(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-15
(54)【発明の名称】内部係合トランスミッション機構
(51)【国際特許分類】
F16H 1/32 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
F16H1/32 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515961
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2022-05-10
(86)【国際出願番号】 IB2020058403
(87)【国際公開番号】W WO2021048775
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】201910866259.7
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010095862.2
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020176163.6
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518127842
【氏名又は名称】ニンボー エイチエス-パワー ドライブ テクノロジー コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NINGBO HS-POWER DRIVE TECHNOLOGY CO. LTD
【住所又は居所原語表記】Building 6, No. 518, Xinmei Road High Tech Zone Ningbo, Zhejiang 315048 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】ファン、 ゼェンフー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ユハオ
【テーマコード(参考)】
3J027
【Fターム(参考)】
3J027FA37
3J027GC03
3J027GC23
3J027GC26
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
(57)【要約】
外側ホイールと内側ホイールを含む内部係合トランスミッション機構を開示する。外側ホイールは外側ホイール内歯を有し、外側ホイール内歯先と外側ホイール内歯腰部を備える。内側ホイールには内側ホイール外歯が設けられており、内側ホイール外歯先と内側ホイール外歯腰部を備える。内側ホイールおよび外側ホイールは、内側ホイール外歯腰部および外側ホイール内歯腰部を通る内部係合トランスミッションを形成する。外側ホイール内歯腰部と内側ホイール外歯腰部は同形状で一致した曲面である。内側ホイール外歯腰部と外側ホイール内歯腰部は面接触係合を形成し、内側ホイールが回転すると内側ホイール外歯腰部と外側ホイール内歯腰部の接触面積は徐々に最大値まで増加し、その後徐々に減少する。内部係合トランスミッション機構は内側ホイールと外側ホイールとの係合時の応力集中を低減し、歯の耐用年数を改善できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部係合トランスミッション機構(100)であって、
外側ホイール(102)と内側ホイールとを備え、
第1の数の外側ホイール内歯(300)が前記外側ホイール(102)の内縁に設けられ、
前記外側ホイール内歯(300)のそれぞれは、外側ホイール内歯頂部(302)と、前記外側ホイール内歯頂部(302)に関して対称な外側ホイール内歯腰部(302)とを備え、
前記外側ホイール内歯腰部のそれぞれは係合部分を備え、
第2の数の内側ホイール外歯(400)が前記内側ホイールの外縁に設けられ、
前記内側ホイール外歯(400)のそれぞれは、内側ホイール外歯頂部(400)と、前記内側ホイール外歯頂部(402)に関して対称な内側ホイール外歯腰部とを備え、
前記内側ホイール外歯腰部のそれぞれは係合部分を備え、
前記第1の数は前記第2の数よりも大きく、
前記内側ホイールは前記外側ホイール(102)の内側に配置され、前記外側ホイール(102)に対して偏心回転し、前記内側ホイールおよび前記外側ホイール(102)は、前記内側ホイール外歯腰部の係合部分と前記外側ホイール内歯腰部の係合部分との係合を介して、内側係合トランスミッションを形成し、
前記外側ホイール内歯腰部の係合部分および前記内側ホイール外歯腰部の係合部分は同じ形状を有し、重なり合う湾曲面であり、前記外側ホイール内歯腰部および前記内側ホイール外歯腰部は前記外側ホイール(102)および前記内側ホイールが係合トランスミッション状態にあるときに、前記内側ホイール外歯(400)内の少なくとも1つの内側ホイール外歯(400)が前記外側ホイール内歯(300)と係合することができ、前記外側ホイール内歯(300)と係合する前記内側ホイール外歯(400)の各々について、前記内側ホイールが偏心回転するときに、前記内側ホイール外歯腰部の少なくとも1つが前記外側ホイール内歯腰部と表面接触係合を形成し得るように設計された、内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項2】
前記内側ホイールが偏心回転するとき、前記内側ホイール外歯腰部が前記外側ホイール内歯腰部と接触して形成される接触面積は可変である、請求項1に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項3】
前記内側ホイールが偏心回転するとき、前記内側ホイール外歯腰部が前記外側ホイール内歯腰部と接触して形成される接触面積は徐々に増加し、その後、前記内側ホイール外歯腰部と前記外側ホイール内歯腰部とが互いに分離する程度に徐々に減少する、請求項2に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項4】
前記外側ホイール内歯腰部および前記内側ホイール外歯腰部は、前記外側ホイール内歯(300)に係合された前記内側ホイール外歯(400)のそれぞれに対して、前記内側ホイール外歯(400)の2つの内側ホイール外歯腰部の両方が前記外側ホイール内歯(300)の前記外側ホイール内歯腰部に係合され、前記係合が表面接触係合されるように設計されている、請求項3に記載の内側係合トランスミッション機構(100)。
【請求項5】
前記外側ホイール内歯腰部および前記内側ホイール外歯腰部は、前記外側ホイール内歯(300)に係合する前記内側ホイール外歯(400)のそれぞれに対して、前記内側ホイール外歯腰部の係合部分および前記外側ホイール内歯腰部の係合部分が部分係合状態および完全係合状態となるように設計され、
内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分とが部分係合状態にあるとき、内側ホイール外歯腰部の係合部分の一部は、外側ホイール内歯腰部の係合部分の一部と表面接触係合を形成することができ、
内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分とが完全係合状態にあるとき、外側ホイール内歯腰部の係合部分は、内側ホイール外歯腰部の係合部分と最大接触面積を有することができ、
内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分とが係合または係合解除し始めるとき、内側ホイール外歯腰部および外側ホイール内歯腰部は部分係合状態にある、請求項4に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項6】
内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分とが完全係合状態に係合し始めると、内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分との接触面積が徐々に増加し、内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分とが完全係合状態から離脱すると、内側ホイール外歯腰部の係合部分と外側ホイール内歯腰部の係合部分との接触面積が徐々に減少する、請求項5に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項7】
前記内側ホイール外歯の頂部(402)の2つの側面の前記内側ホイール外歯腰部の係合部分は、内側ホイール外歯の中心線(Y)に対して対称に配置され、
外側ホイール内歯(300)の外側ホイール内歯腰部の係合部分および隣接する外側ホイール内歯(300)の外側ホイール内歯腰部の係合部分は、外側ホイール内歯の中心線(X)に対して対称に配置されており、内側ホイールが外側ホイール(102)に係合し、かつ内側ホイール外歯の中心線(Y)が外側ホイール内歯の中心線(X)に一致したとき、内側ホイール外歯(400)と外側ホイール内歯(300)とが完全係合状態となる、請求項6に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項8】
前記外側ホイール内歯(300)および前記内側ホイール外歯(400)は全て平歯車であり、前記内側ホイールおよび前記外側ホイール(102)の半径方向断面において、前記外側ホイール内歯腰部および前記内側ホイール外歯腰部は連続的且つ滑らかな曲線であり、前記外側ホイール内歯腰部の係合部分の曲線の方向は前記外側ホイール内歯(300)の外側に向かって突出し、前記内側ホイール外歯腰部凹部の係合部分の曲線の方向は前記内側ホイール外歯(400)の内側に向かって突出する、請求項6に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項9】
前記第1の数と前記第2の数との差異が1である、請求項1に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項10】
前記内側ホイール外歯腰部の係合部分と前記外側ホイール内歯腰部の係合部分とが完全係合状態にあるとき、前記外側ホイール内歯(300)と前記内側ホイール外歯(400)との横断面において、前記内側ホイール外歯腰部の係合部分と前記外側ホイール内歯腰部の係合部分との接触線の長さが、前記内側ホイール外歯腰部の長さの1%よりも大きい、請求項7に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【請求項11】
前記内側ホイールと前記外側ホイール(102)の半径方向断面において、内側ホイール外歯腰部と外側ホイール内歯腰部の係合部分の曲線はインボリュートではない、請求項8に記載の内部係合トランスミッション機構(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願はトランスミッション機構に関し、特に、内部係合トランスミッション機構に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の内部係合トランスミッション機構は、主に遊星歯車トランスミッション、ハーモニックトランスミッション、サイクロイドピンホイールトランスミッションなどを有する。遊星歯車トランスミッション装置は、主にインボリュート歯車の係合を用いている。外側ホイール内歯と内側ホイール外歯との歯数の差が大きい場合には干渉を回避することができ、単段変速比が低い。ハーモニックトランスミッションではインボリュート歯車の係合も使用する。これにより、1歯差または2歯差の係合を達成できるが、内側ホイールの外歯として軟性歯車を使用する必要がある。上記の干渉の問題は、内側ホイール外歯の変形を通じてのみ解決できる。軟性歯車は、負荷支持力が小さく、耐衝撃性が低いため、ハーモニックトランスミッションは広く使用されにくい。サイクロイドトランスミッションは、主に内側ホイールにサイクロイド歯車を用いている。サイクロイド歯車上のサイクロイド輪郭と外側ホイール上のローラピンとの係合を介して、1歯の差異に対する内部係合を達成することができるが、サイクロイド歯車とローラピンとの間の摩擦はローラピンのそれぞれに滑りスリーブベアリングを設ける手段によってのみ低減することができる。上記のすべてのトランスミッションにおける歯形の係合は、線接触係合である。係合時には、歯面接触応力が大きく、歯面の摩耗や離脱を起こしやすく、また、耐荷重能の低い歯面となる。
【発明の概要】
【0003】
本出願は、外側ホイールおよび内側ホイールを含む、内部係合トランスミッション機構を提供する。第1の数の外側ホイール内歯が、外側ホイールの内縁に設けられている。外側ホイール内歯の各々は、外側ホイール内歯頂部と、外側ホイール内歯頂部に対して対称な外側ホイール内歯腰部(waist)とを備える。外側ホイール内歯腰部の各々は係合部分を含む。第2の数の内側ホイール外歯が内側ホイールの外縁に設けられている。内側ホイール外歯の各々は、内側ホイール外歯頂部と、内側ホイール外歯頂部に対して対称な内側ホイール外歯腰部とを備える。内側ホイール外歯腰部の各々は係合部分を含み、第1の数は第2の数よりも大きい。内側ホイールは外側ホイールの内側に配置され、外側ホイールに対して偏心的に回転する。内側ホイールおよび外側ホイールは、内側ホイール外歯腰部の係合部と外側ホイール内歯腰部の係合部との係合を介して内部係合トランスミッションを形成している。外側ホイール内歯腰部の係合部および内側ホイール外歯腰部の係合部は同じ形状を有し、重なり合う湾曲面であり、外側ホイール内歯腰部および内側ホイール外歯腰部は外側ホイールおよび内側ホイールが係合トランスミッション状態にあるときに、内側ホイール外歯の少なくとも1つの内側ホイール外歯が外側ホイール内歯と係合することができ、外側ホイール内歯と係合する内側ホイール外歯の各々について、内側ホイールが偏心して回転するときに、内側ホイール外歯腰部の少なくとも1つが外側ホイール内歯腰部と表面接触係合を形成することができるように設計される。
【0004】
本出願は歯の新規な係合、すなわち、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との間の表面接触係合を提供する。表面接触係合は伝統的なインボリュート係合とは全く異なり、1歯差トランスミッションを達成でき、単段トランスミッション速度比は高い。内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との係合は面接触係合であるので、内部係合トランスミッション機構は円滑なトランスミッション、低ノイズ、小さな歯面応力、長い耐用年数および良好な耐衝撃性を達成できる。
【0005】
本出願の他の特徴、利点、および実施形態は、以下の特定の実施形態、添付の図面、および特許請求の範囲を考慮することによって、詳細に説明され得るか、または明らかになり得る。さらに、概要および以下の特定の実施形態はすべて例示的であり、さらなる説明を提供することを意図しているが、本出願の保護の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。しかしながら、特定の実施形態および特定の例は、本出願の好ましい実施形態を示すに過ぎない。当業者には、本出願の精神および範囲内の様々な変形および修正が特定の実施形態によって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本出願の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによって、より良く理解され得る。添付のすべての図面において、同一の参照符号は、図において同一の部分を表す。
図1Aは、本願の一実施形態に係る内部係合トランスミッション機構の部分断面模式図である。
図1Bは、
図1Aに示す内部係合トランスミッション機構の軸方向断面の概略図である。
図2は、
図1Aに示す外側ホイールと内側ホイールとの係合の概略図である。
図3は、
図2に示す外側ホイールの構造概略図である。
図4は、
図2に示す内側ホイールの構造概略図である。
図5Aは、外側ホイール内歯と内側ホイール外歯が非噛合状態にある模式図である。
図5B~5Dは、係合中に外側ホイール内歯および内側ホイール外歯が部分的に係合された状態にある概略図を示す。
図5Eは、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯が完全に噛み合った状態の模式図である。
図5F~5Hは、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯とが係合解除中に部分的に係合した状態にある概略図を示す。
図5Iは、外側ホイール内歯および内側ホイール外歯が非係合状態にある概略図を示す。
図6Aは、
図2に示した外側ホイールおよび内側ホイールの第1の具体的な製品例の拡大図である。
図6Bは、
図2に示した外側ホイールおよび内側ホイールの第2の具体的な製品例の拡大図である。
図6Cは
図2に示す外側ホイールおよび内側ホイールの第3の具体的な製品例の拡大図であり、
図6Dは、
図2に示す外側ホイールおよび内側ホイールの第4の具体的な製品例の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本出願の特定の実施形態は、この説明の一部を構成する添付の図面を参照して以下に説明される。「左」、「右」、「内側」、および「外側」などの向きを示す用語は本出願において様々な例示的な構造部分および要素を説明するために本出願で使用されるが、これらの用語は単に説明を容易にするために本明細書で使用され、添付の図面に示される例示的な向きに基づいて決定されることを理解されたい。本願に開示される実施形態は異なる方向に配置することができるので、方向を示すこれらの用語は例示的なものにすぎず、限定と見なされるべきではない。以下の添付図面において、同一の構成要素には同一の参照番号を使用し、類似の構成要素には類似の参照番号を使用する。
【0008】
本出願で使用される「第1」および「第2」などの序数は、区別および識別のためにのみ使用され、他の意味を有さない。特に明記しない限り、順序番号は、特定の順序を示すものでもなく、特定の関連性を有するものでもない。例えば、「第1のフランジ」という用語自体は「第2のフランジ」の存在を意味するものではなく、「第2のフランジ」という用語自体は「第1のフランジ」の存在を意味するものではない。
【0009】
図1Aは、本願の実施形態に係る内部係合トランスミッション機構100の部分断面模式図であり、
図1Bは
図1Aに示す内部係合トランスミッション機構100の軸方向断面の模式図であり、内部係合トランスミッション機構100における部品の具体的な構造を示す。
図1A-1Bに示すように、内部係合トランスミッション機構100は、外側ホイール102と、遊星キャリア101と、並べて配置された4つの内側ホイール121、122、123、124と、偏心軸112とを備える。遊星キャリア101には、四つの内側ホイール121,122,123,124が並んで配置され、かつ偏心軸112が全て外側ホイール102の内側に配置されている。
【0010】
具体的には、偏心軸112は、中心軸Xを有する中空軸である。偏心軸112の外周には4つの偏心部132、134、136、138が設けられている。前記偏心部132および前記偏心部138は同一の偏心方向を有する一群の偏心部であり、前記偏心部134および前記偏心部136は同一の偏心方向を有する別の一群の偏心部であり、前記2群の偏心部の偏心方向の差は180°である。4つの内側ホイール121、122、123、124はそれぞれ、偏心軸112の4つの偏心部分132、134、136、138にシースされて、平行に配置された4つの内側ホイールを形成し、4つの内側ホイール121、122、123、124が中心軸Xに対して平行移動できるようにする。
【0011】
4つの内側ホイール121、122、123、124の外縁には、外側ホイール102の内縁に設けられた外側ホイール内歯と係合する内側ホイール外歯が設けられている。偏心軸112が4つの内側ホイール121、122、123、124を駆動して並進運動させ、外側ホイール102が固定されると、内側ホイール121、122、123、124が並進運動しながら回転するように、内側ホイール外歯が外側ホイール102の外側ホイール内歯に係合する。このようにして、内側ホイール121、122、123、124は偏心して回転する(すなわち、並進運動しながら回転する)ことができる。換言すれば、内側ホイール121、122、123、124が偏心して回転すると、内側ホイール121、122、123、124の中心軸(図示せず)は中心軸Xを中心として回転することができる。
【0012】
遊星キャリア101は、第1のフランジ104と、第2のフランジ106と、連結部品109と、伝達部品108とを備える。4つの内側ホイール121、122、123、124は、遊星キャリア101によって支持され、遊星キャリア101内にクランプされる。第1のフランジ104および第2のフランジ106は、それぞれ、内側ホイール121、122、123、124の2つの側面に配置されている。第1のフランジ104および第2のフランジ106は、連結部品109を介して互いに堅固に連結され、第1のフランジ104と第2のフランジ106との間に4つの内側ホイール121、122、123、124を保持する。伝達部品108は、4つの内側ホイール121、122、123、124の穴を通過させて、第1のフランジ104を第2のフランジ106と接続する。伝達部品108は、内側ホイール121、122、123、124の運動を第1のフランジ104および第2のフランジ106に伝達して、第1のフランジ104および第2のフランジ106を回転駆動することができる。第1のフランジ104および第2のフランジ106はベアリングを介して外側ホイール102に取り付けられているので、伝達部品108は第1のフランジ104および第2のフランジ106を、第1のフランジ104および第2のフランジ106を平行移動させるのではなく、中心軸Xを中心として回転させるように駆動することに留意されたい。
【0013】
本出願の内部係合トランスミッション機構100は加速または減速(すなわち、速度減少または速度増加)の目的を達成することができる。減速を達成する必要があるとき、4つの内側ホイール121、122、123、124は高速で移動し、外側ホイール102または遊星キャリア101は低速で移動する。外側ホイール102がトルク出力部品として機能する場合(すなわち、被駆動部品に接続される)、遊星キャリア101は必ず固定される。遊星キャリア101がトルク出力部品として働くとき、外側ホイール102は必ず固定される。速度増加を達成する必要があるとき、外側ホイール102または遊星キャリア101は低速で移動し、4つの内側ホイール121、122、123、124はトルク出力成分として高速で移動する。説明を容易にするために、4つの内側ホイール121、122、123、124が高速で移動し、外側ホイール102が固定され、遊星キャリア101がトルク出力部品として低速で移動する例を以下に説明する。動力トランスミッション関係は、実質的に以下のように記述される:
【0014】
トランスミッション機構100の偏心軸112は、図示しない駆動機構に連結されている。駆動機構は偏心軸112を回転駆動する。外側ホイール102は固定されており、外側ホイール102の外側ホイール内歯と内側ホイール121、122、123、124の内側ホイール外歯との係合関係により、偏心軸112の回転により、その上にシースされた内側ホイール121、122、123、124を駆動して平行移動して回転することができる。伝達部品108は内側ホイール121、122、123、124の回転およびトルクを第1のフランジ104および第2のフランジ106に伝達し、第1のフランジ104および第2のフランジ106を駆動して回転させる。第1のフランジ104および第2のフランジ106は速度変化およびトルク出力を実施するために、図示しない被駆動装置に接続される。
【0015】
4つの内側ホイール121、122、123、124は同様の構造を有するので、内側ホイール121を例にとり、内側ホイール121の内側ホイール外歯と外側ホイール102の外側ホイール内歯との間の構造関係を以下に説明する。
【0016】
図2は、
図1Aに示す外側ホイール102と内側ホイール121との係合の概略図である。
図2に示すように、外側ホイール102は中心軸Oを有しており、中心軸Oは偏心軸112の中心軸Xと同軸に配置されている。内側ホイール121は、外側ホイール102内に偏心して配置される。具体的には、内側ホイール121が中心軸N1を有する。中心軸N1は、外側ホイール102の中心軸Oと平行に配置され、その間の距離はeである。偏心率eはゼロよりも大きい(破線のボックスAの拡大図を参照)。外側ホイール102の内縁には、第1の数の外側ホイール内歯300が設けられている。内側ホイール121の外縁には、第2の数の内側ホイール外歯400が設けられている。第1の数は、第2の数よりも大きい。
【0017】
図3は、
図2に示す外側ホイール102の構造概略図である。
図3に示すように、外側ホイール102は平歯車である。第1の数の外側ホイール内歯300は、外側ホイール102の内縁の周囲に配置されている。
【0018】
各外側ホイール内歯300は、同様の構造を有している。2つの隣接する外側ホイール内歯300は、外側ホイール内歯ベース322を介して互いに接続されている。
外側ホイール内歯300の各々は、外側ホイール内歯頂部302と、2つの外側ホイール内歯腰部314、316とを備える。外側ホイール102の半径方向断面において、外側ホイール内歯頂部302は滑らかな曲線または直線である。2つの外側ホイール内歯腰部314、316は、それぞれ、外側ホイール内歯頂部302の2つの側面に配置されている。2つの外側ホイール内歯腰部314、316は外側ホイール内歯頂部302に対して対称的に配置されており、完全に対称的で同一である。具体的には外側ホイール内歯腰部314が外側ホイール内歯頂部302の左側に位置し、外側ホイール内歯腰部316は外側ホイール内歯頂部302の右側に位置する。
【0019】
左側の外側ホイール内歯腰部314に対して、外側ホイール内歯腰部314は係合部分336(すなわち、係合部336)、遷移部分332、および遷移部分334を備える。係合部分336は、係合中に内側ホイール外歯400との表面接触を形成することができる。遷移部分332は、係合部分336が外側ホイール内歯ベース322に接続されるように構成される。遷移部分334は、係合部分336が外側ホイール内歯頂部302に接続されるように構成される。外側ホイール102の半径方向断面において、遷移部分332および遷移部分334は滑らかな曲線または直線であり、係合部分336は滑らかな曲線であり、係合部分336の曲線の方向は歯の外側に向かって突出する。換言すれば、係合部分336の曲線方向は、外側ホイール102の中心軸Oに向かって突出する。外側ホイール内歯腰部314は、外側ホイール102が内側ホイール121と係合すると、遷移部分332および遷移部分334が内側ホイール121と接触しないように構成される。
【0020】
同様に、右側の外側ホイール内歯腰部316に対して、外側ホイール内歯腰部316は係合部分346(すなわち、係合部346)、遷移部分342、および遷移部分344を備える。係合部分346は、係合中に内側ホイール外歯400との表面接触を形成することができる。遷移部分342は、係合部分346が外側ホイール内歯ベース322に接続されるように構成される。遷移部分344は、係合部分346が外側ホイール内歯頂部302に接続されるように構成される。外側ホイール102の半径方向断面において、遷移部分342および遷移部分344は滑らかな曲線または直線であり、係合部分346は滑らかな曲線であり、係合部分346の曲線の方向は歯の外側に向かって突出する。換言すれば、係合部分346の曲線方向は、外側ホイール102の中心軸Oに向かって突出する。外側ホイール内歯腰部316は、外側ホイール102が内側ホイール121と係合すると、遷移部分342および遷移部分344が内側ホイール121と接触しないように構成される。
【0021】
凹部355が、隣接する外側ホイール内歯300と、内側ホイール外歯400を受け入れる外側ホイール内歯300との間に形成される。より具体的には、凹部355は、外側ホイール内歯腰部316、外側ホイール内歯300の外側ホイール内歯底部322および隣接する外側ホイール内歯300の外側ホイール内歯腰部314によって形成される。凹部355の2辺にある外側ホイール内歯腰部316と外側ホイール内歯腰部314は、外側ホイール内歯の中心線Xに対して対称である。各凹部355の外側ホイール内歯の中心線Xは、外側ホイール102の中心軸Oと凹部355を形成する外側ホイール内歯ベース322の中間点とを通過する。外側ホイール内歯300と内側ホイール外歯400との係合関係を以下に具体的に示す。
【0022】
図4は、
図2に示す内側ホイール121の構造概略図である。
図4に示すように、内側ホイール121も平歯車である。第2の数の内側ホイール外歯400が、内側ホイール121の外縁の周りに設けられている。
【0023】
各内側ホイール外歯400は、同じ構造を有している。2つの隣接する内側ホイール外歯400は、内側ホイール外歯ベース422を介して互いに接続されている。
内側ホイール外歯400の各々は、内側ホイール外歯頂部402と、2つの内側ホイール外歯腰部414、416とを備える。内側ホイール121の半径方向断面において、内側ホイール外歯頂部402は滑らかな曲面または直線である。2つの内側ホイール外歯腰部414、416は、それぞれ、内側ホイール外歯頂部402の2つの側面に配置されている。2つの内側ホイール外歯腰部414、416は、内側ホイール外歯頂部402に対して対称的に配置され、完全に対称的で同一である。具体的には内側ホイール外歯腰部414が内側ホイール外歯頂部402の左側に位置し、内側ホイール外歯腰部416は内側ホイール外歯頂部402の右側に位置する。
【0024】
左側の内側ホイール外歯腰部414に対して、内側ホイール外歯腰部414は係合部分436(すなわち、係合部436)、遷移部分432、および遷移部分434を備える。係合部分436は、係合中に外側ホイール内歯300との表面接触を形成することができる。遷移部分432は、係合部分436が内側ホイール外歯ベース422に接続されるように構成される。遷移部分434は、係合部分436が内側ホイール外歯頂部402に接続されるように構成される。外側ホイール102の半径方向断面において、遷移部分432および遷移部分434は滑らかな曲線または直線であり、係合部分436は滑らかな曲線であり、係合部分436の曲線の方向は歯の内側に向かって凹んでいる。換言すれば、係合部分436の曲線の方向は、内側ホイール121の中心軸N1に向かって凹んでいる。また、係合部分436の曲面の形状は係合部分346の曲面の形状と同じであり、これと一致する。換言すれば、係合部分436の曲面の形状は、係合部分346の曲面の形状と相補的であり得る。内側ホイール外歯腰部414は、外側ホイール102が内側ホイール121と係合すると、遷移部分432および遷移部分434が外側ホイール102と接触しないように構成される。
【0025】
同様に、右側の内側ホイール外歯腰部416について、内側ホイール外歯腰部416は係合部分446(すなわち、係合部分446)、遷移部分442、および遷移部分444を備える。係合部分446は、係合中に外側ホイール内歯300と表面接触を形成することができる。遷移部分442は、係合部分446が内側ホイール外歯ベース422に接続されるように構成される。遷移部分444は、係合部分446が内側ホイール外歯頂部402に接続されるように構成される。外側ホイール102の半径方向断面において、移行部分442および移行部分444は滑らかな曲線または直線であり、係合部分446は滑らかな曲線であり、係合部分446の曲線の方向は歯の内側に向かって凹んでいる。換言すれば、係合部分446の曲線の方向は、内側ホイール121の中心軸N1に向かって凹んでいる。また、係合部分446の曲面の形状は係合部分336の曲面の形状と同じであり、一致する。換言すれば、係合部分446の曲面の形状は、係合部分336の曲面の形状と相補的であり得る。内側ホイール外歯腰部416は、外側ホイール102が内側ホイール121に係合されると、遷移部分442および遷移部分444が外側ホイール102に接触しないように構成される。内側ホイール外歯400のそれぞれの内側ホイール外歯414および内側ホイール外歯腰部416は、内側ホイール外歯の中心線Yに対して対称である。内側ホイール外歯の中心線Yは、内側ホイール121の中心軸N1と内側ホイール外歯頂部402の中間点とを通る。
【0026】
なお、外側ホイール102の径方向断面において、本願における係合部分336、係合部分346、係合部分436および係合部分446は、インボリュートではない。
【0027】
外側ホイール102と内側ホイール121との係合状態について、以下、
図2~
図4を参照して説明する。具体的には内側ホイール121が外側ホイール102に対して移動するとき、すなわち、内側ホイール121が外側ホイール102において偏心して回転(平行移動および回転)するとき、内側ホイール121の内側ホイール外歯400と外側ホイール102の外側ホイール内歯300との係合状態は部分係合状態と完全係合状態とを含む。内側ホイール121のいずれの内側ホイール外歯400についても、外側ホイール内歯の中心線Xが内側ホイール外歯の中心線Yと一致したときに内側ホイール外歯400が完全に噛み合った状態となり、完全に噛み合った状態の前後で、内側ホイール外歯400は部分的に噛み合った状態となる。内側ホイール121の任意の内側ホイール外歯400が非係合状態(または解放状態)から部分係合状態、完全係合状態、次いで部分係合状態、および非係合状態(すなわち解放状態)に変化することを、
図5A-5Iを参照して具体的に説明する。
【0028】
また、本出願における外側ホイール102および内側ホイール121については、少なくとも1つの内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300がいつでも係合されることに留意されたい。一例として、外側ホイール102および内側ホイール121は常に1つの内側ホイール外歯400のみが外側ホイール内歯300に係合し、他の内側ホイール外歯400はいずれも外側ホイール内歯300に係合しないように設計される。別の例として、外側ホイール102および内側ホイール121は、常に3つの隣接する内側ホイール外歯400が外側ホイール内歯300に係合し、他の内側ホイール外歯400が外側ホイール内歯300に係合しないように設計される。
【0029】
内側ホイール121および外側ホイール内歯300の内側ホイール外歯400の非係合状態(または非係合状態)から部分係合状態、完全係合状態、次いで部分係合状態、および非係合状態(または非係合状態)への変化の係合・離脱処理について、
図5A~
図5Iを用いて以下に説明する。
図5A-5Iに示す係合の間、内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300とは、相対運動を形成する。この実施形態では、外側ホイール内歯300は固定されたままであり、内側ホイールは外側ホイール102内で時計回りに(
図5Aの矢印で示すように)偏心して回転する(すなわち、並進時計回りに移動しながら反時計回りに回転する)。当業者であれば、
図5A-5Iに記載されたプロセスにおいて、内側ホイール121の内側ホイール外歯400が外側ホイール内歯300に徐々に接触し、接触部が徐々に増加して完全に係合し、その後、内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300の比較的高速回転中に離間が高速写真技術により観察できるまで接触部が徐々に減少することを理解するであろう。なお、このプロセスは連続的なプロセスである。本願では、説明を容易にするために、この動的連続プロセスにおける接触部分について、具体的に異なる時間帯で説明する。当業者は、
図5A~5Iが内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300の半径方向断面図であることを理解することができる。半径方向断面図において、内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300との間の線接触は概略的な点接触によって表され、半径方向断面図において、内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300との間の面接触は概略的な線接触によって表される。
【0030】
図5Aは、外側ホイール内歯300と内側ホイール外歯400とが非噛合状態(離脱状態)にある場合の模式図である。
図5Aから、外側ホイール内歯300が内側ホイール外歯400に接触していないことが分かる。より具体的には内側ホイール外歯腰部414の係合部分436が外側ホイール内歯腰部316の係合部分346と接触せず、内側ホイール外歯腰部416の係合部分446は外側ホイール内歯腰部314の係合部分336と接触しない。
【0031】
図5B~5Dは、係合中に外側ホイール内歯300および内側ホイール外歯400が部分係合状態にある概略図を示す。内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316については、
図5Aに示す状態から
図5Bに示す状態までの過程において、内側ホイールが外側ホイール102内で偏心して時計回りに回転し続けるにつれて、係合部分436と係合部分346との間の距離は
図5Aに示す状態に比べて徐々に減少するが、内側ホイール外歯腰部414は外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316にはまだ接触していない。
【0032】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416および外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314については、
図5Aに示す状態から
図5Bに示す状態までの過程において、係合部分446が係合部分336に徐々に近づき、
図5Bに示すように、係合部分446と係合部分336とが接触部分を形成し始める。接触部分は、線接触であってもよく、表面接触であってもよい。より具体的には、接触部分が係合部分446の頂部および係合部分336の上部に位置するか、または実質的に位置する。接触部分の半径方向断面における突出部は、接触部位(または接触点)Aとして示されている。
【0033】
内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316については、
図5Bに示す状態から
図5Cに示す状態に至る過程において、係合部分436と係合部分346との間の距離は徐々に減少し続けるが、係合部分436は係合部分346にはまだ接触していない。
図5Bに示される状態と比較すると、
図5Cに示される状態では、係合部分436が係合部分346により近い。
【0034】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416および外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314について、
図5Bに示す状態から
図5Cに示す状態に至る過程で、係合部分446と係合部分336との接触部の接触面積が徐々に大きくなる。
図5Cに示す状態では、その半径方向断面における係合部分446と係合部分336との接触部の突起が線分B-Cである。より具体的には、
図5Bに示す状態から
図5Cに示す状態までの過程において、係合部分446と係合部分336との接触部分が徐々に増加し、接触面が増加したり、線接触から面接触に変化したりする。また、このような表面接触は、歯車間の力による変形によって引き起こされるものではなく、係合部分446および係合部分336が同じ形状を有し、重なり合っている曲面となるように構成されることによって達成される。係合部分446と係合部分336との間の接触部分(または領域)が徐々に増加するプロセスの間、内側ホイール外歯400は係合部分446が係合部分336に対して上方に移動するように、外側ホイール内歯300に対して上方に移動する。このとき、接触部位(または接触点)Bは係合部分446の頂部および係合部分336の上部に実質的に位置するが、係合部分336上のその位置は
図5Bに示される以前の接触部位(または接触点)Aよりも外側ホイール内歯ベース322に近い。
【0035】
内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316について、
図5Cに示す状態から
図5Dに示す状態までの間、係合部分436および係合部分346が
図5Dに示す状態で接触部を形成するように、係合部分436が係合部分346に徐々に近づいていく。より具体的には、接触部分が係合部分436の頂部および係合部分346の上部に位置するか、または実質的に位置する。接触部分の半径方向断面における突出部は、接触部位(または接触点)aとして示されている。
【0036】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416および外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314については、
図5Cに示す状態から
図5Dに示す状態に至る過程において、係合部分446と係合部分336との接触部の接触面積が徐々に増加し続けている。
図5Dに示す状態では、係合部分446とその半径方向断面における係合部分336との接触部の接触面の突起が線分D-Eである。より具体的には、
図5Cに示される状態から
図5Dに示される状態へのプロセスの間、係合部分446と係合部分336との間の接触部の接触面積は徐々に増加し続け、内側ホイール外歯400は係合部分446が係合部分336に対して上方に移動するように、外側ホイール内歯300に対して上方に移動し続ける。このとき、接触部位(または接触点)Dは係合部分446の頂部および係合部分336の上部に実質的に位置するが、係合部分336上のその位置は
図5Cに示す以前の接触部位(または接触点)Bよりも外側ホイール内歯ベース322に近い。
【0037】
図5Eは、内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300が完全に係合状態にある概略図を示す。内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316について、
図5Dに示す状態から
図5Eに示す状態までの間、外側ホイール102において内側ホイールが偏心して時計回りに回転し続けるにつれて、係合部分436と係合部分346との接触部分の接触面積が徐々に増加する。
図5Eに示す状態では、係合部分436とその半径方向断面における係合部分346との接触部分の突起が線分b-cである。このとき、係合部分436は、係合部分346と一致する。より具体的には、
図5Dに示される状態から
図5Eに示される状態へのプロセスの間、係合部436と係合部346との間の接触部分は徐々に増加し、これは接触面の増加であってもよく、またはライン接触から表面接触に変化してもよい。また、このような表面接触は、歯車間の力による変形によって引き起こされるものではなく、係合部分436および係合部346分が同じ形状を有し、重なり合う曲面となるように構成されることによって達成される。外側ホイール内歯300に対する内側ホイール外歯400の偏心回転中、接触部位(または接触点)bが係合部分436および係合部分346の上面に位置し、接触部位(または接触点)cが係合部分436および係合部分346の底部に位置するまで、係合部分436は係合部分346に対して上方に移動する。このとき、係合部分436と係合部分346とが重なり合う(係合する)。
【0038】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416および外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314については、
図5Dに示す状態から
図5Eに示す状態までの間、係合部分446と係合部分336との接触部の接触面積も徐々に増加し続けている。
図5Eに示す状態では、その半径方向断面における係合部分446と係合部分336との接触部の突起が線分F-Gである。このとき、係合部分446は、係合部分336と一致する。より具体的には、
図5Dに示す状態から
図5eに示す状態までの過程において、内側ホイール外歯400は接触部位(または接触点)Fが係合部分446および係合部分336の頂部に位置し、接触部位(または接触点)Gが係合部分446および係合部分336の底部に位置するまで、外側ホイール内歯300に対して上方に移動し続ける。このとき、係合部分446と係合部分336とが重なり合う(係合する)。
【0039】
このようにして、
図5Eに示すような状態において、係合部分436と係合部分346とが互いに重なり合い(係合し)、係合部分446と係合部分336とが互いに重なり合う(係合する)と、外側ホイール内歯の中心線Xが内側ホイール外歯の中心線Yと一致し、内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300とが完全に係合した状態となる。
【0040】
図5F~5Hは内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300とが、離脱中に部分係合状態にある模式図を示す。内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414と、外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316とに対して、
図5Eに示す状態から
図5Fに示す状態までの間、内側ホイールが外側ホイール102内で偏心して時計回りに回転し続けるにつれて、係合部分436および係合部分346の下部が離脱し始め、これにより内側ホイール外歯腰部414と外側ホイール内歯腰部316との接触部の接触面積が徐々に減少する。
図5Fに示される状態において、係合部分436と係合部分346との間の接触部の半径方向断面における突起は、線分d-eである。より具体的には、
図5Eに示される状態から
図5Fに示される状態へのプロセスの間、内側ホイール外歯400は係合部分436が係合部分346に対して下方に移動するように、外側ホイール内歯300に対して下方に移動する。このとき、接触部位(または接点)dは係合部分436および係合部分346の上部にほぼ位置するが、係合部分346上の位置は
図5Eに示す以前の接触部位(または接点)bよりも外側ホイール内歯ベース322から遠い。接触部位(または接触点)eは、係合部分436および係合部分346の中間部分に実質的に位置し、
図5Eに示す以前の接触部位(または接触点)cよりも外側ホイール内歯ベース322に近い。
【0041】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416と、外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314については、
図5Eに示す状態から
図5Fに示す状態までの過程で、内側ホイールが外側ホイール102内で時計回りに偏心回転し続けると、係合部分336と係合部分446の下部が離脱し始め、係合部分336と係合部分446との接触部の接触面積が徐々に減少する。
図5Fに示す状態では、その半径方向断面における係合部分336と係合部分446との接触部の突起が線分H-Iである。より具体的には、
図5Eに示される状態から
図5Fに示される状態へのプロセスの間、内側ホイール外歯400は係合部分446が係合部分336に対して下方に移動するように、外側ホイール内歯300に対して下方に移動する。このとき、接触部位(または接点)Hは係合部分336および係合部分446の上部にほぼ位置するが、係合部分446上の位置は
図5Eに示す以前の接触部位(または接点)Gよりも外側ホイール内歯ベース322から遠い。接触部位(または接触点)Iは、係合部分336および係合部分446の下部に実質的に位置し、
図5Eに示す以前の接触部位(または接触点)Gよりも外側ホイール内歯ベース322に近い。
【0042】
内側ホイールが外側ホイール102内で偏心して時計回りに回転し続けるので、係合部分436と係合部分346との間の係合解除は、係合部分336と係合部分446との間の係合解除よりも大きいことにも留意されたい。すなわち、係合部分436と係合部分346との接触面積は、係合部分336と係合部分446との接触面積よりも小さい。すなわち、接触部位(または接触点)eは、接触部位(または接触点)Iよりも外側ホイール内歯ベース322に近い。
【0043】
内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316については、
図5Fに示す状態から
図5Gに示す状態に至るプロセスにおいて、内側ホイールが外側ホイール102内を時計回りに偏心回転し続けるにつれて、係合部分436および係合部分346の下部は、
図5Gに示すように、係合部分436の上面および係合部分346の上面に当接部が実質的に位置するまで、係合部分436と係合部分346との接触部の接触面積が徐々に減少するように、係合を解除し続ける。その半径方向断面における接触部分(または接触線)の突出は、接触部位(または接触点)fとして示される。
【0044】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416と、外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314については、
図5Fに示す状態から
図5Gに示す状態までのプロセスにおいて、内側ホイールが外側ホイール102において時計回りに偏心回転し続けると、係合部分336と係合部分446との間の接触部の接触面積が徐々に減少し続けるように、係合部分336と係合部分446との下部が離脱し続ける。
図5Gに示す状態では、その半径方向断面における係合部分336と係合部分446との接触部の突起が線分J-Kである。より具体的には、
図5Fに示される状態から
図5Gに示される状態へのプロセスの間、内側ホイール外歯400は係合部分446が係合部分336に対して下方に移動するように、外側ホイール内歯300に対して下方に移動する。このとき、接触部位(または接点)Jは係合部分336および係合部分446の上部にほぼ位置しているが、係合部分336上の位置は
図5Fに示す以前の接触部位(または接点)Hよりも外側ホイール内歯ベース322から遠い。接触部位(または接触点)Kは、係合部分336および係合部分446の下部に実質的に位置するが、係合部分336上のその位置は、
図5Fに示される以前の接触部位(または接触点)Iよりも外側ホイール内歯ベース322に近い。
【0045】
内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316について、
図5Gに示す状態から
図5Hに示す状態までの間、外側ホイール102において内側ホイールが偏心して時計回りに回転し続けるにつれて、係合部分436および係合部分346の下部は、
図5Hに示すように係合部分436および係合部分346が互いに接触しなくなるまで離脱し続ける。
【0046】
内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416および外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314については、
図5Gに示す状態から
図5Hに示す状態に示すプロセスにおいて、内側ホイールが外側ホイール102において時計回りに偏心回転し続けると、係合部分336および係合部分446の下部が係合解除し続ける。より具体的には、接触部が係合部分336および係合部分446の上部に実質的に位置する。その半径方向断面における接点の突出部は、接点部位(または接点)Lとして示されている。
【0047】
図5Iは外側ホイール内歯300と内側ホイール外歯400とが非係合状態(すなわち、互いに離脱)にある概略図を示す。内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414および外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316については、
図5Hに示す状態から
図5Iに示す状態までの間、外側ホイール102において内側ホイールが偏心して時計回りに回転し続けるにつれて、係合部分436が係合部分346と接触しなくなり、係合部分436と係合部分346との間の距離が次第に増大する。
図5Hに示される状態から
図5Iに示される状態に至るプロセスにおいて、内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416と外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314に対して、内側ホイールが外側ホイール102内で時計回りに偏心して回転し続けるにつれて、係合部分336と係合部分446とが完全に離脱する(接触しない)。
【0048】
このようにして、上記の係合のプロセスからわかるように、係合の開始から完全に係合した状態までのプロセスにおいて、径方向断面において、内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414と外側ホイール内歯腰部300の左側の外側ホイール内歯腰部316との接触部分と、内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416と外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314との接触部分との両方の突出部の接触面積が、完全に係合した状態で最大値に達するまで徐々に増加する(
図5A-5E参照)。完全係合状態から離脱までのプロセスで、径方向断面において、内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414と外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316との接触部分と、内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416と外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314との接触部分との両突出部の接触面積が、前記最大値から徐々に減少する(
図5E-5I参照)。
【0049】
さらに、係合開始から完全係合状態と完全係合解除に至るまでのプロセスにおいて、内側ホイール外歯400の左側の内側ホイール外歯腰部414と外側ホイール内歯300の左側の外側ホイール内歯腰部316と、内側ホイール外歯400の右側の内側ホイール外歯腰部416と外側ホイール内歯300の右側の外側ホイール内歯腰部314とは、いずれも接触部の接触面積が徐々に増加し、その後徐々に減少するように構成されている。
【0050】
本出願における面接触とは、内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300が完全に係合したとき、内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300の半径方向断面において、内側ホイール外歯腰部414と外側ホイール内歯腰部316との間の接触線の長さが、内側ホイール外歯腰部414の長さの少なくとも1%よりも大きく、内側ホイール外歯腰部416と外側ホイール内歯腰部314との間の接触線の長さが、内側ホイール外歯腰部416の長さの少なくとも1%よりも大きいことを意味する。換言すれば、内側ホイール121の係合部分436および係合部分446の長さは、内側ホイール外歯腰部414および内側ホイール外歯腰部416の長さの少なくとも1%よりもそれぞれ大きい。
【0051】
図5A~
図5Iは、非係合状態から完全係合状態へ、次いで非係合状態への、1つの内側ホイール外歯400と外側ホイール内歯300との間の特定の位置関係を示すだけである。しかし、当業者は、内側ホイール121が外側ホイール102内で360°偏心回転すると、内側ホイール121内の内側ホイール外歯400が外側ホイール102内で外側ホイール内歯300に順次係合することができ、内側ホイール121内の内側ホイール外歯400のいずれかが外側ホイール内歯300に係合すると、上述した係合のプロセスが生じることを理解することができるであろう。
【0052】
従来の内部係合トランスミッション機構では、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との間に線接触係合が形成されるように、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯とは通常、サイクロイドとローラピンとの間、またはインボリュート間の係合を使用する。線接触係合の接触面積は非常に小さく、ほぼゼロである。内側ホイール外歯と外側ホイール内歯がトランスミッション状態にある場合、線係合の面積はほぼゼロであるため、内側ホイール外歯が外側ホイール内歯に係合した場合に発生する歯面応力は非常に大きい。極端に大きな応力は歯車の表面を剥離させ、その結果、内側ホイール外歯および外側ホイール内歯の耐用年数は短く、内部噛合トランスミッション機構の伝達は十分に安定しない。
【0053】
表面係合は、本出願における内部係合トランスミッション機構100において、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との間に形成することができる。表面係合の接触面積は、従来の内部係合トランスミッション機構における線係合の接触面積を大幅に超える。一例として、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯の径方向断面において、本願における内部係合トランスミッション機構100の面係合の接触線の長さは0.1mmである。従来の内部係合トランスミッション機構における線係合の接触線が、応力計算において例えば0.001mmに設定される一定の長さを有する場合(応力計算において、歯面の接触面積をゼロに設定することはできない、さもなければ歯面応力は無限に大きくなる)、本出願における線接触長は、線係合の接触長さの100倍になるであろう。このようにして、本願における表面係合の内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との間の応力は、従来の線係合の内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との間の応力の0.01倍となる。これにより、内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との応力を大幅に低減でき、歯車の摩耗、破損等を防止できる。これはまた、内部係合トランスミッション機構100がより良好な安定性およびより長い耐用年数を有するように、内側ホイール外歯および外側ホイール内歯の応力によって発生する熱を低減することができる。一例として、本願で内部係合トランスミッション機構により製造された減速機が定格荷重1000時間で1500rpmの速度で作動した後でも、減速機内の潤滑油は元の色を維持し、一方、従来の内部係合トランスミッション機構の減速機が同じ作動条件で作動した後には、減速機内の潤滑油は黒くなる。これは、従来技術におけるサイクロイドとローラピンとの間またはインボリュート間の係合トランスミッションと比較して、本出願における内側ホイール外歯と外側ホイール内歯との間の表面接触係合は小さい歯表面応力を有し、発生する熱および摩耗が低減されることを示している。
【0054】
なお、本願における「外側ホイール内歯腰部の係合部分と、内側ホイール外歯腰部の係合部分とが、同じ形状で重なり合う曲面である」という記載における「重なり合う」という特徴は、完全に重なり合う(すなわち、係合部分と係合部分とが100%重なり合う)ことと、一般的に(全般的に)重なり合うこととの両方を含む。一般的な重なり合いと完全な重なり合いとの差異は、一般的な重なり合いが、製造、加工、組み立て等によって生じる精度の誤差によって生じることである。当業者であれば、製造、加工、組み立て等によって引き起こされるこのような精度誤差は係合部分間に形成される表面接触に影響を及ぼさず、このような精度誤差は上述の本出願における内部係合トランスミッション機構の技術的効果に影響を及ぼさないことを理解するであろう。
【0055】
図6Aは、
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第1の具体的な製品例の拡大図であり、
図6Bは
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第2の具体的な製品例の拡大図であり、
図6Cは
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第3の具体的な製品例の拡大図であり、
図6Dは、
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第4の具体的な製品例の拡大図である。図において、(a)は外側ホイール102と内側ホイール121との嵌合状態を示し、(b)は外側ホイール102を示し、(c)は内側ホイール121を示し、(d)は、外側ホイール102の係合部336の半径方向断面拡大図を示す。
【0056】
図6Aにおいて、(a)~(c)に、
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第1の具体例を1:30の縮尺で拡大して示す。第1の具体例では、外側ホイール102の歯数は36であり、内側ホイール121の歯数は35であり、外側ホイール102と内側ホイール121の歯数の差異は1(1歯差)である。外側ホイール102と内側ホイール121との間の偏心eは2mmである。歯の弾性率は2.4mmである。内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300の歯先高さは2.4mmである。図の(d)は、1:1500のスケールで描かれた半径方向断面における外側ホイール102の係合部分336の特定の曲線を示す。
【0057】
図6Bにおいて、(a)~(c)に、
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第2の具体例を1:30の縮尺で拡大して示す。第2の具体例では、外側ホイール102の歯数は60であり、内側ホイール121の歯数は59であり、外側ホイール102と内側ホイール121の歯数の差異は1(1歯差)である。外側ホイール102と内側ホイール121との間の偏心eは1.2mmである。歯の弾性率は1.4mmである。内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300の歯先高さは1.5mmである。図の(d)は、1:2400のスケールで描かれた半径方向断面における外側ホイール102の係合部336の特定の曲線を示す。
【0058】
図6Cにおいて、(a)~(c)に、
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第3の具体例を1:30の縮尺で拡大して示す。第3の具体例では、外側ホイール102の歯数を100とし、内側ホイール121の歯数を98とし、外側ホイール102と内側ホイール121の歯数の差異を2(2歯差)とした。外側ホイール102と内側ホイール121との間の偏心eは2.0mmである。歯の弾性率は2.0mmである。内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300の歯先高さは2.0mmである。図の(d)は、1:3000のスケールで描かれた半径方向断面における外側ホイール102の係合部分336の特定の曲線を示す。
【0059】
図6Dにおいて、(a)~(c)に、
図2に示す外側ホイール102および内側ホイール121の第4の具体例を1:50のスケールで拡大して示す。第4の具体例では、外側ホイール102の歯数は72であり、内側ホイール121の歯数は69であり、外側ホイール102と内側ホイール121の歯数の差異は3(3歯差)である。外側ホイール102と内側ホイール121との間の偏心eは2.3mmである。歯の弾性率は1.0mmである。内側ホイール外歯400および外側ホイール内歯300の歯先高さは0.6mmである。図の(d)は、1:4000のスケールで描かれた半径方向断面における外側ホイール102の係合部分336の特定の曲線を示す。
【0060】
本明細書では、本出願のいくつかの特徴のみが示され、説明されるが、当業者は様々な改良および変更を行うことができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本出願の実質的な精神および範囲内に入る前述のすべての改良および変更をカバーすることを意図していることが理解されるべきである。
【国際調査報告】