(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(54)【発明の名称】ニコチンポッドアセンブリおよびニコチンeベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20230120BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230120BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20230120BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022527191
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2020083551
(87)【国際公開番号】W WO2021105309
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー ナイル
(72)【発明者】
【氏名】ウルマン ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】キーン ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】パティル ビピン
(72)【発明者】
【氏名】ダイアナ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】サンダー ランガラジ エス
(72)【発明者】
【氏名】トュワイト ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ヨークシェーズ ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC02
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
ニコチンeベイピング装置のためのニコチンポッドアセンブリは、第一のセクションと第一のセクションに接続された第二のセクションとを含む。第一のセクションは、ポッド出口を画定し、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成される。第二のセクションは、ポッド入口を画定し、ニコチンプレベイパー製剤を加熱するように構成される。ポッド入口は、ポッド出口と流路を介して流体連通している。流路は、第一の分岐部分(330a)、第二の分岐部分(330b)、および合流部分(330c)を含む。ニコチンeベイピング装置は、ニコチンポッドアセンブリが貫通穴内に置かれた時に、空気流に対してポッド入口が露出するように、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する装置本体を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポッド出口を画定し、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成された第一のセクションと、
前記第一のセクションに接続された第二のセクションであって、ポッド入口を画定し、前記ニコチンプレベイパー製剤を加熱するように構成され、前記ポッド入口が、前記ポッド出口と流路を介して流体連通しており、前記流路が、第一の分岐部分、第二の分岐部分、および合流部分を含む、第二のセクションと、を備える、ニコチンeベイピング装置のためのニコチンポッドアセンブリ。
【請求項2】
前記第一のセクションが、前記ニコチンポッドアセンブリの起動まで、前記ニコチンプレベイパー製剤を密封するように構成される、請求項1に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項3】
前記第二のセクションが、前記ニコチンポッドアセンブリの前記起動中に前記第一のセクションから前記ニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された穿孔器を含む、請求項2に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項4】
前記穿孔器が、前記穿孔器の早すぎる作動を防止するためにクリップと係合するように構成されたノッチを含む、請求項3に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項5】
前記ポッド入口が、前記流路の前記第一の分岐部分および前記第二の分岐部分の上流にある、請求項1~4のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項6】
前記流路の前記合流部分が、前記第一の分岐部分および前記第二の分岐部分の下流にある、請求項1~5のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項7】
前記第一の分岐部分および前記第二の分岐部分が合流して前記流路の前記合流部分を形成する、請求項1~6のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項8】
前記第二のセクションが、流入する空気流を前記流路の前記第一の分岐部分および前記第二の分岐部分の中に方向付けるように構成された仕切りを含む、請求項1~7のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項9】
前記仕切りがくさび形状であり、前記流入する空気流を反対方向に分割するように構成されている、請求項8に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項10】
前記第一の分岐部分が、第一の湾曲セグメントを含む、請求項1~9のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項11】
前記第二の分岐部分が、第二の湾曲セグメントを含む、請求項1~10のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項12】
前記第一の分岐部分および前記第二の分岐部分が、前記流路の前記合流部分に対応する軸によって二等分される対称的な部分である、請求項1~11のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項13】
前記第二のセクションが、前記流路の前記合流部分の下流にヒーターおよび芯を含む、請求項1~12のいずれかに記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項14】
前記ヒーターが、前記芯を把持するように構成された折り畳まれた発熱体を含む、請求項13に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項15】
前記折り畳まれた発熱体が、前記芯の中に突出するように構成された少なくとも一つのプロングを含む、請求項14に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項16】
前記第二のセクションが、ホルダー内に置かれた吸収性材料をさらに含み、前記吸収性材料が、前記芯の下流にあり、前記芯と流体連通している、請求項13または14に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項17】
前記吸収性材料が、前記第一のセクションから前記ニコチンプレベイパー製剤を受容するように構成され、前記芯が、前記吸収性材料から前記ヒーターに前記ニコチンプレベイパー製剤を伝達するように構成される、請求項16に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項18】
前記吸収性材料が、環状形態を有し、前記芯が平面形態を有する、請求16または17に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項19】
前記ホルダーが、基部部分および円筒状部分を含む、請求項16、17または18に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【請求項20】
ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する装置ハウジングであって、前記貫通穴が、上流側壁および下流側壁を含み、前記上流側壁が、少なくとも一つの上流突出部を含み、前記下流側壁が、少なくとも一つの下流突出部を含み、前記少なくとも一つの下流突出部が、前記下流側壁の隣接する表面に対して後退可能であり、かつ前記ニコチンポッドアセンブリの少なくとも一つの下流陥凹部と係合して前記ニコチンポッドアセンブリを前記貫通穴内に保持するように構成される、装置ハウジング、を備える、ニコチンeベイピング装置のための装置本体。
【請求項21】
第一のセクションおよび第二のセクションを含むニコチンポッドアセンブリであって、前記第一のセクションが、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成され、前記第二のセクションが、空気流が前記第一のセクションを通過する前に、前記空気流を分岐させてニコチンポッドアセンブリの中に合流させるように構成される、ニコチンポッドアセンブリと、
前記ニコチンポッドアセンブリが前記貫通穴内に置かれた時に、前記空気流に対してポッド入口が露出するように、前記ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する、装置本体と、を備える、ニコチンeベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン電子ベイピング(eベイピング)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一部のニコチンeベイピング装置は、第二のセクションに連結された第一のセクションを含む。第一のセクションは、芯およびヒーターを含み得る。芯は、毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を移動させるように構成されており、かつ貯蔵部およびベイパー通路の中に延びるように位置付けられている。ヒーターは、芯と熱的に接触し、芯を介してベイパー通路の中に引き出されたニコチンプレベイパー製剤を気化するように構成されている。第二のセクションは、ベイピング中にヒーターに電流を供給するように構成された電源を含む。ニコチンeベイピング装置の動作の開始は、手動および/または吸煙起動を通して達成され得る。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置のためのニコチンポッドアセンブリに関する。
【0004】
例示的な実施形態では、ニコチンポッドアセンブリは、第一のセクションと第一のセクションに接続された第二のセクションとを含み得る。第一のセクションは、ポッド出口を画定し、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成され得る。第二のセクションは、ポッド入口を画定し、ニコチンプレベイパー製剤を加熱するように構成され得る。ポッド入口は、ポッド出口と流路を介して流体連通している。流路は、第一の分岐部分、第二の分岐部分、および合流部分を含み得る。
【0005】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置のための装置本体に関する。
【0006】
例示的な実施形態では、装置本体は、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する装置ハウジングを含み得る。貫通穴は、上流側壁および下流側壁を含む。上流側壁は少なくとも一つの上流突出部を含み、下流側壁は少なくとも一つの下流突出部を含む。少なくとも一つの下流突出部は、下流側壁の隣接する表面に対して後退可能であり、ニコチンポッドアセンブリの少なくとも一つの下流陥凹部と係合して、ニコチンポッドアセンブリを貫通穴内に保持するように構成されている。
【0007】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置に関する。
【0008】
例示的な実施形態では、ニコチンeベイピング装置は、ニコチンポッドアセンブリと、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された装置本体とを含み得る。ニコチンポッドアセンブリは、第一のセクションと第二のセクションとを含み得る。第一のセクションは、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成され得る。第二のセクションは、空気流が第一のセクションを通過する前に、ニコチンポッドアセンブリの中に入る空気流を分岐および合流させるように構成され得る。装置本体は、ニコチンポッドアセンブリが貫通穴内に置かれた時に、空気流に対してポッド入口が露出するように、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定し得る。
【0009】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
【
図2】
図2は、
図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
【
図4】
図4は、
図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
【
図5】
図5は、
図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
【
図6】
図6は、
図1のニコチンeベイピング装置の斜視図である。
【
図8】
図8は、
図6のニコチンeベイピング装置の断面図である。
【
図9】
図9は、
図6のニコチンeベイピング装置の装置本体の斜視図である。
【
図15】
図15は、
図14のマウスピース、ばね、保持構造、およびベゼル構造の拡大斜視図である。
【
図16】
図16は、
図14の前部カバー、フレーム、および後部カバーに係る部分分解図である。
【
図17】
図17は、
図6のニコチンeベイピング装置のニコチンポッドアセンブリの斜視図である。
【
図24】
図24は、
図17のニコチンポッドアセンブリの第一のハウジングセクションに係る分解図である。
【
図25】
図25は、
図17のニコチンポッドアセンブリの第二のハウジングセクションに係る部分分解図である。
【
図28】
図28は、芯およびヒーターを含まない、
図22のコネクタモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0012】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、あらゆる変更、同等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0013】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、「に取り付けられる」、「に隣接する」、「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の直接的に上にある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、それに直接的に取り付けられる、それに直接的に隣接する、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上のいくつかの、またはすべての組み合わせ、または部分組み合わせを含む。
【0014】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、領域、層、および/またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0015】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。したがって、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0016】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および/または「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、および/または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0017】
例示的な実施形態の説明において「同じ(same)」または「同一の(identical)」という用語が使用される場合、当然のことながら、ある程度の不正確性が存在し得る。したがって、一つの要素または値が別の要素または値と同じであると言及される場合、当然のことながら、要素または値は、製造または動作公差範囲内(例えば、±10パーセント)で他の要素または値と同じである。
【0018】
「約(about)」または「実質的に(substantially)」という用語は、数値に関連して本明細書で使用されており、当然のことながら、それに伴う数値は、述べられた数値の前後の製造または動作公差(例えば、±10パーセント)を含む。さらに、「一般に(generally)」および「実質的に(substantially)」という単語が幾何学的形状に関連して使用される時、当然のことながら、その幾何学的形状の正確さは要求されないが、形状の許容範囲は本開示の範囲内である。
【0019】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0020】
ハードウェアは、一つ以上のプロセッサ、一つ以上の中央処理装置(CPU)、一つ以上のマイクロコントローラ、一つ以上の演算論理ユニット(ALU)、一つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、一つ以上のマイクロコンピュータ、一つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一つ以上のシステムオンチップ(SoC)、一つ以上のプログラマブル論理ユニット(PLU)、一つ以上のマイクロプロセッサ、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)または定義された様態で命令に応答および実行する能力を有する任意の他の装置などを含むが、これらに限定されない処理または制御回路を使用して実装されてもよい。
【0021】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
図2は、
図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
図3は、
図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
図1~3を参照すると、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された装置本体100を含む。ニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたモジュール式の物品である。ニコチンプレベイパー製剤は、ニコチンベイパーへと変形され得る材料または材料の組み合わせである。例えば、ニコチンプレベイパー製剤は、液体、固体、および/またはゲル製剤を含み得る。これらは、例えば、限定されないが、水、油、エマルション、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、ニコチン、天然または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、および/またはベイピングに好適であり得る任意の他の成分を含み得る。ベイピング中、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。ニコチンベイパー、ニコチンエアロゾルおよびニコチン分散液は、互換的に使用され、開示される装置、特許請求される装置、および/またはその同等物によって発生または出力される物質を指し、こうした物質はニコチンを含有する。ニコチンeベイピング装置装置500は、電子ニコチン送達システム(ENDS)と見なされ得る。
【0022】
図1および3に示すように、ニコチンeベイピング装置500は、長軸方向に延び、その幅よりも大きい長さを有する。さらに、
図2に示すように、ニコチンeベイピング装置500の長さはまた、その厚さよりも大きい。さらに、ニコチンeベイピング装置500の幅は、その厚さよりも大きくてもよい。x-y-zデカルト座標系を仮定すると、ニコチンeベイピング装置500の長さはy方向に測定されてもよく、幅はx方向に測定されてもよく、厚さはz方向に測定されてもよい。ニコチンeベイピング装置500は、その正面図、側面図、および背面図に基づいて、テーパー付き端を有する実質的に直線状の形態を有してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。
【0023】
装置本体100は、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108を含む。前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路を封入する装置ハウジングを形成する。例えば、装置本体100の装置ハウジングは、ニコチンポッドアセンブリ300に電流を供給することを含み得る、ニコチンeベイピング装置500に給電するように構成された電源を封入してもよい。さらに、組み立てられた時、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、装置本体100の可視部分の大部分を構成し得る。装置ハウジングは、マウスピース102を除いて、装置本体100の全ての構成部分を含むものと見なされ得る。別の言い方をすると、マウスピース102および装置ハウジングが装置本体100を形成していると見なされ得る。
【0024】
前部カバー104(例えば、第一のカバー)は、ベゼル構造112を収容するように構成された一次開口部を画定する。一次開口部は、丸みのある長方形の形状を有してもよいが、ベゼル構造112の形状に応じて他の形状も可能である。ベゼル構造112は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通穴150を画定する。貫通穴150は、例えば、
図9に関連してより詳細に本明細書で説明される。
【0025】
前部カバー104はまた、光ガイド配設を収容するように構成された二次開口部を画定する。二次開口部は、スロット(例えば、セグメント化されたスロット)に類似してもよいが、光ガイド配設の形状に応じて他の形状も可能である。例示的な実施形態では、光ガイド配設は、光ガイドレンズ116を含む。さらに、前部カバー104は、第一のボタン118および第二のボタン120を収容するように構成された三次開口部および四次開口部を画定する。三次開口部および四次開口部の各々は、丸みのある四角形に類似してもよいが、ボタンの形状に応じて他の形状も可能である。第一のボタンハウジング122は、第一のボタンレンズ124を露出するように構成され、第二のボタンハウジング123は、第二のボタンレンズ126を露出するように構成されている。
【0026】
ニコチンeベイピング装置500の動作は、第一のボタン118および第二のボタン120によって制御されてもよい。例えば、第一のボタン118は、電力ボタンであってもよく、第二のボタン120は、強度ボタンであってもよい。図面には二つのボタンが図示されるが、当然のことながら、利用可能な特徴および所望のユーザーインターフェースに応じて、より多くの(またはより少ない)ボタンが提供される場合がある。
【0027】
フレーム106(例えば、基部フレーム)は、装置本体100(およびニコチンeベイピング装置500全体)の中央支持構造である。フレーム106は、シャーシと呼ばれ得る。フレーム106は、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間の一対の側面セクションを含む。近位端および遠位端は、下流端および上流端ともそれぞれ呼ばれ得る。本明細書で使用される「近位」(および、逆に「遠位」)とは、ベイピング中の成人eベイピング装置使用者に対するものであり、「下流」(および、逆に「上流」)という用語は、ニコチンベイパーの流れに対するものである。架橋セクションが、さらなる強度および安定性のために、側面セクションの対向する内表面の間(例えば、フレーム106の長さに沿ってほぼ中間)に提供されてもよい。フレーム106は、モノリシックな構造となるように一体的に形成されてもよい。
【0028】
構造の材料に関して、フレーム106は、合金またはプラスチックで形成され得る。合金(例えば、ダイキャストグレード、マシナブルグレード)は、アルミニウム(Al)合金または亜鉛(Zn)合金であってもよい。プラスチックは、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはそれらの組み合わせ(PC/ABS)であってもよい。例えば、ポリカーボネートは、LUPOY SC1004Aであってもよい。さらに、フレーム106は、機能的および/または審美的な理由から(例えば、高級な外観を提供するために)、表面仕上げが提供されてもよい。例示的な実施形態では、フレーム106(例えば、アルミニウム合金で形成される場合)は陽極酸化されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、亜鉛合金で形成される場合)は、硬質エナメルで被覆されてもよく、または塗装されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、ポリカーボネートで形成される場合)は金属化されてもよい。さらに別の実施形態では、フレーム106(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレンで形成される場合)は、電気メッキされてもよい。当然のことながら、フレーム106に関する構造の材料は、前部カバー104、後部カバー108、および/またはニコチンeベイピング装置500のその他の適切な部品にも当てはまり得る。
【0029】
後部カバー108(例えば、第二のカバー)もまた、ベゼル構造112を収容するように構成された開口部を画定する。開口部は、丸みのある長方形の形状を有してもよいが、ベゼル構造112の形状に応じて他の形状も可能である。例示的な実施形態では、後部カバー108の開口部は、前部カバー104の一次開口部よりも小さい。さらに、図示されていないが、当然のことながら、光ガイド配設および/またはボタンは、ニコチンeベイピング装置500の前面の光ガイド配設およびボタンに加えて(または代わりに)、ニコチンeベイピング装置500の背面に提供されてもよい。
【0030】
前部カバー104および後部カバー108は、スナップ嵌め配設を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。例えば、前部カバー104および/または後部カバー108は、フレーム106の対応する嵌合部材と連動するように構成されたクリップを含み得る。非限定的な実施形態では、クリップは、フレーム106の対応する嵌合部材(例えば、傾斜した縁を有する突出部)を受容するように構成されたオリフィスを有するタブの形態であってもよい。別の方法として、前部カバー104および/または後部カバー108は、締り嵌め(また、プレス嵌めまたは摩擦嵌めとも呼ばれ得る)を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。しかしながら、当然のことながら、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、他の適切な配設および技術を介して連結される場合がある。
【0031】
装置本体100はまた、マウスピース102も含む。マウスピース102は、フレーム106の近位端に固定され得る。さらに、
図2に示すように、フレーム106が前部カバー104と後部カバー108との間に挟まれる例示的な実施形態では、マウスピース102は、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108に当接し得る。さらに、非限定的な実施形態では、マウスピース102は、バヨネット接続を介して装置ハウジングと結合されてもよい。
【0032】
図4は、
図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
図4を参照すると、マウスピース102の出口面は、複数のベイパー出口を画定する。非限定的な実施形態では、マウスピース102の出口面は楕円形状であってもよい。さらに、マウスピース102の出口面は、楕円形状の出口面の長軸に対応する第一のクロスバーと、楕円形状の出口面の短軸に対応する第二のクロスバーとを含み得る。さらに、第一のクロスバーと第二のクロスバーは、直角を成して交差し、マウスピース102の一体的に形成された部分であってもよい。出口面は、四つのベイパー出口を画定するものとして示されているが、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されない。例えば、出口面は、四つ未満(例えば、一つ、二つ)のベイパー出口、または四つを超える(例えば、六つ、八つ)ベイパー出口を画定してもよい。
【0033】
図5は、
図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
図5を参照すると、ニコチンeベイピング装置500の遠位端は、ポート110を含む。ポート110は、ニコチンeベイピング装置500内の内部電源を充電するように、外部電源から電流を受容する(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)ように構成されている。さらに、ポート110はまた、別のニコチンeベイピング装置または他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)との間でデータを送信および/またはデータを受信する(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)ように構成されてもよい。さらに、ニコチンeベイピング装置500は、その電子装置上にインストールされるアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介した、電話などの別の電子装置との無線通信のために構成されてもよい。こうした例では、成人eベイピング装置使用者は、アプリを通して、ニコチンeベイピング装置500を制御するか、または別の方法でこれとインターフェースし得る(例えば、ニコチンeベイピング装置の位置を特定する、使用情報をチェックする、動作パラメータを変更する)。
【0034】
図6は、
図1のニコチンeベイピング装置の斜視図である。
図7は、
図6のポッド入口の拡大図である。
図6~7を参照すると、および上で簡潔に言及されるように、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたニコチンポッドアセンブリ300を含む。ニコチンポッドアセンブリ300は、上流端(光ガイド配設に面する)および下流端(マウスピース102に面する)を有する。非限定的な実施形態では、上流端は、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端に対向する面である。ニコチンポッドアセンブリ300の上流端は、ポッド入口322を画定する。装置本体100は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通穴(例えば、
図9の貫通穴150)を画定する。例示的な実施形態では、装置本体100のベゼル構造112は、貫通穴を画定し、上流へりを含む。特に
図7で示されるように、ベゼル構造112の上流へりは、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴内に置かれた時にポッド入口322を露出するように、角度付けられている(例えば、内向きに沈下している)。
【0035】
例えば、(ニコチンポッドアセンブリ300の前面と相対的に同一平面上にあり、したがってポッド入口322を覆すように)前部カバー104の輪郭に従うのではなく、ベゼル構造112の上流へりは、周囲空気をポッド入口322の中に方向付けるように構成されたスクープの形態である。この角度付き/スクープ構成(例えば、湾曲している場合がある)は、ニコチンeベイピング装置500の空気入口(例えば、ポッド入口322)の閉塞を低減または防止するのに役立ち得る。スクープの奥行きは、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面の半分未満(例えば、四分の一未満)が露出するようなものであってもよい。さらに、非限定的な実施形態では、ポッド入口322はスロットの形態である。さらに、装置本体100が第一の方向に延びるものと見なされる場合、スロットは、第一の方向に対して横断方向である、第二の方向に延びるものと見なされ得る。
【0036】
図8は、
図6のニコチンeベイピング装置の断面図である。
図8では、断面は、ニコチンeベイピング装置500の長軸方向軸に沿って切り取られている。示されるように、装置本体100およびニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路を含み、これらは本明細書でより詳細に説明され、および/または参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ニコチンポッドアセンブリ300は、作動すると内部に封止された貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された機械的構成要素を含み得る。ニコチンポッドアセンブリ300はまた、装置本体100と係合して、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入および着座を容易にするように構成された機械的態様を有してもよい。
【0037】
さらに、ニコチンポッドアセンブリ300は、装置本体100との間で情報を記憶、受信、および/または送信するように構成された電子構成要素および/または回路を含む、「スマートポッド」であってもよい。こうした情報は、装置本体100で使用するためのニコチンポッドアセンブリ300を認証するために使用され得る(例えば、未承認/偽造のニコチンポッドアセンブリの使用を防止するために)。さらに、情報は、ニコチンポッドアセンブリ300のタイプを識別するために使用されてもよく、次いで、識別されたタイプに基づいてベイピングプロファイルと相関付けられる。ベイピングプロファイルは、ニコチンプレベイパー製剤の加熱のための一般的なパラメータを定めるように設計されてもよく、また、ベイピング前および/またはベイピング中に、成人eベイピング装置使用者による調整、精製、またはその他の調整に供されてもよい。
【0038】
ニコチンポッドアセンブリ300はまた、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連し得る他の情報を装置本体100と通信してもよい。関連情報の例には、ニコチンポッドアセンブリ300内のニコチンプレベイパー製剤のレベル、および/またはニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の中に挿入されて起動されてから経過した時間の長さが含まれ得る。例えば、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の中に挿入され、特定の期間より長く(例えば、6か月前より長く)起動された場合、ニコチンeベイピング装置500は、ベイピングを許容せず、成人eベイピング装置使用者は、ニコチンポッドアセンブリ300が依然として適切なレベルのニコチンプレベイパー製剤を含有していても、新しいニコチンポッドアセンブリに交換するよう促進され得る。
【0039】
装置本体100は、ニコチンポッドアセンブリ300を係合、保持、および/または起動するように構成された機械的構成要素(例えば、相補的構造)を含み得る。さらに、装置本体100は、電流を受容して内部電源(例えば、電池)を充電するように構成された電子構成要素および/または回路を含んでもよく、これは次いで、ベイピング中にニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成されている。さらに、装置本体100は、ニコチンポッドアセンブリ300、異なるニコチンeベイピング装置、その他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)、および/または成人eベイピング装置使用者と通信するように構成された電子構成要素および/または回路を含み得る。通信される情報には、ポッド固有データ、現在のベイピング詳細、および/または過去のベイピングパターン/履歴が含まれ得る。成人eベイピング装置使用者は、触覚(例えば、振動)、聴覚(例えば、ビープ音)、および/または視覚(例えば、色付き/点滅する光)であるフィードバックを用いて、こうした通信について通知され得る。充電および/または情報の通信は、ポート110を用いて(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)実施されてもよい。
【0040】
図9は、
図6のニコチンeベイピング装置の装置本体の斜視図である。
図9を参照すると、装置本体100のベゼル構造112は、貫通穴150を画定する。貫通穴150は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成されている。ニコチンポッドアセンブリ300の貫通穴150内への挿入および着座を容易にするために、ベゼル構造112の上流へりは、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを含む。貫通穴150は、丸みのある隅角を有する長方形の形状を有してもよい。例示的な実施形態では、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bは、ベゼル構造112と一体的に形成され、上流へりの二つの丸みのある隅角に位置付けられる。
【0041】
ベゼル構造112の下流側壁は、第一の下流開口部、第二の下流開口部、および第三の下流開口部を画定し得る。第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bを含む保持構造は、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bが、ベゼル構造112の第一の下流開口部および第二の下流開口部のそれぞれを通って、貫通穴150の中に突出するように、ベゼル構造112と係合している。さらに、マウスピース102の遠位端は、ベゼル構造112の第三の下流開口部を通り、第一の下流突出部130aと第二の下流突出部130bとの間にあるように、貫通穴150の中に延びる。
【0042】
図10は、
図9の装置本体の正面図である。
図10を参照すると、装置本体100は、貫通穴150の上流側に配置された装置電気コネクタ132を含む。装置本体100の装置電気コネクタ132は、貫通穴150内に置かれたニコチンポッドアセンブリ300と電気的に係合するように構成されている。結果として、ベイピング中、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100からニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給することができる。さらに、データを、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100およびニコチンポッドアセンブリ300との間で送信および/または受信することができる。
【0043】
図11は、
図10の貫通穴の拡大斜視図である。
図11を参照すると、第一の上流突出部128a、第二の上流突出部128b、第一の下流突出部130a、第二の下流突出部130b、およびマウスピース102の遠位端は、貫通穴150の中に突出する。例示的な実施形態では、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bは、固定構造(例えば、固定ピボット)であり、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、牽引可能な構造(例えば、後退可能部材)である。例えば、第一の突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、デフォルトで伸長状態になるように構成(例えば、ばね装填)されてもよく、また、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入を促進するために、一時的に後退状態となる(そして可逆的に、伸長状態へと戻る)ように構成されてもよい。
【0044】
特に、ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の貫通穴150の中に挿入する時、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面の陥凹部がまず第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bと係合し、その後、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端面の陥凹部が第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bと係合するまで、ニコチンポッドアセンブリ300を旋回させる(第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを中心に)。こうした例では、ニコチンポッドアセンブリ300の回転軸(旋回中)は、装置本体100の長軸方向軸と直交してもよい。さらに、牽引可能なように付勢され得る第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、ニコチンポッドアセンブリ300が貫通穴150の中へと旋回される時に後退し、そして弾性的に伸長して、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端面の陥凹部と係合し得る。さらに、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bとニコチンポッドアセンブリ300の下流端面の陥凹部との係合は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150に適切に置かれていることを成人eベイピング装置使用者に通知するための触覚および/または聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)を生成し得る。
【0045】
図12は、
図10の装置電気接点の拡大斜視図である。装置本体100の装置電気接点は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に置かれた時に、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気接点と係合するように構成されている。
図12を参照すると、装置本体100の装置電気接点は、装置電気コネクタ132を含む。装置電気コネクタ132は、電力接点およびデータ接点を含む。装置電気コネクタ132の電力接点は、装置本体100からニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成されている。図示したように、装置電気コネクタ132の電力接点は、第一の電力接点および第二の電力接点(後部カバー108よりも前部カバー104近いように位置付けられた)を含む。第一の電力接点(例えば、第一の上流突出部128aに隣接する電力接点)は、第二の電力接点とは別個の単一の一体型の構造であってもよく、組み立てられた時に貫通穴150の中に延びる突出部を含む。同様に、第二の電力接点(例えば、第二の上流突出部128bに隣接する電力接点)は、第二の電力接点とは別個の単一の一体型の構造であってもよく、組み立てられた時に貫通穴150の中に延びる突出部を含む。装置電気コネクタ132の第一の電力接点および第二の電力接点は、デフォルトとして貫通穴150の中に伸長するように、そして、付勢に克服する力に供された時には貫通穴150から(例えば、独立して)後退するように、牽引可能に取り付けられ、付勢されてもよい。
【0046】
装置電気コネクタ132のデータ接点は、ニコチンポッドアセンブリ300と装置本体100との間でデータを送信するように構成されている。図示するように、装置電気コネクタ132のデータ接点は、5列の突出部(前部カバー104よりも後部カバー108に近いように位置付けられた)を含む。装置電気コネクタ132のデータ接点は、組み立てられた時に貫通穴150の中に延びる別個の構造であってもよい。また、装置電気コネクタ132のデータ接点もまた、デフォルトとして貫通穴150の中に伸長するように、そして、付勢に克服する力に供された時には貫通穴150から(例えば、独立して)後退するように、牽引可能に取り付けられ、付勢されてもよい(例えば、蛇行構造を介しておよび/またはばねを用いて)。例えば、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150の中に挿入される時、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気接点が装置本体100の対応する装置電気接点に押し付けられる。結果として、装置電気コネクタ132の電力接点およびデータ接点は、装置本体100の中に後退する(例えば、少なくとも部分的に後退する)が、それらの弾性配設に起因して対応するポッド電気接点に押し付けられ続け、それによって、装置本体100とニコチンポッドアセンブリ300との間の適切な電気的接続を確保するのに役立つ。さらに、こうした接続はまた、装置本体100とニコチンポッドアセンブリ300との間の電力および/または信号が、確実かつ正確に伝達および/または伝達されることを可能にするように、機械的に安全であり、かつ最小限の接触抵抗を有し得る。装置本体100の装置電気接点に関連して様々な態様を説明してきたが、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、他の構成も利用され得る。
【0047】
図13は、
図12のマウスピースに係る部分分解図である。
図13を参照すると、マウスピース102は、保持構造140を介して装置ハウジングと係合するように構成されている。例示的な実施形態では、保持構造140は、主にフレーム106とベゼル構造112との間に位置する。示されるように、保持構造140は、保持構造140の近位端がフレーム106の近位端を通って延びるように、装置ハウジング内に配置される。保持構造140は、フレーム106の近位端をわずかに超えるか、または実質的にそれと均等に延び得る。保持構造140の近位端は、マウスピース102の遠位端を受容するように構成されている。保持構造140の近位端は雌端であってもよく、マウスピースの遠位端は雄端であってもよい。
【0048】
例えば、マウスピース102は、バヨネット接続を用いて保持構造140に連結(例えば、可逆的に連結)されてもよい。こうした例では、保持構造140の雌端は、対向するL字形状のスロットの対を画定してもよく、マウスピース102の雄端は、保持構造140のL字形状のスロットと係合するように構成された対向する半径方向部材134(例えば、半径方向ピン)を有してもよい。保持構造140のL字形状のスロットの各々は、長軸方向部分および円周方向部分を有し得る。随意に、円周方向部分の末端は、マウスピース102の半径方向部材134が不注意により係合解除される可能性を低減または防止するのに役立つセリフ部分を有してもよい。非限定的な実施形態では、L字形状のスロットの長軸方向部分は、装置本体100の長軸方向軸に沿って平行に延び、L字形状のスロットの円周方向部分は、装置本体100の長軸方向軸(例えば、中心軸)の周りに延びる。結果として、マウスピース102を装置ハウジングに連結するためには、まず
図13に示すマウスピース102を90度回転させて、半径方向部材134を保持構造140のL字形状のスロットの長軸方向部分への入口と整列させる。次いで、半径方向部材134が、円周方向部分の各々との接合部に達するまでL字形状のスロットの長軸方向部分に沿って摺動するように、マウスピース102を保持構造140の中に挿入する。この時点で、次いで、マウスピース102を半径方向部材134が各々の末端に達するまで円周方向部分を横切って移動するように回転させる。各末端にセリフ部分が存在する場合、マウスピース102が装置ハウジングに適切に連結されたことを成人eベイピング装置使用者に通知するために、触覚および/または聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)が生成されてもよい。
【0049】
マウスピース102は、ベイピング中にニコチンベイパーがそれを通って流れるベイパー通路136を画定する。ベイパー通路136は、貫通穴150(ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100内で置かれる場所)と流体連通している。ベイパー通路136の近位端は、フレア状の部分を含み得る。さらに、マウスピース102は、端カバー138を含み得る。端カバー138は、その遠位端からその近位端までテーパー付きであってもよい。端カバー138の出口面は、複数のベイパー出口を画定する。端カバー138には四つのベイパー出口が示されているが、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されない。
【0050】
図14は、
図9のベゼル構造に係る部分分解図である。
図15は、
図14のマウスピース、ばね、保持構造、およびベゼル構造の拡大斜視図である。
図14~15を参照すると、ベゼル構造112は、上流側壁および下流側壁を含む。ベゼル構造112の上流側壁は、コネクタ開口部146を画定する。コネクタ開口部146は、装置本体100の装置電気コネクタ132を露出または受容するように構成されている。ベゼル構造112の下流側壁は、第一の下流開口部148a、第二の下流開口部148b、および第三の下流開口部148cを画定する。ベゼル構造112の第一の下流開口部148aおよび第二の下流開口部148bは、保持構造140の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bのそれぞれを受容するように構成されている。ベゼル構造112の第三の下流開口部148cは、マウスピース102の遠位端を受容するように構成されている。
【0051】
図14に示すように、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、保持構造140の凹状側面上にある。
図15に示すように、第一のポスト142aおよび第二のポスト142bは、保持構造140の対向する凸状側面上にある。第一のばね144aおよび第二のばね144bは、第一のポスト142aおよび第二のポスト142b上にそれぞれ配置される。第一のばね144aおよび第二のばね144bは、保持構造140をベゼル構造112に対して付勢するように構成されている。
【0052】
組み立てられた時、ベゼル構造112は、ベゼル構造112の上流へりの下側上の、コネクタ開口部146に隣接した一対のポストを介してフレーム106に固定されてもよい。さらに、保持構造140は、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bが第一の下流開口部148aおよび第二の下流開口部148bを通ってそれぞれ延びるように、ベゼル構造112に当接する。マウスピース102は、マウスピース102の遠位端が保持構造140ならびにベゼル構造112の第三の下流開口部148cを通って延びるように、保持構造140に連結される。第一のばね144aおよび第二のばね144bは、フレーム106と保持構造140との間になる。
【0053】
ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150の中に挿入されている時、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端は、保持構造140の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bを押し付ける。結果として、保持構造140の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、(第一のばね144aおよび第二のばね144bの圧縮により)装置本体100の貫通穴150から弾性的に降伏および後退し、それによって、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入を進めることを可能にする。例示的な実施形態では、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bが、装置本体100の貫通穴150から完全に後退する時、保持構造140の変位によって、第一のポスト142aおよび第二のポスト142bの端が、フレーム106の内側端面に接触し得る。さらに、マウスピース102は保持構造140に連結されているため、マウスピース102の遠位端は貫通穴150から後退し、したがってマウスピース102の近位端(例えば、端カバー138を含む可視部分)も、装置ハウジングから対応する距離だけ離れるようシフトする。
【0054】
ニコチンポッドアセンブリ300の第一の下流陥凹部および第二の下流陥凹部が、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bのそれぞれとの係合を可能にする位置に達するように、ニコチンポッドアセンブリ300が適切に挿入されると、第一のばね144aおよび第二のばね144bの圧縮からの貯蔵エネルギーにより、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bが弾性的に伸長し、ニコチンポッドアセンブリ300の第一の下流陥凹部および第二の下流陥凹部のそれぞれと係合する。さらに、係合は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に置かれていることを成人eベイピング装置使用者に通知するための触覚および/または聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)を生成し得る。
【0055】
図16は、
図14の前部カバー、フレーム、および後部カバーに係る部分分解図である。
図16を参照すると、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する様々な機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路が、フレーム106に固定されてもよい。前部カバー104および後部カバー108は、スナップ嵌め配設を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、前部カバー104および後部カバー108は、フレーム106の対応する嵌合部材と連動するように構成されたクリップを含む。クリップは、フレーム106の対応する嵌合部材(例えば、傾斜した縁を有する突出部)を受容するように構成されたオリフィスを有するタブの形態であってもよい。
図16では、前部カバー104は、各々四つのクリップを有する二列(前部カバー104に対して合計八つのクリップ)を有する。同様に、後部カバー108は、各々四つのクリップを有する二列(後部カバー108に対して合計八つのクリップ)を有する。フレーム106の対応する嵌合部材は、フレーム106の内側側壁上にあってもよい。結果として、係合されたクリップおよび嵌合部材は、前部カバー104および後部カバー108が一緒にスナップされた時には視界から隠され得る。別の方法として、前部カバー104および/または後部カバー108は、締り嵌めを介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。しかしながら、当然のことながら、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、他の適切な配設および技術を介して連結される場合がある。
【0056】
図17は、
図6のニコチンeベイピング装置のニコチンポッドアセンブリの斜視図である。
図18は、
図17のニコチンポッドアセンブリの別の斜視図である。
図19は、
図18のニコチンポッドアセンブリの別の斜視図である。
図17~19を参照すると、ニコチンeベイピング装置500のためのニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたポッド本体を含む。ポッド本体は、上流端および下流端を有する。ポッド本体の上流端は、ポッド入口322を画定する。ポッド本体の下流端は、上流端でポッド入口322と流体連通するポッド出口304を画定する。ベイピング中、空気はポッド入口322を介してニコチンポッドアセンブリ300に入り、ニコチンベイパーはポッド出口304を介してニコチンポッドアセンブリ300から出る。ポッド入口322は、スロットの形態であるとして図面に示されている。しかし、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、他の形態も可能である。
【0057】
ニコチンポッドアセンブリ300は、ポッド本体内に配置され、上流端の開口部によって露出されるコネクタモジュール320(例えば、
図21)を含む。コネクタモジュール320の外面は、少なくとも一つの電気接点を含む。少なくとも一つの電気接点は、複数の電力接点を含み得る。例えば、複数の電力接点は、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bを含み得る。ニコチンポッドアセンブリ300の第一の電力接点324aは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第一の電力接点(例えば、
図12の第一の上流突出部128aに隣接する電力接点)と電気的に接続するように構成されている。同様に、ニコチンポッドアセンブリ300の第二の電力接点324bは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第二の電力接点(例えば、
図12の第二の上流突出部128bに隣接する電力接点)と電気的に接続するように構成されている。さらに、ニコチンポッドアセンブリ300の少なくとも一つの電気接点は、複数のデータ接点326を含む。ニコチンポッドアセンブリ300の複数のデータ接点326は、装置電気コネクタ132のデータ接点(例えば、
図12の5列の突出部)と電気的に接続するように構成されている。ニコチンポッドアセンブリ300に関連して、二つの電力接点および5つのデータ接点が示されているが、当然のことながら、装置本体100の設計に応じて、他の変形も可能である。
【0058】
例示的な実施形態では、ニコチンポッドアセンブリ300は、前面、前面の反対側の後面、前面と後面との間の第一の側面、第一の側面と反対側の第二の側面、上流端面、および上流端面の反対側の下流端面を含む。側面および端面の隅角(例えば、第一の側面および上流端面の隅角、上流端面および第二の側面の隅角、第二の側面および下流端面の隅角、下流端面および第一の側面の隅角)は、丸みがあってもよい。しかしながら、一部の例では、隅角は角度を有してもよい。さらに、前面の周辺縁は、レッジの形態であってもよい。コネクタモジュール320の外面(ポッド本体によって露出されている)は、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面の一部であると見なされ得る。ニコチンポッドアセンブリ300の前面は、後面よりも広くかつ長くてもよい。こうした例では、第一の側面および第二の側面は、互いに向かって内向きに角度付けられてもよい。上流端面および下流端面もまた、互いに向かって内向きに角度付けられてもよい。角度付けられた面のため、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入は、一方向性(例えば、装置本体100の前側(前部カバー104に関連付けられた側面)から)となる。結果として、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の中に不適切に挿入される可能性を低減または防止することができる。
【0059】
図示するように、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド本体は、第一のハウジングセクション302および第二のハウジングセクション308を含む。第一のハウジングセクション302は、ポッド出口304を画定する下流端を有する。ポッド出口304のへりは、随意にくぼんだ、または陥没した領域であってもよい。こうした例では、この領域は、コーブに類似してもよく、ニコチンポッドアセンブリ300の後面に隣接したへりの側面は開放していてもよく、前面に隣接したへりの側面は、第一のハウジングセクション302の下流端の隆起部分によって囲まれてもよい。隆起部分は、マウスピース102の遠位端のストッパーとして機能し得る。結果として、ポッド出口304のこの構成は、へりの開放された側面およびその後続の、第一のハウジングセクション302の下流端の隆起部分に対する着座を介して、マウスピース102の遠位端を受容してこれと整列させること(例えば、
図11)を促進し得る。非限定的な実施形態では、マウスピース102の遠位端はまた、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に挿入された時に、ポッド出口304の周りにシールを生成するのに役立つ弾性材料を含んでもよい(またはそれで形成されてもよい)。
【0060】
第一のハウジングセクション302の下流端は、少なくとも一つの下流陥凹部を追加的に画定する。例示的な実施形態では、少なくとも一つの下流陥凹部は、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの形態である。ポッド出口304は、第一の下流陥凹部306aと第二の下流陥凹部306bとの間にあってもよい。第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bとそれぞれ係合するように構成されている。
図11に示すように、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、貫通穴150の下流側壁の隣接する隅角に配置されてもよい。第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、各々V字形状のノッチの形態であってもよい。こうした例では、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bの各々は、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの対応するV字形状のノッチと係合するように構成されたくさび形状の構造の形態であってもよい。第一の下流陥凹部306aは、下流端面および第一の側面の隅角に当接してもよく、第二の下流陥凹部306bは、下流端面および第二の側面の隅角に当接してもよい。結果として、第一の側面および第二の側面にそれぞれ隣接する第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの縁は、開放していてもよい。こうした例では、
図18に示すように、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの各々は、三面陥凹部であってもよい。
【0061】
第二のハウジングセクション308は、ニコチンポッドアセンブリ300内のコネクタモジュール320(
図20~21)を露出させるように構成された複数の開口部(例えば、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、データ接点開口部327)を(ポッド入口322に加えて)さらに画定する上流端を有する。第二のハウジングセクション308の上流端はまた、少なくとも一つの上流陥凹部を画定する。例示的な実施形態では、少なくとも一つの上流陥凹部は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの形態である。ポッド入口322は、第一の上流陥凹部312aと第二の上流陥凹部312bとの間にあってもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bは、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bとそれぞれ係合するように構成されている。
図12に示すように、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bは、貫通穴150の上流側壁の隣接する隅角に配置されてもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの各々の奥行きは、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの各々の奥行きよりも大きくてもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの各々の末端はまた、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの各々の末端よりも丸みがあってもよい。例えば、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bは、各々U字形状のへこみの形態であってもよい。こうした例では、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bの各々は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの対応するU字形状のへこみと係合するように構成された丸みのあるノブの形態であってもよい。第一の上流陥凹部312aは、上流端面の隅角と第一の側面に当接してもよく、第二の上流陥凹部312bは、上流端面の隅角と第二の側面に当接してもよい。結果として、第一の側面および第二の側面にそれぞれ隣接する第一の上流陥凹部312aの縁と第二の上流陥凹部312bの縁は開放していてもよい。
【0062】
第一のハウジングセクション302は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部を内部に画定し得る。貯蔵部は、貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するためのニコチンポッドアセンブリ300の起動まで、ニコチンプレベイパー製剤を密封するように構成され得る。気密シールの結果として、ニコチンプレベイパー製剤は、環境ならびにニコチンプレベイパー製剤と反応する可能性のあるニコチンポッドアセンブリ300の内部要素から分離され、それによって、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵寿命および/または知覚特性(例えば、風味)に対する悪影響の可能性を低減または防止し得る。第二のハウジングセクション308は、ニコチンポッドアセンブリ300を起動し、起動後に貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤を受容および加熱するように構成された構造を含有し得る。
【0063】
ニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の中に挿入する前に成人eベイピング装置使用者によって手動で起動されてもよい。別の方法として、ニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンポッドアセンブリ300の装置本体100の中への挿入の一部として起動されてもよい。例示的な実施形態では、ポッド本体の第二のハウジングセクション308は、ニコチンポッドアセンブリ300の起動中に第一のハウジングセクション302内の貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された穿孔器を含む。穿孔器は、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの形態であってもよく、これは本明細書でより詳細に説明する。
【0064】
ニコチンポッドアセンブリ300を手動で起動するために、成人eベイピング装置使用者は、ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の貫通穴150の中に挿入する前に、まず第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bを内向きに(例えば、同時にまたは逐次的に)押し得る。例えば、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、その端がニコチンポッドアセンブリ300の上流端面と実質的に均等なるまで、手動で押されてもよい。例示的な実施形態では、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの内向きの移動により、そこからニコチンプレベイパー製剤を放出するように、貯蔵部のシールが穿孔されるかまたは別の方法で損なわれる。
【0065】
別の方法として、ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の中に挿入する一部としてニコチンポッドアセンブリ300を起動するために、ニコチンポッドアセンブリ300はまず、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bが、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bとそれぞれ係合するように位置付けられる(例えば、上流係合)。装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bの各々は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの対応するU字形状のへこみと係合するように構成された丸みのあるノブの形態であってもよいため、ニコチンポッドアセンブリ300は、その後、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを中心として装置本体100の貫通穴150の中へと比較的容易に旋回され得る。
【0066】
ニコチンポッドアセンブリ300の旋回に関して、回転軸は、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを通って延び、装置本体100の長軸方向軸と直交して配向されると見なされ得る。ニコチンポッドアセンブリ300の初期位置付けおよび後続の旋回中、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは貫通穴150の上流側壁と接触し、ニコチンポッドアセンブリ300が貫通穴150の中に進むのにつれて第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが第二のハウジングセクション308の中に押される(例えば、同時に)のにつれて、伸長状態から後退状態に遷移する。ニコチンポッドアセンブリ300の下流端が、貫通穴150の下流側壁の近傍に達し、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bと接触する時、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは後退し、次いで、ニコチンポッドアセンブリ300の位置決めにより、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bがニコチンポッドアセンブリ300の第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bとそれぞれ係合することが可能となった時に、弾性的に伸長する(例えば、下流係合)。
【0067】
上述のように、例示的な実施形態によれば、マウスピース102は、保持構造140(第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bはこの一部である)に固定される。こうした例では、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bの貫通穴150からの後退は、同じ方向(例えば、下流方向)の対応する距離だけマウスピース102の同時シフトを生じさせる。逆に、ニコチンポッドアセンブリ300が下流係合を促進するように十分に挿入された時、マウスピース102は、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bと同時にスプリングバックする。第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bによる弾性係合に加えて、マウスピース102の遠位端はまた、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に置かれた時に、ニコチンポッドアセンブリ300に対して付勢される(および比較的蒸気密シールを形成するように、ポッド出口304と整列される)ように構成されている。
【0068】
さらに、下流係合は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に置かれていることを示す、可聴クリックおよび/または触覚フィードバックを生成し得る。適切に置かれると、ニコチンポッドアセンブリ300は、機械的、電気的、および流体的に装置本体100に接続される。本明細書の非限定的な実施形態は、下流係合の前に生じるニコチンポッドアセンブリ300の上流係合を説明するが、当然のことながら、下流係合が上流係合の前に生じるように、関連する嵌合、起動、および/または電気配設を逆転させてもよい。
【0069】
図20は、
図19のニコチンポッドアセンブリの部分分解図である。
図20を参照すると、第一のハウジングセクション302は、ベイパーチャネル316を含む。ベイパーチャネル316は、ベイピング中に発生したニコチンベイパーを受容するように構成され、ポッド出口304と流体連通している。例示的な実施形態では、ベイパーチャネル316は、ポッド出口304に向かって延びるにつれて、サイズ(例えば、直径)が徐々に増加し得る。さらに、ベイパーチャネル316は、第一のハウジングセクション302と一体的に形成されてもよい。インサート342およびシール344は、第一のハウジングセクション302の上流端に配置されて、ニコチンポッドアセンブリ300の貯蔵部を画定する。例えば、インサート342は、インサート342の周辺表面と第一のハウジングセクション302の内表面との境界面が流体密(例えば、液密および/または気密)であるように、インサート342の周辺表面がへりに沿って第一のハウジングセクション302の内表面と係合するように(例えば、締り嵌めを介して)、第一のハウジングセクション302内に置かれ得る。さらに、シール344は、インサート342の貯蔵部出口を密閉するようにインサート342の上流側面に取り付けられて、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵部内への流体密(例えば、液密および/または気密)な封じ込めを提供し得る。インサート342およびシール344はまた、例えば、
図24に図示されており、本明細書でより詳細に説明する。
【0070】
第二のハウジングセクション308の上流端は、ポッド入口322、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、データ接点開口部327、第一の上流陥凹部312a、第二の上流陥凹部312b、第一のピン開口部315a、および第二のピン開口部315bを画定する。上述のように、ポッド入口322は、ベイピング中に空気がニコチンポッドアセンブリ300に入ることを可能にし、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、およびデータ接点開口部327は、コネクタモジュール320の第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、およびデータ接点326のそれぞれを露出するように構成されている。例示的な実施形態では、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bは、コネクタモジュール320のモジュールハウジング354上に据え付けられる。さらに、データ接点326は、プリント回路基板(PCB)362上に配置されてもよい。さらに、ポッド入口322は、第一の上流陥凹部312aと第二の上流陥凹部312bとの間に位置してもよく、接触開口部(例えば、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、データ接点開口部327)は、第一のピン開口部315aと第二のピン開口部315bとの間に位置してもよい。第一のピン開口部315aおよび第二のピン開口部315bは、それらを通って延びる第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bをそれぞれ収容するように構成されている。
【0071】
図21は、
図20のコネクタモジュールの斜視図である。
図22は、
図21のコネクタモジュールの別の斜視図である。
図21~22を参照すると、コネクタモジュール320の一般的なフレームワークは、モジュールハウジング354を含む。さらに、コネクタモジュール320は、外面および外面に隣接する側面を含む、複数の面を有する。例示的な実施形態では、コネクタモジュール320の外面は、モジュールハウジング354の上流表面、第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、データ接点326、およびプリント回路基板(PCB)362から構成されている。コネクタモジュール320の側面は、モジュールハウジング354の一体型の部分であり、外面と略直交してもよい。
【0072】
ニコチンポッドアセンブリ300は、ポッド入口322からポッド出口304への流路を内部に画定する。ニコチンポッドアセンブリ300を通る流路は、とりわけ、第一の分岐部分、第二の分岐部分、および合流部分を含む。ポッド入口322は、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の上流にある。特に、
図21に示すように、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの上のモジュールハウジング354(およびコネクタモジュール320)の側面(例えば、入口側面)は、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の初期セグメントと共に、仕切り329を画定するように陥凹している。仕切り329がモジュールハウジング354の外面から陥没している例示的な実施形態では(例えば、
図21)、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの上のモジュールハウジング354の側面はまた、ポッド入口322の下流、かつ流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の上流にある流路の入口部分を画定するものと見なされ得る。
【0073】
モジュールハウジング354の長い方の側面(例えば、垂直側面)の対もまた、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の後続セグメントを画定するように、陥凹している。本明細書では、モジュールハウジング354の長い方の側面の対は、代替的に、横方向面と呼ばれ得る。
図21のプリント回路基板(PCB)362によって覆われるモジュールハウジング354のセクタ(
図30に示す)は、流路の合流部分と共に、第一の分岐部分および第二の分岐部分のさらなるセグメントを画定する。第一の分岐部分および第二の分岐部分のさらなるセグメントは、第一の湾曲セグメント(例えば、第一の湾曲した経路330a)および第二の湾曲セグメント(例えば、第二の湾曲した経路330b)をそれぞれ含む。本明細書でより詳細に説明するように、第一の分岐部分および第二の分岐部分は合流して、流路の合流部分を形成する。
【0074】
コネクタモジュール320が、第二のハウジングセクション308の下流側で受容空洞内に置かれた時、モジュールハウジング354の陥凹していない側面は、第二のハウジングセクション308の受容空洞の側壁とインターフェースし、モジュールハウジング354の陥凹している側面は、受容空洞の側壁と共に、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分を画定する。第二のハウジングセクション308の受容空洞内のコネクタモジュール320の着座は、コネクタモジュール320がニコチンポッドアセンブリ300内で本質的に固定されたままになるように、密着性を有する配設を介してもよい。
【0075】
図22に示すように、コネクタモジュール320は、ニコチンプレベイパー製剤をヒーター336に伝達するように構成された芯338を含む。ヒーター336は、ベイピング中にニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。 ヒーター336は、コネクタモジュール320の少なくとも一つの電気接点に電気的に接続される。例えば、ヒーター336の一方の端(例えば、第一の端)は、第一の電力接点324aに接続されてもよく、ヒーター336の他方の端(例えば、第二の端)は、第二の電力接点324bに接続されてもよい。例示的な実施形態では、ヒーター336は、折り畳まれた発熱体を含む。こうした例では、芯338は、折り畳まれた発熱体によって保持されるように構成された平面形態を有してもよい。ニコチンポッドアセンブリ300が組み立てられる時、芯338は、吸収性材料346内となるニコチンプレベイパー製剤が毛細管作用を介して芯338に伝達されるように(ニコチンポッドアセンブリ300が起動された時に)、吸収性材料346(例えば、
図25)と流体連通するように構成されている。
【0076】
例示的な実施形態では、ポッド入口322を通してニコチンポッドアセンブリ300に流入する空気流は、仕切り329によって、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分に方向付けられる。仕切り329は、くさび形状であってもよく、流入する空気流を反対方向に分割するように構成されてもよい(例えば、少なくとも初期)。分割された空気流は、第一の空気流(流路の第一の分岐部分を通って移動する)および第二の空気流(流路の第二の分岐部分を通って移動する)を含み得る。仕切り329による分割の後、第一の空気流は、入口側面に沿い、隅角を回って第一の横方向面に沿ってこれに続き、第一の湾曲した経路330aへと移動する。同様に、第二の空気流は、入口側面に沿い、隅角を回って第二の横方向面に沿ってこれに続き、第一の湾曲した経路330b(例えば、
図30)へと移動する。流路の合流部分は、第一の分岐部分および第二の分岐部分の下流にある。ヒーター336および芯338は、流路の合流部分の下流にある。したがって、第一の空気流は、流路の合流部分(例えば、
図30の合流経路330c)で第二の空気流と結合し、モジュールハウジング354のモジュール出口368(例えば、
図28に標識される)を通ってヒーター336および芯338に通過する前に、組み合わされた流れを形成する。
【0077】
図23は、
図22の芯およびヒーターに係る分解図である。
図23を参照すると、芯338は、毛細管作用のために設計された空孔/隙間を有する繊維質パッドまたは他の構造であってもよい。さらに、芯338は、長方形の形状を有してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。例えば、芯338は、不規則な六角形の代替的な形状を有し、側面の二つが、ヒーター336に向かって内向きに角度付けられてもよい。芯338は、所望の形状に作製されてもよく、またはより大きなシート材料からこうした形状へと切断されてもよい。芯338の下部セクションが、ヒーター336の巻線セクションに向かってテーパー付きである場合(例えば、六角形形状)、ニコチンプレベイパー製剤が、連続的に気化を回避する(ヒーター336からのその距離に起因して)芯338の一部となる可能性が低減または回避される。さらに、上述のように、ヒーター336は、芯338を把持するように構成された折り畳まれた発熱体を含み得る。折り畳まれた発熱体はまた、芯338内に突出するように構成された少なくとも一つのプロング337を含んでもよい。
【0078】
例示的な実施形態では、ヒーター336は、電流が印加されるのに伴い、ジュール加熱(また、オーム/抵抗加熱としても公知である)を受けるように構成されてもよい。より詳細に述べると、ヒーター336は、一つ以上の導体(抵抗性材料)で形成され、電流を流した時に熱を生成するように構成されてもよい。電流は、装置本体100内の電源(例えば、電池)から供給され、第一の電力接点324aまたは第二の電力接点324bを介してヒーター336に運ばれてもよい。
【0079】
ヒーター336に適した導体(抵抗性材料)は、鉄系合金(例えば、ステンレス鋼)および/またはニッケル系合金(例えば、ニクロム)を含む。ヒーター336は、そこから巻線パターンを切断するようにスタンプ加工された導電性シート(例えば、金属、合金)から作製されてもよい。巻線パターンは、水平セグメントが平行に延びると同時に前後にジグザグになるように、水平セグメントと交互に配設される湾曲セグメントを有してもよい。さらに、巻線パターンの水平セグメントの各々の幅は、巻線パターンの隣接する水平セグメント間の間隔と実質的に等しくてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。図面に示されるヒーター336の形態を得るために、巻線パターンは、芯338を把持するように折り畳まれてもよい。さらに、プロング337がヒーター336の一部である場合、巻線パターンが折り畳まれる前に、プロング337に対応する突出部は屈曲される(例えば、内向きおよび/または直交して)。プロング337の結果として、芯338がヒーター336から抜け出る可能性が低減または防止される。ヒーターおよび関連する構造は、2017年10月11日に出願された「Folded Heater For Electronic Vaping Devic」と題する米国特許出願第15/729,909号により詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
図24は、
図17のニコチンポッドアセンブリの第一のハウジングセクションに係る分解図である。
図24を参照すると、第一のハウジングセクション302は、ベイパーチャネル316を含む。ベイパーチャネル316は、ヒーター336によって発生したニコチンベイパーを受容するように構成され、ポッド出口304と流体連通している。例示的な実施形態では、ベイパーチャネル316は、ポッド出口304に向かって延びるにつれて、サイズ(例えば、直径)が徐々に増加し得る。さらに、ベイパーチャネル316は、第一のハウジングセクション302と一体的に形成されてもよい。インサート342およびシール344は、第一のハウジングセクション302の上流端に配置されて、ニコチンポッドアセンブリ300の貯蔵部を画定する。例えば、インサート342は、インサート342の周辺表面と第一のハウジングセクション302の内表面との境界面が流体密(例えば、液密および/または気密)であるように、インサート342の周辺表面がへりに沿って第一のハウジングセクション302の内表面と係合するように(例えば、締り嵌めを介して)、第一のハウジングセクション302内に置かれ得る。さらに、シール344は、インサート342の貯蔵部出口を密閉するようにインサート342の上流側面に取り付けられて、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵部内への流体密(例えば、液密および/または気密)な封じ込めを提供し得る。本明細書では、第一のハウジングセクション302、インサート342、およびシール344は、集合的に第一のセクションと呼ばれ得る。本明細書でより詳細に説明するように、第一のセクションは、ニコチンポッドアセンブリ300の起動まで、ニコチンプレベイパー製剤を密封するように構成されている。
【0081】
例示的な実施形態では、インサート342は、上流側から突出するホルダー部分(
図24に示される)、および下流側から突出するコネクタ部分(
図24では隠されている)を含む。インサート342のホルダー部分は、吸収性材料346(例えば、
図25)を保持するように構成され、インサート342のコネクタ部分は、第一のハウジングセクション302のベイパーチャネル316と係合するように構成されている。インサート342のコネクタ部分は、ベイパーチャネル316内に置かれ、従って、ベイパーチャネル316の内部と係合するように構成されてもよい。別の方法として、インサート342のコネクタ部分は、ベイパーチャネル316を受容し、したがって、ベイパーチャネル316の外部と係合するように構成されてもよい。インサート342はまた、ニコチンポッドアセンブリ300の起動中にシール344が穿孔された時に、ニコチンプレベイパー製剤がそれを通って流れる貯蔵部出口を画定する。インサート342のホルダー部分とコネクタ部分は、貯蔵部出口(例えば、第一の貯蔵部出口および第二の貯蔵部出口)間であってもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。さらに、インサート342は、ホルダー部分およびコネクタ部分を通って延びるベイパー導管を画定する。結果として、インサート342が第一のハウジングセクション302内に置かれる時、インサート342のベイパー導管が、ベイピング中にヒーター336によって発生したニコチンベイパーのための、貯蔵部を通ってポッド出口304に通る連続的な経路が形成されるように、ベイパーチャネル316と整列されて流体連通する。
【0082】
シール344は、インサート342の貯蔵部出口を覆うように、インサート342の上流側に取り付けられる。例示的な実施形態では、シール344は、シール344がインサート342に取り付けられた時に、ホルダー部分(インサート342の上流側から突出する)を収容する適切な隙間を提供するように構成された開口部(例えば、中央開口部)を画定する。シール344が、ニコチンポッドアセンブリ300の第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bによって穿孔される時、シール344の二つの穿孔されたセクションは、フラップとして貯蔵部の中に押し込まれ、したがって、シール344内に二つの穿刺された開口部(例えば、中央開口部の各側面に一つ)が生成される。シール344の穿孔された開口部のサイズおよび形状は、インサート342の貯蔵部出口のサイズおよび形状に対応し得る。対照的に、
図24に示すような非穿孔状態である場合、シール344は、平面形態および一つの開口部(例えば、中央開口部)のみを有する。シール344は、ニコチンポッドアセンブリ300の通常の移動および/または取り扱い中に、早期に/不注意により破れることを避けるように、無傷のままであるのに十分な強度を有するように設計される。例えば、シール344は、被覆された箔(例えば、アルミニウムで裏打ちされたポリエチレンテレフタレート(PET))であってもよい。
【0083】
図25は、
図17のニコチンポッドアセンブリの第二のハウジングセクションに係る部分分解図である。
図25を参照すると、第二のハウジングセクション308は、ニコチンプレベイパー製剤を放出、受容、および加熱するように構成された様々な構成要素を含有するように構造化されている。例えば、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、第一のハウジングセクション302の貯蔵部を穿孔して、ニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成されている。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々は、第二のハウジングセクション308の第一のピン開口部315aおよび第二のピン開口部315bの対応する一つを通って延びる遠位端を有する。例示的な実施形態では、第一の起動ピン314aの遠位端および第二の起動ピン314bの遠位端は、組み立て後に見えるが(例えば、
図17)、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの残りの部分は、ニコチンポッドアセンブリ300内で視界から隠されている。さらに、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々は、ニコチンポッドアセンブリ300の起動前はシール344に隣接し、かつシール344の上流にあるように位置付けられた近位端を有する。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが第二のハウジングセクション308の中に押し込まれて、ニコチンポッドアセンブリ300を起動すると、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々の近位端がインサート342を通って前進し、結果として、シール344を穿孔し、これにより貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤が放出される。第一の起動ピン314aの移動は、第二の起動ピン314bの移動とは独立していてもよい(その逆も可である)。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、本明細書でより詳細に説明する。
【0084】
吸収性材料346は、ホルダー(例えば、上部ハットホルダー345)内に置かれてもよい。吸収性材料346はまた、芯338の下流にあり、かつ芯338と流体連通している。さらに、上述のように、吸収性材料346は、インサート342のホルダー部分(
図24に示すように、インサート342の上流側から突出する)と係合するように構成されている。吸収性材料346は、環状形態を有してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。
図25に示すように、吸収性材料346は、中空円筒形状に類似し得る。こうした例では、吸収性材料346の外径は、芯338の長さと実質的に等しい(またはわずかに大きい)場合がある。吸収性材料346の内径は、締り嵌めをもたらすように、インサート342のホルダー部分の平均外径よりも小さくてもよい。吸収性材料346との係合を容易にするために、インサート342のホルダー部分の先端はテーパー付きであってもよい。吸収性材料346は、ニコチンポッドアセンブリ300が起動された時に、貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤の量を受容し、保持するように構成されている。
【0085】
ニコチンプレベイパー製剤が毛細管作用を介して吸収性材料346からヒーター336に引き出され得るように吸収性材料346と流体連通するように、芯338は、ニコチンポッドアセンブリ300内に位置付けられる。芯338は、吸収性材料346の上流側(例えば、
図25に示す図に基づく、吸収性材料346の底部)と物理的に接触し得る。さらに、芯338は、吸収性材料346の直径と整列してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。
【0086】
図25(ならびに前述の
図23)に示すように、ヒーター336は、芯338の対向する表面を把持して芯338との熱接触を確立するために折り畳まれた構成を有してもよい。ヒーター336は、ベイピング中に芯338を加熱してニコチンベイパーを生成するように構成されている。こうした加熱を容易にするために、ヒーター336の第一の端は、第一の電力接点324aに電気的に接続されてもよく、ヒーター336の第二の端は、第二の電力接点324bに電気的に接続されてもよい。結果として、電流は、装置本体100内の電源(例えば、電池)から供給され、第一の電力接点324aまたは第二の電力接点324bを介してヒーター336に運ばれてもよい。(例えば、
図21~22に関連して)上記で既に説明したコネクタモジュール320の他の態様の関連する詳細は、簡潔にするために本セクションでは繰り返さない。例示的な実施形態では、
図25では隠されているが、第二のハウジングセクション308は、コネクタモジュール320のための受容空洞を含む。第二のハウジングセクション308および上述の内部の構成要素は、集合的に第二のセクションと呼ばれ得る。ベイピング中、ヒーター336によって発生したニコチンベイパーは、インサート342のベイパー導管を通り、第一のハウジングセクション302のベイパーチャネル316を通り、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド出口304を出て、マウスピース102のベイパー通路136を通ってベイパー出口へと引き出される。
【0087】
図26は、
図25の上部ハットホルダーの分解図である。
図26を参照すると、上部ハットホルダー345は、基部部分345aおよび円筒状部分345bを含む。例示的な実施形態では、基部部分345aおよび円筒状部分345bは一体的に形成される。円筒状部分345bは、吸収性材料346を受容するように構成されたウェルを画定する。随意に、ウェルの内側の下面は、吸収性材料346が上部ハットホルダー345を単に通る、または上部ハットホルダー345から垂れ下がったりしないように(例えば、吸収性材料346が、貯蔵部から放出されるニコチンプレベイパー製剤で飽和した時)、吸収性材料346を支持するためのレッジ(または他の突出部)を含み得る。さらに、基部部分345aは、ガスケット345cを受容するように構成された溝を画定する。さらに、一体的に形成された一対のポストは、円筒状部分345bのへりを越えて突出するように、基部部分345aから、そして円筒状部分345bの外部に沿って延びてもよい。上部ハットホルダー345がニコチンポッドアセンブリ300内に組み立てられる時、これらの一体的に形成されたポストの対は、それらの間でシール344の一部分によりインサート342の下側と当接し得る。
【0088】
図27は、
図25の起動ピンの分解図である。
図27を参照すると、起動ピンは、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの形態であってもよい。本明細書の非限定的な実施形態に関連して二つの起動ピンが示され、かつ説明されているが、当然のことながら、別の方法として、ニコチンポッドアセンブリ300は、一つの起動ピンのみを含んでもよい。
図27では、第一の起動ピン314aは、第一のブレード348a、第一のアクチュエータ350a、および第一のOリング352aを含み得る。同様に、第二の起動ピン314bは、第二のブレード348b、第二のアクチュエータ350b、および第二のOリング352bを含み得る。
【0089】
例示的な実施形態では、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bとそれぞれ一体的に形成される。別の方法として、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの上部部分(例えば、近位部分)にそれぞれ据え付けられるか、または取り付けられるように構成されてもよい。据え付けまたは取り付けは、スナップ嵌め接続、締り嵌め(例えば、摩擦嵌め)接続、接着剤、またはその他の適切な連結技術を介して達成され得る。第一のブレード348aおよび第二のブレード348bの各々の上部は、尖った先端に向かって上向きにテーパー付きである、一つ以上の湾曲したまたは凹状の縁を有してもよい。例えば、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bの各々は、その間に凹状の縁を有する二つの尖った先端、および尖った先端それぞれに隣接した湾曲した縁を有してもよい。凹状の縁および湾曲した縁の曲率半径は同一であってもよく、それらの弧の長さは異なってもよい。第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、所望のプロファイルを有し、その最終形態へと屈曲するように切断されるかまたは形状設定されるシート金属(例えば、ステンレス鋼)で形成され得る。別の例では、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、プラスチックで形成されてもよい(例えば、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bと一体的に形成される場合)。
【0090】
第一のブレード348a、第二のブレード348b、および第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのサイズおよび形状は、それらが一体的に形成されている(または据え付けられている)平面図に基づくと、インサート342の貯蔵部出口のサイズおよび形状に対応し得る。さらに、
図27に示すように、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bが貯蔵部の中に前進するにつれて、シール344の二つの穿孔されたセクションを貯蔵部内に押すように構成された突出縁(例えば、互いに面する湾曲した内側リップ)を含み得る。非限定的な実施形態では、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bがニコチンポッドアセンブリ300の中に完全に挿入される時、二つのフラップ(シール344の二つの穿孔セクションからの)は、インサート342の貯蔵部出口の湾曲した側壁と、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの突出縁の対応する湾曲との間にあってもよい。結果として、シール344の二つの穿孔された開口部が妨害される(二つの穿孔されたセクションからの二つのフラップによって)可能性が低減または防止され得る。さらに、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、貯蔵部からのニコチンプレベイパー製剤を上部ハットホルダー345内の吸収性材料346に向かって案内するように構成されてもよい。
【0091】
第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの各々の下側部分(例えば、遠位部分)は、第二のハウジングセクション308の底部セクション(例えば、上流端)を通って延びるように構成されている。第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの各々のこのロッド様部分はまた、シャフトとも呼ばれ得る。第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフトの環状溝に置かれてもよい。第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、流体密シールを提供するために、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのシャフト、ならびに第二のハウジングセクション308の対応する開口部の内表面と係合するように構成されている。その結果、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが内向きに押されてニコチンポッドアセンブリ300を起動する時、第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、それらのそれぞれのシールを維持しながら、第二のハウジングセクション308の対応する開口部内で、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフトと共に移動し、それによって、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bに対する第二のハウジングセクション308の開口部を通したニコチンプレベイパー製剤の漏れを低減または防止するのに役立ち得る。第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、シリコンで形成され得る。
【0092】
ニコチンポッドアセンブリ300のための穿孔器は、穿孔器の早すぎる作動を防止するためにクリップと係合するように構成されたノッチを含み得る。例えば、第一の起動ピン314aのシャフトおよび第二の起動ピン314bのシャフトは、こうしたクリップと係合するように構成された第一のノッチ351aおよび第二のノッチ351bをそれぞれ画定してもよい。例示的な実施形態では、クリップは、第一のノッチ351aおよび第二のノッチ351bそれぞれと係合するように構成された第一のスロットおよび第二のスロットを画定する平面構造であってもよい。第一の起動ピン314aのシャフトおよび第二の起動ピン314bのシャフトと係合した時(第一のノッチ351aおよび第二のノッチ351bをそれぞれ介して)、クリップは、第二のハウジングセクション308に隣接してもよく、それによって、第一の起動ピン314aおよび/または第二の起動ピン314bが不注意によりニコチンポッドアセンブリ300の中に押し込まれることを防ぐ。結果として、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、それらの早すぎる作動の可能性を低減または防止するために、(例えば、発送および/または取り扱い中に)適切に抑制され得る。クリップは、ニコチンポッドアセンブリ300が起動される適切な時に(例えば、成人eベイピング装置使用者によって)除去されてもよい。
【0093】
図28は、芯およびヒーターを含まない、
図22のコネクタモジュールの斜視図である。
図29は、
図28のコネクタモジュールの分解図である。
図30は、
図28のコネクタモジュールの別の分解図である。
図28~30を参照すると、モジュールハウジング354は、コネクタモジュール320のフレームワークを形成する。モジュールハウジング354は、とりわけ、仕切り329およびニコチンポッドアセンブリ300の中に引き出された空気のための流路を画定する。ニコチンポッドアセンブリ300内で組み立てられる時、モジュールハウジング354の下流へりは、上部ハットホルダー345の基部部分345aの上流へり(例えば、
図26)と係合され得る。結果として、ヒーター336および芯338(例えば、
図22)は、モジュールハウジング354および上部ハットホルダー345によって(少なくとも部分的に)封入され得る。さらに、モジュールハウジング354および上部ハットホルダー345によって画定される内部空間は、組み立てられた(その中にヒーター336および芯338が配置された)時、加熱チャンバーと見なされ得る。加熱チャンバーは、モジュール出口368を介して、モジュールハウジング354の上流側の流路と流体連通している。
【0094】
上述のように、ニコチンポッドアセンブリ300の中に引き出された空気のための流路は、第一の分岐部分、第二の分岐部分、およびモジュールハウジング354によって画定される合流部分を含む。例示的な実施形態では、第一の分岐部分および第二の分岐部分は、流路の合流部分に対応する軸によって二等分される対称的な部分である。例えば、
図30に示すように、第一の分岐部分、第二の分岐部分、および合流部分は、第一の湾曲した経路330a、第二の湾曲した経路330b、および合流経路330cをそれぞれ含み得る。第一の湾曲した経路330aおよび第二の湾曲した経路330bは、実質的にU字形状の経路であってもよく、合流経路330cは、実質的に直線状の経路であってもよい。合流経路330cに対応し、かつ仕切り329の頂部と整列した軸に基づいて、流路の第一の分岐部分は、流路の第二の分岐部分の鏡像であり得る。ベイピング中、ポッド入口322を通して引き出される空気は、仕切り329によって分割され、最初に仕切り329から離れるように反対方向に流れ、その後、平行に流れた後各空気流がUターンし(第一の湾曲した経路330aおよび第二の湾曲した経路330bを介して)、モジュール出口368を通って加熱チャンバーへと通過する前に仕切り329に向かって戻るように移動する組み合わせられた流れのために合流する(合流経路330cを介して)。ヒーター336および芯338は、両側がモジュール出口368を通過する空気の流れに実質的に等しく露出するように位置付けられてもよい。ベイピング中、発生されたニコチンベイパーは、加熱チャンバーを通ってベイパーチャネル316へと移動する空気の流れに同伴される。
【0095】
パーティション370は、モジュール出口368内に配置されて、加熱チャンバーに入る空気の流れを分割し得る。ヒーター336および芯338(例えば、
図22)は、モジュール出口368の下流にあり、パーティション370と整列するように配向されてもよい。パーティション370の結果として、空気の流れは、第一の流れがヒーター336(および芯338)の第一の側に沿って通過し、第二の流れがヒーター336(および芯338)の第二の側に沿って通過するように、比較的等しく分割され得る。例示的な実施形態では、第一の流れおよび第二の流れの大きさ(例えば、速度、体積流量、質量流量)は、互いの±10パーセント以内であってもよい。例えば、加熱チャンバー内に引き出された空気に関して、51パーセントは第一の流れの一部であってもよく、49パーセントは第二の流れの一部であってもよいが、当然のことながら、上記の範囲内で変動が生じる場合がある。加熱チャンバーを通る流れの不均衡を減少させることに加えて、パーティション370はまた、整流器と見なされ得る。
【0096】
パーティション370は、モジュール出口368を横切って(例えば、二等分)延びるバーの形態であってもよい。寸法に関しては、パーティション370は、約150~250マイクロメートル(例えば、200マイクロメートル)の厚さを有してもよい。パーティション370の厚さは、モジュール出口368がパーティション370によって妨害される程度と一致する。結果として、パーティション370の厚さおよび/またはモジュール出口368のサイズは、ニコチンeベイピング装置500の所望の引き出し抵抗(例えば、25水柱ミリメートル)を提供するように調整され得る。さらに、パーティション370の幅は、525~875マイクロメートル(例えば、700マイクロメートル)であり得る。幅は、パーティション370が、モジュール出口368によって画定される通路の大部分または全体に沿って延びるようなものであってもよい。さらに、モジュール出口368を円形断面と仮定すると、パーティション370の長さは、モジュール出口368の直径に対応し得る。別の方法として、モジュール出口368が楕円形の断面を有する場合、パーティション370の長さは、モジュール出口368の軸(例えば、短軸、長軸)に対応してもよい。
【0097】
図29~30に示すように、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々は、接触面および接触脚部を含み得る。接触脚部(細長い構成を有し得る)は、接触面(正方形であり得る)と直交して配向されてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。モジュールハウジング354は、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの据え付けを容易にするために、一対の浅いくぼみおよび一対の開口を画定し得る。組み立て中、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々の接触面は、モジュールハウジング354の外面(例えば、
図21)と実質的に同一平面上にあるように、一対の浅いくぼみの対応する一つ内に置かれ得る。さらに、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bのそれぞれの接触脚部は、モジュールハウジング354の下流側から突出するように、一対の開口の対応する一つを通って延び得る(例えば、
図28)。ヒーター336は、その後、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々の接触脚部に接続され得る。
【0098】
プリント回路基板(PCB)362は、その上流側上に複数のデータ接点326(例えば、
図30)、およびその下流側上にセンサー364を含む様々な電子構成要素(例えば、
図29)を含む。センサー364は、センサー364がモジュールハウジング354によって画定される合流経路330c内にあるように、プリント回路基板(PCB)362上に位置付けられてもよい。例示的な実施形態では、プリント回路基板(PCB)362(およびそれに固定された関連構成要素)は、データ接点326が第二のハウジングセクション308のデータ接点開口部327によって露出されるように、第二のハウジングセクション308の下流側の受容空洞の中に最初に挿入される独立した構造である。その後、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bが、第二のハウジングセクション308の第一の電力接点開口部325aおよび第二の電力接点開口部325bによってそれぞれ露出されるように、モジュールハウジング354(第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、ヒーター336、およびそれに取り付けられた芯338を有する)を、受容空洞の中に挿入し得る。別の方法として、上記の二工程挿入プロセスを一工程挿入プロセスへと単純化するために、プリント回路基板(PCB)362(およびそれらに固定された関連構成要素)を、第一の湾曲した経路330a、第二の湾曲した経路330b、合流経路330c、およびモジュール出口368を覆うように、モジュールハウジング354に(例えば、単一の統合された構造を形成するために)貼り付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0099】
上述のように、モジュール出口368は、引き出し抵抗(RTD)ポートであってもよい。こうした構成では、ニコチンeベイピング装置500の引き出し抵抗は、(ポッド入口322のサイズを変えるのではなく)モジュール出口368のサイズを変更することによって調整され得る。例示的な実施形態では、モジュール出口368のサイズは、引き出し抵抗が20~100水柱ミリメートル(例えば、25~50水柱ミリメートル)となるように選択され得る。例えば、モジュール出口368の1.0mmの直径は、88.3水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。別の例では、モジュール出口368の1.1ミリメートルの直径は、73.6水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。別の例では、モジュール出口368の1.2ミリメートルの直径は、58.7水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。さらに別の例では、モジュール出口368の1.3ミリメートルの直径は、40~43水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。特に、モジュール出口368のサイズは、その内部配設のために、ニコチンポッドアセンブリ300の外部美観に影響を与えることなく調整され、それによって、様々な引き出し抵抗(RTD)を有するニコチンポッドアセンブリのより標準化された製品設計を可能にし、また同時に、流入する空気の不注意による閉塞の可能性も低減し得る。
【0100】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることが理解されるべきである。こうした変形は、本開示の趣旨および範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者に明らかであろうすべてのこうした修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】