IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 青島理工大学の特許一覧

特表2023-511194三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法
<>
  • 特表-三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法 図1
  • 特表-三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/00 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
G01N15/00 C
G01N15/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544686
(86)(22)【出願日】2021-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2021084378
(87)【国際公開番号】W WO2022126932
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011465047.7
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519380222
【氏名又は名称】青島理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】陳 凡秀
(72)【発明者】
【氏名】王 瀟
(72)【発明者】
【氏名】繆 玉松
(72)【発明者】
【氏名】牛 庚
(72)【発明者】
【氏名】呉 迪
(57)【要約】
三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法を提供する。 三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法であって、該三次元粒子材料の内部変形分析実験装置は、透明な固体であるいくつかの粒子と、粒子の屈折率は浸潤液体の屈折率と同じである浸潤液体と、粒子および浸潤液体を置くために使用される容器(5)と、容器(5)の外側に設置され、放射するレーザーが浸潤液体を照射すると、浸潤液体が蛍光を発するレーザー機器(3)と、容器(5)の外側に設置され、粒子シーケンス画像を取得するために使用される記録装置(2)と、記録装置(2)は、取得された粒子シーケンス画像を計算端末(1)に送信し、計算端末(1)は、粒子シーケンス画像を分析して三次元粒子系を確立し、三次元粒子系内部の三次元変形パラメータを取得する計算端末と、を含む。これは、従来技術の三次元粒子系のマイクロパラメータ分析を実現することが難しいという問題を解決し、粒子系の微視的応答の定量的影響法則を明らかにするのに有益であるという有益な効果を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、
透明な固体であるいくつかの粒子と、
粒子の屈折率は浸潤液体の屈折率と同じである浸潤液体と、
粒子および浸潤液体を置くために使用される容器と、
容器の外側に設置され、放射するレーザーが浸潤液体を照射すると、浸潤液体が蛍光を発するレーザー機器と、
容器の外側に設置され、粒子シーケンス画像を取得するために使用される記録装置と、
記録装置は、取得された粒子シーケンス画像を計算端末に送信し、計算端末は、粒子シーケンス画像を分析して三次元粒子系を確立し、三次元粒子系内部の三次元変形分析を取得する計算端末と、を含むことを特徴とする三次元粒子材料の内部変形分析実験装置。
【請求項2】
前記容器には容器壁があり、容器壁内には容器壁に対して上下に移動できる可動式天板が設置されることを特徴とする請求項1に記載の三次元粒子材料の内部変形分析実験装置。
【請求項3】
前記可動式天板には、変位センサーと力センサーが装備されており、変位センサーと力センサーはそれぞれコントローラーに接続されることを特徴とする請求項2に記載の三次元粒子材料の内部変形分析実験装置。
【請求項4】
前記可動式天板は加力機構に接続され、加力機構は前記コントローラーに接続されることを特徴とする請求項3に記載の三次元粒子材料の内部変形分析実験装置。
【請求項5】
前記記録装置はCCDカメラであり、カメラのレンズには、前記レーザー機器が放射するレーザーの波長よりも長い波長の光を通過させるフィルターが取り付けられ、
CCDカメラの画像平面は、前記レーザー機器が放射するレーザーと平行であることを特徴とする請求項1に記載の三次元粒子材料の内部変形分析実験装置。
【請求項6】
前記レーザー機器は、前記コントローラーに接続された線形駆動機構に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の三次元粒子材料の内部変形分析実験装置。
【請求項7】
三次元粒子材料の内部変形分析方法であって、請求項1から6のいずれか一項に記載の実験装置を使用することを特徴とする三次元粒子材料の内部変形分析方法。
【請求項8】
設定した粒子及び設定した浸潤液体を選択することと、
容器に粒子および浸潤液体を置くことと、
レーザー機器をオンにし、レーザーを容器に放射し、容器内の粒子と液体の混合物に設定された荷重を加え、異なる荷重状態で記録装置により粒子系の多層のシーケンス画像を取得することと、
異なる荷重状態でのシーケンス画像から異なる荷重状態での三次元粒子系を取得し、再構成された三次元粒子系に対してデジタルボリューム画像相関方法の演算を実行して、粒子系内部の三次元変形分析を実現することを特徴とする請求項7に記載の三次元粒子材料の内部変形分析方法。
【請求項9】
前記レーザー機器をオンにし、レーザーを容器に放射し、かつ容器内の粒子と液体の混合物に設定された荷重をかけ、異なる荷重状態で記録装置により粒子系の多層のシーケンス画像を取得することは、具体的には、
容器の長さ方向に沿って、一方の側から他方の側まで、毎回にレーザーを設定された距離ごとに移動し、かつ記録装置を介して粒子系の多層シーケンス画像を取得し、元の状態の三次元粒子系を取得する:状態1
容器内の粒子と液体の混合物に設定された荷重をかけ、毎回の荷重のかけ中に、一方の側から他方の側まで、毎回にレーザーを容器の長さ方向に沿って設定された距離ごとに移動し、且つ、記録装置を介して粒子系の多層シーケンス画像を収集し、さまざまな荷重状態での三次元粒子系を取得する:状態2、状態3...状態Nという内容を含むことを特徴とする請求項8に記載の三次元粒子材料の内部変形分析方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子材料の内部三次元変形分析の分野、特に三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この部分の記述は、本発明に関連する背景情報を提供するだけであり、必ずしも先行技術を構成するものではない。
【0003】
機械的な観点から、バルク固体系は、通常の液体や弾性固体などの一般的な材料系よりもはるかに複雑な機械的挙動を示す。多数の粒子で構成される離散粒子系は、せん断バンディング、臨界自己組織化、緩和、固体のような-流体のような遷移、レオロジーなどは、固体、液体、気体とは異なる特有の機械的現象と運動の法則を示すが、連続体の仮定に基づく既存の理論は十分に説明することができない。実際、私たちは粒子系の基本法則を明確に理解しているわけではない。フランスのノーベル賞受賞者であるGennes教授が1999年に指摘したように、「粒子の散逸的非平衡系についてのすべてをまだ理解しておらず、知識の全体的なレベルは、1930年代の固体物理学の理解と同じです。」。その理由は、粒子系自体のこれらのユニークな機械的特性に直接関係していることである。
【0004】
コンピュータと画像処理技術の開発により、視覚光学試験法は大きく開発された。既存の最先端の方法が粒子系の不均一な構造の研究に適用されており、粒子系の不均一な構造の決定的な証拠が発見された。このとき、デジタル画像相関方法(Digital Image Correlation、 DIC)方法は粒子状物質の力学研究の分野に参入した。 Chauve et alは、DICに基づいて第三紀クリープの開始時に多結晶氷の粒内亀裂の周りの局所的な不均一なひずみ場の進化を最初に研究した。Hurley et alは、粒子要素方法(Granular Element Method、GEM )を改良し、DICを組み合わせて、任意の形状、テクスチャ、および不透明な粒子の内部力伝達を記述した。続いて、ChenetalとMarteauetalは、DIC法とGEM法を組み合わせて実験を行い、2次元不透明粒子系の内部接触力と粒子運動学的パラメーターを計算し、識別されたフォースチェーンネットワークとその進化を分析した。張興義らは、DICとGEMを組み合わせて、側圧の作用下でのCICC導体の断面ストランド接触力の分布特性を示し、接触力チェーンのサイズと方向の統計分析を行った。
【0005】
科学技術の発展に伴い、音響放出、走査型電子顕微鏡、3次元X線回折、X線コンピュータ断層撮影、核磁気共鳴などのいくつかのハイテク非接触法も粒子系の機械的特性を検出するために使用されているが、これらの方法は、環境および装置に対する高い要件、長いスキャン時間、特にその場でのローディングを達成することができないことを有し、それはその後のデータ処理および分析に多くの不便をもたらし、広く使用されていない。
【0006】
一般に、バルク固体粒子材料に関する基礎研究の発展は、実験技術の進歩と密接に関連し、フォースチェーンの識別、および粒子サイズ、形状、弾性率、ポアソン比等のパラメータからフォースチェーンネットワークに対する影響についていくつかの成果が得られたが、本発明者らは、既存の研究が主に二次元粒子系で初期段階にあることを発見した。しかし、実際には、粒子材料はすべて三次元であり、三次元粒子系のマイクロスケールの研究が必要であり、現段階では、 三次元粒子系における接触力の定量的計算とフォースチェーンの識別を実現するための簡単な実験方法はなく、実際の三次元粒子系のマイクロパラメータの分析を実現しにくく、これらの研究内容の開発は、粒子系のフォースチェーンの進化と安定性研究にとって非常に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の欠陥を考慮して、本発明は、イメージング光学実験システムを構築することにより、蛍光粒子系に対してレーザー断層撮影走査照射を行い、記録装置によって粒子系内部のシーケンス画像を取得し、粒子系の微視的応答の定量的影響則を明らかにするのに役立つ三次元粒子材料の内部変形分析実験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決手段を通じて達成される。
【0009】
三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、
透明な固体であるいくつかの粒子と、
粒子の屈折率は浸潤液体の屈折率と同じである浸潤液体と、
粒子および浸潤液体を置くために使用される容器と、
レーザーは容器の外側に設置され、放射するレーザーが浸潤液体を照射すると、浸潤液体が蛍光を発するレーザー機器と、
容器の外側に設置され、粒子シーケンス画像を取得するために使用される記録装置と、
記録装置は、取得された粒子シーケンス画像を計算端末に送信し、計算端末は、粒子シーケンス画像を分析して三次元粒子系を確立し、三次元粒子系内部の三次元変形パラメータを取得する計算端末と、を含む。
【0010】
上記の実験装置は、イメージング光学実験装置を構築し、粒子はバルク固体をシミュレートし、容器は粒子と浸潤液体を置き、レーザー機器はレーザーを放出し、記録装置は粒子シーケンス画像を取得でき、計算端末を介して関連する分析を実行し、設定された状態での三次元粒子系の粒子位置、変形、および軌道情報を取得する。
【0011】
上記三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、前記容器には容器壁があり、容器壁内には容器壁に対して上下に移動できる可動式天板が配置されており、可動式天板の配置により、容器壁内に浸潤液体や粒子を入れるのに便利であると同時に、可動式天板を介して、浸潤液体や粒子へ荷重を加えることを容易にする。
【0012】
上記三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、前記可動式天板には、垂直応力と変位の大きさを測定するための変位センサーと力センサーが装備され、変位センサーと力センサーはそれぞれコントローラーに接続され、コントローラーには、変位センサーと力センサーで検出された値を表示するための表示画面が設置され、実験に便利である。
【0013】
上記三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、前記可動式天板は加力機構に接続され、加力機構はコントローラーに接続され、加力機構は、電気シリンダーまたは他の機構などの線形移動ユニットであってもよく、加力機構は、可動式天板に接続され、荷重の加えを実現する。
【0014】
上記三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、前記記録装置はCCDカメラであり、カメラのレンズには、前記レーザー機器が放射するレーザーの波長よりも長い波長の光を通過させるフィルターが取り付けられ、
CCDカメラの画像平面は、前記レーザー機器が放射するレーザーと平行である。
【0015】
上記三次元粒子材料の内部変形分析実験装置であって、前記レーザー機器は、前記コントローラーに接続された線形駆動機構に取り付けられ、線形駆動機構は、レーザー機器を一方の側から他方の側に移動させるように駆動し、これは、実験装置の実験に便利である。
【0016】
第2の態様では、本発明はまた、前記実験装置を使用して、三次元粒子材料の内部変形分析方法を提供する。
【0017】
上記の三次元粒子材料の内部変形分析方法は、
容器に粒子および浸潤液体を置くことと、
レーザー機器をオンにし、レーザーを容器に放射し、容器内の粒子と液体の混合物に設定された荷重を加え、異なる荷重状態で記録装置により粒子系の多層のシーケンス画像を取得することと、
異なる荷重状態でのシーケンス画像から異なる荷重状態での三次元粒子系を取得し、再構成された三次元粒子系に対してデジタルボリューム画像相関方法の演算を実行して、粒子系の内部変位、ひずみ、応力などの情報を取得し、粒子系内部の三次元変形分析を実現することと、を含む。
【0018】
上記の分析方法では、各ローディング状態で取得されたシーケンス画像を屈折率マッチングスキャンによって分析し、さまざまな状態での三次元粒子系を取得し、それに対してデジタルボリューム画像相関演算を実行し、ローディングプロセス中の粒子系の変位、応力、およびひずみを取得し、粒子間の接触力の大きさを取得し、ローディング中の粒子系の機械的特性を分析する。
【0019】
上記の三次元粒子材料の内部変形分析方法は、前記レーザー機器をオンにし、レーザーを容器に放射し、記録装置により粒子系の多層のシーケンス画像を取得することは、具体的には以下の内容を含む。
【0020】
容器の長さ方向に沿って、一方の側から他方の側まで、毎回にレーザーを設定された距離ごとに移動し、且つ、記録装置を介して粒子系の多層シーケンス画像を収集し、元の状態での三次元粒子系を取得する:状態1。
【0021】
容器内の粒子と液体の混合物に設定された荷重をかけ、毎回の荷重のかけ中に、一方の側から他方の側まで、毎回にレーザーを容器の長さ方向に沿って設定された距離ごとに移動し、且つ、記録装置を介して粒子系の多層シーケンス画像を収集し、さまざまな荷重状態での三次元粒子系を取得する:状態2、状態3...状態N。
【発明の効果】
【0022】
上記本発明の有益な効果は以下のとおりである。
(1)本発明では、レーザーを照射すると液体が蛍光を発するため、レーザー照射面と粒子表面の交点で光回折が起こり、粒子境界が明確な輪郭を形成し、記録装置により収集され、粒子バルク固体に対してその場でのローディングを行う場合、レーザーシートに平行な画像平面を備えたカメラを使用して粒子系に対して画像取得を行い、粒子シーケンス画像を取得し、計算端末は、画像処理技術を介して三次元粒子系を再構築し、三次元粒子系の分析を容易にすることができる。
(2)本発明は、容器を配置することにより、浸潤液体および粒子を収容するだけでなく、レーザーの透過を実現することもでき、記録装置による画像の取得に影響せず、可動式天板を介して容器内の浸潤液体や粒子に大きさの異なる荷重をかけることができる。
(3)本発明は、線形駆動機構の設置により、容器の長さ方向または幅方向に沿ってレーザーを駆動することができ、これは、実験装置の自動制御に有益である。
(4)本発明は、分析方法を提供し、計算端末を介して三次元粒子系を再構築し、異なる荷重状態の下での三次元粒子系の相関分析を実行して、ローディングプロセス中の粒子系の変位、応力、およびひずみを取得し、粒子間の接触力の大きさを取得し、ローディング中の粒子系の機械的特性を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の一部を形成する添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために使用され、本発明の例示的な実施例およびそれらの説明は、本発明を説明するために使用され、本発明の不適切な制限を構成するものではない。
【0024】
図1】本発明の1つまたは複数の実施形態による三次元粒子材料の内部変形分析実験装置の概略図である。
図2】本発明の1つまたは複数の実施形態による容器の概略図である。
【0025】
図中:各部の位置を示すために、互いの間隔やサイズを誇張しており、概略図は説明のみを目的としている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明はすべて例示的なものであり、本発明のさらなる説明を提供することを意図していることに留意されたい。 特に明記しない限り、本発明で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0027】
本明細書で使用される用語は、具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本発明による例示的な実施形態を限定することを意図するものではないことに留意されたい。本明細書で使用されるように、本発明が他に明確に示さない限り、単数形は複数形を含むことも意図され、さらに、「含み」及び/又は「含む」という用語が本明細書で使用される場合、それは、特徴、ステップ、操作、デバイス、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせの存在を示すことも理解されたい。
【0028】
背景技術に記載されているように、従来技術では、実際の三次元粒子系のマイクロパラメータ分析を実現することが難しいという問題があり、上記の技術的問題を解決するために、本発明は三次元粒子材料の内部変形分析実験装置及び方法を提供する。
【0029】
実施例1
本発明の典型的な実施形態では、図1を参照して、三次元粒子材料の内部変形分析実験装置は、透明な固体であるいくつかの粒子と、粒子の屈折率は浸潤液体の屈折率と同じである浸潤液体と、粒子および浸潤液体を置くために使用される容器と、容器5の外側に設置され、放射するレーザーが浸潤液体を照射すると、浸潤液体が蛍光を発するレーザー機器3と、容器の外側に設置され、粒子シーケンス画像を取得するために使用される記録装置と、記録装置は、取得された粒子シーケンス画像を計算端末に送信し、計算端末は、三次元粒子系を再構築する計算端末と、を含む。
【0030】
容器5には容器壁があり、容器壁内には容器壁に対して上下に移動できる可動式天板が配置されており、可動式天板の配置により、容器壁内に浸潤液体や粒子を入れるのに便利であると同時に、可動式天板を介して、浸潤液体や粒子へ荷重を加えることを容易にする。
【0031】
可動式天板7には、垂直応力と変位の大きさを測定するための変位センサーと力センサー6が装備され、変位センサーと力センサーはそれぞれコントローラーに接続され、コントローラーには、変位センサーと力センサーで検出された値を表示するための表示画面を有する。
【0032】
さらに、可動式天板8は加力機構に接続され、加力機構はコントローラーに接続され、加力機構は、電気シリンダーまたは他の機構などの線形移動ユニットであってもよく、加力機構は、可動式天板に接続され、荷重の加えを実現する。
【0033】
記録装置はCCDカメラ2であり、カメラのレンズには、レーザー機器が放射するレーザーの波長よりも長い波長の光を通過させるフィルターが取り付けられ、CCDカメラの画像平面は、レーザー機器が放射するレーザーと平行である。
【0034】
さらに、レーザー機器は、コントローラーに接続された線形駆動機構に取り付けられ、線形駆動機構は、レーザー機器を一方の側から他方の側に移動させるように駆動し、これは、実験装置の実験に便利である。
【0035】
具体的には、いくつかの例では、線形駆動機構は電気ガイドレール4であり、電気ガイドレール4はレーザーの線形運動を駆動する。
【0036】
コントローラーはPLCコントローラー又は他のタイプのコントローラーであってもよく、コントローラーは、線形駆動機構と加力機構の動作を制御し、センサーの関連データを取得するために使用される。
【0037】
なお、計算端末はコンピュータ1であり、コンピュータ1は、各ローディング状態で得られた粒子シーケンス画像に対して屈折率マッチングスキャン分析を行い、異なる状態での三次元粒子系を得ることができ、且つコンピュータ内部にデジタルボリューム画像相関方法ソフトウェアを設定し、さらに、三次元粒子系に対してデジタルボリューム画像相関演算を行い、粒子系の内部変位、ひずみ、応力などの情報を取得し、粒子系の内部三次元変形分析を実現した。
【0038】
実施例2
実施例1に記載の三次元粒子材料の内部変形分析実験装置を用いた三次元粒子材料の内部変形分析方法である。
(1)設定された粒子を選択した。
屈折率に基づく蛍光スキャンを実現するために、選択した粒子材料と浸潤液体に特殊な特性が必要である。まず、粒子材料は透明で、屈折率は浸潤液体の屈折率と同じである必要があり、混合物の固相と液相の屈折率の差は、±2×10-3未満である必要があり、プレキシガラスを使用してバルク固体粒子を作成および加工すると、バルク粒子の重力は約0.01gになり、ここで、gは重力の加速度である。
いくつかの例では、直径7mm、数が約20~30の透明な固体ボールを選択し、固体ボールはポリメチルメタクリレートで製造される。
(2)適切な浸潤液体を選択した。
浸潤液体は蛍光染料液体であり、その吸収スペクトルのピークは使用するレーザー剤の波長と一致している必要がある。染料の発光スペクトルは分散度よりも狭く、デジタルカメラで使用される感光性要素の吸収スペクトルをカバーする必要があり、いくつかの具体的な例では、屈折率が1.45などの蛍光液体が選択された。
そして液体はポリビニルピロリドン(PVP)の溶液である。
(3)容器に粒子および浸潤液体を置いた。
アクリル酸材料で作られた透明な立方体の容器に粒子と液体を入れ、粒子は溶液に囲まれ、粒子は溶液と同じ屈折率を持ち、液体-粒子-液体界面での光の屈折を減らし、光チャネルを改善した。粒子径は5mm、重力は約0.01g、ここでg=9.81m/sが標準重力加速度である。立方体の容器の可動式天板を介して粒子系に対して圧縮実験を実行することができ、実験中、CCDカメラ2を使用して、粒子シーケンス画像を収集および取得した。
具体的には、本実施例において、容器5は、辺長が25mm×25mm×15mmの透明樹脂ガラス製の直方体であり、ここで容器の天板は上下に移動することができ、天板に変位センサーと力センサーが取り付けられ、垂直応力と変位の大きさを測定するために使用され、天板の移動速度は1mm/sである。
使用したカメラは、解像度1200×1600ピクセルのAVT Basler fm-14電荷結合デバイス(CCD)カメラであり、レーザー機器はすべて直線移動機構に配置され、CCDカメラの画像平面はレーザー機器が発する光と平行になり、CCDカメラには、前記レーザー機器が放射するレーザーの波長よりも長い波長の光を通過させるフィルターが取り付けられ、時々検出される散乱レーザーによる干渉を防ぐ。
(4)実験を実行した:CCDカメラを使用して、粒子系の多層のシーケンス画像を取得し、この状態での粒子系の全体的な状態を記録するために使用され、粒子を浸潤液体に浸潤すると、カメラは黒い粒子を1つずつ見ることができるが、レーザー機器をオンにすると、レーザーを照射すると浸潤液体が蛍光を発し、粒子自体は黒く見え、液体は明るい色に光を透過し、レーザー照射面と粒子表面の交差点で光の回折が発生し、粒子の境界は明確な輪郭を形成し、レーザーを動かし、同時に画像平面がレーザーシートに平行な高解像度CCDカメラを使用して粒子系をでボリュームスキャンし、シーケンス画像を取得し、実験プロトコルに従って粒子に各荷重を加えた後、数秒間一時停止する必要がある。
(4-1)実験の前に、まず実験システムを調整し、レーザーをオンにして、カメラの位置を調整する必要がある。
(4-2)レーザー機器をオンにし、レーザー機器が粒子系の最左端にあることを確認し、CCDカメラは、この位置での断層画像1_0.bmpをキャプチャし、保存した。
(4-3)指定されたステップに従ってレーザー機器を0.5mm右に移動すると、CCDカメラが断層画像1_1.bmpを再度収集し、保存した。
(4-4)レーザー機器を順番に0.5mm右に移動すると、CCDが粒子を収集してシーケンス断層画像を取得し、1_2.bmp、1_3.bmp、…として保存し、粒子系全体の左から右への断層スキャンが完了するまで、この荷重状態下での粒子系の左から右へのシーケンス断層画像が保存され、このシーケンススキャンには数分かかる。
(4-5)可動式天板を介して準静的荷重を加え、ローディングした天板を1mm下に移動し、最初の休止を数秒間維持してシステムをリラックスさせ、この荷重の下でシーケンス画像の取得を開始し、上記のステップ(4-2)~(4-4)を繰り返し、粒子系全体のスキャンが完了するまで、画像を順番に2_0.bmp、2_1.bmp、2_2.bmp、2_3.bmp、...として保存した。
(4-6)ローディングが完了するまで、ステップ(4~5)を繰り返した。
(5)三次元粒子系を再構築することにより、粒子系内部の三次元変形分析を実現した。
断層スキャン画像の各セットに対して屈折率マッチングスキャンを実行して分析し、さまざまな状態の三次元粒子系を取得し、三次元粒子系に対してデジタルボリューム画像相関演算を行い、粒子系の内部変位、ひずみ、応力などの情報を取得し、粒子系の内部三次元変形分析を実現し、粒子系のマイクロパラメータの時空間進化の法則の分析を実現した。
(5-1)元の状態で取得されたシーケンス画像:1_0.bmp、1_1.bmp、1_2.bmp、...の場合、屈折率マッチングスキャンを使用して分析し、元の状態での三次元粒子系を取得した:状態1。
(5-2)異なる荷重状態で得られたシーケンス画像に対して、順番に屈折率マッチングスキャンによって分析し、さまざまな荷重状態での三次元粒子系を取得した:状態2、状態3...状態N。
(5-3)得られた荷重状態での三次元粒子系:状態1、状態2、状態3 ...状態Nに対してデジタルボリューム画像相関分析を実行し、粒子系のさまざまな状態での変位、ひずみ、応力等の情報が得られ、バルク固体材料の内部三次元変形の分析を実現した。
【0039】
上記の説明は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を限定することを意図するものではない。当業者にとって、本発明は、様々な修正および変更を有することができる。本発明の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等の交換、改善などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0040】
1 コンピュータ
2 CCDカメラ
3 レーザー機器
4 電気ガイドレール
5 容器
6 力センサー
7 可動式天板

図1
図2
【国際調査報告】