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特表2023-502314連続ウェブ材料をロッドへと成形するための方法および設備
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(54)【発明の名称】連続ウェブ材料をロッドへと成形するための方法および設備
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/02 20060101AFI20230117BHJP
   A24D 3/17 20200101ALI20230117BHJP
【FI】
A24D3/02
A24D3/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022521364
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2020078194
(87)【国際公開番号】W WO2021069534
(87)【国際公開日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】19202138.4
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】カンティエリ ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニーニ アントネッラ
(72)【発明者】
【氏名】ラ ポルタ ピエトロ ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】マロッシ ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】モンツォーニ アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】カスタルド クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】パラディーノ ジェニー
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BA05
4B045BA08
4B045BB06
4B045BB07
4B045BC07
4B045BC13
4B045BD04
4B045BD06
4B045BD08
4B045BD09
4B045BD54
(57)【要約】
連続ウェブ材料(1)をロッドへと成形する方法は、摂氏150度未満のガラス転移温度を有する連続ウェブ材料(1)を提供することと、成形装置(2)によって、連続ウェブ材料を平坦な形状からロッド形状へと集合することとを含む。本方法は、摂氏4度未満の温度を提供する冷却手段(34)を提供することと、成形装置(2)の材料接触面を摂氏4度未満の表面温度に冷却することと、連続ウェブ材料の集合体と接触している冷却された材料接触面によって連続ウェブ材料の集合体を冷却することとをさらに含む。また、連続ウェブ材料(1)を成形するための設備も提供されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続ウェブ材料をロッドへと成形する方法であって、
‐摂氏150度未満のガラス転移温度を有する連続ウェブ材料を提供することと、
‐成形装置によって平坦な形状からロッド形状へと前記連続ウェブ材料を集合することと、
‐摂氏4度未満の温度を提供し、かつ前記成形装置の材料接触面を摂氏4度未満の表面温度に冷却する冷却手段を提供することと、
‐前記連続ウェブ材料の集合体と接触している前記冷却された材料接触面によって前記連続ウェブ材料の集合体を冷却することと、を含む、方法。
【請求項2】
‐前記連続ウェブ材料の集合体を摂氏4度未満の材料温度に冷却することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記冷却手段が、冷却流体、好ましくは液体、より好ましくは水とグリコールの混合物である、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記冷却手段が、摂氏3度~摂氏マイナス45度、好ましくは摂氏3度~摂氏マイナス30度、より好ましくは摂氏0度~摂氏マイナス20度の冷却温度を提供する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記材料接触面の前記表面温度が、摂氏3度~摂氏マイナス45度、好ましくは摂氏3度~摂氏マイナス30度、より好ましくは摂氏0度~摂氏マイナス20度である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記成形装置の搬送平面に沿って、ラッピング材料の連続的な細片を案内することをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ロッド形状への前記連続ウェブ材料の段階的な集合を含み、その中で、第一の集合工程で、前記平坦な形状から第一の直径を有するロッド形状へと前記連続ウェブ材料を集合し、かつ第二の集合工程で、第一の直径を有する前記ロッド形状から前記第一の直径よりも小さい最終的な直径を有する最終的なロッド形状へと前記連続ウェブ材料をさらに集合する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
‐前記ロッド形状の連続ウェブ材料の集合体を、接着剤が提供されたラッピング材料の連続的な細片でラッピングすることと、
‐前記冷却手段を用いてロッド冷却装置のロッド接触面を摂氏4度未満のロッド接触面温度に冷却し、かつ前記連続ウェブ材料の集合体の前記巻かれたロッドを前記冷却されたロッド接触面と接触させることと、
それによって、接着剤が提供された、かつ連続ウェブ材料の集合体の前記ロッドの周りに巻かれた前記ラッピング材料を、前記巻かれたロッドと接触している前記冷却されたロッド接触面によって冷却することと、をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記連続ウェブ材料が、摂氏100度未満のガラス転移温度を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記連続ウェブ材料が、プラスチック材料、例えばポリ乳酸である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
連続ウェブ材料をロッドへと成形するための設備であって、
平坦な形状からロッド形状へと連続ウェブ材料を成形するための成形装置を備え、前記成形装置が、前記連続ウェブ材料をロッド形状にするための漏斗部分を備え、
前記成形装置が、前記漏斗部分を通して案内可能な前記連続ウェブ材料に接触するための材料接触面を備え、
前記設備が、
摂氏4度未満の冷却温度を提供するための冷却手段をさらに備え、前記成形装置が前記冷却手段と接続している状態にあり、かつ前記成形装置の前記材料接触面を摂氏4度未満の表面温度に冷却するために適合されていて、前記漏斗部分内に集合されている間に前記連続ウェブ材料を冷却するために前記成形装置の前記漏斗部分の長さに沿って前記材料接触面が配設されている、設備。
【請求項12】
前記ロッド形状のウェブ材料をラッピング材料の連続的な細片でラッピングするためのラッピング装置と、
ウェブ材料の前記巻かれたロッドと接触するためのロッド接触面を備えるロッド冷却装置であって、前記ラッピング装置の前記ロッド接触面を摂氏4度未満のロッド接触面温度に冷却するために適合されていて、それによって、ウェブ材料の前記ロッドの周りに巻かれた前記ラッピング材料をラッパー温度に冷却する、ロッド冷却装置と、をさらに備える、請求項11に記載の設備。
【請求項13】
前記材料接触面および前記ロッド接触面が凹形状を有する、請求項11~12のいずれか一項に記載の設備。
【請求項14】
前記漏斗部分が、上方漏斗部と、長軸方向に延びる収斂する溝を備える下方搬送平面とを備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の設備。
【請求項15】
前記材料接触面が、前記上方漏斗部の上流端から前記上方漏斗部の下流端に延びる、請求項14に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続ウェブ材料をロッドへと成形するための方法および設備に関する。特に、エアロゾル発生物品の製造で使用される連続ウェブ材料を成形するための方法および設備に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品またはその構成要素(例えば、フィルタープラグまたはエアロゾル冷却セグメントなど)は、セルロースまたはプラスチックウェブなどの連続ウェブ材料から製造されてもよい。これらのセグメントの製造のために使用される特別な材料に起因して、加工ラインにおける一部の加工工程は、こうしたウェブを取り扱う時に追加的な課題をもたらす場合がある。例えば、一部のプラスチック材料(例えば、ポリ乳酸ウェブなど)は、例えば摩擦に起因して、ウェブを取り扱っている際に加熱される傾向がある。これは、例えばウェブが漏斗状であるなどの不規則な折り曲げにつながる場合があり、それによってウェブから製造される製品の再現性を低減させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生物品の製造において、連続ウェブ材料を成形するための方法および設備を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、連続ウェブ材料をロッドへと成形するための方法が提供されている。方法は、摂氏150度未満のガラス転移温度を有する連続ウェブ材料を提供することと、成形装置によって平坦な形状からロッド形状へと連続ウェブ材料を集合することとを含む。本方法は、摂氏4度未満の温度を提供する冷却手段を提供することと、成形装置の材料接触面を摂氏4度未満の表面温度に冷却することと、連続ウェブ材料の集合体と接触している冷却された材料接触面によって連続ウェブ材料の集合体を冷却することとをさらに含む。好ましくは、本方法は、特にウェブ材料が材料接触面と直接接触している場合に、連続ウェブ材料の集合体を摂氏4度未満の材料温度に冷却することを含む。
【0005】
冷却手段は、材料接触面を摂氏4度未満の温度に、特に摂氏0度未満の温度に冷却するための任意の手段であってもよい。冷却手段は、例えばペルチェ素子または冷却流体であってもよい。冷却流体を使用することは、冷却において非常に効率的である。ペルチェ素子の使用は、流体を取り扱う必要のない冷却の単純なやり方である。
【0006】
冷却手段は、摂氏4度未満の流体温度、より具体的に摂氏0度未満の流体温度を有する冷却流体であることが好ましい。
【0007】
ウェブ材料と特に固定成形装置との間の摩擦は、集合プロセスの最終的なロッド形成セクション(ガニチャー)において最も高い。ウェブ材料の過冷却によって、成形装置内での集合に伴う摩擦に起因するウェブ材料の局所的な過熱は、基本的に防止される場合がある。
【0008】
局所的な過熱は防止されるか、または少なくともその溶融温度を著しく下回るウェブ材料の温度に低減されることが好ましい。過熱は防止されるか、またはそのガラス転移温度を著しく下回るウェブ材料の温度に低減されることが好ましい。
【0009】
ウェブ材料は、ウェブの温度がそのガラス転移温度を少なくとも摂氏10度下回る温度に留まるように冷却されることが好ましい。ウェブ材料の温度は、そのガラス転移温度を少なくとも摂氏20度、少なくとも摂氏40度、または少なくとも摂氏50度下回る温度に留まることがより好ましい。ウェブ材料が、例えば摂氏100度超のガラス転移温度を有する場合、当該ウェブ材料の温度は、冷却された時にそのガラス転移温度を摂氏50度超なおさらに下回る温度に留まることが好ましい。例えば、ウェブ材料の成形に伴いウェブ材料が摂氏4度未満の温度に冷却される場合、ウェブ材料の温度は、そのガラス転移温度を摂氏約100度以上なおさらに降下する。
【0010】
過剰な熱は材料の仕様を変化させる場合がある。低いガラス転移温度、または低い溶融温度、またはその両方を有する材料の過熱を防止することによって、材料は粘着性になることが防止される、または部分的に溶融することが防止される。それ故に、こうした材料の個別の折り曲げが、集合に伴い一緒にくっつく、または融合することが防止される場合がある。有利なことに、材料によって形成されたプラグの引き出し抵抗(RTD)の目的値からの引き出し抵抗の変化は、低減される、または完全に回避される。これは製造の再現性を増大させる場合がある。加えて、部分的に溶融したまたは粘着性の材料の、設備部品への粘着は、回避される場合がある。それ故に、可能性のある設備の閉塞および退去が回避される場合がある。別の方法として、または追加的に、材料への損傷は回避される場合がある。
【0011】
有利なことに、材料の局所的な過熱が回避され、これによって好ましくはウェブ材料の温度がガラス転移温度に到達せず、またより好ましくは温度がガラス転移温度に近づきさえもしない。なおさらに、材料の引張強さは加熱によって低減される場合がある。これは結果として、材料の破裂を防止するために機械速度を低減することを必要とする場合がある。引張強さが低減された材料の破裂に起因する機械の停止および廃棄物はそれ故に、避けることができる。従って、材料の過熱を防止または低減することは、ガラス転移温度が低い、または溶融温度が低い材料(例えば、ポリ乳酸のウェブなど)にとって特に有利である。
【0012】
ガラス転移温度にて固体材料はゴム状の弾性状態へと変化し、固体材料はペースト状の溶融材料になる。例えば、非晶質プラスチック材料または半結晶プラスチック材料は粘着性になり、かつその安定性において変化する場合がある。ゴム状の弾性状態への移行または降伏範囲は連続的である。ガラス転移温度にて材料は相転移を経ない。それ故に、ガラス転移温度は厳密な温度に関連しないが、温度範囲に関連する。こうした温度範囲は、特定のガラス転移温度の上下摂氏数度以内、例えば摂氏5度以内、または摂氏数十度以内、例えばプラスマイナス摂氏20度以内であってもよい。
【0013】
非常に低い温度に冷却された場合、連続材料は脆くなる場合があり、取り扱っている際に不注意に破損する場合があることも知られている。しかしながら、冷却流体との直接接触による冷却と比較して、冷えた接触面によって冷却されたウェブ材料は不注意に破損しない、または非常に限定された程度にしか破損しないことが分かっている。加えて、冷却された接触面との接触によって冷却することは、摩擦が生じる場所(成形装置と、成形装置内で集合された連続ウェブ材料との間の界面)にて厳密に、ウェブ材料を冷却する利点を有する。
【0014】
なおさらに、最終的なロッド成形領域において、ロッドの直径に関する精度要件は厳格である。この精度要件は、ウェブ材料の中に導入された冷却流体の様々な圧縮強度下で維持することが困難であるが、冷却表面を使用して良好に達成される場合がある。
【0015】
また、摂氏4度未満の冷却温度を提供する、かつ接触面を摂氏4度未満の温度に冷却する、かつまた、冷却された接触面でウェブ材料をもまた好ましくは摂氏4度未満の温度に冷却する、冷却手段を使用することは、集合の際に、低いガラス転移温度を有するウェブ材料(例えばポリ乳酸材料など)の過熱を防止する上で非常に良好な結果を提供することも分かっている。特に、低いガラス転移温度を有するウェブ材料の過熱を防止する上での良好な結果は、摂氏0度未満(例えば摂氏マイナス0度~摂氏マイナス5度)の冷却温度を提供する冷却手段を使用することによって達成される場合があることが分かっている。
【0016】
この方策が、静止成形要素において、特に毎分約200~500メートルの生産速度を有する静止漏斗形状成形装置において、非常に良好な結果を提供することが分かっている。
【0017】
「冷却する」という用語は本明細書全体を通して、連続ウェブ材料の温度、連続ウェブ材料の断面の温度、または連続ウェブ材料と接触している要素の温度を制限、維持、または低減し、それ故に連続ウェブ材料の温度のさらなる上昇を防止する能動的な工程を指すために使用される。
【0018】
「上流」および「下流」という用語は本明細書において、方法を実施する設備において、または設備の個別の要素において連続ウェブ材料の搬送方向の観点から使用され、下流は製造の方向にある。
【0019】
原則として、特定の値に関連して「約」という用語が本明細書全体を通して使用される時はいつでも、「約」という用語に続く値は、技術的な考慮に起因して、厳密に正確なその特定の値である必要はないと理解される。しかしながら、特定の値に関連して使用される「約」という用語は常に、用語「約」に続く特定の値を含み、かつ明示的に開示することが理解される。
【0020】
「集合」という用語は本明細書全体を通して、連続ウェブ材料の幅の減少を指すために使用される。集合によって、連続材料は材料の横方向、それ故に材料の長軸方向および搬送方向に対する横断方向で減少する。集合は、例えば材料の圧縮、ファネリング、およびロッド成形、または前述のプロセスの組み合わせであってもよい。集合は、例えば連続材料の長軸方向の中心軸に対して連続材料の側面を単純に押すことによる、連続ウェブ材料の幅の減少を含む。
【0021】
集合は、連続的に実施されてもよく、または段階的に実施されてもよい。集合は、成形装置の一つの部分で実施されてもよく、または幾つかの部分で実施されてもよい。
【0022】
本明細書で使用される通りの集合された材料は、部分的に集合された材料であってもよく、または最終的に集合された材料であってもよい。部分的に集合された材料は、本発明による方法を実施する設備に供給された際の連続ウェブ材料と比較して減少された幅を有する。部分的に集合された材料はまた、成形装置の以前の部分を既に通過した部分的に集合された材料と比較して減少された幅を有してもよい。部分的に集合された材料は、連続材料の最終的なロッド形状の幅よりも大きい幅を有する。よくあることに、ウェブ材料の幅の減少は、集合された材料の高さの増大につながる。
【0023】
集合することは、ウェブ材料の集合体の長軸方向にチャネルを形成する長軸方向の折り曲げの形成を含むことが好ましい。
【0024】
集合の前にウェブ材料を捲縮することが有利である場合がある。特に、捲縮は、ウェブ材料が集合されるやり方に対する制御を改善する場合がある。捲縮は、波形がウェブ材料の中に導入されるプロセスである。波形の捲縮の深さを変化させてもよく、また波形の振幅として定量化してもよい。
【0025】
捲縮したウェブ材料は、50マイクロメートル~300マイクロメートルの波形深さ(または捲縮の深さ)を有することが好ましく、約100~約250マイクロメートルであることがより好ましい。
【0026】
冷却された接触面による、成形装置内の連続ウェブ材料の冷却はまた、集合または成形工程を支持する。材料接触面は成形装置の一部であり、ある一つの形状を備え、この形状は連続ウェブ材料をこの形状に従って成形するための形状であるか、または連続ウェブ材料を特定の形状に保持するための形状である。
【0027】
段階的集合プロセスにおいて、ウェブ材料は第一の工程において特定のロッド直径に集合される。さらなる集合工程において、ウェブ材料は最終的な直径まで、より小さいロッド直径に集合される。
【0028】
最終的なロッド形状は、5ミリメートル~12ミリメートル、好ましくは6ミリメートル~10ミリメートルの外径を有してもよい。
【0029】
本発明の方法を用いて製造されたロッドは、円形状または楕円形状の断面を有することが好ましい。
【0030】
方法は、連続ウェブ材料のロッド形状への段階的集合を含むことが好ましい。方法は第一の集合工程において、連続ウェブ材料を平坦な形状から、第一の直径を有するロッド形状に集合することを含むことが好ましい。第二の集合工程において、方法は、連続ウェブ材料を第一の直径を有するロッド形状から、最終的な直径を有する最終的なロッド形状にさらに集合することを含んでもよく、最終的な直径は第一の直径よりも小さい。
【0031】
好ましい実施形態において、第一の直径は2センチメートル~5センチメートルの範囲内である。
【0032】
好ましい実施形態において、最終的な直径は最大で12ミリメートルである。
【0033】
大半の熱は、連続ウェブ材料が最も圧縮される時に、それ故にウェブ材料がその最終的なロッド直径に圧縮される時に生成される。連続ウェブ材料は、第一の集合工程中に、および第二の集合工程中に冷却されてもよい。好ましくは、連続ウェブ材料は、少なくとも第二の集合工程中に冷却され、また第二の集合工程中にのみ冷却されてもよい。材料接触面の冷却は、成形装置と熱的に接触している冷却手段を提供することによって達成される。材料接触面の冷却は、冷却流体を成形装置の中に、または成形装置を通して提供することによって達成されることが好ましい。例えば冷却流体は、冷却液体(例えば水とグリコールの混合物など)であってもよい。約50パーセントの水と約50パーセントのグリコールとの混合物が、冷却流体として使用されることが好ましい。
【0034】
動作時、冷却手段は摂氏4度未満の冷却温度を提供する。冷却手段は、摂氏2度未満の、摂氏0度の、摂氏マイナス2度未満の、摂氏マイナス4度未満の、摂氏マイナス6度未満の、摂氏マイナス8度未満の、摂氏マイナス10度未満の、摂氏マイナス20度未満の冷却温度を提供してもよい。冷却温度は摂氏3度~摂氏マイナス45度の範囲内であることが好ましく、摂氏3度~摂氏マイナス20度の範囲内であることが好ましく、摂氏0度~摂氏マイナス10度の範囲内であることがより好ましい。
【0035】
冷却流体を使用する場合、冷却流体は摂氏4度未満の流体温度を有する。冷却流体は、摂氏2度未満の、摂氏0度の、摂氏マイナス2度未満の、摂氏マイナス4度未満の、摂氏マイナス6度未満の、摂氏マイナス8度未満の、摂氏マイナス10度未満の、摂氏マイナス15度未満の、摂氏マイナス20度未満の、または摂氏マイナス20度未満の冷却温度を有してもよい。流体温度は、摂氏3度~摂氏マイナス30度の範囲内であることが好ましく、摂氏3度~摂氏マイナス20度の範囲内であることが好ましく、摂氏0度~摂氏マイナス15度の範囲内であることがより好ましい。
【0036】
材料接触面の表面温度は摂氏4度未満である。材料接触面の表面温度は、摂氏2度未満、摂氏0度、摂氏マイナス2度未満、摂氏マイナス4度未満、摂氏マイナス6度未満、摂氏マイナス8度未満、摂氏マイナス10度未満、摂氏マイナス15度未満、摂氏マイナス20度未満、または摂氏マイナス25度未満であってもよい。材料接触面の表面温度は、摂氏4度~摂氏マイナス25度の範囲内であることが好ましく、摂氏4度~摂氏マイナス20度の範囲内であることが好ましく、摂氏0度~摂氏マイナス15度の範囲内であることがより好ましく、例えば表面温度は約摂氏マイナス5度である。
【0037】
ウェブ材料は摂氏4度未満の材料温度に冷却されることが好ましい。ウェブ材料は、摂氏マイナス30度~摂氏4度、摂氏マイナス20度~摂氏4度、または摂氏マイナス10度~摂氏0度の温度に冷却されてもよい。
【0038】
接触面の表面温度は、接触面を通過するウェブ材料の速度がより高いほど、より低い温度であるように制御されることが好ましい。
【0039】
方法は、冷却手段の冷却温度(例えば冷却流体の冷却温度)を測定するさらなる工程を含むことが好ましい。
【0040】
方法は、ウェブ材料を集合するための漏斗を提供する工程をさらに含んでもよい。漏斗は、最も高い圧縮の区域内でウェブ材料に接触する冷却フィンガーを備えてもよい。冷却フィンガーは、冷却流体用の貯蔵部を備えてもよい。冷却流体のための貯蔵部を提供することは有利なことに、特に貯蔵部が冷却流体で充填される場合に、冷却フィンガーの熱容量を増加させてもよい。冷却効果は、貯蔵部内の冷却流体を循環させる、または連続的に(もしくは代替的に不連続に)交換することによって、さらに改善される場合がある。
【0041】
方法は、冷却バーを提供する工程をさらに含んでもよい。冷却バーは冷却漏斗の後で、集合したロッドと接触してもよい。
【0042】
温度を測定する工程は、貯蔵部にて、または貯蔵部内部で実施されてもよい。温度を測定する工程は、冷却バーにて実施されてもよい。方法は、貯蔵部内の流体を摂氏プラス4度~摂氏マイナス10度の温度に冷却する工程を含むことが好ましい。方法は、冷却バーの端にて流体を摂氏プラス4度~摂氏マイナス10度の温度に冷却する工程を含むことが好ましい。
【0043】
連続ウェブ材料の材料温度の正確な測定は困難である。摩擦熱の集合および生成は、急速に変化するプロセスである場合があるため、材料温度の測定は、特に局所材料温度の観点からは、しばしば非常に正確ではない。例えば、連続ウェブ材料のほぼ最終的に集合されたロッドにおいて、ロッドの中心とロッドの外周上の位置との間に大きい温度差が存在する場合がある。
【0044】
従って、冷却された接触面の表面温度を測定することが好ましい。冷却された接触面の表面温度は動作中に測定することが好ましく、それ故に、本発明による方法を実施中に、または本発明による設備の動作時に測定することが好ましい。連続ウェブ材料が通り、冷却された接触面に接触する間に、冷却された接触面の表面温度を測定することが好ましい。接触面の表面温度を測定および制御することによって、集合された連続ウェブ材料の材料温度は、定義された材料パラメータおよびプロセスパラメータの後に制御されてもよい。冷却された接触面の表面温度は、成形プロセス中に異なる場所にて、例えば成形装置の異なる場所にて測定されることが好ましい。
【0045】
方法は、
‐ロッド形状の連続ウェブ材料の集合体を、接着剤が提供されたラッピング材料の連続的な細片でラッピングすることと、
‐冷却手段を用いてロッド冷却装置のロッド接触面を摂氏4度未満のロッド接触面温度に冷却し、かつ連続ウェブ材料の集合体の巻かれたロッドを冷却されたロッド接触面と接触させることと、
‐それによって、接着剤が提供された、かつ連続ウェブ材料の集合体のロッドの周りに巻かれたラッピング材料を、巻かれたロッドと接触している冷却されたロッド接触面によって冷却することと、をさらに含んでもよい。ウェブ材料の集合体の周りに巻かれたラッピング材料は、摂氏4度未満のラッパー温度に冷却されることが好ましい。
【0046】
連続ウェブ材料がその最終的なロッド形状へと集合された後、ロッドはラッピング段階に進む。そこで、接着剤が提供されたラッピング材料は、それそのものが閉じられてウェブ材料をラッピングし、ウェブ材料の巻かれた連続ロッドを形成する。
【0047】
ウェブ材料の集合体をラッピングするためのラッパー材料には、ウェブ材料の周りでラッパーを閉じるために、少なくとも継ぎ目に沿って接着剤が提供されている。こうした接着剤は加熱され、その後、高温になった時にラッパー材料に塗布されてもよい。別の方法として、または追加的に、ラッパー材料には接着剤が提供されてもよく、この接着剤は、接着剤を備えるラッパー材料の加熱後に液化される。塗布プロセスに関係なく、ウェブ材料の巻かれたロッドに熱が供給される。ロッドをラッピング後に供給された熱は、摩擦によって発生された熱に関して先に概説したのと同じ悪影響をウェブ材料に及ぼす場合があることが分かっている。これは特に、低いガラス転移温度または低い溶融温度を有するウェブ材料に当てはまる。それ故に、ウェブ材料のラッピング後に提供された熱を制限することが好ましく、または温度感受性の高いウェブ材料へと熱が進むことを回避する必要がある。巻かれたロッドの従来の冷却(例えば空気による冷却)は、ラッピング材料上の接着剤を安定化する場合があるが、熱がウェブ材料の中に貫通することを防止しない場合があることが分かっている。特に、摂氏4度未満の温度を提供する冷却手段を使用することによって、巻かれたロッドが冷却される時、ウェブ材料上への加熱された接着剤の影響は低減される場合があり、または回避される場合さえもあることが分かっている。特に、巻かれたロッドは、摂氏4度未満のロッド接触面温度を有するロッド接触面の接触によって冷却されてもよい。
【0048】
ラッパーは、摂氏4度未満のラッパー温度に冷却されることが好ましい。ラッパーは、例えば摂氏マイナス30度~摂氏4度、摂氏マイナス20度~摂氏4度、または摂氏マイナス10度~摂氏0度の温度に冷却されてもよい。
【0049】
集合中の連続ウェブ材料の過冷却によって、かつラッピング材料がロッドの周りに巻かれ、かつ閉じられた後の、ウェブ材料の巻かれたロッドの過冷却によって、ウェブ材料の製造された連続ロッドの再現性が改善される場合がある。材料パラメータは一定に、または小さい変動内に保たれる場合があり、材料が一緒に溶融することは、集合中およびラッピング中に防止または強力に制限される場合がある。
【0050】
本発明によると、連続ウェブ材料をロッドへと成形するための設備も提供されている。設備は、連続ウェブ材料を平坦な形状からロッド形状へと成形するための成形装置を備える。成形装置は、連続ウェブ材料をロッド形状にするための漏斗部分を備える。成形装置は、漏斗部分を通して案内可能な連続ウェブ材料に接触するための材料接触面を備える。設備はまた、摂氏4度未満の冷却温度を提供するための冷却手段を備える。成形装置は冷却手段と接続している状態にあり、また成形装置の材料接触面を摂氏4度未満の表面温度に冷却するために適合されている。その中で、材料接触面は、成形装置の漏斗部分の長さに沿って配設されていて、漏斗部分内で集合される間、連続ウェブ材料を冷却する。
【0051】
冷却手段は、摂氏4度未満の温度を有する冷却流体の供与源であることが好ましい。これらの実施形態において、成形装置は冷却流体供与源と流体接続している。
【0052】
設備は、ロッド形状のウェブ材料をラッピング材料の連続的な細片でラッピングするためのラッピング装置を備えることが好ましい。ラッピング材料には接着剤が提供されている。
【0053】
設備は、ウェブ材料の巻かれたロッドに接触するためのロッド接触面を備えるロッド冷却装置を備えることが好ましい。ロッド冷却装置は、ラッピング装置のロッド接触面を摂氏4度未満のロッド接触面温度に冷却するために適合されている。それによって、ウェブ材料のロッドの周りに巻かれたラッピング材料は、ラッパー温度に、好ましくは摂氏4度未満のラッパー温度に冷却される。
【0054】
ロッド接触面を冷却するために、ロッド冷却装置は、摂氏4度未満の冷却温度を提供する冷却手段と接続している状態にある。ロッド接触面を冷却するために、ロッド冷却装置は、摂氏4度未満の流体温度を有する冷却流体の供与源と流体接続していることが好ましい。
【0055】
摂氏4度未満の冷却温度を提供する同じ冷却手段が、成形装置を冷却するために、およびロッド冷却装置を冷却するために使用されてもよい。成形装置のために、およびロッド冷却装置のために、別個の冷却手段が使用されてもよい。別個の冷却手段は、例えば異なる温度を提供してもよく、または例えばペルチェ素子の形態の冷却手段、もしくは冷却流体の使用など、異なる冷却のやり方に基づいてもよい。
【0056】
例えば、摂氏4度未満の流体温度を有する冷却流体の同じ供与源が、成形装置を冷却するために、およびロッド冷却装置を冷却するために使用されてもよい。成形装置のために、およびロッド冷却装置のために、別個の冷却流体供与源が使用されてもよい。冷却流体の別個の供与源は、例えば異なる温度または異なる流体組成を有する冷却流体を含んでもよい。
【0057】
ウェブが集合されてロッドへと形成される間に、また好ましくはウェブがロッドへと形成されて巻かれた後に過冷却される間に、ウェブ材料を過冷却するための設備の利点は、本発明による方法に関連して既に説明されていて、繰り返さない。
【0058】
連続ウェブ材料を平坦な形状からロッド形状へと集合することは、連続ウェブ材料の搬送方向に対して垂直な方向に連続ウェブ材料を連続的に集合することを含むことが好ましい。こうした集合は、固定成形装置によって行われることが好ましい。これは、例えば移動成形装置を使用する方法と比較して特に単純な、ウェブ材料集合のやり方である。
【0059】
成形装置は漏斗部分を備えることが好ましく、漏斗部分の少なくとも一部は、上方漏斗部と、長軸方向に延びる収斂する溝を備える下方搬送平面とを備える。
【0060】
上方漏斗部および下方搬送平面は一緒に成形装置を形成してもよい。上方漏斗部および下方搬送平面はまた、成形要素を少なくとも部分的に形成してもよい。それ故に、さらなる成形要素(例えば成形装置の上流に配設された余分な漏斗部分または捲縮装置)が、成形装置を形成するために提供されてもよい。余分な漏斗部分は、例えば金属漏斗であってもよい。漏斗は被覆されているか、または減摩材料から成ることが好ましい。
【0061】
一部の実施形態において、上方漏斗部は、成形装置の半分、例えば上半分を形成する。これらの実施形態において、下方搬送平面は、例えば成形装置の下半分など、成形装置のもう一方の半分を形成する。
【0062】
上方漏斗部は、連続ウェブ材料の一部分を凹状円周形状にする。搬送平面内に延びる下方搬送平面または溝は、残りの周囲に沿って漏斗部分を閉じ、これによって連続材料は成形装置内に案内される。
【0063】
漏斗部分は、連続ウェブ材料を円形状または楕円形の円周形状にするための内側凹形状を有することが好ましい。特に、成形装置の材料接触面、より具体的に上方漏斗部は、凹形状を有してもよい。成形装置の材料接触面は、ウェブ材料の搬送方向に収斂する収斂凹形状を有することが好ましい。
【0064】
材料接触面の表面温度は、接触面の一つの場所で測定されることが好ましく、二つ以上の場所で測定されることがより好ましい。
【0065】
冷却された接触面を備える成形装置の上流に配設された漏斗、好ましくは余分な漏斗部分は、構造表面を備える。構造は、漏斗表面と、漏斗を通過するウェブ材料との直接接触を低減する場合がある。これは摩擦熱の発生を低減する場合がある。構造はまた、ウェブ材料への漏斗の冷却動作を弱める場合がある。
【0066】
ウェブ材料が漏斗を通過するにつれて、連続ウェブ材料と漏斗の構造化された表面との接触または非接触が変化するように、漏斗の表面構造が選ばれることが好ましい。漏斗の構造化された表面を通過するウェブ材料の同じ部分が、漏斗の構造化された表面の構造と常に接触していない、または永久的に接触していないように、構造が選ばれることが好ましい。
【0067】
構造は規則的な構造であってもよく、または不規則な構造であってもよい。構造は、例えば波状線構造、または分岐もしくは収斂する線構造であってもよく、またはウェブ材料の搬送方向に沿って見た時に、へこみが横方向に変位する様態で配設されていることが好ましいへこみ構造であってもよい。
【0068】
成形装置の搬送平面は、ラッピング材料の連続的な細片を支持するように機能してもよい。成形方法は、成形装置の搬送平面に沿ってラッピング材料の連続的な細片を案内する工程を含むことが好ましい。
【0069】
連続ウェブ材料は、ラッピング材料上に配設されてもよく、またラッピング材料上で下流搬送方向に搬送されてもよい。搬送平面内の溝は、横断方向に収斂する凹形状であることが好ましい。溝は、搬送平面の全長に沿って、または長さの一部のみに沿って延びてもよい。
【0070】
ラッピング材料は、連続ウェブ材料の集合体を部分的にラッピングする溝の内側ライナーを形成する。連続ウェブ材料がその最終的なロッド形状に集合された後、ラッピング材料はロッドの周りに完全に巻かれていて、ロッドをそのロッド形状に固定する。こうした連続的なまたは融合されたロッドの形成およびラッピングは、集合に抵抗する傾向のある弾性のあるウェブ材料(例えば多くの種類のプラスチック箔など)で特に好ましい。
【0071】
有利なことに、ロッド冷却装置は、成形装置の下流およびラッピング装置の下流に配設されている。ロッド冷却装置はまた、ラッピング装置またはラッピング要素へと統合されてもよく、これによってラッピング材料の冷却は、ラッピングと同時に、またはラッピングの直後に生じてもよい。
【0072】
ロッド冷却装置のロッド接触面は、凹形状を有することが好ましい。ロッド接触面の形状は、ロッド冷却装置の長さにわたって一定であることが好ましい。
【0073】
ロッド接触面を備えるロッド冷却装置の部分は、搬送平面の上方に取り外し可能に据え付けられていることが好ましい。これは、ラッピングプロセスを観察することを可能にする。ロッド接触面は、ラッピング材料と接触していることが好ましい。ロッド接触面は少なくとも、ロッド冷却装置の熱伝導性部分と熱的に接触していることが好ましく、ロッド接触面は、ラッピング装置の熱伝導性部分と熱的に接触していることが好ましい。
【0074】
ロッド接触面は、ロッドの長軸方向の延長に沿って、または搬送方向に沿って延びる。ロッド接触面は、約10センチメートル~約80センチメートル、好ましくは約30センチメートル~60センチメートルのウェブ材料の搬送方向の長さを有してもよい。
【0075】
ロッド接触面の温度は、ロッド接触面の長さに沿って、一つの場所で測定されることが好ましく、二つ以上の場所で測定されることがより好ましい。
【0076】
材料接触面は、ウェブ材料の搬送方向で漏斗部分に沿って延びる。材料接触面は、漏斗部分の上流端から漏斗部分の下流端に延びてもよい。特に、材料接触面は、上方漏斗部の上流端から上方漏斗部の下流端に延びてもよい。これによって、大半の摩擦が生じる、かつ摩擦力に起因する大半の熱が発生する集合断面において、連続ウェブ材料の過冷却が起こる。材料接触面は、成形装置の最上流端から、成形装置の最下流端に延びてもよい。これによって、ウェブ材料は、平坦な形状から最終的なロッド形状への集合中に冷却されてもよい。
【0077】
材料接触面およびロッド接触面は少なくとも、ウェブ材料の集合体もしくはロッドの周囲または周辺の一部に沿って延びる。接触面は、ウェブ材料の周囲に沿って約90度と360度の間で延びてもよい。それ故に、冷却された接触面は、ウェブ材料を部分的にまたは完全に包囲してもよい。接触面は、ウェブ材料の周囲に沿って少なくとも約90度延びることが好ましい。接触面は、ウェブ材料の周囲に沿って少なくとも約180度延びることがより好ましい。接触面は、冷却手段、好ましくは冷却流体との熱的接触によって冷却されることが好ましい。
【0078】
設備の能動的に冷却された部品は、設備の他の部品と熱的に接触していて、これによって接触面は、設備の能動的に冷却された部品との熱的接触によって冷却されてもよい。
【0079】
好ましくは、能動的に冷却された上方漏斗部分は、搬送平面と熱的に接触している。ウェブ材料の下方接触面の役割を(場合によってはウェブ材料の下に配設されたラッピング材料の細片によって)果たす搬送平面内の溝は、上方漏斗部分との熱的接触によって冷却されてもよい。これによって、360度の冷却接触面が、上方漏斗部分と下方搬送平面の間で集合されるウェブ材料のために使用可能である。
【0080】
接触面と熱的に接触している設備部品は、良好な熱伝導体、例えば金属で作製されていることが好ましい。冷却要素または冷却要素の接続部品および接触面に使用される熱伝導性材料は、少なくとも10W/mKの熱伝導率を有することが好ましい。本発明の設備内のウェブ材料の冷却のために使用される熱伝導性材料は、少なくとも200W/mKの熱伝導率を有することが好ましい。
【0081】
本明細書で使用される通りの連続ウェブ材料は例えば、エアロゾル発生物品(例えば電子喫煙装置用のエアロゾル発生物品)の製造に使用される材料のウェブである。連続ウェブ材料はプラスチックウェブ、例えばポリ乳酸の連続ウェブであることが好ましい。連続ウェブ材料はエアロゾル形成基体であってもよい。
【0082】
一部の実施形態において、連続ウェブ材料は、エアロゾル形成材料で浸漬または含浸されていてもよい。そのような連続ウェブ材料は、非エアロゾル形成基体であってもよい。浸漬または含浸は、連続ウェブ材料の捲縮の前に、または集合の前に、または集合中に実施されてもよい。好ましくは、エアロゾル形成基体の加熱に伴い、またはエアロゾル形成材料で浸漬もしくは含浸させた連続ウェブ材料の加熱に伴い、物質が基体からまたはウェブ材料から放出され、この物質は吸入可能なエアロゾルを形成してもよい。
【0083】
連続ウェブ材料は、個別のプラグの将来の製造のために無限ロッドへと形成されていることが好ましい。ロッド形成に伴い、サセプタがロッド内に挿入されてもよい。例えば、サセプタ細片は、ウェブ材料の集合中に連続ウェブ材料中に挿入されてもよい。これによって、誘導加熱可能なロッドまたはプラグが製造されてもよい。
【0084】
連続ウェブ材料は、本発明による設備内で形成される前に前処理されていることが好ましい。前処理は、例えば捲縮、またはエンボス加工、またはその両方である。
【0085】
方法は、長軸方向に配設された捲縮を有する、捲縮された連続ウェブ材料を提供することを含むことが好ましい。捲縮は、ウェブ材料の搬送方向に配設されている。連続ウェブ材料の集合に伴い、捲縮に沿った長軸方向チャネルを形成する。長軸方向チャネルは、ウェブ材料の集合体によって形成された物品、またはウェブ材料の集合体のプラグを備える物品の引き出し抵抗を画定する。集合の際のウェブ材料の溶融によるこうした長軸方向チャネルの融合を防止することは、ウェブ材料の集合体の引き出し抵抗の再現性を達成することを可能にする。長軸方向チャネルの融合を防止することは、他の実質的に気体不透過性であるウェブ材料を使用する時に、特に有利である。
【0086】
本発明による方法で使用される連続ウェブ材料は、摂氏150度未満のガラス転移温度を有する。連続ウェブ材料は、摂氏100度未満のガラス転移温度を有することが好ましい。ガラス転移温度は溶融温度未満であるため、連続ウェブ材料はまた、好ましくは摂氏150度前後である、またはそれよりも低い溶融温度も有する。ガラス転移温度は、正確な温度ではなく範囲を指すため、特定のガラス温度の前後プラスマイナス摂氏20度を含むことが好ましく、特定のガラス転移温度の前後プラスマイナス摂氏5度を含むことがより好ましい。
【0087】
連続ウェブ材料は、約5パーセント未満、好ましくは約2パーセント未満の空隙率を有することが好ましい。連続ウェブ材料は、気体不透過性、例えば空気不透過性であることが最も好ましい。
【0088】
連続ロッドを形成するために使用される材料は、低い空隙率を有する、または実質的に空隙率を有しないことが好ましい。
【0089】
空隙率は本明細書において、ウェブ材料を通って延びる細孔または開口部の尺度として定義されている。例えば、合計でウェブ面積の50パーセントになる開口部または細孔をウェブ材料が備える場合、空隙率は50パーセントであることになる。同様に、ウェブ材料が完全に高密度であり、ウェブを通って延びる細孔を有していない場合、ウェブ材料は0パーセントの空隙率を有する。空隙率は、周知の方法を使用して測定または計算されてもよい。
【0090】
例えばロッドは、例えばポリマーウェブなどのウェブ材料、またはポリエチレン(摂氏約マイナス130度~摂氏約マイナス80度のガラス転移温度、摂氏約115度~摂氏約130度の溶融温度を有する)、ポリプロピレン(摂氏約マイナス20度~摂氏約0度のガラス転移温度、摂氏約130度~摂氏約170度の溶融温度を有する)、ポリ塩化ビニル(摂氏約60度~摂氏約87度のガラス転移温度、摂氏約160度~摂氏約260度の溶融温度を有する)、ポリエチレンテレフタレート(摂氏約70度のガラス転移温度、摂氏約250度未満の溶融温度を有する)、ポリ乳酸(摂氏約50度~摂氏約65度のガラス転移温度、摂氏約155度の溶融温度を有する)、セルロースアセテート(摂氏約100度~摂氏約130度のガラス転移温度、摂氏約170度~摂氏約240度の溶融温度を有する)から成る群から選択されるウェブ材料から形成されてもよい。
【0091】
本発明による設備および方法は、低いガラス転移温度を有する材料にとって特に適している。設備において形成された、かつ本発明による連続ウェブ材料は、摂氏150度未満の、例えば摂氏100度未満のガラス転移温度を有する。連続ウェブ材料はプラスチック材料、例えばポリ乳酸であることが好ましい。連続材料は、捲縮した連続ウェブ材料であってもよい。
【0092】
以下の図面によって図示されている実施形態に関して、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
図1図1は、ロッド製造プロセスの漏斗段階の概略図である。
図2図2は、成形・冷却装置を示す。
図3図3は、ロッド冷却装置を有する図2の設備を示す。
【発明を実施するための形態】
【0094】
図1に概略的に示す製造プロセスにおいて、および図2に示す設備において、連続ウェブ材料1、例えばポリ乳酸は、貯蔵ボビン(図示せず)から巻き出されている。ポリ乳酸のウェブは好ましくは、ウェブ材料1が集合されて、連続ロッドへと圧縮される異なるプロセス(例えば捲縮プロセスから成形装置2における成形プロセスまで)を通して搬送される。
【0095】
ウェブ材料1は、矢印100によって示された加工・搬送方向で上方成形要素20の半漏斗内部に入る。
【0096】
ロッド成形は、上方成形要素20および下方閉鎖要素21によって実施される。上方成形要素20は、閉鎖要素21の反対側に配設されている。成形要素20は半漏斗であり、上部からウェブ材料1を成形する。閉鎖要素21は、溝を備える搬送平面であり、ラッピング材料、例えばラッピングペーパー5が、ロッド形状のウェブ材料1をウェブ材料に沿ってラッピングするための溝内に案内されている。成形装置2の底部上で搬送平面に沿って、ウェブ材料1は、ウェブ材料1と同じ速さで搬送方向100に沿って移動するラッピングペーパー5と接触する。ラッピングペーパー5は、ラッピングペーパー5を引くガニチャーテープ51上に置かれている。これによって、ウェブ材料1もまた、成形装置2の漏斗の中に、漏斗を通して引かれる。
【0097】
閉鎖要素21の搬送平面内の溝は典型的に、漸進的な凹形状を取り、この形状はウェブ材料1の圧縮および成形を支持する。成形装置2の下流で、ラッピングペーパーは折り曲げられ、それそのものが閉じられていて、連続的な円筒状の巻かれたロッド、好ましくは紙の中に巻かれたポリ乳酸ロッドを形成している。ロッドはその後、個別のプラグへと切断されてもよく、それによってエアロゾル発生物品の製造プロセスにおいて使用される構成要素またはセグメントを生成する。
【0098】
約200メートル/分~約500メートル/分の搬送速度にて、ウェブ材料1と、好ましくは金属であるが静止している成形装置2との間に相当な摩擦が生じる。ウェブ材料が最も圧縮されている領域において、ウェブ材料は最も加熱される。これは図1において、線200によって示されている。
【0099】
図2に示す通り、ウェブ材料は、上流漏斗22内でわずかに集合されている。上流漏斗22は、ウェブ材料1と上流漏斗22の表面との間の接触を低減するために、構造化された表面を有する金属から作製されている。
【0100】
漏斗表面の構造は、ウェブ材料の搬送方向に沿って見た時にへこみが互いに横方向にずれて配設されている、へこみ構造である。これによって、ウェブ材料1は、上方漏斗22を通過する時に、上流漏斗22の壁と不連続的に接触している。
【0101】
加えて、上流漏斗22の材料は減摩材料であるか、または減摩コーティングが提供されている。
【0102】
そのガラス転移温度を上回る、またはその溶融温度を上回るウェブ材料1の摩擦に関連する過熱を回避するために、上方漏斗部分20の接触面は冷却される。
【0103】
接触面は、摂氏0度未満の温度を有する冷却流体を使用することによって、摂氏0度未満の温度に冷却される。例えば、冷却流体だけでなく半漏斗部分20の接触面は、摂氏約マイナス5度の温度を有する。冷却流体は、50パーセントの水と50パーセントのグリコールの混合物であることが好ましい。
【0104】
冷却要素34は、上方半漏斗20の上方に配設されている。冷却要素34は、冷却要素34内の冷却流体回路を通して循環する冷却流体によって冷却される。冷却要素34は、上方半漏斗20と直接接触していて、上方半漏斗34との一体型で製造されてもよい。冷却要素34は、漏斗の壁を摂氏0度未満の温度に保つ。ウェブ材料1と漏斗管の壁との直接接触によって、ウェブ材料は漏斗管壁の接触面によって冷却される。冷却要素は部分的に中空であり、約100ミリリットルの内部貯蔵部を作り出す。
【0105】
冷却流体は、流体入口23によって冷却要素34の上流部分の中に導入され、冷却要素34に沿って内部を通る。冷却流体は、冷却要素の下流端にある流体出口24にて冷却要素34を離れる。冷却流体が通過する冷却要素34は、上方半漏斗20、および上方半漏斗の接触面と熱的に接触している。冷却要素34だけでなく上方半漏斗は、熱伝導性材料、例えば銅などの金属で作製されている。
【0106】
閉鎖要素21、特に溝を備える搬送平面は、冷却された上方半漏斗20と熱的に接触していることが好ましい。また、この熱的接触を通して、成形装置2を通る連続ウェブ材料1の下側は、冷却要素34によって間接的に冷却される。閉鎖要素21は、冷却要素34から搬送平面内の溝への冷たさ(cold)の熱伝達を支持するために、例えば金属などの熱伝導性材料で作製されることが好ましい。
【0107】
接触面は、接触面の下流端および上方半漏斗20の下流端に対して収斂する凹形状を有する。それ故に、ウェブ材料1は成形装置内でロッド形状に集合および形成され、それによって、摂氏0度未満の温度を有する接触面によって常に冷却される。それ故に、ウェブ材料の温度は、その溶融温度をはるかに下回る温度に、かつそのガラス転移温度をはるかに下回る温度に保たれる。
【0108】
ウェブ材料自体は、摂氏4度未満の温度に冷却されることが好ましい。ポリ乳酸のウェブの場合、材料の温度は摂氏30度未満の温度に保たれることが好ましい。これは、冷却要素34の貯蔵部内の冷却流体の温度を摂氏約マイナス5度に下げることによって達成されることが好ましい。
【0109】
成形装置2の冷却された接触面と直接接触しながらウェブ材料が冷却される長さ37の実施例は、約0.05メートルおよび0.5メートルである。この長さは、成形要素の上方半漏斗20の長さに対応することが好ましい。
【0110】
図3において、図2の成形装置2の一部が見られうるだけでなく、下流に配設されたラッピング部およびロッド冷却装置6が見られうる。
【0111】
成形装置2内でロッドへと成形されたウェブ材料1は、ロッド形成装置50においてラッピングペーパーで完全に巻かれている。ロッド形成装置50において、ラッピング材料5には接着剤の継ぎ目が提供され、それそのものが閉じられていて、それによってウェブ材料の巻かれたロッドを形成している。
【0112】
ロッド冷却装置6は、ラッピング装置のすぐ下流に配設されている。ロッド冷却装置6は、搬送平面11の上方および溝12の上方に配設された長軸方向の本体60を備え、この中にウェブ材料の巻かれたロッドが案内されている。
【0113】
ロッド冷却装置6の本体60は、その上流端にて冷却流体入口63を、その下流端にて冷却流体出口64を備える。冷却流体は、成形装置2を冷却するために使用される冷却流体と同じであることが好ましい。巻かれたロッドを冷却するための冷却流体は、例えば摂氏約マイナス5度などの摂氏0度未満の温度を有する。冷却流体はロッド冷却装置6を通過し、かつロッド冷却装置6のロッド冷却接触面61を摂氏0度未満の温度に冷却する。
【0114】
ロッド接触面は本体60に沿って延び、ロッド接触面61の下を通るウェブ材料の巻かれたロッドにきちんと接触するような凹形状を有することが好ましい。
【0115】
ロッド冷却装置6、またはロッド接触面61を有する少なくとも本体60は、冷却位置から引っ込められた位置の中に持ち上げられるように、アームの周りで回転可能である。冷却位置において、ロッド冷却装置6は基本的に、搬送平面11に沿って案内されたガニチャーテープ51の上方に屋根を形成する。図3において、ロッド冷却装置6は引っ込められた位置で示されている。引っ込められた位置において、ロッド冷却装置6は、製造プロセスのラッピングプロセスおよびロッド冷却部への自由なアクセスおよび視界を可能にする。
図1
図2
図3
【国際調査報告】