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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-04
(54)【発明の名称】モバイルデジタルロック技術
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20221222BHJP
   E05B 67/00 20060101ALI20221222BHJP
   E05B 71/02 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
E05B49/00 K
E05B49/00 L
E05B49/00 M
E05B67/00
E05B71/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515667
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2022-04-18
(86)【国際出願番号】 FI2020050617
(87)【国際公開番号】W WO2021089907
(87)【国際公開日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/931,580
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/821,880
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.UNIX
3.WINDOWS PHONE
4.MAC OS
5.BLACKBERRY
(71)【出願人】
【識別番号】522061763
【氏名又は名称】イロク オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】プカリ,ミカ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250AA05
2E250AA21
2E250BB08
2E250BB29
2E250BB32
2E250CC10
2E250CC20
2E250DD02
2E250FF36
2E250FF37
2E250FF38
2E250HH00
(57)【要約】
本発明は、建物及び車両のドアを開けるために専用の物理的鍵の代わりに移動電話(200、500、800)を使用する方法及びシステムに関する。本発明では、移動端末(200、500、800)は、電源コードなしでロック(224、524)に動作電力を供給するように構成される。次いで、移動端末アプリ(300、600、900)は、近距離無線通信接続を介してロック(224、524)と通信し、ロック(224、524)を解錠及び施錠するように構成される。本発明の目的は、物理的鍵よりも安価で使いやすい、電子ソフトウェアベースのキー及びロックシステムを提供することである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末(200、500、800)、移動端末アプリ(300、600、900)、クラウドサーバ(216、816)、及びドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロック(224、524)を備えるデジタルロックシステムであって、
- 移動端末アプリ(300、600、900)は、移動端末(200、500、800)にインストールされ、クラウドサーバ(216、810)からのソフトウェアアップデートによってアップデート及び保守されるように構成され、
- 移動端末(200、500、800)は、電源コードなしでロック(224、524)に動作電力を供給するように構成され、
- 移動端末アプリ(300、600、900)は、近距離無線通信接続を介してロック(224、524)と通信するように構成され、
- 移動端末アプリ(300、600、900)は、画面ロックが解除されたときに移動端末(200、500、800)のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末(200、500、800)にユーザの認証を記憶し、移動端末の磁力計を使用してNFC通信を監視し、移動端末の磁力計を使用して磁石及びNFCアンテナでロックを検出するように構成され、
- 所定の期間中に、移動端末アプリ(300、600、900)は、NFC通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠するように構成され、
移動端末(200、500、800)の位置を測位し、保存された位置及び保存された位置の所定の距離内での画面ロック認証を記憶し、画面ロック認証を要求することなく、同じロック又は複数の異なるロック(224、524)の解錠及び施錠を複数回許可する、
ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記ドア及びそのロックは、南京錠又は自転車の錠に置き換えられることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ロック(224、524)の動作電力は、NFC又はQiのいずれかを含み得る移動端末のワイヤレス送電デバイス(206、506)によってロック(224、524)に送信され、ロック(224、524)に電力が供給されるときに、ロック(224、524)と移動端末(200、500、800)との間で近距離無線通信が確立されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記近距離無線通信接続は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザは、電子メッセージを介して本人以外の人にデジタルキー又はデジタルキーのコピーを送信し、これにより、ロック(224、524)の解錠をこの人物に認可することができることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子メッセージは、セルラー通信ネットワークを介して又は近距離無線通信接続を介して送信されることを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記所定の期間は、移動端末の画面がロックされた後の時間まで延長されるように構成され、移動端末アプリ(300、600、900)は、ユーザが移動端末の画面をロック解除して再認証する必要なしに、デジタルキーをロック(224、524)に通信するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、複数のキーを格納し、少なくとも1つのクラウドサーバ(216、810)上のユーザのクラウドアカウントにキーのコピーを安全に保持する又は新しいキーを生成するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ロックを解錠する又は施錠するために、移動端末(200、500、800)でロック(224、524)にタッチするか、又は移動端末をNFCの動作範囲内(ロック(224、524)から5センチメートル未満)に入れることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ドアを開けるためにハンドル又はノブを回してラッチを開くこと以外に、ロックを解錠するためのユーザの再タッチ又はさらなる承認の提供を必要とせずに、前記シングルタッチ中に、移動端末アプリ(300、600、900)は、NFC送電デバイス(206、506)及び通信接続を使用して、ロック(224、524)を解錠することを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、移動端末のジャイロスコープ又は加速度計の読取値に基づいて移動端末(200、500、800)の動きが止まると判断したときに、前記所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイス(206、506)をアクティブ化するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、前記所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイス(206、506)を定期的にアクティブ化するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
所定の時間後に、ロック(224、524)は、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末(200、500、800)から受信した電力を使用して自動的にロックされることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
移動端末(200、500、800)、移動端末アプリ(300、600、900)、クラウドサーバ(216、810)、及びドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロック(224、524)を備えるシステムで動作するように構成された、一時的でない記憶媒体に格納されたデジタルロックソフトウェアプログラム製品であって、
- 移動端末アプリ(300、600、900)は、移動端末(200、500、800)にインストールされ、クラウドサーバ(216、810)からのソフトウェアアップデートによってアップデート及び保守されるように構成され、
- 移動端末(200、500、800)は、電源コードなしでロック(224、524)に動作電力を供給するように構成され、
- 移動端末アプリ(300、600、900)は、近距離無線通信接続を介してロック(224、524)と通信するように構成され、
- 移動端末アプリ(300、600、900)は、画面ロックが解除されたときに移動端末(200、500、800)のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末にユーザの認証を記憶し、移動端末の磁力計を使用してNFC通信を監視し、移動端末の磁力計を使用して磁石及びNFCアンテナでロックを検出するように構成され、
- 所定の期間中に、移動端末アプリ(300、600、900)は、NFC通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠し、移動端末(200、500、800)の位置を測位し、保存された位置及び保存された位置の所定の距離内での画面ロック認証を記憶し、画面ロック認証を要求することなく、同じロック又は複数の異なるロックの解錠及び施錠を複数回許可するように構成される、
ことを特徴とする、ソフトウェアプログラム製品。
【請求項15】
前記ドア及びそのロックは、南京錠又は自転車の錠に置き換えられることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェア。
【請求項16】
前記ロック(224、524)の動作電力は、NFC又はQiのいずれかを含み得る移動端末のワイヤレス送電デバイス(206、506)によってロック(224、524)に送信され、ロック(224、524)に電力が供給されるときに、ロック(224、524)と移動端末(200、500、800)との間で近距離無線通信が確立されることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項17】
前記近距離無線通信接続は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続であることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項18】
前記ユーザは、電子メッセージを介して本人以外の人物にデジタルキー又はデジタルキーのコピーを送信し、これにより、ロック(224、524)の解錠をこの人物に認可することができることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項19】
前記電子メッセージは、セルラー通信ネットワークを介して又は近距離無線通信接続を介して送信されることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項20】
前記所定の期間は、移動端末の画面がロックされた後の時間まで延長されるように構成され、移動端末アプリ(300、600、900)は、ユーザが移動端末の画面をロック解除して再認証する必要なしに、デジタルキーをロック(224、524)に通信するように構成されることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項21】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、複数のキーを格納し、少なくとも1つのクラウドサーバ(216、810)上のユーザのクラウドアカウントにキーのコピーを安全に保持する又は新しいキーを生成するように構成されることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項22】
前記ロックを解錠する又は施錠するために、移動端末(200、500、800)でロック(224、524)にタッチするか、又は移動端末をNFCの動作範囲内(ロック(224、524)から5センチメートル未満)に入れることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項23】
ドアを開けるためにハンドル又はノブを回してラッチを開くこと以外に、ロックを解錠するためのユーザの再タッチ又はさらなる承認の提供を必要とせずに、前記シングルタッチ中に、移動端末アプリ(300、600、900)は、NFC送電デバイス(206、506)及び通信接続を使用して、ロック(224、524)を解錠することを特徴とする、請求項22に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項24】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、移動端末のジャイロスコープ又は加速度計の読取値に基づいて移動端末(200、500、800)の動きが止まると判断したときに前記所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイス(206、506)をアクティブ化するように構成されることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項25】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、前記所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイス(206、506)を定期的にアクティブ化するように構成されることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項26】
前記所定の時間後に、ロック(224、524)は、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末(200、500、800)から受信した電力を使用して自動的にロックされることを特徴とする、請求項14に記載のソフトウェアプログラム製品。
【請求項27】
移動端末(200、500、800)、移動端末アプリ(300、600、900)、クラウドサーバ(216、810)、及びドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロック(224、524)を含むデジタルロック方法であって、
- 移動端末(200、500、800)にインストールされた移動端末アプリ(300、600、900)をクラウドサーバ(216、810)からアップデートするステップ(102)と、
- 移動端末(200、500、800)が電源コードなしでロック(224、524)に動作電力を供給するステップ(104)と、
- 移動端末アプリ(300、600、900)が近距離無線通信接続を介してロック(224、524)と通信するステップ(106)と、
- 画面ロックが解除されたときに移動端末アプリ(300、600、900)が移動端末(200、500、800)のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末(200、500、800)にユーザの認証を記憶し(108)、移動端末の磁力計を使用してNFC通信を監視し、移動端末の磁力計を使用して磁石及びNFCアンテナでロックを検出するステップと、
- 所定の期間中に、移動端末アプリ(300、600、900)がNFC通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠するステップ(110)と、
を含み、移動端末(200、500、800)のアプリ(300、600、900)は、移動端末(200、500、800)の位置を測位し、保存された位置及び保存された位置の所定の距離内での画面ロック認証を記憶し、画面ロック認証を要求することなく、同じロック又は複数の異なるロック(224、524)の解錠及び施錠を複数回許可する、
ことを特徴とする、方法。
【請求項28】
前記ドア及びそのロックは、南京錠又は自転車の錠に置き換えられることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ロック(224、524)の動作電力は、NFC又はQiのいずれかを含み得る移動端末のワイヤレス送電デバイス(206、506)によってロック(224、524)に送信され、ロック(224、524)に電力が供給されるときに、ロック(224、524)と移動端末(200、500、800)との間で近距離無線通信が確立されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記近距離無線通信接続は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続であることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
ユーザは、電子メッセージを介して本人以外の人物にデジタルキー又はデジタルキーのコピーを送信し、これにより、ロック(224、524)の解錠をこの人物に認可することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記電子メッセージは、セルラー通信ネットワークを介して又は近距離無線通信接続を介して送信されることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記所定の期間は、移動端末(200、500、800)の画面がロックされた後の時間まで延長され、移動端末(200、500、800)のアプリ(300、600、900)は、ユーザが移動端末(200、500、800)画面をロック解除して再認証する必要なしに、デジタルキーをロック(224、524)に通信することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記移動端末(200、500、800)のアプリ(300、600、900)は、複数のキーを格納し、少なくとも1つのクラウドサーバ(216、810)上のユーザのクラウドアカウントにキーのコピーを安全に保持する又は新しいキーを生成することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記ロックを解錠する又は施錠するために、移動端末(200、500、800)でロック(224、524)にタッチするか、又は移動端末をNFCの動作範囲内(ロック(224、524)から5センチメートル未満)に入れることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
ロックを解錠するためのユーザの再タッチ又はさらなる承認の提供を必要とせずに、前記シングルタッチ中に、移動端末アプリ(300、600、900)は、NFC送電デバイス(206、506)及び通信接続を使用して、ロック(224、524)を解錠することを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、移動端末のジャイロスコープの読取値に基づいて移動端末(200、500、800)の動きが止まると判断したときに前記所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイス(206、506)をアクティブ化することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項38】
前記移動端末アプリ(300、600、900)は、前記所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイス(206、506)を定期的にアクティブ化することを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項39】
所定の時間後に、ロック(224、524)は、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末(200、500、800)から受信した電力を使用して自動的にロックされることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項40】
デジタルロックシステムであって、
移動端末と、
移動端末アプリと、
ドアをロックするように構成された自己給電式ロックと、
を備え、
前記移動端末は、ロックに動作電力を供給するように構成され、
前記移動端末アプリは、近距離無線通信(NFC)接続を介してロックと通信するように構成され、
前記移動端末アプリは、
移動端末の画面ロックが解除されたときに移動端末のユーザを認証して、
画面にロックがかかるまで時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末のユーザの認証を記憶するように構成され、所定の期間中に、前記移動端末アプリは、NFC接続を介してユーザに関連するデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠する
ように構成される、システム。
【請求項41】
前記ユーザは、随意的に生体識別を用いることができる画面ロック認証機構で認証される、請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記ユーザは、随意的に生体識別を用いることができる画面ロック認証機構で認証される、請求項14に記載の移動端末アプリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する実施形態は、一般に、建物及び車両への人々のアクセスを制御する際に用いられるデジタルロック技術に関する。より具体的には、本発明は、建物及び車両のドアを開けるために専用の物理的鍵の代わりに移動電話を使用する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
最新のスマートフォンには、様々な特化されたタスクを実行するための多数のソフトウェアアプリケーションが搭載されている。鍵としてスマートフォンを使用してドアのロックを解錠できることが当該技術分野で知られている。
【0003】
US 2019/0066415 A1は、移動電話で生体認証し、次いで生体認証に基づいてBluetoothでロックを解錠するための方法を提供している。これには、ユーザからの複数の承認が必要であり、ロックに多くの電力が消費されることになり、さらにBluetooth信号が傍受される可能性があるという欠点がある。
【0004】
US10,237,259 B2は、非集中及び非同期式の分散型身元検証システム及び方法を提供している。これは、インターネットなどのネットワーク化された環境に適用可能である。
【0005】
US9,894,471 B1は、生体により識別される機能を処理するための環境発電型電源を備えた無線コード化通信(WCC)デバイスを提供している。これは、例えば、モノのインターネット(IoT)に適用可能である。
【0006】
WO2019/069129 A1は、車両へのアクセスを管理するための方法及びデバイスを提供している。この技術は、複数の人々が単一の車両を所有及び操作することを可能にし、この技術のいくつかの実施形態は、セルラーネットワークアクセスなしで機能する。
【0007】
US2019/0159026 A1は、車両デバイス及び/又はモバイルユーザデバイスのハイブリッド認証を提供している。これは移動電話とコネクテッドカーの相互作用に有用である。
【0008】
US2019/0130686 A1は、インテリジェントドアロックシステムのための無線アクセス制御システム及び方法を提供している。ロックでのインテリジェンスが成長するにつれて、より大きなメモリ、電力、及び帯域幅のフットプリントが必要となる。これはすべて、ロックのメンテナンス費用、電力消費、及び調達コストを増加させる。
【0009】
US10,304,273 B2は、第三者が住居にセキュアにアクセスするためのインテリジェントドアロックシステムを提供している。これは、例えばAirbnbなどの民泊サービスに住居が掲載されているときに有用である。しかしながら、このロックは多くの電力を消費する。
【0010】
したがって、従来技術は、物理的錠の物理的鍵をいくつかの単純なデジタル置換で試みることを特徴としている。これらの置換の試みは、消費者には扱いにくく、無許可の偶発的なドアの解錠につながる、及び/又は電力を著しく消費するロックに過大なハードウェアが必要になり、設置、保守、及びアップデートに法外に費用がかかる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、上記の従来技術(単数又は複数)での前述の欠点に対処し、改善することである。本発明の目的は、物理的鍵よりも安価で使いやすい、電子ソフトウェアベースのキー及びロックシステムを提供することである。
【0012】
本発明の中心となる概念は、ロックを解錠及び施錠する消費者とドアのロックを保守する不動産所有者との両方にかかる管理上の負担を低減しながら、物理的鍵をデジタルキーに置き換えることである。
【0013】
本発明の目的は、ユーザが自分のスマートフォンの画面ロックを解除する、したがってスマートフォンで自分を認証するだけで、ロックを解錠できるようにすることである。本発明の目的は、スマートフォンで解錠及び電源投入することができる自己給電式ロックにすることであり、このロックは、電源コード又はバッテリを必要としないため、設置及び保守が容易である。
【0014】
本発明に係るデジタルロックシステムは、移動端末、移動端末アプリ、クラウドサーバ、及び、ドア及び/又は南京錠を開ける及びロックするように構成された自己給電式ロックを備え、
- 移動端末アプリは、移動端末にインストールされ、クラウドサーバからのソフトウェアアップデートによってアップデート及び保守されるように構成される、
- 移動端末は、電源コードなしでロックに動作電力を供給するように構成される、
- 移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してロックと通信するように構成される
- 移動端末アプリは、画面ロックが解除されたときに移動端末のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末にユーザの認証を記憶するように構成される、
- 所定の期間中に、移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠するように構成される、
ことを特徴とする。
【0015】
本発明は、ロックされたドアを解錠及び/又は施錠することに関して本明細書で説明されているが、本発明は、南京錠、自転車の錠、及び人間の進入及びアクセスを制御する他の機械的錠又は電磁的ロックの施錠及び解錠に等しく適用可能である。
【0016】
一実施形態では、ユーザのデジタルキーを保存するモバイルアプリが移動端末にインストールされ、これらのデジタルキーは、移動端末の画面がロックされた後も一定期間使用することができる。ユーザが移動端末でロックにタッチすると、移動端末は、デジタルキーを含むNFC信号をロックに送信し、移動端末は、電力パルスをロックに送信する。デジタルキーがロックを解錠するように構成された適正なデジタルキーである場合、ロックは電力パルスエネルギーを使用してロックを解錠する。
【0017】
別の実施形態では、ロック及び/又は移動端末は、ロックの解錠を承認するようにユーザに要求することができる。モバイルアプリは、好ましくは、消費者に代わってこれらの承認に「Yes」で答える。これにより、画面ロックが1回だけ解除され、ロックを1回だけタップする又は移動端末を近づけることで、ユーザはドアを開けることができる。このようにして、従来の鍵を使用するときよりもロックを解錠するためにユーザが費やす時間が少なくなる。ユーザは、ポケットからスマートフォンを取り出し、ロックを解錠するために1回タップするだけである。鍵を回すのに費やしていた時間がなくなる。物理的鍵のコスト及び持ち運ぶ手間が省かれる。移動端末アプリは、ユーザが移動電話で物理的にタップしていない又は移動電話を近づけていないドアを解錠することはないため、偶発的なドアの解錠がほぼ完全に排除される。
【0018】
さらに別の実施形態では、ドアを解錠する又は施錠するのに必要なエネルギーが同じであると仮定すると、電力パルスはこれらのエネルギーの2倍である。例えば、ユーザが、ロックがかかりアクセスが制御されているドアを通り抜ける場合、電力パルスから受信した余剰エネルギーでオートロックをかけることができる。
【0019】
本発明に係る一時的でない記憶媒体に格納されたデジタルドッキングソフトウェアプログラム製品は、移動端末、移動端末アプリ、クラウドサーバ、及びドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロックを備えるシステムで動作するように構成され、
- 移動端末アプリは、移動端末にインストールされ、クラウドサーバからのソフトウェアアップデートによってアップデート及び保守されるように構成される、
- 移動端末は、電源コードなしでロックに動作電力を供給するように構成される、
- 移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してロックと通信するように構成される、
- 移動端末アプリは、画面ロックが解除されたときに移動端末のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末にユーザの認証を記憶するように構成される、
- 所定の期間中に、移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠するように構成される、
ことを特徴とする。
【0020】
本発明に係るデジタルロック方法は、移動端末、移動端末アプリ、クラウドサーバ、及びドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロックを備えるシステムで実行され、本発明の方法は、
- 移動端末にインストールされた移動端末アプリをクラウドサーバからアップデートするステップと、
- 移動端末が電源コードなしでロックに動作電力を供給するステップと、
- 移動端末アプリが近距離無線通信接続を介してロックと通信するステップと、
- 画面ロックが解除されたときに移動端末アプリが移動端末のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末にユーザの認証を記憶するステップと、
- 所定の期間中に、移動端末アプリが近距離無線通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠するステップと、
によって特徴付けられる。
【0021】
本発明の利点は数多くある。このロックは、物理的鍵に関連したコスト及び手間が省かれるため、消費者にとってより安価で便利である。物理的鍵を作製するために鍵前屋に対価を支払う必要はなく、キーホルダーに多数の鍵をつけて持ち歩く(ユーザがたくさんの鍵を持ち歩く必要がある場合や、例えば水着などのポケットが小さい衣類を着ている場合には特に不便になり得る)必要はない。
【0022】
本発明のベストモードは、ユーザが自分のデジタルキーのすべてをホストするために用いることができるAndro識別又はiPhone(登録商標)アプリと考えられる。このアプリは、例えば、Google Playアプリ又はApp Storeに対応することによって、クラウドネットワークから保守される。デジタルキーは、ユーザと不動産所有者又はオペレータが共有する又は双方がアクセスできるクラウドアカウントでホストされる。ユーザが、移動電話によって通電されるロックをタップすると、アプリが、ロックを解錠するように構成されたデジタルキーを提供する。アプリは、ロックのソフトウェアがユーザに代わってユーザに要求し得る承認などの他の信号を送信してもよい。
【0023】
このベストモードは、ドアを施錠された状態に保持する錠を専用の物理的鍵で解錠するように設計された、いくつかの用途に適用することができる。これらの用途としては、例えば、居住用及び/又は事業用不動産のドアロック、車両ドアロックなどが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のデジタルロック技術を実装する方法を示すフローチャートの一実施形態10を例解している。
図2】デジタルロックシステム200のブロック図の一実施形態20を例解している。
図3】本発明に係るロックを動作させるモバイルデジタルロックアプリケーションを示すユーザインターフェースの一実施形態30を例解している。
図4】ユーザとロックが近接しているときの本発明のデジタルロック技術の動作方法を示すフローチャートの一実施形態40を例解している。
図5】デジタルロックシステム500のブロック図の一実施形態50を拡大図として例解している。
図6】ユーザが本発明に係るロックを解錠又は施錠するときにロックを動作させるモバイルデジタルロックアプリケーションを示すユーザインターフェースの一実施形態60を例解している。
図7】ユーザが近くに移動するときの本発明のデジタルロック技術の動作方法を示すフローチャートの一実施形態70を例解している。
図8】大規模ネットワーク上でのデジタルロックシステム800のブロック図の一実施形態80を例解している。
図9】ユーザが本発明に係るロックからさらに離れているときのモバイルデジタルロックアプリケーションを示すユーザインターフェースの一実施形態90を例解している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0026】
図1は、本発明のデジタルロック技術を実装する方法を示すフローチャートの一実施形態10を例解している。この方法は、それぞれ図2図5、及び図8の実施形態20、50、及び80と同一の又は類似のシステムで実施することができる。この方法のエンドユーザは、それぞれ図3図6、及び図9に示された実施形態30、60、90で開示されたものと同一の又は類似のユーザインターフェースを使用することができる。
【0027】
デジタルロック方法は、移動端末、移動端末アプリ、クラウドサーバ、及びドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロックを備えるシステムで動作する。自己給電式ロックとは、電源コード又はバッテリを必要としないロックを意味する。代わりに、自己給電式ロックのエネルギーは、通常、太陽電池、鍵、ユーザの機械的動きなどのエネルギー源から生じる。自己給電式ロックの典型例は、典型的な「昔ながらの」機械的錠及び鍵であり、一意に回転させると解錠するように、鍵の物理的構造に符号化された溝が掘られており、鍵を回すときにユーザの手首から動作力が伝わる。
【0028】
しかしながら、本発明によれば、自己給電式ロックは電磁ロックであり得る。自己給電式ロック構造として実装するのに適した低電力ロックの一例は、参照により組み込まれるUS10253528で公開された発明者のものである。
【0029】
フェーズ102において、移動端末にインストールされた移動端末アプリをクラウドサーバからアップデートする。モバイルセクレタリクラウドアプリケーションは、Andro識別スマートフォンにダウンロードするためのGoogle Play(商標)ストアで、iOS(商標)スマートフォンにダウンロードするためのApp Store(商標)で、又は例えばSurface Neoタブレットで利用可能なWindows 10XとしてMicrosoftなどから入手可能であり得る。モバイルセクレタリクラウドアプリケーションは、無料又は有料のアプリケーションとして入手可能であり得る。
【0030】
ユーザが自己給電式ロックの近くにいて、アップデートされた移動電話及びロックを解錠するデジタルキーを有するモバイルアプリを持っているとき、ユーザは自分のキーを使用してロックの解錠を開始することができる。フェーズ104において、移動端末は、通常、電源コードなしでロックに動作電力を供給する。これは、通常、NFC又はワイヤレス充電を介して行われる。ワイヤレス充電の例としては、Wireless Power ConsortiumからのQiなどの誘導充電技術が挙げられる。もちろん、いくつかの実施形態では、自己発電するためにロックに取り付けられた太陽電池も存在し得る。
【0031】
通常、移動端末アプリは、電動ロックを解錠することができるデジタルキーを保持する。ロックする及び/又はロック解錠するのに十分な電力がロックに供給された後、フェーズ106で、移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してロックと通信してキーを送信し、ロックを解錠する。好ましくは、近距離無線通信接続はNFC接続である。ユーザは、ポケットから移動端末を取り出し、ロックをタップするか、又は移動端末をNFCの範囲内に入れる。同様に、リモコンで利用される指向性レーザ又は赤外線通信を使用することもできる。ロックと通信するためにBluetooth、Wi-Fi、又はセルラーデータも使用することができるが、これらには信号が傍受される可能性があるという欠点がある。
【0032】
フェーズ108において、移動端末アプリは、画面ロックが解除されたときに移動端末のユーザを認証する。認証は、パスワード又はPINコードを要求することによって、或いは指紋又はFace ID、すなわちユーザの顔スキャンなどの生体識別を使用して行うことができる。移動端末アプリは、所定の期間にわたって移動端末にユーザの認証を記憶する。この期間は、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い。これには、ユーザが移動電話を物理的鍵として使用することによって、毎回、画面ロックを解除する又は自分自身を再認証する必要なしに、ロックを解錠し、ドアを通過することができるという大きな利点がある。これは、アプリベースのデジタルキーを従来の物理的鍵よりも最終的に便利にするため、大きな利点である。
【0033】
フェーズ110において、所定の期間中に、移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠する。移動端末アプリは、通常、ロック又は移動端末のソフトウェアで必要となり得る質問への応答/承認を自動生成することで、1回のタップ又はユーザのジェスチャで、シームレスにロックを解錠する。
【0034】
フェーズ102、104、106、108、及び110の順序は、本発明に従って置き換えることができる。実施形態10のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態20、30、40、50、60、70、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0035】
図2は、デジタルロックシステムのブロック図の一実施形態20を例解している。デジタルロックシステムは、移動端末200と、移動端末200のデータストレージ及び/又はメモリ209に格納され、移動端末200のプロセッサ204で動作する移動端末アプリを備える。システムはまた、クラウドサーバ216と、ドアを開ける及びロックするように構成された自己給電式ロック224を備える。
【0036】
移動端末200は、インターフェース202(単数又は複数)、プロセッサ204、送電器206、ディスプレイ208、及びメモリ209を備える。
【0037】
インターフェース202(単数又は複数)は、移動端末200と相互作用する又は移動端末200をプログラムするために用いられる。インターフェース202(単数又は複数)は、コマンドラインインターフェース(CLI)又はグラフィカルユーザインターフェース(GUI)のいずれかであり得る。
【0038】
プロセッサ204は、コンピュータプログラム又は一連のコマンド、命令、又は状態遷移を実行することができる任意の1つ以上のマイクロプロセッサ、有限状態マシン、コンピュータ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、ロジック、ロジックデバイス、電子回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、チップなど、又はその任意の組み合わせを指す場合がある。プロセッサ204はまた、例えば、汎用マイクロプロセッサ及びマス又はグラフィックスコプロセッサを含むプロセッサセットとして実装され得る。プロセッサ204は、例えば、Itanium(登録商標)マイクロプロセッサ又はPentium(登録商標)プロセッサなどのIntel(登録商標)プロセッサ、Athlon(登録商標)プロセッサなどのAdvanced Micro Devices(AMD(登録商標))プロセッサ、UltraSPARC(登録商標)プロセッサ、microSPARC(商標)プロセッサ、HP(登録商標)プロセッサ、PowerPC(登録商標)マイクロプロセッサなどのInternational Business Machines(IBM(登録商標))プロセッサ、MIPS Technologies, Inc.のMIPS(登録商標)縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、ARM HoldingsのRISCベースのコンピュータプロセッサ、Motorola(登録商標)プロセッサなどから選択され得る。本明細書で開示される制御ユニットは、プロセッサ204を使用することに限定されない。制御ユニットはまた、コントローラ又はマイクロコントローラ及び他の電子部品を使用することができる。
【0039】
メモリ209は、コンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、プロセッサ204などのプロセッサとすべて又は一部が統合され得る、光学、磁気、有機、又は他のメモリ又はディスクストレージなどの、揮発性及び/又は不揮発性ストレージコンポーネントを含み得る。代替的に、コンピュータ可読媒体の全体又は一部は、プロセッサ204から離れて位置し、接続機構及び/又はネットワークケーブルによってプロセッサ204に結合され得る。メモリ208に加えて、プロセッサ204又はGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)と結合され得る、さらなるメモリが存在し得る。
【0040】
一実施形態では、システム200は、通信ネットワーク220を介してクラウドサーバ216と統合される。クラウドサーバはCPU又はGPU218を備え得る。本発明での通信に用いられる通信ネットワーク220は、無線又は有線インターネット又は電話網であり、これは通常、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(UMTS)、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、符号分割多元接続(CDMA)、3G、4G、5G Wi-Fi、及び/又は広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))識別ネットワークなどのセルラーネットワークである。
【0041】
一例では、クラウドサーバ216は、複数のサーバ(図示せず)を含み得る。例示的な実装では、クラウドサーバ216は、移動端末のロックアプリケーション及び/又は他のアプリケーションに関連するデータを格納するように構成された、任意のタイプのデータベースサーバ、ファイルサーバ、ウェブサーバ、アプリケーションサーバなどであり得る。別の例示的な実装では、クラウドサーバ216は、データファイルを格納するための複数のデータベースを備え得る。データベースは、例えば、構造化照会言語(SQL)データベース、Microsoft(登録商標)SQLサーバ、Oracle(登録商標)サーバなどのNoSQLデータベース、MySQL(登録商標)データベースなどであり得る。クラウドサーバ216は、クラウドストレージサービスプロバイダによって管理されるクラウド環境に置くことができ、データベースは、クラウド環境に実装されたクラウドベースのデータベースとして構成することができる。
【0042】
入出力デバイスを含み得るクラウドサーバ216は、普通は、モニタ(ディスプレイ)、キーボード、マウス、及び/又はタッチスクリーンを備える。しかしながら、通常、一度に2つ以上のコンピュータサーバが使用され、一部のコンピュータでは、コンピュータ自体に組み込まれているため、画面及びキーボードが付属していなくてもよい。これらのタイプのコンピュータは、通常、本発明のクラウドサーバ216によって使用されるクラウドネットワークを実現するために用いられるサーバファームに格納される。クラウドサーバ216は、Microsoft及びAmazon及びHP(Hewlett-Packard)などの公知のベンダーから別個のソリューションとして購入することができる。クラウドサーバ216は、通常、Unix、Microsoft、iOS、Linux(登録商標)、又は任意の他の公知のオペレーティングシステムで動作し、通常、マイクロプロセッサ、メモリ、及びSSDフラッシュ又はハードドライブなどのデータストレージ手段を備える。クラウドアーキテクチャの応答性を向上させるために、データは、SSD、すなわちフラッシュストレージに、全体的又は部分的に、優先的に格納される。このコンポーネントは、Microsoft又はAmazonなどの既存のクラウドプロバイダから選択/構成され、或いはMicrosoft又はAmazonなどの既存のクラウドネットワークオペレータがすべてのデータをPure Storage、EMC、NimbleストレージなどのFlashベースのクラウドストレージオペレータに格納するように構成される。クラウドサーバ216のバックボーンストレージとしてフラッシュを使用することは、必要とされる待ち時間が短縮されるためコストが高いにもかかわらず好ましい及び/又はユーザデータ、ユーザの好み、及びモバイル/ソフトウェアアプリケーションに関連するデータなどを取得するために好ましい。ロックアプリケーションのユーザはドアの後ろで長時間待ちたくないので、本発明には5Gのフラッシュが特に好ましい。
【0043】
移動端末200は、モバイル端末コンピュータ、通常は、スマートフォン及び/又はタブレットとして構成することができ、スマートフォンなどにインストールされたソフトウェアアプリケーションを動作させることによりユーザのデジタルキーを管理するために用いられる。システム200は、通常、iOS、Andro識別、又はWindows Phoneのスマートフォンなどのモバイルスマートフォンである。
【0044】
さらに、システム200は、移動端末、移動電話、又はPCコンピュータ、Apple Macintoshコンピュータ、PDAデバイス(パーソナルデジタルアシスタント)などのコンピュータであることも可能である。システム200はさらに、Microsoft Windows、Windows NT、Windows CE、Windows ポケット PC、Windows モバイル、GEOS、Palm OS、Meego、Mac OS、iOS、Tinux、BlackBerry OS、Google Andro識別、及び/又はSymbian、又は任意の他のコンピュータ又はスマートフォンのオペレーティングシステムのいずれかなどの、オペレーティングシステムを有するデバイスとすることもできる。
【0045】
移動端末アプリは、移動端末にインストールされ、クラウドサーバ216からのソフトウェアアップデートによってアップデート及び保守されるように構成される。クラウドサーバ216はまた、Google Play、App Store、又は好ましい任意の他のアプリ配信機構を介してソフトウェアアップデートを提供することができる。
【0046】
ロック224は、通常、自己給電式であり、受電器207でのNFC(近距離無線通信)222又はワイヤレス充電から電力を得る。このタイプのロックは、小さく、耐久性、信頼性があり、設置及び保守が安価である。移動端末200は、NFCを介して、又はワイヤレス充電を介して、例えばQiを介してロックに動作電力を供給するように構成される。
【0047】
移動端末アプリは、画面ロックが解除されたときに移動端末200のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末にユーザの認証を記憶するように構成される。移動端末が、例えばiPhone Xの場合、ユーザは6桁のパスコード又は顔の3Dスキャンによって認証される。移動端末アプリは、成功した認証を取り込み及び読み取り、ユーザに属するデジタルキー(単数又は複数)を有効化する。これらのデジタルキーは長期間有効に保たれるため、ユーザを再認証する必要なしに、画面がロックされた後でも移動端末アプリを使用してロックを解錠することができる。
【0048】
所定のより長い期間中に、移動端末アプリは、近距離無線通信接続を介してユーザのデジタルキーをロック224に送信し、これにより、ロック224を解錠する。移動端末アプリは、好ましくはNFCである近距離無線通信接続を介してロック224と通信するように構成される。NFCには、ユーザが移動端末200をロックから数センチ以内に入れる必要があるという利点がある。この近接性により、信号を傍受してデジタルキーを取り込んで不正に使用することは非常に困難となる。
【0049】
様々な技術標準及びオペレーティングシステムの移動端末200が、ユーザにロック224の解錠を承認することを要求する、ユーザへの承認質問を生成することができる。好ましくは、移動端末アプリは、移動端末200とロック224との間の1回だけのNFC相互作用でドアをロック解錠するために、これらのプロンプトに自動応答する。これにより、従来の機械的鍵よりも便利な、シームレスなロック解錠が行われる。
【0050】
実施形態20のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、30、40、50、60、70、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0051】
図3は、本発明に係るモバイルデジタルロックアプリケーション、すなわちアプリを示すユーザインターフェースの一実施形態30を例解している。移動端末アプリは、移動端末にインストールされ、クラウドサーバからのソフトウェアアップデートによってアップデート及び保守されるように構成される。アップデートは、iOS用のApple App Store及びAndro識別用のGoogle Playを含む、オペレーティングシステムに関連するアプリストアによって促進され得る。実施形態30において、ユーザは、移動端末アプリ300を使用するように設定している。
【0052】
スクリーンショット310では、ユーザは認証するデジタルキーを選択している。多くの人が、例えば1つは職場、1つは自宅の、2つ以上の鍵を使用する。両方の鍵がデジタルキーならば、ユーザは、移動端末アプリ300で両方の鍵を使用することができる。ユーザは、ボックス304及び305にチェックを入れて職場の鍵と自宅の鍵の両方を認証し、画面の下部にある送信ボタンを押す。
【0053】
スクリーンショット320では、移動端末アプリ300は、画面ロックが解除されたときに移動端末200のユーザを認証して、移動端末の画面にロックがかかるまでの時間よりも長い所定の期間にわたって移動端末200にユーザの認証を記憶するように構成される。ユーザは、例えば、フィールド314にプライベートの4桁のPINコードを入力することができる。ユーザはまた、自分の顔の3Dスキャン312を実行するか、又は移動端末がユーザを生体認証できる場合は指紋を提供することができる。
【0054】
スクリーンショット330では、移動端末アプリは、ロックと通信するための通信チャネルを選択するように構成される。好ましくは、多くのユーザは、セキュリティ上の理由でNFC324などの近距離無線通信接続を介してロックと通信することを選択する。しかしながら、Bluetooth326及びWTAN/セルラーデータ328などの様々な通信チャネルをアクティブ化することも可能であり得る。ユーザは、傍受のリスクを無視して、離れたところからロックを解錠したい場合もある。1つめの通信チャネルが機能せず、第2の通信チャネルを設けて通信する必要がある場合もある。例えば、ロックのNFCレシーバが壊れている場合もある。また、本発明によれば、ユーザは、通信チャネル324、326、328を優先度順に設定し、優先度順にフォールバックオプションを指定する。例えば、NFC324が第1のオプションとして試行されるが機能しない場合、Bluetoothで通信が再試行されるが、それでも機能しない場合、移動端末アプリは、最後の手段としてWTAN/セルラーデータを使用してロックとの通信を試行し、通信する。
【0055】
スクリーンショット340では、ロックの電力供給オプションが構成される。典型的な移動電話はNFCに対応しているが、Qi対応ワイヤレス充電機能などの特定のワイヤレス充電機能も有し得る。したがって、ユーザは、ボックス332にチェックを入れることによってワイヤレス充電、又はボックス334にチェックを入れることによってNFCを選択することができる。次いで、移動端末は、ロックが独自の電源を必要とすることなく、ロックに動作電力を供給するように構成される。同様に、スクリーンショット330で説明した通信チャネルに対して、ロックの電力供給の複数の選択肢を選択することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、NFC充電334を第1の選択肢として選択することができ、最初にNFC充電334を介してロックの電力供給が試みられる。高速のセキュア通信を含まないQiなどのワイヤレス充電332を電力供給の第2の選択肢として選択することができ、これは、NFC電力供給に失敗した場合に自動的に使用される又は使用が試みられる。
【0056】
所定の期間中に、移動端末アプリは、スクリーンショット330及び340に示されているような通信チャネル及びロックの電力供給オプションを使用して、近距離無線通信接続を介してユーザのデジタルキーをロックに送信し、これによりロックを解錠するように構成される。
【0057】
実施形態30のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、30、40、50、60、70、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0058】
図4は、本発明のデジタルロック技術を実装する方法を示すフローチャートの一実施形態40を例解している。この方法は、それぞれ図2図5、及び図8の実施形態20、50、及び80と同一の又は類似のシステムで実施することができる。この方法のエンドユーザは、それぞれ図3図6、及び図9に示された実施形態30、60、90で開示されたものと同一の又は類似のユーザインターフェースを使用することができる。
【0059】
図4は、ユーザとロックが近接しているとき、すなわち、ユーザがロックされたドアの前にいて自分の移動電話でロックを解錠しようとしているときの本発明のデジタルロック技術の動作方法を示すフローチャートの一実施形態40を例解している。
【0060】
フェーズ402において、所定の期間が、移動端末の画面がロックされた後の時間まで延長され、移動端末アプリは、ユーザが移動端末の画面を解除して再認証する必要なしに、デジタルキーをロックに通信する。ユーザはロックされたドアの前に立っており、移動端末の画面はロックされている。しかしながら、移動端末のロックアプリはまだ有効であり、デジタルキーは移動端末のメモリ209にあり、ロックに送信する準備ができている。移動端末アプリは、例えば、所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイスをアクティブ化するように構成され得る。これは、例えば、ユーザが移動端末200をポケットから取り出したことを示す移動端末のジャイロスコープ又は加速度計の読取値に基づいて移動端末の動きが止まると判断したときに行われ得る。同様に、ジャイロスコープの読取値又は加速度計の読取値は、ユーザが移動電話でロックをタッチしたとき、例えば軽くタップしたときに検出するように構成されてもよい。
【0061】
また、代替案として、移動端末アプリ300は、所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために、送電デバイス、又は任意の通信チャネル324、326、328を定期的にアクティブ化するように構成されてもよい。
【0062】
フェーズ404において、ロックの動作電力は、NFC又はQiのいずれかを含み得る移動端末のワイヤレス送電デバイスによってロックに送信され、独自の電源を必要とすることなくロックに電力が供給される。
【0063】
フェーズ406において、ロックと移動端末との間で近距離無線通信が確立される。ロックを解錠する又は施錠するために、移動端末でロックにタッチするか、又は移動端末をNFCの動作範囲内(ロックから5センチメートル未満)に入れる。代替的な実施形態では、近距離無線通信接続は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続とすることができる。
【0064】
フェーズ408において、ロックを解錠するためのユーザの再タッチ又はさらなる承認の提供を必要とせずに、シングルタッチ中又はロックに近接している間、移動端末アプリが、NFC送電デバイス及び通信接続を使用してロックを解錠する。場合によっては、ロック又は移動端末200のオペレーティングシステムは、ユーザからのさらなる承認を必要とし得る。しかしながら、移動端末アプリ300は、好ましくは、これらの承認要求への応答を自動的に生成するように構成される。これにより、移動端末200とのワンタッチ又は近接性がNFCを介してロックを解錠する、シームレスなデジタルロック解錠が行われる。
【0065】
したがって、フェーズ410において、近距離通信接続を介してユーザのデジタルキーがロックに送信され、これによりロックを解錠する。
【0066】
1つの随意的であるが好ましい実装では、フェーズ404において、所定の時間後に、ロックは、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末から受信した電力を使用して自動的にロックされる。これは、フェーズ404で送信されるエネルギーがロックの解錠と施錠とに要するエネルギーの合計になる必要があることを意味する。
【0067】
実施形態40のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、50、60、70、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0068】
図5は、デジタルロックシステム500のブロック図の一実施形態50を拡大図として例解している。ロックとユーザの移動端末は、4センチメートル未満の距離である。この距離は、NFCが動作するのに十分である。ワイヤレス誘導充電は、タッチ又は4cm程度の距離を必要とし得る。
【0069】
ロック524の動作電力は、NFC又はQiのいずれかを含み得る移動端末のワイヤレス送電デバイス506によってロックに送信される。ロックに電力が供給されるとき、ロック524と移動端末500との間で近距離無線通信が確立される。
【0070】
近距離無線通信接続510は、Bluetooth、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続であり得るが、好ましくは、図示したようにNFCである。
【0071】
所定の期間は、移動端末の画面508がロックされた後の時間まで延長されるように構成される。画面がロックされるとは、例えば今日のiPhoneと同様に、タッチスクリーン内のキーボードがユーザ認証まで無効になることを意味する。移動端末アプリは、ユーザが移動端末の画面508をロック解除及び再認証する必要なしに、ロック524にデジタルキーを通信するように構成される。これにより、認証のためにパスコード、指紋、及び/又はFacelDを入力する必要なしに、移動端末500をキーとして複数回安全に使用することができる。
【0072】
ロックを解錠する又は施錠するために、移動端末500でロック524にタッチするか、又は移動端末500をNFCの動作範囲内(ロック524から5センチメートル未満)に入れる。シングルタッチ中又は近接している間、ロックを解錠するためのユーザの再タッチ又はさらなる承認の提供を必要とせずに、移動端末アプリ300は、NFC送電デバイス及び通信接続を使用してロックを解錠する。
【0073】
好ましくは、移動端末アプリ300は、移動端末のジャイロスコープの読取値に基づいて移動端末500の動きが止まると判断したときに、所定の期間中に、近くのロック524をスキャンするために送電デバイス506をアクティブ化するように構成される。これは、普通は、ユーザがポケットから移動端末を取り出し、ロック524の近くに配置した信号が送信される。
【0074】
また、好ましくは、移動端末アプリ300は、所定の期間中に、近くのロック524をスキャンするために送電デバイス506を定期的にアクティブ化するように構成される。所定の時間後に、ロック524は、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末500から受信した電力を使用して自動的にロックされる。施錠と解錠が同じXジュールのエネルギーを消費すると仮定すると、送電デバイスからの電力パルスは、好ましくは、2Xジュールよりも少し大きく、したがって、ロックを解錠及び施錠するのに十分である。
【0075】
実施形態50のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、60、70、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0076】
図6は、本発明に係る、ロックを解錠又は施錠するユーザがロックのすぐ近くにいるときのロック524を動作させるモバイルデジタルロックアプリケーション600を示すユーザインターフェースの一実施形態60を例解している。
【0077】
スクリーンショット610に示すように、移動端末アプリ600は、近くのロックをスキャンするために送電デバイス506を定期的にアクティブ化するように構成される。ユーザは職場にいて、移動端末アプリ600は、好ましくは、移動端末アプリ600が認証を記憶している期間内に、ロックをスキャンしている。移動端末アプリ600はまた、移動端末500のジャイロスコープの読取値に基づいて移動端末500の動きが停止すると判定されたときに、所定の期間中に、近くのロック524をスキャンするために送電デバイス506をアクティブ化するように構成され得る。代替的に、移動端末500の動きの停止を検出するために、例えば圧電測定を用いる加速度計を使用することもできる。
【0078】
スクリーンショット620において、ロックの動作電力は、NFC又はQiのいずれかを含み得る移動端末のワイヤレス送電デバイス506によってロックに送信され、ロックに電力が供給されるとき、ロックと移動端末500との間で近距離無線通信が確立される。
【0079】
近距離無線通信接続は、Bluetooth、NFC、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続のいずれかであり得る。スクリーンショット630では、ユーザがデジタルキーを送信したい通信チャネル624、626、628にチェックが入れられている。より長距離の通信チャネルはユーザから離れたロックを偶発的に解錠し得ることから、好ましくは、この通信チャネルはNFC624である。
【0080】
移動端末500でロックにタッチする又は移動端末500をNFCの動作範囲内(ロックから5センチメートル未満)に入れると、スクリーンショット640に示すように、ロックを解錠するユーザのデジタルキーがロック524に送信される。シングルタッチ中に、ロックを解錠するためのユーザの再タッチ又はさらなる承認の提供を必要とせずに、移動端末アプリ600は、例えば、誘導性とすることができるNFC送電デバイス又はワイヤレス充電、及びスクリーンショット630で選択されている通信接続を使用して、ロックを解錠する632。所定の時間後に、ロックは、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末から受信した電力を使用して自動的にロックされる。このとき、画面632は、現在の「ロック解錠中」表示から、「ロック施錠中」になる。
【0081】
実施形態60のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、70、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0082】
図7は、マクロスケールでの本発明のデジタルロック技術を実装する方法を示すフローチャートの一実施形態70を例解している。この方法は、それぞれ図2図5、及び図8の実施形態20、50、及び80と同一の又は類似のシステムで実施することができる。この方法のエンドユーザは、それぞれ図3図6、及び図9に示された実施形態30、60、90で開示されたものと同一の又は類似のユーザインターフェースを使用することができる。
【0083】
図7は、ユーザが近くに移動するときの本発明のデジタルロック技術の動作方法を示すフローチャートの一実施形態70を例解している。フェーズ702において、ユーザは、電子メッセージを介してデジタルキー又はデジタルキーのコピーを本人以外の人物に送信し、これにより、ロックの解錠をこの人物に認可することができる。これは、例えば、ユーザが自宅から離れているときに、親戚又は友人を自宅に入れたい状況に有用である。好ましくは、フェーズ702において、電子メッセージは、セルラー通信ネットワークを介して、又は近距離無線通信接続を介して送信される。
【0084】
フェーズ704において、移動端末アプリは、複数のキーを格納し、ユーザのクラウドアカウント又は少なくとも1つのクラウドサーバにキーのコピーを安全に保持する、又は新しいキーを生成するように構成される。デジタルキーは、例えば、ユーザがiPhoneを使用している場合はユーザのiCloudアカウントで、又はユーザがAndro識別移動端末を使用している場合はGoogleクラウドで保持され得る。代替的に、キーは、本発明に係る移動端末アプリ600に関連する専用クラウドアカウントに保持され得る。
【0085】
フェーズ706において、移動端末アプリ900は、移動端末の位置を測位し、保存された位置及び保存された位置の所定の距離内での画面ロック認証を記憶するように構成される。位置は、通常、GPS(全地球測位システム、Galilei、セルラー基地局の三角測量方法、及び/又はWi-Fi又はiBeacon(登録商標)基地局IDなどの基地局の身元を使用して測位される。
【0086】
フェーズ708において、位置の測位は、その位置で画面ロック認証を要求することなく、同じロック又は複数の異なるロックの解錠及び施錠を複数回可能にするために用いられる。これは、ユーザが自宅又は職場で、ドアを開ける必要があるたびに移動端末で自分を再認証することなく、随所で自分のデジタルキーを使用することができる状況に有用である。
【0087】
移動端末アプリは、移動端末のジャイロスコープの読取値に基づいて移動端末の動きが止まると判断したときに、所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイスをアクティブ化するように構成される。ジャイロスコープの読取値は、通常、ユーザが自分の移動電話でロックをタッチし、そのロックを解除して入ろうとしていることを示す。ユーザが移動端末をポケットから引っぱり出し、この移動電話でロックをタップすると、これらのタイプのジャイロスコープの読取値が生成される。
【0088】
移動端末アプリは、所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイスを定期的にアクティブ化するように構成される。ユーザがBluetoothなどのより長距離の通信チャネルを使用している場合、ユーザがロックの範囲内、例えば2~3メートル以内、に入ったときにロックが解錠されるようにプログラムすることもできる。これは実際に、デジタルキーでロックされたドアを随所で開くことができる移動を可能にする。しかしながら、ロックの意図せぬ解錠のリスクは、範囲が広がるにつれて大きくなる。
【0089】
フェーズ710において、解錠から所定の時間後に、ロックは、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末800から受信した電力を使用して自動的にロックされる。この期間が短く、例えば2~4秒に、設定されていると、ユーザがドアのハンドルの前の2~3メートルのところでBluetoothを介してドアを解錠することができる。これにより、ユーザが入った直後にロックが施錠し、又はロックが意図せず解錠した場合でも、どのような侵入者にもロックの偶発的な解錠で侵入される時間は非常に短くなるだろう。
【0090】
実施形態70のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、60、80、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0091】
図8は、デジタルロックシステム800のブロック図の一実施形態80をネットワークトポロジー図として例解している。
【0092】
移動端末アプリ900は、通常、複数のキーを格納し、少なくとも1つのクラウドサーバ810上のユーザのクラウドアカウントにキーのコピーを安全に保持する及び/又は新しいキーを生成するように構成される。
【0093】
ユーザは、自分の移動端末800から電子メッセージを介して本人以外の人物にデジタルキー又はデジタルキーのコピーを送信し、これにより、アクセスする特定のロックの解錠をこの人物に認可することができる。通常、この人物は、友人、又は母親802、息子804、又は娘806などの親戚である。デジタルキーを含んでいる電子メッセージは、通常、セルラー通信ネットワーク820を介して及び/又は近距離無線通信接続820を介して送信される。
【0094】
移動端末アプリ900は、移動端末の位置を測位し、保存された位置での画面ロック認証を記憶するように構成される。好ましくは、保存された位置の所定の距離内で、画面ロック認証を要求することなく、同じロック又は複数の異なるロックの解錠及び施錠が複数回許可される。息子804の移動端末に送信された自宅のデジタルキーは、いくつかの実施形態では、移動端末804にインストールされたモバイルロックアプリケーションをアクティブ化することができ、したがって、デジタルキーは息子によって随所で使用され、息子はドアを開けるのに毎回、移動端末804の認証を必要とせずに、多くのドアが複数回開けられる。
【0095】
いくつかの実施形態において、移動端末800、802、804、806のいずれかにインストールされた移動端末アプリは、近くのロックをスキャンするために送電デバイスをアクティブ化するように構成される。これは、好ましくは、例えば、移動端末がポケットから引っぱり出され、ロックを解錠するためのキーとして用いられることを示す移動端末800、802、804、806のジャイロスコープの読取値に基づいてその移動端末800、802、804、806の動きが止まると判断したときに、所定の期間中に行われ得る。代替的に、移動端末アプリ900は、ユーザ認証を記憶している所定の期間中に、近くのロックをスキャンするために送電デバイスを定期的にアクティブ化するように構成されてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態では、所定の時間後に、ロックは、解錠手順及び/又は解錠タッチ中に移動端末800、802、804、806から受信した電力を使用して自動的にロックされる。いくつかの実施形態において、ロックの解錠及び施錠の履歴は、移動端末800、802、804、806、クラウドサーバ810、又はその両方に記録される。このようにして、デジタルロックアプリケーション900は、例えば、従業員が作業に従事した時間を記録する作業時間モニタとしても機能することができる。又は、部屋で過ごした時間を基にデジタルキー所持者に課金される場合、ホテル又はリース又はAirbnbなどの短期滞在では、記録及びログされた時間を基に課金することもできる。
【0097】
実施形態80のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、60、70、及び/又は90のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0098】
図9は、ユーザが本発明に係るロックから僅かにさらに離れているときのモバイルデジタルロックアプリケーション900を示すユーザインターフェースの一実施形態90を例解している。
【0099】
モバイルデジタルロックアプリケーション900は、通常、Bluetooth、NFC、Wi-Fi、赤外線、マイクロ波、及び/又はレーザ接続のいずれかであり得る近距離無線通信接続を用いる。いくつかの実施形態において、モバイルデジタルロックアプリケーションはまた、4G/5Gなどのセルラーデータを介してロック及び/又はクラウドサーバと通信することができる。
【0100】
スクリーンショット910では、移動端末アプリ900は、複数のキーを格納し、少なくとも1つのクラウドサーバ上のユーザのクラウドアカウントにキーのコピーを安全に保持する。例えば、ユーザは、システムに格納された自宅905又は職場904で使用されるデジタルキーを有することができる。
【0101】
スクリーンショット920では、ユーザは、電子メッセージ921を介して本人以外の人物802、804、806にデジタルキー904、905又はデジタルキーのコピーを送信し、これにより、ロック500の解錠をこの人物に認可することができる。通常、電子メッセージは、セルラー通信ネットワークを介して又は近距離無線通信接続を介して送信される。
【0102】
スクリーンショット930では、移動端末アプリ900は、移動端末800、802、804、806の位置932を測位し、保存された位置及び保存された位置の所定の距離内での画面ロック認証を記憶し、画面ロック認証を要求することなく、同じロック又は複数の異なるロックの解錠及び施錠を複数回許可するように構成される。デジタルキーは、通常、移動端末アプリから設定され得る有効期間934を有する。
【0103】
スクリーンショット940では、所定の時間後に、ロックは、好ましくは、解錠手順及び/又はタッチ中に移動端末から受信した電力を使用することによって自動的にロックされる。施錠及び解錠されたロック、ロックが施錠又は解錠されたときの位置及び時間は、移動端末800、802、804、806及び/又はクラウドサーバ810に格納され得る電子ログに格納することができる。
【0104】
実施形態90のいずれの特徴も、本発明に係る他の実施形態10、20、30、40、50、60、70、及び/又は80のいずれかと容易に組み合わせる又は置き換えることができる。
【0105】
いくつかの実施形態において、モバイルクラウドアプリは、ユーザが、ユーザがアクセスしていた部屋、会場、又は資産へのアクセスに関する盗難又は恐喝又はその他の無許可の又は違法な追跡の被害者となる場合、ユーザがアクセス関連の又は有効化のデータを消去できる特徴を含み得る。例えば、電話を落としてしまった場合、モバイルクラウドアプリは、アクセス関連の又は有効化のデータの消去をアクティブ化することができる。同様に、移動端末のジャイロスコープ又は加速度計の読取値が暴力を示す、例えば、ユーザが泥棒、強盗、又は他の攻撃的な第三者によって危害を加えられている場合、モバイルクラウドアプリは、ユーザが入力したロックに関するすべてのアクセス関連データを消去することができる。ユーザがアクセスしたロックに関連するデジタルキーなどのアクセス関連データは、いくつかの実施形態において、例えば、真のユーザが法執行官、公証人などによってもはや犯罪の被害者ではないと識別される場合に特別な手順で、消去後にクラウドから復元することができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、モバイルクラウドアプリは、移動端末で磁力計及びその信号を使用してNFC通信を監視する。移動端末が、例えばX、Y、Zベクトルデータに基づいてNFCアンテナ又はロックの存在を観測するときに、NFC通信が開始される。この特徴は、例えばコアに永久磁石が内蔵されているNFCアンテナ及び/又はロックで特に上手く機能する。永久磁石は、通常、容易に観測可能な磁場を発生させる。様々なNFCロック、NFCキー、及びNFCアンテナ、並びに永久磁石が、本出願への参照として組み込まれる本発明者のEP3217365に記載されている。
【0107】
本発明は上記で説明されており、本発明のかなりの利点が実証されている。本発明は、モバイルユーザが物理的鍵の使用をやめて、代わりにクラウドアプリ内に格納されたデジタルキーを有する自分の移動電話を使用することを可能にする。本発明のモバイルクラウドアプリを使用すると、鍵を挿入する、回す、又は小刻みに動かす必要はないため、物理的な真鍮又はスチール製の鍵よりもさらに便利である。ロック及びドアを解錠するにはラッチを開くだけで十分である。モバイルロッククラウドアプリケーションが自己給電式ロックの通信範囲内にあるとき、アプリは、クエリ又はプロンプトに応答することによってデジタルキーを自動的に送信することができ、キーを自動的に送信することによってロックを解錠することができる。アプリはまた、移動端末からロックに電力パルスを放出してロックに電力を供給することができ、これによりロックを建物又は車両に設置及び保守するために必要な技術的作業の複雑さ及びコストが大幅に削減される。
【0108】
本発明は、前述の実施形態を参照して上記で説明されている。しかしながら、本発明がこれらの実施形態に限定されないだけでなく、本発明の精神及び範囲及び以下の特許請求の範囲内のすべての可能な実施形態を含むことは明らかである。
【0109】
参考文献
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】