(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(54)【発明の名称】短距離で効率的な液体冷却式ディスペンサー
(51)【国際特許分類】
B29C 64/209 20170101AFI20221227BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20221227BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20221227BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20221227BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20221227BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20221227BHJP
【FI】
B29C64/209
B29C64/118
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
B29C64/295
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524574
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(85)【翻訳文提出日】2022-04-27
(86)【国際出願番号】 IN2021050228
(87)【国際公開番号】W WO2021199061
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202041014588
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522165979
【氏名又は名称】ファブヘッヅ オートメーション プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】バラール、アクシェイ
(72)【発明者】
【氏名】カナガラージ、デニーシュ
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AJ12
4F213AJ13
4F213AK02
4F213AK13
4F213AP05
4F213AR06
4F213AR14
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL74
(57)【要約】
本発明は、物体を作製するためのディスペンサー(100)を提供する。前記ディスペンサー(100)は、材料供給部分(108)を含み、前記材料供給部分(108)は、印刷材料を供給するように構成される。前記ディスペンサー(100)は、コールドエンド部分(104)をさらに含み、前記コールドエンド部分(104)は、前記印刷材料の温度を冷却するように構成される。前記システムは、冷却剤源(304)をさらに含み、前記冷却剤源(304)は、液体を冷却剤として使用し前記印刷材料を冷却するように構成される。前記ディスペンサー(100)は、ホットエンド部分(102)をさらに含み、前記ホットエンド部分(102)は、前記印刷材料を溶融状態に変換し、ディスペンサー出口(116)から印刷用の前記印刷材料を出力するように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷材料を供給するように構成された材料供給部分(108)と、
冷却剤が通過するための導管(126)を有するらせん状コア部(122)を含み、前記印刷材料の温度を冷却するように構成されたコールドエンド部分(104)と、
液体を冷却剤として使用し、前記印刷材料を冷却するように構成された冷却剤源(304)と、を含むディスペンサー(100)。
【請求項2】
印刷材料を溶融状態に変換し、ディスペンサー出口(116)から印刷用の前記印刷材料を出力するように構成されたホットエンド部分(102)をさらに含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記ホットエンド部分(102)は、前記ホットエンド部分(102)と前記コールドエンド部分(104)を接続するように構成されたコネクタロッド(118)を含む、請求項1に記載のディスペンサー(100)。
【請求項4】
前記ホットエンド部分(102)は、前記印刷材料を溶融するように構成されたヒートブロック(110)を含む、請求項1に記載のディスペンサー(100)。
【請求項5】
前記ホットエンド部分(102)は、前記ヒートブロック(110)を覆うように構成されたサーマルジャケット(120)を含む、請求項3に記載のディスペンサー(100)。
【請求項6】
前記ディスペンサー出口(116)は、様々なサイズおよび断面の原材料を処理するように構成されたノズルである、請求項1に記載のディスペンサー(100)。
【請求項7】
前記ノズルは交換可能である、請求項6に記載のディスペンサー(100)。
【請求項8】
前記ホットエンド部分(102)は、ヒートブロック(110)の温度を測定するように構成された温度測定ユニット(114)を含む、請求項1に記載のディスペンサー(100)。
【請求項9】
前記らせん状コア部(122)は、原材料が通過するための導管(126)を含む、請求項1に記載のディスペンサー(100)。
【請求項10】
前記らせん状コア部は、前記コア部(122)と前記冷却剤の接触面積を増加させ、冷却効率を高めるように構成される、請求項8に記載のディスペンサー(100)。
【請求項11】
前記コールドエンド部分(104)は、前記コールドエンド部分(104)のジャケットとするように構成されるケーシング(124)をさらに含む、請求項9に記載のディスペンサー(100)。
【請求項12】
前記らせん状コア部(122)中の前記冷却剤の流量を制御するためのポンプをさらに含む、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記ポンプと連通し、前記印刷材料の必要な温度に基づいて前記流量を制御するための遷移領域130中の温度センサー123をさらに含む、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記印刷材料の必要な温度は前記ヒートブロック上方の任意場所の融点よりも低い、請求項13に記載のディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般に、ディスペンサーに関し、特に液体冷却式ディスペンサー方法に関する。
【背景技術】
【0002】
押圧機は、原材料を構築表面に分配するための3次元(3D)プリンターの部材である。押圧機は、ホットエンドで材料を溶融させ、材料をノズルから構築表面に押圧する。通常、押圧機は、ベースに対して3次元で押圧ヘッドを移動する同時に、押圧ヘッドから熱可塑性プラスチックを選択的に押圧および溶融して、3次元物体の高速成形を実行する。押圧ヘッドは、コンピューターの制御下でベースに対して移動する。効果的な押圧を実行するために、コールドエンドの温度はホットエンドよりもかなり低い必要がある。
【0003】
押圧機のホットエンドの低い温度を保持する通常の方法は、コールドエンドの近くにファンを配置してコールドエンドを空冷することである。しかしながら、空気の熱容量が少ないため空冷効率が低く、ホットエンドの温度が非常に高い(>260℃)時、空冷効果がなくなる場合もある。さらに、例えば加熱された環境で使用される場合、空冷によりコールドエンドが効果的でない環境温度に冷却されるだけである可能性がある。
【0004】
従来、上記の問題に対応して高いホットエンド温度を維持するように水冷式押圧機を設計してきたが、単に空気を冷却剤として水に置き換えるだけであるため、非常に効果がない。従来の水冷式押圧機では、水は単にコールドエンドの周りに流れて熱を吸収している。従来の水冷式押圧機では、空冷式押圧機よりも高いものの、熱の伝達量が限られる。また、従来の水冷方法は、コールドエンドが環境から熱を吸収する可能性があるため、高融点材料を堆積するために必要される高い環境温度ではうまく機能しない。
【0005】
したがって、上記の従来押圧機/ディスペンサーに関する問題を解決する押圧機またはディスペンサーを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一側面によれば、本発明は印刷用のディスペンサー(100)を提供する。このディスペンサー(100)は、印刷材料を供給するように構成された材料供給部分(108)を含む。このディスペンサー(100)は、印刷材料の温度を冷却するように構成されたコールドエンド部分(104)をさらに含む。このディスペンサー(100)は、液体を冷却剤として使用し、印刷材料を冷却するように構成された冷却剤源(304)をさらに含む。このディスペンサー(100)は、印刷材料を溶融状態に変換してディスペンサー出口(116)から印刷用の印刷材料を出力するように構成されたホットエンド部分(102)をさらに含む。この材料は、任意の状態、形状やサイズ、例えば円形フィラメント断面、長方形テープ断面などであってもよい。
【0007】
以上、本発明の実施形態のいくつかの側面を理解を容易にするために簡単に説明する。この説明は本発明および各実施形態の拡張や完全な説明ではない。この説明は、以下のより詳細な説明の要約として本発明の実施形態の選択された概念を簡単に言及する。
【0008】
本発明の他の実施形態は、上記の記載または下記の詳細な特徴中の1つまたは複数を単独または組み合わせて使用することが可能であることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上記および下記の特徴と利点をより明確にするために、以下、特に図面を参照して本発明の具体的な実施形態を説明する。
【
図1】本発明のある側面のプリンターの実施形態を示す。
【
図2】本発明のある側面のディスペンサーの断面図である。
【
図3】本発明による実施形態のディスペンサーの断面図であり、ディスペンサーのホットエンド部分を示す。
【
図4】本発明による実施形態のディスペンサー断面図であり、ディスペンサーのコールドエンド部分を示す。
【
図5】本発明による実施形態のディスペンサーの断面図であり、チャンネルを示す。
【
図6】本発明による実施形態のディスペンサーのケーシングの断面図である。
【
図7】本発明による実施形態の液体冷却式ディスペンサーの方法のフローチャートである。
【
図8】本発明による実施形態のディスペンサーの液体冷却剤の循環方法のフローチャートである。
【
図9】本発明による実施形態のディスペンサー全体の断面図である。
【
図10】本発明による実施形態の原材料用の固定断面の代替実施形態を示す。 理解を促進するために、図式では共通の要素に同じ番号を付けて説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この出願全体で使用される「できる」という用語は許与の意味で使用され(すなわち、可能)、強制の意味(すなわち必須)ではない。同様に、「含む(include、includingおよびincludes)」は、含むがこれに限定されないことを意味する。
【0011】
「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」、「および/または」という用語は操作において接続詞および修飾詞の両方である開放式表現である。例えば、「A、BおよびC中の少なくとも1つ」、「A、BまたはC中の少なくとも1つ」、「A、BおよびC中の1つまたは複数」、「A、BまたはC中の1つまたは複数」、および「A、Bおよび/またはC」のそれぞれは、単独のA、単独のB、単独のC、AおよびB、AおよびC、BおよびCまたはA、BおよびCを意味する。
【0012】
「1つの(aまたはan)」エンティティとは、このエンティティ中の1つまたは複数を意味する。したがって、本明細書の「1つ(aまたはan)」、「1つまたは複数」、および「少なくとも1つ」という用語は置き換えて使用され得る。「含む(comprising、including)」と「有する」は置き換えて使用され得る。
【0013】
本明細書で使用される「自動」という用語およびその変形とは、プロセスまたは操作が実行されるとき、実質的な人力なしに行われる任意のプロセスまたは操作を指す。しかしながら、1つの実質的または非実質的な人力の入力が受け取られる場合、その入力がこのプロセスまたは操作の実行前に受け取られたと、このプロセスまたは操作は自動できると言える。このような人力の入力がプロセスまたは操作の実行方法に影響を与える場合、人力の入力が実質的であると見なされる。同一プロセスまたは操作で実行される人力の入力は「実質的」とは見なされない。
【0014】
図1はプリンター10の概略図である。
図1に示すように、プリンター10は、シャーシ11、ポンプ12、冷却剤リザーバー13、およびラジエーター/フィルター14を含む。プリンター10は、Xガントリー15、Yガントリー16、およびZガントリー17をさらに含む。プリンター10は、材料供給モータ18、材料供給管19、および材料供給20をさらに含む。プリンター10は、出力としての印刷プラットフォーム21、および印刷部材22をさらに含む。本発明による実施形態では、プリンター10は液体冷却式押圧機100をさらに含む。
【0015】
図2は液体冷却式押圧機/ディスペンサー100の概略図である。
図2に示すように、ディスペンサー100は、ホットエンド部分102、コールドエンド部分104、冷却剤源304(
図2で図示しない)、および材料供給部分108を含む。
【0016】
図3はディスペンサー100のホットエンド部分102の概略図である。本開示の実施形態によれば、ホットエンド部分102は、ディスペンサーで印刷材料(例えば、プラスチック)をその溶融温度に加熱して溶融状態に変換するための領域である。
【0017】
図3に示すように、ホットエンド部分102は、印刷材料を溶融するように構成されたヒートブロック110を含む。1つの実施形態では、ヒートブロック110は、高い熱伝導率の材料(例えば、アルミニウム)で形成され得る。さらに、ヒートブロック110は、別のホットエンドコンポーネントの取り付けのための設備を含む。ホットエンド部分102は、ヒートブロック110中の材料を溶融するための加熱源を提供するように構成された加熱源112をさらに含む。1つの実施形態では、熱源112は、ヒートブロックをPEEK、ULTEMなどのような高性能材料に必要な温度、例えば450℃まで加熱できる出力を有する抵抗加熱ボックスをさらに含む。
【0018】
さらに、1つの実施形態では、ホットエンド部分102は、ヒートブロックの温度を測定して測定値をコントローラーに送信するように構成された温度測定ユニット114をさらに含む。コントローラーは、ヒートブロックの温度を設定値に維持するように構成される。1つの実施形態では、温度測定ユニット114は、900℃までの高温を測定可能な熱電対であり得る。ホットエンド部分102は、溶融プラスチックの出口として機能するように構成されたノズル116をさらに含む。1つの実施形態では、ノズル116は、堆積する原材料のサイズおよび状態に基づいて必要な出口断面を有する分配/ディスペンサー出口であり得る。さらに、分配出口は、熱伝導材料(例えば、均一に加熱するための真鍮)で形成され得る。別の実施形態では、ノズルは、異なる繊維タイプ、サイズおよび断面を処理するために交換可能である。
【0019】
ホットエンド部分102は、材料通路インサート127の一部をさらに含む。1つの実施形態では、インサート127は、ホットエンド部分102をコールドエンド部分104に接続するように構成される。別の実施形態では、インサート127は材料供給部分108に直接接続される。インサート127は、材料とホットエンドのアルミニウムなどの高い熱伝導率の材料からなる部分との組み合わせにより作製され得る。ホットエンドとコールドエンド間の部分は、非常に低い熱伝導率の材料(例えば、チタン、セラミック)で形成され、ホットエンド部分102からコールドエンド部分104への熱伝達を制限する。最後に、コールドエンド中の部分は、インサートからコア部に熱を効率的に伝達するために、アルミニウムなどの高い導電性材料で形成される。
【0020】
さらに、1つの実施形態では、ホットエンド部分102は、サーマルジャケット120(図では図示しない)を含み、このサーマルジャケット120は、環境への熱損失を防ぐために、ヒートブロック110上の断熱層として機能するように構成される。1つの実施形態では、ヒートブロック110は、サーマルジャケット120によって覆われる。サーマルジャケット120は、断熱材料で形成され、周囲環境への熱損失を低減する。当業者は、ヒートブロック110は、より高い熱伝導率を得、他の種類の温度センサーと加熱ユニットを取り扱うために、他の種類の材料と交換することができることを理解されたい。
【0021】
図4はディスペンサー100のコールドエンド部分104の概略図である。本開示の1つの実施形態では、コールドエンド部分104は、印刷材料を低温に保持し、材料がディスペンサー出口から早期に溶融するのを防ぐように構成される。
【0022】
1つの実施形態では、
図4に示すように、コールドエンド部分104は、コア部122、およびケーシング124を含む。1つの実施形態では、コールドエンド部分104のコア部122は、原材料が通過するための導管126を含む。さらに、コールドエンド部分104は、ホットエンド部分102の近くにあるためそこから熱にさらされる。本発明による1つの実施形態では、この熱はホットエンド部分102とコールドエンド部分104間の材料通路インサート127を介して伝達される。
【0023】
1つの実施形態では、コア部122とケーシング124は異なる材料で形成される。さらに、ケーシング124は、環境からコア部への熱伝達を制限するために、断熱されている、または断熱された材料で形成される。
【0024】
さらに、コールドエンド部分104に能動冷却機構が設けられる。冷却剤は冷却剤入口ポート(129)を通ってホットエンド(102)に進入する。1つの実施形態では、コア体122の外部は、低温を維持するための冷却剤の流れ通路として機能するように構成される。コア体の周りに流れた後、冷却剤は冷却剤出口ポート(125)から出す。1つの実施形態では、冷却剤は、高熱容量を有する任意の流体であり得る。当業者は、効率的な熱伝導を得るために、冷却剤のより高い表面積の接触が必要であることを理解されたい。
【0025】
さらに、インサート127と接触する部材は、熱を効果的にコア部の表面に伝達するために、より高い熱伝導率の材料で形成される。さらに、環境と接触する部材(例えばケーシング124)は、環境からの熱伝達を制限するために、断熱材料で形成される。本発明による1つの実施形態では、ホットエンド部分102からコールドエンド部分104に伝達されたすべての熱は冷却剤に放散される。さらに、環境からの熱がコールドエンド部分104に入ることを許さない。
【0026】
さらに、1つの実施形態では、
図5に示すように、コア部122はらせん状のコア部であり、つまりコア部122はらせん形である。1つの実施形態では、らせん状のコア部中のチャンネル128の形状は、コア部122と冷却剤の接触面積、およびケーシング124内での冷却剤の滞留時間を影響し、冷却効率に影響を及ぼすように構成される。当業者は、
図6に示されるらせん状コア部の形状により、冷却剤にらせん状の流れを提供し、冷却液体に高い接触面積と滞留時間を達成して、最大の熱を吸収して冷却効率を高めることを理解されたい。らせん状の冷却により、材料がヒートブロック上方の任意部分で融点以下に保持され得る。好ましい実施形態では、ディスペンサーはさらにポンプ12に接続され、ポンプ12は、印刷材料の温度をヒートブロック上方の溶融温度以下に保持するように、らせん状のコア部122中の冷却剤の流量を制御する。ポンプは中間温度センサー123から受信したフィードバックに基づいて流量を制御し、この中間温度センサー123は遷移領域130中の材料通路インサートに配置され得、この温度センサー123はポンプと連通し、遷移領域の最新の温度を設定融点に基づいて流量を制御するポンプに送信する。
【0027】
当業者は、コア部122とケーシング124の2つの部材システムは2つの目的に使用される。第1に、らせん状の流れのチャンネルの作製がより容易で経済的である。第2に、異なる材料でコア部とケーシングを形成することが可能である。1つの実施形態では、
図6に示すように、ケーシング124は、本体、上部カバー、底部カバー、水入口、水出口、およびシール部品を含む。ケーシング124は、コールドエンド部分104のジャケットとして機能し、冷却剤がコールドエンド部分104から流出するのを防ぐように構成される。さらに、ケーシング124は、コールドエンド部分104と高温である材料を処理する可能性のある外部環境間の熱伝達を排除するように構成される。
【0028】
さらに、
図7に示されるディスペンサー100の冷却剤源304は、最適条件下、例えば、適切な温度、pH、および純度で冷却剤を含む。さらに、冷却剤源304は、冷却剤輸送機構を含み、この冷却剤輸送機構はポンプ、および入口/出口配管を含み得る。1つの実施形態では、ディスペンサー100は、冷却剤をコールドエンド部分104に通すように構成される。
【0029】
図8は冷却剤循環を示す。冷却剤源304は、輸送システム406中の制御機構(例えば流量制御弁)を使用して必要な冷却剤流量を維持するように構成される。さらに、冷却剤から熱を除去するように構成された冷却システム410は、能動または被動システムであり得、低い冷却剤温度を保持するように、ラジエーター、熱電冷却器などを含み得る。さらに、濾過システム404は、冷却剤循環に入る可能性のある任意の汚染物を除去するように構成される。さらに、材料供給部分108は、印刷(例えば、3D印刷)を容易にするための材料を供給するように構成される。
【0030】
さらに、本発明による1つの実施形態では、ディスペンサー100は、適切な位置合わせおよびクイックリリース機構を用いて、機械(例えば、印刷ヘッド)にしっかりと取り付けられるように構成される。1つの実施形態では、クイックリリース機構は、保守のためにディスペンサー100の迅速な組み立て/分解を可能にするように構成される。さらに、1つの実施形態では、配管はディスペンサー100に接続され得、迅速な組み立ておよび分解のための迅速な解放のために空気圧コネクタを使用し得る。さらに、1つの実施形態では、ヒーターおよび温度センサー用の電線は、スナップオンコネクターによって接続することもできる。さらに、1つの実施形態では、
図9に示すように、材料通路インサート127は、ディスペンサーから容易に分離でき、通路および出口の断面が異なる代替のインサートおよびヒートブロックと交換することができる。当業者は、同じディスペンサーおよび機械を使用して、異なる断面およびサイズの原材料を堆積させることができることを理解されたい。
【0031】
図10は、原材料の固定断面を堆積する別の実施形態を示し、そのうちに、コネクターロッド118は、ホットエンドをコールドエンドに接続するように構成される。1つの実施形態では、コネクターロッドは、熱がホットエンドからコールドエンドへ熱伝達を防ぐために、断熱材料、例えばチタンで形成される。このような構造では、原材料の断面は固定されており、変更することができない。
【0032】
ディスペンサー100は、有利に3次元(3D)印刷装置で使用される高度な冷却を提供することができる。ディスペンサー100は、液体冷却剤(従来のディスペンサーで使用される空気ではない)を使用してより効果的かつ効率的により高い押圧温度を達成することができる。さらに、ディスペンサー100は、有利に効果的な熱伝達を確保でき、これは、水が最初に最も高温の領域であるコア部の底部から流れ始め、らせん状の軌跡を維持しながら比較的低温のコア部の頂部から出ることからである。当業者は、水とコア部の最も高温部分と接触し、コア部と最も高い表面接触を有するとき、最大の熱伝達を確保することができることを理解されたい。
【0033】
さらに、ディスペンサー100によって提供される冷却効果については、コールドエンド部分104では比較的短いコア部122があるため、短縮されたコールドエンド部分104が存在する可能性がある。さらに、ホットエンドにより多い熱を供給することができるため、ディスペンサー100はより速い堆積速度/より高い印刷速度を提供することができる。さらに、コールドエンドが短縮されるため、クリープ故障による印刷ノズルの詰まりの可能性が最小限に抑えられる。さらに、効率的な熱伝達により、比較的低い圧力のポンプが必要であるため、ディスペンサーの冷却はより経済的である。さらに、コールドエンド部分の断熱外壁は、高温環境下で印刷する場合熱を環境から印刷材料に伝達するように構成され得、PEEK、PEIなどの高性能熱可塑性プラスチックは高温環境が必要である可能性がある。これにより、高温で印刷する場合でも、ディスペンサーのコア部がより低温に保たれる。
【0034】
本発明の例示的な実施形態の前記議論は、例示および説明の目的で提示されてきた。本発明を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図するものではない。前記具体的な実施形態では、例えば、本発明の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つまたは複数の実施形態、構成、または態様にまとめられている。実施形態、構成、または態様の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の実施形態、構成、または態様で組み合わせることができる。この開示方法は、本発明が各特許請求の範囲に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とする意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、前記の単一の開示された実施形態、構成、または態様のすべての特徴よりも少ないものにある。したがって、以下の特許請求の範囲が本明細書に組み込まれ、各請求項は、本発明の別個の実施形態としてそれ自体で成り立っている。
【0035】
さらに、本発明の説明は、1つまたは複数の実施形態、構成、または態様、および特定の変形および修正の説明を含むが、他の変形、組み合わせ、および修正は、本発明の範囲を逸脱しない限り、例えば、本開示を理解した後、当業者の技能および知識の範囲内で行われる。代替の、交換可能なおよび/または同等の構造、機能、範囲またはステップが本明細書に開示されているかどうかにかかわらず、特許性のある主題を開示することを意図することなく、許可された範囲での代替の実施形態、構成、または側面を含む権利(代替の、交換可能な、および/または同等の構造、機能、範囲、またはステップを含む)を取得することを目的としている。
【国際調査報告】