(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-07
(54)【発明の名称】構造システム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
E04B 1/80 20060101AFI20230131BHJP
E04B 2/56 20060101ALI20230131BHJP
E04B 1/76 20060101ALI20230131BHJP
【FI】
E04B1/80 100P
E04B2/56 604A
E04B2/56 645A
E04B2/56 643H
E04B2/56 644A
E04B1/76 500F
E04B1/80 100E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022534251
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 TR2020051028
(87)【国際公開番号】W WO2021112791
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522222630
【氏名又は名称】シャヴカイ,ベルカイ ハック
【氏名又は名称原語表記】SAVKAY, Berkay Hakki
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】シャヴカイ,ベルカイ ハック
【テーマコード(参考)】
2E001
2E002
【Fターム(参考)】
2E001DB01
2E001DD01
2E001DF02
2E001EA01
2E001FA03
2E001GA12
2E001HD03
2E001HD04
2E002FB02
2E002MA18
2E002MA22
2E002MA32
(57)【要約】
本発明は、熱橋がなく、熱、音及び湿気の絶縁を可能にし、それ自身の耐力部材を有する構造システム及びその製造方法に関する。構造システムは、少なくとも1つの主耐力システムと、主耐力システムを部分的又は完全に囲み、絶縁機能を有する少なくとも1つの充填材とを備える。構造システムの製造方法は、主耐力システムと型の表面との間に空間があるように主耐力システムを少なくとも1つの型に配置するステップであって、充填材が型に固着せず、型が充填材を成形するように制限するステップと、主耐力システムを部分的に又は完全に囲むように空間内に充填材を充填して乾燥するステップと、乾燥プロセス完了後に型を取り外すステップとを含む。ここで、型を取り外した後、最終製品として主耐力システムと主耐力システムを囲む充填材とが得られる。前記方法によれば、モノブロック式のモジュール構造物が実現される。システムの別の実施形態において、内壁被覆材及び外壁被覆材を型の代わりに使用するので、充填材をこれらの表面に高い密着度で固着させることが可能となり、構造物を一度完全に仕上げられる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁を可能にし、それ自身の耐力部材を有する構造システムであって、
少なくとも1つの主耐力システムと、
前記主耐力システムを部分的又は完全に囲む少なくとも1つの充填材と、
を備えることを特徴とする、構造システム。
【請求項2】
少なくとも1つの内壁被覆材と、自身と内壁被覆材との間に少なくとも1つの空間を有するように配置される少なくとも1つの外壁被覆材とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の構造システム。
【請求項3】
前記主耐力システムは、棒又はメッシュの形態であることを特徴とする、請求項1に記載の構造システム。
【請求項4】
前記主耐力システムは、前記内壁被覆材及び前記外壁被覆材と接触しないように配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の構造システム。
【請求項5】
前記主耐力システムは、前記内壁被覆材が取り付けられる少なくとも1つの内側耐力棒と、前記外壁被覆材が取り付けられる少なくとも1つの外側耐力棒と、を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造システム。
【請求項6】
前記充填材は、ポリイソシアヌレート又はポリウレタンフォームのような、膨張することによって硬化するフォームの形態であることを特徴とする、請求項1に記載の構造システム。
【請求項7】
前記充填材は、絶縁性を有することを特徴とする、請求項1又は6に記載の構造システム。
【請求項8】
前記充填材は、当該充填材が接着される少なくとも1つの補強メッシュ材を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1つに記載の構造システム。
【請求項9】
熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁を可能にし、それ自身の耐力部材を有する構造システムの製造方法であって、
主耐力システムを、当該主耐力システムと型の表面との間に空間があるように少なくとも1つの型に配置するステップであって、充填材が前記型に固着せず、前記型が前記充填材を成形するように制限するステップと、
前記主耐力システムを部分的に又は完全に囲むように、前記空間内に充填材を充填して乾燥するステップと、
乾燥するステップが完了した後、前記型を取り外すステップと、
を含むことを特徴とする、構造システムの製造方法。
【請求項10】
外壁被覆材を配置するステップと、
内壁被覆材を、前記外壁被覆材と前記内壁被覆材との間に空間があるように配置するステップと、
前記主耐力システムを、前記内壁被覆材及び前記外壁被覆材に接触しないように、部分的又は全体的に前記空間内に組み込むステップと、
前記主耐力システムを部分的に又は完全に囲むように、前記空間内に充填材を充填するステップと、
前記内壁被覆材及び前記外壁被覆材に固着するように前記充填材を膨張させるステップと、
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の構造システムの製造方法。
【請求項11】
前記主耐力システムと前記型の表面との間の空間内に、吹き付けにより前記充填材を充填するステップを含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の構造システムの製造方法。
【請求項12】
前記内壁被覆材、前記外壁被覆材、又は前記充填材を、真空下又は印刷プロセスで結合するステップを含むことを特徴とする、請求項9又は10に記載の構造システムの製造方法。
【請求項13】
前記内壁被覆材を内側耐力棒に接続するステップと、前記外壁被覆材を外側耐力棒に接続するステップと、前記内側耐力棒に接続された前記内壁被覆材と前記外側耐力棒に接続した前記外壁被覆材とが一体化するように、圧力又は真空下で熱橋を有することなく、前記充填材を充填するステップと、を含む特徴とする、請求項9に記載の構造システムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁が可能であり、独自の耐力部材を有し、好ましくはモノブロック式のモジュール形態を有する構造システム、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、建築構造物の耐力システムは、当該システムを構成する構造部材の幾何学的特性や耐力方法に応じて、石積みのブロック、棒、板、及びそれらの組み合わせで構成される従来の耐力システムとして定義されている。前記従来の耐力システムを用いて構築された構造物の絶縁は、熱、音、及び湿気の絶縁を行う絶縁材を様々な方法で前記構造物に外装したり、耐力材(特にコンクリート材)の構造を変更することによって行われる。しかしながら、絶縁材は、構造物を形成する耐力部材に対して、耐力の観点では何ら寄与することはない。また、当該方法によって得られる構造物に絶縁性を付与するために変更した材料の物性に変化が生じ、特に、強度が低下する場合がある。例えば、鉄筋コンクリート造の建築物に絶縁性を持たせるために、セメント系コンクリート混合物に骨材として添加する一部の材料(膨張パーライト等)によって絶縁性を得ることができる。しかしながら、この方法では、構造物の強度が著しく低下する。また、この方法では、材料に空隙が生じ、空隙が吸水率を大幅に増加させるため、防湿のために更に材料を塗布する必要がある。この場合、材料及び人件費が増加し、建設段階に過度の時間が費やされる。
【0003】
建築構造物においては、気泡コンクリート中に鉄筋を配置した耐力板も使用されている。しかしながら、気泡コンクリート構造では、上記の方法の欠点が解消されず、外側絶縁体の直列接続の細部により、構造上及び絶縁上の両方で不連続点が発生する。このため、防湿や断熱のための追加工事が必要となる。
【0004】
上記のような構造システムにおいて建設プロセスが完了した後、従来の絶縁方法と同様に、物性の異なる絶縁層を部分的又は構造物に追加で適用することが行われている。しかしながら、この場合、材料費や人件費の増加、時間のロスが発生する。
【0005】
また、現場外での建設プロジェクトでは、リビングモジュール(プレフィニッシュ-プレハブ容積構造(PPVC))やこれらの構造物が配置される最終地域で製造が行われないため、プレハブ化が成功したとみなされる。しかしながら、前記従来の方法で作られた構造物は、この要件を完全に満たすことができない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁を可能にし、それ自身の耐力部材を有する構造システム、及びその製造方法に関するものである。この構造システムは、少なくとも1つの主耐力システムと、主耐力システムを部分的又は完全に囲み、絶縁機能を有する少なくとも1つの充填材とを備える。一方、構造システムの製造方法は、主耐力システムと型の表面との間に空間があるように、主耐力システムを少なくとも1つの型に配置するステップであって、充填材が型に固着せず、型が充填材を成形するように制限するステップと、主耐力システムを部分的又は完全に囲むように前記空間内に充填材を充填して乾燥するステップと、乾燥するプロセスが完了した後に型を取り外すステップとを含む。ここで、型を取り外した後、主耐力システムと、主耐力システムを囲む充填材とが最終製品として得られる。当該方法によれば、モノブロック式のモジュール構造物が実現される。また、主耐力システムを囲むように充填材を組み込むことによって、構造システムの耐力特性及び剛性に貢献すると同時に、熱橋を有さない設計が可能となる。更に、主耐力システムは、棒の形態であり、内壁被覆材が取り付け可能な少なくとも1本の内耐力棒と、外壁被覆材が取り付け可能な少なくとも1本の外耐力棒とを備える。主耐力システムが使用される構造システムの製造方法は、内壁被覆材を内側耐力棒に接続するステップと、外壁被覆材を外側耐力棒に接続するステップと、圧力又は真空下で、熱橋を有さないで、内側耐力棒に接続された内壁被覆材と外側耐力棒に接続された外壁被覆材とが一体となるように充填材を充填するステップとを含む。前記方法によって、熱橋を有さない耐力構造システム又はモジュール式のモノブロック構造が製造される。
【0007】
本発明に係る構造システム及び製造方法によって、主耐力システムを部分的又は完全に含み、熱橋を有さず、断面力に対して強化することによって断面を支えるのを補助し、高い断熱値も有することができる構造物が提供される。本発明によれば、絶縁不連続性は解消される。また、本発明によれば、追加の断熱材は必要ない。この構造システムによって、エネルギ効率が提供され、パッシブ構造のカテゴリにおいて「完全に熱橋を有さない」設計及び製造が達成できる。更に、材料費及び人件費が削減され、「現場外」での製造能力が向上されて、工期が短縮される。更に、本発明によれば、充填材として独立気泡の充填材を使用した場合、主耐力システムを腐食や腐敗から保護することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の目的)
本発明の目的は、熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁が可能であり、独自の耐力部材を有する構造システム、及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、モノブロック式構造部材としても構成可能な構造システム、及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の更に他の目的は、熱橋を有することなく、高い断熱性能を有する構造システム、及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の更に他の目的は、改善されたたわみと快適な状態とを有するより軽量で高強度の構造システム、及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
(発明の詳細な説明)
一般に、従来の耐力システムで構築された構造物の絶縁は、熱、音、及び湿気の絶縁を行う絶縁材を様々な方法で外側に取り付け、或いは、耐力材(特にコンクリート材)の構造を変更して提供されている。絶縁材が構造物に適用される一方で、絶縁材は、構造物を構成する耐力部材に耐力の観点で寄与することはなく、逆に、付加的な荷重や断面形状の変化に対応することになる。更に、前記方法によって得られた部材の物性に変化が生じ、強度が低下する場合がある。また、空隙率が増加し、前記方法で構築された構造物における吸水率が上昇し、2つの表面間の熱伝達を引き起こす熱橋の形成を抑えることができない。このため、熱、湿気、及び音の絶縁の工事を追加で行うことになり、材料費及び人件費が増加し、建設段階で過剰な時間を費やすことになる。従って、本発明によれば、熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁を可能にし、それ自身の耐力部材を有する構造システム、及びその製造方法が提供される。
【0013】
本発明による構造システムは、好ましくは、棒、メッシュ、又は板の形態の少なくとも1つの主耐力システムと、前記主耐力システムを部分的又は完全に囲み、好ましくは断熱機能を有し、好ましくは機械的又は化学的に混合される少なくとも1つの充填材とを備える。
【0014】
本発明の好適な実施形態において、構造システムは、少なくとも1つの内壁被覆材と、自身と内壁被覆材との間に少なくとも1つの空間を有するように配置される少なくとも1つの外壁被覆材とを備える。この場合、前記主耐力システムは、好ましくは、内壁被覆材と外壁被覆材との間に、内壁被覆材と外壁被覆材とに接触しないように配置される。
【0015】
本発明の好適な実施形態において、充填材は、ポリイソシアヌレート(pyr)又はポリウレタン(pur)フォームのような、膨張することによって硬化するフォームの形態であることが好ましい。それにより、充填材のおかげで、構造システムの耐力性能と、断熱、防音、及び防湿の性能との両方が向上する。
【0016】
本発明の好適な実施形態において、構造システムは、充填材が接着される少なくとも1つの補強メッシュ材を備える。補強メッシュ材と充填材との接着は、断面力に対する強度を提供する。ここで、充填材は、断熱性を有するので、熱橋を有さないシステム断面を形成することができる。
【0017】
本発明の別の好適な実施形態において、主耐力システムは、棒の形態であり、内壁被覆材が取り付けられる少なくとも1つの内側耐力棒と、外壁被覆材が取り付けられる少なくとも1つの外側耐力棒とを備える。
【0018】
本発明に係る構造システムの製造方法は、主耐力システムを、好ましくは型の表面と接触せず、主耐力システムと型の表面との間に空間があるように少なくとも1つの型に入れるステップであって、充填材が型に固着せず、型が充填材を成形するように制限するステップと、主耐力システムを一部又は完全に囲むように前記空間内に充填材を充填して乾燥するステップと、乾燥するステップの終了後に型を取り外すステップとを含む。ここで、型を取り外した後、主耐力システムと、主耐力システムを囲む充填材とが最終製品として得られる。当該方法により、モノブロック式のモジュール構造物が実現される。また、主耐力システムを囲むことによる充填材の一体化は、構造システムの耐力性及び剛性に寄与し、同時に、熱橋を有さない設計が可能になる。
【0019】
本発明の別の実施形態において、構造システムの製造方法は、外壁被覆材を配置するステップと、外壁被覆材と内壁被覆材との間に空間があるように内壁被覆材を配置するステップと、内壁被覆材及び外壁被覆材に接触しないように主耐力システムを部分的又は完全に空間内に組み込むステップと、主耐力システムを部分的又は完全に囲むように空間内に充填材を充填するステップと、内壁被覆材及び外壁被覆材に固着するように充填材を膨張させるステップと、を備える。充填材は、膨張して外壁被覆材及び内壁被覆材に高い密着性で固着し、主耐力システムに剛性を与えることができる。
【0020】
本発明の別の実施形態において、構造システムの製造方法において、充填材は、吹き付けによって、主耐力システムと型の表面との間の空間に充填される。同様に、充填材は、吹き付けによって、内壁被覆材と外壁被覆材との間の空間に充填される。
【0021】
本発明の別の実施形態において、構造システムの製造方法は、真空下又は印刷プロセスによって、内壁被覆材と外壁被覆材と充填材とを結合するステップを含む。
【0022】
本発明の別の実施形態において、構造システムの製造方法は、内壁被覆材を内側耐力棒に接続するステップと、外壁被覆材を外側耐力棒に接続するステップと、圧力又は真空下で、熱橋を有さないで、内側耐力棒に接続された内壁被覆材と外側耐力棒に接続された外壁被覆材とが一体となるように充填材を充填するステップとを含む。それにより、熱橋を有さない剛性的な一体性が内側耐力部材と外側耐力部材との間に得られる。また、前記方法によって製造された構造部材の耐力性及びたわみ快適性が向上する。前記方法によれば、リビングモジュール及びプレハブ構造物を製造する能力を有する熱橋を有さない運搬可能なモジュール構造物を製造することも可能である。充填材の固着性及び強度を利用することによって、棒の形態の主耐力システムを断面力に対して単一の断面として機能させることができる。この方法によれば、熱橋を有さない耐力板構造物を製造することができる。
【0023】
本発明の別の好適な実施形態において、主耐力システムは、内壁被覆材又は外壁被覆材、鉄筋、種々の穿孔及び波形の方法によって剛性及び固着特性が向上された鋼板、並びに、炭素繊維、木材又はポリマー、樹脂強化グラスウール繊維などの複合材料で製造されたそれらのバージョンであってもよい。更に、外壁被覆材として太陽電池パネルを用いてもよい。
【0024】
本発明の別の好適な実施形態において、構造システムのおかげで、偶力が形成され、引張及び/又は耐圧構造部材を使用することによって、熱橋を有さない断熱材が提供される。
【0025】
本発明の別の好適な実施形態において、構造システムにおける寸法安定性を確保するために、構造システムが使用される環境の温度値と、構造システムが製造される環境の温度値とが、実質的に同じになるように調整される。それにより、製造地と使用地とが異なる構造システムにおいて、温度差による形状/外観不良が発生しない。更に、充填材が火災や自然災害等の状況に晒されたり、主耐力システムへの寄与度が低下したりした場合にも、構造システムが使用不能になっても全壊しないような大きさにすべきである。
【0026】
本発明に係る構造システム及び製造方法のおかげで、主耐力システムを部分的又は完全に含み、熱橋を有さず、断面力に対して強化することによって断面を支えるのを補助し、更に高い断熱値を有することができる構造が提供される。本発明によれば、付加的な断熱材は必要なく、又はその必要性が低減される。この構造システムのおかげで、エネルギ効率が提供され、パッシブ構造のカテゴリにおいて「完全に熱橋を提供しない」設計と製造が達成される。更に、材料費及び人件費が削減され、「現場外」での製造能力を向上さて、工期を短縮することができる。更に、本発明によれば、充填材として独立気泡の充填材を使用した場合、主耐力システムを腐食や腐敗から保護することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱橋を有することなく、熱、音、及び湿気の絶縁を可能にし、それ自身の耐力部材を有する構造システムの製造方法であって、
主耐力システムを、当該主耐力システムと型の表面との間に空間があるように少なくとも1つの型に配置するステップであって、充填材が前記型に固着せず、前記型が前記充填材を成形するように制限するステップと、
前記主耐力システムを部分的に又は完全に囲むように、前記空間内に充填材を充填して乾燥するステップと、
乾燥するステップが完了した後、前記型を取り外すステップと、
を含み、
外壁被覆材を配置するステップと、
内壁被覆材を、前記外壁被覆材と前記内壁被覆材との間に空間があるように配置するステップと、
前記主耐力システムを、前記内壁被覆材及び前記外壁被覆材に接触しないように、部分的又は全体的に前記空間内に組み込むステップと、
前記主耐力システムを部分的に又は完全に囲むように、前記空間内に充填材を充填するステップと、
前記内壁被覆材及び前記外壁被覆材に固着するように前記充填材を膨張させるステップと、
を含むことを特徴とする、構造システムの製造方法。
【請求項2】
前記主耐力システムと前記型の表面との間の空間内に、吹き付けにより前記充填材を充填するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の構造システムの製造方法。
【請求項3】
前記内壁被覆材、前記外壁被覆材、又は前記充填材を、真空下又は印刷プロセスで結合するステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の構造システムの製造方法。
【請求項4】
前記内壁被覆材を内側耐力棒に接続するステップと、前記外壁被覆材を外側耐力棒に接続するステップと、前記内側耐力棒に接続された前記内壁被覆材と前記外側耐力棒に接続した前記外壁被覆材とが一体化するように、圧力又は真空下で熱橋を有することなく、前記充填材を充填するステップと、を含む特徴とする、請求項1に記載の構造システムの製造方法。
【国際調査報告】