(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(54)【発明の名称】パーソナルケア製品を包装するための単位用量物品
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20230125BHJP
D04H 1/4309 20120101ALI20230125BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20230125BHJP
B32B 27/02 20060101ALI20230125BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20230125BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230125BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230125BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230125BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20230125BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230125BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230125BHJP
【FI】
A61K8/02
D04H1/4309
B32B27/12
B32B27/02
B32B27/30 102
A61Q19/00
A61Q19/10
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q13/00 100
A61K8/81
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532084
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2020062798
(87)【国際公開番号】W WO2021113294
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】508122415
【氏名又は名称】モノソル リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジース, ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ナイト, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ブライドウェル, ヴィクトリア
【テーマコード(参考)】
4C083
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
4C083AA071
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4L047AA16
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4L047AB07
4L047CA06
4L047CC03
(57)【要約】
本明細書には、不織ウェブおよび水溶性フィルムを含む1つまたはそれよりも多くの区画を含む、単位用量物品が開示される。本開示の一態様は、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルム;水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、複数の繊維を含む不織ウェブ;および第1の区画により含有される第1の組成物を含む、1つまたはそれよりも多くの区画を含む単位用量物品であって、第1の区画が水に接触したとき、第1の組成物が放出され、単位用量物品は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、第1の組成物の放出を延長する、単位用量物品を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記第1の区画が水に接触すると、前記第1の組成物が放出され、前記単位用量物品は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、前記第1の組成物の放出を延長する、単位用量物品。
【請求項2】
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記不織ウェブの溶解時間は、MSTM 205により前記水溶性フィルムの溶解時間よりも長い、単位用量物品。
【請求項3】
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは、積層体の形をとり、約5%から約100%の範囲の積層度を有する、単位用量物品。
【請求項4】
前記不織ウェブおよび前記水溶性フィルムが、積層体の形をとる、請求項1または2に記載の単位用量物品。
【請求項5】
前記積層体が、約5%から約25%の範囲の積層度を有する、請求項3または4に記載の単位用量物品。
【請求項6】
前記積層体が、約50%から約100%の範囲の積層度を有する、請求項3または4に記載の単位用量物品。
【請求項7】
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、水溶性ではない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項8】
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶である、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項9】
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い水温で水溶性ではない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項10】
前記複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項11】
前記複数の繊維が、水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項12】
前記複数の繊維が、ポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料、ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含む繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項13】
前記ポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有する、請求項12に記載の単位用量物品。
【請求項14】
前記ポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーが、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、請求項12または請求項13に記載の単位用量物品。
【請求項15】
前記複数の繊維が、水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプと非水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプとを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項16】
前記複数の繊維が、前記繊維と非水溶性繊維である残分との全重量に対し、約10重量%から約80重量%の水溶性繊維を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項17】
前記複数の繊維が、
第1の繊維タイプと、
第2の繊維タイプと
を含み、前記第1の繊維タイプおよび前記第2の繊維タイプは、長さの直径に対する(L/D)比、靭性、形状、剛性、弾性、水への溶解性、融点、ガラス転移温度(T
g)、繊維化学組成、および色の群における1つまたはそれよりも多くの特徴に差がある、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項18】
前記第1の繊維タイプが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、請求項17に記載の単位用量物品。
【請求項19】
前記第1の繊維タイプが、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの組合せを含む、請求項17または18に記載の単位用量物品。
【請求項20】
前記第2の繊維タイプが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項21】
前記第2の繊維タイプが、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの組合せを含む、請求項17から20のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項22】
前記第1の繊維タイプが、非水溶性ポリマーを含む、請求項17から21のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項23】
前記第2の繊維タイプが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、請求項17から22のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項24】
前記第2の繊維タイプが、約90%から約99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、請求項17から23のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項25】
前記第2の繊維タイプが、非水溶性ポリマー繊維形成材料を含む、請求項17から24のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項26】
前記非水溶性繊維形成材料が、綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、シニュー、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコールホモポリマー、およびポリビニルアルコールコポリマーの群における1つまたはそれよりも多くの材料を含む、請求項7または22から25のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項27】
前記不織ウェブが、約1dtexから約5dtex、または約1dtexから約3dtex、または約1.5dtexから約2.5dtexの範囲の線形質量密度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項28】
前記不織ウェブが生分解性である、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項29】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項30】
前記不織ウェブがさらに、繊維内に分散された、不織ウェブの面上に分散された、またはこれらの組合せの、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項31】
前記複数の繊維がさらに、繊維中に分散された、繊維上に分散された、またはこれらの組合せの、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項32】
前記第1の組成物が、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、摂取可能な成分、および肥料の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項33】
前記機械的角質除去剤が、アプリコットシェル、糖、オートミール、塩、シリカ、珪藻土、クレー、アルミニウム水和物、ポリビニルアルコールマイクロビーズ、および軽石の群の1つまたはそれよりも多くの角質除去剤を含む、請求項30から32のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項34】
前記化学的角質除去剤が、アルファヒドロキシル酸、ベータヒドロキシル酸、酵素、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、およびリンゴ酸の群の1つまたはそれよりも多くの角質除去剤を含む、請求項30から33のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項35】
前記単位用量物品により含有される第2の組成物をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項36】
前記第1の組成物が、前記水溶性フィルムにより含有される、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項37】
前記第2の組成物が、前記水溶性フィルムと前記不織ウェブとの間で、前記第2の内側パウチ容積内に配置される、請求項35または36に記載の単位用量物品。
【請求項38】
前記第1の組成物が、前記水溶性フィルムと前記不織ウェブとの間で、前記第2の内側パウチ容積内に配置される、請求項1から35または37のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項39】
前記第1の組成物が液体を含む、請求項1から38のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項40】
前記第1の組成物が、パーソナルケア組成物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項41】
前記第2の組成物が、パーソナルケア組成物を含む、請求項35から40のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項42】
パーソナルケア組成物が、前記複数の繊維、前記不織ウェブ、および前記水溶性フィルムの群の1つまたはそれよりも多くの上または中に提供される、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項43】
パウチの形をとる前記不織ウェブが、前記内側パウチ容積から外に向いた外面を有し、パーソナルケア組成物が前記外面上に提供される、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項44】
前記パーソナルケア組成物が、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ボディオイル、フレグランス、ヘアトリートメント、バスソルト、エッセンシャルオイル、バスボム、および酵素の群の1つまたはそれよりも多くの組成物を含む、請求項40から43のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項45】
前記単位用量物品が、水溶性フィルムおよび不織ウェブであって内側パウチ容積を画定するパウチの形をとるものの1つまたはそれよりも多くを含む第2の区画を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項46】
前記単位用量物品が、内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムの1つまたはそれよりも多くを含む第3の区画を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項47】
少なくとも1つの区画が、水溶性ではない不織ウェブによって形成される、請求項45または46に記載の単位用量物品。
【請求項48】
少なくとも1つの区画が、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶である不織ウェブによって形成される、請求項45から47のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項49】
少なくとも1つの区画が不織ウェブによって形成され、前記不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではない、請求項45から48のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項50】
少なくとも1つの区画が、積層体の形をとる不織ウェブおよび水溶性フィルムによって形成される、請求項45から49のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項51】
前記積層体が、約25%またはそれよりも低い積層度を有する、請求項50に記載の単位用量物品。
【請求項52】
前記積層体が、約50%から約100%の範囲の積層度を有する、請求項50に記載の単位用量物品。
【請求項53】
2つの区画が、並んだ構成で提供される、請求項45から52のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項54】
2つの区画が重なり合う、請求項45から53のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項55】
1つの区画が前記第1の組成物を含み、前記第1の組成物は界面活性剤を含み、第2の区画は、酵素を含む第2の組成物を含む、請求項45から54のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項56】
前記複数の繊維が、約3cN/dtexから約15cN/dtex、または約5cN/dtexから約12cN/dtex、または約5cN/dtexから約10cN/dtexの範囲の靭性を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項57】
前記複数の繊維が、約10ミクロンから約300ミクロン、または約50ミクロンから200ミクロン、または約50ミクロンから約100ミクロンの範囲の平均直径を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項58】
前記複数の繊維が、実質的に均一の平均直径を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項59】
前記複数の繊維が、約30mmから約100mmの範囲、または約30mmから約60mmの範囲の平均長さを有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項60】
前記不織ウェブが多孔質である、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項61】
前記不織ウェブが、約30%から約90%の多孔度を有する、請求項60に記載の単位用量物品。
【請求項62】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、およびポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物の群から選択されるポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコール樹脂は、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項63】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物の群から選択されるポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコール樹脂は、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項64】
可塑剤が、前記水溶性フィルム、前記複数の繊維の繊維、または両方に含まれる、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項65】
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約1分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項66】
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約2分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項67】
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約3分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項68】
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物を含む水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
パウチの形をとる前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、約75%から約91%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料を含む第1の繊維タイプ、ならびに非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは積層体の形をとる、不織ウェブと、
前記第1の内側パウチ容積内に配置され、界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物と
を含む区画を含む、単位用量物品。
【請求項69】
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物を含む水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
パウチの形をとる前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、約92%から約99.9%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーを含む第1の繊維タイプ、ならびに非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは積層体の形をとる、不織ウェブと、
前記第1の内側パウチ容積内に配置され、界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物と
を含む区画を含む、単位用量物品。
【請求項70】
前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品を調製する方法であって、前記方法が、
前記水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成すること、
前記第1の組成物を前記開放パウチ容積内に添加すること、および前記フィルムを封止して、前記第1の内側パウチ容積を形成すること
を含む、方法。
【請求項71】
前記水溶性フィルムを、前記開放パウチ容積を画定する前記開放パウチに形成することが、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブの共熱形成を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブがパウチ形成中に積層体を形成するようになる、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記水溶性フィルムを、前記開放パウチ容積を画定する前記開放パウチに形成する前に、前記水溶性フィルムおよび不織ウェブを積層することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記フィルムを封止して前記第1の内側パウチ容積を形成することが、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブを、開放している前記パウチの部分上に位置決めすること、ならびに前記第2の水溶性フィルムおよび不織ウェブを、前記開放パウチの形をとる前記水溶性フィルムに封止することを含み、前記第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブは、前記第2の水溶性フィルムが前記開放パウチ容積に隣接するように、および前記第2の水溶性フィルムが前記パウチの外面を形成するように構成される、請求項71から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記封止することが、ヒートシールを含む、請求項71から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記封止することが、溶媒封止を含む、請求項71から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
請求項1から69のいずれか一項に記載の単位用量物品にヒトの皮膚を接触させることを含む、ヒトの皮膚の角質除去をする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
2019年12月2日に出願された米国仮特許出願第62/942,369号の、米国特許法第119条(e)の下での利益を、本明細書で主張し、その開示の全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明の分野
本開示は一般に、不織ウェブおよび水溶性フィルムならびに関連ある組成物を有する単位用量物品に関する。より詳細には本開示は、長期放出用のパーソナルケア製品を包装するための単位用量物品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
水溶性包装材料は、送達される材料の分散、注入、溶解、および投与を単純化するのに、一般に使用される。伝統的な包装材料には水溶性フィルムが含まれ、それから作製されたパウチは、洗濯洗剤、食器洗剤、またはパーソナルケア組成物などの組成物を包装するのに一般に使用される。消費者は、パウチに入った組成物を水に直接添加することができる。消費者が組成物を測定する必要性をなくしながら、正確な投与を提供することが、有利である。伝統的な水溶性フィルムは、浴室内などの湿潤環境では不安定である可能性があり、フィルムの性質に影響を及ぼす可能性があり、例えばフィルムの機械的性質は時間と共に劣化し得る。さらに水溶性フィルムから作製されたパウチは、パウチの溶解直後にパウチの内容物を放出する。したがって水溶性フィルムは、フィルムおよび/またはパウチの機械的完全性を維持しながら、含有される組成物の低速放出を提供することができない。さらに、水溶性ポリマーフィルムで作製された、一部の現在市場に出ているパウチは、消費者が取り扱うときに不快なゴム状のまたはプラスチック状の感触を有する。
【0004】
したがって当技術分野では、取り扱うのが快適であり、含有される組成物の長期放出を有することができ、浴室のような湿潤環境に耐えることができる、単位用量包装の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の一態様は、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルム;水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、複数の繊維を含む不織ウェブ;および第1の区画により含有される第1の組成物を含む、1つまたはそれよりも多くの区画を含む単位用量物品であって、第1の区画が水に接触したとき、第1の組成物が放出され、単位用量物品は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、第1の組成物の放出を延長する、単位用量物品を提供する。
【0006】
本開示の別の態様は、第1の区画を含む単位用量物品であって、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルムと;水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、複数の繊維を含む不織ウェブと;第1の区画により含有される第1の組成物とを含み、不織ウェブの溶解時間が、MSTM 205により水溶性フィルムの溶解時間よりも長い、単位用量物品を提供する。
【0007】
本開示の別の態様は、第1の区画を含む単位用量物品であって、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルムと;水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、複数の繊維を含む不織ウェブと;第1の区画により含有される第1の組成物とを含み、水溶性フィルムおよび不織ウェブが、積層体の形をとり、約5%から約100%の範囲の積層度を有する、単位用量物品を提供する。
【0008】
本開示の別の態様は、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルム;水溶性フィルムを包含するパウチの形をとり、PVOHホモポリマー繊維形成材料のブレンドを含む繊維タイプと非水溶性の生分解性繊維形成材料を含む繊維タイプとを含む複数の繊維を含む不織ウェブを含む、区画を含む単位用量物品であって、水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層体を形成し、パーソナルケア組成物が単位用量物品により含有され、界面活性剤を含む、単位用量物品を提供する。
【0009】
本開示の別の態様は、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルム;水溶性フィルムを包含するパウチの形をとり、非水溶性の生分解性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む複数の繊維を含む不織ウェブを含む、2つまたはそれよりも多くの区画を含む単位用量物品であって、水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層体を形成し、パーソナルケア組成物が、界面活性剤を含む単位用量物品により含有される、単位用量物品を提供する。
【0010】
本開示の別の態様は、本開示による単位用量物品を調製する方法であって、水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成すること;第1の組成物を開放パウチ容積に添加すること;およびフィルムを封止して第1の内側パウチ容積を形成することを含む方法を提供する。
【0011】
本明細書に記述される物品、水溶性フィルム、不織ウェブ、繊維、および組成物では、成分およびそれらの組成範囲、繊維形成材料、多層構築、繊維幾何形状、および/または機械的性質を含むがこれらに限定するものではない必要に応じた特徴は、本明細書に提供される様々な態様および実施形態から選択されるように企図される。
【0012】
さらなる態様および利点は、以下の詳細な説明の考察から当業者に明らかにされよう。本開示の物品、水溶性フィルム、不織ウェブ、繊維、および組成物は、様々な形で実施形態の影響を受け易いが、以下の記述は、本開示が例示的なものであり、本明細書に記述される特定の実施形態に本開示を限定するものではないという理解の下、特定の実施形態を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本明細書に記述される液体放出試験で使用される、ワイヤーフレームケージ(内部に含有される水溶性パウチをより良く示すため、上部が開放された状態が示される)の図である。
【0014】
【
図2】
図2は、スタンド上に載置されたビーカーを含み、スタンドは、ビーカー内でケージを低下させるための棒を保持しており、棒は、止めねじ(図示せず)を持つカラーによって固定可能である、液体放出試験を行うための装置を示す。
【0015】
【
図3A】
図3Aは、軟らかさランク1を有する本開示の不織ウェブの顕微鏡画像である。
【0016】
【
図3B】
図3Bは、軟らかさランク5を有する本開示の不織ウェブの顕微鏡画像である。
【0017】
【
図4】
図4は、本開示の多重区画単位用量物品の図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
本明細書に提示される本開示において、一態様は、水溶性フィルムおよび不織ウェブを含む1つまたはそれよりも多くの区画を含む、単位用量物品を提供する。実施形態では、水溶性フィルムは、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとることができ、不織ウェブは、水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとることができる。実施形態では、水溶性フィルムは水溶性樹脂を含むことができ、不織ウェブは複数の繊維を含むことができ、第1の組成物は、単位用量物品により含有されることができる。実施形態では、水溶性樹脂は、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、単位用量物品は第1の区画を含み、第1の区画が水と接触したときに第1の組成物が放出され、単位用量物品は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、第1の組成物の放出を延長させる。
【0019】
本開示の別の態様は、第1の区画を含む単位用量物品であって、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルムと;水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、複数の繊維を含む不織ウェブと;第1の区画により含有される第1の組成物とを含み、不織ウェブの溶解時間が、MSTM 205により水溶性フィルムの溶解時間よりも長い、単位用量物品を提供する。
【0020】
本開示の別の態様は、第1の区画を含む単位用量物品であって、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性樹脂を含む水溶性フィルムと;水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、複数の繊維を含む不織ウェブと;第1の区画により含有される第1の組成物とを含み、水溶性フィルムおよび不織ウェブが、積層体の形をとり、約5%から約100%の範囲の積層度を有する、単位用量物品を提供する。
【0021】
本開示による単位用量物品は、1つまたはそれよりも多くの利点、例えば、消費者利益のより「自然な」実感、湿潤環境の安定性、高い機能性、例えば角質除去、およびパーソナルケア組成物の水性環境における送達、および/または液体組成物の長期放出を、使用期間にわたり物品の機械的完全性を維持しながら提供するように、設計することができる。
【0022】
本明細書で使用される「複数の繊維」は、単繊維タイプからなることができ、または2つもしくはそれよりも多くの種々の繊維タイプを含むことができる。複数の繊維が、2つまたはそれよりも多くの種々の繊維タイプを含む実施形態では、各繊維タイプが、一般に任意の量で、例えば複数の繊維の全重量の約0.5重量%から約99.5重量%の量で含めることができる。複数の繊維が単独の繊維タイプからなる実施形態では、複数の繊維は第2のまたはそれよりも多くの繊維タイプを実質的に含まない。複数の繊維は、複数の繊維が第2のまたはそれよりも多くの繊維タイプを約0.5重量%未満含む場合、第2のまたはそれよりも多くの繊維タイプを実質的に含まない。一般に、繊維タイプ同士の相違は、繊維長の直径に対する比(L/D)、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、化学組成、色、またはこれらの組合せの差とすることができる。
【0023】
理論に拘泥するものではないが、本明細書に記述される液体放出試験により組成物が物品から放出されるのに要する時間と、使用条件中の物品の内部または表面での液体組成物の滞留時間との間に正の相関があると考えられる。使用条件は一般に、物品に含有される組成物から泡を形成するなどの、物品の湿潤および機械的撹拌を含む。本明細書で使用され、他に指示しない限り、使用条件中の物品の内部または表面での液体組成物の滞留時間は、例えば液体および/またはフォーム(例えば、石けんの泡)として、組成物が物品の内部または表面に存在する時間の長さを指す。したがって物品からの組成物の「長期放出」は、本明細書に記述される液体放出試験により決定された物品の液体放出時間によって特徴付けることができ、物品は、物品が液体放出試験により少なくとも約1分にわたり組成物の放出を開始しないときに「長期放出」を提供する。例えば単位用量物品は、液体放出試験により少なくとも約1分間、少なくとも約2分間、少なくとも約3分間、または少なくとも約5分間、例えば約1から約15分、約1から約10分、約1から約8分、または約1から約5分の範囲で組成物の放出を開始しなくてもよい。さらに、または代わりに、本開示の単位用量物品からの組成物の「長期放出」は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して少なくとも約1.3×(1.3倍)長い、本明細書に記述される液体放出試験により決定される液体放出時間によって特徴付けることができる。例えば、本開示の単位用量物品からの組成物の「長期放出」は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約1.4×、約1.5×、約1.9×、約2.7×、約3.0×、約3.3×、約3.5×、約3.6×、約4.2×、約4.3×、約4.7×、約5.6×、約6.1×、約7.1×、約10.5×、約11.6×、または約22.3×長い液体放出時間によって特徴付けることができる。あるいは、またはさらに、「長期放出」は、単位用量物品内に保持される組成物の量によって特徴付けることができ、物品は、約45℃またはそれよりも低い温度を有する水と物品とが接触した後に約5分間、組成物の少なくとも30%が単位用量中に保持されるとき、「長期放出」を提供する。例えば単位用量物品は、約45℃またはそれよりも低い、例えば約0℃から約43℃、約0℃から約40℃、約10℃から約40℃、約20℃から約40℃、約20℃から約30℃、または約30℃から約40℃の範囲の温度を有する水と接触した後、組成物の少なくとも約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%を保持することができる。本明細書で使用される場合、組成物は、組成物が物品の内部または表面に、例えば液体および/またはフォーム(例えば、石けんの泡)として存在する場合、「保持される」。本明細書で使用される場合、「水と接触する」という用語およびその変形例(例えば、「水と接触した」)は、水に浸漬され、水でシャワーされ、または一般に水で濡れている単位用量物品を指すことができる。実施形態では、単位用量物品は、水でシャワーされたときに水に接触する。実施形態では、単位用量物品は、一般に水に濡れたとき、例えば単位用量物品を取り囲む組成物に水が適用され、水が周囲の組成物を経て拡散してパウチに接触したとき(例えばパウチは、泥または土に水が撒かれたときに濡れた泥または土に、埋められている)、水に接触する。さらになお、物品の「長期放出」は、40℃でMSTM-205により試験されたときに300秒後に保持される、物品の表面積の量によって特徴付けることができる。実施形態では、単位用量物品は、物品が、40℃でMSTM-205により試験がなされた300秒後にその当初の表面積の少なくとも50%を保持するフィルム、不織ウェブ、またはそれらの組合せを含む場合、組成物の長期放出に適切と見なされる。例えば単位用量物品は、40℃でMSTM-205により試験したとき、300秒後にそのMSTM-205前の表面積の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を保持することができる。
【0024】
実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約30秒の期間にわたる約30℃から約40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約1分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約2分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約3分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約4分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約5分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約7.5分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約10分の期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。実施形態では、単位用量物品の第1の区画は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、少なくとも約12分またはそれより多くの期間にわたる約30℃から40℃の範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長する。
【0025】
不織布が積層されてフィルムになる本開示の単位用量物品は、1つまたはそれよりも多くの利点が提供されるように設計することができる。例えば、理論に拘泥するものではないが、本開示の単位用量物品は、機械的完全性を維持しつつ、単位用量物品から組成物(複数可)が出て行くおよび/または水が進入するための蛇行経路を創出することにより、水溶性フィルムパウチのみに対して液体組成物の長期放出を提供することができ、単位用量物品は、不織ウェブパウチのみに対して増大した気体障壁(例えば、熱形成プロセス中に真空を印加させるため、または内部に含有される組成物が古くなるのを防止するため)を含むことができ、および/または不織ウェブパウチのみに対して液体を保持する能力を含むことができる。
【0026】
本明細書で言及される全てのパーセンテージ、部、および比は、繊維組成物、不織ウェブ組成物、フィルム組成物の全乾燥重量、または場合によっては本開示のパケット内容組成物の全重量に対し、他に指示しない限り、行われる全ての測定は約25℃でのものである。液体組成物に関して本明細書で言及される全てのパーセンテージ、部、および比は、液体組成物の全重量に対する。列挙される成分に関するそのような全ての重量は、活性レベルに対するものであり、したがって他に指定しない限り、市販の材料に含まれ得る担体または副生成物を含まない。
【0027】
本明細書で述べる全ての範囲は、範囲の全ての可能性ある部分集合と、そのような部分集合の範囲の任意の組合せを含む。既定では、範囲は、他に言及しない限り、記述される端点を含む。ある範囲の値が提供された場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、ならびにその他の任意の言及されるまたはその言及される範囲内に介在する値は、本開示に包含させることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、言及される範囲で任意の特に除外される限度に従い、やはり本開示に包含される。言及される範囲がこれら限界の1つまたは両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外した範囲も、本開示の部分であることが企図される。
【0028】
例えば記述される対象のパラメーターとしてまたは記述される対象に関連した範囲の部分として、本明細書に記述される任意の数値に関し、本記述の部分を形成する代替例は、特定の数値を取り囲む機能的に均等な範囲であることが明らかに企図される(例えば、「40mm」と開示された寸法では、企図される代替の実施形態は「約40mm」である)。
【0029】
本明細書で使用される場合、他に指示しない限り、「不織ウェブ」という用語は、配置構成された(例えば、カーディングプロセス)および互いに結合された繊維を含む、これらの繊維からなる、またはこれらの繊維から本質的になるウェブまたはシートを指す。さらに、本明細書で使用される場合、「不織ウェブ」は不織ウェブまたはシートを含む。繊維から不織ウェブを調製する方法は、例えばその全体が参照により本明細書に組み込まれるNonwoven Fabrics Handbook, prepared by Ian Butler, edited by Subhash Batra et al., Printing by Design, 1999に記載されるように、当技術分野で周知である。本明細書で使用される場合、および他に指示されない限り、「フィルム」という用語は、例えば流延または押出しプロセスにより調製された連続フィルムまたはシートを指す。
【0030】
本明細書に使用される場合、および他に指示されない限り、「水溶性」という用語は、本明細書に記載されているMSTM-205により決定されるように、指定温度で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する任意の不織ウェブ、フィルム、または積層体を指し、または単繊維溶解度を決定するための方法(the Method for Determining Single Fiber Solubility)により40℃の温度で完全溶解を有する任意の繊維を指す。例えば、フィルム、不織ウェブ、または積層体の溶解時間は、必要に応じて、MSTM-205により約80℃、約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約20℃、または約10℃の温度で、200秒またはそれよりも短く、100秒またはそれよりも短く、60秒またはそれよりも短く、あるいは30秒またはそれよりも短くすることができる。溶解温度が指定されない実施形態では、不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体は、約80℃以下の温度で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する。実施形態では、「水溶性フィルム」は、1.5ミルの厚さで、フィルムはMSTM-205により80℃以下の温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解することを意味する。例えば、1.5ミル(約38μm)の厚さの水溶性フィルムは、MSTM-205により約70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約30℃、約20℃、または約10℃の温度で、300秒またはそれよりも短い、200秒またはそれよりも短い、100秒またはそれよりも短い、60秒またはそれよりも短い、または30秒またはそれよりも短い溶解時間を有することができる。
【0031】
本明細書で使用される場合および他に指示されない限り、「冷水可溶性」という用語は、MSTM-205により決定されるように約10℃から約20℃の範囲の温度で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する任意の不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体を指し、あるいは単繊維溶解度を決定するための方法(the Method for Determining Single Fiber solubility)に従い決定されるように約10℃から約20℃の範囲の温度で完全溶解を有する繊維を指す。例えば、フィルム、不織ウェブ、または積層体の溶解時間は、MSTM-205により約10℃から約20℃の範囲の温度で、必要に応じて200秒またはそれよりも短く、100秒またはそれよりも短く、60秒またはそれよりも短く、あるいは30秒にすることができる。実施形態では、「冷水可溶性フィルム」は、1.5ミルの厚さで、フィルムがMSTM-205により20℃以下の温度で300秒またはそれよりも短く溶解することを意味する。例えば1.5ミル(約38μm)の厚さの水溶性フィルムは、MSTM-205により約20℃または約10℃の温度で300秒またはそれよりも短い、200秒またはそれよりも短い、100秒またはそれよりも短い、60秒またはそれよりも短い、あるいは30秒またはそれよりも短い溶解時間を有することができる。
【0032】
本明細書で使用される場合、および他に指示されない限り、「温水可溶性」という用語は、MSTM-205により決定されるように約20℃よりも高い温度、例えば約21℃から約80℃の範囲の温度で300秒またはそれよりも短い溶解時間を有する任意の不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体を指し、あるいは単繊維溶解度を決定するための方法(the Method for Determining Single Fiber solubility)により決定されるように、約20℃よりも高い温度、例えば約21℃から約80℃の範囲の温度で完全溶解を有する繊維を指す。例えば、フィルム、不織ウェブ、または積層体の溶解時間は、必要に応じて、MSTM-205により約20℃よりも高い温度、例えば約21℃から約80℃、約25℃から約80℃、約25℃から約60℃、約30℃から約60℃、約25℃から約45℃、約30℃から約45℃、または約25℃から約43℃、約30℃から約43℃、約25℃から約40℃、または約30℃から約40℃の範囲の温度で、200秒またはそれよりも短く、100秒またはそれよりも短く、60秒またはそれよりも短く、あるいは30秒にすることができる。実施形態では、「温水可溶性フィルム」は、1.5ミルの厚さで、フィルムがMSTM-205により約21℃以上の温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解することを意味する。例えば、1.5ミル(約38μm)の厚さの水溶性フィルムは、MSTM-205により約80℃、70℃、約60℃、約50℃、約40℃、約30℃、約25℃、または約21℃の温度で、300秒またはそれよりも短い、200秒またはそれよりも短い、100秒またはそれよりも短い、60秒またはそれよりも短い、あるいは30秒またはそれよりも短い溶解時間を有することができる。
【0033】
本明細書で使用される場合、パケット(複数可)およびパウチ(複数可)という用語は、同義と見なされるべきである。ある特定の実施形態では、パケット(複数可)およびパウチ(複数可)という用語はそれぞれ、不織ウェブまたは水溶性フィルムまたはその両方を使用して作製された容器を指すのに使用され、好ましくは内部に封止された材料を有する完全封止容器、例えば計量用量送達システムの形をとる容器を指すのに使用される。封止されたパウチは、ヒートシール、溶媒溶接、および接着剤封止(例えば、水溶性接着の使用による)など、そのようなプロセスおよび特徴を含む任意の適切な方法から作製することができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、樹脂(複数可)およびポリマー(複数可)という用語は、同義と見なされるべきである。ある特定の実施形態では、樹脂(複数可)およびポリマー(複数可)という用語はそれぞれ、1つまたはそれよりも多くの追加のポリマーと必要に応じて組み合わされたポリマーを指すのに、および単一タイプのポリマーを指すのに使用され、例えば樹脂は、1つより多くのポリマーを含むことができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、および他に指示されない限り、「重量%(wt.%)」および「重量%(wt%)」という用語は、文脈に応じて場合によっては、不織ウェブまたは水溶性フィルム中の残留水分を含む不織ウェブまたは可溶性フィルム全体の、「乾燥(無水)」重量部で特定された要素の組成、または単位用量物品もしくは組成物全体の重量部で特定された要素の組成を指すものとする。
【0036】
本明細書で使用される場合、および他に指示されない限り、「PHR」(「phr」)という用語は、不織ウェブもしくは水溶性フィルム中の、または不織ウェブもしくは水溶性フィルムを作製するのに使用される溶液中の、水溶性ポリマー樹脂(複数可)100部当たりの特定された要素の組成(部を単位とする)を指すものとする(他に指定されない限り、PVOHであってもその他のポリマー樹脂であっても)。
【0037】
本明細書で使用される「含んでいる(comprising)」は、本開示の実施の際に一緒に用いることができる様々な構成要素、成分、またはステップを意味する。したがって、「含んでいる(comprising)」という用語は、より制限的な用語である「~から本質的になる」および「~からなる」という用語を包含する。本発明の組成物は、本明細書に開示される、必要とされるおよび必要に応じた要素のいずれかを、含むことができ、そのようなものから本質的になることができ、またはそのようなものからなることができる。例えば熱形成されたパケットは、非熱形成不織ウェブ(例えば、蓋部分)を含みつつ、その熱形成特性が使用される本明細書に記述される不織ウェブと、例えばインクジェット印刷による不織ウェブ上の必要に応じたマークと「から本質的になる」ことができる。適切に本明細書に例示的に開示される本開示は、本明細書に特に開示されないいかなる要素またはステップも存在しない状態で実施されてもよい。
【0038】
単位用量物品、不織ウェブ、水溶性フィルム、ならびに作製し使用する関連ある方法は、他に述べない限り、以下にさらに記述される追加の必要に応じた要素、特徴、およびステップの1つまたはそれよりも多くの任意の組合せを含む実施形態を含むことが企図される。
【0039】
一般に、単位用量物品は、不織ウェブおよび水溶性フィルムを含むことができ、不織ウェブは、1つまたはそれよりも多くの水溶性繊維タイプ、1つまたはそれよりも多くの非水溶性繊維タイプ、水溶性繊維タイプと非水溶性繊維タイプとのブレンド、1つまたはそれよりも多くの水溶性繊維形成材料、1つまたはそれよりも多くの非水溶性繊維形成材料、あるいは水溶性繊維形成材料と非水溶性繊維形成材料とのブレンドを含む、複数の繊維を含むことができる。水溶性フィルムは、必要に応じて1つまたはそれよりも多くの水溶性ポリマーを含む水溶性樹脂を含むことができる。
【0040】
水溶性フィルムおよび繊維形成材料
【0041】
水溶性繊維、不織ウェブ、および水溶性フィルム中で使用される水溶性ポリマーには、限定するものではないが、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマーであって限定するものではないがグアールガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、およびデンプンを含むもの、水溶性ポリマー誘導体であって限定するものではないが加工デンプン、エトキシル化デンプン、およびヒドロキシプロピル化デンプンを含むもの、前述のコポリマー、および前述のいずれかの組合せが含まれる。さらに他の水溶性ポリマーは、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびその塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、および前述のいずれかの組合せを含むことができる。そのような水溶性ポリマーは、PVOHであってもその他のであっても、様々な供給元から市販されている。
【0042】
一般に、本開示の繊維および本開示のフィルムは、ポリビニルアルコールを含むことができる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルのアルコール分解によって、通常は加水分解または鹸化と呼ばれるものによって一般に調製される合成ポリマーである。事実上全てのアセテート基がアルコール基に変換されている、完全に加水分解したPVOHは、約140°F(約60℃)よりも高い温水のみに溶解する強力に水素結合した高度結晶質ポリマーである。十分な数のアセテート基が、ポリ酢酸ビニルの加水分解後に残される場合、即ちPVOHポリマーが部分的に加水分解する場合、ポリマーは、より弱く水素結合した低度結晶質であり、一般に約50°F(約10℃)未満の冷水に可溶である。したがって部分加水分解ポリマーは、PVOHコポリマーであるビニルアルコール-酢酸ビニルコポリマーであるが、一般にPVOHと呼ばれる。
【0043】
本明細書に記述される繊維および/またはフィルムは、1つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコール(PVOH)ホモポリマー、1つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含むことができる。本明細書で使用される場合、「ホモポリマー」という用語は一般に、単一タイプのモノマー反復単位を有するポリマー(例えば、単一モノマー反復単位からなるまたはそのような単位から本質的になるポリマー鎖)を含む。PVOHの特定の場合では、「ホモポリマー」(または「PVOHホモポリマー」)という用語はさらに、加水分解度に応じてビニルアルコールモノマー単位および酢酸ビニルモノマー単位の分布からなるコポリマーを含む(例えば、ポリマー鎖はビニルアルコールおよび酢酸ビニルモノマー単位からなるまたはそのような単位から本質的になる)。100%加水分解の限定的な場合では、PVOHホモポリマーは、ビニルアルコール単位のみ有する真のホモポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の繊維および/またはフィルムは、ポリビニルアルコールホモポリマーを含む。一部の実施形態では、本開示の繊維および/またはフィルムは、温水可溶性ポリビニルアルコールホモポリマーを含む。
【0044】
一部の実施形態では、ポリビニルアルコールは、修飾ポリビニルアルコール、例えばコポリマーを含む。修飾ポリビニルアルコールは、コポリマーまたは高級ポリマー(例えば、ターポリマー)であって、1つまたはそれよりも多くのモノマーを、酢酸ビニル/ビニルアルコール基に加えて含むものを、含むことができる。必要に応じて、修飾は中性であり、例えばエチレン、プロピレン、N-ビニルピロリドン、またはその他の非荷電モノマー種により提供される。必要に応じて、修飾は陽イオン修飾であり、例えば正に帯電したモノマー種によって提供される。必要に応じて、修飾は陰イオン修飾である。したがって一部の実施形態では、ポリビニルアルコールは、陰イオン修飾ポリビニルアルコールを含む。陰イオン修飾ポリビニルアルコールは、陰イオンモノマー単位、ビニルアルコールモノマー単位、および必要に応じて酢酸ビニルモノマー単位を含む(即ち、完全には加水分解されないとき)、部分的にまたは完全に加水分解したPVOHコポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、PVOHコポリマーは、2つまたはそれよりも多くのタイプの陰イオンモノマー単位を含むことができる。PVOHコポリマーに使用することができる陰イオンモノマー単位の一般的クラスは、スルホン酸ビニルモノマーおよびそのエステル、モノカルボン酸ビニルモノマー、そのエステルおよび無水物、重合性二重結合を有するジカルボン酸モノマー、そのエステルおよび無水物、ならびに前述のいずれかのアルカリ金属塩に対応するビニル重合単位を含む。適切な陰イオンモノマー単位の例には、ビニル酢酸、マレイン酸、モノアルキルマレエート、ジアルキルマレエート、マレイン酸無水物、フマル酸、モノアルキルフマレート、ジアルキルフマレート、イタコン酸、モノアルキルイタコネート、ジアルキルイタコネート、シトラコン酸、モノアルキルシトラコネート、ジアルキルシトラコネート、シトラコン酸無水物、メサコン酸、モノアルキルメサコネート、ジアルキルメサコネート、グルタコン酸、モノアルキルグルタコネート、ジアルキルグルタコネート、アルキルアクリレート、アルキルアルカクリレート、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-1-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリル酸2-スルホエチル、前述のアルカリ金属塩(例えば、ナトリム、カリウム、またはその他のアルカリ金属塩)、前述のエステル(例えば、メチル、エチル、またはその他のC1~C4またはC6アルキルエステル)、および前述の組合せ(例えば、多重タイプの陰イオンモノマーまたは同じ陰イオンモノマーの等価形態)を含む、ビニル陰イオンモノマーに相当するビニル重合単位が含まれる。一部の実施形態では、PVOHコポリマーは、中性、陰イオン性、および陽イオン性モノマー単位から選択される2つまたはそれよりも多くのタイプのモノマー単位を含むことができる。
【0045】
PVOHコポリマー中の1つまたはそれよりも多くの陰イオンモノマー単位の組込みレベルは、特に限定されない。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの陰イオンモノマー単位が、約1mol%または2mol%から約6mol%または10mol%の範囲の量で、PVOHコポリマー中に存在する(例えば、様々な実施形態において少なくとも1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、または4.0mol%、および/または最大約3.0、4.0、4.5、5.0、6.0、8.0、または10mol%)。
【0046】
ポリビニルアルコールは、溶解度特性の変化に影響を受ける可能性がある。co-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(PVOHホモポリマー)のアセテート基は、酸またはアルカリ加水分解のいずれかによって加水分解可能であることが当業者に公知である。加水分解度が上昇するにつれ、PVOHホモポリマーから作製されたポリマー組成物は高い機械的強度を有することになるが、低温では溶解度が低減する(例えば、完全溶解のためには温水温度を必要とする)。したがって、アルカリ環境(例えば、洗濯用漂白添加剤から得られる)へのPVOHホモポリマーの曝露は、ポリマーを、所与の水性環境(例えば、冷水媒体)に素早く完全に溶解するものから、水性環境にゆっくりかつ/または不完全に溶解するものに変換し、おそらくは溶解しないポリマー残留物をもたらすことができる。
【0047】
本開示の水溶性繊維およびフィルムに含まれるPVOHホモポリマーおよびPVOHコポリマーの加水分解度(DH)は、約75%から約99.9%の範囲(例えば、約79%から約92%、約75%から約89%、約80%から約90%、約88%から92%、約86.5%から約89%、または約88%、90%、または92%、冷水可溶組成物に関して;約90%から約99.9%、約90%から約99%、約92%から約99%、約95%から約99%、約98%から約99%、約98%から約99.9%、約96%、約98%、約99%、または99%よりも多い)にすることができる。加水分解度が低減するにつれ、ポリマーから作製された繊維またはフィルムは、低減した機械的強度を有するようになるが、約20℃よりも下の温度でより速い溶解度を有するようになる。加水分解度が増大するにつれ、ポリマーから作製される繊維またはフィルムは、機械的により強くなる傾向になり、熱形成性は低下する傾向になる。PVOHの加水分解度は、ポリマーの水溶性が温度依存的であるように選択することができ、したがってポリマーおよび追加の成分から作製されるフィルムまたは繊維の溶解度も影響を受ける。1つの選択肢で、フィルムおよび/または繊維は、冷水可溶性である。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオンモノマーと共重合しないホモポリマー)では、10℃未満の温度の水に可溶な冷水可溶繊維またはフィルムは、約75%から約90%、約75%から約89%の範囲の、または約80%から約90%の範囲の、または約85%から約90%の範囲の加水分解度のPVOHを含むことができる。別の選択肢では、繊維またはフィルムは、温水可溶性である。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオンモノマーと共重合しないホモポリマー)では、少なくとも約60℃の温度の水に可溶な温水可溶繊維またはフィルムは、少なくとも約98%の加水分解度を持つPVOHを含むことができる。実施形態では、複数の繊維の1つまたはそれよりも多くは、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。実施形態では、複数の繊維の1つまたはそれよりも多くは、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。実施形態では、複数の繊維の1つまたはそれよりも多くは、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。実施形態では、複数の繊維の1つまたはそれよりも多くは、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーを含む。実施形態では、水溶性フィルムは、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーまたはPVOHコポリマーを含む。実施形態では、水溶性フィルムは、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーを含む。
【0048】
ポリマーブレンドの加水分解度は、算術加重平均加水分解度
【数1】
により特徴付けることもできる。例えば、2つまたはそれよりも多くのPVOHポリマーを含むPVOHポリマーに関する
【数2】
は、式
【数3】
により計算され、式中、W
iは、それぞれのPVOHポリマーの重量パーセンテージであり、H
iは、それぞれの加水分解度である。ポリマーが特定の加水分解度を有する(または持たない)と称されるとき、ポリマーは、指定された位加水分解度を有する単一ポリビニルアルコールポリマー、または指定された平均加水分解度を有するポリビニルアルコールポリマーのブレンドとすることができる。
【0049】
PVOHポリマー(μ)の粘度は、英国規格EN ISO 15023-2:2006 Annex E Brookfield試験法に記載されるように、ULアダプターを持つBrookfield LV型粘度計を使用して、新たに作製された溶液を測定することによって決定される。20℃での4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度について言及することが、国際的慣例である。センチポアズ(cP)を単位として本明細書で指定される全ての粘度は、他に指定されない限り、20℃での4%水性ポリビニルアルコール溶液の粘度を指すと理解されるべきである。同様にポリマーが、他に指定されない限り特定の粘度を有する(または持たない)と記述されるとき、指定された粘度はポリマーの平均粘度であり、対応する分子量分布を固有に有する、即ち重み付き自然対数平均粘度であるものとする。PVOHポリマーの粘度は、PVOHポリマーの重量平均分子量
【数4】
に相関し、しばしば粘度が
【数5】
の代用として使用されることが、当技術分野では周知である。
【0050】
実施形態では、PVOH樹脂は、約1.0から約50.0cP、約1.0から約40.0cP、または約1.0から約30.0cP、例えば約4cP、8cP、15cP、18cP、23cP、または26cPの粘度を有していてもよい。実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約1.0から約40.0cP、または約5cPsから約23cP、例えば約1cP、1.5cP、2cP、2.5cP、3cP、3.5cP、4cP、4.5cP、5cP、5.5cP、6cP、6.5cP、7cP、7.5cP、8cP、8.5cP、9cP、9.5cP、10cP、11cP、12cP、13cP、14cP、15cP、17.5cP、18cP、19cP、20cP、21cP、22cP、23cP、24cP、25cP、26cP、27cP、28cP、29cP、30cP、31cP、32cP、33cP、34cP、35cP、または40cPの粘度を有していてもよい。実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約21cPから26cPの粘度を有していてもよい。実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約5cPから約14cPの粘度を有することができる。実施形態では、PVOHホモポリマーおよび/またはコポリマーは、約5cPから約23cPの粘度を有することができる。
【0051】
水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールポリマーであってもそうでなくても、ブレンドすることができる。ポリマーブレンドがポリビニルアルコールポリマーのブレンドを含むとき、PVOHポリマーブレンドは、PVOHホモポリマーまたは1つもしくはそれよりも多くのタイプの陰イオン性モノマー単位を含むPVOHコポリマー(例えば、PVOHター(または高級コ)ポリマー)を含むことができる第1のPVOHポリマー(「第1のPVOHポリマー」)と、PVOHホモポリマーまたは1つもしくはそれよりも多くのタイプの陰イオン性モノマー単位を含むPVOHコポリマー(例えば、PVOHター(または高級コ)ポリマー)を含むことができる第2のPVOHポリマー(「第2のPVOHポリマー」)とを含むことができる。一部の態様では、PVOHポリマーブレンドは、第1のPVOHポリマーおよび第2のPVOHポリマー(例えば、2つのポリマーの二元ブレンド)のみを含む。あるいは、またはさらに、PVOHポリマーブレンドまたはそれから作製された繊維もしくはフィルムは、その他のポリマー(例えば、一般にその他の水溶性ポリマー、特にその他のPVOH系ポリマー、またはその両方)を含まないまたは実質的に含まないと特徴付けることができる。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」は、第1および第2のPVOHポリマーが、水溶性繊維またはフィルム中の水溶性ポリマーの総量の少なくとも95重量%、少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%を構成することを意味する。他の態様では、水溶性繊維またはフィルムは、1つまたはそれよりも多くの追加の水溶性ポリマーを含むことができる。例えば、PVOHポリマーブレンドは、第3のPVOHポリマー、第4のPVOHポリマー、第5のPVOHポリマーなど(例えば、陰イオン性モノマー単位を持つまたは持たない1つまたはそれよりも多くの追加のPVOHホモポリマーまたはPVOHコポリマー)を含むことができる。例えば水溶性フィルムは、PVOHポリマー以外(例えば、陰イオン性モノマー単位を持つまたは持たない、PVOHホモポリマーまたはPVOHコポリマー以外)の、少なくとも第3(または第4、第5など)の水溶性ポリマーを含むことができる。
【0052】
生分解性
【0053】
ポリビニルアルコールポリマーは、好気性、嫌気性、土壌、および堆肥条件下、水および酵素の存在下で分解するので、一般に生分解性である。一般に、ポリビニルアルコールポリマーの加水分解度が約80%まで増大するにつれ、ポリビニルアルコールポリマーの生分解活性は増大する。理論に拘泥するものではないが、80%を超える加水分解度の上昇は、明らかに生分解性に影響を及ぼすものではないと考えられる。さらに、ポリビニルアルコールポリマーのヒドロキシル基の立体規則性は、生分解性活性レベルに大きな影響を及ぼし、ポリマー配列のヒドロキシル基がよりアイソタクチックであるほど、分解活性はより高くなる。理論に拘泥するものではないが、土壌および/または堆肥の生分解では、フィルムに対して不織ウェブにより提供されたポリマー表面積の増大に起因して、ポリビニルアルコール繊維から調製された不織ウェブが、類似のポリビニルアルコールポリマーから調製された水溶性フィルムに対して、より高い生分解活性レベルを有することになると考えられる。さらに、理論に拘泥するものではないが、ポリビニルアルコールポリマーの重合度は、ポリマーで調製されたフィルムまたは不織ウェブの生分解性にほとんどまたはまったく影響を及ぼさないが、重合温度がポリマーの結晶化度および凝集状態に影響を及ぼす可能性があるので、重合温度はフィルムまたは不織ウェブの生分解性に影響を及ぼし得ると考えられる。特に結晶化度が低下するにつれ、ポリマー鎖ヒドロキシル基はポリマー構造内でそれほど並ばないようになり、ポリマー鎖は、より不規則になって非晶質凝集体として鎖を蓄積させ、それによって、規則正しいポリマー構造の利用可能性が低下して、生分解活性は、ポリマーが溶解しない土壌および/または堆肥の生分解メカニズムを低下させると予測されるようになる。理論に拘泥するものではないが、ポリビニルアルコールポリマーのヒドロキシル基の立体規則性は生分解性活性レベルに大きな影響を及ぼすので、ヒドロキシル基以外の官能基(例えば、陰イオン性AMPS官能基、カルボキシレート基、またはラクトン基)の置換は、官能基自体も生分解しない限り、同じ加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーに対して生分解性活性レベルを低下させることが予測され、その場合、ポリマーの生分解性は置換により増大する可能性があると考えられる。さらに、置換ポリビニルアルコールの生分解性活性レベルは、対応するホモポリマーの場合よりも低くすることができるが、置換ポリビニルアルコールは依然として生分解性を示すことになると考えられる。
【0054】
生分解活性を決定する方法は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChiellini et al., Progress in Polymer Science, Volume 28, Issue 6, 2003, pp. 963-1014に記載されるように、当技術分野で公知である。他の方法および規格は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるECHA’s Annex XV Restriction Report - Microplastics, Version number 1, January 11, 2019に見い出すことができる。適切な規格には、OECD 301B(易生分解)、OECD 301B(強化された生分解)、OECD 302B(固有の生分解)、OECD 311(嫌気性)、およびASTM D5988(土壌)が含まれる。
【0055】
実施形態では、本明細書に記述される繊維は、標準的な易生分解または強化された分解のものとすることができる。本明細書で使用される場合、「易生分解」という用語は、前記ECHA’s Annex XVに記載されるようにOECD 301B試験に従って試験の開始から28日以内に材料(例えば、繊維)が60%の生分解(鉱化)に達した場合に、適合する規格を指す。本明細書で使用される場合、「強化された生分解」という用語は、前記ECHA’s Annex XVに記載されるようにOECD 301B試験に従って試験の開始から60日以内に材料(例えば、繊維)が60%の生分解に達した場合に、適合する規格を指す。実施形態では、本明細書の繊維は、易生分解の規格を満たす。実施形態では、本明細書のフィルムは、易生分解または強化された分解の規格を満たす。実施形態では、本明細書で使用される積層体(不織布およびフィルム)は、易生分解または強化された生分解の規格を満たす。
【0056】
補助剤
【0057】
一般に、フィルムおよび/または繊維形成材料と共に、本開示の繊維、不織ウェブ、および/または水溶性フィルムは、可塑剤、可塑剤相溶化剤、界面活性化剤、潤滑剤、剥離剤、充填剤、増量剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、抗酸化剤、粘着防止剤、消泡剤、ナノ粒子、例えば層状化シリケート型ナノクレー(例えば、ナトリウムモンモリロナイト)、漂白剤(例えば、メタ亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、または同様のもの)、嫌悪剤、例えば苦味剤(例えば、デナトニウム塩、例えば安息香酸デナトニウム、デナトニウムサッカライド、および塩化デナトニウム;スクロースオクタアセテート;キニン;フラボノイド、例えばケルセチンおよびナリンゲン;およびカシノイド、例えばカシンおよびブルシン)、および辛味剤(例えば、カプサイシン、ピペリン、アリルイソチオシアネート、およびレシンフェラトキシン)、およびその他の機能性成分などであるがこれらに限定されない補助剤を、それらの意図される目的に適した量で含むことができる。本明細書で使用される場合、および他に指定されない限り、「補助剤」は、二次添加剤、加工剤、および活性剤を含む。そのような特定の補助剤は、水溶性繊維、非水溶性繊維、不織ウェブ、または水溶性フィルムでの使用に適したものでの使用に適したものから選択することができる。
【0058】
実施形態では、繊維および/またはフィルムは、補助剤を含まなくてもよい。本明細書で使用される場合、および他に指定されない限り、繊維に関して「補助剤を含まない」は、繊維が、繊維の全重量に対して補助剤を約0.01重量%未満、約0.005重量%未満、または約0.001重量%未満含むことを意味する。本明細書で使用される場合、および他に指定されない限り、フィルムまたは不織ウェブに関して「補助剤を含まない」は、不織ウェブが、フィルムまたは不織ウェブの全重量に対して補助剤を約0.01重量%未満、約0.005重量%未満、または約0.001重量%未満含むことを意味する。実施形態では、水溶性繊維は可塑剤を含む。実施形態では、水溶性繊維は界面活性剤を含む。実施形態では、非水溶性繊維は可塑剤を含む。実施形態では、非水溶性繊維は界面活性剤を含む。実施形態では、不織ウェブは可塑剤を含む。実施形態では、不織ウェブは界面活性剤を含む。
【0059】
可塑剤は、その材料をより柔軟にし、よりフレキシブルにし(ポリマーのガラス転移温度を低下させることによって)、または加工するのをより容易にする、材料(通常は、樹脂またはエラストマー)に添加される液体、固体、または半固体である。ポリマーは、代替として、ポリマーまたはモノマーを化学的に修飾することによって内部を可塑化することができる。さらに、または代替として、ポリマーは、適切な可塑剤の添加によって外部を可塑化することができる。水は、PVOHおよびその他のポリマーであって水溶性ポリマーを含むがこれに限定されないものにとって、非常に効率的な可塑剤であると認識され、しかしながら水の揮発性は、ポリマーフィルムが、低いおよび高い相対湿度を含む様々な周囲条件に対して少なくともいくらかの耐性(堅牢性)を有する必要があるので、その有用性に限りがある。
【0060】
可塑剤には、限定するものではないがグリセリン、ジグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、1000MWまでのポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ソルビトール、2-メチル-1,3-プロパンジオール(MPDiol(登録商標))、エタノールアミン、およびこれらの混合物を含めることができる。
【0061】
フィルムに使用される界面活性剤は、当技術分野で周知であり、本開示の繊維、フィルム、および/または組成物に適切に使用することができる。必要に応じて界面活性剤が、カーディング中に繊維の分散を助けるために含まれる。必要に応じて界面活性剤は、パーソナルケア組成物用の清浄剤として含まれる。適切な界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、および両性イオン性のクラスを含むことができる。適切な界面活性剤には、限定するものではないがプロピレングリコール、ジエチレングリコール、モノエタノールアミン、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール、およびアルカノールアミド(非イオン性)、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、および第四級化ポリオキシエチレン化アミン(陽イオン性)、約8から24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルフェート、アルキルポリエトキシレートスルフェート、およびアルキルベンゼンスルホネート(陰イオン性)、およびアミンオキシド、N-アルキルベタイン、およびスルホベタイン(両性イオン性)が含まれる。その他の適切な界面活性剤には、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、グリセリンおよびプロピレングリコールのラクチル化脂肪酸エステル、脂肪酸のラクチル酸エステル、ナトリウムアルキルスルフェート、ポリソルベート20、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、レシチン、グリセリンおよびプロピレングリコールのアセチル化脂肪酸エステル、およびラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸のアセチル化エステル、ミリスチルジメチルアミンオキシド、トリメチルタローアルキルアンモニウムクロリド、第四級アンモニウム化合物、約8から24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルキルスルフェート、アルキルポリエトキシレートスルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、モノエタノールアミン、ラウリルアルコールエトキシレート、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ナトリウムココイルイセチオネート、ラウリル硫酸ナトリウム、グルコタイン、フェナミド、コーラ脂質、コカミド、例えばコカミドエタノールアミン、エチレンオキシド系界面活性剤、アボカドおよびパームの鹸化油、これらの塩、および前述のいずれかの組合せが含まれる。実施形態では、界面活性剤はコカミドを含む。理論に拘泥するものではないが、コカミドは、フォーム形成を助け、パーソナルケア組成物を含む物品の起泡経験を強化することができると考えられる。様々な実施形態では、繊維中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約10重量%、約0.1重量%から約5重量%、約1.0重量%から約2.5重量%、約0.01重量%から約1.5重量%、約0.1重量%から約1重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。様々な実施形態では、パウチ内に含有されるパーソナルケア組成物中の界面活性剤の量は、約5重量%から約50重量%、約10重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%の範囲とすることができる。
【0062】
実施形態では、本開示の不織ウェブおよび/またはフィルムはさらに:角質除去剤(化学的角質除去剤および機械的角質除去剤)、フレグランスおよび/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くの補助剤などの、補助剤を含むことができる。
【0063】
実施形態では、補助剤は、不織ウェブ、複数の繊維、および水溶性フィルムの群の1つまたはそれよりも多くの中または上に提供される。実施形態では、パーソナルケア組成物は、不織ウェブ、複数の繊維、および水溶性フィルムの群の1つまたはそれよりも多くの上または中に提供される。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、不織ウェブの表面に提供することができる。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、不織ウェブの繊維内に分散させることができる。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、不織ウェブの面に分散させることができる。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、繊維中に分散させることができる。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、繊維上に分散させることができる。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、水溶性フィルムの面に提供することができる。一部の実施形態では、1つまたはそれよりも多くの補助剤は、水溶性フィルム内に分散させることができる。実施形態では、パウチの形をとる不織ウェブは、内側パウチ容積から外側に向く外面を有し、パーソナルケア組成物は外面上に設けられる。実施形態では、パウチの形をとる不織ウェブは、内側パウチ容積から外に向かう外面を有し、1つまたはそれよりも多くの補助剤が外面上に提供される。
【0064】
化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料ノマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、タンパク質、ペプチド、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、存在する場合、ポリマー混合物(例えば、繊維形成材料またはフィルム形成材料)の重量に対して少なくとも約1重量%、または約1重量%から約99重量%の範囲の量で提供することができる。実施形態では、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および/または化粧剤は、ヒトの皮膚角質除去などの追加の機能性を、繊維および/またはフィルムに提供するのに十分な量で提供することができる。化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、固体(例えば、粉末、顆粒、結晶、薄片、またはリボン)、液体、展膏剤、ペースト、気体などを含む任意の所望の形をとることができ、必要に応じてマイクロカプセルなど、カプセル化することができる。
【0065】
ある特定の実施形態では、不織ウェブおよび/またはフィルムは酵素を含むことができる。適切な酵素には、6つの従来の酵素委員会(EC)カテゴリー、即ちEC1のオキシドレダクターゼ(酸化/還元反応を触媒する)、EC2のトランスフェラーゼ(官能基、例えばメチルまたはホスフェート基を移送する)、EC3のヒドロラーゼ(様々な結合の加水分解を触媒する)、EC4のリアーゼ(加水分解および酸化以外を用いることによって様々な結合を切断する)、EC5のイソメラーゼ(分子内の異性化の変化を触媒する)、およびEC6のリガーゼ(共有結合で2個の分子を接合する)のいずれか1つに分類された酵素が含まれる。そのような酵素の例には、EC1のデヒドロゲナーゼおよびオキシダーゼ、EC2のトランサミナーゼおよびキナーゼ、EC3のリパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、およびペプチダーゼ(別名、プロテアーゼまたはタンパク質分解酵素)、EC4のデカルボキシラーゼ、EC5のイソメラーゼオおよびムターゼ、およびEC6のシンテターゼおよびシンターゼが含まれる。各カテゴリーからの適切な酵素は、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,394,092号に記載されている。ある特定の実施形態では、酵素は、ブロメリン(パイナップル抽出物)、パパイン(パパイヤ)、フィシン(イチジク)、アクチニジン(キウイ)、ヒアルロニダーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、チロシナーゼ、アルカリホスファターゼ、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、酵素は、例えばナノエマルジョン、ナノカプセル、顆粒、またはこれらの組合せの形でカプセル化することができる。
【0066】
洗濯および食器洗いの適用例で使用される酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、デヒドロゲナーゼ、トランサミナーゼ、キナーゼ、セルラーゼ、マンナーゼ、ペプチダーゼ、デカルボキシラーゼ、イソメラーゼ、ムターゼ、シンテターゼ、シンターゼ、およびオキシド-レダクターゼ酵素であって、漂白剤の形成を触媒するオキシド-レダクターゼ酵素を含むものの、1つまたはそれよりも多くを含むことができる。
【0067】
本明細書で使用される酵素は、任意の適切な供給源または供給源の組合せ、例えば細菌、真菌、植物、または動物源から得られることが企図される。実施系体の1つのタイプでは、2つまたはそれよりも多くの酵素の混合物は、少なくとも2つの異なるタイプの供給源から来ることになる。例えば、プロテアーゼおよびリパーゼの混合物は、細菌(プロテアーゼ)および真菌(リパーゼ)源から得ることができる。
【0068】
必要に応じて、本明細書に記述される任意の酵素の種類またはメンバーを含むがこれらに限定されない本明細書で使用される酵素は、アルカリpH条件下、例えば約8から約11の範囲のpHで働くものである。必要に応じて、本明細書に記述される任意の酵素の種類またはメンバーを含むがこれらに限定されない本明細書で使用される酵素は、約5℃から約45℃の範囲の温度で働くものである。
【0069】
実施形態では、不織ウェブおよび/またはフィルムは、タンパク質および/またはペプチドを含むことができる。適切なタンパク質および/またはペプチドは、限定するものではないがコラーゲンおよび/またはコラーゲンペプチド、またはアミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、ヒスチジン、グリシン、トレオニン、アルギニン、アラニン、チロシン、システイン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、リシン、ヒドロキシプロリン、またはプロリンを含むことができる。
【0070】
実施形態では、不織ウェブおよび/またはフィルムは、着色剤を含むことができる。適切な着色剤には、指示染料、例えばpH指示薬(例えば、チモールブルー、ブロモチモール、チモールフタレイン、およびチモールフタレイン)、湿分/水指示薬(例えば、ハイドロクロミックインクまたはロイコ染料)、またはサーモクロミックインクを含めることができ、このインクは、温度が上昇および/または下降するときに変色する。適切な着色剤には、限定するものではないがトリフェニルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ペリレン染料、インジゴイド染料、食品・医薬品・化粧品(FD&C)着色剤、有機顔料、無機顔料、またはこれらの組合せが含まれる。着色剤の例には、限定するものではないがFD&C Red #40;Red #3;FD&C Black #3;Black #2;マイカベースの真珠光沢顔料;FD&C Yellow #6;Green #3;Blue #1;Blue #2;二酸化チタン(食品グレード);ブリリアントブラック;およびこれらの組合せが含まれる。適切な着色剤のその他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,002,789号に見い出すことができる。
【0071】
実施形態の別の種類は、本開示の不織ウェブおよび/またはフィルム中に1つまたはそれよりも多くのフレグランスを含むことができる。本明細書で使用される場合、フレグランスという用語は、香りを生成するのに十分な揮発性のある、任意の適用可能な材料を指す。フレグランスを含む実施形態は、ヒトに心地良い香りであるフレグランス、あるいは代替としてヒト、動物、および/または昆虫に不快な香りであるフレグランスを含むことができる。適切なフレグランスには、限定するものではないが、レモン、リンゴ、サクランボ、ブドウ、西洋ナシ、パイナップル、オレンジ、イチゴ、ラズベリー、ムスクを含むがこれらに限定するものではない果物、および限定するものではないがラベンダー様、バラ様、アイリス様、およびカーネーション様を含む花の香りを含む。必要に応じて、フレグランスは、着香料でもないものである。他のフレグランスには、ローズマリー、タイム、およびセージを含むがこれらに限定されないハーブの香り;ならびにマツ、トウヒ、およびその他の森林の匂いに由来する森林の香りが含まれる。フレグランスは、精油を含むがこれらに限定されない様々な油、またはペパーミント、スペアミント、および同様のものを含むがこれらに限定されない植物材料に由来してもよい。適切な香りの良い油は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,458,754号に見い出すことができる。適切な香りの良い油には、限定するものではないが4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エニル)-2-エン-4-オン、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデカナール、ヘキサン酸2-プロペニルエステル、1-オクテン-3-オール、trans-アネトール、イソブチル(z)-2-メチル-2-ブテノエート、アニスアルデヒドジエチルアセタール、3-メチル-5-プロピル-シクロヘゼン-1-オン、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、trans-4-デセナール、デカナール、2-ペンチルシクロペンタノン、エチルアントラニレート、オイゲノール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタノアール、メチル2-オクチノエート、イソオイゲノール、cis-3-ヘキセニルメチルカーボネート、リナロール、メチル-2-ノニノネート、安息香酸2-ヒドロキシメチルエステル、ノナール、オクタナール、2-ノネンニトリル、4-ノナノリド、9-デセン-1-オール、および10-ウンデセン-1-アールが含まれる。適用可能なフレグランスは、参照によりそれら全ての全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,534,981号、第5,112,688号、第5,145,842号、第6,844,302号、およびPerfumes Cosmetics and Soaps, Second Edition, edited by W. A. Poucher, 1959にも見い出すことができる。これらのフレグランスには、アカシア、キンゴウカン、シプレー、シクラメン、シダ、ガーデニア、サンザシ、ヘリオトロープ、スイカズラ、ヒヤシンス、ジャスミン、ライラック、ユリ、マグノリア、ミモザ、スイセン、切立ての干し草、オレンジの花、ラン、モクセイソウ、スイートピー、トレフル、チューベローズ、バニラ、スミレ、ウォールフラワー、および同様のものが含まれる。
【0072】
フレグランスは、香料を含むことができる。香料は、ニート香料、カプセル化香料、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。好ましくは、香料はニート香料を含む。香料の一部分が、コア-シェルカプセル化にカプセル化されてもよい。別のタイプの実施形態では、香料は、コア/シェルカプセル化にカプセル化されなくなる。
【0073】
本明細書で使用される「香料」という用語は、香料原料(PRM)および香料アコードを包含する。本明細書で使用される「香料原料」という用語は、少なくとも約100g/molの分子量を有し、臭い、フレグランス、エッセンス、または匂いを与えるのに有用な化合物を、単独でまたはその他の香料原料と共に指す。本明細書で使用される場合、「香料成分」および「香料原料」という用語は同義である。本明細書で使用される「アコード」という用語は、2つまたはそれよりも多くのPRMの混合物を指す。実施形態では、香料アコード、香料原料、またはフレグランスのいずれかは、マイクロカプセルにカプセル化することができ、本明細書で使用されるように「香料マイクロカプセル」と呼ぶ。
【0074】
典型的なPRMは、とりわけアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、亜硝酸塩、およびアルケン、例えばテルペンを含む。一般的なPRMのリストは、様々な参考文献、例えば"Perfume and Flavor Chemicals", Vols. I and II; Steffen Arctander Allured Pub. Co. (1994)、および"Perfumes: Art, Science and Technology", Miller, P. M. and Lamparsky, D., Blackie Academic and Professional (1994)に見い出すことができる。PRMは、常圧(760mmHg)で測定されるそれらの沸点(B.P.)と、それらのオクタノール/水分配係数(P)によって特徴付けられる。これらの特徴に基づいて、PRMSは、第I象限、第II象限、第III象限、または第IV象限の香料に分類されてもよい。
【0075】
実施形態では、不織ウェブおよび/またはフィルムは、角質除去剤を含むことができる。実施形態では、角質除去剤は、化学的角質除去剤または機械的角質除去剤を含むことができる。本明細書で使用される適切な機械的角質除去剤には、限定するものではないがアプリコットシェル、砂糖、オートミール、塩、シリカ、珪藻土、クレー、水酸化アルミニウム、PVOHマイクロビーズ、軽石、またはこれらの組合せを含めることができる。本明細書に使用される適切な化学的角質除去剤には、限定するものではないがアルファヒドロキシル酸、ベータヒドロキシル酸、酵素、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、またはこれらの組合せを含めることができる。
【0076】
ある特定の実施形態では、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せをカプセル化し、制御放出を可能にする。適切なマイクロカプセルは、メラミンホルムアルデヒド、ポリウレタン、尿素ホルムアルデヒド、キトサン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラヒドロフラン、ゼラチン、アラビアガム、デンプン、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アラビノガラクタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリ(酢酸エチレンビニル)、硝酸セルロース、シリコーン、ポリ(ラクチデコ-グリコリド)、パラフィン、カルナウバ、鯨蝋、蜜蝋、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、シェラック、セルロースアセテートフタレート、ゼイン、およびこれらの組合せの1つまたはそれよりも多くを含むまたはこれらから作製することができる。実施形態の1つのタイプでは、マイクロカプセルは、少なくとも約0.1ミクロン、または例えば約0.1ミクロンから約200ミクロンの範囲の平均粒度(例えば、Dv50)によって特徴付けられる。代替の実施形態では、マイクロカプセルは、個々の粒子の凝集体を形成することができ、例えば個々の粒子は、少なくとも約0.1ミクロンの、または約0.1ミクロンから約200ミクロンの範囲の平均粒度を有する。
【0077】
水溶性繊維
【0078】
水溶性繊維は一般に、フィルム中の単独の樹脂としてまたは不織布中の単独の繊維形成材料として提供されたとき、MSTM-205により決定されるように、フィルムまたは不織布が80℃またはそれよりも低い温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解する、任意の材料で作製された繊維および/または繊維形成材料を含む。水溶性繊維は、単一の水溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーのブレンドを含むことができる。適切な水溶性ポリマーには、限定するものではないがポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマーであって限定するものではないがグアールガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラゲナン、およびデンプンを含むもの、水溶性ポリマー誘導体であって限定するものではないが加工デンプン、エトキシル化デンプン、およびヒドロキシプロピル化デンプンを含むもの、前述のコポリマー、および前述のいずれかの組合せが含まれる。さらに他の水溶性繊維は、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸およびその塩、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、および前述のいずれかの組合せを含むことができる。実施形態では、水溶性繊維は、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、水溶性繊維は、単独のPVOHホモポリマー繊維形成材料またはPVOHホモポリマー繊維形成材料のブレンドを含むことができる。実施形態では、水溶性繊維は、温水可溶PVOHホモポリマー繊維形成材料を含むことができる。さらなる実施形態では、水溶性繊維は、粘度が5cPから23cPの範囲にあり、加水分解度が86%から92%の範囲にあるPVOHホモポリマー繊維形成材料を含むことができる。
【0079】
実施形態では、水溶性繊維は、上述の補助剤を含むことができる。実施形態では、水溶性繊維は、上述の補助剤を実質的に含まない場合がある。実施形態では、水溶性繊維は、上述の可塑剤を含むことができる。水溶性繊維中に提供される非水可塑剤の総量は、全繊維重量に対して約1重量%から約45重量%、または約5重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%、約1重量%から約4重量%、または約1.5重量%から約3.5重量%、または約2.0重量%から約3.0重量%の範囲、例えば約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、または約40重量%の範囲とすることができる。実施形態では、水溶性繊維は、グリセリン、ソルビトール、またはこれらの組合せを含む。実施形態では、水溶性繊維がグリセリンを含む。実施形態では、水溶性繊維がソルビトールを含む。ある特定の実施形態では、水溶性繊維は、グリセリンを例えば全繊維重量に対して約10重量%で、およびソルビトールを例えば全繊維重量に対して約5重量%で含むことができる。
【0080】
実施形態では、水溶性繊維は、上述の界面活性剤を含むことができる。様々な実施形態では、水溶性繊維中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約1.0重量%から約2.0重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。水溶性繊維は、1つまたはそれよりも多くのコカミドなどの界面活性剤、例えばコカミドエタノールアミンを含むことができる。実施形態では、コカミドは、コカミドジエタノールアミン、コカミドモノエタノールアミン、またはこれらの組合せを含むことができる。コカミドは、化粧用パーソナルケア単位用量物品で使用することができ、分子の脂肪酸鎖に起因する長期溶解プロファイルなどの様々な利点を提供することができる。
【0081】
実施形態では、本明細書に開示される補助剤のいずれかは、本開示の繊維に添加することができる。前述の実施形態の改良例では、補助剤が繊維中に分散するように、補助剤を繊維の形成の前に繊維形成材料に添加することができる。加えておよび/または代替例として、繊維形成後に補助剤を繊維の表面に添加することができる(例えば、繊維上に分散させる)。
【0082】
水溶性繊維中に含まれる場合、着色剤は、ポリマー混合物の0.01重量%から25重量%の量で、例えばポリマー混合物の0.02重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、および24重量%の量で提供することができる。
【0083】
非水溶性繊維
【0084】
非水溶性繊維は一般に、単独のフィルム形成材料としてフィルム中に提供されたときまたは単独の繊維形成材料として不織ウェブ中に提供されたとき、MSTM-205により決定されるようにフィルムおよび/または不織ウェブが80℃またはそれよりも低い温度で300秒またはそれよりも短い時間で溶解しない、任意の材料で作製された繊維および/または繊維形成材料を含む。非水溶性繊維は、単独の非水溶性ポリマー繊維形成材料または非水溶性ポリマー繊維形成材料のブレンドを含むことができる。適切な非水溶性繊維および/または非水溶性繊維形成材料には、限定するものではないが綿、ポリエステル、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、木質パルプ、フラッフパルプ、アバカ、ビスコース、ポリ乳酸、ポリエステル、ナイロン6、不溶性セルロース、不溶性デンプン、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ繊維、レースバーク、絹、シニュー、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹繊維、モダール、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、およびこれらの組合せが含まれる。実施形態では、非水溶性繊維形成材料および/または非水溶性繊維は:綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、シニュー、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せの群の1つまたはそれよりも多くを含む。
【0085】
実施形態では、非水溶性繊維は、上述の補助剤を含むことができる。実施形態では、非水溶性繊維は、上述の補助剤を実質的に含まなくてもよい。実施形態では、非水溶性繊維は、上述の可塑剤を含むことができる。非水溶性繊維中に提供される非水可塑剤の総量は、全繊維重量に対して約1重量%から約45重量%、または約5重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%、約1重量%から約4重量%、または約1.5重量%から約3.5重量%、または約2.0重量%から約3.0重量%の範囲、例えば約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、または約40重量%とすることができる。実施形態では、非水溶性繊維は、グリセリン、ソルビトール、またはこれらの組合せを含む。実施形態では、非水溶性繊維はグリセリンを含む。実施形態では、非水溶性繊維はソルビトールを含む。ある特定の実施形態では、非水溶性繊維は、グリセリンなどの可塑剤を例えば全繊維重量に対して約10重量%、およびソルビトールを例えば全繊維重量に対して約5重量%含むことができる。
【0086】
実施形態では、非水溶性繊維は、上述の界面活性剤を含むことができる。様々な実施形態では、水溶性繊維中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約1.0重量%から約2.0重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。非水溶性繊維は、1つまたはそれよりも多くのコカミド、例えばコカミドエタノールアミンなどの界面活性剤を含むことができる。実施形態では、コカミドは、コカミドジエタノールアミン、コカミドモノエタノールアミン、またはこれらの組合せを含むことができる。コカミドは、化粧用パーソナルケア単位用量物品で使用することができ、分子上の脂肪酸鎖に起因する長期溶解プロファイルなどの様々な利点を提供することができる。
【0087】
実施形態では、本明細書に開示される補助剤のいずれかは、本開示の繊維に添加することができる。前述の実施形態の改良例では、繊維形成後に補助剤を繊維の表面に添加することができるように、繊維の形成前に繊維形成材料に添加することができる。前述の実施形態の改良例では、補助剤は、繊維形成後に繊維の表面に添加することができる。
【0088】
非水溶性繊維中に含まれる場合、着色剤は、ポリマー混合物の0.01重量%から25重量%の量で提供することができ、例えばポリマー混合物の0.02重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、21重量%、22重量%、23重量%、および24重量%で提供することができる。
【0089】
不織ウェブ
【0090】
本開示の不織ウェブは、水溶性、非水溶性、または少なくとも部分的に非水溶性とすることができる。本開示の単位用量物品は不織ウェブを含むことができ、この不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶であり、または不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではなく、または不織ウェブは、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではなく、または不織ウェブは、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶である。不織ウェブの「少なくとも一部分」は、不織ウェブが複数の繊維を含み、その繊維タイプが単独繊維タイプとして不織布中に提供される場合、所与の温度で繊維タイプが可溶であり(または可溶ではない)、その繊維タイプからなる不織ウェブは、MSTM-205により所与の温度で可溶である(または可溶ではない)ことが理解されよう。
【0091】
本開示の不織ウェブは一般に、複数の繊維を含む。不織ウェブは一般に、互いに結合された繊維の配置構成を指し、繊維は織られても編まれてもいない。一般に、複数の繊維は任意の向きに配置構成することができる。実施形態では、複数の繊維はランダムに配置構成される(即ち、配向を持たない)。実施形態では、複数の繊維は一方向の向きに配置構成される。実施形態では、複数の繊維が二方向の向きに配置構成される。一部の実施形態では、複数の繊維が多方向性であり、不織ウェブの種々の領域で種々の配置構成を有する。
【0092】
一般に、任意の所与の不織ウェブ中の複数の繊維は、本明細書に開示される任意の繊維形成材料を含むことができる。不織ウェブは、(1)単繊維形成材料を含む単繊維タイプ、(2)繊維形成材料のブレンドを含む単繊維タイプ、(3)各繊維タイプが単繊維形成材料を含んでいる、繊維タイプのブレンド、(4)各繊維タイプが繊維形成材料のブレンドを含んでいる、繊維タイプのブレンド、または(5)各繊維タイプが単繊維形成材料または繊維形成材料のブレンドを含んでいる、繊維タイプのブレンドを含むことができる。繊維タイプのブレンドを含む実施形態では、種々の繊維タイプが、長さの直径に対する比(L/D)、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、繊維形成材料の化学的性質、および色の群の1つまたはそれよりも多くに差を有することができる。ある特定の実施形態では、複数の繊維は、2つまたはそれよりも多くのタイプの水溶性繊維を含むことができる。実施形態では、複数の繊維は、水溶性繊維形成材料の少なくとも1つのタイプを含む少なくとも1つの繊維タイプ、および1つの非水溶性繊維の少なくともタイプを含む少なくとも1つの繊維タイプを含むことができる。実施形態では、複数の繊維は、非水溶性繊維形成材料の少なくとも1つのタイプを含む、2つまたはそれよりも多くのタイプを含むことができる。
【0093】
実施形態では、不織ウェブは、繊維および/またはフィルムに関して本明細書に開示される任意の補助剤をさらに含むことができる。実施形態では、補助剤は、繊維自体に、不織ウェブのカーディング中に不織ウェブに、結合前の不織ウェブに(例えば、カーディング後)、結合に続いて不織ウェブに、またはこれらの組合せで添加することができる。カーディング中に繊維に添加される補助剤は、不織ウェブの全体にわたって分布することができる。カーディング後であるが結合前に不織ウェブに添加される補助剤は、不織ウェブの片面または両面に選択的に添加することができる。
【0094】
補助剤は、任意の適切な手段により、不織ウェブの1つまたはそれよりも多くの面に、またはそれを含有する物品、例えばパケットに適用することができる。実施形態では、補助剤は粉末形態にある。前述の実施形態の改良例では、1つまたはそれよりも多くの固定型粉末スプレーガンを使用して、粉末流をウェブまたはパケットに向かって1つまたは1つより多くの方向から方向付け、一方、ウェブまたはパケットは、ベルトコンベヤを用いてコーティングゾーンを経て輸送される。実施形態では、ウェブまたはパケットは、空気中の粉末の懸濁体を通して搬送される。実施形態では、ウェブまたはパケットは、トラフ様装置内で粉末とタンブル混合される。任意のその他の実施形態と組み合わせることができる実施形態では、粉末とパケットまたはウェブとの間の引き付けを高めるのに静電力が用いられる。このタイプのプロセスは、典型的には粉末粒子を負に帯電させ、これらの帯電粒子を、接地したパケットまたはウェブに向けることに基づく。他の代替の実施形態では、粉末は、粉末に接触している回転ブラシを含むがこれに限定されない二次移送ツールによって、または粉末を容器からウェブまたはパケットに移すことができるパウダー付きグローブによって、ウェブまたはパケットに適用される。さらに別の実施形態では、粉末は、非水性溶媒または担体に粉末を溶解または懸濁し、次いでこれを霧状にしウェブまたはパケットに噴霧することによって、付着される。実施形態の1つのタイプでは、溶媒または担体は引き続き蒸発し、活性剤粉末を後に残す。実施形態の1つのクラスでは、粉末は、正確な用量でウェブまたはパケットに付着される。このクラスの実施形態は、閉鎖システム乾燥潤滑剤施用機械、例えばPekuTECHの粉末アプリケーターPM 700 Dを利用する。このプロセスでは、粉末は、必要に応じてバッチ式にまたは連続的に、施用機械のフィードトラフに供給される。ウェブまたはパケットを、標準回転ドラムパウチ機の出力ベルトから、粉末施用機のコンベヤベルト上に移送し、制御された投薬量の粉末をウェブまたはパケットに付着させる。その後、ウェブまたはパケットは、適切な二次包装プロセスに搬送することができる。
【0095】
補助剤が液体形態または溶液中にある実施形態では、前述のものを繊維内に分散させ、不織ウェブの面上に分散させ、またはその組合せを、例えば回転流延、エアロゾル化溶液などの溶液の噴霧、ロールコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、押出し、ナイフコーティング、およびこれらの組合せによって行うことができる。
【0096】
補助剤、例えば化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、不織ウェブ中に存在する場合、少なくとも約1重量%の量、または約1重量%から約99重量%の範囲にあり、追加の機能性を不織ウェブに提供する。化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、フレグランス、および/または香料のマイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、またはこれらの組合せは、固体(例えば、粉末、顆粒、結晶、薄片、またはリボン)、液体、展膏薬、ペースト、気体などを含む任意の所望の形をとることができ、必要に応じてカプセル化することができる。
【0097】
実施形態では、不織ウェブは、水溶性フィルムに比べて改善された審美的効果が提供されるように、着色され、顔料が付けられ、および/または染色することができる。不織ウェブで使用される適切な着色剤は、指示染料、例えばpH指示薬(例えば、チモールブルー、ブロモチモール、チモールフタレイン、およびチモールフタレイン)、湿分/水指示薬(例えば、ハイドロクロミックインクまたはロイコ染料)、またはサーモクロミックインクを含むことができ、このインクは、温度が上昇しおよび/または下降したときに変色する。適切な着色剤には、限定するものではないがトリフェニルメタン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ペリレン染料、インジゴ染料、食品・医薬品・化粧品(FD&C)着色剤、有機顔料、無機顔料、またはこれらの組合せが含まれる。着色剤の例には、限定するものではないがFD&C Red #40;Red #3;FD&C Black #3;Black #2;マイカベースの真珠光沢顔料;FD&C Yellow #6;Green #3;Blue #1;Blue #2;二酸化チタン(食品グレード);ブリリアントブラック;およびこれらの組合せが含まれる。
【0098】
実施形態では、不織ウェブは、本明細書に開示される界面活性剤のいずれかを含むことができる。実施形態では、不織ウェブは:ココイルイセチオン酸ナトリウム、グルコテイン、フェナミド、コーラ脂質、コカミド、例えばコカミドエタノールアミン、エチレンオキシド系界面活性剤、ならびにアボカドおよびパームの鹸化油の群の1つまたはそれよりも多くを含むことができる。
【0099】
本開示の不織ウェブは、一般に任意の厚さを有することができる。適切な厚さには、限定するものではないが約5から約10,000μm(1cm)、約5から約5,000μm、約5から約1,000μm、約5から約500μm、約200から約500μm、約5から約200μm、約20から約100μm、または約40から約90μm、または約50から80μm、または約または約60から65μm、例えば50μm、65μm、76μm、または88μmを含めることができる。本開示の不織ウェブは、高ロフトまたは低ロフトとして特徴付けることができる。一般にロフトは、単位面積当たりの質量に対する厚さの比を指す(即ち、坪量)。高ロフト不織ウェブは、単位面積当たりの質量に対する厚さの高い比によって特徴付けることができる。本明細書で使用される「高ロフト」は、本明細書で定義される坪量と、200μmを超える厚さとを有する本開示の不織ウェブを指す。不織ウェブの厚さは、ASTM D5729-97、ASTM D5736、および/またはISO 9073-2:1995に従い決定することができ、例えば不織ウェブを2Nの負荷に供し、厚さを測定することを含むことができる。高ロフト材料は、当技術分野での公知の方法、例えば、非結合ウェブをそれ自体に折り畳んでロフトおよび坪量を構築するためのクロスラッパーを使用する、クロスラッッピングに従い使用することができる。理論に拘泥するものではないが、フィルムの溶解度がフィルムの厚さに依存する可能性のある水溶性フィルムとは対照的に;不織ウェブの溶解度は、ウェブの厚さに依存するとは考えられない。これに関し、個々の繊維は水溶性フィルムよりも高い表面積を提供するので、不織ウェブの厚さとは無関係に、繊維への水のアプローチ、およびそれによる繊維の溶解を制限するパラメーターは、坪量であると考えられる(即ち、不織布中の繊維密度)。
【0100】
一般に、本開示の不織ウェブに関する動的摩擦係数と、静的摩擦係数の動的摩擦係数に対する比は、水溶性フィルムに対する不織ウェブの表面粗さの増大に起因して、水溶性フィルムに関する動的摩擦係数と、静的摩擦係数の動的摩擦係数に対する比とよりも低くなり、不織ウェブに対する表面接触の減少をもたらす。有利には、この表面粗さは、改善された消費者の感触(即ち、ゴム状の手触りの代わりにクロス様の手触り)、改善された審美性(即ち、水溶性フィルムよりも光沢が少ない)、および/または熱形成されたおよび/または垂直形成され、充填され、および封止され、および/またはマルチチャンバーパケットであって加工設備/金型の表面に沿ってウェブを引き出す必要があるものの加工性の容易さを、提供することができる。したがって水溶性繊維および/または非水溶性繊維は、引き摺りをもたらすほど粗くなることなく、得られた不織ウェブに表面粗さが提供されるよう十分に粗くすべきである。
【0101】
本開示の不織ウェブの水への溶解度は、一般に、ウェブの調製に使用される繊維(複数可)のタイプの関数ならびにウェブの坪量の関数である。理論に拘泥するものではないが、不織ウェブの溶解度プロファイルは、不織ウェブを調製するのに使用される繊維(複数可)の同じ溶解度プロファイルに従い、繊維の溶解度プロファイルは、一般に、そこから繊維が調製されるポリマー(複数可)の同じ溶解度プロファイルに従うと考えられる。例えば、PVOH繊維を含む不織ウェブでは、PVOHポリマーの加水分解度を、不織ウェブの水への溶解度も影響を受けるように選択することができる。一般に、所与の温度で、PVOHポリマーの加水分解度が部分加水分解(88%DH)から完全加水分解(≧98%DH)に増大するにつれ、ポリマーの水溶解度は一般に減少する。したがって1つの選択肢では、不織ウェブは冷水可溶性とすることができる。他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマーでは(例えば、陰イオン性モノマーと共重合しない)、10℃未満の温度で水に可溶な冷水可溶ウェブは、加水分解度が約75%から約90%の範囲、または約75%から約89%の範囲、または約80%から約90%の範囲、または約85%から約90%の範囲、または約90%から約99.5%の範囲にあるPVOHの繊維を含むことができる。別の選択肢では、不織ウェブが温水可溶性とすることができる。例えば、他のいかなるモノマーも含まないco-ポリ(酢酸ビニル ビニルアルコール)ポリマー(例えば、陰イオン性モノマーと共重合しない)では、加水分解度が少なくとも約98%であるPVOHの繊維を含むことにより、温水可溶性ウェブは、少なくとも約60℃の温度の水に可溶であるとすることができる。
【0102】
PVOHの修飾は、一般に、PVOHポリマーの溶解度を増大させる。したがって所与の温度で、PVOHコポリマーから調製された不織ウェブまたはフィルムの溶解度は、PVOHコポリマーと同じ加水分解度を有するPVOHホモポリマーから調製された不織ウェブまたはフィルムの場合よりも高くなると予測される。これらの傾向に従い、特定の溶解度特性を有する不織ウェブは、ポリマーを繊維内にブレンドすることによっておよび/または不織ウェブ内に繊維をブレンドすることによって設計することができる。さらに、本明細書に記述されるように、不織ウェブは複数の繊維を含み、場合によっては溶解度の異なる2つまたはそれよりも多くの繊維タイプを含む場合がある。
【0103】
非水溶性繊維および/または非水溶性繊維形成材料を、不織ウェブの複数の繊維に含めることは、特定の溶解度および/または長期放出特性を有する不織ウェブを設計するのに使用することもできる。理論に拘泥するものではないが、不織ウェブに含まれる非水溶性繊維の重量パーセントが増大するにつれ(不織ウェブの全重量に対して)、不織ウェブの溶解度は一般に低下し、不織ウェブを含むパウチの長期放出特性は一般に増大すると考えられる。水溶性繊維の溶解度温度でまたはそれよりも高い温度で水と接触すると、水溶性繊維および非水溶性繊維を含む不織ウェブは、水溶性繊維が溶解するにつれて分散し始めることになり、それによってウェブ構造が破壊されおよび/または不織ウェブの細孔の孔径が増大する。一般に、ウェブ構造の破壊が大きくなるにつれまたは孔径が大きくなるにつれ、水はより速くパウチの内容物に触れることができるようになり、パウチの内容物はより速く放出されるようになる。同様に、本開示の不織ウェブを含むパウチの内容物の長期放出は、種々の溶解度特性および/または種々の溶解度温度を有する水溶性繊維のブレンドを使用することによって実現することができる。より速く溶解する繊維が溶解すると、それによってウェブは破壊され、少ない可溶性繊維が、より広い露出した表面積を有するようになり、少ない可溶性繊維の溶解およびパウチの内容物の放出が容易になる。不織ウェブが水溶性繊維および非水溶性繊維を含む実施形態では、可溶性繊維の非水溶性繊維に対する比は、特に限定されない。水溶性繊維は、複数の繊維の全重量の約1重量%から約99重量%、約20重量%から約80重量%、約40重量%から約90重量%、約50重量%から約90重量%、または約60重量%から約90重量%を構成することができ、非水溶性繊維は、繊維の全重量の約1重量%から約99重量%、約20重量%から約80重量%、約10重量%から約60重量%、約10重量%から約50重量%、または約10重量%から約40重量%を構成することができる。実施形態では、複数の繊維は、繊維の全重量に対して約10重量%から約80重量%の水溶性繊維を含み、残りは非水溶性繊維である。
【0104】
実施形態では、本明細書に開示される不織ウェブ、複数の繊維、水溶性フィルム、またはこれらの組合せは、生分解性ポリマーを含むことができる。ある特定の実施形態では、複数の繊維は、生分解性である材料を形成する非水溶性繊維を含むことができる。実施形態では、複数の繊維は、非水溶性の生分解性繊維である第1の繊維と、MSTM 205により約10℃から約20℃の温度の水に可溶であるまたはMSTM 205によりMSTM 205により約30℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではない第2の繊維とを含むことができる。実施形態では、不織ウェブは、非水溶性および生分解性である。
【0105】
実施形態では、不織ウェブが生分解性である。本明細書で使用される場合、不織ウェブが生分解性であるといわれるときには、不織ウェブの少なくとも50%が生分解性であり、例えば不織ウェブの少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または100%が生分解性である。
【0106】
本明細書に開示される不織ウェブは、第1の繊維タイプおよび第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含むことができ、第1の繊維タイプおよび第2の繊維タイプは、直径、長さ、靭性、形状、剛性、弾性、溶解度、融点、ガラス転移温度(Tg)、化学組成、色、またはこれらの組合せに差がある。実施形態では、第1の繊維タイプは、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、第1の繊維タイプは、2つまたはそれよりも多くのPVOHホモポリマー繊維形成材料、2つまたはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、第2の繊維タイプは、PVOHホモポリマー繊維形成材料、PVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、第2の繊維タイプは、2つまたはそれよりも多くのPVOHホモポリマー繊維形成材料、2つまたはそれよりも多くのPVOHコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、第1の繊維タイプおよび/または第2の繊維タイプは、非水溶性繊維形成材料である。実施形態では、第1の繊維タイプは、非水溶性ポリマー繊維形成材料を含むことができ、第2の繊維タイプは、不織ウェブの単独の繊維形成材料としてまたはフィルムとして提供されたときに、得られたウェブまたはフィルムがMSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶であるポリビニルアルコール繊維形成材料を含むことができる。実施形態では、第1の繊維タイプは非水溶性ポリマー繊維形成材料を含むことができ、第2の繊維タイプは、不織ウェブの単独の繊維形成材料としてまたはフィルムとして提供されたときに、得られたウェブまたはフィルムがMSTM 205によりMSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではないPVOHホモポリマーまたはコポリマー繊維形成材料を含むことができる。実施形態では、第1の繊維タイプは、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料とポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料との組合せを含む。実施形態では、第2の繊維タイプは、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料とポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料との組合せを含む。
【0107】
本開示の不織ウェブに含まれる複数の繊維は、一般に任意の靭性を有することができる。繊維の靭性は、繊維の粗さに相関する。繊維の靭性が低下するにつれ、繊維の粗さは増大する。本開示の不織ウェブを調製するのに使用される繊維は、約1から約100cN/dtex、または約1から約75cN/dtex、または約1から約50cN/dtex、または約1から約45cN/dtex、または約1から約40cN/dtex、または約1から約35cN/dtex、または約1から約30cN/dtex、または約1から約25cN/dtex、または約1から約20cN/dtex、または約1から約15cN/dtex、または約1から約10cN/dtex、または約3から約8cN/dtex、または約4から約8cN/dtex、または約6から約8cN/dtex、または約4から約7cN/dtex、または約10から約20、または約10から約18、または約10から約16の範囲、または約1cN/dtex、約2cN/dtex、約3cN/dtex、約4cN/dtex、約5cN/dtex、約6cN/dtex、約7cN/dtex、約8cN/dtex、約9cN/dtex、約10cN/dtex、約11cN/dtex、約12cN/dtex、約13cN/dtex、約14cN/dtex、または約15cN/dtexの靭性を有することができる。実施形態では、複数の繊維は、約3cN/dtexから約15cN/dtex、または約5cN/dtexから約12cN/dtex、または約5cN/dtexから約10cN/dtexの範囲の靭性を有することができる。
【0108】
不織ウェブの靭性は、ウェブの調製に使用される複数の繊維の靭性と同じにすることができまたは異ならせることができる。理論に拘泥するものではないが、不織ウェブの靭性は不織ウェブの強度に関係し、より高い靭性はより高い強度を不織ウェブに提供すると考えられる。一般に、不織ウェブの靭性は、異なる靭性を有する繊維を使用することによって修正することができる。不織ウェブの靭性は、加工により影響を受ける可能性もある。一般に、本開示の不織ウェブは、比較的高い靭性を有し、即ち不織ウェブは、物品および/またはパウチを調製するための単独の材料として使用することができる自立型ウェブである。対照的に、メルトブロー、エレクトロスピニング、および/または回転スピニングプロセスにより調製された不織ウェブは、典型的には低い靭性を有し、自立型でもなくまたは物品もしくはパウチを形成するための単独のウェブとして使用することもできないことがある。
【0109】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される繊維は、一般に、任意の微細さを有することができる。繊維の微細さは、どのくらい多くの繊維が所与の太さの糸の断面に存在するかに相関する。繊維の微細さは、線形質量密度、単位長さ当たりの繊維質量の比の測定によって測定することができる。線形質量密度の主な物理単位は1texであり、これは1gの重さの繊維の1000mに等しい。典型的には単位dtexが使用され、1g/10,000mの繊維を表す。線形質量密度は、不織ウェブの適切な硬さ/手触り、ねじり剛性、光の反射および相互作用、色素および/またはその他の活性剤/添加剤の吸収、製造プロセスでの繊維紡糸の容易さ、および完成物品の均一性を有する不織ウェブを提供するように選択することができる。一般に、繊維の線形質量密度が増大するにつれ、そこから得られた不織布は、より高い均一性、改善された引張り強さ、伸展性、および光沢を実証する。さらに、理論に拘泥するものではないが、より微細な繊維は、密度に対してより大きい繊維と比較して、より遅い溶解時間をもたらすことになると考えられる。さらに、理論に拘泥するものではないが、繊維タイプのブレンドが使用されるとき、平均線形質量密度は、個々の繊維タイプの加重平均を使用して決定することができる。繊維は、非常に微細(dtex≦1.22)、微細(1.22≦dtex≦1.54)、中程度(1.54≦dtex≦1.93)、僅かに粗い(1.93≦dtex≦2.32)、および粗い(dtex≧2.32)と特徴付けることができる。本開示の不織ウェブは、非常に微細、微細、中程度、僅かに粗い、またはこれらの組合せである繊維を含むことができる。実施形態では、不織ウェブは、約1dtexから約5dtex、または約1dtexから約3dtex、または約1.5dtexから約2.5dtexの範囲の平均線形質量密度を有する。実施形態では、不織ウェブは繊維のブレンドを含み、第1繊維が1.7dtexの平均線形質量密度を含み、第2の繊維が2.2texの平均線形質量密度を含む。
【0110】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、典型的には約10ミクロンから300ミクロンの範囲、例えば少なくとも10ミクロン、少なくとも25ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも100ミクロン、または少なくとも125ミクロン、および約300ミクロンまで、約275ミクロンまで、約250ミクロンまで、約225ミクロンまで、または約200ミクロンまでの直径を有する。実施形態では、本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、100ミクロン超から約300ミクロンの直径を有することができる。実施形態では、本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維の直径は、実質的に均一な直径を有する。実施形態では、1つまたはそれよりも多くの繊維タイプは、約10ミクロンから約300ミクロン、または約50ミクロンから200ミクロン、または約50ミクロンから約100ミクロンの範囲の平均直径を有することができる。
【0111】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、一般に任意の長さのものとすることができる。実施形態では、複数の繊維の長さは、約30mmから約100mm、約10mmから約60mm、または約30mmから約60mmの範囲、例えば少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mm、または少なくとも約50mm、および約100mmまで、約95mmまで、約90mmまで、約80mmまで、約70mmまで、または約60mmまでとすることができる。実施形態では、複数の繊維の長さは、約30mm未満、または約0.25mmから約30mm未満の範囲、例えば少なくとも約0.25mm、少なくとも約0.5mm、少なくとも約0.75mm、少なくとも約1mm、少なくとも約2.5mm、少なくとも約5mm、少なくとも約7.5mm、または少なくとも約10mm、および約29mmまで、約28mmまで、約27mmまで、約26mmまで、約25mmまで、約20mmまで、または約15mmまでとすることができる。実施形態では、複数の繊維は、約30mmから約100mm、または約30mmから約60mmの平均長さを有する。実施形態では、不織ウェブは、第1の繊維タイプが約38mmの長さを含み、第2の繊維タイプが約54mmの長さを含む、繊維タイプのブレンドを含む。
【0112】
本開示の不織ウェブを調製するのに使用される複数の繊維は、一般に、任意の長さの直径(L/D)に対する比を有することができる。有利には、本開示の不織ウェブの靭性は、繊維のL/D比と、不織組成物中の様々なL/D比を有する繊維のそれぞれの量を使用して、制御することができる。一般に、繊維のL/Dが減少するにつれ、剛性および曲げに対する耐性は増大し、より粗い手触りを提供する。本開示の繊維は一般に、繊維が約0.5から約15、または約0.5から約25、または約1から約5の範囲の低いL/Dを有するとき、それを含む不織ウェブに粗い手触りを与える。そのような低L/D繊維は、不織ウェブ中の繊維の全重量に対して約0重量から約50重量%の範囲の量で、例えば約0.5重量%から約25重量%、または約1重量%から約15重量%の範囲の量で、不織ウェブ中に提供することができる。不織ウェブ中の低L/D繊維の量が未知である場合、その量は、不織ウェブの顕微鏡写真の目視検査により推定することができる。
図3Aは、0%の低L/D繊維を有し、軟らかさのランクが1である不織ウェブの顕微鏡写真であり、それに対して
図3Bは、25%の低L/D繊維を有し、軟らかさのランクが5である不織ウェブの顕微鏡写真である。第1の繊維が、第1のポリビニルアルコール繊維形成材料を含む繊維形成材料のブレンドを含む実施形態では、第1の繊維の少なくとも一部分が、約0.5から約25、または約0.5から約15、または約1から約5のL/D比を有することができる。
【0113】
孔径は、Brunauer-Emmett-Teller理論(BET)、小角X線散乱(SAXS)、および分子吸着を含むがこれらに限定されない高倍率および高次表面分析技法を使用して決定することができる。
【0114】
不織ウェブは、坪量によって特徴付けることができる。不織ウェブの坪量は、不織ウェブの単位面積当たりの質量である。坪量は、当技術分野で公知のように、製造条件を様々にすることによって修正することができる。不織ウェブは、結合の前および後に同じ坪量を有することができる。あるいは、結合方法は、不織ウェブの坪量を変えることができる。例えば、結合が熱および圧力の印加を通して生じる場合、不織布の厚さ(したがって、不織布の領域)を減少させることができ、それによって坪量が増大する。したがって、本明細書で使用される場合および他に指定しない限り、不織布の坪量は、結合の後の不織布の坪量を指す。
【0115】
本開示の不織ウェブは、一般に、約0.1g/m2から約700g/m2、約0.5g/m2から約600g/m2、約1g/m2から約500g/m2、約1g/m2から約400g/m2、約1g/m2から約300g/m2、約1g/m2から約200g/m2、約1g/m2から約100g/m2、約30g/m2から約100g/m2、約20g/m2から約100g/m2、約20g/m2から約80g/m2、または約25g/m2から約70g/m2の範囲にある任意の坪量を有することができる。
【0116】
さらに、繊維組成およびウェブ厚さが一定のままであることを前提として、ウェブの坪量が増大するにつれウェブの溶解速度は低下するが、それはより多くの材料が溶解することになるからである。例えば、所与の温度で、PVOHポリマー(複数可)を含み、例えば40g/m2の坪量を有する繊維から調製された水溶性ウェブは、例えば30g/m2の坪量を有し、その他の点では同一の水溶性ウェブよりも、遅く溶解すると予測される。したがって坪量は、不織ウェブの溶解度特性を修正するのに使用することもできる。不織ウェブは一般に、約1g/m2から約700g/m2、約1g/m2から約600g/m2、約1g/m2から約500g/m2、約1g/m2から約400g/m2、約1g/m2から約300g/m2、約1g/m2から約200g/m2、約10g/m2から約100g/m2、約30g/m2から約100g/m2、約20g/m2から約100g/m2、約20g/m2から約80g/m2、約25g/m2から約70g/m2、または約40g/m2から約60g/m2の範囲の任意の坪量を有することができる。
【0117】
本開示の不織ウェブは、単層として使用することができ、その他の不織ウェブと層状化することができ、または水溶性フィルムとの積層体の形をとることができる。一部の実施形態では、不織ウェブは、不織ウェブの単層を含む。一部の実施形態では、不織ウェブは、不織ウェブの2層またはそれよりも多くの層を含む多層不織ウェブである。2層またはそれよりも多くの層は、互いに積層することができる。前述の実施形態の改良例では、2層またはそれよりも多くの層を同じにすることができる(例えば、同じ繊維および坪量から調製することができる)。前述の実施形態の改良例では、2層またはそれよりも多くの層は、異ならせることができる(例えば、異なるタイプの繊維、繊維の化学的性質から調製することができ、および/または異なる坪量を有する)。
【0118】
一般に、多層不織ウェブは、個々の層の坪量の合計である坪量を有することができる。したがって多層不織ウェブは、単層として提供される個々の層のいずれかよりも、溶解するのに長時間を要することになる。
【0119】
水溶性フィルム
【0120】
本明細書に記述される水溶性フィルムは一般に、本明細書に開示される水溶性ポリマーのいずれかを含む。実施形態では、本開示の水溶性フィルムは、ポリビニルルコール(PVOH)樹脂、修飾ポリビニルアルコール樹脂、またはこれらの組合せを含む。実施形態では、水溶性フィルムは、PVOHホモポリマー、陰イオン性修飾を有するPVOHコポリマー、および前述の組合せからなる群から選択されるPVOH樹脂を含む。実施形態では、水溶性フィルムは、単一のPVOHポリマーまたはPVOHポリマーのブレンドを含むことができる。実施形態では、水溶性フィルムはPVOHホモポリマーを含む。実施形態では、水溶性フィルムは温水可溶性PVOHホモポリマーを含む。不織ウェブが界面活性剤および/または角質除去剤を含む実施形態では、水溶性フィルムは、陰イオン性修飾を有するPVOHコポリマーを含むことができる。実施形態では、水溶性フィルムは、単独のフィルム形成材料としてフィルム中に提供されるとき、前記フィルムがMSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶である、水溶性ポリビニルアルコールホモポリマーまたはコポリマーを含むことができる。実施形態では、水溶性フィルムは、単独のフィルム形成材料としてフィルム中に提供されたとき、前記フィルムがMSTM 205によりMSTM 205により20℃またはそれよりも低い水の温度で水溶性ではない、水溶性ポリビニルアルコールホモポリマーまたはコポリマーを含むことができる。
【0121】
水溶性フィルムは、ポリビニルアルコール、水溶性アクリレートコポリマー、ポリエチレンイミン、プルラン、水溶性天然ポリマーであって限定するものではないがグアールガム、アカシアガム、キサンタンガム、カラギナン、およびデンプンを含むもの、水溶性ポリマー加工デンプン、前述のコポリマー、または前述のいずれかの組合せを含むがこれらに限定されないその他のフィルム形成ポリマーを含むことができる。さらに他の水溶性ポリマーは、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリルアミド、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸およびその塩、ポリアミノ酸、ポリアミド、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、または前述のいずれかの組合せを含むことができる。そのような水溶性ポリマーは、様々な供給元から市販されている。実施形態では、水溶性フィルムは、PVOHホモポリマー、PVOHコポリマー、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、水溶性フィルムは、単一のPVOHホモポリマーまたはPVOHホモポリマーのブレンドを含む。さらなる実施形態では、水溶性フィルムは、粘度が5cPから23cPの範囲にあり、加水分解度が86%から92%の範囲にあるPVOHホモポリマーを含む。
【0122】
フィルムは、任意の適切な厚さを有することができ、約76ミクロン(μm)のフィルム厚さが典型的であり特に企図される。企図されるその他の値および範囲は、約5から約200μmの範囲、または約20から約100μmの範囲、または約40から約90μmの範囲、または約50から80μmの範囲、または約または約60から65μm、例えば65μm、76μm、または88μmの値を含む。
【0123】
実施形態では、水溶性フィルムは上述の補助剤を含むことができる。実施形態では、水溶性フィルムは、上述の補助剤を実質的に含まなくてもよい。実施形態では、水溶性フィルムは上述の可塑剤を含むことができる。水溶性フィルムに提供される非水可塑剤の総量は、全フィルム重量に対して約1重量%から約45重量%、または約5重量%から約45重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%、約1重量%から約4重量%、または約1.5重量%から約3.5重量%、または約2.0重量%から約3.0重量%の範囲、例えば約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、または約40重量%とすることができる。実施形態では、水溶性フィルムは、プロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、トリメチロールプロパン(TMP)およびポリエチレングリコール(100~1000分子量)の1つまたはそれよりも多くを含む。
【0124】
実施形態では、水溶性フィルムは上述の界面活性剤を含むことができる。様々な実施形態では、水溶性フィルム中の界面活性剤の量は、約0.01重量%から約2.5重量%、約0.1重量%から約2.5重量%、約1.0重量%から約2.0重量%、約0.01重量%から0.25重量%、または約0.10重量%から0.20重量%の範囲にある。実施形態では、水溶性フィルムは、ポリソルベート80、様々な植物源からのレシチン、およびラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、および同様のものの1つまたはそれよりも多くを含む。
【0125】
実施形態では、水溶性フィルムの補助剤は、充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/粘着防止剤を含むことができる。適切な充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/粘着防止剤には、限定するものではないが架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶質セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ステアリン酸およびその金属塩、例えばステアリン酸マグネシウムが含まれる。必要に応じて、追加の非加工デンプンまたは加工デンプンは、上述の特定のデンプン成分の1つに加えて水溶性に含めることができ、例えば、約5phrから約30phrの範囲の量で存在するヒドロキシプロピル化デンプン、または約2%よりも高い修飾度を有し、約2.5phrから約30phrの範囲の量で存在する加工デンプン、または約20%から約80%の範囲のアミロース含量を有する非加工デンプン、または約23%から約95%の範囲のアミロース含量を有するヒドロキシプロピル加工デンプンであり、これらはポリビニルアルコールが非加工ポリビニルアルコールまたは陰イオン性加工ポリビニルアルコールコポリマーを含む場合であり、陰イオン性修飾剤がアクリレートではないことを前提とするものである。好ましい材料は、デンプン、加工デンプン、およびシリカである。実施形態の1つのタイプでは、水溶性フィルム中の充填剤/増量剤/ブロッキング防止剤/粘着防止剤の量は、例えば約1重量%から約6重量%、または約1重量%から約4重量%、または約2重量%から約4重量%、または約1phrから約6phr、または約1phrから約4phr、または約2phrから約4phrの範囲にすることができる。実施形態では、上述の特定のデンプン成分の1つに加えてデンプンまたは加工デンプンが水溶性フィルム中に含まれるとき、追加のデンプン成分は、フィルム中に含まれる全てのデンプンの全重量に対して約50重量%未満の量で提供されることになる。理論に拘泥するものではないが、上述のデンプン成分を含むことから本開示の水溶性フィルムに提供される任意の利益は、水溶性フィルムに少ない利益をもたらすまたは水溶性フィルムに利益をもたらさない追加のデンプン成分を含むことによる影響を受けないと考えられる。
【0126】
水溶性フィルムはさらに、Karl Fischer滴定により測定したときに少なくとも4重量%、例えば約4から約10重量%の範囲の残留湿分含量を有することができる。
【0127】
繊維を調製する方法
【0128】
湿式冷却ゲル紡糸
【0129】
実施形態では、複数の水溶性繊維は、湿式冷却ゲル紡糸プロセスに従い調製された水溶性繊維を含むことができ、この湿式冷却ゲル紡糸プロセスは:
(a)水溶性ポリマー(または複数のポリマー)を溶液に溶解して、必要に応じて補助剤を含むポリマー混合物を形成するステップ;
(b)ポリマー混合物をスピナレットノズルに通して凝固浴に押し出して、押出しポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出しポリマー混合物を溶媒交換浴に通すステップ;
(d)必要に応じて、押出しポリマー混合物を湿式伸線するステップ;および
(e)押出しポリマー混合物を仕上げて、水溶性繊維を提供するステップ
を含む。
【0130】
水溶性ポリマーが溶解する溶媒は、適切には、水溶性ポリマーが可溶である任意の溶媒とすることができる。実施形態では、水溶性ポリマーが溶解する溶媒は、極性非プロトン性溶媒を含む。実施形態では、水溶性ポリマーが溶解する溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含む。
【0131】
一般に、凝固浴は、押し出されたポリマー混合物をゲル化するための冷却溶媒を含む。凝固浴は一般に、押し出されたポリマー混合物の凝固を容易にする任意の温度にすることができる。凝固浴は、ポリマーが可溶である溶媒とポリマーが可溶ではない溶媒とを含む混合物とすることができる。ポリマーが可溶ではない溶媒は、一般に一次溶媒であり、ポリマーが可溶ではない溶媒は、混合物の50体積%よりも多くを構成する。
【0132】
凝固浴を通過した後、押し出されたポリマー混合物ゲルは、1つまたはそれよりも多くの溶媒交換浴を通過することができる。溶媒交換浴は、水溶性ポリマーが可溶である溶媒を、水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒で置き換えて、押出しポリマー混合物をさらに凝固し、さらに水溶性ポリマーが可溶である溶媒を、さらに容易に蒸発することになる溶媒で置き換え、それによって乾燥時間を短縮するために、設けられる。溶媒交換浴は、水溶性ポリマーが可溶である溶媒ならびに水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒の勾配を有する一連の溶媒交換浴、水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒のみ有する一連の溶媒交換浴、または水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒のみ有する単一の溶媒交換浴を含むことができる。実施形態では、少なくとも1つの溶媒交換浴は、水溶性ポリマーが可溶ではない溶媒から本質的になることができる。
【0133】
完成した繊維を、ステープル繊維、ショートカット繊維、またはパルプと呼ぶこともある。実施形態では、仕上げは、押出しポリマー混合物を乾燥することを含む。実施形態では、仕上げは、押出しポリマー混合物を切断しまたは捲縮して、個々の繊維を形成することを含む。押出しポリマー混合物の湿式延伸は、実質的に均一な直径を押出しポリマー混合物に提供することができ、したがって繊維はそこから切断される。延伸は、当技術分野で周知のように押出しとは全く異なる。特に押出しは、樹脂混合物をスピナレットヘッドに強制的に通して繊維を作製する動作を指し、それに対して延伸は、機械の流れ方向に繊維を機械的に引っ張って、ポリマー鎖の配向および結晶化度を促進させることにより繊維強度および靭性を増大させることを指す。
【0134】
水溶性繊維が湿式冷却ゲル紡糸プロセスから調製される実施形態では、水溶性ポリマーは一般に、本明細書に概略的に記述されるように、任意の水溶性ポリマーまたはそのブレンド、例えば2つまたはそれよりも多くの種々のポリマーとすることができる。前述の実施形態の改良例では、ポリマー(複数可)は、任意の重合度(DP)、例えば10から10,000,000の範囲、例えば少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、または少なくとも1000、および最大10,000,000、最大5,000,000、最大2,500,00、最大1,000,000、最大900,000、最大750,000、最大500,000、最大250,000、最大100,000、最大90,000、最大75,000、最大50,000、最大25,000、最大12,000、最大10,000、最大5,000、または最大2,500、例えば1000から約50,000、1000から約25,000、1000から約12,000、1000から約5,000、1000から約2,500、約50から約12,000、約50から約10,000、約50から約5,000、約50から約2,500、約50から約1000、約50から約900、約100から約800、約150から約700、約200から約600、または約250から約500の範囲を有することができる。実施形態では、DPは、少なくとも1,000である。上述の補助剤は、繊維自体にまたは不織ウェブに、カーディングおよび/または結合プロセス中に添加することができる。
【0135】
熱可塑性繊維紡糸
【0136】
熱可塑性繊維紡糸は、当技術分野で周知である。簡単に言うと、熱可塑性繊維紡糸は:
(a)補助剤を必要に応じて含む繊維形成ポリマーを含むポリマー混合物を調製するステップ;
(b)ポリマー混合物を、スピナレットノズルに通して押し出して、押出しポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出しポリマー混合物を必要に応じて延伸するステップ;および
(d)押出しポリマー混合物を仕上げて、繊維を得るステップ
を含む。
【0137】
熱可塑性繊維紡糸プロセスの完全ステープル繊維は、個々の繊維が形成されるように、乾燥、切断、および/または捲縮によって仕上げることができる。押出しポリマー混合物の延伸は、繊維を機械の流れ方向に機械的に引っ張り、ポリマー鎖の配向および結晶化度を促進させて、繊維強度および靭性を増大させる。熱可塑性繊維紡糸用のポリマー混合物の調製は、典型的には、(a)繊維形成材料と容易に揮発する溶媒との溶液を調製し、溶液をスピナレットに通して押し出した後、溶液が温風流に接触したときに溶媒を容易に蒸発させて固体繊維が残されるようにすること、または(b)ポリマーを溶融して、高温ポリマーをスピナレットに通して押し出した後に冷風でクエンチ処理することによってポリマーが凝固するようにすることを含むことができる。熱可塑性繊維紡糸法は、少なくとも、(a)熱可塑性繊維紡糸法では、押し出された繊維は、凝固浴の使用ではなく溶媒の蒸発によってまたは冷風での高温固体繊維のクエンチ処理によって凝固し;および(b)湿式冷却ゲル紡糸法では、必要に応じた延伸は、繊維が固体状態ではなくゲル状態にある間に行われる点で、湿式冷却ゲル紡糸法とは明らかに異なる。
【0138】
熱可塑性繊維紡糸プロセスから繊維を調製するための繊維形成材料は、一般に、任意の繊維形成ポリマーまたはそのブレンド、例えば2つまたはそれよりも多くの種々のポリマーとすることができ、但しポリマーまたはそのブレンドは、容易に揮発する溶媒中の適切な溶解度を有すること、および/またはその分解温度よりも低く、明らかに異なる融点を有することを前提とする。さらに、繊維形成ポリマーのブレンドが繊維の作製に使用されるとき、繊維形成材料は、容易に揮発する溶媒中で類似の溶解度を持たなければならず、および/または2つもしくはそれよりも多くの繊維形成材料が類似の温度で溶融するように類似の熱プロファイルを持たなければならない。対照的に、湿式冷却ゲル紡糸プロセスから繊維を調製するための繊維形成材料は限定されておらず、繊維は、同じ溶媒系に可溶ないずれか2つのまたはそれよりも多くのポリマーのブレンドから調製することができ、溶媒系は、単一の溶媒またはさらに揮発性の溶媒である必要はない。
【0139】
熱可塑性繊維紡糸繊維を調製するための繊維形成ポリマー(複数可)は、例えば10から10,000の範囲、例えば少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、または少なくとも1000、および最大10,000、最大5,000、最大2,500、最大1,000、最大900、最大750、最大500、または最大250の重合度(DP)を有することができる。実施形態では、DPが1,000未満である。
【0140】
溶融紡糸
【0141】
溶融紡糸は当技術分野で周知であり、スパンボンドプロセスおよびメルトブロープロセスの両方を指すと理解される。溶融紡糸は、繊維形成に従い不織ウェブを直接調製する連続プロセスである。したがって、溶融紡糸形成繊維は完成されず、任意の一貫した長さに切断される(例えば、ステープル繊維はこれらのプロセスによって調製されない)。さらに、溶融紡糸は延伸ステップを含まず、したがって、得られる溶融紡糸繊維の直径の唯一の制御は、繊維形成材料が押し出される穴のサイズであり、ポリマー鎖は典型的にはいかなる特定の方向にも配向しない。
【0142】
簡単に言うと、溶融紡糸は:
(a)補助剤を必要に応じて含む繊維形成ポリマーを含むポリマー混合物を調製するステップ;
(b)ポリマー混合物をダイアセンブリ内に押し出して、押出しポリマー混合物を形成するステップ;
(c)押出しポリマー混合物をクエンチ処理するステップ;
(d)クエンチ処理した押出しポリマー混合物を、ベルト上に堆積して、不織ウェブを形成するステップ;および
(e)不織ウェブを結合するステップ
を含む。
【0143】
スパンボンドプロセスでは、押し出されたポリマー混合物は、溶融ポリマーとしてダイアセンブリ内にポンプ送出され、ダイアセンブリを通過したときに冷風でクエンチ処理される。メルトブロープロセスでは、押出しポリマー混合物は、内部に温風が吹き付けられたダイアセンブリ内にポンプ送出され、ダイアセンブリを出るときにクエンチ処理され、周囲温度の空気に接触するようになる。両方のプロセスでは、繊維がベルトまたはドラム上に連続的に降下するが、これは通常はベルトまたはドラムの下に真空を引き込むことにより容易になったものである。
【0144】
溶融紡糸繊維の直径は、一般に、約0.1から約50ミクロンの範囲、例えば少なくとも約0.1ミクロン、少なくとも約1ミクロン、少なくとも約2ミクロン、少なくとも約5ミクロン、少なくとも約10ミクロン、少なくとも約15ミクロン、または少なくとも約20ミクロン、および最大約50ミクロン、最大約40ミクロン、最大約30ミクロン、最大約25ミクロン、最大約20ミクロン、最大約15ミクロン、最大約10ミクロン、約0.1ミクロンから約50ミクロン、約0.1ミクロンから約40ミクロン、約0.1ミクロンから約30ミクロン、約0.1ミクロンから約25ミクロン、約0.1ミクロンから約20ミクロン、約0.1ミクロンから約15ミクロン、約0.1ミクロンから約10ミクロン、約0.1ミクロンから約9ミクロン、約0.1ミクロンから約8ミクロン、約0.1ミクロンから約7ミクロン、約0.1ミクロンから約6ミクロン、約0.1ミクロンから約6ミクロン、約5ミクロンから約35ミクロン、約5ミクロンから約30ミクロン、約7.5ミクロンから約25ミクロン、約10ミクロンから約25ミクロン、または約15ミクロンから約25ミクロンの範囲にある。メルトブロープロセスは、約1~10ミクロンの範囲の平均直径を有するマイクロファイン繊維を提供できるが、メルトブロープロセスは、繊維間直径に非常に大きいばらつきを有すること、例えば100~300%のばらつきを有することが当技術分野では周知である。さらに、スパンボンド繊維は、より大きい平均繊維直径、例えば、典型的には約15から約25ミクロンを有することができるが、繊維間で改善された均一性、例えば約10%のばらつきを有することが当技術分野では周知である。
【0145】
熱押出しプロセス(例えば、溶融紡糸、熱可塑性繊維紡糸)用の繊維形成材料は、湿式冷却ゲル紡糸プロセスの場合よりもさらに制限される。一般に、熱押出しプロセス用の重合度は、約200から約500の範囲に限定される。重合度が200よりも低く減少するにつれ、繊維形成材料の粘度も低過ぎるようになり、ダイアセンブリを通して材料をポンプ送出することにより調製された個々の繊維は、ダイアセンブリから出た後に適切な分離を維持しない。同様に、重合度が500よりも高く増大するにつれ、粘度は、高速でプロセスを実行するためダイアセンブリの十分小さい穴を通して材料を効率的にポンプ送出するには高過ぎるようになり、したがってプロセスの効率ならびに繊維および/または不織布の均一性が失われる。さらに、繊維形成材料の加熱を必要とするプロセスは、ホモポリマーが一般に必要な熱安定性を持たないので、ポリビニルアルコールホモポリマーに不適切である。
【0146】
湿式冷却ゲル紡糸プロセスは、有利には、水溶性ポリマーのブレンドを含む繊維を提供し、繊維の直径の制御を行い、比較的大きい直径の繊維を提供し、繊維の長さの制御を行い、繊維の靭性の制御を行い、高い靭性の繊維を提供し、大きい重合度を有するポリマーから繊維を提供し、および/または自立型不織ウェブを提供するのに使用することができる繊維を提供するなど、1つまたはそれよりも多くの利益を提供する。スパンボンド、メルトブロー、エレクトロスピニング、および回転紡糸などの連続プロセスは一般に、水溶性ポリマーのブレンド(例えば、様々なポリマーのメルトインデックスに一致する難しさに起因して)、大きい直径(例えば、50ミクロンよりも大きい)の繊維の形成、繊維の長さの制御、高靭性の繊維の提供、および高い重合度を有するポリマーの使用を可能にしない。さらに、湿式冷却ゲル紡糸プロセスは、有利には、溶融加工可能であるだけのポリマーに限定されず、したがって非常に高い分子量、高い融点、低いメルトフローインデックス、またはこれらの組合せを有する繊維形成材料から作製された繊維を利用可能であり、熱押出しプロセスにより調製された繊維と比較して、より強力な物理的性質および種々の化学的機能性を有する繊維が提供される。さらになお、有利には、湿式冷却ゲル紡糸プロセスは、ポリマーの粘度によって限定されない。対照的に、繊維形成材料の溶融を必要とするプロセスは、粘度が5cPまたはそれよりも小さい繊維形成材料に限定されることが、当技術分野では公知である。このように、粘度が5cPよりも大きいポリビニルアルコールホモポリマーおよびコポリマーを含むポリマーを含む繊維は、湿式冷却ゲル紡糸によってのみ利用可能である。
【0147】
不織ウェブを調製する方法
【0148】
本開示の不織ウェブは一般に、2つの外面を有するシート様構造であり、この不織ウェブは複数の繊維を含んでいる。本開示の不織ウェブは、当技術分野で任意の公知の方法を使用して、繊維から調製することができる。当技術分野で公知のように、繊維がスパンボンドまたはメルトブローされると、繊維は連続的に横に置かれて不織ウェブを形成し、その後、繊維は結合される。
【0149】
ステープル繊維は、カーディングされまたはエアレイドされおよび結合されて、不織ウェブを提供する。カーディングおよびエアレイドする方法は、当技術分野で周知である。
【0150】
不織ウェブを結合する方法は、当技術分野で周知である。一般に結合は、熱、機械、および/または化学結合を含むことができる。熱結合は、限定するものではないがカレンダー掛け、エンボス加工、エアスルー、および超音波を含むことができる。機械結合は、限定するものではないが水流交絡(スパンレース)、針穿孔、およびステッチ結合を含むことができる。化学結合は、限定するものではないが溶媒結合および樹脂結合を含むことができる。
【0151】
熱結合は、熱および圧力を加えることによって実現され、典型的にはカーディングプロセスにより生成された孔径、形状、およびアライメントを維持する。熱結合の条件は、当業者により容易に決定することができる。一般に、加えられる熱および/または圧力が低過ぎる場合、繊維は独立型ウェブを形成するよう十分結合しなくなり、熱および/または圧力が高過ぎる場合、繊維は一緒に混ざり始めるようになる。繊維の化学的性質は、熱結合用の熱および/または圧力の上限および下限を決定する。理論に拘泥するものではないが、235℃よりも高い温度で、ポリビニルアルコール系繊維は分解すると考えられる。繊維の熱結合のためのエンボス加工方法が公知である。エンボス加工は、片面エンボス加工または両面エンボス加工とすることができる。典型的には、水溶性繊維のエンボス加工は、秩序円形配列からなる単一エンボス加工ロールおよび平面を持つスチールロールを使用する片面エンボス加工を含む。エンボス加工が増大するにつれ(例えば、表面フィーチャがウェブに与えられるにつれ)、ウェブの表面積が増大する。理論に拘泥するものではないが、ウェブの表面積が増大するにつれ、ウェブの溶解度が増大する。したがって不織ウェブの溶解度特性は、有利には、エンボス加工を通して表面積を変化させることにより、調整することができる。
【0152】
エアスルー結合は一般に、不織ウェブ中の高い熱可塑性含量と、2つの異なる融点の材料とを必要とする。エアスルー結合では、非結合不織ウェブはドラムの周りを循環し、一方、温風はドラムの外側からドラムの中心に向かって流れる。エアスルー結合は、低密度およびより高い坪量(例えば、20から約2000g/m2よりも大きい)を有する不織布を提供することができる。エアボンドにより結合された不織布は、典型的には非常に軟らかい。
【0153】
化学結合は一般に、溶媒結合および樹脂結合を含む。特に、化学結合は、典型的には溶媒および樹脂(例えば、ラテックス、または繊維の調製から残された廃棄ポリマー)の結合剤溶液を使用する。不織ウェブは、結合剤溶液でコーティングすることができ、熱および圧力を加えて結合剤を硬化し、不織布を結合することができる。結合剤溶液は、結合剤溶液の浴に不織布を浸漬し、結合剤溶液を不織布上に噴霧し、結合剤溶液をウェブ上に押し出し(フォーム結合)、および/または結合剤溶液をプリントまたはグラビアとして付着させることによって、付着させることができる。
【0154】
化学結合は、カーディングされ/溶融紡糸された細孔に対して、より小さい、それほど秩序立っていない細孔をもたらすことができる。理論に拘泥するものではないが、化学結合に使用される樹脂溶液が十分に濃縮されおよび/または十分な圧力が加えられる場合、非多孔質不織ウェブを形成することができると考えられる。化学結合に使用される溶媒は、ウェブ中の既存の繊維の部分可溶化を誘発させて、繊維を一緒に溶着および結合する。したがって一般に、化学結合用の溶媒は、不織布の繊維の1つまたはそれよりも多くの繊維形成材料を少なくとも部分的に可溶化することができる任意の溶媒とすることができる。実施形態では、溶媒は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。実施形態では、溶媒は、水、グリセリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される。実施形態では、結合剤溶液は、水、エタノール、メタノール、DMSO、グリセリン、およびこれらの組合せからなる群から選択される溶媒を含み、ポリビニルアルコール、ラテックス、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択される樹脂をさらに含む。溶液中に提供された結合剤は、溶着プロセスを支援して、より機械的に堅牢なウェブを提供する。ポリマー溶液の温度は特に限定されず、室温(約23℃)で提供することができる。
一部の実施形態では、繊維の第2の層を使用して、不織ウェブを結合することができる。実施形態では、不織ウェブ層は、単独で、または不織ウェブ/繊維の追加の層を使用した結合に加え、熱、機械、または化学結合を使用して結合することができる。
【0155】
不織ウェブへのフィルムの積層方法
【0156】
積層体(例えば、水溶性フィルムおよび不織布)を調製する方法は、限定するものではないがカレンダー積層(熱および圧力)または溶融接着を含むことができる。
【0157】
カレンダー積層は、熱および圧力を加えることによって実現される。カレンダー積層の条件は、当業者によって容易に決定することができる。一般に、加えられる熱および/または圧力が低過ぎる場合、繊維は、積層体を形成する水溶性フィルムに十分に結合しなくなり、熱および/または圧力が高過ぎる場合、繊維は、互いにおよびフィルムと溶融し始める。繊維化学およびフィルム化学は、カレンダー積層の熱および/圧力の上限および下限を決定する。理論に拘泥するものではないが、235℃よりも高い温度で、ポリビニルアルコール系繊維は分解すると考えられる。実施形態では、オーバーレイ不織布および水溶性フィルムに加えられる熱は、約50℃から約200℃、例えば約100℃から約200℃、約110℃から約190℃、約120℃から約180℃、または約130℃から約160℃である。実施形態では、オーバーレイ不織布および水溶性フィルムに加えられる圧力は、約5psiから約50psi、例えば約10psiから約40psi、約15psiから約30psi、または約20psiから約30psiである。実施形態では、オーバーレイ不織布および水溶性フィルムに加えられた熱は約150℃であり、加えられた圧力は約25psiである。実施形態では、熱および圧力は、約2~4秒間加えられる。繊維および/またはフィルムのカレンダー積層のためのエンボス加工の方法が、企図される。エンボス加工は、片面エンボス加工または両面エンボス加工とすることができる。典型的には、水溶性繊維および/または水溶性フィルムのエンボス加工は、秩序円形配列からなる単一のエンボス加工ロールおよび平面を持つスチールロールを使用した片面エンボス加工を含む。エンボス加工が増大するにつれ(例えば、増大した量の表面フィーチャが、ウェブおよび/またはフィルムに与えられる)、積層体の表面積は増大する。理論に拘泥するものではないが、物品の表面積が減少するにつれ、ウェブおよび/またはフィルムの溶解度は現象すると考えられる。したがって不織ウェブおよび/または水溶性フィルムの溶解度特性は、エンボス加工を通して表面積を変化させることにより、有利に調整することができる。理論に拘泥するものではないが、単位用量物品の積層度が増大するにつれ、積層体の表面積は減少し、水溶性フィルムと不織布との間の結合は増大し、その結果、溶解度が減少し液体放出時間が増大すると考えられる。
【0158】
溶融接着積層は、接着剤を水溶性フィルムに直接付着させることによって実現され、次いで不織ウェブを、付着された接着剤で水溶性フィルムの最上部に置き、不織ウェブおよび水溶性フィルムの接着のために低温積層に供する。本明細書で使用される場合、「低温積層」という用語は、圧力を必要とするが追加の熱は必要としない積層プロセスを指す。接着剤は、当業者に任意の適切な接着とすることができる。実施形態では、接着剤は、Henkel National接着剤である。水溶性フィルムへの直接的な接着剤の付着は、ホットメルト噴霧プロセスなどの当業者に対して任意の適切な方法により付着させることができる。実施形態では、溶融接着積層プロセスは、160℃でのホットメルト噴霧プロセス、その後の94N/mm2の圧力での低温積層を含むことができる。
【0159】
本開示の積層体は、一般に水溶性フィルムおよび不織ウェブを含む。実施形態では、積層体は、約1%から約100%の積層度を有することができ、積層度は、約1%から約90%、または約25%から約75%、または約1%から約50%、または約5%から約25%、または約25%から約100%、または約50%から約100%の範囲とすることができる。本明細書で使用される場合、「積層度」は、不織ウェブに結合された水溶性フィルムの全面積の量を指す。例えば、約25%またはそれよりも低い積層度を有する積層体は、約25%またはそれよりも少ない水溶性フィルムの面積が不織ウェブに結合され、例えば、封止材のみで積層されることを意味する。例えば、約100%の積層度を有する積層体は、水溶性フィルムの面積の約100%が不織ウェブに結合されることを意味する。積層度が約25%またはそれよりも低い実施形態では、積層体は、積層が単位用量物品の各封止材で生ずるヒートシールプロセス中に実現することができる。積層体が約25%またはそれよりも低い積層度を有する実施形態では、この低い積層度は、内部空隙がありそこでは水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層されずに非適合性の化学的性質を有する区画の物理的分離をもたらすと共に単位用量物品の組成の二段階送達システムの機会を提供するので、有利とすることができる。実施形態では、積層度が約5%から約25%の範囲にある。実施形態では、積層度が約50%から約100%の範囲にある。
【0160】
単位用量物品の使用
【0161】
本開示の単位用量物品は一般に、様々な商業的な適用例に適している。本開示の単位用量物品の適切な商業的適用例には、角質除去材料、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ヘアトリートメント、バスソルト、エッセンシャルオイル、またはこれらの組合せなどのパーソナルケア製品を送達するためのパウチおよびパケットを含めることができ、パーソナルケア製品の長期放出は、パーソナルケア製品の使用時間を延ばすのに、製品が即座に洗い流されるのを妨げるのに望ましいと考えられる。本開示の単位用量物品は、ヒトの皮膚の角質除去をするのに適切とすることができる。
【0162】
本開示の単位用量物品に関する追加の適用例には、限定するものではないが、長期送達のための農業用組成物、例えば植物への肥料の、パケットおよびパウチを含めることができる。実施形態では、本開示の単位用量物品は、内部に農業用組成物が含有される内側容積を画定するパウチの形で水溶性および生分解性ポリビニルアルコールホモポリマーを含む水溶性フィルムと、水溶性フィルムを包含する非水溶性または低水溶性の生分解性および/またはコンポスト可能な不織ウェブであって、第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、必要に応じて第2の農業用組成物を含有する不織ウェブとを含み、この不織ウェブは、非水溶性の生分解性および/またはコンポスト可能な繊維形成材料、例えば非限定的な例として綿を含む、複数の繊維を含むものである。有利には、そのような単位用量によれば、家庭で園芸家は例えば、肥料などの事前にパックされた量の農業用組成物を庭に撒くことができ、したがって単に庭に水を撒くことにより、連続的かつ長期に庭に肥料をやることが可能になる(それによって、単位用量は水に接触するようになり、農業用組成物を含有する水溶性フィルムを溶解する)。次いで農業用組成物を、組成物が拡散し次いで分解しまたは堆肥化するまで十分な構造を維持することができる不織ウェブから拡散させることができる。実施形態では、パウチの形をとる不織ウェブは、内側パウチ容積から外に向かう外面を有し、外面は、パーソナルケア組成物を含む。
【0163】
追加の企図される適用例は、一定の水の流れを含むことができるもの、例えば自動車洗浄適用例および/または食器洗浄適用例を含む。有利には、そのような適用例において、組成物の少なくとも一部分が単位用量から放出されると、不織ウェブを使用して起泡および/またはハードなスクラビングを容易にして、洗浄される表面、例えば車の塗料または焦げ付き防止の調理表面を損傷させることなく汚れを除去することができる。
【0164】
追加の企図される適用例は、活性剤を使用時点まで分離して保持する必要があるものを含む。有利には、本開示の単位用量物品は、水溶性フィルムにより形成された第1の内側パウチ容積内に第1の活性剤を、および不織ウェブにより形成された第2の内側パウチ容積内に含有することができる第2の活性剤を、含有することができる。単位用量は、(a)第2の活性剤が水中に放出される前に第2の活性剤が第1の活性剤と接触しないように、より冷たい水に曝露することで第2の活性剤を、およびより温かい水に曝露することで第1の活性剤を放出するように、または(b)いずれかの組成物が単位用量から実質的に放出される前に第1の活性剤および第2の活性剤が第2の内側パウチ内で接触/混合するように、不織ウェブの実質的な溶解の前に第1の活性剤を第1の内側パウチ容積から放出するように、設計することができる。
【0165】
追加の企図される適用例は、例えば酸素に曝露されたときに単位用量に含有される組成物が古くなるようなまたはその他の理由で経時的に不適切になるような、あるいはその他の理由で使用後の組成物の抽出物を放出する必要があるものを、含むことができる。そのような適用例は、限定するものではないが茶葉およびパウチ化されたタバコ製品を含むことができる。有利には、本開示の単位用量は、新鮮さを維持するために水溶性フィルムに気体障壁を提供することができ、この障壁は使用時点で溶解することができ(例えば、温水、または消費者の口の中に入れること、および唾液と接触させること)、組成物の固体部分(例えば、葉)を非水溶性の生分解性またはコンポスト可能な不織ウェブ内に含有させたままの状態で抽出物(例えば、カフェイン、フレーバー、および/またはタバコ抽出物)の放出を可能にする。次いで不織ウェブは、必要に応じて廃棄することができ、生分解させまたはコンポスト化することが可能になる。
【0166】
本明細書の開示の態様は、本開示の単位用量物品を使用して、ヒト皮膚を角質除去する方法を提供する。実施形態では、方法は、単位用量物品とヒト皮膚とを接触させ、次いでヒト皮膚の角質除去をすることを含むことができる。
【0167】
封止パウチ
【0168】
本開示はさらに、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる本開示の水溶性フィルムと、パウチの形をとり水溶性フィルムを包含する本開示による不織ウェブとを含む、単位用量物品を提供する。一部の実施形態では、パウチは、水溶性フィルムおよび不織ウェブを含む積層体を含むことができる。本開示はさらに、本開示の単位用量物品を調製する方法であって、水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成すること;第1の組成物を開放パウチ容積内に添加すること;およびフィルムを封止して第1の内側パウチ容積を形成することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、封止は、ヒートシール、溶媒封止、接着封止、またはこれらの組合せを含む。実施形態では、不織ウェブは、水溶性フィルムをパウチに形成する前に水溶性フィルムに積層される。実施形態では、水溶性フィルムはパウチに形成され、その後、不織ウェブおよび水溶性フィルムを積層する。
【0169】
本明細書に開示される不織ウェブおよび積層体は、水性環境内に放出される第1の組成物を内部に含有するための内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる封止物品を創出するのに有用である。「封止物品」は、例えば区画が気体を放出する固体を包封する実施形態において、ベントホールを有する封止区画を必要に応じて包含し、しかしより一般的には、完全に封止された区画になる。
【0170】
さらに、補助剤をパウチの表面に添加することができる。
【0171】
単位用量物品は、1つまたはそれよりも多くの区画を含む。本明細書に開示される単位用量物品は、不織ウェブの2層および水溶性フィルムの2層または界面で封止された積層体の2層から、または単一の不織ウェブおよび単一の水溶性フィルムまたはそれ自体に折り畳まれ、封止された単一の積層体により、形成することができる。不織ウェブおよび水溶性フィルムまたは積層体は、パウチの少なくとも1つの側壁、必要に応じてパウチ全体、好ましくは少なくとも1つの側壁の外面を形成する。別のタイプの実施形態では、不織ウェブおよび水溶性フィルムまたは積層体は、パケットの内壁を、例えば区画間の分割壁として形成する。不織ウェブおよび水溶性フィルムまたは積層体は、例えば外壁、内壁、および/または区画の蓋として水溶性フィルムと組み合わせて使用することもできる。
【0172】
実施形態では、本開示の単位用量物品は、2つの区画を含むことができる。実施形態では、本開示の単位用量物品は、3つの区画を含むことができる。単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む実施形態では、少なくとも1つの不織ウェブパウチが水溶性ではない。単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む実施形態では、1つの不織ウェブパウチの少なくとも一部分が、MSTM 205により約10℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶である。単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む実施形態では、1つの不織ウェブパウチの少なくとも一部分が、MSTM 205によりMSTM 205により約30℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではない。単位用量物品が少なくとも2つの区画を含む実施形態では、1つの不織ウェブパウチの少なくとも一部分が、MSTM 205により約10℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶であり、1つの不織ウェブパウチの少なくとも一部分は、MSTM 205によりMSTM 205により約30℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではない。
【0173】
パウチ内に含有される組成物は特に限定されず、例えば本明細書に記述される様々な組成物のいずれかを含む。多数の区画を含む実施形態では、各区画は、同一および/または異なる組成物を含有していてもよい。また組成物は、限定するものではないが液体、固体、ゲル、ペースト、展膏剤、圧縮された固形分(錠剤)、およびこれらの組合せ(例えば、液体に懸濁された固体)を含む任意の適切な形をとってもよい。実施形態では、各区画は、同一および/または異なるパーソナルケア組成物を含有していてもよく、例えば単位用量物品は、界面活性剤を含む1つの区画と、酵素を含む異なる区画とを含む。組成物が液体である実施形態では、液体が、フィルムおよび/または積層体により含有される。
【0174】
一部の実施形態では、単位用量物品は多数の区画を含む。多数の区画のアウトレイは特に限定されず、多数の区画は、限定するものではないが、区画がパウチの内部の仕切り壁を共有するようにまたは区画が並ぶように重ね合わせることができる。多重区画パウチの区画は、同じまたは異なるサイズ(複数可)および/または体積(複数可)のものであってもよい。本発明の多重区画パウチの区画は、任意の手法で分離されまたは連結させることができる。実施形態では、第2および/または第3および/または後続の区画が第1の区画上に重ね合わせられる。一実施形態では、第3の区画は第2の区画上に重ね合わせてもよく、さらにサンドイッチ構成として第1の区画に重ね合わせられる。あるいは、第2および第3の区画は第1の区画に重ね合わせられてもよい。しかしながら、第1、第2、および/または第3、および/または後続の区画は並んで配向されまたは同心状に配向されることも等しく考えられる。区画は、一連にパックされてもよく、各区画は切取り線によって個々に分離可能である。したがって各区画は個々に、エンドユーザーによって一連の残りのものから切り離されてもよい。一部の実施形態では、第1の区画は、少なくとも第2の区画によって取り囲まれてもよく、例えばタイヤ・リム構成またはパウチ・イン・パウチ構成にある。実施形態では、単位用量物品は、内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる、水溶性フィルムおよび不織ウェブの1つまたはそれよりも多くを含む第2の区画を含む。実施形態では、単位用量物品は、内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムの1つまたはそれよりも多くを含む第3の区画を含む。実施形態では、少なくとも1つの区画は、水溶性ではない不織ウェブによって形成される。実施形態では、少なくとも1つの区画は、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶な不織ウェブによって形成される。実施形態では、少なくとも1つの区画は不織ウェブによって形成され、不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205による20℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではない。実施形態では、少なくとも1つの区画は、積層体の形をとる不織ウェブおよび水溶性フィルムによって形成される。実施形態では、単位用量物品は、並んだ構成で提供される2つの区画を含む。実施形態では、単位用量物品は、重ね合わせられた2つの区画を含む。実施形態では、単位用量物品は、
図4に見られるように、重ね合わせられた3つの区画を含む。
図4は、重ね合わせられた単位用量物品1を示し、区画3および4は並んだ構成で提供され、区画2に重ね合わせられる。
【0175】
区画の幾何形状は、同じであっても異なっていてもよい。実施形態では、必要に応じて第3および後続の区画のそれぞれが、第1および第2の区画と比較して異なる幾何形状および形状を有する。これらの実施形態では、必要に応じて第3および後続の区画は、第1または第2の区画上にデザイン化されて配置構成される。デザインは、装飾的、教育的、または図式的であってもよく、例えば概念または命令を示すように、および/または製品の由来を示すように使用されてもよい。
【0176】
単位用量物品を作製する方法
【0177】
パウチおよびパケットを含む単位用量物品は、任意の適切な設備および方法を使用して作製されてもよい。例えば、単一区画パウチは、当技術分野で一般に公知の垂直形態充填、水平形態充填、または回転ドラム充填技法を使用して作製されてもよい。そのようなプロセスは、連続的または断続的のいずれかであってもよい。層状化不織ウェブ、フィルム、または積層体構造は、その展性を増大させるように、湿らせてもよくおよび/または加熱してもよい。方法は、層状化不織ウェブ、フィルム、または積層体構造を適切な金型に引き出すように真空の使用を含んでもよい。不織ウェブ、フィルム、または積層体を金型に引き出す真空は、層状化不織ウェブ、フィルム、または積層体構造が表面の水平部分にあるときに、約0.2から約5秒、または約0.3から約3、または約0.5から約1.5秒間、印加することができる。この真空は、例えば10mbarから1000mbarの範囲、または100mbarから600mbarの範囲の圧力下を提供するようにすることができる。
【0178】
本開示はさらに、本開示の単位用量物品を調製する方法であって、水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成すること;第1の組成物を開放パウチ容積内に添加すること;およびフィルムを封止して、第1の内側パウチ容積を形成することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、封止は、ヒートシール、溶媒封止、接着封止、またはこれらの組合せを含む。実施形態では、水溶性フィルムの、開放パウチ容積を画定する開放パウチへの形成は、水溶性フィルムおよび不織ウェブの共熱形成を含み、したがって水溶性フィルムおよび不織ウェブはパウチ形成中に積層体を形成するようになる。実施形態では、水溶性フィルムおよび不織ウェブを積層し、その後、水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成する。実施形態では、フィルムを封止して第1の内側パウチ容積を形成することは、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブを、開放しているパウチの部分上に位置決めすること、ならびに第2の水溶性フィルムおよび不織ウェブを、開放パウチの形をとる水溶性フィルムに封止することを含み、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブは、第2の水溶性フィルムが開放パウチ容積に隣接するように、および第2の水溶性フィルムがパウチの外面を形成するように構成される。
【0179】
内部でパケットが作製され得る金型は、パウチの必要とされる寸法に応じて任意の形状、長さ、幅、および深さを有することができる。金型は、サイズおよび形状が、必要に応じて1つずつ変化してもよい。例えば最終パウチの容積は、約5mlから約300ml、または約10mlから150ml、または約20mlから約100mlであってもよく、金型サイズは相応に調節される。
【0180】
熱形成
【0181】
熱形成可能な不織ウェブ、フィルム、または積層体は、熱および力を加えることによって成形できるものである。不織ウェブ、フィルム、または積層体構造の熱形成は、不織ウェブ、フィルム、または積層体構造を加熱し、それを成形し(例えば、金型で)、次いで得られた不織ウェブ、フィルム、または積層体を冷まし、それによって不織ウェブ、フィルム、または積層体をその形状で、例えば金型の形状に保持することになるプロセスである。熱は、任意の適切な手段を使用して加えられてもよい。例えば、不織ウェブ、フィルム、または積層体は、表面に供給する前にまたは表面に置いた後に、加熱素子の下に通してまたは温風に通して直接加熱されてもよい。あるいは、例えば表面を加熱することによってまたは高温物品を不織ウェブ、フィルム、または積層体上に付着させることによって、間接的に加熱してもよい。実施形態では、不織ウェブ、フィルム、または積層体は、赤外線を使用して加熱される。不織ウェブ、フィルム、または積層体は、約50から約150℃、約50から約120℃、約60から約130℃、約70から約120℃、または約60から約90℃の範囲の温度に加熱されてもよい。熱形成は、下記のプロセス:熱により軟化した不織ウェブ、フィルム、または積層体の、金型上での手作業によるドレーピング、または軟化した不織ウェブ、フィルム、または積層体の、金型に対する圧力で誘発された成形(例えば、真空形成)、または形成およびトリミングステーション内への、正確にわかっている温度を有する新たに押し出されたシートの自動高速インデックス作成、または不織ウェブ、フィルム、または積層体の自動配置、プラグ、および/または空気圧延伸、および加圧形成の、いずれか1つまたはそれよりも多くによって行うことができる。
【0182】
あるいは、不織ウェブ、フィルム、または積層体は、任意の適切な手段によって、例えば、表面に供給する前にまたは表面に置いた後、湿潤剤(水、ポリマー組成物、不織ウェブ、フィルム、もしくは積層体組成物の可塑剤、または前述の任意の組合せ)を不織ウェブ、フィルム、または積層体に噴霧することによって直接、あるいは表面を濡らすことによってまたは不織ウェブ、フィルム、もしくは積層体上に濡れた物品を付着させることによって間接的に、濡らすことができる。
【0183】
不織ウェブ、フィルム、または積層体が加熱されおよび/または濡れた後、それを適切な金型内に、好ましくは真空を使用して引き出してもよい。成型された不織ウェブ、フィルム、または積層体の充填は、任意の適切な手段を利用することによって実現することができる。実施形態では、最も好ましい方法は、生成物の形態および必要とされる充填速度に依存することになる。実施形態では、成型された不織ウェブ、フィルム、または積層体は、インライン式充填技法により充填される。次いで、第2の不織ウェブ、フィルム、または積層体を使用して、任意の適切な方法により、充填された開放パケットを閉じてパウチを形成する。これは水平位置にある間に、連続的な一定の運動で実現されてもよい。閉鎖は、第2の不織ウェブ、フィルム、または積層体を、開放パケット上に通してまたは開放パケット上に連続的に供給し、次いで第1および第2の不織ウェブ、フィルム、または積層体を、典型的には金型間の領域で、したがってパケット間の領域で一緒に封止することによって実現されてもよい。
【0184】
封止
【0185】
パケットおよび/またはその個々の区画を封止する任意の適切な方法が、利用されてもよい。そのような手段の非限定的な例には、ヒートシール、溶媒溶着、溶媒または湿式封止、およびこれらの組合せが含まれる。典型的には、封止を形成するための領域のみが、熱または溶媒で処理される。熱または溶媒は、任意の方法によって、典型的には閉鎖材料上に、および典型的には封止を形成するための領域上にのみ加えることができる。溶媒または湿式封止または溶着が使用される場合、熱も加えられることが好ましいと考えられる。好ましい湿式または溶媒封止/溶着方法は、金型間の領域または閉鎖材料上に、例えばこれらの領域に噴霧または印刷することにより溶媒を選択的に付着させること、次いで圧力をこれらの領域に加えて、封止を形成することを含む。封止ロールおよびベルト(必要に応じて熱も提供する)を、例えば使用することができる。
【0186】
実施形態では、内側不織ウェブ、フィルム、または積層体は、外側不織ウェブ(複数可)、フィルム(複数可)、または積層体(複数可)に、溶媒封止によって封止される。封止溶液は一般に、水性溶液である。実施形態では、封止溶液は水を含む。実施形態では、封止溶液は水を含み、さらに1つまたはそれよりも多くのジオールおよび/またはグリコール、例えば1,2-エタンジオール(エチレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール(テトラメチレングリコール)、1,5-パンタンジオール(ペンタメチレングリコール)、1,6-ヘキサンジオール(ヘキサメチレングリコール)、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、様々なポリエチレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール)、およびこれらの組合せを含む。実施形態では、封止溶液は、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマール、マルチトール、ラクチトールを含む。実施形態では、封止溶液は水溶性ポリマーを含む。
【0187】
封止溶液は、内側不織ウェブ、フィルム、または積層体の界面領域に、内側および外側不織ウェブまたは積層体を接着させるのに適切な任意の量で付着させることができる。本明細書で使用される場合、「コーティング重量」という用語は、不織ウェブ、フィルム、または積層体の平方メートル当たりの、グラムを単位とした不織ウェブ、フィルム、または積層体に付着される封止溶液の量を指す。一般に、封止溶媒のコーティング重量が低過ぎると、不織ウェブ、フィルム、または積層体は適切に接着せず、継ぎ目が増加するにつれてパウチが壊れるリスクがある。さらに、封止溶媒のコーティング重量が高過ぎると、溶媒が界面領域から移行するリスクが増し、パウチの側面を含む任意のフィルムにエッチングホールが形成される可能性が増大する。コーティング重量の窓は、良好な接着とエッチングホールの形成の回避との両方を維持しつつ、所与のフィルムまたは積層体に付着することができるコーティング重量の範囲を指す。広範なコーティング重量窓は、広範な操作の下でより広い窓が堅牢な封止をもたらすので、望ましい。適切なコーティング重量窓は、少なくとも約3g/m2、または少なくとも約4g/m2、または少なくとも約5g/m2、または少なくとも約6g/m2である。
【0188】
実施形態では、封止物品を形成するためのパウチの封止は、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブを、開放されたパウチの部分に位置決めすること、および第2の水溶性フィルムおよび不織ウェブを、パウチの形で水溶性フィルムに封止することを含む。実施形態では、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブは、第2の水溶性フィルムが内側パウチ容積に隣接するように、および第2の水溶性フィルムがパウチの外面を形成するように構成される。
【0189】
単位用量物品の切断
【0190】
形成されたパウチは、切断デバイスにより切断されてもよい。切断は、任意の公知の方法を使用して実現することができる。切断は、連続的に、好ましくは一定の速度でおよび好ましくは水平位置にある間に行われることも好ましいと考えられる。切断デバイスは、例えば、鋭利な物品、またはレーザーとすることができ、それによって、後者の場合には高温物品またはレーザーが、フィルム/封止領域を「焼き切る」。
【0191】
多重区画単位用量物品の形成および充填
【0192】
パウチを含む多重区画単位用量物品の種々の区画は、並んだ形でまたは同心状の形で一緒に作製されてもよく、得られた連結パウチは、切断によって切り離されてもそうでなくてもよい。あるいは区画は、個別に作製することができる。
【0193】
実施形態では、パウチは:a)第1の区画を形成するステップ(上述のように);b)ステップ(a)で形成された閉鎖型区画の内部または全てにリセス部を形成して、第1の区画の上方に重ねられた第2の成型区画を作成するステップ;c)第3の不織ウェブ、積層体、またはフィルムを用いて、第2の区画に充填し閉鎖するステップ;d)第1、第2、および第3の不織ウェブ、積層体、またはフィルムを封止するステップ;およびe)不織ウェブ、フィルム、または積層体を切断して、多重区画パウチを生成するステップを含むプロセスにより作製されてもよい。ステップ(b)で形成されたリセス部は、ステップ(a)で調製された区画に真空をかけることによって実現されてもよい。
【0194】
実施形態では、第2および/または第3の区画(複数可)は個別のステップで作製することができ、次いで第1の区画と、欧州特許出願第08101442.5号または米国特許出願公開第2013/240388(A1)号またはWO 2009/152031に記載されるように組み合わせることができる。
【0195】
実施形態では、パウチは:a)第1の区画を、必要に応じて熱および/または真空を使用して、第1の不織ウェブ、フィルム、または積層体を使用して、第1の形成機で形成するステップ;b)第1の区画に第1の組成物を充填するステップ;c)必要に応じて第2の区画に第2の組成物を充填するステップ;d)第1および必要に応じて第2の区画を、第2の不織ウェブ、フィルム、または積層体で封止し、または第1の不織ウェブまたは積層体に積層するステップ;およびe)不織ウェブまたは積層体を切断して、多重区画パウチを生成するステップを含むプロセスにより作製されてもよい。
【0196】
実施形態では、パウチは:a)第1の区画を、必要に応じて熱および/または真空を使用して、第1の不織ウェブ、フィルム、または積層体を使用して第1の形成機で形成するステップ;b)第1の区画に第1の組成物を充填するステップ;c)第2の形成機で、第2の不織ウェブ、フィルム、または積層体を、必要に応じて熱および真空を使用して変形させて、第2のおよび必要に応じて第3の成型区画を作製するステップ;d)第2のおよび必要に応じて第3の区画を充填するステップ;e)第2のおよび必要に応じて第3の区画を、第3の不織ウェブ、フィルム、または積層体を使用して封止するステップ;f)封止された第2のおよび必要に応じて第3の区画を、第1の区画上に配置するステップ;g)第1、第2、および必要に応じて第3の区画を封止するステップ;およびh)不織ウェブ、フィルム、または積層体を切断して、多重区画パウチを生成するステップを含むプロセスにより作製されてもよい。
【0197】
第1および第2の形成機は、上記プロセスを行うために、その適切さに基づいて選択されてもよい。実施形態では、第1の形成機は、好ましくは水平形成機であり、第2の形成機は、好ましくは第1の形成機の上方に位置付けられた、好ましくは回転ドラム形成機である。
【0198】
適切な供給ステーションを使用することにより、いくつかの異なるまたは区別される組成物および/または異なるまたは区別される液体、ゲル、もしくはペースト組成物を組み込んだ多重区画パウチを製造することが可能であり得ることを理解すべきである。
【0199】
実施形態では、不織ウェブ、フィルム、または積層体、および/またはパウチには、適切な材料、例えば活性剤、潤滑剤、嫌悪剤、またはこれらの混合物が噴霧されまたは振りかけられる。実施形態では、不織ウェブ、フィルム、または積層体、および/またはパウチには、例えばインクおよび/または活性剤で印刷される。
【0200】
垂直形態、充填、および封止
【0201】
実施形態では、本開示の不織ウェブ、フィルム、または積層体は、封止物品に形成することができる。実施形態では、封止物品は、垂直形態で充填され封止された物品である。垂直形態、充填、および封止(VFFS)プロセスは、従来の自動化プロセスである。VFFSは、垂直に向いた供給管の周りを不織ウェブ、フィルム、または積層体の単一片で包むアセンブリ機などの装置を含む。機械は、不織ウェブ、フィルム、または積層体の対向する縁部を一緒にヒートシールしまたはその他の手段で固定して、不織ウェブ、フィルム、または積層体のサイドシールを創出しまたは中空管を形成する。その後、機械は、底部封止をヒートシールしまたはその他の手法で創出し、それによって開放トップを持つ容器部分を画定し、トップシールは後で形成されることになる。機械は、指定量の易流動性生成物を、開放トップエンドを経て容器部分に導入する。容器が所望の量の生成物を含んだら、機械は不織ウェブ、フィルム、または積層体を別のヒートシールデバイスまで前進させて、例えばトップシールを創出する。最後に、機械は不織ウェブ、フィルム、または積層体をカッターまで前進させ、トップシールの直上でフィルムを切断して、充填パッケージを提供する。
【0202】
操作中、アセンブリ機は不織ウェブ、フィルム、または積層体をロールから前進させて、パッケージを形成する。したがって、不織ウェブ、フィルム、または積層体は、機械を通して容易に前進することができなければならず、機械アセンブリに接着してはならずまたは加工中に破壊されるほど脆弱であってはならない。
【0203】
パウチの内容物
【0204】
任意の実施形態で、パウチは第1の組成物を、パウチの画定された第1の内側容積に含有する(包封する)ことができる。第1の組成物は、液体、固体、またはこれらの組合せから選択することができる。実施形態では、第1の組成物は、液体、固体、またはこれらの組合せを含み、水溶性フィルムは、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、不織ウェブは、水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、第1の組成物は、水溶性フィルムにより含有される。実施形態では、第1の組成物は水溶性フィルムにより含有され、第2の組成物は、水溶性フィルムのパウチと不織ウェブのパウチとの間の第2の内側パウチ容積内に配置される。実施形態では、第2の組成物は液体であり、第2の組成物は、水溶性フィルムのパウチと不織ウェブパウチとの間の第2の内側パウチ容積内に配置され、不織ウェブは、非多孔質不織ウェブまたは積層体とすることができる。第2の組成物が固体であり第2の組成物が水溶性フィルムパウチと不織ウェブパウチとの間に配置される実施形態では、不織ウェブは、多孔質不織ウェブとすることができる。不織ウェブパウチが多孔質である実施形態では、多孔質不織ウェブは、多孔度試験法により約20%から約95%、または約30%から約90%、または約40%から約80%、の多孔度を有することができる。
【0205】
実施形態では、本開示の封止単位用量物品は、第1の内側パウチ容積、第2の内側パウチ容積、または両方に、第1の組成物および/または第2の組成物を包封することができる。本開示の第1および/または第2の組成物は、特に限定されず、例えばパーソナルケア組成物、食器洗浄組成物、自動車用組成物、農業用組成物、食用組成物、および/または表面洗浄組成物である。一般に、本開示の第1および/または第2の組成物は、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、肥料、摂取可能な組成物、またはこれらの組合せを含むことができる。実施形態では、第1および/または第2の組成物は、パーソナルケア組成物を含む。パーソナルケア組成物は、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ボディオイル、フレグランス、ヘアトリートメント、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、バスソルト、エッセンシャルオイル、バスボム、酵素、またはこれらの組合せを含むことができる。
【0206】
さらなる実施形態では、パーソナルケア組成物は、不織パウチ内に分散された複数の繊維の部分として提供され、不織パウチの面上に提供され、またはこれらの組合せとすることができる。
【0207】
本明細書で使用される場合、「液体」は、自由に流れる流体、ならびにペースト、ゲル、フォーム、およびムースを含む。
【0208】
本開示の単位用量物品および/または不織布は、有利には、水と接触した後に、単位用量物品および/または不織布中に含有される組成物の放出を延ばすことができる。単位用量物品および/または不織布内に含有される組成物の長期放出は、例えば単位用量物品および/または不織布により含有されるボディウォッシュ組成物と共に単位用量物品および/または不織布を使用するシャワーにおいて、単位用量物品および/または不織布の使用者が組成物の遅い放出を望むことができるので、有利とすることができる。組成物の長期放出により、使用者は改善された経験をすることが可能になり、例えばシャワーでは、起泡し、適正に皮膚/毛髪を清浄化するのに十分長く滞留することなく素早く濯ぐ伝統的なバルク状液体ボディウォッシュ、シャンプー、またはコンディショナーとは異なって、単位用量物品および/または不織布は、起泡、洗浄性、ならびに汚れ、油、およびその他の外来の望ましくない材料を皮膚または毛髪から除去する石鹸の永続性を提供することが可能になる。本開示の単位用量物品および/または不織布は、バルク液体などの伝統的なパーソナルケア製品送達システムとは異なって、使用者に長期間にわたり組成物を提供する。そのような改善された使用者の経験は、ポッドが破裂するや否や石鹸は自由に濯ぎ落とされるので、単にバルク石鹸を従来の水溶性単位用量ポッドに提供することによって提供することができない。対照的に、本開示の単位用量物品および/または不織布では、起泡作用、洗浄性、および石鹸は、物品が溶解しなくなるまで長きにわたり永続することができ、消費者はより完全に皮膚または毛髪を単回用量の洗浄剤で清浄化することができる。
【0209】
実施形態では、単位用量物品および/または不織布内の第1および/または第2の組成物は、単位用量物品および/または不織布が水溶性フィルムおよび不織ウェブを含むとき、水との接触後に単位用量物品および/または不織布からの長期放出を有することができ、この水溶性フィルムは、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶であり、不織ウェブの少なくとも一部は、MSTM 205により20℃未満の温度の水に可溶ではない。実施形態では、単位用量物品および/または不織布内の第1および/または第2の組成物は、単位用量物品および/または不織布が水溶性フィルムおよび不織ウェブを有するとき、水との接触後、単位用量物品および/または不織布からの長期放出を有することができ、この水溶性フィルムは、MSTM 205により20℃未満の温度の水に可溶ではなく、不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により20℃未満の温度の水に可溶ではない。実施形態では、単位用量物品および/または不織布内の第1および/または第2の組成物は、単位用量物品および/または不織布が水溶性フィルムおよび不織ウェブを含むとき、水との接触後、単位用量物品および/または不織布からの長期放出を有することができ、この水溶性フィルムは、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶であり、不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶である。実施形態では、単位用量物品および/または不織布内の第1および/または第2の組成物は、単位用量物品および/または不織布が水溶性フィルムおよび不織ウェブを含むとき、水との接触後、単位用量物品および/または不織布からの長期放出を有することができ、この水溶性フィルムは、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶であり、不織ウェブの少なくとも一部分は、水溶性および/または生分解性ではない。実施形態では、単位用量物品および/または不織布内の第1および/または第2の組成物は、単位用量物品および/または不織ウェブが水溶性フィルムおよび不織ウェブを含むとき、水との接触後、単位用量物品からの長期放出を有することができ、この水溶性フィルムは、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度の水に可溶ではなく、不織ウェブの少なくとも一部分は、水溶性および/または生分解性ではない。前述の実施形態の改良例では、水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層される。
【0210】
実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約30秒の期間にわたる20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延長させる。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約30秒の期間にわたり第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約1分の期間にわたり、20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延ばす。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約1分の期間にわたり第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、液体放出試験により、少なくとも約1分間、単位用量物品および/または不織布が第1の組成物を放出し始めないとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約2分の期間にわたる20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水との接触後、第1の組成物の放出を延ばす。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約2分の期間にわたり第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、液体放出試験により、少なくとも約2分間、単位用量物品および/または不織布が第1の組成物を放出し始めないとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約3分の期間にわたる20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水と接触後、第1の組成物の放出を延ばす。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約3分の期間にわたり第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、単位用量物品および/または不織布が液体放出試験により、少なくとも約3分間、第1の組成物を放出し始めないとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約4分の期間にわたり20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水に接触した後、第1の組成物の放出を延ばす。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約4分の期間にわたり、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、単位用量物品および/または不織布が液体放出試験により少なくとも約4分間、第1の組成物を放出し始めないとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約5分の期間にわたり20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水に接触後、第1の組成物の放出を延ばす。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約5分の期間にわたり、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、単位用量物品および/または不織布が、液体放出試験により少なくとも約5分間、第1の組成物を放出し始めないとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法A、長期放出試験法B、または長期放出試験法Cにより、約10分の期間にわたり、20℃よりも高く約45℃までの範囲の温度の水と接触後、第1の組成物の放出を延ばす。前述の実施形態の改良例では、単位用量物品および/または不織布は、長期放出試験法Aにより、約10分の期間にわたり第1の組成物の放出を延ばす。実施形態では、単位用量物品および/または不織布は、単位用量物品および/または不織布が、液体放出試験により少なくとも約10分間、第1の組成物を放出し始めないとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態において、単位用量物品および/または不織布の第1の区画は、単位用量物品が、パウチの形をとる水溶性フィルムを含むがパウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、最小で約1.3×(1.3倍)長い液体放出試験により決定された液体放出時間を有するとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態において、単位用量物品および/または不織布の第1の区画は、単位用量物品が、パウチの形をとる水溶性フィルムを含むがパウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、最小で約1.4×(1.4倍)長い液体放出試験により決定された液体放出時間を有するとき、第1の組成物の放出を延ばす。実施形態において、単位用量物品および/または不織布の第1の区画は、単位用量物品が、パウチの形をとる水溶性フィルムを含むがパウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、最小で約2×(2倍)長い液体放出試験により決定された液体放出時間を有するとき、第1の組成物の放出を延ばす。
【0211】
さらに本明細書では、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる本開示の水溶性フィルムであって、水溶性樹脂がポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルアルコールコポリマーの混合物を含む水溶性フィルムと;パウチの形をとる水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、加水分解度が約75%から約91%のポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料を含む第1の繊維タイプと、非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプとを含む複数の繊維を含む不織ウェブとを含む区画を含み、水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層体の形をとり;パーソナルケア組成物が第1の内側パウチ容積内に配置される、単位用量物品が提供される。
【0212】
さらに本明細書では、第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる本開示の水溶性フィルムであって、水溶性樹脂を含み、水溶性樹脂はポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーおよびポリビニルアルコールコポリマーの混合物を含む、水溶性フィルムと;パウチの形をとる水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、加水分解度が約92%から約99.9%であるポリビニルアルコールホモポリマーを含む第1の繊維タイプと、非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプとを含む複数の繊維を含む不織ウェブとを含む、2つまたはそれよりも多くの区画を含み、水溶性フィルムおよび不織ウェブが積層体の形をとり;パーソナルケア組成物が第1のパウチ容積内に配置され、パーソナルケア組成物が界面活性剤を含む、単位用量物品が提供される。
【0213】
特に企図される非限定的な実施形態は以下の表に提示され、「MA PVOH」は、アクリル酸メチルポリビニルアルコールコポリマーを指し、「MMM PVOH」は、モノメチルマレエートポリビニルアルコールコポリマーを指し、「PET」は、ポリエチレンテレフタレートを指し、「PLA」は、ポリ乳酸を指し、「DL」は、積層度を指し、粘度および加水分解度(DH)により特定される残りの組成物は、ポリビニルアルコールホモポリマーである。
【表1A-1】
【表1A-2】
溶解時間および崩壊時間-MSTM-205
【0214】
不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体構造は、当技術分野で公知の方法であるMonoSol試験法205(MSTM 205)に従い、溶解時間および崩壊時間によって特徴付けることができまたはそれらに関して試験することができる。例えば、米国特許第7,022,656号を参照されたい。以下に提示される記述は不織ウェブを指すが、水溶性フィルムまたは積層体構造に等しく適用可能である。
装置および方法:
600mLビーカー
磁気撹拌子(LablineモデルNo.1250または均等物)
磁気撹拌棒(5cm)
温度計(0から100℃±1℃)
テンプレート、ステンレス鋼(3.8cm×3.2cm)
タイマー(0~300秒、秒単位で正確)
Polaroid 35mmスライドマウント(または均等物)
MonoSol 35mmスライドマウントホルダー(または均等物)
蒸留水
【0215】
試験がなされる各不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体構造ごとに、3.8cm×3.2cmの試験片である3つの試験片を不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体構造試料から切断する。試験片は、ウェブの横方向に沿って均等に間隔を空けて配置されたウェブの領域から切断されるべきである。次いで各試験片を、以下の手順を使用して分析した。
【0216】
各試験片を、個別の35mmスライドマウントに固定する。
【0217】
ビーカーに500mLの蒸留水を満たす。温度計で水温を測定し、必要に応じて水を加熱しまたは冷やして、溶解が決定される温度、例えば20℃(約68°F)の温度を維持する。
【0218】
水柱の高さをマークする。磁気撹拌子をホルダーの基部に置く。ビーカーを磁気撹拌子上に置き、磁気撹拌棒をビーカーに加え、撹拌子を回し、水柱の高さの約5分の1で渦流が生じるまで、撹拌速度を調節する。渦流の深さをマークする。
【0219】
35mmのスライドマウントを、35mmのスライドマウントホルダーのアリゲータークランプに固定し、スライドマウントの長辺が水面と平行になるようにする。ホルダーの深さ調節機は、降下したときにクランプの端部が水の表面から0.6cm下になるように設定すべきである。スライドマウントの短片の1つは、ビーカーの側面に隣接すべきであり、他方は撹拌棒の中心の直上に直接位置決めされて、不織ウェブの表面が水の流れに直交するようになる。
【0220】
1回の動作で、固定されたスライドおよびクランプを水中に落とし、タイマーを始動させる。不織ウェブが裂かれると崩壊が生じる。目に見える全ての不織ウェブがスライドマウントから放出されると、スライドは水の中から上昇し、その間、溶解していない不織ウェブの断片に関して溶液をモニターし続ける。溶解は、全ての不織ウェブ断片がもはや見えなくなり、溶液が透明になるときに生じる。
【0221】
結果は、下記を含むべきである:完全な試料の同定;個々のおよび平均の崩壊および溶解時間;ならびに試料が試験される水温。
【0222】
単繊維溶解度を決定するための方法
単繊維の溶解度は、水切れ温度により特徴付けられる。繊維破壊温度は下記のように決定することができる。2mg/dtexの負荷を、固定長100mmの繊維にかける。水温は1.5℃で開始し、次いで1.5℃ずつ、2分ごとに、繊維が破壊されるまで上昇させる。繊維が破壊される温度を、水切れ温度と呼ぶ。
【0223】
単繊維の溶解度は、完全溶解の温度によっても特徴付けることができる。完全溶解の温度は下記の通り決定することができる。固定長が2mmの繊維0.2gを、水100mLに添加する。水温は1.5℃で開始し、次いで1.5℃ずつ、繊維が完全に溶解するまで2分ごとに上昇させる。試料を各温度で撹拌する。繊維が完全に溶解する温度は、完全溶解温度と示される。
【0224】
直径試験法
個別の繊維または不織ウェブ内の繊維の直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)または光学顕微鏡および画像解析ソフトウェアを使用することにより決定される。測定のため繊維が適切に拡大されるように、200から10,000倍の倍率が選択される。SEMを使用するとき、試料に金またはパラジウム化合物をスパッタリングして、電子ビームにおける繊維の帯電および振動を回避する。繊維直径を決定するための手動手順は、SEMまたは光学顕微鏡で撮影された画像(モニタースクリーン上)から使用される。マウスおよびカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維の縁部を探索し、次いで繊維の他方の縁部に対してその幅の両端(即ち、その点での繊維方向に直交する)を測定する。スケーリングおよび較正画像解析ツールは、ミクロン単位での実際の読取りを得るためのスケーリングを提供する。不織ウェブ内の繊維では、SEMまたは光学顕微鏡を使用して、不織ウェブの試料全体にわたりいくつかの繊維がランダムに選択される。不織ウェブの少なくとも2つの部分で、材料が切断され、この手法で試験される。完全に、少なくとも100回のそのような測定がなされ、次いで全てのデータを統計分析用に記録する。記録されたデータを使用して、繊維の平均(average)(平均(mean))、繊維の標準偏差、およびメジアン繊維直径を計算する。
【0225】
引張り強さ、モジュラス、および伸長試験
引張り強さ(TS)試験による引張り強さ、モジュラス(MOD)試験によるモジュラス(または引張り応力)、および伸長試験による伸びによって特徴付けられるまたはこれらに関して試験される、不織ウェブ、水溶性フィルム、または積層体構造は、以下の通り分析される。以下に提供される記述は不織ウェブを指すが、水溶性フィルムまたは積層体構造に等しく適用可能である。手順は、ASTM D 882(「薄いプラスチックシート形成の引張り特性に関する標準試験法」)または均等物による10%の伸び率での、引張り強さの決定とモジュラスの決定とを含む。INSTRON引張り試験装置(モデル5544引張り試験機または均等物)を使用して、不織ウェブデータを収集する。寸法安定性および再現性を確実にするためにそれぞれ信頼性ある切断ツールで切断された最小限で3つの試験片を、測定ごとに機械の流れ方向(MD)(適用可能な場合)で試験した。試験を、23±2.0℃および35±5%の相対湿度の標準的な実験室雰囲気で実行した。引張り強さまたはモジュラスの決定では、不織ウェブの1”幅(2.54cm)の試料が調製される。次いで試料を、INSTRON引張り試験機に移送して、35%の相対湿度環境への曝露を最小限に抑えながら試験を進める。引張り試験機は、500Nの負荷セルを備えたものを製造業者取扱説明書に従い準備し、較正した。正しいグリップおよび面が適合される(モデル番号2702-032の面を有するINSTRONグリップであり、ゴムでコーティングされ、25mm幅であり、またはその均等物である)。試料を引張り試験機内に載置し、分析して、100%モジュラス(即ち、100%のフィルムの伸び率を実現するのに必要な応力)、引張り強さ(即ち、フィルムを破壊するのに必要とされる応力)、および伸び率%(初期試料の長さに対する破断点での試料の長さ)を決定する。一般に、試料の伸び率%が高くなるにつれ、不織ウェブの加工性の特性はより良好になる(例えば、パケットまたはパウチへの形成性が増大する)。
【0226】
坪量の決定
坪量は、ASTM D3776/D3776M-09a(2017)に従い決定される。簡単に言うと、少なくとも130cm2の面積を有する試験片、または試料の種々の場所から得られ、少なくとも130cm2の総面積を有するいくつかのより小さいダイカット試験片を、切断する。試験片(複数可)を計量して、分解能が±0.001gのトップローディング分析天秤で質量を決定する。天秤を、ドラフトシールドを使用して気流およびその他の妨害から保護する。布帛の試験片を一緒に計量してもよい。質量を、平方ヤード当たりのオンス、線ヤード当たりのオンス、ポンドあたりの線ヤード、または平方メートル当たりのグラムとして、3桁の有効数字として計算する。
【0227】
前述の記述は、単に理解を明瞭にするために与えられ、本発明の範囲内の修正例が当業者に明らかにされ得るようにそこから不必要な限定が理解されるものではない。
【0228】
本明細書に引用される全ての特許、刊行物、および参考文献は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。本開示と組み込まれた特許、刊行物、および参考文献との間に矛盾がある場合、本開示を優先すべきである。
【0229】
長期放出試験法A
伝導率の測定:単位用量物品をワイヤーケージに入れ、ビーカー内の指定時間および指定温度の水(撹拌されたまたは撹拌されていない)に浸漬する。単位用量物品が水に浸漬されるときの時間を記録する。水の伝導率は、単位用量物品が浸漬されている間、常にモニターされている。組成物が単位用量物品から放出されるにつれ、水の伝導率は常に変化していることになる。水の伝導率が平坦に達したら、時間を記録する。初期単位用量物品の浸漬から伝導率平坦化の開始までに要する時間は、単位用量物品および組成物が溶解し始め、全ての可能性ある溶解が生じたことにより溶解が停止する終点に達するのに要する時間にそれぞれ相関する。伝導率変化のこの平坦部に達するまでのより長い時間は、そのような平坦部に達する時間がより短い単位用量物品と比較して、長期放出する単位用量物品を示す可能性がある。この方法における伝導率の個々のレベルは、伝導率が単位用量物品に含有される成分およびその内部の組成物の影響を受けることになるので、長期放出の任意の有意な因子を必ずしも示さない。
【0230】
長期放出試験法B
単位用量破裂後の重量損失:単位用量物品をワイヤーケージに入れ、ビーカー内の指定体積および指定温度の水(撹拌されたまたは撹拌されていない)に浸漬する。単位用量物品が水に浸漬されるときの時間を記録する。最初に観察される、物品からの、含有される組成物の漏出に要する時間を再び記録する。この時点で、タイマーを開始させ、物品を含有するケージを水から取り出し、ビーカーの上方に吊るし、組成物を放出させ、下の水の中に落とす。ケージは、圧力計に吊るすことができ、ケージおよび物品の重量を測定して、経時的な組成物損失に起因する物品の重量損失を決定する。この測定は、特定の量の重量を物品が失うのに要する時間が記録されるように実施され(例えば、物品に含有される組成物の公知の量の50%などのパーセンテージ)、あるいは物品が、2分などの特定の時間の長さでどの程度の重量を失ったかを記録するように実施される。
【0231】
長期放出試験法C
修正液体放出時間目視観察:単位用量物品をワイヤーケージに入れ、ビーカー内の指定体積および指定温度の水(撹拌されたまたは撹拌されていない)に浸漬する。単位用量物品が水に浸漬されるときの時間を記録する。最初に観察される、含有される組成物が物品から漏出するのに要する時間を記録する。組成物の全体が放出されるのに要する時間も記録する。
【0232】
多孔度試験法
特定の不織布の多孔度を決定する方法は、液体飽和法を利用し、以下のように行われる:1インチ×1インチの試験片を不織ウェブから切断する。試験片の質量を、分析天秤を使用して決定し、記録する。試験片を、不織試験片中の繊維を膨潤させずまたは溶解させない液体に浸漬する。次いで浸漬した不織試験片と共に液体試料を、5分間超音波処理して、不織試験片の全ての利用可能な空隙全体にわたる液体の完全な浸透を確実にした。5分後、液体試料を超音波処理機から取り出し、不織試料をピンセットで液体から取り出し、干して乾燥させた(ここで時間は、確認する必要がある)。干して完全に乾かした後、過剰な表面液体を除去するために不織表面をchemwipeで軽く叩いた。不織試験片の塊からの液体を吸収しないように注意を払わねばならず、したがって、各面を非常に軽く叩くだけで十分である。終了したら、試験片の質量をもう一度決定し、記録し、初期および最終質量の間の差、即ち吸収された液体の質量を計算する。この質量から、および液体の公知の密度を使用して、吸収された液体の体積を計算する(LV)。不織布の初期質量およびその公知の密度を使用して、不織布の非空隙容積を計算する(NV)。2つの計算された体積値を使用して、不織布の多孔度パーセントを、下記の方程式:
多孔度(%)=[LV/(LV+NV)]×100
を介して決定する。
【0233】
軟らかさのランク付け
本開示の不織ウェブ、積層体、またはパウチの手触りは、試料の柔らかさに関係し、相対試験法を使用して評価することができる。軟らかさの評価を実施する試験機は、個人が選択するどのような手法または方法においても、試料を触る清潔な手を使用して、本開示の不織ウェブおよび物品の軟らかさのランクを決定するが、このとき、加水分解度が88%のポリビニルアルコールホモポリマーからなる繊維であって2.2dtex/51mmカットを有し、軟らかさのランクが1(最も軟らかい)である繊維からなる不織ウェブを含む対照材料、ならびに加水分解度が88%のポリビニルアルコールホモポリマー75%からなる繊維であって2.2/51mmカットを有する繊維と22dtex/38mmのPET繊維25%とからなり軟らかさのランクが5(最も粗い/最も粗面化された状態)の繊維からなる不織ウェブを含む対照材料と比較して決定する。ハンドパネルを盲検試験で実行して、評価者が試料の名称を認識することによってその影響を受けることがないようにした。試料を1から5までランク付けした。
【0234】
液体放出試験
図1は、本明細書に記述される液体放出試験で使用される、ワイヤーフレームケージ(内部に含有される水溶性パウチをより良く示すため、最上部が開放した状態で示される)の図である。
【0235】
図2は、スタンドに載置されたビーカーと、ビーカー内でケージを降下させるための棒を保持するスタンドと、止めねじ(図示せず)を持つカラーによって固定可能である棒とを含む、液体放出試験を行うための装置を示す。
【0236】
方法は一般に、試験のための容器、パッケージ、または包装構成要素を調整するための標準的技法に関するASTM D4332-13に沿い;しかしながら50±2%の相対湿度の制御は、液体放出試験で維持されない。
【0237】
液体放出試験に従い、遅延溶解度によって特徴付けられるまたはそれに関して試験がなされる水溶性フィルム、不織ウェブ、および/またはパウチは、下記の材料を使用して下記の通り分析される:
・2Lビーカーおよび6リットルの脱イオン(DI)水(試験を5回繰り返すのに十分な)
・試験がなされる水溶性パウチ;パウチは、23±1℃および50±4%の相対湿度で2週間、少なくとも24時間にわたり、事前に調整され;結果を比較するために、試験される全てのフィルムは、同じ厚さ、例えば88μmまたは76μmを有するべきであり;全ての不織布は同じ坪量、例えば50gsmを有するべきである。
・温度計
・ワイヤーケージ
・タイマー
【0238】
実験を実行する前に、実験を5回繰り返すのに十分なDI水が利用可能であることを確実にし、ワイヤーケージ、ビーカー、およびクランプが清浄で乾燥していることを確実にする。
【0239】
ワイヤーフレームケージは、尖った縁部がないプラスチックでコーティングされたワイヤーケージ(10cm×8.9cm×6.4cm)または均等物である。ワイヤーのゲージは、約1.25mmであるべきであり、ワイヤーは、サイズが0.5インチ(1.27cm)平方の開口を有するべきである。試験パウチ30を持つケージ28の例示的な画像を、
図1に示す。
【0240】
試験の準備をするために、ケージ上でパウチに引掻き傷を付けることなく、パウチが移動できる自由空間が可能になるように、水溶性パウチをケージ内に慎重に置く。パウチはワイヤーケージと緊密に結合させないが、それでも依然として確実に固定し、ケージから外に出て行かないような状態にある。ケージ内のパウチの向きは、いくらかある場合にはパウチの自然の浮力が可能になるようであるべきである(即ち、最上部まで浮くことになるパウチの側面は、最上部に向かって配置されるべきである)。パウチが対称である場合、パウチの向きは一般に問題にはならない。
【0241】
次に、2Lビーカーに1200ミリリットルの20℃のDI水を満たす。
【0242】
次に、含有されるパウチを持つワイヤーフレームケージを、水中で降下させる。ケージは、ビーカーの底から1インチ(2.54cm)にあることを確実にする。パウチ全ての面を完全に浸漬させるのを確実にする。ケージは安定しており、パウチが水中に降下されるや否や移動せず、タイマーを開始しないことを確実にする。ビーカー内の水に対するケージの位置は、任意の適切な手段によって、例えばビーカー上方に固定されたクランプおよびケージの最上部に取着された棒を使用することによって、調節および維持することができる。クランプは、棒に係合してケージの位置を固定することができ、クランプに対する張力を低下させてケージを水中で降下させることができる。摩擦係合のその他の手段をクランプの代わりに使用して、例えば
図2(止めねじは図示せず)に示されるように、止めねじを備えたカラーを使用する。
図2は、スタンド40上に載置されたビーカー30を示し、スタンドは、ケージ10(図示せず)をビーカー30内で降下させるための棒50を保持し、棒50は、例えば摩擦によってまたは棒50の穴(図示せず)に係合することによって棒50に係合する止めねじを(図示せず)有するカラー60の使用により、固定された垂直位置を保持することができる。
【0243】
液体含量の放出は、浸漬されたパウチを離れる液体の最初の物的証拠と定義される。液体放出時間は一般に、本開示のパウチからの液体含量の延長放出時間と相関させることができる。一般に、液体放出時間が増すにつれ、延長放出時間も増大する。泡を創出することができる界面活性剤を含む洗浄組成物および洗剤などの組成物を含有するパウチでは、理論に拘泥するものではないが、液体放出時間が泡の形成/起泡時間に相関すると考えられ;例えば液体放出時間が長くなるほど、得られる泡/フォームはより長く持続することになる。
【実施例】
【0244】
(実施例1)
単位用量物品の調製
【0245】
下記の実施例の単位用量物品を、下記のパラメーターで下記のヒートシールプロセスにより調製した:
【0246】
【0247】
熱形成されることになるフィルム、不織ウェブ、または積層体を、目的の空洞に重ね合わせる。熱形成されることになる材料が積層体である場合、不織ウェブを金型に接触させて寝かせ、水溶性フィルムを表向きにする。この研究では、空洞を50mm×50mm×12mmで固定し、熱形成を表1に記述される条件で行う。液体洗濯洗剤(LLD)を、熱形成された空洞(名目上、15mL)に添加する。液体洗濯洗剤に対する本明細書に記述される水溶性フィルムの適合性を試験するのに適切な液体洗濯洗剤(LLD)を、以下の表2および3に記述する。理論に拘泥するものではないが、液体洗濯洗剤中の低分子量ポリオール、例えばプロピレングリコールは、フィルムまたは繊維に移行し、その内部のポリマーと相互に作用してポリマーの結晶化度を低下させ、水中の単位用量物品の溶解度を増大させることができると考えられる。一般に、液体洗濯洗剤中の低分子量ポリオールの量が増加するにつれ、液体洗濯洗剤を含有する単位用量物品はさらに容易に可溶になる(即ち、溶解度温度は低下しおよび/または溶解度時間が減少する)。次いでキャップ材料を、満たされた熱形成済み単位用量物品上に被せる。熱形成された材料が積層体である場合、水溶性フィルム側を、カプセル化された組成物に接触させて配置し、不織ウェブ側を単位用量物品の外面に置いてカプセル化された組成物の反対を向くようにする。次いで単位用量物品を、表1に記述されるように熱および圧力を使用して封止する。
【0248】
【0249】
【0250】
(実施例2)
【0251】
材料および方法:この実施例のパウチの不織ウェブを、約40から50gsmに固定し、この実施例のパウチの水溶性フィルムを約3milで固定した。不織ウェブは、1.7dtex/38mmカット長繊維および2.2dtex/51mmカット長繊維の50/50ブレンドから構成された。試料は全て、実施例1のプロセスにより作製されたような単位用量物品であった。2mol%のアクリル酸メチル(MA)PVOHを有する水溶性フィルムはさらに、約43phrの可塑剤量を含んでいた。1.7%のマレイン酸モノメチル(MMM)PVOHを有する水溶性フィルムはさらに、約20phrの可塑剤量を含んでいた。23cPsの粘度および88%のDHを持つPVOHホモポリマーを有する水溶性フィルムはさらに、約26PHRの可塑剤量を含んでいた。8cPsの粘度および88%のDHを持つPVOHホモポリマーを有する水溶性フィルムはさらに、約15phrを含んでいた。パウチを、以下の表4に記述する。パウチを、液体放出時間および軟らかさに関して試験し、得られた結果を表4に提示する。
【0252】
【0253】
表4の単位用量物品は、その溶解、軟らかさ、および液体放出時間に関して試験がなされている。積層体を含む単位用量物品を、水溶性フィルムのみまたは不織ウェブのみ含む単位用量物品と比較して、積層体の液体放出時間、溶解、および軟らかさの効果を決定した。結果を表4に示す。
【0254】
一般に、DLが25%であるカレンダー積層された単位用量物品は、有利には、その水溶性フィルムのみの単位用量物品の対応物と比較して、増大した放出時間を示すことが見い出された。例えば、試料1、3、および6を比較すると、ここで試料1は水溶性フィルムのみ含む単位用量物品であり、試料3は25%のカレンダー積層された積層体を含む単位用量物品であり、この積層体は試料1と同じ水溶性フィルムを含んでおり、試料6は25%のカレンダー積層された積層体を含む単位用量物品であり、この積層体は試料1および3と同じ水溶性フィルムを含むが、試料3と比較して異なる不織布がそこに積層される場合、積層体を形成するためにフィルムに不織布を添加することは、液体放出時間を増大させ、さらに積層体の不織布を形成するのに使用される繊維のタイプも液体放出時間に影響を及ぼすことを実証する。特に試料3および6は、有利にはそれぞれ、水溶性フィルムのみ含むパウチよりも約1.9倍および2.7倍長い液体放出時間を有することが見い出された。さらに、試料3および試料6は、それぞれ独立した積層体に使用された不織繊維が異なる。特に試料6は、試料3の繊維よりも高い加水分解度を有する繊維を含んだ。試料6の液体放出時間は、試料3よりも長かった(それぞれ、比較例のフィルムパウチよりも3.3倍長く、比較例のフィルムパウチよりも2.7倍長い)。この差は、不織ウェブの繊維の選択が、調整可能な液体放出時間を有利に提供できることを実証する。
【0255】
さらに一般に、DLが100%であるカレンダー積層された単位用量物品は、25%DLのカレンダー積層された単位用量物品と、水溶性フィルムのみの単位用量物品対応物の両方と比較して、増大した放出時間を実証することが見い出された。例えば、試料8~10を比較すると、試料8は水溶性フィルムのみ含む単位用量物品であり、試料9は25%のカレンダー積層された不織ウェブを含む単位用量物品であり、および試料10は、100%のカレンダー積層された不織ウェブを含む単位用量物品であり、この不織ウェブは試料9と同じであるが100%でカレンダー掛けされており、積層度の増大と共に液体放出時間が増大することを実証した。試料10は、フィルムのみのパウチよりも3.7倍長く増大した液体放出時間を持つ試料9と比較して、フィルムのみのパウチより4.7倍長く増大した液体放出時間を有することが見い出された。この差は、積層度の選択が、調整可能な液体放出時間を提供するのに有利に使用できることを実証する。
【0256】
積層体を含む単位用量物品の軟らかさは、使用される不織繊維および/または積層度に基づいて調整できることが、さらに見い出された。例えば試料17および18は共に、水溶性フィルムおよび不織ウェブが同一であるがその積層度が異なる積層体を含む、単位用量物品である。試料17は、軟らかさのランク2をもたらす25%の積層度を有しており、それに対して試料18は、軟らかさのランク3をもたらす100%の積層度を有していた。このように、積層度が増すにつれ、軟らかさの値が増大することが実証される(より高い軟らかさの値は、それほど軟らかくない物品を示す)。この差は、積層度の選択を有利に使用して、調整可能な軟らかさを提供できることを実証する。さらに、軟らかさは、繊維の選択に基づいて調整できることが見い出された。例えば、単繊維として23cPsおよび96%DHの不織繊維のみ含む、25%の積層度を有する積層体である単位用量物品試料は、ランク付けが2の軟らかさを有していた(例えば、試料6、11、および17)。しかしながら、より短い長さおよびより広い直径を有する繊維が含まれるとき、得られる物品の軟らかさの値が増大した。例えば試料27および30は、試料6、11、および17で使用されるものと同じ繊維タイプを75%含むが、6dpf×51mmであるポリエステル繊維25%または6.6dtex×60mmのポリ乳酸繊維25%もそれぞれ含んでいた。これは増大した軟らかさのランク4および5をそれぞれ有する試料27および30をもたらした。そのような軟らかさのランクを持つ物品は、有利には、より粗い表面が機械的角質除去効果を発揮することができるパーソナルケア物品に使用することができる。この差は、繊維、特に繊維のL/D比の選択が、物品に調整可能な軟らかさを有利にもたらすことができることを実証する。
【0257】
水溶性繊維および非水溶性繊維を含んだ表4の単位用量物品、試料26から31は、単繊維タイプを有する単位用量物品と類似の傾向を示した。液体放出時間は、有利には、積層度に基づき調整することができる。一般に、積層度が高くなるほど、積層試料に関しては液体放出時間が長くなる。例えば試料28および31は、100%の積層度でカレンダー積層され、それぞれ116および121の液体放出時間を有する。試料27および30は、25%の積層度でカレンダー積層され、それぞれ89および43の液体放出時間を有する。不織ウェブが水溶性繊維および非水溶性繊維を含む物品は、(a)水溶性繊維の加水分解度が増大するにつれ増大した放出時間、および(b)積層度の増大と共に増す軟らかさの値に関しても上記傾向に従うことが予測される。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記第1の区画が水に接触すると、前記第1の組成物が放出され、前記単位用量物品は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、前記第1の組成物の放出を延長する、単位用量物品。
【請求項2】
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記不織ウェブの溶解時間は、MSTM 205により前記水溶性フィルムの溶解時間よりも長い、単位用量物品。
【請求項3】
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは、積層体の形をとり、約5%から約100%の範囲の積層度を有する、単位用量物品。
【請求項4】
前記不織ウェブおよび前記水溶性フィルムが、積層体の形をとる、請求項1または2に記載の単位用量物品。
【請求項5】
前記積層体が、約5%から約25%の範囲の積層度を有する、請求項3または4に記載の単位用量物品。
【請求項6】
前記積層体が、約50%から約100%の範囲の積層度を有する、請求項3または4に記載の単位用量物品。
【請求項7】
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、水溶性ではない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項8】
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶である、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項9】
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い水温で水溶性ではない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項10】
前記複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項11】
前記複数の繊維が、水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項12】
前記複数の繊維が、ポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料、ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含む繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項13】
前記ポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有する、請求項12に記載の単位用量物品。
【請求項14】
前記ポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーが、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、請求項12または請求項13に記載の単位用量物品。
【請求項15】
前記複数の繊維が、水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプと非水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプとを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項16】
前記複数の繊維が、前記繊維と非水溶性繊維である残分との全重量に対し、約10重量%から約80重量%の水溶性繊維を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項17】
前記複数の繊維が、
第1の繊維タイプと、
第2の繊維タイプと
を含み、前記第1の繊維タイプおよび前記第2の繊維タイプは、長さの直径に対する(L/D)比、靭性、形状、剛性、弾性、水への溶解性、融点、ガラス転移温度(T
g)、繊維化学組成、および色の群における1つまたはそれよりも多くの特徴に差がある、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項18】
前記第1の繊維タイプが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、請求項17に記載の単位用量物品。
【請求項19】
前記第1の繊維タイプが、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの組合せを含む、請求項17または18に記載の単位用量物品。
【請求項20】
前記第2の繊維タイプが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項21】
前記第2の繊維タイプが、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの組合せを含む、請求項17から20のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項22】
前記第1の繊維タイプが、非水溶性ポリマーを含む、請求項17から21のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項23】
前記第2の繊維タイプが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、請求項17から22のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項24】
前記第2の繊維タイプが、約90%から約99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、請求項17から23のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項25】
前記第2の繊維タイプが、非水溶性ポリマー繊維形成材料を含む、請求項17から24のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項26】
前記非水溶性繊維形成材料が、綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、シニュー、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコールホモポリマー、およびポリビニルアルコールコポリマーの群における1つまたはそれよりも多くの材料を含む、請求項7または22から25のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項27】
前記不織ウェブが、約1dtexから約5dtex、または約1dtexから約3dtex、または約1.5dtexから約2.5dtexの範囲の線形質量密度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項28】
前記不織ウェブが生分解性である、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項29】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項30】
前記不織ウェブがさらに、繊維内に分散された、不織ウェブの面上に分散された、またはこれらの組合せの、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項31】
前記複数の繊維がさらに、繊維中に分散された、繊維上に分散された、またはこれらの組合せの、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項32】
前記第1の組成物が、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、摂取可能な成分、および肥料の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項33】
前記機械的角質除去剤が、アプリコットシェル、糖、オートミール、塩、シリカ、珪藻土、クレー、アルミニウム水和物、ポリビニルアルコールマイクロビーズ、および軽石の群の1つまたはそれよりも多くの角質除去剤を含む、請求項30から32のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項34】
前記化学的角質除去剤が、アルファヒドロキシル酸、ベータヒドロキシル酸、酵素、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、およびリンゴ酸の群の1つまたはそれよりも多くの角質除去剤を含む、請求項30から33のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項35】
前記単位用量物品により含有される第2の組成物をさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項36】
前記第1の組成物が、前記水溶性フィルムにより含有される、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項37】
前記第2の組成物が、前記水溶性フィルムと前記不織ウェブとの間で、前記第2の内側パウチ容積内に配置される、請求項35または36に記載の単位用量物品。
【請求項38】
前記第1の組成物が、前記水溶性フィルムと前記不織ウェブとの間で、前記第2の内側パウチ容積内に配置される、請求項1から35または37のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項39】
前記第1の組成物が液体を含む、請求項1から38のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項40】
前記第1の組成物が、パーソナルケア組成物を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項41】
前記第2の組成物が、パーソナルケア組成物を含む、請求項35から40のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項42】
パーソナルケア組成物が、前記複数の繊維、前記不織ウェブ、および前記水溶性フィルムの群の1つまたはそれよりも多くの上または中に提供される、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項43】
パウチの形をとる前記不織ウェブが、前記内側パウチ容積から外に向いた外面を有し、パーソナルケア組成物が前記外面上に提供される、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項44】
前記パーソナルケア組成物が、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ボディオイル、フレグランス、ヘアトリートメント、バスソルト、エッセンシャルオイル、バスボム、および酵素の群の1つまたはそれよりも多くの組成物を含む、請求項40から43のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項45】
前記単位用量物品が、水溶性フィルムおよび不織ウェブであって内側パウチ容積を画定するパウチの形をとるものの1つまたはそれよりも多くを含む第2の区画を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項46】
前記単位用量物品が、内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムの1つまたはそれよりも多くを含む第3の区画を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項47】
少なくとも1つの区画が、水溶性ではない不織ウェブによって形成される、請求項45または46に記載の単位用量物品。
【請求項48】
少なくとも1つの区画が、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶である不織ウェブによって形成される、請求項45から47のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項49】
少なくとも1つの区画が不織ウェブによって形成され、前記不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではない、請求項45から48のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項50】
少なくとも1つの区画が、積層体の形をとる不織ウェブおよび水溶性フィルムによって形成される、請求項45から49のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項51】
前記積層体が、約25%またはそれよりも低い積層度を有する、請求項50に記載の単位用量物品。
【請求項52】
前記積層体が、約50%から約100%の範囲の積層度を有する、請求項50に記載の単位用量物品。
【請求項53】
2つの区画が、並んだ構成で提供される、請求項45から52のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項54】
2つの区画が重なり合う、請求項45から53のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項55】
1つの区画が前記第1の組成物を含み、前記第1の組成物は界面活性剤を含み、第2の区画は、酵素を含む第2の組成物を含む、請求項45から54のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項56】
前記複数の繊維が、約3cN/dtexから約15cN/dtex、または約5cN/dtexから約12cN/dtex、または約5cN/dtexから約10cN/dtexの範囲の靭性を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項57】
前記複数の繊維が、約10ミクロンから約300ミクロン、または約50ミクロンから200ミクロン、または約50ミクロンから約100ミクロンの範囲の平均直径を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項58】
前記複数の繊維が、実質的に均一の平均直径を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項59】
前記複数の繊維が、約30mmから約100mmの範囲、または約30mmから約60mmの範囲の平均長さを有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項60】
前記不織ウェブが多孔質である、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項61】
前記不織ウェブが、約30%から約90%の多孔度を有する、請求項60に記載の単位用量物品。
【請求項62】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、およびポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物の群から選択されるポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコール樹脂は、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項63】
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物の群から選択されるポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコール樹脂は、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項64】
可塑剤が、前記水溶性フィルム、前記複数の繊維の繊維、または両方に含まれる、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項65】
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約1分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項66】
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約2分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項67】
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約3分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品。
【請求項68】
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物を含む水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
パウチの形をとる前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、約75%から約91%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料を含む第1の繊維タイプ、ならびに非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは積層体の形をとる、不織ウェブと、
前記第1の内側パウチ容積内に配置され、界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物と
を含む区画を含む、単位用量物品。
【請求項69】
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物を含む水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
パウチの形をとる前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、約92%から約99.9%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーを含む第1の繊維タイプ、ならびに非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは積層体の形をとる、不織ウェブと、
前記第1の内側パウチ容積内に配置され、界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物と
を含む区画を含む、単位用量物品。
【請求項70】
前記請求項のいずれか一項に記載の単位用量物品を調製する方法であって、前記方法が、
前記水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成すること、
前記第1の組成物を前記開放パウチ容積内に添加すること、および前記フィルムを封止して、前記第1の内側パウチ容積を形成すること
を含む、方法。
【請求項71】
前記水溶性フィルムを、前記開放パウチ容積を画定する前記開放パウチに形成することが、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブの共熱形成を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブがパウチ形成中に積層体を形成するようになる、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記水溶性フィルムを、前記開放パウチ容積を画定する前記開放パウチに形成する前に、前記水溶性フィルムおよび不織ウェブを積層することをさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記フィルムを封止して前記第1の内側パウチ容積を形成することが、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブを、開放している前記パウチの部分上に位置決めすること、ならびに前記第2の水溶性フィルムおよび不織ウェブを、前記開放パウチの形をとる前記水溶性フィルムに封止することを含み、前記第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブは、前記第2の水溶性フィルムが前記開放パウチ容積に隣接するように、および前記第2の水溶性フィルムが前記パウチの外面を形成するように構成される、請求項71から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記封止することが、ヒートシールを含む、請求項71から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記封止することが、溶媒封止を含む、請求項71から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
ヒトの皮膚の角質除去をする方法における使用のための請求項1から69のいずれか一項に記載の単位用量物品
であって、前記方法が前記単位用量物品にヒトの皮膚を接触させることを含む
、単位用量物品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0257
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0257】
水溶性繊維および非水溶性繊維を含んだ表4の単位用量物品、試料26から31は、単繊維タイプを有する単位用量物品と類似の傾向を示した。液体放出時間は、有利には、積層度に基づき調整することができる。一般に、積層度が高くなるほど、積層試料に関しては液体放出時間が長くなる。例えば試料28および31は、100%の積層度でカレンダー積層され、それぞれ116および121の液体放出時間を有する。試料27および30は、25%の積層度でカレンダー積層され、それぞれ89および43の液体放出時間を有する。不織ウェブが水溶性繊維および非水溶性繊維を含む物品は、(a)水溶性繊維の加水分解度が増大するにつれ増大した放出時間、および(b)積層度の増大と共に増す軟らかさの値に関しても上記傾向に従うことが予測される。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記第1の区画が水に接触すると、前記第1の組成物が放出され、前記単位用量物品は、パウチの形をとる水溶性フィルムを含み、パウチの形をとる不織ウェブを含まない同一の単位用量物品と比較して、前記第1の組成物の放出を延長する、単位用量物品。
(項目2)
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記不織ウェブの溶解時間は、MSTM 205により前記水溶性フィルムの溶解時間よりも長い、単位用量物品。
(項目3)
第1の区画を含む単位用量物品であって、
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとり、複数の繊維を含む、不織ウェブと、
前記第1の区画により含有される第1の組成物と
を含み、
前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは、積層体の形をとり、約5%から約100%の範囲の積層度を有する、単位用量物品。
(項目4)
前記不織ウェブおよび前記水溶性フィルムが、積層体の形をとる、項目1または2に記載の単位用量物品。
(項目5)
前記積層体が、約5%から約25%の範囲の積層度を有する、項目3または4に記載の単位用量物品。
(項目6)
前記積層体が、約50%から約100%の範囲の積層度を有する、項目3または4に記載の単位用量物品。
(項目7)
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、水溶性ではない、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目8)
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度の水に可溶である、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目9)
前記不織ウェブの少なくとも一部分が、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い水温で水溶性ではない、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目10)
前記複数の繊維が、非水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目11)
前記複数の繊維が、水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目12)
前記複数の繊維が、ポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料、ポリビニルアルコールコポリマー繊維形成材料、またはこれらの組合せを含む繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目13)
前記ポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有する、項目12に記載の単位用量物品。
(項目14)
前記ポリビニルアルコールホモポリマーまたはポリビニルアルコールコポリマーが、約90%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、項目12または項目13に記載の単位用量物品。
(項目15)
前記複数の繊維が、水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプと非水溶性繊維形成材料を含む繊維タイプとを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目16)
前記複数の繊維が、前記繊維と非水溶性繊維である残分との全重量に対し、約10重量%から約80重量%の水溶性繊維を含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目17)
前記複数の繊維が、
第1の繊維タイプと、
第2の繊維タイプと
を含み、前記第1の繊維タイプおよび前記第2の繊維タイプは、長さの直径に対する(L/D)比、靭性、形状、剛性、弾性、水への溶解性、融点、ガラス転移温度(T
g
)、繊維化学組成、および色の群における1つまたはそれよりも多くの特徴に差がある、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目18)
前記第1の繊維タイプが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、項目17に記載の単位用量物品。
(項目19)
前記第1の繊維タイプが、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの組合せを含む、項目17または18に記載の単位用量物品。
(項目20)
前記第2の繊維タイプが、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、項目17から19のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目21)
前記第2の繊維タイプが、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールホモポリマー、2つまたはそれよりも多くのポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの組合せを含む、項目17から20のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目22)
前記第1の繊維タイプが、非水溶性ポリマーを含む、項目17から21のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目23)
前記第2の繊維タイプが、約75%から約89%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、項目17から22のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目24)
前記第2の繊維タイプが、約90%から約99.5%の範囲の加水分解度を有するポリビニルアルコールを含む、項目17から23のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目25)
前記第2の繊維タイプが、非水溶性ポリマー繊維形成材料を含む、項目17から24のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目26)
前記非水溶性繊維形成材料が、綿、麻、ジュート、亜麻、ラミー、サイザル、バガス、バナナ、レースバーク、絹、シニュー、カットグット、羊毛、シーシルク、モヘア、アンゴラ、カシミア、コラーゲン、アクチン、ナイロン、ダクロン、レーヨン、竹、モダール、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリビニルアルコールホモポリマー、およびポリビニルアルコールコポリマーの群における1つまたはそれよりも多くの材料を含む、項目7または22から25のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目27)
前記不織ウェブが、約1dtexから約5dtex、または約1dtexから約3dtex、または約1.5dtexから約2.5dtexの範囲の線形質量密度を有する、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目28)
前記不織ウェブが生分解性である、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目29)
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはこれらの組合せを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目30)
前記不織ウェブがさらに、繊維内に分散された、不織ウェブの面上に分散された、またはこれらの組合せの、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目31)
前記複数の繊維がさらに、繊維中に分散された、繊維上に分散された、またはこれらの組合せの、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、および化粧剤の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目32)
前記第1の組成物が、化学的角質除去剤、機械的角質除去剤、香料マイクロカプセル、嫌悪剤、界面活性剤、着色剤、酵素、スキンコンディショナー、脱油剤、化粧剤、摂取可能な成分、および肥料の群の1つまたはそれよりも多くを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目33)
前記機械的角質除去剤が、アプリコットシェル、糖、オートミール、塩、シリカ、珪藻土、クレー、アルミニウム水和物、ポリビニルアルコールマイクロビーズ、および軽石の群の1つまたはそれよりも多くの角質除去剤を含む、項目30から32のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目34)
前記化学的角質除去剤が、アルファヒドロキシル酸、ベータヒドロキシル酸、酵素、サリチル酸、グリコール酸、クエン酸、およびリンゴ酸の群の1つまたはそれよりも多くの角質除去剤を含む、項目30から33のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目35)
前記単位用量物品により含有される第2の組成物をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目36)
前記第1の組成物が、前記水溶性フィルムにより含有される、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目37)
前記第2の組成物が、前記水溶性フィルムと前記不織ウェブとの間で、前記第2の内側パウチ容積内に配置される、項目35または36に記載の単位用量物品。
(項目38)
前記第1の組成物が、前記水溶性フィルムと前記不織ウェブとの間で、前記第2の内側パウチ容積内に配置される、項目1から35または37のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目39)
前記第1の組成物が液体を含む、項目1から38のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目40)
前記第1の組成物が、パーソナルケア組成物を含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目41)
前記第2の組成物が、パーソナルケア組成物を含む、項目35から40のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目42)
パーソナルケア組成物が、前記複数の繊維、前記不織ウェブ、および前記水溶性フィルムの群の1つまたはそれよりも多くの上または中に提供される、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目43)
パウチの形をとる前記不織ウェブが、前記内側パウチ容積から外に向いた外面を有し、パーソナルケア組成物が前記外面上に提供される、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目44)
前記パーソナルケア組成物が、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、スキンローション、スキントリートメント、ボディオイル、フレグランス、ヘアトリートメント、バスソルト、エッセンシャルオイル、バスボム、および酵素の群の1つまたはそれよりも多くの組成物を含む、項目40から43のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目45)
前記単位用量物品が、水溶性フィルムおよび不織ウェブであって内側パウチ容積を画定するパウチの形をとるものの1つまたはそれよりも多くを含む第2の区画を含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目46)
前記単位用量物品が、内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムの1つまたはそれよりも多くを含む第3の区画を含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目47)
少なくとも1つの区画が、水溶性ではない不織ウェブによって形成される、項目45または46に記載の単位用量物品。
(項目48)
少なくとも1つの区画が、MSTM 205により約0℃から約20℃の範囲の温度で水に可溶である不織ウェブによって形成される、項目45から47のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目49)
少なくとも1つの区画が不織ウェブによって形成され、前記不織ウェブの少なくとも一部分は、MSTM 205により20℃またはそれよりも低い温度で水に可溶ではない、項目45から48のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目50)
少なくとも1つの区画が、積層体の形をとる不織ウェブおよび水溶性フィルムによって形成される、項目45から49のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目51)
前記積層体が、約25%またはそれよりも低い積層度を有する、項目50に記載の単位用量物品。
(項目52)
前記積層体が、約50%から約100%の範囲の積層度を有する、項目50に記載の単位用量物品。
(項目53)
2つの区画が、並んだ構成で提供される、項目45から52のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目54)
2つの区画が重なり合う、項目45から53のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目55)
1つの区画が前記第1の組成物を含み、前記第1の組成物は界面活性剤を含み、第2の区画は、酵素を含む第2の組成物を含む、項目45から54のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目56)
前記複数の繊維が、約3cN/dtexから約15cN/dtex、または約5cN/dtexから約12cN/dtex、または約5cN/dtexから約10cN/dtexの範囲の靭性を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目57)
前記複数の繊維が、約10ミクロンから約300ミクロン、または約50ミクロンから200ミクロン、または約50ミクロンから約100ミクロンの範囲の平均直径を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目58)
前記複数の繊維が、実質的に均一の平均直径を有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目59)
前記複数の繊維が、約30mmから約100mmの範囲、または約30mmから約60mmの範囲の平均長さを有する少なくとも1つの繊維タイプを含む、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目60)
前記不織ウェブが多孔質である、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目61)
前記不織ウェブが、約30%から約90%の多孔度を有する、項目60に記載の単位用量物品。
(項目62)
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、およびポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物の群から選択されるポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコール樹脂は、約75%から約99.9%の範囲の加水分解度を有する、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目63)
前記水溶性樹脂が、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物の群から選択されるポリビニルアルコール樹脂を含み、前記ポリビニルアルコール樹脂は、約75%から約98%の範囲の加水分解度を有する、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目64)
可塑剤が、前記水溶性フィルム、前記複数の繊維の繊維、または両方に含まれる、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目65)
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約1分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目66)
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約2分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目67)
前記単位用量物品が、液体放出試験により少なくとも約3分間、前記第1の組成物を放出し始めない、前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品。
(項目68)
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物を含む水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
パウチの形をとる前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、約75%から約91%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマー繊維形成材料を含む第1の繊維タイプ、ならびに非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは積層体の形をとる、不織ウェブと、
前記第1の内側パウチ容積内に配置され、界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物と
を含む区画を含む、単位用量物品。
(項目69)
第1の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコールホモポリマー、ポリビニルアルコールコポリマー、またはポリビニルアルコールホモポリマーとポリビニルアルコールコポリマーとの混合物を含む水溶性樹脂を含む、水溶性フィルムと、
パウチの形をとる前記水溶性フィルムを包含する第2の内側パウチ容積を画定するパウチの形をとる不織ウェブであって、約92%から約99.9%の加水分解度を有するポリビニルアルコールホモポリマーを含む第1の繊維タイプ、ならびに非水溶性ポリエステルおよびポリ乳酸繊維形成材料の1つまたは両方を含む第2の繊維タイプを含む複数の繊維を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブは積層体の形をとる、不織ウェブと、
前記第1の内側パウチ容積内に配置され、界面活性剤を含む、パーソナルケア組成物と
を含む区画を含む、単位用量物品。
(項目70)
前記項目のいずれか一項に記載の単位用量物品を調製する方法であって、前記方法が、
前記水溶性フィルムを、開放パウチ容積を画定する開放パウチに形成すること、
前記第1の組成物を前記開放パウチ容積内に添加すること、および前記フィルムを封止して、前記第1の内側パウチ容積を形成すること
を含む、方法。
(項目71)
前記水溶性フィルムを、前記開放パウチ容積を画定する前記開放パウチに形成することが、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブの共熱形成を含み、前記水溶性フィルムおよび前記不織ウェブがパウチ形成中に積層体を形成するようになる、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記水溶性フィルムを、前記開放パウチ容積を画定する前記開放パウチに形成する前に、前記水溶性フィルムおよび不織ウェブを積層することをさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目73)
前記フィルムを封止して前記第1の内側パウチ容積を形成することが、第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブを、開放している前記パウチの部分上に位置決めすること、ならびに前記第2の水溶性フィルムおよび不織ウェブを、前記開放パウチの形をとる前記水溶性フィルムに封止することを含み、前記第2の水溶性フィルムおよび第2の不織ウェブは、前記第2の水溶性フィルムが前記開放パウチ容積に隣接するように、および前記第2の水溶性フィルムが前記パウチの外面を形成するように構成される、項目71から72のいずれか一項に記載の方法。
(項目74)
前記封止することが、ヒートシールを含む、項目71から73のいずれか一項に記載の方法。
(項目75)
前記封止することが、溶媒封止を含む、項目71から74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
項目1から69のいずれか一項に記載の単位用量物品にヒトの皮膚を接触させることを含む、ヒトの皮膚の角質除去をする方法。
【国際調査報告】