(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(54)【発明の名称】接線方向気流端要素を有する吸入器物品
(51)【国際特許分類】
A61M 15/06 20060101AFI20230113BHJP
A24F 42/20 20200101ALI20230113BHJP
A24F 42/60 20200101ALI20230113BHJP
【FI】
A61M15/06 A
A24F42/20
A24F42/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022523922
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 IB2020059993
(87)【国際公開番号】W WO2021079344
(87)【国際公開日】2021-04-29
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】カンピテッリ ジェンナーロ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA12
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC41
(57)【要約】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に長軸方向軸に沿って延びる本体と、本体内に画定されたカプセル空洞と、遠位端からカプセル空洞に向かって延びる管状要素とを含む。管状要素は、遠位端からカプセル空洞に向かって延びる中央通路を画定する。管状要素は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口を含む。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器物品であって、
マウスピース端から遠位端に長軸方向軸に沿って延びる本体と、
前記本体内に画定されたカプセル空洞と、
前記遠位端から前記カプセル空洞に向かって延びる管状要素であって、前記遠位端から前記カプセル空洞に向かって延びる中央通路を画定する管状要素であって、前記中央通路の中に空気が入ることを可能にするための少なくとも一つの空気吸込み口を備える管状要素であって、前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記中央通路に対して接線方向である方向で延びる、管状要素と、を備える、吸入器物品。
【請求項2】
前記少なくとも一つの空気吸込み口が、前記吸入器物品本体の前記遠位端に近接している、請求項1に記載の吸入器物品。
【請求項3】
前記中央通路が、前記カプセル空洞の上流境界を画定する第一の端と、前記吸入器物品本体の前記遠位端を画定する第二の反対側の端とを備える、請求項1または請求項2に記載の吸入器物品。
【請求項4】
前記第二の反対側の端が、前記吸入器物品本体の開放遠位端を画定する、請求項3に記載の吸入器物品。
【請求項5】
中央通路が、前記吸入器物品の前記本体の前記長軸方向軸に沿って延び、かつ前記吸入器物品の前記本体の前記遠位端にて、前記吸入器物品の前記本体の前記長軸方向軸と同軸の開口部を画定する、請求項1~4のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項6】
前記少なくとも一つの空気吸込み口と前記カプセル空洞の間の横方向距離が、前記吸入器物品本体の前記遠位端から前記少なくとも一つの空気吸込み口への横方向距離よりも大きい、請求項1~5のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項7】
前記管状要素が少なくとも二つの空気吸込み口を備え、前記少なくとも二つの空気吸込み口が、前記中央通路に対して接線方向である方向で延びる、請求項1~6のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項8】
前記管状要素が少なくとも三つの空気吸込み口を備え、前記少なくとも三つの空気吸込み口が、前記中央通路に対して接線方向である方向で延びる、請求項1~7のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項9】
前記管状要素がセルロースアセテート材料で形成されている、請求項1~8のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項10】
前記管状要素がポリ乳酸材料で形成されている、請求項1~9のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項11】
前記カプセル空洞内に保持されたカプセルをさらに備える、請求項1~10のいずれかに記載の吸入器物品。
【請求項12】
前記管状要素中央通路が、前記カプセルの直径の約50%~約90%の範囲内の直径を有する、請求項11に記載の吸入器物品。
【請求項13】
吸入器システムであって、
請求項1~12のいずれかに記載の吸入器物品、および前記カプセル空洞内に配置されたカプセルと、
前記吸入器物品を受容するホルダーであって、
吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、
前記ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブであって、スリーブ空洞を備える、かつ前記ハウジングの長軸方向軸に沿って前記ハウジング空洞内で移動可能であるスリーブと、を備え、前記スリーブが第一の開放端と第二の反対側の端とを備え、前記第一の開放端が吸入器物品を受容するように構成されていて、かつ前記スリーブの前記第二の反対側の端が、前記吸入器物品の前記遠位端に接触するように構成されている、吸入器システム。
【請求項14】
前記スリーブの第二の反対側の端が、前記中央通路に対して接線方向である方向で延びる前記吸入器物品の少なくとも一つの空気吸込み口を通して流れるように実質的にすべての吸入空気を方向付けるように構成されている、請求項13に記載の吸入器システム。
【請求項15】
ハウジングの内表面に固定された、かつそこから延びる貫通要素をさらに備え、前記貫通要素が前記スリーブの前記第二の反対側の端を通して延び、かつ前記ハウジングの長軸方向軸に沿って前記カプセルを貫通するために前記カプセル空洞の中に延びるように構成されている、請求項13または請求項14に記載の吸入器システム。
【請求項16】
前記カプセルがニコチンを含む医薬的に活性な粒子を含有し、前記医薬的に活性な粒子が、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有する、請求項13~15の一項に記載の吸入器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接線方向気流端要素を有する吸入器物品と、吸入器物品を含む吸入器システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥粉末吸入器は、従来の喫煙方法の吸入量または気流量の範囲内である吸入量または気流量で乾燥粉末粒子を肺に提供するために常に完全に適切であるわけではない。乾燥粉末吸入器は、操作するのに複雑である場合があり、または可動部品を伴う場合がある。乾燥粉末吸入器は多くの場合、一回の呼吸で乾燥粉末用量またはカプセル装填量の全体を提供しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
乾燥粉末吸入器は典型的に、生分解性ではない材料で形成されている。加えて、これらの乾燥粉末吸入器は多くの場合、射出成形または鋳造を必要とする場合がある材料で形成されていて、これらの部品の組み立ては、製造プロセスにおける障害を呈する場合があり、高速で生産するのが困難である。
【0004】
実質的に生分解性である乾燥粉末吸入器を提供することが望ましいことになる。高速で組み立てられうる吸入器物品を提供することが望ましいことになる。また、従来の紙巻たばこに類似する、持ちやすくユーザーに馴染みのある形態を有する吸入器物品を提供することも望ましいことになる。また、消費者によって便利に使用される吸入器物品を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に長軸方向軸に沿って延びる本体と、本体内に画定されたカプセル空洞と、遠位端からカプセル空洞に向かって延びる管状要素とを含む。管状要素は、遠位端からカプセル空洞に向かって延びる中央通路を画定する。管状要素は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口を含む。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0006】
有利なことに、吸入器物品は、管状要素内で回転気流または旋回気流を誘発するために、中央通路の中への接線方向の吸入気流を利用する単純化された構造を提供する。この回転気流または旋回気流は、吸入器物品のカプセル空洞に送られる。回転気流または旋回気流は、カプセル空洞内に包含されたカプセルが回転して、粒子を消費者への回転気流または旋回気流中に放出するように誘発する。
【0007】
少なくとも一つの空気吸込み口は、吸入器物品本体の遠位端に近接することが好ましい。中央通路は、カプセル空洞の上流境界を画定する第一の端と、吸入器物品本体の遠位端を画定する第二の反対側の端とを含んでもよい。第二の反対側の端は、吸入器物品本体の開放遠位端を画定することが好ましい。中央通路は、吸入器物品の本体の長軸方向軸に沿って延びてもよく、また吸入器物品の本体の遠位端にて、吸入器物品の本体の長軸方向軸と同軸の開口部を画定してもよい。少なくとも一つの空気吸込み口とカプセル空洞の間の横方向距離は、吸入器物品本体の遠位端から少なくとも一つの空気吸込み口への横方向距離よりも大きいことが好ましい。
【0008】
有利なことに、管状要素は長軸方向軸に沿って開放開口を画定してもよく、また吸入器物品の複雑さを低減するために、吸入器物品の開放遠位端を遮断または閉塞する要素を有しなくてもよい。消費者は、吸入器物品上の接線方向空気吸込み口を実質的に通して吸入気流を方向付けるために、ホルダーまたは消費者の指で開放遠位端を単に閉塞または遮断してもよい。
【0009】
管状要素は少なくとも二つの空気吸込み口を備えてもよい。少なくとも二つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。開放管状要素は少なくとも三つの空気吸込み口を備えてもよい。少なくとも三つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0010】
管状要素は生分解性材料で形成されていることが好ましい。管状要素は繊維質材料を含むことが好ましい。管状要素は多孔性材料で形成されていることが好ましい。管状要素はセルロースアセテートなどのセルロース材料で形成されていることが好ましい。管状要素はポリ乳酸材料で形成されていることが好ましい。
【0011】
有利なことに、管状要素は、従来の紙巻たばこを組み立てるために使用される材料で形成されてもよい。有利なことに、吸入器物品は生分解性材料で形成されてもよい。
【0012】
カプセルは、カプセル空洞内に保持されていることが好ましい。管状要素中央通路は、カプセルの直径の約50%~約90%の範囲内の直径を有してもよい。当然のことながら、気流を接線方向の気流中に案内するために十分な長さの空気吸込み口を提供するために、管状要素の中央通路の直径が増大するにつれて、管状要素の全体的な直径も増大する場合がある。
【0013】
有利なことに、遠位端管状要素は、接線方向空気吸込み口から管状要素の中央通路の中への「旋回」気流を生成する場合がある。この旋回気流は、カプセルが貫通された後、消費中にカプセルの効果的な枯渇のために有用である。有利なことに、この「旋回」効果は、ユーザーによる二回以上、または五回以上、または十回以上の吸入もしくは「吸煙」にわたって、カプセルからのニコチン粒子の一部分またはわずかな一部分の均一な同伴を提供するためのカプセルの回転を引き起こす場合がある。
【0014】
本発明の一態様によると、カプセル空洞内に配置されたカプセルを有する本明細書に記載の吸入器物品と、吸入器物品を受容するホルダーとを含む吸入器システムが提供されている。ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を有するハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を含み、またスリーブはハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を含む。第一の開放端は吸入器物品を受容するように構成されていて、スリーブの第二の反対側の端は、吸入器物品の遠位端に接触するように構成されている。
【0015】
スリーブの第二の反対側の端は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる吸入器物品の少なくとも一つの空気吸込み口を通して流れるように実質的にすべての吸入空気を方向付けるように構成されていることが好ましい。
【0016】
有利なことに、ホルダーは吸入器物品と協働して、吸入器物品上の接線方向空気吸込み口を通る吸入気流の実質的にすべてを方向付ける場合がある。
【0017】
ホルダーは、ハウジングの内表面に固定された、かつハウジングの内表面から延びる貫通要素をさらに含むことが好ましい。貫通要素はスリーブの第二の反対側の端を通して延び、かつハウジングの長軸方向軸に沿ってカプセルを貫通するためにカプセル空洞の中に延びるように構成されている。
【0018】
カプセルは医薬的に活性な粒子を含有することが好ましい。医薬的に活性な粒子はニコチンを含んでもよい。医薬的に活性な粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。
【0019】
本明細書に記載の吸入器物品は、ニコチン粒子をカプセルからユーザーに送達するために、貫通要素または貫通要素を含むホルダーと組み合わされてもよい。貫通要素または貫通装置(またはホルダー)は吸入器物品の一部分から分離されてもよく、または吸入器物品の一部分を形成しなくてもよい。複数の吸入器物品は貫通要素または貫通装置(またはホルダー)と組み合わされて、キットを形成してもよい。
【0020】
有利なことに、吸入器システムは、従来の喫煙方法の吸入量または気流量内の吸入量または気流量でニコチン粒子を肺に効率的に提供する。吸入器は、従来の紙巻たばこに類似する形態を有する吸入器物品を用いて、ニコチン粉末を送達する。本明細書に記載の吸入器システムは、従来の喫煙方法の吸入量または気流量内の吸入量または気流量で乾燥粉末を肺に提供してもよい。消費者は、カプセル空洞内に包含されたカプセル内に含有された乾燥粉末の部分量を各「吸煙」が送達する、複数の吸入もしくは「吸煙」を行ってもよい。この吸入器物品は、従来の紙巻たばこに類似する形態を有してもよく、また従来の喫煙の作法を模倣してもよい。この吸入器物品は製造するのが単純で、かつ消費者が使用するのに好都合である場合がある。
【0021】
吸入器物品のカプセル空洞を通した気流管理は、吸入中および消費中にその中に包含されたカプセルを回転させる場合がある。カプセルは、ニコチンを含有する粒子(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含有してもよい。貫通されたカプセルの回転は、貫通されたカプセルから、吸入器物品を通して移動する吸入空気の中に放出されたニコチン粒子を懸濁およびエアロゾル化してもよい。風味粒子は、ニコチン粒子よりも大きくてもよく、またユーザーの肺へのニコチン粒子の搬送を補助してもよく、その一方で風味粒子はユーザーの口または口腔に優先的に留まる。ニコチン粒子および随意の風味粒子は従来の喫煙方法の吸入量または気流量内の吸入量または気流量で、吸入器物品を用いて送達されてもよい。
【0022】
「ニコチン」という用語は、ニコチンおよびニコチン誘導体(例えば、遊離塩基ニコチン、ニコチン塩、およびこれに類するものなど)を指す。
【0023】
「風味剤」または「風味」という用語は、その消費中または吸入中にニコチンの味覚特性もしくは芳香特性を変化させる、また変化させるように意図されている、感覚刺激性の化合物、組成物、または材料を指す。
【0024】
「上流」および「下流」という用語は、吸入気流がホルダーの本体、吸入器物品、および吸入器システムを通して引き出される際の吸入気流の方向に関して記述されるホルダー、吸入器物品、および吸入器システムの要素の相対的な位置を指す。
【0025】
「近位」および「遠位」という用語は、吸入器物品、ホルダー、またはシステムの構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。本発明によると、ホルダーまたはホルダーを形成する要素(スリーブなど)は、使用時に吸入器物品を受容する近位端と、閉鎖端であってもよい、またはホルダーの近位端により近い端を有する反対側の遠位端とを有する。本発明によると、吸入器物品は近位端を有する。使用時、ニコチン粒子は、ユーザーへの送達のために吸入器物品の近位端を出る。吸入器は、近位端の反対側の遠位端を有する。吸入器物品の近位端はまた、口側端と呼ばれる場合がある。
【0026】
吸入器物品用ホルダーは、カプセルを貫通することによって吸入器物品を起動するためのカプセルを包含する、かつ吸入器物品内のカプセルの確実な起動を(ホルダーの貫通要素でカプセルを穿孔することによって)提供する、かつカプセル内部に含有された粒子を放出し、物品が粒子を消費者に送達することを可能にする、(本明細書に記載の)吸入器物品と組み合わされてもよい。ホルダーは吸入器物品と別個であるが、消費者は吸入器物品内で放出される粒子を消費しながら、吸入器物品とホルダーの両方を利用してもよい。複数のこれらの吸入器物品は、ホルダーと組み合わせられて、システムまたはキットを形成してもよい。単一のホルダーは、各吸入器物品内に包含されたカプセルを起動(穿孔または貫通)し、確実な起動または随意に、各吸入器物品について吸入器物品の起動の視覚的表示(マーキング)を提供するために、10個以上、または25個以上、または50個以上、または100個以上の吸入器物品で利用されてもよい。
【0027】
吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を備え、またハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を備える。第一の開放端は吸入器物品の遠位端を受容するように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、吸入器物品の遠位端に接触するように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる吸入器物品の少なくとも一つの空気吸込み口を通して流れるように実質的にすべての吸入空気を方向付けるように構成されている。
【0028】
吸入器システムは、カプセル空洞内に配置されたカプセルを有する本明細書に記載の吸入器物品と、吸入器物品を受容するホルダーとを含む。ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を有するハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を含み、またスリーブはハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を含む。第一の開放端は吸入器物品を受容するように構成されていて、スリーブの第二の反対側の端は、吸入器物品の遠位端に接触するように構成されている。
【0029】
方法は、本明細書に記載の通り、吸入器物品の遠位端がスリーブの第二の反対側の端に接触するまで、吸入器物品を吸入器物品用ホルダーのスリーブの中に挿入することを含む。吸入器物品は本体(本体はマウスピース端から遠位端に、吸入器長軸方向軸に沿って延びる)と、本体の長さと、吸入器物品本体内に配置されたカプセルとを含む。次いで、貫通要素がカプセルを貫通するまで、吸入器物品およびスリーブを貫通要素に向かって移動させる。次いで、吸入気流を吸入器物品上の接線方向空気吸込み口の中に方向付けるために、空気をホルダーのスリーブの第二の反対側の端の中に引き出して、吸入器物品の管状要素の中央通路を通して回転気流または旋回気流を形成する。この旋回吸入気流はカプセル空洞の中に送られ、その一方で吸入器物品は吸入器物品用ホルダー内に配置されている。消費された吸入器物品は次いで、ホルダーから取り外されて処分されてもよい。次いで、未使用の吸入器物品がホルダーの中に挿入されてもよく、方法は繰り返されてもよい。
【0030】
吸入器物品は、マウスピース端から遠位端に長軸方向軸に沿って延びる本体と、本体内に画定されたカプセル空洞と、遠位端に配置された、かつ遠位端からカプセル空洞に延びる管状要素とを含む。管状要素は、遠位端からカプセル空洞に延びる中央通路を画定する。管状要素は、空気が中央通路の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口を含む。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0031】
吸入器物品の本体、または「吸入器本体」は、任意の適切な形状を有してもよい。吸入器物品の本体、または「吸入器本体」は、サイズおよび形状が喫煙物品または従来の紙巻たばこに似ていてもよい。吸入器本体は、吸入器物品の長軸方向軸に沿って延びる細長い円筒状の本体を有してもよい。言い換えれば、吸入器本体は、吸入器本体のその他の寸法よりも実質的に大きい長さを有してもよい。吸入器本体は、吸入器本体の長さに沿って実質的に均一な外径を有してもよい。吸入器本体は、吸入器本体の長さに沿って実質的に均一な内径を有してもよい。吸入器本体は、任意の適切な横断方向断面形状を有してもよい。例えば、横断方向断面は円形、楕円形、正方形、または長方形であってもよい。吸入器本体は、吸入器本体の長さに沿って均一であってもよい円形断面を有することが好ましく、これは細長い円筒状の本体を形成する。
【0032】
吸入器本体は約6mm~約10mm、または約7mm~約10mm、または約7mm~約9mm、または約7mm~約8mmの範囲内の外径、または約7.2mmの外径を有してもよい。吸入器本体は、約40mm~約100mm、または約40mm~約80mm、または約40mm~約65mmの範囲内の(長軸方向軸に沿った)長さを有してもよい。吸入器本体の長さは、吸入器物品の長さと同じであることが好ましい。吸入器物品の長さは約45mmであることが好ましい。吸入器本体の長さは、吸入器物品のマウスピース端がホルダーから突出するように選択されていることが好ましい。
【0033】
吸入器本体は、高分子材料もしくはセルロース系材料、または任意の他の適切な材料で形成されてもよい。吸入器本体は、生分解性材料で形成されてもよい。吸入器本体は、ボール紙または厚紙で形成されてもよい。吸入器本体は、その長さに沿って均一な厚さを有してもよい。吸入器本体は、約1mm~約2mmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0034】
吸入器本体は、本体が管状要素からマウスピース端に連続的に延びる分解できない単一の構造を形成してもよい。遠位端管状要素、カプセル空洞(および存在する場合はカプセル)、および多孔性支持要素(またはフィルター)は、吸入器本体内で直列に配置されてもよい。言い換えれば、遠位端管状要素、カプセル空洞(および存在する場合はカプセル)、多孔性支持要素(またはフィルター)は、吸入器本体の長軸方向軸に沿って端と端を接して配設されてもよい。多孔性支持要素(またはフィルター)は、本体のマウスピース内に配置されてもよい。マウスピース空気チャネルは、カプセル空洞からマウスピース端に延びてもよい。多孔性支持要素(またはフィルター)は、吸入器物品のカプセル空洞からマウスピース端に延びてもよい。
【0035】
吸入器本体は二つ以上の部分で形成されてもよい。二つ以上の部分は、直列に隣接する関係で軸方向に整列して、またひとまとめにされて吸入器本体を形成してもよい。ラッパーは、二つ以上の部分をひとまとめにするために利用されてもよい。ラッパーは生分解性材料であってもよい。ラッパーは紙ラッパーであってもよい。
【0036】
遠位端管状要素は、吸入器本体のカプセル空洞に対して旋回気流を誘発するように構成されている。遠位端管状要素は、カプセル空洞への旋回吸入気流を誘発するための接線方向空気吸込み口を有する開放中央通路を含んでもよい。遠位端管状要素は、空気が接線方向空気吸込み口を通して、およびカプセル空洞を通して流れる際に、回転気流または旋回気流を誘発する場合がある。
【0037】
吸入器物品を通る気流は、吸入器物品の側壁を通して吸入器物品に入り、中央通路の中に流れ、その後吸入器物品の長軸方向軸に沿って、カプセルおよびフィルターを介して流れて、吸入器物品の近位端でマウスピース端にて出ることが好ましい。
【0038】
管状要素は、本体の遠位端に配置されてもよい。管状要素は、吸入器物品の遠位端を画定してもよい。
【0039】
管状要素は、開放中央通路(「中央通路」)を画定する。中央通路は、カプセル空洞の上流境界を画定する第一の端と、吸入器物品本体の遠位端を画定する第二の反対側の端とを含んでもよい。
【0040】
第二の反対側の端は、吸入器物品本体の開放遠位端を画定してもよい。中央通路は、吸入器物品の本体の長軸方向軸に沿って延びてもよく、また吸入器物品の本体の遠位端にて、吸入器物品の本体の長軸方向軸と同軸の開口部を画定してもよい。中央通路は、吸入器物品の遠位端からカプセル空洞に長軸方向に延びる開放開口を画定してもよい。使用中に消費者は、実質的にすべての吸入空気が、接線方向空気吸込み口を通して(管状要素側壁を通して)中央通路に流れ、およびカプセル空洞を通して、吸入器物品の口側端から外に出るように方向付けられるように、遠位端の開放開口を遮断または閉塞してもよい。
【0041】
管状要素の第二の反対側の端を遮断または閉塞することは、旋回吸入気流または回転吸入気流を発生するように構成されている旋回発生要素を管状要素が画定することを可能にする。この旋回吸入気流または回転吸入気流は、カプセルを回転させ、かつカプセル内に含有された乾燥粉末を放出するために、カプセル空洞の中に送られてもよい。
【0042】
管状要素は、吸入器物品の遠位端に近接する、またはその近傍に一つ以上の空気吸込み口を有する。一つ以上の空気吸込み口は、吸入空気が管状要素の中央通路に入ることを可能にする。少なくとも一つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0043】
管状要素は、吸入器物品の遠位端に近接する、またはその近傍に二つ以上の空気吸込み口を有する。二つ以上の空気吸込み口は、吸入空気が管状要素の中央通路に入ることを可能にする。少なくとも二つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0044】
管状要素は、吸入器物品の遠位端に近接する、またはその近傍に三つ以上の空気吸込み口を有する。三つ以上の空気吸込み口は、吸入空気が管状要素の中央通路に入ることを可能にする。少なくとも三つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0045】
管状要素は、吸入器物品の遠位端に近接する、またはその近傍に四つの空気吸込み口を有する。四つの空気吸込み口は、吸入空気が管状要素の中央通路に入ることを可能にする。四つの空気吸込み口は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる。
【0046】
管状要素は吸入器物品の長軸方向軸と同軸であってもよい。
【0047】
一つ以上の空気吸込み口は、管状要素を形成する側壁を通して延びてもよい。一つ以上の空気吸込み口は、中央通路を画定する内表面に対して接線方向の方向で中央通路に入ることが好ましい。
【0048】
中央通路に対して接線方向である方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口は、管状部材の第二の反対側の端に近接する中央通路に入る。中央通路に対して接線方向である方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口は、吸入器物品の開放遠位端に近接する中央通路に入る。中央通路に対して接線方向である方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口は、管状部材の第二の反対側の端で中央通路に入ることが好ましい。中央通路に対して接線方向にある方向で延びる少なくとも一つの空気吸込み口は、吸入器物品の遠位端で中央通路に入ることが好ましい。改善されたカプセルの枯渇は、接線方向空気吸込み口が管状部材の第二の反対側の端のより近くに位置する時に生じる。
【0049】
少なくとも一つの空気吸込み口とカプセル空洞の間の横方向距離は、吸入器物品本体の遠位端から少なくとも一つの空気吸込み口への横方向距離よりも大きいことが好ましい。
【0050】
管状要素は、吸入器本体の長軸方向軸に沿って延びる、第一の端と第二の反対側の端の間の長さを有してもよい。管状要素は、約3mm~約10mmなどの任意の適切な長さを有してもよい。管状要素は、約5mm~約8mmの範囲内の長さを有してもよい。中央通路長さは管状要素の長さと等しくてもよい。
【0051】
管状要素は吸入器本体の内径を実質的に充填してもよい。管状要素は、約6mm~約8mmの範囲内の外径を有してもよい。管状要素は、本体の内表面内に、また内表面に対して嵌合するようにサイズ設定され、かつ形状にされてもよい。管状要素は、吸入器本体の内表面と摩擦嵌めまたは締まり嵌めを形成するために十分な外径を有してもよい。
【0052】
管状要素は、均一な開放直径を有する中央通路を有してもよい。中央通路の開放直径は、約2mm~約5mm、または約3mm~約4mmの範囲内であってもよい。
【0053】
少なくとも一つの空気吸込み口は、吸入器物品の遠位端に近接する。管状要素の第二の反対側の端の近くの、または近傍の、またはそれに近接する少なくとも一つの空気吸込み口の定置は、少なくとも一つの空気吸込み口を管状要素の第一の端のより近くに定置することと比較して、カプセルからの粒子の枯渇を改善する場合がある。
【0054】
少なくとも一つの空気吸込み口は、吸入器物品の遠位端から約2mm以内または約1mm以内に定置されていることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、管状要素の第二の反対側の端から約2mm以内または約1mm以内に定置されていることが好ましい。少なくとも一つの空気吸込み口は、管状要素の第二の反対側の端と吸入器物品の遠位端の両方から約2mm以内または約1mm以内に定置されていることが好ましい。
【0055】
管状要素は繊維質材料で形成されてもよい。管状要素は多孔性材料で形成されてもよい。管状要素は生分解性材料で形成されてもよい。管状要素は、セルロースアセテートなどのセルロース材料で形成されてもよい。管状要素はポリ乳酸材料で形成されてもよい。
【0056】
中央通路は、カプセル空洞から吸入器物品の開放遠位端または最上流端に延びる、均一な内径または開放直径を有してもよい。中央通路は、本体遠位端の直径の少なくとも約50%、または少なくとも約70%、または少なくとも約75%である内径を有してもよい。中央通路は、カプセル空洞内に保持されたカプセルの直径の約50%~約90%の範囲内の内径を有してもよい。
【0057】
中央通路は約3mm~約6.5mm、または約4mm~約6mm、または約5mm~約6mmの範囲内の、または約5.5mmの均一な内径または開放直径を有してもよい。
【0058】
開放中央通路を画定する開放管状要素は、約0.5mm~約1.5mm、または約0.5mm~約1mmの範囲内の厚さを有してもよい。
【0059】
カプセル空洞の下流に位置するフィルター要素は、カプセル空洞から吸入器物品のマウスピース端に延びてもよい。フィルター要素は約10mm~約30mm、好ましくは約15mm~約25mm、より好ましくは約20mm~約22mmの範囲内の長さを有してもよい。
【0060】
カプセル空洞は管状要素と軸方向に整列され、かつ管状要素と下流に直列に配設されてもよい。管状要素は、カプセル空洞の上流境界または遠位境界を形成してもよい。カプセル空洞は、カプセルを包含するように構成された円筒状の空間を画定してもよい。カプセル空洞は、長円の形状または丸みのある長方形の形状を有するカプセルを受容するように構成された空間を画定してもよい。カプセル空洞はカプセル空洞の長さに沿って、実質的に均一な、または均一な直径を有してもよい。カプセル空洞は、カプセル空洞の長さに沿って円形の横断方向断面を有してもよい。カプセル空洞は円筒形状を有してもよい。カプセルに対するカプセル空洞の構成は、カプセルがカプセル空洞内でいくらかの安定性を有して回転することを可能にする場合がある。カプセルの長軸方向軸は、吸入中に吸入器本体の長軸方向軸を中心としていくらかの安定性を有して回転してもよい。
【0061】
カプセル空洞は、管状要素の第一の端の上流端上で境界が付けられた、かつ多孔性支持要素またはフィルターによって下流端上で境界が付けられた、固定の空洞長さを有してもよい。カプセル空洞は、その中に包含されたカプセルの長さの少なくとも約110%~約200%未満の空洞長さ、またはカプセル長さの約120%~約130%の空洞長さ、またはカプセル長さの約125%の空洞長さを有してもよい。空洞長さは約15mm~約25mmの範囲内であってもよく、カプセル長さは約14mm~約18mmの範囲内であってもよく、または空洞長さは約20mmであってもよく、カプセル長さは約16mmであってもよい。空洞長さは約20mmであってもよい。カプセル空洞および管状要素は、約25mm~約35mmの組み合わされた長さを有してもよく、または組み合わされた長さは約27mm~約32mmであってもよい。
【0062】
カプセル空洞は、長軸方向軸に対して直交する空洞内径を有し、またカプセルはカプセル外径を有する。カプセル外径は空洞内径の約80%~約99%の範囲内であってもよく、またはカプセル外径は空洞内径の約85%~約95%の範囲内であってもよく、またはカプセル外径は空洞内径の約90%であってもよい。カプセル外径は約5.4mm~約6.4mmの範囲内であってもよく、空洞内径は約6mm~約7mmの範囲内であってもよい。
【0063】
挿入本体はカプセル空洞内に含まれてもよい。挿入本体は、カプセルを包含するように構成された円筒状の空間を画定してもよい。挿入本体は、カプセル空洞に沿って本体に追加的な剛直さを提供してもよい。挿入本体は、カプセル空洞の長さに沿って実質的に均一な、または均一な直径を有してもよい。挿入本体は、その中に包含されたカプセルの長さの少なくとも約110%~約200%未満の長さ、またはカプセル長さの約120%~約130%の長さ、またはカプセル長さの約125%の長さを有してもよい。挿入本体は、本体と同じまたは異なる材料で形成されてもよい。挿入本体は、ボール紙または厚紙で形成されていることが好ましい。
【0064】
カプセル空洞は、上流端上で管状要素によって境界が付けられてもよく、かつ下流端またはマウスピース側上で多孔性支持要素またはフィルターによって境界が付けられてもよい。これらの要素は、ラッパーと当接する軸方向の整列で結合されてもよい。
【0065】
管状要素、および多孔性支持要素またはフィルターは、カプセルを長軸方向でカプセル空洞内に包含するために協働してもよい。管状要素および多孔性支持要素は各々、細長い吸入器本体の内径を充填してもよい。多孔性支持要素は、気流が細長い吸入器本体の断面に沿って、多孔性支持要素を通して均一な気流を呈することを可能にする場合がある。多孔性支持要素は、乱流効果またはエッジ効果を低減し、かつカプセル空洞を通して所望の気流パターンを確実にするまたは維持するための、フィルターまたはディフューザーとして機能してもよい。多孔性支持要素は、貫通要素が遠位端にて吸入器物品内に受容されていて、カプセルを貫通してカプセルを起動する際に、カプセルに支持を提供することによってなど、カプセルの起動中にカプセル空洞内部のカプセルを支持してもよい。
【0066】
カプセルは消費前に、吸入器物品内に密封されていてもよい。輸送および保管のために、吸入器物品は、密封されたまたは気密の容器または袋の中に包含されていてもよい。吸入器物品は、吸入器物品の遠位端にて一つ以上の空気吸込み口チャネルを、または吸入器物品のマウスピース端にて空気出口を覆うための、一つ以上の剥離可能な密封層を含んでもよい。これは、吸入器物品が適切な衛生状態および新鮮さを維持することを確実にする場合があり、またはカプセルが乾燥して硬くなる、および砕けやすくなることを防止する場合がある。
【0067】
カプセルは、空気が吸入器物品を通して引き出される時に、その長軸方向軸または中心軸を中心として回転してもよい。カプセルは、カプセル内部に粒子を実質的に含有する気密材料で形成されてもよい。カプセルはカプセル空洞内にある時に、貫通要素によって貫通または穿孔されるように構成されてもよい。貫通要素は吸入器物品と別個であってもよく、または組み合わされていてもよい。カプセルは任意の適切な材料で形成されてもよい。カプセルは金属材料または高分子材料で形成されてもよく、この材料は汚染物質をカプセルに入れないように機能するが、カプセル内からのニコチン粒子の放出を可能にするために消費前に貫通要素によって貫通または穿孔されることができる。カプセルは高分子材料で形成されてもよい。高分子材料はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよい。カプセルは任意の適切なサイズであってもよい。カプセルは、サイズ1~サイズ4のカプセル、またサイズ3のカプセル、またはサイズ3のカプセルであってもよい。
【0068】
システムは、金属または剛直な針などの別個の貫通要素を備えてもよい。貫通要素は、カプセル空洞内に受容されたカプセルを通して単一の開口を形成してもよい。貫通要素は、管状要素を通過し、かつカプセル空洞の中に入るように構成されてもよい。
【0069】
カプセルは、ニコチン(「ニコチン粉末」または「ニコチン粒子」とも呼ばれる)、および随意に、風味を含む粒子(「風味粒子」とも呼ばれる)を含む医薬的に活性な粒子を含有してもよい。カプセルは所定の量のニコチン粒子および随意に風味粒子を含有してもよい。カプセルは、少なくとも2回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約5回の吸入もしくは「吸煙」、または少なくとも約10回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。カプセルは、約5~50回の吸入もしくは「吸煙」、または約10~30回の吸入もしくは「吸煙」を提供するのに十分なニコチン粒子を含有してもよい。各吸入または「吸煙」は、約0.1mg~約3mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約0.2mg~約2mgのニコチン粒子をユーザーの肺に、または約1mgのニコチン粒子をユーザーの肺に送達してもよい。
【0070】
ニコチン粒子は、採用される特定の処方に基づいて任意の有用な濃度のニコチンを有してもよい。ニコチン粒子は、少なくとも約1重量%~最高約30重量%のニコチン、または約2重量%~約25重量%のニコチン、または約3重量%~約20重量%のニコチン、または約4重量%~約15重量%のニコチン、または約5重量%~約13重量%のニコチンを有してもよい。好ましくは、各吸入もしくは「吸煙」で、約50~約150マイクログラムのニコチンがユーザーの肺に送達されてもよい。
【0071】
カプセルは、少なくとも約5mgのニコチン粒子、または少なくとも約10mgのニコチン粒子を保持または含有してもよい。カプセルは約900mg未満のニコチン粒子、または約300mg未満のニコチン粒子、または150mg未満のニコチン粒子を保持または含有してもよい。カプセルは、約5mg~約300mgのニコチン粒子、または約10mg~約200mgのニコチン粒子を保持または含有してもよい。
【0072】
カプセルの中で風味粒子がニコチン粒子とブレンドされたまたは組み合わせられた時、ユーザーに送達される各吸入もしくは「吸煙」に所望の風味を提供する量の風味粒子が存在してもよい。
【0073】
ニコチン粒子は、ユーザーの肺の中に優先的に吸入送達するために有用な任意のサイズ分布を有してもよい。カプセルはニコチン粒子以外の粒子を含んでもよい。ニコチン粒子およびその他の粒子は粉末系を形成してもよい。
【0074】
カプセルは、少なくとも約5mgの乾燥粉末(粉末系とも呼ばれる)または少なくとも約10mgの乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約900mg未満の乾燥粉末、または約300mg未満の乾燥粉末、または約150mg未満の乾燥粉末を保持または含有してもよい。カプセルは、約5mg~約300mgの乾燥粉末、または約10mg~約200mgの乾燥粉末、または約25mg~約100mgの乾燥粉末を保持または含有してもよい。
【0075】
乾燥粉末または粉末系は、約5マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲内の粒子サイズのニコチン粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系を有してもよい。
【0076】
ニコチンを含む粒子は、約5マイクロメートル以下、または約0.5マイクロメートル~約4マイクロメートルの範囲内、または約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約2.5マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0077】
風味を含む粒子は、約20マイクロメートル以上、または約50マイクロメートル以上、または約50~約200マイクロメートルの範囲内、または約50~約150マイクロメートルの範囲内の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。空気動力学的中央粒子径は、カスケードインパクターで測定することが好ましい。
【0078】
乾燥粉末は、約60マイクロメートル以下、または約1マイクロメートル~約40マイクロメートルの範囲内、または約1.5マイクロメートル~約25マイクロメートルの範囲内の平均粒子径を有してもよい。平均粒子径は質量あたりの平均粒子径を指し、またレーザー回折、レーザー拡散、または電子顕微鏡によって測定することが好ましい。
【0079】
粉末系中またはニコチン粒子中のニコチンは、医薬品として許容可能な遊離塩基ニコチン、またはニコチン塩もしくはニコチン塩水和物であってもよい。有用なニコチン塩またはニコチン塩水和物としては、例えばピルビン酸ニコチン、クエン酸ニコチン、アスパラギン酸ニコチン、乳酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、サリチル酸ニコチン、フマル酸ニコチン、モノ-ピルビン酸ニコチン、グルタミン酸ニコチン、またはニコチン塩酸塩が挙げられる。ニコチンと結合して塩または塩水和物を形成する化合物は、その予想される薬理学的効果に基づいて選ばれてもよい。
【0080】
ニコチン粒子はアミノ酸を含むことが好ましい。好ましくは、アミノ酸はL-ロイシンなどのロイシンであってもよい。ニコチンを含む粒子にL-ロイシンなどのアミノ酸を提供することは、ニコチンを含む粒子の接着力を低減する場合があり、またニコチン粒子間の引力を低減し、それ故にニコチン粒子の凝集を低減する場合がある。同様に、風味を含む粒子に対する接着力も低減する場合があり、それ故にニコチン粒子の風味粒子との凝集も低減する。それ故に、本明細書に記載の粉末系は自由流動材料であってもよく、またニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、各粉末構成成分の安定した相対的な粒子サイズを有してもよい。
【0081】
好ましくは、ニコチンは表面修飾されたニコチン塩であってもよく、その場合、ニコチン塩粒子は被覆された粒子または複合粒子を含む。好ましい被覆材料または複合材料はL-ロイシンであってもよい。一つの特に有用なニコチン粒子は、L-ロイシンを有する重酒石酸ニコチンであってもよい。
【0082】
粉末系は風味粒子の集団を含んでもよい。風味粒子は、選択的にユーザーの口または口腔の中に吸入送達するために任意の有用なサイズ分布を有してもよい。
【0083】
粉末系は、約20マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、約50マイクロメートル以上の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。粉末系は、約50マイクロメートル~約150マイクロメートルの範囲内の粒子サイズを有する粒子から成る、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%、または少なくとも約80重量%の粉末系の風味粒子の集団を有してもよい。
【0084】
風味を含む粒子は、接着力または表面エネルギーおよび結果としてもたらされる凝集を低減するための化合物を含んでもよい。風味粒子は接着力低減化合物を用いて表面修飾されて、被覆された風味粒子を形成してもよい。一つの好ましい接着力低減化合物は、ステアリン酸マグネシウムであってもよい。ステアリン酸マグネシウムなどの接着力低減化合物を風味粒子に提供すること、特に風味粒子を被覆することは、風味を含む粒子の接着力を低減する場合があり、また風味粒子の間の引力を低減し、それ故に風味粒子の凝集を低減する場合がある。それ故に、ニコチン粒子を有する風味粒子の凝集も低減する場合がある。それ故に、本明細書に記載の粉末系は、ニコチン粒子と風味粒子が組み合わせられる時でさえも、ニコチンを含む粒子と風味を含む粒子の安定した相対的な粒子サイズを有する場合がある。好ましくは、粉末系は自由流動であってもよい。
【0085】
乾燥粉末吸入用の従来の処方は、吸入器を通る単純な気流による影響を受けるには活性粒子が小さすぎる場合があるため、活性粒子の流動化を増大するように機能する担体粒子を含有する。粉末系は担体粒子を含んでもよい。これらの担体粒子は、約50マイクロメートル超の粒子サイズを有してもよいラクトースまたはマンニトールなどのサッカリドであってもよい。担体粒子は処方中で希釈剤または膨化剤として作用することによって、用量の均一性を改善するために利用されてもよい。
【0086】
本明細書に記載のニコチン粉末送達システムとともに利用される粉末系は、担体を含まなくてもよく、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まなくてもよい。担体を含まない、またはラクトースもしくはマンニトールなどのサッカリドを実質的に含まないことは、典型的な喫煙方法での吸入量または気流量に類似する吸入量または気流量でニコチンが吸入され、かつユーザーの肺に送達されることを可能にする場合がある。
【0087】
ニコチン粒子および風味は、単一のカプセル内で組み合わせられてもよい。上述の通り、ニコチン粒子および風味は各々、低減された接着力を有してもよく、組み合わせられた時に各構成要素の粒子サイズが実質的に変化しない場合、この接着力は安定な粒子処方をもたらす。別の方法として、粉末系は、単一のカプセル内に含有されたニコチン粒子と、第二のカプセル内に含有された風味粒子とを含む。
【0088】
ニコチン粒子および風味粒子は、ニコチン粒子とともに消費された時にユーザーが風味粒子に気付くように、任意の有用な相対的な量で組み合わせられてもよい。ニコチン粒子および風味粒子は、粉末系の総重量の少なくとも約90重量%、または少なくとも約95重量%、または少なくとも約99重量%、または100重量%を形成することが好ましい。
【0089】
吸入器および吸入器システムは、従来の乾燥粉末吸入器と比較して、より複雑ではない場合があり、また単純化された気流経路を有する場合がある。有利なことに、吸入器本体内のカプセルの回転は、ニコチン粒子または粉末系をエアロゾル化し、また自由流動粉末の維持を補助する場合がある。それ故に、吸入器物品は、上述のニコチン粒子を肺の中に深く送達するために、従来の吸入器によって典型的に利用される高い吸入量を必要としない場合がある。
【0090】
吸入器物品は、約5L/分未満、または約3L/分未満、または約2L/分、または約1.6L/分未満の流量を使用してもよい。好ましくは、流量は、約1L/分~約3L/分、または約1.5L/分~約2.5L/分の範囲内であってもよい。好ましくは、吸入量または流量は、カナダ保健省(Health Canada)の喫煙方法の吸入量または流量に類似してもよく、すなわち約1.6L/分であってもよい。
【0091】
吸入器システムは、従来の紙巻たばこの喫煙または電子たばこのベイピングのように、消費者によって使用されてもよい。こうした喫煙またはベイピングは二つの工程によって特徴付けられてもよく、第一の工程中に、消費者が所望するニコチンの全量を含有する少容量が口腔の中に引き出され、後に続く第二の工程中に、所望の量のニコチンを含むエアロゾルを含むこの少容量が新鮮な空気によってさらに希釈され、肺の中により深く引き出される。両方の工程は消費者によって制御される。消費者は第一の吸入工程中に、吸入されるニコチンの量を決定してもよい。消費者は第二の工程中に、第一の量を希釈して肺の中により深く引き出される量を決定して、気道の上皮表面に送達される活性剤の濃度を最大化してもよい。この喫煙のメカニズムは、「吸煙-吸入-吐出」と呼ばれることがある。
【0092】
本発明の乾燥粉末吸入器で利用される乾燥粉末は、「吐出」段階中に、医薬的に活性な粒子のあらゆる吐出を無くす、または実質的に減少させる場合がある。医薬的に活性な粒子のほぼすべて、または少なくとも約99%、または少なくとも約95%、または少なくとも90%は、肺に送達される粒子サイズを有するが、通常呼吸によって吐出されるのに十分に小さくないことが好ましい。この医薬的に活性な粒子サイズは、約0.75マイクロメートル~約5マイクロメートル、または0.8マイクロメートル~約3マイクロメートル、または0.8マイクロメートル~約2マイクロメートルの範囲内であってもよい。
【0093】
吸入器物品用ホルダーは、カプセルを貫通することによって吸入器物品を起動するためのカプセルを包含する、かつ吸入器物品内のカプセルの確実な起動を(ホルダーの貫通要素でカプセルを穿孔することによって)提供する、かつカプセル内部に含有された粒子を放出し、物品が粒子を消費者に送達することを可能にする、(本明細書に記載の)吸入器物品と組み合わされてもよい。ホルダーは吸入器物品と別個であるが、消費者は吸入器物品内で放出される粒子を消費しながら、吸入器物品とホルダーの両方を利用してもよい。複数のこれらの吸入器物品は、ホルダーと組み合わせられて、システムまたはキットを形成してもよい。単一のホルダーは、各吸入器物品内に包含されたカプセルを起動(穿孔または貫通)し、確実な起動または随意に、各吸入器物品について吸入器物品の起動の視覚的表示(マーキング)を提供するために、10個以上、または25個以上、または50個以上、または100個以上の吸入器物品で利用されてもよい。
【0094】
吸入器物品用ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を備えるハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を備え、またハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を備える。第一の開放端は吸入器物品の遠位端を受容するように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、吸入器物品の遠位端に接触するように構成されている。スリーブの第二の反対側の端は、中央通路に対して接線方向である方向で延びる吸入器物品の少なくとも一つの空気吸込み口を通して流れるように実質的にすべての吸入空気を方向付けるように構成されている。
【0095】
吸入器システムは、カプセル空洞内に配置されたカプセルを有する本明細書に記載の吸入器物品と、吸入器物品を受容するホルダーとを含む。ホルダーは、吸入器物品を受容するためのハウジング空洞を有するハウジングと、ハウジング空洞内に吸入器物品を保持するように構成されたスリーブとを含む。スリーブはスリーブ空洞を含み、またスリーブはハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞内で移動可能である。スリーブは第一の開放端および第二の反対側の端を含む。第一の開放端は吸入器物品を受容するように構成されていて、スリーブの第二の反対側の端は、吸入器物品の遠位端に接触するように構成されている。
【0096】
ホルダーは、ハウジングの内表面に固定された、かつハウジングの内表面から延びる貫通要素をさらに備えてもよい。貫通要素はスリーブの第二の反対側の端を通して延び、かつハウジングの長軸方向軸に沿ってカプセルを貫通するためにカプセル空洞の中に延びるように構成されてもよい。
【0097】
ホルダーは、スリーブをハウジングの開放近位端に向かって、かつ弛緩位置と圧縮位置の間で付勢するように構成されたばね要素をさらに含んでもよい。ばね要素は、ホルダーの吸入器物品空洞内に包含されてもよく、また移動可能なスリーブおよび吸入器物品が貫通要素に向かって移動するにつれて圧縮されてもよい。ばね要素は、スリーブとハウジングの遠位端との間にあってもよく、またスリーブとハウジングの遠位端とに接触してもよい。ばね要素は、スリーブの遠位端とハウジングの遠位端との間にあってもよい。ばね要素は、スリーブの遠位端およびハウジングの遠位端に接触してもよい。ばね要素は貫通要素の周りに配置されてもよい。ばね要素は貫通要素と同軸であってもよい。ばね要素は円錐ばねであってもよい。
【0098】
ばね要素は、吸入器物品を貫通要素から離れるように付勢する。使用時にユーザーは、吸入器物品をホルダーの吸入器物品空洞の中に挿入してもよい。これを行うことによって、ばねは圧縮されて、吸入器物品が吸入器物品空洞の遠位端に向かって移動することを可能にしてもよい。最終的に、貫通要素は、吸入器物品内に配置されたカプセルを貫通してもよい。貫通が起こると、ユーザーは吸入器物品を解放して、ばねが吸入器物品を吸入器物品空洞の近位端に向かって、貫通要素から離れるように付勢することを可能にしてもよい。ユーザーは次いで、吸入器物品の近位端を吸入してもよい。
【0099】
スリーブは、スリーブを通る少なくとも一つの空気開口を備える第一の空気吸込み口ゾーンを画定してもよい。第一の空気吸込み口ゾーンは、スリーブの近位端に近接する。第一の空気吸込み口ゾーンは、空気がスリーブの内部から、スリーブとハウジング内表面の間に形成された気流チャネルに流れることを可能にするように構成されている。スリーブは、スリーブを通る少なくとも一つの空気開口を備える第二の空気吸込み口ゾーンを備えてもよい。第二の空気吸込み口ゾーンは、スリーブの遠位端に近接する。第二の空気吸込み口ゾーンは、空気が気流チャネルからスリーブの内部に流れることを可能にするように構成されている。
【0100】
本明細書で使用されるすべての科学的用語および技術的用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0101】
本明細書で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0102】
本明細書で使用される「または」は概して、「および/または」を含む意味で採用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の一つもしくはすべて、または列挙された要素のうちの任意の二つ以上の組み合わせを意味する。
【0103】
本明細書で使用される「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは、制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0104】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0105】
ここで、図を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】
図1は、長軸方向軸に沿った、例示的な吸入器物品の断面図である。
【
図2】
図2は、長軸方向軸に沿った、別の例示的な吸入器物品の断面図である。
【
図3-6】
図3~
図6は、1~4個の接線方向空気吸込み口を有する例示的な管状要素の断面概略図である。
【
図7A】
図7Aは、吸入器物品で有用な例示的な平坦ホルダーの側面立面概略図である。
【
図7C】
図7Cは、線A-Aに沿って取った
図7Bの例示的な平坦ホルダーの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
概略図は必ずしも実寸に比例していなく、また図示の目的で提示されていて、限定するものではない。図面は本開示に記載の一つ以上の態様を図示する。しかし当然のことながら、図面に図示されていない他の態様は、本開示の範囲および趣旨の中に収まる。
【0108】
図1および
図2は、例示的な吸入器物品110を図示する。吸入器物品110は、吸入器物品110内に配置されたカプセル160を含んでもよい。
【0109】
吸入器物品110は、マウスピース端113から遠位端114に長軸方向軸「A」に沿って延びる本体112を含む。マウスピース端113は吸入器物品110の下流端を形成し、遠位端114は上流端を形成する。言い換えれば、マウスピース端113は、矢印で示す通り、遠位端から下流にある。カプセル空洞116は本体112内に画定されている。管状要素130は、遠位端114からカプセル空洞116に向かって延びる。
【0110】
管状要素130は、第一の端134と第二の反対側の端136との間に延びる中央通路132を画定し、吸入器物品110の遠位端表面136と、スリーブ空洞116に面する第一の端134とを画定する。管状要素130は、空気が中央通路132の中に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口138を備える。少なくとも一つの空気吸込み口138は、中央通路132に対して接線方向である方向で延びる。
【0111】
この実施例において、第二の反対側の端136は、本体112の遠位端114に直接位置しているものとして示されている。さらに、この実施例において、本体112の第二の反対側の端136と遠位端114の間にいかなる構成要素もない。これは、吸入器物品110の構築を単純化し、また吸入器物品110を通る気流を容易にする。しかし当然のことながら、遠位端114「にある」管状要素130は、遠位端114と同じ場所の周りにある管状要素130として解釈されるべきである。例えば、管状要素130は、長軸方向軸に沿ってマウスピース端113に向かって、またはマウスピース端から離れるように遠位端114からずらされてもよい。
【0112】
この実施例において、第二の反対側の端136は、本体112の遠位端114に直接位置しているものとして示されている。しかし当然のことながら、遠位端114にある管状要素130は、遠位端114と同じ場所の周りにある管状要素130として解釈されるべきである。例えば、管状要素130は、長軸方向軸に沿ってマウスピース端113に向かって、またはマウスピース端から離れるように遠位端114からずらされてもよい。
【0113】
管状要素130、カプセル空洞116(および存在する場合はカプセル160)、および多孔性支持要素170は、本体112内で軸方向に整列され、かつ直列に配置されてもよい。管状要素130は、カプセル空洞116の上流端もしくは遠位端または境界を形成してもよい。カプセル空洞116は、カプセル160を包含するように構成された空間を画定してもよい。カプセル空洞116は、管状要素130の第一の端134上で境界が付けられた、かつ多孔性支持要素170によって下流端上で境界が付けられた、固定の空洞長さを有してもよい。
図1に図示の通り、多孔性支持要素170は、本体110のマウスピース空気チャネル部分133内に配置されてもよい。マウスピース空気チャネル部分133は、多孔性支持要素170を超えてマウスピース端113に延びてもよい。
【0114】
管状要素130は本体112の遠位端114内に配置されてもよい。管状要素130の第二の反対側の端136は、本体112の遠位端114と実質的に整列されてもよい。
【0115】
図2に図示の通り、吸入器物品110は、カプセル160を包含する、かつカプセル空洞116に沿って本体112に支持および剛直さを提供するカプセル空洞116を画定する挿入本体140を含んでもよい。フィルターまたは多孔性支持要素170は、カプセル空洞116からマウスピース端113に延びる。
【0116】
図3~
図6は、1個~4個の接線方向空気吸込み口138を有する中央通路132を有する例示的な管状要素130の断面概略図である。管状要素130の内径は約4mmであってもよい。
図3は、約1.45mmの直径を有する単一の接線方向空気吸込み口138を図示する。
図4は、二つの接線方向空気吸込み口138を図示し、各々が約1mmの直径を有し、かつ相互から180度にて管状要素130に入る。
図5は、三つの接線方向空気吸込み口138を図示し、各々が約0.85mmの直径を有し、かつ相互から120度にて管状要素130に入る。
図6は、四つの接線方向空気吸込み口138を図示し、各々が約0.6mmの直径を有し、かつ相互から90度にて管状要素130に入る。
【0117】
図7A~
図7Cを参照すると、吸入器システム100は吸入器物品110およびホルダー150を含む。吸入器物品110は、吸入器外表面を画定する本体112を備える。吸入器物品110は、
図1または
図2の例示的な吸入器物品110のいずれかに類似してもよい。本体112は、マウスピースまたは近位端113から遠位端114に吸入器長軸方向軸に沿って本体の長さに延びる。
【0118】
吸入器物品110用ホルダー150は、ハウジング151および貫通要素101を含む。ホルダー150はまた、マーキング要素190も含んでもよい。ハウジング151は、ハウジング外表面およびハウジング内表面を有する。ハウジング内表面は、吸入器物品110を受容するように構成された吸入器物品空洞154を画定する。ハウジング151は、遠位端155から開放近位端156にハウジング長軸方向軸に沿って延びてハウジングの長さを画定する。開放近位端156は、吸入器物品110の遠位端114を吸入器物品空洞154の中に受容するように構成されている。
【0119】
吸入器物品110用ホルダー150は、吸入器物品110を受容するためのハウジング空洞154を備えるハウジング151と、ハウジング空洞154内に吸入器物品110を保持するように構成されたスリーブ201とを含む。スリーブ201はスリーブ空洞を備え、またハウジングの長軸方向軸に沿ってハウジング空洞154内で移動可能である。スリーブ201は第一の開放端202および第二の反対側の端203を備える。第一の開放端202は、吸入器物品110の遠位端114を受容するように構成されている。スリーブ201の第二の反対側の端203は、吸入器物品110の遠位端114に接触するように構成されている。スリーブの第二の反対側の端203は、中央通路に対して接線方向である方向に延びる吸入器物品110の少なくとも一つの空気吸込み口を通して流れるように実質的にすべての吸入空気を方向付けるように構成されている。
【0120】
貫通要素101は、ハウジング内表面に固定されていて、かつハウジング内表面から吸入器物品空洞154の中に、貫通要素の長軸方向軸に沿って貫通要素の長さに延びる。貫通要素101は、開放近位端156から陥凹された距離だけ陥凹されている。貫通要素101は管状要素130の中央通路を通して延び、かつカプセル160を貫通するためにカプセル空洞116内に収容されたカプセル160に延びるように移動可能であるように構成されている。ばね要素200は、貫通要素101から離れるように吸入器物品110を付勢してもよい。
【0121】
上述の例示的な実施形態は限定するものではない。上述の例示的な実施形態と一貫性のある他の実施形態が、当業者に明らかであろう。
【国際調査報告】