IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バット ホールディング アーゲーの特許一覧

<>
  • 特表-バルブ装置 図1
  • 特表-バルブ装置 図2
  • 特表-バルブ装置 図3
  • 特表-バルブ装置 図4
  • 特表-バルブ装置 図5
  • 特表-バルブ装置 図6
  • 特表-バルブ装置 図7
  • 特表-バルブ装置 図8
  • 特表-バルブ装置 図9
  • 特表-バルブ装置 図10
  • 特表-バルブ装置 図11
  • 特表-バルブ装置 図12
  • 特表-バルブ装置 図13
  • 特表-バルブ装置 図14
  • 特表-バルブ装置 図15
  • 特表-バルブ装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-15
(54)【発明の名称】バルブ装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 51/02 20060101AFI20221208BHJP
   F16K 3/02 20060101ALI20221208BHJP
   F16K 43/00 20060101ALN20221208BHJP
【FI】
F16K51/02 B
F16K3/02 Z
F16K43/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515105
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2020076379
(87)【国際公開番号】W WO2021073838
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】102019128228.4
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593030945
【氏名又は名称】バット ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン エールネ
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ネッツァー
(72)【発明者】
【氏名】ハンスピーター フレーナー
【テーマコード(参考)】
3H053
3H066
【Fターム(参考)】
3H053AA03
3H053AA31
3H053BA12
3H053BC01
3H053DA09
3H066AA03
3H066BA38
(57)【要約】
閉塞部材(5)が、閉位置においてバルブハウジング開口部(6)(7)を閉塞し、開位置においてバルブハウジング開口部(6)(7)を開放する。アタッチメントハウジング(9)およびスラストパイプ(10)が、アタッチメント(8)に流体を通すためにアタッチメント(8)の導管中空空間(11)をともに囲んでいる。アタッチメントハウジング(9)がバルブハウジング(2)の外側に固定されている。閉塞部材(5)が開位置にある状態で、アタッチメント(8)のスラストパイプ(10)がバルブハウジング(2)の内部空間(3)に対して導入可能である。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ(1)または真空バルブを有するバルブ装置であって、
前記バルブ(1)が、バルブハウジング(2)と、前記バルブハウジング(2)の内部空間(3)において、閉位置と開位置との間で、前記バルブ(1)のバルブアクチュエータ(4)によって前後に駆動されうるように配置されている閉塞部材(5)と、を備え、前記バルブハウジング(2)には同軸の2つのバルブハウジング開口部(6)(7)が配置されており、前記閉塞部材(5)が、前記閉位置において前記バルブハウジング開口部(6)(7)を閉塞し、前記開位置において前記バルブハウジング開口部(6)(7)を開放するように構成され、
前記バルブ装置がアタッチメントハウジング(9)および前記アタッチメントハウジング(9)において変位可能に設けられているスラストパイプ(10)を有するアタッチメント(8)を備え、前記アタッチメントハウジング(9)および前記スラストパイプ(10)が、前記アタッチメント(8)に流体を通すために前記アタッチメント(8)の導管中空空間(11)をともに囲み、前記アタッチメントハウジング(9)が前記バルブハウジング(2)の外側に固定され、前記閉塞部材(5)が開位置にある状態で、前記アタッチメント(8)の前記スラストパイプ(10)が前記バルブハウジング(2)の前記内部空間(3)に対して導入可能である
バルブ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブ装置において、
前記アタッチメント(8)の前記導管中空空間(11)が、前記バルブハウジング(2)の前記バルブハウジング開口部(6)(7)に導通されている前記スラストパイプ(10)の終点位置において、前記バルブハウジング(2)の前記内部空間(3)に対して封止されている
バルブ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバルブ装置において、
前記スラストパイプ(10)が始点位置または前記バルブハウジング(2)の前記バルブハウジング開口部(6)(7)に導通されている終点位置において、前記バルブハウジング開口部(6)(7)の領域において前記バルブハウジング(2)に対して封止されている
バルブ装置。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか1項に記載のバルブ装置において、
前記スラストパイプ(10)が前記バルブハウジング(2)の前記内部空間(3)を通り、あるいは、前記バルブハウジング(2)の前記バルブハウジング開口部(6)(7)に導通されている終点位置において、前記アタッチメントハウジング(9)よりも突出している
バルブ装置。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のバルブ装置において、
前記アタッチメントハウジング(9)が、前記アタッチメント(8)を前記バルブハウジング(2)に対して、または、前記バルブハウジング(2)のバルブハウジングフランジ(13)に対して非破壊的に取り外し可能に取り付けるためのバルブ側フランジ(12)を備え、前記スラストパイプ(10)が、前記バルブ側フランジ(12)により前記バルブハウジング(2)の前記バルブハウジング開口部(6)(7)を通じて導通可能である
バルブ装置。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか1項に記載のバルブ装置において、
前記アタッチメントハウジング(9)が、前記アタッチメント(8)を流入・流出導管(15)に取り付けるまたは非破壊的に取り外し可能に取り付けるための導管側フランジ(14)または取付機構を有している
バルブ装置。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項に記載のバルブ装置において、
前記アタッチメント(8)が、前記アタッチメントハウジング(9)に対して前記スラストパイプ(10)を変位させるための少なくとも1つの電動アクチュエータ(16)を有する
バルブ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のバルブ装置において、
前記電動アクチュエータ(16)が、前記アタッチメント(8)の前記導管中空空間(11)の外側に配置されている
バルブ装置。
【請求項9】
請求項7に記載のバルブ装置において、
前記電動アクチュエータ(16)が、前記アタッチメント(8)の前記導管中空空間(11)の内側に配置されている
バルブ装置。
【請求項10】
請求項7~9のうちいずれか1項に記載のバルブ装置において、
前記アタッチメントハウジング(9)に対して前記スラストパイプ(10)を変位させるための前記電動アクチュエータ(16)および前記バルブアクチュエータ(4)が相互に同期されている
バルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ、特に真空バルブを有するバルブ装置に関する。前記バルブが、バルブハウジングと、前記バルブハウジングの内部空間において、閉位置と開位置との間で、前記バルブのバルブアクチュエータによって前後に駆動されうるように配置されている閉塞部材と、を備え、前記バルブハウジングには同軸の2つのバルブハウジング開口部が配置されており、前記閉塞部材が、前記閉位置において前記バルブハウジング開口部を閉塞し、前記開位置において前記バルブハウジング開口部を開放するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
前記タイプのバルブ、特に真空バルブの形態としてさまざまな形態が知られている。特に真空技術では、該当する汚染物質または汚染流体がバルブを通過し、ひいてはバルブハウジングの内部空間を通過する際、バルブハウジングの内部空間の汚染に関する問題が常に生じる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
バルブハウジングの内部空間の汚染を回避するために、特許文献1によれば、閉塞部材が開位置にある状態において、開状態のバルブを通じて輸送された流体がバルブハウジングの内部空間に浸入しないように、チューブがバルブハウジング開口部に連結され、閉塞部材における管状の延長部材が提案されている。この目的のために、特許文献1によれば、特別な、比較的複雑な閉塞部材が提案され、バルブハウジングの内部空間の汚染を防止するための手段が、当該バルブハウジングの内部空間に恒久的に配置されている。このため、バルブハウジングが特別に適合し、かつ、比較的大きくなるように設計されている必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報 WO2011/105737A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前記問題を解決するための代替の手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を解決するために、本発明は、請求項1に記載の構成を提案する。
【0007】
本発明によれば、前記バルブ装置がアタッチメントハウジングおよび前記アタッチメントハウジングにおいて変位可能に設けられているスラストパイプを有するアタッチメントを備え、前記アタッチメントハウジングおよび前記スラストパイプが、前記アタッチメントに流体を通すために前記アタッチメントの導管中空空間をともに囲み、前記アタッチメントハウジングが前記バルブハウジングの外側に固定され、前記閉塞部材が開位置にある状態で、前記アタッチメントの前記スラストパイプが前記バルブハウジングの前記内部空間に対して案内可能である。
【0008】
したがって、前記従来技術とは異なり、バルブハウジングの内部空間の汚染を防止するための手段は、もはやバルブそのものの一部ではなく、アタッチメントの形態で構成されている。アタッチメントは、バルブハウジングに対して恒久的に、または、非破壊的に取り外し可能に固定される。アタッチメントハウジングに対して変位可能に取り付けられたスラストパイプは、バルブハウジングの内部空間に導通されうるため、アタッチメントハウジングの導管中空空間およびスラストパイプを介して汚染された流体は、バルブハウジングの内部空間においてスラストパイプにより囲まれている領域に浸入することなく、バルブハウジングを通過することができる。これにより、流体がアタッチメントの導管中空空間とスラストパイプのみを介してバルブハウジングを流れ、バルブハウジングの内部の残りの部分、特に閉塞部材が汚染されずに済む。
【0009】
アタッチメントは少なくとも最初はバルブとは別個のものであるため、当該バルブを汚れたまたは汚染された流体を伴う動作に特別に適合させるために、本発明にしたがってアタッチメントがバルブに配置される構成により、任意の領域で既存のバルブに後付けされうる。本発明によれば、アタッチメントハウジングは、バルブハウジングの外側に固定されている。アタッチメントハウジングはバルブハウジングの内部空間の外側に配置されている。前述のように、原則的にアタッチメントハウジングがバルブハウジングに対して、例えば、溶接、はんだ付けなどによって恒久的にまたは一体的に取り付けられていてもよい。アタッチメントハウジングがバルブハウジングに対して非破壊的に取り外し可能な方法で固定されていることが好ましい。それは、例えば、ねじによる連結、クランプによる連結またはその他の機械的連結であってもよい。
【0010】
アタッチメントのスラストパイプがバルブハウジングの内部空間に導通可能な閉塞部材の開位置は、閉塞部材の最大開位置であることが好ましい。最大開位置において、閉塞部材は、バルブハウジング開口部を完全に開放することが好ましい。バルブハウジング開口部は、スラストパイプが存在していない状態で流体がバルブハウジングの内部空間に流入し、かつ、バルブハウジングの内部空間から流出することができるようなバルブハウジングの開口部である。スラストパイプが両方のバルブハウジング開口部に導通されるように、当該バルブハウジング開口部は相互に位置合わせされて配置されている。本発明に係るバルブ装置は、さまざまな既知のバルブが採用されることで構成されうる。当該さまざまな形態は、特にバルブの閉塞部材についても当てはまる。バルブハウジングの開口部の形状およびサイズに応じて多種多様な設計が可能である。閉塞部材は、閉塞プレートまたは閉塞ディスクのほか、針または他の閉塞部材であってもよい。
【0011】
本発明の好ましい実施形態は、閉塞部材が開位置にあるときに、アタッチメントのスラストパイプがバルブハウジングのバルブハウジング開口部に導通されうる。当該導通された終点位置において、スラストパイプは両方のバルブハウジング開口部を同時に貫通する。
【0012】
アタッチメントの導管中空空間が、バルブハウジングのバルブハウジング開口部に導通されているスラストパイプの終点位置においてバルブハウジングの内部空間に対して封止されていることが特に好ましい。これにより、アタッチメントの導管中空空間を通じて輸送される汚染された流体がバルブハウジングの内部空間の残りの部分に浸入する事態が効果的に防止される。封止または密閉の程度は、それぞれの実施形態における個別の圧力条件および他の状況に適合させることができる。いずれの場合も、封止は、流体が導管中空空間からバルブハウジングの内部空間に浸入しないように設計される必要がある。当該封止の目的で、既知のシールリングが、バルブハウジングとスラストパイプの外面との間に設けられていてもよい。スラストパイプは、バルブハウジング開口部を取り囲むバルブハウジングの領域において封止が実現されるように密着して配置されていてもよい。封止に関しては、スラストパイプおよび/またはアタッチメントハウジングが周方向に閉じられるように設計されていることが好ましい。
【0013】
汚染物質の堆積を可能な限り回避するために、本発明に係るバルブ装置が、スラストパイプおよび/またはアタッチメントハウジングの温度調節のための温度調節装置を有していることが好ましい。温度調節装置は、加熱装置または冷却装置、あるいはその両方であってもよい。温度調節装置の役割は、スラストパイプおよび/またはアタッチメントハウジングの温度を調節すること、すなわち、そこを通過する流体による汚染物質の堆積が回避または低減されるような温度に調節することにある。
【0014】
スラストパイプが、その始点位置、または、それぞれのバルブハウジング開口部の領域でバルブハウジング開口部に導通されている終点位置において、バルブハウジングに対して封止されていることが好ましい。
【0015】
閉塞部材が開いている状態でバルブハウジングの内部空間に導入されるようにするために、本発明の好ましい変形では、スラストパイプが始点位置、または、バルブハウジングの内部空間、好ましくはバルブハウジングのバルブハウジング開口部に導通されている終点位置において、アタッチメントハウジングから突出していることが好ましい。反対側の始点位置において、スラストパイプがアタッチメントハウジングの内側に完全に配置され、または、アタッチメントハウジングからの突出量が低減されていてもよい。
【0016】
本発明の好ましい変形例では、バルブハウジングが、各バルブハウジング開口部においてバルブハウジングフランジを有していてもよい。それぞれのバルブハウジングフランジがそれぞれのバルブハウジング開口部を取り囲んでいることが好ましい。アタッチメントハウジングは、それをバルブハウジング、好ましくは対応するバルブハウジングフランジに対して固定することができるように、バルブ側フランジを有していることが好ましい。さらに、アタッチメントハウジングは、アタッチメントを流入導管および/または流出導管または別の構成要素に対して取り付けることができるように、導管側フランジを有していることが好ましい。
【0017】
アタッチメントハウジングは、アタッチメントをバルブハウジング、好ましくはバルブハウジングのバルブハウジングフランジに対して好ましくは非破壊的に取り外し可能に取り付けるためのバルブ側フランジを備え、スラストパイプが、バルブ側フランジを通じて、バルブハウジングのバルブハウジング開口部を通じて導通されることが好ましい。アタッチメントハウジングが、アタッチメントを流入・流出導管または別の構成要素に対して好ましくは非破壊的に取り外し可能に取り付けるための導管側フランジを有していることが好ましい。したがって、好ましい実施形態では、アタッチメントは、バルブハウジングと流入・流出導管または流入・流出導管の1つとの間に配置されている。
【0018】
原則的に、手動により、スラストパイプがアタッチメントハウジングに対して変位可能であるようにアタッチメントが設計されていてもよい。本発明の好ましい変形例によれば、アタッチメントが、アタッチメントハウジングに対してスラストパイプを変位させるための少なくとも1つの電動アクチュエータを有している。「電動アクチュエータ」という用語は、従来技術において既知であり、手動を必要とせずに変位を実現するために適当なあらゆるアクチュエータを含んでいる。電動アクチュエータは、例えば、気圧式または油圧式、電動式またはその他の既知の駆動方式のアクチュエータ、特にリニアアクチュエータであってもよい。
【0019】
電動アクチュエータはさまざまな形態に設計され、さまざまな方法でアタッチメントに配置されていてもよい。例えば、電動アクチュエータがアタッチメントの導管中空空間の外側に配置されていてもよい。本発明の形態も同様にさまざまに実施可能であり、電動アクチュエータがアタッチメントの導管中空空間の内側に配置されていてもよい。
【0020】
閉塞部材とスラストパイプとが相互に衝突または干渉しないように、かつ/または、閉塞部材が開位置、好ましくは最大開位置にある状態で、スラストパイプが常にバルブハウジングの内部空間に十分に導入されるように、アタッチメントハウジングに対してスラストパイプを動かすための電動アクチュエータおよびバルブアクチュエータが相互に同期していることが好ましい。電動アクチュエータとバルブ駆動との当該同期は、例えば、一方ではバルブアクチュエータを制御し、他方では閉塞部材が開位置にある状態で、スラストパイプがバルブハウジングの内部空間を通じて導通されるように、アタッチメントの電動アクチュエータを制御する制御装置によって実施されうる。当該2つのアクチュエータを同期させるために、電動アクチュエータおよびバルブアクチュエータが機械方式、油圧方式または気圧方式で連結されていてもよい。
【0021】
本発明に係るバルブ装置のバルブは、真空技術に適用可能ないわゆる真空バルブである。原則として、0.001mbar(ミリバール)または0.1パスカル以下の圧力での動作条件である場合に真空技術と呼ばれる。真空バルブは、これらの圧力範囲および/またはこれに対応する、環境に対する差圧のために設計されたバルブである。通常の圧力より低い圧力、つまり1バール未満の圧力のために設計されているバルブが一般的に真空バルブと呼ばれる。
【0022】
本発明の好ましい変形例のさらなる特徴および詳細は、本発明の実施形態にしたがって以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図2】本発明の第1実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図3】本発明の第1実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図4】本発明の第2実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図5】本発明の第2実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図6】本発明の第2実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図7】本発明の第2実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図8】本発明の第2実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図9】本発明の第3実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図10】本発明の第3実施形態としてのバルブ装置に関する説明図。
図11】本発明の第4実施形態としてのバルブ装置の縦断面図。
図12】本発明の第4実施形態としてのバルブ装置の縦断面図。
図13】本発明の第5実施形態としてのバルブ装置の縦断面図。
図14】本発明の第5実施形態としてのバルブ装置の縦断面図。
図15】本発明の第6実施形態としてのバルブ装置の縦断面図。
図16】本発明の第6実施形態としてのバルブ装置の縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、本発明の第1実施形態としてのバルブ装置の斜視図が示されている。図2および図3のそれぞれには、本発明に係るバルブ装置の縦断面図が示されている。図2および3には、流入・流出導管15が破線で示され、当該流入・流出導管15を通じて、それぞれの流体が本発明に係るバルブ装置に流入また流出する。一方の流入・流出導管15は、アタッチメントハウジング9の導管側フランジ14に配置されている。他方の流入・流出導管15は、アタッチメント8に対向しているバルブハウジング2のバルブハウジングフランジ13に配置されている。図2に示されている縦断面図においては、閉塞部材5は閉位置にあり、閉塞部材5がバルブハウジング2のバルブハウジング開口部6および7を閉塞している。図3に示されている縦断面図において、閉塞部材5は開位置または最大開位置にあり、本実施形態では、閉塞部材5がバルブハウジング開口部6および7を完全に開放している。
【0025】
バルブ1は、既知のいわゆるゲートバルブまたは楔型バルブ(Keil-Vat)であり、バルブアクチュエータ4は、もっぱら直線方向に、すなわちバルブロッド20に対して平行に、閉塞部材5を開位置と閉位置との間で往復駆動する。バルブアクチュエータ4は、例えば、ここで示されているように油圧式もしくは気圧式のアクチュエータ、または、電動式のアクチュエータもしくは他の構成のアクチュエータにより構成されているリニアアクチュエータとして設計されていてもよい。それに対応して、バルブアクチュエータ4が閉塞部材5を開位置と閉位置との間でもっぱら直線的に前後に駆動する、いわゆるモノバルブ(Mono-Vat)の形態のバルブも、本発明に係るバルブ装置の一部となりうる。油圧式または気圧式アクチュエータは、既知のピストンシリンダ装置であってもよく、少なくとも1つのベローズが用いられているアクチュエータであってもよい。他の実施形態に関して説明されるように、アタッチメントハウジング9の外側に配置されたアクチュエータによってスラストパイプ10を動かすために、磁気式機器または磁気式ドライバ32またはベローズガイドが用いられてもよい。
【0026】
しかしながら、本発明に係るバルブ装置は、既知である他の形態のバルブ1が用いられて同様に構成されていてもよい。例えば、一または複数のバルブアクチュエータによって、単一方向ではなく相互に角度をなす、好ましくは直交する2つの方向について閉塞部材が開位置および閉位置の間で前後に駆動される、いわゆるL-バルブが採用されてもよい。本発明は、バルブ1のそれぞれの閉塞部材5は、直線的にではなく、開位置および閉位置の間で旋回軸線のまわりに揺動されるいわゆる旋回バルブが用いられることで実現されてもよい。本発明に係るバルブ装置が、原則的にあらゆるタイプのバルブ1が用いられて構成されうるという事実は、特に、本実施形態の変形例に関しても当てはまる。
【0027】
アタッチメント8およびバルブ1は、当初は別個の構成要素として製造され、その後で図1に示されているように、相互に固定されていてもよい。本実施形態では、アタッチメントハウジング9は、この目的のためにバルブ側フランジ12を有している。バルブ側フランジ12は、バルブ1のバルブハウジング2の対応するバルブハウジングフランジ13に対して、好ましくは非破壊的に取り外し可能に固定可能である。本実施形態のアタッチメントハウジング9は、バルブ側フランジ12の反対側にある端部において、導管側フランジ14を有している。図2および図3に概略的に示されている流入・流出導管15が導管側フランジ14に対して固定可能である。バルブハウジング2は、アタッチメント8とは反対側にあるバルブハウジングフランジ13を有している。図2および図3に示されているように、当該バルブハウジングフランジ13に流入・流出導管15が配置されていてもよい。しかしながら、当該バルブハウジングフランジ13が用いられて、バルブ1がプロセスチャンバなどに対して直接的に固定されていてもよい。
【0028】
図2において、閉塞部材5はその閉位置にある。アタッチメントハウジング9に対して変位可能に取り付けられたアタッチメント8のスラストパイプ10は、閉塞部材5と干渉しないように、バルブハウジング2の内部空間3から導出されている。この目的のために、バルブアクチュエータ4およびアタッチメント8の電動アクチュエータ16は、例えば、図示されていない制御装置によって相互に同期され、その結果、閉塞部材5およびスラストパイプ10の位置および変位が相互に干渉しないように制御されうる。
【0029】
アタッチメントハウジング9およびスラストパイプ10はともにアタッチメント8の導管中空空間11を構成する。導管中空空間11を通じて流体がアタッチメント8を通過し、図3に示されているスラストパイプ10の適当な伸長位置においてバルブハウジング2を通じて導通されうる。
【0030】
アタッチメントハウジング9は、ここで示されているように、複数の部品により構成されていてもよいが、一体的に構成されていてもよい。ここで示されているように、アタッチメントハウジング9は、バルブ側フランジ12および導管側フランジ14の両方を備えていることが好ましい。スラストパイプ10は、バルブ側フランジ12を通じて、バルブハウジング2のバルブハウジング開口部6および7に導通される。この目的のために、アタッチメント8は、アタッチメントハウジング9に対してスラストパイプ10を変位させるための電動アクチュエータ16を備えている。第1実施形態では、電動アクチュエータ16は、アタッチメント8の導管中空空間11の外側に配置されている。第1実施形態の電動アクチュエータ16は、アタッチメントハウジング9においてスラストパイプ10を囲んでいる環状のシリンダ17を有している。本実施形態では、当該シリンダ17は、スラストパイプ10と一体的に構成され、あるいは、他の方法で取り付けられているピストンリング18によって2つの作用空間または圧力空間に分割されている。圧力導管19を通じてアタッチメントハウジング9に対して気圧または油圧によってスラストパイプ10を動かすために、シリンダ17の作用空間はそれ自体が知られている方法で交互に昇圧され、あるいは、圧力媒体が供給される。もちろん、ここで実装されている当該タイプの油圧式または気圧式のアクチュエータは、他の駆動方式のリニアアクチュエータに置換されてもよい。
【0031】
図3には、閉塞部材5がその開位置または最大開位置にある状態が示されている。アタッチメント8のスラストパイプ10は、図3においてバルブハウジング2の内部空間3に導通されている。より正確には、図3においてアタッチメント8のスラストパイプ10は、バルブハウジング2の2つのバルブハウジング開口部6および7に導通されている。アタッチメント8の導管中空空間11は、バルブハウジング2のバルブハウジング開口部6、7に導通された、図3に示されているスラストパイプ10の終点位置において、バルブハウジング2の内部空間3の残りの部分に対して封止されている。これにより、一方の流入・流出導管15を流れる流体が反対側にある他方の流入・流出導管15に到達するように、アタッチメントハウジング9の導管中空空間11およびスラストパイプ10を通じて、アタッチメント8を通じて、かつ、バルブハウジング2を通じて案内される。スラストパイプ10が図3に示されている終点位置に適当に配置されることにより、導管中空空間11の外側の領域を流れる流体が、バルブハウジング2の内部空間3に浸入することが防止される。これにより、著しく汚染された流体が輸送されている場合でも、バルブハウジング2の内部空間3、特に閉塞部材5が汚染され、あるいは、汚染堆積物によって汚染されることが防止されている。この目的のために、スラストパイプ10は、バルブハウジング2のバルブハウジング開口部6および7に導通されているその終点位置において、バルブハウジング開口部6および7の領域でバルブハウジング2に対して封止されている。本実施形態では、これは、バルブハウジング2とスラストパイプ10の外面との間の密着によって達成される。必要に応じて、スラストパイプ10の外面をバルブハウジング2に対して封止するために、適切なシール部材が設けられてもよい。
【0032】
図4図8に示されている第2実施形態を以下に説明する。ここでは、第1実施形態と相違する構成に関してのみ説明する。第2実施形態のその他のすべての構成および特性に関しては第1実施形態に関する説明が参照される。
【0033】
図4には、本発明に係るバルブ装置の斜視図が示されている。図5および図6のそれぞれには縦断面図が示され、図5においては閉塞部材5がその閉位置にあり、図6においては閉塞部材5がその最大開位置に後退し、スラストパイプ10がバルブハウジング開口部6および7、ならびに、バルブハウジング2の内部空間3に導通されている。「導通」の概念は、一般的に、スラストパイプ10が一方のバルブハウジング開口部6、7および内部空間3に導通され、他方のバルブハウジング開口部6、7に導通され、当該他方のバルブハウジング開口部6、7を囲んでいるバルブハウジング2の領域で終端している。図7および図8には、第2実施形態の外観が示されている。
【0034】
第1実施形態との実質的な相違点は、第2実施形態では、電動アクチュエータ16がアタッチメント8の導管中空空間11の内側に配置されているという点である。これは、図5および図6に示されている断面図において明確である。電動アクチュエータ16は気圧式および油圧式のいずれであってもよい。シリンダ17の作用空間は、ピストン21によって相互に区分され、対応する圧力導管19を介して昇圧されうる。ピストン21は、ピストンロッド22および固定リブ23を介してスラストパイプ10に対して連結されている。その一方、シリンダ17のハウジングは、圧力導管19により、アタッチメント8のアタッチメントハウジング9に対して固定されている。スラストパイプ10は、電動アクチュエータ16のシリンダ17における該当する作用空間が昇圧されることにより、図5に示されている始点位置および図6に示されている終点位置の間で、アタッチメントハウジング9に対して前後に駆動される。したがって、圧力導管19は、本実施形態では二重の機能を有している。一方では、圧力導管19はシリンダ17の作用空間に対して適当な圧力媒体を供給する。他方では、圧力導管19はシリンダ17のハウジングをアタッチメント8のアタッチメントハウジング9に対して固定する。図7には、導管側フランジ14を備えているアタッチメント8の側面図が示されている。図8における反対側から見た側面図には、ピストンロッド22、ひいてはピストン21をスラストパイプ10に対して固定する固定リブ23が示されている。
【0035】
以下で説明される本発明の実施形態は、図1図3に示されている第1実施形態の変形実施形態である。本発明の実施形態のすべては、それぞれのアクチュエータ16が導管中空空間11の外側に配置されている点で共通している。図9図12に例示されている実施形態では、アクチュエータ16のそれぞれが、アタッチメント8のそれぞれのアタッチメントハウジング9の内側に配置されている。図13図16に例示されている実施形態では、アクチュエータ16のリニアアクチュエータ30が、アタッチメントハウジング9の外側に配置されている。
【0036】
図9図11図13および図15のそれぞれには、閉塞部材5がその閉位置にある状態における、図2に対応する縦断面図が示されている。図10図12図14および図16のそれぞれには、閉塞部材5が開位置または最大開位置にあり、スラストパイプ10がバルブハウジング2および2つのバルブハウジング開口部6および7を通じて導通されている状態における、図3に対応する縦断面図が示されている。
【0037】
図1図3に示されている第1実施形態と相違する構成に関してのみ以下で説明される。その他のすべての構成に関しては第1実施形態の説明が参照される。
【0038】
図9図10に示されている本発明の第3実施形態では、アタッチメントハウジング9の内側でスラストパイプ10を動かすためのアクチュエータ16が、アタッチメントハウジング9の略円筒状または略外套状の外壁27とともに、環状空間26を囲んでいる環状に延在しているベローズ24を備えている。圧力導管19を介して液体状態または気体状態の適当な圧力媒体が導入されることによって、環状空間26が昇圧され、その結果、ピストンリング18が、これが固定されたスラストパイプ10とともに、図9に示されている収縮位置から図10に示されている終了位置まで動かされる。シール部材25が、ピストンリング18を外壁27に対して封止する。図10から図9に示されている状態への後退が実現される際、圧力媒体が圧力導管19を介して環状空間26から排出され、ベローズ24がその弾性復元力により図9に示されている状態に収縮し、これによってピストンリング18およびスラストパイプ10が連動する。これに代えて、ベローズ24そのものの弾性復元力に加えて、圧力媒体が、圧力導管19を介して環状空間26から能動的に吸引されてもよい。結果的に、スラストパイプ10が図10に示されている位置から図9に示されている位置に後退駆動される。
【0039】
図11および図12に示されている本発明の第4実施形態では、アタッチメントハウジング9の内側にアクチュエータ16を構成するために、ベローズ解除機構が設けられている。図11および図12に示されている当該実施形態において、ベローズ24は、アタッチメントハウジング9の内側を2つの環状空間26および29を相互に区分している。第1環状空間26は、一方側のアタッチメントハウジング9の外壁27と、他方側のベローズ24との間に形成されている。第2環状空間29は、一方側ではベローズ24によって画定され、他方では内壁28またはスラストパイプ10によって画定されている。スラストパイプ10が図11に示されている位置から図12に示されている位置に動かされる際、第2環状空間29が、導管側フランジ14に対向する圧力導管19によって昇圧される。スラストパイプ10を図12に示されている位置から図11に示されている位置まで後退させる際、バルブ側フランジ12の圧力導管19を介して第1環状空間26が昇圧される。
【0040】
図13および図14に示されている第5実施形態では、アクチュエータ16のリニアアクチュエータ30がアタッチメントハウジング9の外側に配置されている。従来技術において既知である任意のリニアアクチュエータ30が採用されうる。図13および図14では、リニアアクチュエータ30は、ピストンシリンダ装置として簡略されて示されている。当該ピストンシリンダ装置は、気圧式および油圧式のいずれであってもよい。前述したように、それ自体が既知である他のリニアアクチュエータ30が採用されてもよい。図13および図14に示されている第5実施形態では、連結ロッド31の動きが、いわゆる磁気式ドライバ32により、リニアアクチュエータ30を介してスラストパイプ10に伝達される。磁気式ドライバ32は、2対をなして相互作用する磁石列33および34により構成されている。磁石列34のそれぞれは、外壁27の外側、ひいてはアタッチメントハウジング9の外側においてそれぞれの連結ロッド31に配置されている。当該磁石列34と相互作用する磁石列33は、それぞれピストンリング18の内側、ひいてはアタッチメントハウジング9の外壁27の内側に配置されている。磁石列33は、ピストンリング18を介してスラストパイプ10に固定的に連結されている。磁石列33および34は、好ましくは、それぞれが互いに隣接して配置され、それぞれが交互の極を有する一連の永久磁石を有している。磁石列33および34は、相互に対向する2つの磁石が外壁27を介して互いに引き付け合うように配置されている。このような磁気結合により、ピストンリング18、ひいてはスラストパイプ10が、リニアアクチュエータ30によって連結ロッド31に連動または従動することにより、スラストパイプ10が、適当なリニアアクチュエータ30の動作によって図13に示されている位置および図14に示されている位置の間で往復運動することができる。
【0041】
図15および図16に示されている第6実施形態では、リニアアクチュエータ30の連結ロッド31は、ドライバウェブ35によってスラストパイプ10に対して機械的に固定されている。本実施形態では、ドライバウェブ35は、円環状に設計されたベローズ24および外壁27の対応する縦スリット36を通過する。ベローズ24は、アタッチメントハウジング9の内部が外部から適当に封止されることを保証する。このタイプのベローズ通路を介して、リニアアクチュエータ30は、連結ロッド31およびドライバウェブ35を介して、図15に示されている位置および図16に示されている位置の間でスラストパイプ10を前後に変位させることができる。前記実施形態のように、シール部材25は、スラストパイプ10の外面をアタッチメントハウジング9に対して封止する。
【符号の説明】
【0042】
1‥バルブ
2‥バルブハウジング
3‥内部空間
4‥バルブアクチュエータ
5‥閉塞部材
6‥バルブハウジング開口部
7‥バルブハウジング開口部
8‥アタッチメント
9‥アタッチメントハウジング
10‥スラストパイプ
11‥導管中空空間
12‥バルブ側フランジ
13‥バルブハウジングフランジ
14‥導管側フランジ
15‥流入・流出導管
16‥アクチュエータ
17‥シリンダ
18‥ピストンリング
19‥圧力導管
20‥バルブロッド
21‥ピストン
22‥ピストンロッド
23‥固定リブ
24‥ベローズ
25‥シール部材
26‥環状空間
27‥外壁
28‥内壁
29‥環状空間
30‥リニアアクチュエータ
31‥連結ロッド
32‥磁気式ドライバ
33‥磁石列
34‥磁石列
35‥ドライバウェブ
36‥縦スリット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】