(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(54)【発明の名称】高屈折率部分を伴うディスプレイ導波路
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20221219BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20221219BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500565
(86)(22)【出願日】2020-09-27
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020052977
(87)【国際公開番号】W WO2021080734
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】リー, ヒユン
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA32
2H199CA42
2H199CA50
2H199CA66
2H199CA68
2H199CA85
2H199CA94
2H199CA96
2H249AA12
2H249AA50
2H249AA60
2H249AA62
(57)【要約】
画像光をビューアに伝達するために構成されるディスプレイ導波路は、導波路本体であって、その導波路本体の屈折率は、より低い率の領域どうしの間に高屈折率領域を含むように、厚さ方向において変動する、導波路本体を有する。多重層および屈折率分布実施態様が説明される。導波路は、より広い視野を提供するために、導波路の高屈折率領域の中で画像光の一部分を透過させる。
【選択図】
図9A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイシステムにおいて画像光を伝達するための導波路であって、
2つの外方表面と、前記外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、前記入力区域において受け取られる前記画像光を前記出力区域の方に導波するように構成され、所定の屈折率を有し、前記屈折率は、前記厚さの方向において変動し、前記外方表面に近接する前記導波路本体の一部分内より、前記外方表面どうしの間の前記導波路本体の中間部分内で大である、導波路本体と、
前記入力区域内に配され、前記出力区域の方に伝搬させるために、前記導波路本体内へと前記画像光をカップリングするように構成される入力カプラと、
前記出力区域内に配され、アイボックスの方に伝搬させるために、前記導波路本体の外に前記画像光をカップリングするように構成される出力カプラと
を含む、導波路。
【請求項2】
前記入力カプラは、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲内で、前記導波路本体内へと前記画像光をカップリングすることを、
前記第1の伝搬角度において前記導波路本体内へとカップリングされる前記画像光の第1の光線が、前記導波路本体の前記外方表面における全内部屈折により前記出力区域の方に導波され、一方で、前記第2の伝搬角度においてカップリングされる前記画像光の第2の光線が、前記導波路本体の前記中間部分の中で導波されるように
行うように構成される、請求項1に記載の導波路。
【請求項3】
前記入力カプラは、前記中間部分内へと直接的に前記画像光を注入するように、前記導波路本体の前記中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の入力格子を含む、請求項1または2に記載の導波路。
【請求項4】
前記出力カプラは、前記導波路本体の前記中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の出力格子を含み、好ましくは、前記出力カプラは、前記導波路本体の外に、前記第1の出力格子から受け取られる前記画像光を再指向するように構成される第2の出力格子を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項5】
前記第2の出力格子は、前記導波路本体の前記中間部分内に少なくとも部分的に配され、および/または、好ましくは、前記導波路本体は、複数の層を含み、前記複数の層は、異なる屈折率を有する少なくとも3つの層を含む、請求項4に記載の導波路。
【請求項6】
前記導波路本体の前記中間部分は、中間層を含み、前記導波性本体は、前記中間層を挟む2つの外方層をさらに含み、前記中間層は、前記2つの外方層より大である屈折率を有する、請求項4または5に記載の導波路。
【請求項7】
前記第1の出力格子および前記第2の出力格子のうちの少なくとも1つは、前記中間層内に、もしくは、前記中間層の表面において配され、ならびに/または、好ましくは、前記第1の入力格子は、前記中間層内に、もしくは、前記中間層の表面において配される、請求項6に記載の導波路。
【請求項8】
前記導波路本体は、連続的であり、および/または、好ましくは、前記導波路本体の前記屈折率は、前記中間部分内の少なくとも2.3から、前記導波路本体の前記外方表面における多くとも1.9まで変動し、および/または、好ましくは、前記導波路本体の前記屈折率は、前記厚さ寸法において徐々に変動し、前記導波路本体の前記中間部分内の最大値から、前記導波路本体の前記2つの外方表面における、より少ない値の方に減少する、請求項1から7のいずれか一項に記載の導波路。
【請求項9】
ユーザの頭部上で着用するための支持構造と、
前記支持構造により支えられ、画像光を放出するように構成される光プロジェクタと、
前記支持構造により支えられ、前記光プロジェクタからの前記画像光の少なくとも第1の一部分をアイボックスに伝達するように構成される第1の導波路とを含み、前記第1の導波路は、
2つの外方表面と、前記外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、前記入力区域において受け取られる前記画像光を前記出力区域の方に導波するように構成され、所定の屈折率を有し、前記屈折率は、前記厚さの方向において変動し、前記外方表面に近接する前記導波路本体の一部分内より、前記外方表面どうしの間の前記導波路本体の中間部分内で大である、導波路本体と、
前記導波路本体内へと前記画像光の前記第1の一部分をカップリングするように構成される入力カプラと、
アイボックスの方に伝搬させるために、前記導波路本体の外に前記画像光の前記第1の一部分をカップリングするように構成される出力カプラと
を含む、ニアアイディスプレイ(NED)デバイス。
【請求項10】
前記入力カプラは、前記導波路本体の前記中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の入力格子を含み、前記出力カプラは、前記導波路本体の前記中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の出力格子を含み、前記第1の出力格子は、前記厚さの方向に直交する第1の方向において前記第1の入力格子から間をおいて離隔される、請求項9に記載のNEDデバイス。
【請求項11】
前記画像光は、複数の色チャネルを含み、前記第1の導波路は、前記アイボックスの方に導波するために、前記画像光の少なくとも第1の色チャネルをカップリングするように構成される、請求項9または10に記載のNEDデバイス。
【請求項12】
前記支持構造により支えられ、前記光プロジェクタからの前記画像光の少なくとも第2の一部分を前記アイボックスに伝達するように構成される第2の導波路を含み、前記画像光は、第1の色チャネルと第2の色チャネルとを含み、前記第1の導波路は、前記第1の色チャネルを透過させるように構成され、前記第2の導波路は、前記第2の色チャネルを透過させるように構成される、請求項9から11のいずれか一項に記載のNEDデバイス。
【請求項13】
画像光源からの画像光をアイボックスに伝達するための方法であって、
2つの反対位置関係にある外方表面と、前記外方表面の間の中間部分とを含む導波路の入力区域上へと、前記画像光を指向することであって、前記中間部分は、前記導波路の前記入力区域から、前記導波路の出力区域まで広がり、前記中間部分は、前記導波路本体の、前記導波路本体の前記反対位置関係にある外方表面に近接する、一部分より大である屈折率を有する、前記画像光を指向することと、
第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲において、前記導波路本体内へと前記画像光をカップリングすることと、
前記第1の伝搬角度において前記導波路内へとカップリングされる前記画像光の第1の光線が、前記導波路の前記反対位置関係にある外方表面における全内部屈折により前記出力区域の方に導波され、一方で、前記第2の伝搬角度において前記導波路内へとカップリングされる前記画像光の第2の光線が、前記導波路本体の前記中間部分の中で前記出力区域の方に伝搬するように、前記入力区域から前記出力区域に前記導波路内で前記画像光を伝搬させることと
を含む、方法。
【請求項14】
前記導波路本体の前記中間部分内に配される少なくとも1つの出力格子を使用して、前記導波路本体の外に前記第2の光線をカップリングすることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記導波路の前記中間部分の中で主として前記画像光の少なくとも1つの色チャネルを導波することを含む、請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、光学ディスプレイシステムおよびデバイスに関し、特に、導波路ディスプレイ、および、それらの導波路ディスプレイのための構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘルメットマウントディスプレイ、ニアアイディスプレイ(NED)などは、仮想現実(VR)コンテンツ、拡張現実(AR)コンテンツ、複合現実(MR)コンテンツなどを表示するためにますます使用されている。そのようなディスプレイは、ほんの数例を挙げると、娯楽、教育、訓練、およびバイオメディカルサイエンスを含む、多様な分野において用途が見出されている。表示されるVR/AR/MRコンテンツは、体験を向上させ、仮想オブジェクトをユーザが観察する実際のオブジェクトに調和させるために、3次元(3D)であり得る。目の位置および視線方向、ならびに/またはユーザの向きをリアルタイムで追跡することができ、表示される映像を、ユーザの頭部の向きおよび視線方向に応じて動的に調整することができ、シミュレートまたは拡張された環境に没頭する、よりよい体験を可能にする。
【0003】
コンパクトなディスプレイデバイスが、ヘッドマウントディスプレイには望まれる。HMDまたはNEDのディスプレイは通常、ユーザの頭部上で着用されるので、大きい、嵩張る、不均衡な、および/または、重いディスプレイデバイスは、扱いにくいことになり、ユーザが着用するのに心地よくないものであり得る。
【0004】
プロジェクタベースのディスプレイは、介在するスクリーンまたはディスプレイパネルなしに、直接的にユーザの目により観察され得る角領域における画像を提供する。イメージング導波路が、角領域における画像を、ユーザの目に搬送するために使用され得る。プロジェクタディスプレイにおいてスクリーンまたはディスプレイパネルがないため、ディスプレイのサイズおよび重量を減らすことができる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態によれば、ディスプレイシステムにおいて画像光を伝達するための導波路であって、2つの外方表面と、それらの外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、入力区域において受け取られる画像光を出力区域の方に導波するように構成され、所定の屈折率を有し、その屈折率は、厚さの方向において変動し、外方表面に近接する導波路本体の一部分内より、外方表面どうしの間の導波路本体の中間部分内で大である、導波路本体と、入力区域内に配され、出力区域の方に伝搬させるために、導波路本体内へと画像光をカップリングするように構成される入力カプラと、出力区域内に配され、アイボックスの方に伝搬させるために、導波路本体の外に画像光をカップリングするように構成される出力カプラとを含む、導波路が提供される。
【0006】
一部の実施形態において、入力カプラは、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲内で、導波路本体内へと画像光をカップリングすることを、第1の伝搬角度において導波路本体内へとカップリングされる画像光の第1の光線が、導波路本体の外方表面における全内部屈折(total internal refraction)により出力区域の方に導波され、一方で、第2の伝搬角度においてカップリングされる画像光の第2の光線が、導波路本体の中間部分の中で導波されるように行うように構成され得る。
【0007】
一部の実施形態において、入力カプラは、中間部分内へと直接的に画像光を注入するように、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の入力格子を含み得る。
【0008】
一部の実施形態において、出力カプラは、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の出力格子を含み得る。
【0009】
一部の実施形態において、出力カプラは、導波路本体の外に、第1の出力格子から受け取られる画像光を再指向するように構成される第2の出力格子を含み得る。
【0010】
一部の実施形態において、第2の出力格子は、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配され得る。
【0011】
一部の実施形態において、導波路本体の中間部分は、中間層を含み得、導波性本体は、中間層を挟む2つの外方層をさらに含み、中間層は、2つの外方層より大である屈折率を有する。
【0012】
一部の実施形態において、導波路本体は、複数の層を含み得、複数の層は、異なる屈折率を有する少なくとも3つの層を含む。
【0013】
一部の実施形態において、第1の出力格子および第2の出力格子のうちの少なくとも1つは、中間層内に、または、その中間層の表面において配され得る。
【0014】
一部の実施形態において、第1の入力格子は、中間層内に、または、その中間層の表面において配され得る。
【0015】
一部の実施形態において、導波路本体は、連続的であり得る。
【0016】
一部の実施形態において、導波路本体の屈折率は、中間部分内の少なくとも2.3から、その導波路本体の外方表面における多くとも1.9まで変動し得る。
【0017】
一部の実施形態において、導波路本体の屈折率は、厚さ寸法において徐々に変動し得、導波路本体の中間部分内の最大値から、その導波路本体の2つの外方表面における、より少ない値の方に減少する。
【0018】
本発明の実施形態によれば、ユーザの頭部上で着用するための支持構造と、支持構造により支えられ、画像光を放出するように構成される光プロジェクタと、支持構造により支えられ、光プロジェクタからの画像光の少なくとも第1の一部分をアイボックスに伝達するように構成される第1の導波路とを含み、第1の導波路は、2つの外方表面と、それらの外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、入力区域において受け取られる画像光を出力区域の方に導波するように構成され、所定の屈折率を有し、その屈折率は、厚さの方向において変動し、外方表面に近接する導波路本体の一部分内より、外方表面どうしの間の導波路本体の中間部分内で大である、導波路本体と、導波路本体内へと画像光の第1の一部分をカップリングするように構成される入力カプラと、アイボックスの方に伝搬させるために、導波路本体の外に画像光の第1の一部分をカップリングするように構成される出力カプラとを含む、ニアアイディスプレイ(NED)デバイスが提供される。
【0019】
一部の実施形態において、入力カプラは、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の入力格子を含み得、出力カプラは、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の出力格子を含み、第1の出力格子は、厚さの方向に直交する第1の方向において第1の入力格子から間をおいて離隔される。
【0020】
一部の実施形態において、画像光は、複数の色チャネルを含み得、第1の導波路は、アイボックスの方に導波するために、画像光の少なくとも第1の色チャネルをカップリングするように構成される。
【0021】
一部の実施形態において、NEDデバイスは、支持構造により支えられ、光プロジェクタからの画像光の少なくとも第2の一部分をアイボックスに伝達するように構成される第2の導波路を含み得、画像光は、第1の色チャネルと第2の色チャネルとを含み、第1の導波路は、第1の色チャネルを透過させるように構成され、第2の導波路は、第2の色チャネルを透過させるように構成される。
【0022】
本発明の実施形態によれば、画像光源からの画像光をアイボックスに伝達するための方法であって、2つの反対位置関係にある外方表面と、それらの外方表面の間の中間部分とを含む導波路の入力区域上へと、画像光を指向することであって、中間部分は、導波路の入力区域から、その導波路の出力区域まで広がり、中間部分は、導波路本体の、その導波路本体の反対位置関係にある外方表面に近接する、一部分より大である屈折率を有する、画像光を指向することと、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲において、導波路本体内へと画像光をカップリングすることと、第1の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第1の光線が、導波路の反対位置関係にある外方表面における全内部屈折により出力区域の方に導波され、一方で、第2の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第2の光線が、導波路本体の中間部分の中で出力区域の方に伝搬するように、入力区域から出力区域に導波路内で画像光を伝搬させることとを含む、方法が提供される。
【0023】
一部の実施形態において、方法は、導波路本体の中間部分内に配される少なくとも1つの出力格子を使用して、導波路本体の外に第2の光線をカップリングすることを含み得る。
【0024】
一部の実施形態において、方法は、導波路の中間部分の中で主として画像光の少なくとも1つの色チャネルを導波することを含み得る。
【0025】
本明細書において開示される実施形態は、類する要素が類する参照番号によって指示される、それらの実施形態の例示的な実施形態を表す、添付図面を参照して、より詳細に説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ユーザに画像を送り届けるための導波路アセンブリを使用する導波路ディスプレイシステムの概略等角視図である。
【
図2】ディスプレイ導波路内への色チャネルのカップリング、および、そのディスプレイ導波路に対する入力FOVを例解する概略線図である。
【
図3】選択される色チャネルに対するディスプレイ導波路の入力および出力FOVを例解する概略線図である。
【
図4】主要な外方の面において2つのアウトカプラ格子を伴うディスプレイ導波路の概略側部断面の図である。
【
図5】出力カプラ格子、および、それらの出力カプラ格子と位置合わせされるインカプラの例示的な配置設計を例解する瞳拡大導波路の概略絵図視図である。
【
図6A】
図5の導波路の例示的な実施形態における2D FOVの形成を例解する概略k空間線図である。
【
図6B】角度空間における
図6Aの導波路の2D FOVを例解するグラフである。
【
図7】
図5のディスプレイ導波路に対する2つの異なる色チャネルにより共用される対称1D FOVの推定を例解する正規化されたK空間線図である。
【
図8】ディスプレイ導波路の、そのディスプレイ導波路内の2つの異なる色チャネルの発散を例解する、概略側部断面視図である。
【
図9A】導波路内への異なる色チャネルのカップリングを例解する、上部高屈折率層を有するディスプレイ導波路の概略側部断面視図である。
【
図9B】導波路への入射の角度への依存性のある、選択される波長のインカップリングされる光線の導波路内の例示的な伝搬軌跡を例解する、
図9Aのディスプレイ導波路の概略側部断面視図である。
【
図10】
図9Aおよび9Bの2層ディスプレイ導波路内への画像光の波長のカップリングを例解するK空間線図である。
【
図11】入力格子のピッチへの依存性のある、
図9Aおよび9Bの2層導波路内への赤および青波長のインカップリングに対する入射の臨界角度を例解するグラフである。
【
図12】界面格子の上方にキャッピング層を伴う2層ディスプレイ導波路の概略側部断面視図である。
【
図13】FOVの反対位置関係の両端部における画像光の光線のカップリングを例解する3層ディスプレイ導波路の概略側部断面視図である。
【
図14】異なる屈折率の5つの層を伴う多重層ディスプレイ導波路の概略側部断面視図である。
【
図15】屈折率分布(gradient-index)ディスプレイ導波路の概略側部断面視図である。
【
図16】2層導波路を含む2導波路積重体の概略側部断面視図である。
【
図17A】2つの瞳拡大導波路と、アウトカプラの射出瞳から対角にずらされるインカプラとを伴う両眼NEDの概略絵図視図である。
【
図17B】
図17Aの例示的な配置設計に対する格子ベクトルを例解する概略ベクトル線図である。
【
図18A】本開示のヘッドマウントディスプレイの等角視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
後に続く説明において、限定ではなく解説の目的のために、本発明の綿密な理解をもたらすために、個別の光学および電子回路、光学および電子構成要素、技法、その他などの、特定の詳細が論述される。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細から外れる他の実施形態において実践され得ることが、当業者に明らかであることになる。他の実例において、よく知られている方法、デバイス、および回路の詳細な説明は、例示的な実施形態の説明を分かりにくくしないように省略される。原理、態様、および実施形態、ならびに無論のこととして、それらの特定の例を詳述する、本明細書におけるすべての説述は、先述の原理、態様、および実施形態、ならびに、それらの特定の例の、構造的均等物および機能的均等物の両方を網羅することが意図される。加えて、そのような均等物は、現時に知られている均等物、および無論のこととして、将来において開発される均等物の両方、すなわち、構造を問わず同じ機能を遂行する、開発される任意の要素を含むことが意図される。
【0028】
本明細書において使用される際、用語「第1の」、「第2の」、等々は、明示的に説述されない限り、順次的な順序付けを含意することが意図されるのではなく、むしろ、1つの要素を別のものから区別することが意図されることに留意されたい。同様に、方法またはプロセスステップの順次的な順序付けは、明示的に説述されない限り、それらのステップの実行の順次的な順序を含意しない。
【0029】
さらにまた、後に続く略称および頭字語が、本文書において使用され得る:HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、NED(ニアアイディスプレイ)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、LED(発光ダイオード)、FOV(視野)、TIR(全内部反射)、HI(高屈折率)。用語「NED」および「HMD」は、本明細書において互換的に使用され得る。
【0030】
例示的な実施形態が、3つの別個の色チャネルから成り立つ多色光を参照して、本明細書において下記で説明され得る。最も短い波長を伴う色チャネルは、青(B)チャネルまたは色と呼称され得、RGB色体系の青チャネルを表し得る。最も長い波長を伴う色チャネルは、赤(R)チャネルまたは色と呼称され得、RGB色体系の赤チャネルを表し得る。赤色チャネルと青色チャネルとの間の波長を伴う色チャネルは、緑(G)チャネルまたは色と呼称され得、RBG色体系の緑チャネルを表し得る。青光または色チャネルは、約500nmの、またはより短い波長に対応し得、赤光または色チャネルは、約625nmの、またはより長い波長に対応し得、緑光または色チャネルは、500nmから565nmの波長範囲に対応し得る。しかしながら、本明細書において説明される実施形態は、関連性のある光学スペクトルの異なる一部分を表し得る、2つ以上、または好ましくは、3つ以上の色チャネルの任意の組合せから成り立つ多色光との使用のために適合させられ得ることが認識されることになる。
【0031】
本開示の態様は、導波路と、その導波路に結合される画像光源とを含むディスプレイシステムであって、導波路は、画像光源により放出される画像光を受け取るように、および、ユーザに提示するために、導波路の視野(FOV)内で受け取られる画像光をアイボックスに伝達するように構成される、ディスプレイシステムに関する。用語「視野」(FOV)は、ディスプレイシステムとの関係において使用されるとき、システムによりサポートされる、または、ユーザに可視である、光伝搬の角度範囲に関係し得る。2次元(2D)FOVは、2つの直交平面における角度範囲により規定され得る。例えば、NEDデバイスの2D FOVは、例えば水平平面に相対的に±20°の垂直FOV、および、例えば垂直平面に相対的に±30°の水平FOVであり得る、2つの1次元(1D)FOVにより規定され得る。NEDのFOVに関しては、「垂直」および「水平」平面または方向は、NEDを着用して立っている人物の頭部に相対的に規定され得る。他の場合では、用語「垂直」および「水平」は、説明されている光学システムまたはデバイスの2つの直交平面を参照して、光学システムもしくはデバイスが使用される環境との何らの個別の関係性も、または、環境に対するそれらの光学システムもしくはデバイスの何らの個別の向きも含意することなく、本開示において使用され得る。
【0032】
本開示の態様は、画像光をビューアに伝達するために構成される、および、導波路本体であって、その導波路本体の屈折率は、より低い率の領域どうしの間に高屈折率領域を含むように、厚さ方向において変動する、導波路本体を有する、ディスプレイ導波路に関する。多重層および屈折率分布実施態様が説明される。導波路は、より広い視野を提供するために、導波路の高屈折率領域の中で画像光の一部分を透過させる。
【0033】
本開示の態様は、ディスプレイシステムにおいて画像光を伝達するための導波路であって、2つの外方表面と、それらの外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、入力区域において受け取られる画像光を出力区域の方に導波するように構成され、所定の屈折率を有し、その屈折率は、厚さの方向において変動し、外方表面に近接する導波路本体の一部分内より、外方表面どうしの間の導波路本体の中間部分内で大である、導波路本体を含む、導波路に関する。導波路本体は、連続的であり得る。入力カプラが、入力区域内に配され、出力区域の方に伝搬させるために、導波路本体内へと画像光をカップリングするように構成され得る。出力カプラが、出力区域内に配され、アイボックスの方に伝搬させるために、導波路本体の外に画像光をカップリングするように構成され得る。
【0034】
一部の実施態様において、入力カプラは、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲内で、導波路本体内へと画像光をカップリングすることを、第1の伝搬角度において導波路本体内へとカップリングされる画像光の第1の光線が、導波路本体の外方表面における全内部屈折により出力区域の方に導波され、一方で、第2の伝搬角度においてカップリングされる画像光の第2の光線が、導波路本体の中間部分の中で導波されるように行うように構成され得る。
【0035】
一部の実施態様において、入力カプラは、中間部分内へと直接的に画像光を注入するように、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の入力格子を含み得る。出力カプラは、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の出力格子を含み得る。一部の実施態様において、出力カプラは、導波路本体の外に、第1の出力格子から受け取られる画像光を再指向するように構成される第2の出力格子を含み得る。第2の出力格子は、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配され得る。
【0036】
一部の実施態様において、導波路本体の中間部分は、中間層を含み得、導波性本体は、中間層を挟む2つの外方層をさらに含み得、中間層は、2つの外方層より大である屈折率を有する。一部の実施態様において、第1の出力格子および第2の出力格子のうちの少なくとも1つは、中間層内に、または、その中間層の表面において配され得る。一部の実施態様において、導波路本体は、複数の層を含み得、複数の層は、異なる屈折率を有する少なくとも3つの層を含む。
【0037】
一部の実施態様において、導波路本体の屈折率は、中間部分内の少なくとも2.3から、その導波路本体の外方表面における多くとも1.9まで変動する。一部の実施態様において、導波路本体の屈折率は、厚さ寸法において徐々に変動し、導波路本体の中間部分内の最大値から、その導波路本体の2つの外方表面における、より少ない値の方に減少する。
【0038】
本開示の態様は、ユーザの頭部上で着用するための支持構造と、支持構造により支えられ、画像光を放出するように構成される光プロジェクタと、支持構造により支えられ、光プロジェクタからの画像光の少なくとも第1の一部分をアイボックスに伝達するように構成される第1の導波路とを含むディスプレイデバイスに関する。第1の導波路は、2つの外方表面と、それらの外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、入力区域において受け取られる画像光を出力区域の方に導波するように構成され、所定の屈折率を有し、その屈折率は、厚さの方向において変動し、外方表面に近接する導波路本体の一部分内より、外方表面どうしの間の導波路本体の中間部分内で大であり得る、導波路本体を含み得る。第1の導波路は、導波路本体内へと画像光の第1の一部分をカップリングするように構成される入力カプラと、アイボックスの方に伝搬させるために、導波路本体の外に画像光の第1の一部分をカップリングするように構成される出力カプラとをさらに含み得る。
【0039】
ディスプレイデバイスの一部の実施態様において、入力カプラは、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の入力格子を含み得、出力カプラは、導波路本体の中間部分内に少なくとも部分的に配される第1の出力格子を含み得、第1の出力格子は、厚さの方向に直交し得る第1の方向において第1の入力格子から間をおいて離隔され得る。
【0040】
画像光が複数の色チャネルを含む、ディスプレイデバイスの一部の実施態様において、第1の導波路は、アイボックスの方に導波するために、画像光の少なくとも第1の色チャネルをカップリングするように構成され得る。
【0041】
一部の実施態様において、ディスプレイデバイスは、支持構造により支えられ、光プロジェクタからの画像光の少なくとも第2の一部分をアイボックスに伝達するように構成される第2の導波路を含み得、画像光は、第1の色チャネルと第2の色チャネルとを含み、第1の導波路は、第1の色チャネルを透過させるように構成され得、第2の導波路は、第2の色チャネルを透過させるように構成され得る。
【0042】
本開示の態様は、画像光源からの画像光をアイボックスに伝達するための方法であって、2つの反対位置関係にある外方表面と、それらの外方表面の間の中間部分とを含む導波路の入力区域上へと、画像光を指向することであって、中間部分は、導波路の入力区域から、その導波路の出力区域まで広がり、中間部分は、導波路本体の、その導波路本体の反対位置関係にある外方表面に近接する、一部分より大である屈折率を有する、画像光を指向することと、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲において、導波路本体内へと画像光をカップリングすることと、第1の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第1の光線が、導波路の反対位置関係にある外方表面における全内部屈折により出力区域の方に導波され、一方で、第2の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第2の光線が、導波路本体の中間部分の中で出力区域の方に伝搬するように、入力区域から出力区域に導波路内で画像光を伝搬させることとを含む、方法に関する。方法は、導波路本体の中間部分内に配される少なくとも1つの出力格子を使用して、導波路本体の外に第2の光線をカップリングすることを含み得る。方法は、導波路の中間部分の中で主として画像光の少なくとも1つの色チャネルを導波することを含み得る。
【0043】
本開示の態様は、ディスプレイシステムにおいて画像光を伝達するための導波路であって、2つの外方表面と、それらの外方表面の間の厚さとを有する導波路本体であって、入力区域と出力区域とを含み、入力区域において受け取られる画像光を出力区域の方に導波するように構成され、厚さの方向において変動する屈折率を有する、導波路本体を含む、導波路を提供する。入力カプラが、入力区域内に配され、出力区域の方に伝搬させるために、導波路本体内へと画像光をカップリングするように構成され得る。出力カプラが、出力区域内に配され、ビューイング区域の方に伝搬させるために、導波路本体の外に画像光をカップリングするように構成され得る。
【0044】
一部の実施態様において、屈折率は、外方表面の一方において、外方表面の他方においてよりも大であり得る。一部の実施態様において、屈折率は、外方表面に近接する導波路本体の一部分内より、外方表面どうしの間の導波路本体の中間部分内で大であり得る。
【0045】
本開示の例示的な実施形態が、今から、導波路ディスプレイを参照して説明されることになる。一般的には、導波路ディスプレイは、画素化(pixilated)電子ディスプレイまたは走査プロジェクタアセンブリなどの画像光源と、コントローラと、ユーザに画像を提示するために、画像光源からの画像光を射出瞳に透過させるように構成される光学導波路とを含み得る。画像光源は、さらには、ディスプレイプロジェクタ、画像プロジェクタと、または単純にプロジェクタと本明細書において呼称され得る。ここで開示される特徴および手法が使用され得る、ディスプレイ導波路を組み込む例示的なディスプレイシステムは、ニアアイディスプレイ(NED)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、ヘッドダウンディスプレイなどを含むが、それらに限定されない。
【0046】
図1を参照すると、例示的な実施形態による導波路ディスプレイ100が例解される。導波路ディスプレイ100は、画像光源110と、導波路120とを含み、ディスプレイコントローラ155をさらに含み得る。
【0047】
プロジェクタ110と本明細書において呼称され得る画像光源110は、画像光111を放出するように構成される。一部の実施形態において、画像光源110は、走査プロジェクタの形式でのものであり、または、走査プロジェクタを含み得る。一部の実施形態において、走査プロジェクタは、限定されるものでないが、レーザダイオード(LD)または発光ダイオード(LED)などの、光源と、1つまたは複数の走査反射器とを含み得る。一部の実施形態において、走査プロジェクタは、走査光源を含み得る。一部の実施形態において、画像光源110は、例えば、限定されるものでないが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ディスプレイ(OLED)、無機発光ディスプレイ(ILED)、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、または透明有機発光ダイオード(TOLED)ディスプレイなどの、画素化マイクロディスプレイを含み得る。一部の実施形態において、画像光源110は、光源の直線状アレイ、そのようなLED、LD、または類するものを含み得る。一部の実施形態において、その画像光源110は、2D画素アレイを含み得、各々の画素は、多色光を放出するように構成され得る。画像光源110は、画像光を好適にコンディショニングするように構成される1つまたは複数の光学構成要素をさらに含み得る。このコンディショニングは、限定することなく、拡大すること、コリメートすること、収差に対して補正すること、および/もしくは、画像光の伝搬の方向を調整すること、または、個別のシステムおよび電子ディスプレイに対して望まれ得るような任意の他の好適なコンディショニングを含み得る。光学部品ブロックにおける1つまたは複数の光学構成要素は、限定することなく、1つもしくは複数のレンズ、鏡、開口部、格子、または、それらの組合せを含み得る。一部の実施形態において、画像光源110の光学部品ブロックは、光のビームを、そのビームの伝搬角度に関して走査するように動作可能な1つまたは複数の調整可能要素を含み得る。
【0048】
導波路120は、導波路本体123と、導波路の入力区域内の入力カプラ130と、導波路の出力区域内の出力カプラ140とを含み得る。一部の実施形態において、1つが別のものの上方に積重される2つ以上の導波路から組成される導波路積重体が、導波路120の代わりに使用され得る。入力カプラ130は、その入力カプラ130が画像光源110から画像光111を受け取ることができる場所において配され得る。さらにはインカプラ130と本明細書において呼称され得る入力カプラ130は、導波路120内へと画像光111をカップリングするように構成され、その導波路120において、その画像光111は、出力カプラ140の方に伝搬する。さらにはアウトカプラと本明細書において呼称され得る出力カプラ140は、入力カプラ130からずらされ、例えばユーザの目166の方になど、望まれる方向において伝搬させるために、導波路120から画像光をデカップリングするように構成され得る。アウトカプラ140は、画像ビームを、その画像ビームが導波路を離脱する際に、サイズにおいて拡大するために、および、プロジェクタ110の射出瞳より大きい射出瞳をサポートするために、インカプラ130よりサイズにおいて大であり得る。一部の実施形態において、導波路本体123は、外側光に対して部分的に透明であり得、AR用途において使用され得る。導波路120は、入力カプラ130からの2次元(2D)FOVを出力カプラ140に、および結局のところはユーザの目166に伝達するように構成され得る。ここで、および、後に続く説明において、ディスプレイ導波路120、および、そのディスプレイ導波路120の実施形態は、デカルト座標系(x,y,z)を参照して説明され得、(x,y)平面は、導波路の、外方の面であって、それらを通して導波路が画像光を受け取る、および/または出力する、外方の面に平行であり、z軸は、その(x,y)平面に直交する。一部の実施形態において、導波路120の2D FOVは、さらにはそれぞれ垂直FOVおよび水平FOVと呼称され得る、(y,z)平面における1D FOV、および、(x,z)平面における1D FOVにより規定され得る。
【0049】
図2は、入射角度αの範囲に対する、導波路210内への波長λの光のカップリングを概略的に例解する。導波路210は、ディスプレイ100の導波路120、または、導波路120の代わりに使用され得る導波路積重体の任意の導波路を表し得る。導波路210は、例えば基材205の形式でのものであり、または、基材205を含み得る、導波路本体を伴うスラブ導波路であり得る。基材205は、非限定的な例として、ガラスまたは好適なプラスチックもしくはポリマーなどの、可視光において透明である光学材料の薄いプレートであり得る。導波路210の主要な外方の面211、212であって、それらを通って画像光が導波路に進入し、または、導波路を離脱し得る、主要な外方の面211、212は、互いに対して公称的に平行であり得る。基材材料の屈折率nは、包囲する媒体の屈折率より大であり得、一部の実施形態において、例えば1.4から2.0の範囲内であり得る。一部の実施形態において、高屈折率材料が、基材205、または、その基材205の一部分に対して使用され得る。一部の実施形態において、これらの材料は、約2.2より大である屈折の率nを有し得る。一部の実施形態において、これらの材料は、約2.3より大である屈折の率nを有し得る。一部の実施形態において、これらの材料は、約2.5より大である屈折の率nを有し得る。そのような材料の非限定的な例は、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、二酸化チタン(TiO2)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、CVDダイヤモンド、硫化亜鉛(ZnS)である。
【0050】
インカプラ230が、導波路210の入力区域203内に設けられ得、1つまたは複数の回折格子の形式でのものであり得る。さらには1つまたは複数の回折格子の形式でのものであり得るアウトカプラ240が、導波路の出力区域209内に配され得、例えばy軸に沿って、インカプラ230から横にずらされ得る。例解される実施形態において、アウトカプラ240は、導波路210の、インカプラ130と同じ面211において場所を定められるが、他の実施形態において、そのアウトカプラ240は、導波路の反対位置関係の面212において場所を定められ得る。一部の実施形態は、導波路の主要な外方の面211、212において配され得る2つの入力格子、および/あるいは、導波路の主要な外方の面211、212において配され、または、導波路の中の同じ面において、もしくは同じ平面において重ねられ得る、2つの出力格子を有し得る。カプラ230、240を具現する格子は、例えばブレーズ格子などの、体積格子および表面レリーフ格子を含む、任意の好適な回折格子であり得る。格子は、さらには体積ホログラフィック格子であり得る。一部の実施形態において、それらの格子は、導波路それ自体の材料内で形成され得る。一部の実施形態において、それらの格子は、望まれる場所において導波路の面または複数の面に貼り付けられ得る、異なる材料または複数の材料内で製作され得る。
【0051】
インカプラ230は、さらには受光角度と本明細書において呼称され得る、入力FOV234をサポートするように構成され得る。波長に依存する入力FOV234は、入射の角度αの範囲を規定し、その範囲に対して、インカプラ230に入射する光が、導波路内へとカップリングされ、アウトカプラ240の方に伝搬する。本明細書の文脈において、「導波路内へとカップリングされる」は、導波路の導波モード、または、好適に低い放射損失を有するモード内へとカップリングされることを意味する。導波路の外方表面211および212上で全内部反射(TIR)を経験する、導波路内へとカップリングされる光は、その光がアウトカプラにより再指向されるまで、好適に低い減衰を伴って導波路の中で伝搬し得る。かくして、導波路210は、導波路の外側からのインカプラ230への光の入射の角度が導波路210の入力FOV234の中であることを前提として、TIRを以て個別の波長λの光をトラップし、アウトカプラ240の方に、トラップされる光を導波し得る。導波路の入力FOV234は、少なくとも部分的に、インカプラ格子230のピッチpにより、および、導波路の屈折率nにより決定される。所与の格子ピッチpに対して、(y,z)平面において入射の角度αにおいて空気から格子230に入射する光の1次回折角度βは、回折式(1)から見出され得る。
n・sin(β)-sin(α)=λ/p (1)
ここで、入射の角度α、および、回折角度βは、対応する波ベクトルが、アウトカプラ240の方に指向される成分を有する場合正である。回折角度βは、導波路内の画像光の回折させられる光線の伝搬の角度を規定し、さらには伝搬角度と本明細書において呼称され得る。式(1)は、光が、屈折率nc>1を伴う材料から導波路210に進入する、実施形態に対して容易に修正され得る。式(1)は、インカプラ格子の溝(grove)に対して法線方向の入射の平面を伴う画像光の光線に対して、すなわち、画像光の入射の平面がインカプラの格子ベクトルを含むときに当てはまる。例解される例において、インカプラの格子ベクトルは、y軸に沿って指向され得る。
【0052】
導波路または層内でTIRを経験する光は、インカップリングされる光、または、トラップされる光と本明細書において呼称され得る。導波路の中の回折させられる光に対するTIR条件は、式(2)により規定され得る。
n・sin(β)≧1 (2)
ここに、等号は、TIR角度β
c=asin(1/n)に対応する。導波路210の入力FOV234は、FOV角度と本明細書において呼称され得る、入射の第1のFOV角度α
1と、入射の第2のFOV角度α
2との間に及ぶ。
図2Aにおける最も右の入射光線111bに対応する入射の第1のFOV角度α
1は、インカップリングされる光、すなわち、導波路の中でトラップされる光のTIR角度β
cにより規定され得る。
図2Aにおける最も左の入射光線111aに対応する入射の第2のFOV角度α
2は、インカップリングされる光の最大角度β
maxについての制限により規定され得る。
【0053】
個別の波長における導波路210の入力1D FOVの幅w=|α1-α2|は、式(3)および(4)から推定され得る。一般的には、導波路の入力FOVは、導波路の屈折率が、包囲する媒体の屈折率に相対的に増大する際に増大する。例としてのことであるが、空気により包囲される率nの基材に対して、および、βmax=75°、λ/p=1.3に対して、単色光に対する導波路の入力1D FOVの幅wは、n=1.5に対して約26°、n=1.8に対して約43°、および、n=2.4に対して約107°であり得る。
【0054】
式(3)および(4)から認められ得るように、導波路210の入力FOV234は、入力光の波長λの関数であり、そのことによって、入力FOV234は、波長が変化する際に、角度空間におけるその入力FOV234の位置をシフトし、例えば、その入力FOV234は、波長が増大する際に、アウトカプラ240の方にシフトする。かくして、単一の導波路によって、多色画像光に対する十分に広いFOVを提供することは、難題であることがある。
【0055】
図3を参照すると、インカプラ230により導波路210内へとカップリングされる光が、アウトカプラ240の方に導波路内で伝搬する。アウトカプラ240は、アウトカプラ240により部分的に規定される、導波路の出力FOV244の中の角度または複数の角度において、導波路210の外に、インカップリングされる光の少なくとも一部分を再指向するように構成される。導波路の総体的なFOV、すなわち、導波路によりビューアに伝達され得る入射角度αの範囲は、インカプラ230およびアウトカプラ240の両方により、影響され得る。
【0056】
一部の実施形態において、インカプラ230およびアウトカプラ240を具現する格子は、それらの格子の格子ベクトルgiのベクトル和が実質的にゼロに等しいように構成され得る。
|Σgi|≒0 (5)
ここで、式(5)の左辺(LHS)における足し合わせは、インカプラ230の1つまたは複数の格子と、アウトカプラ230の1つまたは複数の格子とを含む、導波路を通り過ぎる入力光を回折させるために協働するすべての格子の格子ベクトルgiにわたって遂行される。格子ベクトルgiは、格子の等位相平面、すなわち、その格子の「溝」に対して法線方向に指向されるベクトルであり、その格子ベクトルの大きさは、格子ピッチpに反比例し、|gi|=2π/pである。式(5)の条件のもとで、画像光の光線は、導波路210が、平行な外方の面211、212を伴う理想的なスラブ導波路であり、導波路のFOVが、その導波路の入力FOVにより規定されることを前提として、それらの光線がインカプラ230に進入した同じ角度において、アウトカプラ240を以て導波路を抜け出る。実践的な実施態様において、式(5)は、個別のディスプレイシステムに対して許され得る誤差しきい値の中で、ある程度の正確度を伴って当てはまることになる。単一の1D入力格子と1D出力格子とを伴う例示的な実施形態において、アウトカプラ240の格子ピッチは、インカプラ230の格子ピッチに実質的に等しくあり得る。
【0057】
図4は、アウトカプラ240が、例えば導波路の主要な外方の面において配され得る、2つの回折格子241、242を含む、実施形態を例解する。回折格子241および242は、インカップリングされる光211aが、これらの格子の各々により一度順次的に回折させられる後に、出力光221として導波路を抜け出るように構成され得る。一部の実施形態において、回折格子241、242の格子ベクトルg
1およびg
2は、互いに対して所定の角度において指向され得る。少なくとも一部の実施形態において、それらの格子ベクトルは、(g
0+g
1+g
2)=0であるように選択され得、ここに、g
0は、インカプラ230の格子ベクトルである。
【0058】
図5は、絵図視図において、導波路の入力区域403内に配されるインカプラ430と、導波路の出力区域407内に配されるアウトカプラ440とを伴うディスプレイ導波路410を例解する。インカプラ430は、アウトカプラ440の方に全体的に指向される格子ベクトルg
0を伴う入力回折格子の形式でのものであり得る。アウトカプラ440は、互いに対して所定の角度において向きを定められる格子ベクトルg
1およびg
2を伴う2つの出力直線状回折格子441および442から成り立つ。一部の実施形態において、格子441および442は、導波路の主要な外方の面において形成される直線状回折格子であり得る。一部の実施形態において、それらの格子は、2D格子を形成するために、導波路のどちらかの面において、または、その導波路の体積内で、互いの上に重ねられ得る。導波路のFOVの中でインカプラ430に入射する光401が、インカップリングされる光線411aおよび411bにより例解されるように、導波路の平面において、サイズにおいて拡大して、アウトカプラ440の方に伝搬するために、導波路内へとインカプラ430によりカップリングされ得る。格子441、442は、それらの格子の各々を離れる続けざまの回折が、導波路の外に、インカップリングされる光を再指向するように構成される。光線411aは、アウトカプラ440が場所を定められる導波路の出力区域407に進入することを機に、導波路の中で、いくらかの距離を伝搬する後に、最初に、第1の格子441により回折させられ、次いで、第2の格子442により導波路の外に回折させられる、インカップリングされる光の光線であり得る。光線411bは、最初に、第2の格子442により回折させられ、次いで、第1の格子441により導波路の外に回折させられる、インカップリングされる光の光線であり得る。さらにはアイボックス投射区域450と呼称され得る、導波路の射出瞳450が指示され、その射出瞳450において、例えば、その射出瞳が、望まれる寸法を有する場合、アウトカップリングされる光は、ビューイングのための最適の特性を有する。射出瞳450は、インカプラ430から、いくらかの距離において場所を定められ得る。
【0059】
図6Aは、(K
x,K
y)平面を参照して、ディスプレイ導波路410の動作の態様を例解するものであり、ここに、K
xおよびK
yは、導波路の平面上の画像光の正規化されたkベクトルK=k・2π/λの射影のxおよびy座標を表象する。
K
x=nsin(θ
x)、および、K
y=nsin(θ
y) (6)
ここで、nは、インカップリングされる光が伝搬している基材の屈折率であり、角度θ
xおよびθ
yは、それぞれ、x軸およびy軸上の射影における導波路の平面(x,y)における光伝搬の方向を規定する。これらの角度は、さらには、導波路の2D FOVが規定され得る角度空間の座標を表し得る。(K
x,K
y)平面は、K空間と、および、正規化された波ベクトルK=(K
x,K
y)は、平面内Kベクトルと、または単純にKベクトルと、本明細書において呼称され得る。
【0060】
K空間において、インカップリングされる光は、TIR環500により、グラフィカルに表され得る。TIR環500は、TIR円501および最大角度円502により境を定められるK空間の区域であり、両方の円は、導波路への法線方向の入射に対応するK0=(0,0)において中心を定められる。TIR円501は、TIR角度βcに対応する。最大角度円502は、インカップリングされる光に対する最大伝搬角度βmaxに対応する。TIR円501の中の状態は、カップリングされない光、すなわち、インカプラ430に入射する入来する光、または、アウトカプラ格子441および/もしくは442により導波路の外にカップリングされる光を表す。正規化によって、TIR円501の半径rTIR、および、外方円502の半径rmaxは、後に続く式により規定され得る。
rTIR=1、rmax=n・sin(βmax) (7)
屈折率nが大であるほど、TIR環500は広く、導波路内へとカップリングされ得る波長λの入力光の角度範囲は幅広い。
【0061】
図6Aにおいてg
0、g
1、およびg
2と標記される矢印は、個別の波長λに対する、それぞれ、インカプラ430、第1のアウトカプラ格子441、および、第2のアウトカプラ格子442の正規化された格子ベクトルを表し、格子長さg
i=λ/p
iであり、ここに、p
iは、第iの格子のピッチであり、i=0、1、または2である。図において、これらの格子ベクトルは、K空間における2つの可能な経路を描く、2つの閉じられた三角形を形成し、それらの経路に沿って、入来する光は、3つの格子の各々により一度回折させられる後に、同じK空間状態に戻り得、そのことにより、導波路の入力から出力まで、角度空間における伝搬の方向を保つ。各々の回折は、対応する格子ベクトルによる(K
x,K
y)平面におけるシフトとして表され得る。区域520、530は、組み合わさって、(K
x,K
y)平面における導波路のFOVを表し、それぞれ、第1および第2の部分的FOV区域と呼称され得る。それらの区域は、インカプラ格子およびアウトカプラ格子、ならびに、導波路の屈折率により規定され、入力格子430、および、出力格子441、442の一方上での続けざまの回折、ならびに、2つの出力格子の他方上での後続の回折の後のTIR円501の内方における同じ(K
x,K
y)場所への戻りの後の、導波路(TIR環500)の中でトラップされる光滞留のすべてのkベクトルを表す。第1の部分的FOV区域520は、入力格子430、第1の出力格子441、および、第2の出力格子442上での続けざまの回折により、その区域自体にイメージングされる、すべての(K
x,K
y)状態を識別することにより決定され得、それらの回折の各々は、対応する格子ベクトルによる(K
x,K
y)平面におけるシフトとして表され得る。第2の部分的FOV区域530は、入力格子430、第2の出力格子442、および、第1の出力格子441上での続けざまの回折により、その区域自体にイメージングされる、すべての(K
x,K
y)状態を識別することにより決定され得る。
【0062】
図6Bは、2D角度空間における第1および第2の部分的FOV520、530を例解し、水平軸および垂直軸は、両方が度において、それぞれ、x軸方向およびy軸方向における、入力光の入射の角度θ
xおよびθ
yを表す。(0,0)点は、インカプラへの法線方向の入射に対応する。組み合わさって、部分的FOV520、530は、ユーザに伝達され得る選択される色または波長の入力光のすべての入射光線を網羅する、波長λにおける導波路の完全FOV550を規定する。完全FOV550の中にはまる矩形区域555が、ディスプレイにおいて有用であり得る導波路の単色FOVを規定し得る。
【0063】
角度空間における各々の部分的FOV520、530の位置、サイズ、および形状、ならびにかくして、導波路の完全2D FOVは、入力光の波長λに、入来する光の波長λに対する入力および出力格子のピッチp
0、p
1、およびp
2の比率に、ならびに、格子の相対的な向きに依存する。かくして、導波路の2D FOVは、ピッチサイズ、および、格子の相対的な向きを選択することにより、個別の色チャネルまたは複数のチャネルに対して、角度空間において、好適に形状を定められ、位置を定められ得る。導波路410の一部の実施形態において、出力格子441、442は、同じピッチp
1=p
2を有し、入力格子に相対的に、対称的に向きを定められ得る。そのような実施形態において、第1および第2の出力格子の格子ベクトルg
1、g
2は、インカプラの格子ベクトルg
0に相対的に、±φの角度において向きを定められ得る。非限定的な例としてのことであるが、格子向き角度φは、50から70度、例えば60から66度の範囲内であり得、導波路の屈折率に依存し得る。
図6Bは、例示的な導波路のFOVを例解するものであり、屈折率n=1.8、φ≒60°、および、p
1=p
2=p
3=pであり、p/λは、FOV555について、法線方向の入射において中心を定めるように選択される。
【0064】
一部の実施形態において、光学的に透明な高屈折率基材から形成される単一の導波路が、画像源からのRGB光の複数個の色チャネルを、NEDのアイボックスなどの、導波路ディスプレイのビューイング区域に伝達するために、ディスプレイシステムにおいて使用され得る。一部の実施形態において、同じ入力格子および出力格子が、画像光の少なくとも2つの色チャネルに対して、例えば、赤、緑、および青RGB色チャネルのうちの少なくとも2つに対して、または、すべての3つのRGB色チャネルに対して使用され得る。高屈折率nを有する望ましさは、波長で正規化されたK空間において、各々の格子ベクトルの長さは、波長とともにスケーリングする、すなわち、gi=λ/piであり、ここに、piは、第iの格子のピッチであり、i=0、1、または2であることに留意することにより理解され得る。TIR環500の幅は、屈折率nに比例するので、屈折率の、より大である値は、より幅広い多色FOV、すなわち、画像光の2つ以上の色チャネルにより共用される共通FOVを可能にする。
【0065】
図7は、
図6AのK空間線図における、2つの異なる波長λ
1およびλ
2>λ
1に対する、インカプラ430の、波長でスケーリングされた格子ベクトル531、532を例解する。例解される例において、インカプラの格子ベクトルは、y軸に沿って指向される。第1の波長λ
1に対する正規化された格子ベクトル531は、長さλ
1/p
0を有し、一方で、より長い正規化された格子ベクトル532は、λ
2/p
0の長さを有する。第1の波長λ
1は、例えば、青色チャネルのピーク波長であり得、一方で、第2の波長λ
2は、例えば、赤色チャネルのピーク波長であり得る。
【0066】
一部の実施形態において、2つの波長により共用される対称FOVの最大y軸幅(2α)、FOV
y=(-α,+α)が、式(8)および(9)から推定され得る。
1+sin(α)=λ
1/p
0 (8)
n・sin(β
max)-sin(α)=λ
2/p
0 (9)
式(8)は、格子ベクトル531、532のうちの短い方が、格子ベクトルの方向においてTIR円501から最も遠いFOVの状態A1から、TIR円501に達するのに足るだけ長いという条件を表す。式(9)は、FOVの反対位置関係の端部におけるK状態A2が、TIR環500の外方境界502から、2つの格子ベクトル531、532のうちの長い方がその外方境界を越えて延びないということに足るだけ遠いという条件を表す。これらの条件は、インカプラ格子のピッチp
0に対する推定値(式(10))、および、y軸に沿った2つの波長の共通FOVの対応する半幅αの推定値(式11)をもたらす。
【0067】
波長λ1およびλ2に対する共用される1D FOVの推定される幅2αは、導波路の屈折率nが最小値nminより上に増大する際に増大し、その最小値は、一部の実施形態において、nmin=λ2/λ1sin(βmax)として推定され得る。例としてのことであるが、より長い波長λ2は、例えば635nmの波長を伴う赤光に対応し得、一方で、より短い波長λ1は、例えば465nmの波長を伴う青光に対応し得、そのことは、RGB光のすべての3つの色チャネルを透過させるように構成される導波路に対する、約1.4のnの最小限の値を結果的に生じさせる。式(11)によれば、1つの実施形態において、RGB光のすべての3つのチャネルにより共用され得る、単一の1層導波路の対称1D FOVの推定される幅2αは、n=2.0に対して約30度、n=2.2に対して約40度、および、n=2.6に対して約63度であり得る。
【0068】
式(11)は、法線方向の入射において中心を定められ、λ1からλ2の波長を伴う多色光に対して単一の導波路によりサポートされ得る、1D FOVの推定値を提供する。導波路がその導波路の出力において、例えばアイボックスにおいて、多色光に対してサポートする2D FOVは、出力格子の数および構成など、アウトカプラにさらに依存し得る。
【0069】
一部の実施形態において、約2.3、または、好ましくは2.4以上の屈折率を伴う、光学的に透明な高屈折率材料から作製される単一の導波路が、画像源からのRGB光をNEDのアイボックスに伝達するために、ディスプレイシステムにおいて使用され得る。一部の実施形態において、NEDは、少なくとも2.5の屈折率を伴う、光学的に透明な高屈折率材料から作製される単一の導波路によって画像光を透過させ得る。一部の実施形態において、NEDは、少なくとも2.6の屈折率を伴う、光学的に透明な高屈折率材料から作製される単一の導波路によって画像光を透過させ得る。
【0070】
今から
図8を参照すると、同じ格子により導波路内へとカップリングされる異なる色チャネルの光線が、異なる角度において導波路内で伝搬することになり、差は、大であるほど、色チャネルの間のスペクトル距離は大いなるものである。
図8は、ディスプレイ導波路600内での入力RGB光611の、青色チャネルの光線611B、および、赤色チャネルの光線611Rの伝搬を概略的に例解する。ディスプレイ導波路600は、高屈折率基材などの導波路本体610と、入力カプラ630と、出力カプラ640とから形成され得る。入力カプラ630および出力カプラ640は、例えば、
図3、4のカプラ230、240、または、
図5のカプラ430、440を参照して上記で説明されたようなものであり得る。例解される実施形態において、入力カプラ630は、ピッチp
0の回折格子の形式でのものである。この格子上での回折は、波長によって、入射RGB光611を分散させる。結果として、赤色チャネルの光線611Rは、青色チャネルの光線611Bの伝搬角度β
Bより有意に大である角度β
Rにおいて基材610内で伝搬し得る。ディスプレイ導波路600の基材610内での色チャネルのこの発散は、アウトカプラ640の、より複雑な設計を必要とし得る。実際のところ、より小さい角度において伝搬する光線611Bは、より大である角度において伝搬する光線611Rよりも、導波路の、外方の面を離れる、より大である数の跳ね返りを経験し得る。出力格子が導波路の、外方の面において形成される実施形態において、光線611Bは、さらには、出力格子との、より大である数の相互作用を経験することになる。格子-光線相互作用における同様の、またはより大でさえある不一致が、
図2において示される光線111aおよび111bなどの、入力FOVの縁部における同じ波長の画像光線に対して生起する。それゆえに、FOV全域で色および明るさ均一性を維持することは、格子効率の強い角度依存性を伴う出力格子を要し得る。格子は、異なる色、および/または、入射の異なる角度の画像光線に対して、導波路の出力区域の単位長さ当たりの、導波路「跳ね返り」または光線-格子相互作用の数における差に対して補償するように特異的に設計されなければならないことがある。このことは、格子設計を有意に複雑化し得る。
【0071】
図9Aを参照すると、本開示の実施形態による例示的な2層ディスプレイ導波路700が例解される。ディスプレイ導波路700は、より高い率の材料内で伝搬させるように、より長い波長の色チャネルの少なくとも一部分を指向することにより、角度差問題点に対処する。導波路700と単純に本明細書において以降呼称され得る、2層ディスプレイ導波路700は、上記で説明された導波路120または導波路410の実施形態であり得る。その導波路700は、相対的に、より低い屈折の率を有し得る、基材720により支持される高屈折率(HI)層710を含む導波路本体707を有する。HI層710は、さらには上部層710と本明細書において呼称され得る。基材720は、2層導波路700の第2の、または下側の層の役割を果たす。HI層710および基材720の両方は、好適に低い吸収係数を有する、光学的に透明な材料から作製され得る。HI層710は、連続的な導波路本体を形成するために、基材720の上方に、それらのHI層710と基材720との間に空気ギャップを伴わずに配され得る。用語「高屈折率層」は、本明細書において使用される際、基材720の屈折率n
2より大である屈折率n
1、n
1>n
2を伴う層を指し得る。1つの実施形態において、n
2は、1.5から2.0の範囲内であり得、n
1は、2.2から2.6以上の範囲内であり得、好適な材料の入手可能性により規定され得る、上の方の限度を伴う。層の屈折率どうしの間の差Δn=(n
1-n
2)は、少なくとも一部の実施形態において、0.3より大であり得る。一部の実施形態において、率差Δnは、0.3から1の範囲内であり得る。一部の実施形態において、Δnは、0.4より大であり得る。一部の実施形態において、Δnは、0.5より大であり得る。
【0072】
約0.4より。HI層710に対して使用され得る可能な材料の例は、LiNbO3、TiO2、GaN、AlN、SiC、CVDダイヤモンド、ZnSを含む。HI層710および基材720の厚さは、それらのHI層710および基材720の率および/または設計目標に依存して変動し得る。非限定的な例としてのことであるが、HI層710の厚さd1は、150から400μmの範囲内、例えば約300μmであり得る。基材厚さd2は、例えば200から600μmの間であり得る。これらの範囲の外側の層および基材厚さを伴う実施形態が、さらには構想され得る。
【0073】
図9Aを参照することを継続すると、導波路700は、導波路内へと画像光711をカップリングするためのインカプラ730と、アイボックス754の方に、導波路の外に、インカップリングされる画像光をカップリングするためのアウトカプラ740とを含み得る。1つの実施形態において、インカプラ730は、入力格子の形式でのものであり、または、入力格子を含み得る。1つの実施形態において、インカプラ730は、プリズムの形式でのものであり、または、プリズムを含み得る。インカプラ730を実現する入力格子は、HI層710内へと直接的に光を注入するように配され得、HI層710内に、または、HI層710上に配され得る。一部の実施形態において、入力格子は、さらには、HI層710と基材720との間の界面702において形成され得る。一部の実施形態において、1つより多くの入力格子が設けられ得る。例えば、2つ以上の入力格子を伴う実施形態において、少なくとも1つのそのような格子が、HI層710内に、または、そのHI層710の表面において配され得る。アウトカプラ740は、例えば、インカプラの格子ベクトルの方向においてy軸に沿って、インカプラ730から横にずらされ得る。アウトカプラ740は、2つ以上の回折格子の形式でのものであり得、それらの回折格子のうちの少なくとも一部は、HI層710内で伝搬する光を回折させるように構成される。1つの実施形態において、アウトカプラ740は、HI層710の表面701において配され得る第1の格子741と、基材720とHI層710との間の界面702において配され得る第2の格子742とを含み得る。一部の実施形態において、これらの格子741、742の1つまたは両方は、HI層710の中に配され得る。一部の実施形態において、任意選択の出力格子743、744の対が、
図9Bにおいて例解されるように、基材720の中に、および/または、その基材720の表面において配され得る。表面701、703は、導波路本体の2つの主要な外方の面を規定し得、それらの面は、TIRにより導波路本体の中で、インカップリングされる画像光について境を定めることを、その画像光がインカプラからアウトカプラに伝搬する際に行い、それらの面を通って、画像光は、導波路に進入し得、および/または、導波路を抜け出る。
【0074】
画像光711は、第1の色チャネルと、第2の色チャネルとを含み得、第2の色チャネルは、第1の色チャネルより長い波長を含む。第1の色チャネルは、文字「B」によって指示され、青色チャネルまたは青光と呼称され得、第2の色チャネルは、文字「R」によって指示され、赤色チャネルまたは赤光と呼称され得る。一部の実施形態において、第1の色チャネル、および、第2の色チャネルは、RGB光の「B」および「R」色チャネルに対応し得る。HI層710は、基材720との界面702においてTIRを以て、画像光711の赤色チャネルの少なくとも一部分をトラップするように構成され得、一方で、画像光の青色チャネルが基材720内へと伝搬することを可能とし、その場合、その青色チャネルは、その基材720の第2の外方表面703においてTIRによりトラップされ得る。このことは、HI層710内でトラップされている画像光711の赤色チャネルの光線711R、ならびに、基材720内へと伝搬する、および、その基材720の表面703においてTIRを経験する、画像光711の青色チャネルの光線711Bにより、概略的に例解される。HI層710の、基材720に相対的に、より高い屈折率に起因して、HI層710内での赤光線711Rの伝搬角度β
1、および、基材720の中での青光線711Bの伝搬角度は、HI層710内でのそれらの光線の伝搬角度、または、
図8の導波路600内での光線611Rおよび611Bの伝搬角度より、互いに対して実質的に近くあり得る。一部の実施形態において、層710の厚さd
1、および、基材720の厚さd
2は、赤光線711Rおよび青光線711Bがアウトカプラ740までのそれらの光線の途上で経験する、跳ね返りの数を実質的に等しくするように選択され得る。一部の実施形態において、層710の厚さd
1、および、基材720の厚さd
2は、赤光線711Rおよび青光線711Bが、アウトカプラ740が配される導波路の本体の出力区域内で伝搬するときに経験する、アウトカプラ格子741、742との相互作用の数を実質的に等しくするように選択され得る。
【0075】
入力格子730によるHI層710内での波長λの画像光711のカップリングは、n=n
1およびp=p
0である式(1)を使用して説明され得、ここに、p
0は、入力格子730のピッチである。界面702上でのTIR条件は、次式のように具象され得る。
n
1sin(β
1)≧n
2 (12)
式(1)および(12)から、入力格子730への画像光711の入射の第1の特定の角度α
12、すなわち、波長λの画像光が界面702においてTIRを経験する入射の角度が、後に続く式(13)から推定され得る。
より小さい角度α<α
12において導波路に入射する、画像光711の光線は、基材720内へと伝搬し得、その基材720の外方表面703においてTIRを経験し得る。α
12よりわずかに大である角度において入射する光線は、部分的に、HI層710内へと引き返すように反射させられ、部分的に、713において例解されるような「かすめる(glancing)」角度において基材720内へと伝搬することになり、反射させられる小部分は、大であるほど、界面702におけるTIR条件に近く、透過させられる小部分は、TIR条件において消滅する。
【0076】
導波路700への入射の第2の特定の角度α
23、すなわち、波長λの画像光が外方表面703においてTIRを経験する、入射の最も小さい角度が、後に続く式(14)から推定され得る。
基材720内でのインカップリングされる光の最大伝搬角度β
2maxについての制限が、後に続く式(15)から推定され得る、入射の第3の特定の角度α
3をもたらす。
HI層710内でトラップされる光の最大伝搬角度β
1maxについての制限が、後に続く式(16)から推定され得る、入射の第4の特定の角度α
4をもたらす。
【0077】
図9Bは、多重層導波路700内での波長λの画像光711の例示的な光線716および717の伝搬を例解する。光線716および717は、導波路の入力FOV715の反対位置関係の両縁部から受け取られ得る。入力FOV715は、入射の個別の平面に対して、画像光711が入力格子730により導波路700内へとカップリングされ得る、入射の角度範囲を規定する。光線716により例示されるような、HI層710内での、相対的に、より大である伝搬角度β
1>α
12に対応する、入力FOV715の一部分から受け取られる画像光は、その層内でトラップされ、上部外方表面701および界面702においてTIRにより導波されて、アウトカプラ740の方に伝搬し得る。第2の光線717により例示されるような、入力FOV715の残りから受け取られる同じ波長の画像光は、少なくとも部分的に、基材720内へと界面702を通過し、導波路の外方表面701、703においてTIRにより、少なくとも部分的に導波されて、アウトカプラ740の方に伝搬し得る。HI層710などの、導波路の厚さの高屈折率領域または一部分内に、FOV715の一部分から受け取られる画像光を拘束することにより、FOVの異なる一部分の間の格子-光相互作用における不一致が、有利には低減され得る。
【0078】
図10は、正規化されたK空間(K
x,K
y)における導波路700の例示的な実施形態の動作を例解するK状態線図を示す。
図6Aおよび7の線図と同様に、第1のTIR円801の内方は、カップリングされない光の平面内Kベクトルを表す。第1のTIR環805の内方は、少なくとも部分的に、層-基材界面702を通過し、基材720の外方表面703においてTIRを経験する、インカップリングされる光を表す。第1のTIR環805は、半径r
1=1の第1のTIR円801、および、半径r
2=n
2・sin(β
2max)の第1の最大角度円802により境を定められる。第2のTIR環806の内方は、HI層710内でトラップされ、基材720との界面702においてTIRを経験する、インカップリングされる光を表し、その基材720への入射の角度は、β
1max未満であり、すなわち、HI層710における「かすめる」光線を排除する。第2のTIR環806は、半径r
3=n
2の第2のTIR円803、および、半径r
4=n
1・sin(β
1max)の第2の最大角度円804により境を定められる。インカプラ730は、長さg
λ=λ/p
0の、波長でスケーリングされた格子ベクトルg
λにより表され、その格子ベクトルg
λは、第1のTIR円801の内側のカップリングされないK状態を、格子ベクトルg
λによりシフトされるカップリングされるK状態にカップリングする。
【0079】
図10において、選択される波長λに対する導波路700の動作が、入射光の2つの異なるK状態を参照して、例としてのことであるが例解される。K空間の中心(0,0)における状態「A」は、導波路への画像光の法線方向の入射に対応する。状態「B」は、導波路への入射の非ゼロ角度α
Bを伴う画像光に対応し、0<α
B<90であり、状態「B」は、K空間中心(0,0)から距離d
B=|sin(α
B)|にある。例解される例において、インカプラ730は、状態「A」を、第1のTIR環805の中の状態へと移行させ、状態「B」を、第2のTIR環806の中の状態へと移行させる。ゆえに、波長λの、法線方向に入射する光は、少なくとも部分的に、界面702を通過し、TIRにより基材の外方表面703を離れるように跳ね返ることになる。HI層710が非存在の場合に、カップリングされることなく導波路を通過することになる、角度α
Bにおいて導波路に入射する同じ波長の画像光は、HI層710の中でトラップされることになる。かくして、HI層710の追加は、インカップリングされる光のk空間を拡大し、そのことにより、導波路700がサポートすることができるFOVを幅広くする。
【0080】
図11は、インカプラ格子のピッチpへの依存性のある、赤および青色チャネルの波長に対する、式(13)、(14)、および(16)から推定される入射の特定の角度を、例としてのことであるが例解する。n
1=2.6およびn
2=1.9を伴う導波路700の実施形態が想定される。波長λ
R=640nmおよびλ
B=465nmが、それぞれ、赤および青色チャネルに対して想定される。実線は青色チャネルに関係し、点線は赤色チャネルに関係する。HI層-基材界面702におけるTIRの初発に対応する、入射の第1の特定の角度が、赤色チャネルに対して810Rにおいて、および、青色チャネルに対して810Bにおいて示される。外方表面703におけるTIRの初発に対応する、入射の第2の特定の角度が、赤色チャネルに対して811Rにおいて、および、青色チャネルに対して811Bにおいて示される。HI層における最大伝搬角度β
1maxについての制限により規定される、入射の第3の特定の角度が、赤色チャネルに対して813Rにおいて、および、青色チャネルに対して813Bにおいて示される。各々の色チャネルに対して、曲線811xおよび813xは、導波路内へとカップリングされ得る入射角度の範囲について境を定め、一方で、曲線810xおよび813xは、導波路のHI層内でトラップされ得る入射角度の範囲について境を定め、ここで、「x」は、「R」または「B」のいずれかを象徴する。曲線811Bおよび813Rは、赤および青の両方の波長に対する、導波路内へとカップリングされ得る入射角度の範囲815について境を定め、そのことにより、RGB光に対する導波路の入力1D FOVの幅Θを規定する。例解される例において、赤色チャネルの光は、入力1D FOV815の第1の一部分821内で受け取られる場合、HI層710の中でトラップされ得、入力1D FOV815の第2の、より小さい一部分822内で受け取られる場合、基材720内で幾分かの時間伝搬し得る。この例において、約300nmより小さいpを伴う実施形態に対して、TIRによりHI層710内でトラップされる、青波長のインカップリングされる光はない。約300nmより大であるpを伴う実施形態において、入力FOV815の小さい一部分831内で受け取られる青波長の光は、HI層710内でトラップされ得る。基材の、より小さい屈折率n
2を伴う実施形態において、HI層710内での伝搬は、赤および青の両方の色チャネルに対する1D FOVの、より大である一部分をサポートし得る。HI層710の、より小さい屈折率n
1を伴う実施形態において、赤および青の両方の色チャネルに対する1D FOVの、より大である一部分が、基材720内での伝搬によりサポートされ得る。緑色チャネルに対して、HI層内でトラップされる光の小部分は、赤色チャネルに対する対応する小部分と、青色チャネルに対する対応する小部分との間であることになる。少なくとも一部の実施形態において、HI層710は、画像光の色チャネルのうちの少なくとも1つの角度FOV幅Θの少なくとも50%をサポートし得る。
【0081】
HI層710内で伝搬する光は、一般的には、HI層の中に、または、そのHI層の表面において、任意のところに配され得る、アウトカプラ格子741および742により、導波路の外に回折させられ得る。アウトカプラ格子741および742は、これらの2つの格子からの逐次的な回折が、インカップリングされる光を導波路から、導波路へのその光の入射の方向においてデカップリングするように、それらの格子の格子ベクトルg1およびg2の和(g1+g2)が(-g0)に等しいように構成され得、ここに、g0は、インカプラ730の格子ベクトルである。基材720内へと入り込むインカップリングされる光は、第1の格子741、第2の格子742、および、存在するときの任意選択の第3の格子743のうちの2つ以上の何らかの組合せ上での回折により、導波路からアウトカップリングされ得る。一部の実施形態において、第3のアウトカプラ格子743は、第1および第3の格子741、743からの、幾分か基材720内で伝搬するインカップリングされる光の逐次的な回折が、その光を、導波路へのその光の入射の方向においてアウトカップリングするように、第1の格子741の格子ベクトルg1、および、インカプラ730の格子ベクトルg0との、その第3のアウトカプラ格子743の格子ベクトルg3のベクトル和が実質的にゼロであるように構成され得る。一部の実施形態において、第2の格子742、および、第3の格子743は、等しい格子ベクトルg3=g2を有し得る。一部の実施形態において、第3の格子743は、非存在であり得、幾分か基材720内で伝搬するインカップリングされる光は、第1の格子741、および、第2の格子742からの逐次的な回折により、導波路からアウトカップリングされ得る。一部の実施形態において、格子ベクトルg4を伴う第4の格子744が、第1の格子741、第2の格子742、または、第3の格子743のうちの1つと協働して、基材に入り込むインカップリングされる光を導波路からデカップリングするために設けられ得る。第4の格子744は、例えば外方基材表面703において配され得、その表面において、その第4の格子744は、第3の格子743と重ねられ、または積重され得る。一部の実施形態において、第4の格子744の格子ベクトルg4は、第1の格子741の格子ベクトルg1に等しくあり得る。
【0082】
図12は、実施形態による2層ディスプレイ導波路850を例解する。2層ディスプレイ導波路850は、上記で説明された導波路700の実施形態であり得る。2層ディスプレイ導波路850は、第1の層としての率n
2の基材852と、第2の層としての率n
1>n
2のHI層851とを含む。インカプラ格子830が、例えば、HI層の上部表面内のレリーフ格子として、HI層851内に、または、HI層851上に形成される。アウトカプラ840は、第1の格子841と、第2の格子842と、第3の格子83とを含み得る。格子830、841、842、および843は、上記で説明された導波路700の格子730、741、742、および743の実施形態であり得る。1つの実施形態において、2層ディスプレイ導波路850は、i)例えばエッチングによるレリーフ格子として、基材852の反対位置関係の両面において第2および第3の格子842、843を形成することと、ii)任意選択で、表面を平らにするために第2の格子842の上方に薄いキャッピング層を堆積させることと、iii)キャップ層855の上方に、または、基材852の上方に直接的に、HI層851を堆積させることとを含むプロセスにより形成され得る。1つの実施形態において、キャップ層855は、そのキャップ層855自体が2つ以上の層を含み得る。1つの実施形態において、基材は、非限定的な例として、例えば、好適にドープされ得るガラス、プラスチックなどの、1.4および2.0の範囲内の屈折率を伴う、光学的に透明な材料、または、低い光学損失、および、例えば1.5から1.9の望まれる範囲内の屈折率を伴う、任意の他の好適な光学材料のものであり得る。HI層851は、例えば2.2および2.6の範囲内の、基材852の屈折率より大である屈折率を伴う、光学的に透明な材料のものであり得る。HI層851に対して好適であり得る、より高い率の材料の例は、導波路700に言及して上記で列挙されたものを含む。
【0083】
図9A、9B、12は、アウトカプラ格子741~743が、導波路の反対位置関係の両表面において、および、基材-層界面において配される、実施形態を例解する。異なって配置される、および/または、異なって構成される格子を伴う、この実施形態の変形形態が、さらには構想され得る。それらの変形形態のうちの少なくとも一部において、第1および第2の格子は、導波路の外に、HI層内でトラップされる光を再指向するように構成され得る。一部の実施形態において、それらの格子は、例えばホログラフィック格子として、HI層の内方において形成され得る。一部の実施形態において、それらの格子は、HI層の内方において、HI層の表面において、または、基材とのHI層の界面において重ねられ得る。同様に、HI層内でトラップされないインカップリングされる光を再指向するように構成される第3の格子は、基材もしくはHI層の内方において形成され得、または、その第3の格子は、第1および第2の格子のうちのいずれか1つと重ねられ得る。一部の実施形態において、アウトカプラ740は、第3の出力格子を省き得る。
【0084】
図9A、9Bにおいて例解される例示的な多重層導波路700は、例えば、層の順序を変化させること、および/または、より多くの層を追加することにより修正され得る。画像光が、基材を通って導波路本体に進入し、次いで、HI層内に、または、そのHI層の表面において形成される入力格子により、HI層内へと、そのHI層内でのトラッピングのために注入される、実施形態が構想され得る。例えば、
図9Aの修正された実施形態において、画像光711は、基材720の外方表面703を通って導波路700に進入し、反射において動作するように構成される入力格子730により、HI層710内へとカップリングされた様態になり得る。別の実施形態において、入力格子730は、HI層710の中に、または、HI層710および基材720の界面702において形成され得る。別の実施形態において、追加的な層が、例えば、HI層の屈折率より低い屈折率を伴って、HI層の上方に配され得る。
【0085】
図13を参照すると、厚さd
1の中心層922と、それぞれ厚さd
0およびd
2の、2つの外方層921、923とから成り立つ導波路本体910を有する多重層導波路900の例示的な実施形態が例解される。多重層導波路900は、上記で説明された導波路120および410の実施形態であり得る。3つの層921、922、923は、可視光などの、動作スペクトル範囲の光に対して透明であり得、連続的な導波路本体910を形成し得る。中心層922は、2つの外方層921、923の屈折率n
2およびn
3より大である屈折率n
1を有し得る。屈折率n
2およびn
3は、同じであり、または異なり得る。一部の実施形態において、中心層と外方層との間の屈折率差は、0.3から1の範囲内で、または、一部の実施形態において、0.4から0.7の範囲内であり得る。一部の実施形態において、外方層921、923は、同じ屈折率n
2=n
3を有し得るが、外方層921、923が、相違する屈折率を有する、実施形態が構想され得る。一部の実施形態において、外方層921、923のうちの1つの屈折率は、他の2つの層のものより大であり得る。インカプラ930が、HI層922内へと画像光の少なくとも一部分をカップリングすることを、アウトカプラ340の方に、そのHI層922内で伝搬させるために行うように構成される。インカプラ930は、HI層922内に、もしくは、外方層のうちの1つとのそのHI層922の界面において形成され得る、1つもしくは複数の入力格子を含み、または、それらの入力格子の形式でのものであり得、例解される実施形態において、インカプラ930は、入力格子930として実現され、その入力格子930は、上部外方層921とHI層922との間の界面において配され、透過において動作する。アウトカプラ940が、導波路の平面においてインカプラから空間的にずらされ、ビューイング区域またはアイボックス954の方に、導波路内で伝搬する画像光をデカップリングするように構成される。一部の実施形態において、アウトカプラ940は、外方層921、922とのHI層922の界面において形成され得る2つの出力格子941および942を伴って形成される。一部の実施形態において、出力格子941および942の1つまたは両方は、HI層92の中に形成され得る。一部の実施形態において、出力格子941および942は重ねられ得る。入力格子930および出力格子942、942は、それらの格子の格子ベクトルが、製作正確度の差異は無視して、和が実質的にゼロになるように構成され得る。一部の実施形態において、アウトカプラ940は、例えば、外方層921、923のうちの少なくとも1つ内で伝搬する光を回折させるための、追加的な出力格子を含み得る。一部の実施形態において、アウトカプラ940は、第1の921層、および、第3の923層内で伝搬する光をアウトカップリングするための、2つの追加的な格子943、944を含み得る。一部の実施形態において、これらの2つの追加的な格子は、導波路900の外方表面991および994において配され得る。
【0086】
図13は、より大である屈折率n
1を有する中心層922と、より小さい屈折率n
2およびn
3の2つの外方層とを伴う導波路910の実施形態において、画像光911の2つの光線951、952の伝搬を概略的に例解する。2つの光線951および952は、導波路900のFOVの反対位置関係の両縁部に対応し得、光線951の伝搬角度β
TIRは、導波路900の、外方の面991、994におけるTIR条件により規定される。中心HI層922が非存在の場合に、光線952は、ほぼかすめる角度β
maxにおいて導波路内で伝搬していたことになり、そのことは、アウトカプラ940の長さに沿った光線-格子相互作用の数における、2つの光線951、952の間の大きい不一致を結果的に生じさせる。例としてのことであるが、n
2=n
3=1.9に対して、最大角度β
max=75度において導波路内で伝搬する「かすめる」光線952は、TIRで制限される光線951より約6倍少ない、導波路内での跳ね返り、および、出力格子との相互作用を有することになり、比率は、β
max=85度における、いっそう「かすめる」光線を考慮するとき、18に増大する。
【0087】
中心HI層922は、全体的には、HI層710との関係において、
図9Aおよび9Bを参照して上記で説明されたことと同様の手立てで、その中心HI層922自体の中でTIRにより、「かすめる」光線952をトラップするように構成される。層の、それらの層の屈折率への依存性のある、厚さd
0、d
1、およびd
2を好適に選択することにより、導波路のFOVの反対位置関係の両縁部における光線951および952に対する、アウトカプラ940に沿った、関連性のある光線-格子相互作用の数における差は、全体的には近似的に厚さ比率d
1/dだけ、実質的に低減され得、ここに、dは、導波路910の全厚さである。このことは、それぞれ、光線951および952の、これらの光線に対応する画像光がアウトカプラ940に沿って伝搬する際の、出力格子941および942を離れる、続けざまの回折により生み出される、アウトカップリングされる光線961(点線)および962(破線)を概略的に示す、
図13において例解される。図において認められ得るように、光線952および951に対する続けざまの回折事象の間の距離は、HI層922内でのそれらの光線の伝搬角度の大きい不一致にもかかわらず、近似的に同じであり得る。非限定的な例としてのことであるが、HI層の厚さd
1は、導波路の全厚さdの20から50%の範囲内であり得る。
【0088】
今から
図14に目を向けると、変動する屈折率を伴う、複数の光学的に透明な層981から形成される、連続的な導波路本体を有する例示的な多重層ディスプレイ導波路980が例解される。プレーナ導波路であり得る導波路980は、図において、その導波路の外方光学面と直角をなす平面による断面において示される。導波路980は、上記で説明された導波路120および410の実施形態であり得る。例解される実施形態において、5つの層981が、例としてのことであるが示されるが、導波路内の層の数は、他の実施形態において異なり得る。
図14の右における挿入物は、層の屈折率n
i、i=1、・・・、5を例解するプロットである。例解される例において、屈折率は、中間層に対して最も大であり、導波路の、外方の面の方へと減少するものであり、しかしながら、他の4つの層のいずれかが、導波路内で最も大である率を有する、実施形態がさらには構想され得る。例えば、1つの実施形態において、2つの上部層、または、2つの下部層は、最も高い率の層が導波路の外方表面に近接するように、省かれ得る。導波路の厚さの方向、図におけるz軸における屈折率変動の振れ幅Δnは、約0.3より大であり、または好ましくは、約0.4より大であり得る。層の屈折率n
iおよび厚さd
iは、より小さい伝搬角度βにおいて導波路内へとカップリングされる光線よりも、導波路の本体の、より狭い一部分の中に、より多くの「滑空する(gliding)」光線を拘束するように選択され得る。インカプラ983が、導波路の高屈折率層または複数の層内へと、画像光911の少なくとも一部の一部分をカップリングするように配され得、例えば、インカプラ983は、画像光の源(図示せず)に対して近傍の中心層の界面において配される回折格子として実現され得る。アウトカプラ984が、インカプラ983から横にずらされ、導波路の高屈折率部分内に拘束される光を含む、インカップリングされる画像光を、導波路の外に再指向するように配され得る。例えば、アウトカプラ983は、
図14において例解されるように、外方の、より低い率の層との中心層の界面において配され得る2つの回折格子によって実現され得る。一部の実施形態において、1つまたは複数の、追加的な入力格子、および/または、追加的な出力格子が設けられ得る。
【0089】
今から
図15に目を向けると、導波路厚さの方向において、すなわち、図におけるz軸に沿って間断なく変動する屈折率nを有する例示的な屈折率分布ディスプレイ導波路990が例解される。プレーナ導波路であり得る導波路990は、図において、その導波路の、外方の面と直角をなす平面による断面において示される。導波路990は、上記で説明された導波路120および410の実施形態であり得る。
図15の右における挿入物は、「深さ」座標zの関数n=n(z)として屈折率を例解するプロットである。例解される例において、導波路は、導波路の本体の中間において、最も大である屈折率を伴って、「深さ」方向(z軸)において対称的であり、しかしながら、導波路の、外方の面に関係のある、屈折率の非対称的な率分布を伴う実施形態が、さらには構想され得、それらの実施形態のうちの一部は、最も高い率の一部分が導波路の外方表面の隣であるときを含むが、外方の導波路の面のうちの一方に、他方によりも近い、最も大である率の場所を有し得る。導波路の厚さの方向、図におけるz軸における屈折率変動の振れ幅Δnは、約0.3より大であり、または好ましくは、約0.4より大であり得る。「深さ」座標zの関数としての屈折率n(z)の分布は、より小さい伝搬角度βにおいて導波路内へとカップリングされる光線よりも、導波路の本体の、より狭い一部分の中に、より多くの「滑空する」光線を拘束するように最適化され得る。インカプラ1583およびアウトカプラ1584が、全体的には、
図9A、9B、12~14を参照して上記で説明されたように、より高い率の一部分内へと画像光911のうちの少なくとも一部をカップリングするために、および、導波路の外に、インカップリングされる光をデカップリングするために、導波路の、より高い率の一部分内に配される回折格子によって実現され得る。例えば、アウトカプラ1584は、導波路の中間部分内で、その導波路の高屈折率領域内で、互いに対して近く配され、または、重ねられ得る、2つの回折格子によって実現され得る。屈折率分布実施態様は、層界面において屈折率における急激な段部を伴う多重層実施態様にまさる、いくらかの利点を有し得る。これらの利点は、屈折率段部を離れる画像光の反射を回避すること、ならびに、画像光の、異なる色および入射の角度にまたがる、瞳複製密度の、より良好な均質化を含み得る。上記で説明されたような屈折率分布プレーナ導波路は、例えば、層融合により実現され得る。
【0090】
図9A~15を参照して上記で説明された実施形態は、ディスプレイシステムにおいて画像光を伝達するためのディスプレイ導波路であって、2つの外方表面と、それらの外方表面の間の厚さと、厚さの方向において変動する屈折率とを伴う、連続的な導波路本体を有する、導波路の例である。導波路は、入力区域内に配され、出力区域の方に伝搬させるために、導波路本体内へと画像光をカップリングするように構成される入力カプラと、出力区域内に配され、アイボックスの方に伝搬させるために、導波路本体の外に画像光をカップリングするように構成される出力カプラとをさらに含む。導波路本体は、入力区域と、その入力区域からずらされる出力区域とを有し、入力区域からの画像光を出力区域の方に導波するように構成される。
図13~15を参照して上記で説明された実施形態などの、一部の実施形態において、屈折率は、外方表面に近接する導波路本体の一部分内より、外方表面どうしの間の導波路本体の中間部分内で大である。
図9A~12を参照して上記で説明された実施形態などの、一部の実施形態において、屈折率は、導波路本体の、その導波路本体の外方表面のうちの1つに近接する、一部分内で、より大である。
【0091】
上記で説明された実施形態は、導波路によって画像光源からの画像光をアイボックスに伝達するための方法であって、画像光の第1の一部分を、導波路の本体の、画像光の第2の一部分より小さい体積内に選択的に拘束することを、導波路の外への、それらの一部分の閉じ込め解除(de-cooping)の条件を等しくするために行うことによる、方法を実現する。
【0092】
一部の実施形態において、方法は、2つの反対位置関係にある外方表面と、それらの外方表面の間の高屈折率部分とを含む導波路の入力区域上へと、画像光を指向することであって、高屈折率部分は、導波路の入力区域から、その導波路の出力区域まで広がり、高屈折率部分は、導波路本体の、その導波路本体の反対位置関係にある外方表面のうちの1つに近接する、一部分より大である屈折率を有する、画像光を指向することと、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲において、導波路本体内へと画像光をカップリングすることと、第1の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第1の光線が、導波路の反対位置関係にある外方表面における全内部屈折により出力区域の方に導波され、一方で、第2の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第2の光線が、導波路本体の高屈折率部分の中で出力区域の方に伝搬するように、入力区域から出力区域に導波路内で画像光を伝搬させることとを含み得る。
【0093】
一部の実施形態において、方法は、2つの反対位置関係にある外方表面と、それらの外方表面の間の中間部分とを含む導波路の入力区域上へと、画像光を指向することであって、中間部分は、導波路の入力区域から、その導波路の出力区域まで広がり、中間部分は、導波路本体の、その導波路本体の反対位置関係にある外方表面に近接する、一部分より大である屈折率を有する、画像光を指向することと、第1の伝搬角度と第2の伝搬角度とを含む伝搬角度の範囲において、導波路本体内へと画像光をカップリングすることと、第1の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第1の光線が、導波路の反対位置関係にある外方表面における全内部屈折により出力区域の方に導波され、一方で、第2の伝搬角度において導波路内へとカップリングされる画像光の第2の光線が、導波路本体の中間部分の中で出力区域の方に伝搬するように、入力区域から出力区域に導波路内で画像光を伝搬させることとを含み得る。
【0094】
図16を参照すると、一部の実施形態において、例としてのことであるが例解される、2層導波路1102などの、多重層または屈折率分布導波路が、導波路積重体1100を形成するために、第2の導波路1101と組み合わされ得る。導波路1102は、
図9A~15のいずれかを参照して上記で説明されたようなものであり得る。第2の導波路は、
図2~4において示されるタイプの単一層導波路、または、導波路厚さの方向において変動する屈折率を伴う、上記で説明された多重層もしくは屈折率分布導波路のいずれかであり得る。ギャップが、2層導波路1102、および、第2の導波路1101を分離し得る。ギャップは、空気ギャップ、真空ギャップであり得、または、そのギャップは、導波路の屈折率より低い屈折率の材料を含み得る。導波路のインカプラ1131、1132、および、アウトカプラ1141、1142は、異なる波長範囲に対して最適化され得る。例えば、2層導波路1102のインカプラ1132およびアウトカプラ1142は、青および緑色チャネルの光をkするために最適化され得、一方で、第2の導波路1101のインカプラ1131およびアウトカプラ1141は、赤色チャネルの光をカップリングするために最適化され得る。一部の実施形態において、1つまたは複数の色チャネルの光は、例えば入射の角度に依存して、2つの導波路の各々により伝達され得る。
【0095】
図17Aは、フレームまたは複数のフレーム1215により支持される2つの導波路アセンブリ1210を含む両眼ニアアイディスプレイ(NED)1200の例示的な配置設計を概略的に例解する。導波路アセンブリ1210の各々は、ディスプレイプロジェクタ1260からの画像光を、ユーザの異なる目に伝達するように構成される。インカプラ1230が、対応するインカプラ1230の方に画像光を投射するために配され得る、共通マイクロディスプレイプロジェクタ、または、2つの別々のマイクロディスプレイプロジェクタ1260とともに設けられ得る。導波路アセンブリ1210は、各々、上記で説明されたような、ターゲットFOV内の多色光を導波するように構成され得る単一の多重層もしくは屈折率分布導波路の形式でのものであり、または、その単一の多重層もしくは屈折率分布導波路を含み得る。各々の導波路は、インカプラ1230と、アウトカプラ1240とを含み、各々のインカプラは、対応するアウトカプラと対角に位置合わせされる。他の実施形態において、対応するアウトカプラ1240の周辺部におけるインカプラ1230の配置は異なり得る。各々のアウトカプラ1240は、さらには導波路の射出瞳と呼称され得る、アイボックス投射区域1251を含み、その区域から、動作において、画像光がユーザの目に投射される。アイボックスは、良好な品質の画像がユーザの目に提示され得る、および、動作において、ユーザの目が、場所を定められることを予期される、幾何学的区域である。アイボックス投射区域1251は、それらの区域の中心を接続する軸1201上に配され得る。軸1201は、NEDを着用するユーザの目と好適に位置合わせされ、または、少なくともユーザの目を接続する線に平行であり得、水平軸(x軸)と呼称され得る。インカプラ1230は、全体的にはそれぞれの導波路アセンブリのアイボックス投射区域1251の方に指向され得る格子ベクトルg
0を伴う、回折格子の形式でのものであり得る。各々のアウトカプラ1240は、互いに対して所定の角度において向きを定められるそれぞれの格子の格子ベクトルg
1およびg
2を伴う、2つの回折格子の形式でのものであり得る。これらの格子は、各々の導波路の高屈折率部分において配されることが、上記で説明されたように、それらの高屈折率部分内で画像光をカップリングするために、および、導波路の外に、高屈折率層または領域内で伝搬する光をデカップリングするために行われ得る。インカプラおよびアウトカプラの格子は、
図17Bにおいて例解されるベクトル線図を満足させるように構成され得る。一部の実施形態において、各々の導波路アセンブリ1210は、格子ベクトルg
0、g
1、およびg
2を伴う、上記で説明されたような、2つ以上の導波路を伴う導波路積重体の形式でのものであり、または、その導波路積重体を含み得、それらの格子ベクトルは、積重体の各々の導波路に対して長さにおいて異なり得、異なる色チャネルを伝達するために最適化され得る。一部の実施形態において、積重体の各々の導波路の格子は、上記で説明されたような、サポートされるFOV、または、少なくともサポートされるFOVのあらかじめ規定された中心一部分内への、一度回折させられる周囲光の漏れを、回避する、または、少なくとも、より少なくするように構成され得る。
【0096】
本開示の実施形態は、人工現実システムを含み、または、人工現実システムと連関して実現され得る。人工現実システムは、ユーザへの提示の前に、何らかの様式で、視覚情報、オーディオ、タッチ(体性感覚(somatosensation))情報、加速度、平衡、その他などの、知覚を通して取得される、外側世界に関する知覚的情報を調整する。非限定的な例としてのことであるが、人工現実は、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、または、それらの何らかの組合せおよび/もしくは派生物を含み得る。人工現実コンテンツは、全面的に生成されるコンテンツ、または、捕捉される(例えば、現実世界)コンテンツと組み合わされる生成されるコンテンツを含み得る。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、体性もしくは触覚フィードバック、または、それらの何らかの組合せを含み得る。このコンテンツのいずれも、単一のチャネルにおいて、または、ビューアに対する3次元効果を生み出すステレオビデオにおいてなど、複数個のチャネルにおいて提示され得る。さらにまた、一部の実施形態において、人工現実は、さらには、例えば人工現実においてコンテンツを創出するために使用される、および/または、他の形で人工現実において使用される(例えば、人工現実において活動を遂行する)、アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、または、それらの何らかの組合せと関連付けられ得る。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されるHMD、スタンドアローンHMD、眼鏡のフォームファクタを有するニアアイディスプレイなどのウェアラブルディスプレイ、モバイルデバイス、もしくはコンピューティングシステムを含む様々なプラットフォーム、または、1つもしくは複数のビューアに人工現実コンテンツを提供する能力がある任意の他のハードウェアプラットフォーム上で実現され得る。
【0097】
図18Aを参照すると、HMD1300は、AR/VR環境内への、より大である度合の没入のためにユーザの顔を囲む、AR/VRウェアラブルディスプレイシステムの例である。HMD1300は、例えば、
図1Aの導波路ディスプレイ100、または、
図17AのNED1200の実施形態であり得る。HMD1300の機能は、コンピュータで生成される映像によって物理的現実世界環境のビューを拡張すること、および/または、全面的に仮想の3D映像を生成することである。HMD1300は、前部本体1302と、バンド1304とを含み得る。前部本体1302は、信頼性の高い、および心地よい様式での、ユーザの目の前部における配置のために構成され、バンド1304は、ユーザの頭部上で前部本体1302を据え付けるために引き伸ばされ得る。ディスプレイシステム1380が、ユーザにAR/VR映像を提示するために、前部本体1302内に配され得る。前部本体1302の側部1306は、不透明または透明であり得る。ディスプレイシステム1380は、画像プロジェクタ1314に結合される、上記で説明されたようなディスプレイ導波路を含み得る。
【0098】
一部の実施形態において、前部本体1302は、ロケータ1308と、HMD1300の加速度を追跡するための慣性測定ユニット(IMU)1310と、HMD1300の位置を追跡するための位置センサ1312とを含む。IMU1310は、HMD1300のモーションに応答して1つまたは複数の測定信号を生成する、位置センサ1312のうちの1つまたは複数から受け取られる測定信号に基づいて、HMD1300の位置を指示するデータを生成する電子デバイスである。位置センサ1312の例は、1つもしくは複数の加速度計、1つもしくは複数のジャイロスコープ、1つもしくは複数の磁気計、モーションを検出する別の好適なタイプのセンサ、IMU1310の誤差補正のために使用される所定のタイプのセンサ、または、それらの何らかの組合せを含む。位置センサ1312は、IMU1310の外部に、IMU1310の内部に、または、それらの何らかの組合せで、場所を定められ得る。
【0099】
ロケータ1308は、仮想現実システムがHMD1300の場所および向きを追跡することができるように、仮想現実システムの外部イメージングデバイスによりトレースされる。IMU1310および位置センサ1312により生成される情報が、HMD1300の位置および向きの改善される追跡正確度のために、ロケータ1308を追跡することにより取得される位置および向きと比較され得る。正確な位置および向きは、適切な仮想風景をユーザに提示することを、そのユーザが3D空間において、動き、回る際に行うために重要である。
【0100】
HMD1300は、HMD1300の一部またはすべてを包囲する局所的区域の深度情報を説明するデータを捕捉する深度カメラアセンブリ(DCA)1311をさらに含み得る。その最終目的のために、DCA1311は、レーザレーダ(LIDAR)、または同様のデバイスを含み得る。深度情報は、3D空間におけるHMD1300の位置および向きの決定の、より良好な正確度のために、IMU1310からの情報と比較され得る。
【0101】
HMD1300は、リアルタイムでユーザの目の向きおよび位置を決定するための目追跡システムをさらに含み得る。ユーザの目の決定される位置は、HMD1300が(自己)調整手順を遂行することを可能とする。目の取得される位置および向きは、さらには、HMD1300が、ユーザの視線方向を決定すること、および、そのことに応じて、ディスプレイシステム1380により生成される画像を調整することを可能とする。1つの実施形態において、バーゼンス(vergence)、すなわち、ユーザの目の視線の輻輳角度(convergence angle)が決定される。決定される視線方向およびバーゼンス角度が、さらには、ビューの角度および目の位置に依存的な視覚アーチファクトのリアルタイム補償のために使用され得る。さらにまた、決定されるバーゼンスおよび視線角度は、ユーザとの相互作用、オブジェクトをハイライトすること、オブジェクトを前景にもっていくこと、追加的なオブジェクトまたはポインタを創出すること、その他のために使用され得る。例えば、前部本体1302内に作り付けられる小さいスピーカのセットを含む、オーディオシステムが、さらには設けられ得る。
【0102】
図18Bを参照すると、AR/VRシステム1350は、
図1Aの導波路ディスプレイ100、または、
図17AのNED1200の例示的な実施態様であり得る。AR/VRシステム1350は、
図18AのHMD1300と、様々なAR/VRアプリケーション、セットアップおよび較正手順、3Dビデオ、その他を記憶する外部コンソール1390と、コンソール1390を動作させる、および/または、AR/VR環境と相互作用するための入力/出力(I/O)インターフェイス1315とを含む。HMD1300は、物理的ケーブルによってコンソール1390に「つながれ」、または、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、その他などのワイヤレス通信リンクによってコンソール1390に接続され得る。関連付けられるI/Oインターフェイス1315を各々が有する、複数個のHMD1300が存在し得、各々のHMD1300およびI/Oインターフェイス1315は、コンソール1390と通信する。代替的構成において、異なる、および/または追加的な構成要素が、AR/VRシステム1350内に含まれたものであり得る。加えて、
図18Aおよび18Bにおいて示される構成要素のうちの1つまたは複数と連関して説明される機能性は、一部の実施形態において、
図18Aおよび18Bと連関して説明されるのと異なる様式で、構成要素の間で分け散らされ得る。例えば、コンソール1315の機能性の一部またはすべては、HMD1300により提供され得、逆もしかりである。HMD1300は、そのような機能性を達成する能力がある処理モジュールを設けられ得る。
【0103】
図18Aを参照して上記で説明されたように、HMD1300は、目の位置および向きを追跡すること、視線角度および輻輳角度を決定すること、その他のための目追跡システム1325と、3D空間におけるHMD1300の位置および向きを決定するためのIMU1310と、外側環境を捕捉するためのDCA1311と、HMD1300の位置を独立的に決定するための位置センサ1312と、ユーザにAR/VRコンテンツを表示するためのディスプレイシステム1380とを含み得る。ディスプレイシステム1380は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ディスプレイ(OLED)、無機発光ディスプレイ(ILED)、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、透明有機発光ダイオード(TOLED)ディスプレイ、プロジェクタ、または、それらの組合せを含むが、それらに限定されない、1つもしくは複数の走査プロジェクタ、または、1つもしくは複数の電子ディスプレイなどの、1つまたは複数の画像プロジェクタ1314を含む(
図18B)。ディスプレイシステム1380は、ディスプレイ導波路1330をさらに含み、そのディスプレイ導波路1330の機能は、画像プロジェクタ1314により生成される画像をユーザの目に伝達することである。ディスプレイシステム1380は、光学部品ブロック1335をさらに含み得、その光学部品ブロック1335は、様々なレンズ、例えば、屈折レンズ、Fresnelレンズ、回折レンズ、能動または受動Pancharatnam-Berry位相(PBP)レンズ、液体レンズ、液晶レンズ、その他、瞳複製導波路、格子構造、コーティング、その他を含み得る。一部の実施形態において、光学部品ブロック1335は、例えば、バーゼンス調節矛盾(vergence-accommodation conflict)に対して補償するために、個別のユーザの視力障害に対して補正するために、収差を相殺するために、その他で、可変焦点機能性、光学部品ブロック1330の焦点を調整するための可変焦点モジュールを含み得る。
【0104】
I/Oインターフェイス1315は、ユーザが、アクション要求を送出し、コンソール1390から応答を受け取ることを可能とするデバイスである。アクション要求は、個別のアクションを遂行するための要求である。例えば、アクション要求は、画像もしくはビデオデータの捕捉を開始もしくは終了するための命令、または、アプリケーションの中で個別のアクションを遂行するための命令であり得る。I/Oインターフェイス1315は、アクション要求を受け取り、コンソール1390にアクション要求を伝えるための、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、または、任意の他の好適なデバイスなどの、1つまたは複数の入力デバイスを含み得る。I/Oインターフェイス1315により受け取られるアクション要求は、アクション要求に対応するアクションを遂行するコンソール1390に伝えられる。一部の実施形態において、I/Oインターフェイス1315は、I/Oインターフェイス1315の初期位置に相対的な、I/Oインターフェイス1315の推定される位置を指示する較正データを捕捉するIMUを含む。一部の実施形態において、I/Oインターフェイス1315は、コンソール1390から受け取られる命令によって、ユーザに触覚フィードバックを提供し得る。例えば、触覚フィードバックは、アクション要求が受け取られるときに提供され得、または、コンソール1390は、コンソール1390がアクションを遂行するときに触覚フィードバックを生成することをI/Oインターフェイス1315に行わせる、I/Oインターフェイス1315への命令を伝える。
【0105】
コンソール1390は、IMU1310、DCA1311、目追跡システム1325、およびI/Oインターフェイス1315のうちの1つまたは複数から受け取られる情報によって処理するために、HMD1300にコンテンツを提供し得る。
図18Bにおいて示される例において、コンソール1390は、アプリケーション記憶機構1355と、追跡モジュール1360と、処理モジュール1365とを含む。コンソール1390の一部の実施形態は、
図18Bと連関して説明されるモジュールまたは構成要素と異なる、モジュールまたは構成要素を有し得る。同様に、下記でさらに説明される機能は、
図18Aおよび18Bと連関して説明されるのと異なる様式で、コンソール1390の構成要素の間で分け散らされ得る。
【0106】
アプリケーション記憶機構1355は、コンソール1390による実行のための1つまたは複数のアプリケーションを記憶し得る。アプリケーションは、プロセッサにより実行されるときに、ユーザへの提示のためのコンテンツを生成する、命令の群である。アプリケーションにより生成されるコンテンツは、HMD1300またはI/Oインターフェイス1315の動きによってユーザから受け取られる入力に応答したものであり得る。アプリケーションの例は、ゲーミングアプリケーション、プレゼンテーションおよび会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または、他の好適なアプリケーションを含む。
【0107】
追跡モジュール1360は、1つまたは複数の較正パラメータを使用してAR/VRシステム1350を較正し得、HMD1300またはI/Oインターフェイス1315の位置の決定における誤差を低減するために、1つまたは複数の較正パラメータを調整し得る。追跡モジュール1360により遂行される較正は、さらには、HMD1300内のIMU1310、および/または、もしあれば、I/Oインターフェイス1315内に含まれたものであるIMUから受け取られる情報に対して責任をもつ。加えて、HMD1300の追跡が逃れられる場合、追跡モジュール1360は、AR/VRシステム1350の一部またはすべてを再較正し得る。
【0108】
追跡モジュール1360は、HMD1300の、または、I/Oインターフェイス1315、IMU1310、もしくは、それらの何らかの組合せの、動きを追跡し得る。例えば、追跡モジュール1360は、HMD1300からの情報に基づいて、局所的区域のマッピングにおけるHMD1300の基準点の位置を決定し得る。追跡モジュール1360は、さらには、それぞれ、IMU1310からのHMD1300の位置を指示するデータを使用して、または、I/Oインターフェイス1315内に含まれたものであるIMUからのI/Oインターフェイス1315の位置を指示するデータを使用して、HMD1300の基準点、または、I/Oインターフェイス1315の基準点の位置を決定し得る。さらにまた、一部の実施形態において、追跡モジュール1360は、IMU1310からのHMD1300の位置を指示するデータの一部分、および無論のこととして、DCA1311からの局所的区域の表現を使用して、HMD1300の将来の場所を予測し得る。追跡モジュール1360は、HMD1300またはI/Oインターフェイス1315の、推定または予測される将来の位置を、処理モジュール1365に提供する。
【0109】
処理モジュール1365は、HMD1300から受け取られる情報に基づいて、HMD1300の一部またはすべてを包囲する区域(「局所的区域」)の3Dマッピングを生成し得る。一部の実施形態において、処理モジュール1365は、深度を計算することにおいて使用される技法に対して関連性のある、DCA1311から受け取られる情報に基づいて、局所的区域の3Dマッピングに対する深度情報を決定する。様々な実施形態において、処理モジュール1365は、深度情報を使用して、局所的区域のモデルを更新し、更新されるモデルに部分的に基づいてコンテンツを生成し得る。
【0110】
処理モジュール1365は、AR/VRシステム1350の中でアプリケーションを実行し、HMD1300の、位置情報、加速度情報、速度情報、予測される将来の位置、または、それらの何らかの組合せを、追跡モジュール1360から受け取る。受け取られる情報に基づいて、処理モジュール1365は、ユーザへの提示のためにHMD1300に提供するためのコンテンツを決定する。例えば、受け取られる情報が、ユーザが左を眺めたことを指示する場合、処理モジュール1365は、仮想環境内での、または、追加的なコンテンツによって局所的区域を拡張する環境内での、ユーザの動きを反映する、HMD1300に対するコンテンツを生成する。加えて、処理モジュール1365は、I/Oインターフェイス1315から受け取られるアクション要求に応答して、コンソール1390上で実行するアプリケーションの中でアクションを遂行し、アクションが遂行されたという、ユーザへのフィードバックを提供する。提供されるフィードバックは、HMD1300による視覚もしくは可聴フィードバック、または、I/Oインターフェイス1315による触覚フィードバックであり得る。
【0111】
一部の実施形態において、目追跡システム1325から受け取られる目追跡情報(例えば、ユーザの目の向き)に基づいて、処理モジュール1365は、画像プロジェクタ1314によるユーザへの提示のための、HMD1300に提供されるコンテンツの解像度を決定する。処理モジュール1365は、ユーザの視線の中心窩領域において最大画素解像度を有する、HMD1300へのコンテンツを提供し得る。処理モジュール1365は、ユーザの視線の周辺部において、より低い画素解像度を提供し得、かくして、ユーザの視覚体験を損なうことなく、AR/VRシステム1350の電力消費をより少なくし、コンソール1390の計算リソースを節約する。一部の実施形態において、処理モジュール1365は、さらに、バーゼンス調節矛盾を防止するために、ならびに/または、光学ひずみおよび収差を相殺するために、目追跡情報を使用して、どこにオブジェクトがユーザの目に対して表示されるかを調整することができる。
【0112】
本明細書において開示される態様と結び付いて説明される、様々な例解的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実現するために使用されるハードウェアは、本明細書において説明される機能を遂行するように設計される、汎用目的プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理、離散ハードウェア構成要素、または、それらの任意の組合せによって、実現または遂行され得る。汎用目的プロセッサは、マイクロプロセッサであり得、ただし、代替案において、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、さらには、コンピューティングデバイスの組合せ、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連関した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または、任意の他のそのような構成として実現され得る。代替案として、一部のステップまたは方法は、所与の機能に特異的である回路網により遂行され得る。
【0113】
本開示は、本明細書において説明される特定の実施形態により、範囲において限定されるべきではない。実際のところ、本明細書において説明される実施形態および修正形態に加えて、他の様々な実施形態および修正形態が、前述の説明、および、添付図面から、当業者に明らかであることになる。かくして、そのような他の実施形態および修正形態は、本開示の範囲の中に収まることが意図される。さらに、本開示は、個別の目的のための個別の環境における個別の実施態様の文脈において、本明細書において説明されたが、当業者は、本開示の有用性はその実施態様に限定されないこと、および、本開示は任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実現され得ることを認識することになる。よって、下記で論述される特許請求の範囲は、特許請求の範囲の、最大限の広さおよび範囲の見地において解釈されるべきである。
【国際調査報告】