(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-27
(54)【発明の名称】火事安全性が優秀なバスバー
(51)【国際特許分類】
H01M 50/505 20210101AFI20221020BHJP
H01M 50/503 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/595 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/522 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/524 20210101ALI20221020BHJP
H01M 50/526 20210101ALI20221020BHJP
【FI】
H01M50/505
H01M50/503
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/591
H01M50/595
H01M50/522
H01M50/524
H01M50/526
H01M50/591 101
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022513378
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 KR2021003674
(87)【国際公開番号】W WO2021230489
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0058253
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワン、スン-タク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウォン-テ
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA04
5H043AA11
5H043AA13
5H043AA15
5H043BA19
5H043CA05
5H043CA22
5H043FA04
5H043GA23
5H043GA25
5H043GA26
5H043GA27
5H043HA07F
5H043HA22F
5H043JA06F
5H043JA11F
5H043JA12F
5H043JA16F
5H043JA17F
5H043JA21F
5H043KA08F
5H043KA09F
5H043KA11F
5H043KA13F
5H043KA14F
5H043KA22F
5H043KA41F
5H043LA02F
5H043LA21F
5H043LA22F
(57)【要約】
本発明によるバスバーは、電気伝導性の金属素材から形成された金属バーと、金属バーの両端部を除いた残りの部分の周りを囲むバンデージ部材と、金属バーとバンデージ部材とを共に囲む絶縁性チューブと、を含み、バンデージ部材は、表面が絶縁性と耐火性を備える物質でコーティング処理された金属ワイヤとして設けられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気伝導性金属素材から形成された金属バーと、
前記金属バーの両端部を除いた残りの部分の周りを囲むバンデージ部材と、
前記金属バーと前記バンデージ部材を共に囲む絶縁性チューブと、を含み、
前記バンデージ部材は、
表面が絶縁性と耐火性を備えるコーティング物質でコーティング処理された金属ワイヤとして設けられる、バスバー。
【請求項2】
前記コーティング物質が、マイカ、シリカ及びセラミックのうちいずれか一つの物質である、請求項1に記載のバスバー。
【請求項3】
前記金属ワイヤは、環状の金属帯の形態で複数個が備えられる、請求項1または2に記載のバスバー。
【請求項4】
複数個の前記環状の金属帯が、前記金属バーの長手方向に沿って一定の間隔で配置される、請求項3に記載のバスバー。
【請求項5】
前記環状の金属帯が、前記金属バーの周りを囲んだ状態で前記金属バーに圧着固定された、請求項3または4に記載のバスバー。
【請求項6】
前記バンデージ部材によって囲まれた前記金属バーの表面に耐火性素材で設けられた防火テープがさらに付着されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項7】
前記金属ワイヤは、ヘリカル構造で前記金属バーの長手方向に沿って前記金属バーの周りに巻回された、請求項1から6のいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項8】
前記絶縁性チューブが、透明なシリコーン材質で設けられた、請求項1から7のいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項9】
前記金属バーが、0.1~0.3mmの厚さを有する金属板を積層して柔軟性を有するように設けられる、請求項1から8のいずれか一項に記載のバスバー。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のバスバーを含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーに関し、より詳しくは、バッテリーモジュール/パックの大電流通電のためのバスバーとして、火事安全性に優れた被覆構造を備えるバスバーに関する。
【0002】
本出願は、2020年5月15日出願の韓国特許出願第10-2020-0058253号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
現在、商用化した二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系のバッテリーに比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由で、自己放電率が非常に低くてエネルギー密度が高いという長所から脚光を浴びている。
【0004】
最近は、携帯型電子機器のような小型装置のみならず、自動車や電力貯蔵装置(ESS)のような中・大型装置にも二次電池が広く用いられている。例えば、電気自動車に用いられる場合、エネルギー容量及び出力を高めるために複数の二次電池が電気的に接続しているバッテリーモジュールと、このようなバッテリーモジュールを複数接続してバッテリーパックを構成する。
【0005】
一方、バッテリーモジュールの電気的接続手段としては、バスバーが広く使用されているが、ケーブルに比べて相対的に小さい太さでも大電流を安定的に流すことができ、大電流の通電手段として有用に使用されている。
【0006】
バスバーは、電気伝導率の良い銅やアルミニウムのような金属バーの形態で提供され得、安全のためにターミナルに接続する金属バーの両端部を除いた残りの部分をチューブや射出物で被覆することもある。
【0007】
バスバーは、剛性バスバー(Rigid busbar)とフレキシブルバスバー(Flexible busbar)に分けられ得る。特に、フレキシブルバスバー1は、
図1のように、必要な部分を曲げるか、またはツイストすることで所望の形状にすることができ、振動軸が異なるか、または経路が複雑な箇所に置かれたバッテリーモジュールを連結するときに有用である。
【0008】
一方、フレキシブルバスバー1は、柔軟性があって変形が容易であるが、バッテリーパックの内部発火時、例えば、
図2のように絶縁チューブ2が消失して反り、金属バー3の中央部分が周辺の金属物体4に接触して短絡が発生し得るという問題点を有する。
【0009】
そこで、火事時、バスバーにおいて絶縁チューブが消失しても金属バーの部分が周辺金属物体に直接接触しないようにする方案が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、火事時にバスバーの外装被覆材が消失しても金属バーが周辺の金属物体に直接接触しないことで短絡が誘発されないように構成されたバスバーを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施例によってより明らかに理解されるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組合せによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一面によると、電気伝導性金属素材から形成された金属バーと、金属バーの両端部を除いた残りの部分の周りを囲むバンデージ部材と、金属バーとバンデージ部材を共に囲む絶縁性チューブと、を含むバスバーが提供され得る。
【0013】
バンデージ部材は、表面が絶縁性と耐火性を備えるコーティング物質でコーティング処理された金属ワイヤの形態で設けられ得る。
【0014】
コーティング物質は、マイカ、シリカ及びセラミックのうちいずれか一つの物質であり得る。
【0015】
金属ワイヤは、環状の金属帯の形態で複数個が備えられ得る。
【0016】
複数個の環状の金属帯は、金属バーの長手方向に沿って一定の間隔ごとに配置され得る。
【0017】
環状の金属帯は、金属バーの周りを囲んだ状態で金属バーに圧着固定され得る。
【0018】
バンデージ部材によって囲まれた金属バーの表面に耐火性素材で設けられた防火テープがさらに付着され得る。
【0019】
金属ワイヤは、ヘリカル構造で金属バーの長手方向に沿って金属バーの周りに巻回されるように構成され得る。
【0020】
絶縁チューブは、透明なシリコーン材質で設けられ得る。
【0021】
金属バーは、0.1~0.3mmの厚さを有する金属板を積層して柔軟性を有するように設けられ得る。
【0022】
本発明の他の様態によると、前述したバスバーを含むバッテリーパックが提供され得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるバスバーは、火事時にバスバーの外装被覆材が消失しても金属バーが周辺の金属物体に直接接触しないように構成されているため、短絡の発生を防止することができる。
【0024】
因みに、本発明によるバスバーは、外装被覆材の内部の金属バーが耐火性物質でコーティングされた金属ワイヤによって巻回されていることから、バッテリーパック内部における発火時に外装被覆材が消失しても金属ワイヤが残っていることで、金属バーが反っても金属バーの表面が周辺の金属物体に直接接触しないようになり、短絡の発生を防止することができる。
【0025】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は請求範囲の記載から当業者により明らかに理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来技術によるフレキシブルバスバーの概略的な斜視図である。
【
図2】
図1のフレキシブルバスバーの絶縁チューブが発火によって消失してバスバーが周辺の金属物体に直接接触して短絡が発生する例を示した参考図である。
【
図3】本発明の第1実施例によるバスバーの斜視図である。
【
図4】
図3のI-I'によるバスバーの断面図である。
【
図5】本発明の第1実施例によるバスバーの製作工程を説明するための図である。
【
図7】
図1の比較図であって、本発明の第1実施例によるバスバーの絶縁性チューブが完全に消失した後のバスバーと周辺金属物体との接触状態を示した図である。
【
図8】本発明の第2実施例によるバスバーを示すための図である。
【
図9】本発明の第3実施例によるバスバーを示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0028】
本発明の実施形態は、通常の技術者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、図面における構成要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張または省略されるか、概略的に示されることがある。したがって、各構成要素の大きさや割合は、実際の大きさや割合を完全に反映することではない。
【0029】
図3は、本発明の第1実施例によるバスバー100の斜視図であり、
図4は、
図3のI-I'によるバスバー100の断面図である。
【0030】
図3及び
図4を参照すると、本発明の一実施例によるバスバー100は、電気伝導性の金属素材から形成される金属バー10と、金属バー10の両端部を除いた残りの部分が外部に露出しないように被覆する絶縁性チューブ20と、絶縁チューブ20の内部で金属バー10の周りを囲むように設けられたバンデージ部材30Aと、を含む。
【0031】
金属バー10は、通電電流の大きさによって厚さと幅が決定され得、設置場所または設置条件によって長さが多様に製作され得る。金属バー10は、複数枚の金属薄板を積層したものであり得る。例えば、金属バー10は、約0.1~0.3mmの銅板を積層し、その両端部を一体に溶接することでツイストやベンディング可能な、柔軟な構造で設けられ得る。
【0032】
金属バー10の両端部のうち一端部は、いずれか一つのバッテリーモジュールの(+)端子に接続し、他端部は、他のバッテリーモジュールの(-)端子に接続し得る。例えば、バッテリーモジュールの端子は、ボルト型で構成されて金属バー10の両端部に備えられているホールHに挿入された後、ナットで締められて接続部位が堅固に固定され得る。
【0033】
絶縁チューブ20は、金属バー10の外装被覆材としてシリコーンまたはゴム弾性を有する高分子素材から製作され得、金属バー10とバンデージ部材30Aを共に囲むように金属バー10に被せられ得る。
【0034】
本実施例の絶縁チューブ20は、透明シリコーンから製作され得る。透明シリコーン素材の絶縁性チューブ20は、その内部の金属バー10とバンデージ部材30Aとの束ねられた状態をいつでも確認可能な利点がある。
【0035】
図4を参照すると、バンデージ部材30Aは、絶縁性チューブ20の内側で金属バー10の周りを囲んでいる構成要素として表面が電気絶縁性と耐火性を備えたコーティング物質31でコーティング処理された金属ワイヤで構成され得る。
【0036】
火事時の絶縁性チューブ20が溶けて完全に消失してもバンデージ部材30Aは金属ワイヤからなることから、金属バー10を囲んでいる形態のまま残る。これによって、火事時に絶縁性チューブ20が消失して金属バー10の中央部分が露出してもバンデージ部材30Aが金属バー10を囲みながら支持する構造はそのまま維持されることによって、金属バー10が周辺の金属構造物4に向かって反っても金属バー10の表面が周辺の金属構造物4に直接接触しないようになる。この際、バンデージ部材30Aが周辺の金属構造物4に接触するとしても、バンデージ部材30Aは絶縁性と耐火性の物質でコーティング処理されているため、電流が通じなくなり、短絡が起こらない。
【0037】
絶縁性と耐火性を備えたコーティング物質31としては、マイカ(mica)、シリカ(silica)及びセラミック(ceramic)のうち少なくともいずれか一つの物質が採用され得る。勿論、マイカ、シリカ、セラミックのうちいずれか一つの物質を必ず金属ワイヤのコーティング物質31として使用しなくてもよい。即ち、本明細書に例示したコーティング物質31の他にも電気絶縁性と、耐火、耐熱特性が優秀な物質であれば、如何なる物質でも金属ワイヤのコーティングに使用可能である。
【0038】
本実施例によるバンデージ部材30Aを具体的に説明すると、バンデージ部材30Aを構成する金属ワイヤは、環状の金属帯状で複数個が備えられ得る。
【0039】
図5の(a)に示したように、環状の金属帯は、複数個であり、金属バー10の長手方向に沿って一定の間隔ごとに配置され得る。このように環状の金属帯を金属バー10の長手方向に沿って一定の間隔ごとに配置すると、金属バー10を曲げて形状を変形することが容易になる。例えば、フレキシブルバスバー100において、絶縁チューブ20のように長い長さのチューブ形態でバンデージ部材30Aを構成する場合、金属バー10の領域のほとんどがバンデージ部材30Aによって占められ、金属バー10の曲げまたはツイストが困難になり得る。
【0040】
しかし、本実施例のようにバンデージ部材30Aを複数個の金属帯状に製作し、これらを金属バー10の長手方向に沿って一定の間隔ごとに配置した構成によると、金属帯が囲んでいない金属バー10の領域は、いくらでも曲げやツイストが可能である。
【0041】
本実施例のバスバー100の製作工程を簡略に説明すると、
図5の(a)に示したように、環状の金属帯を一つずつ締まりばめ方式で金属バー10に装着する。または、直線状の金属帯を金属バー10の周りに巻回し、金属帯の両端部を溶接することで環状にして金属バー10に固定する方式を使ってもよい。
【0042】
このような方式で環状の金属帯を金属バー10に装着し、環状の金属帯が金属バー10の周りを囲んだ状態になると、クリンチングツールを用いて環状の金属帯を金属バー10に圧着固定する工程を行って、金属帯と金属バー10との結束力を強化させることができる。
【0043】
その後、
図5の(b)のように絶縁性チューブ20を金属バー10とバンデージ部材30Aの外側に被せて金属バー10の両端部を除いた残りの部分を遮蔽することでバスバー100の電気的安全性を確保する。
【0044】
このような本発明の実施例によるバスバー100は、
図6に示したように、絶縁チューブ20の内部に金属ワイヤが介在されるため、既存のバスバー100に比べて被覆部位の厚さがより厚く形成され得る。
【0045】
以上のように本実施例によるバスバー100の構成によると、例えば、一端部は、いずれか一つのバッテリーモジュールの(+)端子に固定されるように接続し、他端部は、他のバッテリーモジュールの(-)端子に固定されるように接続するパターンで、複数個のバッテリーモジュールを直列で接続するのに使用され得る。
【0046】
特に、バスバー100は、複数個のバッテリーモジュールが収納されているバッテリーパックの内部に火事が発生したとき、絶縁チューブ20が完全に溶けて消失し、バスバー100の形状が変形されて反っても金属バー10と周辺の金属物体とが直接接触することが発生しない。
【0047】
例えば、
図7に示したように、バスバー100の絶縁性チューブ20が消失してもバンデージ部材30Aは消失することなく金属バー10に結束した状態で残る。この際、バンデージ部材30Aが金属バー10と周辺の金属構造物4とが接触しないように金属バー10を支持することで短絡が防止され得る。
【0048】
図8は、本発明の第2実施例によるバスバー200を示した図であり、
図9は、本発明の第3実施例によるバスバー300を示す図である。
【0049】
続いて、
図8及び
図9を参照して本発明の他の実施例を説明する。
【0050】
以前の図面と同じ部材番号は同じ部材を示し、同じ部材についての重複説明は省略し、前述した実施例との差異を中心にして説明する。
【0051】
本発明の第2実施例によるバスバー200は、バンデージ部材30Bを構成する金属ワイヤがヘリカル構造またはコイルスプリング構造からなるという点が、前述した第1実施例との相違点であり、残りの構成は同一である。
【0052】
具体的には、
図8の(a)に示したように、第2実施例のバスバー200は、バンデージ部材30Bを形成するヘリカル構造の金属ワイヤが金属バー10の長手方向に沿って金属バー10の周りを囲むように設けられ得る。そして、
図8の(b)のように、絶縁性チューブ20を金属バー10とバンデージ部材30Bの外側に被せて金属バー10の両端部を除いた残りの部分を遮蔽することでバスバー200の電気的安全性を確保することができる。
【0053】
特に、ヘリカル構造の金属ワイヤは、金属バー10を挿入する前の直径が金属バー10の幅Dよりも小さく設けられ得る。金属バー10の幅よりも小さい初期直径を有するヘリカル構造の金属ワイヤに金属バー10を挿入することで金属バー10がバンデージ部材30Bによって押圧されるようにし得る。この場合、追加工程を行うことなく金属バー10とバンデージ部材30Bとの結束力を充分に確保できる。即ち、バンデージ部材30Bは、接着、溶接、圧着などの追加工程を行わなくても金属バー10と堅固に結束できる。
【0054】
以下、セラミックコーティングしたヘリカル構造の金属ワイヤから構成されたバンデージ部材30Bの製作工程を簡略に説明する。
【0055】
先ず、純粋な金属のみからなるヘリカル構造(またはスプリング構造)の金属ワイヤを準備する。その後、レベリング(leveling)作業によってヘリカル構造(またはスプリング構造)の金属ワイヤを一直線に変形する。それから、セラミックを溶融噴射して金属ワイヤの表面に被覆する。または、他のコーティング方法として、釉薬を塗った後に熱処理するか、または化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法 (PVD)などの方法を用いてもよい。その後、セラミックコーティングされた金属ワイヤに熱を加えてヘリカル構造(またはスプリング構造)の金属ワイヤタイプに変形することで第2実施例によるバンデージ部材30Bが提供され得る。
【0056】
本発明の第3実施例によるバスバー300は、前述した実施例と比較すると、 防火テープ40をさらに含んでいるといえる。
【0057】
具体的には、
図9を参照すると、第3実施例によるバスバー300は、金属バー10の表面に防火テープ40が付着され、金属バー10と防火テープ40が一体でバンデージ部材30Aによって囲まれ、その外側に絶縁性チューブ20が被せられた構造を有する。
【0058】
防火テープ40(fire resistive tape)は、火事時に消失されないように少なくとも600℃以上の耐火特性と電気絶縁性を有するテープであって、火事時に絶縁性チューブ20が消失されても金属バー10が露出しないように金属バー10を保護する役割を果たす構成要素である。
【0059】
例えば、防火テープ40としては、耐火、耐熱特性が優秀なマイカテープが使用され得る。勿論、マイカテープの他にも電気絶縁性と、耐火、耐熱特性が優秀なテープであれば、如何なるものを使用してもよい。
【0060】
防火テープ40は、金属バー10に絶縁性チューブ20を被せる前に金属バー10に付着され、この際、付着が容易になるように一面に接着成分を有する防火テープ40が望ましい。しかし、防火テープ40は、第1実施例のバンデージ部材30Aや第2実施例バンデージ部材30Bによって金属バー10に固定可能であるため、一面に接着成分がなくても差し支えない。
【0061】
このような第3実施例のバスバー300は、前述した実施例よりも電気絶縁性の面でもさらに安全なバスバー300であるといえる。即ち、セラミックコーティングの場合、コーティング力が強くて剥がれにくいが、強い衝撃を受けると、コーティングが割れることがある。この場合、第1実施例のバスバー100や第2実施例のバスバー200は、火事時に金属ワイヤが金属バー10を囲んでいるため、金属バー10が周辺の金属構造物4に直接接触しないとしても金属ワイヤに電流が流れることがあり、短絡が発生する可能性が全くないといえない。しかし、第3実施例のバスバー300は、セラミックコーティングが割れても防火テープ40によって電気絶縁性が確保され、これによって上述したような状況で短絡が発生しない。
【0062】
上述した説明のような構成と作用をする本発明によるバスバーによると、火事時に外装被覆材が消失しても金属バー10が周辺の金属構造物4に直接接触することが防止でき、これによって短絡が誘発されない。したがって、二次火事事故への拡散を予防することができる。
【0063】
一方、本発明によるバッテリーパックは、上述したバスバー100を少なくとも一つ含んで構成され得る。バッテリーパックは、バスバー100の他にもバスバー100によって電気的に接続するバッテリーモジュールを含めてバッテリーモジュールの充放電を制御するための各種装置、例えば、BMS、電流センサー、ヒューズなどをさらに含み得る。
【0064】
バッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用可能である。勿論、バッテリーパックは、電力貯蔵装置またはその他のIT製品群などにも適用可能である。
【0065】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は、特許請求範囲記載の範囲内に含まれる。
【0066】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【国際調査報告】