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特表2022-553978側面装着の車輪付き前輪モータ駆動自転車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-27
(54)【発明の名称】側面装着の車輪付き前輪モータ駆動自転車
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/65 20100101AFI20221220BHJP
   B62M 6/25 20100101ALI20221220BHJP
   B62M 7/12 20060101ALI20221220BHJP
【FI】
B62M6/65
B62M6/25
B62M7/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022523715
(86)(22)【出願日】2020-10-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 GB2020052648
(87)【国際公開番号】W WO2021079113
(87)【国際公開日】2021-04-29
(31)【優先権主張番号】1915272.7
(32)【優先日】2019-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518032111
【氏名又は名称】カーボン キネティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ソープ リチャード
(57)【要約】
側面装着サイクル車輪用の駆動システムであって、側面装着のサイクル車輪を装着するための車輪ハブと、側面装着の車輪サイクルを駆動するためのモータドライブであって、電気モータと、車輪ハブ内に少なくとも部分的に位置付けられ、1つ以上の遊星ギアを備える遊星ギア減速アセンブリと、を備える、モータドライブと、車輪ハブをモータドライブに回転可能に結合する回転車輪ハブ軸受と、を備え、回転車輪ハブ軸受は、電気モータと遊星ギアとの間に横方向に位置付けられている、駆動システム。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面装着の車輪用の駆動システムであって、
前記側面装着の車輪を装着するための車輪ハブと、
前記側面装着の車輪を駆動するためのモータドライブであって、電気モータと、前記車輪ハブ内に少なくとも部分的に位置付けられ、1つ以上の遊星ギアを備える遊星ギア減速アセンブリと、を備える、モータドライブと、
前記車輪ハブを前記モータドライブに回転可能に結合する回転車輪ハブ軸受と、を備え、
前記回転車輪ハブ軸受が、前記電気モータと前記遊星ギアとの間に横方向に位置付けられている、駆動システム。
【請求項2】
前記回転車輪ハブ軸受が、前記側面装着の車輪の車輪回転軸と同軸である、請求項1に記載の駆動システム。
【請求項3】
前記回転車輪ハブ軸受の内径が、前記電気モータのステータの外径よりも小さい、請求項1または2に記載の駆動システム。
【請求項4】
前記回転車輪ハブ軸受の内径が、前記遊星ギア減速アセンブリの外径よりも小さい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の駆動システム。
【請求項5】
前記回転車輪ハブ軸受の内径が、前記遊星ギア減速アセンブリの遊星入力フランジ外径よりも小さい、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の駆動システム。
【請求項6】
前記モータドライブが、前記側面装着の車輪の車輪回転軸と同軸である遊星入力フランジと、モータ出力フランジと、をさらに備え、前記遊星入力フランジおよび前記モータ出力フランジが、前記回転車輪ハブ軸受の内面と共通のインターフェースを共有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記回転車輪ハブ軸受が、第1の回転車輪ハブ軸受であり、前記駆動システムが、前記車輪ハブを前記モータドライブに回転可能に結合する第2の回転車輪ハブ軸受をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の駆動システム。
【請求項8】
前記第2の回転車輪ハブ軸受が、前記第1の回転車輪ハブ軸受に対して遊星ギア減速アセンブリの反対側に位置付けられている、請求項7に記載の駆動システム。
【請求項9】
サイクルであって、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の駆動システムの前記車輪ハブに装着された側面装着の車輪を備える、サイクル。
【請求項10】
前記側面装着の車輪が、前面装着の車輪である、請求項9に記載のサイクル。
【請求項11】
前記側面装着の車輪が、後面装着の車輪である、請求項9に記載のサイクル。
【請求項12】
前記サイクルが、ペダル駆動サイクルである、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のサイクル。
【請求項13】
電動車両であって、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の駆動システムの前記車輪ハブに装着された前面装着の車輪を備える、電動車両。
【請求項14】
前記電動車両が、電動スクーターである、請求項13に記載の電動車両。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在の最先端の電動自転車には、前輪または後輪、さらにはペダルを駆動する電気モータが搭載されている。これらのモータには、自転車が通常の速度で走行しているときに、モータシャフトの出力rpmを下げて、自転車のペダルまたは車輪の速度に最適に一致させる減速ギアボックスまたはチェーンまたはベルト駆動システムが搭載されている。ギア付きの減速ギアボックスの場合、ギアの遊星配置が最も頻繁に使用され、よく理解されている。
【0002】
モータギアボックスが前輪に直接取り付けられている電動自転車の場合、モータギアボックスは、自転車の前輪のハブ内に装着されている。このハブは、ダブルレッグフォークへの装着に適した車軸が取り付けられ、ハブフランジに自転車の車輪のスポークを受容するための穴を有するという点で、従来のモータレス前輪ハブと概ね類似している。車軸は前輪フォークの端部に堅固に装着されており、中心車軸への接続を通してモータから自転車のフォークにトルクを伝達できるため、乗り手および自転車はモータの力で加速することができる。
【0003】
しかしながら、いくつかの自転車および電動自転車は、片面からのみ装着された車輪を有する。この片面装着の車輪配置の明確な利点は、従来の両面装着の車輪設計の自転車で行う必要があるように、ユーザが自転車から車輪を取り外さずにタイヤがパンクした場合にタイヤを交換できることである。しかしながら、片面装着の前輪設計の欠点は、片持ち式の装着配置により、前車軸上にねじり力モーメントが存在することである。そのため、片面装着の前輪には、従来の両面装着の設計に見受けられる車軸よりも直径が大幅に大きい前車軸が必要である。
【0004】
片面装着車輪の自転車の前輪に電動モータおよび減速ギアボックスを装着する場合、従来の両面装着の電動自転車前輪ハブモータを片面からのみ前輪フォークに固定することは不可能であり、それは、スルー車軸の直径が片持ち曲げ力に耐えるのに十分な大きさではないためである。片持ち曲げ力を考慮してシャフトの直径を大きくすると、モータおよび遊星ギアおよびハブの直径が過度に大きくなり、かつ重量が大きくなり、それは、望ましくなく、商業的に実現できなくなる。これは前輪ハブ電動駆動の太陽ギアが車軸に切り込まれ、車軸の直径が大きくなった場合、同じギア減速比を維持するために、遊星ギアボックスの遊星ギアおよびリングギアも、サイズを大きくする必要があるためである。
【0005】
いくつかの既存の側面装着の前輪電気モータドライブは、大径の前軸内に遊星ギアおよびモータを収容し、軸の外径に装着されているのは、前輪ハブおよび車輪の回転を促進する2つの回転軸受である。モータドライブは、一方向タイプの軸受結合を伴うより大きい特大車軸の端を通して、この外車輪ハブに接続されている。この配置には、太陽ギア、遊星ギア、およびリングギアを比較的小さくする必要があるという制限があり、この設計の欠点は、これらの小さなギアが、十分に高いトルクを処理する能力を制限され得ることである。
【0006】
設計者は、高強度の材料を使用することでこれを克服することができるが、この解決法の欠点は、ギアの騒音レベルが高くなることである。これらの設計の別の欠点は、特大のシャフト上に装着される回転軸受は、電動自転車構成要素のコスト基準に対して大きく、重く、かつ高価になる傾向があることである。これは、シャフトの直径が遊星ギア駆動を収容するのに十分な大きさでなければならないためである。これは、遊星ギア駆動が低ノイズを示すように設計されている場合に特に明白であり、通常、プラスチックギアを使用する必要があり、これらのギアが十分なトルクを伝達できるようにするためには、直径が十分に大きい必要がある。その結果として、既存の側面装着の前輪電気モータドライブは、小型で軽量だがノイズが多いか、または静かであるが、遊星ギアボックスの周りにフィットさせるために必要な特大軸受のせいで大きく、重く、高価になるかのいずれかになり得る。
【0007】
既存の片面装着の前輪ハブ電気駆動の別の欠点は、前輪モータドライブの最短の横幅を維持するために、2つの前輪ハブ軸受間の距離が片面フォーク装着アームと車輪スポークとの間で概して制限されることである。ディスクブレーキを使用する場合、この距離はさらに制限され、その結果、車輪ハブの軸受間隔が最適ではなくなる可能性があり、それによって、前輪振れおよびぐらつきが許容範囲を超え得るか、または許容可能な振れおよびぐらつきを維持するために過度の精度およびコストが必要になり得る。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、側面装着の車輪用の駆動システムが提供され、駆動システムは、側面装着の車輪を装着するための車輪ハブと、側面装着の車輪を駆動するためのモータドライブであって、電気モータと、車輪ハブ内に少なくとも部分的に位置付けられ、1つ以上の遊星ギアを備える遊星ギア減速アセンブリと、を備える、モータドライブと、車輪ハブをモータドライブに回転可能に結合する回転車輪ハブ軸受と、を備え、回転車輪ハブ軸受は、電気モータと遊星ギアとの間に横方向に位置付けられている。
【0009】
本発明のハブ軸受およびシャフト装着配置は、現行の側面装着の車輪駆動電動車両の設計の欠点に対処する。代わりに遊星ギアボックスの外周の周りに位置付けられた回転軸受を有する既知の配置と比較して、遊星ギアシステムとモータ構成要素との間の領域に回転車輪ハブ軸受を位置付けると、適度なサイズのハブ軸受を使用しやすくなり、また静音のプラスチックギアを使用することができる、十分に大径の遊星ギア設計を可能にする。この構成は、自然に小径のモータピニオン太陽ギアの周りの利用可能な空間を利用し、これには、前輪ハブ軸受間の距離を大きくして、より最適な間隔を提供するという利点もある。
【0010】
使用中、側面装着の車輪は、例えば、ねじ山接続または同様のものを使用して、車輪ハブが車輪の回転軸と同軸になるように、車輪ハブに結合することができる。
【0011】
遊星ギア減速アセンブリは、車輪ハブ内に完全に収納されていてもよく、またはその一部分が露出していてもよい。
【0012】
モータは、バッテリまたは同様の電源に接続することができる。
【0013】
好ましくは、回転車輪ハブ軸受は、側面装着の車輪の車輪回転軸と同軸である。
【0014】
好ましくは、回転車輪ハブ軸受の内径は、電気モータのステータの外径よりも小さい。任意選択で、回転車輪ハブ軸受の外径も、電気モータのステータの外径よりも小さくてもよい。
【0015】
好ましくは、回転車輪ハブ軸受の内径は、遊星ギア減速アセンブリの外径よりも小さい。必要に応じて、回転車輪ハブ軸受の外径も、遊星ギア減速アセンブリの外径よりも小さくてもよい。
【0016】
好ましくは、回転車輪ハブ軸受の内径は、遊星ギア減速アセンブリの遊星入力フランジの外径よりも小さい。任意選択で、回転車輪ハブ軸受の外径も、遊星ギア減速アセンブリの遊星入力フランジの外径よりも小さくてもよい。
【0017】
好ましくは、モータドライブは、側面装着の車輪の車輪回転軸と同軸である遊星入力フランジと、モータ出力フランジと、をさらに備え、遊星入力フランジおよびモータ出力フランジは、回転車輪ハブ軸受の内面と共通のインターフェースを共有する。
【0018】
任意選択で、回転車輪ハブ軸受は、第1の回転車輪ハブ軸受であってもよく、駆動システムは、車輪ハブをモータドライブに回転可能に結合する第2の回転車輪ハブ軸受をさらに備え得る。
【0019】
好ましくは、第2の回転車輪ハブ軸受は、第1の回転車輪ハブ軸受に対して遊星ギア減速アセンブリの反対側に位置付けられている。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の駆動システムの車輪ハブに装着された側面装着の車輪を備えるサイクルが提供される。
【0021】
任意選択で、側面装着の車輪は、前面装着の車輪であってもよい。代替的に、側面装着の車輪は、後面装着の車輪であってもよい。
【0022】
任意選択で、サイクルは、ペダル駆動サイクルである。
【0023】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様の駆動システムの車輪ハブに装着された側面装着の車輪を備える電動車両が提供される。
【0024】
任意選択で、電動車両は電動スクーターであってもよい。
【0025】
ここで、添付の図面を参照して本発明の例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】側面装着の車輪を伴うベルト駆動自転車の側面図を示す。
図2】前輪フォークアセンブリおよび前輪モータアセンブリを示す右側斜視図である。
図3図1および2の前輪モータアセンブリの垂直断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、前面装着のモータアセンブリ2を伴う片面装着の前輪モータ駆動自転車1の好ましい実施形態を示している。
【0028】
図2は、図1の片面装着の前輪モータ駆動自転車1の代替図を示しており、前面片面の片持ちフォーク部材3を有し、片持ちフォーク部材3は、前面装着のモータアセンブリ2、および前輪ディスクブレーキロータ5を減速させるための前輪ブレーキキャリパ6の堅固な装着を容易にし、前輪ディスクブレーキロータ5は、前面片面車輪アセンブリ4に堅固に接続されている。
【0029】
図3は、前輪回転軸7を通る図1および2の前面装着のモータアセンブリ2の垂直断面正面図である。前面装着のモータアセンブリ2は、前輪モータハウジング9を受容可能な前面片面の片持ちフォーク部材3に接着剤、圧入、ねじまたはボルトタイプの留め具によって装着された前輪モータ出力ハウジング15を備える。
【0030】
前輪モータハウジング9は、前輪モータステータ10と、前輪モータマグネットロータリ11に堅固に取り付けられた前輪モータピニオン12を回転可能に支持する前輪モータピニオンアウター軸受14とを収容するように形成されている。前輪モータマグネットロータリ11に対する前輪モータステータ10の相互作用および制御は、既知であり、かつ理解されている電気機械の種類のものである。
【0031】
前輪モータピニオン12は、前輪モータピニオンアウター軸受14および前輪モータ遊星キャリア25に回転可能に装着された前輪モータ遊星インナー軸受13によって回転可能に支持されている。次に、前輪モータ遊星キャリアは、前輪モータ遊星キャリアインナー軸受27を通して、前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22によって支持されている。前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22は、複数の前輪モータ留め具16を用いて前輪モータ出力ハウジング15に堅固に取り付けられている。
【0032】
前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22は、複数の前輪モータ遊星ギアボックス出力フランジ留め具24を用いて、前輪モータ遊星ギアボックス出力フランジ23に堅固に取り付けられている。前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22と前輪モータ遊星ギアボックス出力フランジ23とのインターフェースおよび接続もまた、ねじ山接続であり得る。
【0033】
前輪モータ出力ハウジング15と前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22との係合および嵌合の性質は、前輪モータ出力ハウジング15および前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22が、前輪ハブインナー軸受20の内径によって受容された共通のインターフェースを共有するようなものである。
【0034】
前輪モータ遊星キャリア25は、前輪モータ遊星リングギア歯構成要素31を通して、前輪モータピニオン12および前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22と噛み合うための遊星ギア配置で、前輪モータ遊星ギアシャフト29および前輪モータ遊星ギア26を支持し、その結果、前輪モータ遊星キャリア25の出力回転速度は、前輪モータピニオン12の入力回転速度に対して2~10の係数で減速される。
【0035】
前輪モータ遊星ギア26の材料の性質は、好ましくは、プラスチックまたは低ノイズ複合材料である。前輪モータピニオン12の材料の性質は、理想的には、ステンレス鋼などの金属である。前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22の材料の性質は、鉄金属またはステンレス鋼金属または金属合金であり得る。前輪モータ遊星リングギア歯構成要素31の構成および材料の性質は、前輪モータ遊星リングギア歯構成要素31が、一体部品であり、前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22と同様の材料であり、かつギアホブ切り処理を通して構成されるか、または前輪モータ遊星リングギア歯構成要素31が、プラスチックなどの、前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22とは異なる材料であり得、オーバーモールドおよびキー付き射出成形接続を通して構成され、かつ前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22に取り付けられ得るなど、多くの異なる種類のものであり得る。
【0036】
前輪モータ遊星キャリア25は、前輪モータ遊星ギアボックス出力フランジ23内に収容されている前輪モータ遊星キャリアアウター軸受28によって、さらに回転可能に支持されている。前輪モータ遊星キャリア25は、例えば、一方向スプラグタイプのクラッチである前輪モータ一方向クラッチ30によって前輪ハブアウター18に回転可能に接続されており、その結果、前輪回転軸7を中心にした前輪ハブアウター18の回転は、前輪モータ遊星キャリア25に対して一方向だけ可能である。
【0037】
前面片面車輪アセンブリ4は、前輪アセンブリ留め具8を用いて前輪ハブアウター18に片面で堅固に装着されている。前輪ハブアウター18は、前輪ハブアウター軸受21を伴って前輪モータ遊星ギアボックス出力フランジ23に回転可能に装着され、前ディスクロータ留め具19が前輪ディスクブレーキロータ5を通過することにより、前輪ハブインナー17に堅固に接続される。
【0038】
前輪ハブインナー17は、前輪ハブインナー軸受20によって、前輪モータ出力ハウジング15および前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22に回転可能に装着されている。前輪ブレーキキャリパ6は、前輪ディスクブレーキロータ5の周りに、既知の様式で配置され、前面片面車輪アセンブリ4にブレーキ力を提供する。
【0039】
図3に示されるように、前輪ハブインナー軸受20の位置は、概して、前輪モータ遊星ギア26の片面、および前輪モータステータ10および前輪モータ磁石ロータリ11の片面にあり、その結果、前輪ハブインナー軸受20は、電気モータと遊星ギアシステムとの間との間で横方向に位置付けされ、電気モータの少なくとも一部分が、一方の面、例えば、前輪モータステータ10上にあり、かつ遊星ギアシステムの少なくとも一部分が、他方の面、例えば、遊星前輪モータ遊星ギア26または前輪モータ遊星キャリア25上にある。
【0040】
前輪ハブインナー軸受20は、前輪回転軸7と同軸であり、かつ遊星ギアシステムと前輪モータステータ10と前輪モータ磁石ロータリ11との間の領域に位置付けされており、その結果、前輪ハブインナー軸受20の内径は、前輪モータステータ10および前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22のそれぞれの外径よりも小さい。換言すれば、車輪ハブインナー軸受20は、前輪モータステータ10と前輪モータ遊星ギア26との間に軸方向に位置し、かつ前輪モータステータ10および前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジ22の半径方向外面によって画定されるそれぞれの周縁内に半径方向に位置する。
【0041】
前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジの外周の周りに位置付けられた回転軸受を代わりに有する(つまり、前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジよりも半径方向に上位にあり、かつ前輪モータ遊星ギアボックス入力フランジと軸方向に実質的に位置合わせされている)既知の配置と比較して、遊星ギアシステムとモータ構成要素との間の領域に前輪ハブインナー軸受20を位置付けることは、適度なサイズのハブ軸受の使用を容易にすると同時に、十分に大径の遊星ギアボックス設計において静音のプラスチックギアの使用を可能にするという上記の利点があり、かつ前輪ハブ軸受間の距離を広げてより最適な間隔を提供するという利点もある。
【0042】
上記の説明は、前面装着のモータ駆動車輪を伴うペダル駆動自転車に関連してなされているが、同じモータアセンブリが他の車両で使用される代替の実施形態が想定されている。例えば、モータアセンブリは、非ペダル駆動サイクルの1つ以上において、リアサスペンションスイングアームに内蔵された駆動システムを有し得る小型オートバイ(モペットとも呼ばれる)、障害のあるユーザのための補助車両、および/または直立した状態で使用するように構成された車輪付き車両など、後面装着のモータ駆動輪のモータとして、または電動スクーターの側面装着の前輪または後輪のモータとして使用することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】