(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】熱線風速計空気流測定、吸煙検出、および周囲温度追跡
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20230315BHJP
【FI】
A24F40/57
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022544422
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2021051521
(87)【国際公開番号】W WO2021148648
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】バシュ テリー
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー ナイル
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ エリック
(72)【発明者】
【氏名】キーン ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】ラウ レイモンド ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ニューカム ライアン
(72)【発明者】
【氏名】パロット アダム
(72)【発明者】
【氏名】サンダー ランガラジ エス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD23
(57)【要約】
ニコチンeベイピング装置(500)の熱線風速計(HWA)(2220A)の制御方法は、第一のPIDコントローラによって、HWA(2220A)の加熱素子の温度および温度設定点に基づいて、ニコチンeベイピング装置(500)によってHWA(2220A)に印加される電力のレベルを制御することと、ニコチンeベイピング装置(500)に対して吸煙が現在発生しているかどうかを示す吸煙検出信号を生成することと、吸煙検出信号が、ニコチンeベイピング装置(500)に対して吸煙が現在発生していないことを示す間に、第二のPIDコントローラによって、HWA(2220A)の周囲温度の変化を検出し、第二のPIDコントローラによって、検出されたHWA(2220A)の周囲温度の変化に応答して温度設定点が変化するように、温度設定点を制御することとを含む。
【選択図】
図27
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチンeベイピング装置の熱線風速計(HWA)の制御方法であって、前記方法が、
第一のPIDコントローラによって、前記HWAの加熱素子の温度および温度設定点に基づいて、前記ニコチンeベイピング装置によって前記HWAに印加される電力のレベルを制御することと、
前記ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生しているかどうかを示す吸煙検出信号を生成することと、
前記吸煙検出信号が、前記ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していないことを示す間に、
第二のPIDコントローラによって、前記HWAの周囲温度の変化を検出し、
前記第二のPIDコントローラによって、前記HWAの前記周囲温度の前記検出された変化に応答して前記温度設定点が変化するように、前記温度設定点を制御することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ニコチンeベイピング装置によって前記HWAに印加される前記電力のレベルを制御することが、
前記第一のPIDコントローラによって、駆動信号設定値を生成することであって、
前記ニコチンeベイピング装置によって前記HWAに印加される前記電力のレベルが、前記駆動信号設定値に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記吸煙検出信号が、前記ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していることを示す間に、前記駆動信号設定値に基づいて、前記HWAの周りを流れる空気の流量を判定することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記吸煙検出信号の前記発生が、
前記駆動信号設定値の勾配を判定することと、
判定された前記駆動信号設定値の前記勾配に基づいて、前記吸煙検出信号を発生することと、を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記駆動信号設定値に基づいてパルス幅変調(PWM)駆動信号を発生することと、
前記PWM駆動信号を前記HWAに印加することによって前記電力を前記HWAに印加することと、をさらに含む、請求項2、3、または4に記載の方法。
【請求項6】
前記PWM駆動信号の前記発生が、前記PWMの負荷サイクルが前記駆動信号設定値に基づいて制御されるように、前記PWM駆動信号を発生することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記駆動信号設定値の前記生成が、
前記第一のPIDコントローラによって、前記HWAの加熱素子の前記温度と前記温度設定点との間の差に基づいて、前記駆動信号設定値を生成すること、を含む、請求項2~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記HWAの前記周囲温度の前記変化の前記検出が、
前記第二のPIDコントローラによって、前記駆動信号設定値と駆動信号設定値設定点との間の差に基づいて、前記HWAの前記周囲温度の変化を検出すること、を含む、請求項2~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記温度設定点の前記制御が、
前記第二のPIDコントローラによって、前記HWAの前記周囲温度の上昇を検出するのに応答して、前記温度設定点を増大させることと、
前記第二のPIDコントローラによって、前記HWAの前記周囲温度の低下を検出するのに応答して、前記温度設定点を減少させることと、を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ニコチンプレベイパー製剤を貯蔵するためのニコチンプレベイパー製剤貯蔵部分と、
前記ニコチンプレベイパー製剤を加熱することによってニコチンベイパーを発生するように構成された、ヒーターと、
熱線風速計(HWA)と、
前記HWAの加熱素子の温度および温度設定点に基づいて、前記ニコチンeベイピング装置によって前記HWAに印加される電力のレベルを制御するように構成された、第一のPIDコントローラと、
前記ニコチンeベイピング装置に対して、吸煙が現在発生しているかどうかを示す吸煙検出信号を生成するように構成された、吸煙検出信号発生器と、
前記吸煙検出信号が、前記ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していないことを示す間に、
第二のPIDコントローラが、前記HWAの周囲温度の変化を検出し、
前記第二のPIDコントローラが、検出された前記HWAの前記周囲温度の前記変化に応答して前記温度設定値が変化するように、前記温度設定点を制御するように構成された、第二のPIDコントローラと、を備える、ニコチンeベイピング装置。
【請求項11】
前記第一のPIDコントローラが、駆動信号設定値を生成することによって、前記ニコチンeベイピング装置によって前記HWAに印加される前記電力のレベルを制御するように構成され、前記ニコチンeベイピング装置によって前記HWAに印加される前記電力のレベルが、前記駆動信号設定値に基づいている、請求項10に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項12】
前記第二のPIDコントローラが、前記駆動信号設定値に基づいて、前記HWAの周りを流れる空気の流量を判定するようにさらに構成され、前記吸煙検出信号が、前記ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していることを示す、請求項11に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項13】
前記吸煙検出信号発生器が、
前記駆動信号設定値の勾配を判定し、
判定された前記駆動信号設定値の前記勾配に基づいて、前記吸煙検出信号を発生するように構成されている、請求項11または12に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項14】
前記駆動信号設定値に基づいてパルス幅変調(PWM)駆動信号を発生し、
前記PWM駆動信号を前記HWAに印加することによって前記電力を前記HWAに印加するように構成されている、駆動信号発生器をさらに備える、請求項11、12または13に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項15】
前記駆動信号発生器が、前記駆動信号設定値に基づいて、前記PWM駆動信号の負荷サイクルを制御するように構成されている、請求項14に記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項16】
前記第一のPIDコントローラが、前記HWAの加熱素子の前記温度と前記温度設定点との間の差に基づいて、前記駆動信号設定値を生成するように構成されている、請求項11~15のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項17】
前記第二のPIDコントローラが、前記駆動信号設定値と駆動信号設定値設定点との間の差に基づいて、前記HWAの前記周囲温度の前記変化を検出するように構成されている、請求項11~16のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【請求項18】
前記第二のPIDコントローラが、
前記HWAの前記周囲温度の上昇を検出するのに応答して、前記温度設定点を増大させることと、
前記HWAの前記周囲温度の低下を検出するのに応答して、前記温度設定点を減少させることと、によって、前記温度設定点を制御するように構成されている、請求項10~17のいずれかに記載のニコチンeベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチンプレベイパー製剤を含む自給式物品を含む、ニコチン電子ベイパー装置に関する。
【発明の概要】
【0002】
ニコチン電子ベイピング装置は、ニコチンプレベイパー製剤材料をニコチンベイパーへと気化するために使用される。これらのニコチン電子ベイピング装置は、ニコチンeベイピング装置と呼ばれる場合がある。ニコチンeベイピング装置は、ニコチンプレベイパー製剤材料を気化させてニコチンベイパーを生成するヒーターを含む。ニコチンeベイピング装置は、電源と、カートリッジまたはヒーターを含むeベイピングタンクと、加えてニコチンプレベイパー製剤材料を保持する能力を有する貯蔵部とを含むいくつかのeベイピング要素を含み得る。
【0003】
少なくとも一部の例示的な実施形態によると、ニコチンeベイピング装置の熱線風速計(HWA)の制御方法は、第一のPIDコントローラによって、HWAの加熱素子の温度および温度設定点に基づいて、ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルを制御することと、ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生しているかどうかを示す吸煙検出信号を生成することと、吸煙検出信号が、ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していないことを示す間に、第二のPIDコントローラによって、HWAの周囲温度の変化を検出し、第二のPIDコントローラによって、検出されたHWAの周囲温度の変化に応答して温度設定点が変化するように、温度設定点を制御することとを含む。
【0004】
ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルの制御は、第一のPIDコントローラによって、駆動信号設定値を生成することを含んでもよく、ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルは、駆動信号設定値に基づいている。
【0005】
方法はさらに、吸煙検出信号が、ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していることを示す間に、駆動信号設定値に基づいて、HWAの周りを流れる空気の流量を判定することを含み得る。
【0006】
吸煙検出信号の発生は、駆動信号設定値の勾配を判定することと、判定された駆動信号設定値の勾配に基づいて、吸煙検出信号を発生することとを含み得る。
【0007】
方法はさらに、駆動信号設定値に基づいて、パルス幅変調(PWM)駆動信号を発生することと、PWM駆動信号をHWAに印加することによって、電力をHWAに印加することとを含み得る。
【0008】
PWM駆動信号の発生は、PWMの負荷サイクルが駆動信号設定値に基づいて制御されるように、PWM駆動信号を発生することを含み得る。
【0009】
駆動信号設定値の生成は、第一のPIDコントローラによって、HWAの加熱素子の温度と温度設定点との間の差に基づいて、駆動信号設定値を生成することを含み得る。
【0010】
HWAの周囲温度の変化を検出することは、第二のPIDコントローラによって、駆動信号設定値と駆動信号設定値設定点との間の差に基づいて、HWAの周囲温度の変化を検出することを含み得る。
【0011】
HWAの周囲温度の変化を検出することは、第二のPIDコントローラによって、駆動信号設定値と駆動信号設定値設定点との間の差に基づいて、HWAの周囲温度の変化を検出することを含み得る。
【0012】
温度設定点を制御することは、第二のPIDコントローラによって、HWAの周囲温度の上昇を検出するのに応答して、温度設定点を増大させることと、第二のPIDコントローラによって、HWAの周囲温度の低下を検出するのに応答して、温度設定点を減少させることとを含み得る。
【0013】
少なくとも一部の例示的な実施形態によると、ニコチンeベイピング装置は、ニコチンプレベイパー製剤を貯蔵するためのニコチンプレベイパー製剤貯蔵部分と、ニコチンプレベイパー製剤を加熱することによってニコチンベイパーを発生するように構成された、ヒーターと、熱線風速計(HWA)と、HWAの加熱素子の温度および温度設定点に基づいて、ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルを制御するように構成された第一のPIDコントローラと、ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生しているどうかを示す吸煙検出信号を生成するように構成された、吸煙検出信号発生器と、吸煙検出信号が、eベイピング装置に対して吸煙が現在発生していないことを示す間に、HWAの周囲温度の変化を検出し、検出されたHWAの周囲温度の変化に応答して温度設定点が変化するように、温度設定点を制御するように構成された、第二のPIDコントローラとを含む。
【0014】
第一のPIDコントローラは、駆動信号設定値を発生することによって、ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルを制御するように構成されてもよく、ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルは、駆動信号設定値に基づいている。
【0015】
第二のPIDコントローラはさらに、吸煙検出信号が、ニコチンeベイピング装置に対して吸煙が現在発生していることを示す間に、駆動信号設定値に基づいて、HWAの周りを流れる空気の流量を判定するように構成されてもよい。
【0016】
吸煙検出信号発生器は、駆動信号設定値の勾配を判定し、判定された駆動信号設定値の勾配に基づいて、吸煙検出信号を発生するように構成されている。
【0017】
ニコチンeベイピング装置はさらに、駆動信号設定値に基づいて、パルス幅変調(PWM)駆動信号を発生し、PWM駆動信号をHWAに印加することによって、電力をHWAに印加するように構成された駆動信号発生器を含んでもよい。
【0018】
駆動信号発生器は、駆動信号設定値に基づいて、PWM駆動信号の負荷サイクルを制御するように構成されてもよい。
【0019】
第一のPIDコントローラは、HWAの加熱素子の温度と温度設定点との間の差に基づいて、駆動信号設定値を生成するように構成されてもよい。
【0020】
第二のPIDコントローラは、駆動信号設定値と駆動信号設定値設定点との間の差に基づいて、HWAの周囲温度の変化を検出するように構成されてもよい。
【0021】
第二のPIDコントローラは、駆動信号設定値と駆動信号設定値設定点との間の差に基づいて、HWAの周囲温度の変化を検出するように構成されてもよい。
【0022】
第二のPIDコントローラは、HWAの周囲温度の上昇を検出するのに応答して、温度設定点を増大させること、およびHWAの周囲温度の低下を検出するのに応答して、温度設定点を減少させることによって、温度設定点を制御するように構成されてもよい。
【0023】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
【
図2】
図2は、
図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
【
図3】
図3は、
図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
【
図4】
図4は、
図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
【
図5】
図5は、
図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
【
図6】
図6は、
図1のニコチンeベイピング装置の斜視図である。
【
図8】
図8は、
図6のニコチンeベイピング装置の断面図である。
【
図9】
図9は、
図6のニコチンeベイピング装置の装置本体の斜視図である。
【
図13】
図13は、
図6のニコチンeベイピング装置のポッドアセンブリの斜視図である。
【
図18】
図18は、芯およびヒーターを含まない、
図17のコネクタモジュールの斜視図である。
【
図21A】
図21Aは、例示的な実施形態による装置本体の装置システム図を例示する。
【
図21B】
図21Bは、例示的な実施形態によるマイクロプロセッサの実施例を例示する。
【
図22A】
図22Aは、例示的な実施形態によるポッドアセンブリのポッドシステム図を例示する。
【
図22B】
図22Bは、例示的な実施形態による、暗号化コプロセッサを省略した
図22Aのポッドシステムの実施例を例示する。
【
図23】
図23は、例示的な実施形態による、装置システムに接続されたポッドシステムを例示する。
【
図24A】
図24Aは、例示的な実施形態による、
図22Aのポッドシステムの熱線風速計(HWA)に含まれる加熱素子の例示的な実装を例示する。
【
図24B】
図24Bは、例示的な実施形態による、
図22Aのポッドシステムの熱線風速計(HWA)に含まれる加熱素子の例示的な実装を例示する。
【
図24C】
図24Cは、例示的な実施形態による、
図22Aのポッドシステムの熱線風速計(HWA)に含まれる加熱素子の例示的な実装を例示する。
【
図24D】
図24Dは、例示的な実施形態による、
図22Aのポッドシステムの熱線風速計(HWA)に含まれる加熱素子の例示的な実装を例示する。
【
図26】
図26は、例示的な実施形態による外部PID制御ループの図である。
【
図27】
図27は、例示的な実施形態によるHWAの動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接的に接続されてもよく、それに直接的に連結されてもよく、またはそれを直接的に覆ってもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0026】
第一の、第二の、第三のなどという用語は、さまざまな要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されないことを理解するべきである。これらの用語は、一つの要素、要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で説明される第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0027】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に描写されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。したがって、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0028】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の限定を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0029】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば、製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば、製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。図に図示された領域は事実上、概略的なものであり、それらの形状は装置の領域の実際の形状を図示することを意図せず、例示的な実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0030】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0031】
本明細書で使用される「ニコチンeベイピング装置」は、ニコチンeベイパー装置、ニコチンeベイパー装置、およびニコチンeベイピング装置のいずれかの用語を使用して随時参照され、かつこれらと同義であると見なされる場合があり得る。
【0032】
図1は、例示的な実施形態に係るニコチンeベイピング装置の正面図である。
図2は、
図1のニコチンeベイピング装置の側面図である。
図3は、
図1のニコチンeベイピング装置の背面図である。
図1~3を参照すると、ニコチンeベイピング装置500は、ポッドアセンブリ300を受容するように構成された装置本体100を含む。ポッドアセンブリ300は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたモジュール式の物品である。「ニコチンプレベイパー製剤」は、ニコチンベイパーへと変形され得る材料または材料の組み合わせである。例えば、ニコチンプレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然風味または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。ベイピング中、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。本明細書で言及するように、「ベイパー」は、本明細書で開示した例示的な実施形態のいずれかによる任意のニコチンeベイピング装置から発生または出力される任意の物質である。
【0033】
装置本体100は、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108を含む。前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する機械的構成要素、電子構成要素、および回路を封入する装置ハウジングを形成する。例えば、装置本体100の装置ハウジングは、ポッドアセンブリ300に電流を供給することを含み得る、ニコチンeベイピング装置500に給電するように構成された電源を封入してもよい。さらに、組み立てられた時、前部カバー104、フレーム106、および後部カバー108は、装置本体100の可視部分の大部分を構成し得る。
【0034】
前部カバー104(例えば、第一のカバー)は、ベゼル構造112を収容するように構成された一次開口部を画定する。ベゼル構造112は、ポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通穴150を画定する。貫通穴150は、例えば、
図9に関連してより詳細に本明細書で説明される。
【0035】
前部カバー104はまた、光ガイド配設を収容するように構成された二次開口部を画定する。二次開口部は、スロット(例えば、セグメント化されたスロット)に類似してもよいが、光ガイド配設の形状に応じて他の形状も可能である。例示的な実施形態では、光ガイド配設は、光ガイドレンズ116を含む。さらに、前部カバー104は、第一のボタン118および第二のボタン120を収容するように構成された三次開口部および四次開口部を画定する。三次開口部および四次開口部の各々は、丸みのある四角形に類似してもよいが、ボタンの形状に応じて他の形状も可能である。第一のボタンハウジング122は、第一のボタンレンズ124を露出するように構成され、第二のボタンハウジング123は、第二のボタンレンズ126を露出するように構成されている。
【0036】
ニコチンeベイピング装置500の動作は、第一のボタン118および第二のボタン120によって制御されてもよい。例えば、第一のボタン118は、電力ボタンであってもよく、第二のボタン120は、強度ボタンであってもよい。二つのボタンは、光ガイド配設に関連して図面に示されるが、当然のことながら、利用可能な特徴および所望のユーザーインターフェースに応じて、より多くの(またはより少ない)ボタンが提供される場合がある。
【0037】
フレーム106(例えば、ベースフレーム)は、装置本体100(およびニコチンeベイピング装置500全体)の中央支持構造である。フレーム106は、シャーシと呼ばれ得る。フレーム106は、近位端、遠位端、および近位端と遠位端との間の一対の側面セクションを含む。近位端および遠位端は、下流端および上流端ともそれぞれ呼ばれ得る。本明細書で使用される「近位」(および、逆に「遠位」)とは、ベイピング中の成人eベイピング装置使用者に対するものであり、「下流」(および、逆に「上流」)という用語は、ニコチンベイパーの流れに対するものである。架橋セクションが、さらなる強度および安定性のために、側面セクションの対向する内表面の間(例えば、フレーム106の長さに沿ってほぼ中間)に提供されてもよい。フレーム106は、モノリシックな構造となるように一体的に形成されてもよい。
【0038】
構造の材料に関して、フレーム106は、合金またはプラスチックで形成され得る。合金(例えば、ダイキャストグレード、マシナブルグレード)は、アルミニウム(Al)合金または亜鉛(Zn)合金であってもよい。プラスチックは、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはそれらの組み合わせ(PC/ABS)であってもよい。例えば、ポリカーボネートは、LUPOY SC1004Aであってもよい。さらに、フレーム106は、機能的および審美的な理由(例えば、高級な外観を提供するために)のうちの少なくとも一つから、表面仕上げが提供されてもよい。例示的な実施形態では、フレーム106(例えば、アルミニウム合金で形成される場合)は陽極酸化されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、亜鉛合金で形成される場合)は、硬質エナメルで被覆されてもよく、または塗装されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、ポリカーボネートで形成される場合)は金属化されてもよい。さらに別の実施形態では、フレーム106(例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレンで形成される場合)は、電気メッキされてもよい。当然のことながら、フレーム106に関する構造の材料は、前部カバー104、後部カバー108、およびニコチンeベイピング装置500のその他の適切な部品のうちの少なくとも一つにも当てはまり得る。
【0039】
後部カバー108(例えば、第二のカバー)もまた、ベゼル構造112を収容するように構成された開口部を画定する。前部カバー104および後部カバー108は、スナップ嵌め配設を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。
【0040】
装置本体100はまた、マウスピース102も含む。マウスピース102は、フレーム106の近位端に固定され得る。
【0041】
図4は、
図1のニコチンeベイピング装置の近位端図である。
図4を参照すると、マウスピース102の出口面は、複数のベイパー出口を画定する。非限定的な実施形態では、マウスピース102の出口面は楕円形状であってもよい。
【0042】
図5は、
図1のニコチンeベイピング装置の遠位端図である。
図5を参照すると、ニコチンeベイピング装置500の遠位端は、ポート110を含む。ポート110は、ニコチンeベイピング装置500内の内部電源を充電するように、外部電源から電流を受容する(例えば、USBケーブルを介して)ように構成されている。さらに、ポート110はまた、別のニコチンeベイピング装置または他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)との間でデータを送信およびデータを受信する(例えば、USケーブルを介して)ように構成されてもよい。さらに、ニコチンeベイピング装置500は、その電子装置上にインストールされるアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介した、電話などの別の電子装置との無線通信のために構成されてもよい。こうした例では、成人eベイピング装置使用者は、アプリを通して、ニコチンeベイピング装置500を制御するか、または別の方法でこれとインターフェースし得る(例えば、ニコチンeベイピング装置500の位置を特定する、使用情報をチェックする、動作パラメータを変更する)。
【0043】
図6は、
図1のニコチンeベイピング装置の斜視図である。
図7は、
図6のポッド入口の拡大図である。
図6~7を参照すると、および上で簡潔に言及されるように、ニコチンeベイピング装置500は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたポッドアセンブリ300を含む。ポッドアセンブリ300は、上流端(光ガイド配設に面する)および下流端(マウスピース102に面する)を有する。非限定的な実施形態では、上流端は、ポッドアセンブリ300の下流端に対向する面である。ポッドアセンブリ300の上流端は、ポッド入口322を画定する。装置本体100は、ポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通穴(例えば、
図9の貫通穴150)を画定する。例示的な実施形態では、装置本体100のベゼル構造112は、貫通穴を画定し、上流へりを含む。特に
図7で示されるように、ベゼル構造112の上流へりは、ポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴内に置かれた時にポッド入口322を露出するように、角度付けられている(例えば、内向きに沈下している)。
【0044】
例えば、(ポッドアセンブリ300の前面と相対的に同一平面上にあり、したがってポッド入口322を覆すように)前部カバー104の輪郭に従うのではなく、ベゼル構造112の上流へりは、周囲空気をポッド入口322の中に方向付けるように構成されたスクープの形態である。この角度付き/スクープ構成は、ニコチンeベイピング装置500の空気吸込み口(例えば、ポッド入口322)の閉塞を低減または防止するのに役立ち得る。スクープの奥行きは、ポッドアセンブリ300の上流端面の半分未満(例えば、四分の一未満)が露出するようなものであってもよい。さらに、非限定的な実施形態では、ポッド入口322はスロットの形態である。さらに、装置本体100が第一の方向に延びるものと見なされる場合、スロットは、第一の方向に対して横断方向である、第二の方向に延びるものと見なされ得る。
【0045】
図8は、
図6のニコチンeベイピング装置の断面図である。
図8では、断面は、ニコチンeベイピング装置500の長軸方向軸に沿って切り取られている。示されるように、装置本体100およびポッドアセンブリ300は、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連する機械的構成要素、電子構成要素、および回路を含み、これらは本明細書でより詳細に説明され、および参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ポッドアセンブリ300は、作動すると内部に封止された貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された機械的構成要素を含み得る。ポッドアセンブリ300はまた、装置本体100と係合して、ポッドアセンブリ300の挿入および着座を容易にするように構成された機械的態様を有してもよい。
【0046】
さらに、ポッドアセンブリ300は、装置本体100に、装置本体100から、または装置本体との間で情報を保存、受信、または送信するように構成された電子構成要素および回路のうちの少なくとも一つを含む、「スマートポッド」であってもよい。こうした情報は、装置本体100で使用するためのポッドアセンブリ300を認証するために使用され得る(例えば、未承認/偽造のポッドアセンブリの使用を防止するために)。さらに、情報は、ポッドアセンブリ300のタイプを識別するために使用されてもよく、次いで、識別されたタイプに基づいてベイピングプロファイルと相関付けられる。ベイピングプロファイルは、ニコチンプレベイパー製剤の加熱のための一般的なパラメータを定めるように設計されてもよく、また、ベイピング前、ベイピング中、またはベイピング前およびベイピング中に、成人eベイピング装置使用者による調整、精製、またはその他の調整に供されてもよい。
【0047】
ポッドアセンブリ300はまた、ニコチンeベイピング装置500の動作に関連し得る他の情報を装置本体100と通信してもよい。関連情報の例には、ポッドアセンブリ300内のニコチンプレベイパー製剤のレベル、およびポッドアセンブリ300が装置本体100の中に挿入されて起動されてから経過した時間の長さのうちの少なくとも一つが含まれ得る。
【0048】
装置本体100は、ポッドアセンブリ300の係合、保持、および起動のうちの少なくとも一つを行うように構成された機械的構成要素(例えば、相補的構造)を含み得る。さらに、装置本体100は、電流を受容して内部電源(例えば、電池)を充電するように構成された電子構成要素および回路のうちの少なくとも一つを含んでもよく、これは次いで、ベイピング中にポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成されている。さらに、装置本体100は、ポッドアセンブリ300、異なるニコチンeベイピング装置、その他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)、および成人eベイピング装置使用者のうちの少なくとも一つと通信するように構成された電子構成要素および回路のうちの少なくとも一つを含み得る。
【0049】
図9は、
図6のニコチンeベイピング装置の装置本体の斜視図である。
図9を参照すると、装置本体100のベゼル構造112は、貫通穴150を画定する。貫通穴150は、ポッドアセンブリ300を受容するように構成されている。ポッドアセンブリ300の貫通穴150内への挿入および着座を容易にするために、ベゼル構造112の上流へりは、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを含む。
【0050】
ベゼル構造112の下流側壁は、第一の下流開口部、第二の下流開口部、および第三の下流開口部を画定し得る。第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bを含む保持構造は、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bが、ベゼル構造112の第一の下流開口部および第二の下流開口部のそれぞれを通って、貫通穴150の中に突出するように、ベゼル構造112と係合している。
【0051】
図10は、
図9の装置本体の正面図である。
図10を参照すると、装置本体100は、貫通穴150の上流側に配置された装置電気コネクタ132を含む。装置本体100の装置電気コネクタ132は、貫通穴150内に置かれたポッドアセンブリ300と電気的に係合するように構成されている。結果として、ベイピング中、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100からポッドアセンブリ300に電力を供給することができる。さらに、データを、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100とポッドアセンブリ300との間で送信および受信することができる。
【0052】
図11は、
図10の貫通穴の拡大斜視図である。
図11を参照すると、第一の上流突出部128a、第二の上流突出部128b、第一の下流突出部130a、第二の下流突出部130b、およびマウスピース102の遠位端は、貫通穴150の中に突出する。例示的な実施形態では、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bは、固定構造(例えば、固定ピボット)であり、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、牽引可能な構造(例えば、後退可能部材)である。例えば、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、デフォルトで伸長状態になるように構成(例えば、ばね装填)されてもよく、また、ポッドアセンブリ300の挿入を促進するために、一時的に後退状態となる(そして可逆的に、伸長状態へと戻る)ように構成されてもよい。
【0053】
図12は、
図10の装置電気接点の拡大斜視図である。装置本体100の装置電気接点は、ポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に置かれた時に、ポッドアセンブリ300のポッド電気接点と係合するように構成されている。
図12を参照すると、装置本体100の装置電気接点は、装置電気コネクタ132を含む。装置電気コネクタ132は、電力接点およびデータ接点を含む。装置電気コネクタ132の電力接点は、装置本体100からポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成されている。図示したように、装置電気コネクタ132の電力接点は、第一の電力接点対および第二の電力接点対(後部カバー108よりも前部カバー104に近いように位置付けられた)を含む。第一の電力接点対(例えば、第一の上流突出部128aに隣接する対)は、第二の電力接点対とは別個の単一の一体型の構造であってもよく、組み立てられた時に貫通穴150の中に延びる二つの突出部を含む。同様に、第二の電力接点対(例えば、第二の上流突出部128bに隣接する対)は、第一の電力接点対とは別個の単一の一体型の構造であってもよく、組み立てられた時に貫通穴150の中に延びる二つの突出部を含む。装置電気コネクタ132の第一の電力接点対および第二の電力接点対は、デフォルトとして貫通穴150の中に伸長するように、そして、付勢に克服する力に供された時には貫通穴150から(例えば、独立して)後退するように、牽引可能に取り付けられ、付勢されてもよい。
【0054】
図13は、
図6のニコチンeベイピング装置のポッドアセンブリの斜視図である。
図14は、
図13のポッドアセンブリの別の斜視図である。
【0055】
図13は、
図6のニコチンeベイピング装置のポッドアセンブリの斜視図である。
図14は、
図13のポッドアセンブリの別の斜視図である。
図13および14を参照すると、ニコチンeベイピング装置500のためのポッドアセンブリ300は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたポッド本体を含む。したがって、ポッドアセンブリ300は、ニコチンeベイピング装置500のニコチンプレベイパー製剤貯蔵部分の一例である。ポッド本体は、上流端および下流端を有する。ポッド本体の上流端は、ポッド入口322を画定する。ポッド本体の下流端は、上流端でポッド入口322と流体連通するポッド出口304を画定する。ベイピング中、空気はポッド入口322を介してポッドアセンブリ300に入り、ベイパーはポッド出口304を介してポッドアセンブリ300から出る。ポッド入口322は、スロットの形態であるとして図面に示されている。しかし、当然のことながら、例示的な実施形態はこれに限定されず、他の形態も可能である。
【0056】
ポッドアセンブリ300は、ポッド本体内に配置され、上流端の開口部によって露出されるコネクタモジュール320(例えば、
図16)を含む。コネクタモジュール320の外面は、少なくとも一つの電気接点を含む。少なくとも一つの電気接点は、複数の電力接点を含み得る。例えば、複数の電力接点は、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bを含み得る。ポッドアセンブリ300の第一の電力接点324aは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第一の電力接点(例えば、
図12の第一の上流突出部128aに隣接する電力接点)と電気的に接続するように構成されている。同様に、ポッドアセンブリ300の第二の電力接点324bは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第二の電力接点(例えば、
図12の第二の上流突出部128bに隣接する電力接点)と電気的に接続するように構成されている。さらに、ポッドアセンブリ300の少なくとも一つの電気接点は、複数のデータ接点326を含む。ポッドアセンブリ300の複数のデータ接点326は、装置電気コネクタ132のデータ接点(例えば、
図12の5列の突出部)と電気的に接続するように構成されている。ポッドアセンブリ300に関連して、二つの電力接点および五つのデータ接点が示されているが、当然のことながら、装置本体100の設計に応じて、他の変形も可能である。
【0057】
例示的な実施形態では、ポッドアセンブリ300は、前面、前面の反対側の後面、前面と後面との間の第一の側面、第一の側面と反対側の第二の側面、上流端面、および上流端面の反対側の下流端面を含む。側面および端面の隅角(例えば、第一の側面および上流端面の隅角、上流端面および第二の側面の隅角、第二の側面および下流端面の隅角、下流端面および第一の側面の隅角)は、丸みがあってもよい。しかしながら、一部の例では、隅角は角度を有してもよい。さらに、前面の周辺縁は、レッジの形態であってもよい。コネクタモジュール320の外面(ポッド本体によって露出されている)は、ポッドアセンブリ300の上流端面の一部であると見なされ得る。ポッドアセンブリ300の前面は、後面よりも広くかつ長くてもよい。こうした例では、第一の側面および第二の側面は、互いに向かって内向きに角度付けられてもよい。上流端面および下流端面もまた、互いに向かって内向きに角度付けられてもよい。角度付けられた面のため、ポッドアセンブリ300の挿入は、一方向性(例えば、装置本体100の前側(前部カバー104に関連付けられた側面)から)となる。結果として、ポッドアセンブリ300が装置本体100の中に不適切に挿入される可能性を低減または防止することができる。
【0058】
図示するように、ポッドアセンブリ300のポッド本体は、第一のハウジングセクション302および第二のハウジングセクション308を含む。第一のハウジングセクション302は、ポッド出口304を画定する下流端を有する。ポッド出口304のへりは、随意にくぼんだ、または陥没した領域であってもよい。こうした例では、この領域は、コーブに類似してもよく、ポッドアセンブリ300の後面に隣接したへりの側面は開放していてもよく、前面に隣接したへりの側面は、第一のハウジングセクション302の下流端の隆起部分によって囲まれてもよい。隆起部分は、マウスピース102の遠位端のストッパーとして機能し得る。結果として、ポッド出口304のこの構成は、へりの開放された側面およびその後続の、第一のハウジングセクション302の下流端の隆起部分に対する着座を介して、マウスピース102の遠位端を受容してこれと整列させること(例えば、
図11)を促進し得る。非限定的な実施形態では、マウスピース102の遠位端はまた、ポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に挿入された時に、ポッド出口304の周りにシールを生成するのに役立つ弾性材料を含んでもよい(またはそれで形成されてもよい)。
【0059】
第一のハウジングセクション302の下流端は、少なくとも一つの下流陥凹部を追加的に画定する。例示的な実施形態では、少なくとも一つの下流陥凹部は、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの形態である。ポッド出口304は、第一の下流陥凹部306aと第二の下流陥凹部306bとの間にあってもよい。第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bとそれぞれ係合するように構成されている。
図11に示すように、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは、貫通穴150の下流側壁の隣接する隅角に配置されてもよい。第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bは、各々V字形状のノッチの形態であってもよい。こうした例では、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bの各々は、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの対応するV字形状のノッチと係合するように構成されたくさび形状の構造の形態であってもよい。第一の下流陥凹部306aは、下流端面および第一の側面の隅角に当接してもよく、第二の下流陥凹部306bは、下流端面および第二の側面の隅角に当接してもよい。結果として、第一の側面および第二の側面にそれぞれ隣接する第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの縁は、開放していてもよい。こうした例では、
図14に示すように、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの各々は、三面陥凹部であってもよい。
【0060】
第二のハウジングセクション308は、ポッドアセンブリ300内のコネクタモジュール320(
図15~16)を露出させるように構成された複数の開口部(例えば、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、データ接点開口部327)を(ポッド入口322に加えて)さらに画定する上流端を有する。第二のハウジングセクション308の上流端はまた、少なくとも一つの上流陥凹部を画定する。例示的な実施形態では、少なくとも一つの上流陥凹部は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの形態である。ポッド入口322は、第一の上流陥凹部312aと第二の上流陥凹部312bとの間にあってもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bは、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bとそれぞれ係合するように構成されている。
図12に示すように、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bは、貫通穴150の上流側壁の隣接する隅角に配置されてもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの各々の奥行きは、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの各々の奥行きよりも大きくてもよい。第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの各々の末端はまた、第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bの各々の末端よりも丸みがあってもよい。例えば、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bは、各々U字形状のへこみの形態であってもよい。こうした例では、装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bの各々は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの対応するU字形状のへこみと係合するように構成された丸みのあるノブの形態であってもよい。第一の上流陥凹部312aは、上流端面の隅角と第一の側面に当接してもよく、第二の上流陥凹部312bは、上流端面の隅角と第二の側面に当接してもよい。結果として、第一の側面および第二の側面にそれぞれ隣接する第一の上流陥凹部312aの縁と第二の上流陥凹部312bの縁は開放していてもよい。
【0061】
第一のハウジングセクション302は、ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成された貯蔵部を内部に画定し得る。貯蔵部は、貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するためのポッドアセンブリ300の起動まで、ニコチンプレベイパー製剤を密封するように構成され得る。気密シールの結果として、ニコチンプレベイパー製剤は、環境ならびにニコチンプレベイパー製剤と反応する可能性のあるポッドアセンブリ300の内部要素から分離され、それによって、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵寿命および知覚特性(例えば、風味)のうちの少なくとも一つに対する悪影響の可能性を低減または防止し得る。第二のハウジングセクション308は、ポッドアセンブリ300を起動し、起動後に貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤を受容および加熱するように構成された構造を含有し得る。
【0062】
ポッドアセンブリ300は、ポッドアセンブリ300を装置本体100の中に挿入する前に成人eベイピング装置使用者によって手動で起動されてもよい。別の方法として、ポッドアセンブリ300は、ポッドアセンブリ300の装置本体100の中への挿入の一部として起動されてもよい。例示的な実施形態では、ポッド本体の第二のハウジングセクション308は、ポッドアセンブリ300の起動中に第一のハウジングセクション302内の貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された穿孔器を含む。穿孔器は、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの形態であってもよく、これは本明細書でより詳細に説明する。
【0063】
ポッドアセンブリ300を手動で起動するために、成人eベイピング装置使用者は、ポッドアセンブリ300を装置本体100の貫通穴150の中に挿入する前に、まず第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bを内向きに(例えば、同時にまたは逐次的に)押し得る。例えば、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、その端がポッドアセンブリ300の上流端面と実質的に均等なるまで、手動で押されてもよい。例示的な実施形態では、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの内向きの移動により、そこからニコチンプレベイパー製剤を放出するように、貯蔵部のシールが穿孔されるかまたは別の方法で損なわれる。
【0064】
別の方法として、ポッドアセンブリ300を装置本体100の中に挿入する一部としてポッドアセンブリ300を起動するために、ポッドアセンブリ300はまず、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bが、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bとそれぞれ係合するように位置付けられる(例えば、上流係合)。装置本体100の第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bの各々は、第一の上流陥凹部312aおよび第二の上流陥凹部312bの対応するU字形状のへこみと係合するように構成された丸みのあるノブの形態であってもよいため、ポッドアセンブリ300は、その後、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを中心として装置本体100の貫通穴150の中へと比較的容易に旋回され得る。
【0065】
ポッドアセンブリ300の旋回に関して、回転軸は、第一の上流突出部128aおよび第二の上流突出部128bを通って延び、装置本体100の長軸方向軸と直交して配向されると見なされ得る。ポッドアセンブリ300の初期位置付けおよび後続の旋回中、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは貫通穴150の上流側壁と接触し、ポッドアセンブリ300が貫通穴150の中に進むのにつれて第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが第二のハウジングセクション308の中に押される(例えば、同時に)のにつれて、伸長状態から後退状態に遷移する。ポッドアセンブリ300の下流端が、貫通穴150の下流側壁の近くに達し、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bと接触する時、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bは後退し、次いで、ポッドアセンブリ300の位置決めにより、装置本体100の第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bがポッドアセンブリ300の第一の下流陥凹部306aおよび第二の下流陥凹部306bとそれぞれ係合することが可能となった時に、弾性的に伸長する(例えば、下流係合)。
【0066】
上述のように、例示的な実施形態によれば、マウスピース102は、保持構造140(第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bはこの一部である)に固定される。こうした例では、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bの貫通穴150からの後退は、同じ方向(例えば、下流方向)の対応する距離だけマウスピース102の同時シフトを生じさせる。逆に、ポッドアセンブリ300が下流係合を促進するように十分に挿入された時、マウスピース102は、第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bと同時にスプリングバックする。第一の下流突出部130aおよび第二の下流突出部130bによる弾性係合に加えて、マウスピース102の遠位端はまた、ポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に置かれた時に、ポッドアセンブリ300に対して付勢される(および比較的蒸気密シールを形成するように、ポッド出口304と整列される)ように構成されている。
【0067】
さらに、下流係合は、ポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通穴150内に適切に置かれていることを示す、可聴クリックおよび触覚フィードバックのうちの少なくとも一つを生成し得る。適切に置かれると、ポッドアセンブリ300は、機械的、電気的、および流体的に装置本体100に接続される。本明細書の非限定的な実施形態は、下流係合の前に生じるポッドアセンブリ300の上流係合を説明するが、当然のことながら、下流係合が上流係合の前に発生するように、関連する嵌合、起動、および電気配設を逆転させてもよい。
【0068】
図15は、
図13のポッドアセンブリの部分分解図である。
図15を参照すると、第一のハウジングセクション302は、ベイパーチャネル316を含む。ベイパーチャネル316は、ベイピング中に発生したベイパーを受容するように構成され、ポッド出口304と流体連通している。例示的な実施形態では、ベイパーチャネル316は、ポッド出口304に向かって延びるにつれて、サイズ(例えば、直径)が徐々に増加し得る。さらに、ベイパーチャネル316は、第一のハウジングセクション302と一体的に形成されてもよい。インサート342およびシール344は、第一のハウジングセクション302の上流端に配置されて、ポッドアセンブリ300の貯蔵部を画定する。例えば、インサート342は、インサート342の周辺表面と第一のハウジングセクション302の内表面との境界面が流体密(例えば、液密および気密のうちの少なくとも一つ)であるように、インサート342の周辺表面がへりに沿って第一のハウジングセクション302の内表面と係合するように(例えば、締り嵌めを介して)、第一のハウジングセクション302内に置かれ得る。さらに、シール344は、インサート342の貯蔵部出口を密閉するようにインサート342の上流側面に取り付けられて、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵部内への流体密(例えば、液密および気密のうちの少なくとも一つ)な封じ込めを提供する。
【0069】
第二のハウジングセクション308の上流端は、ポッド入口322、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、データ接点開口部327、第一の上流陥凹部312a、第二の上流陥凹部312b、第一のピン開口部315a、および第二のピン開口部315bを画定する。上述のように、ポッド入口322は、ベイピング中に空気がポッドアセンブリ300に入ることを可能にし、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、およびデータ接点開口部327は、コネクタモジュール320の第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、およびデータ接点326のそれぞれを露出するように構成されている。例示的な実施形態では、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bは、コネクタモジュール320のモジュールハウジング354上に据え付けられる。さらに、データ接点326は、プリント回路基板(PCB)362上に配置されてもよい。さらに、ポッド入口322は、第一の上流陥凹部312aと第二の上流陥凹部312bとの間に位置してもよく、接触開口部(例えば、第一の電力接点開口部325a、第二の電力接点開口部325b、データ接点開口部327)は、第一のピン開口部315aと第二のピン開口部315bとの間に位置してもよい。第一のピン開口部315aおよび第二のピン開口部315bは、それらを通って延びる第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bをそれぞれ収容するように構成されている。
【0070】
図16は、
図15のコネクタモジュールの斜視図である。
図17は、
図16のコネクタモジュールの別の斜視図である。
図16~17を参照すると、コネクタモジュール320の一般的なフレームワークは、モジュールハウジング354を含む。さらに、コネクタモジュール320は、外面および外面に隣接する側面を含む、複数の面を有する。例示的な実施形態では、コネクタモジュール320の外面は、モジュールハウジング354の上流表面、第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、データ接点326、およびプリント回路基板(PCB)362から構成されている。コネクタモジュール320の側面は、モジュールハウジング354の一体型の部分であり、外面と略直交してもよい。
【0071】
ポッドアセンブリ300は、ポッド入口322からポッド出口304への流路を内部に画定する。ポッドアセンブリ300を通る流路は、第一の分岐部分、第二の分岐部分、および合流部分を含む。ポッド入口322は、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の上流にある。特に、
図16に示すように、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの上のモジュールハウジング354(およびコネクタモジュール320)の側面(例えば、入口側面)は、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の初期セグメントと共に、仕切り329を画定するように陥凹している。仕切り329がモジュールハウジング354の外面から陥没している例示的な実施形態では(例えば、
図16)、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの上のモジュールハウジング354の側面はまた、ポッド入口322の下流、かつ流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の上流にある流路の入口部分を画定するものと見なされ得る。
【0072】
モジュールハウジング354の長い方の側面(例えば、垂直側面)の対もまた、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分の後続セグメントを画定するように、陥凹している。本明細書では、モジュールハウジング354の長い方の側面の対は、代替的に、横方向面と呼ばれ得る。
図16のプリント回路基板(PCB)362によって覆われるモジュールハウジング354のセクタ(
図20に示す)は、流路の合流部分と共に、第一の分岐部分および第二の分岐部分のさらなるセグメントを画定する。第一の分岐部分および第二の分岐部分のさらなるセグメントは、第一の湾曲セグメント(例えば、第一の湾曲した経路330a)および第二の湾曲セグメント(例えば、第二の湾曲した経路330b)をそれぞれ含む。本明細書でより詳細に説明するように、第一の分岐部分および第二の分岐部分は合流して、流路の合流部分を形成する。
【0073】
コネクタモジュール320が、第二のハウジングセクション308の下流側で受容空洞内に置かれた時、モジュールハウジング354の陥凹していない側面は、第二のハウジングセクション308の受容空洞の側壁とインターフェースし、モジュールハウジング354の陥凹している側面は、受容空洞の側壁と共に、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分を画定する。第二のハウジングセクション308の受容空洞内のコネクタモジュール320の着座は、コネクタモジュール320がポッドアセンブリ300内で本質的に固定されたままになるように、密着性を有する配設を介してもよい。
【0074】
図17に示すように、コネクタモジュール320は、ニコチンプレベイパー製剤をヒーター336に伝達するように構成された芯338を含む。ヒーター336は、ベイピング中にニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを発生するように構成されている。 ヒーター336は、コネクタモジュール320の少なくとも一つの電気接点に電気的に接続される。例えば、ヒーター336の一方の端(例えば、第一の端)は、第一の電力接点324aに接続されてもよく、ヒーター336の他方の端(例えば、第二の端)は、第二の電力接点324bに接続されてもよい。例示的な実施形態では、ヒーター336は、折り畳まれた発熱体を含む。こうした例では、芯338は、折り畳まれた発熱体によって保持されるように構成された平面形態を有してもよい。ポッドアセンブリ300が組み立てられる時、芯338は、吸収性材料内となるニコチンプレベイパー製剤が毛細管作用を介して芯338に伝達されるように(ポッドアセンブリ300が起動された時に)、吸収性材料と流体連通するように構成されている。本明細書では、ヒーターは加熱エンジンとも呼ばれ得る。
【0075】
例示的な実施形態では、ポッド入口322を通してポッドアセンブリ300に流入する空気流は、仕切り329によって、流路の第一の分岐部分および第二の分岐部分に方向付けられる。仕切り329は、くさび形状であってもよく、流入する空気流を反対方向に分割するように構成されてもよい(例えば、少なくとも初期)。分割された空気流は、第一の空気流(流路の第一の分岐部分を通って移動する)および第二の空気流(流路の第二の分岐部分を通って移動する)を含み得る。仕切り329による分割の後、第一の空気流は、入口側面に沿い、隅角を回って第一の横方向面に沿ってこれに続き、第一の湾曲した経路330aへと移動する。同様に、第二の空気流は、入口側面に沿い、隅角を回って第二の横方向面に沿ってこれに続き、第一の湾曲した経路330b(例えば、
図20)へと移動する。流路の合流部分は、第一の分岐部分および第二の分岐部分の下流にある。ヒーター336および芯338は、流路の合流部分の下流にある。したがって、第一の空気流は、流路の合流部分(例えば、
図20の合流経路330c)で第二の空気流と結合し、モジュールハウジング354のモジュール出口368(例えば、
図18に標識される)を通ってヒーター336および芯338に通過する前に、組み合わされた流れを形成する。
【0076】
少なくとも一部の例示的な実施形態によると、芯338は、毛細管作用のために設計された空孔/隙間を有する繊維質パッドまたは他の構造であってもよい。さらに、芯338は、長方形の形状を有してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。例えば、芯338は、不規則な六角形の代替的な形状を有し、側面の二つが、ヒーター336に向かって内向きに角度付けられてもよい。芯338は、所望の形状に作製されてもよく、またはより大きなシート材料からこうした形状へと切断されてもよい。芯338の下部セクションが、ヒーター336の巻線セクションに向かってテーパー付きである場合(例えば、六角形形状)、ニコチンプレベイパー製剤が、連続的に気化を回避する(ヒーター336からのその距離に起因して)芯338の一部となる可能性が低減または回避される。さらに、上述のように、ヒーター336は、芯338を把持するように構成された折り畳まれた発熱体を含み得る。折り畳まれた発熱体はまた、芯338内に突出するように構成された少なくとも一つのプロングを含んでもよい。
【0077】
例示的な実施形態では、ヒーター336は、電流が印加されるのに伴い、ジュール加熱(また、オーム/抵抗加熱としても公知である)を受けるように構成されてもよい。より詳細に述べると、ヒーター336は、一つ以上の導体で形成され、電流を流した時に熱を生成するように構成されてもよい。電流は、装置本体100内の電源(例えば、電池)から供給され、第一の電力接点324aまたは第二の電力接点324bを介してヒーター336に運ばれてもよい。
【0078】
ヒーター336に適した導体は、鉄系合金(例えば、ステンレス鋼)およびニッケル系合金(例えば、ニクロム)を含む。ヒーター336は、そこから巻線パターンを切断するようにスタンプ加工された導電性シート(例えば、金属、合金)から作製されてもよい。巻線パターンは、水平セグメントが平行に延びると同時に前後にジグザグになるように、水平セグメントと交互に配設される湾曲セグメントを有してもよい。さらに、巻線パターンの水平セグメントの各々の幅は、巻線パターンの隣接する水平セグメント間の間隔と実質的に等しくてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。図面に示されるヒーター336の形態を得るために、巻線パターンは、芯338を把持するように折り畳まれてもよい。さらに、プロングがヒーター336の一部である場合、巻線パターンが折り畳まれる前に、プロングに対応する突出部は屈曲される(例えば、内向きおよび直交の少なくとも一つで)。プロングの結果として、芯338がヒーター336から抜け出る可能性が低減または防止される。ヒーターおよび関連する構造は、2017年10月11日に出願された「Folded Heater For Electronic Vaping Device」と題する米国特許出願第15/729,909号により詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
図15を参照すると、第一のハウジングセクション302は、ベイパーチャネル316を含む。ベイパーチャネル316は、ヒーター336によって発生したニコチンベイパーを受容するように構成され、ポッド出口304と流体連通している。例示的な実施形態では、ベイパーチャネル316は、ポッド出口304に向かって延びるにつれて、サイズ(例えば、直径)が徐々に増加し得る。さらに、ベイパーチャネル316は、第一のハウジングセクション302と一体的に形成されてもよい。インサート342およびシール344は、第一のハウジングセクション302の上流端に配置されて、ポッドアセンブリ300の貯蔵部を画定する。例えば、インサート342は、インサート342の周辺表面と第一のハウジングセクション302の内表面との境界面が流体密(例えば、液密および気密のうちの少なくとも一つ)であるように、インサート342の周辺表面がへりに沿って第一のハウジングセクション302の内表面と係合するように(例えば、締り嵌めを介して)、第一のハウジングセクション302内に置かれ得る。さらに、シール344は、インサート342の貯蔵部出口を密閉するようにインサート342の上流側面に取り付けられて、ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵部内への流体密(例えば、液密および気密のうちの少なくとも一つ)な封じ込めを提供する。本明細書では、第一のハウジングセクション302、インサート342、およびシール344は、集合的に第一のセクションと呼ばれ得る。本明細書でより詳細に説明するように、第一のセクションは、ポッドアセンブリ300の起動まで、ニコチンプレベイパー製剤を密封するように構成されている。
【0080】
少なくとも一部の例示的な実施形態では、インサート342は、上流側から突出するホルダー部分、および下流側から突出するコネクタ部分を含む。少なくとも一部の例示的な実施形態では、インサート342のホルダー部分は、吸収性材料を保持するように構成され、インサート342のコネクタ部分は、第一のハウジングセクション302のベイパーチャネル316と係合するように構成されている。インサート342のコネクタ部分は、ベイパーチャネル316内に置かれ、従って、ベイパーチャネル316の内部と係合するように構成されてもよい。別の方法として、インサート342のコネクタ部分は、ベイパーチャネル316を受容し、したがって、ベイパーチャネル316の外部と係合するように構成されてもよい。インサート342はまた、ポッドアセンブリ300の起動中にシール344が穿孔された時に、ニコチンプレベイパー製剤がそれを通って流れる貯蔵部出口を画定する。インサート342のホルダー部分とコネクタ部分は、貯蔵部出口(例えば、第一の貯蔵部出口および第二の貯蔵部出口)間であってもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。さらに、インサート342は、ホルダー部分およびコネクタ部分を通って延びるベイパー導管を画定する。結果として、インサート342が第一のハウジングセクション302内に置かれる時、インサート342のベイパー導管が、ベイピング中にヒーター336によって発生したニコチンベイパーのための、貯蔵部を通ってポッド出口304に通る連続的な経路が形成されるように、ベイパーチャネル316と整列されて流体連通する。
【0081】
シール344は、インサート342の貯蔵部出口を覆うように、インサート342の上流側に取り付けられる。例示的な実施形態では、シール344は、シール344がインサート342に取り付けられた時に、ホルダー部分(インサート342の上流側から突出する)を収容する適切な隙間を提供するように構成された開口部(例えば、中央開口部)を画定する。シール344が、ポッドアセンブリ300の第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bによって穿孔される時、シール344の二つの穿孔されたセクションは、フラップとして貯蔵部の中に押し込まれ、したがって、シール344内に二つの穿刺された開口部(例えば、中央開口部の各側面に一つ)が生成される。シール344の穿孔された開口部のサイズおよび形状は、インサート342の貯蔵部出口のサイズおよび形状に対応し得る。対照的に、非穿孔状態である場合、シール344は、平面形態および一つの開口部(例えば、中央開口部)のみを有し得る。シール344は、ポッドアセンブリ300の通常の移動および取り扱い中に、早期に、または不注意により破れることを避けるように、無傷のままであるのに十分な強度を有するように設計される。例えば、シール344は、被覆された箔(例えば、アルミニウムで裏打ちされたTritan)であってもよい。
【0082】
第二のハウジングセクション308は、ニコチンプレベイパー製剤を放出、受容、および加熱するように構成された様々な構成要素を含有するように構造化され得る。例えば、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bは、第一のハウジングセクション302の貯蔵部を穿孔して、ニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成されている。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々は、第二のハウジングセクション308の第一のピン開口部315aおよび第二のピン開口部315bの対応する一つを通って延びる遠位端を有する。例示的な実施形態では、第一の起動ピン314aの遠位端および第二の起動ピン314bの遠位端は、組み立て後に見えるが(例えば、
図13)、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの残りの部分は、ポッドアセンブリ300内で視界から隠されている。さらに、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々は、ポッドアセンブリ300の起動前はシール344に隣接し、かつシール344の上流にあるように位置付けられた近位端を有する。第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bが第二のハウジングセクション308の中に押し込まれて、ポッドアセンブリ300を起動すると、第一の起動ピン314aおよび第二の起動ピン314bの各々の近位端がインサート342を通って前進し、結果として、シール344を穿孔し、これにより貯蔵部からニコチンプレベイパー製剤が放出される。第一の起動ピン314aの移動は、第二の起動ピン314bの移動とは独立していてもよい(その逆も可である)。
【0083】
吸収性材料は、芯338の下流にあり、かつ芯338と流体連通していてもよい。さらに、上述のように、吸収性材料は、インサート342のホルダー部分(インサート342の上流側から突出し得る)と係合するように構成されてもよい。吸収性材料は、環状形態を有してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。例えば、吸収性材料は、中空シリンダーに類似し得る。こうした例では、吸収性材料の外径は、芯338の長さと実質的に等しい(またはわずかに大きい)場合がある。吸収性材料の内径は、締り嵌めをもたらすように、インサート342のホルダー部分の平均外径よりも小さくてもよい。吸収性材料との係合を容易にするために、インサート342のホルダー部分の先端はテーパー付きであってもよい。吸収性材料は、ポッドアセンブリ300が起動された時に、貯蔵部から放出されたニコチンプレベイパー製剤の量を受容し、保持するように構成されてもよい。ニコチンプレベイパー製剤が毛細管作用を介して吸収性材料からヒーター336に引き出され得るように吸収性材料と流体連通するように、芯338は、ポッドアセンブリ300内に位置付けられてもよい。芯338は、吸収性材料の上流側と物理的に接触してもよい。さらに、芯338は、吸収性材料の直径と整列してもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。
【0084】
図17に示すように、ヒーター336は、芯338の対向する表面を把持して芯338との熱接触を確立するために折り畳まれた構成を有してもよい。ヒーター336は、ベイピング中に芯338を加熱してニコチンベイパーを生成するように構成されている。こうした加熱を容易にするために、ヒーター336の第一の端は、第一の電力接点324a(
図16および18)に電気的に接続されてもよく、ヒーター336の第二の端は、第二の電力接点324b(
図16および18)に電気的に接続されてもよい。結果として、電流は、装置本体100内の電源(例えば、電池)から供給され、第一の電力接点324aまたは第二の電力接点324bを介してヒーター336に運ばれてもよい。(例えば、
図16~17に関連して)上記で既に説明したコネクタモジュール320の他の態様の関連する詳細は、簡潔にするために本セクションでは繰り返さない。例示的な実施形態では、第二のハウジングセクション308は、コネクタモジュール320のための受容空洞を含む。第二のハウジングセクション308および上述の内部の構成要素は、集合的に第二のセクションと呼ばれ得る。ベイピング中、ヒーター336によって発生したニコチンベイパーは、インサート342のベイパー導管を通り、第一のハウジングセクション302のベイパーチャネル316を通り、ポッドアセンブリ300のポッド出口304を出て、マウスピース102のベイパー通路136を通ってベイパー出口へと引き出される。
【0085】
図18は、芯およびヒーターを含まない、
図17のコネクタモジュールの斜視図である。
図19は、
図18のコネクタモジュールの分解図である。
図20は、
図18のコネクタモジュールの別の分解図である。
図18~20を参照すると、モジュールハウジング354は、コネクタモジュール320のフレームワークを形成する。モジュールハウジング354は、仕切り329およびポッドアセンブリ300の中に引き出された空気のための流路を画定する。加熱チャンバーは、モジュール出口368を介して、モジュールハウジング354の上流側の流路と流体連通している。
【0086】
上述のように、ポッドアセンブリ300の中に引き出された空気のための流路は、第一の分岐部分、第二の分岐部分、およびモジュールハウジング354によって画定される合流部分を含む。例示的な実施形態では、第一の分岐部分および第二の分岐部分は、流路の合流部分に対応する軸によって二等分される対称的な部分である。例えば、
図20に示すように、第一の分岐部分、第二の分岐部分、および合流部分は、第一の湾曲した経路330a、第二の湾曲した経路330b、および合流経路330cをそれぞれ含み得る。第一の湾曲した経路330aおよび第二の湾曲した経路330bは、実質的にU字形状の経路であってもよく、合流経路330cは、実質的に直線状の経路であってもよい。合流経路330cに対応し、かつ仕切り329の頂部と整列した軸に基づいて、流路の第一の分岐部分は、流路の第二の分岐部分の鏡像であり得る。ベイピング中、ポッド入口322を通して引き出される空気は、仕切り329によって分割され、最初に仕切り329から離れるように反対方向に流れ、その後、平行に流れた後各空気流がUターンし(第一の湾曲した経路330aおよび第二の湾曲した経路330bを介して)、モジュール出口368を通って加熱チャンバーへと通過する前に仕切り329に向かって戻るように移動する組み合わせられた流れのために合流する(合流経路330cを介して)。ヒーター336および芯338は、両側がモジュール出口368を通過する空気の組み合わされた流れに実質的に等しく露出するように位置付けられてもよい。ベイピング中、発生されたニコチンベイパーは、加熱チャンバーを通ってベイパーチャネル316へと移動する空気の組み合わされた流れに同伴される。
【0087】
図19~20に示すように、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々は、接触面および接触脚部を含み得る。接触脚部(細長い構成を有し得る)は、接触面(正方形であり得る)と直交して配向されてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。モジュールハウジング354は、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの据え付けを容易にするために、一対の浅いくぼみおよび一対の開口を画定し得る。組み立て中、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々の接触面は、モジュールハウジング354の外面(例えば、
図16)と実質的に同一平面上にあるように、一対の浅いくぼみの対応する一つ内に置かれ得る。さらに、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bのそれぞれの接触脚部は、モジュールハウジング354の下流側から突出するように、一対の開口の対応する一つを通って延び得る(例えば、
図18)。ヒーター336は、その後、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bの各々の接触脚部に接続され得る。
【0088】
プリント回路基板(PCB)362は、その上流側上に複数のデータ接点326(例えば、
図20)、およびその下流側上にセンサー364を含む様々な電子構成要素(例えば、
図19)を含む。センサー364は、センサー364がモジュールハウジング354によって画定される合流経路330c内にあるように、プリント回路基板(PCB)362上に位置付けられてもよい。例示的な実施形態では、プリント回路基板(PCB)362(およびそれに固定された関連構成要素)は、データ接点326が第二のハウジングセクション308のデータ接点開口部327によって露出されるように、第二のハウジングセクション308の下流側の受容空洞の中に最初に挿入される独立した構造である。その後、第一の電力接点324aおよび第二の電力接点324bが、第二のハウジングセクション308の第一の電力接点開口部325aおよび第二の電力接点開口部325bによってそれぞれ露出されるように、モジュールハウジング354(第一の電力接点324a、第二の電力接点324b、ヒーター336、およびそれに取り付けられた芯338を有する)を、受容空洞の中に挿入し得る。別の方法として、上記の二工程挿入プロセスを一工程挿入プロセスへと単純化するために、プリント回路基板(PCB)362(およびそれらに固定された関連構成要素)を、第一の湾曲した経路330a、第二の湾曲した経路330b、合流経路330c、およびモジュール出口368を覆うように、モジュールハウジング354に(例えば、単一の統合された構造を形成するために)貼り付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0089】
モジュール出口368は、引き出し抵抗(RTD)ポートであってもよい。こうした構成では、ニコチンeベイピング装置500の引き出し抵抗は、(ポッド入口322のサイズを変えるのではなく)モジュール出口368のサイズを変更することによって調整され得る。例示的な実施形態では、モジュール出口368のサイズは、引き出し抵抗が25~100水柱ミリメートル(例えば、30~50水柱ミリメートル)となるように選択され得る。例えば、モジュール出口368の1.0mmの直径は、88.3水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。別の例では、モジュール出口368の1.1mmの直径は、73.6水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。別の例では、モジュール出口368の1.2mmの直径は、58.7水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。さらに別の例では、モジュール出口368の1.3mmの直径は、40~43水柱ミリメートルの引き出し抵抗をもたらし得る。特に、モジュール出口368のサイズは、その内部配設のために、ポッドアセンブリ300の外部美観に影響を与えることなく調整され、それによって、様々な引き出し抵抗(RTD)を有するポッドアセンブリのより標準化された製品設計を可能にし、また同時に、流入する空気の不注意による閉塞の可能性も低減し得る。
【0090】
図21Aは、例示的な実施形態による装置本体100の装置システムを例示する。装置システム2100は、ニコチンeベイピング装置500の装置本体100内のシステムであってもよい。
【0091】
装置システム2100は、コントローラ2105、電源2110、アクチュエータ制御2115、ポッドの電気的/データインターフェース2120、装置センサー2125、入力/出力(I/O)インターフェース2130、ベイパーインジケータ2135、少なくとも一つのアンテナ2140、および記憶媒体2145を含む。装置システム2100は、
図21Aに示す特徴に限定されない。例えば、装置システム2100は、追加の要素を含む場合がある。しかしながら、簡潔にするために、追加の要素は記載しない。他の例示的な実施形態では、装置システム2100はアンテナを含まない場合がある。
【0092】
コントローラ2105は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを実行するハードウェア、またはこれらの任意の組み合わせであってもよい。コントローラ2105がハードウェアである場合、こうした既存のハードウェアには、コントローラ2105の機能を実施するための特殊用途機械として構成された、一つ以上の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、デジタル信号処理プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータ等が含まれ得る。CPU、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、DSP、ASIC、およびFPGAは、一般に、処理装置と呼ばれ得る。
【0093】
コントローラ2105が、ソフトウェアを実行するプロセッサであるか、またはそれを含む場合、コントローラ2105は、コントローラ2105(例えば、記憶媒体2145または別の記憶装置)によってアクセス可能なメモリに保存された、ソフトウェアを実行するための特殊用途機械(例えば、処理装置)として構成され、コントローラ2105の機能を実施する。ソフトウェアは、コントローラ2105またはコントローラ2105A(
図21B)によって実施されるものとして本明細書に記載される動作のいずれかまたはすべてを実施または制御するための命令を含むプログラムコードとして具現化され得る。
【0094】
本明細書で開示される「記憶媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体」または「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置、およびその他の情報を保存するための有形の機械可読媒体を含む、データを保存するための一つ以上の装置を表す場合がある。「コンピュータ可読媒体」という用語は、指示およびデータのうちの少なくとも一つを保存、含有、または保持する能力を有する、可搬式または固定式の記憶装置、光学記憶装置、およびその他の様々な媒体を含み得るが、これらに限定されない。
【0095】
図21Bは、例示的な実施形態によるコントローラ2105Aの実施例を例示する。例示的な実施形態によると、
図21Bに例示されるコントローラ2105Aは、
図21Aに図示されるコントローラ2105の例示的な実装である。コントローラ2105Aは、マイクロプロセッサである、またはマイクロプロセッサを含み得る。さらに、
図21Bに示すように、コントローラ2105Aは、汎用入力/出力(GPIO)、集積回路間通信(I
2C)インターフェース、リアルペリフェラルインタフェース(SPI)インターフェース等などの入力/出力インターフェース、マルチチャネルアナログデジタル変換器(ADC)、およびクロック入力端末を含み得る。しかし、例示的な実施形態は、この実施例に限定されるべきではない。例えば、コントローラ2105Aは、デジタルアナログ変換器および演算回路または複数の回路をさらに含み得る。
【0096】
図21Aに戻って、コントローラ2105は、電源2110、アクチュエータ制御2115、ポッドの電気的/データインターフェース2120、装置センサー2125、入力/出力(I/O)インターフェース2130、ベイパーインジケータ2135、オンプロダクト制御2150、および少なくとも一つのアンテナ2140と通信する。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、オンプロダクト制御2150は、値の選択を示すように、成人eベイピング装置使用者が手動で動作することが可能な任意の装置または複数の装置を含み得る。例示的な実装には、限定されるものではないが、一つ以上のボタン、ダイヤル、静電容量センサー、およびスライダーが挙げられる。
【0097】
コントローラ2105は、ポッドの電気的/データインターフェース2120を通して、ポッドアセンブリ300内の不揮発性メモリを備えた暗号化コプロセッサ(CC-NVM)または不揮発性メモリ(NVM)と通信する。CC-NVMという用語は、暗号化および関連処理のためのプロセッサおよびNVMを含む、一つ以上のハードウェアモジュールを指し得る。より具体的には、コントローラ2105は、暗号化を利用して、ポッドアセンブリ300を認証し得る。説明する通り、コントローラ2105は、CC-NVMパッケージまたはNVMと通信して、ポッドアセンブリ300を認証する。より具体的には、不揮発性メモリは、製造中に、認証のために製品およびその他の情報でコードされ得る。
【0098】
メモリ装置は、ポッドアセンブリ300が装置本体100の中に挿入される時に、ポッドアセンブリ300の認証、およびポッドアセンブリ300のタイプ(または加熱エンジンタイプなどの物理的構造)に特有の動作パラメータのペアリング、のうちの少なくとも一つを可能にするために、電子識別でコードされてもよい。ポッドアセンブリ300の電子識別に基づく認証に加えて、コントローラ2105は、NVMまたはCC-NVMの不揮発性メモリにコードされた、保存されたニコチンプレベイパー製剤の使用期限に基づいて、ポッドアセンブリ300の使用を許可し得る。コントローラが、不揮発性メモリにコードされた使用期限が経過したと判定する場合、コントローラは、ポッドアセンブリ300の使用を許可せず、ニコチンeベイピング装置500を無効化してもよい。
【0099】
コントローラ2105(または記憶媒体2145)は、暗号化のための鍵材料およびプロプライエタリアルゴリズムソフトウェアを保存する。例えば、暗号化アルゴリズムは、乱数の使用に依存する。これらのアルゴリズムのセキュリティは、これらの数がどれほど真にランダムであるかに依存する。これらの数は通常、事前に生成され、プロセッサまたはメモリ装置にコードされる。例示的な実施形態は、ベイパー引き出しパラメータ、例えば、ベイパー引き出しのインスタンスの持続時間、ベイパー引き出しのインスタンス間の時間間隔、またはそれらの組み合わせを使用することによって、暗号化に使用される数のランダム性を増大させて、予め生成された乱数よりも、個々の間でよりランダムかつより変化する数を生成し得る。コントローラ2105とポッドアセンブリ300との間のすべての通信は、暗号化されてもよい。
【0100】
さらに、ポッドアセンブリ300は、ニコチンeベイピング装置500用のソフトウェアパッチなどの他の情報のための一般的なペイロードキャリアとして使用され得る。ポッドアセンブリ300とコントローラ2105との間のすべての通信で暗号化が使用されるため、こうした情報はより安全であり、ニコチンeベイピング装置500は、マルウェアまたはウイルスがインストールされにくい。CC-NVMを、データおよびソフトウェア更新などの情報キャリアとして使用することで、ニコチンeベイピング装置500を、インターネットに接続せずにソフトウェアで更新することができ、また定期的なソフトウェア更新を必要とする他のほとんどの一般電子機器におけるように、成人eベイピング装置使用者がダウンロードプロセスを経ることが可能になる。
【0101】
コントローラ2105はまた、コントローラ2105のリソースが、認証に関与するエンコードおよびデコード以外の機能を実施することを可能にする、暗号化加速装置を含んでもよい。コントローラ2105はまた、通信チャネルの不正使用を防止すること、およびポッドまたは成人eベイピング装置使用者が認証されていない場合にデータへの不正アクセスを防止することなどの他のセキュリティ機能を含んでもよい。
【0102】
暗号化加速装置に加えて、コントローラ2105は、他のハードウェア加速装置を含んでもよい。例えば、コントローラ2105は、浮動小数点ユニット(FPU)、別個のDSPコア、デジタルフィルター、および高速フーリエ変換(FFT)モジュールを含んでもよい。
【0103】
コントローラ2105は、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を動作させ、装置システム2100を制御するように構成され、NVMもしくはCC-NVMとの通信を介して、または装置システム2100がI/Oインターフェース2130およびアンテナ2140のうちの少なくとも一つを介して他の装置(例えば、スマートフォン)に接続されている時に更新され得る。I/Oインターフェース2130およびアンテナ2140は、装置システム2100を、スマートフォン、タブレット、およびPCなどの様々な外部装置に接続することを可能にする。例えば、I/Oインターフェース2130は、マイクロUSBコネクタを含み得る。マイクロUSBコネクタは、電源2110bを充電するために装置システム2100によって使用され得る。
【0104】
コントローラ2105は、分析、診断、およびソフトウェアアップグレードを含む、コードを保存および実行するためのオンボードRAMおよびフラッシュメモリを含み得る。代替として、記憶媒体2145はコードを保存してもよい。さらに、別の例示的な実施形態では、記憶媒体2145は、コントローラ2105に搭載されてもよい。
【0105】
コントローラ2105は、装置本体100のPCBによって覆われる領域を減少させるために、オンボードクロック、リセットおよび電力管理モジュールをさらに含んでもよい。
【0106】
装置センサー2125は、コントローラ2105に測定情報を提供する数多くのセンサー変換器を含んでもよい。装置センサー2125は、電源温度センサー、外部ポッド温度センサー、ヒーターのための電流センサー、電源電流センサー、空気流センサー、および動作および配向を監視するための加速度計を含み得る。電源温度センサーおよび外部ポッド温度センサーは、サーミスタまたは熱電対であってもよく、ヒーターのための電流センサーおよび電源電流センサーは、抵抗ベースのセンサーまたは電流を測定するように構成された別のタイプのセンサーであってもよい。空気流センサーは、微小電気機械システム(MEMS)流れセンサー、または熱線風速計などの空気流を測定するように構成された別のタイプのセンサーであってもよい。さらに、
図22A~26を参照して以下でより詳細に説明するように、装置本体100の装置システム2100の装置センサー2125に含まれる流れセンサーを使用して空気流を測定する代わりに、またはこれに追加的に、ポッドアセンブリ300のポッドシステム2200内に位置する熱線風速計2220Aを使用して空気流を測定してもよい。
【0107】
一つ以上の装置センサー2125から生成されるデータは、個別のマルチチャネルアナログデジタル変換器(ADC)を使用して測定されるパラメータに対して適切なサンプルレートでサンプリングされてもよい。
【0108】
コントローラ2105は、コントローラ2105から受信された測定情報に基づいて、ニコチンプレベイパー製剤に対するヒータープロファイルおよび他のプロファイルを適合させ得る。便宜上、これらは一般的にベイピングプロファイルまたはベイパープロファイルと呼ばれる。ヒータープロファイルは、ベイパー引き出しが行われる数秒間にヒーターに供給される電力プロファイルを識別する。例えば、ヒータープロファイルは、ベイパー引き出しのインスタンスが開始された時にヒーターに最大電力を送達するが、その後、1秒ほどで直ちに電力を1/2または1/4に低減してもよい。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、ヒーターに提供される電力の変調は、パルス幅変調を使用して実施され得る。
【0109】
さらに、ヒータープロファイルは、ニコチンeベイピング装置500に印加される陰圧に基づいて変更されてもよい。MEMS流れセンサーの使用により、ベイパー引き出し強度を測定し、コントローラ2105へのフィードバックとして使用して、ポッドのヒーターに送達される電力を調整することが可能になり、これは加熱送達またはエネルギー送達と呼ばれ得る。
【0110】
少なくとも一部の例示的な実施形態によると、コントローラ2105が、ポッドが現在取り付けられていることを認識する場合(例えば、SKUを介して)、コントローラ2105は、その特定のポッドのために設計された関連する加熱プロファイルを一致させる。コントローラ2105および記憶媒体2145は、すべてのSKUに対する加熱プロファイルの生成を可能にするデータおよびアルゴリズムを保存する。別の例示的な実施形態では、コントローラ2105は、ポッドから加熱プロファイルを読み取り得る。成人eベイピング装置使用者はまた、自身の好みに適合するように加熱プロファイルを調整し得る。
【0111】
図21Aに示すように、コントローラ2105は、電源2110との間でデータを送信し、データを受信する。電源2110は、電源2110bによって出力される電力を管理するために、電源2110bおよび電力コントローラ2110aを含む。
【0112】
電源2110bは、リチウムイオン電池またはその変形の一つ、たとえばリチウム-イオンポリマー電池であってもよい。別の方法として、電源2110bは、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。あるいは、電源2110bは充電式であってもよく、また電池を外部充電装置によって充電できるようにする回路を含んでもよい。この場合、回路は充電された時、望ましい(または別の方法として、所定の)インスタンス数のベイパー引き出しのための電力を提供し、その後、回路を外部充電装置に再接続する必要がある。
【0113】
電力コントローラ2110aは、コントローラ2105からの命令に基づいて、電源2110bにコマンドを提供する。例えば、電源2110は、ポッドが認証され、成人eベイピング装置使用者が装置システム2100を起動する(例えば、トグルボタン、静電容量センサー、IRセンサーなどのスイッチを起動することによって)時に、ポッドに電力を提供する(ポッドの電気的/データインターフェース2120を通して)ために、コントローラ2105からコマンドを受信してもよい。ポッドが認証されない場合、コントローラ2105は、電源2110にコマンドを送信しないか、または電力を提供しないよう電源2110に命令を送信するかのいずれかであり得る。別の例示的な実施形態では、コントローラ2105は、ポッドが認証されない場合、装置システム2100のすべての動作を無効化してもよい。
【0114】
ポッドへの電力供給に加えて、電源2110はまた、電力をコントローラ2105に供給する。さらに、電力コントローラ2110aは、電源2110bの性能を示すフィードバックをコントローラ2105に提供し得る。
【0115】
コントローラ2105は、少なくとも一つのアンテナ2140との間でデータを送信し、データを受信する。少なくとも一つのアンテナ2140は、近距離無線通信(NFC)モデム、Bluetooth Low Energy(LE)モデム、および他の無線技術(例えば、Wi-Fi)のための他のモデムのうちの少なくとも一つを含み得る。例示的な実施形態では、通信スタックはモデム内にあるが、モデムはコントローラ2105によって制御される。Bluetooth LEモデムは、外部装置(例えば、スマートフォンなど)上のアプリケーションとのデータおよび制御通信のために使用される。NFCモデムは、ニコチンeベイピング装置500のアプリケーションへのペアリングおよび診断情報の取得に使用され得る。さらに、Bluetooth LEモデムは、購入中に位置情報(成人eベイピング装置使用者がニコチンeベイピング装置500を見つけるための)または認証を提供するために使用され得る。
【0116】
上述のように、装置システム2100は、ベイピングための様々なプロファイルを生成および調整し得る。コントローラ2105は、電源2110およびアクチュエータ制御2115を使用して、成人eベイピング装置使用者に対してプロファイルを調節する。
【0117】
アクチュエータ制御2115は、所望のベイパープロファイルを調節するための受動的アクチュエータおよび能動的アクチュエータを含む。例えば、装置本体100は、マウスピース内に入口チャネルを含み得る。アクチュエータ制御2115は、所望のベイパープロファイルに関連付けられたコントローラ2105からのコマンドに基づいて、入口チャネルを制御してもよい。
【0118】
さらに、アクチュエータ制御2115は、電源2110と併せてヒーターを通電するために使用される。より具体的には、アクチュエータ制御2115は、所望のベイピングプロファイルに関連付けられた駆動波形を生成するように構成されている。上述のように、可能性のあるプロファイルそれぞれは、駆動波形と関連付けられる。所望のベイピングプロファイルを示すコマンドをコントローラ2105から受信するのに伴い、アクチュエータ制御2115は、電源2110の関連する変調波形を生成し得る。
【0119】
コントローラ2105は、情報をベイパーインジケータ2135に供給して、状態および発生している動作を成人eベイピング装置使用者に示す。ベイパーインジケータ2135は、コントローラ2105が成人eベイピング装置使用者によってボタンが押されたことを感知した時に起動され得る電力インジケータ(例えば、LED)を含む。ベイパーインジケータ2135はまた、バイブレーター、スピーカー、成人eベイピング装置使用者により制御されるベイピングパラメータ(例えば、ニコチンベイパー量)の現在の状態に対するインジケータ、および他のフィードバック機構を含み得る。
【0120】
ポッドアセンブリ300が認証されると、コントローラ2105は、ニコチンeベイピング装置500を使用する成人eベイピング装置使用者およびポッド上のNVMまたはCC-NVMによって保存される情報に従って、電源2110、アクチュエータ制御2115、ベイパーインジケータ2135およびアンテナ2140を動作させる。さらに、コントローラ2105は、ロギング関数を含んでもよく、ニコチンeベイピング装置500を較正するためにアルゴリズムを実施することができる。ロギング関数は、コントローラ2105によって実行されて、使用データならびに予期しないイベントまたは障害を記録する。記録された使用データは、診断および分析に使用され得る。コントローラ2105は、ボタンを用いないベイピング(すなわち、陰圧がマウスピースに印加された時にニコチンベイパーを発生するなどの、ボタンを押すことのないベイピング)、成人eベイピング装置使用者構成、およびベイパー引き出し感知、ニコチンプレベイパー製剤レベルおよびニコチンプレベイパー製剤組成物を含む、CC-NVMまたはNVMに保存された情報を使用して、ニコチンeベイピング装置500を較正し得る。例えば、コントローラ2105は、ポッド内のニコチンプレベイパー製剤組成物と関連付けられたベイピングプロファイルに基づいて、ポッド内のヒーターに電力を供給するように電源2110に命令し得る。あるいは、ベイピングプロファイルは、CC-NVMまたはNVMにコードされ、コントローラ2105によって利用されてもよい。
【0121】
図22Aは、例示的な実施形態によるポッドシステム図を例示する。ポッドシステム2200は、ポッドアセンブリ300内のシステムであってもよい。
【0122】
図22Aに示すように、ポッドシステム2200は、CC-NVM2205、本体の電気的/データインターフェース2210、ヒーター2215およびポッドセンサー2220を含む。ポッドシステム2200は、本体の電気的/データインターフェース2210およびポッドの電気的/データインターフェース2120を通して装置システム2100と通信する。CC-NVM2205は、暗号化コプロセッサ2205aおよび不揮発性メモリ2205bを含む。コントローラ2105は、認証の目的のために不揮発性メモリ2205bに保存された情報にアクセスし、暗号化コプロセッサ2205aと通信することによってポッドアセンブリ300を動作させ得る。
【0123】
別の例示的な実施形態では、ポッドアセンブリ300は、暗号化コプロセッサを有しない場合がある。例えば、
図22Bは、例示的な実施形態による、暗号化コプロセッサ2205aが省略された、
図22Aのポッドシステムの実施例を例示しており、
図23は、例示的な実施形態による、
図21Aの装置システムに接続されたポッドシステム22Bの実施例を例示する。
【0124】
図22Bに示すように、ポッドシステム2200は、CC-NVM2205の代わりに不揮発性メモリ2205bを含んでもよく、暗号化コプロセッサ2205aは省略されている。暗号化コプロセッサがポッドシステム2200内に存在しない場合、コントローラ2105は、加熱プロファイルを制御/画定するために暗号化コプロセッサを使用することなく、不揮発性メモリ2205bからデータを読み取り得る。
【0125】
不揮発性メモリ2205bは、電子識別でコードされて、ポッドアセンブリが装置本体100の貫通穴の中に挿入された時に、ポッドの認証およびポッドのタイプに特有の動作パラメータのペアリングのうちの少なくとも一つを許可し得る。ポッドの電子識別に基づいた認証に加えて、コントローラ2105は、不揮発性メモリ2205bにコードされた、保存されたニコチンプレベイパー製剤の使用期限に基づいて、ポッドの使用を許可し得る。コントローラが、不揮発性メモリ不揮発性メモリ2205bにコードされた使用期限が経過したと判定する場合、コントローラは、ポッドの使用を許可せず、ニコチンeベイピング装置500を無効化し得る。
【0126】
さらに、不揮発性メモリ2205bは、ニコチンプレベイパー製剤区画内のニコチンプレベイパー製剤(ニコチンプレベイパー製剤組成物を含む)の在庫管理単位(SKU)、装置システム2100のソフトウェアパッチ、ベイパー引き出しインスタンスカウントなどの製品使用情報、ベイパー引き出しインスタンス持続時間、およびニコチンプレベイパー製剤レベルなどの情報を保存し得る。不揮発性メモリ2205bは、ポッドのタイプおよびニコチンプレベイパー製剤組成物に特有の動作パラメータを保存し得る。例えば、不揮発性メモリ2205bは、所望のベイピングプロファイルに対応するコマンドを判定するために、コントローラ2105によって使用するポッドの電気的および機械的設計を保存し得る。
【0127】
ポッド内のニコチンプレベイパー製剤レベルは、例えば、二つの方法のうちの一つで判定され得る。一つの例示的な実施形態では、ポッドセンサー2220のうちの一つは、ポッド内のニコチンプレベイパー製剤レベルを直接測定する。
【0128】
別の例示的な実施形態では、不揮発性メモリ2205bは、ポッドからのベイパー引き出しインスタンスカウントを保存し、コントローラ2105は、ベイパー引き出しインスタンスカウントを、気化したニコチンプレベイパー製剤の量に対するプロキシとして使用する。
【0129】
コントローラ2105および記憶媒体2145のうちの少なくとも一つは、ニコチンプレベイパー製剤組成物の動作点を識別する、ニコチンプレベイパー製剤較正データを保存し得る。ニコチンプレベイパー製剤較正データは、残りのニコチンプレベイパー製剤レベルと共にニコチンプレベイパー製剤流量がどのように変化するか、またはニコチンプレベイパー製剤の寿命と共に揮発性がどのように変化するかを記述するデータを含み、コントローラ2105による較正に使用され得る。ニコチンプレベイパー製剤較正データは、コントローラ2105および記憶媒体2145のうちの少なくとも一つによって表形式で保存され得る。ニコチンプレベイパー製剤較正データにより、コントローラ2105は、ベイパー引き出しインスタンスカウントを、気化したニコチンプレベイパー製剤の量と同等にすることが可能になる。
【0130】
コントローラ2105は、ポッド内の不揮発性メモリ2205bにニコチンプレベイパー製剤レベルおよびベイパー引き出しインスタンスカウントを戻すように書き込むため、ポッドが装置本体100から取り外され、その後再び取り付けられたた場合、ポッドの正確なニコチンプレベイパー製剤レベルは依然としてコントローラ2105に公知であり得る。
【0131】
動作パラメータ(例えば、電源、電力持続時間、空気チャネル制御)は、ベイピングプロファイルと呼ばれる。さらに、不揮発性メモリ2205bは、コントローラ2105によって通信される情報を記録してもよい。不揮発性メモリ2205bは、装置本体100がポッドから接続を外された時でさえ、記録された情報を保持し得る。
【0132】
例示的な実施形態では、不揮発性メモリ2205bは、プログラム可能な読み出し専用メモリであってもよい。
【0133】
ヒーター2215は、コントローラ2105によって作動され、例えば、コントローラ2105からの命令されたプロファイル(容量、温度(電力プロファイルに基づく)および風味)に従って、ポッドアセンブリ300内のニコチンプレベイパー製剤の少なくとも一部分に熱を伝達する。
【0134】
ヒーター2215は、例えば、平面の本体、セラミック本体、単一のワイヤ、抵抗線のケージ、芯を包囲する電線コイル、メッシュ、または任意の他の適切な形態であってもよい。好適な電気抵抗性材料の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられる。好適な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられる。例えば、ヒーターは、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層をもつ材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込み、封入、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。一実施形態では、ヒーター2215は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含む。一実施形態では、ヒーター2215は、ニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成される。一実施形態では、ヒーター2215は、その外側表面上に電気的抵抗性層を有するセラミックヒーターであることができる。
【0135】
別の実施形態では、ヒーター2215は、本発明の譲受人に付与された1994年12月29日に出願された米国特許第5,595,706号(Sikka他)などに記載されるものなどの鉄アルミナイド(例えば、FeAlまたはFe3Al)で構成されてもよく、米国特許第5,595,706号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0136】
ヒーター2215は、ポッドセンサーまたはコントローラ2105からのフィードバックに基づいて、加熱するニコチンプレベイパー製剤の量を判定し得る。ニコチンプレベイパー製剤の流れは、マイクロキャピラリーまたは毛細管作用によって調節され得る。さらに、コントローラ2105は、ヒーター2215にコマンドを送信して、ヒーター2215への空気吸込み口を調整してもよい。
【0137】
ポッドセンサー2220から生成されるデータは、個別のマルチチャネルアナログデジタル変換器(ADC)を使用して測定されるパラメータに適切なサンプルレートでサンプリングされてもよい。ポッドセンサー2220は、例えば、ヒーター温度センサー、ニコチンプレベイパー製剤流量モニター、空気流センサー、および吸煙検出器を含み得る。少なくとも一つの例示的な実施形態によると、ヒーター温度センサーは、サーミスタまたは熱電対であってもよく、ニコチンプレベイパー製剤流量感知は、静電気干渉またはニコチンプレベイパー製剤内回転装置を使用して、ポッドシステム2200によって実施され得る。
【0138】
ポッドセンサー2220はまた、熱線風速計(HWA)2220Aを含み得る。HWA2220Aは、空気流量感知機能を提供し、また本明細書では、流れセンサー2220Aとも呼ばれ得る。さらに、
図24A~27において以下により詳細に説明するように、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、熱線風速計(HWA)2220Aは、(i)空気流量感知、(ii)吸煙検出、および(iii)周囲温度追跡のうちのいずれかまたはすべてを促進するために、デュアル制御ループアーキテクチャと併せて単一の加熱素子を使用し得る。例えば、HWAを含む少なくとも一部の従来的なシステムでは、HWAは、連続的な流れを測定することが意図されており、したがって、二つ以上の感知素子であって、一方は周囲温度を測定するため、他方は一部の加熱素子からの熱伝達レートを測定するための感知素子が使用される。結果として、単一の加熱素子を使用して空気流量感知および周囲温度追跡を実施することによって、空気流量感知および周囲温度追跡の両方を実施するために必要なハードウェア(例えば、回路)の複雑さが有利に低減され得る。さらに、HWA2220Aの加熱素子の温度を推定する際に、近くの加熱エンジンの影響を考慮に入れることができるため、HWA2220Aの周囲温度を追跡する能力も有用である。
【0139】
本明細書で使用される、HWAまたは流れセンサーに関して使用される場合の「周囲温度」という用語は、HWAまたは流れセンサーのすぐ近くの空気の温度を指し得る。例えば、少なくともHWA(または流れセンサー)2220Aの加熱素子がポッドアセンブリ300の内部にある時、HWA(または流れセンサー)2220Aの周囲温度は、HWA(または流れセンサー2220A)の加熱素子を囲むポッドアセンブリ300内の空気の温度を指し得る。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、ポッドアセンブリ300内の空気の温度が実質的に均一である場合(例えば、ニコチンベイパーがニコチンeベイピング装置500の出口を通して現在引き出されていない時、またはヒーター2215が現在作動していない時)、本明細書におけるHWA(または流れセンサー)2220Aの「周囲温度」への言及は、概して、ポッドアセンブリ300内の空気の温度を指し得る。
【0140】
図24A~26を参照して以下でより詳細に説明するように、HWA2220Aは、電力を加熱素子に印加する結果として加熱される加熱素子を含む。さらに、加熱素子の温度は、加熱素子の抵抗(Ω)に影響を及ぼす。結果として、加熱素子の電圧を使用して、加熱素子の温度を推定し得る。さらに、流れる空気の存在下では、熱は、流れる空気によってHWA2220Aの加熱素子から離れるように運ばれ、したがって、HWA2220Aの加熱素子に特定の温度を維持させるために必要な電力レベルを使用して、HWA2220Aの加熱素子の周りに流れる空気の空気流量を推定することができる。本明細書で使用されるように、HWA(または流れセンサー)2220Aの加熱素子のすぐ近くの空間を通って流れる空気は、HWA(または流れセンサー)2220Aの周りを流れる空気、またはHWA(または流れセンサー)2220Aの加熱素子の周りを流れる空気として、単に言及され得る。HWA2220Aの加熱素子の例を、
図24A~24Dを参照して以下でより詳細に説明する。
【0141】
少なくとも一部の例示的な実施形態によると、HWA2220Aは、
図19のセンサー364であり得る(またはセンサー364内に含まれ得る)。結果として、センサー364、および
図19および20を参照して上述したように、HWA2220Aは、合流経路330c内に位置してもよい。さらに、
図19および20を参照して上述したように、合流経路330cは、ポッドアセンブリ300内に、ポッド入口322を通って引き込まれ、ヒーター336が位置する頂上(
図17)でモジュール出口368を出る、空気の流路の一部分である。したがって、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、HWA2220Aの周りを流れる空気は、ポッド入口322からモジュール出口368へ合流経路330cを介して(例えば、吸煙の間)流れる空気である。
【0142】
図24A~24Dは、HWA2220Aに含まれる加熱素子の例示的な実装を例示する。
図24Aを参照すると、HWA2220Aの加熱素子は、第一のエッチングされた蛇行要素2402Aまたは第二のエッチングされた蛇行要素2402Bによって実装され得る。
図24Aに図示するように、第一のエッチングされた蛇行要素2402Aは、第一の支持部2404Aと第二の支持部2406Aとの間に懸架された第一の蛇行ワイヤ2408Aを含み、第二のエッチングされた蛇行要素2402Bは、第三の支持部2404Bと第四の支持部2406Bとの間に懸架された第二の蛇行ワイヤ2408Bを含む。
図24Bを参照すると、HWA2220Aの加熱素子は、単一ワイヤの要素2402Cによって実装されてもよい。
図24Bに図示するように、単一ワイヤの要素は、第五の支持部2404Cと第六の支持部2406Cとの間に垂直方向に懸架された単一のワイヤ2408Cを含む。
図24Cを参照すると、HWA2220Aの加熱素子は、巻線要素2410によって実装されてもよい。例えば、巻線要素2410は、Coilcraftの巻線表面実装(SMT)インダクタであってもよい。
図24Dを参照すると、HWA2220Aの加熱素子は、薄膜抵抗温度検出器(RTD)2412によって実装されてもよい。少なくとも一部の例示的な実施形態によるデュアル制御ループアーキテクチャを、
図25A~25Dおよび26を参照して以下で説明する。
【0143】
図25Aは、内部PID制御ループ2500の図であり、
図25B~25Dは、
図25Aのパルス幅変調(PWM)駆動信号2526の第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3を例示しており、
図26は、外部PID制御ループ2600の図である。
【0144】
図25Aに図示するように、内部PID制御ループ2500は、内部設定点SP_Iと、内部プロセス2520から出力される内部プロセス変数PV_Iとの間の差に基づいて、内部誤差Error_Iを計算する。例えば、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラは、総和演算2518を実施することによって、内部設定点SP_Iと内部プロセス変数PV_Iとの間の差を判定し得る。
図25Aに図示する実施例では、総和演算2518は、内部誤差Error_Iとして、内部設定点SP_Iおよび内部プロセス変数PV_Iの反転(すなわち、負(-))バージョンの合計を計算することを含む。内部誤差Error_Iに基づいて、内部PIDコントローラ2510は、内部制御変数CV_Iに補正を適用し、次いでこれが、内部誤差Error_Iが低減されるか、あるいは最小化されるように、内部プロセス2520への入力として適用される。内部PIDコントローラ2510は、内部誤差Error_Iを使用することによって制御変数CV_Iを生成し、公知の方法に従って比例項(P)、積分項(I)、および微分項(D)を判定するように構成されている。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、内部PIDコントローラ2510は、装置本体100の装置システム2100内のコントローラ2105によって、またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200内の別個のコントローラとして具現化され得る。内部プロセス2520について、以下でより詳細に説明する。
【0145】
図25Aを参照すると、内部プロセス2520は、流れセンサー2220Aを駆動するためのプロセスである。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、内部プロセス2520は、駆動信号発生関数2522、流れセンサー2220A、および電圧温度変換関数2524を含む。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、駆動信号発生関数2522および電圧温度変換関数2524は、コントローラによって具現化され得る。例えば、駆動信号発生関数2522または電圧温度変換関数2524によって実施されるものとして本明細書に記載される動作は、コントローラ2105によって実施されるか、または制御され得る。別の例として、駆動信号発生関数2522または電圧温度変換関数2524によって実施されるものとして本明細書に記載される動作は、ポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれる別個のコントローラによって実施されるか、または制御されてもよい。
【0146】
流れセンサー2220Aは、駆動信号発生関数2522によって発生されるパルス幅変調(PWM)駆動信号2526によって駆動される。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、駆動信号発生関数2522は、電源2110を制御して、PWM駆動信号2526を発生し、PWM駆動信号を流れセンサー2220Aに印加する(例えば、ポッドの電気的/データインターフェース2120を介して)ことによって、PWM駆動信号2526を発生し、PWM駆動信号2526を流れセンサー2220Aに印加する。PWM駆動信号2526を流れセンサー2220Aに印加すると、流れセンサー2220Aの加熱素子が熱を蓄積し、したがって、加熱素子の温度が上昇する。例えば、
図25B~25Dは、PWM駆動信号2526の第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3を示す。第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3は、PWM駆動信号2526の電流の大きさが時間と共にどのように変化するかを示す。
図25B~25Dに示す実施例において、第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3の垂直軸は、PWM駆動信号2526の電流の大きさを示し、これは例えば、アンペア(A)またはミリアンペア(mA)で表され得る。
図25B~25Dに示す実施例において、第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3の水平軸は、時間を示し、これは例えば、秒(s)またはミリ秒(ms)で表され得る。
図25B~25Dに図示するように、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、PWM駆動信号2526は、高い値(H)と低い値(L)との間で振動する周期信号である。
図25B~25Dに図示する実施例では、第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3は、同じ周期である共通周期2540を共有する一方で、第一の例示的な波形2526-1~第三の例示的な波形2526-3の第一の負荷サイクル2550-1~第三の負荷サイクル2550-3は、それぞれ互いに異なっている。
【0147】
図25Aに戻って、駆動信号設定値2514は、駆動信号発生関数2522によって発生されるPWM駆動信号2526の負荷サイクルを制御することによって、流れセンサー2220Aの加熱素子に印加される電力のレベル(したがって、加熱素子によって発生する熱の量)を制御する。例えば、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、駆動信号発生関数2522は、PWM駆動信号2526の負荷サイクルが、内部PIDコントローラ2510から駆動信号発生関数2522に出力される駆動信号設定値2514が増大するにつれて増大し、PWM駆動信号2526の負荷サイクルが、内部PIDコントローラ2510から駆動信号発生関数2522に出力される駆動信号設定値2514が減少するにつれて減少するように、PWM駆動信号2526を発生する。
【0148】
例えば、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、内部PIDコントローラ2510は、上限および下限内となるように駆動信号設定値2514を生成してもよく、駆動信号発生関数2522は、PWM駆動信号2526の負荷サイクルが駆動信号設定値2514に比例するように、PWM駆動信号2526を発生してもよい。例えば、
図25B~25Dに図示するように、
図25Bの第一の例示的な波形2526-1の第一の負荷サイクル2550-1は、共通周期2540のおよそ50パーセントに対応し、
図25Cの第二の例示的な波形2526-2の第二の負荷サイクル2550-2は、共通周期2540のおよそ25パーセントに対応し、
図25Cの第三の例示的な波形2526-3の第三の負荷サイクル2550-3は、共通周期2540のおよそ75パーセントに対応する。したがって、駆動信号設定値2514の上限および下限は、それぞれ10.0および0.0であり、駆動信号発生関数2522は、駆動信号設定値2514が5.0であることに応答して、
図25Bの第一の例示的な波形2526-1の第一の負荷サイクル2550-1を発生し、駆動信号設定値2514が2.5であることに応答して、
図25Cの第二の例示的な波形2526-2の第二の負荷サイクル2550-2を発生し、駆動信号設定値2514が7.5であることに応答して、
図25Cの第三の例示的な波形2526-3の第三の負荷サイクル2550-3を発生し得る。10.0および0.0はそれぞれ、駆動信号設定値2514の上限および下限の例として提供されるが、駆動信号設定値2514の上限および下限は、値10.0および0.0に限定されず、任意の値に設定され得る。
【0149】
図25Aを参照すると、PWM駆動信号2526のレベルが高い時、流れセンサー2220Aの電圧である流れセンサー電圧2528が測定され得る。例えば、
図25B~25Dは各々、サンプル2530を示す。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、サンプル2530は各々、流れセンサー電圧2528をサンプリングする動作の例示的なタイミングを示す。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、流れセンサー電圧2528のサンプリングは、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラによって、実施または制御されてもよい。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、
図25B~25Dに図示するように、サンプル2530は、PWM駆動信号2526のレベルが高い(H)間は周期的に生じる場合があり、サンプル2530は、PWM駆動信号2526のレベルが低い(L)間は生じない場合がある。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、高い(H)時のPWM駆動信号2526の電流は公知であり、流れセンサー2220Aの加熱素子の温度と抵抗との間の関係も公知である。したがって、公知の方法(例えば、オームの法則を利用する)に従い、電圧温度変換関数2524は、流れセンサー電圧2528を流れセンサー温度2516に変換する。
【0150】
したがって、内部PID制御ループ2500によって制御されるプロセスは、内部プロセス2520であり、内部設定点SP_Iは、温度設定点2512であり、内部制御変数CV_Iは、駆動信号設定値2514であり、内部プロセス変数PV_Iは、流れセンサー温度2516である。
【0151】
結果として、
図25Aの内部PID制御ループ2500は、流れセンサー温度2516と温度設定点2512との間の差を低減するか、または最小化するように、駆動信号設定値2514を連続的に補正する(それによって、PWM駆動信号2526の負荷サイクル、したがって、流れセンサー2220Aの加熱素子によって生成される熱の量を変化させる)ように動作する。流れセンサー2220Aの発熱体を通過するまたは横切る空気の流量が増大するにつれて、流れる空気によって発熱体から熱が抽出される速度が増大する。流れる空気によって発熱体から熱が抽出される速度が増大するにつれて、加熱素子の温度を温度設定点2512に維持するために、加熱素子に印加されるべき電力のレベルも増大する。結果として、流れセンサー2220Aの加熱素子に印加される電力のレベルを測定または推定することによって、ニコチンeベイピング装置500(例えば、コントローラ2105およびポッドシステム2200のコントローラのうちの少なくとも一つ)は、流れセンサー2220Aの発熱体の周りを通過する空気の流量を測定または推定し、それによって、ニコチンeベイピング装置500およびポッドアセンブリ300のうちの少なくとも一つを通過する空気の流量を測定または推定することができる。
【0152】
しかしながら、流れセンサー2220Aの性能は、温度設定点2512が固定されたままである間に、流れセンサー2220Aの周囲温度が変化すると、悪影響を受ける場合がある。例えば、流れセンサー2220Aの周囲温度が上昇するシナリオでは、流れセンサー2220Aの加熱素子の温度もまた、例えば、加熱素子が、加熱素子のすぐ近くの空気から熱を受容することに起因して上昇し得る。加熱素子の温度が上昇するにつれて、加熱素子の抵抗(Ω)も増大する。したがって、流れセンサー2220Aから測定された流れセンサー電圧2528と、電圧温度変換関数2524によって生成される流れセンサー温度2516の両方の値も上昇する。さらに、例えば、流れセンサー温度2516が温度設定点2512を超える場合、結果として得られる内部誤差Error_Iの値により、内部PIDコントローラ2510は、流れセンサー2220Aの加熱素子に印加される電力のレベルを低減することによって(すなわち、PWM駆動信号2556の負荷サイクルを低減するように、駆動信号設定値2514を低減することによって)、流れセンサー温度2516を低下させるよう試みる。したがって、内部PIDコントローラ2510が、加熱素子に印加される電力レベルを、流れセンサー2220Aが確実に機能するために必要なレベル未満に低減させるよう試みるのに十分に内部誤差Error_Iが大きい場合、流れセンサー2220Aは、電力の欠如により応答しなくなり、したがって、流れ感知機能の実施が中止し得る。例えば、内部PIDコントローラ2510が、結果として生じるPWM駆動信号2556の負荷サイクルが、流れセンサー2220Aに十分な量の電力を提供するには低すぎる点まで駆動信号設定値2514を低減する場合、流れセンサー2220Aは、電力の欠如により応答しなくなり、したがって、流れ感知機能の実施が中止し得る。
【0153】
結果として、流れセンサー2220Aが適正に機能しなくなる上述のシナリオを回避するために、流れセンサー2220Aの周囲温度の変化に従って、
図25Aの内部PID制御ループ2500の温度設定点2512を変化させることは有益であり得る。一つの解決策は、流れセンサー2220Aの周囲温度を検出する専用の別個の温度センサーを採用することである。
【0154】
しかしながら、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、
図26の外部PID制御ループ2600を上述の
図25Aの内部PID制御ループ2500と併せて含むデュアル制御ループアーキテクチャは、流れセンサー2220Aの周囲温度の変化を追跡し、それに応じて温度設定点2512を調整する能力を有する。
図26の外部PID制御ループ2600について以下により詳細に説明する。
【0155】
図26を参照すると、外部PID制御ループ2600は、外部設定点SP_Oと外部プロセス2620から出力される外部プロセス変数PV_Oとの間の差に基づいて、外部誤差Error_Oを計算する。例えば、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラは、総和演算2618を実施することによって、外部設定点SP_Oと外部プロセス変数PV_Oとの間の差を判定し得る。
図26に図示した実施例では、総和演算2618は、外部誤差Error_Oとして、内部設定点SP_Iおよび外部プロセス変数PV_Oの反転(すなわち、負(-))バージョンの合計を計算することを含む。外部誤差Error_Oに基づいて、外部PIDコントローラ2610は、外部制御変数CV_Oに補正を適用し、次いでこれが、外部誤差Error_Oが低減されるか、あるいは最小化されるように、外部プロセス2620への入力として適用される。
図25Aの内部PID制御ループ2500の内部コントローラ2510を参照して上述したように、外部PIDコントローラ2610は、外部誤差Error_Oを使用することによって外部制御変数CV_Oを生成し、公知の方法に従って比例項(P)、積分項(I)、および微分項(D)を判定するように構成されている。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、外部PIDコントローラ2610は、装置本体100の装置システム2100内のコントローラ2105によって、またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200内の別個のコントローラとして具現化され得る。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、内部PIDコントローラ2510および外部PIDコントローラ2610は両方とも、装置本体100の装置システム2100内のコントローラ2105によって具現化されてもよく、両方とも、ポッドアセンブリ300のポッドシステム2200内の同じ単一のコントローラに具現化されてもよく、または各々が、例えば、ポッドアセンブリ300のポッドシステム2200内の二つのコントローラとして、別個のコントローラとして具現化されてもよい。
【0156】
図26に図示するように、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、外部PID制御ループ2600、外部プロセス2620によって制御されるプロセスは、
図25Aの内部PID制御ループ2500である。例えば、
図26に示すように、外部PID制御ループ2600の外部設定点SP_Oは、駆動信号設定値設定点2612であり、外部PID制御ループ2600の外部制御変数CV_Oは、内部PID制御ループ2500の温度設定点2512であり、外部PID制御ループ2600の外部プロセス変数PV_Oは、内部PID制御ループ2500の駆動信号設定値2514である。
【0157】
結果として、
図26の外部PID制御ループ2600は、内部PID制御ループ2500によって出力される駆動信号設定値2514と駆動信号設定値設定点2612との間の差を低減するか、または最小化するように、内部PID制御ループ2500に入力される温度設定点2512入力を連続的に補正するように動作する。さらに、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、外部PID制御ループ2600は、吸煙中に内部PID制御ループ2500に入力される温度設定点2512入力を調整しない。例えば、
図26に図示するように、外部PID制御ループ2600は、マルチプレクサ2650を含み得る。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、マルチプレクサ2650の機能は、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラによって実施されてもよい。さらに、
図26に図示するように、吸煙検出信号2640が、吸煙が発生していることを示す(すなわち、ニコチンeベイピング装置500またはポッドアセンブリ300の出口を通してニコチンベイパーが現在引き出されている、またはニコチンeベイピング装置500またはポッドアセンブリ300の出口に陰圧が現在印加されていることを示す)第一の論理値(例えば、高論理)を有する時、マルチプレクサ2650に入力される温度設定点2512の現在の値は、吸煙検出信号2640が、吸煙が現在発生していないことを示す(すなわち、ニコチンeベイピング装置500またはポッドアセンブリ300の出口を通してニコチンベイパーが現在引き出されていない、またはニコチンeベイピング装置500またはポッドアセンブリ300の出口に陰圧が現在印加されていないことを示す)第二の論理値(例えば、低論理)に移行するまで、内部PID制御ループ2500に提供される値として固定されてもよい。吸煙検出信号2640が、吸煙が現在発生していないことを示す第二の論理値(例えば、低論理)に移行する時、マルチプレクサ2650は、内部PID制御ループ2500への入力として外部PIDコントローラ2610によって出力される温度設定点2512を単に出力する。したがって、内部PID制御ループ2500の内部設定点SP_I(すなわち、温度設定点2512)は、吸煙が発生している間は固定値を有し、吸煙が発生していない間は可変値を有する。温度設定点2512が、吸煙が発生していない時に変化する態様は、以下でより詳細に説明する。
図27を参照して以下でより詳細に説明するように、吸煙検出信号2640は、吸煙検出信号発生器によって発生されてもよい。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、吸煙検出信号発生器は、コントローラ(例えば、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200内のコントローラ)である。
【0158】
図25Aを参照して上述するように、流れセンサー2220Aの周囲温度が上昇するにつれて、駆動信号設定値2514が低下し得る。しかしながら、外部PIDコントローラ2610は、駆動信号設定値2514が、流れセンサー2220Aが応答しなくなる点まで低下することを防止し得る。例えば、
図26を参照すると、駆動信号設定値2514が駆動信号設定点2612に対して低下するにつれて、外部誤差Error_Oの大きさが増大する。応答して、外部PIDコントローラ2610は、流れセンサー2220Aの周囲温度の変化に従って温度設定点2512を増大させることによって、外部誤差Error_Oを低減し、それによって駆動信号設定値2514を上昇させるように動作する。例えば、内部PIDコントローラ2510は、増大された温度設定点2512に応答して駆動信号設定値2514を増大させるが、これは、加熱素子の温度を新たに上昇された温度設定点2512に上昇させるために、追加の電力を流れセンサー2220Aの加熱素子に印加する必要があるからである。
【0159】
流れセンサー2220Aの周囲温度に応答して温度設定点2512を上昇させることに加えて、上記の例示的なシナリオで論じるように、外部PID制御ループ2600はまた、流れセンサー2220Aの周囲温度が低下するのに応答して、温度設定点2512を下げてもよい。例えば、流れセンサー2220Aの周囲温度が低下するシナリオでは、流れセンサー2220Aの加熱素子の温度もまた、例えば、加熱素子が、加熱素子のすぐ近くの空気へ熱を失うことに起因して低下し得る。加熱素子の温度が低下するにつれて、加熱素子の抵抗も低下する。したがって、流れセンサー2220Aから測定された流れセンサー電圧2528と、電圧温度変換関数2524によって生成される流れセンサー温度2516の両方の値も減少する。さらに、例えば、流れセンサー温度2516が温度設定点2512を下回る場合、結果として得られる内部誤差Error_Iの値により、内部PIDコントローラ2510は、流れセンサー2220Aの加熱素子に印加される電力のレベルを増大させることによって(すなわち、PWM駆動信号2556の負荷サイクルを増大するように、駆動信号設定値2514を増大させることによって)、流れセンサー温度2516を上昇させるよう試みる。さらに、駆動信号設定値2514が駆動信号設定値設定点2612に対して上昇するにつれて、外部誤差Error_Oの大きさが増大する。応答して、外部PIDコントローラ2610は、流れセンサー2220Aの周囲温度の変化に従って温度設定点2512を減少させることによって、外部誤差Error_Oの大きさを低減し、それによって駆動信号設定値2514を低下させるように動作する。例えば、内部PIDコントローラ2510は、減少された温度設定点2512に応答して駆動信号設定値2514を減少させるが、これは、加熱素子の温度を新たに減少された温度設定点2512に下げるために、流れセンサー2220Aの加熱素子に印加される電力のレベルを低減する必要があるからである。
【0160】
少なくとも一部の例示的な実施形態によると、駆動信号設定値設定点2612のレベルは、ニコチンeベイピング装置500およびポッドアセンブリ300のうちの少なくとも一つの設計者または製造業者の好みに従って設定され得る。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、駆動信号設定値設定点2612のレベルは、(例えば、装置本体100およびポッドアセンブリ300のうちの少なくとも一つにおいて)ニコチンeベイピング装置500の設計者または製造業者の好みに従って保存されてもよい。例えば、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、駆動信号設定値設定点2612のレベルは、HWA2220Aの周囲温度と、HWA2220Aの加熱素子の温度との間の所望のマージン(すなわち、吸煙が発生していない時)に従って設定されてもよい。
【0161】
結果として、外部PID制御ループ2600は、有利なことに、流れセンサー2220Aを使用して、流れセンサー2220Aの周囲温度を検出するために別個の温度センサーを実装する(例えば、ポッドアセンブリ300内に)必要なく、流れセンサー2220Aの周囲温度の変化に応じて変化するように温度設定点2512を制御し得る。少なくとも一部の例示的な実施形態によるHWAの動作方法の例を、
図27を参照して以下に説明する。
【0162】
図27は、少なくとも一部の例示的な実施形態によるHWAの動作方法を示すフローチャートである。
【0163】
図27を参照すると、工程S2710で、HWAの加熱素子の温度が判定される。例えば、
図25Aを参照して上述したように、コントローラ(例えば、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラ)は、流れセンサー電圧2528を測定する動作を実施または制御してもよく、電圧温度変換関数2424は、測定された流れセンサー電圧2528を、HWA2220Aの加熱素子の温度を表す、流れセンサー温度2516に変換してもよい。
【0164】
工程S2720では、ニコチンeベイピング装置によってHWAに印加される電力のレベルが、判定されたHWAの加熱素子の温度および温度設定点に基づいて制御される。例えば、
図25Aを参照して上述したように、内部PIDコントローラ2510は、温度設定点2512(すなわち、内部設定点SP_I)と流れセンサー温度2516(すなわち、内部プロセス変数PV_I)との間の差に基づいて、駆動信号設定値2514(すなわち、内部制御変数CV_I)を生成する。さらに、駆動信号設定値2514は、例えば、PWM駆動信号2526の負荷サイクルを制御することによって、流れセンサー2220Aの加熱素子に印加される電力レベルのレベルを制御する。
【0165】
工程S2730で、吸煙検出信号が発生される。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、吸煙検出信号2640は、駆動信号設定値2514および駆動信号設定値2514の勾配のうちの少なくとも一つを監視することによって、コントローラ(例えば、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラ)によって発生され得る。例えば、工程S730で、吸煙検出信号2640が、吸煙が現在発生していないことを示す値(例えば、低論理値または0)を有する間に、コントローラは、駆動信号設定値2514の現在のレベル(またはレベルのスライディングウインドウにわたる平均レベル)が吸煙開始レベル閾値を超えると判定すること、および駆動信号設定値2514の現在の勾配(または勾配のスライディングウインドウにわたる平均勾配)が吸煙開始勾配閾値を超えると判定すること、のうちの少なくとも一つに応答して、吸煙検出信号2640の値を、吸煙が現在発生していることを示す値(例えば、高論理値または1)に変化させ得る。さらに、工程S730で、吸煙検出信号が、吸煙が現在発生していることを示す値(例えば、高論理値または1)を有する間に、コントローラは、駆動信号設定値2514の現在のレベル(またはレベルのスライディングウインドウにわたる平均レベル)が吸煙終了レベル閾値を下回るよう低下したと判定すること、および駆動信号設定値2514の現在の勾配(または勾配のスライディングウインドウにわたる平均勾配)が吸煙終了勾配閾値を下回るよう低下したと判定すること、のうちの少なくとも一つに応答して、吸煙検出信号2640の値を、吸煙が現在発生していないことを示す値(例えば、低論理値または0)に変化させ得る。
【0166】
工程S2740で、吸煙が検出されるかどうかに関しての判定が行われる。例えば、工程S2730で発生された吸煙検出信号2640のレベルが、吸煙が検出されないことを示す場合(N)、方法は工程S2750に進む。
【0167】
工程S2750で、HWAの周囲温度の変化が検出されるかどうかに関しての判定が行われる。例えば、
図26に関して上述した方法で、外部PIDコントローラ2610は、外部誤差Error_Oの大きさの増大を検出することに基づいて、HWA2220Aの周囲温度が変化したと判定し得る。さらに、外部誤差Error_Oの標識は、外部PIDコントローラ2610に対して、HWA2220Aの周囲温度の変化の方向(例えば、増大または減少)を示し得る。工程S2750でHWA2220Aの周囲温度の変化が検出されない場合(N)、方法は終了する。工程S2750でHWA2220Aの周囲温度に変化が検出された場合(Y)、方法は工程S2760に進む。
【0168】
工程S2760で、温度設定点は、検出されたHWAの周囲温度の変化に応答して温度設定点が変化するように制御される。例えば、
図26に関して上述したように、外部PIDコントローラ2610は、HWA2220Aの周囲温度に従って温度設定点2512の値を変化させることによって、工程S2750で検出されたHWA2220Aの周囲温度の変化に応答し得る。例えば、外部PIDコントローラ2610は、HWA2220Aの周囲温度の上昇を検出するのに応答して、温度設定点2512を増大させてもよく、また、外部PIDコントローラ2610は、HWA2220Aの周囲温度の低下を検出するのに応答して、温度設定点2512を減少させてもよい。少なくとも一部の例示的な実施形態によると、工程S2760の後、方法は終了する。
【0169】
工程S2750に戻り、工程S2730で発生された吸煙検出信号2640のレベルが吸煙が検出されたことを示す場合(Y)、方法は工程S2770に進む。
【0170】
工程S2770で、HWAの周りに流れる空気の低い流量は、HWAに印加される電力のレベルに基づいて判定される。例えば、工程S2770で、コントローラ(例えば、コントローラ2105またはポッドアセンブリ300のポッドシステム2200に含まれるコントローラ)は、現在の駆動信号設定値2514に基づいて、HWAの周りに流れる空気の空気流量を判定し得る。具体的には、上述したように、HWA2220Aの加熱素子は、PWM駆動信号2526を介して加熱素子に電力を印加する結果として加熱される。さらに、加熱素子の温度は、加熱素子の抵抗(Ω)に影響を及ぼす。結果として、加熱素子の電圧(例えば、流れセンサー電圧2528)を使用して、加熱素子の温度(例えば、流れセンサー温度2516)が推定され得る。さらに、流れる空気の存在下では、熱は、流れる空気によってHWA2220Aの加熱素子から離れるように運ばれ、したがって、HWA2220Aの加熱素子に特定の温度を維持させるために必要な電力レベルを使用して、HWA2220Aの加熱素子の周りに流れる空気の空気流量を推定することができる。さらに、HWA2220Aの加熱素子に特定の温度を維持させるために必要な電力のレベルは、現在の駆動信号設定値2514に基づいて判定または推定されてもよく、これにより、HWA2220Aに印加されるPWM駆動信号2526の負荷サイクルを制御することによって、HWA2220Aの加熱素子に印加される電力の現在のレベルを制御する。結果として、コントローラ2105またはポッドシステム2200に含まれるコントローラは、現在の駆動信号設定値2514を使用して、HWA2220Aの加熱素子の周りに流れる空気の空気流量を判定または推定し得る。さらに、HWA2220Aの加熱素子の周りに流れる空気の空気流量は、ポッドアセンブリ300およびニコチンeベイピング装置500のうちの少なくとも一つを流れる空気の空気流量を示し得る。例えば、
図13および14を参照して上述したように、空気は、ベイピング中に、ポッド入口322を介してポッドアセンブリ300に入り、ポッド出口304を介してポッドアセンブリから出る。さらに、
図18~20を参照して上述したように、センサー364は、HWA2220Aであってもよく、またはHWA2220Aを含んでもよいため、HWA2220Aは、合流経路330c内に位置してもよい。さらに、
図18~20を参照して上述したように、合流経路330cは、ポッド入口322を通してポッドアセンブリ300内に引き込まれ、加熱チャンバーを通って移動し(例えば、モジュール出口368から入り、ベイパーチャネル316に出る)、ポッド出口304を介してポッドアセンブリ300を出る、空気の流路の一部分である。結果として、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、HWA2220Aの周りを流れる空気は、ポッド入口322およびポッド出口304を介して(例えば、吸煙中)、eベイピング装置500のポッドアセンブリ300を通って流れる空気であり、したがって、HWA2220Aの加熱素子の周りを流れる空気の空気流量は、ポッドアセンブリ300およびニコチンeベイピング装置500のうちの少なくとも一つを流れる空気の空気流量を示し得る。
【0171】
したがって、少なくとも一部の例示的な実施形態によると、
図25Aの内部PID制御ループ2500および
図26の外部PID制御ループ2600を含むデュアル制御ループアーキテクチャと共に、単一のHWA(例えば、HWA2220A)は、HWAの周囲温度を感知するために追加の温度センサーを実装する必要なく、(i)空気流量感知、(ii)吸煙検出、および(iii)空気流量感知を改善することを目的とした周囲温度追跡、のうちのいずれか、またはすべてを促進し得る。
【0172】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、他の変形物が可能でありうることが理解されるべきである。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】