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特表2022-548202組織の穴を閉鎖するための医療装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-17
(54)【発明の名称】組織の穴を閉鎖するための医療装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/12 20060101AFI20221110BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022512753
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(85)【翻訳文提出日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2020073907
(87)【国際公開番号】W WO2021037943
(87)【国際公開日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】19193644.2
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20170612.4
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520324477
【氏名又は名称】ヴェノック メディカル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】ゲッツ、ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、テレンス ゲー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD03
4C160DD19
(57)【要約】
本発明は、患者の組織(301)の穴(302)、切開部、穿刺部、組織を通る通路、及び/又は血管もしくは他の身体内腔(略して穴)との連通を閉鎖するための医療装置であって、1つ以上の閉鎖デバイス(600)を解放可能に収容するための閉鎖デバイスホルダ(802)と、穴(302)の対向する側面に接触し、それらを引き込ませるため、且つ/又は穴(302)を広げ、その形状がスリット若しくはスリット状若しくはよりスリット状に変化した穴(302)にするため、又は穴(302)の寸法若しくは直径を、穴(302)の少なくとも1つの若しくは正確に1つの寸法において拡大させる若しくは増大させるための引込ユニット(100)とを備える、医療装置に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織(301)の穴(302)、切開部、穿刺部、組織を通る通路、及び/又は血管若しくは他の身体内腔(略して穴)との連通を閉鎖するための医療装置であって、
1つ以上の閉鎖デバイス(600)を解放可能に収容するための閉鎖デバイスホルダ(802)と、
前記穴(302)の対向する側面に接触し、前記側面を引き込ませるため、且つ/或いは前記穴(302)を広げ、前記穴(302)の形状がスリット若しくはスリット状若しくはよりスリット状に変化した穴(302)にするため、又は前記穴(302)の寸法若しくは直径を、前記穴(302)の少なくとも1つの若しくは正確に1つの寸法において拡大させる若しくは増大させるための引込ユニット(100)と、
を備える、医療装置。
【請求項2】
前記引込ユニット(100)は、
少なくとも1つの引込デバイスホルダ(102)と、
前記引込デバイスホルダ(102)内に好ましくは少なくとも部分的に収容された少なくとも1つの引込デバイス(101)と、
を備え、
前記引込デバイス(101)は、好ましくは、前記引込デバイスホルダ(102)内に少なくとも部分的に解放可能に収容され、
前記引込デバイス(101)は、好ましくは、前記引込デバイスホルダ(102)に対して移動可能又は摺動可能な方法で配置される、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記引込ユニット(100)は、少なくとも、
第1の側面及び反対側の第2の側面、
第1のアーム及び第2のアーム、
第1の引込デバイス(101)及び第2の引込デバイス(101)、
第1の引込デバイスホルダ(102)及び第2の引込デバイスホルダ(102)、
第1の係合デバイス(410)及び第2の係合デバイス(410)、
のうちの少なくとも1つを有する1つの/前記引込デバイス(101)と、
前記第1の側面を前記第2の側面から離隔する又は離れるように移動させる、
前記第1のアームを前記第2のアームから離隔する又は離れるように移動させる、
前記第1の引込デバイス(101)を前記第2の引込デバイス(101)から離隔する又は離れるように移動させる、
前記第1の引込デバイスホルダ(102)を前記第2の引込デバイスホルダ(102)から離隔する又は離れるように移動させる、且つ/又は
前記第1の係合デバイス(410)を前記第2の係合デバイス(410)から離隔する又は離れるように移動させるための、
機構と、
を備える、請求項1又は2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)は、
前記血管の穴(302)の閉鎖部全体にわたって、少なくとも部分的に互いに平行なままであるように、或いは
前記血管の穴(302)に向かって進められているときに、且つ/又は前記閉鎖部材(800)から出るように進められているときに、互いに離れる又は互いに逸れるように、
配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)が、前記血管の穴(302)に向かって進められているときに、且つ/又は前記閉鎖部材(800)から出るように進められているときに、互いに逸れる又は互いに離れることを保証する、或いは補助するための送達支持体(806)が設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記閉鎖部材(800)、前記閉鎖デバイスホルダ(802)又は前記送達支持体(806)の外側又は側面に、バンパー又はスペーサが配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
ハンドル部材(900)を備え、
前記ハンドル部材(900)は、ガイドスロット(916)を有するスリーブ(914)又は別の好ましくは回転可能な要素若しくは円筒形の要素を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記ハンドル部材(900)、ノブ(912)、又は前記スリーブ(914)自体は、前記ガイドスロット(916)の転回点を通ってピンを案内するように配置された弾性要素、ばねなどを備える、請求項8に記載の医療装置。
【請求項9】
前記引込デバイス(101)は、複数のアーム(101a、101b)を備え、前記アームのうちの少なくとも1つは、前記アームの間の少なくとも1つの開口部若しくは中間開口部(127)を取り囲むか又は開口部若しくは中間開口部(127)に外接する2つの脚部(121、123)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記医療装置の使用時に前記アーム(101a、101b)が通って出る前記引込ユニットの少なくとも1つの開口部(131、133)は、自身の長さよりも小さい幅を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記引込デバイス(101)の前記アーム(101a、101b)の少なくとも1つが通って出る前記引込ユニットの前記開口部(131、133)の少なくとも1つは、楕円形の開口領域又は楕円形の断面を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)に含まれる閉鎖デバイス(600)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記閉鎖デバイス(600)は、2つのアーム(604)を有し、前記アーム(604)の少なくとも1つは、少なくとも1つの又は1つの第1の曲げ方向と、少なくとも1つの又は1つの第2の曲げ方向とを有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記閉鎖デバイス(600)又は前記血管の穴(302)の閉鎖状態では、前記アーム(604)の第1のアームの端部又は先端は、前記アーム(604)の第2のアームから離れるように向いているのに対して、前記第2のアーム(604)の端部又は先端は、前記第1のアーム(604)から離れるように向いている、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記引込デバイスホルダ(102)の内腔内に少なくとも部分的に解放可能に収容されるように構成された展開デバイス(103)を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項16】
前記引込デバイス(101)は、前記引込デバイスホルダ(102)の遠位先端、遠位端、又は遠位端部分に配置され、前記引込デバイス(101)及び前記引込デバイスホルダ(102)は、好ましくは互いに一体式に設計される、且つ/又は好ましくは互いに解放不能に接続される、請求項1から15のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項17】
前記引込デバイス(101)は、第1のアーム(135)及び第2のアーム(137)を備えるか、又はこれらからなり、前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)は、好ましくは少なくとも前記引込ユニット(100)を前記穴(302)中に配置する間又は配置する前は、好ましくは互いに平行に配置されている、又は設けられている、請求項16に記載の医療装置。
【請求項18】
前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)は、前記展開デバイス(103)の表面に配置され、且つ/又は前記引込デバイス(101)を前記穴(302)に進めながら、該表面と接触するように配置され、前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)は、好ましくは受動的な方法で、且つ/又はモータ、手動補助、及び/又は機構を使用せずに、前記展開デバイス(103)を前記引込デバイスホルダ(102)から引っ張り出した後、前記穴(302)を引き込ませるための引込状態まで拡張される、請求項17に記載の医療装置。
【請求項19】
前記引込デバイスホルダ(102)又はその内腔は、前記引込ユニット(100)を前記穴(302)の中に配置している間の、第1の形状又は第1の断面、好ましくは断面直径(D)を有する円形断面、及び前記展開デバイス(103)を前記引込デバイスホルダ(102)から部分的又は完全に引っ張り出した後の、第2の形状又は第2の断面、好ましくは前記断面直径(D)よりも大きい主軸の長さ(D)を有する楕円形断面、好ましくは、2つの対称軸、すなわち主軸及び短軸を有する長円断面を呈する、とる、又は示す、請求項15から18のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項20】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)又はその断面の形状は、主に前記第2の形状をとるか、又は前記第2の断面を特色として備える、それに対応する、且つ/又は楕円形断面を有し、好ましくは主軸の長さ(D)は、この長さよりもわずかに小さい、請求項15から19のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項21】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)は、好ましくは少なくとも部分的に解放可能に、好ましくは前記閉鎖デバイスホルダ(802)の長手方向に並進式に可動な前記引込デバイスホルダ(102)内に収容される、請求項15から20のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項22】
前記閉鎖デバイス(600)を排出するための前記閉鎖デバイスホルダ(802)の開口部の間に、開口部に隣接して、又は開口部の近傍に、前記少なくとも1つの開口部の開口領域にわたって突出する1つ以上のバー(809)が設けられる、請求項1から21のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項23】
前記展開デバイス(103)及び/又は前記閉鎖デバイスホルダ(802)を前記引込デバイスホルダ(102)の内腔の中に進めるための開口部を提供する、前記引込デバイスホルダ(102)に接続されるか又は前記引込デバイスホルダ(102)の一体式の部分となるコネクタ(500)を備える、請求項1から22のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項24】
前記コネクタ(500)の内腔、又はその断面、又は前記開口部の前記開口領域のうちの少なくとも1つは、(少なくとも部分的に)円形形状の範囲を定める部分と、(少なくとも部分的に)楕円形の形状の範囲を定める部分との両方を含む、請求項23に記載の医療装置。
【請求項25】
組織の穴(302)を閉鎖するための方法であって、
前記引込デバイスホルダ(102)と、前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)を有する前記引込デバイス(101)と、前記展開デバイス(103)とを備える、請求項1から24のいずれか一項に記載の医療装置を提供するステップであって、前記引込デバイス(101)は、前記引込デバイスホルダ(102)の遠位先端、端部若しくは端部部分に配置されるか、又は前記引込デバイスホルダ(102)に装着されるステップと、
前記展開デバイス(103)を前記引込デバイスホルダ(102)の内腔に挿入するステップと、
前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)の少なくとも一部が前記穴(302)の内側に配置されるまで、前記展開デバイス(103)と、前記引込デバイス(101)を含む前記引込デバイスホルダ(102)との両方を前記穴(302)まで前方に押すステップと、
前記展開デバイス(103)を、前記引込デバイスホルダ(102)の前記内腔から引き戻して抜くステップと、
前記閉鎖デバイス(600)を有する前記閉鎖デバイスホルダ(802)を、好ましくはほとんど長円形状、又は楕円形状の前記引込デバイスホルダ(102)の前記内腔に挿入し、前記閉鎖デバイス(600)を前記閉鎖デバイスホルダ(802)から排出するための前記閉鎖デバイスホルダ(802)の1つ又は複数の遠位開口部が前記穴(302)に配置されるステップと、
前記穴(302)を閉鎖するために前記閉鎖デバイス(600)を押し出す、解放する、又は引き出すステップと、
を含む方法。
【請求項26】
組織の穴(302)を閉鎖するための方法であって、
請求項1から24のいずれか一項に記載の医療装置を提供するステップと、
前記医療装置によって前記穴(302)を閉鎖するステップと
を含む方法。
【請求項27】
患者の組織(301)の穴(302)、切開部、穿刺部、組織を通る通路、及び/又は血管若しくは他の体腔(略して穴)との連通を閉鎖するための閉鎖デバイス(600)であって、前記組織(301)を貫通するための2つ、少なくとも2つ以上のアーム(604、604a、600b)を備える閉鎖デバイス(600)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に係る穴又は開口部を閉鎖するための医療装置、及び請求項25の序文に係る穴を閉鎖するための方法に関する。本発明はまた、請求項26に係る閉鎖デバイスに関する。
【0002】
本発明は、概して、組織に係合するため及び/又は組織を貫通する開口部を閉鎖するための、より具体的には、縫合に代わる、血管又は他の体腔における穴を閉鎖するための医療装置(手短に言えば、装置)及び方法に関し、より詳細には、特に患者の身体内での侵襲的処置の後に、身体器官又は血管壁にある開口部を閉鎖するための用途を有する閉鎖デバイス、及び対応する使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血管又は他の身体器官に中空の針を穿刺し挿入することによって一般的に行われるいくつかの介入処置が存在しており、その後、ガイドワイヤが針の内腔を通して患者の血管又は他の器官の中に進められてよい。ガイドワイヤは、針の中を通って進められてよく、針は取り外されてよく、イントロデューサケーシングが、ガイドワイヤ上で血管又は他の身体器官の中に進められてよい(Seldinger法)。そのようなケーシングは、最大約30F以上の範囲で利用される処理システムの必要性に適合する薄い壁及び直径を有する全体的に可撓性の管である。ケーシングの近位端は、患者の皮膚の外側に保持され、ケーシングを通って血管から流れる血流を防ぐために止血弁と共に一般的に利用される。次いで、カテーテル又は他のデバイスが、イントロデューサケーシングの内腔を通り、且つガイドワイヤ上で、医療処置を行うための位置に進められてよい。穿刺は、診断的心臓血管手術、冠動脈及び末梢血管形成術又はステント術、心臓代用弁移植及び心臓弁修復、胸腔鏡手術、腹腔鏡手術又は内視鏡手術などを含むがこれらに限定されない多くの理由のために利用される。これらの処置はすべて、患者の全身の治療に使用されるべき身体器官又は血管の壁に穿刺を行うことを必要とする。穿刺のサイズは、処置及び挿入されるシステムに応じて変化する。処置に応じて、一般に、大腿動脈又は大腿静脈が患者の体内への進入点として利用される。典型的な穿刺は、介入処置のために、直径2mm~10mm超、又は6フレンチ(Fr)~30フレンチ(Fr)超の範囲であり得る。
【0004】
内視鏡又は他の器具の使用に遭遇し得るような他の処置は、挿入のためにトロカールを利用することができる。典型的なトロカール穿刺は、直径2mm~15mm超、又は6フレンチ(Fr)~45フレンチ(Fr)超の範囲であり得る。そのような開口部の閉鎖は、典型的には、複数のレベルの外科用縫合糸を使用して達成される。
【0005】
血管穿刺を侵入部位として利用する介入診断処置又は介入治療処置を完了すると、末梢循環、冠動脈循環系又は心臓のいずれであっても、デバイス及びイントロデューサケーシングが取り外され、血管壁又は身体器官内に穿刺部位を残すことができる。
【0006】
そのような穿孔は、単一の結び目又は連続した外科用縫合糸を利用する一般的な開放式の外科的方法で閉鎖され、緊密に縫合され得る。
【0007】
出血を止めるための別の開放式処置は、クリップ又はステープルの使用である。止血クリップの一形態は、クランプ機構の動作を可能にするために穿孔の開放外科的侵入を必要とする、Marchらによる米国特許第4217902号明細書に示されている。また、開放侵入を必要とする、Coleman Jamesらによる米国特許出願公開第2008/272173号明細書に示されているような、より洗練された手術用ステープラが記載されている。
【0008】
診断処置又は治療処置のための血管の穿孔後の止血に、閉鎖式の非外科的方法で対処するための様々な処置及びデバイスが開発されている。
【0009】
出血を止めるための一般的な方法は、穿孔の位置に圧力を加え、患者の自然な血液凝固及び自己治癒特性が血管開口部を封鎖するのを待つことである。そのような圧力は、30分から最大1時間などの比較的長い時間にわたって必要とされ、その後、患者は、基本的に固定されており、出血が止まるまで数時間にわたって圧迫するために、穿刺部位に重い砂袋が置かれた状態で、この時間の間、寝たきりである。完全な止血及び封鎖が起こる前の出血から、血腫の更なるリスクが存在する。この処置は、時間がかかる場合があり、関連する不利な面を伴う。
【0010】
心臓代用弁移植又は心臓弁修復システムのように血管穿孔のサイズが大きくなると、穿孔の圧迫及び開口部の自然封鎖を待つことはあまり効果的でなくなるか、又は無効になる場合すらある。
【0011】
過剰な出血は、正常な血液凝固反応を有する人でも既に起こる可能性があるが、凝固を阻害する抗凝固薬を利用しており、出血障害、高血圧又は肥満に罹患しており、貫通ケーシング又は処置システムを除去した後に過剰な出血のリスクを増加させる患者がいる。
【0012】
出血を止めるための改善された方法は、米国特許第5275616号明細書に示されるようにコラーゲン又はポリマープラグを適用することによるものである。このような手順は、特により小さい穿孔において有効である。しかしながら、そのようなプラグ材料の配置は、血管内血栓形成及び炎症反応の発生のリスクを増加させる。
【0013】
開放式の侵入閉鎖を回避するために、様々な経皮クリップ又はステープラが開発された。システムは、既に利用されているガイドワイヤ上に挿入され、クリップは経皮的に操作される。
【0014】
縫合糸によって接合された複数の針を提供する閉鎖システムを有する様々な経皮縫合システムが開発されている。針が開口部を取り囲む血管壁を通過した後、針は捕捉され、外側に引き出され、結ばれ、結び目は管を通って押し戻されて閉鎖を完了する。縫合針の配置は、配置された縫合糸が孔を保持し閉鎖することができるように組織の適切な係合を必要とし、このことはシステムをかなり小さい血管穿孔の閉鎖に限定する。
【0015】
体腔及び胸腔鏡手術、腹腔鏡手術又は内視鏡手術などの臓器の穿孔を伴う処置では、適用可能なシステムを挿入するのに十分な大きさの適切なサイズのトロカールで患者の身体に進入することが一般的である。そのような大きな穿孔の閉鎖は、一般に、開放式の外科的縫合によって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第4217902号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/272173号明細書
【特許文献3】米国特許第5275616号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、穴を閉鎖するための更なる医療装置及びそれに対する方法を提案することであり得る。また、閉鎖デバイスも提案される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的は、例えば請求項1に記載の特徴を有する、穴を閉鎖するための医療装置によって達成される。それは、請求項25の特徴を有する、穴を閉鎖するための方法、及び請求項26の特徴を有する閉鎖デバイスによって更に達成される。
【0019】
上記及び以下の記述のすべてにおいて、「であってもよい(may be)」又は「を有し得る(may have)」などの表現の使用は、それぞれ「好ましくは~である」又は「好ましくは~を有する」などと同義に理解されるべきであり、本発明による実施形態を例示することが意図されている。
【0020】
本明細書で数字の単語が言及されるときはいつでも、当業者はそれらを数値の下限の指示として認識又は理解するものとする。したがって、これが当業者にとって明らかな矛盾をもたらさない限り、当業者は、例えば「1つ」を「少なくとも1つ」を包含するものとして理解するものとする。この理解はまた、当業者の観点から明らかに技術的に可能である場合にはいつでも、数値の単語、例えば「1つ」が代替的に「正確に1つ」を意味し得るという解釈として本発明によって等しく包含される。これらの理解は両方とも本発明に包含され、本明細書で使用されるすべての数値の単語に適用される。
【0021】
本発明の主題が特定の実施形態において1つ又はいくつかの特徴を含むことが本明細書に開示されている場合、本発明による主題は、例えば、特許請求の範囲の意味において、同様に本発明によるものである他の実施形態において、この特徴又はこれらの特徴を明確に含まないことも本明細書にそれぞれ開示されている。本明細書で言及される各実施形態について、例えば否定として定式化された反対の実施形態も開示される。
【0022】
本発明は、従って、患者の組織の穴、切開部、穿刺部、組織を通る通路、及び/又は血管若しくは他の体腔(略して、穴)との連通を閉鎖するための医療装置を提案する。本明細書では、医療装置は、1つ以上の閉鎖デバイスを解放可能に収容する且つ/又は保持するための閉鎖デバイスホルダを備える。医療装置は、引込ユニットを更に備える。引込ユニットは、医療装置の使用中に、穴の組織の対向する側面又は組織を引き込ませるため、且つ/或いは穴を広げるため、好ましくは穴の組織の対向する側面と接触し、任意選択的に穴の形状がスリット又はスリット状若しくはよりスリット状に変化した穴にするように設計又は配置されてもよい。この目的のために、又はこれを達成するために、引込ユニットは適切に構成されてもよい。例えば、この引込動作又はこの変化は、引込ユニットの部品間(例えば、引込デバイスの間、或いは(設けられている場合)そのアームの間又は当該アームの先端の間)の隙間又は距離を広げることによって達成されてもよく、その結果、穴の寸法又は直径の、穴の少なくとも1つの又は正確に1つの寸法における拡大又は増大をもたらす結果になり得る。
【0023】
さらに、組織の穴を閉鎖する方法が提案される。本方法は、第1に、本発明に係る医療装置を提供するステップと、第2に、この医療装置を使用して穴を閉鎖するステップとを包含する。
【0024】
本発明の有利な発展形態は、それぞれ従属クレーム及び実施形態の主題である。
【0025】
本明細書で実施形態が言及されるときはいつでも、それは本発明に係る例示的な実施形態を表す。本明細書において発明が言及されるときはいつでも、本発明が意味される。
【0026】
本発明に係る実施形態は、技術的に可能な任意の組み合わせで、上記及び/又は以下で言及される特徴の1つ又はいくつかを含んでよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の引込ユニットは、少なくとも1つの引込デバイスホルダと、少なくとも1つの引込デバイスとを備える。引込デバイスは、好ましくは、引込デバイスホルダ内に少なくとも部分的に収容されてもよい。引込デバイスは、任意選択的に、好ましくは解放可能な方法で、引込デバイスホルダ内に少なくとも部分的に収容されてもよく、好ましくは、引込デバイスホルダに対して移動可能又は摺動可能な方法で引込デバイスホルダ内に配置される。
【0028】
引込デバイスホルダは、閉鎖されるべき穴を通って又は閉鎖されるべき穴の中に進められる又は延伸されるように構成されることが好ましい遠位端と、近位端との両方を有してよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の引込ユニットは、組織と解放可能に係合するために、前記引込デバイスに接続された少なくとも1つの係合デバイスを備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、係合デバイスは、貫通開口部を有する閉断面を有してもよい。閉断面は、長方形、正方形、円、長円、又はそれらの組み合わせの形状を有することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、係合デバイスは、ワイヤを備えてもよく、又はワイヤからなってもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、係合デバイスは、単一のワイヤから形成されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、係合デバイスは、凸状又は凹状の形状を有するか、或いは凸状又は凹状の形状を覆ってもよい。他の実施形態では、それは、平坦な平面又は実質的に平面である。
【0034】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の係合デバイスは、折り畳み可能であり、且つ/又は引込デバイスホルダ内に少なくとも部分的に含まれるか、又はその中に捕捉されるように構成される。
【0035】
係合デバイス及び/又は引込デバイスを引込デバイスホルダに出し入れするように移動させるための機構が設けられてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、係合デバイスは、穴の開口部の内部又は下方から穴を取り囲む組織と係合するように構成されるように、上述の引込デバイスに接続されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の少なくとも2つの引込デバイス及び/又は少なくとも2つの係合デバイスは、引込デバイスホルダ内に解放可能に捕捉される。とりわけ、それらは、特に閉鎖されるべき穴の開口レベルより下方に配置されるために、引込デバイスホルダ又は係合デバイス又は必要に応じてそうするように構成された機構を操作することによって、それらが引込デバイスホルダから少なくとも部分的に解放されるように構成されるように捕捉されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の引込デバイスホルダ及び/又は引込デバイス及び/又は前記係合デバイスは、特に穴がその形状を変化させるように穴の対向する側面を引き込むように構成される。例えば、穴は、幾分丸みを帯びた形状からスリット穴に変化してもよい。好ましくは、これは、穴の引き込まれた長手方向直径の長さの少なくとも2倍である延伸された横方向直径をもたらす。「横方向」は、血管の長手方向に垂直な方向を指してよい。長手方向直径は、血管の長手方向軸の方向に伸びてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の引込ユニットは、以下の、
第1の側面及び反対側の第2の側面、
第1のアーム及び第2のアーム、
第1の引込デバイス及び第2の引込デバイス、
第1の引込デバイスホルダ及び第2の引込デバイスホルダ、並びに/又は
第1の係合デバイス及び第2の係合デバイス、
のうちの少なくとも1つを有する少なくとも1つの引込デバイスを備える。
【0040】
さらに、引込ユニット又は任意の他の構成要素は、第1の側面を第2の側面から離隔する又は離れるように移動させる、第1のアームを第2のアームから離隔する又は離れるように移動させる、第1の引込デバイスを第2の引込デバイスから離隔する又は離れるように移動させる、第1の引込デバイスホルダを第2の引込デバイスホルダから離隔する又は離れるように移動させる、且つ/又は第1の係合デバイスを第2の係合デバイスから離隔する又は離れるように移動させるための機構を有してよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、上述の機構は、形状記憶特性を含むか、又は形状記憶特性からなる。
【0042】
いくつかの実施形態では、機構は、例えば、ギア、ロッド、作動手段、ノブ又はハンドルなどの制御手段などを含む機械的手段を含むか、又は当該機械的手段からなってもよい。
【0043】
特定の実施形態では、医療装置の任意選択のノブ及び/又はハンドル部材若しくはハンドル部材ケーシング(又はそれぞれの少なくとも一部)は、樹脂、プラスチック、ガラス繊維、木材、金属又は複合材料、又は本明細書で言及される材料の組み合わせから作製される。他の実施形態では、医療装置の任意選択のノブ及び/又はハンドル部材又はハンドル部材ケーシング(又はそれぞれの少なくとも一部)は、樹脂から、又はプラスチックから、又はガラス繊維から、又は木材から、又は金属から、又は複合材料から、又は本明細書で言及される材料の組み合わせからは作製されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、ハンドル部材又はそのケーシングは、例えばユーザのために、少なくとも1つのスライダを備える。他の実施形態では、ハンドル部材又はそのケーシングは、スライダを含まない。
【0045】
いくつかの実施形態では、ハンドル部材又はそのケーシングは、例えばユーザのために、回転を並進に変換する少なくとも1つの回転要素を備える。他の実施形態では、ハンドル部材又はそのケーシングは、そのような回転要素を含まない。
【0046】
いくつかの実施形態では、機構は、第1の側面又は第1のアームなどが、第2の側面又は第2のアームなどから隔離する又は離れるように、引込デバイス、引込ユニット又は任意の他の構成要素などの形状を修正するように構成された真空デバイスを備え得るか、又は当該真空デバイスからなり得る。
【0047】
真空デバイスは、内腔の内部で真空を達成するように試みることによって、その構成要素、例えば引込ユニットの断面が、第1の寸法では増大するが、第1の寸法に垂直な第2の寸法では縮小して変更するように、例えば引込ユニットの内部の、好ましくは閉鎖された内腔から流体(例えば空気)を吸い込むように構成されてよい。このようにして、例えば引込ユニットの向かい合う第1及び第2の側面は、引込ユニットの周長が一定に保たれている間に互いに離れるように移動する。
【0048】
真空デバイスと流体連通している好ましくは閉鎖された内腔は、少なくとも1つの状態(真空が適用されているか否かにかかわらず)において、第1の方向において、第1の方向に垂直な第2の方向よりも長い断面を有することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、引込ユニット又は引込デバイスは、血管内腔から医療装置を部分的に引き出す間、停止部として使用され得るか、又は外科医に触覚フィードバックを与え得る湾曲部又は段差を有するか、又はその前側又はその後側において屈曲する。湾曲部、段差などは、医療装置の先端、又はその引込ユニット、引込デバイスなどが血管又は穴の縁で静止したことを示すことができる。このことは、医療装置が閉鎖デバイスを展開するために適した位置にあることを示す。これを達成するために、湾曲部、段差などは、例えば医療装置又は引込デバイスの自由端から所定の距離未満で配置される。また、湾曲部、段差、又はそれが屈曲する位置は、閉鎖デバイスを解放する前に医療装置を血管内腔からあまりにも遠くに引き出し過ぎてしまうことに対する保護として機能することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、医療装置は、真空デバイス又は真空源を備えていない、且つ/又は真空デバイス又は真空源に接続されていない。
【0051】
いくつかの実施形態では、医療装置は、圧力安定器ではない。
【0052】
いくつかの実施形態では、引込デバイスの部品(例えば、設けられている場合はそれらのアームの先端)は、解放されたとき、又は応力を受けていない状態にあるとき、且つ/又は組織を引き込むために使用されたときに、互いに逸れるか、又は互いに離れる。
【0053】
いくつかの実施形態では、引込デバイスの部品(例えば、設けられている場合、2つのアーム又はこれらのアームの先端)は、解放されたとき、又は応力を受けていない状態にあるとき、且つ/又は共通の平面内で組織を引き込むために使用されるときに互いに逸れるか、又は互いに離れる。ハンドル部材の長手方向軸は、この平面の一部であってもよく、又はこの平面に対して10°、15°又は20°未満の角度を有してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、引込デバイス及び閉鎖部材又はそれらの部品は、それぞれ、少なくとも部分的に同じハンドル部材から出ていてもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、引込ユニットは、例えば、穴又は穴を取り囲む組織の対向する側面に接触し、それらの側面を引き込むように、且つ/又は穴を広げ、穴の形状がスリット若しくはスリット状若しくはよりスリット状に変化した穴にする、又は、引込デバイスの部品の間の空間若しくは隙間を広げることによって、例えば、設けられている場合、引込デバイスのアーム若しくはこれらのアームの先端を互いに離れるように移動させることによって、穴の寸法若しくは直径を、穴の少なくとも1つ若しくは正確に1つの寸法において拡大させる若しくは増大させるように設計されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置は、閉鎖デバイスホルダ内に含まれる少なくとも1つの閉鎖デバイスを備える。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスの応力がかかった状態において閉鎖デバイスホルダ内に少なくとも部分的に含まれる。特に、閉鎖デバイスは、とりわけ閉鎖デバイスが展開されていない状態にあるときに、閉鎖デバイスホルダの遠位端の内部に含まれる。ここで、閉鎖デバイスは、好ましくは、2つ以上の端部と、例えば2つ以上のアームを介して2つ以上の端部と接続する接合部とを有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスが医療装置の使用中に閉鎖デバイスホルダの遠位端から出るように操作されるとき、閉鎖デバイスが、例えば、閉鎖デバイスホルダの外に2つ以上のアームを曲げることによって、その応力又はその一部を解放するように、閉鎖デバイスホルダ内に含まれる。それにより、2つ以上の端部は、穴を取り囲む組織の内壁を穿孔するように配置される。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の閉鎖デバイス、引込デバイス、引込デバイスホルダ、及び/又は係合デバイスの少なくとも一部は、変形可能な形状記憶合金で作製される、且つ/又は自己拡張型形状記憶部分又はワイヤ本体を有する。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の閉鎖デバイス、引込デバイス、引込デバイスホルダ及び/又は係合デバイスの少なくとも一部は、ニチノールで作製される。
【0061】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の閉鎖デバイス、引込デバイス、引込デバイスホルダ及び/又は係合デバイスの少なくとも一部は、生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料で作製される。
【0062】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料は、Ti、Ti合金、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー材料、及びセラミックからなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0063】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、閉鎖デバイス又はその一部は、応力のない状態にあるとき、(例えば、閉鎖デバイスのアーム、支柱などによって囲まれた貫通開口部を有する)閉鎖形態になるようにカールする。
【0064】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、閉鎖デバイス又はその一部は、応力のない状態にあるとき、ループ状又はリング状又は円に似た形状になるようにカールする。
【0065】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、展開後の閉鎖デバイスは、10マイクロメートル~1センチメートル、好ましくは40マイクロメートル~200マイクロメートル、より好ましくは50マイクロメートル~100マイクロメートルの範囲の断面寸法を有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、2つのアームを有する。
【0067】
いくつかの実施形態では、アームの少なくとも1つは、少なくとも1つ又は1つの第1の曲げ方向及び少なくとも1つ又は1つの第2の曲げ方向を有する。したがって、アームの少なくとも1つ又は1つの第1の部分は、第1の曲げ方向に曲げられるのに対して、このアームの少なくとも1つ又は1つの第2の部分は、第2の曲げ方向に曲げられ、第1の曲げ方向と第2の曲げ方向とは、互いに同一ではない、互いに対向する向きである、互いに離れるように向いている、などのうちの少なくとも1つである。
【0068】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイス又は血管の穴の閉鎖状態では、アームの第1のアームの端部又は先端は、アームの第2のアームから離れるように向いているのに対して、第2のアームの端部又は先端は第1のアームから離れるように向いている。
【0069】
いくつかの実施形態では、医療装置は、ハンドル部材(若しくはハンドル若しくはハンドルデバイス)を備える、又は当該ハンドル部材からなる。
【0070】
いくつかの実施形態では、引込デバイスを作動させる又は進めるために、ハンドル部材は、第1のスライダと、任意選択的に、好ましくはハンドル部材の長手方向にユーザによって移動されるように配置された第2のスライダとを有することができる。
【0071】
任意選択的に、その端部位置において、又は別の位置において、第1のスライダは、定位置にロックされてもよい。好適な機構が、例えばハンドル部材に設けられてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの全部又はその一部は、完全に又はその一部のみが互いに平行である。
【0073】
いくつかの実施形態では、ハンドル部材のケーシングは、ハンドル部材のケーシングに対して閉鎖デバイスホルダを進めるためにユーザによってスイッチを移動させることができる開口部を備える。
【0074】
特定の実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、血管の穴の閉鎖動作全体にわたって互いに平行なままであるように配置される。他の実施形態では、それらは、血管の穴に向かって進められているときに互いに離れる、又は互いに逸れるように配置される。
【0075】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、互いに平行ではないか、又はそれらの一部(例えば、それらの近位部分)のみが平行であるが、例えばそれらの遠位部分(例えば、それらの先端)が平行ではない。特定の実施形態では、近位部分は、互いに平行である。いくつかの実施形態では、遠位部分は、互いに対して任意選択的に所定の角度下にある。
【0076】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの一部の先端の間又は遠位端の間の距離は、例えば、閉鎖のために血管の穴に向かって進められたとき、血管の穴を閉鎖するために閉鎖デバイスホルダが出て行く医療装置又はハンドル部材の開口部の直径よりも大きい。
【0077】
特定の実施形態では、閉鎖デバイスホルダの先端の間又は遠位端の間又は任意の他の対応する部分の間の距離は、それらの応力を受けていない状態又は完全に展開された状態において、且つ/又は血管の穴を閉鎖するために進められたときに、隣接する閉鎖デバイスホルダの間で等距離にある。
【0078】
特定の実施形態では、例えば、閉鎖のために血管の穴に向かって進められたとき、又はその応力を受けていない状態、もしくは完全に展開された状態での、引込デバイスの一部又はそれらのアームの先端の間又は遠位端の間の距離は、上述の閉鎖デバイスホルダの一部の先端の間又は遠位端の間の距離よりも大きい。
【0079】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダが血管の穴に向かって進められるときに互いに逸れるか、又は互いに離れることを保証するための送達支持体が設けられる。
【0080】
いくつかの実施形態では、送達支持体は、ワイヤ、ワイヤネット若しくは構造体を備える、又はそれらのそれぞれからなる。
【0081】
いくつかの実施形態では、送達支持体は、折り畳み可能及び/又は折り畳み不可能な要素である。
【0082】
いくつかの実施形態では、閉鎖部材の外側又は側面に、閉鎖デバイスホルダ又は送達支持バンパーが配置される。
【0083】
いくつかの実施形態では、ハンドル部材は、任意選択的にU字形又はV字形のガイドスロット(案内溝)を有するスリーブ又は好ましくは回転可能な別の要素又は円筒形の要素を含む。ガイドスロットは、スリーブの外面の一部であってもよく、又はスリーブの外面に加えられてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、ガイドスロットは、転回点と呼ばれる、別のスロット部分によって、各々が互いに接続されている第1のスロット部分及び第2のスロット部分を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、ハンドル部材、ノブ、又はスリーブ自体は、ガイドスロットの転回点を通して、同様にピンを案内するように配置された弾性要素、ばねなどを備える。
【0086】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、複数(ここでは2つ)のアームを備える。
【0087】
いくつかの実施形態では、引込デバイスのアームは、外側脚部及び内側脚部と呼ばれる2つの脚部を備える。
【0088】
いくつかの実施形態では、外側脚部及び内側脚部は、溶接された部分において又は溶接部分によって、互いに溶接されてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、外側脚部及び内側脚部は、トラフ開口部であり得る若しくはそれらの間にトラフ開口部を形成し得る1つ若しくは2つの中間開口部を取り囲むか、又は当該中間開口部に外接する。
【0090】
いくつかの実施形態では、内側脚部は、直線、又は実質的に直線である。
【0091】
いくつかの実施形態では、外側脚部は、くぼみ、膨らみ又はへこみを有するように又は形成するように曲げられる。
【0092】
いくつかの実施形態では、引込デバイスのアームは、各々、引込ユニットの別個の開口部を通って出る。他の実施形態では、アームの一部又はすべては、引込ユニットの共通の開口部を通って出る。
【0093】
いくつかの実施形態では、使用時にアームが通って出る引込ユニットの開口部の少なくとも1つは、自身の長さよりも小さい幅を有する。
【0094】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアームが通って出る引込ユニットの開口部の少なくとも1つは、楕円の開口領域を有する。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置は、閉鎖デバイスを操作するために、好ましくは閉鎖デバイスホルダの近位端を通って延びる押圧デバイスを更に備える。押圧デバイスは、閉鎖デバイスに対して作用することによって、例えば閉鎖デバイスを押すことによって、閉鎖デバイスを変形させないように構成されてよい。
【0096】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、押圧デバイスは、ロッド若しくはピストンであるか、又はロッド若しくはピストンを備える。
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置は、閉鎖デバイスを操作するために閉鎖デバイスホルダの近位端を通って延びる保持デバイス又は引き出しデバイスを更に備える。ここで、前記保持デバイスは、閉鎖デバイスに、特に解放可能に装着されるか、又は閉鎖デバイスに接続される。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の保持デバイスは、紐又は縫合糸である。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明に係る医療装置の閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイスホルダの内壁上の1つ以上の溝、及び/又は閉鎖デバイスホルダの長手方向に沿って、好ましくは溝を通って又は溝に沿って保持デバイスを案内するための押圧デバイス上の1つ以上の溝を有する。
【0100】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの遠位端は、閉鎖デバイスホルダの壁上に2つ以上のチャネルを有する。これらのチャネルは、医療装置の操作時に、又はユーザによって必要とされるときに、閉鎖デバイスの1つ以上の端部が閉鎖デバイスホルダから出ることを可能にする。端部は、閉鎖デバイスホルダの片側から出てもよいし、両側から出てもよい。チャネルは、スリット状であってもよい。チャネル又はその近位端は、遠位端によって閉鎖デバイスホルダの遠位方向に越えられてもよい。
【0101】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの遠位端は、閉鎖デバイスホルダの壁の上に、特に閉鎖デバイスホルダの円周内に、少なくとも1つのチャネル又は互いに対向する側に配置された2つのチャネルを有する。
【0102】
本発明に係る医療装置のいくつかの実施形態では、引込デバイスホルダは、細長い管であるか、又は細長い管を備える。この細長い管は、例えば金属若しくはプラスチックを含むか、又は金属若しくはプラスチックからなり、好ましくは引込デバイスを捕捉するように構成される。
【0103】
閉鎖デバイスホルダは、組織の穴を通って又は穴の中に進められる又は延伸されるための遠位端と、閉鎖デバイスホルダ内に収容されるとき及び場合に閉鎖デバイスを操作するためのアクセス手段を提供するのに特に適した近位端とを有することができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダ及び引込ユニットの少なくとも一方は、医療装置内で互いに対して、医療装置の他の要素に対して、且つ/又は医療装置のケーシングもしくは外側シースに対して摺動可能及び移動可能の少なくとも一方で配置される。
【0105】
いくつかの実施形態では、医療装置は、医療装置の一部又は全部の要素(当然ながら、ハウジング又はケーシング及びその他同種類の物を除く)、特に閉鎖デバイスホルダ及び/又は引込ユニットを備える外側ハウジング、シース又はケーシングを含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、医療装置は、ガイドワイヤを案内する且つ/又は包囲するための内腔を備える。内腔は、医療装置の遠位端と近位端との両方に、又はそれらのうちの一方のみに開口していてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、医療装置は、いくつかの内腔又は開口部を含む。例えば、それらのうちの1つは、第1の閉鎖デバイスホルダを収容することができ、別の1つは、第2の閉鎖デバイスホルダ、引込デバイスホルダ、及び/又は医療装置の任意の他の要素を収容することができる。
【0108】
医療装置の任意の内腔は、好ましくは医療装置の長手方向に延びる、医療装置の貫通開口部であってもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、医療装置は、その全長に沿った又はその一部のみに沿った、可撓性ではない及び/又は可撓性である外側ハウジング又は外側ユニットを有する。
【0110】
本発明に係る方法のいくつかの実施形態では、本方法は、
引込ユニットの一部を穴に導入するステップと、
穴の対向する側面を、引込ユニット又はそれに含まれる要素と接触させるステップと、
引込ユニット又はそれに含まれる要素によって、穴の対向する側面を引き込ませる、且つ/又は穴を広げるステップと、
少なくとも1つの閉鎖デバイスを閉鎖デバイスホルダから解放し、穴の対向する側面を閉鎖デバイスで互いに接続するステップとを更に含む。
【0111】
本発明に係る方法のいくつかの実施形態では、穴の対向する側面を引き込ませるステップ及び/又は穴を広げるステップは、穴の形状が例えばスリット又はスリット状又はよりスリット状に変化した穴にする。この変化は、穴の寸法又は直径の、穴の少なくとも1つの又は正確に1つの寸法における拡大又は増大をもたらす結果になり得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダ及び引込デバイスホルダの少なくとも一方は、部分的に中空の管である。
【0113】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダ及び引込デバイスホルダの少なくとも一方は、共通のケーシング又はハウジング内に配置され、好ましくはそのケーシングに対して摺動可能又は移動可能である。
【0114】
いくつかの実施形態では、閉鎖部材は、閉鎖デバイスホルダと同一である。
【0115】
いくつかの実施形態では、引込ユニットは、引込デバイスホルダと同一である。
【0116】
いくつかの実施形態では、引込ユニット及び閉鎖部材は、1つのデバイスのみによって具体化される。
【0117】
いくつかの実施形態では、デバイスは、ガイドワイヤを有しない。しかしながら、デバイスは、デバイスの長さを通って、且つ/又はその長さの方向にガイドワイヤを通すための内腔を有してもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、ステープル又はクリップ、ワイヤ構造などである。それは、任意の自由裁量による組み合わせで本明細書に開示される任意の特徴を有してよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイス、特にステープル又はクリップを第1の方向に排出又は解放するように構成されておらず、この場合、閉鎖デバイスを排出するように又はそれらを排出するのを支援するように構成されているデバイス又は閉鎖デバイスホルダの構成要素が、最善で(又は少なくとも理想的に)第1の方向に、又は最善で実質的に第1の方向に移動可能であるように構成される。しかしながら、それらの実施形態では、その構成要素は、第1の方向に実質的に垂直な第2の方向に移動可能であるようには構成されない、又はそのようには配置されない。
【0120】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダ及びデバイスの少なくとも一方は、閉鎖デバイスを塑性変形させるように構成されたデバイスを有しない、特に、排出又は解放されている間に閉鎖デバイスを塑性変形させるように構成されたデバイスを有しない。また、閉鎖デバイスを閉鎖するためのデバイスが設けられていないことが好ましい。
【0121】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、2つ以上の閉鎖デバイスを同時に排出又は解放するように構成される。例えば、閉鎖デバイスは、ホルダの1つの共通の開口部から排出されてよく、それらは、この開口部を通って並行して離れて行く。或いは、構成は、2つ以上の閉鎖デバイスが別個の開口部を通って、但し同時に閉鎖デバイスホルダ又はデバイスから離れるようなものであってもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイスが閉鎖デバイスホルダの長手方向にのみ排出又は解放され得るように構成される。
【0123】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイスホルダの長さに関して又は長手方向に関して、同じ位置でしか閉鎖デバイスを排出又は解放することができないように構成される。
【0124】
いくつかの実施形態では、引込ユニットは、穴を広げている間、互いに離れるように移動する少なくとも2つの要素、例えば、2つの側面、2つのアーム、2つの引込デバイス、又は2つの引込デバイスホルダを備える。
【0125】
いくつかの実施形態では、引込ユニット及び閉鎖デバイスホルダは、互いに別個であり、特に、互いに別々に移動することができる。他の実施形態では、それらは、互いに独立して移動することができないように、互いに対して相互接続されるか、又は同じユニットによって具現化される。
【0126】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダが、穴の引き込まれた状態において、すなわち、穴が引込ユニットによって引き込まれている又は拡大されている間、1つ又は複数の閉鎖デバイスを穴の長辺の縁又は継ぎ目を閉じるために、それらを組織の中に排出する、又は解放するように構成されるように、引込ユニットと閉鎖デバイスホルダとは、互いに離隔して配置されている。
【0127】
いくつかの実施形態では、穴の対向する側面に直接接触することによってそれらを引き込ませるように構成された引込ユニットの構成要素の少なくとも1つは、細長い部分、又は長方形の部分である。これらのうちの少なくとも1つは、ポール又は管などの形状を有してもよく、それらは好ましくは直線状である。
【0128】
いくつかの実施形態では、穴の対向する側面に直接接触することによってそれらを引き込ませるように構成された引込ユニットの構成要素の少なくとも1つ(例えば、第1及び第2のアーム又は部分、第1及び第2の引込デバイス、第1及び第2の引込デバイスホルダ、並びに/或いは第1及び第2の係合デバイス)は、1つ以上のヒンジ、関節、ジョイント又は、それが、特にその中央部分において屈曲する部分、より詳細には、互いに反対方向を向いていない部分を含まない。
【0129】
いくつかの実施形態では、穴の対向する側面に直接接触することによってこれらの側面を引き込ませるように構成された引込ユニットの構成要素は、自由遠位端を有する。
【0130】
いくつかの実施形態では、穴の対向する側面に直接接触することによって、これらの側面を引き込ませるように構成された引込ユニットの構成要素の一部又は全ては、穴を引き込ませながら第1の共通平面内で互いに対して移動するように構成される。任意選択的に、これらの実施形態又は異なる実施形態では、少なくとも1つの閉鎖デバイスは、完全に又は実質的に第2の平面内に延びる(例えば、閉鎖デバイスの展開された状態において、例えば解放されているとき、又は排出されているときに)。また、閉鎖デバイスは、任意選択的に、第2の平面内で閉鎖してもよい。例えば、閉鎖デバイスは、閉鎖時又は展開時に互いに向かって移動するアーム又は尖叉を備えてもよい。その移動は、実質的に1つの平面内で、すなわち第2の平面内で行うこともできる。第1の平面と第2の平面とは、互いに交差していてもよい。それらは互いに実質的に垂直であってもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、穴の対向する側面に直接接触することによって、これらの側面を引き込ませるように構成された引込ユニットの構成要素の一部又は全ては、穴を引き込ませながら第1の方向に互いに対して移動するように構成される。任意選択的に、これらの実施形態又は異なる実施形態では、デバイスは、少なくとも1つの閉鎖デバイスを第2の方向に排出又は解放するように構成される。第1の方向と第2の方向とは、互いに異なっていてもよい。実際、それらは互いに垂直又は実質的に垂直であってもよい。したがって、引込動作の方向は、閉鎖デバイスが排出又は解放される方向、及び/又はデバイスが外科医によって使用されるときに閉鎖デバイスが閉鎖する方向に対して垂直又は実質的に垂直であってもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の引込デバイス、又は第1及び第2のアーム若しくはその部分は、ただ1つのヒンジ若しくはジョイント又はヒンジ部分若しくはジョイント部分によって互いに接続される。そのヒンジ又はジョイント或いは部分は、好ましくは排他的に、引込デバイスホルダの内側に、且つ/又は医療デバイス又は引込デバイスホルダの長手方向軸に沿って移動するように配置されてもよい。追加的又は代替的に、そのヒンジ又はジョイント或いは部分は、好ましくは排他的に、第1の方向ではなく、第2の方向に移動するように配置されてもよい。したがって、これらの実施形態では、ヒンジ又はジョイント或いは部分は、任意選択的に、穴の対向する側面が引き込まれる又は広げられる方向に移動しない場合もある。
【0133】
本発明に係る、組織の穴を閉鎖するための医療装置も提案されており、
該医療装置は、
医療装置の展開された状態において組織の穴を通って延びるための遠位端と、閉鎖デバイスの操作のためのアクセス手段を提供するための近位端とを有する閉鎖デバイスホルダ、及び
医療装置又は閉鎖デバイスが展開されていない状態にあるときに、閉鎖デバイスホルダの遠位端内で応力が加わった状態で少なくとも部分的に捕捉される閉鎖デバイスであって、2つ以上の端部と、2つ以上のアームを介して2つ以上の端部と接続する接合部とを有する閉鎖デバイス、
を備え、
医療装置又は閉鎖デバイスの展開中に閉鎖デバイスが閉鎖デバイスホルダの遠位端を出るように操作されるとき、閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスホルダの外に2つ以上のアームを曲げることによってその応力を解放し、それによって2つ以上の端部が穴を囲む組織の内壁を穿孔するように、閉鎖デバイスホルダに対して構成される。
【0134】
本発明に係る、組織の穴を閉鎖するための方法も提案されており、
この方法は、
本発明に係る医療装置を提供するステップと、
医療装置によって穴を閉鎖するステップとを包含する。
【0135】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスの少なくとも一部は、変形可能な形状記憶合金で作製される。
【0136】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスの少なくとも一部は、ニチノールで作製される。
【0137】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスの少なくとも一部は、生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料で作製される。
【0138】
本発明に係るいくつかの実施形態では、生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料は、Ti、Ti合金、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー材料、及びセラミックからなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0139】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、応力のない状態にあるときに閉鎖形態にカールする。
【0140】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、応力のない状態にあるときにループ状又はリング状又は円形状にカールする。
【0141】
本発明に係るいくつかの実施形態では、医療装置の展開後の閉鎖デバイスは、10マイクロメートル~1センチメートル、好ましくは40マイクロメートル~200マイクロメートル、より好ましくは50マイクロメートル~100マイクロメートルの範囲の断面寸法を有する。
【0142】
本発明に係るいくつかの実施形態では、医療装置は、閉鎖デバイスを操作するために閉鎖デバイスホルダの近位端を通って延びる押圧デバイスを備える。
【0143】
本発明に係るいくつかの実施形態では、押圧デバイスは、ロッド又はピストンである。
【0144】
本発明に係るいくつかの実施形態では、医療装置は、閉鎖デバイスを操作するために閉鎖デバイスホルダの近位端を通って延びる保持デバイスを備え、前記保持デバイスは、閉鎖デバイスと共に装着される。
【0145】
本発明に係るいくつかの実施形態では、保持デバイスは、紐又は縫合糸である。
【0146】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイスホルダの長手方向に沿って保持デバイスを案内するための、閉鎖デバイスホルダの内壁上の1つ以上の溝、及び/又は押圧デバイス上の1つ以上の溝を有する。
【0147】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの遠位端は、閉鎖デバイスホルダの壁上に2つ以上のチャネルを有し、閉鎖デバイスを展開するときに閉鎖デバイスの1つ以上の端部が閉鎖デバイスホルダから出ることを可能にする。
【0148】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの遠位端は、閉鎖デバイスホルダの壁上に互いに対向する側に配置された2つのチャネルを有する。
【0149】
プラグ、クリップ又は縫合糸を利用するような最先端のシステムのほとんどは、最大10フレンチ(Fr)のかなり小さいサイズの動脈穿孔しか閉鎖することができず、動脈侵入部位に対してのみ承認されている。システムのいくつかは、より大きな動脈又は静脈穿刺を閉鎖するために適用外で使用される。
【0150】
本発明は、有利には、静脈及び組織を通る他の通路の最大30フレンチ(Fr)以上の大きな大孔穿刺を封鎖するためのより効果的な方法及び医療装置を提供することができる。
【0151】
本発明は、組織セグメントを互いに接続すること、又は静脈系、特に大腿静脈における非常に大きな孔、血管穿孔などの組織を貫く開口部を閉鎖する、且つ/又は封鎖することを可能にする。
【0152】
このような大きな血管アクセス及び穿孔は、経中隔僧帽弁及び三尖弁の修復並びにプロテーシス移植のような、より複雑なインターベンション処置に必要とされる。
【0153】
大腿静脈は、約8mm以上又は約24フレンチ(Fr)以上の直径を有し、同様の直径を有するシステムの導入を可能にする。プラグ、縫合糸又はクリップを利用する経皮的システムで、静脈のそのような大きな穿孔を閉鎖することは非常に困難である。そのような大きな孔の穿孔を円形法又は経度法で閉鎖する場合、血管狭窄のリスクが高い。
【0154】
本発明によると、穿孔を血管長軸に直交する方向に伸長させ、この伸長に沿って穿孔を密接に縫合するために、特定の技術が有利に使用される。このようにして、血管内腔の狭窄が回避される。
【0155】
本発明は、穿孔を血管長軸に直交する方向に伸長し、伸長ラインに沿って穿孔を閉鎖する伸長部に沿って単一のクリップを配置することによって、特に静脈内の大口径の血管穿孔を閉鎖することを可能にする。
【0156】
いくつかの実施形態では、医療装置は、ハンドル部材と、一方の側(図示せず)及び他方の側でハンドル部材に結合された管セットと、続いて又は同時に組織の穴の中に展開される引込ユニット及び閉鎖部材とを含むことができる。ハンドル部材はまた、開創器及び閉鎖部材を展開するのに必要な任意の数の機構(図示せず)を含むことができる。引込ユニット及び閉鎖部材は、制御された方法で、特にインターベンション処置を実行するために血管内に一般的に配置されるガイドワイヤ又は他のレール(図示せず)のようなガイド構造に沿って、これらのユニット及び部材を血管の穴又は内腔内に少なくとも部分的に配置されることを可能にするケーシングを通して配置される。
【0157】
引込ユニットは、任意選択的に、穴を通って延び、閉鎖されるべき穴の対向する内側に配置されるように構成された遠位端を有する2つの引込デバイスホルダを含む。引込デバイス又はそれらのホルダは、例えばその遠位端に取り付けられた係合デバイスを有することができる。係合デバイスは、例えば接触する、押圧する、及び/又は寄りかかることによって、穴の対向する端部及び血管内壁の対向する端部と係合するように構成されてもよい。係合デバイスは、穴が1つの延伸された長径及び直交する収縮された短径を有する直線状になるように、離れるように移動し、穴の対向する側面を引き込ませ、引込デバイスの間で穴の対向する側面を近づけるように構成される。
【0158】
閉鎖部材は、任意選択的に、閉鎖されるべき穴を通って延びる遠位端を有する1つ以上の閉鎖デバイスホルダを含み、閉鎖デバイスホルダは、例えば遠位端に取り付けられた閉鎖デバイスを有する。閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスホルダが引き出されるときに組織壁と係合するように構成される。
【0159】
閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスホルダが引き出されるときに穴を取り囲む組織壁を貫通する尖った針であることが好ましい。閉鎖デバイスが組織壁と係合するとき、更なる引き出しに対する堅固な抵抗として検出され得る。
【0160】
次いで、閉鎖デバイスが展開され、円形構造になるように更に曲げられ、穴を直線状に閉鎖するようなやり方で、横方向に引き込まれた穴の端部を共に引き寄せる。
【0161】
閉鎖デバイスは、任意選択的に、閉鎖デバイスが穴の内側から外側に移動されるとき、閉鎖デバイスが、閉鎖デバイスの予め設定された記憶形状に従ってアンカー状に曲がり、組織壁を穿孔し、また壁に近接している組織を把持して、穿孔を取り囲む組織を閉鎖された穴の近接に引き込み、穴を閉鎖することができ、引き込まれた周辺組織が組織閉鎖部を更に封鎖するようなサイズ、配向及び形態の複数の円形針を備える。
【0162】
1つ又は複数の閉鎖デバイスは、任意選択的に、閉鎖デバイスホルダ及び送達機構から係合解除され、所定の位置に残すことができる。
【0163】
このようにして組織の穴を閉鎖した状態で、閉鎖デバイスを組織壁に取り付けたまま残すことによって血管内で止血を達成することができる。閉鎖デバイスは、好ましくは記憶材料効果を有する金属、プラスチック、又は生体吸収性材料で構築されてもよい。
【0164】
本発明に係るいくつかの実施形態では、穴、切開部、穿刺部、又は組織を通る他の通路、血管若しくは他の体腔との連通の閉鎖に使用するために、1つ以上の引込ユニットを備える医療装置が提案される。
【0165】
引込ユニットは、例えば、閉鎖されるべき穴を通って延びるための遠位端と、操作を選択的に提供するための近位端とを有する2つの引込デバイスホルダを有する。
【0166】
係合デバイスは、引込デバイスホルダ内に捕捉されて、操作によって解放され、閉鎖されるべき穴の下方に配置される。前記引込デバイスホルダの前記操作は、穴の対向する側面の引込を引き起こし、幾分丸みを帯びた穴から、その延伸された横径(これは、引き込まれた後の穴の長径である)が穴の引き込まれた縦径(これは、短径である)の長さの少なくとも2倍であるスリット穴に、穴の形状を変化させる。
【0167】
本発明に係るいくつかの実施形態では、組織における穴を閉鎖するのに使用するために、医療装置が提案されており、この医療装置は、閉鎖部材を備え、閉鎖部材は、閉鎖されるべき穴を通って延びるための遠位端を備え、操作を選択的に提供するための近位端を有する閉鎖デバイスホルダを有し、且つ展開されるように前記閉鎖デバイスホルダの遠位端において捕捉された閉鎖デバイスを有し、これにより、前記閉鎖デバイスホルダの前記操作及び閉鎖デバイスの展開が穴を閉鎖させる。
【0168】
本発明に係るいくつかの実施形態では、医療装置は、引込ユニットのセットを備える。
【0169】
本発明に係るいくつかの実施形態では、医療装置は、例えば、標識、矢印などとして具体化される、医療装置の引込ユニットの向き又は方向を示すユーザに対する指示を含む。
【0170】
本発明に係るいくつかの実施形態では、医療装置は、前記閉鎖デバイスホルダ、係合デバイス及び閉鎖デバイスを穴と動作可能に近接するように送達するための送達デバイスを更に含み、前記送達装置は、例えば前記閉鎖デバイスホルダに摺動可能に接続されている。
【0171】
本発明に係るいくつかの実施形態では、引込デバイスホルダは、引込デバイスを捕捉することができる金属又はプラスチック製の細長い管を備える。
【0172】
本発明に係るいくつかの実施形態では、引込ユニットは、穴を引き込ませるために離れるように移動させることができる。
【0173】
本発明に係るいくつかの実施形態では、引込デバイスホルダは、引込デバイスを捕捉することができる金属、プラスチック又は他の材料で作製された細長い管を含む。
【0174】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイスが閉鎖デバイスホルダから離れる際に通る横方向チャネルを前記細長い管の端部に有し、閉鎖デバイスが細長い管の端部の反対側の構造と接触することを回避する。
【0175】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖部材は、閉鎖されるべきラインに沿って閉鎖デバイスを均等に分散するように操作され得る。
【0176】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、金属、金属合金、ニチノール、プラスチックを含む材料のクラスから選択される穿孔材料、好ましくは針で作製され、好ましくは記憶効果特性を有し、永久保護コーティング又は生体吸収性保護コーティングを有し、生体吸収性である。
【0177】
いくつかの実施形態では、本発明によれば、閉鎖デバイスは、所定の断面と、近位端と、各々がとがった端部を有する2つのアームとを有し、両アームは、前記閉鎖デバイスホルダ内で圧縮されて第2の位置に捕捉されたときに第1の位置の間で拡張するために、閉鎖デバイスの屈曲する部分である。閉鎖デバイスは、実質的に直線状であり、圧縮状態又は歪み状態において、両方向に閉鎖デバイスホルダ内側の軸線に沿って移動されることができ、閉鎖デバイスホルダの端部で解放させることができ、アームが曲がった形状を有する状態でアームを拡張された第2の位置に戻し、2つの半分の円又は半円を有するリングを形成する。
【0178】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスを前記閉鎖デバイスホルダと接続することを可能にする予め設定された形態を有する。
【0179】
本発明に係るいくつかの実施形態では、本発明は、壁にある穴、切開部、穿刺部、又は組織を通る他の通路、血管又は他の身体内腔、特に限定するものではないが、血液を運ぶ内腔を有する血管の壁との連通を閉鎖する方法に関する。
【0180】
該方法は、
a.閉鎖されるべき穴の対向する側面を引き込ませ、詳細には、穴の拡張された直交する側面を接続するために、穴に、幾分丸みを帯びた穴から、血管長軸に対して軸方向に減少した直径及び血管長軸直径に対して拡張された直交する直径を有するよりスリット状の穴に、穴の形状を変化させるステップと、
b.1つ又は複数の閉鎖デバイスを、穴を通して血管内腔に挿入し均一に展開し、閉鎖デバイスは、肩部間の穴の延伸された長辺で穴を取り囲む血管壁に係合し、引き込まれた穴の側面の2つの拡張された直交する側面を接続し、穴を閉鎖するように操作されるステップと、
を包含する。
【0181】
本発明に係るいくつかの実施形態では、閉鎖ステップは、係合された穴の壁の縫合、クランプ留め、又は同様の機械的接近を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、引込ユニットは、組織と解放可能に係合するために前記引込デバイスに接続された係合デバイスを備える。
【0183】
いくつかの実施形態では、係合デバイスは、折り畳み可能であり、且つ/又は引込デバイスホルダ内に少なくとも部分的に含まれる又は捕捉されるように構成される。
【0184】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの引込デバイス及び/又は少なくとも2つの係合デバイスは、特に引込デバイスホルダ又は係合デバイスを操作することによってそれらが引込デバイスホルダから少なくとも部分的に解放されるように、特に閉鎖されるべき穴の開口レベルより下方に配置されるように構成されるように、解放可能な方法で引込デバイスホルダ内に捕捉される。
【0185】
いくつかの実施形態では、引込デバイスホルダ及び/又は引込デバイス及び/又は前記係合デバイスは、特に、例えば幾分丸みを帯びた穴からスリット穴に穴の形状を変化させるように、好ましくは延伸された横径が穴の引き込まれた長手方向直径の長さの少なくとも2倍であるように、穴の対向する側面を引き込ませるように構成される。
【0186】
いくつかの実施形態では、機構は、形状記憶特性を含むか、又は形状記憶特性からなる。
【0187】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、特に医療装置が配置されていない状態にあるときに、応力がかかった状態で閉鎖デバイスホルダ内に、特に閉鎖デバイスホルダの遠位端内に少なくとも部分的に含まれ、閉鎖デバイスは、好ましくは2つ以上の端部と、例えば2つ以上のアームを介して2つ以上の端部と接続する接合部とを有する。
【0188】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、閉鎖デバイスが医療装置の使用中に閉鎖デバイスホルダの遠位端から出るように操作されるとき、閉鎖デバイスが、閉鎖デバイスホルダの外に2つ以上のアームを曲げることによって、その応力又はその応力の一部を解放し、これにより、2つ以上の端部が、穴を囲む組織の内壁を先行するように配置されるように、閉鎖デバイスホルダ内に含まれる。
【0189】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイス、引込デバイス、引込デバイスホルダ、及び/又は係合デバイスの少なくとも一部は、変形可能な形状記憶合金で作製される、且つ/又は自己拡張型形状記憶部分又はワイヤ本体を有する。
【0190】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイス、引込デバイス、引込デバイスホルダ及び/又は係合デバイスの少なくとも一部は、ニチノールで作製される。
【0191】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイス、引込デバイス、引込デバイスホルダ及び/又は係合デバイスの少なくとも一部は、生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料で作製される。
【0192】
いくつかの実施形態では、生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料は、Ti、Ti合金、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー材料、及びセラミックからなる群から選択される少なくとも1つの材料である。
【0193】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイス又はその一部は、応力のない状態にあるときに閉鎖形態にカールする。
【0194】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイス又はその一部は、応力のない状態にあるときにループ状又はリング状又は円形状にカールする。
【0195】
いくつかの実施形態では、展開後の閉鎖デバイスは、10マイクロメートル~1センチメートル、好ましくは40マイクロメートル~200マイクロメートル、より好ましくは50マイクロメートル~100マイクロメートルの範囲の断面寸法を有する。
【0196】
いくつかの実施形態では、医療装置は、閉鎖デバイスを操作するために、好ましくは閉鎖デバイスホルダの近位端を通って延びる押圧デバイスを更に備える。
【0197】
いくつかの実施形態では、押圧デバイスは、ロッド又はピストンである。
【0198】
いくつかの実施形態では、医療装置は、閉鎖デバイスを操作するために閉鎖デバイスホルダの近位端を通って延びる保持デバイスを更に備え、前記保持デバイスは、閉鎖デバイスに装着される。
【0199】
いくつかの実施形態では、保持デバイスは、紐又は縫合糸である。
【0200】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、閉鎖デバイスホルダの長手方向に沿って保持デバイスを案内するための、閉鎖デバイスホルダの内壁上の1つ以上の溝、及び/又は押圧デバイス上の1つ以上の溝を有する。
【0201】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの遠位端は、閉鎖デバイスホルダの壁上に2つ以上のチャネルを有し、医療装置の操作時、又はユーザによって要求されるときに、閉鎖デバイスの1つ以上の端部が閉鎖デバイスホルダから出ることを可能にする。
【0202】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダの遠位端は、閉鎖デバイスホルダの壁上に互いに対向する側に配置された少なくとも1つのチャネル又は2つのチャネルを有する。
【0203】
いくつかの実施形態では、引込デバイスホルダは、例えば、好ましくは引込デバイスを捕捉するように構成された、金属若しくはプラスチックを含む又は金属若しくはプラスチックからなる細長い管を備える。
【0204】
いくつかの実施形態では、本方法は、
引込ユニットの一部を穴に導入するステップと、
穴の対向する側面を、引込ユニット又はそれに含まれる要素と接触させるステップと、
引込ユニット又はそれに含まれる要素によって、穴の対向する側面を引き込ませる、且つ/又は穴を広げるステップと、
少なくとも1つの閉鎖デバイスを閉鎖デバイスホルダから解放し、穴の対向する側面を閉鎖デバイスで互いに接続するステップと、
を更に含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、穴の対向する側面を引き込ませるステップ及び/又は穴を広げるステップは、穴の形状が例えばスリット又はスリット状又はよりスリット状に変化した穴にする、又は穴の寸法若しくは直径を、穴の少なくとも1つの若しくは正確に1つの寸法において拡大させる若しくは増大させる。
【0206】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、引込ユニット及び/又は閉鎖デバイスホルダの長手方向軸に垂直な方向に穴を引き込ませるように構成される。
【0207】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、引込ユニット及び/又は閉鎖デバイスホルダの長手方向軸に対して90度~45度の角度を有する方向に穴を引き込ませるように構成される。角度は、90度、85度、80度、75度、70度、65度、60度、55度、50度、45度、又はこれらの間の任意の角度とすることができる。当然のことながら、他の実施形態では、角度は0度又は0から45度の間であってもよい。
【0208】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、引込ユニット及び/又は閉鎖デバイスホルダの長手方向軸に対して平行以外の方向に穴を引き込ませるように構成される。
【0209】
いくつかの実施形態では、引込デバイス又は引込ユニットは、例えば、アーム又は他の部分を回転又は移動させて、引込ユニット及び/又は閉鎖デバイスホルダの長手方向軸である軸の周りで又はこの軸に対して平行に、穴の対向する側面を引き込ませるためのモータ又は機構を有しない。
【0210】
他の実施形態では、引込デバイス又は引込ユニットは、引込デバイス及び/又は引込デバイスホルダに対して作用するためのモータ及び/又は機構を有する。
【0211】
特定の実施形態では、引込デバイス及び引込デバイスホルダは、互いに独立して移動できないように構成される。
【0212】
いくつかの実施形態では、アームは、引込デバイスホルダの一部、延長部又は突出部である。例えば、引込デバイスホルダは、2つの遠位先端を有してもよく、又は例えば、引込デバイスホルダの形状が変化した場合に、終端を、半月形、C字形、及び/又は隙間によって分離された2つの部分がそれぞれから逸れて、それらの間の隙間又は距離を増加させることを可能にする任意の他の形状とすることができる。したがって、本明細書で言及される2つの先端は、本明細書で言及されるようにアームとして理解され得る。また、「アーム」に関して本明細書で述べられたことは、上述のC字形状又は半月形状の2つの自由端である先端部にも変わることなく当てはまり得る。
【0213】
本明細書で使用される機構という用語は、特にプランジャ、ギア、モータなどの移動可能に配置された部品を含む機構を指す。
【0214】
いくつかの実施形態では、医療装置は、引込デバイスホルダの内腔内に少なくとも部分的に解放可能に収容されるように構成された展開デバイスを備える。展開デバイスは、円筒形状の本体を備えることができる。円筒形状の本体は、中空、部分的に中空、又は中実であり得る。展開デバイスの遠位端部分は、円錐形状の端部を備えることができる。その先端の極めて遠位の端部、端部又は端部部分は、球形形状の先端を備えることができる。
【0215】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、引込デバイスホルダの遠位先端、端部又は端部部分に配置される。引込デバイス及び引込デバイスホルダは、好ましくは互いに一体式に設計される、且つ/又は好ましくは、本発明の実施中に解放が不可能な方法又は解放を必要としない方法で、互いに接続される。
【0216】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、第1のアーム及び第2のアームを備える(又はそれらからなる)。好ましくは、第1のアーム及び第2のアームは、好ましくは少なくとも引込ユニットを穴内に配置している間、互いに平行に配置されるか、又は互いに平行に設けられる。
【0217】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、第1のアーム及び第2のアームを備え(又はそれらからなり)、第1のアーム及び第2のアームは、引込デバイスを穴に(の穴に対する)配置している間に(配置中に)、展開デバイスの表面に配置されるか、又は展開デバイスの表面と接触し、展開デバイスを引込デバイスホルダから引っ張り出した後に穴の引き込まれた状態まで拡張される。
【0218】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、第1のアーム及び第2のアームを備え(又はそれらからなり)、第1のアーム及び第2のアームは、引込デバイスを、穴まで又は穴の中に進めながら、展開デバイスの表面に解放可能に装着されるか、又は展開デバイスの表面と接触し、且つ第1のアーム及び第2のアームは、展開デバイスを引込デバイスホルダから引っ張り出した後の穴の引込状態をとるように拡張される。
【0219】
いくつかの実施形態では、引込デバイスは、第1のアーム及び第2のアームを備え(又はそれらからなり)、第1のアーム及び第2のアームは、引込デバイスを穴に配置しながら展開デバイスの表面に配置され、引込デバイスホルダから展開デバイスを引っ張り出した後、特定の機構なしで穴の引込状態まで受動的に拡張される。
【0220】
いくつかの実施形態では、引込デバイスホルダ又はその内腔は、引込ユニットを穴の中に配置している間の、第1の形状又は第1の断面、好ましくは断面直径を有する円形断面と、展開デバイスを引込デバイスホルダから部分的又は完全に引っ張り出した後の、第2の形状又は第2の断面、好ましくは断面直径よりも大きい主軸の長さを有する楕円形断面とを呈する、とる、又は示す。
【0221】
いくつかの実施形態では、引込デバイスホルダ又はその内腔は、引込ユニットを穴の中に配置している間の、第1の形状又は第1の断面、好ましくは断面直径を有する円形断面と、展開デバイスを引込デバイスホルダから部分的又は完全に引っ張り出した後の、第2の形状又は第2の断面、好ましくは断面直径よりも大きい主軸の長さを有する楕円形断面、好ましくは、2つの対称軸、主軸及び副軸を有する長円断面とを呈する、とる、又は示す。
【0222】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダ又はその断面の形状は、主に第2の形状をとる又は第2の断面を呈し、それに対応し、且つ/又は楕円形断面を有し、好ましくは、主軸の長さは、この長さよりもわずかに小さい。
【0223】
いくつかの実施形態では、引込デバイスホルダ又はその一部は、(好ましくは、追加の支援なしで(すなわち単独で導入されることによって))引込デバイスホルダに挿入/導入されている間に、閉鎖デバイスホルダが引込デバイスホルダの形状又は断面を適合させることを可能にするために十分に可撓性及び/又は弾性である。例えば、閉鎖デバイスホルダ又はその一部が長円断面を有する場合、これらの実施形態では、引込デバイスホルダ又はその内腔も楕円形の断面をとる。また、円形断面を有する展開デバイスが引込デバイスホルダの内腔に挿入される場合、内腔は円形断面をとることができる。
【0224】
したがって、いくつかの実施形態では、その内腔を画定する引込デバイスホルダ又はその一部は、可撓性又は弾性の材料から製造されていてもよい。
【0225】
また、いくつかの実施形態では、その内腔を画定/決定(画定)する引込デバイスホルダ又はその一部は、記憶効果を有しない材料から製造されていてもよい。
【0226】
したがって、いくつかの実施形態では、その内腔を画定する引込デバイスホルダ又はその一部は、非可撓性及び/又は非弾性の材料から製造されていてもよい。
【0227】
いくつかの実施形態では、医療装置は、閉鎖デバイスを排出するために閉鎖デバイスホルダの開口部の間又は開口部に隣接して配置された1つ以上のバー又は他の突起を備える。バーは、少なくとも1つの開口部の開口領域にわたって突出するように配置される。それらは閉鎖デバイスホルダと一体式であってもよく、閉鎖デバイスを閉鎖デバイスホルダから解放するときに反対側の血管壁又は組織を損傷しないように機能することができる。
【0228】
いくつかの実施形態では、医療装置は、展開デバイス及び/又は閉鎖デバイスホルダを引込デバイスホルダの内腔の中に進めるための開口部を提供する、引込デバイスホルダに接続される又は引込デバイスホルダの一体式の部分となるコネクタを備える。
【0229】
いくつかの実施形態では、コネクタの内腔、又はその断面、又は開口部の開口領域は、円形形状(少なくとも部分的に)の範囲を決める部分と、楕円形の形状(少なくとも部分的に)の範囲を決める部分との両方を含むことができる。
【0230】
いくつかの実施形態では、コネクタは、コネクタを通って引込デバイスホルダの内腔に挿入されたデバイスの外面を適合させる又は当接することによってシールとして作用するシール、膜、ダイヤフラムなどを備えることができる。
【0231】
いくつかの実施形態では、シール、膜、ダイヤフラムなどは、その材料を貫通するスリットを含んでもよく、これは、デバイスを収容し、デバイスが引込デバイスホルダから取り外されると再び開口部を閉鎖するために材料が逸れる、又は分岐することを可能にする。
【0232】
したがって、いくつかの実施形態では、コネクタの内腔、又はその断面、又は開口領域の形状は、専ら円形又は楕円形というわけでもない。
【0233】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスホルダは、好ましくは少なくとも部分的に解放可能に、好ましくは閉鎖デバイスホルダの長手方向に並進式に、引込デバイスホルダ内に収容される。
【0234】
いくつかの実施形態では、組織の穴を閉鎖するための方法は、
引込デバイスホルダと、第1のアーム及び第2のアームを有する引込デバイスと、展開デバイスとを備える医療装置を提供するステップであって、引込デバイスは、引込デバイスホルダの遠位端部分に配置されるか、又は引込デバイスホルダに装着される、ステップと、
展開デバイスを引込デバイスホルダの内腔に挿入するステップと、
第1のアーム及び第2のアームが穴の内側に配置されるまで、展開デバイスと、引込デバイスを含む引込デバイスホルダとの両方を穴まで前方に押すステップと、
展開デバイスを引込デバイスホルダの内腔から引き戻すステップと、
閉鎖デバイスを有する閉鎖デバイスホルダを引込デバイスホルダの内腔に挿入するステップであって、内腔は、任意選択的にほぼ長円形状又は楕円形状であり、挿入の結果、閉鎖デバイスを閉鎖デバイスホルダから排出するための閉鎖デバイスホルダの1つ又は複数の遠位開口部が穴に配置されるステップと、
穴を閉鎖するために閉鎖デバイスを押し出す、引き出す、又は解放するステップと、
任意選択的に、閉鎖デバイスを利用して穴を閉鎖するステップと、
を包含する。
【0235】
いくつかの実施形態では、引込ユニットとして又はその一部として作用する複数のアームが設けられる。いくつかの実施形態では、アームの一部又は全部は、一列に若しくは共通の平面内に設けられているか、又は共通の平面と接触して若しくは共通の平面と交差して設けられる。
【0236】
いくつかの実施形態では、引込ユニットの先端は、好ましくは穴を閉鎖している間はいかなる状態でも、横方向に互いに逸れることのないように配置されたアームの先端によって形成される。
【0237】
いくつかの特定の実施形態では、アームの長さは、互いに異なる。したがって、アームに2つ以上の異なる長さを設けることができ、又はアームの一部は、引込ユニット、共通のシース、若しくはそのケーシングから、他のものよりも長い長さだけ移動されるようにしてもよい。
【0238】
したがって、いくつかの実施形態では、引込ユニット100は、複数のアームを備えてもよく、又は複数のアームからなってもよい。アームの一部は、それらが、引き込みユニット100の内側からその外側に進められる可能性がある、長さ又は程度が異なっていてもよい。
【0239】
特定の実施形態では、引込ユニットの一部のアームのすべては、前進位置に進められ、側面に向かって屈曲する、又は逸れることなく前進位置から再び後退されるように配置されてもよい。
【0240】
いくつかの実施形態では、アームは、使用中に曲げられ得ないか、又は常に互いに平行に走るかのいずれか(又はその両方である)直線又は長手方向の構成要素であり得る。
【0241】
いくつかの実施形態では、アームが前進していない間に有する形態以外に、アームが(例えば形状記憶特徴に起因して)とる形態は存在しない。
【0242】
アームは、一緒に移動される場合のみ、ケーシング又は医療機デバイスの内側から外に移動されるように配置されてもよい。したがって、それらは、グループとしてのみ進められ得るような方法で互いに相互接続されてもよい。
【0243】
いくつかの実施形態では、プロテクタが提供される。プロテクタは、ワイヤを備えてもよく、又はワイヤからなってもよい。
【0244】
プロテクタは、アームに接続されてもよい。それらは、共に、又はそれぞれのアームとのみ共に、ケーシングから外に、又は医療装置の他の部分に対して摺動されるように構成されてよい。
【0245】
いくつかの実施形態では、1つのアームがその上面で1つのプロテクタに接続され、別のプロテクタがその下面に接続される。
【0246】
いくつかの実施形態では、プロテクタは、引込ユニット又はそれぞれのアームの長手方向軸に対して好ましくは垂直である方向に(又は垂直に)開くように配置される。
【0247】
プロテクタは、引込ユニット又はそのケーシングの横幅において、引込ユニット又はそれぞれのアームの最大延長の方向に対して好ましくは垂直である方向に(又は垂直に)開くように配置されてもよい。
【0248】
いくつかの実施形態では、ケーシングの横幅又はその引込ユニットの幅又は深さは、好ましくは、ケーシング又は引込ユニットを円形ではなく、むしろ平坦、長方形、長円などの断面にする。
【0249】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスは、2つのアームを備えるか、又は2つのアームからなる。これらは、共通の一体型材料に由来してもよく、又は装着領域内で互いに装着されてもよい。それらは、互いに接着、溶接、又は他の方法で取り付けられてもよい。
【0250】
いくつかの実施形態では、閉鎖デバイスの形状は対称的ではなく、好ましくはその状態ではない。
【0251】
いくつかの実施形態では、装着領域は、閉鎖デバイスの中心線に対して傾斜されている。
【0252】
例えば、装着領域は、最大横幅の線に垂直な線に対して、又はアームの先端を結ぶ直線に対して、20°から70°の間、好ましくは30°から60°の間の角度だけ傾斜されてもよい。
【0253】
いくつかの実施形態では、装着領域は、貫通開口部611を含む。貫通開口部611は、閉じた円周を有してもよく、又は、その延長部を利用して円周に向かって開口してもよい。延長部は、貫通開口部自体の半径よりも狭くてもよい。したがって、延長部は、貫通開口部の全体形状を鍵穴形状に変えることができる。延長部は、一つの平面内で、貫通開口部の主要領域までのボトルネックであってもよい。
【0254】
閉鎖デバイスのアームのワイヤは、好ましくはフラットワイヤから作製されるか、又はフラットワイヤを備える。フラットワイヤは、ラウンドワイヤとは対照的に、円形の断面を持たない。その断面は、長円、長方形であるか、又は円形の設計から別の方法で逸脱している。フラットワイヤは、例えばニチノールの不可逆的歪み閾値を超えることなく、より高い把持力を可能にする。また、閉鎖デバイスは、関連する量の血管周囲組織で血管壁を保持し、共に締め付けて止血及び完全な閉鎖を作り出すことが可能であると考えられる。
【0255】
本発明によるいくつかの実施形態では、穴を閉鎖するための医療装置は、当業者によって技術的に不可能であると考えられない限り、任意の自由裁量による組み合わせで本明細書に開示される特徴を含む。本発明の様々な実施形態のこれら及び他のより詳細で特定の目的及び理解は、図面を参照して例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0256】
図1A】本発明に係る医療装置の引込ユニットの一実施形態の概略側面図である。
図1B】本発明に係る医療装置の引込ユニットの一実施形態の概略側面図である。
図1C】本発明に係る医療装置の引込ユニットの一実施形態の概略側面図である。
図1D】本発明に係る医療装置の引込ユニットの一実施形態の概略側面図である。
図2A】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図2B】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図2C】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図2D】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図2E】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図2F】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図3A】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分断面図である。
図3B】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分断面図である。
図3C】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分断面図である。
図3D】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分断面図である。
図4A】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図4B】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図4C】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図4D】引込ユニットの代替の実施形態の側面図である。
図5A】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分側部断面図である。
図5B】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分側部断面図である。
図5C】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分側部断面図である。
図5D】穴の中に展開された引込ユニットの概略部分側部断面図である。
図6A】針の好ましい拡張された円形形態の、本発明の一実施形態による医療装置の閉鎖デバイスの正面図である。
図6B】針の好ましい圧縮された直線形態の、本発明の一実施形態による医療装置の閉鎖デバイスの正面図である。
図7A】組織を貫通して穴の自由縁を接続する、穴の中に配置された図6に示される閉鎖デバイスの側面図である。
図7B】組織を貫通して穴の自由縁を接続する、穴の中に配置された図6に示される閉鎖デバイスの側面図である。
図7C】組織を貫通して穴の自由縁を接続する、穴の中に配置された図6に示される閉鎖デバイスの側面図である。
図7D】組織を貫通して穴の自由縁を接続する、穴の中に配置された図6に示される閉鎖デバイスの側面図である。
図7E】組織を貫通して穴の自由縁を接続する、穴の中に配置された図6に示される閉鎖デバイスの側面図である。
図7F】組織を貫通して穴の自由縁を接続する、穴の中に配置された図6に示される閉鎖デバイスの側面図である。
図8】閉鎖デバイスホルダ内に捕捉された直線状に折り畳まれた(圧縮された、すなわち展開されていないと理解される)閉鎖デバイスを中に含む閉鎖部材の長手方向の概略側面図である。
図9】閉鎖デバイスホルダに捕捉された直線状に折り畳まれた閉鎖デバイスを含む閉鎖部材の概略斜視図である。
図10】血管の穴の中に展開された閉鎖部材の概略部分断面の長手方向の断面図である。
図11】血管の穴中に進められた閉鎖部材の概略部分断面の長手方向の断面図である。
図12A】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図12B】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図12C】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図12D】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図12E】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13A】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13B】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13C】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13D】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13E】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13F】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13G】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図13H】組織を貫通し、穴の自由縁を接続する、穴の中に展開された図10からの代替の閉鎖部材及び図6からの閉鎖デバイスの概略部分断面の長手方向の断面図である。
図14】穴の中に進められた2つの引込ユニットの概略部分断面斜視図である。
図15】穴の中に展開された2つの引込ユニットの概略部分断面斜視図であり、図4からの2つの引込デバイスは血管内に進められ、血管内に展開されている図である。
図16】穴の中に展開された2つの引込ユニットの概略部分断面斜視図であり、図4からの2つの引込デバイスが、血管内に進められ、血管内に展開されており、穴が広げられている図である。
図17】穴の中に展開された2つの引込ユニットの概略部分断面斜視図であり、図4からの2つの引込デバイスが、血管内に進められ、血管内に展開されており、2つの引込デバイスが、停止が感じられるまで引き込まれ、穴が真っ直ぐなスリットになり、停止が感じられ得るようになるまで穴が広げられている図である。
図18】穴の中に同時に又は続いて展開された2つの引込デバイス及び2つの閉鎖デバイスの概略部分断面斜視図である。
図19】穴の中に展開された2つの引込デバイス及び2つの閉鎖デバイスの概略部分断面斜視図であり、穴が引き込まれており、穴の長縁が、図6からの部分的に展開された閉鎖デバイスによって近づけられている図である。
図20】完全に展開され、穴の長縁を接続する図6から2つの引込デバイス及び2つの閉鎖デバイスの概略部分断面斜視図であり、引込ユニットがその後に引き出される図である。
図21】横方向のラインで穴を閉鎖する図6から2つの解放された閉鎖デバイスの概略斜視図である。
図22】血管の穴の中に同時に進められた2つの引込デバイス及び1つの閉鎖部材の概略部分断面斜視図である。
図23】血管の穴の中に展開された2つの引込デバイス及び1つの閉鎖部材の概略部分断面斜視図であり、穴は血管長軸に直交する方向に広げられている図である。
図24】血管の穴の中に更に進められた2つの引込デバイス及び1つの閉鎖部材の概略部分断面斜視図であり、穴は血管の長軸に直交する方向に広げられており、穴の長縁が、図6からの部分的に展開された閉鎖デバイスによって近づけられ、貫通されている図である。
図25】穴を閉鎖する1つの閉鎖デバイスを有する血管の概略部分断面斜視図である。
図26A】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(a)の概略部分断面斜視図である。
図26B】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(b)の概略部分断面斜視図である。
図26C】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(c)の概略部分断面斜視図である。
図26D】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(d)の概略部分断面斜視図である。
図26E】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(e)の概略部分断面斜視図である。
図26F】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(f)の概略部分断面斜視図である。
図26G】血管の穴を閉鎖する処置全体における7つのステップのうちのステップ(g)の概略部分断面斜視図である。
図27】患者の血管の穴及び横方向外科用縫合糸による閉鎖を示す図である。
図28】患者の血管の穴及び交差外科手技による閉鎖を示す図である。
図29】患者の血管の穴及び長手方向の外科的処置による閉鎖を示す図である。
図30】一実施形態における閉鎖デバイスを斜視図で示す図である。
図30A図30の閉鎖デバイスを正面図で示す図である。
図31】別の実施形態における閉鎖デバイスを正面図で示す図である。
図31A図31の閉鎖デバイスを斜視図で示す図である。
図32】別の実施形態における閉鎖デバイスを正面図で示す図である。
図32A図32の閉鎖デバイスを斜視図で示す図である。
図33】本発明の一実施形態に係る医療装置の一部を斜視図で示す図である。
図33A図33の医療装置を実質的に前面から示す図である。
図34】医療装置の別の実施形態の一部を斜視図で示す図である。
図35】医療装置の別の実施形態の一部を側面から示す図である。
図36】医療装置の前端面上の非常に簡略化された図である。
図37A】本発明の実施形態で使用される閉鎖デバイスの2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す図である。
図37B】本発明の実施形態で使用される閉鎖デバイスの2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す図である。
図37C】本発明の実施形態で使用される閉鎖デバイスの2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す図である。
図37D】本発明の実施形態で使用される閉鎖デバイスの2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す図である。
図37E】本発明の実施形態で使用される閉鎖デバイスの2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す図である。
図37F】本発明の実施形態で使用される閉鎖デバイスの2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す図である。
図38】ガイドワイヤが血管内に進められた、本発明に係る医療装置の実施形態の一部であるハンドル部材を示す図である。
図39】ハンドル部材によって作動される引込デバイスの一実施形態を示す図である。
図40】ハンドル部材によって穴に押し込まれた3つの任意選択的に平行な閉鎖デバイスホルダを示す図である。
図40A図40の3つの平行な閉鎖デバイスホルダのための送達支持体を示す図である。
図40B】拡張状態の図40Aの送達支持体を示す図である。
図40C】ハンドル部材のインサート又は一部としてのガイドスロットを有するスリーブを示す図である。
図41】閉鎖デバイスホルダ内に含まれ、ハンドル部材の機構によって前方に押された3つの閉鎖デバイスを示す図である。
図42】ハンドル部材の機構によって引き戻されている図41の3つの閉鎖デバイスホルダを示す図である。
図43】ハンドル部材の機構による侵入部位からの引込デバイスの解放を示す図である。
図44】引込デバイス及び医療装置を侵入部位から完全に取り外す、又は取り外すためのハンドル部材の機構を示す図である。
図45】例示的な実施形態における引込デバイス及び係合デバイスの設計を示す図である。
図46A】本発明に係る医療装置の引込ユニットの代替の実施形態の概略図である。
図46B】本発明に係る医療装置の引込ユニットの代替の実施形態の概略図である。
図46C】本発明に係る医療装置の引込ユニットの代替の実施形態の概略図である。
図46D】本発明に係る医療装置の引込ユニットの代替の実施形態の概略図である。
図46E】本発明に係る医療装置の引込ユニットの代替の実施形態の概略図である。
図47A図46Cに示される引込デバイス用の閉鎖デバイスホルダの追加の例示的な実施形態を示す図である。
図47B図46Cに示される引込デバイス用の閉鎖デバイスホルダの追加の例示的な実施形態を示す図である。
図47C図46Cに示される引込デバイス用の閉鎖デバイスホルダの追加の例示的な実施形態を示す図である。
図48A】引込デバイスホルダ及び閉鎖デバイスホルダのための開口部を有するコネクタを示す図である。
図48B】引込デバイスホルダ及び閉鎖デバイスホルダのための開口部を有するコネクタを示す図である。
図49】本発明の別の実施形態に係る医療装置の一部を斜視図で示す図である。
図49A図49の医療装置を実質的に側面から示す図である。
図50】一実施形態における閉鎖デバイスを斜視図で示す図である。
図50A図50の閉鎖デバイスを斜視図で示す図である。
図51】第1の状態にある本発明に係る閉鎖デバイスを示す図である。
図51A】第2の状態にある図51の閉鎖デバイスを示す図である。
図51B】互いに離れた図51の閉鎖デバイスのアームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0257】
本開示の特定の実施形態は、組織引込ユニット及び穴閉鎖部材を備える血管閉鎖デバイスなどの、組織内の穴を閉鎖するための血管閉鎖デバイス及び方法に向けられている。
【0258】
(組織の引込)
本発明の一態様では、組織の穴の2つの対向する部位を引き込ませるための引込ユニットが設けられる。2つのアーム、側面などが穴の中の対向する側面に展開されて閉鎖した後、対向する側面を引き込ませるために、アーム、側面などの間の距離が増大され、組織開口部(穴)の形状をスリットに変化させ、その中で穴の2つの長い直線側面は、閉鎖に備えて近づけられる。
【0259】
本明細書に記載されるような血管の閉鎖は、治療されるべき血管の狭まり又は狭窄を防止するための外科的血管閉鎖技術の原理に従うことが当業者には理解されよう。引込デバイスは、開放式の外科的な横縫合線に匹敵する、血管の長軸に直交する横方向スリットになるように組織内の穴を準備している。開放式の外科的クロスステッチ処置又は長手方向縫合線のような穴の円形の引込は、治療されるべき血管の狭窄を回避するために防止される(図27参照)。
【0260】
(穴の閉鎖)
本発明の別の態様は、引込ユニットで準備された組織の穴を閉鎖するための閉鎖部材に関する。引込ユニット及び閉鎖部材は、血管修復に限定されず、一般的な組織修復に使用され得ることを認識されたい。以下の説明を通して、医療装置の閉鎖デバイスは、例えば、チタン(及びチタン合金)、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー材料(合成及び/又は天然)、セラミックなどを含む任意の生体適合性材料及び/又は生体吸収性材料で形成することができることが理解されよう。閉鎖デバイスが、好ましくは変形可能な形状記憶合金、例えばニチノールで形成されたループ又は円の形態の針の形状を有することも、説明から明らかであろう。一般的な概要として、本発明の閉鎖デバイスは、2つの変形位置、すなわち、閉鎖デバイスが閉鎖デバイスホルダ内に捕捉されて穴の中に展開される圧縮された直線構成の第1の位置と、閉鎖デバイスが穴の端部を近づけ組織内の穿孔を閉鎖する第2の拡張した円形構成とを経る。
【0261】
スリットを形成するために、引込デバイスによって組織における穴が準備された後、スリットの2つの長辺が閉鎖デバイスによって接続されて組織の開口部を閉鎖する。
【0262】
図1は、本発明の引込ユニット100の側面図である。引込ユニット100は、任意選択的に、遠位先端110を有する長手方向の中空の引込デバイスホルダ102を有する。引込デバイス101は折り畳まれ、管状の引込デバイスホルダ102内に捕捉される。引込デバイス101は、少なくとも1つの又は1つの近位端111と、2つの遠位端112とを有する。引込デバイス101は、任意選択的に、記憶効果を有する材料で作製され、ばねのように2つの遠位端112を伸ばす能力を有する。引込デバイス101は、引込デバイスホルダ102内に捕捉されるように圧縮させることができる三角形として、拡張された段階又は状態で形成された形状記憶合金、例えばニチノールから形成され得る。引込デバイスホルダ102が矢印108に沿って引き出されるとき、引込デバイス101は段階的に解放され、引込デバイス101の記憶効果によって遠位端112が徐々に広がる。
【0263】
図2は、図1に示されるような引込ユニット100の代替の実施形態の側面図である。引込ユニット100は、遠位先端110を有する長手方向の中空の引込デバイスホルダ102を有する。引込デバイス101は折り畳まれ、管状の引込デバイスホルダ102内に捕捉される。この実施形態では、断面での引込デバイスホルダ102は、引込デバイス101が長手方向に、特に引込デバイスホルダ102の遠位端の方向に移動されるときに、引込デバイス101のアームが捕捉され案内される溝207を有する。引込デバイス101は、例えば、任意選択的に引込デバイスホルダ102に捕捉されたピストン203によって、引込デバイスホルダ102の遠位端110に向かって押される。引込デバイス101は、引込デバイス101を繋留する任意選択の縫合糸202によってループ状にされている。断面でのピストン203は、縫合糸202が捕捉される溝204を有する。ピストン203を図2Cから図2Eまで長手方向に押すとき、引込デバイス101は、段階的に解放され(図2Cから図2F)、引込デバイス101の記憶効果により遠位端112が徐々に広がる。ピストン203によって引込デバイスホルダ102の遠位端110に向かって長手方向に押している間、又は引込デバイスホルダ102の遠位端110から離れるように引っ張っている間、引込デバイス101は、繋留するための縫合糸202又は同様に作用する構成要素によってピストン203に接続されたままである。引込デバイス101が完全に解放されると、ピストン203を含めた引込デバイスホルダ102は、引込デバイス101が依然として縫合糸202によって繋留されたままにして、取り外されてもよい。後に、引込デバイス101は、縫合糸202の両端を引っ張ることによってその位置(穴)から取り外され得る。
【0264】
図3は、血管の穴302内に配置された引込ユニット100の概略部分断面図である。
【0265】
引込ユニット100は、閉鎖されるべき穴302を通って血管301の内腔内にその遠位端がある状態で、患者の身体の体外から延びることを特徴とするケーシングを通して患者の体内の創傷を通って展開され得るように開発されている。
【0266】
引込ユニット100及び引込デバイス101は、閉鎖されるべき穴302のサイズ及び患者の血管301又は他の身体器官のサイズに応じて、並びにユニット及びデバイスの材料組成に応じて寸法が変化する。
【0267】
引込デバイスホルダ102を有し、引込デバイス101を捕捉している引込ユニット100が、血管301の穴302に挿入される。引込デバイス101の遠位端110が血管壁穴302の下方に配置されると、引込デバイスホルダ102は、血管の穴302から離れる方向に(図3Aから図3Dに)段階的に引き出され、引込デバイス101は、解放される。引込デバイス101の記憶特性により、穴302は、血管長軸に直交する方向に図3Bから図3Dへと徐々に広げられ、血管壁301内の図3Dのスリット開口部302となる。
【0268】
図4は、図1に示されるような引込ユニット100の代替の一実施形態の側面図である。引込ユニット100は、遠位先端110を有する長手方向の中空の引込デバイスホルダ102を有する。引込デバイス101は折り畳まれ、管状の引込デバイスホルダ102内に捕捉される。引込デバイス101は、近位端111と、2つの遠位端112とを有し、2つの遠位端112の各々において任意選択の係合デバイス410を有する。係合デバイス410は、好ましくはループ状要素、好ましくはワイヤループであり、最初は拡張状態で形成され、折り畳まれて引込デバイスホルダ102内に捕捉され得る。引込デバイス101は、任意選択的に、記憶合金、例えばニチノールのような記憶効果を有する材料で作製され、2つの遠位端112を広げ、ワイヤループ410を展開する能力を有する。引込デバイスホルダ102が矢印(図4Bから図4D)に沿って後退されると、引込デバイス101は段階的に解放され、引込デバイス101の2つのアーム112は広がり、遠位係合部材410は、引込デバイス101の記憶効果によって展開する。
【0269】
図5は、血管301の穴302の中に配置された引込ユニット100の概略部分断面側面図である。
【0270】
引込ユニット100は、閉鎖されるべき穴302を通って血管301の内腔内にその遠位端がある状態で、患者の身体の体外から延びることを特徴とするケーシングを通して患者の体内の創傷を通って展開され得るように開発されている。
【0271】
引込ユニット100及び引込デバイス101は、閉鎖されるべき穴302のサイズ及び患者の血管301又は他の身体器官のサイズに応じて、並びにユニット及びデバイスの材料組成に応じて寸法が変化する。
【0272】
引込デバイスホルダ102を有し、引込デバイス101を捕捉する引込ユニット100は、血管301の穴302に挿入される。引込デバイス101は、近位端111と、2つの端部112とを有し、2つの端部112の各々において係合部材410を有する。係合部材410は、好ましくは、折り畳まれて引込デバイスホルダ102内に捕捉され得るワイヤループである。引込デバイスホルダ102の遠位端110が血管壁穴302の下方に配置されると、引込デバイスホルダ102は、血管の穴302から離れる方向に(図5Aから図5Bに)段階的に引き出され、血管の穴302の下方で開き、開口部を囲む血管内壁に係合する係合デバイス410(図5D)を解放する。係合デバイス410は、図5Bから図5Cまで更に解放される。係合デバイス410の記憶特性によって、穴302は、(図5Bから図5Dへと)徐々に広げられ、血管壁301のスリット開口部302(図5D)となる。開いた係合デバイス410は、スリット形状にあるときに、係合デバイス410が血管の穴302から引き出されるのを防止する。
【0273】
図6は、円形針の好ましい形態の本発明の閉鎖デバイス600の正面図である。閉鎖デバイス600は、近位端602と、それぞれが任意選択的に尖った遠位端603を有する第1及び第2のアーム604を有する。両アーム604は、閉鎖デバイス600の屈曲する部分である。
【0274】
閉鎖デバイス600は、両方のアーム604が、任意選択的に又は実質的に一方の平面内でそれぞれ半分の円又は半円を形成し、両方のアーム604が互いに交差することを可能にする、拡張された実質的に閉じた位置(図6A)と、それに対して、アーム604が実質的に直線状であり、閉鎖デバイス600が引込デバイスホルダ102(図5)又は閉鎖部材800の中で捕捉されることを可能にする圧縮された実質的に閉じた位置(図6B)とを有する。
【0275】
閉鎖デバイス600は、特定の必要性に応じた材料の選択と共に、様々な予め設定された記憶形状材料で作製され得る。
【0276】
閉鎖デバイス600は、例えば、チタン(及びチタン合金)、ニチノール、ステンレス鋼、ポリマー材料(合成及び/又は天然)、セラミックなどを含む任意の生体適合性材料で作製されてもよく、且つ/又は生体吸収性材料、例えばガルバニック腐食が利用されてもよい。分解速度は、いかなる巨視的な気泡も形成しない組成物によって調整され得る。閉鎖デバイス600は、好ましくは、形状記憶合金、例えばニチノールで作製され、ループ状構造を形成する能力を有する。閉鎖デバイス600のサイズは、針の材料組成及び使用に必要なサイズに依存する。用途に応じて、閉鎖デバイス600は、10マイクロミリメートル~10センチメートルの範囲の寸法及び断面寸法を有することができる。サイズは、目標の閉鎖サイズ及び閉鎖されるべき穴302のサイズに依存する。
【0277】
好ましくは、拡張されたループ状の閉鎖デバイス600(図6A)は、例えば図8に示されるように閉鎖部材800でそれを拘束することによって、その圧縮状態(図6B)になるように弾性的に圧縮されてもよい。
【0278】
閉鎖デバイス600は、収縮状態(図6B)から図6Aに示されるような拡張状態に展開されてもよい。部分的に拡張された状態にあるとき、閉鎖デバイス600は、フック状に形成された閉鎖デバイス600が壁を穿孔するまで、閉鎖されるべき穴302の中の部分的に拡張された閉鎖デバイス600を引き出すことによってその位置を特定するためにアンカーのように使用されることができ、更なる引き出しは、(図13Fに示されるように)更なる引き出しに対する抵抗の増加として検出され得る。
【0279】
閉鎖デバイス600は、開口部302を取り囲む穴の壁の片側に係合し、穴302の壁を貫通し、アンカー状の屈曲アーム604が図7に示されるように穿孔された組織壁を近づける尖った端部603を有する。図6Bにおける閉鎖デバイス600の近位端602を表す拡張された閉鎖デバイス600(図6A参照)の溝602は、図13において以下に示されるように閉鎖デバイス600を閉鎖部材800にロックすることを可能にする。
【0280】
図7は、組織301を貫通し、穴302の自由縁を接続する、穴302の中に展開された、図6に示される閉鎖デバイス600の側面図である。
【0281】
図7は、閉鎖されるべき穴302の中での図6からの閉鎖デバイス600のその後の展開を示す。
【0282】
図7Aでは、(図6に示されるような)閉鎖デバイス600は、圧縮された直線構成であり、組織301の穴302の中に進められる。
【0283】
図7Bでは、閉鎖デバイス600は部分的に展開されており、閉鎖デバイス603の先端は、記憶材料効果によって曲げられている。
【0284】
閉鎖デバイス600を更に展開した図7Cでは、閉鎖デバイス603の端部は、アンカー形態708になるように更に曲げられ、閉鎖デバイス603の尖った端部は、組織の穴301の片側と係合し、壁301を貫通する(709を参照)。
【0285】
次いで、閉鎖デバイス600が引き出され、アンカー状に形成された閉鎖デバイス708の尖った端部722が組織301を穿孔する。閉鎖デバイス600を更に展開すると、閉鎖デバイス600は、両方の屈曲アームの各々が半分の円又は半円を完成し、組織の穴の端部を近づけ、穴302を閉鎖する。
【0286】
しかしながら、閉鎖デバイス600の展開は、任意選択的に、後続の図8図12に示されるように閉鎖デバイスホルダ802を必要とすることを理解されたい。閉鎖デバイス600の実施形態及び構成に応じて、より多くの閉鎖デバイス600が利用され得ることを理解されたい。
【0287】
図8は、遠位端804を有する長手方向の中空の閉鎖デバイスホルダ802を備える、長手方向801における閉鎖部材800の概略断面側面図である。閉鎖デバイスホルダ802は、直線の圧縮された閉鎖デバイス600を中に含む。閉鎖デバイスホルダ802は、閉鎖デバイス600を展開するための横方向チャネル803を任意選択的に有する。
【0288】
図9は、直線状に折り畳まれた閉鎖デバイス600を含む、図8に示される閉鎖デバイスホルダ802の矢印801によって指示される概略断面斜視側面図である。閉鎖デバイスホルダ802は、閉鎖デバイス600を展開するための横方向チャネル803を任意選択的に有する。チャネル803は、図12B図12Dにアンカー708(図12C)の形態で示されるように、閉鎖デバイス600が屈曲する方法で閉鎖デバイスホルダ802から出ることを可能にするが、閉鎖デバイス600が反対側の血管壁のような、閉鎖デバイスホルダ802の端部804の反対側に位置され得る構造及び組織と係合するのを阻止する。
【0289】
図10は、図8及び図9に示されるように、真っ直ぐに折り畳まれた閉鎖デバイス600を中に含み、血管壁301の穴302を通って血管内腔1006内に進められている、血管301及び閉鎖デバイスホルダ802の、矢印801によって指示される概略部分断面斜視図である。遠位閉鎖デバイスホルダ802内のチャネル803は、閉鎖デバイスが反対側の血管壁301と係合するのを防止するアンカー708(図12C)の形態で、図12B図12Dに示されるように屈曲する方法で閉鎖デバイス600が閉鎖デバイスホルダ102から出ることを可能にする。
【0290】
図11は、血管301並びに図8図9、及び図10に示されるような閉鎖デバイスホルダ802の長手方向断面の矢印801によって指示される概略部分断面斜視図であり、閉鎖デバイスホルダ802は、直線の圧縮された閉鎖デバイス600を収容しており、血管壁301の穴302を通って血管内腔1006内に展開されている。遠位閉鎖デバイスホルダ802内のチャネル803は、閉鎖デバイス600が、図12B図12Dに示すように屈曲した方法で、例えば、閉鎖デバイスが反対側の血管壁301と係合するのを防止するアンカー708(図12C)の形態で、閉鎖デバイスホルダ102から出ることを可能にする。
【0291】
図12は、図8及び図9の閉鎖デバイスホルダ802の矢印801によって指示されるような、図12Aから図12Eまでの順序における概略部分断面の長手方向の断面図であり、図8からの閉鎖デバイスホルダ802が図12Aにおいて穴の中に展開された状態を示している。
【0292】
図12Bでは、閉鎖デバイス600は、閉鎖デバイスホルダ802の端部804の方向に外向きに押され、閉鎖デバイス603の先端は、屈曲してチャネル803内で閉鎖デバイスホルダ802から離れる。
【0293】
図12Cでは、閉鎖デバイス600は、閉鎖デバイスホルダ802の端部804の方向に更に押され、チャネル803を通って閉鎖デバイスホルダ802を更に離れ、任意選択的にアンカー708を形成する。閉鎖デバイス600の先端603は、血管壁301と係合している。
【0294】
図12Dでは、閉鎖デバイスホルダ802は、穴302から更に引き出される。アンカー708は、血管壁301を穿孔する尖った端部722を有する。更なる引き出しは、更なる引き出しに対する堅固な抵抗として検出され得る。次いで、閉鎖デバイスホルダ802が血管の穴302から外に更に引き出されて、閉鎖デバイス600が解放される。閉鎖デバイス600のアーム604は内側に曲がり、穴302の端部を共に引っ張り、穴302を閉鎖し、図6に示されるようなリング構造を形成する。
【0295】
図13は、血管の壁301にある穴302の中に配置された代替の閉鎖部材800の概略部分断面の長手方向の断面図である。図13は、閉鎖デバイス600の展開及び閉鎖デバイス600によって達成される穴302の閉鎖の図13Cから図13Hの順序を示す。この実施形態では、閉鎖部材800は、ピストン203を捕捉する。
【0296】
図13Aは、保持デバイス202、好ましくは縫合糸が案内される溝204を有するピストン203を断面で示す。保持デバイス202は、ピストン203を閉鎖デバイス600に接続するために閉鎖デバイス600を繋留している。
【0297】
図13Bは、閉鎖デバイス600が長手方向に、特に閉鎖デバイスホルダ802の遠位端804への方向に移動されるときに、閉鎖デバイス600のアームが捕捉され案内される溝207を有する、図8に示される閉鎖デバイスホルダ802を断面で示す。閉鎖デバイス600は、図13Cから図13Hの順序に示されるように、ピストン203によって閉鎖デバイスホルダ802の端部804に向かって押される。
【0298】
図13Cでは、閉鎖部材800の端部は、血管の壁301の穴302の中に展開される。閉鎖部材800及び閉鎖デバイス600は、矢印801によって図8に示されるように、血管301の長手方向に配向される。
【0299】
図13Dでは、ピストン203は、閉鎖デバイスホルダ802の遠位端804に向かって押され、閉鎖デバイス600の先端は、チャネル803を通って閉鎖デバイスホルダ802から出て、外向きに曲がる。保持デバイス202は、閉鎖デバイス600とピストン203を堅固に接続した状態を維持しながら、閉鎖デバイスホルダ802の端部804への前方移動に追従する。
【0300】
図13Eでは、閉鎖デバイス600は、ピストン203によって閉鎖デバイスホルダ802の遠位端804の方向に更に押され、チャネル803を通って閉鎖デバイスホルダ802から更に離れ、アンカー708を形成する。閉鎖デバイス600の先端603は、血管壁301と係合し、血管壁301を貫通する。
【0301】
図13Fでは、閉鎖デバイスホルダ802が閉鎖デバイス600と共に引き出され、アンカー708のように形成された部分的に解放された閉鎖デバイス600の尖った端部603が血管壁301を穿孔する(722参照)。アンカー状閉鎖デバイス600の更なる引き出しは、更なる引き出しに対する堅固な抵抗として検出され得る。
【0302】
ピストン203を閉鎖デバイスホルダ802の端部804に向かって更に押すと、閉鎖デバイス600が両方のアーム604の各々で半分の円又は半円を完成し、組織の穴の端部に近づき、図13Hに示されるように穴302を閉鎖するための単一の縫合糸のように穴302をいくらか閉鎖する。
【0303】
閉鎖デバイス600が解放されると、ピストン203を含む閉鎖デバイスホルダ802が取り外され、開かれた閉鎖デバイス600は依然として保持デバイス202によって繋留されたままである。次いで、保持デバイス202は、必要に応じて、閉鎖デバイス600を配置する又は更に引き込ませるために利用される場合がある。穴302の閉鎖の結果が満足のいくものである場合、保持デバイス202は、例えば、保持デバイス202の一方のアームを引っ張ることによって取り外される。
【0304】
以下の説明は、同時に又は続いて展開される、一組の又は医療装置内の引込ユニット100と閉鎖部材800とを組み合わせる。図14から図21までの順序は、2つの閉鎖部材800での穴302の閉鎖を示す。
【0305】
図14は、図5に示される引込ユニット100の代替の実施形態の概略部分断面斜視図である。引込ユニット100は、係合デバイス410が遠位に接続された一方の引込デバイス101をそれぞれ捕捉する2つの引込デバイスホルダ102を有する。
【0306】
係合デバイス410は、好ましくは、折り畳まれて引込デバイスホルダ102内に捕捉され得るワイヤループである。
【0307】
2つの引込デバイスホルダ102の遠位端110は、組織301内の穴302の対向する側面に展開される。
【0308】
図15は、端部110が穴の壁1411の下方で穴302の対向する側面に配置されている状態の、穴の開口部302内の2つの引込デバイス101の概略部分断面斜視図である。引込デバイス101は、遠位端110まで前方に押された。係合デバイス410は、引込デバイスホルダ102の遠位端110にある開口部から離れており、係合デバイス410は、ループ状に開いている。
【0309】
図16は、遠位端110が穴の壁1411の下方で穴302の対向する側面に配置されている状態の、穴の開口部302内の2つの引込ユニット100の概略部分断面斜視図である。係合デバイス410を有する2つの引込デバイスホルダ102は、矢印1420によって指示されるように反対方向に移動される。
【0310】
図17は、遠位端110が穴の壁1411の下方で穴302の対向する側面に配置された状態で、穴の開口部302内に配置された2つの引込デバイス101の概略部分断面斜視図である。2つの引込デバイス101は、矢印1420によって指示されるように反対方向に移動され、穴302にスリットを形成させる。引込デバイス101の反対向きの移動は、穴の開口部302が直線状のスリットを形成するとき、例えば、図15に示されるようにスリットの長さが穴302の円周の半分に等しいときに停止するようになる。係合デバイス410は、穴302のスリット開口部の短軸よりも直径が大きいループを、スリット開口部に対して90度の角度1422で形成する。係合手段410は、矢印1420によって指示されるような引込ユニットの偶発的な上向きの移動1421をロックする。引込デバイス101の上向きの移動1421は、係合デバイス410が接触して穴302のスリット開口部を通過できなくなるとき停止される。
【0311】
図18は、閉鎖部材800の同時の又は連続した順序での展開で穴をスリット形態に変換した、図16に示されるような穴の開口部302内に配置された2つの引込デバイス101及び2つの係合デバイス410の概略部分断面斜視図であり、2つの閉鎖デバイスホルダ802は穴の肩部の間にあり、端部804及びチャネル803は、穴302の開口部の下方に配置されている状態である。閉鎖デバイス600は、閉鎖デバイスホルダ802内に捕捉されその中で圧縮され、分度器1722及び矢印801によって指示されるように穴の開口部302に対して90度の角度で配向される。
【0312】
図19は、係合デバイス410及び閉鎖デバイスホルダ802が、図18に示されるような穴の開口部302内に配置された、2つの引込デバイス101の概略部分断面斜視図である。閉鎖デバイス600は、閉鎖デバイスホルダ端部804の方向に段階的に解放され、チャネル803内で閉鎖デバイスホルダ802から離れ、開口部302及び閉鎖デバイス600の先端603を囲む組織301の壁に係合し、穿孔722に示されるように組織301の壁を穿孔するアンカー708を形成する。更なる引き出しは、更なる引き出しに対する堅固な抵抗として検出され得る。次いで、閉鎖デバイスホルダ802が血管の穴302から外に更に引き出されて、閉鎖デバイス600が解放される。
【0313】
図20は、係合デバイス410が依然として穴302内に配置されている間に、穴302から部分的に引き込まれた2つの引込デバイスホルダ102の概略部分断面斜視図である。図19に示されるような閉鎖デバイスホルダ802が取り外される。図19に示されるような閉鎖デバイス600は、完全に開かれ、図6Aに示されるような構造を形成する。閉鎖デバイス600は、穴302の自由縁1411を近づけて閉鎖する。
【0314】
図21は、閉鎖された穴302を有する組織301の概略斜視図である。穴302の側面は、穿孔722によって指示されるように組織を穿孔する閉鎖デバイス600によって近づけられ、閉鎖されている。
【0315】
以下の説明は、血管301内に同時に展開される、一組の又は医療装置内の引込ユニット100と閉鎖部材800とを組み合わせる。図22から図25までの順序は、1つの閉鎖デバイス600による組織内の穴302の閉鎖を示す。
【0316】
図22は、係合デバイス410及び1つの閉鎖デバイスホルダ802が血管内腔1006内の血管302の壁2204にある穴302の中に展開された状態の、2つの引込デバイス101の概略部分断面斜視図である。係合デバイス410は、矢印801によって示されるように、血管301の長手方向に配向された血管内腔1006の内側に配置される。同時に、閉鎖デバイスホルダ802は、血管内腔1006の内側の穴の壁2204の下方のチャネル803の開口部が矢印801によって示されるように血管301の長手方向に配向された状態で、引込デバイス101の間に展開される。
【0317】
図23は、係合デバイス410及び1つの閉鎖デバイスホルダ802が血管302の壁2204にある穴302の中に展開された状態の、2つの引込デバイス101の概略部分断面斜視図である。係合デバイス410及び引込デバイスホルダ102のチャネル803は、血管内腔1006の内側の穴の壁2204の下方に配置される。引込デバイス101及び係合デバイス410は、血管の長軸に直交する横方向に離れるように移動される。係合デバイス410は、血管301の内壁を反対方向に押圧する。これは、穴302の対向する側面を引き込ませ、血管301の穴302を血管301の長軸に直交する方向に広げるのと同時に、穴302の対向する拡張された長辺を近づける。
【0318】
図24は、係合デバイス410及び1つの閉鎖デバイスホルダ802が血管301の壁2204にある穴302の中に展開された状態の、2つの引込デバイス101の概略部分断面斜視図である。係合デバイス410及び引込デバイス101のチャネル803は、血管内腔1006の内側の穴の壁2204の下方に配置される。引込デバイス101及び係合デバイス410は、穴302を血管301の長軸に直交する方向に引き込ませ、穴302の対向する延伸された長辺を近づける。閉鎖デバイス600は、部分的に展開され、チャネル803を介して閉鎖デバイスホルダ802から離れ、穿孔722によって指示されるように血管壁2204を十分に把持して血管壁2204を貫通したアンカー708を形成している。更なる引き出しは、更なる引き出しに対する堅固な抵抗として検出され得る。次いで、閉鎖デバイスホルダ802は、血管の穴302から更に引き出され、閉鎖デバイス600が解放され、完全な円形構造を形成し、穴の壁2204を引っ張り、穴の延伸された長辺2204を更に共になるように近づける。最終的に、閉鎖デバイスホルダ802は引き出され、取り外され、引込デバイス101は、係合デバイス410を閉鎖された穴302から引っ張り出すことによって取り外され、一方、係合デバイス410の可撓性ループはつぶれ、既に閉鎖された穴302の肩部を通り抜ける。
【0319】
図25は、穴の壁2204の穿孔722で、閉鎖デバイス600によって血管の長軸に直交する直線状に閉鎖された穴302を有する血管301の概略部分断面斜視図である。
【0320】
図26は、患者の血管内の穴302の閉鎖を示す、操作者の視点からの概略部分断面図である。
【0321】
図26Bでは、2つのアームを有する引込ユニット100と、3つの閉鎖デバイスホルダ802を有する閉鎖部材800とが、患者の血管の穴302の中に配置される。
【0322】
図26Cでは、係合デバイス410は、穴302の対向する側面において血管の長軸に直交する横方向に離れるように移動され、穴302の側面を引き込ませ、これにより穴302の上端と下端との接近をもたらし、血管の側面に遠位及び近位の2つの長辺と2つの短辺とを有するスリット開口部を形成する。同時に、閉鎖デバイスホルダ802は、広げられた穴302に沿って均等に分散されるように離れるように移動される。
【0323】
図26Dでは、閉鎖デバイス600が展開され、それぞれがアンカーを形成する。
【0324】
図26Eでは、閉鎖デバイスホルダ802が引き出され、閉鎖デバイス600が係合し、更に、閉鎖デバイスホルダ802が引き出されると、開口部302を取り囲む血管301の壁が穿孔される。
【0325】
更なる引き出しは、更なる引き出しに対する堅固な抵抗として検出され得る。次いで、閉鎖デバイスホルダ802が血管の穴302から更に引き出され、閉鎖デバイス600が解放される。
【0326】
図26Fでは、閉鎖デバイス600が展開されて、穴302を閉鎖している円形の針を形成している。
【0327】
図26Gでは、係合デバイス410が引き込まれる。閉鎖デバイス600は、穴302の横方向の継ぎ目を閉鎖する。
【0328】
図27は、縫合糸による穴302の開放式の外科的閉鎖を示す、患者の血管301の穴302の外科医の視野である。患者の血管301にある穴302は、血管の長軸に直交する直線で閉じられ、患者の血管の狭窄を回避するために縫合糸2600は延びているか、又は中断されている。患者の血管にある穴を閉鎖するこの原理は特に重要であり、医療装置を作動させる例示的な方法を説明する図10図12及び図22図26に示されるように、本発明において実現される。
【0329】
図28は、縫合糸2600による穴302の開放式の外科的閉鎖を示す、患者の血管301の穴302の外科医の視野である。患者の血管301にある穴302は、穴302の側面を近づける、交差縫合糸で、又は巾着縫合糸(図示せず)でも等しく、閉じられる。穴302の側面の接近は、矢印2700によって指示されるように血管内腔の狭窄を引き起こしている。
【0330】
図29は、縫合糸2600による穴302の開放式の外科的閉鎖を示す、患者の血管301の穴302の外科医の視野である。患者の血管301の穴302は、長手方向の縫合糸で閉じられる。穴302の側面の接近は、矢印2700によって指示されるように血管内腔の狭窄を引き起こしている。
【0331】
図27図10図12及び図12図26のような血管長軸に直交する横方向の閉鎖のみが、穴302の近位端と遠位端とを近づけ、同時に穴302の横方向端部を広げて、血管径及び内腔の狭窄を回避する。
【0332】
図30は、一実施形態における閉鎖デバイス600を斜視図で示す。これは、それぞれが任意選択的に尖った端部603を有する2つのアーム604を備える。アームは、カール部分又は湾曲部分605から生じている。
【0333】
図30Aは、図30の閉鎖デバイス600を正面図で示す。
【0334】
図31は、更に一実施形態における閉鎖デバイス600を正面図で示す。これは、それぞれが任意選択的に尖った端部603を有する2つのアーム604を備える。カールした部分又は湾曲した部分は設けられていない。
【0335】
図31Aは、図31の閉鎖デバイス600を斜視図で示す。
【0336】
図32は、一実施形態における閉鎖デバイス600を正面図で示す。これは、それぞれが任意選択的に尖った端部603を有する2つのアーム604を備える。図30の実施形態とは対照的に、カール部分又は湾曲部分605は閉じられておらず、螺旋部分が存在しないことを意味する。
【0337】
図32Aは、図32の閉鎖デバイス600を斜視図で示す。
【0338】
図33は、本発明に係る医療装置の一部を斜視図で示す。ガイドワイヤ1000は、血管301の内腔1006に導入される。ガイドワイヤ1000は、ガイドワイヤ内腔115として表示されて伸びる医療装置の中央開口部を通って進められる。
【0339】
2つの係合デバイス410は、穴302を引き込ませてスリットにする。
【0340】
図33には、引込ユニットが示されていない。引込ユニットが示されている場合、それは、医療装置の別の実施形態に関して図35に示されるように、ガイドワイヤ内腔115を通って進めることができるように配置され得る。
【0341】
図には示されていないが、医療装置、特に係合デバイス410又は引込デバイス101は、ガイドワイヤ1000が閉鎖デバイスと干渉するのを防ぐ部分を備えてもよい。この部分は、閉鎖デバイス600の範囲外にガイドワイヤを案内するワイヤ構造体であってもよい。
【0342】
図33Aは、図33の医療装置を正面から示す。
【0343】
図34は、医療装置の別の実施形態の部品を斜視図で示す。係合デバイス410は、単一のワイヤから構成されている。図34から分かるように、使用中に血管内腔に挿入される引込デバイス101、又は医療装置の任意の他の部分は、任意の実施形態では、医療装置を血管301から再び引っ張り出すと外科医に触覚フィードバックを与えるように、穴302又は血管301の壁と相互作用し得る段差又は湾曲部420を備えてもよい。外科医が触覚フィードバックを感じた場合及び感じるとき、外科医は、閉鎖デバイス600を解放することによって穴を閉鎖するために、医療装置が穴302に対して理想的に配置されていることを確信する。
【0344】
図35は、医療装置の更に別の実施形態の部品を側面から示す。図35は、図33又は図33Aにも明らかにされているものを実質的に示している。しかしながら、これはまた、穴302を閉鎖する2つの閉鎖デバイス600を非常に概略的な方式で示している。係合デバイス410は、今まで通りここでも折り畳まれ、血管内腔1006から引き出されなければならない。
【0345】
図36は、更に別の実施形態における、長手方向軸L及びケーシング117を有する医療装置の前端面上の非常に簡略化された図を示す。図から分かるように、医療装置の端部はいくつかの開口部を有する。1つはガイドワイヤ1000を収容し、1つは2つの引込デバイス101を収容し、1つは4つの閉鎖デバイス600を収容する。
【0346】
開口部、引込デバイス101、及び閉鎖デバイス600の数は、図36に示される数に限定されないことは言うまでもない。また、ガイドワイヤ1000は、ガイドワイヤ1000専用の開口部を通って伸びてもよい。しかしながら、それはまた、その開口部を1つ又は複数の引込デバイス101及び/又は閉鎖デバイス600と共有することもできる。
【0347】
図37A図37Fは、閉鎖デバイス600の2つの追加の例示的な実施形態を異なる図で示す。
【0348】
図37A図37Cは、これらの追加の実施形態のうちの1つを異なる図で示す。図37Aは、斜視図を示し、図37Bは、正面図を示し、図37Cは、側面図を示す。ワイヤ形状の閉鎖デバイス600の2つのアーム604は、任意選択的に非湾曲部分607において共に嵌合される。嵌合は、はんだ付け、接着、摩擦溶接、又は別の方法で実現され得る。あるいは、2つのアーム607は、互いに一体化される、すなわち、互いに接合されていない。
【0349】
また、非湾曲部分607(閉鎖デバイス600が完全に使用されている状態において湾曲していない)は、いくつかの実施形態の一部に過ぎず、したがって拘束するものではない。
【0350】
湾曲部分605は、以下でより詳細に考察されるように、図37D図37Fの実施形態の湾曲部分605とは対照的に、正面から見るとほぼリング形状であり(図37B)、転回点を示さない。したがって、左アーム604は、常に左に向きを変えるか、又は常に左に曲げられ(図37Bを参照)、右アーム604は、常に右に向きを変えるか、又は右に曲げられる。
【0351】
図37A図37Cの実施形態のアーム604の端部の外形又は部分は、任意選択で、尖った端部603として面取りされており、それにより、それらは血管の壁を容易に貫通することができる。
【0352】
閉鎖デバイス600は、ニチノールのような記憶材料から製造されることが好ましい。この場合、閉鎖デバイス600が閉鎖デバイスホルダ802の内側に位置しているときに閉鎖デバイス600が呈する又は採用される元々の多かれ少なかれ直線の形状から始まって、一旦解放される又は血管内に配置されると、閉鎖デバイス600によって自発的にリング形状が呈する又は採用される。
【0353】
図37D図37Fでは、閉鎖デバイス600の更に別の実施形態が、図37A図37Cの図と同様に、異なる図で示されている。
【0354】
図37A図37Cの実施形態とは対照的に、アーム604の直線部分又は非湾曲部分607に近いか又はそれに隣接する各アーム604の第1の部分は、第1の曲げ方向で非湾曲部分607又は他のアーム604から離れるように曲げられる。曲げ角度は、第1の曲げ方向で60°~120°、好ましくは80°~100°、最も好ましくは90°(度)であってもよい。
【0355】
第1の部分に続く第2の部分は、任意選択的にほぼ360度曲げられてもよい。それは、第1の方向とは反対の第2の曲げ方向に曲げられてもよい(最初に左へ、次に右へ、又はその逆)。端部の外形は、図37D図37Fに示されるように、真っ直ぐに、又はほぼ真っ直ぐに切断されてよい。あるいは、図37A図37Cのように面取りされてもよい。ここでも、非湾曲部分607(閉鎖デバイス600が完全に使用された状態において湾曲していない)は、いくつかの実施形態の一部にすぎない。
【0356】
図37D図37Fの実施形態では、両方のアーム604がそれぞれ、左への第1の(又はただ1つの第1の)屈曲及び右への第2の(又はただ1つの第2の)屈曲を有し得ることに留意されたい。
【0357】
また、図37D図37Fの実施形態では、アーム604の第1のアームの端部603は、アーム604の第2のアームから離れるように向いているのに対して、第2のアーム604の端部603は、第1のアーム604から離れるように向いていることに留意されたい。
【0358】
図37D図37Fから分かるように、この実施形態の閉鎖デバイス600の設計は、左アーム604が侵入部位の左側の組織を捕捉することを可能にする。それは、その組織を右アーム604に向かって引っ張ることができる。同様に、右アーム604は、侵入部位の右側の組織を捕捉するように配置される。それは、その組織を左アーム604に向かって引っ張ることができる。
【0359】
この設計は、血管の穴302のより接近した、したがってより信頼性の高い閉鎖を提供することを示している。達成されたより緊密な閉鎖により、より少数の閉鎖デバイス600によって、且つ/又はより小さい閉鎖デバイス600を使用することによって、血管の穴302を閉鎖するという設定された目標を有利に達成することができるように思われる。
【0360】
任意選択である直線部分又は非湾曲部分607は、閉鎖デバイス600が最終的に解放されるまで閉鎖デバイスを保持するため且つ/又は閉鎖デバイスを押すために、切り離すことができる。また、部分607は、例えば溶接工程において、2つのアーム604を互いに相互接続するために使用されてもよい。
【0361】
形状記憶材料から製造される場合、アーム604は、一旦シースから外されると、血管の穴302の対向する側面の組織を引っ張り始めることができる。
【0362】
図38は、医療装置のハンドル部材900と、血管301の穴302を通って血管301(例えば、静脈)内に進められたガイドワイヤ1000とを示す。ガイドワイヤ1000、引込デバイス101などの構成要素を押し且つ進めるためのハンドル部材900及びその機構の少なくともいくつかの設計及び使用について、以下に説明する。
【0363】
図39は、ハンドル部材900によって作動される引込デバイス101及び係合デバイス410の一実施形態を示す。
【0364】
この実施形態では、引込デバイス101を作動させる又は進めるために、第1のステップにおいて、任意選択の第1のスライダ902が、対応する矢印によって印が付けられた方向に(血管301に向かって)ユーザによって押される。
【0365】
同様に、この第1のスライダ902と共に、任意選択の第2のスライダ904もまた、別の対応する矢印によっても示されるように(これもまた血管301に向かって)ユーザによって移動される。第2のスライダ904の機能が以下で説明される。
【0366】
その端部位置又は別の位置において、第1のスライダ902は任意選択的に定位置にロックされてもよい。この第1のステップの終わりに、引込デバイス101は、まだ血管301内で拡張されておらず、侵入部位とまだ係合されていない。しかしながら、引込デバイス101の先端は互いに離れている。
【0367】
第2のステップにおいて、ハンドル部材900は、ユーザが、引込デバイス101が侵入部位でその係合デバイス410と完全に係合されたと感じることができるまで、ハンドル部材900の隣に示され且つ血管301から離れるように指している矢印によって指示されるように、ユーザによって引き戻される。この状態では、スリット開口部302の対向する縁部は、引込デバイス101のアームによって共に閉鎖した状態である。
【0368】
この図に示される引込デバイス101及び係合デバイス410の任意選択の設計は、図45において更に説明される。
【0369】
図40は、ハンドル部材900に含まれる機構によって穴302に向かって押された(任意選択的に3つの)閉鎖デバイスホルダ802を示す。閉鎖デバイスホルダ802は、完全に又はその一部のみが互いに平行であってもよい。
【0370】
閉鎖部材800及び/又はハンドル部材900から閉鎖デバイスホルダ802を押し出す動作は、任意選択のスイッチ906又はハンドル部材900の別の機構によって作動され得る。スイッチ906は、ハンドル部材900のケーシングの開口部908内で移動可能であるように配置されている。
【0371】
この最初のステップでは、スイッチ906は、任意選択的に、開口部908の左端によって提供され得る第1の停止部まで押される(図40においてスイッチ906が取った位置を参照)。
【0372】
この最初のステップでは、スイッチ906を作動させることによって、閉鎖デバイスホルダ802は全幅まで広げられ、これは、それらが穴302に沿って、任意選択的にほぼ等距離に設置されることを意味する。図40では、これは、閉鎖デバイスホルダ802と単一の内腔又はマルチルーメン押出成形部又は開口部910との間の3つの小さい矢印によって指示されている。閉鎖デバイス600は、依然として閉鎖デバイスホルダ802の内部にある。
【0373】
閉鎖デバイスホルダ802は、血管の穴302の閉鎖全体にわたって平行のままであり得るか、又は互いに逸れるように配置され得ることに留意されたい。例えば、それらは、展開されたときに、隣接する閉鎖デバイスホルダ802が少なくとも部分的に互いに離れるように移動することができるように配置されてもよい。例えば、それらは、血管の穴302に向かって進められるとき、それらの先端間の隙間、空間又は距離がより広くなるように配置されてもよい。
【0374】
図40Aは、3つ以上の平行な閉鎖デバイスホルダ802のための任意選択の送達支持体806を示す。図40において説明したように、最初のステップの終わりに閉鎖デバイスホルダ802がとる状態とすることができる図40Aのまだ拡張されていない状態では、閉鎖デバイスホルダ802は、互いにわずかな距離しか離隔されていない。それらの離隔は、送達支持体806の設計によってトリガされ得る。送達支持体806は、ワイヤネット若しくは構造体を含んでもよく、又はワイヤネット若しくは構造体からなってもよい。送達支持体806は、折り畳み可能及び/又は折り畳み不可能な要素であってもよい。
【0375】
任意選択的に、閉鎖部材、閉鎖デバイスホルダ802又は送達支持体806の外側又は側面に、バンパー807が任意選択的に含まれてもよい。これらのバンパー807は、送達支持体806の拡張状態又は展開状態において図40Bに示されるようなスペーサである。
【0376】
図40Bは、拡張状態又は展開状態における図40Aの送達支持体806を示す。送達支持体806は、プッシャ管808の上部の矢印によって指示されるように下方にそれを押すことによって開かれている。この作動は、閉鎖デバイスホルダ802を広げ、それらをスリット開口部302に沿って分散する。横方向の閉鎖デバイスホルダ802とスリット開口部302の外縁との間の距離を小さく保つために、バンパー807はスペーサとして作用し、血管の穴302の閉鎖中にこの小さい距離を維持することができる。
【0377】
図40Cは、任意選択的にU字形又はV字形のガイドスロット916(案内溝)を有するスリーブ914を示す。スリーブ914は、ハンドル部材900の一部である。ガイドスロット916において、好ましくはハンドル部材900の後部に配置されるノブ912のピン若しくは別の突起(図41参照)、又はノブ912に接続された別の要素は、例えば、いわゆる実矧ぎシステムから知られているように移動され得る。
【0378】
ガイドスロット916は、第1のスロット部分916aと第2のスロット部分916bとを備え、各々が転回点916cと呼ばれる別の部分によって互いに接続されている。この転回点916cにおいて、ピンは、ガイドスロット916に沿ってその第1のスロット部分916aからその第2のスロット部分916bに移動されるとき、又はその逆に移動されるとき、最初にガイドスロット916に沿ってスリーブ914の長手方向軸の周りを時計回り方向に移動され、転回点916cに到達すると、反時計回りに移動されるか、又はその逆に移動される。ピンは、ノブ912の一部であってもよく、その一方でガイドスロット916はスリーブ914の一部であり、又はその逆であってもよいことに留意されたい。
【0379】
したがって、ノブ912を第1の方向(例えば時計回り)に回転させると、ピンは、第1のスロット部分916aに沿って移動し、最終的にノブ912が回転を停止するガイドスロット916の転回点916cに入る。したがって、転回点916cは、停止部として理解され得る。
【0380】
ノブ912に対してスリーブ914を更に進める(又はその逆)ためには、ノブ912は、第2の方向(例えば反時計回り)に回転されなければならない。弾性要素、すなわちばねなどは、ピンが転回点916cに到達し、転回点916cから離れようとすると、ピンが第2のスロット部分916bにスムーズに入ることを確実にすることができる。
【0381】
上述のようにガイドスロット916を設けることにより、ユーザ(外科医)は、特にガイドスロット916がU字形又はV字形である場合、スリーブ又はピンの所定の繰り出し動作が達成されたことを示す触覚フィードバックを得ることができる。更なる繰り出し動作は、ノブが回される方向を反転させることによってのみ達成され得る。したがって、この特徴は安全対策である。また、それは、閉鎖デバイス600などの要素を進める際の精度を高めることができる。
【0382】
図41は、ハンドル部材900の機構によって閉鎖デバイスホルダ802内で前方に押された3つの閉鎖デバイス600を示す。この特定の実施形態では、この機構は、穴302を閉鎖するために閉鎖デバイス600を前進させ、少なくとも部分的に閉鎖デバイス600を解放するために、ハンドル部材900の後端でノブ912を回転させることによって作動又は操作される。これは、任意選択のV字形案内スロット912の上記の考察において言及されている。
【0383】
図42は、3つの閉鎖デバイスホルダ802がハンドル部材900の機構によってどのように引き戻されるかを示す。特に、図40において説明したのとは反対の方向(したがって、図42の右側に)にスイッチ906を回転させると、ハンドル部材900の後端に向かう矢印によって指示されるように、閉鎖デバイスホルダ802を後方に引っ張る。
【0384】
このステップの終わりまでに、閉鎖デバイス600は、それらの最終形状をとる際に穴302の縁部を突き刺すことによって穴302を閉鎖している。閉鎖デバイス600の最終形状は、例えばニチノールのような形状記憶材料を使用することによって、閉鎖デバイス600の製造時に予め決定され得る。
【0385】
図43は、ハンドル部材900の機構による、穴302の組織からの引込デバイス101の解放を示す。この機構は、任意選択的に、第2のスライダ904を引き戻すことによって作動される、又はトリガされる。このステップは、引込デバイス101の2つの部分を分離して、血管301から引込デバイス101を引き戻して抜くことを可能にする。
【0386】
図44は、引込デバイス101を完全に取り外すためのハンドル部材900の機構を示す。この最後のステップでは、第1のスライダ902がハンドル部材900の後方に引き戻される。このステップに続いて、ハンドル部材900システム全体が取り外され得る。
【0387】
図45は、例えば図39に示される引込デバイス101及び係合デバイス410の任意選択の設計を拡大図で示す。また、I-Iに沿った切断も図45に示されている。
【0388】
図45の例示的な実施形態では、引込ユニット100の引込デバイス101は、複数(ここでは2つ)のアーム、ここではアーム101a及びアーム101bを備える。
【0389】
係合デバイス101のアーム101aは、2つの脚部121、123を備える。脚部121は外側脚部と呼ばれ、脚部123は内側脚部と呼ばれ、引込デバイス101の後退位置でのように、脚部121はより中央に位置する脚部123よりもより横方向にある(図45を参照)。
【0390】
脚部121及び123は、溶接部125内で又は溶接部125によって互いに溶接されてもよい。
【0391】
溶接部125の遠位では、脚部121、123は、トラフ開口部であり得る1つ又は2つの中間開口部127を囲むか又は中間開口部127に外接するように、互いに離れてもよい。
【0392】
内側脚部121は、直線状又は実質的に直線状であってもよい。しかしながら、外側脚部123は、その外側(側面、図45を参照)にくぼみ、膨らみ、又はへこみが設けられるように曲げられてもよい。
【0393】
くぼみ、膨らみ又はへこみは、既に上述した係合デバイス410を形成する。これは、組織と解放可能に係合するために使用されてよい。例えば、係合デバイス410は、血管301又はその穴302に対して適切に配置するために、医療装置を血管の穴302からわずかに引き出すと、外科医に触覚フィードバックを提供することができる。
【0394】
係合デバイス410の特定の形状により、アーム101aは、スプリントの形状を有する。
【0395】
アーム101aについて述べたことは、アーム101bについても同様に当てはまる。
【0396】
図45から分かるように、アーム101a及び101bは、それぞれ別個の開口部131及び133を通って引込ユニット100から出ているが、アーム101a及び101bは共通の開口部を通って出る場合もある。
【0397】
図45にも示される線I-Iに沿った切断から分かるように、開口部131の少なくとも一方は、(例えば、溶接部125を通る断面において)アーム101a及び101bの断面の長さよりも小さい幅を有するように設計されている。この目的のために、開口部131もしくはその開口領域、又は開口部131に続いて開口部131で終わる引込ユニット100内の空隙の特定の形状は、(図45の左右方向の)幅広の部分よりも(図45の上下方向に)長くなる。
【0398】
そのような形状は、例えば、図45に示されるもののように、開口部131のために楕円形状(又は使用中に引込デバイス101又は解放される前のその一部を含むその後ろの空隙のそのような断面)を選択することによって達成され得る。
【0399】
そのような形状は、使用中、特に、医療装置を、閉鎖デバイス600を解放するための所望の位置の状態にするために医療装置全体を引き戻すときに、アーム101a、101bの(その長手方向軸に沿った)望ましくないねじれ又は回転を防止することができる。アーム101a、101bのねじれ又は回転を防止することは、血管の穴302を最大限に引き込むことに寄与し得る。
【0400】
当然のことながら、ねじれを回避することができる任意の他の解決策が追加的又は代替的に提供されてもよい。例えば、ねじれや回転を防止するように配置されたピンや突起などが配置されてもよい。
【0401】
図46は、引込ユニット100の追加の例示的な実施形態の概略図である。図46Aから図46Cまでの順序では、引込デバイス101を穴302に配置するための異なるステップ及び図が示されており、以下で詳細に説明される。図46Dは、展開デバイス103の代替の設計を示す。
【0402】
図46Aは、引込デバイス101を有する引込デバイスホルダ102を備える引込ユニット100の一実施形態であり、展開デバイス103は、引込デバイスホルダ102内を穴302に向かって又は穴302まで摺動するように構成されている。
【0403】
引込ユニット100は、患者の身体の体外303から患者の皮膚304を通って患者の身体の体内305の血管301の穴302まで挿入され得る。図46A及び図46Bに示されるように、引込デバイスホルダ102の近位端部分は、任意選択的に体外303に設置される。図46Bに示されるように、引込デバイス101と共に引込ユニット100を穴302に配置した後、引込デバイスホルダ102の近位端部分が手動で捕捉され得、固定され得て、その結果、展開デバイス103が矢印によって指示されるように引き戻され得る。
【0404】
展開デバイス103は、この実施形態では、引込デバイスホルダ102の内側に解放可能に配置される。引込デバイスホルダ102の長手方向軸L及び展開デバイス103の長手方向軸Lは、同軸であり、好ましくは、図46Aのように、同一である。引込デバイスホルダ102及び展開デバイス103の少なくとも一方の断面形状は、好ましくは円形又はほぼ円形である。しかしながら、図46Aに見ることができるように、一部の部分、例えば引込デバイスホルダ102の遠位端部分は、異なっていてもよく、図46Bにより詳細に示されるように、引込デバイス101が、引込デバイスホルダ102の遠位端部分を形成する第1のアーム135及び第2のアーム137を備えることを明らかにしている。これらのアーム135、137の遠位端112は、任意選択的に球形である。アーム135、137の少なくとも一方の断面は、円形又は丸みを帯びた形状であってもよい。
【0405】
引込ユニット100の図46Aに示される構成は、好ましくは、その遠位端部分101を穴302に近づけて又は穴302の中に入れた状態で、引込デバイスホルダ102を移動させるために使用される。引込ユニット100の外径Dは、引込デバイスホルダ102の外径に、且つ/又は少なくともその部分において引込デバイス101の幅に一致する。
【0406】
展開デバイス103の遠位端部分及び/又は別の部分は、好ましくは円錐形である。また、それは、図46Aに示されるように、その前端において引込デバイス101又は引込デバイスホルダ102から突出するように構成されてよい。その先端のこのような形状は、患者の組織を通って引込ユニット100を前方に押すことを容易にすることができる。また、このようにして、先端は、経路ファインダーとしても機能することができる。
【0407】
引込デバイス101の第1のアーム135及び第2のアーム137は、任意選択的に、図46Aに示されるように、引込デバイスホルダ102の外面に密接に嵌合する。
【0408】
図46Bの矢印は、引込デバイス101の遠位端部分を穴302の近くに配置した後のステップを示す。正しく配置されている場合、2つのアーム135、137の遠位端112は、図46Bにおいて指示されるように、展開デバイス103を引き戻すときにアーム135、137が穴302を引き込ませる又は拡大させるように、穴302の内側に配置されているべきであり、そのステップの結果が図46Cに示されている。上述したように、展開デバイスホルダ103を引き戻すステップは、それに平行な矢印によって指示されている。
【0409】
展開デバイス103を引込デバイス101から、場合によっては引込デバイスホルダ101の内腔からも完全に引っ張り出した後、図46Cに示されるように結果として別個の要素102、103を有することになり、引込デバイスホルダ102の断面は、その第1の形状、例えば円形から第2の形状、例えば楕円形に変化し得る。第2の形状に戻る断面のこの変化は、引込デバイスホルダ102の特定の材料、構成などによってトリガされ得る、又は行われ得る、又はもたらされ得る。例えば、それは、織物から作製される、形状記憶性、形状記憶合金などを有してもよい。
【0410】
形状の変化は、展開デバイス103が引込デバイスホルダ102の内腔から後退されているときに起こる引込デバイスホルダ102又はその部分の弾性変形に起因し得る。
【0411】
その断面形状を第1の形状(例えば、円形)から第2の形状(例えば、楕円形)に変化させるプロセスは、展開デバイス103を引込デバイスホルダ102から引き戻した直後又は引き戻している間に、任意に開始することができる。
【0412】
好ましくは、楕円形状の長さDは、後のステップで穴302をクランプ留めして閉鎖するために、穴302のほぼ完全な引込距離及び/又は拡大距離に対応する。この目的のために、閉鎖デバイスホルダ802の断面形状は、それが引込デバイスホルダ102から分離されると、すなわち図46Cに示される状態になると、引込デバイスホルダ102がとる第2の、例えば楕円形の形状と同様であることが好ましい。この後続のステップは、以下の図47において詳細に説明される。
【0413】
図46Dは、引込デバイスホルダ102の遠位端部分の任意の設計を示す。引込デバイス101の第1のアーム135及び第2のアーム137を収容するために、遠位端に開口し、長手方向軸Lに平行な2つの溝139が遠位端部分に設置されている。溝139は、互いに対向して配置され、これは、引込デバイスホルダ102の円周に関して180度の角度を有することを意味する。これらの溝139は、有利には、引込デバイスホルダ102及び引込デバイス101を含む引込ユニット100を、組織を通って穴302まで前方に容易に押すための2つのアーム135、137を組み込むことができる。
【0414】
図46Eは、引込デバイス101の更なる例示的な実施形態の一部を示す。アーム135、137は、図47Bに示される実施形態と比較して上部を切り取られている。アーム135、137は、引込デバイスホルダ102の遠位端部分の一体部分である。
【0415】
いくつかの実施形態では、アームは、全く存在しない。引込デバイスホルダ102の遠位端部分は、例えば、2つのノッチ及び2つの歯状ピークを有する形状を含むことができる。ピークは、引込デバイスホルダ102の断面形状が閉鎖デバイスホルダ802の楕円形の断面形状に弾性的に又は他の様態で適合されるとき、開創器として作用することができる。
【0416】
図47は、閉鎖デバイスホルダ802及び引込デバイス101の追加の例示的な実施形態の概略斜視図である。
【0417】
図47Aは、閉鎖デバイスホルダ802の追加の例示的な実施形態を示す。閉鎖デバイスホルダ802の任意選択の楕円形の断面形状は、図46C及び/又は図47Cに示される引込デバイス101の楕円形の断面形状に適合するように設計される。これは、閉鎖デバイスホルダ802のこの例示的な実施形態が、図46Cに示されるように引込デバイス101から引込デバイスホルダ102を引っ張り出した後にのみ、内側引込デバイス101に挿入され得、且つ/又は押し込まれ得ることを意味する。この特徴は、医療装置のユーザにとって有利であり、それは、図46Aに示される引込ユニット100の穴302までの摺動を含む第1のステップが、引込デバイスホルダ102の代わりに閉鎖デバイスホルダ802では不可能であるためである。安全上の理由から、取り違えは除外される。
【0418】
図47Aに示される閉鎖デバイスホルダ802は、閉鎖デバイス600用の3つの平行なガイドを有する例示的な実施形態である。閉鎖デバイスホルダ802の遠位端の出口において横方向に屈曲する2つのアームを有する閉鎖デバイス600の設計は任意選択であり、他の設計も可能である。
【0419】
図47Bは、閉鎖デバイスホルダ802の別の例示的な実施形態を示す。閉鎖デバイスホルダ802の遠位端の設計は、(上記)閉鎖デバイス600を穴302に適宜適用する各場合における必要性に応じて、個別に構成され得る。
【0420】
図47Bに示される閉鎖デバイスホルダ802の例示的な実施形態は、それらの間に溝810が配置されたいくつかのバー809を含む。溝810のベースには、閉鎖デバイス600を解放するための開口部が設置されている。図47Cに示されているように(断面の楕円形状は、その最小直径が図47Aに示されている形状ほど狭くない)、閉鎖デバイス600を利用して血管301の穴302を閉鎖している間、バー809は、閉鎖デバイス600を解放するための開口部と、穴302の反対側の血管の壁との間の接触を回避するためのスペーサとして機能する。したがって、バー809のために、閉鎖デバイス600は、穴302とは反対側で血管を損傷する可能性が低くなる。バー809の長さ810は、医療装置を使用して治療されるべき血管301の種類又はサイズに関連して選択され得る。
【0421】
図47Cは、血管301の穴302を閉鎖するために、図47Aに示される閉鎖デバイスホルダ802、及び図46Cに示される引込デバイス101の追加の例示的な実施形態を備える医療装置を示す。
【0422】
図48A図48Bは、最初に展開デバイス103によって、次いで閉鎖デバイスホルダ802によって連続的に貫通されるべき開口部501、502を有するコネクタ500を示す。
【0423】
コネクタ500は、医療装置又は医療装置の一部が患者の体内に導入された後に血液の漏出を回避するための止血弁であるか、又は当該止血弁を備えることが好ましい。
【0424】
コネクタ500は、好ましくは、引込デバイスホルダ102の近位端に配置される。
【0425】
コネクタ500は、好ましくは、引込デバイスホルダ102と一体式に設計される、且つ/又は好ましくは、引込デバイスホルダ102に解放不能に装着される。
【0426】
コネクタ500及び引込デバイスホルダ102又はそれらの一部の1つ以上の材料は、互いに同じであっても異なっていてもよい。例示的には、材料はプラスチックであってもよく、又はプラスチックを含んでもよい。
【0427】
コネクタ500は、例えば展開デバイス103及び/又は閉鎖デバイスホルダ802を引込デバイスホルダ102に導入するためのイントロデューサシースであることが好ましい。
【0428】
コネクタ500は、好ましくはその近位端に、1つ以上の開口部、シールリップ501、502及び/又は同様の部材を備えることができる。開口部及び/又はシールリップ501、502は、好ましくは血液の流体の漏出を回避するための受動弁として設計され得る。
【0429】
開口部及び/又はシールリップ501、502は、展開デバイス103及び/又は閉鎖デバイスホルダ802によって貫通されるように設計されることが好ましい。シール機能は、好ましくは、展開デバイス103及び/又は閉鎖デバイスホルダ802が開口部から引き込まれた後にも維持され得る。言い換えれば、開口部又はシールリップ501、502は、展開デバイス103も閉鎖デバイスホルダ802も、シールリップ501、502を貫通していないか又は開口部を通って前進していない状態、及び展開デバイス103又は閉鎖デバイスホルダ802が導入された後の状態において、シール機能を提供することが好ましい。
【0430】
好ましくは、シールリップ501、502(又は)それらの少なくとも一部は、展開デバイス103及び/又は閉鎖デバイスホルダ802の外面の一部において、一旦これらが引込デバイスホルダ102の内腔に導入されると密接に嵌合し、血液の漏出に対抗するように引込デバイスホルダ102の近位端をシールする。
【0431】
コネクタ500の開口部(又はその一部)或いはその開口領域は、好ましくは円形形状の展開デバイス103を受け入れるための第1の形状、例えば円形形状を有することができる。シールリップ501は、第1の、特に円形に成形された断面を有するデバイスの外面と共にシールを形成するように設計されてもよい。開口部及び/又はシールリップ501は、スリットとして、又はスリットから設計され得る。好ましくは、星形であり得る少なくとも4~6つのスリットは、円形形状の一部である。スリット間の角度は、好ましくは45度、60度又は90度である。
【0432】
同時に、コネクタ500の開口部(又はその一部)又はその開口領域は、好ましくは楕円形状の閉鎖デバイスホルダ802を受け入れるための第2の形状、例えば楕円形状を有することができる。楕円形状の開口部は、楕円形のデバイスの外面とのシールを形成するように設計されたシールリップ502によって被覆又は閉鎖されてもよい。開口部及び/又はシールリップ502は、スリットとして設計され得る。好ましくは、楕円形状の長さに対して配向され得る、少なくとも1つのスリットは、円形形状の一部である。
【0433】
したがって、コネクタ500は、円形断面を有するデバイスと楕円形断面を有するデバイスとの両方が、コネクタ500内及び/又は引込デバイスホルダ102内に導入されることを可能にし得る。また、そのリップ501、502又は膜は、デバイスの断面が円形であるか、楕円であるかに関わらず、デバイスの外面とのシールを提供してよい。
【0434】
コネクタ500は、好ましくは、水洗ライン503を接続するためのポートを備える。水洗ライン503は、コネクタ500の一体式の部分とすることができる。水洗ライン503は、コネクタ500を脱気するために、且つ/又は薬物及び/又は流体を患者に投与するために使用され得る。水洗ライン503は、シース水洗ライン503として指定される場合もある。
【0435】
図49は、別の実施形態における本発明による医療装置の一部を斜視図で示す。医療装置の一部は、穴302を通って血管301の内腔1006に導入される。
【0436】
複数の(この例示的な実施形態では4つであるが、他の実施形態では、より多い又はより少ない数のアームが設けられる場合がある)アーム101a、101bが、引込ユニット100として又はその一部として機能するように設けられている。アーム101a、101bを穴302内に進めると、図49において指示されるように、アーム101a、101bは穴302を引き込ませてスリットにする。図49では、アーム101a、101bは、それらが引込ユニット100のケーシング117から延びるそれらの前進位置で示されている。
【0437】
本実施形態では、アーム101a、101bの一部又は全部は、一列に設けられているか、又は共通の平面内に設けられているか、又は共通の平面に接触しているか、又は共通の平面と交差して設けられる。このようにして、それらは穴302がスリット形状に拡張することを可能にすることができる一方で、アーム101a、101b自体は、引込ユニット100が依然として非常に平坦な形状又はナイフ形状であるため、スリットから引き出すことが依然として容易であり得る。
【0438】
いくつかの特定の実施形態では、アーム101a、101bの長さは互いに異なる。したがって、アームに2つ以上の異なる長さが設けられ得る。図49に見ることができるように、外側アーム101aは、外側アームの間に配置された内側アーム101bよりも短く(又は、それらは、外側アームよりも長い長さで引込ユニット100又はその共通のシース若しくはケーシング117から延伸される、又は突出される)、アームのグループ又は集合に平面図においてテーパ又は三角形の形状を与える。代替の実施形態では、アーム101a、101bのうちの最も長い又は最も前進されたアームは、内側アーム100bのうちの1つではなく、例えば、任意の他の1つ、例えば外側アームのうちの1つであり得ることに留意されたい。
【0439】
したがって、いくつかの実施形態では、引込ユニット100は、複数のアームを備え得るか、又は複数のアームからなり得る。アームの一部は、長さが異なっていてもよいし、又は引き込みユニット100の内側からその外側に進めることができる程度が異なっていてもよい。
【0440】
また、特定の実施形態では、引込ユニット100のアーム101a、101bの全部又は一部は、曲げられることなく前進位置に進められ、前進位置から再び引き込まれるように構成されてよい。例えば、アームは、使用中に曲げられ得ないか、又は常に互いに平行に走るかのいずれかの(又はその両方である)直線又は長手方向の構成要素であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、アームが前進していない間に有する形態以外に、アームが(例えば形状記憶特徴に起因して)とる形態は存在しない。
【0441】
図49はまた、それぞれがアーム101a又は101bに接続されたいくつかの任意選択のプロテクタ101dを特徴とし、1つのプロテクタ101d又は複数のプロテクタ101dが特定の単一のアーム101a又は101bに接続され得る。例えば、一方のアーム101a、101bは、図49の例の場合のように、一方のプロテクタ101dにその上面で接続され、他方のプロテクタ101dにその下面で接続されてもよい(参照については図49Aを参照されたい)。
【0442】
プロテクタ101dの一部又は全ては、形状記憶特性を有する材料を含み得るか、又はそのような材料からなり得る。このようにして、又は適切な任意の他の機構を利用して、それらは、それぞれのプロテクタ101d又はそれに接続されたアームが進められ、例えば引込ユニット100のケーシング117から出るように移動されるときの形状をとることができ、その形状は、プロテクタ101dがケーシング117の内側に静止して存在している間にとる形状と異なる。任意選択の狭窄部141、クランプ又はボトルネックは、本明細書でのいわゆる展開位置又は形状(図49及び図49Aに示される)と呼ばれるものと、ケーシング117内に静止して含まれている間にプロテクタ101dがとる折り畳まれた位置又は形状(図49には示されていない位置又は形状)との間で、プロテクタ101dを変更させる又は強制的に変更するのを支援することができる。
【0443】
プロテクタ101dは、引込ユニット100又はそれぞれのアーム101a、101bの長手方向軸に対して好ましくは垂直である方向に(又は垂直に)開くように配置されてもよい。
【0444】
プロテクタ101dは、引込ユニット100又はそのケーシング117の横幅Bにおいて、引込ユニット100又はそれぞれのアーム101a、101bの最大延長の方向に対して好ましくは垂直である方向に(又は垂直に)開くように配置されてもよい。
【0445】
図49から分かるように、ケーシング117の(図49の左右方向の)横幅Bは、その幅W(図49Aを参照)よりも大きく、ケーシングを円形ではなくむしろ扁平、長方形、楕円形などの断面にしている。
【0446】
図49Aは、図49に示される3つの閉鎖デバイス600によって穴302を閉鎖している間の図49の医療装置を側面から示す。図49Aから、ケーシング117の幅Wの範囲が導かれ得る。
【0447】
図49Aでは、引込ユニット100は、45°の例示的な角度だけ穴302内に部分的に導入されるように示されている。
【0448】
すべて互いに独立した複数の特徴を明らかにする図49の設計は、静脈及び動脈の両方の大きな孔を効果的に閉鎖することを可能にすることができる。止血は、3つのみ又はそれよりわずかに多い閉鎖デバイス600を使用して、漏出することなく達成され得る。
【0449】
図49及び図49Aに示される閉鎖デバイス600は、図50及び図50Aに示されるものであってもよい。あるいは、それは、本明細書で既知の又は本明細書で説明されている任意の他の閉鎖デバイス又は任意のステープラであってもよい。
【0450】
図50は、更に別の実施形態における閉鎖デバイス600を(右側からの)斜視図で示す。これは、それぞれが任意選択的に尖った端部603を担持する2つのアーム604a及び604bを備える。閉鎖デバイス600は、カールした位置に示されており、この位置は、スリットの縁部を共に保持しながら閉鎖デバイス600がとる位置(すなわち、医療装置から解放された後)である。
【0451】
アーム604a及び604bは、共通のカールした材料、又は湾曲した材料のいずれかに由来してよく、又はそれらが互いに接着、溶接、又は他の方法で装着され得る装着領域609において互いに装着されてもよい。
【0452】
図50図50Aも参照)から分かるように、閉鎖デバイス600の形状は対称的ではない。
【0453】
図50の特定の例では、閉鎖デバイス600の非対称性は、任意選択の装着領域609を右に傾斜させることによって達成される。この非対称性は、例えば、本明細書に開示されるようなプッシャ管808などの任意選択のプッシャを使用して、閉鎖デバイス600を医療装置から解放するときに有用であり得る。装着領域609の非対称性及び傾斜は、図49Aに示されるように(そこの角度を参照)医療装置を使用するときにプッシャによって加えられた力を伝達するのに役立ち得る。また、傾斜は、医療装置又は引込ユニット100を組織又は穴302に挿入するときに有用であり得る。医療装置は、例えば、(外科医にとって有利である)組織表面に対して45°の角度で挿入されてもよい。しかしながら、アーム604a及び604bの先端は、壁組織に入っても、血管壁に対して依然として垂直であってもよい。
【0454】
したがって、装着領域609は、最大横幅の線(図50の左右方向)に垂直な線に対して20°~60°、好ましくは30°~50°の角度だけ傾斜されていてもよい。
【0455】
任意選択的な特徴として、装着領域609は、貫通開口部611を含んでもよい。貫通開口部611は、閉じた周縁部を有してもよく、又は図50のように、延長部611aを利用して円周に向かって開口してもよい。延長部は、貫通開口部611自体の半径よりも狭くてもよい。したがって、延長部は、貫通開口部611の全体形状をキーホール形状に変えることができる。延長部は、一つの平面内で、貫通開口部611の主要領域までのボトルネックであってもよい。
【0456】
アーム604a及び604bのワイヤは、好ましくはフラットワイヤから作製されるか、又はフラットワイヤを備える。フラットワイヤは、ラウンドワイヤとは対照的に、円形の断面を持たない。その断面は、長円、長方形であるか、又は円形の設計から別の方法で逸脱している。フラットワイヤは、例えばニチノールの不可逆的歪み閾値を超えることなく、より高い把持力を可能にする。また、閉鎖デバイス600は、関連する量の血管周囲組織で血管壁を保持し、共に締め付けて止血及び完全な閉鎖を作り出すことが可能であると考えられる。
【0457】
図50Aは、図50の閉鎖デバイス600を別の斜視図(左側から)で示す。
【0458】
図51は、第1の状態の閉鎖デバイス600を示す。閉鎖デバイス600は、本発明の一実施形態によるものである。それは、本発明による医療装置に含まれてもよい。また、本発明の方法に従って使用されてもよい。
【0459】
閉鎖デバイス600は、2つのアーム604a、604bを備えるか、又は2つのアームからなる。
【0460】
閉鎖デバイス600は、アーム604a、604bの先端603又は遠位端が、(図51のように)閉鎖デバイス600がまだ完全に展開されていない一状態で、図51に示されるように、アーム604a、604bの近位端、及び更には隣接する端部の長手方向に傾斜された平面内で終わるように設計される。その傾斜の角度は、20°~60°であってもよく、好ましくは約45°である。
【0461】
図51Aは、閉鎖デバイス600が穴302を閉鎖するために最終的にとる状態であり得る第2の状態にある図51の閉鎖デバイスを示す。
【0462】
図51Aに見られるように、アーム604a、604bの近位端又は他の部分が互いに装着される装着領域609が設けられる。
【0463】
図51Bは、互いに離れた図51の閉鎖デバイスのアームを示す図である。
【0464】
図51Bから見ることができるように、閉鎖デバイス600の非対称性は、閉鎖デバイス600を製造するときに異なる形状の2つのアーム604a、604bを使用することの結果である。
【0465】
図51図51Bの閉鎖デバイス600は、本明細書に開示された任意の他の閉鎖デバイスのあらゆる特徴、特に図50及び図50Aに関して開示された特徴を有することができる。
【0466】
説明は好ましい実施形態に対してなされているが、本開示及び説明は多くの点で単なる例示であり、限定的ではなく、様々な修正及び代替形態の影響を受けやすいことが当業者には理解されよう。本発明の範囲を超えることなく、詳細に、特に部品の形状、サイズ、材料及び配置の点で変更が加えられてもよい。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態又は方法に限定されるものではなく、逆に、本発明は、すべての修正形態、均等物及び代替形態を包含するものであることを理解されたい。
【0467】
したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲において規定される。
【符号の説明】
【0468】
100 引込ユニット
101 引込デバイス
101a アーム
101b アーム
101d プロテクタ
102 引込デバイスホルダ
103 展開デバイス
108 矢印
110 引込デバイスホルダの遠位先端、端部、遠位端
111 近位端
112 遠位端
115 ガイドワイヤ内腔
117 ケーシング
121 脚部
123 脚部
125 溶接部分
127 中間開口部
131 開口部
133 開口部
135 第1のアーム
137 第2のアーム
139 溝
141 狭窄部
202 縫合糸、保持デバイス
203 ピストン
204 溝
207 溝
301 血管、血管壁、組織
302 (血管の)穴、スリット開口部、穴の開口部
303 患者の身体の体外
304 患者の身体の皮膚
305 患者の身体の体内
410 係合デバイス
420 湾曲部、段差
500 コネクタ、止血弁
501 開口部、シールリップ、スリット
502 開口部、シールリップ、スリット
503 水洗ライン、シース水洗ライン
600 閉鎖デバイス
602 近位端、接合部、溝
603 遠位端、尖った端部、閉鎖部材、閉鎖デバイスの先端、閉鎖デバイスの端部
604 アーム
604a アーム
604b アーム
605 カールした部分又は湾曲した部分
607 非湾曲部分又は直線部分
609 装着領域
611 貫通開口部
611a 延長部
708 アンカー、閉鎖デバイスのアンカー形態
709 先端603が組織壁を貫通する状態
722 603の穿孔
800 閉鎖部材
801 長手方向の矢印、支持/閉鎖デバイスホルダの配向を示す矢印
802 閉鎖デバイスホルダ
803 チャネル、横方向チャネル
804 遠位端、閉鎖デバイスホルダ端部
805 近位端、閉鎖デバイスホルダ端部
806 送達支持体
807 バンパー
808 プッシャ管
809 (閉鎖デバイスホルダの)バー
810 (バーの間の)溝
900 ハンドル部材
902 第1のスライダ
904 第2のスライダ
906 スイッチ
908 ハンドル部材の開口部
910 マルチルーメン押出成形部又は開口部
912 ノブ
914 スリーブ
916 ガイドスロット
916a 第1のスロット部分
916b 第2のスロット部分
916c 転回点
1000 ガイドワイヤ
1006 血管内腔
1411 穴の壁、縁部
1420 矢印
1421 上向きの移動
1422 角度
1722 分度器
2204 壁、穴の壁、長辺
2600 縫合糸
2700 矢印
B 横幅
L 長手方向軸
断面直径
主軸の長さ
W 幅
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A-7F】
図8
図9
図10
図11
図12A-12E】
図13A-13H】
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図26C
図26D
図26E
図26F
図26G
図27
図28
図29
図30
図30A
図31
図31A
図32
図32A
図33
図33A
図34
図35
図36
図37A
図37B
図37C
図37D
図37E
図37F
図38
図39
図40
図40A
図40B
図40C
図41
図42
図43
図44
図45
図46A
図46B
図46C
図46D
図46E
図47A
図47B
図47C
図48A
図48B
図49
図49A
図50
図50A
図51
図51A
図51B
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織(301)の穴(302)、切開部、穿刺部、組織を通る通路、及び/又は血管若しくは他の身体内腔(略して穴)との連通を閉鎖するための医療装置であって、
1つ以上の閉鎖デバイス(600)を解放可能に収容するための閉鎖デバイスホルダ(802)と、
前記穴(302)の対向する側面に接触し、前記側面を引き込ませるため、且つ/或いは前記穴(302)を広げ、前記穴(302)の形状がスリット若しくはスリット状若しくはよりスリット状に変化した穴(302)にするため、又は前記穴(302)の寸法若しくは直径を、前記穴(302)の少なくとも1つの若しくは正確に1つの寸法において拡大させる若しくは増大させるための引込ユニット(100)と、
を備える、医療装置。
【請求項2】
前記引込ユニット(100)は、
少なくとも1つの引込デバイスホルダ(102)と、
前記引込デバイスホルダ(102)内に好ましくは少なくとも部分的に収容された少なくとも1つの引込デバイス(101)と、
を備え、
前記引込デバイス(101)は、好ましくは、前記引込デバイスホルダ(102)内に少なくとも部分的に解放可能に収容され、
前記引込デバイス(101)は、好ましくは、前記引込デバイスホルダ(102)に対して移動可能又は摺動可能な方法で配置される、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記引込ユニット(100)は、少なくとも、
第1の側面及び反対側の第2の側面、
第1のアーム及び第2のアーム、
第1の引込デバイス(101)及び第2の引込デバイス(101)、
第1の引込デバイスホルダ(102)及び第2の引込デバイスホルダ(102)、
第1の係合デバイス(410)及び第2の係合デバイス(410)、
のうちの少なくとも1つを有する1つの/前記引込デバイス(101)と、
前記第1の側面を前記第2の側面から離隔する又は離れるように移動させる、
前記第1のアームを前記第2のアームから離隔する又は離れるように移動させる、
前記第1の引込デバイス(101)を前記第2の引込デバイス(101)から離隔する又は離れるように移動させる、
前記第1の引込デバイスホルダ(102)を前記第2の引込デバイスホルダ(102)から離隔する又は離れるように移動させる、且つ/又は
前記第1の係合デバイス(410)を前記第2の係合デバイス(410)から離隔する又は離れるように移動させるための、
機構と、
を備える、請求項1又は2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)は、
前記血管の穴(302)の閉鎖部全体にわたって、少なくとも部分的に互いに平行なままであるように、或いは
前記血管の穴(302)に向かって進められているときに、且つ/又は前記閉鎖部材(800)から出るように進められているときに、互いに離れる又は互いに逸れるように、
配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)が、前記血管の穴(302)に向かって進められているときに、且つ/又は前記閉鎖部材(800)から出るように進められているときに、互いに逸れる又は互いに離れることを保証する、或いは補助するための送達支持体(806)が設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記閉鎖部材(800)、前記閉鎖デバイスホルダ(802)又は前記送達支持体(806)の外側又は側面に、バンパー又はスペーサが配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
ハンドル部材(900)を備え、
前記ハンドル部材(900)は、ガイドスロット(916)を有するスリーブ(914)又は別の好ましくは回転可能な要素若しくは円筒形の要素を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記ハンドル部材(900)、ノブ(912)、又は前記スリーブ(914)自体は、前記ガイドスロット(916)の転回点を通ってピンを案内するように配置された弾性要素、ばねなどを備える、請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記引込デバイス(101)は、複数のアーム(101a、101b)を備え、前記アームのうちの少なくとも1つは、前記アームの間の少なくとも1つの開口部若しくは中間開口部(127)を取り囲むか又は開口部若しくは中間開口部(127)に外接する2つの脚部(121、123)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記医療装置の使用時に前記アーム(101a、101b)が通って出る前記引込ユニットの少なくとも1つの開口部(131、133)は、自身の長さよりも小さい幅を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記引込デバイス(101)の前記アーム(101a、101b)の少なくとも1つが通って出る前記引込ユニットの前記開口部(131、133)の少なくとも1つは、楕円形の開口領域又は楕円形の断面を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)に含まれる閉鎖デバイス(600)を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記閉鎖デバイス(600)は、2つのアーム(604)を有し、前記アーム(604)の少なくとも1つは、少なくとも1つの又は1つの第1の曲げ方向と、少なくとも1つの又は1つの第2の曲げ方向とを有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記閉鎖デバイス(600)又は前記血管の穴(302)の閉鎖状態では、前記アーム(604)の第1のアームの端部又は先端は、前記アーム(604)の第2のアームから離れるように向いているのに対して、前記第2のアーム(604)の端部又は先端は、前記第1のアーム(604)から離れるように向いている、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記引込デバイスホルダ(102)の内腔内に少なくとも部分的に解放可能に収容されるように構成された展開デバイス(103)を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項16】
前記引込デバイス(101)は、前記引込デバイスホルダ(102)の遠位先端、遠位端、又は遠位端部分に配置され、前記引込デバイス(101)及び前記引込デバイスホルダ(102)は、好ましくは互いに一体式に設計される、且つ/又は好ましくは互いに解放不能に接続される、請求項1から15のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項17】
前記引込デバイス(101)は、第1のアーム(135)及び第2のアーム(137)を備えるか、又はこれらからなり、前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)は、好ましくは少なくとも前記引込ユニット(100)を前記穴(302)中に配置する間又は配置する前は、好ましくは互いに平行に配置されている、又は設けられている、請求項16に記載の医療装置。
【請求項18】
前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)は、前記展開デバイス(103)の表面に配置され、且つ/又は前記引込デバイス(101)を前記穴(302)に進めながら、該表面と接触するように配置され、前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)は、好ましくは受動的な方法で、且つ/又はモータ、手動補助、及び/又は機構を使用せずに、前記展開デバイス(103)を前記引込デバイスホルダ(102)から引っ張り出した後、前記穴(302)を引き込ませるための引込状態まで拡張される、請求項17に記載の医療装置。
【請求項19】
前記引込デバイスホルダ(102)又はその内腔は、前記引込ユニット(100)を前記穴(302)の中に配置している間の、第1の形状又は第1の断面、好ましくは断面直径(D)を有する円形断面、及び前記展開デバイス(103)を前記引込デバイスホルダ(102)から部分的又は完全に引っ張り出した後の、第2の形状又は第2の断面、好ましくは前記断面直径(D)よりも大きい主軸の長さ(D)を有する楕円形断面、好ましくは、2つの対称軸、すなわち主軸及び短軸を有する長円断面を呈する、とる、又は示す、請求項15から18のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項20】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)又はその断面の形状は、主に前記第2の形状をとるか、又は前記第2の断面を特色として備える、それに対応する、且つ/又は楕円形断面を有し、好ましくは主軸の長さ(D)は、この長さよりもわずかに小さい、請求項15から19のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項21】
前記閉鎖デバイスホルダ(802)は、好ましくは少なくとも部分的に解放可能に、好ましくは前記閉鎖デバイスホルダ(802)の長手方向に並進式に可動な前記引込デバイスホルダ(102)内に収容される、請求項15から20のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項22】
前記閉鎖デバイス(600)を排出するための前記閉鎖デバイスホルダ(802)の開口部の間に、開口部に隣接して、又は開口部の近傍に、前記少なくとも1つの開口部の開口領域にわたって突出する1つ以上のバー(809)が設けられる、請求項1から21のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項23】
前記展開デバイス(103)及び/又は前記閉鎖デバイスホルダ(802)を前記引込デバイスホルダ(102)の内腔の中に進めるための開口部を提供する、前記引込デバイスホルダ(102)に接続されるか又は前記引込デバイスホルダ(102)の一体式の部分となるコネクタ(500)を備える、請求項1から22のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項24】
前記コネクタ(500)の内腔、又はその断面、又は前記開口部の前記開口領域のうちの少なくとも1つは、(少なくとも部分的に)円形形状の範囲を定める部分と、(少なくとも部分的に)楕円形の形状の範囲を定める部分との両方を含む、請求項23に記載の医療装置。
【請求項25】
組織の穴(302)を閉鎖するための方法であって、
前記引込デバイスホルダ(102)と、前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)を有する前記引込デバイス(101)と、前記展開デバイス(103)とを備える、請求項1から24のいずれか一項に記載の医療装置を提供するステップであって、前記引込デバイス(101)は、前記引込デバイスホルダ(102)の遠位先端、端部若しくは端部部分に配置されるか、又は前記引込デバイスホルダ(102)に装着されるステップと、
前記展開デバイス(103)を前記引込デバイスホルダ(102)の内腔に挿入するステップと、
前記第1のアーム(135)及び前記第2のアーム(137)の少なくとも一部が前記穴(302)の内側に配置されるまで、前記展開デバイス(103)と、前記引込デバイス(101)を含む前記引込デバイスホルダ(102)との両方を前記穴(302)まで前方に押すステップと、
前記展開デバイス(103)を、前記引込デバイスホルダ(102)の前記内腔から引き戻して抜くステップと、
前記閉鎖デバイス(600)を有する前記閉鎖デバイスホルダ(802)を、好ましくはほとんど長円形状、又は楕円形状の前記引込デバイスホルダ(102)の前記内腔に挿入し、前記閉鎖デバイス(600)を前記閉鎖デバイスホルダ(802)から排出するための前記閉鎖デバイスホルダ(802)の1つ又は複数の遠位開口部が前記穴(302)に配置されるステップと、
前記穴(302)を閉鎖するために前記閉鎖デバイス(600)を押し出す、解放する、又は引き出すステップと、
を含む方法。
【請求項26】
組織の穴(302)を閉鎖するための方法であって、
請求項1から24のいずれか一項に記載の医療装置を提供するステップと、
前記医療装置によって前記穴(302)を閉鎖するステップと
を含む方法。
【請求項27】
患者の組織(301)の穴(302)、切開部、穿刺部、組織を通る通路、及び/又は血管若しくは他の体腔(略して穴)との連通を閉鎖するための閉鎖デバイス(600)であって、前記組織(301)を貫通するための2つ、少なくとも2つ以上のアーム(604、604a、600b)を備える閉鎖デバイス(600)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図33
【補正方法】変更
【補正の内容】
図33
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図46A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図46A
【国際調査報告】