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特表2023-507137モジュラーセンサシステムに含まれるワイヤレスエネルギーハーベスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-21
(54)【発明の名称】モジュラーセンサシステムに含まれるワイヤレスエネルギーハーベスタ
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/38 20140101AFI20230214BHJP
【FI】
H02S40/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537035
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 US2020065282
(87)【国際公開番号】W WO2021126958
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/948,709
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522151581
【氏名又は名称】ナノフレックス パワー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フィールド,サード,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】バリオット,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ウォルゴスト,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】キング,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】アレン,ジェイ.ノーマン
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151AA02
5F151AA03
5F151AA05
5F151AA08
5F151AA09
5F151AA10
5F151AA11
5F151BA15
5F151JA28
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(57)【要約】
モジュラーセンサシステムは、複数のモジュールおよび1つ以上のブラインドメイトコネクタを有する。複数のモジュールは、1つ以上のセンサと、光起電セルを含む1つ以上のエネルギーハーベスタと、1つ以上のエネルギーストレージデバイスと、1つ以上のワイヤレス無線機と、1つ以上の電子デバイスとを有する。1つ以上のブラインドメイトコネクタは、複数のモジュールのそれぞれに含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに、複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のセンサ、光起電セルを含む1つ以上のエネルギーハーベスタ、1つ以上のエネルギーストレージデバイス、1つ以上のワイヤレス無線機、および、1つ以上の電子デバイスを有する複数のモジュールと、
前記複数のモジュールの各々に含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに、前記複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成された1つ以上のブラインドメイトコネクタと
を備える、モジュラーセンサシステム。
【請求項2】
前記1つ以上のエネルギーハーベスタは、光起電ハーベスタ、圧電ハーベスタ、振動ハーベスタ、熱電ハーベスタ、高周波(RF)ハーベスタ、および誘導エネルギーハーベスタから選択される、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項3】
前記光起電ハーベスタは、有機光起電(OPV:organic photovoltaic)セル、ペロブスカイト、ガリウムヒ素(GaAs)、銅インジウムガリウムセレン化物(CIGS)、テルル化カドミウム(CdTe)、アモルファスシリコン、結晶シリコン、および多結晶シリコンのうちの1つ以上を含む、請求項2に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項4】
前記複数のモジュールにおける前記光起電ハーベスタは剛性である、請求項2に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項5】
前記複数のモジュールにおける前記光起電ハーベスタは可撓性である、請求項2に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のエネルギーストレージデバイスは、バッテリ、キャパシタ、およびスーパーキャパシタのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のブラインドメイトコネクタは、磁石、機械的クリップ、ねじ、スナッピング、バインディングポスト、接着剤、プレスフィット、摩擦嵌合、ネジ止め、トグルコネクタ、差込みコネクタ、バナナコネクタ、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの取り付けメカニズムを利用して、前記複数のモジュールを取り付ける、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項8】
前記取り付けメカニズムは、前記電気コネクタである、請求項7に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項9】
前記取り付けメカニズムは、少なくとも1つの磁石のペアを含み、前記少なくとも1つの磁石のペアの極性は、前記複数のモジュールの各モジュールが正しい向きで接続されるように逆になっている、請求項7に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項10】
前記取り付けメカニズムは、全ての磁気配向が強磁性表面に対して作用するように、リア磁気マウントとして少なくとも1つの磁石を含む、請求項7に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項11】
前記取り付けメカニズムは、少なくとも1つの磁石のペアを含み、前記少なくとも1つの磁石のペアの極性は同じであり、前記少なくとも1つの磁石のペアが、磁気分極された物体および強磁性体表面へのリア磁気マウントとして機能し得る、請求項7に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項12】
前記1つ以上のブラインドメイトコネクタは、横方向の剪断力によって複数のモジュールのうちの2つのモジュール間の接続が切断されるのを防ぐための覆い(シュラウド)を有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項13】
前記覆いは、前記電気コネクタを有する、請求項12に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項14】
前記複数のモジュールの1つのモジュールは、エンドキャップモジュールであり、前記エンドキャップモジュールは前記モジュラーセンサシステムの一端に配置され、水の浸入を防止する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項15】
前記エンドキャップモジュールは電子機器を含まず、適合するブラインドメイトコネクタおよび前記電気コネクタを水分および物理的損傷から保護する、請求項14に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項16】
前記複数のモジュールの各々は、モジュール間を移動するデータ、電力、またはデータおよび電力両方のためのパススルーを有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項17】
前記複数のモジュールの1つのモジュールは、壁電源アダプタまたは1つ以上の交換可能なバッテリによって、前記システムに電力を加える、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項18】
前記複数のモジュールのうちの1つ以上のモジュールは、耐水性または防水性である、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項19】
前記複数のモジュールのうちの1つ以上のモジュールは、周囲に開放された少なくとも1つのチャンバを有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項20】
前記周囲に開放された前記少なくとも1つのチャンバは、1つ以上の多孔質疎水性フィルムを含む、請求項19に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項21】
前記1つ以上のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステルトラックエッチング、ポリ塩化ビニル、硝酸セルロース、酢酸セルロース、および表面改質親水性材料のうちの1つ以上を含む、請求項20に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項22】
前記複数のモジュールのうちの1つ以上のモジュールは、(1)太陽光または他の明るい光の中に置かれたときの正確な温度測定、および(2)前記モジュールを壁または他の表面に接着するときの正確な空気温度測定のうちの少なくとも1つを、
温度センサをプリント回路基板のストーク(stalk)上に配置し、前記温度センサと前記モジュールのケーシングとの間、および前記温度センサと前記プリント回路基板のバルクとの間の熱伝達を最小限に抑えること、
ファンを作動させ、前記温度センサの周囲の空気の流れを促進すること、
前記1つ以上のモジュールまたは前記温度センサ上に、シールドまたはシェードを配置し、前記1つ以上のモジュールまたは前記温度センサに、直接、太陽光または他の明るい光に当たらないようにすること、および、
スタンドオフを使用して、前記1つ以上のモジュールを壁または他の表面に取り付け、前記壁または他の表面への熱接触を最小限に抑えること、
の1つ以上によって促進するように設計される、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項23】
前記電気コネクタは、ばね荷重(ポゴピン)コネクタ、オーディオコネクタ、ビデオコネクタ、バナナコネクタ、バレルコネクタ、ブレードコネクタ、直流(DC)コネクタ、ドイツ協会ノルムング(DIN)コネクタ、ドック(Dock)コネクタ、D-subコネクタ、エッジコネクタ、日本圧着端子(JST:Japan Solderless Terminal)コネクタ、ミニダインコネクタ、光ファイバコネクタ、フォンコネクタ、ピンヘッダ、ラジオコーポレーションオブアメリカ(RCA)コネクタ、レジスタードジャック(RJ-X)コネクタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、USB-Cコネクタ、マイクロUSBコネクタ、円形コネクタ、矩形コネクタ、ハイブリッドコネクタ、クラウンばねコネクタ、モジュラージャックコネクタ、セキュアデジタル(SD)カードポートを使用するコネクタ、マイクロSDカードポートを使用するコネクタ、およびブラインドメイトコネクタの取り付けメカニズムのうちの1つ以上を有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項24】
前記1つ以上のセンサは、湿度、CO、ルクス(lux)、PAR、飽差、熱指数、水、pH、土壌水分、体積土壌水分量、土壌pH、加速度計、温度、圧力、ガス検知、全地球測位システム(GPS)、超広帯域無線(UWB)、三辺測量、パラメトリックセンシング、CO、酸素、総揮発性有機化合物、化学物質、汚染物質、導電率、抵抗率、電流検出、電流測定、電気的活性、金属検出、蒸発散、水使用量、塩分濃度、害虫駆除、気候監視、茎径、放射線、雨、雪、風、雷、土壌養分、露点、葉濡れ、占有率、位置、状態、煙、液漏れ、停電、全溶解物、洪水、動作、ドア動作、窓動作、フォトゲート、タッチ、触覚(ハプティック)、変位、レベル、音響、音、振動、周波数、気流、ホール効果、燃料レベル、液面、レーダー、トルク、速度、タイヤ空気圧、化学物質、赤外線、オゾン、磁気、無線方向探知機、大気汚染、水分検出、地震計、対気速度、深度、高度計、自由落下、位置、角速度、衝撃、傾斜、速度、慣性、力、応力、ひずみ、重量、炎、近接、存在、伸縮、ハートビート、心拍、血糖、血中酸素、インスリン、体温、医療化学検出、血圧、睡眠監視、呼吸数、乳酸、水分補給、コレステロール、心電計、脳波、筋電計、ヘモグロビンおよび貧血のための1つ以上のセンサを有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項25】
前記1つ以上の電子デバイスは、バッテリ、スーパーキャパシタ、熱電デバイス、発光デバイス、LED、電力管理チップ、論理回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、抵抗器、キャパシタ、トランジスタ、インダクタ、ダイオード、半導体、光電子デバイス、メモリスタ、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイス、バリスタ、アンテナ、トランスデューサ、結晶、共振器、端子、光検出器、光エミッタ、ヒータ、回路遮断器、ヒューズ、中継器、スパークギャップ、ヒートシンク、モータ、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、マイクロLED、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、アクティブマトリックス有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、量子ドットディスプレイ(QD)、量子発光ダイオードディスプレイ(QLED)、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、デジタル光処理ディスプレイ(DLP),干渉変調器ディスプレイ(IMOD)、デジタルマイクロシャッターディスプレイ(DMS)、プラズマディスプレイ、ネオンディスプレイ、フィラメントディスプレイ、表面伝導電子エミッタディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、レーザーテレビ、カーボンナノチューブディスプレイ、タッチスクリーン、外部コネクタ、データストレージ、圧電素子、スピーカー、マイク、セキュリティチップ、ならびにボタン、ノブ、スライダ、スイッチ、ジョイスティック、方向パッド、キーパッド、および圧力/タッチセンサを含むユーザ入力制御デバイスのうちの1つ以上を有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項26】
前記1つ以上のワイヤレス無線機は、ブルートゥース(登録商標、Bluetooth)、ブルートゥースローエネルギー(BLE:Bluetooth Low Energy)、BLE メッシュ、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、WiFi-ah、802.11、802.11a、802.11b、802.11g、ロングレンジ(LoRa)、LoRaWAN、ジグビー(ZigBee)、ゼットウェーブ(Z-Wave)、6LowPAN、スレッド(Thread)、超広帯域無線(UWB)、赤外線(IR)、赤外線データ協会(IrDA)、NB-loT(Narrowband Internet of Things)、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、無線通信(RF:radio frequency)、無線識別(RFID)、SigFox、アンジェヌ(Ingenu)、ウェイトレスエヌ(Weightless-N)、ウェイトレスピー(Weightless-P)、ウェイトレスダブリュー(Weightless-W)、アント(ANT)、アントプラス(ANT+)、ディジメッシュ(DigiMesh)、MiWi、エンオーシャン(EnOcean)、ダッシュセブン(Dash7)、ワイヤレスハート(WirelessHART)、GPRS、Mバス、KNXおよびISMバンド無線機のうちの1つ以上を有する、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項27】
前記1つ以上のエネルギーハーベスタは、任意の光スペクトルに対して最適化可能な有機光起電(OPV)モジュールである、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項28】
前記OPVモジュールは、デバイス層の厚さを増加または減少させること、それらのスペクトル吸収特性に基づいて光活性材料を選択すること、光活性材料の比率を変化させること、層および接合を追加または除去すること、個々の接合部のバンドギャップを変化させること、ならびに、反射防止コーティング、分布ブラッグ反射器、マイクロパターニング、および/または光トラップ構造のうちの1つ以上を適用することによって、光スペクトルについて最適化される、請求項27に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項29】
前記OPVモジュールは、屋内光に最適化される、請求項27に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項30】
前記1つ以上のエネルギーハーベスタは、シリコン光起電モジュールである、請求項1に記載のモジュラーセンサシステム。
【請求項31】
前記シリコン光起電モジュールは、アモルファスシリコン光起電モジュールおよび結晶シリコン光起電モジュールから選択される、請求項30に記載のモジュラーセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、令和1年12月16日に出願された米国仮出願第62/948,709号の利益を主張し、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、少なくとも1つのエネルギーハーベスティングコンポーネントを備えるモジュラーセンサシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、モジュラーセンサシステムを対象とし、ユーザがカスタマイズされたセンサソリューションを提供することを可能とする。開示されたシステムは、ワイヤレスエネルギーハーベスティングおよびセンサデータのワイヤレスコミュニケーションを含むワイヤレスシステムの使用を通じて、より容易なカスタムセンサの配置を可能にする。このシステムは、センサ能力を拡張するためのモジュールを含み、潜在的に無制限の数のセンサをモジュール的に追加することを可能にする。さらに、各モジュールは、複数のセンサ、エネルギーハーベスタ、エネルギーストレージデバイス、および/またはワイヤレス無線機のいずれをも含み得る。本開示によるエネルギーハーベスタは、バッテリ、キャパシタ、および/またはスーパーキャパシタを使用するなどの他の従来技術の解決策よりも、デバイスの利用可能なエネルギーを増加させ、および/またはデバイスの寿命を延ばすことができる。これらの利点は例えば、より頻繁または一定の通信を促進し、および/またはより大量のエネルギーを使用するより多くの電子機器に電力を供給することを可能にする。
【0004】
本明細書に開示されるデバイスは、農業、屋内農業、生態学、家畜追跡、ホームオートメーション、物のインターネット(IoT)、レクリエーション、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、時計、宝石、エネルギーインフラストラクチャ、医療用モニタリングデバイスおよび生物医学的パッチ、小売り、コールドチェーン、食品輸送/包装/保管/調理/供給、ロジスティクス、航空/陸上/水上輸送、航空宇宙、船舶、資産追跡、位置/移動/振動モニタリング、アーキテクチャ、軍事、防衛および監視、レーダおよびリモートセンシング、モジュラーパワーハーベスティングおよび/または無線デバイス、ビルディング/ホームモニタリング、耐タンパモニタリング、警報システム、オートメーション、自動車および建物集積型太陽光発電などの下流市場で使用される可能性があるが、これに限定されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特定の実施形態では、本開示は、1つ以上のセンサ、光起電セルを含む1つ以上のエネルギーハーベスタ、1つ以上のエネルギーストレージデバイス、1つ以上のワイヤレス無線機、および1つ以上の電子デバイスを有する複数のモジュールと、複数のモジュールのそれぞれに含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成された1つ以上のブラインドメイトコネクタとを備えるモジュラーセンサシステムを対象とする。
【0006】
他の実施形態では、本開示は、1つ以上のセンサ、光起電セルを含む1つ以上のエネルギーハーベスタ、1つ以上のワイヤレス無線機、および1つ以上の電子デバイスを有する複数のモジュールと、複数のモジュールのそれぞれに含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成された1つ以上のブラインドメイトコネクタとを備えるモジュラーセンサシステムを対象とする。
【0007】
本開示の他の実施形態は、以下に記載する。
【0008】
当然ながら、上記の一般的記載と下記の詳細な記載は、単に例示的かつ説明的なものであり、請求項に係る発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
図1図1は、例示的なモジュラーセンサシステムの組立図および分解図を示す図である。
図2図2Aは、例示的なモジュラーセンサシステムのモジュール間の取り付けメカニズムの一例を示す図である。図2Bは、例示的なモジュラーセンサシステムのモジュール間の取り付けメカニズムの一例を示す図である。
図3図3Aは、反対の極性の磁石を有するモジュラーセンサシステムのリアマウントシステムを示す図である。図3Bは、反対の極性の磁石を有するモジュラーセンサシステムのリアマウントシステムを示す図である。
図4図4Aは、同じ極性の磁石を有するモジュラーセンサシステムのリアマウントシステムを示す図である。図4Bは、同じ極性の磁石を有するモジュラーセンサシステムのリアマウントシステムを示す図である。
図5図5Aは、様々な突合せ継手に横方向せん断力を加えた結果を示す図である。図5Bは、様々な突合せ継手に横方向せん断力を加えた結果を示す図である。
図6図6は、電子機器を含まないエンドキャップモジュールを備えた例示的なモジュラーセンサシステムの組立図および分解図を示す図である。
図7図7Aは、温度センサによる正確な温度測定を促進するために、太陽光および他の明るい光の影響を軽減するための異なる技術を示す図である。図7Bは、温度センサによる正確な温度測定を促進するために、太陽光および他の明るい光の影響を軽減するための異なる技術を示す図である。図7Cは、温度センサによる正確な温度測定を促進するために、太陽光および他の明るい光の影響を軽減するための異なる技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態の例示のみを目的とし、可能な形態の全てではなく、本開示の範囲を限定することを意図しない。対応する参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を示す。
【0011】
詳細な説明
本開示の特定の実施形態は、1つ以上のセンサ、光起電セルを含む1つ以上のエネルギーハーベスタ、1つ以上のエネルギーストレージデバイス、1つ以上のワイヤレス無線機、および1つ以上の電子デバイスを有する複数のモジュールと、複数のモジュールのそれぞれに含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成された1つ以上のブラインドメイトコネクタとを備える、モジュラーセンサシステムを対象とする。
【0012】
特定の実施形態では、モジュールに含まれる1つ以上のエネルギーハーベスタは、光起電ハーベスタ、圧電ハーベスタ、振動ハーベスタ、熱電ハーベスタ、高周波(RF:rario frequency)ハーベスタ、および誘導エネルギーハーベスタから選択される。さらなる実施形態では、モジュールに含まれる光起電ハーベスタは、有機光起電(OPV)セル、ペロブスカイト、ガリウム砒素(GaAs)、銅インジウムガリウムセレン化物(CIGS)、テルル化カドミウム(CdTe)、アモルファスシリコン、結晶シリコン、および多結晶シリコンのうちの1つ以上を含む。
【0013】
特定の実施形態では、モジュールに含まれる光起電ハーベスタは、セルの色を変更すること、セルの透明性を変更すること、反射防止コーティングを追加すること、分布ブラッグ反射器を追加すること、マイクロパターニングを追加すること、光捕捉構造を追加すること、バンドギャップを変更すること、接合を追加すること、およびエレメントを追加することのうちの1つ以上によって、1ルクスから15万ルクスの範囲の光レベルに対して最適化可能である。特定の実施形態では、最適化可能なレベルの光が1ルクス~100ルクス、100ルクス~1,000ルクス、1,000ルクス~1万ルクス、500ルクス~2,000ルクス、1,000ルクス~5万ルクス、1万ルクス~5万ルクス、5万ルクス~14万ルクス、および10万ルクス~13万ルクスの範囲であり得る。
【0014】
完成したモジュールは剛性であるが、複数のモジュールにおける光起電エネルギーハーベスタは可撓性または剛性であり得る。特定の実施形態では、複数のモジュールにおける光起電エネルギーハーベスタが可撓性であるとき、ガラスまたはプラスチックなどの剛性の基板に接着することによって、剛性にすることができる。
【0015】
他の実施形態では、エネルギーストレージデバイスは、バッテリ、キャパシタ、およびスーパーキャパシタのうちの1つ以上を含むことができる。
【0016】
特定の実施形態において、1つ以上のブラインドメイトコネクタは、磁石、機械的クリップ、ねじ、スナッピング、バインディングポスト、接着剤、プレスフィット、摩擦嵌合、ネジ止め、トグルコネクタ、差込みコネクタ、バナナコネクタ、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの取り付けメカニズムを利用して、複数のモジュールを接続することができる。特定の実施形態では、取り付けメカニズムが電気コネクタとして機能することができる。
【0017】
さらなる実施形態では、取り付けメカニズムが、少なくとも1つの磁石のペアを含み得り、少なくとも1つの磁石のペアの極性は、複数のモジュールの各モジュールが正しい向きで接続されるように反転される。他の実施形態では、取り付けメカニズムが、全ての磁気配向が強磁性表面に対して働くように、リア磁気マウントとして働く少なくとも1つの磁石を含むことができる。さらなる実施形態では、取り付けメカニズムが、少なくとも1つの磁石のペアを含むことができ、少なくとも1つの磁石のペアの極性は同じであり、少なくとも1つの磁石のペアが磁気的に分極された物体および強磁性表面へのリア磁気マウントとして働くことを可能にする。
【0018】
本開示の特定の実施形態では、1つ以上のブラインドメイトコネクタが、複数のモジュールのうちの2つのモジュール間の接続を横方向せん断力が切断するのを防止するための覆い(シュラウド)を有する。覆いは、電気コネクタを含むことができる。
【0019】
本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムでは、モジュールの1つはエンドキャップモジュールとすることができ、エンドキャップモジュールはモジュラーセンサシステムの一端に配置することができ、水の浸入を防止することができる。例えば、エンドキャップモジュールは電子機器を含まず、適合するブラインドメイトコネクタおよび電気コネクタを水、湿気および物理的なダメージから保護する機能がある。
【0020】
本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムの特定の実施形態では、複数のモジュールの各々が、モジュール間を移動するデータ、電力、またはデータおよび電力の両方のためのパススルーを有する。
【0021】
本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムの特定の実施形態では、複数のモジュールのうちの少なくとも1つのモジュールが、壁電源アダプタまたは1つ以上の交換可能バッテリの使用を通じて、システムに電力を追加する。
【0022】
開示されるモジュラーセンサシステムのさらなる実施形態では、複数のモジュールのうちの1つ以上のモジュールが、耐水性または防水性である。
【0023】
モジュラーセンサシステムのさらなる実施形態は、周囲に開放された少なくとも1つのチャンバを有する1つ以上のモジュールを備え、センサ応答を容易にすることができる。さらなる実施形態では、周囲に開放された少なくとも1つのチャンバが、1つ以上の多孔質疎水性フィルムを含み、このフィルムは水および水分を遮断しながら、感知のために空気の透過を可能にすることができる。このようなフィルムの例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステルトラックエッチング、ポリ塩化ビニル、硝酸セルロース、酢酸セルロース、および表面改質親水性材料のうちの1つ以上を含む。
【0024】
追加の実施形態では、複数のモジュールのうちの1つ以上のモジュールが(1)太陽光または他の明るい光の中に置かれたときの正確な温度測定、および(2)モジュールを壁または他の表面に接着するときの正確な空気温度測定のうちの少なくとも1つを、
(a)プリント回路基板のストーク(stalk)上に温度センサを配置し、温度センサとモジュールのケーシングとの間、および温度センサとプリント回路基板のバルクとの間の熱伝達を最小限に抑えること、
(b)ファンを作動させ、温度センサの周囲の空気の流れを促進すること、
(c)1つ以上のモジュールまたは温度センサ上に、シールドまたはシェードを配置し、1つ以上のモジュールまたは温度センサに、直接、太陽光または他の明るい光に当たらないようにすること、および、
(d)スタンドオフを使用して、1つ以上のモジュールを壁または他の表面に取り付け、壁または他の表面への熱接触を最小限に抑えること
の1つ以上によって促進するように設計される。
【0025】
開示されるモジュラーセンサシステムの特定の実施形態では、電気コネクタが、ばね荷重(ポゴピン)コネクタ、オーディオコネクタ、ビデオコネクタ、バナナコネクタ、バレルコネクタ、ブレードコネクタ、直流(DC)コネクタ、ドイツ協会ノルムング(DIN)コネクタ、ドック(Dock)コネクタ、D-subコネクタ、エッジコネクタ、日本圧着端子(JST:Japan Solderless Terminal)コネクタ、ミニダインコネクタ、光ファイバコネクタ、フォンコネクタ、ピンヘッダ、ラジオコーポレーションオブアメリカ(RCA)コネクタ、レジスタードジャック(RJ-X)コネクタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、USB-Cコネクタ、マイクロUSBコネクタ、円形コネクタ、矩形コネクタ、ハイブリッドコネクタ、クラウンばねコネクタ、モジュラージャックコネクタ、セキュアデジタル(SD)カードポートを使用するコネクタ、マイクロSDカードポートを使用するコネクタ、およびブラインドメイトコネクタの取り付けメカニズムのうちの1つ以上を有することができる。
【0026】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムが、湿度、CO、ルクス(lux)、PAR、飽差、熱指数、水、pH、土壌水分、体積土壌水分量、土壌pH、加速度計、温度、圧力、ガス検知、全地球測位システム(GPS)、超広帯域無線(UWB)、三辺測量、パラメトリックセンシング、CO、酸素、総揮発性有機化合物、化学物質、汚染物質、導電率、抵抗率、電流検出、電流測定、電気的活性、金属検出、蒸発散、水使用量、塩分濃度、害虫駆除、気候監視、茎径、放射線、雨、雪、風、雷、土壌養分、露点、葉濡れ、占有率、位置、状態、煙、液漏れ、停電、全溶解物、洪水、動作、ドア動作、窓動作、フォトゲート、タッチ、ハプティック(Haptic)、変位、レベル、音響、音、振動、周波数、気流、ホール効果、燃料レベル、液面、レーダー、トルク、速度、タイヤ空気圧、化学物質、赤外線、オゾン、磁気、無線方向探知機、大気汚染、水分検出、地震計、対気速度、深度、高度計、自由落下、位置、角速度、衝撃、傾斜、速度、慣性、力、応力、ひずみ、重量、炎、近接、存在、伸縮、ハートビート、心拍、血糖、血中酸素、インスリン、体温、医療化学検出、血圧、睡眠監視、呼吸数、乳酸、水分補給、コレステロール、心電計、脳波、筋電計、ヘモグロビンおよび貧血のための1つ以上のセンサを有する。
【0027】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムが、バッテリ、スーパーキャパシタ、熱電デバイス、発光デバイス、LED、電力管理チップ、論理回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、抵抗器、キャパシタ、トランジスタ、インダクタ、ダイオード、半導体、光電子デバイス、メモリスタ、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイス、バリスタ、アンテナ、トランスデューサ、結晶、共振器、端子、光検出器、光エミッタ、ヒータ、回路遮断器、ヒューズ、中継器、スパークギャップ、ヒートシンク、モータ、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、マイクロLED、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、アクティブマトリックス有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、量子ドットディスプレイ(QD)、量子発光ダイオードディスプレイ(QLED)、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、デジタル光処理ディスプレイ(DLP),干渉変調器ディスプレイ(IMOD)、デジタルマイクロシャッターディスプレイ(DMS)、プラズマディスプレイ、ネオンディスプレイ、フィラメントディスプレイ、表面伝導電子エミッタディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、レーザーテレビ、カーボンナノチューブディスプレイ、タッチスクリーン、外部コネクタ、データストレージ、圧電素子、スピーカー、マイク、セキュリティチップ、ならびにボタン、ノブ、スライダ、スイッチ、ジョイスティック、方向パッド、キーパッド、および圧力/タッチセンサを含むユーザ入力制御デバイスから選択される1つ以上の電子デバイスを有する。
【0028】
特定の実施形態では、本明細書で開示されるモジュラーセンサシステムが、ブルートゥース(登録商標、Bluetooth)、ブルートゥースローエネルギー(BLE:Bluetooth Low Energy)、BLE メッシュ、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、WiFi-ah、802.11、802.11a、802.11b、802.11g、ロングレンジ(LoRa)、LoRaWAN、ジグビー(ZigBee)、ゼットウェーブ(Z-Wave)、6LowPAN、スレッド(Thread)、超広帯域無線(UWB)、赤外線(IR)、赤外線データ協会(IrDA)、NB-loT(Narrowband Internet of Things)、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、無線通信(RF:radio frequency)、無線識別(RFID)、SigFox、アンジェヌ(Ingenu)、ウェイトレスエヌ(Weightless-N)、ウェイトレスピー(Weightless-P)、ウェイトレスダブリュー(Weightless-W)、アント(ANT)、アントプラス(ANT+)、ディジメッシュ(DigiMesh)、MiWi、エンオーシャン(EnOcean)、ダッシュセブン(Dash7)、ワイヤレスハート(WirelessHART)、GPRS、Mバス、KNXおよびISMバンド無線機から選択される1つ以上のワイヤレス無線機を有する。
【0029】
特定の実施形態では、本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムが、有機光起電(OPV)モジュールから選択される1つ以上のエネルギーハーベスタを含み、OPVモジュールは任意の光スペクトルに対して最適化可能であり得る。例えば、OPVモジュールは、デバイス層の厚さを増減させること、そのスペクトル吸収特性に基づいて光活性材料を選択すること、光活性材料の比率を変化させること、層および接合を追加または除去すること、個々の接合のバンドギャップを変化させること、反射防止コーティング、分布ブラッグ反射器、マイクロパターニング、および/または光トラップ構造のうちの1つ以上を適用することによって、光スペクトルに対して最適化することができる。特定の実施形態では、OPVモジュールが室内光用に最適化される。
【0030】
OPVモジュールは、アプリケーション仕様に応じて、半透明、高反射、または不透明に製造することができる。半透明のOPVモジュールは、上部電極と下部電極の両方に半透明の導電材料(酸化インジウムスズまたは薄い金属など)を使用することによって達成することができる。反射率および色相は、OPVモジュールにおける有機材料の選択およびの有機層の厚さによって制御することができる。
【0031】
特定の実施形態では、OPVモジュールが、光活性材料としてポリマーおよび/または有機分子(純粋な炭素化合物を含む)を含む。ポリマーベースおよび/または有機分子ベースのOPVモジュールは溶液処理され、キャリア溶媒と、ブレードコーティング、スピンコーティング、および印刷などの方法とを必要とする。方法は、これらに限定されない。いくつかの小分子OPVモジュールは、真空蒸着によって製造することもできる。本開示のさらなる実施形態は、真空熱蒸着、有機蒸気ジェット印刷、または有機気相堆積によって堆積された小分子材料を使用して製造されたOPVモジュールを対象とする。
【0032】
OPVモジュールは、任意の光スペクトル、例えば、太陽光または屋内光、例えば、LED(発光ダイオード)、蛍光、白熱、成長光、ネオン光、水銀灯、金属ハロゲン化物、高強度放電、生物発光、および化学発光に対して最適化されて、標的スペクトルに対する太陽からのエネルギー収穫を増加させる。所与の光スペクトルに対して、最適化は、1ルクスから15万ルクスの範囲の特定のレベルの光を目標とすることができる。光の最適化されたレベルの非限定的な例示範囲は、例えば、人工光源を使用する屋内用途のための100ルクス~1,000ルクス、種付けのための5,000ルクス~7,000ルクス、および植物成長のための15,000ルクス~75,000ルクスなどの屋内農業用途のための100ルクス~75,000ルクス、曇った屋外用途のための1,000ルクス~3万ルクス、および明るい太陽光用途のための10万ルクス~14万ルクスを含む。
【0033】
特定の実施形態では、OPVモジュールを、低光環境で大部分の光を収集するために、人工光源に対して最適化することができる。このような実施形態では、OPVモジュールが外光に最適化されていなくても、屋外に持ち出すと十分な光量が得られる。
【0034】
例えば、OPVモジュールは、様々な用途において、光スペクトルに高度に同調可能でありえる。内部的には、デバイス層の厚さの増減、そのスペクトル吸収特性に基づく光活性材料の選択、光活性材料の比率の変化、層および/または接合の追加/除去によって、OPVの色および透明度を調整することができる。外部的には、OPVモジュールは、反射防止コーティング、分布ブラッグ反射器、マイクロパターニング、および他の光捕捉構造を使用して、特定の光スペクトルに調整することができる。
【0035】
一般に、光起電セルは、それらの吸収スペクトルが光源の発光スペクトルを受け入れるように設計される。チューニングは、太陽電池の組み合わされた吸収スペクトルが光源に整合されるように、個々の接合(またはサブセル)のバンドギャップの変化、または、デバイスへの複数の接合(またはサブセル)の追加によってなされ得り、それによって光起電効率が増加する。例えば、バンドギャップを調整するために、ベースの太陽電池に元素を添加(例えば、GaAsにNを添加)することができる。
【0036】
他の実施形態では、本明細書に開示されるモジュールセンサーシステムが、シリコン光起電モジュールから選択される1つ以上のエネルギーハーベスタを有する。特定の実施形態では、シリコン光起電モジュールが、結晶シリコン光起電モジュール、多結晶シリコン光起電モジュール、および薄膜光起電モジュールなどのアモルファスシリコン光起電モジュールから選択される。
【0037】
他の実施形態では、本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムが、ホームオートメーションおよびモノのインターネット用途で使用することができ、この用途ではセンサが温度、光(強度および/または色)、動き、湿度、位置(例えば、窓の開閉)、CO、火災、漏れ、水分、および、自動化タスクをトリガする他のセンサを監視するために使用され得る。自動化タスクは、例えば、照明、空調、ファン、暖房、警報、カメラおよび/または移動アラートのオンまたはオフなどである。
【0038】
さらなる実施形態では、本明細書に開示されるモジュラーセンサシステムが、屋内および屋外の両方の用途を含む農業用途で使用される。そのような用途では、センサが例えば、温度、湿度、光レベル(例えば、ルクス(Lux)またはPAR)、土壌水分、体積土壌水分含量、土壌栄養素、土壌pH、水pH、大気質(例えば、総揮発性有機化合物)、空気流、降雨、風速、露点、大気圧、および葉湿度を監視するために使用される。
【0039】
追加の実施形態では、本明細書で開示されるモジュラーセンサシステムが、コールドチェーン管理で使用され、この用途では、温度、湿度、光、位置(例えば、GPS)および/近接度(例えば、BLE三辺測量、LoRa三辺測量、ISM帯域三辺測量)を測定することによって、センサおよび/またはビーコンが、食品、医療用品/ワクチンなどのコールドトランスポートを監視するために使用され得る。
【0040】
さらなる実施形態では、本明細書で開示されるモジュラーセンサシステムを食品の輸送/包装/貯蔵/調製/供給に使用し、この用途では、センサおよび/またはビーコンが、温度、湿度、光、位置(例えば、GPS)および/近接度(例えば、BLE三辺測量、LoRa三辺測量、ISM帯域三辺測量)を監視するために使用され得る。
【0041】
本開示のさらなる実施形態では、スマートホームオートメーションと一体化させて、本明細書で開示されるセンサおよび/またはビーコンを、温度、湿度、光レベル、近接度などの監視に使用する。さらに、本開示は、本明細書に列挙されたセンサのいずれかから、自動化および警告をトリガする開示されたセンサを企図し、例えば農業のための気候制御、またはメタン漏れが検出された場合にファンをオンにすることなどを含む。
【0042】
さらに、開示されたモジュラーセンサシステムは、資産追跡において使用することができ、この場合、センサおよび/またはビーコンは、位置(例えば、GPS)および/近接度(例えば、BLE三辺測量、LoRa三辺測量、ISM帯域三辺測量)を監視するために使用され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、電子デバイスが、湿度、CO、ルクス(lux)、PAR、飽差、熱指数、水、pH、土壌水分、体積土壌水分量、土壌pH、加速度計、温度、圧力、ガス検知、全地球測位システム(GPS)、超広帯域無線(UWB)、三辺測量、パラメトリックセンシング、CO、酸素、総揮発性有機化合物、化学物質、汚染物質、導電率、抵抗率、電流検出/測定、電気的活性、金属検出、蒸発散、水使用量、塩分濃度、害虫駆除、気候監視、茎径、放射線、雨、雪、風、雷、土壌養分、露点、葉濡れ、占有率、位置/状態、煙、液漏れ、停電、全溶解物、洪水、動作、ドア/窓動作、フォトゲート、タッチ、ハプティック(Haptic)、変位、レベル、音響/音/振動/周波数、気流、ホール効果、燃料レベル、液面、レーダー、トルク、速度、タイヤ空気圧、化学物質、赤外線、オゾン、磁気、無線方向探知機、大気汚染、水分検出、地震計、対気速度、深度、高度計、自由落下、位置、角速度、衝撃、傾斜、速度、慣性、力、応力、ひずみ、重量、炎、近接/存在、伸縮、ハートビート、心拍、血糖、血中酸素、インスリン、体温、医療化学検出、血圧、睡眠監視、呼吸数、乳酸、水分補給、コレステロール、心電計、脳波、筋電計、ヘモグロビンおよび貧血などの状態を監視するセンサである。状態は、これらに限定されない。
【0044】
本開示のさらなる実施形態は、1つ以上のセンサ、光起電セルを含む1つ以上のエネルギーハーベスタ、1つ以上のワイヤレス無線機、および1つ以上の電子デバイスを有する複数のモジュールと、複数のモジュールのそれぞれに含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成された1つ以上のブラインドメイトコネクタとを備える、モジュラーセンサシステムを対象とする。
【0045】
本開示のさらなる実施形態は、1つ以上のセンサ、1つ以上の光起電ハーベスタ、1つ以上のワイヤレス無線機、および1つ以上の電子デバイスを有する複数のモジュールと、複数のモジュールのそれぞれに含まれ、かつ、電力および/またはデータを伝送するための電気コネクタを有するとともに複数のモジュールのうちの2つのモジュールを接続するように構成された1つ以上のブラインドメイトコネクタとを備える、モジュラーセンサシステムを対象とする。
【0046】
1つ以上のセンサは、湿度、CO、ルクス(lux)、PAR、飽差、熱指数、水、pH、土壌水分、体積土壌水分量、土壌pH、加速度計、温度、圧力、ガス検知、全地球測位システム(GPS)、超広帯域無線(UWB)、三辺測量、パラメトリックセンシング、CO、酸素、総揮発性有機化合物、化学物質、汚染物質、導電率、抵抗率、電流検出、電流測定、電気的活性、金属検出、蒸発散、水使用量、塩分濃度、害虫駆除、気候監視、茎径、放射線、雨、雪、風、雷、土壌養分、露点、葉濡れ、占有率、位置、状態、煙、液漏れ、停電、全溶解物、洪水、動作、ドア動作、窓動作、フォトゲート、タッチ、ハプティック(Haptic)、変位、レベル、音響、音、振動、周波数、気流、ホール効果、燃料レベル、液面、レーダー、トルク、速度、タイヤ空気圧、化学物質、赤外線、オゾン、磁気、無線方向探知機、大気汚染、水分検出、地震計、対気速度、深度、高度計、自由落下、位置、角速度、衝撃、傾斜、速度、慣性、力、応力、ひずみ、重量、炎、近接、存在、伸縮、ハートビート、心拍、血糖、血中酸素、インスリン、体温、医療化学検出、血圧、睡眠監視、呼吸数、乳酸、水分補給、コレステロール、心電計、脳波、筋電計、ヘモグロビンおよび貧血のためのセンサから選択される。
【0047】
1つ以上のワイヤレス無線機は、ブルートゥース(登録商標、Bluetooth)、ブルートゥースローエネルギー(BLE:Bluetooth Low Energy)、BLE メッシュ、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、WiFi-ah、802.11、802.11a、802.11b、802.11g、ロングレンジ(LoRa)、LoRaWAN、ジグビー(ZigBee)、ゼットウェーブ(Z-Wave)、6LowPAN、スレッド(Thread)、超広帯域無線(UWB)、赤外線(IR)、赤外線データ協会(IrDA)、NB-loT(Narrowband Internet of Things)、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、無線通信(RF:radio frequency)、無線識別(RFID)、SigFox、アンジェヌ(Ingenu)、ウェイトレスエヌ(Weightless-N)、ウェイトレスピー(Weightless-P)、ウェイトレスダブリュー(Weightless-W)、アント(ANT)、アントプラス(ANT+)、ディジメッシュ(DigiMesh)、MiWi、エンオーシャン(EnOcean)、ダッシュセブン(Dash7)、ワイヤレスハート(WirelessHART)、GPRS、Mバス、KNXおよびISMバンド無線機から選択される。
【0048】
1つ以上の電子デバイスは、バッテリ、スーパーキャパシタ、熱電デバイス、発光デバイス、LED、電力管理チップ、論理回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、抵抗器、キャパシタ、トランジスタ、インダクタ、ダイオード、半導体、光電子デバイス、メモリスタ、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイス、バリスタ、アンテナ、トランスデューサ、結晶、共振器、端子、光検出器、光エミッタ、ヒータ、回路遮断器、ヒューズ、中継器、スパークギャップ、ヒートシンク、モータ、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、マイクロLED、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、アクティブマトリックス有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、量子ドットディスプレイ(QD)、量子発光ダイオードディスプレイ(QLED)、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、デジタル光処理ディスプレイ(DLP),干渉変調器ディスプレイ(IMOD)、デジタルマイクロシャッターディスプレイ(DMS)、プラズマディスプレイ、ネオンディスプレイ、フィラメントディスプレイ、表面伝導電子エミッタディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、レーザーテレビ、カーボンナノチューブディスプレイ、タッチスクリーン、外部コネクタ、データストレージ、圧電素子、スピーカー、マイク、セキュリティチップ、ならびにボタン、ノブ、スライダ、スイッチ、ジョイスティック、方向パッド、キーパッド、および圧力/タッチセンサを含むユーザ入力制御デバイスから選択される。
【0049】
図1は、例示的なモジュラーセンサシステムの組立図および分解図を示す図である。図示のように、モジュラーセンサシステム100は、エンドキャップモジュール102と、温湿度モジュール104と、COモジュール106とを含むことができる。同様に、分解状態のモジュラーセンサシステム110は、エンドキャップモジュール112と、温湿度モジュール114と、COモジュール116とを含むことができる。モジュール102,104,および106、ならびに、モジュール112,114,および116は、電力およびデータが伝送されるように接続され得り、1つ以上のブラインドメイトコネクタによってともに保持される。以下でより詳細に説明する。
【0050】
モジュラーセンサシステム100および110は、複数のモジュールから構成することができ、この複数のモジュールは、複数の組み合わせでモジュール式に組み合わせることができる。モジュールは、利用可能な複数のモジュールから選択され得り、モジュールの全てが使用される必要はなく、カスタムセンサソリューションが実現されればよい。各モジュールは、複数のセンサ、エネルギーハーベスタ、エネルギーストレージデバイス、ワイヤレス無線機、および/または電子デバイスのいずれかを含むことができる。
【0051】
例えば、図1において、モジュラーセンサシステム100は、温度センサおよび湿度センサを含む温湿度モジュール104と、COセンサを含むCOモジュール106と、温度センサおよび光センサを含むエンドキャップモジュール102とを含む。他の実施形態では、エンドキャップモジュール102が温度センサのみを含んでおり、光センサのみを含んでおり、何れも、または他のセンサも含んでいない。さらに、エンドキャップモジュール102も、光起電セルなどのエネルギーハーベスタ、充電式バッテリなどのエネルギーストレージデバイス、ワイヤレス無線機、および/または電子デバイスを含んでいてもよい。電子デバイスは、電力管理回路、マイクロプロセッサ、LED、および/または押しボタンなどである。
【0052】
いくつかの実施形態では、複数のモジュールのそれぞれは、モジュール間を移動するデータおよび/または電力のためのパススルーを含むことができる。他の実施形態では、複数のモジュールのうちの1つのモジュールは、壁電源アダプタまたは1つ以上の交換可能なバッテリによって、モジュラーセンサシステム100に電力を追加してもよい。これは、エネルギーハーベスタからの発電を補うことができる。例えば、モジュラーセンサシステムが、エネルギー収穫について光起電セルに依存し、ユーザがこのシステムを暗い空間に配置したい場合、ユーザは、外部電源にプラグインしてシステムに電力を供給し得るモジュールを使用することができる。
【0053】
さらに他の実施形態では、1つ以上のモジュールが、センサ応答を容易にするために、周囲に開放された少なくとも1つのチャンバを含んでいてもよい。例えば、図1において、温湿度モジュール104およびCOモジュール106は、オープンチャンバを含んでおり、これにより、空気流が速くなり、正確な読み取りを行うことを可能となる。いくつかの実施形態では、オープンチャンバが、多孔質の疎水性フィルムを含み得、水および水分を遮断しながら、感知のための空気透過を可能にする。フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレンおよびポリエチレン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステルトラックエッチング、ポリ塩化ビニル、硝酸セルロース、酢酸セルロース、および表面改質親水性材料(例えば、ナイロン、ポリアミド、およびポリエーテルスルホン)などの複数のフィルムのいずれかであってもよいが、これらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態では、センサが例えば、湿度、CO、ルクス(lux)、PAR、飽差、熱指数、水pH、土壌水分、体積土壌水分量、土壌pH、加速度計、温度、圧力、ガス検知、GPS、UWB、三辺測量、パラメトリックセンシング、CO、酸素、総揮発性有機化合物、化学物質、汚染物質、導電率、抵抗率、電流検出/測定、電気的活性、金属検出、蒸発散、水使用量、塩分濃度、害虫駆除、気候監視、茎径、放射線、雨、雪、風、雷、土壌養分、露点、葉濡れ、占有率、位置/状態、煙、液漏れ、停電、全溶解物、洪水、動作、ドア/窓動作、フォトゲート、タッチ、ハプティック(Haptic)、変位、レベル、音響/音/振動/周波数、気流、ホール効果、燃料レベル、液面、レーダー、トルク、速度、タイヤ空気圧、化学物質、赤外線、オゾン、磁気、無線方向探知機、大気汚染、水分検出、地震計、対気速度、深度、高度計、自由落下、位置、角速度、衝撃、傾斜、速度、慣性、力、応力、ひずみ、重量、炎、近接/存在、伸縮、ハートビート、心拍、血糖、血中酸素、インスリン、体温、医療化学検出、血圧、睡眠監視、呼吸数、乳酸、水分補給、コレステロール、心電計、脳波、筋電計、ヘモグロビンおよび貧血を測定することができるが、これらに限定されない。
【0055】
エネルギーハーベスタは、光起電性、圧電性、振動性、熱電性、高周波(RF)、および/または誘導性のエネルギーハーベスタであってもよい。光起電エネルギーハーベスタは、有機光起電(OPV)セル、ペロブスカイト、ガリウム砒素(GaAs)、銅インジウムガリウムセレン化物(CIGS)、テルル化カドミウム(CdTe)、アモルファスシリコン、結晶シリコン、および多結晶シリコンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光起電エネルギーハーベスタは可撓性であってもよい。他の実施形態では、光起電エネルギーハーベスタは剛性であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、屋内での光エネルギーハーベスティングに優れたOPVセルまたはシリコンをエネルギーハーベスティングに使用してもよく、モジュラーセンサシステムをあらゆる光環境で動作させることができる可能性がある。光起電エネルギーハーベスタが使用される実施形態では、これらは、太陽光または人工光(例えば、LED、蛍光、白熱、成長光、ネオン光、水銀蒸気、金属ハロゲン化物、高強度放電、生物発光、化学発光)などの任意の光スペクトルに対して最適化されて、標的スペクトルに対する太陽からのエネルギーハーベスティングを増加させることができる。例えば、所与の光スペクトルに対して、最適化は、1ルクスから15万ルクスの範囲の特定のレベルの光を目的とすることができる。他の実施形態では、最適化が屋内用途では100ルクス~1,000ルクス、屋内農業用途では100ルクス~7万5千ルクス(例えば、種付けでは5千ルクス~7千ルクス、植物成長では1万5千ルクス~7万5千ルクス)、曇った屋外用途では千ルクス~3万ルクス、および明るい太陽光用途では10万ルクス~14万ルクスを目的とすることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、光起電エネルギーハーベスタが屋内光のために最適化されてもよい。このとき、光起電エネルギーハーベスタが屋外光のために最適化されていなくても、モジュラーセンサシステム100が屋内または屋外のどちらにある場合にも、モジュラーセンサシステム100に電力を供給するのに十分な光が保証される。
【0058】
いくつかの実施形態では、光起電エネルギーハーベスタを最適化することは、層構造の変更、層厚の変更、および/または層の追加を含んでもよい。例えば、光起電エネルギーハーベスタは、様々な用途において光スペクトルに高度に同調可能であり得る。内部的には、光起電エネルギーハーベスタの色および透明性は、デバイス層の厚さの増減、そのスペクトル吸収特性に基づく光活性材料の選択、光活性材料の比率の変化、および、層の追加または除去によって調整することができる。外部的には、光起電エネルギーハーベスタは、反射防止コーティング、分布ブラッグ反射器、マイクロパターニング、および他の光捕捉構造を使用して、特定の光スペクトルに同調されてもよい。いくつかの実施形態では、光起電エネルギーハーベスタを、その吸収スペクトルが光源の発光スペクトルを受け入れることができるように設計することができる。これは、個々のサブセル(例えば、光起電エネルギーハーベスタの接合の1つ)のバンドギャップを変化させることによって、または、複数の接合部を追加することによって、光起電エネルギーハーベスタの組み合わされた吸収スペクトルが光源に整合されるように調整することができる。これにより、光起電エネルギーハーベスタの効率が増大する。例えば、無機光起電セルでは、バンドギャップを調整するために、元素をベースの光起電セルに添加する(例えば、GaAsにNを添加する)ことができる。
【0059】
エネルギーストレージデバイスは、バッテリ、充電式バッテリ、キャパシタ、および/またはスーパーキャパシタであってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、ワイヤレス無線機がブルートゥース(登録商標、Bluetooth)、ブルートゥースローエネルギー(BLE:Bluetooth Low Energy)、BLE メッシュ、ロングタームエボリューション(LTE:Long-Term Evolution)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、WiFi-ah、802.11、802.11a、802.11b、802.11g、ロングレンジ(LoRa)、LoRaWAN、ジグビー(ZigBee)、ゼットウェーブ(Z-Wave)、6LowPAN、スレッド(Thread)、超広帯域無線(UWB)、赤外線(IR)、赤外線データ協会(IrDA)、NB-loT(Narrowband Internet of Things)、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)、無線通信(RF:radio frequency)、無線識別(RFID)、SigFox、アンジェヌ(Ingenu)、ウェイトレスエヌ(Weightless-N)、ウェイトレスピー(Weightless-P)、ウェイトレスダブリュー(Weightless-W)、アント(ANT)、アントプラス(ANT+)、ディジメッシュ(DigiMesh)、MiWi、エンオーシャン(EnOcean)、ダッシュセブン(Dash7)、ワイヤレスハート(WirelessHART)、GPRS、Mバス、KNXおよびISMバンド無線機を含むことができる。異なる無線機は、異なる用途のために使用されることができる。例えば、より短いレンジを有し、より低い電力を要するいくつかの無線機(例えば、BLE)は、信号レンジが長い必要がない屋内で使用されてもよく、一方で、より長いレンジを有し、より多くの電力を必要とする他の無線機(例えば、農場のためのLoRaラジオ、または移動車両のためのLTE)は、屋外で使用されてもよい。
【0061】
電子デバイスは、バッテリ、スーパーキャパシタ、熱電デバイス、発光デバイス、LED、電力管理チップ、論理回路、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、抵抗器、キャパシタ、トランジスタ、インダクタ、ダイオード、半導体、光電子デバイス、メモリスタ、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイス、バリスタ、アンテナ、トランスデューサ、結晶、共振器、端子、光検出器、光エミッタ、ヒータ、回路遮断器、ヒューズ、中継器、スパークギャップ、ヒートシンク、モータ、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、マイクロLED、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、アクティブマトリックス有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLED)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、量子ドットディスプレイ(QD)、量子発光ダイオードディスプレイ(QLED)、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、デジタル光処理ディスプレイ(DLP),干渉変調器ディスプレイ(IMOD)、デジタルマイクロシャッターディスプレイ(DMS)、プラズマディスプレイ、ネオンディスプレイ、フィラメントディスプレイ、表面伝導電子エミッタディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、レーザーテレビ、カーボンナノチューブディスプレイ、タッチスクリーン、外部コネクタ、データストレージ、圧電素子、スピーカー、マイク、セキュリティチップ、ならびにボタン、ノブ、スライダ、スイッチ、ジョイスティック、方向パッド、キーパッド、および圧力/タッチセンサを含むユーザ入力制御デバイスのうちの1つ以上を含むことができる。
【0062】
図2Aおよび図2Bは、モジュラーセンサシステム100のモジュール間の取り付けメカニズムの一例を示す図である。図2Aは、分離された2つのモジュール、第1モジュール210および第2モジュール220)を表し、これらは取り付け可能な状態になっている。この例に示されるように、第1モジュール210は、雄型ブラインドメイトコネクタ211と、第1雌型ブラインドメイトコネクタ215とを含んでもよい。雄型ブラインドメイトコネクタ211は、2つの磁石212,213と雄型電気コネクタ214とを含む。第1雌型ブラインドメイトコネクタ215は、2つの磁石216,217と第1雌型電気コネクタ218とを含む。さらに、第2モジュール220は、第2雌型ブラインドメイトコネクタ221を含んでもよい。第2雌型ブラインドメイトコネクタ221は、2つの磁石222,223と、第2雌型電気コネクタ224とを含む。
【0063】
磁石212および213のペア、磁石216および217のペア、ならびに磁石222および223のペアの極性は、2つのモジュールが不正確な位置合わせで取り付けらるときに、それらが別の磁石のペアと反発するように、反対の極性であってもよい。例えば、磁石212では、N極が外側を向き、磁石213では、S極が外側を向いている。図示のように、第2モジュール220を第1モジュール210に取り付けようとした場合(すなわち、磁石222を磁石212に取り付け、磁石223を磁石213に取り付ける)、各取り付け磁石のN極およびS極が引き合うので、接続は成功する。しかし、第2モジュール220が反対になった場合(すなわち、磁石222を磁石213に取り付け、磁石223を磁石212に取り付ける)、磁石が反発し合い、ユーザが第1モジュール210および第2モジュール220を間違った方向で接続することを防ぐので、接続できない。これは、特定の方向がモジュラーセンサシステム100の機能に有益である場合、有用であり得る。
【0064】
図2Bは、取り付けられた後の第1モジュール210および第2モジュール220を示す。ここで、電気コネクタ214および224が接続を形成し、第1モジュール210と第2モジュール220との間で電力および/またはデータが伝送され得る。電気コネクタは、ばね荷重(ポゴピン)コネクタ、オーディオコネクタ、ビデオコネクタ、バナナコネクタ、直流(DC)コネクタ、ドイツ協会ノルムング(DIN)コネクタ、ドック(Dock)コネクタ、D-subコネクタ、エッジコネクタ、日本圧着端子(JST:Japan Solderless Terminal)コネクタ、ミニダインコネクタ、光ファイバコネクタ、フォンコネクタ、ピンヘッダ、ラジオコーポレーションオブアメリカ(RCA)コネクタ、レジスタードジャック(RJ-X)コネクタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ、USB-Cコネクタ、マイクロUSBコネクタ、円形コネクタ、ハイブリッドコネクタ、クラウンばねコネクタ、モジュラージャックコネクタ、セキュアデジタル(SD)カードポートを使用するコネクタ、マイクロSDカードポートを使用するコネクタ、およびブラインドメイトコネクタの取り付けメカニズムなど、複数のコネクタのいずれであってもよいが、これらに限定されない。
【0065】
いくつかの実施形態では、モジュールがブラインドメイトコネクタを1つだけ含み、エンドキャップモジュールとして機能してもよい。一方、2つ以上のブラインドメイトコネクタを含むモジュールは、追加のモジュールを拡張し、無制限にモジュールを接続可能にしてもよい。
【0066】
他の実施形態において、取り付けメカニズムは、機械的クリップ、ねじ、スナッピング、バインディングポスト、接着剤、プレスフィット、摩擦嵌合、ネジ止め、トグルコネクタ、差込みコネクタおよびバナナコネクタを含んでもよい。さらに他の実施形態では、取り付けメカニズムが、電気コネクタとしての役割を果たしてもよい。
【0067】
図3Aおよび図3Bは、反対の極性の磁石を有するモジュラーセンサシステムのリアマウントシステムを示す図である。図3Aは、図2Bのシステム、すなわち、第1モジュール210が磁石212,213,222、および223を介して第2モジュール220に取り付けられ、電気コネクタ214および224を介した電気接続がなされたモジュラーセンサシステムを示す。
【0068】
図3Bは、このシステムが強磁性表面にどのように取り付けられ得るかを示す図である。この場合、表面は強磁性であるため、全ての磁気配向が、モジュラーセンサシステムを強磁性表面302にマウントするために使用され得る。さらに、第2モジュール220は、1つのみのブラインドメイトコネクタ221およびオプションのリア磁石225を有するエンドキャップモジュールであることが示されている。リア磁石225および他の追加の磁石は、リア磁石マウンティングの強度を増大させるために、モジュール内および/またはモジュール上(ただし、任意のブラインドメイトコネクタの外側)に配置されてもよい。
【0069】
図4Aおよび図4Bは、同じ極性の磁石を有するモジュラーセンサシステムのためのリアマウントシステムを示す図である。図4Aは、図3Aのものに類似したシステムを示しており、注目すべき相違は、磁石のペア(すなわち、412および413、416および417、ならびに422および423)が同じ極性を有することである。これによって、システムは、どのような向きでもモジュールを取り付けることができるようになる。
【0070】
さらに、ここで図4Bを参照すると、磁石が正しく並んでいれば、同じ極性では、磁石が、強磁性表面および磁気的に分極された物体の両方に対して、リア磁気マウントとして作用する。例えば、磁気的に分極された表面440が、図4Bに示されるような極性を有する場合(すなわち、上から下に向かい南から北)、上手くマウントされるように、磁石430は図示されるように配置されてもよい(すなわち、上から下に向かい、北から南)。
【0071】
図5Aおよび5Bは、上述の取り付けメカニズムを用いたとき、単純な突合せ継手および覆い(シュラウド)付き突合せ継手各々に横方向剪断力を加えた結果を示す。図5Aは、モジュール504に加えられた横方向の剪断力508に単純な突合せジョイント506がどのように対処できないかを表しており、この結果、モジュール504は、エンドキャップモジュール502から外れ得る。これは、磁石は、主に、モジュールが引き離されるのを防ぐが、横方向の剪断力508の印加方向に対しては力が作用しないために生じ得り、これにより、モジュール504は、定位置に留まれない可能性がある。
【0072】
しかし、覆い付き突合せ継手516を追加すると、図5Bに示されるように、システムはより強靭となり、横方向の剪断力518が加わってもモジュール514は、外れにくくなる。これは、覆い付き突合せ継手516の接触点が、加えられた横方向の剪断力518に等しくかつ反対の力を加え、回転のゆがみを防止するとともにエンドキャップモジュール512との接続を適所に維持するために、生じ得る。これにより、物理的な接続がより強固になり、磁気的引力に打ち勝つだけの力でモジュールを引き離す必要があるため、切断が困難になる。
【0073】
いくつかの実施形態では、覆いが雄型電気コネクタまたは雌型電気コネクタのいずれかを含んでいてもよい。
【0074】
図6は、電子機器を含まないエンドキャップモジュールを有する例示的なモジュラーセンサシステムの組立図および分解図を示す図である。いくつかの実施形態では、図6に示されるように、モジュラーセンサシステム100(または分解状態のモジュラーセンサシステム110)は、エンドキャップモジュール608(または電子機器を有さないエンドキャップモジュール618)を含んでいてもよく、これは、電子機器を有しておらず、適合するブラインドメイトコネクタ(すなわち、COモジュール106または116の露出されたブラインドメイトコネクタ)およびその電気コネクタを水分および物理的なダメージから保護するためにのみ機能する。
【0075】
いくつかの実施形態では、エンドキャップモジュール(すなわち、エンドキャップモジュール102および電子機器を有さないエンドキャップモジュール608)は水の浸入を防止するように機能してもよく、その結果として、露出した電気コネクタへの潜在的な機械的損傷を回避することができる。エンドキャップモジュール(例えば、エンドキャップモジュール102および電子機器を有さないエンドキャップモジュール608)および他のモジュール(例えば、温湿度モジュール104およびCOモジュール106)は、耐水性および/または防水性であるように設計され得る。例えば、エンドキャップモジュール102は、エンドキャップモジュール102を防水にすることができるように、光起電エネルギーハーベスタ、再充電可能バッテリ、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)、および空気に開放する必要のないセンサ(例えば、温度およびルクス/PARセンサ)を含むことができる。
【0076】
図7A~Cは、以下を促進するための異なる技術を示す。(1)太陽光および他の明るい光の影響を軽減することによる、温度センサを用いた正確な温度測定、および/または(2)モジュールを壁または他の表面に接着するときの正確な空気温度測定。例えば、図7Aでは、モジュラーセンサシステム702がスタンドオフ704上に配置されていてもよく、マウント面(すなわち、壁706)とモジュラーセンサシステム702内の温度センサ(図示せず)との間の熱伝達を最小化する。また、対流気流708もまた、壁706とモジュラーセンサシステム702との間の熱の伝達を軽減するのに役立つことができる。
【0077】
図7Bは、温度モジュール712内に収容されたファン710を示し、これは、空気入口716を通して空気を吸い込み、空気出口718を通して空気を排出することによって、高い光レベル下での温度センサ714の周囲の空気流を促進するために使用され得る。なお、ファン710は多くの電力を使用するかもしれないが、これは高い光レベル下にある間のみ機能すればよく、このときには、光起電エネルギーハーベスタがファン710および他のすべての電子機器を正常に動作させるのに十分な電力を生成し得ることに留意されたい。さらに、温度センサ714は、プリント回路基板のストーク(stalk)715上に配置され、温度センサとプリント回路基板719のバルクとの間の熱の熱伝達を最小化する。
【0078】
図7Cは、温度モジュール722の上に(またはモジュラーセンサシステム全体の上にのみ)設けられたソーラーシェード720を示し、これは、クリップ724によって温度モジュール722に取り付けられている。これにより、温度モジュール722には、直射日光または他の明るい光に当たらないようになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】