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特表2023-500233短距離で効率的な液体冷却式ディスペンサー方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-05
(54)【発明の名称】短距離で効率的な液体冷却式ディスペンサー方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/118 20170101AFI20221223BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20221223BHJP
   B29C 64/295 20170101ALI20221223BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20221223BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20221223BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20221223BHJP
【FI】
B29C64/118
B29C64/209
B29C64/295
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524614
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 IN2021050229
(87)【国際公開番号】W WO2021199062
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202041014618
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522165979
【氏名又は名称】ファブヘッヅ オートメーション プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】バラール、アクシェイ
(72)【発明者】
【氏名】カナガラージ、デニーシュ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AK02
4F213AK13
4F213AP05
4F213AR06
4F213AR14
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL74
(57)【要約】
本発明は、ディスペンサーを使用して物体を作製するための方法に関する。前記方法は、印刷材料をプリンターに供給することを含む。前記方法は、冷却剤源から液体冷却剤を受け取ることをさらに含む。前記方法は、らせん形状のコアで前記液体冷却剤を使用して前記印刷材料を冷却することをさらに含む。前記方法は、熱源によって前記印刷材料を加熱することをさらに含む。前記方法は、前記ディスペンサーを使用して印刷用の前記印刷材料を分配することをさらに含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷材料をプリンターに供給することと、
冷却剤源から液体冷却剤を受け取ることと、
前記印刷材料が溶融温度未満に保持するために、らせん形状のコアで前記液体冷却剤を使用して前記印刷材料を冷却することと、
熱源によって前記印刷材料を加熱することと、
前記ディスペンサーを使用して印刷用の前記印刷材料を分配することと、を含む、ディスペンサーを使用して物体を印刷するための方法。
【請求項2】
前記コアのらせん形状は、前記コアと前記冷却剤の接触面積を増加させ、冷却効率を向上させるように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記印刷材料は前記ディスペンサーの前記コールドエンド部分で冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷材料は前記ディスペンサーの前記ホットエンド部分で加熱される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記冷却剤は所定の温度、pH値および純度で貯蔵される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記冷却剤液体の受け取りは、濾過システムによる前記液体冷却剤の濾過を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記濾過システムは、前記液体冷却剤から汚染物を除去するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記冷却剤液体の受け取りは、輸送システムにより前記冷却剤を前記ディスペンサーに輸送することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記冷却剤液体の受け取りは、前記液体冷却剤を前記冷却剤源に戻すことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記冷却は、前記ディスペンサーの前記コールドエンド部分でらせん状のコアを使用して前記液体冷却剤を冷却することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記印刷材料の温度が設定温度以下に制御されるように、前記コア内の流量を制御することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記設定温度はヒートブロックの上方の任意の場所での前記印刷材料の融点よりも低い、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に、ディスペンサー方法に関し、特に作製のための液体冷却式ディスペンサー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
押圧機は、原材料を構築表面に分配するための3次元(3D)プリンターの一部である。押圧機は、ホットエンドで材料を溶融させ、材料をノズルから構築表面に押圧する。通常、押圧機は、ベースに対して3次元で押圧ヘッドを移動する同時に、押圧ヘッドから熱可塑性プラスチックを選択的に押圧および溶融して、3次元物体の高速成形を実行する。押圧ヘッドは、コンピューターの制御下でベースに対して移動する。効果的な押圧を実行するために、コールドエンドの温度はホットエンドよりもかなり低い必要がある。
【0003】
押圧機のホットエンドの低い温度を保持する通常の方法は、コールドエンドの近くにファンを配置してコールドエンドを空冷することである。しかしながら、空気の熱容量が少ないため空冷効率が低く、ホットエンドの温度が非常に高い(>260℃)時、空冷効果がなくなる場合もある。さらに、例えば加熱された環境で使用される場合、空冷によりコールドエンドが効果的でない環境温度に冷却されるだけである可能性がある。
【0004】
従来、上記の問題に対応して高いホットエンド温度を維持するようにプロセスを設計してきたが、単に空気を冷却剤として水に置き換えるだけであるため、非常に効果がない。従来のプロセスでは、水は単にコールドエンドの周りに流れて熱を吸収している。従来のプロセスでは、空冷式押圧機よりも高いものの、熱の伝達量が限られる。また、従来の水冷方法は、コールドエンドが環境から熱を吸収する可能性があるため、高融点材料を堆積するために必要される高い環境温度ではほとんど機能しない。
【0005】
したがって、上記の押圧機/ディスペンサーの従来プロセスまたは方法に関連する問題を解決するプロセスまたは方法を改善する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一側面によれば、本発明は印刷用の方法を提供する。この方法は、印刷材料をプリンターに供給することを含む。この方法は、熱源により印刷材料を加熱することをさらに含む。この方法は、冷却剤源から液体冷却剤を受け取ることをさらに含む。この方法は、底部領域の入口と頂部領域の出口のらせん状の流れを促進することによって、液体冷却剤でコールドエンドの印刷材料を効果的に冷却することをさらに含む。この方法は、ディスペンサーを使用して印刷材料を分配することをさらに含む。
【0007】
以上、本発明の実施形態のいくつかの側面を理解を容易にするために簡単に説明する。この説明は本発明および各実施形態の拡張や完全な説明ではない。この説明は、以下のより詳細な説明の要約として本発明の実施形態の選択された概念を簡単に言及する。本発明の他の実施形態は、上記の記載または下記の詳細な特徴中の1つまたは複数を単独または組み合わせて使用することが可能であることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上記および下記の特徴と利点をより明確にするために、以下、特に図面を参照して本発明の具体的な実施形態を説明する。
【0009】
図1】本発明による一側面のプリンターの概略図である。
【0010】
図2】本発明による一側面のディスペンサーの概略図である。
【0011】
図3】本発明による実施形態の液体冷却式ディスペンサーの方法のフローチャートである。
【0012】
図4】本発明による実施形態のディスペンサーに使用される循環液体冷却剤の方法のフローチャートである。
【0013】
図5】本発明による実施形態のディスペンサーのらせん状コアの断面図である。
【0014】
図6】異なる冷却方法についてディスペンサーでの材料の機械的、化学的および熱的状態を比較する図である。
【0015】
理解を促進するために、図式では共通の要素に同じ番号を付けて説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この出願全体で使用される「できる」という用語は許与の意味で使用され(すなわち、可能)、強制の意味(すなわち必須)ではない。同様に、「含む(include、includingおよびincludes)」は、含むがこれに限定されないことを意味する。
【0017】
「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、「および/または」という用語は操作において接続詞および修飾詞の両方である開放式表現である。例えば、「A、BおよびC中の少なくとも1つ」、「A、BまたはC中の少なくとも1つ」、「A、BおよびC中の1つまたは複数」、「A、BまたはC中の1つまたは複数」、および「A、Bおよび/またはC」のそれぞれは、単独のA、単独のB、単独のC、AおよびB、AおよびC、BおよびCまたはA、BおよびCを意味する。
【0018】
「1つの(aまたはan)」エンティティとは、このエンティティ中の1つまたは複数を意味する。したがって、本明細書の「1つ(aまたはan)」、「1つまたは複数」、および「少なくとも1つ」という用語は置き換えて使用され得る。「含む(comprising、including)」と「有する」は置き換えて使用され得る。
【0019】
本明細書で使用される「自動」という用語およびその変形とは、プロセスまたは操作が実行されるとき、実質的な人力なしに行われる任意のプロセスまたは操作を指す。しかしながら、1つの実質的または非実質的な人力の入力が受け取られる場合、その入力がこのプロセスまたは操作の実行前に受け取られたと、このプロセスまたは操作は自動できると言える。このような人力の入力がプロセスまたは操作の実行方法に影響を与える場合、人力の入力が実質的であると見なされる。同一プロセスまたは操作で実行される人力の入力は「実質的」とは見なされない。
【0020】
図1は積層造形または3D印刷によって物体を印刷するためのプリンター10の実施形態を示す。図1に示すように、プリンター10は、シャーシ11、ポンプ12、冷却剤リザーバー13、およびラジエーター/フィルター14を含む。プリンター10は、Xガントリー15、Yガントリー16、およびZガントリー17をさらに含む。プリンター10は、材料供給モータ18、材料供給管19、および供給材料20をさらに含む。プリンター10は、出力としての印刷プラットフォーム21および印刷部分22をさらに含む。本発明による実施形態では、プリンター10は液体冷却式押圧機100をさらに含む。
【0021】
図2は、ディスペンサー100の概略図を示す。図2に示すように、ディスペンサー100は、ホットエンド部分102、コールドエンド部分104、冷却剤源304(図2では図示しない)、および材料供給部分108を含む。コールドエンド104は冷却剤入口(129)を介してコールドエンドに進入し、チャンネル(128)の周りに流れ、らせん状のコアから熱を吸収して最終的に冷却剤出口(125)を介してコールドエンドから離れた冷却剤の流れは冷却を維持する。
【0022】
図3は本発明による実施形態の印刷物体と液体冷却式ディスペンサーの方法を示すフローチャートである。ステップ302では、印刷材料はプリンターに供給される。1つの実施形態では、印刷材料は適切な材料で形成され、プラスチックを含むが、これに限定されない。ステップ304では、冷却剤源から液体冷却剤を受け取る。1つの実施形態では、冷却剤源はディスペンサーの外部に配置され、そこから冷却剤を受け取り、戻すことができる。
【0023】
ステップ306では、液体冷却剤(つまり冷却剤源から受け取られた冷却剤)でコアを冷却する。1つの実施形態では、コアの冷却は印刷材料の冷たい感を保持するように構成される。1つの実施形態では、印刷材料はディスペンサー100のコールドエンド部分104で冷却される。1つの実施形態では、冷却は、ディスペンサーのコールドエンド部分のらせん状コア122を使用して液体冷却剤を冷却することを含む。1つの実施形態では、らせん状コアによるチャンネル(図5に示される)の形状は、コアと冷却剤の接触面積を増加させ、ケーシング内での冷却剤の滞留時間を増加させ、それによって冷却効率を高めるように構成される。
【0024】
ステップ308では、印刷材料は熱源によって加熱される。1つの実施形態では、印刷材料はホットエンド部分102で加熱され得る。ステップ310では、印刷材料はディスペンサーによって分配される。1つの実施形態では、ノズルはディスペンサーとして機能することができる。
【0025】
図4は、本発明による実施形態のディスペンサーのための循環液体冷却剤の方法のフローチャートを示す。ステップ402では、冷却剤リザーバーまたは冷却剤源から冷却剤を取り出す。1つの実施形態では、冷却剤リザーバーはディスペンサーの外部に配置され得る。さらに、冷却剤リザーバーは、所定の最適条件例えば適切な温度、pH値および純度の冷却剤を含む。また、冷却剤リザーバーは、より低い冷却剤温度を維持するために能動的または受動的冷却システムに接続され得、このシステムはラジエーター、熱電冷却器、冷凍循環などを含む。
【0026】
ステップ404では、冷却剤は濾過システムによって濾過される。1つの実施形態では、濾過システムは冷却剤循環に入る可能性のある任意の汚染物を除去することができる。ステップ406では、冷却剤は輸送システムに輸送される。1つの実施形態では、輸送システムはポンプおよび入口/出口配管を含む。ステップ408では、ディスペンサーに冷却剤を供給する。1つの実施形態では、冷却剤はディスペンサーのコールドエンド部分に供給される。ステップ410では、冷却剤は冷却システムに戻される。
【0027】
方法300と400は、有利に3次元(3D)印刷装置(これに限定されない)で使用され得る高度な冷却プロセスを提供することができる。方法300は、液体冷却剤(従来のディスペンサーで使用される空気ではない)を使用してより効率的かつ効果的により高い押圧温度を達成することができる。さらに、方法300は有利に効果的な熱伝達を確保でき、これは、水が最初に最も高温領域であるコア底部から流れ始め、比較的高温のコア頂部から離れながららせん状の流れを維持し、冷却剤の接触面積が最大化するからである。当業者は、水とコアの最も高温部分と接触するとき、この方法は熱伝達を最大化することができることを理解されたい。
【0028】
図6に示すように、らせん状の冷却により、材料がヒートブロック上方の任意部分で溶融温度以下に保持されることを確保する。好ましい実施形態では、冷却剤の流量は、遷移領域103中の材料の温度を監視する温度センサーからフィードバックを取得することによって、ポンプの出力を制御することによって制御され得る。冷却剤の流量は、印刷材料の温度がヒートブロック上方の任意場所の融点未満に保持されるように制御される。当業者は、溶融が効果的な押圧に理想的なヒートブロックでのみ開始することを理解されたい。これはまた、材料通路中の材料の制限された移動を制限し、材料通路全体をコーティングしなければならない他の冷却方法と異なり、材料通路をコーティングする必要がない。当業者は、コーティングプロセスが非常に高価になる可能性があるため、このシステムはより経済的にすることを理解されたい。さらに、このシステムの応答がはるかに高速であり、これは、圧力の上昇はヒートブロックでのみ発生するからである。他の方法と異なり、材料を押し込むとノズルに流れ、押し込み力を取り除くと、材料の流れが停止し、他の方法では、流れの止まりが遅れ、ある応用においてディスペンサーにより作製された製品に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0029】
さらに、方法300によって提供される冷却効果については、コールドエンド部分では比較的短いコア(コアのらせん形状に起因)があるため、短縮されたコールドエンド部分が存在する可能性がある。また、ホットエンドにより多い熱を供給することができるため、方法300はより速い堆積速度/より高い印刷速度を提供することができる。また、コールドエンドが短縮されるため、クリープ故障による印刷ノズルの詰まりの可能性が最小限に抑えられる。さらに、効率的な熱伝達により、比較的低い圧力のポンプが必要であるため、ディスペンサーの冷却はより経済的である。さらに、1つの実施形態では、高い環境温度で印刷する場合、コールドエンド部分の断熱外壁は環境から印刷材料への熱伝達を防ぐことができる。これにより、高い環境温度で印刷する場合でも、ディスペンサーのコアがより低温に保たれる。
【0030】
本発明の例示的な実施形態の前記議論は、例示および説明の目的で提示されてきた。本発明を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図するものではない。前記具体的な実施形態では、例えば、本発明の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つまたは複数の実施形態、構成、または態様にまとめられている。実施形態、構成、または態様の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の実施形態、構成、または態様で組み合わせることができる。この開示方法は、本発明が各特許請求の範囲に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とする意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、前記の単一の開示された実施形態、構成、または態様のすべての特徴よりも少ないものにある。したがって、以下の特許請求の範囲が本明細書に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態としてそれ自体で成り立っている。
【0031】
さらに、本発明の説明は、1つまたは複数の実施形態、構成、または態様、および特定の変形および修正の説明を含むが、他の変形、組み合わせ、および修正は、本発明の範囲を逸脱しない限り、例えば、本開示を理解した後、当業者の技能および知識の範囲内で行われる。代替の、交換可能なおよび/または同等の構造、機能、範囲またはステップが本明細書に開示されているかどうかにかかわらず、特許性のある主題を開示することを意図することなく、許可された範囲での代替の実施形態、構成、または側面を含む権利(代替の、交換可能な、および/または同等の構造、機能、範囲、またはステップを含む)を取得することを目的としている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】