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▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ホルダー
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/95 20200101AFI20230113BHJP
   A24F 15/01 20200101ALI20230113BHJP
【FI】
A24F40/95
A24F15/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022522288
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 EP2020079270
(87)【国際公開番号】W WO2021074420
(87)【国際公開日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】19203811.5
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ジュウン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC02
4B162AC50
(57)【要約】
エアロゾル発生装置用のホルダー(201)。ホルダーはカバー(100)を備え、エアロゾル発生装置を収容するためのドッキング空間を画定する。カバーは、カバーがドッキング空間の少なくとも一部分を覆う被覆位置と非被覆位置との間で移動可能である。カバーが被覆位置にある時、カバーの第一の部分は第一の曲線を画定する。カバーが非被覆位置にある時、カバーの第一の部分は第二の曲線を画定する。第二の曲線の曲率半径は第一の曲線の曲率半径よりも大きい。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長軸方向軸を画定する細長いエアロゾル発生装置用のホルダーであって、前記ホルダーがカバーを備え、前記エアロゾル発生装置を収容するためのドッキング空間を画定する、ホルダーであって、
前記カバーが前記ドッキング空間の少なくとも一部分を覆う被覆位置と非被覆位置との間で前記カバーが移動可能であり、
前記カバーが前記被覆位置にある時、前記カバーの第一の部分が第一の曲線を画定し、前記カバーが前記非被覆位置にある時、前記カバーの前記第一の部分が第二の曲線を画定し、前記第二の曲線の曲率半径が、前記第一の曲線の曲率半径よりも大きく、
前記細長いエアロゾル発生装置が前記ドッキング空間内に収容されていて、前記カバーが前記被覆位置にある時、前記エアロゾル発生装置が前記ホルダーによって包囲されていて、前記第一の曲線が前記細長いエアロゾル発生装置の前記長軸方向軸の周りを湾曲する、ホルダー。
【請求項2】
前記カバーが実質的に平面であり、長さ、高さ、および厚さを有する位置に前記カバーが移動可能であり、前記厚さが前記長さの10%未満、または前記高さの10%未満、または前記長さの10%未満かつ前記高さの10%未満である、請求項1に記載のホルダー。
【請求項3】
前記細長いエアロゾル発生装置が長さを有し、前記細長いエアロゾル発生装置が前記ドッキング空間内に収容されていて、前記カバーが前記非被覆位置にある時、前記細長いエアロゾル発生装置の前記長さの少なくとも80%が露出している、請求項1~2のいずれかに記載のホルダー。
【請求項4】
前記カバーが第一の取付部分を備え、前記ホルダーが、第一の取付部分を有する第一の側壁を備え、前記カバーの前記第一の取付部分が、前記第一の側壁の前記第一の取付部分に取り付け可能であり、かつ前記第一の側壁の前記第一の取付部分から取り外し可能である、請求項1~3のいずれかに記載のホルダー。
【請求項5】
前記カバーが第二の取付部分を備え、前記ホルダーが、第二の取付部分を有する第二の側壁を備え、前記カバーの前記第二の取付部分が、前記第二の側壁の前記第二の取付部分に取り付け可能であり、かつ前記第二の側壁の前記第二の取付部分から取り外し可能である、請求項4に記載のホルダー。
【請求項6】
磁性取付部材を備える、第一の取付点、または第二の取付点、または第一の取付点と第二の取付点の両方を前記カバーが備え、前記カバーの一部分を前記ハウジングの一部分に磁気的にラッチするように構成された磁石または磁性材料を前記磁性取付部材が備える、請求項4または請求項5に記載のホルダー。
【請求項7】
機械的取付部材を備える、第一の取付点、または第二の取付点、または第一の取付点と第二の取付点の両方を前記カバーが備え、前記カバーの一部分を前記ハウジングの一部分に機械的にラッチするために突起受容スロットと係合するように構成された変形可能な突起部を前記機械的取付部材が備えるか、または前記カバーの一部分を前記ハウジングの一部分に機械的にラッチするために変形可能な突起部と係合するように構成された突起受容スロットを前記機械的取付部材が備える、請求項4または請求項5に記載のホルダー。
【請求項8】
前記カバーが複数の補強要素を備える、請求項1~7のいずれかに記載のホルダー。
【請求項9】
前記カバーが第一の層および第二の層を備え、前記複数の補強要素が前記第一の層と前記第二の層の間に挟まれている、請求項8に記載のホルダー。
【請求項10】
前記複数の補強要素が複数の細長い補強要素である、請求項8または請求項9に記載のホルダー。
【請求項11】
前記複数の細長い補強要素が相互に実質的に平行である、請求項10に記載のホルダー。
【請求項12】
前記細長いエアロゾル発生装置が前記ドッキング空間内に収容されている時、前記細長いエアロゾル発生装置および前記複数の細長い補強要素が実質的に平行である、請求項11に記載のホルダー。
【請求項13】
各補強要素が前記カバーの高さの少なくとも80%に沿って延びる、請求項8~12のいずれかに記載のホルダー。
【請求項14】
前記第一の層、または前記第二の層、または前記第一の層と前記第二の層の両方が繊維材料を含む、請求項9~13のいずれかに記載のホルダー。
【請求項15】
前記ホルダーが前記第一の壁と、前記第一の壁に対向する第二の壁を備え、前記ドッキング空間が前記第一の壁と前記第二の壁の間に画定されている、請求項1~14のいずれかに記載のホルダー。
【請求項16】
前記第一の壁が前記第二の壁から離隔していて、前記第二の壁に対して固定されている、請求項15に記載のホルダー。
【請求項17】
前記ドッキング空間が、前記第一の壁と前記第二の壁の間の前記細長いエアロゾル発生装置の長軸方向寸法を収容するように構成されている、請求項15または請求項16に記載のホルダー。
【請求項18】
前記ドッキング空間が、前記第一の壁と前記第二の壁の間に延びる後部壁によってさらに画定されている、請求項15、請求項16、または請求項17に記載のホルダー。
【請求項19】
前記細長いエアロゾル発生装置が前記ドッキング空間内に収容されている時、前記細長いエアロゾル発生装置に電力を供給するように構成された電源を前記ホルダーが備える、請求項1~18のいずれかに記載のホルダー。
【請求項20】
前記細長いエアロゾル発生装置の前記長軸方向寸法に実質的に垂直の方向での、前記細長いエアロゾル発生装置および前記ドッキング空間の相対的な移動によって、ユーザーが前記細長いエアロゾル発生装置を前記ドッキング空間内に収容することができる、請求項1~19のいずれかに記載のホルダー。
【請求項21】
前記カバーが、付属品を保持するための保持手段を備える、請求項1~20のいずれかに記載のホルダー。
【請求項22】
前記保持手段が弾性材料の細片を含む、請求項21に記載のホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置用のホルダーに関する。具体的に本発明は、エアロゾル発生装置用のホルダーに関し、ホルダーはカバーを備える。
【0002】
エアロゾル発生システムは典型的に、エアロゾル発生装置とエアロゾル形成基体を備える。エアロゾル発生装置は典型的に、電源とアトマイザーを備える。電力がアトマイザーに供給されると、アトマイザーはエアロゾル形成基体中の揮発性化合物を霧化して、エアロゾルを形成する。
【0003】
一部のエアロゾル発生装置は、外部環境から保護されていない場合、擦り傷が付くかまたは別の方法で損傷する可能性がある。
【0004】
エアロゾル発生装置が使用されていない時にエアロゾル発生装置を保護することができ、その一方で所望の場合、ユーザーがエアロゾル発生装置に容易にアクセスすることを可能にするホルダーを提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、またはエアロゾル形成基体を含むカートリッジと相互作用してもよい。一部の実施例において、エアロゾル発生装置はエアロゾル形成基体を加熱して、基体からの揮発性化合物の放出を容易にする場合がある。電気的に作動するエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するための、電気ヒーターなどのアトマイザーを備えてもよい。
【0006】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。加熱または燃焼に代わるものとして、一部の場合において、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。
【0007】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル形成基体を含む物品を指す。一部の実施例において、エアロゾル発生物品は、加熱に伴い揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含んでもよく、これらの揮発性化合物はエアロゾルを形成してもよい。
【0008】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせの分散を指すために使用される。エアロゾルは可視でも不可視でもよい。エアロゾルは、室温にて通常は液体または固体である物質の蒸気、ならびに固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせを含んでもよい。
【0009】
エアロゾル発生装置(または物品)を参照して、本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、装置(または物品)の下流端、または近位端、または口側端と、装置(または物品)の対向する上流端または遠位端との間の方向を説明するために使用される。
【0010】
エアロゾル発生装置または物品を参照して、本明細書で使用される「横断方向」という用語は、長軸方向に対して垂直の方向を説明するために使用される。
【0011】
エアロゾル発生装置(または物品)を参照して、本明細書で使用される「長さ」という用語は、装置(または物品)の遠位端または上流端と、装置(または物品)の近位端または下流端との間の最大長軸方向寸法を説明するために使用される。
【0012】
本明細書で使用される「直径」という用語は、構成要素、例えばエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の最大横断方向寸法を説明するために使用される。
【0013】
本明細書で使用される「露出した」という用語は、特徴部または構成要素の一部分が外部環境に対して開放していて、かつ包囲されていないか覆われていないことを示すために使用される。
【0014】
本開示によると、エアロゾル発生装置用のホルダーが提供されている。ホルダーはカバーを備えてもよい。ホルダーは、エアロゾル発生装置を収容するためのドッキング空間を画定してもよい。カバーは、カバーがドッキング空間の少なくとも一部分を覆う被覆位置と非被覆位置との間で移動可能であってもよい。カバーが被覆位置にある時、カバーの第一の部分は第一の曲線を画定してもよい。カバーが非被覆位置にある時、カバーの第一の部分は第二の曲線を画定してもよい。第二の曲線の曲率半径は第一の曲線の曲率半径よりも大きくてもよい。
【0015】
一実施例によると、エアロゾル発生装置のためのホルダーが提供されている。
【0016】
ホルダーはカバーを備え、エアロゾル発生装置を収容するためのドッキング空間を画定する。カバーは、カバーがドッキング空間の少なくとも一部分を覆う被覆位置と非被覆位置との間で移動可能である。カバーが被覆位置にある時、カバーの第一の部分は第一の曲線を画定する。カバーが非被覆位置にある時、カバーの第一の部分は第二の曲線を画定する。第二の曲線の曲率半径は第一の曲線の曲率半径よりも大きい。
【0017】
有利なことに、この実施例によると、カバーが被覆位置にある時、カバーはドッキング空間の少なくとも一部分を覆う。カバーが被覆位置にある時、実質的にドッキング空間全体が覆われてもよく、例えばドッキング空間全体が覆われてもよい。それ故に、カバーが被覆位置にある時、カバーは、ドッキング空間内に収容されているエアロゾル発生装置を保護してもよい。
【0018】
カバーが非被覆位置にある時、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置の少なくとも一部分は露出してもよい。非被覆位置は、ドッキング空間が被覆位置においてよりも少ない程度に覆われている任意の位置であってもよい。非被覆位置と指定されることができる、カバーを配設できる複数の位置があってもよい。カバーが非被覆位置にある時、ユーザーは、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置にアクセスすることができてもよい。カバーは、ユーザーによって被覆位置と非被覆位置との間で移動可能であってもよい。
【0019】
従って、ユーザーは有利なことに、例えば輸送中にドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置を保護するために、カバーを被覆位置に移動することができてもよく、また装置へのアクセスが望まれる時、カバーを非被覆位置に移動することができる。
【0020】
ホルダーは第一の壁を備えてもよい。ホルダーは第二の壁を備えてもよい。第二の壁は第一の壁に対向してもよい。ドッキング空間は第一の壁と第二の壁の間に画定されてもよい。第一の壁と第二の壁は互いに実質的に平行であってもよい。第一の壁は第二の壁から離隔していて、第二の壁に対して固定されてもよい。ドッキング空間は、第一の壁と第二の壁の間のエアロゾル発生装置(細長いエアロゾル発生装置など)の長軸方向寸法を収容するように構成されてもよい。
【0021】
ドッキング空間は、第一の壁と第二の壁の間に延びる後部壁によってさらに画定されてもよい。ドッキング空間は第一の壁、第二の壁、および後部壁によって少なくとも部分的に画定されてもよい。
【0022】
ホルダーは、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置と係合するように構成されてもよい。ホルダーは、装置をドッキング空間内に保持するために、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置と係合するように構成されてもよい。ホルダーの連結部材は、装置がドッキング空間内に収容されている時、エアロゾル発生装置の対応する連結部材と係合するように構成されてもよい。
【0023】
ホルダーは、例えば再充電可能電源などの電源を備えてもよい。
【0024】
ホルダーの電源は、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置に電力を供給するように構成されてもよい。
【0025】
連結部材は電気接点を備えてもよく、対応する連結部材は対応する電気接点を備えてもよい。エアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されている時、電気接点および対応する電気接点は、電気的接続を形成してもよい。この電気的接続は、ホルダーの電源が、ドッキング空間内に収容された装置に電力を供給することを可能にしてもよい。
【0026】
ホルダーはハウジングを備えてもよい。ハウジングは第一の壁を備えてもよい。ハウジングは第二の壁を備えてもよい。ハウジングは後部壁を備えてもよい。
【0027】
例えば、エアロゾル発生装置は細長いエアロゾル発生装置であってもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、第二の幅寸法および第三の厚さ寸法よりも大きい第一の長軸方向寸法を有してもよい。第二の寸法と第三の寸法は実質的に同一であってもよく、従って両方とも幅と呼ばれてもよい。エアロゾル発生装置は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル発生装置は、実質的に紙巻たばこまたは葉巻たばこ様の形状であってもよい。
【0028】
長軸方向寸法は長軸方向軸を画定してもよい。幅寸法は長軸方向軸に対して垂直に延びてもよい。
【0029】
エアロゾル発生装置は、近位端および遠位端を有するものとして記述されてもよい。装置は、近位端と遠位端の間に延びる細長い本体を備えてもよい。本体は、近位端と遠位端の間に延びる、少なくとも一つの側面を備えてもよい。
【0030】
エアロゾル発生装置をドッキング空間内に収容することは、エアロゾル発生装置の長軸方向寸法に実質的に垂直の方向での、エアロゾル発生装置およびドッキング空間の相対的な移動によって達成されうる。
【0031】
例えば、エアロゾル発生装置の近位端または遠位端のいずれかは、ドッキング空間内に挿入されてもよい。次いで反対の端は、エアロゾル発生装置がドッキング空間内に完全に収容されるように、ドッキング空間の中に旋回されてもよい。
【0032】
有利なことに、実質的に垂直の動きを使用することによって、エアロゾル発生装置が長軸方向にドッキング空間の中に挿入されている時、エアロゾル発生装置をドッキング空間内に収容するために移動する必要がある距離は、エアロゾル発生装置を収容するホルダーにおいてよりも短い。
【0033】
ドッキング空間は、エアロゾル発生装置の長軸方向寸法を収容してもよい。
【0034】
エアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されていて、カバーが非被覆位置にある時、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分は露出してもよい。
【0035】
これは有利なことに、ユーザーが、エアロゾル発生装置の露出した部分を把持し、ホルダーから装置を取り外すことによって、装置を簡単に取り出すことを可能にしてもよい。
【0036】
カバーは、カバーが実質的に平面である位置に移動可能であってもよい。この位置を、カバーの実質的に平面な位置と呼ぶことができる。実質的に平面な位置において、カバーは長さと、高さと、長さの10%未満、または高さの10%未満、または長さの10%未満かつ高さの10%未満である厚さとを有してもよい。実質的に平面な位置において、カバーは立方体または立方体様の形状を有してもよい。
【0037】
例えば、実質的に平面な位置において、厚さは長さの5%未満、または高さの5%未満、または長さの5%未満かつ高さの5%未満であってもよい。
【0038】
実質的に平面な位置において、厚さは約0.5mm~約4.5mmであってもよい。例えば、厚さは1mm~3mm、例えば1.25mm~2mmであってもよい。実質的に平面な位置において、高さは約50mm~約200mmであってもよい。例えば、高さは75mm~150mmであってもよい。実質的に平面な位置において、長さは約40mm~約180mmであってもよい。例えば、長さは50mm~150mmであってもよい。
【0039】
カバーは、カバーの長さの方向に延びる軸の周りでの湾曲よりも小さい、カバーの高さの方向に延びる軸の周りでの湾曲に抵抗してもよい。すなわちカバーは、カバーの高さの方向に延びる軸の周りに優先的に湾曲してもよい。カバーは、ドッキング空間内に位置するエアロゾル発生装置の長軸方向軸に対して実質的に平行な軸の周りに優先的に湾曲してもよい。
【0040】
カバーは、カバーの厚さの方向に延びる軸の周りでの湾曲よりも小さい、カバーの高さの方向に延びる軸の周りでの湾曲に抵抗してもよい。
【0041】
カバーは第二の方向よりも第一の方向で、可撓性が高くてもよい。
【0042】
これは有利なことに、カバーにいくらかの剛性を与えうる一方で、ユーザーが、カバーの高さの方向に延びる軸(例えばドッキング空間の長軸方向軸に実質的に平行な軸、またはドッキング空間内に位置するエアロゾル発生装置の長軸方向軸に実質的に平行な軸)の周りにカバーを容易に湾曲することを可能にする。
【0043】
カバーの非被覆位置において、ドッキング空間のすべてまたは実質的にすべては露出してもよい。別の方法として、カバーの非被覆位置において、ドッキング空間の一部は露出してもよい。
【0044】
長軸方向軸を画定する細長いエアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されていて、カバーが被覆位置にある時、カバーの第一の部分によって画定された第一の曲線は、細長いエアロゾル発生装置の長軸方向軸の周りを湾曲してもよい。
【0045】
細長いエアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されていて、カバーが非被覆位置にある時、細長いエアロゾル発生装置の少なくとも80%の長さ、または90%の長さ、または95%の長さ、または実質的にすべての長さが露出してもよい。
【0046】
これは有利なことに、ユーザーが装置を簡単に把持し、装置をドッキング空間から取り外すことを可能にしてもよい。さらに、これは、ドッキング空間内に収容された装置上にあるインジケータ(画面など)をユーザーが見ることを可能にしてもよい。インジケータは例えば、ユーザーが装置をドッキング空間から取り外すことなく、装置が完全に充電されているかどうかを確かめることを可能にしてもよい。
【0047】
カバーは第一の取付部分を備えてもよい。ホルダーは、第一の取付部分を有する第一の側壁を備えてもよい。ホルダーのハウジングは第一の側壁を備えてもよい。第一の取付部分は、カバーの厚さを収容するために第一の側壁に陥凹部を備えてもよい。カバーの第一の取付部分は、第一の側壁の第一の取付部分に取り付け可能、かつそれから取り外し可能であってもよい。
【0048】
カバーの第一の取付部分は、カバーの第一の側面にて、またはカバーの第一の側面に向かって位置してもよい。
【0049】
第一の側壁の第一の取付部分とカバーの第一の取付部分との間の取り付けを、第一の取付部と呼ぶことができる。第一の取付部は磁性取付部であってもよく、または磁性取付部を備えてもよい。第一の取付部は、例えば機械的留め具によって作製された機械的取付部であってもよく、または機械的取付部を備えてもよい。
【0050】
カバーの第一の取付部分は、磁石、磁性材料、フックアンドループ・ファスナーの構成要素(Velcro(登録商標)など)、ボタン、フック、陥凹部、およびクリップのうちの一つ以上であってもよく、またはこれを備えてもよい。
【0051】
第一の側壁の第一の取付部分は、磁石、磁性材料、フックアンドループ・ファスナーの構成要素(Velcro(登録商標)など)、ボタン、フック、陥凹部、およびクリップのうちの一つ以上であってもよく、またはこれを備えてもよい。
【0052】
カバーの第一の取付部分は、細長い磁石または磁性材料の細長い細片を備えてもよい。細長い磁石または磁性材料の細長い細片は、カバーの第一の側面にて、またはカバーの第一の側面に向かって位置してもよい。細長い磁石または磁性材料の細長い細片は、カバーの高さの少なくとも80%または90%または95%に沿って延びてもよい。
【0053】
第一の側壁の第一の取付部分は、対応する磁石(対応する細長い磁石など)、または対応する磁性材料の細片(対応する磁性材料の細長い細片など)を備えてもよい。磁性材料という用語は、磁石と相互作用する材料、例えばフェライト材料(磁石に引き付けられる鉄またはステンレス鋼など)に関する。
【0054】
カバーが被覆位置にある時、第一の側壁の第一の取付部分の対応する磁石または対応する磁性材料は、カバーの第一の取付部分の細長い磁石または磁性材料の細長い細片と整列してもよい。カバーが被覆位置にある時、第一の側壁の第一の取付部分の対応する磁石または対応する磁性材料は、カバーの第一の取付部分の細長い磁石または磁性材料の細長い細片と接触してもよい。
【0055】
これは有利なことに、カバーの第一の取付部分と第一の側壁の第一の取付部分との間に、堅牢ではあるが可逆的な取付を提供しうる。
【0056】
カバーの第一の取付部分は突出要素(例えば磁石もしくは磁性材料を含む突出要素)、または機械的留め具を形成する突出要素を備えてもよい。突出要素はポリマー材料であってもよく、対応するスロット、陥凹部、もしくはソケットとの機械的係合のために弾性的に変形してもよく、または弾性的に変形可能な部分を有してもよい。突出要素はカバーの厚さの方向に突出してもよい。
【0057】
第一の側壁は溝を備えてもよい。カバーの突出要素は、カバーが被覆位置にある時、第一の側壁の溝に受容されるように構成されてもよい。溝は、対応する磁石または対応する磁気要素を備えてもよい。それ故に、カバーが被覆位置にある時、突出要素は、溝の対応する磁石または対応する磁気要素と整列または接触してもよい。溝はソケットであってもよく、突出要素と機械的に相互作用して、カバーの第一の取付点と第一の側壁の第一の取付点との間に取付部を形成してもよい。
【0058】
第一の側壁は一つ以上の溝またはソケットを備えてもよい。一つ以上の溝またはソケットの各々は、カバーの一部分から延びる対応する突出要素と係合して、第一の取付部を形成してもよい。
【0059】
これは有利なことに、カバーの第一の取付部分と第一の側壁の第一の取付部分との間に、堅牢ではあるが可逆的な取付を提供しうる。
【0060】
カバーは第二の取付部分を備えてもよい。ホルダーは、第二の取付部分を有する第二の側壁を備えてもよい。ホルダーのハウジングは第二の側壁を備えてもよい。第二の取付部分は、カバーの厚さを収容するために第二の側壁に陥凹部を備えてもよい。カバーの第二の取付部分は、第二の側壁の第二の取付部分に取り付け可能、かつそれから取り外し可能であってもよい。
【0061】
カバーの第二の取付部分は、カバーの第二の側面にて、またはカバーの第二の側面に向かって位置してもよい。
【0062】
第二の側壁の第二の取付部分とカバーの第二の取付部分との間の取付を、第二の取付部と呼ぶことができる。第二の取付具は磁性取付部であってもよく、または磁性取付部を備えてもよい。第二の取付具は、例えば機械的留め具によって作製された機械的取付部であってもよく、または機械的取付部を備えてもよい。
【0063】
カバーの第二の取付部分は、磁石、磁性材料、フックアンドループ・ファスナーの構成要素(Velcro(登録商標)など)、ボタン、フック、陥凹部、およびクリップのうちの一つ以上であってもよく、またはこれを備えてもよい。
【0064】
第二の側壁の第二の取付部分は、磁石、磁性材料、フックアンドループ・ファスナーの構成要素(Velcro(登録商標)など)、ボタン、フック、陥凹部、およびクリップのうちの一つ以上であってもよく、またはこれを備えてもよい。
【0065】
カバーの第二の取付部分は補強剤、例えば非磁性補強剤を含んでもよい。補強剤は、カバーの高さの少なくとも80%または90%または95%に沿って延びてもよい。
【0066】
カバーの第二の取付部分は磁石または磁気要素を備えてもよい。例えば、カバーの第二の取付部分は、複数の磁石または磁気要素を備えてもよい。複数の磁石または磁気要素は、カバーの高さに沿って間隔が置かれてもよい。例えば、複数の磁石または磁気要素は、カバーの高さに沿って均等に間隔が置かれてもよい。複数の磁石または磁気要素は、補強剤に沿って間隔が置かれてもよい。例えば、複数の磁石または磁気要素は、補強剤に沿って均等に間隔が置かれてもよい。
【0067】
壁の第二の取付部分は、一つ以上の対応する磁石または対応する磁気要素を備えてもよい。カバーが被覆位置にある時、第二の側壁の第二の取付部分の対応する磁石または対応する磁気要素は、カバーの第二の取付部分の磁石または磁気要素と整列してもよい。カバーが被覆位置にある時、第二の側壁の第二の取付部分の対応する磁石または対応する磁気要素は、カバーの第二の取付部分の磁石または磁気要素と接触してもよい。
【0068】
磁性取付部材を備える、第一の取付点、または第二の取付点、または第一の取付点と第二の取付点の両方をカバーは備えてもよく、磁性取付部材は、カバーの一部分をハウジングの一部分に磁気的にラッチするように構成された磁石または磁性材料を備える。
【0069】
機械的取付部材を備える、第一の取付点、または第二の取付点、または第一の取付点と第二の取付点の両方をカバーは備えてもよく、機械的取付部材は、カバーの一部分をハウジングの一部分に機械的にラッチするために突起受容スロットと係合するように構成された変形可能な突起部を備えるか、または機械的取付部材は、カバーの一部分をハウジングの一部分に機械的にラッチするために変形可能な突起部と係合するように構成された突起受容スロットを備える。変形可能な突起部は、突起受容スロットと係合するために変形可能なリップまたはフックを備えてもよい。
【0070】
エアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されていて、カバーが被覆位置にある時、エアロゾル発生装置はホルダーによって取り囲まれてもよい。例えば、カバーおよびハウジングは、カバーが被覆位置にある時、ドッキング空間内に収容された装置を取り囲んでもよい。
【0071】
これは有利なことに、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置を保護してもよく、カバーが被覆位置にある時にドッキング空間に入るダストまたは他の破片の量を低減してもよい。
【0072】
エアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されていて、カバーが被覆位置にある時、エアロゾル発生装置はホルダーによって包囲されてもよい。
【0073】
すなわち、装置はホルダーによって完全に囲まれてもよい。例えば、カバーおよびハウジングは、カバーが被覆位置にある時、ドッキング空間内に収容された装置を包囲するか、または完全に取り囲んでもよい。
【0074】
これは有利なことに、ドッキング空間内に収容されたエアロゾル発生装置を保護してもよく、カバーが被覆位置にある時、ダストまたは他の破片がドッキング空間に入るのを実質的に防止してもよい。
【0075】
カバーは複数の補強要素を備えてもよい。各補強要素は、プラスチックまたは金属のうちの一つ以上から形成されてもよく、またはこれを含んでもよい。例えば、補強要素は、ポリカーボネート(PC)などのポリマー、またはマイクロファイバープラスチック、またはガラス繊維複合材などの複合材から形成されてもよい。各補強要素は、カバーの高さに沿って延びてもよい。例えば、各補強要素は、カバーの高さの少なくとも80%または90%に沿って延びてもよい。複数の補強要素は、複数の細長い補強要素であってもよい。各細長い補強要素の最長寸法は、カバーの高さ、例えばカバーの高さの少なくとも80%または90%に沿って延びてもよい。複数の細長い補強要素は、相互に実質的に平行であってもよい。
【0076】
カバーは第一の層を備えてもよい。カバーは第二の層を備えてもよい。第一の層は、繊維材料(布地またはフェルトなど)、または皮革、または合成皮革、またはバイオプラスチック、または再生プラスチックを含んでもよい。第二の層は、繊維材料(布地またはフェルトなど)、または皮革、または合成皮革、またはバイオプラスチック、または再生プラスチックを含んでもよい。
【0077】
複数の補強要素は第一の層と第二の層の間に挟まれてもよい。カバーの第一の取付部分は第一の層と第二の層の間に挟まれてもよい。カバーの第二の取付部分は第一の層と第二の層の間に挟まれてもよい。
【0078】
各補強要素は第一の層、または第二の層、または第一の層と第二の層の両方に固定されてもよい。
【0079】
複数の補強要素は、相互に実質的に均等に間隔が置かれてもよい。細長いエアロゾル発生装置がドッキング空間内に収容されていて、カバーが被覆位置にある時、細長いエアロゾル発生装置および複数の細長い補強要素は、実質的に平行であってもよい。
【0080】
これは有利なことに、カバーが装置に適切な保護を提供することを可能にしうる一方で、カバーがドッキング空間の周りに、またはドッキング空間内に収容された装置の周りに、容易に湾曲することを可能にする。
【0081】
カバーは保持手段を備えてもよい。保持手段は付属品を保持するように構成されてもよい。保持手段は弾性材料の細片を含む。弾性材料の細片はカバーの高さに沿って延びてもよい。
【0082】
これは有利なことに、ユーザーがホルダーで付属品を保つことを可能にしてもよい。付属品は、例えばエアロゾル発生装置で使用するエアロゾル発生物品のパックであってもよい。
【0083】
弾性材料の細片は第一の端および第二の端、ならびに第一の端と第二の端の間に延びる中間部分を備えてもよい。弾性材料の細片の第一の端は、カバーの面に取り付けられてもよく、または取り付け可能であってもよい。例えば、第一の端は、カバーの面上の第一の対応する可逆的な取付手段に取り付けるように、かつそれから取り外すように構成された第一の可逆的な取付手段(ボタン、クリップ、またはフックアンドループ・ファスナーなど)を備えてもよい。別の方法として、第一の端はカバーの面に縫い付けられてもよい。弾性材料の細片の第二の端は、カバーの面に取り付けられてもよく、または取り付け可能であってもよい。例えば、第二の端は、カバーの面上の対応する第二の可逆的な取付手段に取り付けるように、かつそれから取り外すように構成された第二の可逆的な取付手段(ボタン、クリップ、またはフックアンドループ・ファスナーなど)を備えてもよい。別の方法として、第二の端はカバーの面に縫い付けられてもよい。中間部分はカバーの面に取り付けられなくてもよい。
【0084】
保持手段はカバーに取り付け可能であり、かつカバーから取り外し可能であってもよい。例えば、保持手段は弾性材料の細片を含んでもよく、第一の端および第二の端は、上述の第一の可逆的な取付手段および第二の可逆的な取付手段を備えてもよい。
【0085】
これは有利なことに、望ましくない場合にユーザーが保持手段をカバーから取り外すことを可能にしてもよい。
【0086】
弾性材料の細片がカバーに取り付けられている時、ユーザーは細片が伸縮するように細片の中間部分を引っ張り、付属品が細片とカバーの面との間に挿入されることを可能にしてもよい。ユーザーが細片の中間部分を放出する時、細片の張力は、細片とカバーの面との間の付属品を保持するように作用してもよい。
【0087】
本開示によると、システムも提供されている。システムはホルダー、例えば上述の通りのホルダーを備えてもよい。すなわち、システムのホルダーは、上記のホルダーに関連して記述した任意の特徴を備えてもよい。システムはエアロゾル発生装置、例えば上述の通りのエアロゾル発生装置を備える。すなわち、システムのエアロゾル発生装置は、上記のエアロゾル発生装置に関連して記述した任意の特徴を備えてもよい。
【0088】
ここで例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1図1は、カバーの断面図である。
図2図2は、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、およびカバーのないホルダーの概略図である。
図3図3は、図1に示すカバーが非被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略上面図である。
図4図4は、図1に示すカバーが非被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略側面図である。
図5図5は、図1に示すカバーが被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略上面図である。
図6図6は、図1に示すカバーが被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略側面図である。
図7図7は、カバーが被覆位置にある、図4に示すホルダーの概略図であり、カバーの保持手段が付属品を保持している。
図8図8は、突出要素を示す、さらなる特定の一実施形態によるカバーの概略端面図である。
図9図9は、図8に図示した通りのカバーを組み込んでいる、ホルダーのさらなる特定の一実施形態の概略側面図である。
【0090】
図1は、カバーの断面図である。カバー100は、カバーの第一の側面に向かって位置する第一の取付部分102と、カバーの第二の側面に向かって位置する第二の取付部分104とを備える。
【0091】
第一の取付部分102は細長い磁石103を備える。細長い磁石104は、実質的にカバー100の高さ全体に沿って延びる。第一の取付部分102はまた、磁気突出要素106を備える。突出要素はカバー100の厚さの方向に突出する。
【0092】
第二の取付部分104は補強剤108を含む。第二の取付部分104は4つの磁石110、112、114、116を備える。4つの磁石110、112、114、116は補強剤108と接触していて、補強剤108に沿って均等に間隔が置かれている。
【0093】
カバーは複数の補強要素118を備える。補強要素は、ポリカーボネート(PC)などの適切なポリマー材料から形成されていることが好ましい。複数の補強要素118は細長い。各細長い補強要素の最長寸法は、実質的にカバー100の高さ全体に沿って延びる。複数の細長い補強要素118は相互に実質的に平行である。
【0094】
カバー100は第一の層および第二の層を備える。図1はカバー100の断面図であるため、図1において第一の層および第二の層は見えない。第一の層と第二の層の両方は、繊維材料から形成されている。第一の取付部分102、第二の取付部分104、および複数の補強要素118は、第一の層と第二の層の間に挟まれている。
【0095】
図2は、エアロゾル発生装置、エアロゾル発生物品、およびカバーのないホルダーの概略図である。
【0096】
ホルダー201は、紙巻たばこの従来のパケットとほぼ同じサイズおよび形状であるハウジング202を備える。ハウジング202はリチウムイオン電池203を位置させて保持する。この電池203は一次電源または一次電池と呼ばれてもよい。一次電池203は、充電ポート213に電気的に接続されていて、一次電池203が外部電源(主要な電源など)から再充電されることを可能にする。ホルダー201は、第一の壁206と、第一の壁206から離隔していて第一の壁206に対して固定された対向する第二の壁207との間に画定されたドッキング空間205を画定する。ドッキング空間は後部壁208によってさらに画定されている。ドッキング空間205は細長く、第一の壁206と第二の壁207の間に延びる長軸方向軸を有する。第一の壁206、第二の壁207、および後部壁208は、ハウジング202の一部分である。第一の電気接点217および第二の電気接点218は、ドッキング空間205の中に面する。第一の電気接点および第二の電気接点は、一次電池203に電気的に接続されている。ホルダーは、一次電池203の充電および放電を制御するための少なくとも一つのマイクロプロセッサなどの電気回路をさらに備える。
【0097】
エアロゾル発生装置220は、近位端223、遠位端224、および近位端223と遠位端224の間に延びる本体225を有する、実質的に円筒状の細長いハウジング222を有する。装置220の長さは、ドッキング空間205の長軸方向寸法の長さよりもわずかに短い。第一の装置接点227および第二の装置接点228は、遠位端224付近に位置し、遠位端に背いている。第一の装置接点および第二の装置接点は、装置電池226に電気的に接続されていて、装置電池226の再充電を可能にしている。二次電源または二次電池と呼ばれうる装置電池226は、任意の適切な電池、例えばリチウムイオン電池、またはリン酸鉄リチウム電池であってもよい。
【0098】
基体を受容する空洞221は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するために装置220の近位部分に画定されている。空洞221は実質的に円筒状であり、装置の近位端に画定された開口部を有する。基体を受容する空洞221の内部壁229の周りに位置付けられた発熱体は、装置電池226に電気的に接続されていて、空洞を加熱するように働く。代替的な実施形態において、発熱体は、エアロゾル発生物品の中への挿入のために空洞内に位置するピンまたはブレードなどの加熱部材上に画定されてもよい。他の実施形態において、誘導コイルは空洞221の壁229の周りに位置して、空洞221内のサセプタ、または空洞の中に挿入されたエアロゾル発生物品内のサセプタを誘導加熱してもよい。
【0099】
マイクロプロセッサを含む電子回路は、装置電池226の充電および加熱手段の動作を制御するためにエアロゾル発生装置内に含まれている。
【0100】
エアロゾル発生物品230は、紙巻たばこ用紙233内に組み立てられた複数の構成要素(エアロゾル形成基体231およびマウスピースフィルター232を含む)を含む円筒状物品である。物品230は遠位端234、および遠位端234の下流に位置する近位端235または口側端を有する。エアロゾル形成基体231は、均質化したたばこ材料シートの集合体の形態であって、物品230の遠位端234に、またはその近くに位置することが好ましい。エアロゾル冷却要素、風味要素および間隔要素などのさらなる構成要素は、エアロゾル形成基体231とマウスピースフィルター232の間で物品230内に位置付けられてもよい。
【0101】
エアロゾル発生装置220は、エアロゾル発生装置220の長軸方向軸をドッキング空間205の長軸方向軸と整列させることによって(エアロゾル発生装置220の近位端223が第一の壁206に隣接し、エアロゾル発生装置220の遠位端224が第二の壁207に隣接した状態で)、ホルダー210のドッキング空間内に収容されてもよい。次いで、エアロゾル発生装置220の長軸方向軸に垂直の移動である並進移動によって、エアロゾル発生装置をドッキング空間205の中に移動して係合させてもよい。エアロゾル発生装置220の近位端223は第一の壁206と係合し、エアロゾル発生装置224の遠位端は第二の壁207と係合する。第一の接点217および第二の接点218は第一の装置接点227および第二の装置接点228と整列し、これらと電気的に接触する。エアロゾル発生装置は、締まり係合または摩擦係合によって係合して保持されてもよい。別の方法として、機械的ラッチ手段が自動的にまたは手動で動作されて、エアロゾル発生装置をホルダーと係合させて保持してもよい。他の実施形態において、磁気ラッチ手段を使用して、エアロゾル発生装置をホルダーと係合させて保持してもよい。
【0102】
装置電池の充電は、エアロゾル発生装置220とホルダー201の間の係合で自動的に達成されてもよい。別の方法として、充電は、例えばボタンを作動することによる手動の起動を必要としてもよい。
【0103】
エアロゾル発生装置220は、エアロゾル発生装置の露出した部分を把持して、横断方向の移動でエアロゾル発生装置をドッキング空間から移動することによって、ホルダー201との係合から取り外されてもよい。
【0104】
装置電池226が充電されると、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生物品の消費のために使用されてもよい。エアロゾル発生装置はドッキング空間205から取り外されていて、エアロゾル発生物品は、基体を受容する空洞221の中に挿入されている。次いで装置220のヒーターが起動され、物品230のエアロゾル形成基体231が、吸入可能なエアロゾルを発生させるのに十分な温度に加熱される。物品230の近位端235上に引き出すことにより、ユーザーはエアロゾルをユーザーの口および肺の中に吸入することができる。物品は消費されると、装置220から取り外されることができ、エアロゾル発生装置220は、装置電池226の保護または再充電のために、ホルダー201のドッキング空間205内に収容されることができる。
【0105】
一部の実施形態において、エアロゾル発生装置とホルダーの間でデータが伝達されてもよい。データは、217、218、227、228を充電するために使用されるのと同じ接点を使用して伝達されてもよい。別の方法として、別個のデータ接点が提供されてもよい。ホルダー201とエアロゾル発生装置220の間のデータ伝達は、例えばBluetooth接続によって無線で達成されてもよい。
【0106】
一実施例において、第一の充電接点217および第二の充電接点218は、同心環の形態であってもよい。装置の充電接点227、228は、対応する同心環であってもよく、またはそれぞれの同心環と整列するように構成された点接点であってもよい。この構成の利点は、エアロゾル発生装置が任意の半径方向の配向でホルダーと係合でき、ホルダーが依然として装置を充電することができることである。
【0107】
図3は、図1に示すカバーが非被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略上面図である。
【0108】
図4は、図1に示すカバーが非被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略側面図である。
【0109】
図2と比較して図4は、180度回転させた後のホルダー201を示す。それ故に図4は、図2に示す側と反対の、ホルダー201の反対側を示す。
【0110】
図4において、カバーは非被覆位置にある。図4に示す非被覆位置において、カバー100の第二の取付部分104の磁石110、112、114、116は、ハウジング202の第二の側壁と接触していて、第二の側壁は磁性材料を含む。それ故に磁石110、112、114、116と磁性材料との間の磁気引力は、第二の取付部分104をハウジング202の第二の側壁に取り付ける。
【0111】
図4で分かる通り、ハウジング202の第一の側壁は、溝251を有する第一の取付部分を備える。カバー100の磁気突出要素106は、カバー100が被覆位置にある時、溝251内に受容されるように構成されている。溝251は、対応する磁気要素を備える。
【0112】
図5は、図1に示すカバーが被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略上面図である。
【0113】
図6は、図1に示すカバーが被覆位置にある、図2に示すホルダーの概略側面図である。
【0114】
カバーが図6に示す被覆位置にある時、カバー100の第一の部分150は、曲率半径を有する第一の曲線を画定する。カバーが図4に示す非被覆位置にある時、カバー100の第一の部分150は、曲率半径を有する第二の曲線を画定する。図4および図6から分かる通り、第二の曲線の曲率半径は、第一の曲線の曲率半径よりも大きい。
【0115】
図4に示す位置から図6に示す位置にカバーを移動させるために、ユーザーは第一の壁206の外側部分および第二の壁207の外側部分の周りに、カバー100を単に湾曲させた。次いで磁気突出要素106は、溝251内に受容された。
【0116】
図6に示す通り、カバーが被覆位置にある時、磁気突出要素106は、溝251の対応する磁気要素と接触する。それ故に、磁気突出要素106と溝251の対応する磁気要素との間の磁気引力は、カバー100の第一の取付部分102をハウジング202の第一の側壁の第一の取付部分に取り付ける。
【0117】
図6に示す例において、カバー100が被覆位置にあり、エアロゾル発生装置220がドッキング空間205内に収容されている時、装置はハウジング202およびカバー100によって包囲されている。このように、装置220はホルダー201によって包囲されていて、外部環境から保護されている。
【0118】
図6に示す例において、カバー100は、付属品を保持するように構成された保持手段152を備える。保持手段152は弾性材料の細片を含む。
【0119】
弾性材料の細片は、カバー100の高さに沿って延びる。弾性材料の細片は第一の端および第二の端、ならびに第一の端と第二の端の間に延びる中間部分を備える。弾性材料の細片の第一の端および第二の端は、カバーの面に取り付けられている。この実施例において、第一の端および第二の端は、カバー100の第一の層の繊維材料に縫い付けられている。中間部分はカバーの面に取り付けられていない。
【0120】
図7は、カバーが被覆位置にある、図6に示すホルダーの概略図であり、カバーの保持手段は付属品を保持している。
【0121】
保持手段152が付属品700を保持するために、ユーザーが細片の中間部分を引っ張り、これによって細片が伸縮して細片の中間部分とカバーの面との間に空間を形成する。付属品は、例えば加熱式エアロゾル発生物品のパケットなどの消耗品の容器であってもよい。次いでユーザーは、細片とカバー100の面との間のこの空間の中に付属品700を挿入した。次いでユーザーは細片の中間部分を放出した。ユーザーが細片の中間部分を放出した後、細片の張力は、細片とカバー100の面との間に付属品700を保持するように働く。
【0122】
上述の特定の実施形態は、磁気ラッチ手段を使用して、カバーを被覆位置に保持する。他の実施形態において、例えば機械的ラッチ手段、または機械的ラッチ手段と磁気ラッチ手段の組み合わせなど、他のラッチ手段が使用されてもよい。図8は、機械的ラッチ手段を用いるカバー1100の概略端面図である。
【0123】
カバー1100は、カバー1100の厚さおよび高さが見えるように端面図で示されている。3つの弾性突出要素1106、1107、1108は、カバー1100の第一の側面1101から延びて画定されている。突出要素は、ポリマー材料、例えばシリコン材料などの弾性材料から形成されている。3つの要素1106、1107、1108のそれぞれは、簡単かつ弾性的に変形可能なリップ1116、1117、1118を画定する。
【0124】
カバー1100と相互作用するホルダー1201を図9に図示する。図9の特徴は以下の点を除き、図4のホルダーに関連して記載した特徴と同じである。ハウジング1202の第一の側壁は、3つのスロットまたはソケット1206、1207、1208を画定する第一の取付部分を備える。3つのスロットまたはソケット1206、1207、1208のそれぞれは、カバー1101が被覆位置に移動された時、対応する突出要素1106、1107、1108と整列する。カバーに印加された圧力は、突出要素1106、1107、1108のそれぞれを、対応するスロットまたはソケット1206、1207、1208の中に押し込む。各突出要素のリップ1116、1117、1118は、そのスロットまたはソケットに入ると変形し、そのスロットまたはソケット内で形状を回復して、カバーを被覆位置に機械的に保持する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】