(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(54)【発明の名称】真空ストッパ、及びストッパと容器の組立体
(51)【国際特許分類】
B65D 39/00 20060101AFI20221116BHJP
B65D 41/62 20060101ALI20221116BHJP
B65D 51/16 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
B65D39/00 200
B65D41/62
B65D51/16 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517861
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 NL2020050573
(87)【国際公開番号】W WO2021054825
(87)【国際公開日】2021-03-25
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522108806
【氏名又は名称】エアテンダー ワークス ビー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボルヤニン、ダリボル
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ヒュルスト、ロベルト フランシスクス
(72)【発明者】
【氏名】メデイロス サントス、ルイ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA32
3E084AB02
3E084BA01
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
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3E084GA08
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3E084HA07
3E084HB01
3E084HC03
3E084HD01
3E084HD04
3E084KA04
3E084LA17
(57)【要約】
ボトルを閉鎖し、ボトルを真空にするためにボトルの首に配置されるように構成された真空ストッパが開示され、真空ストッパは、ボトルの首に挿入されるように構成された細長い本体と、細長い本体の上端に設けられ、ボトルの首の上側に載るように構成された弾性肩部と、弾性肩部の上方の細長い本体の上端に設けられたストップリングと、使用時に容器から空気を吸引することを可能にするために細長い本体の内側に設けられた弁とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を閉鎖し、前記容器を真空にするために前記容器の首部内に配置されるように構成された真空ストッパであって、
前記容器の首部に挿入されるように構成された細長い本体と、
前記細長い本体の上端に設けられた弾性肩部であって、前記弾性肩部は、前記容器の首部の上側に載るように配置されている、弾性肩部と、
前記弾性肩部の上方の前記細長い本体の上端に設けられたストップリングと、
前記細長い本体の内側に配置され、使用中、空気が前記容器から吸い出されることを可能にする弁と、
を含み、
前記細長い本体は、少なくとも1つの半径方向に突出するフランジ要素をさらに含む、
真空ストッパ。
【請求項2】
前記ストップリングは、前記細長い本体の上側とほぼ水平に位置していることを特徴とする請求項1に記載の真空ストッパ。
【請求項3】
前記細長い本体は円筒形状である、請求項1又は請求項2に記載の真空ストッパ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフランジ要素は、円周方向に連続したフランジとして設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項5】
前記細長い本体上の同じ軸方向位置に位置する前記細長い本体上に、少なくとも3つの半径方向に突出するフランジ要素が設けられていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの半径方向に突出するフランジ要素は前記細長い本体に沿って円周方向に延在し、および/または、前記細長い本体に沿って長手方向に延在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項7】
前記弾性肩部は、弾性材料および/または弾性構成で提供される、請求項1~6のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項8】
前記弾性肩部は、前記細長い本体にヒンジ式に係合される、請求項7に記載の真空ストッパ。
【請求項9】
前記弾性肩部は、前記弾性肩部が変形していない静止位置と、ストッパが容器の首部に位置され、前記容器の内部が真空にされたときの、前記弾性肩部が変形している作動位置との間で、変形可能であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項10】
前記弾性肩部は、前記弾性肩部が付勢されており、ストッパが前記容器の首部に係合すると前記容器内に真空が存在しない、静止位置と、
前記弾性肩部が前記容器の首部を密閉し、前記ストッパが前記容器の首部に係合すると、前記容器内に真空が存在するようになっている、作動位置と、の間で調節可能である、
請求項1~9のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項11】
前記静止位置において、前記弾性肩部は、前記弾性肩部が前記静止位置から前記作動位置に向かってヒンジおよび/または変形することができる少なくとも1つの位置を備える、請求項10又は請求項9に記載の真空ストッパ。
【請求項12】
前記細長い本体の上側は、真空ポンプを受け入れるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項13】
前記細長い本体は使用時に、真空の影響を受けて、前記細長い本体の外径が少なくとも局所的に増大するように変形可能である、請求項1~12のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項14】
前記ストップリングは、弾性部材よりも剛性が高いことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項15】
前記ストップリングは前記細長い本体よりも剛性が高く、前記細長い本体は、弾性部材よりも剛性が高い、請求項13又は請求項14に記載の真空ストッパ。
【請求項16】
前記ストップリングの直径は、真空引きされていない静止位置で、前記少なくとも1つのフランジ要素を含む前記細長い本体の直径の約1.5倍である、請求項1~15のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項17】
前記弁は一方向弁である、ダックビル弁であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項18】
前記弁は前記弁の上側が前記細長い本体の上側よりも低くなるように、前記細長い本体の内側の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の真空ストッパ。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の、ワインボトルなどの容器と真空ストッパとの組立体。
【請求項20】
前記容器がネジ山付き首部と、前記ネジ山付き首部と係合するためのネジキャップとを有し、前記真空ストッパは使用時に前記容器の首部に挿入され、前記ネジキャップは、前記ネジ山付き首部と係合するために前記真空ストッパの上に嵌合する、請求項19に記載の組立体。
【請求項21】
前記真空ストッパは、容器のスクリューキャップに一体化されている、請求項19又は請求項20に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、特にワインボトルのような容器用の真空ストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
真空ストッパは広く使用されており、様々な配置及びサイズで利用できる。真空ストッパは、通常、専用の真空ポンプと組み合わせて利用できる。
【0003】
典型的な真空ストッパは、容器の首部(ネック)に挿入するためのテーパ付き本体を有する。テーパ付き本体は、容器の首部の内径の様々なサイズの収容を可能にする。本体は、弁が設けられたヘッド部を有する。ヘッドは専用ポンプに対応している。先細本体とボトルの首部との間の接触により、真空シールを得ることができる。
【0004】
これらの公知のストッパの欠点はストッパがかなりかさばり、および/または大きな頭部を有し得ることである。頭部はボトルをかなり高くする可能性があり、ストッパ付きのボトルを冷蔵庫などの従来の貯蔵要素に保管することを困難にする。さらに、従来のストッパを有するボトルは、流体のこぼれおよび/または真空の偶発的な解除の危険があるため、水平保管に適していない場合がある。突出した頭部および/または嵩張った外観のために、ユーザ、特にレストラン所有者などの専門的なユーザは、目に見えるワインボトルストック上の見栄えを悪化させる可能性があるため、ストッパに使用することを嫌がる。このような従来のストッパはまた、例えば、真空にされたボトルを取り扱うときに、偶発的に真空を解除する傾向があり得るが、ストッパ上に真空の目に見える表示がない場合がある。また、ワインボトルの首の直径の広がりが増大し、従来のストッパは、より大きな直径の広がりを収容することができない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述の欠点の少なくとも1つを取り除く改良された真空ストッパが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、容器を閉鎖し、容器を真空にするために容器の首部内に配置されるように構成された真空ストッパが提供され、真空ストッパは容器の首部内に挿入されるように構成された細長い本体と、細長い本体の上端に設けられ、容器の首部の上側に載るように構成された弾性肩部と、弾性肩部の上方の細長い本体の上端に設けられたストップリングと、使用時に容器から空気を吸引することを可能にするために細長い本体の内側に設けられた弁とを備え、細長い本体は少なくとも1つの半径方向に突出するフランジ要素をさらに備える。
【0007】
弾性肩部と弾性肩部の上方にストップリングを有する真空ストッパを設け、このバルブを細長い本体の内側に配置することにより、コンパクトでエレガントな真空ストッパを得ることができる。弾性肩部の上方にストップリングを設けることにより、真空ストッパは真空ストッパが容器の首部に挿入され、弾性肩部が容器の首部の上側に当接したときに、ストッパが容器の首部の上側の上方にのみ制限的に延びるように、制限された高さのものとすることができる。したがって、容器、典型的にはワインボトルなどのボトルに挿入されたストッパを備えた、洗練されたコンパクトな見栄えを提供することができる。従来のストッパとは対照的に、このストッパはヘッドを備えておらず、弁が配置されている細長い本体のみを備えている。従来のストッパのように、細長い本体の内側にバルブを配置することによって、ストッパのヘッドをなくすことができ、従って、ストッパの高さは、使用時に容器の首部の上方に限定的に延びるだけとなるように、低くすることができる。
【0008】
細長い本体の上端に弾性肩部を設けることによって、細長い本体のほぼ全てを容器の首部に挿入することができ、細長い本体の限られた高さだけが容器の首部の上方に延びるようにする。使用時に容器の首部に載っている肩部を弾性的に設けることにより、肩部は容器の真空吸引時に変形し、肩部を容器の首部にしっかりと密封することができる。細長い本体の内側に配置されたバルブを介して容器から空気を吸引することによって、負圧、またはいわゆる真空を容器の内側に作り出すことができる。負圧のため、ストッパが容器の少し内側に引っ張られ、弾力性のある肩部が変形することがある。弾性肩部の変形は、肩部を容器の首部にしっかりと当接させ、かつ/または容器を真空中でしっかりとかつ/または確実にシールすることを提供し得る。容器内に真空が存在するときに変形するこのような弾性肩部を設けることによって、例えば、変形した弾性部材が変形していない弾性部材よりも低いことによって、真空の目に見える表示が可能になる。負圧は、大気圧より低い圧力であると考えられ、減圧または真空とも呼ばれる。
【0009】
弾性肩部の上方にストップリングを設けることによって、ストップリングは、真空引きの際に、弾性肩部したがってストッパが容器内に吸い込まれるのを防止することができる。従来のストッパとは反対に、別個のストップリングとして、又は弾性肩部に一体化されて設けられた付加的なストップリングがある。ストップリングは、弾性肩部よりも硬く(剛性が高く)、その結果、弾性肩部は使用時に、容器の真空引き時に変形して、容器の首部の上側にしっかりと当接することができる。また、ストップリングは、ストッパが容器に完全に入るのを防止する最終ストッパ要素として、弾性肩部の上方にあることが有利である。
【0010】
ストップリングはストップリングがストッパの頂部部材であり、ストップリングの上方に延びるヘッド又はストップリングの本体がないコンパクトなストッパのような、細長い本体の上側とほぼ水平に位置決めすることができる。これにより、ストッパをコンパクトかつエレガントにすることができる。また、ストップリングを弾性肩部の上方で、細長い本体の上側と同じ高さに設けることによって、使用時には、肩部及びストップリングのみが容器の首部の上方にある。したがって、ストッパが容器の首部に挿入されるとき、ストッパは限られた高さ、すなわち、弾性肩部およびストップリングの高さにわたって容器の首部の上方にのみ延びる。この制限された高さのために、容器、典型的にはワインボトルはその首部に係合されたストッパと共に、冷蔵庫又はキャビネットのような通常の保管場所に依然として保管することができる。
【0011】
ストップリングおよび弾性肩部は、異なる材料および/または異なる構成から提供されてもよい。ストップリングは例えば、金属材料または比較的硬いプラスチック材料であってもよい。ストップリングは、半径方向に延在するリングとして構成されてもよい。有利にはストップリングが円周方向に連続しているが、ストップリングは少なくとも2つのリングセグメントとして具体化されてもよい。ストップリングは例えばクリック接続によって細長い本体にしっかりと接続されてもよく、または例えば二成分射出成形によって細長い本体に一体化されてもよい。弾性肩部は、弾性の弾性材料であってもよく、または弾性構成を有してもよく、または両方の組み合わせであってもよい。例えば、連続したストップリングの下側に、ゴム材料、独立気泡発泡体、または他の弾性変形可能な材料などの弾性材料を設けることができる。次いで、弾性部材が首部に当接すると、材料は真空吸引時に変形することができ、しっかりとしたシールを得ることができる。ストップリングは、より硬く、ストッパーが容器内に引っ張られることを避けることができる。この例では、ストップリングおよびシール部材が例えば、2成分射出成形プロセスを介して同時に射出成形されてもよい。代替的に、弾性肩部のより弾性の材料は、接着剤を介して接着されてもよく、および/またはストップリングに化学的に結合されてもよい。首部の周囲にわたって緊密なシールを得るために、弾性部材は、周方向に連続した設計のものである。
【0012】
弾性部材はまた、弾性であってもよく、または弾性変形可能であってもよく、例えば、ブレードスプリング様構成または波形スプリング様構成など、よりスプリング様の構成が可能であってもよい。いずれにせよ、材料は、変形を可能にする可撓性材料である。容器の内部が真空であるため、ストッパが容器の首部に挿入されると、弾性肩部が容器の首部に緊密に当接するまで、弾性肩部の弾性構成が変形する。弾性肩部は例えば、熱可塑性複合材料、または別の材料、例えば、シリコンゴム、またはスチレン系ブロックコポリマー、例えば、SEBSなどの熱可塑性エラストマー(TPE)から提供されてもよい。
【0013】
弾性肩部は、有利には弾性肩部が変形されていない静止位置と、ストッパが容器の首部に配置され、容器の内側が真空であるときに弾性肩部が変形される使用位置との間で変形可能である。弾性肩部の変形位置において、肩部の高さは非変形位置における肩部の高さよりも小さくてもよく、および/または肩部の長さは非変形位置における肩部の長さよりも長くてもよい。弾性肩部は容器の内側が真空にされているときに、その上のストップリングとその下の容器の首部との間で圧搾されるようになるので、変形位置に調整されてもよい。
【0014】
代替的におよび/または追加的に、弾性肩部は、細長い本体にヒンジ式(hingedly)に接続される半径方向に延びる肩部として構成されてもよい。ヒンジは例えば、材料の若返りによって提供される一体ヒンジであってもよく、またはヒンジとして作用する材料の曲がりであってもよい。弾性肩部は、そのような生きているヒンジの複数、例えば半径方向の複数の屈曲部を含み得、半径方向に波のようなパターンを生じ得る。吸引すると、ストッパが容器の首部に挿入された状態で、弾性肩部はそのような一体ヒンジ又は曲がり部で変形することができ、したがって、容器の首部の上側にしっかりと当接するまで半径方向に伸びることができる。例えば、弾性肩部はその周囲に、弾性肩部が静止位置から作動位置までヒンジ止することができる少なくとも1つの位置を設けることができる。このような位置は半径方向に予め定められていてもよく、好ましくは円周方向に延びている。この位置は材料の可撓性に応じて、予め定められていてもよいが、可変であってもよいし、予め定められていなくてもよい。容器の首部におけるストッパの位置に応じて、真空吸引時に弾性肩部がどのように変形するかが決まる。弾性肩部の多くの変形が可能である。
【0015】
有利には、弾性肩部がストッパが容器の首部に係合されるときに容器内に真空が存在しないように、弾性肩部が付勢される静止位置と、ストッパが容器の首部に係合されるときに容器内に真空が存在するように、弾性肩部が容器の首部を封止する作動位置との間で調整可能である。静止位置は典型的には弾性部材の作動位置における変形位置とは対照的に、弾性肩部がその変形していない構成を有する基底位置であり得る。作動位置では弾性部材は変形し、実際には容器内に負圧を有する容器の首部に装着される。弾性肩部をその静止位置に付勢することによって、真空が非付勢されるとすぐに、弾性部材は、付勢されるその所定の静止位置に戻ることができる。付勢力は偶発的に、または意図的に、真空漏れがあるとすぐに、容器の首部からストッパをさらに取り外すのを助けることができる。このように、弾性肩部は弾性肩部が変形していない静止位置と、弾性肩部が変形している作動位置との間で、ストッパが容器の首の中に位置し、容器の内部が真空であるときに変形可能である。弾性肩部の変形位置において、肩部の高さは非変形位置における肩部の高さよりも小さくてもよく、および/または肩部の長さは非変形位置における肩部の長さよりも長くてもよい。例えば、弾性肩部は容器の内側が真空にされているときに、その上のストップリングとその下の容器の首部との間で圧搾されるようになるので、変形位置に調整されてもよい。
【0016】
弾性肩部が容器内の負圧のために変形する場合、その作動位置において、弾性肩部は、変形していない静止位置におけるよりも低い高さであり得る。変形されていない静止位置と変形された作動位置との間の高さのこの差により、ユーザは、容器内に真空が存在するか否かを視覚的に検査することができる。弾性部材の高さが低い場合には容器内に依然として真空が存在し、弾性部材の高さが大きい場合には弾性部材がその静止位置にあり、容器内に真空が存在しない。これにより、使用者は、容器内の真空の視覚的表示を容易に識別することができる。このように、ユーザは従来のストッパの場合と同様に、真空を最初に取り消し、次に容器を再真空にすることなく、容器内に依然として真空が存在するかどうかをチェックすることができる。
【0017】
さらに、容器の真空下における弾性部材の強固で確実な変形のため、容器を横たわる位置に保管することができ、偶発的に、真空を解消する。これは、容器の首部から突出する比較的かさばる頭部のために、従来のストッパではしばしば困難であり、それによって、真空の容易に偶発的な解除が起こり得る。また、従来のストッパはその本体が容器の首部に挿入された状態で容器の首部を密封することが多く、これは水平保管の場合に比較的容易に漏れることがある。容器の首部の上側で首部を封止する弾性部材を有するストッパは、横たわった位置に保管されたときに真空及び/又は液体の漏れを防止することができる。また、そのコンパクトな寸法のために、本発明によるストッパは、容器の首部のより信頼性の高いシールを提供することができる。さらに、そのコンパクトな寸法のために、ストッパは容器、特にワインボトルの首部に嵌合することができ、一方、スクリューキャップは、依然として容器の首部およびストッパの上に嵌合することができる。これは、より信頼性の高い記憶装置、特に水平記憶装置を提供することさえできる。
【0018】
ストッパの一態様によれば、細長い本体はその外側に少なくとも1つのフランジ要素を備えることができ、少なくとも1つのフランジ要素は、円周方向に連続するフランジとして設けることができる。フランジは例えば、細長い本体上に半径方向外方に突出するリングとして具現化されてもよい。フランジ要素は細長い本体が容器の首部内のほぼ中央に位置決めされるように、細長い本体を容器の首部内に整列及び/又は心出しするのを助ける。また、少なくとも1つのフランジ要素を設けることによって、容器の首部の内径の変化に対応することができる。一方が他方の上方に位置する複数の円周フランジを設けてもよい。フランジ要素は使用時にフランジ要素が容器の首部の内側に接触できるように、細長い本体の外側から半径方向外側に突出することが好ましい。
【0019】
あるいは、細長い本体の同じ軸方向位置で円周方向に延びる、または長手方向に延びる複数のフランジ要素を設けてもよい。フランジ要素は容器の首部において細長い本体の操作を可能にするように、いくらか可撓性であってもよい。
【0020】
細長い本体は、例えば環状断面を有する円筒形であってもよく、または三角形または六角形断面を有していてもよい。多くの変形が可能である。細長い本体上に少なくとも1つのフランジ要素を設けることによって、容器の首部の内側へのセンタリングおよび/または接触を提供することができ、容器の首部の内径の変化に対応することができる。
【0021】
細長い本体は、同様に真空の影響下でいくらか変形可能であってもよい。容器の首部に挿入され、細長い本体内の弁を介して容器から空気を吸引すると、容器内で得られる負圧のために、細長い本体も変形する可能性がある。このような変形により、細長い本体の外径がいくぶん大きくなり、したがって、少なくとも1つのフランジ要素を容器の首部の内側にさらに押し付けることができる。これは、容器の首部におけるストッパの位置合わせ及び固定を改善することができる。有利にはストップリングが細長い本体よりも剛性が高く、細長い本体は弾性肩部よりも剛性が高く、その結果、密封は弾性肩部で得られ、ストップリングは真空引き時に、容器内へのストッパの吸い込みを防止することができる。
【0022】
有利にはバルブがバルブの上側が細長い本体の上側よりも低いように、細長い本体の内側に完全に配置され、その結果、ストップリングはストッパの上側を形成することができる。したがって、かなりコンパクトなストッパを有する。弁は例えば、細長い本体の内側のほぼ半分に配置することができる。
【0023】
細長い本体および/またはストップリングの上側は、真空ポンプを受け入れるように構成される。真空ポンプは公知の手動ポンプとすることができる。ストッパの上側は、種々のタイプの真空ポンプと係合するように比較的平坦であってもよい。あるいは、真空ポンプが細長い本体の内側のバルブの周りに係合してもよい。ストッパは、真空ポンプと係合してバルブを介して容器から空気を吸引する多くの可能性があるように構成される。バルブは空気が一方向のみ、すなわち容器の外に導かれ、バルブが閉じられると、空気がバルブを介して容器内に入るのを遮断されるように、一方向バルブであってもよい。このような一方向弁の典型的な例はダックビル弁であるが、他の変形例の弁も同様に可能である。
【0024】
ストッパの一例ではストッパの非真空静止位置に少なくとも1つのフランジ要素を含む、ストップリングの外径は細長い本体の外径の約1.5倍である。ストッパの残りの部分に対してストップリングを比較的制限されたサイズにすることによって、容器の首部を過度に張り出すことなく、容器の首部の上側に当接することで十分であり得る。したがって、ストッパ、特にストップリングおよび弾性部材は容器の首部に挿入されたとき、容器の首部を密封するのに十分な幅であってもよいが、容器の首部を越えてあまりにも広がらないように十分に小さくてもよい。このように、ストッパが挿入された状態で、ネジキャップが容器の首部に嵌合することが可能である。これは、容器の保管目的のために有利であり得る。
【0025】
さらなる態様は、容器および真空ボトルの組立体に関する。
【0026】
さらなる有利な実施形態が従属請求項に示されている。
【0027】
これらおよび他の態様は、例示的な実施形態の図面を含む図面を参照してさらに説明される。対応する要素は、対応する参照符号で示されている。図面では:
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a】
図1aは、ストッパの第1の実施形態の概略斜視図である。
【
図2a】
図2aは、コンテナの首部の静止位置における、
図1aのストッパの概略断面図である。
【
図2b】
図2bは、コンテナの首部の作動位置における、
図1aのストッパの概略断面図である。
【
図3a】
図3aは、容器の首部内の静止位置にあるストッパの第2の実施形態の概略断面図である。
【
図3b】
図3Bは、コンテナの首の作動位置における、
図3aのストッパの概略断面図である。
【
図4】
図4は、スクリューキャップによって閉じられた容器の首部に挿入されたストッパの概略断面図である。
【
図5a】
図5aは、ストッパの第3の実施形態の概略斜視図である。
【
図5c】コンテナの首の作動位置における、
図5aのストッパの概略断面図である。
【
図6a】
図6aは、ストッパの第3の実施形態の概略斜視図である。
【
図7a】
図7aは、ストッパの別の実施例の斜視断面図である。
【
図7b】
図7bは、ストッパの別の実施例の斜視断面図である。
【
図8a】
図8aは、ストッパの別の実施例の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面は例示的な例として与えられており、本開示を限定するものではないことに留意されたい。図面は縮尺通りでないことがある。
【0030】
図1aは、真空ストッパ1の一実施形態の斜視図を概略的に示す。
図1bは、
図1aのストッパ1の断面を示す。真空ストッパ1は、容器の首部に挿入されるように構成された細長い本体2を備える。細長い本体2の上端部3には、弾性肩部4が設けられている。弾性肩部4は、容器の首部の上側に載るか、または当接するように配置される。さらに、真空ストッパ1は細長い本体2の上端部3にストップリング5を備え、ストップリング5は弾性肩部4の上方に配置されている。弁6はストッパが容器の首部に係合されるとき、空気が容器から吸引されることを可能にするために、細長い本体2の内側に配置される。弁6は、細長い本体2に弁座12で接続されている。細長い本体2はさらに、細長い本体2の外側8から半径方向に突出する少なくとも1つのフランジ要素7を備える。
【0031】
細長い本体2はここでは略環状または円形の断面を有する円筒形本体として示されているが、例えば、多角形の断面を有するプリズムなど、異なる形状を有することもできる。有利には細長い本体2がほぼ真っ直いでもよいが、細長い本体の外径が容器の首部の内側に当接して、細長い本体が弾性肩部の代わりに容器を封止していることを回避するのに十分に大きくない限り、テーパ状、ピラミッド状、または他の形状を可能にすることができる。
【0032】
この実施形態では、フランジ要素7が細長い本体2の周囲に配置された連続リングとして設けられる。互いに上下に配置された2つのリング7がある。フランジ要素7は、ストッパ1、特に細長い本体2を容器の首部の中心に置く及び/又は案内するように意図されている。また、フランジ要素7は容器の首部の内径の変動に適応するように、多少柔軟かまたは弾性である。したがって、容器の首部の比較的広範囲の内径を、比較的小さい直径からより大きい直径まで収容することができる。ガラスワインボトルの場合、首部のこのような直径の変動は、約20~約35mmであり得る。また、首部の内側ボアは不規則な表面を有することができるので、首部の内側ボアの直径も同様に変化することができる。このような変化にも対応することができる。フランジエレメントを連続リングとして設ける場合、リングの外縁に少なくとも1つの切り欠きを設けてもよい。このような切り欠きを設けることにより、リング状のフランジ要素が容器の首部を真空に封止することを防止できる。代わりに、弾性肩部は、容器を真空にするときに容器の首部を密封するように構成される。
【0033】
図2aにおいて、ストッパ1は、容器(図示せず)の首部9に挿入された状態で示されている。容器は例えば、ワインボトルなどのボトル、またはフラスコなどであり得る。
図2aにおいて、容器の首部9に細長い本体2を挿入する際の摩擦力により、フランジ要素7が上方に多少変形していることが分かる。このように、多かれ少なかれ、容器の首部9における細長い本体2の中央の位置決めが可能である。
【0034】
弾性肩部4は、容器の首部9の上側10に着座するように配置されている。弾性肩部4は、ストッパ1の細長い本体2から半径方向外方に延びている。弾性肩部4はここで見ることができるように、細長い本体2と一体的に形成することができるが、細長い本体2に接続される別個の部品とすることもできる。
【0035】
図2aはストッパ1が静止位置にある状態を示しており、この位置ではストッパ1は容器の首部9内に挿入されているが、真空は存在していない。弾性肩部4は、容器の首部9上に着座するという点で、静止位置にある。容器を真空にすると、空気が弁6を介して容器から吸引される。したがって、ストッパ1、特に細長い本体2は、容器の首部内にさらに引き込まれる。この下方への移動により、弾性肩部は弾性肩部4が変形するように、容器の首部の上側10に対してより押し付けられている。この変形により、弾性肩部4は容器の首部、特に容器の首部の上面10と密封係合し、真空を作り出し、維持することができる。このように、弾性肩部4は
図2bに見られるように、作動位置まで変形される。容器の内側の真空を取り消すためには、ストップリング5を上方に持ち上げるか、または傾けて、弾性肩部4を上方に引っ張り、シール係合を取り消すことができるようにすればよい。次に、ストッパ1は、ストップリング5を引っ張ることによって、容器の首部から取り外すことができる。弾性肩部4が容器の首部としっかりと密封係合するため、ストップリングと接触することによって容器内の真空を偶発的に解除することを最小限に抑えることができる。ストップリング5は、真空を除去するために上方に押し上げられるようになっている。
【0036】
有利には、細長い本体2は可撓性及び/又は変形可能及び/又は弾性及び/又は弾性材料で作られる。これらの用語は細長い本体の形状が例えば、負圧によって、または容器の首部内への挿入によって変化し得ることを意味する意味で、本開示全体にわたって交換可能に使用され得、ストッパが容器の首部から取り出されるとき、ストッパは、その元の変形されていない形状を再びとり得る。容器の真空の内部のために、バルブシート12は比較的薄く、従って可撓性があるので、バルブ6は同様にさらに下方に引っ張られてもよく、これにより、細長い本体2上のバルブシート12の接続部11に対するバルブ6の下方への移動が可能になる。バルブ6のこの下方への移動により、それは、細長い本体2を、その細長い本体2への接続部の位置11において、より外側に押し出す。このわずかに外側への移動のために、細長い本体2の外側8に配置されたフランジ要素7はまた、首部9の内壁13に対してよりしっかりと押され、したがって、容器の首部9におけるストッパ1のよりしっかりとした係合を提供する。また、容器内部の負圧のために、バルブ6は、容器内部の方向にいくぶん下方に移動することがある。これは、
図2bに見ることができる。
図2bは概略的であり、誇張されている。
【0037】
弾性肩部4の上方に配置されたストップリング5は、細長い本体2にしっかりと接続されている。ストップリング5は、有利には弾性肩部4よりも硬く(stiff)、したがって、容器を真空にするときにストッパ1が容器内に吸い込まれるのを防止することができる。ストップリング5は弾性肩部4および/または細長い本体2とは異なる材料であってもよいが、同じ材料であってもよく、より硬い構造であってもよい。ストップリング5は細長い本体2に一体化されてもよいが、例えば、
図1bに示す実施形態のように、歯状溝内接続部14を介して、細長い本体2にしっかりと接続または固定される別個の構成要素であってもよい。ここで、ストップリング5には、弾性肩部4の円周溝14bに嵌合する円周方向に延びる歯付き突起14aが設けられている。ストップリング5はここでは連続した円周リングとしても提供されるが、1つ、2つ、またはそれ以上のリングセグメントとして構成することもできる。ストップリング5はまた、
図1aに示すように、リングとは別の形状を有していてもよく、長方形、三角形、または任意の他の形状であってもよい。多くの変形が可能である。
【0038】
弾性肩部4は、この例では一体ヒンジ15を介して細長い本体2にヒンジ連結されている。弾性肩部4は
図2aに示すような静止位置と
図2bに示すような作動位置との間でヒンジ15の周りを回転することができ、細長い本体2が容器の首部9内で下方に移動することを可能にする。さらに、弾性肩部4は、弾性変形可能な材料で作られ、弾性肩部4が容器の首部9の上側10とストップリング5との間で圧縮されることを可能にする。弾性肩部4のこの圧縮により、弾性肩部4は容器の首部9の上側10とのより大きな係合面積を得ることができるように、より半径方向外側に延びる。このような比較的大きな係合は、弾性肩部4と容器の首部9とのしっかりとしたシールを可能にし得る。従来技術のように細長い本体と容器の首部の内側との間ではなく、弾性肩部4と容器の首部9の上側10との間の密封係合は真空引きされたときにも、漏れの危険性なしに、または真空の偶発的な解除なしに、容器を横たわった位置に保管することを可能にする。
【0039】
図1a~2bの例では、弾性肩部4は歯形であり、歯16は溝14bよりも径方向外側に、歯16は長尺体2に連結されたリビングヒンジ15を介している。ストッパ1が容器の首部9に挿入され、容器が真空にされると、弾性肩部4の歯16の材料が圧縮され、その結果、弾性肩部4が伸長する。弾性肩部4の圧縮および弾性変形により、静止位置と作動位置との間に高さの差が生じる。静止位置では弾性肩部4が圧縮されて弾性的に変形されるとき、変形されていない弾性肩部4の高さH1Rと、容器の首部の上側10の上方に延在するストップリング5とは作動位置での高さH1Wよりも大きい。従って、使用者は容器内に真空があるとき、すなわちストップリング5を有する弾性肩部4の高さが静止位置におけるよりも小さいとき、視覚的表示を有する。一例では、高さH1Wが約0.5mm~約5mm、または約1mm~約4mmであってもよい。
【0040】
弾性肩部4はその変形していない静止位置に向かって付勢され、その結果、例えばストップリング5を傾けることによって容器内の真空を解放するとき、弾性肩部4はその変形していない位置に戻り、例えば、ユーザがシーリング係合に開口部を作ると、付勢力は真空を解放するのを助けることができる。容器の真空引きによって作用される弾性肩部への圧力力は、次いで、コンテナの首部9の上側10に対して弾性肩部4を強固に押し付けるためのバイアス力よりも大きい。従って、容器内の真空は弾性肩部4の付勢力を克服するのに十分である必要があり、従って、偶発的な接触によって、しかし、主にユーザの意図的な作用によって、容易に不当にすることができないしっかりとした密封係合を提供する。
【0041】
ストッパ1の静止位置では、ストッパ1は高さHRを有する。ストッパ1が容器の首部に取り付けられ、容器内に負圧が得られるように空気が容器から吸引されると、ストッパ1は負圧の影響下で容器内に引き込まれる。弾性材料から作られた細長い本体2は大きくなり、肩部4はストップリング5によって容器の首部に押し付けられている。そして、この作動位置におけるストッパ1の高さは、静止位置における高さHRよりも大きい高さHWとなる。これは、
図2aと
図2bに見ることができる。ただし、これらの図では、高さH1R-H1Wと高さHR-HWの違いは誇張して示されており、縮尺通りではない。
【0042】
真空ポンプはストッパ1の上側18に配置されてもよいし、弁6の弁座12と係合してもよいし、それらの間の任意の位置に配置されてもよい。真空ポンプとの係合には多くの可能性がある。
【0043】
図1a~2bに見られるように、弁6は、細長い本体2の内側に完全に取り付けられる。バルブ6は好ましくは一方向バルブ、例えばダックビルバルブであるが、バルブ6の他の実施形態も可能である。バルブ6の上側17がストップリング5よりも低くなるように細長い本体2の内側にバルブ6を装着することにより、ストッパ1をコンパクトな設計とすることができる。ストップリング5は次いでストッパ1の上側18を形成し、従来のストッパと同様に、かさばったヘッドを不要にすることができる。このように、ストッパ1が容器の首部9に挿入されるとき、弾性肩部4及びストップリング5のみが上側10の上方にある。その高さ、すなわち、変形されていない静止位置における高さH1Rは、変形されていない位置におけるストッパ1の全高さHRと比較して比較的小さい。したがって、ストッパ1が容器の首部9に挿入されるとき、これは、容器の全体的な視覚的外観を妨げることなく、洗練された滑らかな外観を与える。これは、ユーザにとって有利であると感じられる。さらに、ストッパ1のコンパクトなサイズ、および容器の頚部の上方のストッパ1の高さが制限されているため、ストッパを有する容器は従来のストッパが保管施設に当接する場合のように、かさばるヘッドなしに、冷蔵庫またはキャビネットなどの既知の保管施設に保管することができる。
【0044】
図3aおよび
図3bは、
図1a~2bの実施形態に加えて、別の実施例を示し、当接要素19が設けられている。当接要素19は、ストップリング5に加えて、ストッパ1が容器の首部9内に吸い込まれるのを防止する。弾性肩部4の圧縮、および容器の首部9内で下方に移動する細長い本体2のために、当接要素19は容器の首部9の内壁13に当接し、したがって、ストッパ1を容器の首部9内にさらに固定する。
図3aは当接要素19が変形していない静止位置にあるストッパ1を示し、図である。3bは、当接素19が変形した作動位置にあるストッパ1を示している。
【0045】
有利には、ストップリング5の外径D1sが変形していない状態の弾性肩部4の外径D1rとほぼ同じである。
図1a~3bの例において、外径D1s、D1rは同じである。弾性肩部4の変形位置では、作動位置における弾性肩部5の変形により、外径D2rがストップリング5の外径D1sよりも幾分大きくなることがある。外側径D2rとD1rとの間の差は比較的小さく、例えば、約1mm~約3mmとすることができる。有利には外径D1r、D2rは容器の首部9の直径の通常の変化に適応するのに十分に大きいが、容器の首部上に広がりすぎないように大きすぎない。例えば、外径D1r、D2rは、非変形状態のフランジ素子7を含む長尺体2の外径D1eの約1.5倍である。弾性肩部4とストップリング5とが外側に延び過ぎないようにすることで、ストッパ1を、容器の首部9に係合させたとき、首部9に係合するネジキャップ20で覆うことができ、
図4に示すようにネジ山21を設ける。これは、横たわった位置においてさえ、容器のより便利で洗練された保管を可能にする。
【0046】
図5a、
図5b及び
図5cは、ストッパ1の別の実施例を示す。この実施形態では、複数のフランジ要素7が細長い本体2の円周の周りに配置されて設けられる。フランジ要素7は、細長い本体2の外側に沿って長手方向に延在する。ここでもまた、ダックビル弁として具体化された弁6は弁6の上側17がストップリング5の上側18とほぼ同じ高さまたはそれよりも低くなるように、細長い本体2内に完全に取り付けられている。
【0047】
ここで、ストップリング5および弾性肩部4は細長い本体2に係合される、好ましくは例えば化学結合接続、接着接続、または機械的クリック接続などを介して細長い本体2に固定される、別個の部品として提供される。ここで、
図5および
図6の実施形態では、機械的接続が提供される。
【0048】
図5aと
図5bに示すように、弾性肩部4の変形していない静止位置で、弾性肩部4には、波形またはばね状の断面形状が設けられている。この形状及び材料の柔軟性により、ストッパ1を下方に引っ張る真空の影響を受けた弾性肩部4の変形が比較的容易になることができる。このように、弾性肩部4は
図5cに示すように、作動位置まで変形することができる。弾性肩部4はここでは肩部4a、4bに、
図5cに示される位置まで真っ直ぐにされた負圧である2つの所定の屈曲部を有する。弾性肩部4も
図5bの変形していない静止位置に付勢されており、真空を解除する際にいくらかの圧力が解放されると、弾性肩部4は、その変形されていない静止位置に戻ろうとする。屈曲部4a、4bは一体ヒンジとして形成することができ、または弾性肩部の壁厚の再生(rejuvenation)として形成することができ、または材料などの局所的により大きな可撓性によって形成することができる。このような二重波状の形状を設けることにより、
図2aに示すように、変形すると、弾性肩部4が特にストップリング5のコーナー20までストップリング5に当接するまで変形することができる。このようにして、首部9の上側10上の弾性肩部4の堅固かつ緊密なシールを得ることができる。
図5cで、ストッパ1は、容器の首部9に挿入され、真空下にある変形位置で示されている。弾性肩部4は作動位置にあり、ストップリング5と容器の首部9の上側10との間で変形する。フランジ要素7は、容器の首部9の内壁13に接触する。ここで、弁6は細長い本体2の完全に内側にあり、シート12で細長い本体2の内壁13に接続されている。ここで、シート12は、
図1a~4の実施形態よりも硬く、バルブ6が容器内の真空によってかろうじて下方に引っ張られるが、フランジ要素7は容器の首部9内の細長い本体2のセンタリング及び/又はアライメントを提供する。ストップリング5の外径D1sは弾性肩部4の外径D1rよりも若干大きく、弾性肩部の外径D2rを変形させた場合には外径D1sとほぼ同じになるようになっている。このように、ストップリング5及び弾性肩部4は容器の首部から過度に延びることはなく、例えば、ねじキャップの下に嵌合することができる。ストップリング5はストッパ1の上側18を形成し、細長い本体2の上側とほぼ水平になっている。したがって、ストップリング5および弾性肩部4は細長い本体2に対して限定された高さを有し、容器の首部の上方数ミリメートルにわたり延びるだけである。したがって、コンパクトかつ/または洗練されたストッパを得ることができる。ストッパ1のこの実施形態では、真空ポンプがストッパ1の上側18または弁座12と、またはそれらの間の任意の位置で係合することができる。
【0049】
図6a及び
図6bは、
図5a~5cの例の代替実施形態を示す。ここで、弾性肩部4は、単一の屈曲部4aを有するばねとして形成された非変形位置にある。この形状を設けることにより、変形時に、弾性肩部4がストップリング5のコーナー20内及びストップリング5に対してしっかりと押し付けられて、容器の首部の上側と密封係合する。
【0050】
図7a及び
図7bは、保持部材22が使用されるストッパ1の代替実施形態を示す。保持部材22は、剛性ストップリング5を弾性又は可撓性の細長い本体2及びフランジ4に保持するために配置されている。ストップリング5とストッパ1の残部との弾性の違いにより、両方の構成要素は負圧の影響を受けてストップリング5がストッパ1から緩んでしまうことを防止するために、互いにしっかりと固定される必要がある。それに加えて、ストップリング5を細長い本体2及び/又は肩部4にしっかりと固定する保持部材22が設けられる。
図7a及び
図7bの実施形態において、細長い本体2、肩部4、バルブ6は一体部品として作られているが、上述のように、多成分ストッパも可能である。ストップリング5は細長い本体2の収容空間24内に下方に延在する本体23を有する剛性部品とすることができ、ここでは、収容空間24が細長い本体2とフランジ4との間に形成される。ストップリング5の同様の構成は、
図5a~
図6bの実施形態において提供される。
図7aの実施形態では、保持部材22が細長い本体2の周りに嵌合するリング22として設けられている。ストップリング5の本体23の下側には、溝24が設けられている。リング22には、溝24に嵌合する突起25が設けられている。リング22を細長い本体22に装着すると、突起部24が溝24に嵌まり、ストップリング5を細長い本体2にしっかりと固定し、よってストッパ1からのストップリング5の緩みを回避する。リング22は弾性材料から作ることができ、または金属ばねなどとすることができる。リングの多くの変異体が可能であり得る。細長い本体2は可撓性であり、したがって、細長い本体2の周りに剛性リングを取り付けることが可能であることに留意されたい。
図7bの実施形態において、抜止部材22は、長尺体2に挿入されているリジッドブッシュ22として設けられている。
図7bの実施形態において、ブッシュ22はまた、弁6の内側に部分的に挿入されるが、これは任意である。ブッシュ22は細長い本体2をストップリング5に対して、特にストップリング5の本体23に対して外向きに押圧するように、十分遠くまで細長い本体2の内側に挿入される。このように、抜止ブッシュ22は長尺体2の受け空間24にストップリング5の本体23を機械的に係止し、ストップリング5をストッパ1にしっかりと固定するものである。したがって、ブッシュ22は有利にはブッシュ22が外側に圧力を及ぼすことができるように、細長い本体2の内径よりも幾分大きい外径を有する。また、保持部材の他の実施形態も考えられる。例えば、
図8に示すようなフック形状要素をストップリング5の本体23の下側に設けることができ、又は例えば、細長い本体の開口部又は開口部又は凹部に、細長い本体に機械的にロックする突起を設けることができる。また、ストップリング5のこのような突出要素はあらかじめ定められた開口部または凹部なしに、細長い本体2の弾性材料と係合することも考えられる。
図1a~2bの実施形態のストップリング5が、上述したのと同じまたは同様の方法で固定することができるようにすることが考慮されてもよい。ストップリング5は例えば、細長い本体へのクランプまたは他の係合を提供するフックなどの突出要素を備えることができる。あるいは、ストップリング5と弾性の細長い本体との間に化学的固定を設けてもよい。多くの変形が可能である。
【0051】
図8a及び
図8bは、容器の首に挿入されるように構成された細長い本体2を有する真空ストッパ1のさらなる実施形態を示す。細長い本体2の上端には弾性の肩部4が設けられ、この肩部はここでは細長い本体2から半径方向外方にフランジとして延在される。弾性肩部は、容器の首部の上側に載るように配置される。さらに、ストップリング5は細長い本体2の上端に、弾性肩部4の上方に設けられている。ここで、ストップリング5は、細長い本体2と弾性肩部4との間の受容空間24内に軸方向下方に延在する本体23を有する。ここで、ストップリング5はその本体23の下側に、例えば機械的接続のように細長い本体2に係合するフック形状要素を有する。追加的に又は代替的に、化学結合も同様に使用することができる。ストッパ1は使用時に容器から空気を吸い出すことができるように、細長い本体2の内側に配置された弁6をさらに備える。細長い本体の外側において、少なくとも1つの半径方向に突出したフランジ要素7が設けられる。
【0052】
ボトルを閉鎖し、ボトルを真空にするためにボトルの首に配置されるように構成された真空ストッパが開示され、真空ストッパは、ボトルの首に挿入されるように構成された細長い本体と、細長い本体の上端に設けられ、ボトルの首の上側に載るように構成された弾性肩部と、弾性肩部の上方の細長い本体の上端に設けられたストップリングと、使用時に容器から空気を吸引することを可能にするために細長い本体の内側に設けられた弁とを含む。
【0053】
明確さ及び簡潔な説明のために、特徴は同一または別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、特許請求の範囲および開示の範囲は記載される特徴のすべてまたはいくつかの組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるのであろう。示された実施形態は、それらが異なるものとして記載されている場所を除いて、同じまたは類似の構成要素を有することが理解され得る。
【0054】
請求項において、( )の間に付された参照記号は、請求項を限定するものと解釈してはならない。「有する(comprising)」という語は、請求項に列挙されたもの以外の他の特徴又はステップの存在を排除するものではない。さらに、「a」及び「an」という用語は、「1つのみ」に限定されるものではなく、代わりに「少なくとも1つ」を意味するために使用され、複数を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。当業者には多くの変形が明らかであろう。全ての変形は、以下の特許請求の範囲に規定される範囲内に含まれると理解される。
【国際調査報告】