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特表2022-549615エレベーター故障判定論理検証方法、システムおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(54)【発明の名称】エレベーター故障判定論理検証方法、システムおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20221118BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20221118BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20221118BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B3/00 R
B66B5/00 G
G01M99/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022517999
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 CN2020117611
(87)【国際公開番号】W WO2021077983
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】201911010901.8
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520433920
【氏名又は名称】日立楼宇技▲術▼(▲広▼州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HITACHI BUILDING TECHNOLOGY (GUANGZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.2, NANXIANG 3 ROAD, SCIENCE CITY, HIGH‐TECH INDUSTRIAL DEVELOPMENT ZONE, GUANGZHOU, GUANGDONG 510660, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】江栄▲ディェン▼
(72)【発明者】
【氏名】黄丹燕
(72)【発明者】
【氏名】李基源
【テーマコード(参考)】
2G024
3F303
3F304
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024BA22
3F303BA01
3F303CB42
3F303CB46
3F303CB47
3F303EA08
3F304BA26
3F304EA18
3F304EA22
3F304ED01
(57)【要約】
本発明は、エレベーター故障論理検証方法、システムおよび記憶媒体を開示する。方法は、エレベーター動作データを取得すること、前記エレベーター動作データに基づきメンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得すること、メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うこと、データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較すること、比較結果に基づき故障論理を最適化すること、最適化された結果に基づきエレベーター故障判断操作を実行することを含む。大量の歴史故障データおよびエレベーターの状態データ、メンテナンスデータを利用して検証論理を形成し、故障の真実性に対してインテリジェント識別を実現し、故障判定論理の適正性を検証し、故障情報の誤報告、報告漏れを低減させることで、メンテナンス人員の仕事量を著しく低減させる。エレベーター制御の技術分野に広く適用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーター動作データを取得するステップと、
前記エレベーター動作データに基づき、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得するステップと、
前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うステップと、
データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するステップと、
比較結果に基づき、前記故障判定論理を最適化するステップと、
最適化された結果に基づき、エレベーター故障判断操作を行うステップと、を含む、ことを特徴とするエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項2】
前記エレベーター動作データは、状態パラメータ、故障記録および動作停止メンテナンスデータを含み、
前記状態パラメータは、電流、電圧、速度、荷重、走行距離および温度を含み、
前記故障記録は、故障タイプ、故障時間、エレベータータイプおよびエレベーター番号を含み、
前記動作停止メンテナンスデータは、メンテナンス処理時間、エレベーター番号および故障コードを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項3】
前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うステップは、具体的に、
前記メンテナンス記録に基づき、前記故障データおよび動作停止メンテナンスデータをフィルタリングすることと、
フィルタリングした結果を分類処理し、前記分類には、実際の故障、誤報告故障および人的故障を含むことと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項4】
前記データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するステップは、具体的に、
前記誤報告故障に基づき、前記状態パラメータを選別することと、
選別した結果に基づき、特徴工事を確立することと、
前記特徴工事に基づき、ウェイトの高い特徴値を取得することと、
前記特徴値と故障判定論理を検証することと、を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項5】
前記比較結果に基づき、前記エレベーター故障論理を最適化するステップは、具体的に、
前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理の特徴次元を改良することと、
前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理の閾値を修正することと、
前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理のオフセットを修正することと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載のエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項6】
前記フィルタリングした結果を分類処理するステップは、具体的に、
前記処理説明に基づき、前記状態パラメータを取得することと、
前記エレベーター状態パラメータに基づき、前記故障記録を判別することと、を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項7】
前記エレベーター状態パラメータに基づき、前記故障記録を判別するステップは、具体的に、
NLPに基づき、処理説明を識別操作することと、
前記識別結果に基づき、前記状態パラメータを分類することと、を含み、
前記処理説明には、故障状況、故障表現、処理過程および処理結果を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のエレベーター故障判定論理検証方法。
【請求項8】
エレベーター動作データを取得するためのデータ取得ユニットと、
前記エレベーター動作データに基づき、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得するためのメンテナンス記録取得ユニットと、
前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うためのデータセット分類ユニットと、
データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するための故障論理判定ユニットと、
比較結果に基づき、前記故障判定論理を最適化するための故障論理最適化ユニットと、
最適化された結果に基づき、エレベーター故障判断操作を実行するための実行ユニットと、を含む、エレベーター故障判定論理検証システム。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムを記憶するための少なくとも1つのメモリーと、を含むエレベーター故障判定論理検証方法であって、
前記少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレベーター故障判定論理検証方法を実現させる、ことを特徴とするエレベーター故障判定論理検証システム。
【請求項10】
実行可能なコマンドが記憶されている記憶媒体であって、
前記プロセッサ実行可能コマンドがプロセッサにより実行される際に、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレベーター故障判定論理検証方法を実行するために用いられる、ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーター制御の技術分野に関し、特にエレベーター故障判定論理検証方法、システムおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターのモノのインターネットの発展に伴い、エレベーター動作データの収集、記憶および分析などの機能を実現する必要がある。エレベーター端末には、DTU(データ変換ユニット)が設けられており、収集したベースデータを論理処理する。そのうち、エレベーターの故障の生成もDTUによって実現される。エレベーター故障の発生源には、以下のマスタコントロール故障報告および故障診断の2種類を含む。
【0003】
1)マスタコントロール故障報告とは、エレベーターマスタコントロールにより、各部材に故障が発生した時に報告された故障コードを収集して、DTUによってセンターへアップロードすることを指す。
【0004】
2)故障診断とは、DTUによってエレベーターの各部材の動作パラメータを収集し、所定の論理または閾値に基づき、故障が発生することを判断して、センターへアップロードすることを指す。
【0005】
第2点の故障判定の論理については、研究・開発、工事経験、エレベーターの仕様、使用環境、エレベーターの利用率などを基に実現されるものであり、その論理および閾値の設定が適正であるかどうかは、長時間にわたって動作しなければ検証することができない。エレベーターの動作過程で大量の故障データが発生するが、大量の誤報告、重複データはメンテナンス人員の仕事量を著しく増やすと共に、エレベーターの耐用年数の向上に伴い、予め設定された論理がもはや適用されない可能性があるため、故障情報の誤報告、報告漏れを引き起こし、部材の動作に影響を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した技術的問題を解決するために、本発明は、エレベーターの動作状態および工事のメンテナンス作業に基づき、エレベーター故障の正確度を逆検証することができるように、エレベーター故障判定論理検証方法、システムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に採用した第1の技術案は、エレベーター動作データを取得するステップと、前記エレベーター動作データに基づき、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得するステップと、前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うステップと、データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するステップと、比較結果に基づき、前記故障判定論理を最適化するステップと、最適化された結果に基づき、エレベーター故障判断操作を行うステップと、を含むエレベーター故障判定論理検証方法である。
【0008】
さらに、前記エレベーター動作データは、状態パラメータ、故障記録および動作停止メンテナンスデータを含み、前記状態パラメータは、電流、電圧、速度、荷重、走行距離および温度を含み、前記故障記録は、故障タイプ、故障時間、エレベータータイプおよびエレベーター番号を含み、前記動作停止メンテナンスデータは、メンテナンス処理時間、エレベーター番号および故障コードを含む。
【0009】
さらに、前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うステップは、具体的に、前記メンテナンス記録に基づき、前記故障データおよび動作停止メンテナンスデータをフィルタリングすることと、フィルタリングした結果を分類処理し、前記分類には、実際の故障、誤報告故障および人的故障を含むことと、を含む。
【0010】
さらに、前記データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するステップは、具体的に、前記誤報告故障に基づき、前記状態パラメータを選別することと、選別した結果に基づき、特徴工事を確立することと、前記特徴工事に基づき、ウェイトの高い特徴値を取得することと、前記特徴値と故障判定論理を検証することと、を含む。
【0011】
さらに、前記比較結果に基づき、前記エレベーター故障論理を最適化するステップは、具体的に、前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理の特徴次元を改良することと、前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理の閾値を修正することと、前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理のオフセットを修正することと、を含む。
【0012】
さらに、フィルタリングした結果を分類処理するステップは、具体的に、前記処理説明に基づき、前記状態パラメータを取得することと、前記エレベーター状態パラメータに基づき、前記故障記録を判別することと、を含む。
【0013】
さらに、前記エレベーター状態パラメータに基づき、前記故障記録を判別するステップは、具体的に、NLPに基づき、処理説明を識別操作することと、前記識別結果に基づき、前記状態パラメータを分類することと、を含み、前記処理説明には、故障状況、故障表現、処理過程および処理結果を含む。
【0014】
本発明に採用した第2の技術案は、エレベーター動作データを取得するためのデータ取得ユニットと、前記エレベーター動作データに基づき、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得するためのメンテナンス記録取得ユニットと、前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うためのデータセット分類ユニットと、データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するための故障論理判定ユニットと、比較結果に基づき、前記故障判定論理を最適化するための故障論理最適化ユニットと、最適化された結果に基づき、エレベーター故障判断操作を実行するための実行ユニットと、を含むエレベーター故障判定論理検証システムである。
【0015】
本発明に採用した第3の技術案は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムを記憶するための少なくとも1つのメモリーと、を含むエレベーター故障判定論理検証システムであって、
前記少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記エレベーター故障判定論理検証方法を実現させるエレベーター故障判定論理検証システムである。
【0016】
本発明に採用した第4の技術案は、実行可能なコマンドが記憶されている記憶媒体であって、前記プロセッサ実行可能コマンドがプロセッサにより実行される際に、前記エレベーター故障判定論理検証方法を実行するために用いられる記憶媒体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。本発明は、大量の歴史故障データおよびエレベーターの状態データ、メンテナンスデータを用いて検証論理を形成し、故障の真実性に対してインテリジェント識別を実現し、故障判定論理の適正性を検証し、故障情報の誤報告、報告漏れを低減させることで、メンテナンス人員の仕事量を著しく低減させるとともに、広い適用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の具体的な実施例におけるエレベーター故障判定論理検証方法のフローチャートである。
図2図2は、本発明の具体的な実施例におけるエレベーター故障判定論理検証方法の詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面および具体的な実施例を結び付けて、本発明をさらに詳しく説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明の実施例において、以下のステップを含むエレベーター故障判定論理検証方法が提供される。
【0021】
S101:エレベーター動作データを取得する。
【0022】
S102:前記エレベーター動作データに基づき、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得する。
【0023】
具体的には、本発明の具体的な実施例において、大量のエレベーター動作データを採集し、動作データにおける故障データ、および動作停止メンテナンスデータに基づき、動作データから、対応する故障のメンテナンス記録を取得することにより、メンテナンス人員がワークオーダを受け入れ、現場で故障を確認して処理し、処理が終了した後、PDAによって処理過程説明を記入し、エレベーター番号、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含むメンテナンス記録データをセンターから受信する。
【0024】
S103:前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行う。
【0025】
具体的には、本発明の実施例において、故障歴史データ、および対応する処理データ、動作停止データをロードする。この3種類のデータは、エレベーター番号および故障コードで関連付けられている。メンテナンス記録における故障コードおよび処理説明に基づき、エレベーター故障を引き起こすか、または動作停止メンテナンスを行う具体的な原因を判断し、その原因に基づいてすべての故障データを、実際の故障Dataset_T、誤報告故障Dataset_Fおよび人的故障Dataset_Mに分類する。
【0026】
S104:データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較する。
【0027】
具体的に、前のステップS103で分類処理した故障データは、実際の故障Dataset_T、誤報告故障Dataset_Fおよび人的故障Dataset_Mに分けられる。そのうちの誤報告故障Dataset_Fの各々の動作データを選択してロードし、対応する特徴工事を確立して対応する特徴パラメータを取得する。取得した特徴パラメータと、故障判定論理に予め設定されたパラメータ閾値を比較する。そのうち、故障判定論理は、ハードウェア端末で実行される、センサーにより採集された一部のパラメータ(たとえば、電流、応力、計数、計時など)であり、これらのパラメータおよび論理に基づき、エレベーターに故障が発生しているか否かを判断する。
【0028】
S105:比較結果に基づき、前記故障論理を最適化する。
【0029】
具体的に、特徴パラメータの値が明らかに予め設定された閾値に達していないか、または閾値を超える幾つかの特徴パラメータしかない情況があれば、判定論理を再検討する必要がある。各種のエレベーター故障タイプの判定論理および閾値は、全て同様ではない。同じ故障でも、異なる型番のエレベーターによって同様ではない可能性もある。例えば、ドア故障の次元は、通常、ドアモータ電流、戸開時間、戸閉時間などの採集である。たとえば、電流値が所定電流(閾値1)を超え、所定回数(閾値2)を超える場合、エレベーターは、ドアの開閉が順調ではないという故障を報告するが、メンテナンス人員が、現場で、ドアモータ電流の高すぎることを引き起こした原因が乗場外扉の過重であることを発見した場合、誤報告の発生を低減させるように、電流閾値を高く設定する必要がある。実際の故障に対して特徴分析を行うことにより、このような故障を引き起こす特徴と判定論理に用いられた特徴が一致しないことを発見した場合、判定論理に特徴を追加または低減するか否かを考慮する必要がある。各種のエレベーター型または各種の故障の特徴は、いずれも異なるが、ただ、ある故障が頻繁に誤報告されることを発見した場合、このタイプの故障の実際の報告データに対して、その実際の故障を引き起こす特徴を分析するとともに、機器学習による結果に基づき、故障判断プログラムの論理、次元または閾値が適正であるか否かを逆検証する。
【0030】
S106:最適化された結果に基づき、エレベーター故障論理判定を実行する。
【0031】
更なる好適な実施形態として、前記エレベーター動作データは、状態パラメータ、故障記録および動作停止メンテナンスデータを含み、前記状態パラメータは、電流、電圧、速度、荷重、走行距離および温度を含み、前記故障記録には、故障タイプ、故障時間、エレベータータイプおよびエレベーター番号を含み、前記動作停止メンテナンスデータは、メンテナンス処理時間、エレベーター番号、および故障コードを含む。
【0032】
具体的には、本発明の実施例において、エレベーター動作期間における状態パラメータ、故障記録および動作停止メンテナンスデータを取得し、エレベーター番号および故障コードに基づき3つのデータセットを関連付けて、後述するステップにおける分析作業に便利である。
【0033】
図2に示すように、更なる好適な実施形態として、前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うステップS103は、具体的に、前記メンテナンス記録に基づき、前記故障データおよび動作停止メンテナンスデータをフィルタリングするS1031と、フィルタリングした結果を分類処理するS1032と、を含む。前記分類は、実際の故障、誤報告故障および人的故障を含む。
【0034】
具体的には、本発明の実施例において、エレベーター番号および故障コードで関連付けられたデータセットをロードする。動作停止時間、および動作停止時間が2分間を超えた記録(2分間でメンテナンス人員が現場に到達して処理を完成することができない)をフィルタリングすることにより、これらの故障を実際の故障として見なすことができる。これらの実際の故障をデータセットDataset_Tに記憶し、故障処理説明を分析し、nlpによって説明内容を分析することにより、故障の真実性(実際の故障、誤報告故障)を確認し、故障(機器故障であるか、人的故障であるか、たとえば、故障説明は、飾り付けで砂がレールに入って戸開・戸閉を妨害し、砂を清掃した後、故障を排除する。故障説明に基づき、このような故障が人的故障として判定されてもよい)に対して判別し、すべての実際の故障および人的故障の記録をフィルタリングして区別し、この段階における実際の故障をデータセットDataset_Tに記憶する。
【0035】
図2に示すように、更なる好適な実施形態として、前記データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するステップS104は、具体的に、前記誤報告故障に基づき、前記状態パラメータを選別するS1041と、選別した結果に基づき、特徴工事を確立するS1042と、前記特徴工事に基づき、ウェイトの高い特徴値を取得するS1043と、前記特徴値および前記故障判定論理を検証するS1044と、を含む。
【0036】
具体的に、本発明の実施例において、データセットDataset_Tをロードし、関連関係に基づいてすべての実際の故障の関連状態パラメータを選別し、すべての実際の故障の状態パラメータに基づき、特徴工事を確立し、特徴工事のうちウェイトの高い(関連関係が最も強い)特徴値を抽出し、生成した特徴値と予め設定された故障判定論理における特徴パラメータとを比較し、結果をフィードバックする。前記特徴工事の確立過程は、汎用な技術的方向であり、特徴工事において、大量のサンプリングデータによってターゲットラベルを設定し、機器学習アルゴリズムにより、データのうちターゲットラベルを引き起こした特徴を分析し抽出し、各特徴のウェイトを取得する。
【0037】
更なる好適な実施形態として、前記比較結果に基づき、前記エレベーター故障論理を最適化するステップS105は、具体的に、前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理の特徴次元を改良するS1051と、前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理の閾値を修正するS1052と、前記特徴値と前記故障判定論理を検証した結果に基づき、故障判定論理のオフセットを修正するS1053と、を含む。
【0038】
具体的には、S1032で故障分類処理した誤報告故障および前のステップS1044における検証結果に基づき、誤報告故障Dataset_Fおよび実際の故障Dataset_Tの2種類の故障タイプに対してそれぞれ改良および最適化を行う。出現頻度の高い誤報告故障に対して、対応する故障判定論理を修正し、ひいては再構築する必要がある。実際の故障に対して、ステップS1044における検証結果に基づき、慎重に改良し最適化する。即ち、故障判定論理は、特徴分析および関連分析における結果へ近づく必要がある。故障判定論理にある特徴値が出現しないか、またはある特徴値が1つ多ければ、特徴次元を修正する必要がある。誤報告故障における特徴パラメータの具体的な値が故障判定論理における特徴パラメータの値よりも高いか、またはそれよりも低い場合、特徴パラメータの閾値を再設定する必要がある。
【0039】
更なる好適な実施形態として、前記フィルタリングした結果を分類処理するステップは、具体的に、前記処理説明に基づき、前記状態パラメータを取得することと、前記エレベーター状態パラメータに基づき、前記故障記録を判別することを含む。
【0040】
具体的には、すべての故障記録に基づいてメンテナンス記録に関連付けられた後、エレベーター故障判別を行い、実際に発生した故障、人的故障および誤報告故障を区別する。
【0041】
更なる好適な実施形態として、前記エレベーター状態パラメータに基づき、前記故障記録を判別するステップは、具体的に、NLPに基づき、処理説明に対して識別操作を行うことと、前記識別結果に基づき、前記状態パラメータを分類することと、を含む。前記処理説明には、故障状況、故障表現、処理過程および処理結果を含む。
【0042】
具体的には、メンテナンス人員は、エレベーター故障を処理した後、故障処理過程情報を記入する必要がある。これらの情報は、手動で入力され、故障状況、表現、処理過程、処理結果などを説明するためのものである。メンテナンス記録における説明情報に基づき、NLP(自然言語分析)分類器をトレーニングし、メンテナンス記録における原因説明に基づき、該メンテナンス記録に対応する故障が機器自身責任であるか、人的責任であるかを判定し、NLP(自然言語分析)を用いてメンテナンス記録に対して識別、分析分類、故障タイプの判断を行うことにより、各々の記録が正確で有効であるか否か(人的故障であるか否か)を判定する。
【0043】
本発明の実施例において、エレベーター動作データを取得するためのデータ取得ユニットと、
前記エレベーター動作データに基づき、メンテナンス時間、故障コードおよび処理説明を含む対応するメンテナンス記録を取得するためのメンテナンス記録取得ユニットと、
前記メンテナンス記録に対してデータセット分類操作を行うためのデータセット分類ユニットと、
データセット分類の結果および故障判定論理に基づいて比較するための故障論理判定ユニットと、
比較結果に基づき、前記故障判定論理を最適化するための故障論理最適化ユニットと、
最適化された結果に基づき、エレベーター故障判断操作を実行するための実行ユニットと、を含む、エレベーター故障判定論理検証システムがさらに提供される。
【0044】
本発明は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプログラムを記憶するための少なくとも1つのメモリーと、を含むエレベーター故障判定論理検証方法であって、
前記少なくとも1つのプログラムが少なくとも1つのプロセッサに実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、前記エレベーター故障判定論理検証方法を実現させる、エレベーター故障判定論理検証システムをさらに提供する。
【0045】
上記方法実施例における内容は、いずれも本システム実施例に適用されてもよい。本システム実施例が具体的に実現した機能は、上記方法実施例と同様であるとともに、達した有益な効果も、上記方法実施例が達した有益な効果と同様である。
【0046】
また、本発明の実施例において、プロセッサ実行可能コマンドが記憶されている記憶媒体であって、前記プロセッサ実行可能コマンドがプロセッサにより実行される際に、前記エレベーター故障判定論理検証方法を実行するために用いられる、記憶媒体がさらに提供される。
【0047】
従来技術に対して、本発明に係るエレベーター故障判定論理検証方法、システムおよび記憶媒体は、以下の利点を有する。
【0048】
1)、本発明は、エレベーターの動作状態および工事メンテナンス作業を利用して、エレベーター故障の正確度を逆検証することにより、故障判定論理が適正で有効であるか否かを推定し、エレベーター故障情報の誤報告および報告漏れを低減させる。
【0049】
2)、本発明に係る方法によれば、故障判定論理のリアルタイム更新を実現し、メンテナンス人員および研究・開発人員の仕事量を低減させることができる。
【0050】
上記方法実施例におけるステップの番号は、説明を容易にするために付与されたものであり、ステップ間の順番は、特に限定されず、実施例における各ステップの実行順番は、当業者の理解に基づき、適応的に調整されてもよい。
【0051】
以上、本発明の好適な実施例について具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されない。当業者にとっては、本発明の思想に反しない前提で、様々な均等な変形または置換を行うことができる。これらの均等な変形または置換は、いずれも特許請求の範囲に含まれるべきである。
図1
図2
【国際調査報告】