(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンスシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A63G 7/00 20060101AFI20230125BHJP
A63G 21/04 20060101ALI20230125BHJP
A63G 33/00 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A63G7/00
A63G21/04
A63G33/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531470
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 US2020063128
(87)【国際公開番号】W WO2021113523
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ゴレンツ ルーカス アントン
(57)【要約】
遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンス組立体は、基本部分と、基本部分から第1の距離だけ延びる車輪係合セクションと、基本部分から第2の距離だけ延びる突出部を含む基準セクションとを備える。車輪係合セクションは、車輪組立体の車輪表面に接触するように構成され、基準セクションは、車輪組立体のパッドに接触するように構成される。加えて、車輪係合セクションは、基準セクションに対して剛性的に位置決めされ、第2の距離は、第1の距離よりも大きく、メンテナンス組立体が、パッドに接触するように構成された基準セクションの表面と、車輪表面に接触するように構成された車輪係合セクションの表面との間に一定距離を提供するようになっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンス組立体であって、前記メンテナンス組立体は、
基本部分と
前記基本部分から第1の距離だけ延びる少なくとも1つの車輪係合セクションであって、前記少なくとも1つの車輪係合セクションの各車輪係合セクションは、前記車輪組立体のそれぞれの車輪表面に接触するように構成される、少なくとも1つの車輪係合セクションと、
前記基本部分から第2の距離だけ延び、前記車輪組立体のパッドに接触するように構成された突出部を備える基準セクションと、
を備え、
前記少なくとも1つの車輪係合セクションは、前記基準セクションに対して剛性的に位置決めされ、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも大きく、前記メンテナンス組立体が、前記パッドに接触するように構成された前記基準セクションの表面と、前記車輪表面のそれぞれに接触するように構成された前記少なくとも1つの車輪係合セクションの表面との間に一定距離を提供するようになっている、メンテナンス組立体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの車輪係合セクションは、第1の車輪に接触するように構成された第1のレール形状の接触面と、第2の車輪に接触するように構成された第2のレール形状の接触面とを備え、前記基準セクションは、前記第1のレール形状の接触面と前記第2のレール形状の接触面との間に剛性的に配置される、請求項1に記載のメンテナンス組立体。
【請求項3】
前記基準セクションと前記少なくとも1つの車輪係合セクションの各車輪係合セクションとの間に配置された把持セクションを備え、前記把持セクションは、ユーザが前記メンテナンス組立体を保持して設置することができるように構成されたハンドルを備える、請求項1に記載のメンテナンス組立体。
【請求項4】
前記ハンドルは、前記基本部分の中に又はこれを貫通して延びる穴を備える、請求項3に記載のメンテナンス組立体。
【請求項5】
前記基準セクションは、前記突出部が延びる前記基本部分の側面とは反対側にある前記基本部分の側面から前記基本部分の中に部分的に延びる受け部を備え、前記受け部は、前記メンテナンス組立体を前記遊園地乗り物車両の前記車輪組立体に固定するためのクランプを受け入れるように構成されている、請求項1に記載のメンテナンス組立体。
【請求項6】
前記第1の距離は、6(6.0)ミリメートルと20(20.0)ミリメートルとの間である、請求項1に記載のメンテナンス組立体。
【請求項7】
前記第2の距離は、10(10.0)ミリメートルと40(40.0)ミリメートルとの間である、請求項1に記載のメンテナンス組立体。
【請求項8】
前記メンテナンス組立体は、1/4(0.25)キログラムと20(20.0)キログラムとの間の重さである、請求項1に記載のメンテナンス組立体。
【請求項9】
遊園地乗り物車両をメンテナンスする方法であって、
車輪をレールと非係合状態にして位置付けることにより、前記遊園地乗り物車両の前記車輪を露出させるステップと、
手持ち式メンテナンス組立体の基本部分から延びる基準セクションを、前記車輪に結合されたパッドに対して配置するステップと、
前記基準セクションが前記パッドに対して配置される間に、前記車輪の車輪表面が前記手持ち式メンテナンス組立体の前記基本部分から延びるレールセクションに接触するまで前記車輪に結合されたブッシングを調整して、前記パッドと前記車輪の車輪表面との間に一定距離を提供するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記手持ち式メンテナンス組立体を前記遊園地乗り物車両の車輪組立体にクランプするステップを含み、前記車輪組立体は、前記車輪を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
クランプの一部を、前記手持ちメンテナンス組立体の前記基本部分の前記基準セクションから反対側に配置された受け部に挿入するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基準セクションが前記基本部分から一定距離だけ延びるまで、前記基準セクションを前記基本部分に対して調整するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンス用テンプレートであって、
幅よりも大きな長さによって規定された細長い幾何学的形状を備える基本部分と、
前記基本部分の少なくとも1つの端部から前記基本部分の長さを横切る方向に第1の距離だけ延びる車輪係合セクションであって、前記車輪係合セクションは、前記車輪係合セクションが第1の接触位置で前記車輪組立体の少なくとも1つの車輪に接触するよう構成されるように、前記車輪組立体が横切るように構成される軌道に対応する幾何学的形状を有する、車輪係合セクションと、
前記基本部分から第2の距離だけ延び、第2の接触位置で車輪組立体のパッドに接触するように構成された突出部を備える基準セクションと、
を備え、
前記第1の接触位置と前記第2の接触位置との間にオフセット距離が設けられるように、前記第2の距離は、前記第1の距離よりも大きい、メンテナンス用テンプレート。
【請求項14】
前記車輪係合セクションは、前記基準セクションに剛性的に結合された2つのレールセクションを備え、前記基準セクションは、前記2つのレールセクションの間に延在する、請求項13に記載のメンテナンス用テンプレート。
【請求項15】
前記メンテナンス用テンプレートの把持及び操作を容易にするために、前記基準セクションと前記車輪係合セクションとの間の空間に、前記メンテナンス用テンプレートの中に又はそれを貫通して延びる通路を設ける、請求項13に記載のメンテナンス用テンプレート。
【請求項16】
前記基準セクションが延びる側面とは反対側の前記基本部分の側面を通る前記基本部分内の受け部を含み、前記受け部は、前記メンテナンス用テンプレートを前記遊園地乗り物車両の前記車輪組立体に固定するためのクランプを受け入れるように構成されている、請求項13に記載のメンテナンス用テンプレート。
【請求項17】
前記車輪係合セクションは、前記少なくとも1つの車輪の相補的な外面と係合するように構成された湾曲面を有する、請求項13に記載のメンテナンス用テンプレート。
【請求項18】
前記基本部分、前記車輪係合セクション、及び前記基準セクションは、統合構造に一体形成される、請求項13に記載のメンテナンス用テンプレート。
【請求項19】
前記統合構造は、成形された構造である、請求項18に記載のメンテナンス用テンプレート。
【請求項20】
前記基準セクションを前記基本部分に結合する伸長器を備え、前記オフセット距離は、前記伸長器の作動に基づいて調整可能である、請求項13に記載のメンテナンス用テンプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2019年12月5日出願の米国仮出願第62/944,012号「MAINTENANCE SYSTEMS AND METHODS FOR A WHEEL ASSEMBLY OF AN AMUSEMENT RIDE VEHICLE」の優先権及び恩恵を主張するものであり、その開示内容全体は引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、メンテナンスシステム及び方法に関し、より詳細には、遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンスシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一部の例では、遊園地乗り物は、乗り物車両と乗り物軌道を含む場合がある。乗り物車両は、乗り物軌道のレールなどの乗り物軌道に結合された車輪を含む場合がある。動作中、車輪は、乗り物軌道に沿って移動することができ、これにより、車輪は、車輪組立体及び/又は乗り物車両の本体の他の部分などの、乗り物車両の他の部分に対して摩耗する及び/又は移動する可能性がある。車輪の摩耗及び移動を考慮して、車輪は、一般的に、乗り物軌道に結合された状態で調整される。場合によっては、乗り物車両は、メンテナンス領域の代替軌道などの他の軌道に移動され、車輪は、代替軌道に結合された状態で調整される。しかしながら、現在、乗り物軌道及び/又は代替軌道に結合された状態で車輪を調整することは、一般に車輪の部分又は車輪組立体の部分など、乗り物車両の特定の部分へのアクセスを妨げる可能性があることが認識されている。加えて、現在、乗り物車両の乗り物軌道から代替の乗り物軌道への移動は、乗り物車両のメンテナンスを遅らせる可能性のある非常に時間がかかる作業であることが認識されている。
【0004】
このセクションは、読み手に、以下に記載する本開示の種々の態様に関連し得る種々の態様を紹介することを意図している。この考察は、読み手に対して本開示の種々の態様をより理解するのを容易にするための背景情報を提供するのを助けると考えられる。従って、本記載はこの観点から読まれものであり従来技術の自認ではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示された主題の範囲に見合った特定の実施形態が以下に要約される。これらの実施形態は、本開示の範囲を制限することを意図したものではなく、むしろこれらの実施形態は、特定の開示された実施形態の簡潔な要約を提供することのみを意図したものである。実際、本開示は、以下に記載された実施形態とは類似、又は異なる可能性がある様々な形態を包含する場合がある。
【0006】
一実施形態では、遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンス組立体は、基本部分と、基本部分から第1の距離だけ延びる車輪係合セクションと、基本部分から第2の距離だけ延びる突出部を含む基準セクションとを備える。車輪係合セクションは、車輪組立体の車輪表面に接触するように構成され、基準セクションは、車輪組立体のパッドに接触するように構成される。加えて、車輪係合セクションは、基準セクションに対して剛性的に位置決めされ、第2の距離は、第1の距離よりも大きく、メンテナンス組立体が、パッドに接触するように構成された基準セクションの表面と車輪表面に接触するように構成された車輪係合セクションの表面との間に一定距離を提供するようになっている。
【0007】
一実施形態では、遊園地乗り物車両をメンテナンスする方法は、車輪をレールと非係合状態にして位置付けることにより、遊園地乗り物車両の車輪を露出させるステップと、手持ち式メンテナンス組立体の基本部分から延びる基準セクションを、車輪に結合されたパッドに対して配置するステップと、基準セクションがパッドに対して配置される間に、車輪の車輪表面が手持ち式メンテナンス組立体の基本部分から延びるレールセクションに接触するまで車輪に結合されたブッシングを調整して、パッドと車輪の車輪表面との間に一定距離を提供するステップと、を含む。
【0008】
一実施形態では、遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンス用テンプレートは、幅よりも大きな長さによって規定された細長い幾何学的形状を有する基本部分と、基本部分の端部から基本部分の長さを横切る方向に第1の距離だけ延びる車輪係合セクションと、基本部分から第2の距離だけ延びる突出部を含む基準セクションと、を備える。車輪係合セクションは、車輪係合セクションが第1の接触位置で車輪組立体の車輪に接触するよう構成されるように、車輪組立体が横切るように構成される軌道に対応する幾何学的形状を有する。加えて、基準セクションは、第2の接触位置で車輪組立体のパッドに接触するように構成される。第1の接触位置と第2の接触位置との間にオフセット距離が設けられるように、第2の距離は、第1の距離よりも大きい。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を通して同様の符号が同様の要素を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことでよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様による、乗り物車両及びメンテナンス組立体を有する遊園地乗り物システムの一実施形態の斜視図である。
【
図2】本開示の態様による、互いに係合した
図1の車輪組立体及びメンテナンス組立体の一実施形態の斜視図である。
【
図3】本開示の態様による、
図2の車輪組立体内に配置されたメンテナンス組立体の一実施形態の垂直断面図である。
【
図4】本開示の態様による、
図1のメンテナンス組立体の実施形態の斜視図である。
【
図5】本開示の態様による、
図1のメンテナンス組立体の一実施形態の側面図である。
【
図6】本開示の態様による、
図1のメンテナンス組立体の一実施形態の上面図である。
【
図7】本開示の態様による、伸長位置にある伸長器を有するメンテナンス組立体の一実施形態の側面図である。
【
図8】本開示の態様による、
図1の乗り物車両をメンテナンスするためのプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1又は2以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、実際の実行例の全ての特徴を本明細書で説明することができるというわけではない。何らかの工業設計又は設計プロジェクトの場合と同様に、何らかの当該の実際の実行例の開発において、実行例間で変動する場合があるシステム関連及び事業関連の制約の遵守など、開発担当者らの特定の目標を達成するために数多くの実行固有の意思決定を行う必要があることを認識されたい。さらに、このような開発作業は、複雑かつ時間が掛かることがあり得るが、それでも、本開示の恩恵を有する当業者にとって設計、作製、及び製造の日常的な仕事になることを認識されたい。
【0012】
本開示の様々な実施形態の要素を説明する場合に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上があることを意味することが意図されている。用語「~を備える」、「~を含む」、及び「~を有する」は、包括的であり、かつ、記載された要素以外のさらなる要素がある場合があることを意味することが意図されている。加えて、本開示の「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、記載された特徴部も組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることが意図されていないことを理解されたい。
【0013】
本開示の特定の実施形態は、遊園地乗り物車両のためのメンテナンスシステム及び/又は方法を含む。例えば、メンテナンスシステムは、遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンス組立体(例えば、メンテナンス用テンプレート)を含むことができる。メンテナンス組立体は、基本部分と、基本部分から第1の距離だけ延びる車輪係合セクションと、基本部分から第2の距離だけ延びる基準セクションとを含み、メンテナンス組立体は、基準セクションの表面及び車輪係合セクションの表面から一定の距離を提供するようになっている。車輪係合セクションは、車輪組立体の車輪表面に接触するように構成することができ、基準セクションは、車輪に結合されている車輪組立体のパッドに接触するように構成することができる。車輪組立体の車輪は、メンテナンス組立体がパッドの表面と車輪組立体の車輪表面との間に一定距離を提供するように、パッドに対して調整することができる。
【0014】
このように、メンテナンス要員は、メンテナンス組立体を使用して、車輪組立体を調整し、車輪組立体の中で一定距離を維持することができる。一定距離は、車輪組立体が乗り物軌道に結合される間に及び/又は乗り物軌道に沿って移動する間に、車輪組立体のパッドと乗り物軌道との間の間隙を提供することができる。このように、車輪組立体、及び一般に乗り物車両のメンテナンス時間は、従来の実施形態と比較して短くすることができる。例えば、メンテナンスを行うために乗り物車両を1つの乗り物軌道から代替の1又は複数の乗り物軌道に移動させるのではなく、乗り物車両は、車輪組立体が露出するように乗り物軌道から取り外すことができる。メンテナンス組立体は、車輪の調整を可能にし、車輪組立体の中に一定距離を提供するために、露出した車輪組立体の中に配置することができる。いくつかの実施形態では、メンテナンス組立体は、軽量な手持ち式メンテナンス組立体(例えば、1/4(0.25)キログラム(kg)と20kgとの間)とすることができ、これにより、メンテナンス要員が容易に操作しかつ移動させることができる。このように、メンテナンス組立体は、概して車輪組立体及び乗り物車両のメンテナンスを容易にすることができる。この軽量化を達成するために、メンテナンス組立体は、完全に又は部分的にプラスチックで作ることができ、中空特徴部を含むことができる。
【0015】
上記を考慮して、遊園地乗り物車両の車輪組立体のためのメンテナンスシステム及び/又は方法に関する本実施形態は、何らかの遊園地乗り物又はアトラクションシステムに利用することができる。例えば、
図1は、メンテナンス組立体12、乗り物車両14(例えば、遊園地乗り物車両)、及び乗り物軌道16を有する遊園地乗り物システム10の一実施形態の斜視図である。乗り物車両14は、乗り物軌道16のレール18に結合される。特定の実施形態では、遊園地乗り物システム10は、追加の乗り物車両14を含むことができ、及び/又は乗り物車両14は、乗り物軌道16に沿って乗り物車両14の車列又は列を形成するように連結される場合がある。いくつかの実施形態では、各乗り物車両14は、切り離すことができ、独立して移動することができる。乗り物車両14は、遊園地乗り物システム10を通って1又は複数の来客を運ぶことができる。例えば、遊園地乗り物システム10は、参加来客の娯楽のために高速(例えば、50-100mph)で走行する乗り物車両14を含むローラーコースターとすることができる。他の実施形態では、遊園地乗り物システム10は、低速(例えば、時速1-30mph)で走行する乗り物車両14を含む低速乗り物とすることができる。
【0016】
乗り物車両14は、車輪組立体20(例えば、ボギー組立体)と、車輪組立体20に結合された客車22とを含む。客車22は、遊園地乗り物システム10を通って来客を運ぶように構成することができる。図示のように、乗り物車両14は、乗り物軌道16のレール18と係合する2つの車輪組立体20を含む。特定の実施形態では、乗り物車両14は、より多くの又はより少ない車輪組立体20(例えば、1個の車輪組立体20、3個の車輪組立体20、4個の車輪組立体20、6個の車輪組立体20、10個の車輪組立体20)を含むことができる。いくつかの実施形態では、乗り物軌道16は、より多くの又はより少ないレール18(例えば、1本のレール18、3本のレール18、4本のレール18、6本のレール18)を含むことができる。
図2及び3に関してより詳細に説明するように、車輪組立体20は、遊園地乗り物システム10の動作中及び/又はメンテナンス中に、乗り物車両14がレール18に沿って、例えば乗り物軌道16に沿った方向24に移動することを可能にする1又は複数の車輪を含むことができる。例えば、乗り物軌道16は、遊園地乗り物システム10の乗車領域(例えば、乗り物車両14が来客を運ぶように構成されている領域)の中、及び/又は遊園地乗り物システム10のメンテナンス領域(例えば、乗り物車両14又はその一部をメンテナンスできる領域)の中に配置することができる。
【0017】
車輪は、車輪組立体20のパッドに結合することができ、車輪組立体20がレール18と係合している間、パッドとレール18との間にオフセット距離(例えば、間隙)を提供することができる。車輪組立体20が、例えば遊園地乗り物システム10の通常の動作中に、乗り物軌道16に沿って移動すると、車輪組立体20の車輪は、摩耗を経験する場合、及び/又は車輪組立体20の他の部分に対して相対移動する場合がある。車輪の摩耗及び/又は相対移動は、車輪組立体20の車輪とパッドとの間のオフセット距離を変化させる場合があり、それによって、車輪組立体20がレール18と係合する間にパッドとレール18との間の距離/間隙が変化する。
【0018】
乗り物車両14のメンテナンス(例えば、定期的及び/又は周期的メンテナンス)の間、車輪組立体20の一部又は全ては、レール18から取り外すこと及び/又は除去することができ、それによって車輪組立体20の車輪が露出する。特定の実施形態では、乗り物車両14は、レール18から取り外されている間、遊園地乗り物システム10の別の構造体によって支持することができる。メンテナンス組立体12は、車輪組立体20の車輪を調整し、露出した車輪組立体20の車輪とパッドとの間のオフセット距離を維持するための、参照/基準構造を提供するように構成される。例えば、メンテナンス組立体は、基本部分30と、基本部分30に結合され基本部分30から延びる車輪係合セクション32(例えば、レールセクション)と、基本部分30に結合され基本部分30から延びる基準セクション34とを含む。基準セクション34は、車輪係合セクション32よりも基本部分30から遠くに延びて、車輪係合セクション32の表面36と基準セクション34の表面38との間に一定距離(例えば、横方向の一定距離)を提供することができる。メンテナンス組立体12は、露出した車輪組立体20に対して/その中に配置することができ、1又は2以上の車輪係合セクション32(例えば、車輪係合セクション32の表面36)が車輪組立体20のそれぞれの車輪に係合/接触するように、及び/又は基準セクション34(例えば、基準セクション34の表面38)が車輪組立体20のパッドに係合/接触するようになっている。特定の実施形態では、1又は2以上の車輪係合セクション32のみが車輪組立体20のそれぞれの車輪に接触する場合、又は基準セクション34のみが車輪組立体20のパッドに接触する場合がある(例えば、パッドに対する車輪の摩耗及び/又は移動に起因して)。パッド及び車輪の両方がメンテナンス組立体12に接触するまで、車輪は、パッドに対して調整することができ、それによって車輪組立体20の中で一定距離を確立/維持することができる(例えば、パッドと車輪の間)。
【0019】
図示のように、車輪係合セクション32は、レール18の湾曲形状を概して模倣するように湾曲している(例えば、各車輪係合セクション32は、レール形状の接触面である)。例えば、各車輪係合セクション32は、車輪組立体20の相補的な外面と係合することができる湾曲面を含む。特定の実施形態では、車輪係合セクション32は、平坦形状又は他の適切な形状とすることができる。説明目的で、縦軸又は方向40、垂直軸又は方向42、及び横軸又は方向44を参照することができる。例えば、乗り物車両14の移動方向24は、概して縦軸40に沿うことができる。加えて、レール18及び/又はメンテナンス組立体12(例えば、メンテナンス組立体12の長さ)は、概して縦軸40に沿って延びることができる。車輪係合セクション32及び基準セクション34は、基本部分30から概して横軸44に沿って延びる。図示された軸40、42、及び44(図面に記述されている)は、開示された特徴の方向的状況の視認及び理解を容易にするために、概して関連するシステム構成要素からオフセットして配置されていることを理解されたい。しかしながら、特定の軸に沿って配置される又は特定の軸に沿って移動するような特徴への言及は、関連する特徴に概して整列する軸及び/又は言及される軸に概して平行な軸を意味すると理解することができる。さらに、これらは、システム公差などに照らして理解されるような、所定の範囲内の位置決め又は他の構成要素に対する位置決めの理解を容易にすることが意図されているので、厳密な数学的解釈は、過度に制限されることになる。
【0020】
図2は、車輪組立体20に対して/その中に配置された
図1のメンテナンス組立体12の実施形態の斜視図である。図示のように、車輪組立体20は、
図1の乗り物車両14の客車22及び/又は乗り物車両14の他の部分と係合するように構成された本体構造60を含む。加えて、車輪組立体20は、本体構造60に結合された耐荷重輪62(1つの耐荷重輪62が図示され、別の耐荷重輪62は明瞭化のために省略されている)、本体構造60に結合された案内輪64(例えば、側面輪)(1つの案内輪64は本体構造60の背後に配置されており見えない)、及び本体構造60に結合された下側輪66を含む。耐荷重輪62は、レール18に係合/接触し、乗り物車両14の荷重の一部又は全部を支え、レール18に対する車輪組立体20の移動(例えば、垂直軸42に沿った下方への移動)を少なくとも部分的に制限するように構成されている。案内輪64は、レール18に係合/接触し、レール18に対する車輪組立体20の移動(例えば、横軸44に沿った移動)を少なくとも部分的に制限するように構成されている。下側車輪66は、レール18に係合/接触し、レール18に対する車輪組立体20の移動(例えば、垂直軸42に沿った上方への移動)を少なくとも部分的に制限するように構成されている。
【0021】
図示のように、メンテナンス組立体12は、車輪組立体20に対して配置される。車輪係合セクション32は、案内輪64と係合する(例えば、車輪係合セクション32の表面36は、第1の接触位置で案内輪64の車輪表面68と係合する)。加えて、基準セクション34は、本体構造60のパッド70(例えば、ボギーパッド)と係合し(例えば、基準セクション34の表面38は、第2の接触位置でパッド70と係合する)、本体構造60は、案内輪64に結合される(例えば、回転可能に結合される及び/又は調整可能に結合される)。
【0022】
上述したように、各車輪係合セクション32の表面36は、基準セクション34の表面38に対して一定距離(例えば、横軸44に沿った一定距離)で配置される。案内輪64は、車輪表面68とパッド70との間の距離(例えば、横軸44に沿った距離)がメンテナンス組立体12の一定距離とほぼ一致するように、本体構造60に対して調整することができる。例えば、本体構造60に対する案内輪64の摩耗及び/又は相対移動は、基準セクション34だけをパッド70に係合させる場合、又は、一方又は両方の車輪係合セクション32だけをそれぞれの案内輪64に係合させる場合がある。このため、案内輪64は、そのような摩耗及び相対移動を補償するために、本体構造60に対して調整することができる。
【0023】
車輪組立体20は、本体構造60及びそれぞれの案内輪64に結合された車輪伸長器72を含む。各車輪伸長器72は、案内輪64を本体構造60に対して移動させ、一定距離(例えば、横軸44に沿った一定距離)を維持するように調整(例えば、後退又は伸長)することができる。例えば、車輪伸長器72は、加圧油圧流体、1又は複数のばね、ラチェット、及び本体構造60に対する各案内輪64の位置を調整するように構成された他の適切な機構を含むことができる。各案内輪64は、そのような調整を可能にするために、本体構造60に回転可能に結合すること、さもなければ本体構造60に結合することができる。
【0024】
加えて、車輪組立体20は、本体構造60及び各案内輪64の車軸に結合されたブッシング74を含む。各ブッシング74は、本体構造60に対して案内輪64を移動させて、一定距離(例えば、横軸44に沿った一定距離)を維持するように調整(例えば、回転)することができる。例えば、ブッシング72は、案内輪64の車軸に結合された偏心ブッシングとすることができる。ブッシング74は、案内輪64とパッド70との間のオフセット距離を増加させるために第1の方向76に回転させること、及び案内輪64とパッド70との間のオフセット距離を減少させるために第2の方向78に回転させることができる。特定の実施形態では、第1の方向76及び第2の方向78は、ブッシング74が、案内輪64とパッド70との間のオフセット距離を増加させるために第2の方向78に回転され、案内輪64とパッド70との間のオフセット距離を減少させるために第1の方向76に回転されるように、逆とすることができる。ブッシング74に対する調整は、一定距離(例えば、横軸44に沿った一定距離)を維持するために、車輪伸長器72の調整に加えて、又はその代わりに行うことができる。特定の実施形態では、車輪伸長器72又はブッシング74は、車輪組立体20から省くことができる。
【0025】
特定の実施形態では、車輪組立体20は、案内輪64に結合された他の構成要素及び/又は表面を含むことができ。案内輪64は、オフセット距離を提供するために他の構成要素/表面に対して調整できるようになっている。例えば、他の構成要素は、メンテナンス組立体12のブラケット又は他の適切な構成要素/表面とすることができる。メンテナンス組立体12の基準セクション34は、案内輪64と他の構成要素/表面との間のオフセット距離を提供するために、案内輪64を他の構成要素/表面に対して調整するために使用することができる。
【0026】
メンテナンス組立体12は、案内輪64のメンテナンス及び調整のための参照/基準構造を提供するものとして本明細書に記載されているが、メンテナンス組立体12又は別の適切なメンテナンス組立体は、耐荷重輪62及び/又は下側輪66の調整のために使用することができる。耐荷重輪62及び/又は下側輪66は、本体構造60に対して摩耗及び/又は相対回転する場合もあり、メンテナンス組立体12は、そのような摩耗及び相対回転を補償するために、耐荷重輪62及び/又は下側輪66を調整するために使用することができる。例えば、
図7を参照して以下でより詳細に説明するように、メンテナンス組立体12は、各車輪係合セクション32の表面36と基準セクション34の表面38との間の一定距離を調整するように構成された1又は複数の伸長器を含むことができる。
【0027】
図3は、
図2の車輪組立体20に対して配置されたメンテナンス組立体12の一実施形態の垂直断面図である。図示のように、基準セクション34の表面38は、車輪組立体20の本体構造60のパッド70と係合する。上述したように、車輪組立体20の車輪伸長器72及び/又はブッシング74は、基準セクション34がパッド70と係合し、車輪係合セクション32が案内輪64と係合して、案内輪64とパッド70との間に横方向の一定距離が提供されるまで調整することができる。
【0028】
図4は、
図1のメンテナンス組立体12の一実施形態の斜視図である。メンテナンス組立体12は、各車輪係合セクション32と基準セクション34との間に配置された把持セクション80を含む(例えば、2つの把持セクション80)。特定の実施形態では、メンテナンス組立体12は、より多くの又はより少ない把持セクション80(例えば、1つの把持セクション80、3つの把持セクション80、4つの把持セクション80)を含むことができる。各把持セクション80は、ユーザがメンテナンス組立体12を保持、移動、把持、操作、及び/又は配置できるように構成されている。例えば、各把持セクション80は、横軸44に沿ってメンテナンス組立体12を貫通して(例えば、基本部分30を貫通して)延びる穴84(例えば、通路)によって形成されたハンドル82を含む。ユーザは、把持セクション80を把持するために(例えば、一方又は両方の把持セクション80を把持するために)、ハンドル82の穴84を貫通して自分の手、手の一部、及び/又はツールを伸ばすことができる。図示の実施形態では、各穴84は、メンテナンス組立体12を貫通して延びる。いくつかの実施形態では、一方又は両方の穴84は、メンテナンス組立体12に部分的にのみ広がることができる(例えば、横軸44に沿って)。特定の実施形態では、一方又は両方の穴84は省くことができ、ユーザは、把持セクション80においてメンテナンス組立体12の周りに手を巻き付けることによって把持セクション80を把持することができる。一部の実施形態では、一方又は両方の把持セクション80は、車輪係合セクション32及び基準セクション34の概して反対側にあるメンテナンス組立体12の側(例えば、メンテナンス組立体12の裏側)で基本部分30から横方向に延びる突起などの他のハンドルを含むことができる。1つの実施形態では、ハンドルは、穴84の一方又は両方の一方側から穴84の一方又は両方のそれぞれの他方側に延びることができる。
【0029】
基準セクション34は、メンテナンス組立体12の外面92(例えば、基準セクション34に沿って/その内側に配置された外面)から延びる2つの突出部90を含む。表面38(例えば、車輪組立体20のパッド70と係合/接触するように構成された表面38)は、それぞれの突出部90上に配置されている。特定の実施形態では、基準セクション34は、より多くの又はより少ない突出部90(例えば、1つの突出部90、3つの突出部90、4つの突出部90)を含むことができる。加えて、各突出部90は、概して矩形であり、各突出部90の長さは、概して縦軸40に沿って延びる。他の実施形態では、1又は2以上の突出部90は、図示の実施形態とは異なる形状とすることができる。
【0030】
上述のように、メンテナンス組立体12は、メンテナンス要員がメンテナンス組立体を簡単に取り扱うこと及びメンテナンス組立体を車輪組立体の中に入れること及びそこから取り出すことができるように、軽量化することができる。例えば、メンテナンス組立体12は、1/4(0.25)kgと100(100.0)kgとの間、1/4(0.25)kgと20(20.0)kgとの間、1(1.0)kgと15(15.0)kgとの間、又は他の適切な重さとすることができる。加えて、メンテナンス組立体12は、統合構造として一体形成することができる(例えば、基本部分30、車輪係合セクション32、基準セクション34、及び把持部80の各々は、統合構造として一体形成することができる)。例えば、メンテナンス組立体12は、成形構造(例えば、成形プロセスを用いて形成される)又は別の適切なプロセスによって形成される別の適切な構造とすることができる。特定の実施形態では、基本部分30、車輪係合セクション32、基準セクション34、及び把持セクション80の各々は、互いに剛性的に結合/連結することができる。例えば、基準セクション34は、各車輪係合セクション32の間に剛性的に配置することができる。
【0031】
図5は、
図1のメンテナンス組立体12の一実施形態の側面図である。図示のように、メンテナンス組立体12の基本部分30は、横軸44に沿って距離100だけ延びる。距離100は、50(50.0)ミリメートル(mm)、10(10.0)mmと100(100.0)mmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。加えて、各車輪係合セクション32は、横軸44に沿って(例えば、基本部分30の長さに対して横方向に)基本部分30から距離102だけ延びる。距離102は、10(10.0)mm、4(4.0)mmと30(30.0)mmの間、6(6.0)mmと20(20.0)mmの間、又は他の適切な距離とすることができる。さらに、基準セクション34は、横軸44に沿って(例えば、基本部分30の長さに対して横方向に)基本部分30から距離104だけ延びる。距離104は、15(15.0)mm、10(10.0)mmと40(40.0)mmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。特定の実施形態では、距離102は、基準セクション34が車輪係合セクション32よりも基本部分30からさらに延びるように、距離104よりも大きくすることができ、距離102と距離104との差は、車輪組立体20の案内輪64とパッド70との間に提供される一定距離にほぼ等しい。
【0032】
いくつかの実施形態では、距離102と距離104との間の差は、突出部90がメンテナンス組立体12の外面92から延びる距離106(例えば、突出部90の高さ/長さ)とほぼ等しい場合がある。例えば、外面92は、各車輪係合セクション32の表面36の少なくとも一部と外面92とがメンテナンス組立体12に沿った連続的な表面を形成するように、基本部分30から距離102だけ延びることもできる。
【0033】
図示のように、メンテナンス組立体は、横軸44に沿って基本部分30の中に延び、基準セクション34の概して反対側にある受け部110を含む。受け部110は、メンテナンス組立体12を車輪組立体20に固定するためのクランプを受け入れるように構成することができる。例えば、クランプの第1の部分は、受け部110に配置及び/又は固定することができ、クランプの第2の部分は、車輪組立体20の本体構造60に固定することができる。このように、受け部110は、案内輪64の調整時などのメンテナンス作業時に、メンテナンス組立体12を車輪組立体にしっかりと取り付けることを可能にする。受け部は、基本部分30の中に距離112だけ延びる。距離112は、25(25.0)mm、15(15.0)mmと40(40.0)mmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。加えて、受け部110の縦軸40に沿った直径114は、40(40.0)mm、20(25.0)mmと60(60.0)mmとの間、又は他の適切な直径とすることができる。
【0034】
図6は、
図1のメンテナンス組立体12の一実施形態の上面図である。基本部分30及びメンテナンス組立体12は、概して縦軸40に沿って距離120(例えば、長さ)だけ延びる。距離120は、48(25.0)センチメートル(cm)、20(20.0)cmと100(100.0)cmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。加えて、基本部分30及びメンテナンス組立体12は、概して垂直軸42に沿って距離122(例えば、幅)だけ延びる。距離122は、76(76.0)mm、50(50.0)mmと100(100.0)mmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。このように、基本部分30は、幅(例えば、距離122)よりも大きい長さ(例えば、距離120)によって規定される細長い幾何学的形状を含む。特定の実施形態では、距離120は、距離120がメンテナンス組立体12の幅であり、距離122がメンテナンス組立体12の長さであるように、距離122よりも大きくすることができる。
【0035】
加えて、各把持部80の各穴84は、穴84を形成するために接続された半円130を含む。各半円130の半径132は、19(19.0)mm、10(10.0)mmと40(40.0)mmとの間、又は他の適切な半径とすることができる。加えて、各半円130の中心136間の距離134は、50(50.0)mm、30(30.0)mmと70(70.0)mmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。さらに、受け部110に最も近い半円130の中心136は、受け部110の中心138から距離140だけオフセットする。距離140(例えば、オフセット距離)は、75(75.0)mm、50(50.0)mmと100(100.0)mmとの間、又は他の適切な距離とすることができる。距離140は、メンテナンス組立体12を車輪組立体20にクランプする間に(例えば、受け部110で)、メンテナンス組立体12の取り扱い(例えば、把持セクション80で)を容易にすることができる。例えば、距離140は、メンテナンス組立体12を車輪組立体20にクランプする間に、ユーザが、例えば車輪組立体20に対して、メンテナンス組立体12を両方とも保持するのを可能にすることができる。
【0036】
図7は、基準セクション164の伸長器162が伸長位置にあるメンテナンス組立体160の一実施形態の側面図である。図示のように、メンテナンス組立体160は、車輪組立体20のパッドと係合するように構成された基準セクション164と、車輪組立体20の案内輪64と係合するように構成された車輪係合セクション166(例えば、レールセクション)と、基準セクション164と各車輪係合セクション166との間に配置された把持セクション168とを含む。伸長器162は、メンテナンス組立体160の基本部分170及び突出部172に結合される。突出部172は、車輪組立体20のパッド70に係合/接触するように構成することができる。特定の実施形態では、伸長器162は、基準セクション164を基本部分170に結合することができる(例えば、基準セクション164は突出部172を含むことができ、伸長器162は基準セクション164から省くことができる)。図示のように、基本部分は、横軸44に沿って距離174だけ延びる。加えて、メンテナンス組立体160は、メンテナンス組立体160を車輪組立体20に固定するためのクランプを受け入れるように構成された受け部176を含む。
【0037】
各伸長器162は、突出部172の表面182と基本部分170との間の距離180(例えば、オフセット距離)を調整するために、横軸44に沿って、基本部分170に対して調整可能(例えば、動くように構成される)とすることができる。例えば、距離180は、基準セクション164に沿って/その内部に形成された開口186の中の、及び/又は基本部分170に沿って/その内部に形成された開口186の中の伸長器162の作動に基づいて調整することができる。特定の実施形態では、各伸長器162は、基本部分170及び突出部172に結合されたねじとすることができ、伸長器162は、距離180を調整するために回転する(例えば、基本部分170又は突出部172にねじ込む又はねじを緩める)ように構成される。追加的に又は代替的に、伸長器162は、距離180の調整を可能にするように構成された他の機構を含むことができ、例えば、加圧油圧流体、基本部分170に沿って横方向に配置されたスロットに係合するように構成されたスプリングピン、及び他の適切な機構である。伸長器162は、距離180を10(10.0)mmと10(10.0)cmとの間、20(20.0)mmと50(50.0)mmとの間、又は他の適切な距離に調整できるように調整可能とすることができる。さらに、所望の伸長距離での構成を容易にするために、伸長距離を示すためのマーキングを伸長器162の可視部分に設けることができる。図示のように、メンテナンス組立体160は、2つの伸長器162を含む。他の実施形態では、メンテナンス組立体160は、より多くの又はより少ない伸長器162(例えば、1つの伸長器162、3つの伸長器162、4つの伸長器162)を含むことができる。
【0038】
調整可能な距離180は、メンテナンス組立体160を車輪組立体の複数の/異なる車輪に使用することを可能にする。例えば、上述したように、車輪組立体20は、耐荷重輪62、案内輪64、及び下側輪66を含む。耐荷重輪62、案内輪64、及び下側輪66の各々は、異なる距離だけ本体構造60のそれぞれのパッドからオフセットすることができる。このように、メンテナンス組立体160の伸長器162は、距離180が耐荷重輪62、案内輪64、下側輪66、及び/又は遊園用乗り物の他の適切な車輪のいずれかに関するオフセット距離と一致するように、距離180を変更するように調整することができ、それによって当該車輪に関するメンテナンス調整が容易になる。
【0039】
図8は、
図1の乗り物車両14をメンテナンスするための処理200の一実施形態のフローチャートである。図示された処理200は、単なる例として提示されており、他の実施形態では、処理200の特定の図示されたステップは、本開示に従って、他の順序で実行すること、スキップすること、又は繰り返すことができる。
【0040】
図示のように、処理ブロック202において、乗り物車両14の車輪を遊園地乗り物システム10のレール18と非係合状態にして位置付けることによって車輪を露出させる。例えば、乗り物車両14は、レール18から、乗り物車両14を支持することができる別の支持構造へ移動させることができる。露出した車輪は、車輪組立体20の耐荷重輪62、案内輪64、及び/又は下側輪66を含むことができる。車輪組立体20のすべてのうちの一部を露出させることができる(例えば、レール18から取り外される)。
【0041】
処理ブロック204において、メンテナンス組立体の基本部分から延びる基準セクションを、基準セクションが基本部分から一定の距離だけ延びるまで、基本部分に対して調整する。例えば、メンテナンス組立体160の伸長器162を、距離180(例えば、基本部分170と突出部172の表面182との間の横方向の距離)が一定/特定の距離だけ延びるまで調整することができる。一定距離は、調整される車輪の種類に基づくことができる。例えば、一定距離は、車輪組立体20の耐荷重輪62、案内輪64、及び/又は下側輪66に関して異なる場合がある。
【0042】
処理ブロック206において、メンテナンス組立体の基準セクションを、車輪組立体の車輪に結合されたパッドに対して配置する、及び/又はメンテナンス組立体の車輪係合セクションを、車輪の車輪表面に対して配置する。例えば、メンテナンス組立体12の基準セクション34は、車輪組立体20の案内輪64に結合されたパッド70に対して配置することができ、及び/又はメンテナンス組立体12の車輪係合セクション32は、案内輪64の車輪表面68に対して配置することができる。もしくは、メンテナンス組立体160の基準セクション164は、車輪組立体20の案内輪64に結合されたパッド70に対して配置することができ、及び/又はメンテナンス組立体16の車輪係合セクション166は、案内輪64の車輪表面68に対して配置することができる。特定の実施形態では、メンテナンス組立体12の基準セクション34又はメンテナンス組立体160の基準セクション164は、耐荷重輪62又は下側輪66に結合された本体構造60のパッドに対して配置することができ、及び/又はメンテナンス組立体12の基準セクション34又はメンテナンス組立体160の基準セクション164は、耐荷重輪62又は下側輪66に対して配置することができる。
【0043】
処理ブロック208において、メンテナンス組立体を車輪組立体にクランプする。例えば、クランプは、メンテナンス組立体12の受け部110又はメンテナンス組立体160の受け部176に挿入することができ、メンテナンス組立体12又はメンテナンス組立体160を車輪組立体20に固定することができる。
【0044】
処理ブロック210において、車輪の車輪表面が車輪係合セクションに接触し且つパッドと車輪表面との間に横方向の一定距離を提供するために基準セクションがパッドに接触するまで、車輪に結合された車輪伸長器及び/又はブッシングを調整する。例えば、案内輪64に結合された車輪伸長器72は、パッド70がメンテナンス組立体12の基準セクション34に接触/係合し且つ案内輪64の車輪表面68がメンテナンス組立体12の車輪係合セクション32に接触/係合するまで調整することができる。特定の実施形態では、案内輪64に結合された車輪伸長器72は、パッド70がメンテナンス組立体160の基準セクション164に接触/係合し且つ案内輪64の車輪表面68がメンテナンス組立体160の車輪係合セクション166に接触/係合するまで調整することができる。このように、車輪延長器72は、パッド70と案内輪64との間に横方向の一定距離を提供するために、メンテナンス組立体12及び/又はメンテナンス組立体160を使用して調整することができる。
【0045】
追加的に又は代替的に、案内輪64に結合されたブッシング74は、パッド70がメンテナンス組立体12の基準セクション34に接触/係合し且つ案内輪64の車輪表面68がメンテナンス組立体12の車輪係合セクション32に接触/係合するまで調整(例えば、回転)することができる。特定の実施形態では、案内輪64に結合されたブッシング74は、パッド70がメンテナンス組立体160の基準セクション164に接触/係合し且つ案内輪64の車輪表面68がメンテナンス組立体160の車輪係合セクション166に接触/係合するまで調整することができる。このように、ブッシング74は、パッド70と案内輪64との間に横方向の一定距離を提供するために、メンテナンス組立体12及び/又はメンテナンス組立体160を使用して調整することができる。処理200、又はその特定のステップは、車輪組立体20の各車輪又は車輪のセットに関して繰り返すことができる。
【0046】
従って、
図1の遊園地乗り物システム10のメンテナンス組立体12及びメンテナンス組立体160は、乗り物車両14の車輪組立体20のメンテナンスを容易にする。例えば、メンテナンス組立体12及びメンテナンス組立体160は、車輪組立体20に対して配置することができる。車輪組立体20の車輪伸長器72及び/又はブッシング74は、案内輪64の位置を調整するために調整することができる。案内輪64のこのような調整は、遊園地乗り物システム10の運転時及び/又はメンテナンス時に発生する可能性がある案内輪64の摩耗及び/又は回転を補償することができる。加えて、メンテナンス組立体12及びメンテナンス組立体160は、各々がユーザによって容易に取り扱うことができる手持ち式組立体であるように、軽量かつ小型とすることができる。このように、メンテナンス組立体12及びメンテナンス組立体160は、乗り物車両14のメンテナンスを容易にし、乗り物車両14のメンテナンス時間を短縮することができる。
【0047】
本明細書では、開示された実施形態の特定の特徴のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば多くの修正及び変更を想起するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神の範囲に入るすべてのそのような修正及び変更をカバーすることが意図されていることを理解されたい。
【0048】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0049】
10 遊園地乗り物システム
12 メンテナンス組立体
14 乗り物車両
16 乗り物軌道
18 レール
20 車輪組立体
22 客車
30 基本部分
32 車輪係合セクション
34 基準セクション
36 車輪係合セクションの表面
38 基準セクションの表面
【国際調査報告】