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特表2023-509340財産権の確認及び譲渡の方法及びシステム、電子機器並びに記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(54)【発明の名称】財産権の確認及び譲渡の方法及びシステム、電子機器並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20230301BHJP
   G06F 21/64 20130101ALI20230301BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20230301BHJP
【FI】
H04L9/32 200B
H04L9/32 200E
H04L9/32 200Z
G06F21/64
G06Q50/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535702
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-06-21
(86)【国際出願番号】 CN2020134768
(87)【国際公開番号】W WO2021121090
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】201911299661.8
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518040828
【氏名又は名称】シャンハイ・ウェイリアン・インフォメーション・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】ガン,チャングル
(72)【発明者】
【氏名】ク,ジェンリャン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC32
(57)【要約】
本開示は、財産権を確認するための、かつ、財産権を譲渡するための方法、システム、電子機器及び記憶媒体を開示する。権利を確認するための方法は、財産に対応する符号化情報をプリセットするステップと、符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するステップと、ブロックチェーンのスマートコントラクトに、符号化情報及びウォレットアドレスの間の一致を格納するステップと、乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトにその乱数を送信するステップと、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得されるスマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するステップと、一致に従って、スマートコントラクトの対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得するステップと、第1ウォレットアドレスが対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していると決定するステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法であって、
財産に対応する符号化情報をプリセットするステップと、
前記符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するステップと、
ブロックチェーンのスマートコントラクトに、前記符号化情報及び前記ウォレットアドレスの間の一致を格納するステップと、
乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトに前記乱数を送信するステップと、
前記乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、前記対象オブジェクトによって取得される前記スマートコントラクトの前記対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するステップと、
前記一致に従って、前記スマートコントラクトの前記対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得するステップと、
前記第1ウォレットアドレスが前記対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、前記対象オブジェクトが前記対象財産を所有していると決定し、一致していない場合、前記対象オブジェクトが前記対象財産を所有していないと判断するステップと、を含む、財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項2】
前記符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するステップは、
前記符号化情報に従って、ランダムに秘密鍵を生成し、かつ、楕円曲線アルゴリズムを用いて及び前記秘密鍵に従って、対応の公開鍵を取得するステップと、
ハッシュアルゴリズムを用いて及び前記公開鍵に従って、前記対応のウォレットアドレスを取得するステップと、を含む、請求項1に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項3】
前記乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、前記対象オブジェクトによって取得される前記スマートコントラクトの前記対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するステップは、
前記乱数、前記対象財産に対応する前記対象符号化情報及び前記対象秘密鍵に従って、前記対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得するステップと、
前記第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得するステップと、
前記第1公開鍵に従って、前記スマートコントラクトの前記対象財産に対応する前記第1ウォレットアドレスを取得するステップと、を含む、請求項1に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項4】
前記乱数、前記対象財産に対応する前記対象符号化情報及び前記対象秘密鍵に従って、前記対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得するステップは、
非対称暗号化アルゴリズムを用いて、かつ、前記乱数及び前記対象財産に対応する前記対象符号化情報に従って、前記対象オブジェクトによって計算されるハッシュ値を取得するステップと、
前記対象財産に対応する前記対象秘密鍵及び前記ハッシュ値に従って、前記対象オブジェクトによって計算される前記第1秘密鍵署名情報を取得するステップと、を含み、
前記第1秘密鍵署名情報に従って、前記対応の第1公開鍵を取得するステップは、
前記第1秘密鍵署名情報及び前記ハッシュ値に従って、前記対応の第1公開鍵を計算するステップを含む、請求項3に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項5】
財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法であって、前記所有権を譲渡する方法は、請求項1~4のいずれか1項に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法に基づいて実装され、かつ、前記所有権を譲渡する方法は、
取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップと、
前記所有権譲渡データに従ってトランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードに前記トランザクションリクエストを送信するステップと、
前記ブロックチェーンノードで前記トランザクションリクエストを受信すると、前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップと、を含む、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項6】
前記所有権譲渡データは、スマートコントラクトアドレス、トランザクションパラメータ及びトランザクション署名を含み、
前記トランザクションパラメータは、譲渡命令、前記取引対象の財産に対応する第1符号化情報及び新しいウォレットアドレスを含み、
前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップは、
前記第1符号化情報に従って、新しいウォレットアドレスに、スマートコントラクトの前記取引対象の財産のアドレスを、譲渡するステップを含み、及び/又は
前記所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、前記ブロックチェーンノードに前記トランザクションリクエストを送信するステップの後、及び、前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の所有権を譲渡するステップの前、前記方法は、
前記所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合、前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを実行し、満たしていない場合、アラートメッセージを生成するステップをさらに含む、請求項5に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項7】
取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップは、
承認済みオブジェクトに、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するための承認命令を生成するステップと、
前記承認命令に従って、前記取引対象の財産に対応する前記所有権譲渡データをプリセットするステップと、を含み、
前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップは、
前記所有権譲渡データに従って、承認済みオブジェクトに、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを含む、請求項5に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項8】
取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップは、
前記取引対象の財産の所有権をリクエストするために、リクエスト元オブジェクトによって送信される申請リクエストを取得するステップと、
前記申請リクエストに従って、前記取引対象の財産に対応する前記所有権譲渡データをプリセットするステップと、を含み、
前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップは、
前記所有権譲渡データに従って、前記リクエスト元オブジェクトに前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを含む、請求項5に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法。
【請求項9】
財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムであって、権利を確認するための前記システムは、情報プリセットモジュール、ウォレットアドレス取得モジュール、ストレージモジュール、生成モジュール、第1アドレス取得モジュール、対象アドレス取得モジュール及び第1判断モジュールを含み、
前記情報プリセットモジュールは、財産に対応する符号化情報をプリセットするように構成され、
前記ウォレットアドレス取得モジュールは、前記符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するように構成され、
前記ストレージモジュールは、ブロックチェーンのスマートコントラクトに、前記符号化情報及び前記ウォレットアドレスの間の一致を格納するように構成され、
前記生成モジュールは、乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトに前記乱数を送信するように構成され、
前記第1アドレス取得モジュールは、前記乱数、対象財産に対応する前記対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、前記対象オブジェクトによって取得される前記スマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するように構成され、
前記対象アドレス取得モジュールは、前記一致に従って、前記スマートコントラクトの前記対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得するように構成され、
前記第1判断モジュールは、前記第1ウォレットアドレスが前記対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、前記対象オブジェクトが前記対象財産を所有していると決定し、一致していない場合、前記対象オブジェクトが前記対象財産を所有していないと決定するように構成される、財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項10】
前記ウォレットアドレス取得モジュールは、前記符号化情報に従って秘密鍵をランダムに生成し、かつ、楕円曲線アルゴリズムを用いて及び前記秘密鍵に従って、対応の公開鍵を取得するように構成され、
前記ウォレットアドレス取得モジュールは、ハッシュアルゴリズムを用いて及び前記公開鍵に従って、前記対応のウォレットアドレスを取得するようにさらに構成される、請求項9に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項11】
前記第1アドレス取得モジュールは、署名情報取得ユニット、第1公開鍵取得ユニット及び第1アドレス取得ユニットを含み、
前記署名情報取得ユニットは、前記乱数、前記対象財産に対応する対象符号化情報及び前記対象秘密鍵に従って、前記対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得するように構成される。
前記第1公開鍵取得ユニットは、前記第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得するように構成され、
前記第1アドレス取得ユニットは、前記第1公開鍵に従って、前記スマートコントラクトの前記対象財産に対応する前記第1ウォレットアドレスを取得するように構成される、請求項9に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項12】
前記署名情報取得ユニットは、非対称暗号化アルゴリズムを用いて、かつ、前記乱数及び前記対象財産に対応する対象符号化情報に従って、前記対象オブジェクトによって計算されるハッシュ値を取得し、
前記対象財産に対応する前記対象秘密鍵及び前記ハッシュ値に従って、前記対象オブジェクトによって計算される前記第1秘密鍵署名情報を取得するように構成され、
前記第1公開鍵取得ユニットは、前記第1秘密鍵署名情報及び前記ハッシュ値に従って、前記対応の第1公開鍵を計算するように構成される、請求項11に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項13】
財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムであって、前記所有権を譲渡するシステムは、請求項9~12のいずれか1項に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムに基づいて実装され、前記所有権を譲渡するシステムは、データプリセットモジュール、リクエスト生成モジュール及び譲渡モジュールを含み、
前記データプリセットモジュールは、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成され、
前記リクエスト生成モジュールは、前記所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードに前記トランザクションリクエストを送信するように構成され、
前記譲渡モジュールは、前記ブロックチェーンノードで前記トランザクションリクエストを受信すると、前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項14】
前記所有権譲渡データは、スマートコントラクトアドレス、トランザクションパラメータ及びトランザクション署名を含み、
前記トランザクションパラメータは、譲渡命令、前記取引対象の財産に対応する第1符号化情報及び新しいウォレットアドレスを含み、
前記譲渡モジュールは、前記第1符号化情報に従って、新しいウォレットアドレスに、スマートコントラクトの前記取引対象の財産のアドレスを譲渡するように構成され、及び/又は
前記所有権譲渡システムは第2判断モジュールを備え、
前記第2判断モジュールは、前記所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合、前記所有権譲渡データに従って、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを実行し、満たしていない場合、アラートメッセージを生成するように構成される、請求項13に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項15】
前記データプリセットモジュールは、承認済みオブジェクトに、前記取引対象の財産の所有権を譲渡するための承認命令を生成し、かつ、前記承認命令に従って、前記取引対象の財産に対応する前記所有権譲渡データをプリセットするように構成され、
前記譲渡モジュールは、前記所有権譲渡データに従って、前記承認済みオブジェクトに前記取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される、請求項13に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項16】
前記データプリセットモジュールは、前記取引対象の財産の所有権をリクエストするためにリクエスト元オブジェクトによって送信される申請リクエストを取得し、かつ、前記申請リクエストに従って、前記取引対象の財産に対応する前記所有権譲渡データをプリセットするように構成され、
前記譲渡モジュールは、前記所有権譲渡データに従って、前記リクエスト元オブジェクトに前記取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される、請求項13に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステム。
【請求項17】
メモリ、プロセッサ、及び、前記メモリに格納されて前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子機器であって、前記コンピュータプログラムを実行する場合、前記プロセッサは、請求項1~4のいずれか1項に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法、及び/又は、請求項5~8のいずれか1項に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法を実装する、電子機器。
【請求項18】
コンピュータプログラムが格納されるコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、請求項1~4のいずれか1項に記載の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法、及び/又は、請求項5~8のいずれか1項に記載の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロックチェーンテクノロジの分野に関し、特に、ブロックチェーンベースの財産権の確認及び譲渡の方法及びシステム、電子機器並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
財産の所有権は、所有者の利権の資産であるが、他のタイプの資産とは異なり、特定の財産の所有権を証明して現金化することは困難であり、そのことが、所有権の問題が生じた場合に真の所有者の利権を保証することを困難にする。
【0003】
所有権の確認の場合、従来の確認プロセスには、例えば、財産の所有者、公証人及び管理人の協力及び資料データの譲渡など、複数の当事者の参加が伴い、それによって、データ伝送及び検証に高いコストがかかり、かつ、信用問題もある。権利の履行(所有権譲渡など)の場合、財産の所有者は、その権利を証明及び履行するための関連の身分証明書及び書類を提供する必要があるが、支払済みの場合に他人がその権利を使用することは困難である。権利保護のため、財産の所有者が提供する必要のある関連の身分証明書及び書類の検証プロセスは複雑で長く、信頼のコストは高く、自己証明は困難である。
【0004】
したがって、財産の所有権を確認、履行及び保護する既存のプロセスには以下の欠点がある:1)確認プロセスは時間がかかる上にあまり効果がなく、2)権利の履行中に現金化及び流通させることが困難であり、3)権利を保護する過程で、証拠を収集してその情報源までトレースバックすることは困難であり、かつ、信頼のコストは高くなる。
【発明の概要】
【0005】
本開示によって解決される技術的課題は、権利の確認に費やされる長時間の従来技術における財産の所有権に関する不都合、権利の履行及び現金化の困難さ、権利の保護及び証拠収集における困難さ、トレースバックにおける困難さなどを克服することであり、かつ、ブロックチェーンベースの財産権の確認及び譲渡の方法及びシステム、電子機器並びに記憶媒体を提供することである。
【0006】
本開示は、以下の技術的解決策を通じて上記技術的課題を解決する。
【0007】
本開示は、財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法を提供する。権利を確認するための方法は、
財産に対応する符号化情報をプリセットするステップと、
符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するステップと、
ブロックチェーンのスマートコントラクトに、符号化情報及びウォレットアドレスの間の一致を格納するステップと、
乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトにその乱数を送信するステップと、
乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得されたスマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するステップと、
一致に従って、スマートコントラクトの対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得するステップと、
第1ウォレットアドレスが対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していると決定し、一致していない場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していないと判断するステップと、を含む。
【0008】
一例では、符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するステップは、
符号化情報に従って秘密鍵をランダムに生成し、かつ、楕円曲線アルゴリズムを用いて及び秘密鍵に従って、対応の公開鍵を取得するステップと、
ハッシュアルゴリズムを用いて及び公開鍵に従って、対応のウォレットアドレスを取得するステップと、を含む。
【0009】
一例では、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得されたスマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するステップは、
乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得された第1秘密鍵署名情報を取得するステップと、
第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得するステップと、
第1公開鍵に従って、スマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するステップと、を含む。
【0010】
一例では、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得するステップは、
非対称暗号化アルゴリズムを用いて、かつ、乱数及び対象財産に対応する対象符号化情報に従って、対象オブジェクトによって計算されるハッシュ値を取得するステップと、
対象財産に対応する対象秘密鍵及びハッシュ値に従って、対象オブジェクトによって計算される第1秘密鍵署名情報を取得するステップと、を含み、
第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得するステップは、
第1秘密鍵署名情報及びハッシュ値に従って、対応の第1公開鍵を計算するステップを含む。
【0011】
本開示は、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法も提供し、当該方法は、財産の所有権を確認するための上述したブロックチェーンベースの方法に基づいて実装され、かつ、所有権譲渡方法は、
取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップと、
所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードにトランザクションリクエストを送信するステップと、
ブロックチェーンノードでトランザクションリクエストを受信すると、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップと、を含む。
【0012】
一例では、所有権譲渡データには、スマートコントラクトアドレス、トランザクションパラメータ及びトランザクション署名が含まれる。
【0013】
トランザクションパラメータには、譲渡命令、取引対象の財産に対応する第1符号化情報及び新しいウォレットアドレスが含まれる。
【0014】
所有権譲渡データに従って取引対象の財産の所有権を譲渡するステップは、
第1符号化情報に従って、新しいウォレットアドレスに、スマートコントラクトの取引対象の財産のアドレスを譲渡するステップと、及び/又は
所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードにトランザクションリクエストを送信するステップの後、及び、所有権譲渡データに従って、取引対象の所有権を譲渡するステップの前、当該方法は、
所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを実行し、満たしていない場合、アラートメッセージを生成するステップをさらに含む。
【0015】
一例では、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップは、
承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するための承認命令を生成するステップと、
承認命令に従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップと、を含み、
所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップは、
所有権譲渡データに従って、承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを含む。
【0016】
一例では、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップは、
取引対象の財産の所有権をリクエストするために、リクエスト元オブジェクトによって送信される申請リクエストを取得するステップと、
申請リクエストに従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするステップと、を含み、
所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップは、
所有権譲渡データに従って、リクエスト元オブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを含む。
【0017】
本開示は、財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムを提供し、権利を確認するための当該システムは、情報プリセットモジュール、ウォレットアドレス取得モジュール、ストレージモジュール、生成モジュール、第1アドレス取得モジュール、対象アドレス取得モジュール及び第1判断モジュールを含む。
【0018】
情報プリセットモジュールは、財産に対応する符号化情報をプリセットするように構成される。
【0019】
ウォレットアドレス取得モジュールは、符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0020】
ストレージモジュールは、ブロックチェーンのスマートコントラクトに、符号化情報及びウォレットアドレスの間の一致を格納するように構成される。
【0021】
生成モジュールは、乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトにその乱数を送信するように構成される。
【0022】
第1アドレス取得モジュールは、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得されるスマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0023】
対象アドレス取得モジュールは、一致に従って、スマートコントラクトの対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0024】
第1判断モジュールは、第1ウォレットアドレスが対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していると決定し、一致していない場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していないと決定するように構成される。
【0025】
一例では、ウォレットアドレス取得モジュールは、符号化情報に従って、秘密鍵をランダムに生成し、かつ、楕円曲線アルゴリズムを用いて及び秘密鍵に従って、対応の公開鍵を取得するように構成される。
【0026】
ウォレットアドレス取得モジュールは、ハッシュアルゴリズムを用いて及び公開鍵に従って、対応のウォレットアドレスを取得するようにさらに構成される。
【0027】
一例では、第1アドレス取得モジュールは、署名情報取得ユニット、第1公開鍵取得ユニット及び第1アドレス取得ユニットを含む。
【0028】
署名情報取得ユニットは、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得するように構成される。
【0029】
第1公開鍵取得ユニットは、第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得するように構成される。
【0030】
第1アドレス取得ユニットは、第1公開鍵に従って、スマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0031】
一例では、署名情報取得ユニットは、非対称暗号化アルゴリズムを用いて、かつ、乱数及び対象財産に対応する対象符号化情報に従って、対象オブジェクトによって計算されるハッシュ値を取得し、
対象財産に対応する対象秘密鍵及びハッシュ値に従って、対象オブジェクトによって計算される第1秘密鍵署名情報を取得するように構成される。
【0032】
第1公開鍵取得ユニットは、第1秘密鍵署名情報及びハッシュ値に従って、対応の第1公開鍵を計算するように構成される。
【0033】
本開示は、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムも提供する。所有権を譲渡するシステムは、財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムに基づいて実装される。所有権を譲渡するシステムは、データプリセットモジュール、リクエスト生成モジュール及び譲渡モジュールを含む。
【0034】
データプリセットモジュールは、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成される。
【0035】
リクエスト生成モジュールは、所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードにトランザクションリクエストを送信するように構成され、
譲渡モジュールは、ブロックチェーンノードでトランザクションリクエストを受信すると、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される。
【0036】
一例では、所有権譲渡データは、スマートコントラクトアドレス、トランザクションパラメータ及びトランザクション署名を含む。
【0037】
トランザクションパラメータは、譲渡命令、取引対象の財産に対応する第1符号化情報及び新しいウォレットアドレスを含む。
【0038】
譲渡モジュールは、第1符号化情報に従って、新しいウォレットアドレスに、スマートコントラクトの取引対象の財産のアドレスを譲渡するように構成され、及び/又は
所有権譲渡システムは第2判断モジュールを備える。
【0039】
第2判断モジュールは、所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを実行し、満たしていない場合、アラートメッセージを生成するように構成される。
【0040】
一例では、データプリセットモジュールは、承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するための承認命令を生成し、かつ、承認命令に従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成される。
【0041】
譲渡モジュールは、所有権譲渡データに従って、承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される。
【0042】
一例では、データプリセットモジュールは、取引対象の財産の所有権をリクエストするためにリクエスト元オブジェクトによって送信される申請リクエストを取得し、かつ、申請リクエストに従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成される。
【0043】
譲渡モジュールは、所有権譲渡データに従って、リクエスト元オブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される。
【0044】
本開示は、メモリ、プロセッサ、及び、メモリに格納されてプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子機器も提供する。コンピュータプログラムを実行する場合、プロセッサは、財産権を確認するための上述したブロックチェーンベースの方法、及び/又は、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法を実装する。
【0045】
本開示は、コンピュータプログラムが格納されるコンピュータ可読記憶媒体も提供し、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合、財産権を確認するための上述したブロックチェーンベースの方法のステップ、及び/又は、財産の所有権を譲渡するための上述したブロックチェーンベースの方法が実現される。
【0046】
本開示の有益で革新的な効果は以下のとおりである。
【0047】
一例では、各財産の符号化情報がプリセットされ、かつ、各財産の符号化情報とウォレットアドレスとの間の一致がブロックチェーンのスマートコントラクトに記録され;オブジェクトが財産を所有しているかどうかを検証する必要がある場合、秘密鍵署名情報が、乱数、オブジェクトによって提供される秘密鍵及びその財産の符号化情報を通じて取得され、及びその後、公開鍵及びその対応のウォレットアドレスが取得される。ウォレットアドレスがブロックチェーンの符号化情報のウォレットアドレスに一致している場合、正当な確認が成功する。直接的又は間接的にブロックチェーンノードに転送される所有権譲渡データを送信することによって、財産の所有権の譲渡が実現され;さらに、ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、財産の所有権のトレースバックが実現され、これは、財産の所有権を保護するのに好都合である。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、かつそして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権の確認、履行及び保護のパスが最適化され、正当な確認及び履行のプロセスをより効率的かつ確実にし、したがって、ユーザエクスペリエンスを向上させる。さらに、正当な確認及び履行のプロセスの透明性及び公平性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本開示の実施例1に係る、財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例2に係る、財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例3に係る、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施例4に係る、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法のフローチャートである。
図5】本開示の実施例5に係る、財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムのモジュールの概略図である。
図6】本開示の実施例6に係る、財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムのモジュールの概略図である。
図7】本開示の実施例7に係る、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムのモジュールの概略図である。
図8】本開示の実施例8に係る、財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムのモジュールの概略図である。
図9】本開示の実施例9に係る、財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法を実装する電子機器の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示は、以下の実施例によってさらに説明されるが、本開示は、説明される実施例の範囲に限定されない。
【0050】
実施例
図1に示すように、図示の実施例において、財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法は以下を含む:
S101、財産に対応する符号化情報をプリセットすること。一例では、財産に対応する符号化情報をプリセットすることには、例えば、一意の識別番号を含む符号化情報によって識別される非代替性暗号トークン(NFT)を、スマートコントラクトを使用して作り出すこととしても参照される、スマートコントラクトを使用して作成することを含む。ある例では、NFTスマートコントラクトプロトコル、例えば、VeChainThorネットワーク上のNFTスマートコントラクトのためのVIP-181標準に従って、設計されたNFTスマートコントラクトが使用され得る;
S102、符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得すること。
S103、ブロックチェーンのスマートコントラクトに、符号化情報及びウォレットアドレスの間の一致を格納すること。一例では、NFTスマートコントラクトが使用されて、NFTを生成し、かつ、NFTとNFTの所有者のウォレットアドレスとの間の一致をブロックチェーンに登録する;
すなわち、符号化情報とウォレットアドレスとの間のマッピング関係が、スマートコントラクトに記録され、例えば、gid=>address、gidがNFTの符号化情報を表し、addressがウォレットアドレスを表し、ウォレットアドレスが、ユーザがNFT及びNFTに対応する又はNFTに関連付けられた財産を所有していることを表す;
S104、乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトにその乱数を送信すること。一例では、第1当事者が対象オブジェクトを所有していることを検証したい第2当事者が乱数を生成する;
S105、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得されるスマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得すること;
S106、一致に従って、スマートコントラクトの対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得すること;
S107、第1ウォレットアドレスが対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していると決定し、一致していない場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していないと決定すること。
【0051】
本実施例では、各財産の符号化情報が、例えば、上述したように、NFTの形態でプリセットされ、かつ、各財産の符号化情報とウォレットアドレスとの間の一致がブロックチェーンのスマートコントラクトに記録される;オブジェクトが財産を所有しているかどうかを検証する必要がある場合、秘密鍵署名情報が、乱数、オブジェクトによって制御された秘密鍵及びその財産の符号化情報を通じて取得され、及びその後、公開鍵及びその対応のウォレットアドレスが取得される。ウォレットアドレスがブロックチェーンの符号化情報のウォレットアドレスに一致している場合、正当な確認が成功する。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権確認のパスが最適化されることができ、確認プロセスをより効率的及び確実にし、かつ、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0052】
実施例2
図2に示すように、本実施例の財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法は実施例1のさらなる実装である。具体的には、
ステップS102は以下を含む:
S1021、符号化情報に従って、ランダムに秘密鍵を生成し、かつ、楕円曲線アルゴリズムを用いて及び秘密鍵に従って、対応の公開鍵を取得すること;
S1022、ハッシュアルゴリズムを用いて及び秘密鍵に従って、対応のウォレットアドレスを生成すること。
【0053】
ステップS105は以下を含む:
S1051、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得すること;
具体的には、非対称暗号化アルゴリズムを用いて、かつ、乱数及び対象財産に対応する対象符号化情報に従って、対象オブジェクトによって計算されるハッシュ値を取得すること;
対象財産に対応する対象秘密鍵及びハッシュ値に従って、対象オブジェクトによって計算される第1秘密鍵署名情報を取得すること;
S1052、第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得すること;
具体的には、第1秘密鍵署名情報及びハッシュ値に従って、対応の第1公開鍵が計算される;
S1053、第1公開鍵に従って、スマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得すること。
【0054】
以下は、実施例を用いた具体的な説明である。
ユーザaが、財産Aを所有していることをユーザbに対して証明したい場合、
ユーザbは乱数rを生成してユーザaに乱数rを送信する;
ユーザaは、ハッシュアルゴリズムを用いて、かつ、乱数r及び財産Aに対応する符号化情報に従って、ハッシュ値を計算し、及びその後、ECDSA(楕円曲線デジタル署名アルゴリズム)を用いて、かつ、ハッシュ値及び秘密鍵pに従って、対応の秘密鍵署名情報sig=p(hash(gid_a,r))を計算し、ユーザbにそれを送信する;
ユーザbは、秘密鍵署名情報sig及びハッシュ値に従って公開鍵を計算し、公開鍵=verify(sig,hash(gid_a,r))、公開鍵に従って、スマートコントラクトの財産に対応する第1ウォレットアドレスを計算する。一例では、検証機能は、ECポイント乗算に依存するECDSA検証アルゴリズムである。一例では、ECDSA署名を検証するためのアルゴリズムは、署名付きメッセージmsg、署名アルゴリズムから生成された署名{r,s}、及び、署名者の秘密鍵に対応する公開鍵pubKeyを入力として取る。ECDSA署名スキームは、署名付きメッセージから署名とともに公開鍵を回復することを可能にする。ECDSA回復プロセスの一例は、楕円曲線暗号の標準(SECG:SEC1標準)のセクション1で説明されている数学的な計算に基づいており、かつ、署名に対応する有効な公開鍵である0、1又は2の可能なECポイントを戻す。この曖昧さを回避するため、あるECDSA実装は、署名プロセス中に署名に追加の1ビットvを追加し、{r,s,v}形式を取る。この拡張されたECDSA署名{r,s,v}+署名付きメッセージから、署名者の公開鍵が回復されることができる;
その後、計算された第1ウォレットアドレスと、スマートコントラクトに記録された財産Aに対応する対象ウォレットアドレスとが比較される。それらが一致する場合、ユーザaが、対象ウォレットアドレスに対応する秘密鍵を使用している、すなわち、ユーザaが財産Aを所有していると判断される。
【0055】
認証のための原本の認証文書の送信を通じて権利を確認する既存のプロセスと比較して、本実施例の権利を確認するプロセスは、署名情報の送信及び検証に属しており、権利確認プロセスの全体をより簡便、効率的かつ安全にする。
【0056】
本実施例では、各財産の符号化情報がプリセットされ、かつ、各財産の符号化情報とウォレットアドレスとの間の一致がブロックチェーンのスマートコントラクトに記録される;オブジェクトが財産を所有しているかどうかを検証する必要がある場合、乱数、オブジェクトによって提供される秘密鍵及び財産の符号化情報を通じて秘密鍵署名情報が取得され、及びその後、公開鍵及びその対応のウォレットアドレスが取得される。ウォレットアドレスがブロックチェーンの符号化情報のウォレットアドレスに一致している場合、正当な確認が成功する。すなわち、財産の公証のデジタル化が、ブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権確認のパスが最適化されることができ、確認プロセスをより効率的及び安全にし、かつ、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0057】
実施例3
本実施例の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法は、実施例1又は2のいずれか1つで財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法に基づいて実装される。
【0058】
図3に示すように、本実施例の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法は以下を含む:
S201、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットすること;
S202、所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードにトランザクションリクエストを送信すること;
S203、ブロックチェーンノードでトランザクションリクエストを受信すると、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡すること。
【0059】
今回、符号化情報と新しいウォレットアドレスとの間のマッピング関係がスマートコントラクトに記録され、すなわち、gid=>new_address、new_addressは、新しいユーザに対応する新しいウォレットアドレスを表す。
【0060】
具体的には、各所有権の譲渡は、ブロックチェーンに譲渡イベントを生成し、譲渡イベントには、元のウォレットアドレス又は新しいウォレットアドレスが譲渡された財産の符号化情報が含まれるが、これらに限定されない。一例では、トランザクションは、NFTスマートコントラクト又はアカウントと相互作用するためのイーサリアム仮想マシン(EVM)への呼び出しを含む。トランザクションリクエストには、以下のフィールドの1以上に情報を提供することを含み得る。
-受取人の住所;
-送信者を識別する署名;
-ノンス、リプレイアタックを回避するためにアカウントによって行われトランザクションの数;
-データフィールド、スマートコントラクトの場合、これはコンパイルされたバイトコードであり得、コントラクト関数の呼び出しの場合、関数の引数になる。
【0061】
譲渡イベントをトレースバックすることによって、財産のすべての譲渡時間及び他の情報が学習されることができる。ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、所有権の保護の目的を達成するため、財産の所有権の確認及び譲渡プロセスのトレースバックが実現されることができる。
【0062】
本実施例では、ブロックチェーンノードに所有権譲渡データを送信することによって、財産の所有権の直接譲渡が実現される;さらに、ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、財産の所有権のトレースバックが実現され、これは、財産の所有権を保護するのに好都合である。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化を実現可能であり、かつ、所有権の確認、履行及び保護のパスが最適化されることができ、権利の確認及び履行のプロセスをより効率的及び安全にし、かつ、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0063】
実施例4
図4に示すように、本実施例の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法は実施例3のさらなる実装である。具体的には、
所有権譲渡データには、スマートコントラクトアドレス、トランザクションパラメータ及びトランザクション署名が含まれる。一例では、トランザクション署名=secp256k1(blake2b256(RLP符号化トランザクション)、秘密鍵)は、トランザクション送信者、例えば、NFTを譲渡する人によって生成され:
-secp256k1は楕円曲線のパラメータを参照する。
-blake2b256は、BLAKEに基づく暗号ハッシュ関数である。
-RLP(再帰的長さプレフィックス)は、バイナリデータの任意にネストされた配列を符号化する方法である。
【0064】
トランザクションパラメータには、譲渡命令、取引対象の財産に対応する第1符号化情報及び新しいウォレットアドレスが含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
ステップS202の後、かつ、ステップS203の前に、本方法はさらに以下を含む:
S2030、所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを実行する;満たしていない場合、アラートメッセージを生成する。一例では、所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断することには、トランザクション送信者がNFT所有者であるかどうかをチェックすることが含まれる。所有者である場合、NFTスマートコントラクトは、NFTスマートコントラクトの「_to」アドレスフィールドfのアドレスにNFTを譲渡し、かつ、(NFTが譲渡されるとトリガされる)譲渡イベントを発する。
【0066】
ステップS203は以下を含む:
S2031、第1符号化情報に従って、新しいウォレットアドレスに、スマートコントラクトの取引対象の財産のアドレスを譲渡する。
【0067】
財産の所有権が間接的に譲渡される場合、主に2つのケース:譲渡前の承認及び譲渡前の申請を含む。譲渡前の承認には、所有者Aが、所有者Aに代わって署名して新しい所有者Bに財産を譲渡するため、オークションハウス、法律事務所又は他の承認された第三者などの第三者Cに権限を付与することが含まれ得る。一例では、NFTスマートコントラクトは、譲渡機能「transferFrom」を含み、これは、NFTの所有者によって又はNFTに関連付けられた承認済みアドレスによって開始され得る。NFTの所有者は、NFTスマートコントラクトに「approve」トランザクションを送信して、新しいNFTコントローラを承認すると同時に、所有者AとのNFTの所有権を維持することができる。新しく承認されたトークンコントローラ、例えば、オークションハウスなどの第三者Cは、その後、NFTスマートコントラクトに「tranferFrom」トランザクションを容易に送信して、正式に認定されたトークンを新しい「_to」アドレス(例えば、新しい所有者B)に譲渡することができる。したがって、承認されたアドレス(第三者Cのアドレス)は、NFT所有者Aの秘密鍵にアクセスすることなく、適切なタイミングで新しい所有者Bへの所有権の譲渡を開始することができる。ある例では、承認されたトランザクションは、期限などの制限を含み得、期限に到達した後、第三者Cの承認が終了する。
【0068】
譲渡前の申請には、例えば、資産の購入者BがNFT及び/又はNFTに関連する資産を所有者Aから購入した後、購入者Bが、資産のためのNFTを購入者Bに譲渡するリクエストを、販売者Aに送信することが含まれ得る。一例では、NFTスマートコントラクトには、当事者(例えば、購入者B)が、現在のNFT所有者から購入者BにNFTを譲渡することを申請することを可能にする「applyFor」機能が含まれ得る。購入者Bは、保持したいトークンを識別するためにNFTスマートコントラクトに「applyFor」トランザクションを送信することができる。NFTスマートコントラクトは、「applyFor」トランザクションの受信に応答して「Application」イベントを発するように構成され得る。現在の所有者Aは、ブロックチェーンの「Application」イベントを監視するように構成されたメッセージ通信システムから通知を受信し得、この通知は、所有者Aに、「applyFor」トランザクションを誰が送信したかと、送信者が申請したNFTとを通知する。所有者Aが同意した場合、所有者Aは、自身の秘密鍵によって署名された「transfer」トランザクションをNFTスマートコントラクトに送信して、申請された譲渡を開始することができる。
【0069】
譲渡前の承認の場合、ステップS201は以下を含む:
承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するための承認命令を生成すること;
承認命令に従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットすること。
【0070】
ステップS203は以下を含む:
所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を承認済みオブジェクトに譲渡することであって、承認済みオブジェクトは、ブロックチェーンノードの署名及び譲渡を完了する。
【0071】
譲渡前の申請の場合、ステップS201は以下を含む:
取引対象の財産の所有権をリクエストするために、リクエスト元オブジェクトによって送信された申請リクエストを取得すること;
申請リクエストに従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットすること。
【0072】
ステップS203は以下を含む:
所有権譲渡データに基づいて、リクエスト元オブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡すること。
【0073】
本実施例では、ブロックチェーンノードに、直接的又は間接的に譲渡された所有権譲渡データを送信することによって、財産の所有権の譲渡が実現される;さらに、ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、財産の所有権のトレースバックが実現され、これは、財産の所有権を保護するのに好都合である。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権の確認、履行及び保護のパスが最適化されることができ、正当な確認及び履行のプロセスをより効率的及び安全にし、したがって、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0074】
実施例5
図5に示すように、本実施例で財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムは、情報プリセットモジュール1、ウォレットアドレス取得モジュール2、ストレージモジュール3、生成モジュール4、第1アドレス取得モジュール5、対象アドレス取得モジュール6及び第1判断モジュール7を含む。
【0075】
情報プリセットモジュール1は、財産に対応する符号化情報をプリセットするように構成される。
【0076】
ウォレットアドレス取得モジュール2は、符号化情報に従って、対応のウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0077】
ストレージモジュール3は、ブロックチェーンのスマートコントラクトに、符号化情報とウォレットアドレスとの間の一致を格納するように構成され、すなわち、スマートコントラクトに、符号化情報とウォレットアドレスとの間のマッピング関係、例えば、gid=>addressを記録するように構成され、gidは符号化情報を表し、addressはウォレットアドレスを表し、かつ、ウォレットアドレスは、ユーザが対応の財産を所有していることを表す。
【0078】
生成モジュール4は、乱数を生成し、かつ、対象オブジェクトにその乱数を送信するように構成される。
【0079】
第1アドレス取得モジュール5は、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得されるスマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0080】
対象アドレス取得モジュール6は、一致に従って、スマートコントラクトの対象符号化情報に対応する対象ウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0081】
第1判断モジュール7は、第1ウォレットアドレスが対象ウォレットアドレスに一致しているかどうかを判断し、一致している場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していると決定し、一致していない場合、対象オブジェクトが対象財産を所有していないと決定するように構成される。
【0082】
本実施例では、各財産の符号化情報がプリセットされ、各財産の符号化情報とウォレットアドレスとの間の一致がブロックチェーンのスマートコントラクトに記録される;オブジェクトが財産を所有しているかどうかを検証する必要がある場合、乱数、オブジェクトによって提供される秘密鍵及び財産の符号化情報を通じて秘密鍵署名情報が取得され、かつそして、公開鍵及びその対応のウォレットアドレスが取得される。ウォレットアドレスがブロックチェーンの符号化情報のウォレットアドレスに一致している場合、正当な確認が成功する。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権の確認のパスが最適化されることができ、確認プロセスをより効率的及び安全にし、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0083】
実施例6
図6に示すように、本実施例の財産権を確認するためのブロックチェーンベースのシステムは実施例5のさらなる実装である。具体的には、
ウォレットアドレス取得モジュール2は、符号化情報に従って、ランダムに秘密鍵を生成し、かつ、楕円曲線アルゴリズムを用いて及び秘密鍵に従って、対応の公開鍵を取得するように構成される。
【0084】
ウォレットアドレス取得モジュール2も、ハッシュアルゴリズムを用いて及び公開鍵に従って、対応のウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0085】
第1アドレス取得モジュール5は、署名情報取得ユニット8、第1公開鍵取得ユニット9及び第1アドレス取得ユニット10を含む。
【0086】
署名情報取得ユニット8は、乱数、対象財産に対応する対象符号化情報及び対象秘密鍵に従って、対象オブジェクトによって取得される第1秘密鍵署名情報を取得するように構成される。
【0087】
第1公開鍵取得ユニット9は、第1秘密鍵署名情報に従って、対応の第1公開鍵を取得するように構成される。
【0088】
具体的には、署名情報取得ユニット8は、非対称暗号化アルゴリズムを用いて、かつ、乱数及び対象財産に対応する対象符号化情報に従って、対象オブジェクトによって計算されるハッシュ値を取得し、かつ、対象財産に対応する対象秘密鍵及びハッシュ値に従って、対象オブジェクトによって計算される第1秘密鍵署名情報を取得するように構成される。
【0089】
第1公開鍵取得ユニット9は、第1秘密鍵署名情報及びハッシュ値に従って、対応の第1公開鍵を計算するように構成される。
【0090】
第1アドレス取得ユニット10は、第1公開鍵に従って、スマートコントラクトの対象財産に対応する第1ウォレットアドレスを取得するように構成される。
【0091】
以下は、実施例を用いた具体的な説明である。
ユーザaが、ユーザaが財産Aを所有していることをユーザbに対して証明する場合、
ユーザbは、乱数rを生成し、かつ、ユーザaに乱数rを送信する;
ユーザaは、ハッシュアルゴリズムを用いて、かつ、乱数rと財産Aに対応する符号化情報とに従って、ハッシュ値を計算し、及びその後、ECDSAを用いて、かつ、ハッシュ値及び秘密鍵pに従って、対応の秘密鍵署名情報sig=p(hash(gid_a,r))を計算し、それをユーザbに送信する;
ユーザbは、秘密鍵署名情報sigとハッシュ値とに従って、公開鍵を計算し、公開鍵=verify(sig、hash(gid_a,r))、かつ、公開鍵に従って、スマートコントラクトの財産に対応する第1ウォレットアドレスを計算する;
計算された第1ウォレットアドレスと、スマートコントラクトに記録された財産Aに対応する対象ウォレットアドレスとが比較される。それらが一致している場合、ユーザが対象ウォレットアドレスに対応する秘密鍵をユーザが使用していると、すなわち、ユーザが財産Aを所有していると決定される。
【0092】
認証のための原本の認証文書の送信を通じて権利を確認する既存のプロセスと比較して、本実施例の権利を確認するプロセスは署名情報の送信及び検証に属し、正当な確認プロセス全体をより好都合に、効率的及び安全にする。
【0093】
本実施例では、各財産の符号化情報がプリセットされ、各財産の符号化情報とウォレットアドレスとの間の一致がブロックチェーンのスマートコントラクトに記録される;オブジェクトが財産を所有しているかどうかを検証する必要がある場合、乱数、オブジェクトによって提供される秘密鍵及び財産の符号化情報を通じて秘密鍵署名情報が取得され、及びそして公開鍵及びその対応のウォレットアドレスが取得される。ウォレットアドレスがブロックチェーンの符号化情報のウォレットアドレスに一致している場合、正当な確認が成功する。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権確認のパスが最適化されることができ、確認プロセスをより効率的及び安全にし、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0094】
実施例7
本実施例の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムは、実施例5又は6のいずれか1つで財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムに基づいて実装される。
【0095】
図7に示すように、本実施例の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムは、データプリセットモジュール11、リクエスト生成モジュール12及び譲渡モジュール13を含む。
【0096】
データプリセットモジュール11は、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成される。
【0097】
リクエスト生成モジュール12は、所有権譲渡データに従って、トランザクションリクエストを生成し、かつ、ブロックチェーンノードにトランザクションリクエストを送信するように構成される。
【0098】
譲渡モジュール13は、ブロックチェーンノードでトランザクションリクエストを受信すると、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される。
【0099】
今回、符号化情報と新しいウォレットアドレスとの間のマッピング関係がスマートコントラクトに記録され、すなわち、gid=>new_addressであり、new_addressは、新しいユーザに対応する新しいウォレットアドレスを表す。
【0100】
具体的には、各所有権譲渡により、ブロックチェーンに譲渡イベントが生成され、譲渡イベントには、元のウォレットアドレス又は新しいウォレットアドレスが譲渡される財産の符号化情報が含まれるが、これらに限定されない。譲渡イベントをトレースバックすることによって財産のすべての譲渡時間及び他の情報が学習され得る。ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、財産の所有権の確認及び譲渡プロセスのトレースバックが実現され、権利の保護の目的を達成することができる。
【0101】
本実施例では、ブロックチェーンノードに所有権譲渡データを送信することによって、財産の所有権の直接譲渡が実現され、さらに、ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、財産の所有権のトレースバックが実現され、これは、財産の所有権を保護するのに好都合である。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権の確認、履行及び保護のパスが最適化されることができ、正当な確認及び履行のプロセスをより効率的及び安全にし、したがって、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0102】
実施例8
図8に示すように、本実施例の財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースのシステムは実施例7のさらなる実装である。具体的には、
所有権譲渡データは、スマートコントラクトアドレス、トランザクションパラメータ及びトランザクション署名を含む。
【0103】
トランザクションパラメータは、譲渡命令、取引対象の財産に対応する第1符号化情報及び新しいウォレットアドレスを含むが、これらに限定されない。
【0104】
譲渡モジュール13は、第1符号化情報に従って、新しいウォレットアドレスに、スマートコントラクトの取引対象の財産のアドレスを譲渡するように構成される。
【0105】
本実施例の所有権譲渡システムは第2判断モジュール14をさらに含む。
【0106】
第2判断モジュール14は、所有権譲渡データのデータ形式がプリセット条件を満たしているかどうかを判断し、満たしている場合、所有権譲渡データに従って、取引対象の財産の所有権を譲渡するステップを実行し、満たしていない場合、アラートメッセージを生成するように構成される。
【0107】
財産の所有権が間接的に譲渡される場合、それには主に2つのケース:譲渡前の承認及び譲渡前の申請が含まれる。
【0108】
譲渡前の承認の場合、データプリセットモジュール11は、承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するための承認命令を生成し、かつ、承認命令に従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成される。
【0109】
譲渡モジュール13は、所有権譲渡データに従って、承認済みオブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成され、承認済みオブジェクトはブロックチェーンノードの署名及び譲渡を完了する。
【0110】
譲渡前の申請の場合、データプリセットモジュール11は、取引対象の財産の所有権をリクエストするためのリクエスト元オブジェクトによって送信される申請リクエストを取得し、かつ、申請リクエストに従って、取引対象の財産に対応する所有権譲渡データをプリセットするように構成される。
【0111】
譲渡モジュール13は、所有権譲渡データに従って、リクエスト元オブジェクトに取引対象の財産の所有権を譲渡するように構成される。
【0112】
本実施例では、ブロックチェーンノードに、直接的又は間接的に譲渡された所有権譲渡データを送信することによって、財産の所有権の譲渡が実現される;さらに、ブロックチェーン情報の改ざん不可能な特性に基づいて、財産の所有権のトレースバックが実現され、これは、財産の所有権を保護するのに好都合である。すなわち、財産の公証のデジタル化がブロックチェーンに基づいて実現可能であり、そして、財産の所有権のデジタル化が実現可能であり、かつ、所有権の確認、履行及び保護のパスが最適化されることができ、正当な確認及び履行のプロセスをより効率的及び安全にし、したがって、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0113】
実施例9
図9は、本開示の実施例9で提供される電子機器の概略構成図である。電子機器は、メモリ、プロセッサ、及び、メモリに格納されてプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む。プログラムを実行する場合、プロセッサは、実施例1又は実施例2のいずれかで財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法を実装する。図9に示す電子機器30は、ほんの一例であり、かつ、本開示の実施例の機能及び適用範囲に制限を課すものではない。
【0114】
図9に示すように、電子機器30は、汎用コンピューティングデバイスの形態であり得る。例えば、電子機器30はサーバデバイスであり得る。電子機器30のコンポーネントは、限定されないものの、上述した少なくとも1つのプロセッサ31、上述した少なくとも1つのメモリ32、及び、異なるシステムコンポーネント(メモリ32及びプロセッサ31を含む)を接続するバス33を含み得る。
【0115】
バス33は、データバス、アドレスバス及び制御バスを含む。
【0116】
メモリ32は、ランダムアクセスメモリ(RAM)321及び/又はキャッシュメモリ322などの揮発性メモリを含み得、かつ、読み取り専用メモリ(ROM)323を含み得る。
【0117】
メモリ32は、(少なくとも1つの)プログラムモジュール324のセットを有するプログラム/ユーティリティツール325も含み得る。このようなプログラムモジュール324には、限定されないものの、オペレーティングシステム、1以上のアプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール及びプログラムデータを含む。実施例の各々又は一部の組み合わせは、ネットワーク環境の実装を含み得る。
【0118】
プロセッサ31は、メモリ32に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって、例えば、本開示の実施例1又は2のいずれか1つの財産権を確認するためのブロックチェーンベースの方法などの、様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行する。
【0119】
電子機器30は、1以上の外部デバイス34(例えば、キーボード、ポインティングデバイスなど)とも通信し得る。この通信は、入出力(I/O)インタフェース35を通じて実行されることができる。さらに、モデルによって生成された機器30は、ネットワークアダプタ36を通じて、1以上のネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)及び/又はインターネットなどのパブリックネットワーク)とも通信し得る。図9に示すように、ネットワークアダプタ36は、バス33を通じてモデルによって生成された機器30の他のモジュールと通信する。図には示していないが、他のハードウェア及び/又はソフトウェアモジュールが、限定されないものの、マイクロコード、デバイスドライバ、冗長プロセッサ、外部ディスクドライブアレイ、RAID(ディスクアレイ)システム、テープドライブ、データバックアップストレージシステムなど、モデルによって生成される機器30と組み合わせて使用可能であることを理解しておく必要がある。
[0220]
【0120】
電子機器のいくつかのユニット/モジュール又はサブユニット/モジュールが上記詳細な説明に記載されているが、この部分は、例示にすぎず、必須ではないことに留意されたい。実際、本開示の実施例によれば、上述した2以上のユニット/モジュールの特徴及び機能は1つのユニット/モジュールで具体化されることができる。逆に、上述した1つのユニット/モジュールの特徴及び機能は、さらに複数のユニット/モジュールに分割して具体化されることができる。
【0121】
実施例10
本開示の実施例10は電子機器を提供する。電子機器は、メモリ、プロセッサ、及び、メモリに格納されてプロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムを含む。プログラムを実行すると、プロセッサは、実施例3又は実施例4のいずれかの財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法を実装する。電子機器の特定の構成については、実施例9の電子機器を参照することができる。電子機器の動作原理は、基本的に、実施例9の電子機器の動作原理と同じであり、ここでは繰り返して説明されない。
【0122】
実施例11
本実施例は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。プログラムがプロセッサによって実行されると、実施例1又は2のいずれか1つの財産権を決定するためのブロックチェーンベースの方法のステップが実装される。
【0123】
可読記憶媒体は、より具体的には、限定されないものの、ポータブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス又は上記の任意の適切な組み合わせを含み得る。
【0124】
あり得る実装では、本開示は、プログラムコードを含むプログラム製品の形態で実装されることもできる。プログラム製品が端末デバイス上で実行される場合、プログラムコードは、端末デバイスが、実施例1又は2のいずれか1つの財産権を決定するためのブロックチェーンベースの方法のステップの実装を実行するように構成される。
【0125】
本開示を実行するためのプログラムコードは、1以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されることができる。プログラムコードは、ユーザ機器で完全に実行されることも、ユーザ機器で部分的に実行されることも、独立したソフトウェアパッケージとして実行されることも、ユーザ機器で部分的に実行されてリモートデバイスで部分的に実行されることも、又は、リモートデバイスで完全に実行されることもできる。
【0126】
実施例12
本実施例は、コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。プログラムがプロセッサによって実行される場合、実施例3又は4のいずれか1つの財産の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法のステップが実装される。
【0127】
可読記憶媒体は、より具体的には、限定されないものの、ポータブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス又は上記の任意の適切な組み合わせを含み得る。
【0128】
あり得る実装では、本開示は、プログラムコードを含むプログラム製品の形態で実装されることもできる。プログラム製品が端末デバイス上で実行される場合、プログラムコードは、端末デバイスが、実施例3又は4のいずれか1つの財産権の所有権を譲渡するためのブロックチェーンベースの方法のステップの実装を実行するように構成される。
【0129】
本開示を実行するように構成されたプログラムコードは、1以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されることができ、プログラムコードは、ユーザ機器で完全に実行されることも、ユーザ機器で部分的に実行されることも、独立したソフトウェアパッケージとして実行されることも、ユーザ機器で部分的に実行されてリモートデバイスで部分的に実行されることも、又は、リモートデバイスで完全に実行されることもできる。
【0130】
本開示の特定の実施例が上述されたが、当業者は、これがほんの一例であり、かつ、本開示の保護範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解する必要がある。当業者は、本開示の原則及び本質から逸脱することなく、これらの実装に様々な変更又は修正を加えることができるが、それらの変更及び修正はすべて保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】