(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-27
(54)【発明の名称】ニコチンポッドアセンブリおよびニコチンeベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20230120BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20230120BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022527197
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2020083549
(87)【国際公開番号】W WO2021105307
(87)【国際公開日】2021-06-03
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ハウズ エリック
(72)【発明者】
【氏名】ウルマン ヤニック
(72)【発明者】
【氏名】ニューカム クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ラウ レイモンド ダブリュ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC01
4B162AC02
4B162AC06
4B162AC17
4B162AD02
(57)【要約】
ニコチンeベイピング装置は、ニコチンポッドアセンブリと、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴(150)を画定する装置本体(100)とを含む。ニコチンポッドアセンブリは、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されている。装置本体の貫通穴は、ニコチンポッドアセンブリの挿入中にたわむように構成された少なくとも一つの側壁を含む。貫通穴の一つ以上の側壁は、ニコチンポッドアセンブリを装置本体の貫通穴内に保持するように、ニコチンポッドアセンブリの対応する陥凹部と係合するように構成された少なくとも一つの突出部(130b)を含み得る。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたニコチンポッドアセンブリであって、前記ニコチンポッドアセンブリが、上流端および下流端を有し、前記上流端が、少なくとも一つの上流陥凹部を画定し、前記下流端が、少なくとも一つの下流陥凹部を画定する、ニコチンポッドアセンブリと、
前記ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する装置本体であって、前記貫通穴が、上流側壁および下流側壁を含み、前記上流側壁または前記下流側壁のうちの少なくとも一つが、前記ニコチンポッドアセンブリの挿入中にたわむように構成されており、前記上流側壁が、少なくとも一つの上流突出部を含み、前記下流側壁が、少なくとも一つの下流突出部を含み、前記少なくとも一つの上流突出部および前記少なくとも一つの下流突出部が、前記ニコチンポッドアセンブリを前記装置本体の前記貫通穴内に保持するように、前記少なくとも一つの上流陥凹部および前記少なくとも一つの下流陥凹部とそれぞれ係合するように構成されている、装置本体と、を備える、ニコチンeベイピング装置。
【請求項2】
前記装置本体の前記上流側壁および前記下流側壁が、前記ニコチンポッドアセンブリの前記挿入中に互いから離れるように曲がるように構成されている、請求項1に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項3】
前記装置本体の前記上流側壁および前記下流側壁が、前記ニコチンポッドアセンブリが前記装置本体によって受容された時に、非装填状態から装填状態へと遷移するように構成された弾性セクションである、請求項1または2に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの上流突出部が、前記装填状態中、前記ニコチンポッドアセンブリの前記少なくとも一つの上流陥凹部と連動するように前記装置本体の前記上流側壁によって付勢される、請求項3に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの下流突出部が、前記装填状態中、前記ニコチンポッドアセンブリの前記少なくとも一つの下流陥凹部と連動するように前記装置本体の前記下流側壁によって付勢される、請求項3または4に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項6】
前記装置本体が、前記貫通穴を画定するベゼル構造を含む、請求項1~5のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項7】
前記ベゼル構造がモノリシックな物品である、請求項6に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項8】
前記ベゼル構造が、第一の上流スリットを画定する第一の上流隅角、第二の上流スリットを画定する第二の上流隅角、第一の下流スリットを画定する第一の下流隅角、および第二の下流スリットを画定する第二の下流隅角を含む、請求項6または7に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項9】
前記上流側壁が、前記第一の上流スリットと前記第二の上流スリットの間にあり、前記下流側壁が、前記第一の下流スリットと前記第二の下流スリットの間にある、請求項8に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項10】
前記ベゼル構造が、長さ、幅、および奥行きを有し、前記幅が、前記奥行きよりも大きい、請求項8または9に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項11】
前記第一の上流スリット、前記第二の上流スリット、前記第一の下流スリット、および前記第二の下流スリットの各々が、前記ベゼル構造の前記奥行きの少なくとも30パーセントである最長寸法を有する、請求項10に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項12】
前記装置本体が、前記ベゼル構造に固定されたマウスピースをさらに含む、請求項6~11のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項13】
前記マウスピースが、雄部分を含み、前記ベゼル構造が、雌部分を含み、前記マウスピースの前記雄部分と前記ベゼル構造の前記雌部分が、バヨネット接続として嵌合するように構成されている、請求項12に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項14】
前記ニコチンポッドアセンブリの前記少なくとも一つの上流陥凹部および前記少なくとも一つの下流陥凹部が、ディンプルの形態である、請求項1~13のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項15】
前記ニコチンポッドアセンブリの前記少なくとも一つの上流陥凹部が、二つの上流陥凹部を含み、前記ニコチンポッドアセンブリの前記少なくとも一つの下流陥凹部が、二つの下流陥凹部を含む、請求項1~14のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項16】
前記装置本体の前記少なくとも一つの上流突出部および前記少なくとも一つの下流突出部が、球状キャップの形態である、請求項1~15のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項17】
前記装置本体の前記少なくとも一つの上流突出部が、二つの上流突出部を含み、前記装置本体の前記少なくとも一つの下流突出部が、二つの下流突出部を含む、請求項1~16のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項18】
前記装置本体が、前記ニコチンポッドアセンブリが前記装置本体の前記貫通穴内に置かれることに応答して、可聴クリックまたは触覚フィードバックのうちの少なくとも一つを生成するように構成されている、請求項1~17のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項19】
ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する装置ハウジングであって、前記貫通穴が、上流側壁および下流側壁を含み、前記上流側壁または前記下流側壁のうちの少なくとも一つが、前記ニコチンポッドアセンブリの挿入中にたわむように構成されており、前記上流側壁が、少なくとも一つの上流突出部を含み、前記下流側壁が、少なくとも一つの下流突出部を含み、前記少なくとも一つの上流突出部および前記少なくとも一つの下流突出部が、前記ニコチンポッドアセンブリを前記貫通穴内に保持するように、前記ニコチンポッドアセンブリの少なくとも一つの上流陥凹部および少なくとも一つの下流陥凹部とそれぞれ係合するように構成されている、装置ハウジングを備える、ニコチンeベイピング装置のための装置本体。
【請求項20】
ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたポッド本体であって、前記ポッド本体が、前面、後面、第一の側面、第二の側面、上流端、および下流端を有し、前記上流端が、少なくとも一つの電気接点を含み、少なくとも一つの上流陥凹部を画定し、前記下流端が、ポッド出口および少なくとも一つの下流陥凹部を画定する、ポッド本体を備える、ニコチンeベイピング装置のためのニコチンポッドアセンブリ。
【請求項21】
前記少なくとも一つの上流陥凹部が二つの上流陥凹部を含み、前記少なくとも一つの電気接点が、前記二つの上流陥凹部の間にあり、前記少なくとも一つの下流陥凹部が、二つの下流陥凹部を含み、前記ポッド出口が、前記二つの下流陥凹部の間にある、請求項20に記載のニコチンポッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン電子ベイピング(eベイピング)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一部のニコチンeベイピング装置は、第二のセクションに連結された第一のセクションを含む。第一のセクションは、芯およびヒーターを含み得る。芯は、毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を移動させるように構成されており、かつ貯蔵部およびベイパー通路の中に延びるように位置付けられている。ヒーターは、芯と熱的に接触し、芯を介してベイパー通路の中に引き出されたニコチンプレベイパー製剤を気化するように構成されている。第二のセクションは、ベイピング中にヒーターに電流を供給するように構成された電源を含む。ニコチンeベイピング装置の動作の開始は、手動および/または吸煙起動を通して達成され得る。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置に関する。
【0004】
例示的な実施形態では、ニコチンeベイピング装置は、ニコチンポッドアセンブリと、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された装置本体とを含み得る。ニコチンポッドアセンブリは、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されている。ニコチンポッドアセンブリは、上流端および下流端を有する。上流端は、少なくとも一つの上流陥凹部を画定し得る。下流端は、少なくとも一つの下流陥凹部を画定し得る。装置本体は、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する。貫通穴は、上流側壁および下流側壁を含み得る。上流側壁または下流側壁のうちの少なくとも一つは、ニコチンポッドアセンブリの挿入中にたわむように構成されてもよい。上流側壁は少なくとも一つの上流突出部を含んでもよく、下流側壁は少なくとも一つの下流突出部を含んでもよい。少なくとも一つの上流突出部および少なくとも一つの下流突出部は、ニコチンポッドアセンブリを装置本体の貫通穴内に保持するように、少なくとも一つの上流陥凹部および少なくとも一つの下流陥凹部とそれぞれ係合するように構成されてもよい。
【0005】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置のための装置本体に関する。
【0006】
例示的な実施形態では、装置本体は、ニコチンポッドアセンブリを受容するように構成された貫通穴を画定する装置ハウジングを含み得る。貫通穴は、上流側壁および下流側壁を含み得る。上流側壁または下流側壁のうちの少なくとも一つは、ニコチンポッドアセンブリの挿入中にたわむように構成されている。上流側壁は少なくとも一つの上流突出部を含み、下流側壁は少なくとも一つの下流突出部を含む。少なくとも一つの上流突出部および少なくとも一つの下流突出部は、ニコチンポッドアセンブリを貫通穴内に保持するように、ニコチンポッドアセンブリの少なくとも一つの上流陥凹部および少なくとも一つの下流陥凹部とそれぞれ係合するように構成されている。
【0007】
少なくとも一つの実施形態は、ニコチンeベイピング装置のためのニコチンポッドアセンブリに関する。
【0008】
例示的な実施形態では、ニコチンポッドアセンブリは、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたポッド本体を含み得る。ポッド本体は、前面、後面、第一の側面、第二の側面、上流端、および下流端を有し得る。上流端は、少なくとも一つの電気接点を含んでもよく、少なくとも一つの上流陥凹部を画定し得る。下流端は、ポッド出口および少なくとも一つの下流陥凹部を画定し得る。
【0009】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
【
図2】
図2は、
図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
【
図4】
図4は、
図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
【
図5】
図5は、
図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
【
図6】
図6は、
図1のニコチンeベイピング装置の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6のニコチンeベイピング装置の装置本体の斜視図である。
【
図13】
図13は、
図11の前部カバー、フレーム、および後部カバーに係る部分分解図である。
【
図14】
図14は、
図6のニコチンeベイピング装置のニコチンポッドアセンブリの斜視図である。
【
図16】
図16は、
図14のニコチンポッドアセンブリの第一のハウジングセクションに係る分解図である。
【
図17】
図17は、
図14のニコチンポッドアセンブリの第二のハウジングセクションに係る部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0012】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、あらゆる変更、同等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0013】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、「に取り付けられる」、「に隣接する」、「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の直接的に上にある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、それに直接的に取り付けられる、それに直接的に隣接する、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上のいくつかの、またはすべての組み合わせ、または部分組み合わせを含む。
【0014】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために本明細書で使用されてもよく、これらの要素、領域、層、および/またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0015】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。したがって、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0016】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および/または「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、および/または要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0017】
例示的な実施形態の説明において「同じ(same)」または「同一の(identical)」という用語が使用される場合、当然のことながら、ある程度の不正確性が存在し得る。したがって、一つの要素または値が別の要素または値と同じであると言及される場合、当然のことながら、要素または値は、製造または動作公差範囲内(例えば、±10パーセント)で他の要素または値と同じである。
【0018】
「約(about)」または「実質的に(substantially)」という用語は、数値に関連して本明細書で使用されており、当然のことながら、それに伴う数値は、述べられた数値の前後の製造または動作公差(例えば、±10パーセント)を含む。さらに、「一般に(generally)」および「実質的に(substantially)」という単語が幾何学的形状に関連して使用される時、当然のことながら、その幾何学的形状の正確さは要求されないが、形状の許容範囲は本開示の範囲内である。
【0019】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0020】
ハードウェアは、一つ以上のプロセッサ、一つ以上の中央処理装置(CPU)、一つ以上のマイクロコントローラ、一つ以上の演算論理ユニット(ALU)、一つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、一つ以上のマイクロコンピュータ、一つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、一つ以上のシステムオンチップ(SoC)、一つ以上のプログラマブル論理ユニット(PLU)、一つ以上のマイクロプロセッサ、一つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)または定義された様態で命令に応答および実行する能力を有する任意の他の装置などを含むが、これらに限定されない処理または制御回路を使用して実装されてもよい。
【0021】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
図2は、
図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
図3は、
図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
図1~3を参照すると、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された装置本体100を含む。ニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたモジュール式の物品である。ニコチンプレベイパー製剤は、ニコチンベイパーへと変形され得る材料または材料の組み合わせである。例えば、ニコチンプレベイパー製剤は、液体、固体、および/またはゲル製剤を含み得る。これらは、例えば、限定されないが、水、油、エマルション、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、ニコチン、天然または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、および/またはベイピングに好適であり得る任意の他の成分を含み得る。ベイピング中、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。ニコチンベイパー、ニコチンエアロゾルおよびニコチン分散液は、互換的に使用され、開示される装置、特許請求される装置、および/またはその同等物によって発生または出力される物質を指し、こうした物質はニコチンを含有する。ニコチンeベイピング装置装置500は、電子ニコチン送達システム(ENDS)とみなされ得る。
【0022】
図1および3に示すように、ニコチンeベイピング装置500は、長軸方向に延び、その幅よりも大きい長さを有する。さらに、
図2に示すように、ニコチンeベイピング装置500の長さはまた、その厚さよりも大きい。さらに、ニコチンeベイピング装置500の幅は、その厚さよりも大きくてもよい。x-y-zデカルト座標系を仮定すると、ニコチンeベイピング装置500の長さはy方向に測定されてもよく、幅はx方向に測定されてもよく、厚さはz方向に測定されてもよい。ニコチンeベイピング装置500は、その正面図、側面図、および背面図に基づいて、テーパー付きおよび/または丸みのある端を有する実質的に直線形態を有してもよいが、例示的な実施形態はこれらに限定されない。
【0023】
装置本体100は、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108を含む。前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路を封入する装置ハウジングを形成する。例えば、装置本体100の装置ハウジングは、ニコチンポッドアセンブリ300に電流を供給することを含み得る、ニコチンeベイピング装置500に給電するように構成された電源を封入してもよい。さらに、組み立てられた時、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、装置本体100の可視部分の大部分を構成し得る。装置ハウジングは、マウスピース102を除いて、装置本体100の全ての構成部分を含むものと見なされ得る。別の言い方をすると、マウスピース102および装置ハウジングが装置本体100を形成しているとみなされ得る。
【0024】
前部カバー104(例えば、第一のカバー)は、ベゼル構造112を収容するように構成された一次開口部を画定する。一次開口部は、丸みのある長方形の形状を有してもよいが、ベゼル構造112の形状に応じて他の形状も可能である。ベゼル構造112は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通穴150を画定する。貫通穴150は、例えば、
図7に関連してより詳細に本明細書で説明される。
【0025】
前部カバー104はまた、光ガイド配設を収容するように構成された二次開口部を画定する。二次開口部はスロットに類似してもよいが、光ガイド配設の形状に応じて他の形状も可能である。例示的な実施形態では、光ガイド配設は、光ガイドハウジング114およびボタンハウジング122を含む。光ガイドハウジング114は、光ガイドレンズ116を露出するように構成されている。ボタンハウジング122は、第一のボタン118として構造化された上流部分と、第二のボタン120として構造化された下流部分とを有してもよい。ボタンハウジング122は、単一の構造または二つの別個の構造の形態であってもよい。後者の形態では、第一のボタン118および第二のボタン120は、押されたときにより独立した感触で作動することができる。
【0026】
ニコチンeベイピング装置500の動作は、第一のボタン118および第二のボタン120によって制御されてもよい。例えば、第一のボタン118は、電力ボタンであってもよく、第二のボタン120は、強度ボタンであってもよい。二つのボタンは、光ガイド配設に関連して図面に示されるが、当然のことながら、利用可能な特徴および所望のユーザーインターフェースに応じて、より多くの(またはより少ない)ボタンが提供される場合がある。
【0027】
フレーム106(例えば、ベースフレーム)は、装置本体100(およびニコチンeベイピング装置500全体)の中央支持構造である。フレーム106は、シャーシと呼ばれ得る。フレーム106は、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間の一対の側面セクションを含む。近位端はおよび遠位端は、下流端および上流端ともそれぞれ呼ばれ得る。本明細書で使用される「近位」(および、逆に「遠位」)とは、ベイピング中の成人eベイピング装置使用者に対するものであり、「下流」(および、逆に「上流」)という用語は、ニコチンベイパーの流れに対するものである。架橋セクションが、さらなる強度および安定性のために、側面セクションの対向する内表面の間(例えば、フレーム106の長さに沿ってほぼ中間)に提供されてもよい。フレーム106は、モノリシックな構造となるように一体的に形成されてもよい。
【0028】
構造の材料に関して、フレーム106は、合金またはプラスチックで形成され得る。合金(例えば、ダイキャストグレード、マシナブルグレード)は、アルミニウム(Al)合金または亜鉛(Zn)合金であってもよい。プラスチックは、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはそれらの組み合わせ(PC/ABS)であってもよい。例えば、ポリカーボネートは、LUPOY SC1004Aであってもよい。さらに、フレーム106は、機能的および/または審美的な理由から(例えば、高級な外観を提供するために)、表面仕上げが提供されてもよい。例示的な実施形態では、フレーム106(例えば、アルミニウム合金で形成される場合)は陽極酸化されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、亜鉛合金で形成される場合)は、硬質エナメルで被覆されてもよく、または塗装されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、ポリカーボネートで形成される場合)は金属化されてもよい。さらに別の実施形態では、フレーム106(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレンで形成される場合)は、電気メッキされてもよい。当然のことながら、フレーム106に関する構造の材料は、前部カバー104、後部カバー108、および/またはニコチンeベイピング装置500のその他の適切な部品にも当てはまり得る。
【0029】
後部カバー108(例えば、第二のカバー)もまた、ベゼル構造112を収容するように構成された開口部を画定する。開口部は、丸みのある長方形の形状を有してもよいが、ベゼル構造112の形状に応じて他の形状も可能である。例示的な実施形態では、後部カバー108の開口部は、前部カバー104の一次開口部よりも小さい。さらに、図示されていないが、当然のことながら、光ガイド配設(例えば、ボタンを含む)は、ニコチンeベイピング装置500の前面の光ガイド配設に加えて(または代わりに)、ニコチンeベイピング装置500の背面に提供されてもよい。
【0030】
前部カバー104および後部カバー108は、スナップ嵌め配設を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。例えば、前部カバー104および/または後部カバー108は、フレーム106の対応する嵌合部材と連動するように構成されたクリップを含み得る。非限定的な実施形態では、クリップは、フレーム106の対応する嵌合部材(例えば、傾斜した縁を有する突出部)を受容するように構成されたオリフィスを有するタブの形態であってもよい。別の方法として、前部カバー104および/または後部カバー108は、締り嵌め(また、プレス嵌めまたは摩擦嵌めとも呼ばれ得る)を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。しかしながら、当然のことながら、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、他の適切な配設および技術を介して連結される場合がある。
【0031】
装置本体100はまた、マウスピース102も含む。マウスピース102は、フレーム106の近位端に固定され得る。さらに、
図2に示すように、フレーム106が前部カバー104と後部カバー108との間に挟まれる例示的な実施形態では、マウスピース102は、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108に当接し得る。さらに、非限定的な実施形態では、マウスピース102は、バヨネット接続を介して装置ハウジングと結合されてもよい。
【0032】
図4は、
図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
図4を参照すると、マウスピース102の出口面は、複数のベイパー出口を画定する。非限定的な実施形態では、マウスピース102の出口面は楕円形状であってもよい。さらに、マウスピース102の出口面は、楕円形状の出口面の長軸に対応する第一のクロスバーと、楕円形状の出口面の短軸に対応する第二のクロスバーとを含み得る。さらに、第一のクロスバーと第二のクロスバーは、直角を成して交差し、マウスピース102の一体的に形成された部分であってもよい。出口面は、四つのベイパー出口を画定するものとして示されているが、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されない。例えば、出口面は、四つ未満(例えば、一つ、二つ)のベイパー出口、または四つを超える(例えば、六つ、八つ)ベイパー出口を画定してもよい。
【0033】
図5は、
図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
図5を参照すると、ニコチンeベイピング装置500の遠位端は、ポート110を含む。ポート110は、ニコチンeベイピング装置500内の内部電源を充電するように、外部電源から電流を受容する(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)ように構成されている。さらに、ポート110はまた、別のニコチンeベイピング装置または他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)との間でデータを送信および/またはデータを受信する(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)ように構成されてもよい。さらに、ニコチンeベイピング装置500は、その電子装置上にインストールされるアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介した、電話などの別の電子装置との無線通信のために構成されてもよい。こうした例では、成人eベイピング装置使用者は、アプリを通して、ニコチンeベイピング装置500を制御するか、または別の方法でこれとインターフェースし得る(例えば、ニコチンeベイピング装置の位置を特定する、使用情報をチェックする、動作パラメータを変更する)。
【0034】
図6は、
図1のニコチンeベイピング装置の斜視図である。
図6を参照すると、および上で簡潔に言及されるように、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたニコチンポッドアセンブリ300を含む。ニコチンポッドアセンブリ300は、上流端(光ガイド配設に面する)および下流端部(マウスピース102に面する)を有する。非限定的な実施形態では、上流端は、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端に対向する面である。ニコチンポッドアセンブリ300の上流端は、少なくとも一つの上流陥凹部(例えば、
図14の第一の上流陥凹部312aおよび/または第二の上流陥凹部312b)を画定してもよく、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端は、少なくとも一つの下流陥凹部(例えば、
図15の第一の下流陥凹部306aおよび/または第二の下流陥凹部306b)を画定してもよい。本明細書でより詳細に説明するように、装置本体100のベゼル構造112は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100内に置かれた時に、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端(例えば、少なくとも一つの上流陥凹部を介して)および下流端(例えば、少なくとも一つの下流陥凹部を介して)と係合し得る。
【0035】
装置本体100およびニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路を含み、これらは本明細書でより詳細に説明され、および/または参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ニコチンポッドアセンブリ300は、作動すると内部に封止された貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された機械的構成要素を含み得る。ニコチンポッドアセンブリ300はまた、装置本体100と係合して、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入および配置を容易にするように構成された機械的態様を有してもよい。
【0036】
さらに、ニコチンポッドアセンブリ300は、装置本体100との間で情報を記憶、受信、および/または送信するように構成された電子構成要素および/または回路を含む、「スマートポッド」であってもよい。こうした情報は、装置本体100で使用するためのニコチンポッドアセンブリ300を認証するために使用され得る(例えば、未承認/偽造のニコチンポッドアセンブリの使用を防止するために)。さらに、情報は、ニコチンポッドアセンブリ300のタイプを識別するために使用されてもよく、次いで、識別されたタイプに基づいてベイピングプロファイルと相関付けられる。ベイピングプロファイルは、ニコチンプレベイパー製剤の加熱のための一般的なパラメータを定めるように設計されてもよく、また、ベイピング前および/またはベイピング中に、成人eベイピング装置使用者による調整、精製、またはその他の調整に供されてもよい。
【0037】
ニコチンポッドアセンブリ300はまた、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連し得る他の情報を装置本体100と通信してもよい。関連情報の例には、ニコチンポッドアセンブリ300内のニコチンプレベイパー製剤のレベル、および/またはニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の中に挿入されて起動されてから経過した時間の長さが含まれ得る。例えば、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の中に挿入され、特定の期間より長く(例えば、6か月前より長く)起動された場合、ニコチンeベイピング装置500は、ベイピングを許容せず、成人eベイピング装置使用者は、ニコチンポッドアセンブリ300が依然として適切なレベルのニコチンプレベイパー製剤を含有していても、新しいニコチンポッドアセンブリに交換するよう促進され得る。
【0038】
上述のように、そして本明細書でより詳細に説明するように、装置本体100は、ニコチンポッドアセンブリ300を係合、保持、および/または起動するように構成された機械的構成要素(例えば、相補的構造)を含み得る。さらに、装置本体100は、電流を受容して内部電源(例えば、電池)を充電するように構成された電子構成要素および/または回路を含んでもよく、これは次いで、ベイピング中にニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成されている。さらに、装置本体100は、ニコチンポッドアセンブリ300、異なるニコチンeベイピング装置、その他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)、および/または成人eベイピング装置使用者と通信するように構成された電子構成要素および/または回路を含み得る。通信される情報には、ポッド固有データ、現在のベイピング詳細、および/または過去のベイピングパターン/履歴が含まれ得る。成人eベイピング装置使用者は、触覚(例えば、振動)、聴覚(例えば、ビープ音)、および/または視覚(例えば、色付き/点滅する光)であるフィードバックを用いて、こうした通信について通知され得る。充電および/または情報の通信は、ポート110を用いて(例えば、USB/ミニUSBケーブルを介して)実施されてもよい。
【0039】
図7は、
図6のニコチンeベイピング装置の装置本体の斜視図である。
図8は、
図7のベゼル構造の拡大図である。
図9は、
図7のベゼル構造の別の拡大図である。
図7~9を参照すると、装置本体100は、ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通穴150を画定する。例示的な実施形態では、装置本体100のベゼル構造112は、貫通穴を画定する。貫通穴150は、丸みのある隅角を有する長方形の形状を有してもよいが、ニコチンポッドアセンブリ300の構成に応じて他の形状も可能である。ベゼル構造112は、ニコチンポッドアセンブリ300が貫通穴150内に置かれた時に、ニコチンポッドアセンブリ300と係合するように構成された少なくとも一つの可撓性部分(例えば、突出部を有する上流パネルおよび/または下流パネル)を有するモノリシックな弾性物品となるように一体的に形成されてもよい。例えば、ベゼル構造112は、プラスチックで形成されてもよい。したがって、ニコチンポッドアセンブリ300は、比較的容易に位置付けられ、費用効果の高い様態で装置本体100内に確実に保持され得る。
【0040】
ベゼル構造112は、長さ、幅、および奥行きを有する。ベゼル構造112の長さは、装置本体100の長軸方向であってもよく、ベゼル構造112の幅は、貫通穴150を横切って横断方向であり、かつ装置本体100の長軸方向と直交してもよい。ベゼル構造112の奥行きは、貫通穴150を通して垂直方向であり、装置本体100の長軸方向および貫通穴150を横切る横断方向の両方に対して直角を成す方向であり得る。例えば、x-y-zデカルト座標系を仮定すると、ベゼル構造112の長さはy方向に測定されてもよく、幅はx方向に測定されてもよく、奥行きはz方向に測定されてもよい。ベゼル構造112の長さは、幅よりも大きくてもよく、ベゼル構造112の幅は、奥行きよりも大きくてもよい。
【0041】
図8に示すように、ベゼル構造112は、第一の下流スリット154aを画定する第一の下流隅角と、第二の下流スリット154bを画定する第二の下流隅角とを含み得る。さらに、
図9に示すように、ベゼル構造112は、第一の上流スリット152aを画定する第一の上流隅角と、第二の上流スリット152bを画定する第二の上流隅角とを含み得る。結果として、ベゼル構造112が、上流側壁、対向する下流側壁、およびそれらの間に貫通穴150を画定するための一対の横方向側壁を有する例示的な実施形態では、少なくとも上流側壁および/または下流側壁は、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入中に(スリットによって)たわむように構成され得る。例えば、ベゼル構造112の上流側壁および下流側壁は、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入中に互いから離れるように曲がるように構成されてもよい。したがって、ベゼル構造112の上流側壁および下流側壁は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100によって受容された時に、非装填状態から装填状態へと遷移するように(例えば、可逆的に)構成された弾性セクションであり得る。
【0042】
図8では、第一の下流スリット154aと第二の下流スリット154bとの間の下流側壁の一部分は、下流係合パネル158であってもよい。同様に、
図9では、第一の上流スリット152aと第二の上流スリット152bとの間の上流側壁の一部分は、上流係合パネル156であってもよい。第一の上流スリット152a、第二の上流スリット152b、第一の下流スリット154a、および第二の下流スリット154bの各々は、ベゼル構造112の奥行き(例えば、平均奥行き)の少なくとも30パーセント(例えば、少なくとも40パーセント)である最長寸法(例えば、ベゼル構造112の奥行き方向に)を有してもよいが、構成が上流係合パネル156および下流係合パネル158による弾性レバー様作用を許容する限り、その他の寸法も可能である。
【0043】
ベゼル構造112の上流側壁および/または下流側壁は、(例えば、ニコチンポッドアセンブリ300の一つ以上の陥凹部との係合を介して)装置本体100の貫通穴150内にニコチンポッドアセンブリ300を保持するように構成された少なくとも一つの突出部(例えば、戻り止め)を含み得る。例えば、
図8に示すように、下流側壁の下流係合パネル158は、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bを含み得る。第一の下流突出部130aは、装置本体100の第一の下流スリット154aおよび後側(例えば、後部カバー108)に隣接してもよく、第二の下流突出部130bは、装置本体100の第二の下流スリット154bおよび後側(例えば、後部カバー108)に隣接してもよい。同様に、
図9に示すように、上流側壁の上流係合パネル156は、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを含み得る。第一の上流突出部128aは、装置本体100の第一の上流スリット152aおよび後側(例えば、後部カバー108)に隣接してもよく、第二の上流突出部128bは、装置本体100の第二の上流スリット152bおよび後側(例えば、後部カバー108)に隣接してもよい。
【0044】
一対の突出部がベゼル構造112の上流側壁および下流側壁の各々に関連して図示されているが、当然のことながら、他の量も適切であり得る(例えば、それぞれ一個の突出部、それぞれ三個の突出部)。さらに、例示的な実施形態では、突出部の各々は、球状キャップ(例えば、半球)の形態であってもよい。別の方法として、突出部のうちの一つ以上は、楕円形キャップ(例えば、半楕円)、隆起部(例えば、丸みのある、傾斜した)、またはニコチンポッドアセンブリ300の対応する陥凹部と係合するための他の適切な嵌合構造の形態であってもよい。さらに、突出部は、ベゼル構造112の一体型の部分であってもよい。
【0045】
第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bは、装填状態中、ニコチンポッドアセンブリ300の対応する上流陥凹部と連動するように上流側壁の上流係合パネル156によって付勢される(例えば、非装填状態から)。同様に、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、装填状態中、ニコチンポッドアセンブリ300の対応する下流陥凹部と連動するように下流側壁の下流係合パネル158によって付勢される(例えば、非装填状態から)。したがって、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に置かれる例示的な実施形態では、ニコチンポッドアセンブリ300は、上流側壁の上流係合パネル156と下流側壁の下流係合パネル158との間でそれらによって保持(例えば、圧迫)される。
【0046】
ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150の中に挿入される時、ベゼル構造112の突出部の上流対(例えば、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128b)は、ベゼル構造112の突出部の下流対(例えば、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130b)がニコチンポッドアセンブリ300の対応する陥凹部の下流対と係合する前に、ニコチンポッドアセンブリ300の対応する陥凹部の上流対と係合してもよい(またはその逆も可である)。別の例では、ベゼル構造112の突出部の上流対および下流対は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150の中に挿入される時に、実質的に同時に、ニコチンポッドアセンブリ300の対応する陥凹部の上流対および下流対と係合してもよい。さらに、ベゼル構造112の突出部と、ニコチンポッドアセンブリ300の対応する陥凹部との係合は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150に適切に置かれていることを成人eベイピング装置使用者に通知するための聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)および/または触覚フィードバック(例えば、振動)を生成し得る。
【0047】
ベゼル構造112の下流側壁は、下流開口部(例えば、
図11の下流開口部148)を画定し得る。結果として、
図7~8に図示した例示的な実施形態では、マウスピース102の遠位端は、ベゼル構造112の下流開口部を通って、貫通穴150の中に(例えば、第一の下流スリット154aと第二の下流スリット154bとの間にあるように)延びる。マウスピース102の遠位端は、環状の弾性構造の形態であってもよい。その弾性性質により、マウスピース102の遠位端は、装置本体100の貫通穴150の中へのニコチンポッドアセンブリ300の挿入に適合するように一時的に変形することができる。さらに、マウスピース102の遠位端の弾性は、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド出口との蒸気密シールを確立するのに役立ち得る。
【0048】
装置本体100の装置電気接点は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に置かれた時に、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気接点と係合するように構成されている。装置本体100の装置電気接点は、装置電気コネクタ132を含む。
図9を参照すると、装置本体100の装置電気コネクタ132は、貫通穴150の上流側に配置されている。装置本体100の装置電気コネクタ132は、貫通穴150内に置かれたニコチンポッドアセンブリ300と電気的に係合するように構成されている。結果として、ベイピング中、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100からニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給することができる。さらに、データを、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100およびニコチンポッドアセンブリ300との間で送信および/または受信することができる。
【0049】
装置電気コネクタ132は、電力接点およびデータ接点を含む。装置電気コネクタ132の電力接点は、装置本体100からニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成されている。図示したように、装置電気コネクタ132の電力接点は、第一の電力接点および第二の電力接点を含み、これらは、前部カバー104よりも後部カバー108に近いように位置付けられてもよい(またはその逆も可である)。第一の電力接点は、第一の上流突出部128aに隣接してもよく、第二の電力接点は、第二の上流突出部128bに隣接してもよい。装置電気コネクタ132の第一の電力接点および第二の電力接点は、デフォルトとして貫通穴150内に伸長するように、そして、付勢に勝る力に供された時には貫通穴150から(例えば、独立して)後退するように、牽引可能に取り付けられ、付勢されてもよい。
【0050】
装置電気コネクタ132のデータ接点は、ニコチンポッドアセンブリ300と装置本体100との間でデータを送信するように構成されている。図示するように、装置電気コネクタ132のデータ接点は、六列の突出部を含むが、例示的な実施形態はこれに限定されない。装置電気コネクタ132のデータ接点は、後部カバー108よりも前部カバー104に近いように位置付けられてもよい(またはその逆も可である)。装置電気コネクタ132のデータ接点は、組み立てられた時に貫通穴150の中に延びる別個の構造であってもよい。また、装置電気コネクタ132のデータ接点もまた、デフォルトとして貫通穴150内に伸長するように、そして、付勢に勝る力に供された時には貫通穴150から(例えば、独立して)後退するように、牽引可能に取り付けられ、付勢されてもよい。
【0051】
例えば、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150の中に挿入されると、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気接点が装置本体100の対応する装置電気接点に対して押し付けられる。結果として、装置電気コネクタ132の電力接点およびデータ接点は、装置本体100の中に後退する(例えば、少なくとも部分的に後退する)が、それらの弾性配設に起因して対応するポッド電気接点に対して押し付けられ続け、それによって、装置本体100とニコチンポッドアセンブリ300との間の適切な電気的接続を確保するのに役立つ。さらに、こうした接続はまた、装置本体100とニコチンポッドアセンブリ300との間の電力および/または信号が、確実かつ正確に伝達および/または伝達されることを可能にするように、機械的に安全であり、かつ最小限の接触抵抗を有し得る。装置本体100の装置電気接点に関連して様々な態様を説明してきたが、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、他の構成も利用され得る。
【0052】
図10は、
図9のマウスピースに係る部分分解図である。
図10を参照すると、マウスピース102は、装置ハウジングのフレーム106を通って延び、ベゼル構造112と係合するように構成されている。本明細書でより詳細に説明するように、マウスピース102は、いくつかの別個の部品のアセンブリであってもよい。別の方法として、マウスピース102は、一体的に形成された単一の構造であってもよい。例示的な実施形態では、フレーム106の近位端およびベゼル構造112の近位端は、マウスピース102の遠位端を受容するように構成されている。図示したように、フレーム106の近位端およびベゼル構造112の近位端の各々は雌端であってもよく、マウスピースの遠位端は雄端であってもよい。
【0053】
例えば、マウスピース102は、バヨネット接続を用いてベゼル構造112に固定、嵌合、または連結(例えば、可逆的に連結)されてもよい。こうした例では、ベゼル構造112の雌端は、対向するL字形状のスロットの対を画定してもよく、マウスピース102の雄端は、ベゼル構造112のL字形状のスロットと係合するように構成された対向する半径方向部材134(例えば、半径方向ピン)を有してもよい。ベゼル構造112のL字形状のスロットの各々は、長軸方向部分および円周方向部分を有し得る。随意に、円周方向部分の末端は、マウスピース102の半径方向部材134が不注意により係合解除される可能性を低減または防止するのに役立つセリフ部分を有してもよい。
【0054】
非限定的な実施形態では、L字形状のスロットの長軸方向部分は、装置本体100の長軸方向軸に沿って平行に延び、L字形状のスロットの円周方向部分は、装置本体100の長軸方向軸(例えば、中心軸)の周りに延びる。結果として、マウスピース102を装置ハウジングに連結するためには、まずマウスピース102を90度回転させて、半径方向部材134をフレーム106の近位端の下流開口部およびベゼル構造112のL字形状のスロットの長軸方向部分への入口と整列させる(例えば、
図10の図に基づくと)。次いで、半径方向部材134が、円周方向部分の各々との接合部に達するまでL字形状のスロットの長軸方向部分に沿って摺動するように、マウスピース102をフレーム106を通してベゼル構造112の中に挿入する。この時点で、次いで、マウスピース102を半径方向部材134が各々の末端に達するまで円周方向部分を横切って移動するように回転させる。各末端にセリフ部分が存在する場合、マウスピース102が装置ハウジングに適切に連結されたことを成人eベイピング装置使用者に通知するために、触覚および/または聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)が生成されてもよい。一対の半径方向部材134および対応するL字形状のスロットが本明細書で説明されるが、当然のことながら、一部の例では、一つの半径方向部材134および対応する一つのL字形状のスロットが適切である。
【0055】
マウスピース102は、ベイピング中にニコチンベイパーがそれを通って流れるベイパー通路136を画定する。ベイパー通路136は、貫通穴150(ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100内で置かれる場所)と流体連通している。ベイパー通路136の近位端は、フレア状の部分を含み得る。さらに、マウスピース102は、端カバー138を含み得る。端カバー138は、その遠位端からその近位端までテーパー付きであってもよい。端カバー138の出口面は、複数のベイパー出口を画定する。端カバー138には四つのベイパー出口が示されているが、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されない。
【0056】
図11は、
図9のベゼル構造に係る部分分解図である。
図12は、
図11のマウスピース、保持構造、およびベゼル構造の拡大斜視図である。
図11~12を参照すると、ベゼル構造112は、上流側壁および下流側壁を含む。ベゼル構造112の上流側壁は、コネクタ開口部146を画定する。コネクタ開口部146は、装置本体100の装置電気コネクタ132を露出または受容するように構成されている。ベゼル構造112の下流側壁は、下流開口部148を画定する。ベゼル構造112の下流開口部148は、マウスピース102の遠位端を受容するように構成されている。
【0057】
装置ハウジングへの取り付けを容易にするために、ベゼル構造112は、タブの上流対およびタブの下流対(例えば、外部タブ)を有する。タブの上流対は、コネクタ開口部146に隣接してもよく(例えば、コネクタ開口部146の各側面に一つのタブ)、タブの下流対は、下流開口部148に隣接してもよい(例えば、下流開口部148の各側面に一つのタブ)。同様に、装置ハウジングのフレーム106は、ベゼル構造112のタブの上流対およびタブの下流対にそれぞれ対応する、タブの上流対およびタブの下流対を有する(例えば、内部タブ)。ベゼル構造112は、上述のタブと少なくとも保持構造140を介して装置ハウジングのフレーム106に固定され得る。
【0058】
保持構造140は、第一の留め具142a、第二の留め具142b、およびキャッチ機構(例えば、中間の連結部材)を含み得る。例示的な実施形態では、第一の留め具142aおよび第二の留め具142bは、キャッチ機構の対向する端の開口を通って延びる別個の部品(例えば、ねじ)であってもよい。ベゼル構造112のタブの下流対は、保持構造140の第一の留め具142aおよび第二の留め具142bを用いてフレーム106のタブの対応する下流対に固定されてもよい。同様に、
図11では視認のために具体的に分解されていないが、ベゼル構造112のタブの上流対は、第一の留め具142aおよび第二の留め具142bと類似または同一の上流留め具を用いてフレーム106のタブの対応する上流対に固定されてもよい。
【0059】
図12に示すように、ベゼル構造112の近位の雌端は、下流開口部148、ならびにマウスピース102の対向する半径方向部材134とのバヨネット接続を確立するための対向するL字形状のスロットの対を画定する円筒状セクションであってもよい。例示的な実施形態では、L字形状のスロットの円周方向部分のうちの一つは、円筒状セクションの開放部分(例えば、
図12の図に基づく、円筒状セクションの下側における開放部分)であり得る。こうした例では、ベゼル構造112のタブの下流対が保持構造140によってフレーム106のタブの対応する下流対に固定される時に、キャッチ機構(これは第一の留め具142aおよび第二の留め具142bを連結する)は、L字形状のスロットのうちの一つの円周方向部分の少なくとも一部を画定するように、円筒状セクションの開放部分と整列する。保持構造140のキャッチ機構は、マウスピース102の半径方向部材134のうちの一つの幅にほぼ対応するギャップだけ分離された、二つの角度付けられたフィンガーを含む。キャッチ機構の二つの角度付けられたフィンガーは、弾性があり、半径方向部材134の対応する一つの円周方向運動に適合するためにマウスピース102が回転する時(例えば、組み立て中)に曲がるように構成されている。対応する半径方向部材134が(保持構造140の)キャッチ機構の二つの角度付けられたフィンガーの間のギャップに達すると、曲がった二つの角度付けられたフィンガーは、半径方向部材134をギャップ内に置く(例えば、キャッチする)ように、その非装填状態へと反発またはスプリングバックする。置かれた位置において、キャッチ機構の二つの角度付けられたフィンガーは、マウスピース102のさらなる回転に抵抗するように、対応する半径方向部材134の側面に当接または隣接し得る。結果として、マウスピース102とベゼル構造112との間のバヨネット接続は、保持構造140によって比較的確実な様態で維持され得る。
【0060】
組み立て中、ベゼル構造112は、前部カバー104および後部カバー108がフレーム106に取り付けられる前に、(他の機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路と共に)フレーム106に固定されてもよい。例えば、ベゼル構造112は最初に、ベゼル構造112の下流タブおよび上流タブがフレーム106の下流タブおよび上流タブとそれぞれ整列するように、フレーム106に対して位置付けられてもよい。タブの各々がそれを通って延びるオリフィス(例えば、予め形成されたオリフィス)を有する例示的な実施形態では、下流タブ内のオリフィスおよび上流タブ内のオリフィスは、結果として整列して定置され得る。適切な整列が達成されると、第一の留め具142aおよび第二の留め具142bは、フレーム106の下流タブを通して、次いで、ベゼル構造112の下流タブを通して導入される(例えば、
図11の図に基づく、タブの下側を介して)。同様に、上流留め具は、フレーム106の上流タブを通して、次いで、ベゼル構造112の上流タブを通して、同様の様態で導入されてもよい。
図11は、ベゼル構造112の取り付け前に既に組み立てられているものとして装置ハウジングを示しているが、当然のことながら、この部分分解図は装置本体100の他の部分とは別個に特定の部分(例えば、ベゼル構造112)を示すことを意図しているに過ぎず、したがって、必ずしも装置本体100の組み立ての順序を表していない。
【0061】
図13は、
図11の前部カバー、フレーム、および後部カバーに係る部分分解図である。
図13を参照すると、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する様々な機械的構成要素、電子構成要素、および/または回路が、フレーム106に固定されてもよい。前部カバー104および後部カバー108は、スナップ嵌め配設を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、前部カバー104および後部カバー108は、フレーム106の対応する嵌合部材と連動するように構成されたクリップを含む。クリップは、フレーム106の対応する嵌合部材(例えば、傾斜した縁を有する突出部)を受容するように構成されたオリフィスを有するタブの形態であってもよい。前部カバー104は、各々四つのクリップを有する二列(前部カバー104に対して合計八つのクリップ)を有してもよい。同様に、後部カバー108は、各々四つのクリップを有する二列(後部カバー108に対して合計八つのクリップ)を有してもよい。フレーム106の対応する嵌合部材は、フレーム106の内側側壁上にあってもよい。結果として、係合されたクリップおよび嵌合部材は、前部カバー104および後部カバー108が一緒にスナップされた時には視界から隠され得る。別の方法として、前部カバー104および/または後部カバー108は、締り嵌めを介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。しかしながら、当然のことながら、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、他の適切な配設および技術を介して連結される場合がある。
【0062】
図14は、
図6のニコチンeベイピング装置のニコチンポッドアセンブリの斜視図である。
図15は、
図14のニコチンポッドアセンブリの別の斜視図である。
図14~15を参照すると、ニコチンポッドアセンブリ300は、前面、前面の反対側の後面、前面と後面との間の第一の側面、第一の側面と反対側の第二の側面、上流端面、および上流端面の反対側の下流端面を含む、ポッド本体を有する。側面および端面の隅角(例えば、第一の側面および上流端面の隅角、上流端面および第二の側面の隅角、第二の側面および下流端面の隅角、下流端面および第一の側面の隅角)は、丸みがあってもよい。しかしながら、一部の例では、隅角は角度を有してもよい。さらに、前面の周辺縁は、レッジの形態であってもよい。ニコチンポッドアセンブリ300の前面は、後面よりも広くかつ長くてもよい。こうした例では、第一の側面および第二の側面は、互いに向かって内向きに角度付けられてもよい。上流端面および下流端面もまた、互いに向かって内向きに角度付けられてもよい。角度付けられた面のため、ニコチンポッドアセンブリ300の挿入は、一方向性(例えば、装置本体100の前側(前部カバー104に関連付けられた側面)から)となる。結果として、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の中に不適切に挿入される可能性を低減または防止することができる。
【0063】
図14に図示するように、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端は、少なくとも一つの電気接点を含んでもよく、少なくとも一つの上流陥凹部(例えば、第一の上流陥凹部312aおよび/または第二の上流陥凹部312b)を画定してもよく、
図15に図示するように、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端は、ポッド出口304および少なくとも一つの下流陥凹部(例えば、第一の下流陥凹部306aおよび/または第二の下流陥凹部306b)を画定してもよい。ニコチンポッドアセンブリ300のポッド本体は、第一のハウジングセクション302および第二のハウジングセクション308を含み得る。ポッド本体の第一のハウジングセクション302は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されてもよく、第二のハウジングセクション308は、コネクタモジュール320(例えば、
図17)を受容するように構成されてもよい。
【0064】
例示的な実施形態では、ポッド本体の第二のハウジングセクション308の上流端は空洞を画定し、ポッド本体の第一のハウジングセクション302の下流端は、第二のハウジングセクション308の空洞と流体的に連通しているポッド出口304を画定する。本明細書でより詳細に説明するように、コネクタモジュール320(例えば、
図17)は、ポッド本体の第二のハウジングセクション308の空洞内に置かれるように構成されている。コネクタモジュール320は、外面(例えば、電気接点を有する)および隣接する側面を含む。ニコチンポッドアセンブリ300が組み立てられると、コネクタモジュール320の外面は、ニコチンポッドアセンブリ300の外部を形成し、隣接する側面は、第二のハウジングセクション308の空洞内で視界から隠される。したがって、コネクタモジュール320の外面は、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面の一部であり得る。
【0065】
コネクタモジュール320の外面は、少なくとも一つの電気接点を含み得る。少なくとも一つの電気接点は、複数の電力接点を含み得る。例えば、複数の電力接点は、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bを含み得る。第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bは、水平に外向きに延びるものとして
図14に図示されているが、当然のことながら、ニコチンポッドアセンブリ300のさらなる形態では、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bは、コネクタモジュール320の外面に対してデータ接点326に隣接するように上向きに折り畳まれてもよい。ニコチンポッドアセンブリ300の第一の電力接点324aは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第一の電力接点(例えば、
図9の第一の上流突出部128aに隣接する電力接点)と電気的に接続するように構成されている。同様に、ニコチンポッドアセンブリ300の第二の電力接点324bは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第二の電力接点(例えば、
図9の第二の上流突出部128bに隣接する電力接点)と電気的に接続するように構成されている。さらに、ニコチンポッドアセンブリ300の少なくとも一つの電気接点は、複数のデータ接点326を含む。ニコチンポッドアセンブリ300の複数のデータ接点326は、装置電気コネクタ132のデータ接点(例えば、
図9の六列の接点)と電気的に接続するように構成されている。ニコチンポッドアセンブリ300に関連して、二つの電力接点および六つのデータ接点が示されているが、当然のことながら、装置本体100の設計に応じて、他の変形も可能である。
【0066】
上述のように、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド本体は、第一のハウジングセクション302および第二のハウジングセクション308を含み得る。第一のハウジングセクション302は、ポッド出口304を画定する下流端を有する。ポッド出口304のへりは随意に、隆起領域であってもよい。こうした例において、第一のハウジングセクション302の下流端面が内向きに角度付けられる場合、ポッド出口304のへりの突出の程度は、後面に向かうほど大きく、前面に向かうほど小さくてもよい。さらに、ポッド出口304の後方に面する側面は、下流端面からへりに上向きにつながる傾斜を有してもよい。結果として、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150の中に挿入されている時、マウスピース102の遠位端と整列するようなポッド出口304の前進が傾斜によって促進され得る。非限定的な実施形態では、マウスピース102の遠位端は、装置本体100の貫通穴150の中へのニコチンポッドアセンブリ300の前進に適合するのに役立ち、ポッド出口304の周りにシールを生成する弾性材料を含み得る(またはそれで形成される)。
【0067】
第一のハウジングセクション302の下流端は、少なくとも一つの下流陥凹部を追加的に画定する。例示的な実施形態では、少なくとも一つの下流陥凹部は、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの形態である。ポッド出口304は、第一の下流陥凹部306aと第二の下流陥凹部306bとの間にあってもよい。第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bとそれぞれ係合するように構成されている。第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、各々ディンプルの形態であってもよい。こうした例では、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bの各々は、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの対応する一つと係合するように構成された丸みのある構造(例えば、球状キャップ)の形態であってもよい。
【0068】
同様に、第二のハウジングセクション308の上流端は、少なくとも一つの上流陥凹部を画定する。例示的な実施形態では、少なくとも一つの上流陥凹部は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの形態である。コネクタモジュール320の第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bは、第一の上流陥凹部312aと第二の上流陥凹部312bとの間にあってもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bは、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bとそれぞれ係合するように構成されている。また、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bも、各々ディンプルの形態であってもよい。こうした例では、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bの各々は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの対応する一つと係合するように構成された丸みのある構造(例えば、球状キャップ)の形態であってもよい。
【0069】
第一のハウジングセクション302は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部を内部に画定し得る。貯蔵部は、貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するためのニコチンポッドアセンブリ300の起動まで、ニコチンプレベイパー製剤を気密的に封止するように構成され得る。密封シールの結果として、ニコチンプレベイパー製剤は、環境ならびにニコチンプレベイパー製剤と反応する可能性のあるニコチンポッドアセンブリ300の内部要素から分離され、それによって、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵寿命および/または知覚特性(例えば、風味)に対する悪影響の可能性を低減または防止し得る。第二のハウジングセクション308は、ニコチンポッドアセンブリ300を起動し、起動後に貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤を受容および加熱するように構成された構造を含有し得る。
【0070】
ニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の中に挿入する前に成人eベイピング装置使用者によって手動で起動されてもよい。別の方法として、ニコチンポッドアセンブリ300は、ニコチンポッドアセンブリ300の装置本体100の中への挿入の一部として起動されてもよい。例示的な実施形態では、ポッド本体の第二のハウジングセクション308は、ニコチンポッドアセンブリ300の起動中に貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された穿孔器を含む。穿孔器は、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの形態であってもよく、これは本明細書でより詳細に説明する。
【0071】
ニコチンポッドアセンブリ300を手動で起動するために、成人eベイピング装置使用者は、ニコチンポッドアセンブリ300を貫通穴150を通して装置本体100の中に挿入する前に、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bを内向きに(例えば、同時にまたは逐次的に)押してもよい。例えば、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、その端がニコチンポッドアセンブリ300の上流端面と実質的に等しくなるまで、手動で押されてもよい。例示的な実施形態では、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの内向きの移動により、そこからニコチンプレベイパー製剤を放出するように、貯蔵部のシールが穿孔されるかまたは別の方法で損なわれる。
【0072】
別の方法として、ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の中へ挿入する一部としてニコチンポッドアセンブリ300を起動するために、ニコチンポッドアセンブリ300は最初に、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが貫通穴150の上流側壁と接触するように位置付けられてもよい。次いで、ニコチンポッドアセンブリ300の上流端が、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが(例えば、同時に)第二のハウジングセクション308の中に押し込まれ、したがって、伸長状態から後退状態に移行して貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように、貫通穴150の上流側壁に向かって付勢され得る。ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気接点が装置本体100の装置電気接点に隣接するか、または接触すると、ニコチンポッドアセンブリ300の下流端が貫通穴150の中へと操作(例えば、旋回)され得る。ニコチンポッドアセンブリ300が貫通穴150の中へと進むのにつれて、ニコチンポッドアセンブリ300の陥凹部が装置本体100の対応する突出部と係合した後に、上流係合パネル156および/または下流係合パネル158が曲がり、次いでスプリングバックする。
【0073】
例示的な実施形態では、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100内に置かれると、ニコチンポッドアセンブリ300の第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bは、ベゼル構造112の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bとそれぞれ係合する(例えば、上流係合)。同様に、ニコチンポッドアセンブリ300の第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、ベゼル構造112の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bとそれぞれ係合する(例えば、下流係合)。上流係合および/または下流係合への遷移は、ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に置かれていることを示す、可聴クリックおよび/または触覚フィードバックを生成し得る。
【0074】
適切に置かれると、ニコチンポッドアセンブリ300は、機械的、電気的、および流体的に装置本体100に接続される。ニコチンポッドアセンブリ300の上流係合は、一部の例では下流係合の前に生じ得るが、当然のことながら、代替的に、他の例では、下流係合は、上流係合の前に(または同時に)生じる場合がある。
【0075】
図16は、
図14のニコチンポッドアセンブリの第一のハウジングセクションに係る分解図である。
図16を参照すると、第一のハウジングセクション302は、ベイパーチャネル316を含む。ベイパーチャネル316は、(第二のハウジングセクション308から)ニコチンベイパーを受容するように構成され、ポッド出口304と流体連通している。例示的な実施形態では、ベイパーチャネル316は、ポッド出口304に向かって延びるにつれて、サイズ(例えば、直径)が徐々に増加し得る。さらに、ベイパーチャネル316は、第一のハウジングセクション302と一体的に形成されてもよい。インサート342およびシール344は、第一のハウジングセクション302の上流端に配置されて、ニコチンポッドアセンブリ300の貯蔵部を画定する。組み立てられると、インサート342は、ベイパーチャネル316の外部側壁と弾性的に相互作用してもよい。さらに、シール344は、第一のハウジングセクション302の上流へりおよびインサート342の上流側に取り付けられて、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵部内への流体密(例えば、液密および/または気密)な封じ込めを提供し得る。
【0076】
例示的な実施形態では、シール344は、ベイパーチャネル316と整列され、気化器336(例えば、
図17)の下流端を収容するための関連する隙間を提供するように構成された、開口部(例えば、中央開口部)を画定する。
図16では、シール344は穿孔状態で示されていると理解されるべきである。特に、ニコチンポッドアセンブリ300の第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bによって穿孔される時、シール344の二つの穿孔されたセクションは、フラップとして貯蔵部の中に押し込まれ(
図16に示すように)、したがって、シール344内に二つの穿孔された開口部(例えば、中央開口部の各側面に一つ)が生成される。対照的に、非穿孔状態である場合、シール344は、平面形態および一つの開口部(例えば、中央開口部)のみを有する。シール344は、ニコチンポッドアセンブリ300の通常の移動および/または取り扱い中に、早期に/不注意により破れることを避けるように、無傷のままであるのに十分な強度を有するように設計される。例えば、シール344は、被覆された箔(例えば、アルミニウムで裏打ちされたポリエチレンテレフタレート(PET))であってもよい。
【0077】
図17は、
図14のニコチンポッドアセンブリの第二のハウジングセクションに係る部分分解図である。
図17を参照すると、第二のハウジングセクション308は、ニコチンプレベイパー製剤を放出、受容、および加熱するように構成された様々な構成要素を含有するように構造化されている。例えば、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、第一のハウジングセクション302の貯蔵部を穿孔して、ニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成されている。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々は、第二のハウジングセクション308の対応する開口部を通って延びる遠位端を有する。例示的な実施形態では、第一の起動ピン314aの遠位端および第二の起動ピン314bの遠位端は、組み立て後に見えるが(例えば、
図14)、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの残りの部分は、ニコチンポッドアセンブリ300内で視界から隠されている。さらに、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々は、ニコチンポッドアセンブリ300の起動前はシール344に隣接し、かつシール344の上流にあるように位置付けられた近位端を有する。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが第二のハウジングセクション308の中に押し込まれて、ニコチンポッドアセンブリ300を起動すると、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々の近位端が前進し、結果として、シール344を穿孔し、これにより貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤が放出される。第一の起動ピン314aの移動は、第二の起動ピン314bの移動とは独立していてもよい(その逆も可である)。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、本明細書でより詳細に説明する。
【0078】
例示的な実施形態では、第二のハウジングセクション308の裏面は、ポッド入口(例えば、
図3)を画定する。ポッド入口(ベイピング中にそれを通して空気が入る)は、ポッド出口304(ベイピング中にそれを通してニコチンベイパーが排出される)と流体連通している。ポッド入口は、ニコチンポッドアセンブリ300(およびニコチンeベイピング装置500)の長軸方向軸に沿って位置し、第二のハウジングセクション308の上流端に隣接してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。さらに、ポッド入口は、第二のハウジングセクション308の裏面上にある一対の上昇した表面(例えば、隆起部)の間に位置してもよい。結果として、上昇した表面は、ポッド入口の閉塞(例えば、ベイピング中の成人eベイピング装置使用者の指による不注意による閉塞)を低減または防止するのに役立ち得る。ポッド入口は、スロットの形態にあるものとして示されている(例えば、
図3)。しかし、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、他の形態も可能である。
【0079】
第二のハウジングセクション308の上流端は、空洞(例えば、
図17の図に基づく、第二のハウジングセクション308の下側)を画定する。上述のように、空洞は、(例えば、締り嵌めを介して)コネクタモジュール320を受容するように構成されている。例示的な実施形態では、空洞は、第一の上流陥凹部312aと第二の上流陥凹部312bとの間に置かれ、また、第一の起動ピン314aと第二の起動ピン314bとの間にも置かれる。コネクタモジュール320が存在しない場合、ガスケット318および気化器336(ガスケット318を通って延びる)の上流端は、第二のハウジングセクション308の空洞を介して見える場合がある。
【0080】
気化器336は、第一のハウジングセクション302内の貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤を受容および加熱するように構成されている。以下でより詳細に説明するように、気化器336は、ニコチンプレベイパー製剤を受容および加熱するように構成された芯および/またはヒーターを含み得る。さらに、気化器336は、上流端、対向する下流端、および上流端と下流端との間の中間セクタを有するものとみなされ得る。気化器336の上流端は、第二のハウジングセクション308およびガスケット318を通って延びて、コネクタモジュール320と係合するように構成されている。例えば、気化器336の上流端は、(例えば、締り嵌めを介して)コネクタモジュール320の対応するソケット内に置かれてもよい。一方で、気化器336の下流端は、シール344およびインサート342を通って延びて、第一のハウジングセクション302のベイパーチャネル316と係合するように構成されている。気化器336の中間セクタは、ニコチンポッドアセンブリ300が起動された時に第一のハウジングセクション302の貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤を受容するように構成された、それにつながる一つ以上の開口部と共に、内部加熱チャンバーを画定する。
【0081】
例示的な実施形態では、気化器336の中間セクタは、シール344の上流に一対の開口部を画定する。気化器336は、中間セクタの開口部の両方内におよび/またはそれらを通って延びる芯を含み得る。芯は、毛細管作用のために設計された空孔/隙間を有する。さらに、ヒーターは、芯と熱的に接触するように、気化器336の中間セクタの加熱チャンバー内に配設されてもよい。結果として、貯蔵部から放出されるニコチンプレベイパー製剤は、気化器336の中間セクタ内のヒーターに芯を介して搬送され得る。ヒーターは、ベイピング中にニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。ヒーターは、コネクタモジュール320の少なくとも一つの電気接点に電気的に接続される。例えば、ヒーターの一方の端(例えば、第一の端)は、第一の電力接点324aに接続されてもよく、ヒーターの他方の端(例えば、第二の端)は、第二の電力接点324bに接続されてもよい。ヒーターは、コイル状の発熱体を含み得る。こうした例では、芯は、ヒーターがその長さの少なくとも一部分の周りに(例えば、らせん状に)巻かれた、ストリング様の形態を有してもよい。別の方法として、ヒーターは折り畳まれた発熱体を含んでもよい。こうした例では、芯は、折り畳まれた発熱体によって保持されるように構成された平面形態(例えば、繊維質パッド)を有してもよい。ヒーターおよび芯に関連して様々な形態が上述されるが、当然のことながら、他の構成および組み合わせも可能である。
【0082】
ヒーターは、電流が印加されるのに伴い、ジュール加熱(また、オーム/抵抗加熱としても公知である)を受けるように構成されてもよい。より詳細に述べると、ヒーターは、一つ以上の導体(抵抗性材料)で形成され、電流を流した時に熱を生成するように構成されてもよい。電流は、装置本体100内の電源(例えば、電池)から供給され、第一の電力接点324aを介して、または第二の電力接点324bを介してヒーターに運ばれてもよい。ベイピング中、ヒーターによって発生したニコチンベイパーは、気化器336の中間セクタの加熱チャンバーから、気化器336の下流端を通り、第一のハウジングセクション302のベイパーチャネル316を通り、ニコチンポッドアセンブリ300のポッド出口304を出て、マウスピース102のベイパー通路136を通ってベイパー出口へと引き出される。
【0083】
ヒーターに適した導体(抵抗性材料)は、鉄系合金(例えば、ステンレス鋼)および/またはニッケル系合金(例えば、ニクロム)を含む。こうした材料で形成されるワイヤは、コイル状の形態を有するヒーターを提供するように巻かれてもよい。別の例では、ヒーターは、そこから巻線パターンを切断するようにスタンプ加工された導電性シート(例えば、金属、合金)から作製されてもよい。巻線パターンは、水平セグメントが平行に延びると同時に前後にジグザグになるように、水平セグメントと交互に配設される湾曲セグメントを有してもよい。さらに、巻線パターンの水平セグメントの各々の幅は、巻線パターンの隣接する水平セグメント間の間隔と実質的に等しくてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。ヒーターのための折り畳まれた形態を得るために、巻線パターンは、折り畳まれるかそれ自体の上に折り畳まれてもよい(例えば、芯を受容および把持するように構成されたU字形状の断面を提供するために)。ヒーターおよび関連する構造は、2017年10月11日に出願された米国特許出願第15/729,909号「Folded Heater For Electronic Vaping Devic」により詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
図18は、
図17の起動ピンの分解図である。
図18を参照すると、起動ピンは、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの形態であってもよい。本明細書の非限定的な実施形態に関連して二つの起動ピンが示され、かつ説明されているが、当然のことながら、別の方法として、ニコチンポッドアセンブリ300は、一つの起動ピンのみを含んでもよい。
図18では、第一の起動ピン314aは、第一のブレード348a、第一のアクチュエータ350a、第一のOリング352a、および第一のキャップ353aを含み得る。同様に、第二の起動ピン314bは、第二のブレード348b、第二のアクチュエータ350b、第二のOリング352b、および第二のキャップ353bを含み得る。
【0085】
例示的な実施形態では、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの上部部分(例えば、近位部分)にそれぞれ据え付けられるか、または取り付けられるように構成されている。据え付けまたは取り付けは、スナップ嵌め接続、締り嵌め(例えば、摩擦嵌め)接続、接着剤、またはその他の適切な連結技術を介して達成され得る。第一のブレード348aおよび第二のブレード348bの各々の上部は、尖った先端に向かって上向きにテーパー付きである、一つ以上の湾曲したまたは凹状の縁を有してもよい。例えば、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bの各々は、その間に凹状の縁を有する二つの尖った先端、および尖った先端それぞれに隣接した湾曲した縁を有してもよい。凹状の縁および湾曲した縁の曲率半径は同一であってもよく、それらの弧の長さは異なってもよい。第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、所望のプロファイルを有し、その最終形態へと屈曲するように切断されるかまたは形状設定されるシート金属(例えば、ステンレス鋼)で形成され得る。別の例では、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bは、プラスチックで形成されてもよい。
【0086】
さらに、
図18に示すように、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bは、第一のブレード348aおよび第二のブレード348bが貯蔵部の中に前進するにつれて、シール344の二つの穿孔されたセクションを貯蔵部内に押すように構成された突出縁(例えば、互いに面する湾曲した内側リップ)を含み得る。非限定的な実施形態では、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bがニコチンポッドアセンブリ300の中に完全に挿入される時、二つのフラップ(
図16に示すように、シール344の二つの穿孔セクションからの)は、インサート342の側壁と第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの突出縁との間にあってもよい。結果として、シール344の二つの穿孔された開口部が妨害される(二つの穿孔されたセクションからの二つのフラップによって)可能性が低減または防止され得る。さらに、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bは、貯蔵部から(内部の加熱チャンバーにつながる)気化器336の開口部に向かって、ニコチンプレベイパー製剤を誘導するように構成されてもよい。
【0087】
第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの各々の下側部分(例えば、遠位部分)は、第二のハウジングセクション308の底部セクション(例えば、上流端)を通って延びるように構成されている。第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bの各々のこのロッド様部分はまた、シャフトとも呼ばれ得る。第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフト上に配置されてもよい。例示的な実施形態では、第一のキャップ353aは、第一のOリング352aを第一のアクチュエータ350aのシャフトの陥凹面に対して固定するのを助けるために使用され得る。同様に、第二のキャップ353bは、第二のOリング352bを第二のアクチュエータ350bのシャフトの陥凹面に対して固定するのを助けるために使用され得る。
【0088】
第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、流体密シールを提供するために、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフト、ならびに第二のハウジングセクション308の対応する開口部の内表面と係合するように構成されている。その結果、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが内向きに押されてニコチンポッドアセンブリ300を起動する時、第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、それらのそれぞれのシールを維持しながら、第二のハウジングセクション308の対応する開口部内で、第一のアクチュエータ350aおよび第二のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフトと共に移動し、それによって、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bに対する第二のハウジングセクション308の開口部を通したニコチンプレベイパー製剤の漏れを低減または防止するのに役立ち得る。第一のOリング352aおよび第二のOリング352bは、シリコンで形成され得る。
【0089】
図19は、
図17のコネクタモジュールの分解図である。
図19を参照すると、モジュールハウジング354およびフェースプレート366は、概してコネクタモジュール320の外部フレームワークを形成する。特に、コネクタモジュール320は、外面および隣接する側面を含む、複数の面を有するものとみなされ得る。例示的な実施形態では、コネクタモジュール320の外面は、フェースプレート366の上流面を含む(例えば、
図19の図に基づく、フェースプレート366の下側)。コネクタモジュール320の側面は、モジュールハウジング354の一部であってもよい。視界から隠されているが、モジュールハウジング354の後方側面は、モジュール入口(例えば、
図19の図に基づく、左後方に向かって角度付けられたモジュールハウジング354の側面)を画定し得る。側面は、コネクタモジュール320が第二のハウジングセクション308の空洞内に置かれた時に、締り嵌めを促進するように構成されたリブ構造(例えば、クラッシュリブ)を含み得る。例えば、側面の各々は、フェースプレート366から離れるようにテーパー付きである一対のリブ構造を含み得る。結果として、モジュールハウジング354は、コネクタモジュール320が第二のハウジングセクション308の空洞の中に押し込まれる際に、空洞の壁に対するリブ構造の摩擦を介して増加する抵抗に遭遇することになる。コネクタモジュール320が適切に置かれている時、モジュールハウジング354のモジュール入口は、第二のハウジングセクション308のポッド入口と整列される。
【0090】
センサー364、第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、およびプリント回路基板(PCB)362は、モジュールハウジング354およびフェースプレート366によって形成される外部フレームワーク内に配置される。例示的な実施形態では、センサー364は、ニコチンポッドアセンブリ300の中への空気の流れを検出および/または測定するように構成されている。例えば、センサー364は、ワイヤ部分がモジュールハウジング354のモジュール入口を横切って延びるように位置付けられる、熱線風速計であってもよい。フェースプレート366は、複数の接触開口部を画定する。データ接点326は、フェースプレート366の対応する接点開口部を通って延びて、プリント回路基板362に電気的に接続するように構成されている。
【0091】
第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々は、本体部分、アーム部分、フィンガー部分、および脚部分を有するとみなされ得る。組み立てられると、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの本体部分は、モジュールハウジング354の後方側面(例えば、
図19の図に基づく、左後方に向かって角度付けられたモジュールハウジング354の側面)に隣接し得る。さらに、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bのアーム部分は、モジュールハウジング354の横方向側面(例えば、後方側面から延びる二つの側面)に隣接してもよい。第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bのフィンガー部分は、各々コネクタモジュール320のモジュールハウジング354によって画定される対応するソケット内に気化器336の上流端が置かれる時に、気化器336のヒーターに(例えば、電気リード線を介して)電気的に接続される二つのフィンガーの形態であってもよい。フェースプレート366が適所にあり、モジュールハウジング354と係合すると、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの脚部分は、脚部分が、フェースプレート366の上流表面(例えば、
図19の図に基づく、フェースプレート366の下側)と隣接するかまたはこれに対するように、フィンガー部分に向かって屈曲してもよい。したがって、組み立てられると、プリント回路基板362は、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの蛇行構造によって少なくとも四つの側面で囲まれているとみなされ得る。
【0092】
ニコチンeベイピング装置500の引き出し抵抗(RTD)は、ポッド入口(第二のハウジングセクション308の)のサイズを変更するのではなく、モジュール入口(モジュールハウジング354の)のサイズを変更することによって調整され得る。例示的な実施形態では、モジュール入口のサイズは、25~100水柱ミリメートル(例えば、30~50水柱ミリメートル)となるように選択され得る。例えば、モジュール入口の1.0mmの直径は、88.3水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。別の例では、モジュール入口の1.1mmの直径は、73.6水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。別の例では、モジュール入口の1.2mmの直径は、58.7水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。さらに別の例では、モジュール入口の1.3mmの直径は、約40~43水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。
【0093】
例示的な実施形態では、第二のハウジングセクション308のポッド入口は、モジュールハウジング354のモジュール入口よりも大きい。こうした例では、モジュールハウジング354内のモジュール入口は、ニコチンポッドアセンブリ300の中への空気の流れに関する制限要因であり得る。結果として、モジュール入口のサイズは、その内部配設のために、ニコチンポッドアセンブリ300の外部美観に影響を与えることなく調整され、それによって、様々な引き出し抵抗(RTD)を有するニコチンポッドアセンブリのより標準化された製品設計を可能にし、また同時に、入ってくる空気の不注意による閉塞の可能性も低減し得る。
【0094】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることが理解されるべきである。こうした変形は、本開示の趣旨および範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者に明らかであろうすべてのこうした修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】