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特表2023-503445シーシャ装置で使用するための貫通要素を有するトレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-30
(54)【発明の名称】シーシャ装置で使用するための貫通要素を有するトレイ
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20230123BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20230123BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529631
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 IB2020061389
(87)【国際公開番号】W WO2021111334
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】19213022.7
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】リンチ ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァドール トーマス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC02
4B162AC12
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
(57)【要約】
シーシャ装置で使用するためのトレイは、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを受容するための空洞を含む。トレイは、カートリッジが空洞の中へと挿入される時に、カートリッジ内に開口部を形成するように構成される。カートリッジ内に形成された開口部は、カートリッジおよびトレイがシーシャ装置によって受容される時に、空気がカートリッジを通って流れることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーシャ装置で使用するためのトレイであって、前記シーシャ装置が前記トレイを受容するためのレセプタクルを有し、前記トレイが、
エアロゾル形成基体を備えるカートリッジを受容するための空洞を画定する本体であって、前記空洞が、その中へと前記カートリッジを挿入可能である開放上端を有し、かつ下端を有し、前記本体が前記空洞の内部表面を形成する側壁を備える、本体と、
前記空洞の前記下端から前記空洞の中へと延びる貫通要素であって、前記カートリッジが前記トレイの前記空洞の中へと挿入され、かつ前記カートリッジの前記第一の表面を前記空洞の前記下端に向かって移動させるように前記カートリッジに力が加えられる時に、第一の表面において前記カートリッジを貫通するように位置付けられる、貫通要素と、
外部壁であって、第二の空洞が、前記外部壁と前記空洞の前記内部表面を形成する前記側壁との間に形成され、前記第二の空洞が、前記シーシャ装置の一部分と係合可能である、外部壁と、を備える、トレイ。
【請求項2】
前記側壁が熱伝導性材料から形成される、請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記側壁の少なくとも一部分が、前記空洞の前記開放上端から前記空洞の前記下端への方向で内向きにテーパー付きである、請求項2に記載のトレイ。
【請求項4】
前記空洞が円錐台状である、請求項3に記載のトレイ。
【請求項5】
前記空洞から離れるように前記本体から延びるハンドルをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項6】
前記ハンドルが、断熱材料から形成される、請求項5に記載のトレイ。
【請求項7】
前記外部壁が前記側壁から断熱されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項8】
前記本体によって画定される前記空洞の前記開放上端を覆うためのキャップを備え、前記キャップが、前記空洞の前記開放上端を覆う時に、前記空洞に面するように構成された表面から延びるキャップ貫通要素を備え、また前記キャップ貫通要素が前記空洞の中へと延び、かつ、前記カートリッジが前記トレイの前記空洞内に挿入され、前記キャップに力が加えられて前記キャップ貫通要素を前記空洞の前記下端に向かって移動させる時に、第二の表面において前記カートリッジを貫通するように位置付けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載のトレイ。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のトレイと、シーシャ装置と、を備える組立品。
【請求項10】
前記シーシャ装置が、
液体を収容するように構成された内部体積を含むベッセルと、
前記トレイを受容するためのレセプタクルと、
前記レセプタクルの表面の少なくとも一部分を画定する発熱体であって、前記トレイ内に受容されたカートリッジ内のエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生するように構成される、発熱体と、
前記エアロゾルを、前記カートリッジから前記ベッセルへと搬送するための導管と、をさらに備える、請求項9に記載の組立品。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載のトレイ、または請求項9もしくは10に記載の組立品、および前記カートリッジを備える、組立品。
【請求項12】
前記カートリッジ内の前記エアロゾル形成基体がニコチンを含む、請求項11に記載の組立品。
【請求項13】
前記カートリッジ内に収容された前記エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項11または12に記載の組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル形成基体を収容するカートリッジに関し、より具体的には、エアロゾル形成基体を収容するカートリッジを保持するためのトレイを有するエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、また消費者による吸入の前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成される。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者によって同時に装置が使用されてもよいように二つ以上の出口を含んでもよい。シーシャ装置の使用は、一部の人によって娯楽活動および社交体験であると考えられている。
【0003】
典型的に、従来のシーシャは、当該技術分野では時にフーカーたばこ、たばこモラセス、または単にモラセスと呼ばれる基体と組み合わせて使用される。従来のシーシャ基体は、糖分が比較的高い(一部の事例では、可燃性紙巻たばこなどの従来のたばこ基体で典型的に見られる約20%と比較して最高約50%)。シーシャ装置で使用されるたばこは、例えば生成されるベイパーおよび煙の量を増やすために、または風味を変化させるために、またはその両方のために、他の成分と混合されてもよい。
【0004】
従来のシーシャ装置は、たばこ基体を加熱し、また時には燃焼させて、ユーザーが吸入するためのエアロゾルを発生させるために、木炭(木炭ペレットなど)を採用する。たばこを加熱するために木炭を使用することは、たばこまたは他の成分を全体的にまたは部分的に燃焼させる場合がある。追加的に、木炭は一酸化炭素などの有害な、または潜在的に有害な生成物を発生させる場合があり、この有害な生成物はシーシャのベイパーと混合する場合があり、かつ水盤を通過して出口に至る場合がある。
【0005】
一酸化炭素および燃焼副産物の生成を低減する一つのやり方は、たばこではなくeリキッドを採用することである。eリキッドを採用するシーシャ装置は、燃焼副産物を除去するが、シーシャ消費者から従来のたばこ由来の体験を奪う。
【0006】
たばこを加熱するが燃焼させないように電気ヒーターを採用する他のシーシャ装置が提案されている。こうした電気加熱式の加熱非燃焼式シーシャ装置は、基体を燃焼することなく、基体からエアロゾルを生成するために十分な温度までたばこ基体を加熱し、したがってたばこの燃焼と関連付けられた副産物を低減または除去する。
【0007】
シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を収容するためのカートリッジを採用してもよい。カートリッジは、こうしたエアロゾル形成基体で充填されてもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ、好ましくはシーシャ基体、例えばモラセス(たばこ、水、糖、および他の構成成分(グリセリン、風味剤など)の混合物)を含んでもよい。電気加熱式シーシャ装置の加熱システムは、カートリッジの内容物を加熱してエアロゾルを発生させ、このエアロゾルは気流経路を通してユーザーへと運ばれる。
【0008】
カートリッジを通る気流およびカートリッジからのエアロゾルの流れを容易にするために、シーシャカートリッジは、一つ以上の壁を通る一つ以上の穴を有してもよい。カートリッジは、上部に一つ以上の穴を含んでもよく、底部に一つ以上の穴を含んでもよく、または上部の一つ以上の穴と底部の一つ以上の穴との両方を含んでもよい。代替的に、上部は開いていてもよく、すなわち、上部壁は部分的または完全に存在しなくてもよい。上部壁および底部壁における任意の穴または開口部は、保管中はフィルム、ステッカー、またはライナーなどの取り外し可能な(例えば、剥離可能な)密封層によって閉鎖されていてもよい。取り外し可能な層は、内容物(例えば、モラセス)を空気および酸素への曝露から保護する場合がある。取り外し可能な層は、カートリッジの最初の使用前にユーザーによって除去(例えば、引っ張る、または剥ぎ取る)されてもよい。
【0009】
カートリッジの穴または開口部は、密封されていないままの場合、漏れの問題だけでなく、基体の新鮮さ(例えば、含水量)の喪失または汚染につながる場合がある。新鮮さを維持するため、または基体の漏れを防止するため、または保管中に基体の品質および完全性を保つためなどの一つ以上の理由のために、使用前に、またはカートリッジの全内容物が一度に使用されない場合、使用と使用との間に、カートリッジの開口部または穴を閉じるか、または密封することが望ましい。
【0010】
しかしながら、ユーザーが密封を剥がす、または取り外してカートリッジの開口部を露出させることは、内容物の一部がユーザーの手の上へとこぼれる、または漏れる結果をもたらす場合がある。ユーザーはまた、シーシャ装置から使用済みカートリッジを取り外す時に、自分の手の上にカートリッジの内容物をこぼす、または漏れさせる場合がある。加えて、カートリッジは、シーシャ装置から取り外された時に高温である場合があり、これは、取り外すためにカートリッジを把持しているユーザーにいくらかの不快感を引き起こす場合がある。
【発明の概要】
【0011】
本開示の様々な実施形態は、シーシャ装置とともに使用するためのトレイ、およびこうしたトレイを含むシーシャ装置またはカートリッジに関する。カートリッジは、トレイ内に定置されてもよく、またユーザーは、シーシャ装置を有するカートリッジの使用と関連付けられた一つ以上の工程のために、カートリッジではなくトレイを取り扱ってもよい。例えば、トレイは、カートリッジをシーシャ装置内に定置するために使用されてもよく、カートリッジをシーシャ装置から取り外すために使用されてもよく、またはカートリッジをシーシャ装置内に定置するため、およびカートリッジをシーシャ装置から取り外すために使用されてもよい。好ましくは、カートリッジは、カートリッジがトレイ内に受容されている間、シーシャ装置とともに使用されてもよい。すなわち、シーシャ装置は、受容したカートリッジを有するトレイがシーシャ装置の中へと挿入された時に、ユーザーに送達するために、カートリッジのエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように動作されることが好ましい。
【0012】
トレイは、カートリッジがシーシャ装置で使用される時にカートリッジを通る気流のための開口部を導入するために、カートリッジを貫通するように構成されてもよい。その結果、ユーザーは、カートリッジがトレイによって貫通される時、カートリッジとの直接接触を回避する場合がある。カートリッジは、ユーザーが密封を取り外す時にカートリッジ内容物との偶発的な接触を回避しうるように、取り外し可能な密封によって覆われた予め成形された開口部を含まないことが好ましい。そうではなく、トレイは、カートリッジを貫通して、一つ以上の開口部を形成するように使用されてもよい。ユーザーの手とのカートリッジ内容物の偶発的な接触を防止することに加えて、予め成形された穴を有しないカートリッジは、取り外し可能な密封で覆われている場合でさえも、予め成形された穴を有するカートリッジと比較して、より長い貯蔵寿命という利点を有する傾向がある。
【0013】
トレイは、ユーザーに対してより信頼性の高い体験を提供する場合がある、シーシャ装置の中へのカートリッジの適正な挿入を補助する一つ以上の特徴または要素を備えてもよい。
【0014】
トレイは、ユーザーが、シーシャ装置による加熱後にシーシャ装置またはカートリッジの高温表面に直接接触することを防止する場合があり、これは高温表面との直接接触に起因する不快感の変化を減少する場合がある。トレイは、シーシャ装置での使用後にカートリッジの廃棄を容易にする場合がある。
【0015】
別の実施形態によると、シーシャ装置で使用するためのトレイは、エアロゾル形成基体を収容するカートリッジを受容するための空洞を画定する本体を備えてもよい。空洞は、カートリッジをその中へと挿入可能な開放上端を有してもよく、また下端を有してもよい。トレイは、空洞の下端から空洞の中へと延びる貫通要素を含んでもよい。貫通要素は、カートリッジがトレイの空洞の中へと挿入され、かつカートリッジの第一の表面を空洞の下端に向かって移動させるようにカートリッジに力が加えられる時に、第一の表面においてカートリッジを貫通するように位置付けられてもよい。
【0016】
トレイの本体は、空洞の内部表面を形成する側壁を備えてもよい。側壁は、熱伝導性材料から形成されてもよい。熱伝導性材料は、シーシャ装置の発熱体からカートリッジへと熱を伝達して、エアロゾルでのユーザーへの送達のために基体の一つ以上の成分を揮発するためにカートリッジ内のエアロゾル形成基体を加熱してもよい。
【0017】
側壁の少なくとも一部分は、空洞の開放上端から空洞の下端への方向で内向きにテーパー付きであってもよい。こうした形状は、空洞内に同様の形状のカートリッジを適所に位置付けるのを補助する場合がある。例えば、カートリッジの底部分がテーパー付き側壁のセクションを有するまで、カートリッジは容易に挿入されてもよい。例えば、カートリッジは円錐台状であってもよく、また側壁は、カートリッジの長さに沿ってカートリッジに接触するように構成されてもよい。
【0018】
トレイは、空洞から離れるように本体から延びるハンドルを備えてもよい。ハンドルは、ユーザーが、操作中にカートリッジに触れることなく、カートリッジを操作することを可能にする場合がある。
【0019】
ハンドルは、断熱材料を含んでもよい。断熱は、装置によってカートリッジが加熱されたすぐ後に、シーシャ装置から取り外された高温のカートリッジを把持することに関連付けられる場合がある不快感を体験することなく、ユーザーが、ハンドルを把持することを可能にする場合がある。
【0020】
トレイは、空洞の内部表面を形成する側壁を備えてもよく、また外部壁を備えてもよい。第二の空洞は、外部壁と空洞の内部表面を形成する側壁との間に形成されてもよい。第二の空洞は、シーシャ装置の一部分を受容するように構成されてもよい。すなわち、トレイは、シーシャ装置の一部分の周りに配置され、これにより、シーシャ装置の部分は外部壁と空洞の内部表面を形成する側壁との間の第二の空洞内に受容される。外部壁は、側壁から断熱されてもよい。それ故に、シーシャの発熱体からの熱は、トレイの外部壁を通してではなく、トレイの側壁を通してカートリッジに優先的に伝達されてもよい。
【0021】
トレイは、空洞の開放上端を覆うためのキャップを備えてもよい。キャップは、キャップが空洞の開放上端を覆う時に、空洞に面するように構成された表面から延びるキャップ貫通要素を含んでもよい。キャップの貫通要素は、空洞の中へと延びてもよく、またカートリッジがトレイの空洞内に挿入され、かつキャップに力が加えられて、キャップ貫通要素を空洞の下端に向かって移動させる時に、第二の表面においてカートリッジを貫通するように位置付けられてもよい。
【0022】
別の実施形態によると、シーシャ装置で使用するためのトレイは、エアロゾル形成基体を収容するカートリッジを受容するための空洞を画定する本体を備える。空洞は、カートリッジをその中へと挿入可能な開放上端を有し、また下端を有する。トレイは、空洞の下端から空洞の中へと延びる貫通要素を含む。貫通要素は、カートリッジがトレイの空洞の中へと挿入され、かつカートリッジの第一の表面を空洞の下端に向かって移動させるようにカートリッジに力が加えられる時に、第一の表面においてカートリッジを貫通するように位置付けられる。
【0023】
トレイの本体は、空洞の内部表面を形成する側壁を備えてもよい。側壁は、熱伝導性材料から形成されてもよい。側壁の少なくとも一部分は、空洞の開放上端から空洞の下端への方向で内向きにテーパー付きであってもよい。トレイは、空洞から離れるように本体から延びるハンドルを備えてもよい。ハンドルは、断熱材料を含んでもよい。トレイは、空洞の内部表面を形成する側壁を備えてもよく、また外部壁を備えてもよい。第二の空洞は、外部壁と空洞の内部表面を形成する側壁との間に形成されてもよい。第二の空洞は、シーシャ装置の一部分を受容するように構成されてもよい。トレイは、空洞の開放上端を覆うためのキャップを備えてもよい。キャップは、キャップ貫通要素を備えてもよい。キャップ貫通要素は、キャップが空洞の開放上端を覆う時に、空洞に面するように構成された表面から延びてもよい。貫通要素は、空洞の中へと延びてもよく、またカートリッジがトレイの空洞内に挿入され、かつキャップに力が加えられて、キャップ貫通要素を空洞の下端に向かって移動させる時に、第二の表面においてカートリッジを貫通するように位置付けられてもよい。
【0024】
本開示で使用される用語は、本明細書に別段の定義がない限り、その一般的に受け入れられる定義を有することになる。
【0025】
「エアロゾル」という用語は本明細書では、気体中の固体粒子もしくは液滴の懸濁物、または気体中の固体粒子と液滴との組み合わせを指すために使用される。気体は空気であってもよい。固体粒子または液滴は、一つ以上の揮発性風味化合物を含んでもよい。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温で通常は液体または固体である物質のベイパーを含んでもよい。エアロゾルは、固体粒子と組み合わせて、または液滴と組み合わせて、または固体粒子と液滴との両方と組み合わせて、室温で通常は液体または固体である物質のベイパーを含んでもよい。一部の実施形態では、エアロゾルはニコチンを含む。
【0026】
「エアロゾル形成基体」という用語は、本明細書で、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する材料を指すために使用される。一部の実施形態では、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素を揮発させて、エアロゾルを形成するために、エアロゾル形成基体を加熱してもよい。加熱または燃焼の代替として、一部の事例では、化学反応によって、または超音波などの機械的な刺激によって揮発性化合物が放出されてもよい。エアロゾル形成基体はカートリッジの内側に配置されてもよい。エアロゾル形成基体は、固体であってもよく、または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分との両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体上に吸着、被覆、含浸または別の方法で装填されてもよい。エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0027】
「一体型の」および「一体的に形成された」という用語は本明細書では、一体部品(単一の分解できない部品)で形成される要素を記述するために使用される。一体型の構成要素または一体的に形成された構成要素は、部品に構造的な損傷を引き起こすことなく、相互から分離可能に取り外すことができないように構成されてもよい。
【0028】
また本明細書で使用される場合、「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」という単数形は、複数形の対象を有する実施形態も包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「または」は一般的に、「一方、またはもう一方、または両方」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0030】
「約」という用語は本明細書では、当業者によって予想される通りの測定値の通常の変動を含むように数値と併せて使用され、かつ「およそ」と同じ意味を有すると理解される。「約」という用語は、典型的な誤差の範囲を網羅すると理解される。典型的な誤差の範囲は、例えば述べられた値の±5%であってもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは、その制約のない意味で使用され、また一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「備えている(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0032】
「好ましい」および「好ましくは」という語はある特定の状況下で、ある特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。さらに、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0033】
「実質的に」という用語は、後続の用語を少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%だけ修飾する。「実質的に~ではない」という用語は、本明細書で使用される場合、「実質的に」と逆の意味(すなわち、後続の用語を10%以下、5%以下、または2%以下だけ修飾する)を有する。
【0034】
「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなどの、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されるが、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記述される装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0035】
任意の適切なシーシャカートリッジは、本開示に記述されるトレイとともに使用されてもよい。カートリッジは、空洞を画定する本体を備えてもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの空洞内に配置されてもよい。本体は、耐熱性金属またはポリマーなどの一つ以上の耐熱性材料から形成されていることが好ましい。本体は熱伝導性材料を含んでもよい。例えば、本体はアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、これらの任意の合金、およびこれらの組み合わせのうちのいずれかを含んでもよい。本体はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0036】
カートリッジは、任意の適切な形状であってもよい。例えば、カートリッジは、トレイによって受容されるように構成された形状を有してもよい。カートリッジは、実質的に立方体形状、円筒形状、円錐台形状、または任意の他の適切な形状を有してもよい。カートリッジは、概して円筒形状または円錐台形状を有することが好ましい。
【0037】
シーシャ装置は、カートリッジ内でエアロゾル形成基体を加熱するように構成される。シーシャ装置は、カートリッジがトレイ内に配置されている間にカートリッジ内でエアロゾル形成基体を加熱するように構成されることが好ましい。シーシャ装置は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体を伝導によって加熱するように構成されてもよい。カートリッジおよびトレイは、シーシャ装置の発熱体と接触できるようにする、またはシーシャ装置の発熱体からの距離を最少化するような形状にされ、かつサイズ設定されることが好ましい。有利なことに、これは、発熱体からカートリッジ内のエアロゾル形成基体への効率的な熱伝達を提供する。熱は、抵抗加熱によって、または誘導によってなどの任意の適切な機構によって発生されてもよい。誘導加熱を容易にするために、カートリッジにはサセプタが提供されてもよい。例えば、カートリッジ本体は、サセプタとして作用する能力を有する材料(例えば、アルミニウム)から作製されてもよく、もしくはそれを含んでもよく、またはサセプタ材料は、カートリッジの空洞内に提供されてもよい。サセプタ材料は、任意の形態(例えば、粉末、中実ブロック、断片など)でカートリッジの空洞内に提供されてもよい。加えて、または別の方法として、トレイはサセプタ材料を備えてもよい。
【0038】
任意の適切なエアロゾル形成基体は、カートリッジの本体によって画定された空洞内に提供されてもよい。エアロゾル形成基体は、揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成しうる化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。揮発性化合物は、化学反応によって、または超音波などの機械的刺激によって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は固体または液体であってもよく、または固体構成成分と液体構成成分との両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、担体または支持体の上へと吸着、被覆、含浸または別の方法で装填されてもよい。
【0039】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含むことが好ましい。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は別の方法として、または追加的に、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はシーシャ基体であることが好ましい。シーシャ基体は、シーシャ装置での使用に適切な消耗品材料を意味すると理解される。シーシャ基体はモラセスを含んでもよい。
【0040】
エアロゾル形成基体は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含有してもよい。
【0041】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシーシャ装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある化合物、または化合物の混合物を含む。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、最も好ましくはグリセリンなど)である。エアロゾル形成基体は、任意の適切な量のエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、基体のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5%以上であってもよく、乾燥重量基準で30重量%より高いことが好ましい。エアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で約95%未満であってもよい。エアロゾル形成体含有量は最大約55%であることが好ましい。
【0042】
エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。一部の実施形態では、エアロゾル形成体は、グリセリンまたはグリセリンおよび一つ以上の他の適切なエアロゾル形成体(上記のものなど)の混合物である。
【0043】
エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤、甘味料など)を含んでもよい。一部の実施例では、エアロゾル形成基体は、任意の適切な量の一つ以上の糖を含む。エアロゾル形成基体は、転化糖を含むことが好ましい。転化糖は、スクロースを分割することによって得られたグルコースおよびフルクトースの混合物である。エアロゾル形成基体は、約1重量%~約40重量%の糖(転化糖など)を含むことが好ましい。一部の実施例では、一つ以上の糖は、コーンスターチまたはマルトデキストリンなどの適切な担体と混合されてもよい。
【0044】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は一つ以上の感覚促進剤を含む。適切な感覚促進剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ジュニパー、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0045】
一部の実施例では、エアロゾル形成基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル形成基体は、モラセスを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「モラセス」は、約20%以上の糖を含むエアロゾル形成基体組成物を意味する。例えば、モラセスは、少なくとも約35重量%の糖など、少なくとも約25重量%の糖を含んでもよい。典型的に、モラセスは、約50重量%未満の糖など、約60重量%未満の糖を含有する。
【0046】
任意の適切な量のエアロゾル形成基体(例えば、モラセスまたはたばこ基体)を空洞内に配置してもよい。一部の好ましい実施形態では、約3g~約25gのエアロゾル形成基体が空洞内に配置される。カートリッジは、少なくとも6g、少なくとも7g、少なくとも8g、または少なくとも9gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。カートリッジは、最大15g、最大12g、最大11g、または最大10gのエアロゾル形成基体を含んでもよい。約7g~約13gのエアロゾル形成基体が、空洞の中に配置されることが好ましい。
【0047】
エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。「熱的に安定な」という用語は本明細書で、基体が典型的に加熱される温度(例えば、約150℃~約300℃)で実質的に劣化しない材料を示すために使用される。担体は、第一の主表面上に、または第二の主外表面上に、または第一の主表面と第二の主表面との両方の上に基体が堆積された薄い層を備えてもよい。担体は、例えば、紙もしくは紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔、もしくは任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。別の方法として、担体は粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分がその中へと組み込まれた不織布または繊維の束であってもよい。不織布または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含んでもよい。
【0048】
カートリッジの本体は、一つ以上の壁を含んでもよい。一部の実施形態では、本体は、上部壁、底部壁、および側壁を含む。側壁は、底部から上部へと延びる、円筒状または円錐台状であってもよい。本体は、一つ以上の部品を含んでもよい。例えば、側壁および底部壁は、一体型の単一部品であってもよい。側壁および底部壁は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および底部壁は、一緒に結合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および底部壁は、溶接によって、または接着剤によって一緒に結合されてもよい。上部壁および側壁は、単一の一体型の部品であってもよい。側壁および上部壁は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、螺合または締まり嵌めによって互いに係合するように構成されてもよい。側壁および上部壁は、一緒に結合された二つの部品であってもよい。例えば、側壁および上部壁は、溶接によって、または接着剤によって一緒に結合されてもよい。上部壁、側壁、および底部壁はすべて、単一の一体型の部品であってもよい。上部壁、側壁、および底部壁は、任意の適切な様態で互いに係合するように構成された三つの別個の部品であってもよい。例えば、上部壁、側壁、および底部壁は、螺合、締まり嵌め、溶接、または接着剤によって互いに係合するように構成されてもよい。
【0049】
本体の一つ以上の壁は、加熱可能な壁または表面を形成してもよい。本明細書で使用される場合、「加熱可能な壁」および「加熱可能な表面」は、直接的または間接的のいずれかで熱が加えられてもよい壁または表面の区域を意味する。加熱可能な壁または表面は熱伝達表面として機能してもよく、この表面を通して熱が本体の外側から、空洞または空洞の内部表面へと伝達されてもよい。
【0050】
カートリッジの本体は、約15cm以下の長さ(例えば、垂直中心軸に沿った軸長さ)を有することが好ましい。一部の実施形態では、本体は約10cm以下の長さを有する。本体は約1cm以上の内径を有してもよい。本体の内径は約1.75cm以上であってもよい。カートリッジは空洞内に、約70cm2~約100cm2など、約25cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、好ましくは約25cm3~約40cm3であってもよい。一部の実施形態では、本体は約3.5cm~約7cmの範囲の長さを有する。本体の内径は約1.5cm~約4cmであってもよい。本体は空洞内に、約70cm2~約100cm2など、約30cm2~約100cm2の加熱可能な表面積を有してもよい。空洞の容積は、約10cm3~約50cm3であってもよく、好ましくは約25cm3~約40cm3であってもよい。本体は円筒状または円錐台状であることが好ましい。
【0051】
カートリッジ本体は、本体の一つ以上の壁を通る一つ以上の開口部または通気穴を含んでもよい。通気穴は、入口、出口、またはその両方であってもよい。通気穴は、カートリッジの底部壁に、上部壁に、側面に、またはこれらの組み合わせに配置されてもよい。カートリッジ本体は、トレイ内に定置される前に、いかなる開口部または通気穴も含まないことが好ましい。トレイは、カートリッジを貫通して、カートリッジ内に一つ以上の開口部または通気穴を形成するように構成されることが好ましい。
【0052】
カートリッジ本体は、シーシャ装置の貫通要素によって貫通される前に、一つ以上の開口部または通気穴を備えてもよい。貫通要素によって貫通された後、カートリッジは、一つ以上の追加的な開口部を備えてもよい。
【0053】
カートリッジの貫通の後に、カートリッジは、カートリッジがシーシャ装置で使用される時に、空気がエアロゾル形成基体を通って流れることを可能にするための一つ以上の入口および一つ以上の出口を含んでもよい。一部の実施形態では、カートリッジの上部壁は存在しなくてもよく、またはカートリッジの一つ以上の入口を形成するために一つ以上の開口部を画定してもよい。カートリッジの底部壁は、カートリッジの一つ以上の出口を形成するための一つ以上の開口部を画定してもよい。
【0054】
トレイによって形成された一つ以上の開口部は、トレイの貫通要素によって貫通する前にカートリッジ内に存在する開口部(存在する場合)とともに、カートリッジを通して適切な引き出し抵抗(RTD)を提供するようにサイズ設定および成形された一つ以上の入口および出口を形成してもよい。一部の実施例では、入口(複数可)から出口(複数可)へのカートリッジを通したRTDは、約10mmH2O~約50mmH2Oであってもよく、好ましくは約20mmH2O~約40mmH2Oであってもよい。試料のRTDは、体積流量が出力端で17.5ミリリットル/秒である安定した条件下で気流が横断した時の、試料の二つの端の間の静圧の差を指す。試料のRTDは、ISO規格6565:2002に提示された方法を使用して測定されてもよい。
【0055】
本体上の一つ以上の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の5%以上、10%以上、15%以上、または20%以上、または25%以上を覆ってもよい。例えば、開口部が上部壁上にある場合、開口部は、上部壁の面積の少なくとも5%を覆ってもよい。本体上の一つ以上の開口部は、開口部がその上にある壁の面積の75%以下、50%以下、40%以下、または30%以下を覆ってもよい。
【0056】
カートリッジが、シーシャ装置の貫通要素で貫通される前に、何らかの開口部または通気穴を含む場合、カートリッジは、使用前に開口部または通気穴を覆う密封または層をさらに含んでもよい。密封は、カートリッジの内容物の漏れを防止するため、および貯蔵寿命を延ばすために、開口部または通気穴を通る気流を防止するのに十分であることが好ましい。密封は、ステッカー、箔、またはこれに類するものの剥離可能なラベルを備えてもよい。ラベル、ステッカー、または箔は、接着剤、捲縮、溶接、または別の方法で容器に接合されるなど、任意の適切な様態でカートリッジに貼り付けられてもよい。密封は、ラベル、ステッカー、または箔をカートリッジから剥がす、または取り外すために把持されてもよいタブを備えてもよい。
【0057】
トレイは、カートリッジを受容するように構成され、またシーシャ装置によって受容されるように構成される。トレイは、カートリッジを受容するための空洞を画定する本体を備える。トレイの空洞は、カートリッジをその中へと挿入可能な開放上端を有する。トレイの下端を有する。下端は、カートリッジを通って流れる空気が下端を出ることを可能にする、一つ以上の開口部を備えてもよい。トレイは、下端から空洞の中へと延びる貫通要素を含む。貫通要素は、カートリッジがトレイの中へと定置され、かつカートリッジの第一の表面を空洞の下端に向かって移動させるようにカートリッジに力が加えられる時に、カートリッジを貫通するように構成される。貫通要素は、一つ以上の細長い要素を備えてもよい。一つ以上の細長い要素は、カートリッジを貫通するように構成される。一つ以上の細長い要素は、中空であってもよい。一つ以上の細長い要素は、カートリッジを通って流れる空気が中空の細長い要素を通り、かつトレイの下端から出て流れてもよいように、空洞の下端における開口部と連通してもよい。
【0058】
カートリッジの本体は、空洞の内部表面を形成する側壁を備えることが好ましい。空洞の内部表面の少なくとも一部分は、カートリッジがトレイの空洞内に受容されたとき、カートリッジの外部表面に接触するように構成されてもよい。カートリッジに接触する側壁によって形成される内部表面の部分の形状は、カートリッジの外部表面の形状と実質的に同じであることが好ましい。一部の実施形態では、側壁によって形成される内部表面の部分の形状は、円筒状カートリッジまたは円錐台状カートリッジと接触するように形作られる。
【0059】
側壁の少なくとも一部分は、空洞の開放上端から空洞の下端への方向で内向きにテーパー付きであることが好ましい。こうしたテーパー付きの構成は、下記により詳細に考察するように、カートリッジの貫通要素によるカートリッジ内の開口部の信頼性のある形成を容易にする場合がある、意図される場所を越えて空洞の中へのカートリッジの挿入を防止する場合がある。テーパー付きの構成はまた、カートリッジのトレイ内での適正な着座も確保する場合がある。一部の実施形態では、カートリッジは円錐台形状を有し、また側壁は、カートリッジの長さに沿ってカートリッジに接触するように構成される。
【0060】
トレイの側壁は、熱伝導性材料を含むことが好ましい。トレイの側壁を形成してもよい熱伝導性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、これらの任意の合金、およびこれらの組み合わせが挙げられる。トレイの側壁はアルミニウムを含むことが好ましい。
【0061】
トレイの側壁は任意の適切な厚さを有してもよい。側壁を形成するために熱伝導性がより低い材料が使用される場合、より薄い構造はより厚い構造より効率的に熱を伝達する場合があるため、側壁の厚さは低減される。
【0062】
カートリッジを受容するように構成された内部表面の反対側の側壁の表面の少なくとも一部分は、便宜上、本明細書ではこの反対側の表面は側壁の外部表面と呼ばれるが、これは、トレイがシーシャ装置によって受容される時に、その少なくとも一部分が発熱体によって形成されることが好ましい、シーシャ装置のレセプタクルの内部表面に接触するように構成されることが好ましい。シーシャ装置のレセプタクルに接触する側壁によって形成される外部表面の部分の形状は、レセプタクルの内部表面の形状と実質的に同じであることが好ましい。一部の実施形態では、側壁によって形成される外部表面の部分の形状は、円筒状または円錐台状である。
【0063】
トレイは、空洞から離れるように本体から延びるハンドルを備えてもよい。ハンドルは、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。ハンドルは断熱材料を含むことが好ましい。トレイのハンドルを形成してもよい断熱材料の例としては、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリスチレン、シリカエアロゲル、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
トレイは、第二の空洞が、外部壁と空洞の内部表面を形成する側壁との間に形成されるように、外部壁を備えてもよい。第二の空洞は、トレイがシーシャ装置の一部分の周りに定置されてもよいように、シーシャ装置の一部分を受容するように構成されることが好ましい。好ましくは、例えば、シーシャ装置の発熱体との接触からもたらされる側壁からの熱が外部壁に実質的に伝達されないように、外部壁は側壁から断熱される。
【0065】
外部壁は任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。外部壁は、断熱材料を含むことが好ましい。トレイの外部壁を形成してもよい断熱材料の例としては、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリスチレン、シリカエアロゲル、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0066】
トレイは、下端からカートリッジを受容するように構成された空洞の中へと延びる、任意の適切な貫通要素を備えてもよい。貫通要素は、一つ以上の細長い要素を備えることが好ましい。一つ以上の細長い要素は、カートリッジを貫通するように構成される。一つ以上の細長い要素は、テーパー付きの端を備えてもよい。一つ以上の細長い要素は、カートリッジを貫通するように構成されてもよい。一つ以上の細長い要素は、中空であってもよい。一つ以上の細長い要素は、中空であってもよく、またカートリッジを貫通して、空気が細長い要素の中空部分を通って流れることを可能にするように構成されてもよい。中空の細長い要素は、カートリッジを通して適切なRTD(上記で考察したRTDなど)を提供するために形成される適切な開口部を提供することが好ましい。カートリッジの側壁を、空洞の開放上端から空洞の下端に向かって内向きにテーパー付きにすることによって、カートリッジがカートリッジの中へと挿入される距離は制御されてもよく、そのため貫通要素によって形成されるカートリッジ内に形成される開口部は制御されてもよい。すなわち、テーパー付きの側壁は、意図される場所を越えたトレイの中へのカートリッジの挿入を防止する場合があり、各カートリッジが実質的に同じサイズおよび形状を有するという条件で、貫通要素の一つ以上の細長い要素がカートリッジの中へと延びる距離が経時的にトレイ内に挿入される各カートリッジに対して実質的に同じであることを確実に確保する。
【0067】
トレイは、トレイの本体によって画定される空洞の開放上端を覆うためのキャップを備えてもよい。キャップは、キャップが空洞の開放上端を覆う時に空洞に面するように構成されたキャップの表面から延びる、キャップ貫通要素を備えてもよい。キャップ貫通要素は、空洞の中へと延び、またカートリッジが空洞の中へと挿入され、かつキャップ貫通要素を空洞の下端に向かって移動させるようにキャップに力が加えられる時に、上面においてカートリッジを貫通するように位置付けられる。キャップ貫通要素は、一つ以上の細長い要素を備えることが好ましい。一つ以上の細長い要素は、カートリッジを貫通するように構成される。一つ以上の細長い要素は、テーパー付きの端を備えてもよい。一つ以上の細長い要素は、カートリッジを貫通するように構成されてもよい。一つ以上の細長い要素は、中空であってもよい。一つ以上の細長い要素は、中空であってもよく、また空気が細長い要素の中空部分を通って流れることを可能にするように構成されてもよい。中空の細長い要素は、カートリッジを通して適切なRTD(上記で考察したRTDなど)を提供するために形成される適切な開口部を提供することが好ましい。
【0068】
トレイは、任意の適切なカートリッジおよび任意の適切なシーシャ装置で使用されてもよい。好ましくは、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体の一つ以上の成分を揮発してエアロゾルを形成するためにトレイ内に配置される時、カートリッジ内のエアロゾル形成基体を十分に加熱するが、エアロゾル形成基体を燃焼させないように構成される。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル形成基体を約150℃~約300℃の範囲の温度に加熱するように、より好ましくは約180℃~約250℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度へと加熱するように構成されてもよい。
【0069】
シーシャ装置は、カートリッジおよびトレイを受容するためのレセプタクルを含んでもよい。シーシャ装置は、カートリッジおよびトレイがレセプタクルの中に受容される時に、カートリッジの本体に接触するように、またはこれに近接するように構成された発熱体を含んでもよい。発熱体は、レセプタクルの少なくとも一部を形成してもよい。例えば、発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。シーシャカートリッジは、伝導によって発熱体から空洞内のエアロゾル形成基体に熱を伝達するように構成されてもよい。一部の実施形態では、発熱体は電気発熱体を含む。一部の実施形態では、発熱体は抵抗加熱構成要素を含む。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたは他の抵抗素子を含んでもよい。抵抗性ワイヤーは熱伝導性材料と接触して、生成した熱をより広い区域にわたって分散してもよい。適切な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部分を形成してもよい。
【0070】
レセプタクルの少なくとも一部分は、トレイがレセプタクルの中へと挿入されるように構成される方向で内向きにテーパー付きであることが好ましい。一部の実施形態では、トレイの側壁の外部表面は円錐台形状を有し、またレセプタクルはトレイの側壁の長さに沿って側壁に接触するように構成される。
【0071】
シーシャ装置は、発熱体に動作可能に連結された制御電子機器を含んでもよい。制御電子機器は発熱体の加熱を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は、カートリッジ中のエアロゾル形成基体が加熱される温度を制御するように構成されてもよい。制御電子機器は任意の適切な形態で提供されてもよく、例えばコントローラを含んでもよく、またはメモリーおよびコントローラを含んでもよい。コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)状態機械、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子機器は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子機器の機能または態様を実行させる命令を収容するメモリーを含んでもよい。本開示における制御電子機器に帰属する機能は、ソフトウエア、ファームウエア、およびハードウエアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0072】
電子回路はマイクロプロセッサを含んでもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素に供給されてもよい。
【0073】
一部の実施例では、制御電子機器は、発熱体の電気抵抗をモニターするように、かつ発熱体の電気抵抗に応じて発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子機器は抵抗素子の温度を調節してもよい。
【0074】
シーシャ装置は、熱電対などの温度センサーを含んでもよい。温度センサーは、発熱体の温度を制御するために制御電子機器に動作可能に連結されてもよい。温度センサーは、任意の適切な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、加熱されているエアロゾル形成基体の温度をモニターするために、レセプタクル内に受容された時にカートリッジの中へと挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、シーシャ装置のエアロゾル出口またはその一部分において温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関連する信号を制御電子機器に送信してもよい。制御電子機器は、センサーにおいて適切な温度を達成するために、信号に応答して発熱体の加熱を調整してもよい。
【0075】
制御電子機器は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の適切な電源を含んでもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。電源の電池は、再充電可能であってもよく、または取り外し可能かつ交換可能であってもよく、または再充電可能かつ取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の適切な電池が使用されてもよい。例えば、市販のヘビーデューティータイプの電池または標準的な電池(産業用のヘビーデューティー電動工具のために使用される電池など)である。別の方法として、電源は、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの動力供給源であってもよい。別の方法として、組立品は、外部電力供与源に接続されてもよく、またこのような目的のために電気的および電子的に設計されてもよい。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は、再充電される前に、または外部電力供与源への接続を必要とする前に、エアロゾルがカートリッジ中のエアロゾル形成基体から枯渇するまで、少なくとも一回のシーシャセッションの間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。電源は、再充電される前に、または外部電力供与源への接続を必要とする前に、少なくとも約70分の装置の連続動作の間、組立品の通常の機能のために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0076】
一実施例では、シーシャ装置は、レセプタクルを含むエアロゾル発生要素と、発熱体と、エアロゾル出口と、空気吸込み口とを含む。レセプタクルは、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジがその中に配置される、トレイを受容するように構成される。発熱体は、レセプタクルの表面の少なくとも一部を画定してもよい。
【0077】
シーシャ装置は、レセプタクルと流体接続している空気吸込み口を含む。使用時に、カートリッジの内側の基体が加熱される時、基体内のエアロゾル形成体の構成成分は気化する。カートリッジを通して空気吸込み口から流れる空気は、カートリッジ内のエアロゾル形成体の構成成分から発生したエアロゾルに同伴されるようになる。
【0078】
一部の電気加熱式シーシャ装置は、予熱空気を採用し、かつ吸煙に伴い空気が熱源の近くを移動するような気流経路を典型的に採用する。さらに、一部の電気加熱式シーシャ装置は、加熱される表面積を増大することによって放射熱伝達を増大させる要素を採用する。
【0079】
空気吸込み口は、カートリッジレセプタクルを通る一つ以上の開口を含んでもよいチャネルと連通してもよく、これによりシーシャ装置の外側からの空気がチャネルを通って流れ、かつ一つ以上の開口を通してカートリッジレセプタクルの中へと流れてもよい。チャネルが二つ以上の開口を含む場合、チャネルは、チャネル通って各開口へと流れる空気を方向付けるためのマニホールドを含んでもよい。シーシャ装置は、二つ以上の空気吸込み口チャネルを含むことが好ましい。
【0080】
上述のように、カートリッジは、本体内に形成された一つ以上の開口部(入口または出口など)を含み、空気がカートリッジを通って流れることを可能にする。レセプタクルが一つ以上の入口開口を含む場合、カートリッジ内の入口のうちの少なくともいくつかは、レセプタクルの上部の開口と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジがレセプタクルの中へと挿入された時、トレイの相補的な整列特徴部と嵌合し、そしてトレイは、カートリッジの入口をレセプタクルの開口と整列させるようにレセプタクルの相補的な整列特徴部と篏合するように構成された整列特徴部を備えてもよい。
【0081】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル形成基体を横切って、またはエアロゾル形成基体を通って、またはエアロゾル形成基体にわたり、かつエアロゾル形成基体を通って流れ、エアロゾルを同伴し、そしてエアロゾル出口を経由してカートリッジおよびレセプタクルを出てもよい。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気は、シーシャ装置のベッセルに入る。
【0082】
シーシャ装置は、液体を含有するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルの上方の上部空間内に出口を画定する任意の適切なベッセルを含んでもよい。ベッセルは、ベッセル中に含有された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを含んでもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を含んでもよい。ベッセルは、任意の適切な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルは、ガラスまたは適切な剛直なプラスチック材料を含んでもよい。好ましくは、ベッセルは、消費者がベッセルを充填する、空にする、またはクリーニングすることを可能にするように、エアロゾル発生要素を含むシーシャ組立品の一部分から取り外し可能である。
【0083】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を含むことが好ましく、これには一つ以上の着色剤、風味剤、または着色剤および風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には植物の浸出液と薬草の浸出液とのうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0084】
レセプタクルのエアロゾル出口を出る空気中に同伴されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通して移送されてもよい。導管はエアロゾル発生要素のエアロゾル出口に連結されてもよく、またベッセルの液体充填レベルの下方に開口部を有してもよく、これにより、ベッセルを通って流れるエアロゾルは、導管の開口部を通った後、液体を通って、ベッセルの上部空間の中へと入り、そして消費者への送達のために、上部空間出口を通って出る。
【0085】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって起動可能なスイッチ、またはマウスピースでのユーザーの吸煙を検出するように配設された吸煙センサー、またはユーザーによって起動可能なスイッチおよび吸煙センサーの両方などの起動要素を含んでもよい。起動要素は、シーシャ装置の制御電子機器に動作可能に連結される。起動要素は、制御電子機器に無線で連結されてもよい。起動要素の起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子機器に発熱体を起動させてもよい。その結果、起動要素の使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能して、一定した加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0086】
例示の目的のために、本明細書に記述されるようなシーシャ装置を使用する一つの方法が下記に、経時的な順序で提供されている。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外され、そして水で充填されてもよい。天然果汁、植物の浸出液、および薬草の浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルのマークを超えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置に再び組み付けられる。
【0087】
カートリッジにおいてトレイの上方貫通要素および下方貫通要素に開口部を形成させるための適切な力を加えて、カートリッジは、トレイ内に定置されてもよく、またキャップは、トレイ上に定置されてもよい。トレイおよびカートリッジは、シーシャ装置のレセプタクル内に定置されてもよい。別の方法として、トレイは、シーシャ装置のレセプタクル内に定置されてもよく、カートリッジはトレイ内に定置されてもよく、そしてキャップはトレイ上に定置されてもよい。
【0088】
その後、装置はオンにされてもよい。装置をオンにすることは、エアロゾル形成基体の気化温度以上であるが燃焼温度未満の温度へとエアロゾル形成基体を加熱するための、発熱体の加熱プロファイルを開始してもよい。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成化合物は気化し、エアロゾルを発生させる。ユーザーは所望の通りにマウスピースを吸煙してもよい。ユーザーは、所望するだけ長く、またはそれ以上のエアロゾルが見えなくなるまで、もしくは送達されなくなるまで、装置を使用し続けてもよい。一部の実施形態では、カートリッジ、またはカートリッジの区画の使用可能なエアロゾル形成基体が枯渇した時、装置は自動的に停止するように配設されてもよい。シーシャ装置は、例えば、装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにされうる。
【0089】
シーシャ装置は、任意の適切な空気管理を有してもよい。一実施例では、ユーザーからの吸煙行為は、吸込み効果を作り出して、装置の内側に低圧を引き起こすことになり、これが外部空気を、装置の空気吸込み口を通して、空気吸込み口チャネルの中へと、そしてレセプタクルの中へと流れさせる。空気はその後、レセプタクル内のカートリッジを通って流れてもよく、またエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルに同伴されるようになってもよい。同伴されたエアロゾルを有する空気はその後、レセプタクルのエアロゾル出口を出て、導管を通ってベッセルの内側の液体へと流れる。エアロゾルはその後、泡になって液体から出て、そしてベッセル内の液体のレベルの上方の上部空間の中へと入り、上部空間出口、そして消費者への送達のためのホースおよびマウスピースを通って出る。外部空気の流れ、およびシーシャ装置内側のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙行為によって駆動される場合がある。
【0090】
カートリッジ内のエアロゾル形成基体が消耗した時、またはシーシャ体験が終了した時、ユーザーは、レセプタクルからトレイを取り外してもよく、トレイからリッドを取り外してもよく、そしてカートリッジを適切な廃棄物容器の中へと空にするためにトレイを反転させてもよい。
【0091】
ここで、本開示で記述される一つ以上の実施形態を図示する図面を参照する。しかし当然のことながら、図面に図示されていない他の実施形態も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用される同様の番号は、同様の構成要素を指す。異なる図において構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号付きの構成要素が他の番号付きの構成要素と同じまたは類似ではありえないと示すことを意図しない。図は限定ではなく例示の目的で提示されている。図中に提示された概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
図1図1は、シーシャ装置の一実施形態の概略図である。トレイ、カートリッジ、およびシーシャ装置の相互作用は図2図5により詳細に示されているため、利便性のために、トレイは図1から省略されている。
図2A-2C】図2A図2B、および図2Cは、シーシャ装置および関連付けられたトレイおよびカートリッジの実施形態の一部分の概略斜視図である。
図3図3は、シーシャ装置および関連付けられたトレイおよびカートリッジの実施形態の一部分の概略断面図である。
図4図4は、シーシャ装置および関連付けられたトレイおよびカートリッジの実施形態の使用を例示する、一連の概略斜視図である。
図5図5は、シーシャ装置および関連付けられたトレイおよびカートリッジの実施形態の使用を例示する、一連の概略斜視図である。
【0093】
図1は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図である。装置100は、液体19を収容するように構成される内部容積を画定し、また液体19に対する充填レベルの上方にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を含むことが好ましく、この水には一つ以上の着色剤、一つ以上の風味剤、または一つ以上の着色剤および一つ以上の風味剤が随意に注入されていてもよい。例えば、水には、植物の浸出液および薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されていてもよい。
【0094】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130も含む。エアロゾル発生要素130は、トレイ(図示せず)およびエアロゾル形成基体を含むカートリッジ200を受容するように構成されたレセプタクル140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、発熱体160も含んでもよい。発熱体160は、レセプタクル140の少なくとも一つの表面を形成してもよい。図示した実施形態では、発熱体160は、レセプタクル140の側表面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、空気を装置100の中へと吸い込む空気吸込み口170も含む。空気は、これもまた発熱体160によって加熱されるカートリッジ200に入って、エアロゾル形成体およびエアロゾル形成基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、そして導管190に入る。
【0095】
導管190は、空気およびエアロゾルを液体19のレベルより下でベッセル17の中へと搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、ベッセル17の上部空間出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口へと搬送するために、ホース20を上部空間出口15へと取り付けてもよい。マウスピース25はホース20に取り付けられてもよく、またはホース20の一部を形成してもよい。
【0096】
使用時の装置の例示的な気流経路を、図1に矢印で図示する。
【0097】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサーもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意のその他の適切な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子機器30と無線通信して、例えば、電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子機器に発熱体160を起動させてもよい。
【0098】
制御電子機器30および電源35は、図1に図示するような要素130の側面以外の場所を含む、エアロゾル発生要素130の任意の適切な位置に位置してもよい。
【0099】
ここで図2A図2B、および図2Cを参照すると、トレイの本体310は、シーシャ装置100のレセプタクルの中へと挿入される。トレイの本体310は、エアロゾル形成基体を含むカートリッジ200を受容するように構成された空洞311を画定する。カートリッジ200が空洞311の中へと挿入され、かつ本体310がシーシャ装置100のレセプタクル内に挿入される時、カートリッジ200は、ユーザーが吸入するためにエアロゾル形成基体の一つ以上の成分を揮発するためにシーシャ装置によって加熱されてもよい。トレイはまた、トレイの本体310によって形成される空洞の開放上端を覆うためのキャップ395も備える。キャップ395は、空気がシーシャ装置に入り、かつカートリッジ200を通って流れることを可能にする貫通穴397を含む。図1に図示されるトレイは、空洞から離れるように本体310から延びるハンドル390を含む。ハンドル390は、トレイおよびカートリッジ200の操作を容易にするために、ユーザーによって把持されてもよい。ハンドル390は、シーシャ装置100の使用を通して生成される相当な量の熱がハンドル390に到達することを防止するための断熱材料を備えてもよい。
【0100】
図3は、本体310およびキャップ395を含むトレイ300を示す。本体310は、開放上端から下端318まで延びる空洞311を画定する側壁316を有する単一部品である。本体310はまた、空洞311の上部肩部314から延びる外部壁312も有する。外部壁312は、外部壁312と側壁316との間に第二の空洞321を画定する。第二の空洞は、シーシャ装置100の上部部分を受容するように構成され、これによりトレイの本体310の外部壁312の少なくとも一部分は、トレイ300の側壁316がシーシャ装置100のレセプタクル140内に受容される時に、シーシャ装置100の周りに配置される。
【0101】
トレイ300の本体310の外部壁312は、本体310をシーシャ装置100に対して適所に保持する。外部壁312は、断熱材料、または装置100の使用中に生成した熱に起因してユーザーの不快感を引き起こすことなく、シーシャ装置100の使用の後に続いてユーザーが外部壁312を把持することを可能にする材料から形成されてもよい。
【0102】
空洞311は、エアロゾル形成基体を備えるカートリッジ200を受容するための空間を提供する。空洞311を画定する側壁316は、カートリッジ200の長さに沿ってカートリッジ200と接触して、シーシャ装置100のレセプタクル140の少なくとも一部分を形成する発熱体160からカートリッジ200へと、熱を伝達するように構成される。上部肩部314は、空洞311内でのカートリッジ200の位置付けを容易にし、また挿入中にカートリッジ200をその動作位置へと案内する。
【0103】
本体310は、下部貫通要素320を含む。貫通要素は、カートリッジ200を貫通して、空気がカートリッジを通ってかつ導管190の中へと流れるようにカートリッジ200内に出口を形成する、テーパー付きの端を有する複数の中空の細長い要素を含む。
【0104】
キャップ395は、トレイ300の上方貫通要素391を形成する中空の細長い要素と連通する貫通穴397を含む。キャップ395が空洞311の開放上端の中へと挿入される時、貫通要素391の中空の細長い要素は、カートリッジ200を貫通して、空気がカートリッジ200を通って流れるための入口を形成する。キャップ395は、空洞311内の定位置へと押し込まれてもよい。一部の実施形態(図示せず)では、キャップは、適切なねじ係合を介して空洞の中へとねじ込まれてもよい。
【0105】
ここで図4を参照すると、外部壁を有する本体を含むトレイ300を使用するためのプロセスの概要が示されている。トレイ300の本体310は、外部壁がシーシャ装置の一部分の周りに配置され、また側壁316がシーシャ装置のレセプタクル内に受容されるように、シーシャ装置100上に定置されてもよい。カートリッジ200は、トレイ300の本体310によって形成された空洞内に定置されてもよく、また貫通穴397を有するキャップ395は、本体310上に定置されてもよい。本体310上にキャップ395を定置することは、カートリッジ200の上部および下部を貫通して、空気がカートリッジ200を通って流れるための入口および出口を形成してもよい。カートリッジ200のエアロゾル形成基体が枯渇すると、またはシーシャセッションが終了すると、トレイ300はシーシャ装置100から取り外されてもよく、キャップ395はトレイ300の本体310から取り外されてもよく、また本体310は反転されて、カートリッジ200を適切な廃棄物容器400内に廃棄させてもよい。
【0106】
図5は、外部壁を含まない本体310を有するトレイ300を使用するためのプロセスの概要を提供する。本体310は、カートリッジ200を受容するための、かつシーシャ装置100のレセプタクル内に受容するための空洞を形成する側壁を含む。本体310は、ハンドル390を含む。カートリッジ200のエアロゾル形成基体が枯渇した時、またはシーシャセッションが終了した時、トレイ300は、ハンドル390を把持することによってシーシャ装置100から取り外されてもよく、キャップ395はトレイ300の本体310から取り外されてもよく、また本体310は反転されて、カートリッジ200を適切な廃棄物容器400内に廃棄させてもよい。
【0107】
それ故に、シーシャ装置で使用するための貫通要素を有するトレイが記述される。本発明の様々な修正および変形は、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者には明らかであろう。特定の好ましい実施形態に関連して本発明を記述してきたが、当然のことながら、特許請求されるような発明は、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際、機械技術、化学技術、およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者には明らかである、本発明を実行するための記述されるモードの様々な修正は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
【国際調査報告】