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特表2023-511996エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジおよび当該カートリッジを備えるエアロゾル発生システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジおよび当該カートリッジを備えるエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230315BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230315BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20230315BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230315BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/46
A24F40/44
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545812
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2021051833
(87)【国際公開番号】W WO2021151927
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】20154181.0
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】タウリーノ イレーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィッチ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、30%~65%の空隙率を有する多孔性セラミック本体(302)を備える。カートリッジはまた、多孔性セラミック本体と係合するメッシュヒーター(304)を含み、メッシュヒーターは、複数の開口を含み、各開口は、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有する。メッシュヒーターは、ワイヤーおよび繊維のネットワークを含み、繊維はワイヤーとは異なる材料組成物を有する、ハイブリッドメッシュヒーターである。当該カートリッジを備えるエアロゾル発生システムも提供されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジであって、前記カートリッジが、
30%~65%の空隙率を有する多孔性セラミック本体と、前記多孔性セラミック本体と係合するメッシュヒーターであって、前記メッシュヒーターが、複数の開口を含み、各開口が、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有する、メッシュヒーターと、を備え、
前記メッシュヒーターが、ワイヤーおよび繊維のネットワークを含むハイブリッドメッシュヒーターであり、前記繊維が前記ワイヤーとは異なる材料組成物を有する、カートリッジ。
【請求項2】
使用時、液体エアロゾル形成基体が、毛細管作用によって前記多孔性セラミック本体から前記メッシュヒーターの前記開口の中に引き出される、請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記繊維が、ガラス繊維およびレーヨン繊維のうちの一方または両方を含む、請求項1または2のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記メッシュヒーターが、前記メッシュヒーターの面の実質的に全体にわたって前記多孔性セラミック本体と係合する、請求項1~3のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記メッシュヒーターが、前記メッシュヒーターの前記面の実質的に全体にわたって前記多孔性セラミック本体と接触する、請求項4に記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記多孔性セラミック本体が、2.5ミクロン~40ミクロンの平均細孔サイズを有する細孔を含む、請求項1~5のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記多孔性セラミック本体が、第一の部分および突起部を含む、請求項1~6のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記突起部が、前記第一の部分の周辺に位置し、前記第一の部分の前記周辺の実質的に全体の周りに延びる、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記多孔性セラミック本体が、それを通って延びるチャネルを含み、前記チャネルが、300ミクロン~800ミクロンの直径を有する、請求項1~8のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記多孔性セラミック本体と前記メッシュヒーターとの間に位置する金属のセグメントを備える、請求項1~9のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記メッシュヒーターが、前記多孔性セラミック本体と第二のセラミックの被覆層との間に位置する、請求項1~10のいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記メッシュヒーターが、前記第二のセラミックの前記被覆層によって前記多孔性セラミック本体に取り付けられる、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
エアロゾル発生装置および請求項1~12のいずれかに記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置が、前記メッシュヒーターに電力を供給して前記メッシュヒーターを抵抗加熱するように構成された電源を備える、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生装置が電源を備え、前記カートリッジまたは前記エアロゾル発生装置がインダクタを備え、前記電源および前記インダクタが、前記メッシュヒーターを誘導加熱するように構成されている、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジに関する。本発明はまた、当該カートリッジを備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。電池および制御電子機器を備えるエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体の供給および電気的に作動する気化器を備えるカートリッジとから成る、手持ち式の電気的に作動する喫煙システムが公知である。エアロゾル形成基体の供給および気化器の両方を備えるカートリッジは、時々「カトマイザー」と呼ばれる。気化器は典型的に、液体エアロゾル形成基体に浸された細長い芯の周りに巻かれたヒーターワイヤーのコイルを備える。カートリッジ部分は、一般にエアロゾル形成基体の供給および電気的に作動する気化器だけでなく、ユーザーが使用時にエアロゾルを自分の口の中に引き出すために吸うマウスピースも含む。
【0003】
しかしながら、これらのカートリッジは製造するのが比較的高価であり得る。これは、芯およびコイル組立品の製造が困難であり得るためである。また、ヒーターワイヤーのコイルと電流が装置部分から供給される電気接点との間の電気接点は、製造中に繊細に取り扱いされなければならない。さらに、これらのカートリッジは、搬送中に繊細な芯およびコイル組立品を保護するためのマウスピース部分を含む。各カートリッジに完全かつ頑丈なマウスピースを含めることは、各カートリッジの材料コストが高いことを意味する。
【0004】
製造が簡単かつ安価であり、頑丈である、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジを提供することが望ましい。また、公知のカートリッジよりも効率的なエアロゾル発生を提供できるカートリッジを提供することが望ましい。また、こうしたカートリッジを組み込んだエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示によると、カートリッジが提供されている。カートリッジは、エアロゾル発生システムでの使用に適切であり得る。カートリッジは、多孔性セラミック本体を備え得る。多孔性セラミック本体は、30%~65%の空隙率を有してもよい。カートリッジは、メッシュヒーターを備え得る。メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体と係合し得る。メッシュヒーターは、複数の開口を含み得る。開口は各々、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有してもよい。
【0006】
本開示の第一の実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、30%~65%の空隙率を有する多孔性セラミック本体を備える。カートリッジは、多孔性セラミック本体と係合するメッシュヒーターを備える。メッシュヒーターは、複数の開口を含み、各開口は、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有する。
【0007】
本開示の第二の実施形態によると、エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジが提供されている。カートリッジは、多孔性セラミック本体と、多孔性セラミック本体と係合するメッシュヒーターとを備える。メッシュヒーターは、ワイヤーおよび繊維のネットワークを含み、繊維はワイヤーとは異なる材料組成物を有する、ハイブリッドメッシュヒーターである。
【0008】
第二の実施形態のカートリッジでは、多孔性セラミック本体は、30%~65%の空隙率を有してもよい。メッシュヒーターは、複数の開口を含み得る。開口は各々、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有してもよい。
【0009】
カートリッジに関連して以下に記載する特徴は、第一の実施形態のカートリッジおよび第二の実施形態のカートリッジに適用可能である。
【0010】
使用時、メッシュヒーターは、液体エアロゾル形成基体を加熱し得る。メッシュヒーターは、液体エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル、またはその後にエアロゾルを形成する蒸気を形成し得る。有利なことに、メッシュヒーターは、効率的なエアロゾル発生を提供し得る。
【0011】
多孔性セラミック本体の空隙率は、多孔性セラミック本体が液体エアロゾル形成基体を保持することを可能にし得る。多孔性セラミック本体は、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.5、または1mlの液体エアロゾル形成基体を保持してもよく、または保持するよう構成されてもよい。
【0012】
各開口は、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有する。液体エアロゾル形成基体は、メッシュヒーターの開口の中に引き出されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体からメッシュヒーターの開口の中に引き出されてもよい。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用またはウィッキングによってメッシュヒーターの開口の中に引き出されてもよい。有利なことに、これは、例えば、多孔性セラミック本体からメッシュヒーターの開口の中への液体エアロゾル形成基体の搬送を改善し得る。
【0013】
メッシュヒーターは、固体材料、例えば、ワイヤーによって囲まれた開口の配設を含み得る。メッシュヒーターの各開口は、毛細管チャネルとして作用し、それ故に、液体エアロゾル形成基体を開口の中に引き出し得る。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用またはウィッキングによって開口の中に引き出されてもよい。したがって、メッシュヒーターの各開口は、液体エアロゾル形成基体によって実質的に完全に占められ得る。これは、例えば、大きな開口が存在する場合には当てはまらない場合がある。大きな開口が存在する場合、液体エアロゾル形成基体は、各開口を囲む固体材料上に薄い層を形成するのみであり得る。液体エアロゾル形成基体によって開口を実質的に完全に占めることは、本発明におけるエアロゾル発生の効率改善に寄与する。
【0014】
有利なことに、本発明者らは、30%~65%の空隙率を有する多孔性セラミック本体と、各々50ミクロン~200ミクロンの寸法を有するメッシュヒーターの開口は、特に、多孔性セラミック本体を通したメッシュヒーターの開口への液体エアロゾル形成基体の効率的な搬送を可能にし、また特に、メッシュヒーターによる加熱に伴う効率的なエアロゾル発生を可能にすることを見出した。理論に束縛されることを望むものではないが、30%~65%の空隙率を有する多孔性セラミック本体と、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有するメッシュヒーターの開口との間には、ある程度の相乗効果があり、これにより、液体エアロゾル形成基体のこうした効率的な搬送が提供されると考えられる。
【0015】
本明細書で使用される「エアロゾル」という用語は、気体中の固体微粒子、または液滴、または固体微粒子と液滴の組み合わせの分散を指す。エアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよい。エアロゾルは、室温において通常は液体または固体である物質の蒸気だけでなく、固体粒子もしくは液体の液滴、または固体粒子および液体の液滴の組み合わせも含んでもよい。
【0016】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を指す。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱する、または燃焼することによって放出されてもよい。
【0017】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料を含んでもよい。たばこ含有材料は、揮発性たばこ風味化合物を含有してもよい。これらの化合物は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出され得る。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および、風味剤などの成分を含んでもよい。
【0018】
本明細書で使用される「開口の寸法」という用語は、開口の二つの対向する表面の間で測定される寸法を指す。したがって、例えば、開口がワイヤーによって囲まれる場合、開口の寸法は、ワイヤーの厚さを含まない。寸法は、開口の断面の重心を通過し得る。例えば、開口が実質的に正方形の断面を有する場合、開口の寸法は、正方形の辺長であり得る。開口が実質的に円形の断面を有する場合、開口の寸法は、円の直径であり得る。開口が実質的に長方形の断面を有する場合、開口の寸法は、長方形の長辺長、または短辺長であり得る。開口が不規則な断面を有する場合、開口の寸法は平均の開口部寸法であり得る。本明細書で言及される開口の寸法は、顕微鏡を使用して測定されたが、任意の適切な方法が使用されてもよい。
【0019】
本明細書で使用される「空隙率」という用語は、アクセス可能な細孔、または空のスペースの体積を本体の総体積で割った、パーセンテージで表される尺度を指す。本明細書で言及される空隙率は、水銀ポロシメトリーによって測定された。
【0020】
異なる形状およびサイズの細孔が、多孔性セラミック本体内に存在してもよい。細孔サイズ分布は、所与の点において細孔の内部に嵌合することができる最大球の直径の統計的分布として定義される。本明細書で使用される「平均細孔サイズ」という用語は、この細孔サイズ分布の平均を指す。本明細書で言及される細孔サイズは、水銀ポロシメトリーを使用して得られた。
【0021】
本明細書で使用される「メッシュヒーター」という用語は、加熱され得る固体材料の配設を含むヒーターを指す。固体材料は、それを通って延びる複数の開口を有するように配設される。メッシュヒーターは、例えば、ワイヤーのネットワーク、または穿孔されたシートを含み得る。メッシュヒーターは、任意の適切な方法によって加熱され得る。例えば、メッシュヒーター、またはその一部は、抵抗加熱または誘導加熱されてもよい。
【0022】
本明細書で使用される「毛細管作用」という用語は、重力のような外力の助けなく、または外力に対抗してさえ、狭いスペース内に液体が流れる能力を指す。毛細管作用、またはウィッキングの効果は、薄い管内および多孔性材料内への液体の吸い上げに見ることができる。
【0023】
本明細書で使用される「バルク液体エアロゾル形成基体移動方向」という用語は、液体エアロゾル形成基体の正味の移動方向を指す。
【0024】
本明細書で使用される「平面状の」という用語は、実質的に二次元を意味するために使用される。平面状の構成要素は、第一の方向および第二の方向に対して直角を成す第三の方向よりも、第一の方向および第一の方向に対して直角を成す第二の方向に、少なくとも2倍、5倍、または10倍さらに延び得る。
【0025】
本明細書で使用される「平坦な」という用語は、実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドを指すために使用される。従って、平坦なメッシュヒーターは、二次元において、三次元よりも実質的に大きく表面に沿って延びる。表面内の二次元における平坦なメッシュヒーターの寸法は、表面に対して垂直な三次元におけるよりも少なくとも2倍、5倍、または10倍大きい場合がある。実質的に平坦なメッシュヒーターの例は、二つの実質的に平行な表面間の構造であって、これらの二つの仮想表面間の距離はその表面内の延長よりも実質的に小さい。一部の実施形態において、実質的に平坦なメッシュヒーターは平面状である。その他の実施形態において、実質的に平坦なメッシュヒーターは一つ以上の寸法に沿って湾曲しており、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。実施形態では、実質的に平坦なメッシュヒーターは、多孔性セラミック本体の表面と係合し得る。
【0026】
本明細書で使用される「ヒーター組立品」という用語は、カートリッジのメッシュヒーターおよび多孔性セラミック本体を指す。
【0027】
本明細書で使用される「平均」という用語は、別段の指定がない限り、非加重平均値を指す。したがって、5本のワイヤーの「平均」直径は、5本のワイヤーの直径の合計の5分の1に等しい。
【0028】
多孔性セラミック本体は、30%~65%の空隙率を有する。多孔性セラミック本体は、60%、55%、50%、または45%未満の空隙率を有してもよい。別の方法として、または追加的に、多孔性セラミック本体は、35%、40%、または45%より大きい空隙率を有してもよい。例えば、多孔性セラミック本体は、30%~60%、または30%~55%、または30%~50%、または35%~65%、または35%~60%、または35%~55%、または35%~50%、または40%~65%、または40%~60%、または40%~55%の空隙率を有してもよい。
【0029】
多孔性セラミック本体は、使用時に、液体エアロゾル形成基体の所与の流量をメッシュヒーターに供給するように構成され得る。例えば、多孔性セラミック本体は、使用時に、少なくとも0.2、0.5、または1マイクロリットル/秒の液体エアロゾル形成基体をメッシュヒーターに供給するように構成され得る。多孔性セラミック本体は、使用時に、3、5、または10マイクロリットル/秒未満の液体エアロゾル形成基体をメッシュヒーターに供給するように構成され得る。多孔性セラミック本体は、使用時に、1~3マイクロリットル/秒の液体エアロゾル形成基体をメッシュヒーターに供給するように構成され得る。
【0030】
「多孔性セラミック本体」という用語は、セラミック構成要素の一部分または全体を指し得る。例えば、多孔性セラミック本体という用語は、液体エアロゾル形成基体が保持されるか、またはメッシュヒーターに搬送されるセラミック構成要素の一部分のみを指し得る。
【0031】
メッシュヒーターの開口は各々、50~150ミクロン、または50~100ミクロン、または60~80ミクロン、または約70ミクロンの寸法を有してもよい。
【0032】
使用時、液体エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体からメッシュヒーターの開口の中に引き出され得る。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によってメッシュヒーターの開口の中に引き出され得る。
【0033】
メッシュヒーターは、実質的に平坦であってもよい。メッシュヒーターは、実質的に平面状であってもよい。有利なことに、平坦または平面状のメッシュヒーターは、製造中の取り扱いが容易であり、頑丈なヒーター組立品構造を提供し得る。
【0034】
使用時、バルク液体エアロゾル形成基体移動方向は、メッシュヒーターの平面に対して実質的に直角を成してもよい。これにより、有利なことに、メッシュヒーターの開口の中への液体エアロゾル形成基体の搬送が改善され得る。
【0035】
メッシュヒーターの一部分またはすべては、多孔性セラミック本体の第一の表面に実質的に平行であってもよい。有利なことに、これは、多孔性セラミック本体の細孔から、例えば、多孔性セラミック本体の第一の表面の細孔開口部から、メッシュヒーターの開口の中への液体エアロゾル形成基体の搬送を改善し得る。
【0036】
メッシュヒーター、またはその一部分は、多孔性セラミック本体または多孔性セラミック本体の第一の表面に隣接する、それらに対して固定される、それらに係合される、およびそれらに取り付けられる、のうちの一つ以上であり得る。例えば、メッシュヒーター、またはその一部分は、多孔性セラミック本体に埋め込まれてもよい。メッシュヒーター、またはその一部分が多孔性セラミック本体に埋め込まれている場合、第一の表面は、多孔性セラミック本体の外面ではない場合がある。本明細書で使用される「と係合する」という用語は、固定(fixed)、固定(secured)、取り付け、または接着されることを意味するために使用され得る。
【0037】
メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体と可逆的に係合され得る。メッシュヒーターを多孔性ラミック本体と係合すること、および多孔性セラミック本体からメッシュヒーターの係合を外すことが可能であり得る。別の方法として、メッシュヒーターは、メッシュヒーターと不可逆的に係合されてもよい。
【0038】
多孔性セラミック本体と係合する時、メッシュヒーターの位置は固定されてもよい。多孔性セラミック本体と係合する時、メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体に隣接、または接触してもよい。
【0039】
メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体に取り付けられてもよい。メッシュヒーターは、任意の適切な手段によって多孔性セラミック本体に取り付けられてもよい。メッシュヒーターは、一つ以上のはんだ点、クリップまたはボルトなどの一つ以上の機械的留め具、およびセラミックの被覆層のうちの一つ以上によって多孔性セラミック本体に取り付けられ得る。メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体に埋め込まれてもよい。
【0040】
多孔性セラミック本体は、第一の表面と実質的に対向する第二の表面を含み得る。使用時、液体エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体を通して第二の表面から第一の表面に移動し得る。液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によって多孔性セラミック本体を通して移動し得る。別の方法として、または追加的に、多孔性セラミック本体またはメッシュヒーターを通過する、横切る、またはその周りの空気流が、多孔性セラミック本体に局所的な圧力勾配を引き起こし、これにより多孔性セラミック本体を通した液体エアロゾル形成基体の移動を補助してもよい。
【0041】
多孔性セラミック本体は、液体エアロゾル形成基体を吸収するか、または吸収するように構成され得る。例えば、多孔性セラミック本体は、少なくとも0.01、0.02、0.05、0.1、または0.5mlの液体エアロゾル形成基体を吸収するか、または吸収するように構成され得る。
【0042】
カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素を備え得る。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵し得る。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、多孔性セラミック本体、例えば、多孔性セラミック本体の第二の表面と流体連通してもよい。
【0043】
液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、液体エアロゾル形成基体の貯蔵部またはタンクを含み得る。多孔性セラミック本体は、液体エアロゾル形成基体の貯蔵部と流体連通するか、またはこれと接触してもよい。
【0044】
液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、液体エアロゾル形成基体で浸された材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、多孔性セラミック本体に液体を運ぶように位置付けられてもよい。
【0045】
液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、繊維性構造または海綿状構造を有してもよい。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、毛細管材料を含み得る。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、毛細管の束を含み得る。例えば、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、複数の繊維もしくは糸、または微細管のうちの一つ以上を含み得る。繊維、糸、または管は概して、液体を多孔性セラミック本体に運ぶように整列していてもよい。
【0046】
液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、海綿体様材料、または発泡体様材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素の構造は、複数の小さな穴または管を形成してもよく、これを通して毛細管作用によって液体を搬送することができる。
【0047】
液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含み得る。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、異なる液体物理特性で使用されるように、適切な任意の毛細管現象および空隙率を有し得る。
【0048】
カートリッジは、液体エアロゾル形成基体で浸された液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素を備え得る。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、多孔性セラミック本体と接触してもよい。多孔性セラミック本体は、第一の部分を含み得る。多孔性セラミック本体の第一の部分は、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素とメッシュヒーターとの間に位置してもよい。多孔性セラミック本体の第一の部分は、第一の表面および第二の表面を含み得る。第二の表面は、第一の表面に対向し得る。メッシュヒーターは、第一の表面と係合してもよい。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、第二の表面と接触してもよい。メッシュヒーターは、金属、例えば、ステンレス鋼などの鋼を含み得る。
【0049】
メッシュヒーターの面積は、50、40、または30mm2未満であってもよい。これにより、メッシュヒーターを手持ち式システムに組み込むことが可能になり得る。
【0050】
メッシュヒーターは、ワイヤーのネットワークを含み得る。ワイヤーは織り合わされてもよい。メッシュヒーターは、織られた、または織られていないワイヤーメッシュを含み得る。ワイヤーは、導電性であってもよい。
【0051】
ワイヤーは、単一の平面に置かれてもよい。メッシュヒーターは、平面状であってもよい。平面状のメッシュヒーターは、製造中の取り扱いが簡単であり、頑丈な構造を提供することができる。
【0052】
開口は、ワイヤーによって囲まれて画定されてもよい。ワイヤーは、実質的に円形、正方形、長方形、六角形または不規則な断面を有してもよい。
【0053】
ワイヤーは、個別に形成されて、一緒に編まれてもよい。ワイヤーは、箔などのシート材料をエッチングすることによって形成されてもよい。これは、メッシュヒーターが平行なワイヤーのアレイを含む場合に、特に有利であり得る。別の方法として、ワイヤーは、例えばステンレス鋼など導電性の箔からスタンピングされてもよい。
【0054】
メッシュヒーター、またはワイヤーは、適切な電気的特性および機械的特性を有する任意の材料を含んでもよく、またはそれから形成されてもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が含まれる。適切な合金の例には、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が含まれる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。ワイヤーは、一つ以上の電気絶縁体で被覆されてもよい。メッシュヒーターまたはワイヤーの好ましい材料は、304、316、304L,316Lステンレス鋼、および黒鉛であってもよい。追加的に、メッシュヒーターまたはワイヤーは、上記の材料の組み合わせを含んでもよい。メッシュヒーターの抵抗の制御を改善するために、材料の組み合わせが使用されてもよい。例えば、高い比抵抗を有する材料を、低い比抵抗を有する材料と組み合わせてもよい。これは、材料のうちの一つが他の観点、例えば価格、機械加工性、またはその他の物理的および化学的パラメータの観点から、より有益である場合に、有利である場合がある。
【0055】
メッシュヒーターは、第一の材料から作製された少なくとも一つのワイヤーと、第一の材料とは異なる第二の材料から作製された少なくとも一つのワイヤーとを含んでもよい。これは、電気的なまたは機械的な理由から有益である場合がある。例えば、一つ以上のワイヤーは、鉄アルミニウム合金など、温度で著しく異なる抵抗を有する材料から形成されていてもよい。これは、温度または温度変化を決定するために使用されるワイヤーの抵抗の測定を可能にする。これは、吸煙検出システム内で使用することができ、かつヒーター温度を望ましい温度範囲内に保つためにヒーター温度を制御するために使用することができる。急激な温度の変化も、ユーザーがシステムを吸煙した結果もたらされるメッシュヒーターを通過する空気流の変化を検出する手段として使用されてもよい。
【0056】
メッシュヒーターは、ワイヤーメッシュ内に形成される二つ以上のタイプのワイヤーを含み得る。二つのタイプのワイヤーは、異なる比抵抗を有してもよい。高い比抵抗を有するワイヤーは、電流の流れる方向に配向されることが好ましく、例えば、ニッケルクロム合金製ワイヤーである。低い比抵抗を有するワイヤーは、高い比抵抗を有するワイヤーに対して実質的に直角を成して配設され得る。例えば、低抵抗ワイヤーはステンレス鋼ワイヤーとしうる。有利なことに、比較的安価な低抵抗のワイヤーは、高い電気抵抗を持つワイヤーのためのサポートを形成する。さらに、高い電気抵抗を有するワイヤーは一般に、ステンレス鋼ワイヤーよりも可鍛性が小さく、それ故に、細いワイヤーに製造しにくい。
【0057】
別の方法として、メッシュヒーターは、炭素糸の織物を含んでもよい。有利なことに、炭素糸の織物は一般に、金属メッシュよりも可撓性が高い。
【0058】
ワイヤーは、少なくとも10、16、17、または30ミクロンの平均直径を有してもよい。ワイヤーは、100、90、80、70、60、50、40、または30ミクロン未満の平均直径を有してもよい。ワイヤーは、15~30ミクロン、または15~20ミクロン、例えば、約16または17ミクロンの平均直径を有し得ることが好ましい。
【0059】
ワイヤーは各々、少なくとも10、16、17、または30ミクロンの最小厚さを有してもよい。ワイヤーは各々、100、90、80、70、60、50、40、または30ミクロン未満の最小厚さを有してもよい。
【0060】
メッシュヒーターは、ハイブリッドメッシュヒーターであってもよい。本明細書で使用される「ハイブリッドメッシュヒーター」という用語は、少なくとも一つのワイヤーおよび少なくとも一つの繊維を含むメッシュヒーターを指すために使用される。メッシュヒーターは、ワイヤーおよび繊維のネットワークを含み得る。上述のワイヤーの特徴および特性は、ハイブリッドメッシュヒーターのワイヤーに等しく適用可能である。
【0061】
繊維は、ワイヤーとは異なる材料組成物を有してもよい。ワイヤーおよび繊維は、織り合わされてもよい。したがって、メッシュヒーターは、織られたワイヤーおよび繊維メッシュを含み得る。繊維は、ワイヤーの平均直径の80%~120%の平均直径を有してもよい。ワイヤーおよび繊維は、実質的に同一の平均直径を有してもよい。
【0062】
ワイヤーは、繊維に対して実質的に直角を成してもよい。
【0063】
繊維は、少なくとも10、16、17、または30ミクロンの平均直径を有してもよい。繊維は、100、90、80、70、60、50、40、または30ミクロン未満の平均直径を有してもよい。繊維は、15~30ミクロン、または15~20ミクロン、例えば、約16または17ミクロンの平均直径を有し得ることが好ましい。繊維は、ガラス繊維を含んでもよい。繊維は、レーヨン繊維を含んでもよい。
【0064】
繊維は各々、少なくとも10、16、17、または30ミクロンの最小厚さを有してもよい。繊維は各々、100、90、80、70、60、50、40、または30ミクロン未満の最小厚さを有してもよい。
【0065】
メッシュヒーターの厚さは、少なくとも30、40、または48ミクロンであってもよい。メッシュヒーターがワイヤー、またはワイヤーおよび繊維を含む場合、メッシュヒーターの厚さは、ワイヤーまたは繊維の平均直径のおよそ3倍であり得る。例えば、メッシュヒーターの厚さは、ワイヤーまたは繊維の平均直径の2.5~3.5倍であってもよい。メッシュヒーターの厚さは、300、250、200、150、または100ミクロン未満であってもよい。メッシュヒーターの厚さは、45~100、または45~80、または45~60ミクロンであってもよい。
【0066】
メッシュヒーターは、シートを含み得る。シートは、金属製であってもよい。シートは、ステンレス鋼などの金属を含んでもよい。シートは、複数の開口を含んでもよい。シートは、穿孔されてもよい。複数の開口は、シートに穿孔を含み得る。シートは、加熱トラックを含んでもよく、または加熱トラックはシート上に配置されてもよい。本明細書で使用される「加熱トラック」という用語は、使用時に加熱されるよう構成された材料のトラック、経路、またはセクションを指すために使用される。例えば、使用時、加熱トラックを抵抗加熱するために、電流が加熱トラックを通過し得る。この場合、加熱トラックは導電性材料を含んでもよい。別の方法として、加熱トラックは、サセプタ材料を含んでもよく、使用時に、加熱トラックが誘導加熱されてもよい。
【0067】
メッシュヒーターは、メッシュヒーターの面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体、または多孔性セラミック本体の第一の表面と係合されてもよい。メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体または多孔性セラミック本体の第一の表面と接触してもよい。メッシュヒーターは、メッシュヒーターの面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体、または多孔性セラミック本体の第一の表面と接触してもよい。メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体とメッシュヒーターとの間に500、300、100、75、50、または25ミクロンを超える間隔がある点がないように、多孔性セラミック本体、または多孔性セラミック本体の第一の表面と係合されてもよい。メッシュヒーターのすべての点は、多孔性セラミック本体上または多孔性セラミック本体の第一の表面上の少なくとも一つの点の500、300、100、75、50、または25ミクロン以内であってもよい。有利なことに、メッシュヒーターと多孔性セラミック本体との間の任意の間隔を最小化することにより、多孔性セラミック本体からメッシュヒーターの開口の中への液体エアロゾル形成基体の搬送が改善され得る。
【0068】
多孔性セラミック本体は、比較的低い熱膨張の線形係数、例えば、摂氏25度において30、20、または10x10-6m/(mK)未満の熱膨張の線形係数を有する材料を含み得る。有利なことに、熱膨張の係数が低いと、多孔性セラミック本体がメッシュヒーターによって加熱された時に、多孔性セラミック本体からの粒子が本体から離脱するリスクが減少し得る。メッシュヒーターが多孔性セラミック本体と接触している場合、このリスクは、メッシュヒーターと多孔性セラミック本体との間の接触点において特に高くなり得る。
【0069】
多孔性セラミック本体は、摂氏25度におけるメッシュヒーターの熱膨張の線形係数の30%~300%である、摂氏25度における熱膨張の線形係数を有する材料を含み得る。有利なことに、これは、多孔性セラミック本体がメッシュヒーターによって加熱された時に、多孔性セラミック本体からの粒子が本体から離脱するリスクを低減し得る。
【0070】
多孔性セラミック本体は、ステアタイト、アルミナ、およびジルコニアのうちの一つ以上を含み得る。有利なことに、これらの材料は化学的に安定しており、比較的低い熱膨張の係数を有する。
【0071】
多孔性セラミック本体は、40、30、20、10、または8ミクロン未満の平均細孔サイズを有する細孔を含み得る。多孔性セラミック本体は、2.5、5、10、または20ミクロンより大きい平均細孔サイズを有する細孔を含み得る。多孔性セラミック本体は、2.5~40ミクロン、または2.5~30ミクロン、または2.5~20ミクロン、または2.5~10ミクロン、または2.5~8ミクロン、または5~40ミクロン、または5~30ミクロン、または5~20ミクロン、または5~10ミクロン、または10~40ミクロン、または10~30ミクロン、または10~20ミクロン、または20~40ミクロン、または20~30ミクロン、または30~40ミクロンの平均細孔サイズを有する細孔を含み得る。
【0072】
好ましい多孔性セラミック本体は、30%~60%の空隙率を有してもよく、5~30ミクロンの平均細孔サイズを有する細孔を有してもよい。特に好ましい多孔性セラミック本体は、40%~60%の空隙率を有してもよく、5~10ミクロンの平均細孔サイズを有する細孔を有してもよい。別の特に好ましい多孔性セラミック本体は、30%~40%の空隙率を有してもよく、20~30ミクロンの平均細孔サイズを有する細孔を有してもよい。
【0073】
多孔性セラミック本体は、第一の部分および突起部を含んでもよい。突起部は、第一の部分の周辺に位置してもよい。突起部は、第一の部分の周辺の実質的に全体の周りに延び得る。突起部は、第一の部分の表面から実質的に直角を成して延びてもよい。有利なことに、突起部によって、多孔性セラミック本体が、破損することなく、製造および組立の間に大きな力に耐えることが可能になり得る。
【0074】
第一の部分は、長さ、長さに対して直角を成す幅、および長さおよび幅に対して直角を成す厚さを含み得る。長さおよび幅は、厚さの少なくとも2倍、3倍、または5倍であってもよい。
【0075】
第一の部分は、実質的に円形の断面を有し得る。第一の部分は、直径および厚さを有してもよい。直径は、厚さの少なくとも2倍、3倍、または5倍であってもよい。
【0076】
第一の部分は、少なくとも1、1.5、2、または2.5mmの厚さを有してもよい。有利なことに、より大きな厚さは、多孔性セラミック本体の第一の部分の強度を改善し得る。第一の部分は、6、5、または4mm未満の厚さを有してもよい。有利なことに、小さな厚さは、第一の部分のウィッキング能力を改善し、それ故に、第一の部分を通した液体エアロゾル形成基体の搬送を改善し得る。したがって、第一の部分は、1~6mm、または1~5mm、または1.5~5mm、または1.5~4mmの厚さを有し得る。
【0077】
突起部は、少なくとも1、1.5、2、または2.5mmの幅を有してもよい。突起部は、6、5、または4mm未満の幅を有してもよい。したがって、突起部は、1~6mm、または1~5mm、または1.5~5mm、または1.5~4mmの幅を有し得る。突起部の幅は、第一の部分の厚さの50%~150%であってもよい。
【0078】
多孔性セラミック本体の第一の部分は、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素とメッシュヒーターとの間に位置してもよい。多孔性セラミック本体の第一の部分は、第一の表面および第二の表面を含み得る。第二の表面は、第一の表面に対向し得る。メッシュヒーターは、第一の表面と係合してもよい。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、第二の表面と接触してもよい。突起部は、第二の表面から延びてもよい。突起部は、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素を取り囲んでもよい。
【0079】
多孔性セラミック本体は、それを通って延びるチャネルを含み得る。多孔性セラミック本体の第一の部分は、チャネルを含み得る。チャネルは、第一の部分を通して延び得る。チャネルは、実質的に第一の部分の厚さ方向に延びてもよい。メッシュヒーターは、実質的に平坦または平面状であってもよく、チャネルは、メッシュヒーターの平面に対して実質的に直角を成して延び得る。チャネルは、少なくとも300、400、または500ミクロンの直径を有してもよい。チャネルは、800、700、または600ミクロン未満の直径を有してもよい。有利なことに、チャネルは、多孔性セラミック本体の空隙率を増大させ得る。これにより、多孔性セラミック本体が、より多くの液体エアロゾル形成基体を保持することが可能になり得る。さらに、チャネルは、多孔性セラミック本体のウィッキング能力を改善し得る。したがって、チャネルは、多孔性セラミック本体を通した液体エアロゾル形成基体の搬送を改善し得る。
【0080】
メッシュヒーターは、はんだ点または複数のはんだ点によって多孔性セラミック本体に取り付けられ得る。はんだ点または複数のはんだ点は、銀またはスズを含み得る。
【0081】
メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体とメッシュヒーターとの間に金属のセグメントまたは複数のセグメントを提供し(例えば、金属のセグメントを多孔性セラミック本体に適用することによって、またはメッシュヒーターを金属で被覆することによって)、メッシュヒーターを多孔性セラミック本体と係合させて位置させ、随意に、メッシュヒーターおよび多孔性セラミック本体を互いに向かって強制する間に、金属のセグメントを溶融し、金属のセグメントを固化することによって、多孔性セラミック本体に取り付けられ得る。金属のセグメントが固化するにつれて、金属のセグメントが多孔性セラミック本体をメッシュヒーターに接着する。
【0082】
メッシュヒーターは、メッシュヒーターと多孔性セラミック本体との間に金属のセグメントまたは複数のセグメントを提供し(例えば、金属のセグメントを多孔性セラミック本体に適用することによって、またはメッシュヒーターを金属で被覆することによって)、随意に、金属のセグメントを加熱する間に、メッシュヒーターおよび多孔性セラミック本体を互いに向かって強制することによって、多孔性セラミック本体に取り付けられ得る。金属のセグメントは、多孔性セラミック本体をメッシュヒーターに接着し得る。
【0083】
複数の金属のセグメントが使用される場合、これらのセグメントは、間隙を介してもよく、例えば、メッシュヒーターの平面内に隔置されてもよい。一つ以上のセグメントは、多孔性セラミック本体上またはメッシュヒーター上のブロブまたは金属の一部分であってもよく、またはこれらを含んでもよい。したがって、多孔性セラミック本体上、またはメッシュヒーター上、または多孔性セラミック本体上およびメッシュヒーター上の両方に、複数の隔置されたブロブまたは金属の一部分が存在し得る。
【0084】
したがって、上述のようにメッシュヒーターを多孔性セラミック本体に取り付けることによって、カートリッジは、多孔性セラミック本体とメッシュヒーターとの間に金属のセグメントを含み得る。金属のセグメントは、銀またはスズを含み得る。しかしながら、カートリッジは、別の理由から、多孔性セラミック本体とメッシュヒーターとの間に金属のセグメントを備え得ることに留意されるべきである。
【0085】
金属のセグメントは、多孔性セラミック本体をメッシュヒーターに接着し得る。金属のセグメントは、銀またはスズを含み得る。
【0086】
メッシュヒーター、またはその一部分は、全体または部分的に金属被覆を含み得る。金属被覆は、スズまたは銀を含み得る。これは、金属のセグメントが、メッシュヒーターを金属で被覆することによって適用される場合であり得る。
【0087】
メッシュヒーターは、メッシュヒーターを多孔性セラミック本体と係合させて位置させること、およびメッシュヒーターの少なくとも一部が多孔性セラミック本体と第二のセラミックの被覆層との間にあるように、第二のセラミックの被覆層をメッシュヒーター上に配置することによって、多孔性セラミック本体に取り付けられてもよい。次いで、多孔性セラミック本体、または第二のセラミックの被覆層、または多孔性セラミック本体および第二のセラミックの被覆層の両方を焼結してもよい。別の方法として、または追加的に、多孔性セラミック本体、または第二のセラミックの被覆層、または多孔性セラミック本体および第二のセラミックの被覆層の両方は、第二のセラミックの被覆層がメッシュヒーター上に配置される前に焼結されていてもよい。
【0088】
多孔性セラミック本体の特徴および特性は、第二のセラミックの被覆層にも適用され得る。例えば、材料、材料特性、細孔サイズ、および空隙率に関する特徴および特性はすべて、第二のセラミックの被覆層に適用され得る。
【0089】
したがって、上述のようにメッシュヒーターを多孔性セラミック本体に取り付けることによって、メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体と第二のセラミックの被覆層との間に位置し得る。しかしながら、カートリッジは、別の理由から第二のセラミックの被覆層を含み得ることが留意されるべきである。
【0090】
第二のセラミックの被覆層は、セラミック材料を含み得る。多孔性セラミック本体もまた、セラミック材料を含み得る。したがって、多孔性セラミック本体および第二のセラミックの被覆層の両方は、アルミナ、ステアタイト、およびジルコニアのうちの一つ以上を含み得る。
【0091】
第二のセラミックの被覆層は、5000、1000、500、または200ミクロン未満の厚さを有してもよい。第二のセラミックの被覆層は、少なくとも10、100、500、または1000ミクロンの厚さを有してもよい。したがって、第二のセラミックの被覆層は、500~5000ミクロン、例えば、1000~2000ミクロンの厚さを有してもよい。
【0092】
第二のセラミックの被覆層は、メッシュヒーターと接触してもよい。第二のセラミックの被覆層は、多孔性セラミック本体と接触してもよい。メッシュヒーターは、第二のセラミックの被覆層によって多孔性セラミック本体に取り付けられてもよい。
【0093】
第二のセラミックの被覆層は、メッシュヒーターの表面の80%、または65%、または50%未満を覆ってもよい。これにより、メッシュヒーターの表面のより大きな割合を覆う第二のセラミックの被覆層と比較して、エアロゾルの発生が改善され得る。
【0094】
カートリッジは、空気吸込み口を備えてもよい。カートリッジは、空気出口を備えてもよい。空気吸込み口は、空気出口と流体連通してもよい。メッシュヒーターは、空気吸込み口の下流に配置されてもよい。メッシュヒーターは、空気出口の上流に配置されてもよい。
【0095】
カートリッジはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、空気出口であってもよく、または空気出口を含んでもよい。使用時、カートリッジがエアロゾル発生装置と連結されると、ユーザーは、カートリッジのマウスピースを吸煙し得る。これにより、空気は、空気吸込み口を通って流れ、次いで、メッシュヒーターを横切って、メッシュヒーターにわたって、メッシュヒーターを通過して、またはメッシュヒーターを通った後、空気出口を通って流れ得る。
【0096】
カートリッジは、メッシュヒーターに電気的に接続された第一および第二の電気接点を備え得る。電気接点は、スズ、銀、金、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの鋼、リン青銅、アンチモンで合金化されたスズ、ジルコニウムで合金化されたスズ、ビスマスで合金化されたスズ、または有機酸に対する耐性を向上させる他の構成成分で合金化されたスズのうちの一つ以上を含み得る。
【0097】
電気接点は、メッシュヒーターのワイヤーに直接固定されてもよい。電気接点は、ワイヤーと多孔性セラミック本体との間に位置付けられてもよい。例えば、接点は、多孔性セラミック本体にメッキされるか、またはそうでなければ多孔性セラミック本体に取り付けられるスズまたは銀から形成され得る。接点は、多孔性セラミック本体よりも容易にワイヤーと結合し得る。電気接点は、ワイヤーと一体であってもよい。例えば、メッシュヒーターは、導電性シートをエッチングして、二つの電気接点の間に複数のワイヤーを提供することによって形成されてもよい。
【0098】
電気接点は、カートリッジが装置と連結された時に、エアロゾル発生装置上の対応する電気接点と電気接続を形成するように構成され得る。
【0099】
本開示の第三の実施形態によると、エアロゾル発生装置とカートリッジとを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。カートリッジは、第一の実施形態によるカートリッジであってもよい。カートリッジは、第二の実施形態によるカートリッジであってもよい。
【0100】
エアロゾル発生装置は、カートリッジに連結されるように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、カートリッジに連結され、カートリッジから連結を外されるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、スナップ嵌合接続、対応するねじ山、または任意の他の適切な手段を介して、カートリッジに連結され、カートリッジから連結を外されるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されたチャンバーを備えてもよい。
【0101】
エアロゾル発生装置は、空気吸込み口を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、空気出口を備えてもよい。エアロゾル発生装置の空気出口は、カートリッジの空気吸込み口と流体連通してもよい。
【0102】
エアロゾル発生装置は、電池などの電源を備えてもよい。カートリッジが装置と連結されると、電源は、例えば、メッシュヒーターを抵抗加熱するために、メッシュヒーターに電力を供給するように構成され得る。
【0103】
電源は、装置の第一および第二の電気接点に電気的に接続されてもよい。これらの第一および第二の電気接点は、カートリッジが装置と連結された時に、カートリッジ上の対応する電気接点と電気接続を形成するように構成され得る。メッシュヒーターは、抵抗加熱されるように構成されてもよい。メッシュヒーターは、カートリッジ上の電気接点に接続されたワイヤーまたは電気抵抗トラックであってもよく、またはこれらを含んでもよい。ワイヤーまたはトラックは、電源がワイヤーまたはトラックに電流を通過させる際に加熱し得る。したがって、カートリッジがエアロゾル発生装置と連結される時、エアロゾル発生装置の電源は、メッシュヒーターに電力を供給するように構成され得る。すなわち、電源は、メッシュヒーター、またはメッシュヒーターのワイヤーまたはトラックに電流を通過させ、メッシュヒーターを抵抗加熱することができ得る。
【0104】
カートリッジ、またはエアロゾル発生装置は、インダクタ、例えば、誘導コイルを備え得る。メッシュヒーターは、サセプタ材料であってもよく、またはサセプタ材料を含んでもよい。
【0105】
電源は、インダクタが変動する電磁場を発生するように、電流をインダクタに通過させるように構成され得る。これは、次いで、サセプタ材料内に渦電流およびヒステリシス損失を発生し得る。これは、サセプタ材料を加熱し得る。したがって、電源およびインダクタは、メッシュヒーターを誘導加熱するように構成され得る。
【0106】
サセプタ材料は、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料であってもよく、またはこれを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、摂氏100、150、200、または250度を超える温度に加熱されてもよい。好ましいサセプタ材料は、金属または炭素を含み得る。好ましいサセプタ材料は、強磁性材料、例えばフェライト鉄、または強磁性の鋼もしくはステンレス鋼を含んでもよい。適切なサセプタ素子はアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼を含んでもよく、またはこれらから形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。こうして、材料のタイプおよびサイズなどのサセプタ材料のパラメータは、公知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0107】
インダクタは、誘導コイルであり得る。誘導コイルは、カートリッジ内に位置してもよい。誘導コイルは、メッシュヒーターの周りに配置されてもよい。例えば、誘導コイルは、メッシュヒーターの周りにスパイラル状であってもよい。インダクタは、カートリッジ上の電気接点に電気的に接続されてもよい。カートリッジがエアロゾル発生装置と連結される時、これらの電気接点は、装置の電源に電気的に接続されている装置上の対応する電気接点に電気的に接続されてもよい。したがって、カートリッジが装置と連結される時、装置の電源は、電流をインダクタに通過させて変動電磁場を発生し、それによってメッシュヒーターのサセプタ材料を加熱するように構成され得る。
【0108】
誘導コイルなどのインダクタは、エアロゾル発生装置内に位置してもよい。インダクタは、電源に電気的に接続されてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するためのチャンバーを備え得る。誘導コイルは、このチャンバーの少なくとも一部の周りに配置され得る。例えば、誘導コイルは、チャンバーの少なくとも一部の周りにスパイラル状であってもよい。そのため、カートリッジ、またはその一部分がチャンバー内に受容される時、誘導コイルは、メッシュヒーターの周りに配置される、またはメッシュヒーターの周りにスパイラル状であり得る。したがって、カートリッジが装置と連結される時、装置の電源は、電流をインダクタに通過させて変動電磁場を発生し、それによってメッシュヒーターのサセプタ材料を加熱するように構成され得る。
【0109】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、電源からの電力供給を制御するように構成され得る。したがって、コントローラは、メッシュヒーターの加熱を制御し得る。
【0110】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例は、項で記載される。これらの実施例の特徴の任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0111】
A.エアロゾル発生システムで使用するためのカートリッジであって、カートリッジは、
30%~65%の空隙率を有する多孔性セラミック本体と、
多孔性セラミック本体と係合するメッシュヒーターであって、複数の開口を含み、各開口は、50ミクロン~200ミクロンの寸法を有する、メッシュヒーターと、を備える、カートリッジ。
B.使用時、液体エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体からメッシュヒーターの開口の中に引き出される、項Aに記載のカートリッジ。
C.使用時、液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によってメッシュヒーターの開口の中に引き出される、項AまたはBに記載のカートリッジ。
D.メッシュヒーターは、実質的に平坦または実質的に平面状である、項A~Cのいずれかに記載のカートリッジ。
E.使用時、バルク液体エアロゾル形成基体移動方向は、メッシュヒーターの平面に対して実質的に直角を成す、項Dに記載のカートリッジ。
F.メッシュヒーターまたはその一部分は、多孔性セラミック本体の第一の平面に実質的に平行である、項A~Eのいずれかに記載のカートリッジ。
G.メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体の第一の表面に取り付けられる、項Fに記載のカートリッジ。
H.多孔性セラミック本体は、第一の表面と実質的に対向する第二の表面を含む、項FまたはGに記載のカートリッジ。
I.使用時、液体エアロゾル形成基体は、第二の表面から第一の表面の方向、例えば、第二の表面から第一の表面に移動する、項Hに記載のカートリッジ。
J.カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素を備える、項A~Iのいずれかに記載のカートリッジ。
K.液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、多孔性セラミック本体と流体連通する、項Jに記載のカートリッジ。
L.カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素を備え、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素は、多孔性セラミック本体の第二の表面と流体連通する、項HまたはIに記載のカートリッジ。
M.メッシュヒーターは、金属を含む、項A~Lのいずれかに記載のカートリッジ。
N.メッシュヒーターは、鋼を含む、項Mに記載のカートリッジ。
O.メッシュヒーターは、ワイヤーのネットワークを含む、項A~Nのいずれかに記載のカートリッジ。
P.メッシュヒーターは、織られたワイヤーメッシュを含む、項Oに記載のカートリッジ。
Q.メッシュヒーターは、ワイヤーおよび繊維のネットワークを含むハイブリッドメッシュヒーターであり、繊維は、ワイヤーとは異なる材料組成物を有する、項A~Pのいずれかに記載のカートリッジ。
R.ワイヤーは、金属を含む、項Qに記載のカートリッジ。
S.ワイヤーは、鋼を含む、項Rに記載のカートリッジ。
T.ワイヤーは、繊維に対して実質的に直角を成す、項Q~Sのいずれかに記載のカートリッジ。
U.メッシュヒーターは、織られたワイヤーおよび繊維メッシュを含む、項Q~Tのいずれかに記載のカートリッジ。
V.繊維は、ワイヤー平均直径の80%~120%の平均直径を有する、項Q~Uのいずれかに記載のカートリッジ。
W.繊維は、少なくとも10ミクロンの平均直径を有する、項Q~Vのいずれかに記載のカートリッジ。
X.繊維は、100ミクロン未満の平均直径を有する、項Q~Wのいずれかに記載のカートリッジ。
Y.繊維は、ガラス繊維である、項Q~Xのいずれかに記載のカートリッジ。
Z.繊維は、レーヨン繊維である、項Q~Xのいずれかに記載のカートリッジ。
AA.ワイヤーは、少なくとも10ミクロンの平均直径を有する、項O~Zのいずれかに記載のカートリッジ。
AB.ワイヤーは、100ミクロン未満の平均直径を有する、項O~AAのいずれかに記載のカートリッジ。
AC.メッシュヒーターは、シートを含む、項A~Nのいずれかに記載のカートリッジ。
AD.シートは金属製である、項ACに記載のカートリッジ。
AE.シートは複数の開口を含む、項AC項またはADに記載のカートリッジ。
AF.シートは穿孔されている、項AC~AEのいずれかに記載のカートリッジ。
AG.シートは、その上に配置された加熱トラックを含む、項AC~AFのいずれかに記載のカートリッジ。
AH.メッシュヒーターは、実質的に平坦または実質的に平面状であり、メッシュヒーターの厚さは、30ミクロンよりも大きい、項A~AGのいずれかに記載のカートリッジ。
AI.メッシュヒーターは、メッシュヒーターの面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体と係合する、項A~AHのいずれかに記載のカートリッジ。
AJ.メッシュヒーターは、メッシュヒーターの面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体と接触する、項AIに記載のカートリッジ。
AK.多孔性セラミック本体は、ステアタイト、アルミナ、およびジルコニアのうちの一つ以上を含む、項A~AJのいずれかに記載のカートリッジ。
AL.多孔性セラミック本体は、2.5ミクロン~40ミクロンの平均細孔サイズを有する細孔を含む、項A~AKのいずれかに記載のカートリッジ。
AM.多孔性セラミック本体は、第一の部分および突起部を含む、項A~ALのいずれかに記載のカートリッジ。
AN.突起部は、第一の部分の周辺に位置する、項AMに記載のカートリッジ。
AO.突起部は、第一の部分の周辺の実質的に全体の周りに延びる、項ANに記載のカートリッジ。
AP.突起部は、第一の部分の表面から実質的に直角を成して延びる、項AM~AOのいずれかに記載のカートリッジ。
AQ.第一の部分が、長さ、長さに対して直角を成す幅、および長さおよび幅に対して直角を成す厚さを含み、長さおよび幅は、少なくとも厚さの2倍である、項AM~APのいずれかに記載のカートリッジ。
AR.第一の部分は、実質的に円形の断面を有する、項AM~APのいずれかに記載のカートリッジ。
AS.第一の部分は、直径および厚さを有し、直径は、少なくとも厚さの2倍である、項ARに記載のカートリッジ。
AT.第一の部分は、少なくとも1.5mmの厚さを有する、項AM~ASのいずれかに記載のカートリッジ。
AU.第一の部分は、6mm未満の厚さを有する、項AM~ATのいずれかに記載のカートリッジ。
AV.突起部は、少なくとも1.5mmの幅を有する、項AM~項AUのいずれかに記載のカートリッジ。
AW.突起部は、6mm未満の幅を有する、項AM~AVのいずれかに記載のカートリッジ。
AX.多孔性セラミック本体は、それを通って延びるチャネルを含む、項A~AWのいずれかに記載のカートリッジ。
AY.多孔性セラミック本体の第一の部分は、それを通して延びるチャネルを含む、項AM~AWのいずれかに記載のカートリッジ。
AZ.チャネルは、第一の部分の厚さ方向に実質的に延びる、項AYに記載のカートリッジ。
BA.メッシュヒーターは、実質的に平坦または実質的に平面状であり、チャネルは、メッシュヒーターの平面に対して実質的に直角を成して延びる、項AX、AY、またはAZに記載のカートリッジ。
BB.チャネルは、少なくとも300ミクロンの直径を有する、項AX~BAのいずれかに記載のカートリッジ。
BC.チャネルは、800ミクロン未満の直径を有する、項AX~BBのいずれかに記載のカートリッジ。
BD.メッシュヒーターは、はんだ点によって多孔性セラミック本体に取り付けられる、項A~BCのいずれかに記載のカートリッジ。
BE.はんだ点は、銀またはスズを含む、項BDに記載のカートリッジ。
BF.多孔性セラミック本体とメッシュヒーターとの間に位置する金属のセグメントを備える、項A~BEのいずれかに記載のカートリッジ。
BG.メッシュヒーターは、金属のセグメントによって多孔性セラミック本体に接着される、項BFに記載のカートリッジ。
BH.金属のセグメントは、銀またはスズを含む、項BFまたはBGに記載のカートリッジ。
BI.メッシュヒーターは、多孔性セラミック本体と第二のセラミックの被覆層との間に位置する、項A~BHのいずれかに記載のカートリッジ。
BJ.第二のセラミックの被覆層は、セラミック材料を含み、多孔性セラミック本体は、セラミック材料を含む、項BIに記載のカートリッジ。
BK.第二のセラミックの被覆層は、5000ミクロン未満の厚さを有する、項BIまたはBJに記載のカートリッジ。
BL.第二のセラミックの被覆層は、少なくとも10ミクロンの厚さを有する、項BI、BJまたはBKに記載のカートリッジ。
BM.第二のセラミックの被覆層は、メッシュヒーターの表面の80%未満を覆う、項BI~BLのいずれかに記載のカートリッジ。
BN.第二のさらミックの被覆層は、メッシュヒーターと接触している、項BI~BMのいずれかに記載のカートリッジ。
BO.メッシュヒーターは、第二のセラミックの被覆層によって多孔性セラミック本体に取り付けられる、項BI~BNのいずれかに記載のカートリッジ。
BP.カートリッジは、メッシュヒーターに電気的に接続された電気接点を備える、項A~BOのいずれかに記載のカートリッジ。
BQ.電気接点は、スズ、銀、金、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの鋼、リン青銅、アンチモンで合金化されたスズ、ジルコニウムで合金化されたスズ、ビスマスで合金化されたスズ、または有機酸に対する耐性を向上させる他の構成成分で合金化されたスズを含む、項BPに記載のカートリッジ。
BR.エアロゾル発生装置および項A~BQのいずれかに記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生システム。
BS.エアロゾル発生装置は、カートリッジに連結されるように構成されている、項BRに記載のエアロゾル発生システム。
BT.エアロゾル発生装置は、メッシュヒーターに電力を供給してメッシュヒーターを抵抗加熱するように構成された電源を備える、項BRまたはBSに記載のエアロゾル発生システム。
BU.エアロゾル発生装置は、電源を備え、カートリッジまたはエアロゾル発生装置は、インダクタを含み、電源およびインダクタは、メッシュヒーターを誘導加熱するように構成されている、項BRまたはBSに記載のエアロゾル発生システム。
【0112】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0113】
図1図1は、第一のヒーター組立品を有するカートリッジを組み込んだエアロゾル発生システムの断面図を示す。
図2図2は、第一のヒーター組立品を組み込んだカートリッジの断面図を示す。
図3図3は、第一のヒーター組立品の斜視図を示す。
図4図4は、第一のヒーター組立品の断面図を示す。
図5図5は、第二のヒーター組立品の斜視図を示す。
図6図6は、第二のヒーター組立品の断面図を示す。
図7図7は、第三のヒーター組立品の斜視図を示す。
図8図8は、第三のヒーター組立品の断面図を示す。
図9図9は、第三のヒーター組立品を有するカートリッジを組み込んだエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0114】
図1は、エアロゾル発生システム100の断面図を示す。エアロゾル発生システム100は、エアロゾル発生装置150およびカートリッジ200を備える。この実施例では、エアロゾル発生システム100は電気的に作動する喫煙システムである。
【0115】
エアロゾル発生装置150は携帯可能であり、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。装置150は、リン酸リチウム鉄電池などの電池152、および電池152に電気的に接続されたコントローラ154を備える。装置150はまた、電池152に電気的に接続された二つの電気接点156、158を備える。この電気接続は有線接続であり、図1には示されていない。
【0116】
カートリッジ200は、空気吸込み口202、空気出口204、および第一のヒーター組立品300を備える。空気吸込み口202は、空気出口204と流体連通する。ヒーター組立品300は、空気吸込み口202の下流かつ空気出口204の上流に位置付けられる。ヒーター組立品300は、多孔性セラミック本体302と、多孔性セラミック本体302と係合する実質的に平面状のメッシュヒーター304とを含む。
【0117】
メッシュヒーター304は、ステンレス鋼ワイヤー306およびガラス繊維308を含むハイブリッドメッシュを含む。ステンレス鋼ワイヤー306は、ガラス繊維308と織り合わされ、実質的にガラス繊維308に対して直角を成す。したがって、メッシュヒーター304は、織られたハイブリッドメッシュを含む。メッシュヒーター304は、二つのはんだ点310、312によって多孔性セラミック本体302に取り付けられる。この実施例では、はんだ点310、312はスズから形成されるが、銀または別の適切な材料が使用されてもよい。これらのはんだ点310、312の各々は、カートリッジ上の電気接点214、216に電気的に接続される。この電気接続は有線接続であり、図1には示されていない。この電気接続を介して、ステンレス鋼ワイヤー306は、電気接点214、216に電気的に接続される。
【0118】
多孔性セラミック本体302は、数多くの細孔を含む。液体エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体302の細孔内に保持される。
【0119】
図1では、エアロゾル発生装置150は、カートリッジ200に連結されている。この実施例では、カートリッジ200は、エアロゾル発生装置150上の対応する開口160、162とスナップ嵌合接続を形成する突出部206、208を介してエアロゾル発生装置150と連結される。
【0120】
カートリッジ200は、多孔性セラミック本体302と流体連通する、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288をさらに備える。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288は、多孔性セラミック本体302の第一の部分320と接触する。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008は、多孔性セラミック本体302に接着剤で接着されてもよく、または摩擦によって適所に保持されてもよく、または別の適切な手段によって適所に保持されてもよい。本実施例の液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288は、繊維状またはスポンジ状の構造を有する毛細管材料であるが、他の実施形態では、液体エアロゾル形成基体の貯蔵部またはタンクが使用され得る。毛細管材料は、ポリエステルから形成されるが、任意の適切な材料が使用されてもよい。毛細管材料は、エアロゾル形成基体で浸される。したがって、図1では、エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体302の細孔内、および液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288内に貯蔵される。
【0121】
使用時、ユーザーは、カートリッジ200の空気出口204を吸煙する。同時に、ユーザーは、エアロゾル発生装置150上のボタン(図示せず)を押す。このボタンを押すと、コントローラ154に信号が送られ、その結果、電池152から、装置の電気接点156、158およびカートリッジの電気接点214、216を介してメッシュヒーター302に電力が供給される。これにより、メッシュヒーター304のステンレス鋼ワイヤー306を通して電流が流れ、それによってステンレス鋼ワイヤー306が抵抗加熱され、メッシュヒーター304が全体として加熱される。他の実施例では、空気流センサー、または圧力センサーは、カートリッジ200内に位置し、コントローラ154に電気的に接続される。空気流センサーまたは圧力センサーは、ユーザーがカートリッジ200の空気出口204を吸煙していることを検出し、コントローラ154に信号を送信して、メッシュヒーター304に電力を供給する。したがって、これらの実施例では、メッシュヒーター304を加熱するためにユーザーがボタンを押す必要はない。多孔性セラミック本体302の細孔内に保持された液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によってメッシュヒーター304の開口の中に引き出される。メッシュヒーター304は、この液体エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体を気化する。
【0122】
液体エアロゾル形成基体が多孔性セラミック本体302からメッシュヒーター304の開口の中に引き出されて気化されるにつれて、液体エアロゾル形成基体はまた、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288から多孔性セラミック本体302の中に引き出される。したがって、ユーザーは、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288が存在しない場合よりも多くのエアロゾルを発生することができる場合がある。
【0123】
ユーザーがカートリッジ200の空気出口204を吸煙するにつれて、空気は空気吸込み口202の中に引き出される。次いで、この空気は、ヒーター組立品300の周りを、そして空気出口204に向かって移動する。この空気の流れは、メッシュヒーター304によって液体エアロゾル形成基体を加熱することによって形成される蒸気を同伴する。この同伴された蒸気はその後冷却され、凝縮してエアロゾルを形成する。次いで、このエアロゾルは、空気出口204を介してユーザーに送達される。
【0124】
図2は、ヒーター組立品300の第一の実施例を組み込んだカートリッジ200の断面図を示す。図2では、カートリッジ200は、もはやエアロゾル発生装置150と連結されていない。
【0125】
図3および4は、第一のヒーター組立品300の斜視図および断面図をそれぞれ示す。図3はまた、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288を示す。ヒーター組立品300は、多孔性セラミック本体302およびメッシュヒーター304を含む。メッシュヒーター304は、メッシュヒーター304の面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体302と接触する。
【0126】
メッシュヒーター304のステンレス鋼ワイヤー306およびガラス繊維308は、織り合わされている。したがって、メッシュヒーター304は、織られたハイブリッドメッシュを含む。メッシュヒーター304のステンレス鋼ワイヤー306およびガラス繊維308は、約17ミクロンの直径を有する。メッシュヒーター304の厚さは、およそ51ミクロンである。図3では、メッシュヒーターの開口309が見える。これらの開口309は各々、およそ70ミクロンの寸法を有する。この実施例では、開口309は、実質的に正方形の断面を有し、寸法は、正方形の断面の側面の長さに等しい。
【0127】
多孔性セラミック本体302は、完全にアルミナから形成される。多孔性セラミック本体302は、2.5ミクロン~40ミクロンの細孔サイズを有する細孔を含む。平均細孔サイズは、約10ミクロンである。多孔性セラミック本体302の空隙率は、約40%である。
【0128】
多孔性セラミック本体302は、第一の部分320および突起部322を含む。第一の部分320は、実質的に円形の断面を有する。この円形の断面は、約15mmの直径を有する。第一の部分320は、約2mmの厚さを有する。
【0129】
突起部322は、実質的に環状またはリング様の断面を有する。突起部322は、第一の部分320の周辺に位置し、第一の部分320の周辺の実質的に全体の周りに延びる。突起部322は、第一の部分320の表面から実質的に直角を成して約10mm延びる。突起部322は、約2mmの幅を有する。実質的に環状の突起部の幅は、環状部の外径と内径との間の差である。
【0130】
多孔性セラミック本体302の第一の部分320は、それを通って延びるチャネル314を含む。チャネル314は、実質的に第一の部分320の厚さ方向に延びる。このように、チャネル314は、メッシュヒーター304の平面に対して実質的に直角を成して延びる。チャネル314は、約500ミクロンの直径を有する。
【0131】
図5および6は、第二のヒーター組立品500の斜視図および断面図をそれぞれ示す。図5はまた、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素288を示す。
【0132】
第二のヒーター組立品500は、多孔性セラミック本体502およびメッシュヒーター504を含む。多孔性セラミック本体502は、第一のヒーター組立品300の多孔性セラミック本体302と同一である。
【0133】
メッシュヒーター504は、ステンレス鋼ワイヤー506およびレーヨン繊維508を含むハイブリッドメッシュを含む。ステンレス鋼ワイヤー506は、レーヨン繊維508と織り合わされ、レーヨン繊維508に対して実質的に直角を成す。メッシュヒーター504は、多孔性セラミック本体502と係合する。具体的には、メッシュヒーター504は、多孔性セラミック本体502に取り付けられる。メッシュヒーター504を多孔性セラミック本体502に取り付けるために、金属の二つのセグメント510、512が多孔性セラミック本体502に適用される。この実施例では、金属のセグメント510、512はスズから形成されるが、銀または他の適切な材料が使用されてもよい。次いで、メッシュヒーター504が、金属のセグメント510、512が多孔性セラミック本体502とメッシュヒーター504との間となるように位置付けられる。メッシュヒーター504は次いで、多孔性セラミック本体502に向かって、金属のセグメント510、512の中に強制される。金属のセグメント510、512は、多孔性セラミック本体502をメッシュヒーター504に接着する。一部の実施例では、金属のセグメントは、メッシュヒーター上に被覆される。一部の実施例では、メッシュヒーターを多孔性セラミック本体に向かって強制すると同時に熱が印加される。
【0134】
第二のヒーター組立品500はまた、二つの電極511、513を含む。これらの電極はスズから形成され、メッシュヒーター504のいくつかのステンレス鋼ワイヤー506およびレーヨン繊維508と接触する。第二のヒーター組立品500が図1および2に示すカートリッジ200内の第一のヒーター組立品300と置き換えられる場合、電極511、513は各々、カートリッジ200上の電気接点214、216に電気的に接続される。この電気接続は有線接続であり、図1または2には示されていない。ステンレス鋼ワイヤー506は、この電気接続を通して電気接点214、216に電気的に接続される。
【0135】
メッシュヒーター504のステンレス鋼ワイヤー506およびレーヨン繊維508は、約17ミクロンの直径を有する。メッシュヒーター504の厚さは、およそ51ミクロンである。図5では、メッシュヒーターの開口509が見える。これらの開口は各々、約70ミクロンの寸法を有する。この実施例では、開口509は、実質的に正方形の断面を有し、寸法は、正方形の断面の側面の長さに等しい。
【0136】
メッシュヒーター504は、メッシュヒーター504の面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体502と接触する。使用時、多孔性セラミック本体502の細孔内に保持される液体エアロゾル形成基体は、メッシュヒーター504の開口509の中に引き出される。
【0137】
使用時、第二のヒーター組立品500は、第一のヒーター組立品300とほぼ同様に機能する。第二のヒーター組立品500は、図1のエアロゾル発生システムに示される第一のヒーター組立品300と置き換えられ得る。この場合、システム100は、同様に機能するが、電力は、スズ電極511、513を通して(第一のヒーター組立品300のはんだ点310、312を通してではなく)第二のヒーター組立品500のメッシュヒーター504に供給される。
【0138】
図7および8は、第三のヒーター組立品700の斜視図および断面図を示す。図7はまた、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008を示す。
【0139】
第三のヒーター組立品700は、多孔性セラミック本体702およびメッシュヒーター704を含む。多孔性セラミック本体702は、第一のヒーター組立品302の多孔性セラミック本体と同一である。
【0140】
メッシュヒーター704は、ステンレス鋼の穿孔されたプレート706を含む。メッシュヒーター704のプレート706のステンレス鋼は、効果的なサセプタ材料である。したがって、プレート706は、サセプタとして作用する。
【0141】
プレート706を多孔性セラミック本体702に取り付けるために、プレート706は、多孔性セラミック本体702と接触して定置される。次いで、セラミックペーストの被覆層708がプレート706の上に適用される。ペーストの一部はプレート706上に位置し、ペーストの一部は多孔性セラミック本体702上に位置する。多孔性セラミック本体702に適用されるペーストは、プレート706の周辺を越えて、またはプレート706の開口709を通って、または本実施例のように両方で適用され得る。プレート706の少なくとも一部分は、被覆層708と多孔性セラミック本体702との間に位置する。次いで、被覆層708が焼結される。多孔性セラミック本体702が同時に焼結される。この実施例では、被覆層708は、多孔性セラミック本体702のアルミナと同一のアルミナから形成される。被覆層708は、多孔性セラミック本体702をプレート706に接着する。
【0142】
プレート706の穿孔は、実質的に円形の断面を有する開口709を形成する。図7では、メッシュヒーター704の開口709が見える。これらの開口は各々、約75ミクロンの寸法を有する。この実施例では、開口709は、実質的に円形の断面を有し、寸法は、円形の断面の直径に等しい。
【0143】
メッシュヒーター704は、メッシュヒーター704の面の実質的に全体にわたって多孔性セラミック本体702と接触する。
【0144】
図9は、エアロゾル発生システム900の断面図を示す。エアロゾル発生システム900は、エアロゾル発生装置950および第三のヒーター組立品700を有するカートリッジ1000を備える。この実施例では、エアロゾル発生システム900は、電気的に作動する喫煙システムである。
【0145】
エアロゾル発生装置950は携帯可能であり、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有する。装置950は、リン酸リチウム鉄電池などの電池952、および電池952に電気的に接続されたコントローラ954を備える。装置950はまた、電池952に電気的に接続された誘導コイル956を備える。装置950はまた、空気吸込み口958および空気吸込み口958と流体連通する空気出口960を備える。
【0146】
カートリッジ1000は、空気吸込み口1002、空気出口1004、および第三のヒーター組立品700を備える。空気吸込み口1002は、空気出口1004と流体連通する。ヒーター組立品700は、空気吸込み口1002の下流かつ空気出口1004の上流に位置付けられる。図9に示すように、カートリッジ1000がエアロゾル発生装置950と連結される時、装置950の空気出口960は、カートリッジ1000の空気吸込み口1002に隣接している。したがって、使用中、ユーザーがカートリッジ1000の空気出口1004を吸煙すると、空気は装置950の空気吸込み口958を通り、次いで装置950の空気出口960を通り、次いでカートリッジ1000の空気吸込み口1002を通り、次いでヒーター組立品700を通り、次いでカートリッジ1000の空気出口1004から出る。
【0147】
図9では、カートリッジ1000は、カートリッジ1000のねじ山1006を、エアロゾル発生装置950の対応するねじ山962と嵌合することによって、エアロゾル発生装置950と連結される。
【0148】
カートリッジ1000は、多孔性セラミック本体702と流体連通する、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008をさらに備える。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008は、多孔性セラミック本体702の第一の部分720と接触する。液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008は、多孔性セラミック本体702に接着剤で接着されてもよく、または摩擦によって適所に保持されてもよく、または別の適切な手段によって適所に保持されてもよい。この実施例の液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008は、繊維構造または海綿状構造を有する毛細管材料である。毛細管材料は、ポリエステルから形成されるが、任意の適切な材料が使用されてもよい。毛細管材料は、エアロゾル形成基体で浸される。したがって、図9では、エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体702の細孔内、および液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008内に貯蔵される。
【0149】
使用時、ユーザーは、カートリッジ1000の空気出口1004を吸煙する。同時に、ユーザーは、エアロゾル発生装置950上のボタン(図示せず)を押す。このボタンを押すことによりコントローラ954に信号が送られ、その結果、電池952が高周波電流を誘導コイル956に供給する。これにより、誘導コイルが変動電磁場を生成する。メッシュヒーター704は、この磁場内に位置付けられる。したがって、この変動する電磁場は、ステンレス鋼のプレート706内に渦電流およびヒステリシス損失を発生し、ステンレス鋼のプレート706は、カートリッジ1000のサセプタ発熱体として作用する。したがって、プレート706が誘導加熱される。他の実施例では、空気流センサー、または圧力センサーは、装置950内に位置し、コントローラ954に電気的に接続される。空気流センサーまたは圧力センサーは、ユーザーがカートリッジ1000の空気出口1004を吸煙していることを検出し、コントローラ954に信号を送信して、メッシュヒーター704に電力を供給する。したがって、これらの実施例では、メッシュヒーター704を加熱するためにユーザーがボタンを押す必要はない。多孔性セラミック本体702の細孔に保持された液体エアロゾル形成基体は、毛細管作用によってメッシュヒーター704のプレート706の開口の中に引き出される。メッシュヒーター704は、この液体エアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体を気化する。
【0150】
ユーザーがカートリッジ1000の空気出口1004を吸煙するにつれて、空気は装置950の空気吸込み口958の中に引き出され、次いで装置950の空気出口960を通り、次いでカートリッジ1000の空気吸込み口1002を通って引き出される。次いで、この空気は、ヒーター組立品700の周りを、そして空気出口1004に向かって移動する。この空気の流れは、メッシュヒーター704による液体エアロゾル形成基体の加熱によって形成される蒸気を同伴する。この同伴された蒸気はその後冷却され、凝縮してエアロゾルを形成する。次いで、このエアロゾルは、空気出口1004を介してユーザーに送達される。
【0151】
液体エアロゾル形成基体は、多孔性セラミック本体702からメッシュヒーター704の開口709の中に引き出されて気化されるにつれて、液体エアロゾル形成基体はまた、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008から多孔性セラミック本体702の中に引き出される。したがって、ユーザーは、液体エアロゾル形成基体貯蔵構成要素1008が存在しない場合よりも多くのエアロゾルを発生することができる場合がある。
【0152】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10%として理解される。
図1
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図7
図8
図9
【国際調査報告】