(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-21
(54)【発明の名称】清掃装置、スクレーパ装置、光学センサデバイスおよび清掃方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/62 20060101AFI20221214BHJP
【FI】
B60S1/62 120A
B60S1/62 110B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022510074
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 NL2020050658
(87)【国際公開番号】W WO2021080430
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510126416
【氏名又は名称】エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】バッカー, イロナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ゾースト, ダーブ ラムベルト アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィジンジェッツ, ヤニック ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ソルケス, メインデルト ジャン
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA11
3D225AB01
3D225AC01
3D225AD22
(57)【要約】
本発明は、自動車の光学センサデバイスのセンサ窓を清掃する清掃装置に関する。光学センサデバイスは、好ましくは、光学的距離測定用であってもよく、より好ましくはLiDARセンサデバイスであってもよい。清掃装置はワイパブレードを備える。清掃装置は、ワイパブレードから障害物を掻き落とすための少なくとも第1のスクレーパを備える。清掃装置は、センサ窓上をワイパブレードによって拭き取るように構成されている。清掃装置は更に、ワイパブレードから障害物を掻き落とすべく、ワイパブレードおよびスクレーパの少なくとも一方を互いに対しておよび互いに沿って移動させるように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の光学センサデバイスのセンサ窓を清掃する清掃装置であって、
ワイパブレードと、前記ワイパブレードから障害物を掻き落とすための少なくとも第1スクレーパと、を備え、
前記清掃装置は、前記センサ窓上を前記ワイパブレードによって拭き取るように構成されており、
前記清掃装置は更に、前記ワイパブレードから障害物を掻き落とすために、前記ワイパブレードを前記第1スクレーパに対しておよび前記第1スクレーパに対して沿って移動させる、ならびに/または、前記第1スクレーパを前記ワイパブレードに対しておよび前記第1スクレーパワイパブレードに対して沿って移動させる、ように構成されている、清掃装置
【請求項2】
前記第1のスクレーパは、前記センサ窓の所定の位置に対して固定されており、
前記清掃装置は、前記第1スクレーパに沿って前記ワイパブレードを擦り付けるように、前記ワイパブレードを前記第1のスクレーパに対して移動させるように構成される、請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記第1スクレーパは、前記センサ窓の外面が延在する仮想平面から突出している、請求項1または2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記第1スクレーパは、第1の掻き取り縁部を画定しており、
前記清掃装置は、前記ワイパブレードの先端部から離間した位置において前記第1の掻き取り縁部が前記ワイパブレードの側面に接触した後、前記第1の掻き取り縁部が前記側面に沿って前記先端部へと向かって掻き取り動作を行うように構成される、請求項1から3の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記清掃装置は、拭き取り面を備え、
前記清掃装置は、前記ワイパブレードの先端部を前記拭き取り面上に擦りつけることを可能にするように構成される、請求項1から3の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記拭き取り面は、前記第1のスクレーパの下流に位置する、請求項5に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記拭き取り面は、前記センサ窓と実質的に平行に位置する、請求項5または6に記載の清掃装置。
【請求項8】
前記第1のスクレーパは、前記拭き取り面が延在する仮想平面から突出している、請求項5から7の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項9】
前記拭き取り面は前記第1の掻き取り縁部から離間して設けられ、好ましくは、前記第1のスクレーパから離間して設けられる、請求項5から8の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項10】
前記拭き取り面は、第2のスクレーパによって形成され、
前記第2のスクレーパは、好ましくは前記拭き取り面の近位端に位置する第2の掻き取り縁部を有する、請求項5から8の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項11】
前記清掃装置は、更なるスクレーパである第3のスクレーパを備え、
好ましくは、前記更なるスクレーパは、前記拭き取り面が延在する仮想平面から突出している、請求項1から10の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項12】
前記更なるスクレーパは、鋭角の掻き取り縁部を有する、請求項11に記載の清掃装置。
【請求項13】
前記センサ窓は実質的に上方に延在し、
前記更なるスクレーパは、前記センサ窓の下端よりも低い高さに位置し、
前記更なるスクレーパは、更なる掻き取り縁部である第3の掻き取り縁部と、下面とを有し、
前記下面は、前記更なる掻き取り縁部から延び、前記センサ窓の前記外面が延在する前記仮想平面に向かって後方に傾斜している、請求項11または12に記載の清掃装置。
【請求項14】
前記ワイパブレードから拭き取られた液体を前記拭き取り面に排出するための排水スリットが、前記拭き取り面の下流端に隣接して設けられる、請求項5から13の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項15】
前記排水スリットは、毛細管現象により前記排水スリットを水が通過するように構成されている、請求項14に記載の清掃装置。
【請求項16】
前記排水スリットは、前記拭き取り面を画定する要素と更なる要素との間、好ましくは、更なるスクレーパを画定する更なる要素との間に形成されている、請求項14または15に記載の清掃装置。
【請求項17】
前記清掃装置は、前記ワイパブレードで、例えば上部である第1の位置から例えば下部である第2の位置に向かって、前記センサ窓上の拭き取りを行うように構成され、例えば、前記第1の位置と前記第2の位置との間に位置する前記センサ窓の少なくとも第1の部分を拭くように構成されており、
前記清掃装置は、前記ワイパブレードが前記センサ窓の前記第1の部分を拭くことなく、前記ワイパブレードを前記第2の位置から実質的に前記第1の位置へと向かって戻すべく移動させるように構成されている、請求項1から16の何れか一項に記載の清掃装置。
【請求項18】
前記請求項1から17の何れか一項に記載の清掃装置のためのスクレーパ装置であって、
前記スクレーパ装置は、前記清掃装置の前記ワイパブレードから障害物を掻き落とすための第1の掻き取り縁部を画定する第1のスクレーパを少なくとも備え、
前記スクレーパ装置は更に、拭き取り面を備え、
前記拭き取り面は前記第1の掻き取り縁部から離間して設けられる、好ましくは、前記第1のスクレーパから離間して設けられる、スクレーパ装置。
【請求項19】
前記拭き取り面は、第2のスクレーパによって形成され、
前記第2のスクレーパは、前記拭き取り面の近位端に位置する第2の掻き取り縁部を有し、
前記近位端は、前記第1のスクレーパに面する側に位置している、請求項18に記載のスクレーパ装置。
【請求項20】
更なるスクレーパである第3のスクレーパを更に備える、請求項18または19に記載のスクレーパ装置。
【請求項21】
自動車の光学センサデバイスのセンサ窓を清掃する方法であって、
前記方法は、
前記センサ窓の少なくとも一部分をワイパブレードで拭き取る工程と、
前記ワイパブレードの側面に沿って、好ましくは前記ワイパブレードの先端部に向かう方向に、前記ワイパブレードを擦る工程と、を備える方法。
【請求項22】
前記センサ窓の少なくとも一部の上を前記ワイパブレードで再び拭き取る工程の前に、前記ワイパブレードに付着した液体および/またはその他の障害物を拭き取り前記拭き取り面上に落とすべく、前記ワイパブレードの前記先端部を前記拭き取り面で拭き取る工程を更に備える、を更に備える請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ワイパブレードの前記側面に沿って、好ましくは前記ワイパブレードの先端部に向かう方向に、再び前記ワイパブレードを擦る工程を更に備える、を更に備える請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
好ましくは光学的距離測定のための光学センサデバイス、より好ましくはLiDARセンサである、光学センサデバイスであって、請求項1から17の何れか一項に記載の前記清掃装置および/または請求項18から20の何れか一項に記載のスクレーパ装置を備える光学センサデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の光学センサデバイスのセンサ窓を清掃する方法に関する。望ましくは、光学距離測定のための光学センサデバイス、より望ましくは、ライダーセンサデバイスのセンサ窓を清掃する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、手動による操作および実質的な自動運転の両方のために、通常、様々な光学センサデバイスを備えており、これは、例えば、光学的距離測定に用いられる。例えば、車両と車両の周囲の物体との間の距離を推定することによって、車両の周囲環境のマップを生成することができる。光学センサ技術の中でも、特に、ライダー/LIDAR//LiDAR(Light Detection And RangingまたはLaser Imaging Detection And Ranging)が知られており、LADAR(LAser Detection And Ranging)または3Dレーザスキャンとも称される。
【0003】
光学センサデバイス、例えば、光学距離測定デバイス、特にLiDARセンサデバイスは、その周囲に1つ以上の光線を射出するための1つ以上の光源、好ましくは1つ以上のレーザ光線を射出するための1つ以上のレーザ光源を備える。光学センサデバイスは更に、射出された1つまたは複数のレーザ光線の反射を検出するための1つまたは複数の光学検出器も備えている。また、光学センサデバイスは処理ユニットを備えており、例えば、検出された光の反射に関するデータおよび伝送データに基づいて、環境のマップを生成してもよい。更に、光学センサデバイスは、通常、光学センサデバイスの外側の面を構成しているセンサ窓を備える。センサ窓はその下に位置する、1つ以上の光源および/または光学検出器等のセンサ部品を保護するために光透過性の保護層を形成していてもよい。光はセンサの窓を透過した後に検出される。物によって遮られない周囲環境のビューを得るため、典型的には、光学センサデバイスは車両の外に配置され、センサ窓は車両周囲の環境の方向を向いている、すなわち、車両に背を向けて配置される、好ましくは前方を向いている。
【0004】
このように車両の外に配置されるため、センサデバイス、特にセンサ窓は、(雨)液滴、微粒子、虫等の障害物を集めやすく、センサ窓を透過する光信号を妨害、偏光、その他の緩衝を起こし、誤ったセンサデータをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の目的は、自動車の従来のセンサデバイスの欠点の少なくとも1つを緩和する手段および/または方法、特に上述した欠点の少なくとも1つを少なくとも緩和するための手段および方法を提供することである。特に、自動車の光学センサデバイスのセンサデータを改善することが望まれる。より具体的には、光学センサデバイスのセンサ窓上に、光学的障害物、例えば、(雨)液滴、微粒子、虫等が集積するのを最小限に抑えることが望まれる。
【0006】
本開示の第1の態様によれば、自動車の光学センサデバイス、好ましくは光学距離測定のための光学センサデバイス、より好ましくはLiDARセンサデバイスのセンサ窓を清掃する方法を提供する。方法は、前記センサ窓の少なくとも一部分をワイパブレードで拭き取る工程と、前記ワイパブレードの側面に沿って、好ましくは前記ワイパブレードの先端部に向かう方向に、前記ワイパブレードを擦る工程と、を備える。
【0007】
ワイパブレードでセンサ窓上を拭くことにより、光学センサデバイスの視界を妨げる水滴やその他の障害物をセンサ窓から取り除くことができ、例えば、センサデータの改善や精度の向上につながる。ワイパの側面に沿って、好ましくはワイパブレードの先端部に向かう方向に擦ることによって、センサ窓から除去されてワイパブレードによって運ばれた障害物をワイパブレードから除去することができ、例えば、ワイパブレードが再びセンサ窓上を掃拭する時に、その障害物が意図せず付着してしまうことを防ぐことができる。この場合、スクレーパは、ワイパブレードの使用効率を向上させることができる。
【0008】
一実施形態において、上記の方法は更に、前記センサ窓の少なくとも一部の上を前記ワイパブレードで再び拭き取る工程の前に、前記ワイパブレードに付着した液体および/またはその他の障害物を拭き取り前記拭き取り面上に落とすべく、前記ワイパブレードの前記先端部を前記拭き取り面で拭き取る工程を更に備えてもよい。その結果、ワイパブレード先端部付近、特にワイパブレードの底面上または底面付近に存在し得る液体および/またはその他の障害物を、ワイパブレードから拭き取り面上へと払い落とすことができる。好ましくは、ワイパブレードの先端部を拭き取り面に擦り付ける工程の間、前記ワイパブレードは、前記拭き取り面に対して第1の位置、特に第1の角度位置に配置されてもよく、この第1の位置は、ワイパブレードがセンサ窓上を拭き取り動作している間におけるセンサ窓に対する第2の位置、特に第2の角度位置に実質的に対応していてもよい。その結果、ワイパブレードの先端部またはその近傍に存在する液体および/またはその他の障害物が、拭き取り面に堆積、特に広げられることを促進できる。好ましくは、堆積した液体が拭き取り面を流れ落ちるようにしてもよい、および/または、例えば、毛細管現象によってスリットを介して水を流すように配置された排水スリットによって、少なくとも部分的に除去されようにしてもよい。
【0009】
更なる実施形態において、上記方法は、ワイパの前記側面に沿って、特にワイパブレードの先端に向かう方向に、好ましくは更なるスクレーパによってもう一度ワイパブレードを擦る工程を備えてもよい。ワイパブレードの側面に沿って更に擦る工程は、再びワイパブレードでセンサ窓の少なくとも一部を拭く前であって好ましくはワイパブレードの先端部を拭い取る工程の後に実行されてもよい。ワイパブレードが再びセンサ窓上を拭く前に比較的きれいになることを容易にするべく、ワイパの側面に沿ってもう一度擦る工程において、最後に残った障害物、例えば液体および/または汚れが、ワイパブレードから少なくとも部分的に擦り落とされる。
【0010】
本開示の第2の態様によれば、自動車の光学センサデバイス、好ましくは光学距離測定用の光学センサデバイス、更に好ましくはLiDARセンサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置を提供する。好ましくは、清掃装置は、上記の方法を少なくとも部分的に実行するように構成されてもよい。清掃装置は、ワイパブレードおよび当該ワイパブレードから障害物を掻き落とすための少なくとも第1のスクレーパを備える。清掃装置は、センサ窓上をワイパブレードによって拭き取るように構成されている。清掃装置は更に、第1のスクレーパによってワイパブレードから障害物を掻き落とすべく、ワイパブレードおよび第1のスクレーパの少なくとも一方を互いに対しておよび互いに沿って移動させるように構成されている。
【0011】
ワイパブレードに付着した汚れおよび/または液体等の光学的障害物を掻き落とすことができるように清掃装置を構成することによって、ワイパブレードがセンサ窓上を再び拭く時に比較的きれいな状態にすることが容易になり、センサ窓の比較的効率的および/または効果的な清掃を促進しおよび/またはセンサの使用および/または精度および/またはセンサデータを改善することができる。
【0012】
有利には、第1のスクレーパはセンサ窓の所定の位置に対して固定されてもよく、清掃装置は、スクレーパに沿ってワイパブレードを擦るように、第1のスクレーパに対してワイパブレードを移動させるように構成されてもよい。その結果、清掃装置は、例えば、ワイパブレードでセンサ窓上を拭くためと、ワイパブレードを第1のスクレーパに沿って移動させるための両方の目的で、1つまたは複数の駆動部を備えてもよい。清掃装置は、例えば、固定スクレーパの場合は、スクレーパを駆動するための駆動部を省略でき、その結果として、比較的単純な設計であってもよい。
【0013】
幾つかの実施形態において、清掃装置は拭き取り面を備えてもよい。好ましくは、拭き取り面は第1のスクレーパの下流に位置する。清掃装置は、ワイパブレードの先端部が拭き取り面上に擦りつけられることを可能にするように構成されてもよい。拭き取り面は、拭き取り面上でワイパブレードを擦り付けることによって、にワイパブレードからの液体および/または汚れを拭き取り面上へと擦り付けることを容易にする。有利には、拭き取り面は、センサ窓の外側表面と実質的に平行に、より好ましくはセンサ窓の外側表面と実質的に一直線上に配置される。これにより、例えば、ワイパブレードが所定の状態または位置、特に所定の回転状態または回転位置に実質的に保持され、最初にセンサ窓に沿って、次に第1のスクレーパ上を、その後拭き取り面に沿って実質的に直線的に移動する時、ワイパブレードのセンサ窓に対しての位置と、拭き取り面に対しての位置とが、実質的に同じ位置であってもよい。例えば、そのような位置でセンサ窓に付着する可能性のある液体や汚れは、ワイパブレードがセンサ窓を再び掃く前に、すでに拭き取り面に付着している可能性があるからである。
【0014】
実施形態において、拭き取り面は第2のスクレーパによって形成されてもよく、第2のスクレーパは、好ましくは拭き取り面の近位端に位置する第2の掻き取り縁部からなり、拭き取り面を掃く前に、ワイパブレードの一部を、少なくとも2回擦り付けてもよい。
これに代えてまたは加えて、幾つかの実施形態では、清掃装置は、更なるスクレーパである第3のスクレーパを備えてもよい。ワイパブレードを拭き取り面上に擦り付けた後にワイパブレード上にまだ残っている汚れが、ワイパブレードから少なくとも部分的に除去され得ることを容易にし得る。
【0015】
少なくとも好ましい実施形態において、前記ワイパブレードは、窓の材料に対して相対的に可撓性および/または弾力性を有する材料で作られてもよい。これに加えてまたは代えて、ワイパブレードは、第1のスクレーパの材料に対しておよび/または拭き取り面の材料に対しておよび/または第2のスクレーパの材料に対しておよび/または更なるスクレーパの材料に対して、相対的に柔軟性および/または弾力性を有する材料で作られてもよい。例えば、ワイパブレードは、ゴムまたはゴム状の材料から作られてもよい。センサ窓は、例えば、局所的な屈折率変化を避けるために実質的に平滑および/または均質な光透過性材料で形成されてもよい。センサ窓は、例えば、実質的に平坦であるまたはこれに代えて、例えば、光学センサデバイスの視野角を最適化するために所望の曲率半径を有する所望の形状で湾曲していてもよい。ワイパブレードの形状、特にワイパブレードの先端部の形状は、センサ窓の最適な清掃のために、センサ窓の形状に対応するようにしてもよい。
【0016】
本開示の更なる態様によれば、上述の清掃装置のためのスクレーパ装置が提供される。スクレーパ装置は、清掃装置のワイパブレードから障害物を掻き落とすための第1の掻き取り縁部を画定する第1のスクレーパを少なくとも備える。前記スクレーパ装置は更に、拭き取り面を備え、前記拭き取り面は前記第1の掻き取り縁部から離間して設けられる、好ましくは、前記第1のスクレーパから離間して設けられる。
【0017】
本開示の更なる態様では、光センサデバイス、特にLiDARセンサデバイスが提供される。
【0018】
本開示に係る有利な実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本開示の実施形態を、非限定的な例として添付の図を参照して説明する。
【
図1】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置のスクレーパ部の一実施形態の概略的な透視図である。
【
図2A】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置の一実施形態の異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。
【
図2B】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置の一実施形態の異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。
【
図2C】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置の一実施形態の異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。
【
図2D】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置の一実施形態の異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。
【
図2E】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置の一実施形態の異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。
【
図2F】本開示の一態様に係る光学センサデバイスのセンサ窓を清掃するための清掃装置の一実施形態の異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図には、本開示による好ましい実施形態が示されているに過ぎない。図において、同一または類似の参照符号または番号は、等しいまたは対応する部分を指す。
【0021】
図1は、清掃装置8において使用されるスクレーパ装置7の一実施形態を概略的に示した斜視図であり、清掃装置8は、光学センサデバイス90のセンサ窓91を清掃するように構成されている。
図2A~
図2Fは、清掃装置8の6つの異なる状態を概略的に示す一部切欠断面図である。清掃装置8は、自動車またはその他の車両の光学センサデバイス90のセンサ窓91を清掃するためのものであり、特にセンサ窓91の外面92を清掃するためのものである。光学センサデバイス90は、好ましくは、光学的距離測定用であってもよく、より好ましくはLiDARセンサデバイスであってもよい。
【0022】
清掃装置8は、好ましくは、弾力性のあるおよび/またはゴムまたはゴム状の材料からなるワイパブレード40を備える。清掃装置8は、ワイパブレード40で、好ましくは、少なくともその先端部41でセンサ窓91上で拭き取るように構成され、清掃装置8および/またはワイパブレード40は、水、洗浄液または雨6等のその他の流体、および/または、光透過を妨げるその他の障害物6を、センサ窓91の少なくとも一部から押し退けるべく、例えば、センサ窓91の外面92と平行な拭き取り方向D1に拭き取りを行うように構成され得る。
【0023】
清掃装置8は、ワイパブレード40から障害物6を掻き落とすための第1のスクレーパ1を更に備える。清掃装置8は更に、ワイパブレード40から障害物6を掻き落とすべく、ワイパブレード40および第1のスクレーパ1の少なくとも一方を互いに対しておよび互いに沿って移動させるように構成されている。第1のスクレーパ1は、ワイパブレード40を少なくとも部分的に清掃するためのスクレーパ装置または清掃装置の一部であってもよい。特に、第1のスクレーパ1は、スクレーパ装置7の一部であってもよく、このスクレーパ装置7は、例えば、フレーム70に取り付けられて、複数の部品1、2、3が互いに接続されてなる組立体として形成されてもよい。しかしながら、当業者であれば、これに代えて、例えば、スクレーパ装置7を一体的に射出成形する手段によって一体的に形成することができることを理解するであろう。
【0024】
ここに示す実施形態の場合のように、少なくとも第1のスクレーパ1、好ましくは、スクレーパ装置7全体を、センサ窓91の所定の位置に対して固定してもよい。その場合、このような実施形態において、清掃装置8は、次に、スクレーパでワイパブレード40上を掻き取るように第1のスクレーパ1に対してワイパブレード40をスクレーパに沿って移動させるように構成されてもよい。そして好ましくは、スクレーパ装置7に必要に応じて設けられるさらなる1つ以上の清掃要素2および3、例えば、拭き取り面22および/または更なるスクレーパ3に対してワイパブレード40を移動させてもよく、以下でより詳細に説明する。
【0025】
これに加えてまたは代えて、更なる実施形態では、清掃装置8は、例えば、ワイパブレード40で、例えば、上部である第1の位置から、例えば下部である第2の位置に向かってセンサ窓91上の拭き取りを行うように構成される。例えば、第1の位置と第2の位置との間に位置するセンサ窓91の少なくとも第1の部分を拭くように構成されており、
清掃装置8は、センサ窓91の第1の部分を拭くことなく、ワイパブレード40を第2の位置から実質的に前記第1の位置へと向かって戻すべく移動させるように構成されている。ここに示す例示的な実施形態の場合のように、センサ窓91の外面92は、上方に、好ましくは実質的に垂直に延在してもよく、ワイパブレード40は、好ましくは下方向D1に拭き取り動作を行うことにより、外面92の少なくとも一部を拭き取りしてもよい。センサ窓91上を掃拭するワイパブレード40は、障害物6を下方に押してもよく、この場合、例えば、重力に逆らって働く必要がないため、有用であり得る。
【0026】
例えば、ワイパブレード40が第1の位置に戻る前に、ワイパブレード40は、センサ窓91の外側表面92に対して実質的に横方向にかつセンサ窓から離れる方向D4に移動されてもよい。これに代えてまたは加えて、ワイパブレード40は、例えば、ワイパブレード40を備えるワイパ4の回転軸A4を中心として回転方向R4に回転することによって、センサ窓91の外面92が延びる仮想平面P92から遠ざかるように移動されてもよい。一方向の拭き取り動作、例えば、第1の位置から第2の位置に向かって拭き取りし、第2の位置から第1の位置に向かっての移動では実質的に拭き取り動作を控えることは、双方向拭き取り動作と比較して、最適な清掃結果となることが分かっている。ワイパブレード40が第2の位置から実質的に第1の位置へと向かって戻る際に拭き取りを行わないようにすることで、復動作中にセンサ窓91に液膜が付着するのを防ぐこともできる。ワイパブレード40は、第1の位置から第2の位置への拭き取り動作の間はセンサ窓91と接触し、ワイパブレード40が第2の位置から実質的に第1の位置に向かって移動する間はセンサ窓91から離間されてもよい。
【0027】
幾つかの実施形態において、ワイパ4および/またはワイパブレード40は、実質的に所定の状態または位置、特に所定の回転状態または回転位置に保持され、例えば、
図2Aに示すように最初はセンサ窓91に沿って実質的に直線的に、特にワイピング方向D1に移動し、その後、例えば、
図2Bに示すように第1のスクレーパ1上へと移動してもよい。好ましくは、第1のスクレーパ1は、例えば、
図2Bに示されるように、センサ窓91の外面92が延在する仮想平面P92を超えて突出してもよい。なお、突出するとは、仮想平面P92のうち、センサ窓91が位置する側とは反対側に突出することであると見なすことができることは理解されよう。すなわち、
図2Bでは、センサ窓91が仮想平面P92の右側に位置し、第1のスクレーパ1が仮想平面P92の左側に突出しているが、この突出側は、清掃装置8を備える自動車等の前側に対応し得るものである。
【0028】
第1のスクレーパ1は、第1の掻き取り縁部10を画定してもよい。清掃装置8は、
図2Bに示されるように、第1の掻き取り縁部10がワイパブレード40の先端41から離間した位置でワイパブレード40の側面44に接触するように構成されてもよい。ワイパブレード40が更に、センサ窓91の拭き取り中に移動した方向D1と実質的に一致する方向D2に移動する時に、第1のスクレーパ1、特にその第1の掻き取り縁部10は、ワイパブレードの側面44に沿ってワイパブレード40の先端41に向かって、例えば虫等の障害物6、61を掻き落としてもよく、その後、例えば、第1の排出路51等に案内して除去してもよい。
【0029】
好ましくは、第1のスクレーパ1は比較的鋭い縁部10を有していてもよく、その角度は120゜よりも小さい、好ましくは図示の実施形態の場合のように約90゜、または90゜よりも小さい。
【0030】
有利には、清掃装置8は、拭き取り面22を更に備えてもよい。清掃装置8は、例えば、
図2Dから理解できるように、ワイパブレード先端部41を拭き取り面22上に擦り付けることができるように構成されてもよい。拭き取り面22上に擦り付けることによって、特に、ワイパブレード40がセンサ窓91の少なくとも一部の上を再び拭き取る前に擦り付ける動作することによって、液体および/またはその他の阻害物をワイパブレード40から拭き取り、拭き取り面22の上に乗せることが可能である。その結果、ワイパブレード先端部41、特にワイパブレード40の底面42上または底面付近に存在し得る液体62および/またはその他の障害物を、ワイパブレード40から拭き取り面22上へと払い落とすことができる。
【0031】
好ましくは、拭き取り面22は、第1のスクレーパの下流に位置する。言い換えれば、第1の掻き取り縁部10は、センサ窓91と拭き取り面22との間に位置してもよい。
【0032】
これに加えてまたは代えて、拭き取り面22は、センサ窓91と実質的に平行に、特にセンサ窓91の外面92と実質的に平行に配置されてもよい。好ましくは、拭き取り面22は、
図2A~
図2Fに示されるように、センサ窓91の外面92と実質的に一直線上に配置され、例えば、5mm未満、好ましくは3mm未満、より好ましくは1mm未満だけ、外面92からずらして配置されていてもよい。
【0033】
第1のスクレーパ1は、好ましくは、拭き取り面22が延在する仮想平面P22を超えて、特に、拭き取り面22および/または当該拭き取り面22が延在する仮想平面P22に横切る方向D3として考えられる往方向に突出してもよい。
【0034】
有利には、拭き取り面22は第1の掻き取り縁部10から離間して配置される、好ましくは、第1のスクレーパ1から、例えば、下方向および/またはワイパブレード40が移動する方向D2に離間して配置される。それにより、ワイパブレード40から取り除かれた障害物を取り除くための排出路52、例えば、第2の排出路52が形成されてもよい。例えば、第1の掻き取り縁部10によって掻き落とされた水滴63またはその他の障害物は、第2の排出路52を通じて第1のスクレーパ1の底面11に沿って流されてもよい。一方、例えば、比較的大きなおよび/または固体の物61等のその他の障害物は、例えば、
図2Cに示されるように、第1の排出路を介して除去されてもよい。
【0035】
幾つかの実施形態において、拭き取り面22は、第2のスクレーパ2によって形成されてもよい。そして、第2のスクレーパ2は、好ましくは、拭き取り面22の近位端に位置する第2の掻き取り縁部20を構成してもよく、近位端は本実施形態では拭き取り面22の上面に位置する。好ましくは、第2のスクレーパ2は、その角度が120゜よりも小さい、好ましくは本実施形態における場合のように約90゜、または90゜よりも小さい、比較的鋭い縁部20を有していてもよい。
図2Cに示されるように、第2の掻き取り縁部20は、ワイパブレード40の側面44に沿って好ましくはワイパブレード40の先端41に向かう方向にワイパブレード40を擦ってもよく、例えば液体の膜および/またはその他の障害物が堆積し得る拭き取り面22上に先端部41を擦り付ける前に、掻き取りを行ってもよい。ワイパブレード40がそのような液体を拭き取り面22上に広げることによって当該液体を比較的良好に堆積させることを可能にするべく、拭き取り面22およびワイパブレード44を実際に擦り付ける拭き取り面22の部分は、長さL22を有してよい。長さL22は、ワイパブレード40を拭き取り面22上に擦り付ける方向D2において測定されてもよい。例示的な本実施形態では、拭き取り面22の高さとして形成される長さL22は、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mm、例えば少なくとも約5mmであり得る。これに代えてまたは加えて、長さL22は、ワイパブレード40の先端部41の厚さT41および/またはワイパブレード40の底面42の厚さT42と少なくとも等しい、または、好ましくは大きくてもよく、少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍であってもよい。
【0036】
障害物、特に液体の障害物は、拭き取り面22に沿って流れ落ち、好ましくは、それぞれの排出路53、特に第3の排出路53によって、除去、特に排出され得る。有利には、排出路53は拭き取り面22の下流端に隣接して配置されてもよい。ここで下流とは、ワイパブレードが移動する方向D2における下流であり、下流端は、好ましくは拭き取り面22の下端とされる。更に、排出路53は、当業者には理解され得るように、毛細管現象により水が排水スリット53を通過するように構成された排水スリット53を形成してもよい。特に、排水スリットは、拭き取り面22の下流端付近に位置する排水スリット53の入口開口531から、入口開口531と反対側に位置する排水スリットの出口開口532に向けて液体を排水してもよい。好ましくは、毛細管排水スリット53を画定する壁面は比較的滑らかな表面を有し、互いに実質的に平行に延在していてもよい。これに加えてまたは代えて、画定する壁面は、好ましくは、2mm未満の距離、例えば0.1mm~1mmの間の距離、例えば0.25mm~0.5mmの間である距離にわたって互いに対してずらして配置されてもよい。液体は、好ましくは、排水スリット53によって提供される毛細管現象によって排水されてもよいが、実施形態では、これに代えてまたは加えて、能動的吸引手段が提供されてもよい。吸引手段は第3の排出路53に設けられてもよく、これに加えてまたは代えてに、排出路51、52のうちの1つまたは複数にも設けられてもよい。
【0037】
拭き取り面22は、拭き取り面22の近位端において第2の掻き取り縁部20を画定する第2のスクレーパ2として形成された要素によって形成することができるが、必ずしもこのように構成する必要はない。例えば、拭き取り面22の近位端、特に上端において、例えば、当該拭き取り面22を画定する要素2の別の表面、特に上面に一体化することにより、湾曲して離間してもよい。実際には、第1のスクレーパ1と第2の掻き取り縁部20を画定する要素との間に隙間および/または排出路51を配置することができるが、これも必須の構成ではない。例えば、拭き取り面22は、第1のスクレーパ1によって形成されてもよく、
図2Aの実施形態に示される拭き取り面22は、このような実施形態において、例えば、第1のスクレーパ1の底面11までずっと延びていてもよい。
【0038】
有利には、清掃装置8は、さらなるスクレーパ3、特に第3のスクレーパ3を備えてもよい。好ましくは、更なるスクレーパ3は、拭き取り面22が延在する仮想平面P22を越えて、および/または、センサ窓91の外面92が延在する仮想平面P92を越えて突出してもよい。ワイパブレード40を拭き取り面22上に擦り付けた後にワイパブレード40上にまだ残っている汚れが、ワイパブレード40から少なくとも部分的に除去され得ることを、更なるスクレーパ3、特にその掻き取り縁部30によって容易にし得る。
【0039】
好ましくは、掻き取り縁部30は鋭角α30を画定していてもよく、好ましくは75゜以下、より好ましくは60゜以下、例えば約50゜、約45゜以下の角度である。特に、センサ窓91または少なくともその外面92が、実質的に上向きに、例えば、実質的に垂直に延在し、更なるスクレーパ3がセンサ窓91の外面92の下端よりも低い高さに位置する実施形態では、更なるスクレーパ3の下面31は、スクレーパ3の掻き取り縁部30から延び、特にセンサ窓91の外面92が延びる仮想平面P92に向かって後方に傾斜している。このような比較的鋭い角度、いわゆる鋭角α30とすることにより、ワイパブレード40から除去された水滴および/またはその他の障害物が掻き取り縁部30に残留することを防ぐことができる。
【0040】
排水スリット53は、拭き取り面22を画定する要素2と、更なる要素3、好ましくは、更なるスクレーパ3および/またはその掻き取り縁部30を画定する更なる要素3との間に形成することができる。
【0041】
この場合、使用中、ワイパブレード40、特にその先端部41は、
図2Aに示すようにセンサ窓ガラス91の外面92の少なくとも一部を、特に実質的に下方向D1に拭き取ることができることが理解されよう。その後、更に下方向D2に移動されてもよいワイパブレード40は、
図2Bに示すように、ワイパブレード40上に蓄積した障害物61の少なくとも一部を掻き落とす第1のスクレーパ1に隣接してもよい。その後、更に下方向D2に移動させられたワイパブレード40は、拭き取り面22を画定する要素2に到達し、要素2が更なる掻き取り縁部20を備える実施形態では、
図2Cに示すように、掻き取り縁部20が、ワイパブレード40上に蓄積された障害物の少なくとも更なる部分を掻き落としてもよい。しかしながら、別の実施形態では、要素2はこれとは異なって形成されてもよく、例えば、拭き取り面22の一部として機能し得る丸みを帯びた上縁を有していてもよい。要素2に到達した後、ワイパブレード40特にその先端部41は、
図2Dに示されるように拭き取り面22の上に擦り付けられてもよく、
図2Eに示されるように特にワイパレードが第3のスクレーパに接するまで掃拭されてもよい。その後、第3のスクレーパ3の第3の掻き取り縁部30は、
図2Fに示されるように、ワイパブレード40上にまだ残っている障害物の少なくとも一部を掻き落としてもよい。
【0042】
その後、ワイパブレード40をセンサ窓91の外面92上の第1の位置に戻すことができるが、好ましくは、ワイパブレード40が第1の位置に戻る際にセンサ窓91の上を拭わないようにする。そこで、外面92上を再び掃拭するべくワイパブレード40を第1の位置に戻す前に、ワイパブレード40を例えば外方向D4に移動させてもよく、および/または、ある程度傾斜R4させてもよい。例えばセンサ窓91の外側表面92上の第1の位置またはその近くに到着すると、ワイパブレード40は初期状態に戻されてもよく、これは
図2Aに示されるワイパ4の回転状態および/またはワイパブレード40の回転状態と実質的に対応してもよい。
【0043】
一方向の拭き取り動作、例えば、第1の位置から第2の位置に向かって拭き取りし、第2の位置から第1の位置に向かっての移動では実質的に拭き取り動作を控えることは、双方向拭き取り動作と比較して、最適な清掃結果となることが分かっている。ワイパブレード40が第2の位置から実質的に第1の位置へと向かって戻る際に拭き取りを行わないようにすることで、復動作中にセンサ窓91に液膜が付着するのを防ぐこともできる。ワイパブレード40は、第1の位置から第2の位置への拭き取り動作の間はセンサ窓91と接触し、ワイパブレード40が第2の位置から実質的に第1の位置に向かって移動する間はセンサ窓91から離間されてもよい。
【0044】
しかしながら別の実施形態では、ワイパブレード40は、往動作時にセンサ窓91を拭いてもよい。すなわち、そのような実施形態では、清掃装置7は、双方向拭き取り動作、すなわち前後に拭き取り動作するように構成されてもよく、ワイパブレード40がセンサ窓ガラス91上を後方に拭き取り動作する前に、少なくとも第1のスクレーパ1によってワイパブレード40を少なくとも部分的に障害物を掻き落とすことによってきれいにされる。
【0045】
幾つかの実施形態において、センサ窓91上をワイパブレード40が拭き取り中および/またはワイパブレード40の清掃中、特にスクレーパ装置7および/または第1のスクレーパ1および/または拭き取り面22および/または更なるスクレーパ3によって、ワイパ4および/またはワイパブレード40を、実質的に所定の位置、特に所定の回転位置に保持され、実質的に直線的に、特にワイピング方向D1および/または実質的に下方向D2に、最初にセンサ窓91に沿って、その後第1のスクレーパ1上に移動させることができる。好ましくは、ワイパ4および/またはワイパブレード40は、その後、所定の位置に実質的に依然として保持された後、拭き取り面22に沿って移動されてもよい。特に、図面の平面に対して横方向に延在する細長いワイパブレード40であってもよいワイパ4および/またはワイパブレード40は、センサ窓91の拭き取り時にセンサ窓91の外面に対する位置と、拭き取り面22の上を拭く時の拭き取り面22に対する位置とが、実質的に同じであってもよい。例えば、ワイパ4および/またはワイパブレード40は、センサ窓外面92および/もしくは拭き取り面22に対する法線n92、n22、nD1、nD2ならびに/またはワイパ4および/もしくはワイパブレード40の移動方向に対して角度α4、α40で移動してもよく、前記角度α4、α40は鋭角、好ましくは20°~70°、より好ましくは30°~60°、例えば40°~50°、例えば約45°の間の角度であってもよい。
【0046】
その後、特にワイパブレード40を第1の位置に戻す前に、ワイパブレード40は第1の位置に戻る移動中に、ワイパブレードがセンサ窓91に接触しない別の回転位置になるように傾けてよいことが理解されるであろう。あるいは、一方向拭き取り動作の代わりに双方向拭き取り動作を行う場合、ワイパを戻す前に、ワイパブレード40を
図2Aにおける回転位置に対して実質的に反転された回転位置に傾けるまたは回転させてもよく、ワイパブレード40が戻り動作時にセンサ窓91から障害物を拭き取ることを容易にする。更に、例えばそのような実施形態において、特にセンサ窓91の反対側の端部に、例えば上向きに、好ましくは実質的に垂直に延びるセンサ窓外面92の場合にはセンサ窓91の上に、第2のスクレーパ装置が設けられてもよいことが当業者には理解されよう。
【0047】
明瞭化および簡潔な説明のために、特徴は同じまたは別個の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本開示の範囲は、記載された特徴の全てまたは一部の組み合わせを有する実施形態を含み得ることが理解されるであろう。特に、ある態様の一部として記載された特徴、例えば、清掃装置8に関する特徴は、本開示の他の態様の説明においても開示されていると考えられる、例えばスクレーパ装置7の説明および/またはセンサ窓91を清掃するための方法の説明等においても開示されていると考えられることを当業者であれば直接的かつ明確に理解できるであろう。
【0048】
更に、本発明は、本明細書に記載された実施形態に限定されることを意図していない。多くの変形が可能であることは明らかである。そのような変形は、当業者にとって明らかであり、以下の特許請求の範囲に定式化された本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【国際調査報告】