IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アンドリッツ オサケ ユキチュアの特許一覧

特表2023-505430シールのシーリング要素の厚さを検出するためのシーリング装置
<>
  • 特表-シールのシーリング要素の厚さを検出するためのシーリング装置 図1
  • 特表-シールのシーリング要素の厚さを検出するためのシーリング装置 図2
  • 特表-シールのシーリング要素の厚さを検出するためのシーリング装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(54)【発明の名称】シールのシーリング要素の厚さを検出するためのシーリング装置
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3296 20160101AFI20230202BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20230202BHJP
   F16J 15/16 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
F16J15/3296
G01B7/00 101E
F16J15/16 A
F16J15/16 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530653
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 FI2020050829
(87)【国際公開番号】W WO2021116533
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】20196078
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520102646
【氏名又は名称】アンドリッツ オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリヤライネン、シモ
(72)【発明者】
【氏名】ホルケーネン、パシ
(72)【発明者】
【氏名】ペソネン、ミッコ
【テーマコード(参考)】
2F063
3J043
【Fターム(参考)】
2F063AA30
2F063BA30
2F063BB01
2F063BC09
2F063DA01
2F063DA05
2F063GA03
2F063ZA01
3J043AA02
3J043BA09
3J043CA05
3J043CA08
3J043DA08
3J043DA20
(57)【要約】
シール(1)のシーリング要素(2)の厚さ(t)を検出するためのシーリング装置であって、シーリング要素(2)の前面のシーリング面(3)が、被シーリング面(4)と滑り接触するように配置されており、シーリング要素(2)の厚さを測定するための少なくとも1つのセンサ(5)が、被シーリング面(4)の周囲の構成要素(10)に取り付けられ、センサ(5)は、シーリング要素(2)の反対側に配置されている、シーリング装置。センサ(5)は、シーリング要素(2)の横方向の境界から、または導電性インサート(6)から、または磁性材料のインサート(6)から、応答を受け取ることができ、インサート(6)は、シーリング要素(2)内に埋め込まれているか、シーリング要素(2)の裏側に接続されている。この装置により、厚さ(t)は、シーリング要素(2)の長さに沿って検出および/または測定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール(1)のシーリング要素(2)の厚さ(t)を検出するためのシーリング装置であって、前記シーリング要素(2)の前面のシーリング面(3)が、被シーリング面(4)と滑り接触するように配置されており、これは、前記被シーリング面(4)の周囲の構成要素(10)および/または前記シール(1)が取り付けられている構成要素(7)が、前記シーリング要素(2)の長手方向に移動するように配置されていることを意味する、シーリング装置において、
前記シーリング要素(2)の厚さを測定するための少なくとも1つのセンサ(5)が、前記被シーリング面(4)の前記周囲の構成要素(10)に取り付けられ、前記センサ(5)は、前記シーリング要素(2)の反対側に配置され、前記センサ(5)は、前記シーリング要素(2)の横方向の境界から、または導電性インサート(6)から、または磁性材料のインサート(6)から、応答を受け取ることができ、前記インサート(6)は、前記シーリング要素(2)内に埋め込まれているか、前記シーリング要素(2)の裏側に接続されていることを特徴とする、シーリング装置。
【請求項2】
前記センサ(5)は、超音波センサであるか、またはインダクタンスの変化に敏感である、請求項1に記載のシーリング装置。
【請求項3】
前記インサート(6)は、金属または他の導電性材料を含むか、または前記インサート(6)は、前記シーリング要素(2)よりも硬い材料である、請求項1または2に記載のシーリング装置。
【請求項4】
前記センサ(5)は、磁場の変化に敏感であり、前記インサート(6)は、磁性材料を含む、請求項1に記載のシーリング装置。
【請求項5】
前記センサ(5)は、前記シーリング要素(2)および/または前記インサート(6)の中央に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項6】
前記センサ(5)の感知端部が、前記被シーリング面(4)の穴に取り付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項7】
前記センサ(5)の前記感知端部の幅または直径は、前記シーリング面(3)の幅よりも小さい、請求項6に記載のシーリング装置。
【請求項8】
前記センサ(5)の前記感知端部の高さは、前記被シーリング面(4)の上方0.1mm未満であり、前記被シーリング面(4)の下方0.2mm未満である、請求項6または7に記載のシーリング装置。
【請求項9】
前記センサ(5)は、前記被シーリング面(4)の下で前記周囲の構成要素(10)に取り付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項10】
前記シーリング要素(2)の裏側は、導管(8)を介して加圧流体の供給源に接続されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項11】
前記シーリング要素(2)の裏側には導電性流体がある、請求項1~10のいずれか一項に記載のシール装置。
【請求項12】
前記センサ(5)は、前記シール(1)が取り付けられている機器のコントローラ(9)に接続され、前記コントローラ(9)は、少なくとも前記センサ(5)から受信した値および/または対応する信号が、前記シーリング要素(2)の任意の長手方向位置で前記厚さ(t)が所定の値よりも薄いことを示す場合、前記シーリング要素(2)の前記厚さ(t)を報告するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のシール装置。
【請求項13】
前記コントローラ(9)は、前記シーリング要素(2)の角度的または長手方向の位置に関連する前記シーリング要素(2)の前記厚さ(t)を所定の時間間隔で報告するように構成される、請求項12に記載のシーリング装置。
【請求項14】
前記センサ(5)は、厚さの検出のために作動される、および/または検出された表示が1時間より長い間隔で、または1日に1回またはそれ以上の間隔で、前記コントローラ(9)に無線で送信される、請求項13に記載のシーリング装置。
【請求項15】
パルプまたは紙の製造プラントのリグノセルロースまたは他の懸濁液を処理するための機器であって、前記装置は、請求項1~14のいずれか一項に記載のシーリング装置を有する、機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールのシーリング要素の厚さを検出するためのシーリング装置に関するものである。好ましくは、シールは、流体または他のプレス装置によって加圧され、これにより、シールのシーリング面が、シーリングされた構成要素の動作時に互いに滑る隣接する可動シーリング面と確実に接触する。本発明はまた、パルプまたは紙の製造プラント内で懸濁液を処理する装置に関するものである。本発明の範囲は、特許請求の範囲に定義されている。
【背景技術】
【0002】
隣接する被シーリング面と滑り接触しているシールのシーリング面は、最終的には摩耗する。多くの場合、シールは連続的に動作する装置に取り付けられるが、シーリング面の摩耗量を検査するために停止することは不可能である。したがって、摩耗のレベルを測定するか、少なくともシーリング面が臨界厚さまで摩耗したときを検出することが強く求められている。測定または指示タスクのために、様々な方法と装置が開発されてきた。視覚的に検出可能な機能を利用するものもある。これらの指示については、オペレータまたはサービスマンがシールを視覚的に確認する必要がある。多くの場合、実際には不可能である。
【0003】
シールが摩耗して非常に薄いので、交換する必要があることを示すために、シーリング材料の上または内部に、電気接続の開閉がまた配置されてきた。特許文献1および特許文献2などの特許文献には、そのようなソリューションが記載されている。シールには、センサの位置でシールのシーリング面の厚さを測定するための内蔵された測定センサを備えることもできる。特許文献3、特許文献4、特許文献5などの特許文献には、そのようなソリューションが記載されている。特許文献6および特許文献7は、被シーリング面をコンデンサの接地極として使用し、シール内に埋め込まれた導電性インサートが第2の極として機能することを開示している。このような回路の静電容量の測定は、被シーリング面の厚さを示す。
【特許文献1】米国特許第5540448号明細書
【特許文献2】米国特許第10161225号明細書
【特許文献3】米国特許第3594721号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2017009550号明細書
【特許文献5】米国特許第4922423号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第20190072183号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第20180112779号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被シーリング面に対して移動するシールは、局所的に摩耗する可能性がある。開閉接続を埋め込んだ感知方法を使用するソリューションは、シールの局所的に摩耗したシーリング要素を検出できる。それらは依然として、シーリング要素に沿った厚さの進行を連続的に測定することができない。容量式方法では、シーリング面の平均厚さを測定できる。シールの摩耗速度を知ることにより、コントローラは、例えば摩耗傾向を推定し、シールを交換する前の利用可能な動作時間を予測できる。また、シールの長さの全長または大部分を測定することにより、摩耗の速い場所を検出して追跡することができる。
【0005】
シーリング要素に対して滑る被シーリング面は、摩耗を加速する可能性のある表面の凹凸を回避するために、可能な限り均一である必要がある。また、摩耗率の局所的な違いを避けるために、被シーリング面の材料は均一である必要がある。例えば、硬度または冶金学的組成のばらつき、または表面の凹凸により、被シーリング面に沿って完全に異なる摩耗率または局所的な腐食が発生する可能性がある。被シーリング面は、被シーリング面内の境界を回避するために、好ましくは1つの成分のみを含む必要がある。このような境界は、新しいシールを使用しても漏れを引き起こす可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、隣接する被シーリング面と滑り接触しているシールのシーリング要素の摩耗の追跡の必要性に対処するために開発された。本発明は請求項1に定義されており、有利な実施形態は従属請求項に定義されている。
【0007】
シールのシーリング要素の厚さを検出するための少なくとも1つのセンサが被シーリング面の周囲の構成要素に取り付けられ、センサがシーリング要素の反対側に配置される場合、センサは、シーリング要素の長さに沿って厚さを検出および/または測定することができる。被シーリング面の周囲の構成要素および/またはシールが取り付けられている構成要素が回転または往復運動するとき、すなわち、それらがシーリング要素の長手方向に互いに対して移動するように配置されるとき、センサは被シーリング面の反対側に連続的に留まる。センサは、シーリング要素の横方向の境界またはインサートからの応答を受信できる必要がある。インサートは、導電性があるか、または磁性材料のものとすることができる。インサートは、シーリング要素内に埋め込まれるか、シーリング要素の裏側に接続することができる。
【0008】
センサが被シーリング面内の穴を通してシーリング要素と接触していても、テストでシーリング要素の余分な摩耗は検出されなかった。また、被シーリング面の材質とセンサが互いに異なっていても、シーリング装置がパルプまたは紙の製造プラントのリグノセルロースまたは他の懸濁液で囲まれている場合、被シーリング面の摩耗に関連する違いは見られなかった。シールは、任意の流体または粒子を含む物質に対してシールする可能性があるため、他のテストされていないシーリング装置および環境に同じ肯定的な結果が当てはまるとは限らない。それでも、パルプまたは紙の製造プラントのリグノセルロースまたは他の懸濁液に使用されるような連続運転プロセス機器では、想定されるが制御されない長い寿命よりも、制御されるが少し短い寿命を有することがしばしば好ましい。
【0009】
センサは、好ましくは超音波センサである。あるいはまた、それは、インダクタンスまたは磁場の変化に敏感である。センサの感知方法が必要とするか、または好む場合、シールは、シーリング要素の裏側のシール内にインサートを有することができるか、またはインサートがシーリング要素内に埋め込まれる。そして、インサートまたはシーリング要素は、金属または他の導電性材料または磁性材料を含む。シーリング要素の裏側の導電性流体はまた、インサートとして機能し、センサの動作を可能にする。
【0010】
センサの感知端部が被シーリング面の穴内にある場合、センサの感知端部の幅または直径は、被シーリング面に接触するシーリング面の幅よりも小さいことが有利である。そして、シーリング面の一部は、センサの感知端部と被シーリング面との間に形成される可能性のある切れ目の影響を受けない。センサはまた、シーリング要素の中央に位置する(センタリングされている)場合、センサの感知端部の両側に被シーリング面の均一な領域が存在する。センサがインサートの中央に位置する場合、装置は最良の感知結果を達成する。十分に均一な被シーリング面を達成するには、センサの感知端部の高さを被シーリング面の上方0.1mm未満、被シーリング面の下方0.2mm未満にする必要がある。より好ましくは、それらは等しい高さにある。最も好ましくは、被シーリング面全体が均一であり、センサが被シーリング面の下に取り付けられている。すると、センサとシーリング要素との接触は発生しない。
【0011】
押圧力は、シールの全長に沿ってシーリング要素を被シーリング面に押し付ける必要がある。押圧力は、空気圧、油圧、または機械的手段によって達成することができる。好ましくは、シーリング要素の裏側は、導管を介して加圧流体の供給源に接続されている。
【0012】
有益でプロセス制御の利点を達成するために、センサは、シールが取り付けられている機器のコントローラに接続する必要がある。コントローラは、シーリング要素の最小厚さを報告するように、および/または、測定値および/またはセンサから受信した信号が、シーリング要素の任意の長手方向の位置で厚さが所定の限界よりも薄いことを示す場合を少なくとも示すように構成する必要がある。好ましくは、コントローラはまた、シーリング要素の角度的または長手方向の位置に関連するシーリング要素の厚さを報告するように構成される。センサとコントローラ間の接続が無線であり、それらがバッテリー駆動である場合は、省電力の定期的な操作が必要なため、接続および/またはセンサを連続的に操作すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】シールが加圧される本発明の一実施形態を示す。
図2】センサが被シーリング面の下に取り付けられた本発明の一実施形態を示す。
図3】シールを押すための力がばねによって構成される本発明の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、シール1のシーリング要素2の厚さtを検出するためのシーリング装置の一実施形態を示している。シーリング要素2の前面のシーリング面3は、周囲の構成要素10の隣接する被シーリング面4と滑り接触すると摩耗して薄くなる。シールのシーリング要素2は、シーリング面3と被シーリング面4との間の漏れを制限する作用要素である。シーリング装置の他の部分は、主に、シール1と、またはシール1が取り付けられている構成要素7との間の漏れを防止し、シーリング面3への連続的な作用力を確保するためのものである。
【0015】
シーリング要素2の厚さを示すための少なくとも1つのセンサ5が、被シーリング面4の周囲の構成要素10に取り付けられている。被シーリング面4の周囲の構成要素10および/またはシール1が取り付けられている構成要素7は、センサ5がシーリング要素2の反対側に連続的に配置されるように、シーリング要素2の長手方向に往復運動または回転するように配置される。センサ5は、好ましくは、機器のコントローラ9に接続され、シール1が取り付けられている。センサ5はまた、スタンドアロンのソリューションとして機能するために必要な表示コントローラおよびインジケータに接続することができる。コントローラ9は、シーリング要素2の厚さtの状態を報告するように構成される。好ましくは、コントローラ9は、センサ5から受信した値および/または対応する信号が、シーリング要素2の任意の長手方向位置で厚さtが所定の値よりも薄いことを示す場合、少なくとも厚さtが薄すぎることを報告する。より好ましくは、コントローラ9は、所定の時間間隔でのシーリング要素2の角度的または長手方向の位置に関連するシーリング要素2の厚さtを報告するように構成される。
【0016】
周囲の構成要素10、したがって被シーリング面4が回転可能である場合、センサ5とコントローラ9を接続するために、Bluetooth(登録商標)、WLAN、RFID、または他の高周波、音波、または光波送信手段のような無線接続が必要となり得る。無線送信は連続的であるか、送信機はバッテリー電力を節約するために日ごとまたは週ごとのような適切な間隔で収集されたデータを送信することができる。好ましい間隔は1時間より長く、より好ましい間隔は日ごとである。センサおよびセンサデータの処理および保存は、バッテリー電力を節約するために同じまたはより短い間隔で操作することもできる。少なくともパルプまたは紙処理プラントのリグノセルロースまたは他の懸濁液を処理する場合、摩耗は速く起こらないはずである。シールは、数日以内に薄すぎる厚さに摩耗しないはずである。通常、このようなシールを備えた機器は、シールを交換せずに、好ましくは1年以上連続して動作する必要がある。例えば、Bluetooth(登録商標)接続を備えた多くの商用小型センサ機器は、連続的に動作していなければ、バッテリーを交換せずに何年も動作することができる。
【0017】
センサ5が超音波センサである場合、それは、シーリング要素2に対して、そしてそれを通して超音波を伝達する。音がインサートのような横方向のより硬いバリアまたはシーリング要素2の裏側のような他の境界に当たると、それはエコーバックする。センサ5の受信機は、エコーと送信された音との間の時間差を検出する。音は、被シーリング面4の横方向に向けられる必要がある。時間差は、シーリング要素2の厚さに比例する。音は、関連する減衰なしに金属材料を容易に貫通するため、超音波センサは、構成要素10を貫通して被シーリング面4まで延在する必要はない。被シーリング面4は均一のままでいることができ、センサ5は周囲の構成要素10に取り付けられ、超音波を被シーリング面4およびシーリング要素2に向ける。被シーリング面とシーリング要素2との間の界面からの指示エコーは、一定の時間差を有し、報告された指示からフィルタリング除去される。シーリング材料は通常柔らかく、音をよく伝導しないため、シーリング要素2の裏側に埋め込まれた、または取り付けられたより硬いインサート6が、エコー能力を高め、より信頼性の高い測定結果を可能にする。超音波感知法は、金属または他の導電性材料でできているシーリング要素2の厚さを測定することもできる。
【0018】
別の有利で信頼できるタイプのセンサ5は、インダクタンスの変化に敏感であり、好ましくは、センサ5は近接センサである。近接センサは、物体の存在、好ましくは物体までの距離を検出して通知するように構成されている。</0111>金属材料または他の導電性材料を近接センサのコイルの近くに配置すると、コイルのインダクタンスの変化を感知する。インダクタンスの変化は、シーリング要素2の厚さtに比例する。近接センサまたはそれに接続されたコントローラは、距離に関連する数値またはアナログ値を通知することができる。さらに、またはその代わりに、近くの物体が検出された場合は、スイッチの状態を変更するか、または信号を送信することができる。検出および/または測定の目的のために、検出される物体は導電性である必要がある。シーリング要素2は通常導電性ではないので、インサート6またはシーリング要素2は金属または他の導電性材料を含む必要がある。インサート6は、シーリング要素2が薄くなると、被シーリング面4に近づくように移動しなければならないので、シーリング要素2の裏側に取り付けられるか、または連結されることが好ましい。ワイヤー、箔、粒子、または他のタイプの導電性インサート6もまた、シーリング要素2内に埋め込まれ得る。シーリング要素2の裏側にある導電性流体もまた、必要な検出を誘導し得る。近接センサは、センサの感知端部が被シーリング面4の穴に収まるように取り付けられている場合に最適に動作するであろう。金属の被シーリング面が感知端部の上で可能な限り薄い場合、近接センサはまた、適切に動作することができる。被シーリング面4が導電性でない場合、近接センサ用に被シーリング面に穴を開ける必要はない。例えば、PTFEのストリップまたはシース、または耐久性のある低摩擦材料のコーティングを周囲の構成要素10に取り付けることができ、被シーリング面2は、ストリップまたはシースまたはコーティング上にある。近接センサまたは他のタイプのセンサ5をその下に取り付けることができ、それでも信頼できる感度を達成することができる。
【0019】
センサ5はまた、磁場の変化による厚さtの変化を検出することができる。この装置は、例えば、磁性材料を含むインサート6またはシーリング要素2を含むことができる。したがって、センサ5は、シーリング要素2が薄くなると、磁場の増加を検出する。
【0020】
有利には、センサ5が被シーリング面4の穴内に取り付けられた感知端部を有する場合、センサ5の好ましくは平坦な感知端部の幅または直径は、シーリング面3の幅よりも小さい。好ましくは、センサ5は、シーリング要素2および/またはインサート6の中央に位置する。被シーリング面4は、凹凸がなく滑らかである必要がある。したがって、センサ5の感知端部の高さは、被シーリング面4の上方0.1mm未満であり、被シーリング面4の下方0.2mm未満である必要がある。最も有利には、センサ5は、被シーリング面4の下に取り付けられる。
【0021】
シールを加圧することは、シーリング要素2に対して一定の作用力を達成するための良い適応性のある方法である。そして、シーリング要素2の裏側は、導管8を介して加圧流体の供給源に接続される。たとえ特定の構成が図1の実施形態で開示されたとしても、それらの実装は加圧シールに限定されない。シーリング要素2に適切な作用力を確保するための他の任意の方法が、有利な構成を用いて可能である。
【0022】
図2は、センサ5が、被シーリング面4の下に取り付けられている、本発明の一実施形態を示している。センサ5は、例えばプラスチックまたは金属材料の、交換可能なまたは固定されたシース12によって覆われていてもいなくてもよい。特に、超音波センサ5はまた、それのための空洞なしに、周囲の構成要素10の裏側のシーリング要素2と反対の位置に取り付けられ得る。
【0023】
図3は、シーリング要素の作用力が、ばね11によって準備されている、本発明の一実施形態を示している。平坦なベースおよび/またはその下に金属ワッシャーを備えたばね11は、図1のインサート6のように機能し、近接または超音波センサの厚さ測定指示を可能にする。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール(1)のシーリング要素(2)の厚さ(t)を検出するためのシーリング装置であって、前記シーリング要素(2)の前面のシーリング面(3)が、被シーリング面(4)と滑り接触するように配置されており、これは、前記被シーリング面(4)の周囲の構成要素(10)および/または前記シール(1)が取り付けられている構成要素(7)が、前記シーリング要素(2)の長手方向に沿って移動するように配置されていることを意味する、シーリング装置において、
前記シーリング要素(2)の厚さを測定するための少なくとも1つのセンサ(5)が、前記被シーリング面(4)の前記周囲の構成要素(10)に取り付けられ、前記センサ(5)は、前記シーリング要素(2)の厚さを測定の間に前記シーリング要素(2)の反対側に留まり、前記センサ(5)は、前記シーリング要素(2)の横方向の境界から、または導電性インサート(6)から、または磁性材料のインサート(6)から、応答を受け取ることができ、前記インサート(6)は、前記シーリング要素(2)内に埋め込まれているか、前記シーリング要素(2)の裏側に接続されていることを特徴とする、シーリング装置。
【請求項2】
前記センサ(5)は、超音波センサであるか、またはインダクタンスの変化に敏感である、請求項1に記載のシーリング装置。
【請求項3】
前記インサート(6)は、金属または他の導電性材料を含むか、または前記インサート(6)は、前記シーリング要素(2)よりも硬い材料である、請求項1または2に記載のシーリング装置。
【請求項4】
前記センサ(5)は、磁場の変化に敏感であり、前記インサート(6)は、磁性材料を含む、請求項1に記載のシーリング装置。
【請求項5】
前記センサ(5)は、前記シーリング要素(2)および/または前記インサート(6)の中央に位置する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項6】
前記センサ(5)の感知端部が、前記被シーリング面(4)の穴に取り付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項7】
前記センサ(5)の前記感知端部の幅または直径は、前記シーリング面(3)の幅よりも小さい、請求項6に記載のシーリング装置。
【請求項8】
前記センサ(5)の前記感知端部の高さは、前記被シーリング面(4)の上方0.1mm未満であり、前記被シーリング面(4)の下方0.2mm未満である、請求項6または7に記載のシーリング装置。
【請求項9】
前記センサ(5)は、前記被シーリング面(4)の下で前記周囲の構成要素(10)に取り付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項10】
前記シーリング要素(2)の裏側は、導管(8)を介して加圧流体の供給源に接続されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシーリング装置。
【請求項11】
前記シーリング要素(2)の裏側には導電性流体がある、請求項1~10のいずれか一項に記載のシール装置。
【請求項12】
前記センサ(5)は、前記シール(1)が取り付けられている機器のコントローラ(9)に接続され、前記コントローラ(9)は、少なくとも前記センサ(5)から受信した値および/または対応する信号が、前記シーリング要素(2)の任意の長手方向位置で前記厚さ(t)が所定の値よりも薄いことを示す場合、前記シーリング要素(2)の前記厚さ(t)を報告するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のシール装置。
【請求項13】
前記コントローラ(9)は、前記シーリング要素(2)の角度的または長手方向の位置に関連する前記シーリング要素(2)の前記厚さ(t)を所定の時間間隔で報告するように構成される、請求項12に記載のシーリング装置。
【請求項14】
前記センサ(5)は、厚さの検出のために作動される、および/または検出された表示が1時間より長い間隔で、または1日に1回またはそれ以上の間隔で、前記コントローラ(9)に無線で送信される、請求項13に記載のシーリング装置。
【請求項15】
パルプまたは紙の製造プラントのリグノセルロースまたは他の懸濁液を処理するための機器であって、前記装置は、請求項1~14のいずれか一項に記載のシーリング装置を有する、機器。
【国際調査報告】