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特表2023-500787毛髪の成長と毛髪の固定を促進するための無細胞脂肪組織抽出物の用途
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  • 特表-毛髪の成長と毛髪の固定を促進するための無細胞脂肪組織抽出物の用途 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(54)【発明の名称】毛髪の成長と毛髪の固定を促進するための無細胞脂肪組織抽出物の用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/35 20150101AFI20221228BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20221228BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20221228BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20221228BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20221228BHJP
   A61Q 7/00 20060101ALI20221228BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20221228BHJP
   A61K 38/57 20060101ALI20221228BHJP
【FI】
A61K35/35
A61P17/14
A61P17/00
A61Q5/12
A61Q5/02
A61Q7/00
A61K8/98
A61K38/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521728
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 CN2020121639
(87)【国際公開番号】W WO2021073620
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】201910990079.X
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521095787
【氏名又は名称】上海薩美細胞技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】張 文杰
(72)【発明者】
【氏名】王 祥盛
(72)【発明者】
【氏名】于 子優
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C083AA071
4C083AA072
4C083BB51
4C083CC33
4C083CC37
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD31
4C083EE22
4C084AA24
4C084CA25
4C084DB52
4C084DB53
4C084DB54
4C084DB55
4C084DB57
4C084DB58
4C084DB59
4C084DB62
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB63
4C087MA13
4C087MA16
4C087MA28
4C087MA63
4C087NA14
4C087ZA92
(57)【要約】
毛髪の再生および毛髪の固定を促進するための無細胞脂肪組織抽出物の用途。前記無細胞脂肪組織抽出物は、インスリン様成長因子、脳由来神経栄養因子、グリア由来神経栄養因子、血管内皮増殖因子、肝細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β、塩基性繊維芽細胞成長因子、血小板由来因子、表皮細胞成長因子、顆粒球コロニー刺激因子、またはその組み合わせからなる群から選択される一つまたは複数の成分を含む。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無細胞脂肪組織抽出物の用途であって、
組成物または製品の調製に使用され、前記組成物または製品は、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するために使用されることを特徴とする
無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項2】
前記無細胞組織抽出物は、脂肪組織から、好ましくは、同種異系(allogeneic)脂肪組織から抽出されることを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項3】
前記無細胞脂肪組織抽出物は、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来因子(PDGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、またはその組み合わせからなる群から選択される一つまたは複数の成分を含むことを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項4】
前記無細胞脂肪組織抽出物は、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
(1)前記IGF-1の濃度は、5000~30000pg/ml、好ましくは6000~20000pg/ml、より好ましくは7000~15000pg/ml、より好ましくは8000~12000pg/ml、より好ましくは9000~11000pg/ml、より好ましくは9500~10500pg/mlであり、
(2)前記BDNFの濃度は、800~5000pg/ml、好ましくは1000~4000pg/ml、より好ましくは1200~2500pg/ml、より好ましくは1400~2000pg/ml、より好ましくは1600~2000pg/ml、より好ましくは1700~1850pg/mlであり、
(3)前記GDNFの濃度は、800~5000pg/ml、好ましくは1000~4000pg/ml、より好ましくは1200~2500pg/ml、より好ましくは1400~2000pg/ml、より好ましくは1600~2000pg/ml、より好ましくは1700~1900pg/mlであり、
(4)前記bFGFの濃度は、50~600pg/ml、好ましくは100~500pg/ml、より好ましくは120~400pg/ml、より好ましくは150~300pg/ml、より好ましくは200~280pg/ml、より好ましくは220~260pg/mlであり、
(5)前記VEGFの濃度は、50~500pg/ml、好ましくは100~400pg/ml、より好ましくは120~300pg/ml、より好ましくは150~250pg/ml、より好ましくは170~230pg/ml、より好ましくは190~210pg/mlであり、
(6)前記VEGFの前記TGF-β1の濃度は、200~3000pg/ml、好ましくは400~2000pg/ml、より好ましくは600~1500pg/ml、より好ましくは800~1200pg/ml、より好ましくは800~1100pg/ml、より好ましくは900~1000pg/mlであり、
(7)前記HGFの濃度は、200~3000pg/ml、好ましくは400~2000pg/ml、より好ましくは600~1500pg/ml、より好ましくは600~1200pg/ml、より好ましくは800~1000pg/ml、より好ましくは850~950pg/mlであり、および/また
(8)前記PDGFの濃度は、50~600pg/ml、好ましくは80~400pg/ml、より好ましくは100~300pg/ml、より好ましくは140~220pg/ml、より好ましくは160~200pg/ml、より好ましくは170~190pg/mlであることを特徴とする
請求項3に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項5】
前記無細胞脂肪組織抽出物は、以下からなる群から選択される一つまたは複数の特徴を有し、
(1)前記IGF-1とVEGFとの重量比は、20~100:1、好ましくは30~70:1、より好ましくは40~60:1、最も好ましくは45~55:1であり、
(2)前記BDNFとVEGFとの重量比は、2~20:1、好ましくは4~15:1、より好ましくは6~12:1、最も好ましくは8~9.5:1であり、
(3)前記GDNFとVEGFとの重量比は、2~20:1、好ましくは4~15:1、より好ましくは6~12:1、最も好ましくは8.5~9.5:1であり、
(4)前記bFGFとVEGFとの重量比は、0.2~8:1、好ましくは0.5~5:1、より好ましくは0.6~2:1、より好ましくは0.8~1.6:1、最も好ましくは1~1.5:1であり、
(5)前記TGF-β1とVEGFとの重量比は、1~20:1、好ましくは1~15:1、より好ましくは1~10:1、より好ましくは2~8:1、より好ましくは4~6:1であり、
(6)前記HGFとVEGFとの重量比は、1~20:1、好ましくは1~15:1、より好ましくは1~10:1、より好ましくは2~8:1、より好ましくは4~5.5:1であり、および/また
(7)前記PDGFとVEGFとの重量比は、0.1~3:1、好ましくは0.2~2:1、より好ましくは0.4~1.5:1、最も好ましくは0.7~1.2:1であることを特徴とする
請求項3に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項6】
前記無細胞脂肪組織抽出物は
(1)脂肪組織原料を提供し、前記脂肪組織原料を細断し、(例えば、生理食塩水で)すすぐことにより、すすがれた脂肪組織を得る段階と
(2)前記すすいだ脂肪組織を遠心分離することにより、層状混合物を得る段階と
(3)前記層状混合物に対して、最下層の余分な液体および最上層のグリースを排出し、中間層(即ち、脂肪細胞を含む脂肪層)を収集する段階と
(4)前記中間層に対して機械的乳化を実行して、機械的に乳化された脂肪混合物(ナノ脂肪とも呼ばれる)を得る段階と
(5)前記機械的に乳化された脂肪混合物(合併してもしなくてもよい)を遠心分離処理することにより、脂肪の一次抽出物である透明な(または基本的に透明な)中間液体層を得る段階と、および
(6)前記脂肪の一次抽出物に対してろ過および滅菌することにより、成分を添加しない脂肪抽出物を得る段階とを含む方法によって調製されることを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項7】
前記毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進することは、真皮乳頭細胞の増殖および/または活性化を促進すること、毛包細胞の退行を遅らせること、休止期の毛包が成長期に入ることを促進すること、またはその組み合わせを含むことを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項8】
前記毛髪の成長を促進することは、毛髪の再生および/または毛髪の成長および/または毛髪の肥厚を促進することを含むことを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項9】
前記毛髪の固定は、脱毛の減少および/または毛根の強化を含むことを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項10】
前記毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進することは、脱毛を治療および/または予防することを含み、前記脱毛は、瘢痕性脱毛症および/または非瘢痕性脱毛症を含むことを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項11】
前記瘢痕性脱毛症は、毛髪扁平苔癬、閉経後脱毛症、エリテマトーデス脱毛症、Brocq偽性円形脱毛症、頭皮の解離性蜂巣炎、またはその組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする
請求項10に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項12】
前記非瘢痕性脱毛症は、男性型脱毛症、円形脱毛症、側頭三角脱毛症、抜毛癖、老人性脱毛症、休止期脱毛症、成長期脱毛症症候群、感染性脱毛症、脂肪腫性脱毛症、塩分による脱毛症、糖分による脱毛症、腫瘍関連脱毛症、またはその組み合わせ、好ましくは、男性型脱毛症、側頭三角脱毛症、休止期脱毛症、感染性脱毛症および/または心因性脱毛症からなる群から選択されることを特徴とする
請求項10に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項13】
前記組成物または製品は、毛髪の成長および/または毛髪の固定ポーション、毛髪の成長および/または毛髪の固定軟膏、毛髪の成長および/または毛髪の固定パッチ、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ムース、ローション、ヘアクリーム、ヘアマスク、染毛剤、眉毛再生剤、睫毛再生剤または睫毛栄養剤、ヘアエッセンス、頭皮ケア剤、またはその組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする
請求項1に記載の無細胞脂肪組織抽出物の用途。
【請求項14】
毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するためのパッチであって、
基片、および前記基片に固定されたマイクロニードルアレイを含み、前記パッチは、有効成分として無細胞脂肪組織抽出物を含むことを特徴とする、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するためのパッチ。
【請求項15】
毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するための方法であって、
前記方法は、必要とする対象に無細胞脂肪組織抽出物または無細胞脂肪組織抽出物を有効成分として含むパッチを施用する段階を含むことを特徴とする、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学分野、具体的には、毛髪の成長と毛髪の固定を促進するための無細胞脂肪組織抽出物の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
脱毛(alopecia)は、毛髪の減少を特徴とする一般的で頻繁に発生する皮膚疾患であり、病理学によると、大きく非瘢痕性脱毛症および瘢痕性脱毛症の二つのカテゴリーに分類され、ここで、非瘢痕性脱毛症は、アンドロゲン性脱毛症、円形脱毛症、休止期脱毛症、成長期脱毛症等に細分されることができ、瘢痕性脱毛症は、慢性皮膚エリテマトーデス、毛毛髪扁平苔癬等に細分されることができる。脱毛の病因は完全に明らかでなないが、遺伝、内分泌機能、感染病変、自己免疫機能、精神的因子および影響状態等に関連する。
【0003】
現在、脱毛を治療する手段は限られており、薬物治療および物理的治療は、主に血液循環の促進、脱毛部位への局所的な血液供給の改善を主要目的として、毛髪の再生を促進し、毛髪的成長期を延長する。脱毛は、若い成人によくみられるため、外観に影響を与え、通常は患者に精神的苦痛および痛みをもたらす。
【0004】
従って、毛髪の成長および/または毛髪の固定を効果的に促進することができる製品を提供することが緊急に必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進するための製品の調製に使用される、無細胞脂肪組織抽出物の用途を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、無細胞脂肪組織抽出物の用途を提供し、組成物または製品の調製に使用され、前記組成物または製品は、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するために使用される。
【0007】
別の好ましい例において、前記無細胞組織抽出物は、脂肪組織から、好ましくは、同種異系脂肪組織から、より好ましくは、ヒト脂肪組織から抽出される。
【0008】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来因子(PDGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、またはその組み合わせからなる群から選択される一つまたは複数の成分を含む。
【0009】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記IGF-1の濃度は、5000~30000pg/ml、好ましくは6000~20000pg/ml、より好ましくは7000~15000pg/ml、より好ましくは8000~12000pg/ml、より好ましくは9000~11000pg/ml、より好ましくは9500~10500pg/mlである。
【0010】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記BDNFの濃度は、800~5000pg/ml、好ましくは1000~4000pg/ml、より好ましくは1200~2500pg/ml、より好ましくは1400~2000pg/ml、より好ましくは1600~2000pg/ml、より好ましくは1700~1850pg/mlである。
【0011】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記GDNFの濃度は、800~5000pg/ml、好ましくは1000~4000pg/ml、より好ましくは1200~2500pg/ml、より好ましくは1400~2000pg/ml、より好ましくは1600~2000pg/ml、より好ましくは1700~1900pg/mlである。
【0012】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記bFGFの濃度は、50~600pg/ml,好ましくは100~500pg/ml、より好ましくは120~400pg/ml、より好ましくは150~300pg/ml、より好ましくは200~280pg/ml、より好ましくは220~260pg/mlである。
【0013】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記VEGFの濃度は、50~500pg/ml、好ましくは100~400pg/ml、より好ましくは120~300pg/ml、より好ましくは150~250pg/ml、より好ましくは170~230pg/ml、より好ましくは190~210pg/mlである。
【0014】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記TGF-β1の濃度は、200~3000pg/ml、好ましくは400~2000pg/ml、より好ましくは600~1500pg/ml、より好ましくは800~1200pg/ml、より好ましくは800~1100pg/ml、より好ましくは900~1000pg/mlである。
【0015】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記HGFの濃度は、200~3000pg/ml、好ましくは400~2000pg/ml、より好ましくは600~1500pg/ml、より好ましくは600~1200pg/ml、より好ましくは800~1000pg/ml、より好ましくは850~950pg/mlである。
【0016】
別の好ましい例において、前記成分を添加しない脂肪抽出物において、前記PDGFの濃度は、50~600pg/ml、好ましくは80~400pg/ml、より好ましくは100~300pg/ml、より好ましくは140~220pg/ml、より好ましくは160~200pg/ml、より好ましくは170~190pg/mlである。
【0017】
別の好ましい例において、前記IGF-1とVEGFとの重量比は、20~100:1、好ましくは30~70:1、より好ましくは40~60:1、最も好ましくは45~55:1である。
【0018】
別の好ましい例において、前記BDNFとVEGFとの重量比は、2~20:1、好ましくは4~15:1、より好ましくは6~12:1、最も好ましくは8~9.5:1である。
【0019】
別の好ましい例において、前記GDNFとVEGFとの重量比は、2~20:1、好ましくは4~15:1、より好ましくは6~12:1、最も好ましくは8.5~9.5:1である。
【0020】
別の好ましい例において、前記bFGFとVEGFとの重量比は、0.2~8:1、好ましくは0.5~5:1、より好ましくは0.6~2:1、より好ましくは0.8~1.6:1、最も好ましくは1~1.5:1である。
【0021】
別の好ましい例において、前記TGF-β1とVEGFとの重量比は、1~20:1、好ましくは1~15:1、より好ましくは1~10:1、より好ましくは2~8:1、より好ましくは4~6:1である。
【0022】
別の好ましい例において、前記HGFとVEGFとの重量比は、1~20:1、好ましくは1~15:1、より好ましくは1~10:1、より好ましくは2~8:1、より好ましくは4~5.5:1である。
【0023】
別の好ましい例において、前記PDGFとVEGFとの重量比は、0.1~3:1、好ましくは0.2~2:1、より好ましくは0.4~1.5:1、最も好ましくは0.7~1.2:1である。
【0024】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、液体である。
【0025】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、脂肪滴を含まない。
【0026】
別の好ましい例において、前記脂肪滴は、脂肪細胞が破壊された後に放出された油滴である。
【0027】
別の好ましい例において、前記「脂肪滴を含まない」とは、前記脂肪抽出物において、油滴の体積が全液体の1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満を占めることを指す。
【0028】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、細胞を含まない。
【0029】
別の好ましい例において、前記細胞は、内皮細胞、脂肪幹細胞、マクロファージ、間質細胞からなる群から選択される。
【0030】
別の好ましい例において、前記「細胞を含まない」とは、1mlの脂肪抽出物における平均細胞数が≦1個、好ましくは≦0.5個、より好ましくは≦0.1個、または0個であることを指す。
【0031】
別の好ましい例において、前記脂肪抽出物は、SVFではない。
【0032】
別の好ましい例において、前記脂肪抽出物は、天然に得られた成分を添加しないナノ脂肪抽出物である。
【0033】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、成分を添加しない。
【0034】
別の好ましい例において、前記「成分を添加しない」とは、すすぎ段階を除いて、前記脂肪抽出物の調製プロセスにおいて、任意の溶液、溶媒、小分子、化学製剤、および生物学的添加剤が添加されないことを指す。
【0035】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、脂肪組織を機械的に切断し、シリル化し、凍結および解凍を繰り返した後に遠心分離することによって得られる。
【0036】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は
(1)脂肪組織原料を提供し、前記脂肪組織原料を細断し、(例えば、生理食塩水で)すすぐことにより、すすがれた脂肪組織を得る段階と
(2)前記すすいだ脂肪組織を遠心分離することにより、層状混合物を得る段階と
(3)前記層状混合物に対して、最下層の余分な液体および最上層のグリースを排出し、中間層(即ち、脂肪細胞を含む脂肪層)を収集する段階と
(4)前記中間層に対して機械的乳化を実行して、機械的に乳化された脂肪混合物(ナノ脂肪とも呼ばれる)を得る段階と
(5)前記機械的に乳化された脂肪混合物(合併してもしなくてもよい)を遠心分離処理することにより、脂肪の一次抽出物である透明な(または基本的に透明な)中間液体層を得る段階と、および
(6)前記脂肪の一次抽出物に対してろ過および滅菌することにより、成分を添加しない脂肪抽出物を得る段階とを含む方法によって調製される。
【0037】
別の好ましい例において、段階(5)の遠心分離段階の前に、前記機械的に乳化された脂肪混合物に対して凍結および解凍処理を実行する段階をさらに含む。
【0038】
別の好ましい例において、段階(5)において、前記機械的に乳化された脂肪混合物を1回または複数回(例えば、1、2、3、4、5回)凍結および解凍し、解凍した混合物を遠心分離して、脂肪の一次抽出物である遠心分離管の中央部の透明な液体を収集する。
【0039】
別の好ましい例において、段階(6)において、前記ろ過および滅菌は、フィルター(例えば、0.22μmのフィルター)を通して行われる。
【0040】
別の好ましい例において、段階(6)において、前記ろ過および滅菌は、まず細胞をろ過する第1のフィルターを介して行われ、次に病原体(例えば、細菌)をろ過する第2のフィルター(例えば、0.22μmのフィルター)を介して行われる。
【0041】
別の好ましい例において、段階(6)において、前記脂肪抽出物をサブパッケージして、サブパッケージされた製品を形成する段階をさらに含む。(前記サブパッケージされた抽出物は、後で使用するために-20℃で保存でき、室温で解凍した直後に使用するか、または解凍した後に低温(例えば、4℃)で一定期間保存してから使用することができる)。
【0042】
別の好ましい例において、前記方法の段階(a)は、脂肪組織を提供し、前記脂肪組織を遠心分離して(好ましくは800~2500rpm、より好ましくは1000~1500rpm、最も好ましくは1200rpmで遠心分離する)、中間層に位置する中間脂肪層を得る段階をさらに含む。
【0043】
別の好ましい例において、前記方法の段階(b)は、凍結および解凍して(好ましくは1~3回の凍結および解凍を繰り返す等、凍結および解凍を繰り返す)、ナノ脂肪を得る段階をさらに含む。
【0044】
別の好ましい例において、前記乳化は、機械的乳化である。
【0045】
別の好ましい例において、前記乳化は、注射器を通してピペッティングを何度も繰り返す(例えば、30~200回、好ましくは50~150回)ことによる機械的乳化である。
【0046】
別の好ましい例において、前記乳化は、組織ホモジナイザーによって分解する方法である。
【0047】
別の好ましい例において、前記毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進することは、真皮乳頭細胞の増殖および/または活性化を促進すること、毛包細胞の退行を遅らせること、休止期の毛包が成長期に入ることを促進すること、またはその組み合わせを含む。
【0048】
別の好ましい例において、前記毛髪の成長を促進することは、毛髪の再生および/または毛髪の成長および/または毛髪の肥厚を促進することを含む。
【0049】
別の好ましい例において、前記毛髪の固定は、脱毛の減少および/または毛根の強化を含む。
【0050】
別の好ましい例において、前記毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進することは、脱毛を治療および/または予防することを含み、好ましくは、前記脱毛は、瘢痕性脱毛症および/または非瘢痕性脱毛症を含む。
【0051】
別の好ましい例において、前記瘢痕性脱毛症は、毛毛髪扁平苔癬、閉経後脱毛症、エリテマトーデス脱毛症、Brocq偽性円形脱毛症、頭皮の解離性蜂巣炎、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0052】
別の好ましい例において、前記非瘢痕性脱毛症は、男性型脱毛症、円形脱毛症、側頭三角脱毛症、抜毛癖、老人性脱毛症、休止期脱毛症、成長期脱毛症症候群、感染性脱毛症、脂肪腫性脱毛症、塩分による脱毛症、糖分による脱毛症、腫瘍関連脱毛症、またはその組み合わせ、好ましくは、男性型脱毛症、側頭三角脱毛症、休止期脱毛症、感染性脱毛症および/または心因性脱毛症からなる群から選択される。
【0053】
別の好ましい例において、前記組成物または製品は、毛髪の成長および/または毛髪の固定ポーション、毛髪の成長および/または毛髪の固定軟膏、毛髪の成長および/または毛髪の固定パッチ、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ムース、ローション、ヘアクリーム、ヘアマスク、染毛剤、眉毛再生剤、睫毛再生剤または睫毛栄養剤、ヘアエッセンス、頭皮ケア剤、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0054】
別の好ましい例において、前記組成物または製品は、前記組成物または製品の総重量に基づいて、少なくとも1wt%、少なくとも5wt%、少なくとも20wt%、少なくとも30wt%、少なくとも40wt%、少なくとも50wt%、少なくとも60wt%、少なくとも70wt%、少なくとも80wt%または少なくとも90wt%、好ましくは、95wt%、より好ましくは、98wt%、最も好ましくは、99wt%の前記無細胞脂肪組織抽出物を含む。
【0055】
別の好ましい例において、前記組成物または製品は、薬学的にまたは美容的に許容されるベクターまたは賦形剤をさらに含む。
【0056】
別の好ましい例において、前記美容的に許容されるベクターまたは賦形剤は、保湿剤、抗酸化剤、抗紫外線剤、防腐剤、フィルム形成剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、抗菌剤、フレーバー、塩、pH調節剤、キレート剤、冷却剤、抗炎症剤、皮膚美化用成分、ビタミン、アミノ酸、核酸、ホルモン、包接化合物またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0057】
本発明の第2の態様は、基片、および前記基片に固定されたマイクロニードルアレイを含む、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するためのパッチを提供し、前記パッチは、有効成分として無細胞脂肪組織抽出物を含む。
【0058】
別の好ましい例において、前記無細胞組織抽出物は、前記無細胞組織抽出物を乾燥させることによって得られる。
【0059】
別の好ましい例において、前記無細胞脂肪組織抽出物は、ベクターと混合されて、マイクロニードルを形成する。
【0060】
別の好ましい例において、前記ベクターは、水溶性ポリマー、リポソーム、塩、またはその組み合わせから選択される。
【0061】
別の好ましい例において、前記無細胞組織抽出物は、弾性ゲルに調製され、前記弾性ゲルは、前記基片(およびマイクロニードル)の表面を覆って、弾性ゲル層を形成する。
【0062】
別の好ましい例において、前記弾性ゲル層は、凝固剤を含み、前記凝固剤は、多糖類(澱粉、セルロース、アルギン酸、ヒアルロン酸またはキトサン)およびポリペプチド(コラーゲン、ポリL-リジンまたはポリL-グルタミン酸)、合成ポリマー(ポビドン、ポリエチレン、ポリアクリル酸類(例えば、カルボマー、ポリアクリル酸))、またはその組み合わせ等のナチュラル、半合成または合成ポリマー材料である。
【0063】
別の好ましい例において、前記弾性ゲル層は、皮膚美化成分をさらに含むことができる。
【0064】
別の好ましい例において、前記マイクロニードルの上部と弾性ヒドロゲル層の上面との間の距離は、200~500um、好ましくは200~300umである。
【0065】
別の好ましい例において、前記マイクロニードルは、真皮層、好ましくは、真皮の乳頭層(表層真皮とも呼ばれる)に到達することができる。
【0066】
別の好ましい例において、前記マイクロニードルの長さは、0.05mm~1.5mm、好ましくは、0.1mm~1.0mm、より好ましくは0.2mm~0.5mmである。
【0067】
別の好ましい例において、隣接するマイクロニードル間の距離は、0.8~1.5mm、好ましくは、1~1.2mmである。
【0068】
別の好ましい例において、前記パッチの面積は、0.0001~0.1m、好ましくは、0.005~0.05m、0.001~0.02mである。
【0069】
別の好ましい例において、前記基片は、可撓性基片である。
【0070】
別の好ましい例において、前記基片の材質は、低アレルギー性または減感材料である。
【0071】
本発明の第3の態様は、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進するための方法を提供し、前記方法は、必要とする対象に本発明に記載の無細胞脂肪組織抽出物または本発明の第2の態様のパッチを施用する段階を含む。
【0072】
別の好ましい例において、前記対象は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。
【0073】
別の好ましい例において、前記非ヒト哺乳動物は、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジまたはサルである。
【発明の効果】
【0074】
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴と以下(例えば、実施例)に具体的に説明される各技術的特徴との間を、互いに組み合わせることにより、新しいまたは好ましい技術的解決策を構成することができることに理解されたい。スペースに限りがあるため、ここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】実施例2のマウスにおける毛髪の成長効果を示すグラフである。
図2】実施例3のマウスにおける毛髪の成長効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本発明者らは、広範囲にわたる詳細な研究の後、広範囲なスクリーニングおよび試験を通じて、毛髪の再生および/または毛髪の固定を促進する際の無細胞脂肪組織抽出物の用途を開発した。本発明は、脂肪組織に対して機械的に切断し、シリル化し、凍結および解凍を繰り返す等の一連の処理を実行した後、さらに遠心分離の方法を介して、油滴および生細胞成分を含まない脂肪抽出物を抽出した。予期せぬことに、本発明者らは、無細胞脂肪組織抽出物中の様々なサイトカインが、毛髪の成長/毛髪の固定を促進するのに明らかな相乗効果を有し、毛髪の再生および/または毛髪の固定効果を有意に促進することを見出した。これに基づいて、本発明を完成させた。
【0077】
用語
特に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0078】
本明細書に使用されるように、具体的に記載された値に関連して使用される場合、「約」という用語は、当該値が記載された値から1%以下しか変化しない可能性があることを指す。例えば、本明細書に使用されるように、「約100」という表現は、99から101までの間のすべての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4等)を含む。
【0079】
本明細書に使用されるように、「含有」または「包括(含む)」という用語は、開放式、半閉鎖式および閉鎖式であり得る。言い換えれば、前記用語も、「基本的にからなる」、または「からなる」を含む。
【0080】
無細胞脂肪組織抽出物
本発明の無細胞脂肪組織抽出物は、脂肪組織から、脂肪滴を除去し、細胞を除去した後の抽出物である。
【0081】
好ましくは、前記無細胞脂肪組織抽出物は、ヒト等の同種異系脂肪組織から抽出される。
【0082】
別の好ましい例において、前記脂肪抽出物は、SVFではない。
【0083】
検出によると、前記無細胞脂肪組織抽出物は、インスリン様成長因子(IGF-1)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、血小板由来因子(PDGF)、表皮細胞成長因子(EGF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)等の成分を含む(これらに限定されない)。
【0084】
調製方法
前記無細胞脂肪組織抽出物は、脂肪組織を機械的に切断し、シリル化し、凍結および解凍を繰り返した後に遠心分離することによって得られることができる。
【0085】
典型的には、本発明の無細胞脂肪組織抽出物の調製態様は
(1)脂肪組織原料を提供し、前記脂肪組織原料を細断し、(例えば、生理食塩水で)すすぐことにより、すすがれた脂肪組織を得る段階と
(2)前記すすいだ脂肪組織を遠心分離することにより、層状混合物を得る段階と
(3)前記層状混合物に対して、最下層の余分な液体および最上層のグリースを排出し、中間層(即ち、脂肪細胞を含む脂肪層)を収集する段階と
(4)前記中間層に対して機械的乳化を実行して、機械的に乳化された脂肪混合物(ナノ脂肪とも呼ばれる)を得る段階と
(5)前記機械的に乳化された脂肪混合物(合併してもしなくてもよい)を遠心分離処理することにより、脂肪の一次抽出物である透明な(または基本的に透明な)中間液体層を得る段階と、および
(6)前記脂肪の一次抽出物に対してろ過および滅菌することにより、成分を添加しない脂肪抽出物を得る段階とを含む。
【0086】
組成物または製品、用途
本発明の組成物または製品は、上記の無細胞脂肪組織抽出物を含む。
【0087】
本発明の無細胞脂肪組織抽出物は、毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進する効果を有する。例えば、前記毛髪の成長および/または毛髪の固定を促進することは、真皮乳頭細胞の増殖および/または活性化を促進すること、毛包細胞の退行を遅らせること、休止期の毛包が成長期に入ることを促進すること、またはその組み合わせを含む(これらに限定されない)。
【0088】
別の好ましい例において、前記毛髪の成長を促進することは、毛髪の再生および/または毛髪の成長および/または毛髪の肥厚を促進することを含む。
【0089】
別の好ましい例において、前記毛髪の固定は、脱毛の減少および/または毛根の強化を含む。
【0090】
本発明の組成物または製品は、脱毛の治療および/または予防に使用されることができる。
【0091】
典型的には、前記脱毛は、瘢痕性脱毛症および/または非瘢痕性脱毛症を含む。
【0092】
前記瘢痕性脱毛症は、毛毛髪扁平苔癬、閉経後脱毛症、エリテマトーデス脱毛症、Brocq偽性円形脱毛症、頭皮の解離性蜂巣炎、またはその組み合わせからなる群から選択される。
【0093】
前記非瘢痕性脱毛症は、男性型脱毛症、円形脱毛症、側頭三角脱毛症、抜毛癖、老人性脱毛症、休止期脱毛症、成長期脱毛症症候群、感染性脱毛症、脂肪腫性脱毛症、塩分による脱毛症、糖分による脱毛症、腫瘍関連脱毛症、またはその組み合わせ、好ましくは、男性型脱毛症、側頭三角脱毛症、休止期脱毛症、感染性脱毛症および/または心因性脱毛症からなる群から選択される。
【0094】
本発明の無細胞脂肪組織抽出物は、直接使用されることができる。さらに、本発明の抽出物は、調製プロセスにおいて、任意の添加剤(または添加成分)を添加する必要ないが、本発明の抽出物の活性に悪影響または不利な影響を及ぼさないイクラのまたは少量の安全な物質(例えば、少量の水)を添加することができることを理解されたい。例えば、調製後に得られた抽出物を、皮膚に塗るか、または注射器を介して真皮層に複数の点に注射する等、例えば(これらに限定されない)成分を添加せずに直接使用することができる。
【0095】
本発明の無細胞脂肪組織抽出物は、薬学的にまたは美容的に許容されるベクターまたは賦形剤を有する薬物組成物または化粧品組成物に調製される。
【0096】
本発明の効果を妨げない範囲内で、本発明の化粧品は、通常の化粧品に使用される他の成分を添加することができ、例えば、フィルム形成剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、フレーバー、塩、抗酸化剤、pH調節剤、キレート剤、冷却剤、抗炎症剤、皮膚美化成分(美白剤、細胞活性化剤、皮膚荒れ改善剤、血液循環促進剤、皮膚収斂剤、抗脂質露出剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等である。
【0097】
油溶性ゲル化剤は、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛などの金属石鹸、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、パルミチン酸シクロデキストリン、ステアリン酸シクロデキストリン、シクロデキストリン2-エチルヘキサノエートパルミテート等のシクロデキストリン脂肪酸エステル、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース等のスクロース脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイト粘土、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイト粘土等の有機変性粘土鉱物等のゲル化剤から選択され、必要に応じて1種類を使用するか、または2種類あるいはそれ以上を使用することができる。
【0098】
保湿剤は、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボキシレート、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等を含む。
【0099】
抗菌防腐剤は、パラヒドロキシ安息香酸アルキル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等を含み、抗菌剤は、安息香酸、サリチル酸、炭酸、ソルビン酸、パラヒドロキシ安息香酸アルキル、p-クロロm-グレゾール、ヘキサクロロフェノール、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジンクロリド、トリクロロ-N-カルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等を含む。
【0100】
抗酸化剤は、トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等を含み、pH調節剤は、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等を含み、キレート剤は、アラニン、EDTAナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等を含み、冷却剤は、L-メントール、樟脳等を含み、抗炎症剤は、アラントイン、グリチルリチン酸、グリシルリジネート、トラネキサム酸、アズレン(Azulene)等を含む。
【0101】
皮膚美化成分は、プラセンタ抽出物、アルブチン、グルタチオン、サキシフラージュ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、子牛の血液抽出物等の細胞活性化剤、皮膚荒れ改善剤、ペラルゴン酸バレンアミド、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸β-ブトキシエチル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリジンチンキ、イクチオール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、トコフェロールナイアシン、イノシトールヘキサニコチネート、シクロマンデリック、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、フェヌグリーク、γ-オリザノール等の血液循環促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、硫黄等の抗脂質露出剤等を含み、ビタミン類は、ビタミンAオイル、ロジンオイル、酢酸ロジンオイル、パルミチン酸ロジンオイル等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジカプリレート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12およびその誘導体、ビタミンB15およびその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミテート、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステル二カリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D-パンテノール、パンとイルエチルエーテル、アセチルパントイルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等を含む。
【0102】
アミノ酸類は、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等を含み、核酸は、デオキシリボ核酸等を含み、ホルモンは、エストラジオール、ビニルエストラジオール等を含む。
【0103】
製品の形態は、特に限定されず、液体、混濁液、クリーム、個体、ペースト、ゲル、粉末、多層、ムース、スプレーなどであり得る。
【0104】
本発明の組成物または製品の好ましい例は、毛髪の成長および/または毛髪の固定ポーション、毛髪の成長および/または毛髪の固定軟膏、毛髪の成長および/または毛髪の固定パッチ、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ムース、ローション、ヘアクリーム、ヘアマスク、染毛剤、眉毛再生剤、睫毛再生剤または睫毛栄養剤、ヘアエッセンス、頭皮ケア剤を含む(これらに限定されない)。
【0105】
本発明の無細胞脂肪組織抽出物は、直接真皮層に到達して、その効果を最大化することができる。通常、注射器を介して頭皮に直接注入されるが、このような方法は、面倒で時間がかかり、非常に危険であるため、操作者に対する要件が非常に高い。
【0106】
従って、本発明のより好ましい製品は、マイクロニードルアレイを有するパッチである。例えば、前記パッチは、基片、および前記基片に固定されたマイクロニードルアレイを含み、前記パッチは、有効成分として無細胞脂肪組織抽出物を含む。
【0107】
前記無細胞脂肪組織抽出物を、ベクターと一緒にマイクロニードル形状に調製し、基片に固定されることができる。例えば、公開番号CN109069817Aに開示された方法によって調製することができ、その内容は、参照により本明細書に引用され、前記無細胞組織抽出物は、薬物としてベクターと混合される。
【0108】
さらに、前記無細胞脂肪組織抽出物を弾性ゲルに調製することができ、次に前記弾性ゲルをマイクロニードルアレイを有する基片に覆う。例えば、CN109077938Aに開示された方法によって調製することができ、その内容は、参照により本明細書に引用される。
【0109】
マイクロニードルの長さは、好ましくは真皮層、特に乳頭真皮層に達することができる。好ましくは、前記マイクロニードルの長さは、0.05mm~1.5mm、好ましくは、0.1mm~1.0mm、より好ましくは0.2mm~0.5mmである。
【0110】
前記パッチの面積は、使用部位に応じて調整することができ、好ましくは、前記パッチの面積は、0.0001~0.1m、好ましくは、0.005~0.05m、0.001-0.02mである。
【0111】
前記基片は、好ましくは可撓性基片である。
【0112】
別の好ましい例において、前記基片の材質は、低アレルギー性または減感材料である。
【0113】
本発明の主な利点は、次のとおりである。
1.本発明は、無細胞脂肪組織抽出物中の様々なサイトカインが、毛髪の成長/毛髪の固定を促進する際に明らかな相乗効果を有し、毛髪の再生および/または毛髪の固定を有意に促進する効果を有することを初めて発見した。
2.無細胞脂肪組織は、脂肪組織から直接調製されることができ、様々な成長因子、天然源、簡単で便利な調製および適用を含む。
3.無細胞脂肪組織抽出物は、脂肪滴成分を除いて、起こりうる副作用を減少させ、細胞成分を除去し、免疫原性を除去し、穏やかで、安全性が高い。
4.無細胞脂肪組織抽出物は、同種異系由来の脂肪抽出物の適用を実現し、大量生産および品質管理を実現できる。
5.無細胞脂肪組織抽出物は、冷蔵保存が容易でありかつ生物活性を維持し、冷凍保存時に保護材を添加する必要がないため、他の化学成分の汚染を防ぎ、操作が簡単であり、実用性が高い。
【0114】
以下、本発明は、具体的実施例と併せてさらに説明される。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例において、具体的条件を示さない実験方法は、通常従来の条件または製造業者によって提案された条件に従う。特に明記されない限り、パーセンテージと部数とは、重量パーセンテージと重量部数とで計算される。
【0115】
実施例1
1.無細胞脂肪組織抽出物の調製および成分分析
調製方法
脂肪は、ボランティアのインフォームドコンセントを得て得られた。抽出方法は、次のとおりである。
(1)吸引または外科的切除によって得られた脂肪を取り、細断後に生理食塩水で3回すすぐ。
(2)すすいだ脂肪組織を取って、50mlの遠心分離管(管あたり約30~50ml)に入れ、遠心分離機に入れて、1200rpmで3分間遠心分離して、層状混合物を得る。
(3)前記層状混合物に対して、最下層の余分な液体および最上層のグリースを排出し、中間層(即ち、脂肪細胞を含む脂肪層)を収集する。
(4)前記中間層に対して、2本の10mlの注射器を使用して、ティーチューブを約60~120回接続することにより、機械的乳化を実行し、機械的に乳化された脂肪混合物(ナノ脂肪とも呼ばれる)を得る。
(5)前記機械的に乳化された脂肪混合物(合併してもしなくてもよい)を、50mlの試験管に入れ、1500rpmで5分間遠心分離した後、試験管の中央部の透明な液体、即ち、脂肪の一次抽出物を収集する。または、前記機械的に乳化された脂肪混合物を、-80℃冷蔵庫(または液体窒素)に入れて凍結し、次に水浴で解凍し(例えば、20~37℃の水浴に入れ)、凍結および解凍を1~2回繰り返す。解凍した混合物を1500rpmで5分間遠心分離して、遠心分離管の中央部の透明な液体、即ち、脂肪の一次抽出物を収集する。
(6)前記脂肪の一次抽出物を、0.22μmのフィルターに通すことにより、滅菌しかつ混合される可能性のある細胞を除去して、成分を添加しない脂肪抽出物を得る。前記脂肪抽出物をサブパッケージした後、後で使用するために-20℃で保存する。室温で解凍した直後に使用するか、または解凍した後に低温(例えば、4℃)で一定期間保存してから使用することができる。
【0116】
含有量分析
得られた脂肪抽出物は、IGF-1、BDNF、GDNF、bFGF、VEGF、TGF-β、HGFおよびPDGF等のサイトカインを含む、ELISA免疫吸着測定キットによって成長因子含有量を検出する。
【0117】
六つのドナー由来脂肪から調製された生体材料に対して、それぞれELISA分析を行い、結果は、表1(単位:pg/mL)に示される。
【0118】
【表1】
【0119】
検出された六つのサンプルの平均濃度の統計は、次のとおりである。IGF-1(9840.6±2960.9pg/ml)、BDNF(1764.5±583.5pg/ml)、GDNF(1831.9±467.7pg/ml)、bFGF(242.3±73.0pg/ml)、VEGF(202.9±28.4pg/ml)、TGF-β1(954.5±806.5pg/ml)、HGF(898.4±545.5pg/ml)、PDGF(179.9±30.3pg/ml)。
【0120】
実施例2
正常なC57マウスの毛髪の成長を促進するFE
無細胞脂肪組織抽出物(FE)に含まれる成長因子IGF-1、VEGF、bFGFは、毛髪の成長に関連していると報告され、無細胞脂肪組織抽出物と組み合わせたこれらの既知の成分の治療効果とを比較した差異であり、無細胞脂肪組織抽出物の成長因子の濃度に近い毛髪の成長に関連する成長因子溶液(IGF-1(12000pg/mL)、VEGF(200pg/mL)およびbFGF(250pg/mL)を含む)を成長因子群として使用し、無細胞脂肪組織抽出物(サンプル4)を実験群、生理食塩水を対照群として使用する。
【0121】
7週目の12匹のC57マウス、実験群および成長因子群は、それぞれ6匹である。前日に剃刀で背中を剃り、脱毛クリームを使用して、毛髪を完全に取り除く。初日から、実験群のマウスの背中の左側に無細胞脂肪組織抽出物を皮下注射し、右側に生理食塩水を注射し、成長因子群のマウスの背なかの左側に成長因子溶液を皮下注射し、右側に生理食塩水を注射する。注射部位は、正中線から約1cm離れており、複数回の注射は、正中線に平行する。注射量は、1ポイントあたり25マイクロリットルである。注射頻度は、7日間連続して1日1回である。1、3、5、7、9、11、13、15日目にそれぞれ写真を撮って、毛髪の成長状況を観察する。
【0122】
実験結果は、図1に示されてとおりであり、実験群のC57マウスの背中を剃刀で剃った後に、左側に無細胞脂肪組織抽出物を皮下注射し、右側に生理食塩水を注射する。成長因子群のC57マウスの背中を剃刀で剃った後に、左側に成長因子を皮下注射し、右側は、生理食塩水を注射する。
【0123】
それぞれ1、3、5、7、9、11、13、15日目に写真を撮り、実験結果は、図1に示されたとおりであり、無細胞脂肪組織抽出物注射側(左側)実験群の局所皮膚は、9日目に暗くなり、11日目に毛髪があり、生理食塩水注射側(右側)は、11日目に被覆暗くなり、13日目に毛髪があり、毛髪再生面積の無細胞脂肪組織抽出物側は、生理食塩水側より有意に大きく、無細胞脂肪組織抽出物が毛髪再生を加速したことを示し、成長因子注射側(左側)および生理食塩水注射側(右側)での毛髪の成長面積および速度に有意差はないことが分かる。
【0124】
毛髪成長関連因子に加えて、無細胞脂肪組織抽出物は、他の経路を介して毛髪の成長効果を促進し、その成分の間に毛髪の成長を促進する有意な相乗効果を有することを示す。
【0125】
実施例3
男性型脱毛症のマウスの毛髪の成長モデルを促進するFE
7週目の6匹のC57マウス。前日に剃刀で背中を剃り、除毛クリームを使用して毛髪完全に取り除く。3mgのジヒドロテストステロン(DHT)を首の皮下に注射して、男性型脱毛症をシミュレートする。モデリング後、マウス分をFE群および対照群に分け、FE群のマウスには、背中の複数の点に無細胞脂肪組織抽出物FE(サンプル4)を注射し、対照群には、生理食塩水を注射する。注射量は、1ポイントあたり25mLである。注射頻度は、1日1回である。7日間連続注射し、毎週写真を撮って、毛髪の成長状況を観察し、観察期間は、14日間である。
【0126】
ジヒドロテストステロンでシミュレートした男性型脱毛症モデルにおいて、マウスを無細胞脂肪組織抽出物群(FE群)および生理食塩水群(対照群)に分け、図2に示されるように、対照群(A)マウスの14日目に、マウスの皮膚の色が暗くなり、局所に少量の毛髪があり、FE群(B)の14日目に、マウスのほとんどの領域で毛髪が観察され、面積および毛髪の長さは、対照群より有意に大きく、無細胞脂肪組織抽出物は、男性型脱毛症のマウスの毛髪の再生を促進することができることを示す。
【0127】
要約すると、無細胞脂肪組織抽出物は、毛髪の成長を有意に促進する効果を有し、驚くべきことに、既知の毛髪の成長関連因子のみを含む状況と比較して、無細胞脂肪組織抽出物は、様々な天然因子と共存し、毛髪の成長を促進する分野で有意な相乗効果を有し、従って、安全で、穏やかで、効果的に毛髪の成長を促進し、実験によると、無細胞脂肪組織抽出物は、様々な理由によって引き起こされる脱毛に使用できることを示す。
【0128】
3.議論
Tonnardは、最初にナノ脂肪の概念を提案し、脂肪吸引術によって得られた脂肪を機械的に乳化した後、脂肪滴、血管マトリックス成分(SVF)および成長因子を含むナノ脂肪を得ることができ、ナノ脂肪は、主にSVFを介して様々な効果を生み出す。SVFは、内皮細胞、脂肪幹細胞、マクロファージ等を含む。一方、細胞は、組織形成に直接関与することができ、もう一方、細胞は、サイトカインを分泌することによって組織再生を促進することができる。
【0129】
以前の研究との違いは、本発明が遠心分離およびろ過の方法を介して、ナノ脂肪中の生細胞および脂肪滴成分を除去し、成長因子成分を保持することであり、そのうちの成長因子は、血管新生に関連する因子、神経再生に関連する因子、炎症に関連する因子、および毛髪の再生に関連する因子等、多くの種類を含む。動物実験によると、通常の剃毛マウスまたはアンドロゲン誘発性脱毛マウスモデルの両方において、無細胞脂肪組織抽出物の局所注射が、毛髪の再生を促進し、毛髪の成長を加速化することができることを示す。無細胞脂肪組織抽出物には様々な成長因子が含まれるため、その作用メカニズムは、多くの側面で役割を果たすことができる。1.血管新生を促進し、局所的な血液供給を改善し、2.局所的な炎症反応を調節し、3.神経の再生を促進し、神経の影響を改善し、4.真皮乳頭細胞の増殖および分化を刺激する。従って、無細胞脂肪組織抽出物は、毛髪の成長を促進する同時に毛包細胞および真皮乳頭の状態を改善することにより、毛髪を固定する役割を果たすことができる。
【0130】
ナノ脂肪と比較して、無細胞脂肪組織抽出物は、より広い応用の見通しを有する。第1に、脂肪滴成分を除去し、起こりうる副作用を減少させ、第2に、細胞成分を除去することにより、免疫原性を除去し、将来に同種異系由来の脂肪抽出物の適用が可能になって、大量生産および品質管理を達成することができ、第3に、生物学的活性凍結保存および維持が容易であり、凍結保存中に保護材を添加する必要がないため、他の化学成分の汚染を回避できる。
【0131】
本発明で言及されたすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も、本出願の添付の請求範囲によって定義される範囲に含まれる。
図1
図2
【国際調査報告】