(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-17
(54)【発明の名称】設備制御方法、設備制御装置並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02P 29/00 20160101AFI20230110BHJP
H02M 1/00 20070101ALI20230110BHJP
【FI】
H02P29/00
H02M1/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538334
(86)(22)【出願日】2020-12-19
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2020137808
(87)【国際公開番号】W WO2021129544
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911347964.2
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911346278.3
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911346238.9
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520441349
【氏名又は名称】追▲べき▼創新科技(蘇州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dreame Innovation Technology (Suzhou) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Bldg. E3, Shangjinwan Headquarters Economic Park, 2288 Wuzhong Ave., Yuexi St., Wuzhong Dist., Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】兪 浩
【テーマコード(参考)】
5H501
5H740
【Fターム(参考)】
5H501AA08
5H501CC05
5H501GG06
5H501HA06
5H501HB16
5H501JJ03
5H501JJ16
5H501JJ17
5H501JJ18
5H501JJ25
5H501JJ26
5H501LL23
5H501MM01
5H740BB08
5H740MM01
(57)【要約】
電圧適合及び検出方法、設備制御方法、装置並びに記憶媒体であって、電子技術領域に属し、前記方法は、対象設備の起動信号を受信ことと、電圧ゼロクロス点検出モジュール(120)による電圧ゼロクロス点の検出の遅延を相殺するための補正時間長を取得すること(202)と、ゼロクロス点信号を受信した場合に補正時間長の後に対象設備内の指定装置(130)をオンオフ制御すること(203)と、を含み、ゼロクロス点信号は、電圧ゼロクロス点検出モジュール(120)によって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。電圧ゼロクロス点から遠い位置で発熱装置をオン制御する場合に発熱装置が破損しやすくて、対象設備の使用寿命が短くなるという問題を解決することができる。真の電圧ゼロクロス点(32,34,35)を決定し、真の電圧ゼロクロス点(32,34,35)で指定装置(130)をオンオフ制御することで、突入電流による指定装置(130)への損傷が発生しないことを保証するとともに、指定装置(130)の制御精度を高めて指定装置(130)のオンオフによる他の設備への悪影響を抑制できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備制御方法であって、
対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信することと、
電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得することと、
ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することと、を含み、
前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号であることを特徴とする設備制御方法。
【請求項2】
前記補正時間長を取得することは、
前記電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジに対応する時刻と真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して前記補正時間長を得ることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補正時間長を取得することは、
前記対象設備の給電電源の動作周期を取得することと、
前記電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジに対応する時刻と真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して遅延時間長を得ることと、
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することと、を含み、
前記給電電源は交流電力であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することは、
前記動作周期の半分と前記遅延時間長との差を前記補正時間長として決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することは、
前記動作周期と前記遅延時間長との差を前記補正時間長として決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記指定装置は、発熱装置を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することは、
前記ゼロクロス点信号を受信した場合にタイマをトリガーしてオンにし、前記タイマのタイミング時間長が前記補正時間長であることと、
前記タイマの時間長が前記タイミング時間長に達すると、前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することと、を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
設備制御装置であって、
対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信するための信号受信モジュールと、
電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得するための時間長取得モジュールと、
ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御するための装置制御モジュールと、を含み、
前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号であることを特徴とする設備制御装置。
【請求項9】
設備制御装置であって、
プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリには、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備制御方法を実現することを特徴とする設備制御装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
給電電圧検出方法であって、
モータの動作周期を取得することと、
前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定することと、
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定することと、を含み、
前記目標電圧は、前記給電電源を用いて前記モータに給電する場合に前記モータが起動されていないときの給電電圧であることを特徴とする給電電圧検出方法。
【請求項12】
前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定することは、
前記動作周期中の動作電圧が前記目標電圧と同じである第1動作時刻を決定し、前記第1動作時刻を前記電圧検出時刻として決定することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電圧検出時刻に検出される電圧値は前記給電電源の給電電圧であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記モータの制御信号は、方形波信号であり、
前記動作周期中の動作電圧が目標電圧と同じである第1動作時刻を決定することは、
前記動作周期の開始時刻を前記動作時刻として決定するか、または前記動作周期の終了時刻を前記動作時刻として決定することを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定することは、
前記動作周期中の各動作時刻の動作電圧を取得することと、
前記動作電圧の変化状況に対してカーブ・フィッティングを行って動作電圧曲線を得ることと、
前記動作電圧曲線における電圧最大値と予め設定された数値との差分値に対応する第2動作時刻を、前記電圧検出時刻として決定することと、を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定することは、
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出することと、
前記電圧値と前記予め設定された数値との合計を、前記給電電源の給電電圧として決定することと、を含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モータの動作周期を取得することは、
前記モータの制御信号を取得し、前記制御信号の周期を前記動作周期として決定するか、または、
前記モータを制御する駆動回路におけるスイッチ管のオンオフ周期を取得し、前記オンオフ周期を前記動作周期として決定することを含むことを特徴とする請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
給電電圧検出装置であって、
モータの動作周期を取得するための周期取得モジュールと、
前記動作周期内の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定するための時刻決定モジュールと、
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定するための電圧検出モジュールと、を含み、
前記目標電圧は、前記給電電源を用いて前記モータに給電する場合に前記モータが起動されていないときの給電電圧であることを特徴とする給電電圧検出装置。
【請求項19】
給電電圧検出装置であって、
プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリには、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、請求項11~17のいずれか一項に記載の給電電圧検出方法を実現することを特徴とする給電電圧検出装置。
【請求項20】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、請求項11~17のいずれか一項に記載の給電電圧検出方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項21】
電圧適合方法であって、
現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定するステップと、
前記電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップと、を含み、
前記稼働順は、前記指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指すことを特徴とする電圧適合方法。
【請求項22】
前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップは、
現在時刻の給電電圧に基づいて現在時刻の動作電力を決定するステップと、
現在時刻の動作電力に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップは、
給電電圧と稼働順との写像関係を取得するステップと、
前記写像関係及び現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記稼働順で前記指定装置を動作制御して前記指定装置の電力を調節するステップをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前時刻と現在時刻との間隔であるサンプリング時間長を取得するステップと、
前記サンプリング時間長が予め設定された時間長以上である場合、給電電圧をサンプリングするステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
各時刻の給電電圧を取得し、各時刻の給電電圧を処理するステップと、
処理された各時刻の給電電圧を記録するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記現在時刻の給電電圧を処理するステップは、
各時刻の給電電圧にフィルタリング及び平均アルゴリズムの処理を行うステップを含むことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
電圧適合装置であって、
現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定するための電圧差分値決定モジュールと、
前記電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するための稼働順決定モジュールと、を含み、
前記稼働順は、前記指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指すことを特徴とする電圧適合装置。
【請求項29】
電圧適合装置であって、
プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリには、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、請求項21~27のいずれか一項に記載の電圧適合方法を実現することを特徴とする電圧適合装置。
【請求項30】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、請求項21~27のいずれか一項に記載の電圧適合方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧検出及び適合方法、設備制御方法、装置並びに記憶媒体に関し、電子技術領域に属する。
【背景技術】
【0002】
例えば、通常、家電製品等の電子設備は、商用電源電圧で給電される。通常、商用電源電圧は交流電力である。交流電力が正弦波であることを例として、この正弦波でヘアドライヤーにおける発熱部品(例えば、発熱糸)の動作を制御する場合、正弦波のゼロ点から遠い位置で発熱部品を起動させると、前記発熱部品に突入電流が発生し、突入電流が大きすぎると前記発熱装置に損傷を与えてしまう。
【0003】
さらに、ヘアドライヤーの定温や電圧保護制御では、給電電源から出力される給電電圧の大きさを精度よく取得する必要がある。そのため、電源の給電電圧を正確に検出する必要があるが、従来技術では、ヘアドライヤーに電圧適合や検出上の誤差が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電圧ゼロクロス点から遠い位置で指定装置を起動させる場合に、発熱装置が損傷しやく、対象設備の使用寿命が短くなるという問題を解決可能な設備制御方法、装置及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、本発明が採用した技術案は設備制御方法を提供し、前記方法は、
対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信することと、
電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得することと、
ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することと、を含み、
前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。
【0006】
選択的には、前記補正時間長を取得することは、
前記電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジに対応する時刻と真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して前記補正時間長を得ることを含む。
【0007】
選択的には、前記補正時間長を取得することは、
前記対象設備の給電電源の動作周期を取得することと、
前記電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジと真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して遅延時間長を得ることと、
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することと、を含み、
前記給電電源は交流電力である。
【0008】
選択的には、前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することは、
前記動作周期の半分と前記遅延時間長との差を前記補正時間長として決定することを含む。
【0009】
選択的には、前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することは、
前記動作周期と前記遅延時間長との差を前記補正時間長として決定することを含む。
【0010】
選択的には、前記指定装置は、発熱装置を含む。
【0011】
選択的には、前記ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することは、
前記ゼロクロス点信号を受信した場合にタイマをトリガーしてオンにし、前記タイマのタイミング時間長が前記補正時間長であることと、
前記タイマの時間長が前記タイミング時間長に達すると、前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することと、を含む。
【0012】
第2態様では、設備制御装置を提供し、前記装置は、
対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信するための信号受信モジュールと、
電圧ゼロクロス点検出モジュールによる電圧ゼロクロス点の検出の遅延を相殺するための補正時間長を取得するための時間長取得モジュールと、
ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御するための装置制御モジュールと、を含み、
前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。
【0013】
第3態様では、設備制御装置を提供し、前記装置は、プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリには、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、第1態様に記載の設備制御方法を実現する。
【0014】
第4態様では、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、プロセッサによってロードされて実行されることで、第1態様に記載の設備制御方法を実現する。
【0015】
本発明は以下の顕著な効果を奏する。本発明では、対象設備の起動信号を受信し、補正時間長を取得し、ゼロクロス点信号を受信した場合に補正時間長の後に対象設備内の指定装置をオンオフ制御する。前記ゼロクロス点信号は、電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。こうすることで、電圧ゼロクロス点から遠い位置で発熱装置をオン制御する場合に発熱装置が破損しやすくて対象設備の使用寿命が短くなるという問題を解決することができる。電圧ゼロクロス点検出装置による検出に遅延があるため、前記遅延に応じて補正時間長を決定し、ゼロクロス点信号と補正時間長を合わせて真の電圧ゼロクロス点で指定装置を精度よくオンオフ制御することで、突入電流による指定装置への損傷が発生しないことを保証するとともに、指定装置の制御精度を高めて指定装置の使用寿命を延ばすことができる。
【0016】
また、電圧ゼロクロス点から遠い位置で指定装置をオン制御する場合、指定装置を流れる電流に急変が発生して給電電圧に影響を与えるため、この給電電圧を使用する他の設備に悪影響を及ぼす。本発明では、真のゼロクロス点で指定装置をオンオフ制御することで、指定装置に急変電流が発生して給電電圧に影響を与えるという問題をさらに回避し、指定装置のオンオフによる他の設備への悪影響(伝動妨害)を抑制する。
【0017】
本発明は、給電電圧検出方法、装置及び記憶媒体を提供し、モータ作動時に、駆動回路におけるスイッチ管を周期的にオンオフすることで、給電電源の給電電圧を周期的に低下させ、検出された給電電圧の精度が高くないという問題を解消できる。
第1態様では、給電電圧検出方法を提供し、前記方法は、
モータの動作周期を取得することと、
前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定することと、
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定することと、を含み、
前記目標電圧は、前記給電電源を用いて前記モータに給電する場合に前記モータが起動されていないときの給電電圧である。
【0018】
選択的には、前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定することは、
前記動作周期中の動作電圧が前記目標電圧と同じである第1動作時刻を決定し、前記第1動作時刻を前記電圧検出時刻として決定することを含む。
【0019】
選択的には、前記電圧検出時刻に検出される電圧値は前記給電電源の給電電圧である。
【0020】
選択的には、前記モータの制御信号は、方形波信号であり、
前記動作周期中の動作電圧が目標電圧と同じである動作時刻を決定することは、
前記動作周期の開始時刻を前記動作時刻として決定するか、または前記動作周期の終了時刻を前記動作時刻として決定することを含む。
【0021】
選択的には、前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定することは、
前記動作周期中の各動作時刻の動作電圧を取得することと、
前記動作電圧の変化状況に対してカーブ・フィッティングを行って動作電圧曲線を得ることと、
前記動作電圧曲線における電圧最大値と予め設定された数値との差に対応する第2動作時刻を、前記電圧検出時刻として決定することと、を含む。
【0022】
選択的には、前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定することは、
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出することと、
前記電圧値と前記予め設定された数値との合計を、前記給電電源の給電電圧として決定することと、を含む。
【0023】
選択的には、前記モータの動作周期を取得することは、
前記モータの制御信号を取得し、前記制御信号の周期を前記動作周期として決定するか、または、
前記モータを制御する駆動回路におけるスイッチ管のオンオフ周期を取得し、前記オンオフ周期を前記動作周期として決定することを含む。
【0024】
第2態様では、給電電圧検出装置を提供し、前記装置は、
モータの動作周期を取得するための周期取得モジュールと、
前記動作周期内の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定するための時刻決定モジュールと、
前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定するための電圧検出モジュールと、を含み、
前記目標電圧は、前記給電電源を用いて前記モータに給電する場合に前記モータが起動されていないときの給電電圧である。
【0025】
第3態様では、給電電圧検出装置を提供し、前記装置は、プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリには、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、第1態様に記載の給電電圧検出方法を実現する。
【0026】
第4態様では、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、第1態様に記載の給電電圧検出方法を実現する。
【0027】
本発明は以下の顕著な効果を奏する。本発明では、モータの動作周期を取得し、動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定し、電圧検出時刻に給電電源の電圧値を検出して給電電源の給電電圧を決定する。こうすることで、モータ動作時に、駆動回路におけるスイッチ管を周期的にオンオフして給電電源の給電電圧を周期的に低下させ、検出された給電電圧の精度が高くないという問題を解決することができる。処理モジュールは、指定時刻に電圧検出モジュールで給電電源の動作電圧を採集するよう制御し、前記指定時刻に対応する動作電圧と目標電圧との差分値に合わせて、目標電圧と一致する動作電圧を決定して電圧検出精度を高めることができる。
【0028】
本発明の目的は、異なる電源電圧で指定装置に電力の変化が大き過ぎるという問題を解消可能な電圧適合方法、装置及び記憶媒体を提供することである。
【0029】
上記の目的を達するために、第1態様では、本発明の技術案は、電圧適合方法を提供し、前記方法は、現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定するステップと、
前記電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップと、を含み、
前記稼働順は、前記指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指す。
【0030】
選択的には、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップは、
現在時刻の給電電圧に基づいて現在時刻の動作電力を決定するステップと、
現在時刻の動作電力に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップと、を含む。
【0031】
選択的には、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップは、
給電電圧と稼働順との写像関係を取得するステップと、
前記写像関係及び現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するステップと、を含む。
【0032】
選択的には、前記方法は、前記稼働順で前記指定装置を動作制御して前記指定装置の電力を調節するステップをさらに含む。
選択的には、前記方法は、
前時刻と現在時刻との間隔であるサンプリング時間長を取得するステップと、
前記サンプリング時間長が予め設定された時間長以上である場合、給電電圧をサンプリングするステップと、をさらに含む。
【0033】
選択的には、前記方法は、
各時刻の給電電圧を取得し、各時刻の給電電圧を処理するステップと、
処理された各時刻の給電電圧を記録するステップと、をさらに含む。
【0034】
選択的には、前記現在時刻の給電電圧を処理するステップは、現在時刻の給電電圧にフィルタリング及び平均アルゴリズムの処理を行うステップを含む。
【0035】
第2態様では、電圧適合装置を提供し、前記装置は、
現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定するための電圧差分値決定モジュールと、
前記電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するための稼働順決定モジュールと、を含み、
前記稼働順は、前記指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指す。
【0036】
第3態様では、電圧適合装置を提供し、前記装置は、プロセッサ及びメモリを含み、前記メモリには、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、上述した電圧適合方法を実現する。
【0037】
第4態様では、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されると、上述した電圧適合方法を実現する。
【発明の効果】
【0038】
本発明は以下の顕著な効果を奏する。本発明では、現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定し、電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、現在時刻の給電電圧によって指定装置の稼働順を決定し、稼働順は、指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指し、これにより、異なる給電電圧の環境下において指定装置に電力の変化が大き過ぎることを防止する。
【0039】
上述した説明は、本発明の技術案の概要のみであり、本発明の技術的手段をより明確に理解できるとともに、明細書の内容に従って実施できるために、以下、本発明の好ましい実施定及び添付図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明の一実施例に係る設備制御システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る設備制御方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施例に係る電圧ゼロクロス点の決定を示す図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る設備制御装置を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る設備制御装置を示すブロック図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る給電電圧検出システムの構成を示す図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るモータ作動中における給電電源の動作電圧の変化曲線を示す図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る給電電圧検出方法を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施例に係る給電電圧検出装置を示すブロック図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る給電電圧検出装置を示すブロック図である。
【
図11】本発明の実施例に係る電圧適合方法を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施例に係る電圧適合方法を示す具体的なフローチャートである。
【
図13】本発明の実施例に係る電圧適合装置を示すブロック図である。
【
図14】本発明の実施例に係る電圧適合装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を実施例に合わせて詳しく説明する。後述する実施例は、単に本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0042】
まず、本発明に係る複数の用語を説明する。
負温度係数(Negative Temperature Coefficient,NTC)温度センサは、負温度係数の大きい半導体材料や部品を指す。その作動原理としては、抵抗値が温度の上昇に伴って迅速に降下することである。
【0043】
外部割込は、マイコンが外部イベントをリアルタイムに処理する内部メカニズムである。ある外部イベントが発生すると、マイコンの割込システムはCPUに実行中のプログラムを停止させて割込イベントの処理を行わせ、割込処理を終えた後、割り込まれたプログラムに戻って実行を継続させる。
【0044】
図1は、本発明の一実施例に係る設備制御システムの構成を示す図である。
図1に示すように、前記システムは、少なくとも、処理モジュール110、電圧ゼロクロス点検出モジュール120及び指定装置130を含む。
【0045】
選択的には、設備制御システムは、ヘアドライヤーに適用されてもよく、当然ながら、処理モジュール110、電圧ゼロクロス点検出モジュール120及び指定装置130を有する他の設備に適用されてもよいが、本実施例の設備制御システムの適用場面はその限りではない。
【0046】
電圧ゼロクロス点検出モジュール120及び指定装置130は、いずれも処理モジュール110に通信接続される。
【0047】
電圧ゼロクロス点検出モジュール120は、対象設備に給電する給電電源の電圧ゼロクロス点を検出する。電圧ゼロクロス点検出モジュール120は、処理モジュール110と独立するハードウェアであってもよいし、処理モジュール110内または他のハードウェアに集積されるソフトウェアであってもよいし、ソフトウェアとハードウェアコンポーネントであってもよいが、本実施例の電圧ゼロクロス点検出モジュール120の実現形態はその限りではない。
【0048】
一例として、電圧ゼロクロス点検出モジュール120は、フォトカプラ検出装置や変圧器検出装置等であってもよいが、本実施例の電圧ゼロクロス点検出モジュール120の実現形態はその限りではない。
【0049】
選択的には、指定装置130は、対象設備内に取り付けられて交流電力をそのまま用いて動作する装置である。例えば、指定装置130は、対象設備内の発熱装置、例えば、発熱糸である。
【0050】
処理モジュール110は、対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信し、補正時間長を取得し、電圧ゼロクロス点信号を受信した場合に補正時間長の後に対象設備内の指定装置をオンオフ制御し、ゼロクロス点信号は、電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。
【0051】
なお、補正時間長は、電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺する。
【0052】
本実施例では、処理モジュール110は、給電電源の電圧ゼロクロス点で指定装置をオンオフ制御することで、突入電流による指定装置への損傷問題を回避することができる。また、電圧ゼロクロス点検出装置120による検出に遅延があるため、前記遅延に応じて補正時間長を決定し、電圧ゼロクロス点位置及び補正時間長を合わせて指定装置をより精度よくオンオフ制御し、指定装置の制御精度を高めて指定装置の使用寿命を延ばすことができる。
【0053】
選択的には、設備制御システムは、他のモジュール、例えば、給電電源、NTC温度センサ、制御回路等をさらに含んでもよいが、本実施例ではここで網羅的に列挙しない。
【0054】
図2は、本発明の一実施例に係る設備制御方法を示すフローチャートである。本実施例では、この方法を
図1に示す設備制御システム内に適用するとともに、各ステップの実行主体が前記システムにおける処理モジュール110であることを例として説明する。前記方法は、少なくとも、以下のステップを含む。
ステップ201:対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信する。
【0055】
対象設備には、スイッチ制御部材が設置され、スイッチ制御部材に対する制御操作を受けた場合、処理モジュールは対象設備の起動信号を受信する。
【0056】
ステップ202:電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得する。
【0057】
本実施例では、補正時間長は、電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延時間長に基づいて決定されることで、前記遅延時間長の影響を相殺し、これにより、処理モジュールが真の電圧ゼロクロス点で指定装置を起動させることを保証する。
【0058】
例えば、給電電源の波形を正弦波とすると、処理モジュールは正弦波の電圧ゼロクロス点で指定装置を起動させると仮設する。電圧ゼロクロス点検出モジュールは、電圧ゼロクロス点を検出した後に外部割込をトリガーさせ、割込信号(ゼロクロス点信号)がパルス波形である。
図3を参照して、処理モジュールは、ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジに対応する時刻31を電圧ゼロクロス点として決定する場合、処理モジュールによる指定装置のオンオフ制御に遅延があり、遅延時間長は、真の電圧ゼロクロス点32から立ち下がりエッジに対応する時刻31までの時間長である。本実施例では、補正時間長により前記遅延時間長の影響を解消することで、処理モジュールは真のゼロクロス点32で指定装置をオンオフする。
【0059】
一例として、補正時間長を取得するステップは、電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジに対応する時刻と真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して補正時間長を得るステップを含む。
【0060】
図3を参照して、ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジ33に対応する時刻は真の電圧ゼロクロス点の前であるため、ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジ33に対応する時刻の後の補正時間長に指定装置をオンオフ制御することで、真の電圧ゼロクロス点での指定装置のオンオフ制御を実現し、指定装置の制御精度を高めることができる。
【0061】
選択的には、同一種類の電圧ゼロクロス点検出モジュールに対応する補正時間長は同じである。対象設備内には、各種の電圧ゼロクロス点検出モジュールに対応する補正時間長が予め記録されている。処理モジュールは、現在の電圧ゼロクロス点検出モジュールの種類に基づいて対応する補正時間長を決定する。
【0062】
他の例として、補正時間長を取得するステップは、対象設備の、交流電力である給電電源の動作周期を取得するステップと、電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジと真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して遅延時間長を得るステップと、動作周期及び遅延時間長に基づいて補正時間長を決定するステップと、を含む。
【0063】
選択的には、同一種類の電圧ゼロクロス点検出モジュールに対応する遅延時間長は同じである。対象設備内には、各種の電圧ゼロクロス点検出モジュールに対応する遅延時間長が予め記録されている。処理モジュールは、現在の電圧ゼロクロス点検出モジュールの種類に基づいて対応する遅延時間長を決定する。
【0064】
なお、給電電源は、交流電力である。
【0065】
選択的には、処理モジュールは、動作周期及び遅延時間長で補正時間長を決定する場合、動作周期の半分と遅延時間長との差を補正時間長として決定する。例えば、
図3では、電圧ゼロクロス点検出モジュールは、電圧ゼロクロス点を検出した場合に処理モジュールの外部割込をトリガーし(処理モジュールがゼロクロス点信号を受信した)、ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジの後の時間長が動作周期の半分と遅延時間長との差(位置34)に達すると、処理モジュールは指定装置をオンオフする。その際、処理モジュールは、立ち下がりエッジの後の補正時間長を真の電圧ゼロクロス点34とし、遅延時間長の影響を解消できる。
【0066】
また、処理モジュールは、動作周期と遅延時間長との差を補正時間長として決定する。例えば、
図3では、電圧ゼロクロス点検出モジュールは、電圧ゼロクロス点を検出した場合に処理モジュールの外部割込をトリガーし(処理モジュールがゼロクロス点信号を受信した)、ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジの後の時間長が動作周期と遅延時間長との差(位置35)に達すると、処理モジュールは指定装置をオンオフする。その際、処理モジュールは、立ち下がりエッジの後の補正時間長を真の電圧ゼロクロス点35とし、遅延時間長の影響を解消できる。
【0067】
もう1つの例として、処理モジュールは、記憶媒体から補正時間長を読み取ってもよい。すなわち、補正時間長は、対象設備内に予め記録されている。
【0068】
選択的には、ステップ202は、ステップ201の後に実行されてもよいし、ステップ201の前に実行されてもよい。さらに、ステップ202は、ステップ201と同時に実行されてもよいが、本実施例のステップ201とステップ202の実行順番はその限りではない。
【0069】
ステップ203:ゼロクロス点信号を受信した場合に補正時間長の後に対象設備内の指定装置をオンオフ制御する。
【0070】
なお、ゼロクロス点信号は、電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。
【0071】
ゼロクロス点信号を受信した場合にタイマをトリガーしてオンにし、前記タイマのタイミング時間長が補正時間長である。タイマの時間がタイミング時間長に達すると、対象設備内の指定装置をオンオフ制御する。
【0072】
選択的には、指定装置は発熱装置であり、対象設備内には、処理モジュールによる発熱装置のオンオフの制御態様が記録されている。例えば、
図3に示す正弦波では、番号が1、2、3の半波で発熱装置をオン制御し、番号が4、5の半波で発熱装置をオフ制御する(実際の場合、他の制御態様を使用してもよいが、本実施例の制御態様はその限りではない)。処理モジュールは、この制御態様により、補正時間長に達した後に発熱装置をオンオフ制御する。
【0073】
上記をまとめると、本実施例に係る設備制御方法では、対象設備の起動信号を受信し、補正時間長を取得し、ゼロクロス点信号を受信した場合に補正時間長の後に対象設備内の指定装置をオンオフ制御する。前記ゼロクロス点信号は、電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。こうすることで、電圧ゼロクロス点から遠い位置で発熱装置をオン制御する場合に発熱装置が損傷しやすくて、対象設備の使用寿命が短くなるという問題を解決することができる。電圧ゼロクロス点検出装置による検出に遅延があるため、前記遅延に応じて補正時間長を決定し、ゼロクロス点信号と補正時間長を合わせて真の電圧ゼロクロス点で指定装置を精度よくオンオフ制御することで、突入電流による指定装置への損傷が発生しないことを保証するとともに、指定装置の制御精度を高めて指定装置の使用寿命を延ばすことができる。
【0074】
また、電圧ゼロクロス点から遠い位置で指定装置をオン制御する場合、指定装置を流れる電流に急変を生じて給電電圧に影響を与えるため、この給電電圧で給電する他の設備に悪影響を及ぼす。本発明では、真のゼロクロス点で指定装置をオンオフ制御することで、指定装置に急変電流を生じて給電電圧に影響を与えるという問題をさらに回避し、指定装置のオンオフによる他の設備への悪影響(伝動妨害)を抑制する。
【0075】
図4は、本発明の一実施例に係る設備制御システムを示すブロック図である。本実施例では、この装置を
図1に示す設備制御システムにおける処理モジュール110に適用することを例として説明する。この装置は、少なくとも、信号受信モジュール410、時間長取得モジュール420及び装置制御モジュール430を含む。
【0076】
信号受信モジュール410は、対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信する。
時間長取得モジュール420は、電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得する。
装置制御モジュール430は、ゼロクロス点信号を受信した場合に補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御する。前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号である。
【0077】
関連の詳細については、上記の方法の実施例を参照する。
【0078】
なお、上述した実施例に係る設備制御装置で設備を制御する場合、上述した各機能モジュールの分割を例として説明したが、実際の応用では、必要に応じて、上述した機能を異なる機能モジュールで完成するように割り当ててもよく、即ち、設備制御装置の内部構成を異なる機能モジュールに分割することで、上述した全部または一部の機能を完成してもよい。また、上述した実施例に係る設備制御装置は設備制御方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現過程は、方法の実施例を参照するため、ここではその詳細を省略する。
【0079】
図5は、本発明の一実施例に係る設備制御装置を示すブロック図である。この装置は、少なくとも、プロセッサ501及びメモリ502を含む。
【0080】
プロセッサ501は、1つまたは複数の処理コア、例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサ等を含んでもよい。プロセッサ501は、デジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processing:DSP)、現場でプログラム可能なゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、プログラマブル・ロジック・アレイ(Programmable Logic Array:PLA)のうちの少なくとも一種のハードウェア形態で実現されてもよい。プロセッサ501は、ホストプロセッサ及びコプロセッサを含んでもよい。ホストプロセッサは、覚醒状態でのデータを処理するためのプロセッサであり、CPU(Central Processing Unit)ともいわれる。コプロセッサは、待機状態でのデータを処理するための低消費電力プロセッサである。
【0081】
メモリ502は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、このコンピュータ可読記憶媒体は、非一時的であってもよい。メモリ502は、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリ、例えば、1つまたは複数のディスク記憶装置、フラッシュメモリをさらに含んでもよい。一部の実施例では、メモリ502における非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記録し、前記少なくとも1つの命令は、プロセッサ501によって実行されて本発明の方法の実施例に係る設備制御方法を実現する。
【0082】
一部の実施例では、設備制御装置は、周辺設備インタフェース及び少なくとも1つの周辺設備をさらに選択可能に含んでもよい。プロセッサ501、メモリ502及び周辺設備インタフェースは、バスまたは信号線によって接続されてもよい。各周辺設備は、バス、信号線または回路基板によって周辺設備インタフェースに接続されてもよい。周辺設備は、音声回路や電源等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0083】
当然ながら、設備制御装置は、より少ないモジュールまたはより多いモジュールをさらに含んでもよいが、本実施例ではこれらに限定されない。
【0084】
選択的には、本発明は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、上記の方法実施例の設備制御方法を実現する。
【0085】
選択的には、本発明は、コンピュータ製品をさらに提供し、前記コンピュータ製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、上記の方法実施例の設備制御方法を実現する。
【0086】
図6は、本発明の一実施例に係る給電電圧検出システムの構成を示す図である。
図6に示すように、前記システムは、少なくとも、処理モジュール2110と、前記処理モジュール2110に通信接続される電圧検出モジュール2120及び駆動回路2130と、駆動回路2130に通信接続されるモータ2140と、処理モジュール110に通信接続される給電電源2150とを含む。
【0087】
選択的には、給電電圧検出システムは、ヘヤードライヤーに適用されてもよく、当然ながら、給電電圧検出が必要な他の設備に適用されてもよいが、本実施例の給電電圧検出システムの適用場面はその限りではない。
【0088】
選択的には、給電電源2150は、交流電力を整流回路で整流して得られる直流電力である。給電電源2150は、モータ2140に直流電圧を供給する。
【0089】
電圧検出モジュール2120は、給電電源2150の出力端に取り付けられる。電圧検出モジュール2120は、給電電源2150の給電電圧を検出し、検出された給電電圧を処理モジュール110に送る。
【0090】
処理モジュール2110は、電圧検出モジュール2120の電圧検出時刻を決定するとともに、前記電圧検出時刻に電圧検出モジュール2120で給電電源2150の給電電圧を検出するように制御する。
【0091】
処理モジュール2110は、さらに、駆動回路2130でモータ2140を動作駆動するように制御する。選択的には、駆動回路2130は、モータに制御信号を出力してモータの動作を制御し、前記制御信号は方形波信号である。方形波信号は、正弦波、矩形波等を含むが、本発明の方形波信号の種類はその限りではない。
【0092】
モータ作動時、駆動回路2130におけるスイッチ管は周期的にオンオフになり、その際、給電電源2150の給電電圧(または、バスバー電圧と称する)を周期的に低下させる(例えば、
図7に示す、モータ作動中の給電電源の動作電圧の変化曲線を参照する)。この技術問題により、処理モジュール2110は、モータ2140の動作周期を取得し、動作周期中の各動作時刻の給電電源2150の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定し、電圧検出時刻に給電電源2150の電圧値を検出して給電電源2150の給電電圧を決定する。なお、目標電圧は、給電電源を用いてモータに給電する場合、モータが起動されていないときの給電電圧である。このように、処理モジュール2110は、指定時刻に電圧検出モジュール2120で給電電源2150の動作電圧を採集するように制御し、前記指定時刻に対応する電圧差分値に合わせて、目標電圧と一致する動作電圧を決定して電圧検出精度を高めることができる。
【0093】
図8は、本発明の一実施例に係る給電電圧検出方法を示すフローチャートである。本実施例では、この方法を
図6に示す給電電圧検出システムに適用し、各ステップの実行主体が前記システムにおける処理モジュール2110であることを例として説明する。この方法は、少なくとも、以下のステップを含む。
【0094】
ステップ2301:モータの動作周期を取得する。
【0095】
なお、モータの動作周期を取得する形態は、モータの制御信号を取得して制御信号の周期を動作周期とするか、または、モータを制御する駆動回路におけるスイッチ管のオンオフ周期を取得して動作周期として決定することを含むが、これらに限定されない。
【0096】
図7に示す動作電圧曲線を例として、モータの1つの動作周期では、動作電圧が立ち下がった後に立ち上がる。この際、立ち下がり段階に対応する曲線は、スイッチ管のオン過程に対応する曲線であり、立ち上がり段階に対応する曲線は、スイッチ管のオフ過程に対応する曲線である。
【0097】
ステップ2302:動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定する。
【0098】
目標電圧は、給電電源を用いてモータに給電する場合、モータが起動されていないときの給電電圧である。
【0099】
選択的には、動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定する態様は以下通り含んでもよいが、これらに限定されない。
第1種:動作周期中の動作電圧が目標電圧と同じである第1動作時刻を決定し、第1動作時刻を前記電圧検出時刻として決定する。
【0100】
一例として、モータの制御信号は、方形波信号であり、動作周期中の動作電圧が目標電圧と同じである動作時刻を決定することは、動作周期の開始時刻を動作時刻として決定するか、または、動作周期の終了時刻を動作時刻として決定することを含む。
【0101】
例えば、
図7に示す動作電圧曲線について、動作周期の終了時刻71を動作時刻として決定し、その際、前記動作時刻に対応する動作電圧は、モータが動作していない場合の給電電圧と同じである。
【0102】
第2種:動作周期中の各動作時刻の動作電圧を取得し、動作電圧の変化状況に対してカーブ・フィッティングを行って動作電圧曲線を得て、動作電圧曲線における電圧最大値と予め設定された数値との差分値に対応する第2動作時刻を、前記電圧検出時刻として決定する。
【0103】
動作電圧の変化状況を
図7に示すと仮定すると、予め設定された数値が電圧最大値と電圧最小値との差分値である場合、第2動作時刻は動作電圧最小値に対応する時刻72である。
【0104】
ステップ2303:電圧検出時刻に給電電源の電圧値を検出して給電電源の給電電圧を決定する。
【0105】
第1種の電圧検出時刻決定形態に対して、電圧検出時刻に検出された電圧値は給電電源の給電電圧である。
【0106】
第2種の電圧検出時刻決定形態に対して、電圧検出時刻に給電電源の電圧値を検出し、電圧値と予め設定された数値との合計を給電電源の給電電圧として決定する。
【0107】
例えば、予め設定された数値は、動作電圧曲線の電圧最大値と電圧最小値との差分値であるとともに、電圧検出時刻が電圧最小値に対応する動作時刻である場合、給電電圧は、電圧検出時刻に検出された動作電圧と予め設定された数値とを合計して得られた値である。
【0108】
上記をまとめると、本実施例に係る給電電圧検出方法では、モータの動作周期を取得し、動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定し、電圧検出時刻に給電電源の電圧値を検出して給電電源の給電電圧を決定する。こうすることで、モータ動作時に、駆動回路におけるスイッチ管を周期的にオンオフして給電電源の給電電圧を周期的に低下させ、検出された給電電圧の精度が高くないという問題を解決することができる。処理モジュールは、指定時刻に電圧検出モジュールで給電電源の動作電圧を採集するよう制御し、前記指定時刻に対応する動作電圧と目標電圧との差分値を合わせて、目標電圧と一致する動作電圧を決定して電圧検出精度を高めることができる。
【0109】
図9は、本発明の一実施例に係る給電電圧検出装置を示すブロック図である。本実施例では、この装置を、
図6に示す給電電圧検出システムにおける処理モジュール2110に適用することを例として説明する。この装置は、少なくとも、周期取得モジュール2410、時刻決定モジュール2420及び電圧検出モジュール2430を含む。
【0110】
周期取得モジュール2410は、モータの動作周期を取得する。
時刻決定モジュール2420は、前記動作周期中の各動作時刻の給電電源の動作電圧と目標電圧との差分値に基づいて電圧検出時刻を決定し、前記目標電圧は、前記給電電源を用いて前記モータに給電する場合、前記モータが起動されていないときの給電電圧である。
電圧検出モジュール2430は、前記電圧検出時刻に前記給電電源の電圧値を検出して前記給電電源の給電電圧を決定する。
【0111】
関連の詳細については、上記の方法の実施例を参照する。
【0112】
なお、上述した実施例に係る給電電圧検出装置で給電電圧を検出する場合、上述した各機能モジュールの分割を例として説明したが、実際の応用では、必要に応じて、上述した機能を異なる機能モジュールで完成するように割り当ててもよく、即ち、給電電圧検出装置の内部構成を異なる機能モジュールに分割することで、上述した全部または一部の機能を完成してもよい。また、上述した実施例に係る給電電圧検出装置は給電電圧検出方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現過程は、方法の実施例を参照するため、ここではその詳細を省略する。
【0113】
図10は、本発明の一実施例に係る給電電圧検出装置を示すブロック図である。この装置は、少なくとも、プロセッサ2501及びメモリ2502を含む。
【0114】
プロセッサ2501は、1つまたは複数の処理コア、例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサ等を含んでもよい。プロセッサ501は、デジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processing:DSP)、現場でプログラム可能なゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、プログラマブル・ロジック・アレイ(Programmable Logic Array:PLA)のうちの少なくとも一種のハードウェア形態で実現されてもよい。プロセッサ2501は、ホストプロセッサ及びコプロセッサを含んでもよい。ホストプロセッサは、覚醒状態でのデータを処理するためのプロセッサであり、CPU(Central Processing Unit)ともいわれる。コプロセッサは、待機状態でのデータを処理するための低消費電力プロセッサである。
【0115】
メモリ2502は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、このコンピュータ可読記憶媒体は、非一時的であってもよい。メモリ2502は、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリ、例えば、1つまたは複数のディスク記憶装置、フラッシュメモリをさらに含んでもよい。一部の実施例では、メモリ2502における非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記録し、前記少なくとも1つの命令は、プロセッサ2501によって実行されて本発明の方法の実施例に係る給電電圧検出方法を実現する。
【0116】
一部の実施例では、給電電圧検出装置は、周辺設備インタフェース及び少なくとも1つの周辺設備をさらに選択可能に含んでもよい。プロセッサ2501、メモリ2502及び周辺設備インタフェースは、バスまたは信号線によって接続されてもよい。各周辺設備は、バス、信号線または回路基板によって周辺設備インタフェースに接続されてもよい。周辺設備は、音声回路や電源等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0117】
当然ながら、給電電圧検出装置は、より少ないモジュールまたはより多いモジュールをさらに含んでもよいが、本実施例ではこれらに限定されない。
【0118】
選択的には、本発明は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、プロセッサによってロードされて実行されることで、上記の方法実施例の給電電圧検出方法を実現する。
【0119】
選択的には、本発明は、コンピュータ製品をさらに提供し、前記コンピュータ製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、上記の方法実施例の給電電圧検出方法を実現する。
【0120】
アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)は、アナログ信号をデジタル信号に変換する電子部品である。
【0121】
図11は、本発明の実施例に係る電圧適合方法を示すフローチャートである。本発明の電圧適合方法は、ヘヤードライヤーなどの設備に適用されるが、本発明の電圧適合方法の適用はその限りではない。それに対応して本実施例の指定装置は、発熱装置である。他の実施例では、前記指定装置は、他の装置であってもよいが、ここでは、具体的に限定されず、実際の状況に応じて定められてもよい。なお、前記方法は少なくとも以下のステップを含む。
【0122】
ステップ3101:現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定する。
【0123】
各時刻の給電電圧を取得し、各時刻の給電電圧をアナログ・デジタル・コンバータでサンプリングして得る。各時刻の給電電圧を処理し、処理された各時刻の給電電圧を記録する。選択的には、前記各時刻の給電電圧を処理するステップは、各時刻の給電電圧にフィルタリング及び平均アルゴリズムの処理を行うステップを含み、平均アルゴリズムは、K平均クラスタリングアルゴリズム、自然平均アルゴリズムなどを含んでもよい。各時刻の給電電圧にフィルタリング及び平均アルゴリズムの処理を行うことで、外部からの、取得された各時刻の給電電圧への干渉を解消する。無論、他の実施例では、各時刻の給電電圧に対して他の処理を行ってもよいが、ここで具体的に限定せず、実際の状況に応じて定められ、対応する効果を得ればよい。
【0124】
各時刻の給電電圧を処理して記録することで、電圧差分値を決定する。電圧差分値の決定過程では、現在時刻の給電電圧を取得するとともに、現在時刻の給電電圧から前時刻の給電電圧を減算して両者の電圧差分値を得る。なお、現在時刻を第1回のサンプリング時刻とすると、前時刻の給電電圧はゼロである。
【0125】
ステップ3102:前記電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定し、前記稼働順は、前記指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指す。
【0126】
現在時刻の指定装置の稼働順は、電圧と電力との関係によって決定されてもよく、具体的に、現在時刻の給電電圧に基づいて現在時刻の動作電力を決定することと、現在時刻の動作電力に基づいて指定装置の稼働順を決定し、複数組の比較により、電力が給電電圧の設定電力に最も近い制御開度を整合することを、を含む。
【0127】
無論、他の実施例では、現在時刻の指定装置の稼働順は、電圧と稼働順との関係によって決定されてもよく、具体的に、給電電圧と稼働順との写像関係を取得することと、前記写像関係及び現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定することと、を含む。給電電圧と稼働順との写像関係は、1対1の写像関係であり、その後、前記稼働順で前記指定装置を動作制御して前記指定装置の電力を調節する。
【0128】
選択的には、前記方法は、前時刻と現在時刻との間隔であるサンプリング時間長を取得するステップと、前記サンプリング時間長が予め設定された時間長以上である場合、給電電圧をサンプリングするステップと、をさらに含む。前時刻との時間長間隔がサンプリング時間長を超えた場合、再度、給電電圧をサンプリングし、動作時に設備の電源電圧に大きな変化が発生して指定装置に損傷を与え、さらに深刻な場合に使用に隠れた危険の発生を防止する。
【0129】
電圧差分値が前記予め設定された閾値以下の場合、サンプリング時間長を直接に取得し、次時刻の給電電圧をサンプリングする。
【0130】
図12を参照して、1つの具体的な実施例で本発明に係る電圧分配方法を説明し、本実施例では、予め設定された閾値が3V、サンプリング時間長が1sである。アナログ・デジタル・コンバータで現在時刻の給電電圧をサンプリングした後、現在時刻の給電電圧にフィルタリング及び平均アルゴリズムの処理を行うとともに、処理された現在時刻の給電電圧を記録する。現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を計算し、電圧差分値が3Vよりも大きい場合、現在時刻の給電電圧を電圧ー電力の関係図に代入して現在時刻の動作電力を決定し、現在時刻の動作電力によって指定装置の稼働順を決定する。電圧差分値が3V以下の場合、サンプリング時間長を取得し、サンプリング時間長が1s以上であると、次時刻の給電電圧をサンプリングする。サンプリング時間長が1sよりも短い場合、サンプリング時間長が1s以上になるまで、次時刻の給電電圧をサンプリングしない。
【0131】
上記をまとめると、現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定し、電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、現在時刻の給電電圧によって指定装置の稼働順を決定し、稼働順は、指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指し、これにより、異なる給電電圧の環境下において指定装置に電力の変化が大きすぎることを防止する。
【0132】
図13は、本発明の実施例に係る電圧適合装置を示すブロック図である。前記装置は、少なくとも、現在時刻の給電電圧と前時刻の給電電圧との電圧差分値を決定するための電圧差分値決定モジュール3301と、前記電圧差分値が予め設定された閾値よりも大きい場合、前記現在時刻の給電電圧に基づいて指定装置の稼働順を決定するための稼働順決定モジュール3302と、を含む。前記稼働順は、前記指定装置の各動作周期における稼働維持時間を指す。
【0133】
関連の詳細については、上記の方法の実施例を参照する。
【0134】
なお、上述した実施例に係る電圧適合装置で電圧適合を行う場合、上述した各機能モジュールの分割を例として説明したが、実際の応用では、必要に応じて、上述した機能を異なる機能モジュールで完成するように割り当ててもよく、即ち、電圧適合装置の内部構成を異なる機能モジュールに分割することで、上述した全部または一部の機能を完成してもよい。また、上述した実施例に係る電圧適合装置は電圧適合方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現過程は、方法の実施例を参照するため、ここではその詳細を省略する。
【0135】
図14は、本発明の実施例に係る電圧適合装置を示す図である。この装置は、少なくとも、プロセッサ1及びメモリ2を含む。
【0136】
プロセッサ1は、1つまたは複数の処理コア、例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサ等を含んでもよい。プロセッサ1は、デジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processing:DSP)、現場でプログラム可能なゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array:FPGA)、プログラマブル・ロジック・アレイ(Programmable Logic Array:PLA)のうちの少なくとも一種のハードウェア形態で実現されてもよい。プロセッサ1は、ホストプロセッサ及びコプロセッサを含んでもよい。ホストプロセッサは、覚醒状態でのデータを処理するためのプロセッサであり、CPU(Central Processing Unit)ともいわれる。コプロセッサは、待機状態でのデータを処理するための低消費電力プロセッサである。
【0137】
メモリ2は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、このコンピュータ可読記憶媒体は、非一時的であってもよい。メモリ2は、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリ、例えば、1つまたは複数のディスク記憶装置、フラッシュメモリをさらに含んでもよい。一部の実施例では、メモリ2における非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記録し、前記少なくとも1つの命令は、プロセッサ1によって実行されて本発明の方法の実施例に係る電圧適合方法を実現する。
【0138】
一部の実施例では、電圧適合装置は、周辺設備インタフェース及び少なくとも1つの周辺設備をさらに選択可能に含んでもよい。プロセッサ1、メモリ2及び周辺設備インタフェースは、バスまたは信号線によって接続されてもよい。各周辺設備は、バス、信号線または回路基板によって周辺設備インタフェースに接続されてもよい。周辺設備は、高周波回路やタッチディスプレイ、音声回路、電源等を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0139】
当然ながら、電圧適合装置は、より少ないモジュールまたはより多いモジュールをさらに含んでもよいが、本実施例ではこれらに限定されない。
【0140】
選択的には、本発明は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによって実行されて上記の電圧適合方法を実現する。
【0141】
選択的には、本発明は、コンピュータ製品をさらに提供し、前記コンピュータ製品は、コンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが記録されており、前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、上記の方法実施例の電圧適合方法を実現する。
【0142】
上記の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせられてもよい。説明を簡潔にするために、上記実施形態における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせは記載されていない。ただし、これらの技術的特徴の組み合わせは、矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲と見なすべきである。
【0143】
上記の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を表すだけであり、その説明が比較的具体的かつ詳細であるが、それらは、本発明の特許請求範囲に対する限定に理解されるべきではない。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない前提で、様々な変形や改善を行なうことができる。これらの変形や改善は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲は、添付された特許請求の範囲に従うものとする。
【手続補正書】
【提出日】2022-06-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備制御方法であって、
対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信することと、
電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得することと、
ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することと、を含み、
前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号であることを特徴とする設備制御方法。
【請求項2】
前記補正時間長を取得することは、
前記電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち上がりエッジに対応する時刻と真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して前記補正時間長を得ることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記補正時間長を取得することは、
前記対象設備の給電電源の動作周期を取得することと、
前記電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出した場合、前記ゼロクロス点信号の立ち下がりエッジに対応する時刻と真の電圧ゼロクロス点との間の時間長を取得して遅延時間長を得ることと、
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することと、を含み、
前記給電電源は交流電力であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することは、
前記動作周期の半分と前記遅延時間長との差を前記補正時間長として決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記動作周期及び前記遅延時間長に基づいて前記補正時間長を決定することは、
前記動作周期と前記遅延時間長との差を前記補正時間長として決定することを含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記指定装置は、発熱装置を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することは、
前記ゼロクロス点信号を受信した場合にタイマをトリガーしてオンにし、前記タイマのタイミング時間長が前記補正時間長であることと、
前記タイマの時間長が前記タイミング時間長に達すると、前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御することと、を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
設備制御装置であって、
対象設備の動作をトリガーするための対象設備の起動信号を受信するための信号受信モジュールと、
電圧ゼロクロス点検出モジュールが電圧ゼロクロス点を検出する場合の遅延を相殺するための補正時間長を取得するための時間長取得モジュールと、
ゼロクロス点信号を受信した場合に前記補正時間長の後に前記対象設備内の指定装置をオンオフ制御するための装置制御モジュールと、を含み、
前記ゼロクロス点信号は、前記電圧ゼロクロス点検出モジュールによって電圧ゼロクロス点を検出した場合に送信される信号であることを特徴とする設備制御装置。
【請求項9】
設備制御装置であって、
プロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリには、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、前記プロセッサによってロードされて実行されることで、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備制御方法を実現することを特徴とする設備制御装置。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記記憶媒体には、プログラムが記録されており、
前記プログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備制御方法を実現することを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】