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特表2023-509702エアロゾル発生装置のための風味カートリッジ
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  • 特表-エアロゾル発生装置のための風味カートリッジ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置のための風味カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230302BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20230302BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022541210
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2021050627
(87)【国際公開番号】W WO2021144331
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】20386002.8
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ヌーノ バティスタ ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ツィムリス ダリア
(72)【発明者】
【氏名】サハラウィ アデラ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB23
4B162AC01
4B162AC12
4B162AC17
4B162AC46
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置のための交換可能な風味カートリッジに関する。カートリッジは、ハウジングおよび風味基体を含む。風味基体は、ハウジング内に配設される。ハウジングは、ハウジングの近位端面に近位開口を含む。ハウジングは、ハウジングの遠位端面に遠位開口を含む。風味基体は、基体開口を含む。近位開口、遠位開口、および基体開口は、互いに整列して、カートリッジを通したカートリッジ気流チャネルを形成する。本発明はさらに、エアロゾル発生装置に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
上部分および主本体と、
交換可能な風味カートリッジであって、前記カートリッジが、
ハウジング、および、
風味基体であって、前記風味基体が、前記ハウジング内に配設される、風味基体を含む、交換可能な風味カートリッジと、を備え、
前記ハウジングが、前記ハウジングの近位部分に近位開口を含み、前記ハウジングが、前記ハウジングの遠位部分に遠位開口を含み、前記風味基体が、基体開口を含み、前記近位開口、前記遠位開口、および前記基体開口が、互いに整列して前記カートリッジを通したカートリッジ気流チャネルを形成し、前記カートリッジが、前記上部分と前記主本体との間に取り外し可能に取り付け可能である、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記カートリッジ気流チャネルが、真っ直ぐである、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記カートリッジが、前記近位開口を覆う取り外し可能な流体不透過性の近位箔を含む、請求項1または2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記カートリッジが、前記遠位開口部を覆う取り外し可能な流体不透過性の遠位箔を含む、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記風味基体が、たばこを含まない、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記風味基体が、ニコチンを含まない、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記ハウジングが、多孔性である、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ハウジングの前記近位部分および前記ハウジングの前記遠位部分が、ルアーコネクタで接続される、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記風味基体が、風味液体または風味ゲルで含浸された高保持材料を含む、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記風味基体が、周囲温度で霧化可能な風味基体を含む、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記上部分が、上部分気流チャネルを含み、前記主本体が、主本体気流チャネルを含み、前記主本体気流チャネル、前記カートリッジ気流チャネル、および前記上部分気流チャネルが、前記カートリッジが前記上部分と前記主本体との間に取り付けられる時に、前記エアロゾル発生装置を通した共通の気流チャネルを形成するように流体接続される、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記上部分が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を含み、前記上部分が、前記空洞内またはその周りに配設された発熱体を含み、前記発熱体が、前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記発熱体が、前記風味基体が前記発熱体から実質的に断熱されるように、前記交換可能な風味カートリッジから離れて配設される、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記交換可能な風味カートリッジが、前記上部分と前記主本体との間に前記カートリッジを定置することによって、および前記カートリッジを回転させることによって、前記上部分と前記主本体との間に取り付け可能なように構成されている、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生は公知である。一つのタイプのエアロゾル発生システムは電子たばこである。電子たばこは典型的に、気化されてエアロゾルを形成する液体エアロゾル形成基体を使用する。「加熱非燃焼式」(HNB)装置は、固体エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へと一つ以上の固体エアロゾル形成基体を加熱し得る。さらに、液体エアロゾル形成機能とHNB機能の両方を有する、ハイブリッドエアロゾル発生装置が公知である。これら三つの装置、液体エアロゾル形成装置または電子たばこ、HNB装置およびハイブリッド装置はすべて、エアロゾル発生装置である。
【0003】
典型的には、エアロゾル発生装置は、上部分および主本体を備える。典型的には、主本体は電源を含有する。典型的には、交換可能であり得る上部分は、ヒーターと、エアロゾル形成基体をヒーターに導入するための手段とを含む。
【0004】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生装置の上部分の加熱チャンバーなどの空洞内に提供されてもよく、または挿入されてもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に提供された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。
【0005】
発生されるエアロゾルの風味を修正することができるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。発生されるエアロゾルの風味修正をユーザーが制御および修正することができるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。発生されるエアロゾルのユーザーベースの風味修正が単純であるエアロゾル発生装置を有することが望ましい。風味修正能力を有するエアロゾル発生装置を有することが望ましい。固体または液体のエアロゾル発生材料とは別個の風味カートリッジを提供することによって風味を修正することができる、エアロゾル発生装置を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置のための交換可能な風味カートリッジが提供されている。カートリッジは、空気流がエアロゾル発生器のエアロゾル発生部分を通過する前または後のいずれかで、空気流が風味カートリッジを通過するように、エアロゾル発生装置の中に挿入可能である。この風味カートリッジは、エアロゾル発生器の上流または下流に風味を提供することができる。
【0007】
実施形態では、カートリッジは、ハウジングおよび風味基体を含む。風味基体は、ハウジング内に配設される。風味基体は、たばこを含まない場合がある。風味基体は、ニコチンを含まない場合がある。風味基体は、風味剤を含むことが好ましい。
【0008】
ハウジングは、ハウジングの近位部分に近位開口を含む。近位開口は、ハウジングの近位端面に提供されることが好ましい。近位端面は、近位部分に提供される。ハウジングは、ハウジングの遠位部分に遠位開口を含む。遠位開口は、ハウジングの遠位端面に提供されることが好ましい。遠位端面は、遠位部分に提供される。風味基体は、基体開口を含む。近位開口、遠位開口、および基体開口は、互いに整列して、風味カートリッジを通したカートリッジ気流チャネルを形成する。
【0009】
交換可能な風味カートリッジを提供することによって、発生されるエアロゾルの風味を修正することができる。カートリッジを交換することができるため、ユーザーは、所望に応じて、発生されるエアロゾルの風味を修正することができる。
【0010】
カートリッジは、非加熱カートリッジであってもよい。風味基体からの風味剤は、カートリッジ気流チャネルを通って流れる空気に同伴され得る。風味基体は、カートリッジ気流チャネルを通って流れる空気に直接接触することが好ましい。風味基体とカートリッジ気流チャネルとの間の直接接触は、カートリッジ気流チャネルを通って流れる空気への風味剤の同伴を促進し得る。
【0011】
カートリッジ気流チャネルは、真っ直ぐであってもよい。気流チャネルは、遠位開口から、基体開口を通って近位開口まで直接延びてもよい。ハウジングの遠位開口は、基体部分の基体開口に直接当接してもよい。基体部分の基体開口は、ハウジングの近位開口に直接当接してもよい。ハウジングの遠位端面は、風味基体に直接当接してもよい。風味基体は、ハウジングの近位端面に直接当接してもよい。風味基体は、ハウジングの近位端面とハウジングの遠位端面との間に挟まれてもよい。カートリッジ気流チャネルは、遠位開口、基体開口、および近位開口から形成され得る。カートリッジ気流チャネルは、カートリッジ気流チャネルを通って中心軸に平行に延びることが好ましい。
【0012】
カートリッジは、風味基体のみを含有してもよい。風味基体は、カートリッジのハウジングによって包囲されてもよい。風味基体の近位端面は、ハウジングの近位端面によって覆われてもよい。風味基体の遠位端面は、ハウジングの遠位端面によって覆われてもよい。風味基体の側面は、ハウジングの側壁によって覆われてもよい。
【0013】
カートリッジは、ディスク形状であってもよい。カートリッジの近位端面は、平坦であってもよい。カートリッジの遠位端面は、平坦であってもよい。カートリッジの側壁は、管状であってもよい。カートリッジは、円筒状であることが好ましい。風味カートリッジの断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形、または長方形であってもよい。
【0014】
カートリッジは、近位開口を覆う取り外し可能な流体不透過性の近位箔を含み得る。取り外し可能な流体不透過性の近位箔は、カートリッジを使用する前に、ユーザーによって剥ぎ取られてもよい。箔は、カートリッジをエアロゾル発生装置の中に挿入する前に、ユーザーによって剥ぎ取られてもよい。
【0015】
カートリッジは、遠位開口を覆う取り外し可能な流体不透過性の遠位箔を含み得る。取り外し可能な流体不透過性の遠位箔は、カートリッジを使用する前に、ユーザーによって剥ぎ取られてもよい。箔は、カートリッジをエアロゾル発生装置の中に挿入する前に、ユーザーによって剥ぎ取られてもよい。
【0016】
ハウジングは、多孔性であってもよい。多孔性ハウジングを提供することによって、風味基体からの風味剤は、ハウジング内に浸漬し得る。風味基体からの風味剤は、多孔性ハウジングによって吸い出され得る。風味剤とカートリッジ気流チャネルを通って流れる空気との間の接触面は、多孔性ハウジングによって増大し得る。特に、風味基体からの風味剤は、カートリッジ気流チャネルと流体接触するハウジングの近位開口および遠位開口のうちの一方または両方に向かって、カートリッジによって吸い出され得る。ハウジング全体は、多孔性であってもよい。別の方法として、ハウジングの一部が多孔性であってもよい。有利なことに、近位開口および遠位開口のうちの一方または両方を形成するハウジングの一部は、多孔性であってもよい。
【0017】
風味カートリッジのハウジングは、単一の一体型の要素であってもよい。しかしながら、風味カートリッジのハウジングは、少なくとも二つの要素から成ることが好ましい。風味カートリッジの近位部分は、ハウジングの近位開口および近位端面を含み得る。風味カートリッジの遠位部分は、遠位開口および遠位端面を含み得る。風味カートリッジの側壁は、風味カートリッジの近位部分の一部、風味カートリッジの遠位部分の一部、および別個の要素のうちの一つ以上であってもよい。近位部分は、遠位部分に取り付け可能であってもよい。風味基体は、近位部分と遠位部分との間に挟まれてもよい。近位部分は、遠位部分に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。風味基体は、使用後に近位部分と遠位部分を取り外すことによってリサイクルされてもよい。
【0018】
風味カートリッジの近位部分は、風味カートリッジの側壁および遠位部分のうちの一つに取り外し可能に取り付け可能なように構成されてもよい。風味カートリッジの遠位部分は、風味カートリッジの側壁および近位部分のうちの一つに取り外し可能に取り付け可能なように構成されてもよい。例えば、風味カートリッジの近位部分が雄型接続要素を含んで、風味カートリッジの遠位部分が雌型接続要素を含んでもよく、またはその逆も可能である。側壁は、近位部分と遠位部分との間に取り付けられる対応する雄型接続要素および雌型接続要素を含み得る。別の方法として、風味カートリッジの近位部分は、風味カートリッジの遠位部分に直接取り外し可能に取り付けられてもよい。取り外し可能な取り付けは、ねじ接続によって促進され得る。取り外し可能な取り付けは、スナップ嵌合接続によって促進され得る。取り外し可能な取り付けは、摩擦嵌合接続によって促進され得る。
【0019】
ハウジングの近位部分およびハウジングの遠位部分は、ルアーコネクタで接続されてもよい。近位開口、遠位開口、および基体開口のうちの一つ以上は、ルアーコネクタとして構成されてもよい。風味カートリッジのハウジングの近位部分および風味カートリッジのハウジングの遠位部分のうちの一方または両方は、ルアーコネクタを含み得る。近位開口、遠位開口、および基体開口のうちの一つ以上の間の確実な取り付けは、これらの構成要素の一つ以上をルアーコネクタとして提供することで達成可能である。
【0020】
追加の実施形態では、近位開口、遠位開口、および基体開口のうちの一つ以上は、コネクタを含み得る。コネクタは、近位開口、遠位開口、および基体開口のうちの一つ以上を接続するように構成され得る。コネクタは、風味カートリッジの構成要素間の取り外し可能な取り付けを可能にすることによって、風味カートリッジの構成要素を一緒に確実に保持するよう構成されることが好ましい。コネクタは、風味カートリッジの近位部分と風味カートリッジの遠位部分との間の取り外し可能な取り付けを可能にすることが好ましい。コネクタは、取り外し可能な気密シールおよび/または液密シールを生成する、当業界で公知の任意のコネクタとすることができる。例えば、コネクタは、ねじ接続またはスナップ嵌合接続とすることができる。
【0021】
風味基体は、風味液体、風味液体で含浸された高保持材料、風味ゲル、風味液体で含浸された粒子、および風味液体または風味ゲルを含むゲルカプセルのうちの一つ以上を含み得る。風味基体が風味ゲルを含む場合、風味ゲルは粘稠な風味ゲルとして構成され得る。風味基体が粒子またはゲルカプセルを含む場合、粒子またはゲルカプセルは担体に埋め込まれてもよい。風味基体は、基体開口が風味基体内に提供され得るように、寸法的に安定して構成されていることが好ましい。
【0022】
特に、風味液体で含浸された高保持材料として風味基体を提供することによって、風味液体は高保持材料によって吸い出すことができる。カートリッジの使用中、風味液体は、カートリッジ気流チャネルを通って流れる空気に同伴され得る。結果として、カートリッジ気流チャネルに隣接する風味基体の一部が枯渇し得る。風味基体の他の枯渇していない部分からの風味液体は、風味基体の他の部分からの風味液体がカートリッジ気流チャネルを通って流れる空気に徐々に同伴されるように、カートリッジ気流チャネルに隣接する風味基体の一部に向かって吸い出されてもよい。
【0023】
風味基体は、周囲温度で霧化可能な風味基体を含み得る。周囲温度で霧化可能な風味基体は、標準的な圧力および温度条件で空中浮遊し得る。結果として、周囲温度で霧化可能な風味基体は、風味基体とカートリッジ気流チャネルを通って流れる空気との間の接触面においてエアロゾル化し得る。エアロゾル化された周囲温度で霧化可能な風味基体は、カートリッジ気流チャネルを通って流れる空気に同伴され得る。周囲温度で霧化可能な風味基体の結果として、風味基体をエアロゾル化するためにカートリッジを加熱する必要はない。したがって、カートリッジは、非加熱カートリッジとして構成されることが好ましい。
【0024】
風味基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0025】
実施形態では、風味基体は、基体開口を提供するように形作られることができる高保持材料である。例えば、風味基体は、風味剤である液体またはゲルで湿潤、または浸漬、または含浸された材料であってもよい。風味剤は、水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然風味または人工風味を含んでもよい。液体はニコチンを含んでもよい。液体は、約0.5%~約10%(例えば、約2%)のニコチン濃度を有してもよい。
【0026】
風味カートリッジのハウジングは、剛直なハウジングであってもよい。本明細書で使用される場合、「剛直なハウジング」という用語は、自己支持型のハウジングを意味するために使用される。風味カートリッジの剛直なハウジングは、風味カートリッジに機械的な支持を提供してもよい。風味カートリッジのハウジングは、任意の適切な材料を含んでもよい。風味カートリッジのハウジングは、実質的に流体不透過性の材料を含んでもよい。風味カートリッジのハウジングは、風味カートリッジ内に貯蔵された基体部分がハウジングを通してユーザーに見え得るように、透明または半透明の部分を含んでもよい。風味カートリッジは、風味カートリッジ内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が光から保護されるように構成されてもよい。これは、基体の劣化のリスクを低減する場合があり、また高いレベルの衛生状態を維持する場合がある。
【0027】
風味カートリッジは、一方向入口とすることができる一つ以上の入口を含んでもよい。これは、周囲空気が風味カートリッジに入ることを可能にし得る。一つ以上の一方向入口は、周囲空気が風味カートリッジの中に入ることを可能にするように透過性であり、かつ風味カートリッジ内部にある空気および液体が風味カートリッジから出ることを実質的に防止するように不透過性である、半透過性膜または一方向弁であってもよい。一つ以上の半開放入口は、特定の条件下で空気が風味カートリッジの中に通ることを可能にし得る。風味カートリッジは再充填可能であってもよい。別の方法として、風味カートリッジは、交換可能な風味カートリッジとして構成されてもよい。風味カートリッジは、交換可能なカートリッジの一部であってもよく、交換可能なカートリッジとして構成されてもよい。
【0028】
「周囲空気」という用語は、エアロゾル発生装置の外側からエアロゾル発生装置の中に引き出される空気を指す。言い換えれば、「周囲空気」という用語は、エアロゾル発生装置を包囲する空気を指す。
【0029】
本発明はさらに、上部分、本明細書に記載の交換可能な風味カートリッジ、および主本体を備える、エアロゾル発生装置に関する。カートリッジは、上部分と主本体との間に取り外し可能に取り付け可能なように構成され得る。
【0030】
ユーザーは、所望の風味を含有する所望の風味カートリッジをエアロゾル発生装置の中に挿入することによって、エアロゾル発生装置によって発生されるエアロゾルの風味を簡単に修正することができる。風味カートリッジが交換可能なため、ユーザーは、風味カートリッジを異なる所望の風味に修正することによって、発生されるエアロゾルの風味を修正することができる。
【0031】
風味カートリッジは、モジュール式であってもよい。多数の異なる風味カートリッジを、単一のエアロゾル発生装置と併せて使用してもよい。
【0032】
エアロゾル発生装置の上部分は、口側端部分として構成されてもよい。上部分は、マウスピースとして構成されてもよい。または、上部分は、固体エアロゾル発生基体を挿入するための空洞を有してもよい。従来のエアロゾル発生装置では、空気吸込み口、気流チャネル、および空気出口が提供される。本発明では、エアロゾル発生装置が追加の空気吸込み口または気流チャネルを必要としないように、風味カートリッジが共通の気流チャネル内に提供されることが好ましい。言い換えれば、風味カートリッジは、上部分と主本体との間にモジュール式に挟まれ、同じコメント気流チャネルを利用することができる。実施形態では、風味カートリッジは、再充填可能とすることができる。
【0033】
空気流経路により、ユーザーが加熱された基体を通して空気を引き出すことが可能になり得る。上部分は、上部分気流チャネルを含み得る。主本体は、主本体気流チャネルを含み得る。主本体気流チャネル、カートリッジ気流チャネル、および上部分気流チャネルは、エアロゾル発生装置を通して共通の気流チャネルを形成するように流体接続されてもよい。
【0034】
エアロゾル発生装置は、カートリッジを有さずに使用され得ることが好ましい。この場合、上部分は、上部分気流チャネルが主部分気流チャネルと流体連通するように主本体に取り付けられる。これら二つの気流チャネルは、共通の気流チャネルを形成する。ユーザーが発生されるエアロゾルの風味を修正することを望む場合、ユーザーは、本明細書に記載する風味カートリッジを上部分と主本体との間に挿入して、所望の風味を修正することができる。風味カートリッジのこの挿入により、カートリッジ気流チャネルをこれらの二つの気流チャネルと整列させることによって、同じ上部分気流チャネルおよび主部気流チャネルを利用することになる。したがって、結果として得られる共通の気流チャネルは、前述の気流チャネル(風味カートリッジを有さないエアロゾル発生装置)と風味カートリッジのカートリッジ気流チャネルの組合せである。
【0035】
上部分は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を含み得る。上部分は、空洞内、または空洞の周りに配設された発熱体を含み得る。発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成され得る。
【0036】
発熱体は、風味基体が発熱体から実質的に断熱され得るように、交換可能な風味カートリッジから離れるように配設されてもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成され得る。同時に、発熱体は、風味カートリッジを加熱しないように構成されてもよい。本明細書に記載されるように、風味カートリッジは、非加熱風味カートリッジであってもよい。結果として、エアロゾル発生装置は、エアロゾルの風味を修正するために追加の発熱体を必要としない。代替的な実施形態では、発熱体はまた、風味カートリッジを加熱するように構成され、またはエアロゾル発生装置は、風味カートリッジがエアロゾル発生装置によって受容される時に、風味カートリッジを加熱するためのさらなる発熱体を備えてもよい。
【0037】
交換可能な風味カートリッジは、上部分と主本体との間に取り付け可能なように構成され得る。取り付けは、取り外し可能な取り付けとして構成されることが好ましい。エアロゾル発生装置の上部分は、風味カートリッジの近位部分に取り外し可能に取り付け可能なように構成され得る。エアロゾル発生装置の主部分は、風味カートリッジの遠位部分に取り外し可能に取り付け可能なように構成され得る。風味カートリッジにおけるエアロゾル発生装置との間の取り外し可能な取り付けは、公知の取り付け手段によって促進され得る。例えば、エアロゾル発生装置の上部分が雄型接続要素を含んで、風味カートリッジの近位部分が雌型接続要素を含んでもよく、またはその逆も可能である。エアロゾル発生装置の主部分が雄型接続要素を含んで、風味カートリッジの遠位部分が雌型接続要素要素を含んでもよく、またはその逆も可能である。エアロゾル発生装置の上部分と主本体のうちの一方または両方と、風味カートリッジの近位部分および遠位部分のうちの一方または両方との間の取り外し取り付けは、ねじ接続、スナップ嵌合接続、または摩擦嵌合接続として構成され得る。
【0038】
交換可能な風味カートリッジは、上部分と主本体との間にカートリッジを定置することによって、およびカートリッジを回転させることによって、上部分と主本体との間に取り付け可能なように構成され得る。上部分と主本体との間の交換可能な風味カートリッジの取り付けは、スイベル接続、バヨネットマウント、またはルアー接続、または当業界で公知の任意の他の迅速な可逆的な接続によって促進され得る。
【0039】
エアロゾル発生装置への風味カートリッジの取り外し可能な取り付けは、選択された接続に依存し得る。接続がねじ接続によって促進される場合、ユーザーは、風味カートリッジの近位部分をエアロゾル発生装置の上部分にねじ止めし得る。別の方法として、ユーザーは、エアロゾル発生装置の上部分を風味カートリッジの近位部分にねじ止めしてもよい。その後、ユーザーは、風味カートリッジの遠位部分をエアロゾル発生装置の主本体にねじ止めしてもよい。別の方法として、ユーザーはその後、エアロゾル発生装置の主本体をねじ止めして、風味カートリッジの遠位部分を移動させてもよい。さらなる代替として、ユーザーは、最初に、風味カートリッジの遠位部分をエアロゾル発生装置の主本体にねじ止めし、その後、風味カートリッジをエアロゾル発生装置の上部分にねじ止めしてもよい。
【0040】
接続がスナップ嵌合接続または摩擦嵌合接続として促進される場合、ユーザーは、最初に、風味カートリッジの近位部分をエアロゾル発生装置の上部分に押し付け、近位部分と上部分との間にスナップ嵌合接続または摩擦嵌合接続を確立してもよい。その後、ユーザーは、風味カートリッジの遠位部分を、エアロゾル発生装置の主本体に対して押し付けて、遠位部分と主本体との間のスナップ嵌合接続または摩擦嵌合接続を確立してもよい。別の方法として、ユーザーは、最初に、風味カートリッジの遠位部分を主本体に押し付け、その後、近位部分を上部分に対して押し付けてもよい。
【0041】
接続がスイベル接続またはバヨネットマウントとして促進される場合、ユーザーは、エアロゾル発生装置の上部分とエアロゾル発生装置の主本体との間に風味カートリッジを定置し得る。随意に、風味カートリッジの突出部を、エアロゾル発生装置の陥凹部またはエアロゾル発生装置の風味カートリッジ貫入の陥凹部に定置して、上部分と主本体との間の風味カートリッジの正しい整列を容易にしてもよい。その後、ユーザーは、エアロゾル発生装置に対して風味カートリッジを回転させて、風味カートリッジのスイベル接続またはバヨネットマウントとエアロゾル発生装置の対応する要素との係合を促進し得る。
【0042】
風味カートリッジは、上述の接続手段のいずれかによって、エアロゾル発生装置の上部分と主本体との間にしっかりと保持され得る。さらに、上述の接続手段のいずれかは、風味カートリッジが枯渇した場合に、風味カートリッジをエアロゾル発生装置から取り外すことを可能にし得る。次いで、未使用の風味カートリッジを、エアロゾル発生装置に取り外し可能に取り付けてもよい。別の方法として、または追加的に、枯渇した風味カートリッジを未使用の風味カートリッジと交換するために、枯渇した風味カートリッジの風味基体が再充填されてもよい。
【0043】
枯渇した風味カートリッジを再充填するために、風味カートリッジは、再充填開口を含んでもよい。再充填開口は、膜または一方向弁として構成されてもよい。一実施形態では、再充填開口は、風味カートリッジがエアロゾル発生装置のさらなる構成要素に対して回転される時にアクセスできるように、風味カートリッジのハウジング内に配設されてもよい。この実施形態は、風味カートリッジとエアロゾル発生装置との間の接続が、スイベル接続またはバヨネットマウントによって促進される場合に、特に有益である。この実施形態の風味カートリッジが動作位置に回転する時、再充填開口には、風味基体がこぼれることを防止するためにアクセスできないことが好ましい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば、喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺の中へと直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。装置は、電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジングと、電気回路と、電源と、加熱チャンバーと、発熱体と、を備えてもよい。
【0045】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞を備えてもよい。エアロゾル発生装置の空洞は、開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中へと挿入される。開放端は、近位端であってもよい。空洞は、開放端とは反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は、空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口を提供することを除いて、閉じられていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は、空洞の上流に配設されてもよい。開放端は、空洞の下流に配設されてもよい。空洞は、細長い延長を有してもよい。空洞は、長軸方向中心軸を有してもよい。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端との間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であってもよい。
【0046】
空洞は、加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は、円筒形状を有してもよい。空洞は、中空円筒形状を有してもよい。空洞は、空洞の中に受容されるエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0047】
上部分気流チャネルは、空洞を通って延びてもよい。周囲空気は、エアロゾル発生装置の中に、空洞の中へと、上部分気流チャネルを通ってユーザーに向かって引き出されてもよい。空洞の下流では、マウスピースが配設されてもよく、またはユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。気流チャネルは、マウスピースを通って延び得る。空洞の上流には、風味カートリッジが配設されてもよい。
【0048】
本明細書で使用される「上流」、「下流」、「近位」、および「遠位」という用語は、ユーザーがその使用中にエアロゾル発生装置を吸う方向に関して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0049】
エアロゾル発生装置は、発熱体を備え得る。発熱体は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とでできた複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料において、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料中に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0050】
エアロゾル発生装置は、内部発熱体、または外部発熱体、または内部発熱体と外部発熱体の両方を備えうるが、ここで「内部」および「外部」は、エアロゾル形成基体についてである。内部発熱体は任意の適切な形態を取ってもよい。例えば、内部発熱体は加熱ブレードの形態を取ってもよい。代替的に、内部ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを有するケーシングまたは基体の形態を取ってもよい。代替的に、内部発熱体は、エアロゾル形成基体の中心を通り抜ける一つ以上の加熱針またはロッドであってもよい。その他の代替としては、加熱ワイヤーまたはフィラメント、例えばNi-Cr(ニッケルクロム)、白金、タングステン、または合金ワイヤーもしくは加熱プレートが挙げられる。随意に、内部発熱体は剛直な担体材料の中またはこの材料上に配置されてもよい。こうした一実施形態において、電気抵抗性のある発熱体は、温度と比抵抗の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は、セラミック材料などの適切な断熱材料上にトラックとして形成され、その後ガラスなどの別の断熱材料中に挟まれてもよい。この様態で形成されたヒーターは動作中に、発熱体の加熱と、その温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0051】
外部発熱体は、任意の適切な形態をとりうる。例えば、外部発熱体は、ポリイミドなどの誘電性基板上の一つ以上の可撓性の加熱箔の形態を取ってもよい。可撓性の加熱箔は、空洞の周囲に適合する形状にすることができる。別の方法として、外部発熱体は、金属のグリッド、可撓性プリント基板、成形回路部品(MID)、セラミックヒーター、可撓性炭素繊維ヒーターの形態を取ってもよく、または適切な形状の基体上にプラズマ蒸着などの被覆技法を使用して形成されてもよい。外部発熱体はまた、温度と比抵抗の間の明確な関係を有する金属を使用して形成されてもよい。こうした例示的な装置において、金属は適切な断熱材料の二つの層の間のトラックとして形成されてもよい。この様態で形成された外部発熱体は動作中に、外部発熱体の加熱と、外部発熱体の温度のモニターの両方に使用されてもよい。
【0052】
内部発熱体または外部発熱体は、熱を吸収および貯蔵し、そしてその後、エアロゾル形成基体に熱を経時的に放出する能力を有する材料を含む、ヒートシンクまたは蓄熱体を備えてもよい。ヒートシンクは、適切な金属またはセラミック材料など、任意の適切な材料で形成されてもよい。一実施形態において、材料は、高い熱容量(顕熱貯蔵材料)を有するか、または熱を吸収し、その後可逆的なプロセス(高温相変化など)によって熱を放出する能力を有する材料である。適切な顕熱貯蔵材料としては、シリカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、鉱物、金属または合金(アルミニウム、銀、または鉛など)、およびセルロース材料(紙など)が挙げられる。可逆的な相変化によって熱を放出するその他の適切な材料としては、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ろう、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、または合金が挙げられる。ヒートシンクまたは蓄熱体は、エアロゾル形成基体と直接的に接触し、かつ保存した熱を基体に直接的に伝達できるように配設されてもよい。代替的に、ヒートシンクまたは蓄熱体の中に貯蔵された熱は、金属チューブなどの熱導体によってエアロゾル形成基体に伝達されてもよい。
【0053】
発熱体は有利なことに、伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は基体、または基体が配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。代替的に、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。
【0054】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に包含されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸煙してもよい。別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含有する喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に包含されてもよい。その場合、ユーザーは喫煙物品を直接吸煙してもよい。
【0055】
電気抵抗性のある発熱体の代替として、発熱体は誘導発熱体として構成されてもよい。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタを含み得る。一般的に、サセプタは、電磁エネルギーを吸収し、それを熱に変換する能力を有する材料である。交流電磁場内に位置する時、典型的にサセプタ内に渦電流が誘発され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を引き起こす。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された変化する電磁場はサセプタを加熱し、これはその後、エアロゾルが形成されるように、エアロゾル発生物品に熱を伝達する。熱伝達は、主に熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタがエアロゾル発生物品と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。
【0056】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくは強磁性ステンレス鋼)を含んでよく、またはそれから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0057】
好ましいサセプタは金属サセプタ(例えばステンレス鋼)である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケルクロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、鉄、コバルト、ニッケルなど)、または半金属構成要素(例えば、ホウ素、炭素、ケイ素、リン、アルミニウムなど)を含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0058】
サセプタ材料は、金属サセプタ材料であることが好ましい。サセプタはまた、多材料サセプタであってもよく、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料を含んでもよい。一部の実施形態において、第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と物理的に密着して配置されてもよい。第二のサセプタ材料は、エアロゾル形成基体の発火点よりも低いキュリー温度を有することが好ましい。第一のサセプタ材料は、サセプタが変動する電磁場内に定置された時に、サセプタを加熱するために主に使用されることが好ましい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。第二のサセプタ材料のために適切な材料は、ニッケルおよびある特定のニッケル合金を含んでもよい。
【0059】
少なくとも第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を有するサセプタを提供することによって、エアロゾル形成基体の加熱と加熱の温度制御とは分離されてもよい。第二のサセプタ材料は、望ましい最高加熱温度と実質的に同じである第二のキュリー温度を有する磁性材料であることが好ましい。すなわち、第二のキュリー温度は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるためにサセプタが加熱されるべき温度とほぼ同じであることが好ましい。
【0060】
誘導発熱体が採用される場合、誘導発熱体は、本明細書に記載の通りの内部発熱体として、または本明細書に記載の通りの外部ヒーターとして構成されてもよい。誘導発熱体が内部発熱体として構成される場合、サセプタ素子は、エアロゾル発生物品を貫通するためのピンまたはブレードとして構成されることが好ましい。誘導発熱体が外部発熱体として構成される場合、サセプタ素子は、空洞を少なくとも部分的に包囲するか、または空洞の側壁を形成する円筒状サセプタとして構成されることが好ましい。
【0061】
エアロゾル発生装置は、電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は発熱体への電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0062】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するのに十分な容量を有してもよい。
【0063】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中へと直接的に吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。本明細書に記載されるように、エアロゾル発生物品は、風味カートリッジに加えて提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の上部分の空洞によって受容されることが好ましく、風味カートリッジは、エアロゾル発生装置の上部分と主本体との間の空洞の上流に配設されることが好ましい。
【0064】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、実質的にロッド形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的にロッド形状であってもよい。
【0065】
エアロゾル発生基体は、エアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル発生基体は、均質化したたばこ材料と、エアロゾル形成体と、水とを含むことが好ましい。均質化したたばこ材料を提供することは、エアロゾル発生と、エアロゾル発生物品の加熱中に発生したエアロゾルのニコチン含有量および風味プロファイルとを改善する場合がある。具体的には、均質化したたばこを作製するプロセスには、たばこ葉を粉砕することが関与しており、これは加熱に伴うニコチンおよび風味の放出をより効果的に可能にする。
【0066】
均質化したたばこ材料は、折り曲げられたシート、縮らされたシート、または細片へと切断されたシートのうちの一つであるシートで提供されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、シートは、約0.2ミリメートル~約2ミリメートル、より好ましくは約0.4ミリメートル~約1.2ミリメートルの幅を有する細片へと切断される。一実施形態では、細片の幅は約0.9ミリメートルである。
【0067】
別の方法として、均質化したたばこ材料は、球形化を使用して球へと形成されてもよい。球の平均直径は、約0.5ミリメートル~約4ミリメートルであることが好ましく、約0.8ミリメートル~約3ミリメートルであることがより好ましい。
【0068】
エアロゾル発生基体は、約55重量パーセント~約75重量パーセントの均質化したたばこ材料と、約15重量パーセント~約25重量パーセントのエアロゾル形成体と、約10重量パーセント~約20重量パーセントの水とを含むことが好ましい。
【0069】
エアロゾル発生基体の試料を測定する前に、50パーセントの相対湿度で、摂氏22度にて、48時間の間平衡化した。均質化したたばこ材料の含水量を決定するためにKarl Fischer技法が使用された。
【0070】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、たばこ葉の葉身およびたばこ葉の茎のうちの一方または両方を粉砕または別の方法で細かく砕くことによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。
【0071】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を補助するために、たばこ内因性結合剤である一つ以上の内因性結合剤、たばこ外来性結合剤である一つ以上の外因性結合剤、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒、ならびにそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないその他の添加物を含んでもよい。
【0072】
カプセルを含むエアロゾル発生物品で使用するための均質化したたばこ材料のシート内の包含のために適切な外因性結合剤は、当業界で公知であり、ガム(例えば、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、およびローカストビーンガムなど)、セルロース系結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセルロースなど)、多糖類(例えば、デンプン)、有機酸(アルギン酸など)、有機酸の共役塩基塩(アルギン酸ナトリウムなど)、寒天、および30ペクチン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
均質化したたばこ材料のシートを製造するための数多くの再構成プロセスが当業界で公知である。これらには、例えば、米国特許第A-3,860,012号に記述されているタイプの製紙プロセス、例えば、米国特許第A-5,724,998号に記述されているタイプのキャスティングまたは「キャストリーフ」プロセス、例えば米国特許第A-3,894,544号に記述されているタイプのドウ再構成プロセス、および例えば英国特許第A-983,928号に記述されているタイプの押出成形プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。典型的に、押出成形プロセスおよびドウ再構成プロセスによって製造された均質化したたばこ材料のシートの密度は、キャスティングプロセスによって製造された均質化したたばこ材料のシートの密度より大きい。
【0074】
カプセルを含むエアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこおよび一つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面の上へとキャスティングすることと、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料のシートを形成することと、均質化したたばこ材料のシートを支持表面から取り外すことと、を一般的に含むタイプのキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。
【0075】
均質化したたばこシート材料は、異なるタイプのたばこを使用して生成されてもよい。例えば、たばこシート材料は、数多くの異なる様々なたばこ、またはたばこ植物の異なる部位(葉や茎など)からのたばこを使用して形成されてもよい。加工後、シートは一貫した特性および均質化した風味を有する。均質化したたばこ材料の単一のシートは、特定の風味を有するように生成されてもよい。異なる風味を有する製品を生成するために、異なるたばこシート材料が生成される必要がある。多数の異なる細かく切られたたばこを従来の紙巻たばこにブレンドすることによって生成される一部の風味は、単一の均質化したたばこシートで複製するのが困難な場合がある。例えば、バージニアたばこおよびバーレー種たばこは、その個別の風味を最適化するための異なるやり方で加工される必要がある場合がある。バージニアたばことバーレー種のたばことの特定のブレンドを、均質化したたばこ材料の単一のシートで複製することは可能でない場合がある。そのため、エアロゾル発生基体は第一の均質化したたばこ材料および第二の均質化したたばこ材料を備えてもよい。二つの異なるたばこ材料のシートを単一のエアロゾル発生基体内に組み合わせることによって、均質化したたばこの単一のシートでは生成することができない新しいブレンドが作り出される場合がある。
【0076】
エアロゾル形成体は、少なくとも一つの多価アルコールを含むことが好ましい。好ましい実施形態では、エアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、プロピレングリコール、およびグリセリンのうちの少なくとも一つを含む。
【0077】
エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体は、風味剤を含まないことが好ましい。望ましい場合、風味剤は、エアロゾル発生装置の上部分と主本体との間の空洞の上流に配設された風味カートリッジによって提供されることが好ましい。
【0078】
固体エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を提供する代替として、または追加的に、エアロゾル発生装置は、液体エアロゾル形成基体と共に作動してもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に保持されてもよい。液体貯蔵部分は、エアロゾル発生装置の上部分に配設されてもよい。液体貯蔵部分は、風味カートリッジの下流に配設されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成体を含み得る。液体エアロゾル形成基体は、風味剤、例示的には、たばこ風味またはメントール風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。液体貯蔵部分に含有される液体エアロゾル形成基体は、風味カートリッジに加えて提供されることが好ましい。液体貯蔵部分からの液体エアロゾル形成基体は、発熱体によって加熱されて気化される。
【0079】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0080】
実施例A:
エアロゾル発生装置のための交換可能な風味カートリッジであって、カートリッジは、
ハウジング、および、
風味基体であって、ハウジング内に配設される、風味基体を備え、
ハウジングは、ハウジングの近位部分に近位開口を含み、ハウジングは、ハウジングの遠位部分に遠位開口を含み、風味基体は、基体開口を含み、近位開口、遠位開口、および基体開口は、互いに整列してカートリッジを通したカートリッジ気流チャネルを形成する、交換可能な風味カートリッジ。
実施例B:
カートリッジ気流チャネルは、真っ直ぐである、実施例Bに記載のカートリッジ。
実施例C:
カートリッジは、近位開口を覆う取り外し可能な流体不透過性の近位箔を含む、実施例AまたはBのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例D:
カートリッジは、遠位開口を覆う取り外し可能な流体不透過性の遠位箔を含む、実施例A~Cのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例E:
風味基体は、たばこを含まない、実施例A~Dのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例F:
風味基体は、ニコチンを含まない、実施例A~Eのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例G:
ハウジングは、多孔性である、実施例A~Fのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例H:
ハウジングの近位部分およびハウジングの遠位部分は、ルアーコネクタで接続される、実施例A~Gのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例I:
風味基体は、風味液体または風味ゲルで含浸された高保持材料を含む、実施例A~Hのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例J:
風味基体は、周囲温度で霧化可能な風味基体を含む、実施例A~Iのいずれかに記載のカートリッジ。
実施例K:
エアロゾル発生装置であって、
上部分と、
実施例A~Jのいずれかに記載の交換可能な風味カートリッジと、
主本体と、を備え、
カートリッジは、上部分と主本体との間に取り外し可能に取り付け可能なように構成されている、エアロゾル発生装置。
実施例L:
上部分は、上部分気流チャネルを含み、主本体は、主本体気流チャネルを含み、主本体気流チャネル、カートリッジ気流チャネル、および上部分気流チャネルは、流体接続されて、カートリッジが上部分と主本体との間に取り付けられた時に、エアロゾル発生装置を通した共通の気流チャネルを形成する、実施例Kに記載のエアロゾル発生装置。
実施例M:
上部分は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を含み、上部分は、空洞内、または空洞の周りに配設された発熱体を含み、発熱体は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、実施例KまたはLに記載のエアロゾル発生装置。
実施例N:
発熱体は、風味基体が発熱体から実質的に断熱されるように、交換可能な風味カートリッジから離れるように配設される、実施例Mに記載のエアロゾル発生装置。
実施例O:
交換可能な風味カートリッジは、上部分と主本体との間にカートリッジを定置することによって、およびカートリッジを回転させることによって、上部分と主本体との間に取り付け可能なように構成されている、実施例K~Nのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0081】
一実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0082】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1図1は、風味カートリッジの分解図を示す。
図2A図2Aは、分解された状態の風味カートリッジの断面図を示す。
図2B図2Bは、組み立てられた状態の風味カートリッジの断面図を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置の例示的な図を示す。
図4図4は、エアロゾル発生装置への風味カートリッジの取り付けの図を示す。
図5図5は、エアロゾル発生装置のさらなる実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0084】
図1は、エアロゾル発生装置のために使用されるように構成された風味カートリッジを示す。エアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生装置における風味カートリッジの使用は、図3および図4と併せて以下に記載される。風味カートリッジは、近位部分10、遠位部分12、および風味基体14を含む。風味基体14は、近位部分10と遠位部分12との間に配設される。近位部分10および遠位部分12は、共に風味カートリッジのハウジングを形成する。風味基体14は、遠位部分12で近位部分10との間に挟まれる。
【0085】
近位部分10は、近位開口16を含む。近位開口16は、近位部分10の近位端面18に配設される。遠位部分12は、遠位開口20を含む。遠位開口20は、遠位部分12の遠位端面22に配設される。風味基体14は、基体開口24を含む。近位開口16、基体開口24および遠位開口20は、互いに整列している。カートリッジ気流チャネル26は、近位開口16、基体開口24および遠位開口20を通って延びる。
【0086】
風味カートリッジの使用前、風味カートリッジを封止して保管中の風味剤の蒸発を防止する。風味カートリッジを封止するために、取り外し可能な流体不透過性の近位箔56が近位開口16の上に提供されてもよい。さらに、取り外し可能な流体不透過性の遠位箔58が遠位開口20の上に提供されてもよい。ユーザーは、風味カートリッジの使用前に、取り外し可能な流体不透過性の近位箔56および取り外し可能な流体不透過性の遠位箔58を取り外し得る。取り外し後、カートリッジ気流チャネル26が確立され、空気が風味カートリッジを通って流れ得る。
【0087】
空気が風味カートリッジを通って流れる際、空気は風味基体14に接触する。風味基体14に含有される風味剤が、空気中に同伴され得る。カートリッジ気流チャネル26を通って流れる空気と風味剤との間の接触面を増大させるために、近位部分10および遠位部分12のうちの一方または両方は、多孔性に構成される、または多孔性領域を含んでもよい。次いで、風味剤は、近位部分10および遠位部分12のうちの一方または両方、またはこれらの要素の多孔性領域の中に吸い出され得る。
【0088】
図2Aは、風味カートリッジの組立前の風味カートリッジの状態を示す。カートリッジ気流チャネル26は、風味カートリッジの中心軸28と平行に延びることが分かる。近位開口16の領域内に、風味カートリッジは雌型接続要素30を含む。遠位開口20の領域内に、風味カートリッジは雄型接続要素32を含む。当然のことながら、雌型接続要素30が近位開口16の領域内に配設され、雄型接続要素32が遠位開口20の領域内に配設されることも選択肢である。雄型接続要素32および雌型接続要素30は、エアロゾル発生装置への風味カートリッジの取り付けを可能にするように構成されている。
【0089】
図3は、エアロゾル発生装置の一実施形態を示す。エアロゾル発生装置は、上部分34を備える。上部分34は、マウスピースとして構成されている。ユーザーは、エアロゾル発生装置内で発生されたエアロゾルを上部分34を通して吸入し得る。上部分34は、エアロゾル発生装置の近位端または遠位端に配設される。エアロゾル発生装置はさらに、主本体36を備えてもよい。主本体36は、電池の形態の電源46およびコントローラ48などのさらなる構成要素を含み得る。これらの構成要素は、図5により詳細に示されている。エアロゾル発生装置は、発熱体38をさらに備えてもよい(発熱体38は、図3および4に示す実施形態には図示されていないが、図5に示す実施形態には図示されている)。風味カートリッジは、図3にも図示される。風味カートリッジは、上部分34と主本体36との間に挟まれる。周囲空気は、ユーザーが上部分34を吸うと、空気吸込み口50(図5の実施形態に示す)を通してエアロゾル発生装置内に引き出される。空気は、気流チャネル(図5の実施形態に示す)を通して引き出され、エアロゾル形成基体と共に発熱体38によって加熱され、エアロゾル発生装置によってエアロゾルが発生される。エアロゾルはその後、ユーザーによって吸入され得る。気流チャネル内に、風味カートリッジが配設される。風味カートリッジは、発生するエアロゾルをユーザーが修正できるように、空気に風味剤を添加する。
【0090】
エアロゾル発生装置への風味カートリッジの取り付けを図4に示す。図4に示す実施形態における風味カートリッジの雄型接続要素32は、エアロゾル発生装置の主本体36の対応する雌型部品40の中に挿入される。雄型接続要素32の挿入後、風味カートリッジを回転させて、風味カートリッジを主本体36に固定してもよい。その後、上部分34は、例示的には、上部分34を風味カートリッジの雌型接続要素30に取り付けることによって、風味カートリッジに取り付けられ得る。
【0091】
図5は、エアロゾル発生装置のさらなる実施形態を示す。主な要素は、図3および4に示されるエアロゾル発生装置と類似している。以下で、差異を示す。図5に示すエアロゾル発生装置の上部分34は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品44を受容するための空洞42を含む。発熱体38は、上部分34内の風味カートリッジの下流に配設される。発熱体38は、誘導発熱体38として構成されている。発熱体38は、空洞42を少なくとも部分的に包囲する。発熱体38は、エアロゾル発生物品44のエアロゾル形成基体を加熱するように構成されている。
【0092】
風味カートリッジは、上部分34と主本体36との間に挟まれる。
【0093】
主本体36は、電源46およびコントローラ48を含む。コントローラ48は、電源46から発熱体38への電気エネルギーの供給を制御するように構成されている。電源46は、電池であることが好ましい。主本体36は、空気吸込み口50を含む。空気吸込み口50は、主本体気流チャネル52と流体接続される。風味カートリッジが主本体36と上部分34との間に配設されると、主本体36の主本体気流チャネル52は、カートリッジ気流チャネル26と流体接続される。カートリッジ気流チャネル26は、上部分気流チャネル54と流体接続される。上部分気流チャネル54は、上部分34内に配設される。上部分気流チャネル54は、空洞42と流体接続される。図5に示すように、主部分気流チャネル、カートリッジ気流チャネル26および上部分気流チャネル54は、共通の気流チャネルを形成する。使用中、ユーザーは、エアロゾル発生物品44を吸い、それによって、周囲空気を、空気吸込み口50に引き出し、主本体気流チャネル52を通り、カートリッジ気流チャネル26を通り、上部分気流チャネル54を通って、空洞42の中に引き出す。空洞42では、空気は、エアロゾル発生物品44のエアロゾル形成基体を通って流れる。発熱体38の加熱作用により、空気およびエアロゾル形成基体が加熱され、エアロゾルが発生される。カートリッジ気流チャネル26を通して周囲空気を引き出す間、空気は、風味カートリッジの風味基体14からの風味剤で濃縮される。したがって、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品44を備えるシステムを出るエアロゾルの風味は、適切な風味カートリッジによって調節可能である。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
上部分および主本体であって、前記主本体が電源を含む、主本体と、
交換可能な風味カートリッジであって、前記交換可能な風味カートリッジが、前記上部分と前記主本体との間に挟まれ、前記カートリッジが、
ハウジング、および、
風味基体であって、前記風味基体が、前記ハウジング内に配設される、風味基体を含む、交換可能な風味カートリッジと、を備え、
前記ハウジングが、前記ハウジングの近位部分に近位開口を含み、前記ハウジングが、前記ハウジングの遠位部分に遠位開口を含み、前記風味基体が、基体開口を含み、前記近位開口、前記遠位開口、および前記基体開口が、互いに整列して前記カートリッジを通したカートリッジ気流チャネルを形成し、前記カートリッジが、前記上部分と前記主本体との間に取り外し可能に取り付け可能である、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記カートリッジ気流チャネルが、真っ直ぐである、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記カートリッジが、前記近位開口を覆う取り外し可能な流体不透過性の近位箔を含む、請求項1または2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記カートリッジが、前記遠位開口部を覆う取り外し可能な流体不透過性の遠位箔を含む、請求項1~3のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記風味基体が、たばこを含まない、請求項1~4のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記風味基体が、ニコチンを含まない、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記ハウジングが、多孔性である、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記ハウジングの前記近位部分および前記ハウジングの前記遠位部分が、ルアーコネクタで接続される、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記風味基体が、風味液体または風味ゲルで含浸された高保持材料を含む、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記風味基体が、周囲温度で霧化可能な風味基体を含む、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記上部分が、上部分気流チャネルを含み、前記主本体が、主本体気流チャネルを含み、前記主本体気流チャネル、前記カートリッジ気流チャネル、および前記上部分気流チャネルが、前記カートリッジが前記上部分と前記主本体との間に取り付けられる時に、前記エアロゾル発生装置を通した共通の気流チャネルを形成するように流体接続される、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記上部分が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するように構成された空洞を含み、前記上部分が、前記空洞内またはその周りに配設された発熱体を含み、前記発熱体が、前記エアロゾル発生物品の前記エアロゾル形成基体を加熱するように構成されている、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記発熱体が、前記風味基体が前記発熱体から実質的に断熱されるように、前記交換可能な風味カートリッジから離れて配設される、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記交換可能な風味カートリッジが、前記上部分と前記主本体との間に前記カートリッジを定置することによって、および前記カートリッジを回転させることによって、前記上部分と前記主本体との間に取り付け可能なように構成されている、請求項1~13のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【国際調査報告】