、ユーザが買い物後にドアを閉めると、自動的に決済が行われる。
【0049】
さらに、ステップ4では、リマインダ機能を追加してもよい。これにより、電源切れによる決済異常があったため、決済されるようにすぐにドアを閉め、買い物を希望する場合、ドアを閉めて改めてコードをスキャンしてドアを開けて買い物を行うことを、ユーザにリマインダ又は警告することができる。これにより、現在のユーザと電源切れ前のユーザが同一の人ではないことによる料金の差し引きの誤りを回避する。
【0050】
なお、ステップ1の前に、ユーザが買い物をしている時に、無人販売機器内の電力供給システムに電源切れが起こった後、無人販売機器内の電力供給システムが再起動されると、該電力供給システムは、信号を主制御板5に送信し、主制御板5は、該信号を受信したと、ステップ1~4の動作を実行し始める。
【0051】
本願の第3形態によれば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供し、当該非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶され、前記プログラムがプロセッサにより実行されると、上記の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を実現する。
【0052】
本願の第4形態によれば、無人販売機器による自動販売システムを提供し、当該システムは、無人販売機器と、サーバと、ユーザの端末とを備え、前記サーバは、上記の無人販売機器による電源切れ後の電源投入の場合における決済方法を実行する。
【0053】
以上により、無人販売機器における電力供給システムに異常な電源切れが起こった場合に、電気プラグロック3が自動的にラッチが掛かるようになり、無人販売機器における電力供給装置に再度電源投入された後、まず、この主制御板5により前のユーザの決済情報を呼び出して、前のユーザの買い物が決済されたか否かを判断する必要がある。前のユーザの買い物が決済されていない場合、ドア開閉検出手段4によりドア本体2が閉じられたか否かを判断する必要がある。ドア本体2が閉じられていない場合、主制御板5によりこの電気プラグロック3をリセットし、つまり、この電気プラグロック3を現在のラッチが掛かった状態から初期のラッチが掛からなかった状態にリセットする必要がある。その後、再度、主制御板5によりドア開閉検出手段4がドア本体2の閉じ状態を判断するように制御し、ドア本体2が既に閉じられた状態であれば、決済及び料金の差し引きを行う。これにより、前のユーザの買い物が決済済みであることを示し、次のユーザの正常な買い物は開始可能となる。これで分かるように、本願の無人販売機器は、電力供給システムに電源切れが起こってから再度電源投入後に、電気プラグロック3をリセットし、ドア本体2を確実に改めて閉じて前のユーザの買い物の決済を完了することを確保することができる。また、本願では、ドア開閉検出手段4は、ドア本体2の開閉状態を検出することに用いられ、電気プラグロック3とは別個に構成されているので、汎用性が高い。
【0054】
主制御板5を用いて電気プラグロック3をリセットすることにより、遠隔制御が不要となり、遠隔強制解錠によって電気プラグロック3が制御不能となる事態も回避される。
【0055】
また、本願は、ドア開閉検出手段4を併せて、主制御板5により前のユーザの決済及び料金の差し引き情報を呼び出すようにしており、主制御板5による制御により、電源切れ後の自動解錠―ドア閉―ラッチの掛かりなどの一連の動作を実現し、事業者の損失を効果的に回避することができる。
【0056】
上記の説明は、本開示の好適な実施形態に過ぎず、本開示を限定するためのものではない。本開示の趣旨及び原則の範囲内で行われた様々な修正、等価的な置き換え、改良は、いずれも本開示の請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0057】
1…キャビネット本体、2…ドア本体、3…電気プラグロック、31…第1のロック片、32…第2のロック片、321…ロック孔、33…ボルト、34…磁気部材、35…磁気感知部材、4…ドア開閉検出手段、5…主制御板、6…アラームモジュール、7…自動閉鎖装置。
図1
図2
図3
【国際調査報告】