(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ディスプレイパネルおよびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230323BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 640
G06F3/044 124
G06F3/041 522
G06F3/044 122
G06F3/041 495
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543027
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-22
(86)【国際出願番号】 CN2020136410
(87)【国際公開番号】W WO2021159845
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202010093549.5
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クオ、タウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ、ハイミン
(57)【要約】
ディスプレイ技術の分野に関するディスプレイパネルおよびディスプレイ装置を提供することで、タッチ表示プロセスにおけるタッチ認識の精度を向上させて、偶発的なタッチ現象の発生確率を減少させることができる。このディスプレイパネルでは、相互容量方式タッチ膜層(2)が駆動電極部および検知電極部を含む。駆動電極部および検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極部(31)であり、駆動電極部および検知電極部のうちの他方が第2タッチ電極部(32)である。第1タッチ電極部(31)は、第1方向(h1)に伸張し且つ第2方向(h2)に配置された複数の第1タッチ電極(41)と、第1方向(h1)に伸張し且つ第2方向(h2)に配置された複数の第2タッチ電極(42)とを含む。複数の第1タッチ電極(41)および複数の第2タッチ電極(42)は1対1の対応関係にあり、第1タッチ電極(41)の伸張方向および対応する第2タッチ電極(42)の伸張方向が同じ直線に位置しており、第1タッチ電極(41)および対応する第2タッチ電極(42)は間隔をあけて配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された表示膜層および相互容量方式タッチ膜層を備えるディスプレイパネルであって、
前記相互容量方式タッチ膜層が駆動電極部および検知電極部を有しており、前記駆動電極部および前記検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極部であり、前記駆動電極部および前記検知電極部のうちの他方が第2タッチ電極部であり、
前記第1タッチ電極部が
第1方向に伸張し且つ第2方向に配置された複数の第1タッチ電極と、
前記第1方向に伸張し且つ前記第2方向に配置された複数の第2タッチ電極と
を含み、
前記複数の第1タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第1タッチ電極および対応する前記第2タッチ電極が間隔をあけて配置されている、ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記ディスプレイパネルが折り曲げ可能なディスプレイパネルであり、前記ディスプレイパネルが前記第2方向に伸張する折り曲げ軸を有しており、
それぞれの第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が前記折り曲げ軸上に位置している、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第2タッチ電極部が、前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第3タッチ電極を含み、
前記複数の第3タッチ電極の一部分とそれぞれの第1タッチ電極とが絶縁されて交差しており、前記複数の第3タッチ電極のその他の部分とそれぞれの第2タッチ電極とが絶縁されて交差している、請求項1または2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第1タッチ電極部が前記検知電極部であり、前記第2タッチ電極部が前記駆動電極部である、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第2タッチ電極部が
前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第4タッチ電極と、
前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第5タッチ電極と
を含み、
前記複数の第4タッチ電極および前記複数の第5タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第4タッチ電極の伸張方向および対応する第5タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第4タッチ電極および対応する前記第5タッチ電極が間隔をあけて配置されており、
前記複数の第4タッチ電極の一部分と前記複数の第1タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第4タッチ電極のその他の部分と前記複数の第2タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第5タッチ電極の一部分と前記複数の第1タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第5タッチ電極のその他の部分と前記複数の第2タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差している、請求項1から4のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1タッチ電極部がさらに、
前記第1方向に伸張し且つ前記第2方向に配置された複数の第6タッチ電極を含み、
前記複数の第6タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第2タッチ電極の伸張方向および対応する第6タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第2タッチ電極が、対応する第1タッチ電極と、対応する前記第6タッチ電極との間に位置しており、前記第2タッチ電極および対応する前記第6タッチ電極が間隔をあけて配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記ディスプレイパネルが表示領域を備えており、第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が、前記表示領域に位置している、請求項1から6のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記ディスプレイパネルがさらに、前記表示領域の2つの対向する側に位置する第1フレーム領域および第2フレーム領域を備えており、
それぞれの第1タッチ電極が前記表示領域から前記第1フレーム領域へと伸張し、それぞれの第1タッチ電極が、前記第1フレーム領域において、対応する第1タッチ信号ケーブルに電気的に接続されており、
それぞれの第2タッチ電極が前記表示領域から前記第2フレーム領域へと伸張し、それぞれの第2タッチ電極が、前記第2フレーム領域において、対応する第2タッチ信号ケーブルに電気的に接続されている、請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
それぞれの第1タッチ電極が、電気的に接続された複数の第1電極ブロックを含み、それぞれの第1電極ブロックが格子状金属ワイヤを含み、それぞれの第2タッチ電極が、電気的に接続された複数の第2電極ブロックを含み、それぞれの第2電極ブロックが格子状金属ワイヤを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
ディスプレイパネルを備えたディスプレイ装置であって、前記ディスプレイパネルが、
積層された表示膜層および相互容量方式タッチ膜層を備えており、
前記相互容量方式タッチ膜層が駆動電極部および検知電極部を有しており、前記駆動電極部および前記検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極部であり、前記駆動電極部および前記検知電極部のうちの他方が第2タッチ電極部であり、
前記第1タッチ電極部が
第1方向に伸張し且つ第2方向に配置された複数の第1タッチ電極と、
前記第1方向に伸張し且つ前記第2方向に配置された複数の第2タッチ電極と
を含み、
前記複数の第1タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第1タッチ電極および対応する前記第2タッチ電極が間隔をあけて配置されている、ディスプレイ装置。
【請求項11】
前記ディスプレイパネルが折り曲げ可能なディスプレイパネルであり、前記ディスプレイパネルが前記第2方向に伸張する折り曲げ軸を有しており、
それぞれの第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が前記折り曲げ軸上に位置している、請求項10に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記第2タッチ電極部が、前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第3タッチ電極を含み、
前記複数の第3タッチ電極の一部分とそれぞれの第1タッチ電極とが絶縁されて交差しており、前記複数の第3タッチ電極のその他の部分とそれぞれの第2タッチ電極とが絶縁されて交差している、請求項10または11に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記第1タッチ電極部が前記検知電極部であり、前記第2タッチ電極部が前記駆動電極部である、請求項12に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記第2タッチ電極部が
前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第4タッチ電極と、
前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第5タッチ電極と
を含み、
前記複数の第4タッチ電極および前記複数の第5タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第4タッチ電極の伸張方向および対応する第5タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第4タッチ電極および対応する前記第5タッチ電極が間隔をあけて配置されており、
前記複数の第4タッチ電極の一部分と前記複数の第1タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第4タッチ電極のその他の部分と前記複数の第2タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第5タッチ電極の一部分と前記複数の第1タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第5タッチ電極のその他の部分と前記複数の第2タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差している、請求項10から13のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記第1タッチ電極部がさらに、
前記第1方向に伸張し且つ前記第2方向に配置された複数の第6タッチ電極を含み、
前記複数の第6タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第2タッチ電極の伸張方向および対応する第6タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第2タッチ電極が、対応する第1タッチ電極と、対応する前記第6タッチ電極との間に位置しており、前記第2タッチ電極および対応する前記第6タッチ電極が間隔をあけて配置されている、請求項10から14のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年2月14日に中国国家知識産権局に出願した「ディスプレイパネルおよびディスプレイ装置(DISPLAY PANEL AND DISPLAY APPARATUS)」と題する中国特許出願第202010093549.5号に基づく優先権を主張し、当該中国特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本願は、ディスプレイ技術の分野に関し、具体的には、ディスプレイパネルおよびディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイ技術の発展に伴い、タッチ表示機能を実装できるディスプレイ装置が増えている。表示域が増加すると、対応するタッチ域も多くなる。しかしながら、比較的大きいサイズのタッチ式ディスプレイ装置では、タッチ認識の精度が比較的低く、偶発的なタッチ現象が発生しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本願の技術的解決手段が、ディスプレイパネルおよびディスプレイ装置を提供し、タッチ表示プロセスにおけるタッチ認識の精度を向上させて、偶発的なタッチ現象の発生確率を減少させる。
【0005】
第1態様によれば、本願の技術的解決手段は、積層された表示膜層および相互容量方式タッチ膜層を含むディスプレイパネルを提供する。相互容量方式タッチ膜層は、駆動電極部および検知電極部を含む。駆動電極部および検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極部であり、駆動電極部および検知電極部のうちのもう一方が第2タッチ電極部である。第1タッチ電極部は、第1方向に伸張し且つ第2方向に配置された複数の第1タッチ電極と、第1方向に伸張し且つ第2方向に配置された複数の第2タッチ電極とを含む。複数の第1タッチ電極および複数の第2タッチ電極は1対1の対応関係にあり、第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、第1タッチ電極および対応する第2タッチ電極は間隔をあけて配置されている。
【0006】
任意選択的に、ディスプレイパネルは折り曲げ可能なディスプレイパネルであり、ディスプレイパネルは第2方向に伸張する折り曲げ軸を有している。それぞれの第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が、折り曲げ軸上に位置している。
【0007】
任意選択的に、第2タッチ電極部は、第2方向に伸張し且つ第1方向に配置された複数の第3タッチ電極を含む。複数の第3タッチ電極の一部分とそれぞれの第1タッチ電極とが絶縁されて交差しており、複数の第3タッチ電極のその他の部分とそれぞれの第2タッチ電極とが絶縁されて交差している。
【0008】
任意選択的に、第1タッチ電極部は検知電極部であり、第2タッチ電極部は駆動電極部である。
【0009】
任意選択的に、第2タッチ電極部は、第2方向に伸張し且つ第1方向に配置された複数の第4タッチ電極と、第2方向に伸張し且つ第1方向に配置された複数の第5タッチ電極とを含む。複数の第4タッチ電極および複数の第5タッチ電極は1対1の対応関係にあり、第4タッチ電極の伸張方向および対応する第5タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、第4タッチ電極および対応する第5タッチ電極は間隔をあけて配置されている。複数の第4タッチ電極の一部分と複数の第1タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、複数の第4タッチ電極のその他の部分と複数の第2タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、複数の第5タッチ電極の一部分と複数の第1タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差しており、複数の第5タッチ電極のその他の部分と複数の第2タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差している。
【0010】
任意選択的に、第1タッチ電極部はさらに、第1方向に伸張し且つ第2方向に配置された複数の第6タッチ電極を含む。複数の第6タッチ電極および複数の第2タッチ電極は1対1の対応関係にあり、第2タッチ電極の伸張方向および対応する第6タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、第2タッチ電極は、対応する第1タッチ電極と、対応する第6タッチ電極との間に位置しており、第2タッチ電極および対応する第6タッチ電極は間隔をあけて配置されている。
【0011】
任意選択的に、ディスプレイパネルは表示領域を含み、第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が、表示領域に位置している。
【0012】
任意選択的に、ディスプレイパネルはさらに、表示領域の2つの対向する側に位置する第1フレーム領域および第2フレーム領域を含む。それぞれの第1タッチ電極は表示領域から第1フレーム領域へと伸張しており、それぞれの第1タッチ電極は、第1フレーム領域において、対応する第1タッチ信号ケーブルに電気的に接続されている。それぞれの第2タッチ電極は表示領域から第2フレーム領域へと伸張しており、それぞれの第2タッチ電極は、第2フレーム領域において、対応する第2タッチ信号ケーブルに電気的に接続されている。
【0013】
任意選択的に、それぞれの第1タッチ電極は電気的に接続された複数の第1電極ブロックを含み、それぞれの第1電極ブロックは格子状金属ワイヤを含み、それぞれの第2タッチ電極は電気的に接続された複数の第2電極ブロックを含み、それぞれの第2電極ブロックは格子状金属ワイヤを含む。
【0014】
第2態様によれば、本願の技術的解決手段はさらに、前述のディスプレイパネルを含むディスプレイ装置を提供する。
【0015】
本願の実施形態におけるディスプレイパネルおよびディスプレイ装置では、駆動電極部および検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極および第2タッチ電極を含む。第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、第1タッチ電極および対応する第2タッチ電極は間隔をあけて配置されている。同じ第2方向の座標上にある第1タッチ電極および第2タッチ電極が互いに独立していると判定されているため、第1タッチ電極および第2タッチ電極のうちの一方が受信するノイズが第1タッチ電極および第2タッチ電極のうちのもう一方に付加されることはなく、これにより、タッチ電極の信号対ノイズ比が改善されて、タッチ認識の精度が向上し、偶発的なタッチ現象の発生確率が減少する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来技術によるディスプレイパネルの構造の概略図である。
【0017】
【
図2】本願の一実施形態によるディスプレイパネルの構造の概略図である。
【0018】
【
図3】
図2における第1タッチ電極部の構造の概略図である。
【0019】
【
図4】
図2における第2タッチ電極部の構造の概略図である。
【0020】
【
図5】
図2のAA′方向における断面構造の概略図である。
【0021】
【
図6】
図2のBB′方向における断面構造の概略図である。
【0022】
【
図7】
図2のディスプレイパネルを折り曲げた状態の3次元構造の概略図である。
【0023】
【
図8】本願の一実施形態による別のディスプレイパネルの構造の概略図である。
【0024】
【
図9】
図8における第1タッチ電極部の構造の概略図である。
【0025】
【
図10】
図8における第2タッチ電極部の構造の概略図である。
【0026】
【
図11】本願の一実施形態による別のディスプレイパネルの構造の概略図である。
【0027】
【
図12】
図11における第1タッチ電極部の構造の概略図である。
【0028】
【
図13】
図3における第1電極ブロックまたは第2電極ブロックの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の実施形態で用いられる用語は、本願の特定の実施形態を説明するのに用いられているだけであり、本願の限定を意図するものではない。
【0030】
以下では、添付図面を参照して、従来技術および本願の技術的解決手段を明確に説明する。当然ながら、説明される実施形態は、本願の実施形態の一部であり、その全てではない。本願の実施形態に基づいて創造的努力を行うことなく当業者により取得される他の実施形態は全て、本願の保護範囲に含まれるものとする。
【0031】
本願の実施形態で用いられる用語は、単に特定の実施形態の説明を目的としたものに過ぎず、本願の限定を意図するものではない。
【0032】
本願の実施形態に記載される「上側」、「下側」、「左側」、および「右側」などの方向を示す用語は、添付図面に示す角度から記載されており、本願の実施形態に対する限定と解釈されるべきではないことに留意されたい。さらに、文脈においては、あるコンポーネントが別のコンポーネントに接続されていると記述した場合、このコンポーネントは別のコンポーネントに直接的に接続されていてもよく、別のコンポーネントに中間コンポーネントを用いて間接的に接続されていてもよいことをさらに理解されたい。
【0033】
添付図面を参照して、従来技術におけるディスプレイパネルを最初に説明する。
図1は、従来技術によるディスプレイパネルの構造の概略図である。相互容量方式タッチディスプレイパネルには、絶縁されて交差する駆動電極11′および検知電極12′が含まれている。駆動電極11′は表示領域の一方の端部からもう一方の端部へと伸張しており、検知電極12′は表示領域の一方の端部からもう一方の端部へと伸張している。それぞれの駆動電極11′または検知電極12′は、一方向に配置された複数の電極ブロックを電気的に接続して形成されている。1つのチャネルとして、それぞれの駆動電極11′または検知電極12′は、信号ケーブルを用いてフレキシブル回路基板2′に電気的に接続されている。フレキシブル回路基板2′にはチップ3′が配置されている。タッチ電極の動作プロセスにおいて、チップ3′は駆動電極11′に駆動信号を周期的に連続して供給し、チップ3′は容量結合作用によって検知電極12′に生成された誘導信号を受信し、この誘導信号に基づいてタッチ位置を判定する。指によるタッチがない位置では、検知電極12′は、駆動電極11′の作用によって、対応する電気信号を生成するだけである。ユーザの指でタッチを行う場合、検知電極11′によりタッチ位置に生成された誘導信号が、指の動きによって変化する。駆動電極11′および検知電極12′におけるそれぞれのタッチ電極が、表示領域の一方の端部からもう一方の端部へと伸張する必要がある。タッチ電極の動作原理によって、タッチプロセスでは、タッチ電極のあらゆる場所で、近くにある別のコンポーネントの容量結合作用のためにノイズ信号を受信することがある。タッチ電極により最終的に伝送される信号には、電極全体の累積受信ノイズが含まれる。したがって、大面積ディスプレイのタッチソリューションでは、タッチ電極が比較的長く、タッチ電極の累積受信ノイズが多く発生する。タッチ電極の信号対ノイズ比(SIGNAL-NOISE RATIO:SNR)が比較的低い場合でも、タッチ機能が異常を起こしやすい。例えば、ユーザがタッチを行っていない位置にタッチ操作があると判定される、すなわち、ゴーストポイント現象である。さらに、例えば、折り曲げ可能な携帯電話の場合、携帯電話を広げた状態では、対応する表示域が比較的大きく、タッチ域も比較的大きい。携帯電話を折り曲げた状態では、表示領域の一部分が、通常表示およびタッチ操作のために表側に位置している。表示領域のその他の部分は携帯電話の裏側に折り曲げられており、タッチ操作を行う必要はない。しかしながら、携帯電話を保持するときに、ユーザが、ディスプレイパネルの、携帯電話の裏側に折り曲げられている部分を保持する。タッチ電極が表示領域の表側から裏側へと伸張しているため、ユーザが裏側を保持すると、指または手のひらと裏側とが接触することによって、タッチ電極上の信号が悪影響を受ける。したがって、タッチ電極上の累積ノイズがさらに増加する。言い換えれば、偶発的なタッチ現象を簡単に引き起こす。
【0034】
以下では、添付図面を参照して、本願の実施形態を説明する。
【0035】
図2~
図6を参照されたい。
図2は、本願の一実施形態によるディスプレイパネルの構造の概略図である。
図3は、
図2における第1タッチ電極部の構造の概略図である。
図4は、
図2における第2タッチ電極部の構造の概略図である。
図5は、
図2のAA′方向における断面構造の概略図である。
図6は、
図2のBB′方向における断面構造の概略図である。本願の一実施形態が、積層された表示膜層1および相互容量方式タッチ膜層2を含むディスプレイパネルを提供する。相互容量方式タッチ膜層2は、駆動電極部および検知電極部を含む。駆動電極部および検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極部31であり、駆動電極部および検知電極部のうちのもう一方が第2タッチ電極部32である。第1タッチ電極部31は、第1方向h1に伸張し且つ第2方向h2に配置された複数の第1タッチ電極41と、第1方向h1に伸張し且つ第2方向h2に配置された複数の第2タッチ電極42とを含む。複数の第1タッチ電極41および複数の第2タッチ電極42は1対1の対応関係にあり、第1タッチ電極41の伸張方向および対応する第2タッチ電極42の伸張方向が同じ直線に位置しており、第1タッチ電極41および対応する第2タッチ電極42は間隔をあけて配置されている。
【0036】
具体的には、タッチ電極はストライプ状電極であり、そのため、それぞれのタッチ電極にはタッチ電極の伸張方向、すなわち、ストライプ状電極の長さ方向がある。例えば、
図3に示す構造では、複数の第1タッチ電極41が第2方向h2の複数の列に配置されており、それぞれの第1タッチ電極41が第1方向h1に伸張してストライプ状電極を形成している。同様に、複数の第2タッチ電極42が第2方向h2の複数の列に配置されており、それぞれの第2タッチ電極42は第1方向h1に伸張してストライプ状電極を形成している。1列目の第1タッチ電極41の伸張方向と1列目の第2タッチ電極42の伸張方向とが同じ直線に位置しており、1列目の第1タッチ電極41と1列目の第2タッチ電極42とが間隔をあけて配置されている。2列目の第1タッチ電極41の伸張方向と2列目の第2タッチ電極42の伸張方向とが同じ直線に位置しており、2列目の第1タッチ電極41と2列目の第2タッチ電極42とが間隔をあけて配置されている。このような具合に同様のことが繰り返される。第2タッチ電極部32の場合、例えば、
図2~
図6に示す構造では、第2タッチ電極部32は、第1方向h1に配置され且つ第2方向h2に伸張する複数の第3タッチ電極43を含む。左側にある3つの第3タッチ電極43とそれぞれの第1タッチ電極41とが、左側表示領域において絶縁されて交差しており、左側表示領域のタッチ機能が、第1タッチ電極41と第3タッチ電極43との間の相互容量作用によって実装され得る。右側にある3つの第3タッチ電極43とそれぞれの第2タッチ電極42とが、右側表示領域において絶縁されて交差しており、右側表示領域のタッチ機能が、第2タッチ電極42と第3タッチ電極43との間の相互容量作用によって実装され得る。それぞれの第3タッチ電極43は、第2方向h2に配置された複数の電極ブロックを含んでよい。それぞれの電極ブロックは、相互容量方式タッチ膜層2に電極膜層201を含む。相互容量方式タッチ膜層2はさらに、ブリッジ金属層202、および電極膜層201とブリッジ金属層202との間に位置するタッチ絶縁層203を含む。それぞれの第3タッチ電極43では、2つの隣接する電極ブロックはいずれも、ブリッジ金属層202により形成された金属ブリッジを用いて電気的に接続されている。一方の電極ブロックがタッチ絶縁層203のビアホールを用いて金属ブリッジに電気的に接続されており、他方の電極ブロックは、タッチ絶縁層203にある別のビアホールを用いて同じ金属ブリッジに電気的に接続されている。電極膜層201では、2つの電極ブロック間の間隔位置が、第1タッチ電極41または第2タッチ電極42の電気接続を第2方向h2に実装するのに用いられる。第1タッチ電極41および第2タッチ電極42はそれぞれ、電極膜層201を含む。したがって、異なる方向に異なる電極の絶縁および交差を実装するために、1種類の電極の電気接続がブリッジを用いて実装されてよい。それぞれの第1タッチ電極41、それぞれの第2タッチ電極42、およびそれぞれの第3タッチ電極43が、タッチ信号ケーブルを用いてフレキシブル回路基板51に電気的に接続されており、さらに、フレキシブル回路基板51を用いて駆動チップ52に電気的に接続されている。別の実現可能な実装例では、代替的に、それぞれのタッチ電極がタッチ信号ケーブルを用いて駆動チップに直接電気的に接続されてもよい。駆動チップ52は、それぞれのタッチ電極を駆動し、タッチ電極で信号を受信して、タッチ機能を実装するように構成されている。
【0037】
前述した第2タッチ電極部の特定の構造は、単なる一例に過ぎないことに留意されたい。第2タッチ電極および第1タッチ電極が相互容量を介してタッチ機能を実装できるのであれば、第2タッチ電極部の特定の構造が本願の本実施形態において限定されることはない。
【0038】
タッチ表示プロセスでは、第2タッチ電極部32は、第1方向h1のタッチ座標位置を判定するように構成されており、第1タッチ電極部31は、第2方向h2のタッチ座標位置を判定するように構成されている。例えば、1列目の第1タッチ電極41は、左側表示領域の1列目に対応する座標においてタッチの有無を判定するように構成されており、1列目の第2タッチ電極42は、右側表示領域の1列目に対応する座標においてタッチの有無を判定するように構成されている。以下では、第1タッチ電極部31が検知電極部であり第2タッチ電極部32が駆動電極部である一例を用いて、タッチ式駆動方法を説明する。以下に挙げる2つの特定のタッチ式駆動方法があり得る。第1の駆動方法では、タッチ領域全体にある全ての第3タッチ電極43が連続してパルス信号を出力し、全ての第1タッチ電極41および第2タッチ電極42が誘導信号を受信する。タッチ位置については、ユーザの指の結合作用によって誘導信号が変化するため、第1タッチ電極部31がタッチ誘導信号を受信した後に、タッチ誘導信号を受信する時間に基づいて、パルスを生成してタッチ誘導信号を取得する第3タッチ電極43が判定され得る、言い換えれば、第1方向h1のタッチ座標位置が判定され得る。第2方向h2のタッチ座標位置が、タッチ誘導信号を受信する第1タッチ電極41または第2タッチ電極42の位置に基づいて判定されてよい。タッチ位置は、タッチ機能を実装するために、2つの座標位置に基づいて判定されてよい。第2の駆動方法では、タッチ領域全体が左側タッチ領域と右側タッチ領域とに分割されている。左側タッチ領域は、全ての第1タッチ電極41に対応する領域であり、左側の3つの第3タッチ電極43も含む。右側タッチ領域は、全ての第2タッチ電極42に対応する領域であり、右側の3つの第3タッチ電極43も含む。2つのタッチ領域は同時に駆動する。具体的には、各タッチ領域の3つの第3タッチ電極43が連続してパルス信号を出力し、全ての第1タッチ電極41および第2タッチ電極42が誘導信号を受信する。タッチ位置が属する領域が、第1タッチ電極41および第2タッチ電極42に基づいて判定され得る。第1方向h1のタッチ座標位置が、タッチ誘導信号を受信する時間に基づいて判定され得る。第2方向h2のタッチ座標位置が、タッチ誘導信号を受信する第1タッチ電極41または第2タッチ電極42の位置に基づいて判定され得る。タッチ位置は、タッチ機能を実装するために、2つの座標位置とタッチ位置が属する領域とに基づいて判定されてよい。
【0039】
本願の本実施形態におけるディスプレイパネルでは、駆動電極部および検知電極部のうちの一方が、第1タッチ電極および第2タッチ電極を含む。第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、第1タッチ電極および対応する第2タッチ電極は間隔をあけて配置されている。同じ第2方向の座標上にある第1タッチ電極および第2タッチ電極が互いに独立していると判定されているため、第1タッチ電極および第2タッチ電極のうちの一方が受信するノイズが第1タッチ電極および第2タッチ電極のうちのもう一方に付加されることはなく、これにより、タッチ電極の信号対ノイズ比が改善されて、タッチ認識の精度が向上し、偶発的なタッチ現象の発生確率が減少する。
【0040】
任意選択的に、
図2~
図7を参照されたい。
図7は、
図2のディスプレイパネルを折り曲げた状態の3次元構造の概略図である。ディスプレイパネルは折り曲げ可能なディスプレイパネルであり、ディスプレイパネルは第2方向h2に伸張する折り曲げ軸Lを有しており、折り曲げ軸Lは折り曲げた状態にあるディスプレイパネルの最大ストレス線である。それぞれの第1タッチ電極41と、対応する第2タッチ電極42との間の間隔位置が、折り曲げ軸L上に位置している。言い換えれば、第1タッチ電極41および第2タッチ電極42は、折り曲げ軸Lによって分離されている。
【0041】
具体的には、折り曲げ可能なディスプレイパネルでは、ディスプレイパネルが広げた状態にあるときに、タッチ表示領域が比較的大きい。ディスプレイパネルが折り曲げた状態にあるときに、タッチ表示領域は折り曲げ軸Lによって2つの部分、つまり、表側タッチ表示領域と裏側タッチ表示領域とに分割されている。全ての第1タッチ電極41が表側タッチ表示領域に位置しており、全ての第2タッチ電極42が裏側タッチ表示領域に位置している。表側タッチ表示領域はユーザと対面しており、タッチ表示機能を実装するのに用いられる。裏側タッチ表示領域はユーザに背を向けているので、タッチ機能を実装する必要はない。ユーザは、裏側タッチ表示領域を保持してよい。この場合、第1タッチ電極41および第2タッチ電極42は互いに独立しているため、第1タッチ電極41は、ユーザが裏側タッチ表示領域を保持したときに悪影響を受けることはなく、これにより、折り曲げられたディスプレイパネルの裏側をユーザが保持したときに生成されるタッチノイズが抑制されて、偶発的なタッチ現象の発生確率が減少する。
【0042】
別の実現可能な実装例では、折り曲げ可能なディスプレイパネルの場合、それぞれの第1タッチ電極41と、対応する第2タッチ電極42との間の間隔位置が代替的に、折り曲げ軸以外に位置してもよいことに留意されたい。具体的には、第1タッチ電極41と、対応する第2タッチ電極42との間隔位置は、実際に必要とされるように決定されてよい。これについては、本願の本実施形態において限定しない。
【0043】
任意選択的に、
図2~
図6に示すように、第2タッチ電極部32は、第2方向h2に伸張し且つ第1方向h1に配置された複数の第3タッチ電極43を含む。複数の第3タッチ電極43の一部分とそれぞれの第1タッチ電極41とが絶縁されて交差しており、複数の第3タッチ電極43のその他の部分とそれぞれの第2タッチ電極42とが絶縁されて交差している。この構造の具体的な動作原理およびプロセスは、前述の実施形態と同じであるため、詳細については再度ここで説明しない。
【0044】
任意選択的に、
図2~
図6に示すように、第1タッチ電極部31は検知電極部であり、第2タッチ電極部32は駆動電極部である。駆動電極と比較すると、検知電極の方がノイズ干渉を受けやすい。そのため、間隔をあけて配置され且つ伸張方向が同じ直線に位置している複数の電極を検知電極部に設けることにより、タッチノイズを十分に抑制することができる。別の実現可能な実装例では、第1タッチ電極部31が駆動電極部であってよく、また第2タッチ電極部32が検知電極部であってよい。
【0045】
任意選択的に、
図8、
図9、および
図10を参照されたい。
図8は、本願の一実施形態による別のディスプレイパネルの構造の概略図である。
図9は、
図8における第1タッチ電極部の構造の概略図である。
図10は、
図8における第2タッチ電極部の構造の概略図である。第2タッチ電極部32は、第2方向h2に伸張し且つ第1方向h1に配置された複数の第4タッチ電極44と、第2方向h2に伸張し且つ第1方向h1に配置された複数の第5タッチ電極45とを含む。複数の第4タッチ電極44および複数の第5タッチ電極45は1対1の対応関係にあり、第4タッチ電極44の伸張方向および対応する第5タッチ電極45の伸張方向が同じ直線に位置しており、第4タッチ電極44および対応する第5タッチ電極45は間隔をあけて配置されている。複数の第4タッチ電極44の一部分と複数の第1タッチ電極41の一部分とが絶縁されて交差しており、複数の第4タッチ電極44のその他の部分と複数の第2タッチ電極42の一部分とが絶縁されて交差しており、複数の第5タッチ電極45の一部分と複数の第1タッチ電極41のその他の部分とが絶縁されて交差しており、複数の第5タッチ電極45のその他の部分と複数の第2タッチ電極42のその他の部分とが絶縁されて交差している。
【0046】
具体的には、
図8のディスプレイパネルでは、第1タッチ電極部および第2タッチ電極部以外の構造が省略されている。
図8に示す構造では、第1タッチ電極41および第4タッチ電極44は、左上領域において、この領域のタッチ機能を実装するために絶縁されて交差している。第2タッチ電極42および第4タッチ電極44は、右上領域において、この領域のタッチ機能を実装するために絶縁されて交差している。第1タッチ電極41および第5タッチ電極45は、左下領域において、この領域のタッチ機能を実装するために絶縁されて交差している。第2タッチ電極42および第5タッチ電極45は、右下領域において、この領域のタッチ機能を実装するために絶縁されて交差している。
図2に示す構造と比較すると、
図8に示す構造は第2タッチ電極部32の構造が異なる。
図8に示す構造では、第4タッチ電極44および対応する第5タッチ電極45を含むタッチ電極対が、第1方向h1のタッチ座標を判定するように構成されている。第4タッチ電極44および対応する第5タッチ電極45は互いに独立しているため、第4タッチ電極44および対応する第5タッチ電極45のうちの一方が受信するノイズが第4タッチ電極44および対応する第5タッチ電極45のうちのもう一方に付加されることはないので、ノイズにより引き起こされる、タッチ機能への悪影響がさらに抑制される。
【0047】
任意選択的に、
図11および
図12を参照されたい。
図11は、本願の一実施形態による別のディスプレイパネルの構造の概略図である。
図12は、
図11における第1タッチ電極部の構造の概略図である。第1タッチ電極部31はさらに、第1方向h1に伸張し且つ第2方向h2に配置された複数の第6タッチ電極46を含む。複数の第6タッチ電極46および複数の第2タッチ電極42は1対1の対応関係にあり、第2タッチ電極42の伸張方向および対応する第6タッチ電極46の伸張方向が同じ直線に位置しており、第2タッチ電極42は、対応する第1タッチ電極41と、対応する第6タッチ電極46との間に位置しており、第2タッチ電極42および対応する第6タッチ電極46は間隔をあけて配置されている。
【0048】
具体的には、
図11のディスプレイパネルでは、第1タッチ電極部および第2タッチ電極部以外の構造が省略されている。第2タッチ電極部32の構造が、
図4に示す構造と同じであってよい。具体的には、第2タッチ電極部は、第1方向h1に配置され且つ第2方向h2に伸張する複数の第3タッチ電極43を含み、左側の3つの第3タッチ電極43と第1タッチ電極41とが絶縁されて交差しており、中央の3つの第3タッチ電極43と第2タッチ電極42とが絶縁されて交差しており、右側の3つの第3タッチ電極43と第6タッチ電極46とが絶縁されて交差している。
図11は、第6タッチ電極46が第1タッチ電極部31に付加されている点で
図2と異なる。対応する第1タッチ電極41、第2タッチ電極42、および第6タッチ電極46が、第2方向h2の同じタッチ座標位置を判定するように構成されている。別の実現可能な実装例では、伸張方向が同じ直線に位置している4つまたはそれより多くのタッチ電極がさらに、第2方向の同じタッチ座標位置を判定するために、第1タッチ電極部に配置されてよい。
【0049】
任意選択的に、
図2~
図6に示すように、ディスプレイパネルは表示領域10を含み、第1タッチ電極41と、対応する第2タッチ電極42との間の間隔位置が、表示領域10に位置している。言い換えれば、第1タッチ電極部31および第2タッチ電極部32は、同じ完全な表示領域10に位置している。完全な表示領域10は、第1タッチ電極41および第2タッチ電極42の位置に基づいて、2つのタッチ領域に分割されている。一方のタッチ領域では、第1タッチ電極41を用いてタッチ機能が実装されており、他方のタッチ領域では、第2タッチ電極42を用いてタッチ機能が実装されている。表示領域10の表示膜層1は、完全な表示画像を実現するように構成されている。さらに、完全な表示画像のタッチ機能が、第1タッチ電極41および第2タッチ電極42を用いて実装されてよい。さらに、表示膜層1の特定の構造が本願の本実施形態において限定されないことに留意されたい。例えば、表示膜層1は具体的には、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)パネルまたは有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode:OLED)パネルを形成するように構成されてよい。
【0050】
任意選択的に、
図2~
図6に示すように、ディスプレイパネルはさらに、表示領域10の2つの対向する側に位置する第1フレーム領域301および第2フレーム領域302を含む。それぞれの第1タッチ電極41は表示領域10から第1フレーム領域301へと伸張しており、それぞれの第1タッチ電極41は、第1フレーム領域301において、対応する第1タッチ信号ケーブル401に電気的に接続されている。それぞれの第2タッチ電極42は表示領域10から第2フレーム領域302へと伸張しており、それぞれの第2タッチ電極42は、第2フレーム領域302において、対応する第2タッチ信号ケーブル402に電気的に接続されている。
【0051】
具体的には、
図2~
図6に示す構造では、第1タッチ電極41および第2タッチ電極42を別個に駆動チップ52に電気的に接続する必要があるため、左側の第1タッチ電極41は第1フレーム領域301において第1タッチ信号ケーブル401に接続できるようになっており、右側の第2タッチ電極42は第2フレーム領域302において第2タッチ信号ケーブル402に接続できるようになっている。タッチ信号ケーブルは通常、金属などの不透明材料で作られている。したがって、タッチ信号ケーブルは、タッチ電極に接続でき且つ表示領域においてトレースされるのではなく、タッチ電極に接続でき且つフレーム領域においてトレースされるので、タッチ信号ケーブルにより引き起こされる、表示への悪影響が抑制される。
【0052】
任意選択的に、
図3および
図13を参照されたい。
図13は、
図3における第1電極ブロックまたは第2電極ブロックの構造の概略図である。それぞれの第1タッチ電極41は、電気的に接続された複数の第1電極ブロック410を含み、それぞれの第1電極ブロック410は格子状金属ワイヤを含み、それぞれの第2タッチ電極42は電気的に接続された複数の第2電極ブロック420を含み、それぞれの第2電極ブロック420は格子状金属ワイヤを含む。
【0053】
別の実現可能な実装例では、代替的に、第1電極ブロックおよび第2電極ブロックはインジウムスズ酸化物材料などの完全な透明材料で作られてもよい。
【0054】
別の態様によれば、本願の一実施形態がさらに、前述の実施形態におけるディスプレイパネルを含むディスプレイ装置を提供する。
【0055】
このディスプレイパネルの具体的な構造および原理は前述の実施形態と同じであり、詳細については再度ここで説明しない。ディスプレイ装置は具体的には、例えば、携帯電話またはタブレットコンピュータといった、表示機能を実装できる任意の装置であってよい。
【0056】
本願の本実施形態におけるディスプレイ装置では、ディスプレイパネルの駆動電極部および検知電極部のうちの一方が、第1タッチ電極および第2タッチ電極を含む。第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、第1タッチ電極および対応する第2タッチ電極は間隔をあけて配置されている。同じ第2方向の座標上にある第1タッチ電極および第2タッチ電極が互いに独立していると判定されているため、第1タッチ電極および第2タッチ電極のうちの一方が受信するノイズが第1タッチ電極および第2タッチ電極のうちのもう一方に付加されることはなく、これにより、タッチ電極の信号対ノイズ比が改善されて、タッチ認識の精度が向上し、偶発的なタッチ現象の発生確率が減少する。
【0057】
本願の実施形態では、「少なくとも1つ」が1つまたは複数を意味しており、「複数の」は2つまたはそれより多くを意味している。用語「および/または」は、関連する対象物を説明するための対応関係を述べており、3つの関係が存在し得ることを示している。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つのケース、すなわち、Aだけが存在すること、AおよびBが両方とも存在すること、およびBだけが存在することを示し得る。AおよびBは、単数形であっても複数形であってもよい。記号「/」は一般に、関連する対象物同士の「または」の関係を示している。以下に挙げる項目のうちの少なくとも1つおよび類似表現が、1つの項目または複数の項目の任意の組み合わせを含むこれらの項目の任意の組み合わせを意味している。例えば、a、b、およびcのうちの少なくとも1つとは、a、b、c、aとb、aとc、bとc、またはaとbとcを示してよく、a、b、およびcは単数でも複数でもよい。
【0058】
前述の説明は、本願の単なる好ましい実施形態に過ぎず、本願の限定を意図するものではない。当業者にとっては、様々な修正および変形が本願において行われてよい。本願の趣旨および原理から逸脱することなく行われた修正、等価な置き換え、または改良はいずれも、本願の保護範囲に含まれるものとする。
[他の考え得る項目]
(項目1)
積層された表示膜層および相互容量方式タッチ膜層を備えるディスプレイパネルであって、
前記相互容量方式タッチ膜層が駆動電極部および検知電極部を有しており、前記駆動電極部および前記検知電極部のうちの一方が第1タッチ電極部であり、前記駆動電極部および前記検知電極部のうちの他方が第2タッチ電極部であり、
前記第1タッチ電極部が
第1方向に伸張し且つ第2方向に配置された複数の第1タッチ電極と、
前記第1方向に伸張し且つ前記第2方向に配置された複数の第2タッチ電極と
を含み、
前記複数の第1タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第1タッチ電極の伸張方向および対応する第2タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第1タッチ電極および対応する前記第2タッチ電極が間隔をあけて配置されている、ディスプレイパネル。
(項目2)
前記ディスプレイパネルが折り曲げ可能なディスプレイパネルであり、前記ディスプレイパネルが前記第2方向に伸張する折り曲げ軸を有しており、
それぞれの第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が前記折り曲げ軸上に位置している、項目1に記載のディスプレイパネル。
(項目3)
前記第2タッチ電極部が、前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第3タッチ電極を含み、
前記複数の第3タッチ電極の一部分とそれぞれの第1タッチ電極とが絶縁されて交差しており、前記複数の第3タッチ電極のその他の部分とそれぞれの第2タッチ電極とが絶縁されて交差している、項目1に記載のディスプレイパネル。
(項目4)
前記第1タッチ電極部が前記検知電極部であり、前記第2タッチ電極部が前記駆動電極部である、項目3に記載のディスプレイパネル。
(項目5)
前記第2タッチ電極部が
前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第4タッチ電極と、
前記第2方向に伸張し且つ前記第1方向に配置された複数の第5タッチ電極と
を含み、
前記複数の第4タッチ電極および前記複数の第5タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第4タッチ電極の伸張方向および対応する第5タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第4タッチ電極および対応する前記第5タッチ電極が間隔をあけて配置されており、
前記複数の第4タッチ電極の一部分と前記複数の第1タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第4タッチ電極のその他の部分と前記複数の第2タッチ電極の一部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第5タッチ電極の一部分と前記複数の第1タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差しており、
前記複数の第5タッチ電極のその他の部分と前記複数の第2タッチ電極のその他の部分とが絶縁されて交差している、項目1に記載のディスプレイパネル。
(項目6)
前記第1タッチ電極部がさらに、
前記第1方向に伸張し且つ前記第2方向に配置された複数の第6タッチ電極を含み、
前記複数の第6タッチ電極および前記複数の第2タッチ電極が1対1の対応関係にあり、第2タッチ電極の伸張方向および対応する第6タッチ電極の伸張方向が同じ直線に位置しており、前記第2タッチ電極が、対応する第1タッチ電極と、対応する前記第6タッチ電極との間に位置しており、前記第2タッチ電極および対応する前記第6タッチ電極が間隔をあけて配置されている、項目1に記載のディスプレイパネル。
(項目7)
前記ディスプレイパネルが表示領域を備えており、第1タッチ電極と、対応する第2タッチ電極との間の間隔位置が、前記表示領域に位置している、項目1に記載のディスプレイパネル。
(項目8)
前記ディスプレイパネルがさらに、前記表示領域の2つの対向する側に位置する第1フレーム領域および第2フレーム領域を備えており、
それぞれの第1タッチ電極が前記表示領域から前記第1フレーム領域へと伸張し、それぞれの第1タッチ電極が、前記第1フレーム領域において、対応する第1タッチ信号ケーブルに電気的に接続されており、
それぞれの第2タッチ電極が前記表示領域から前記第2フレーム領域へと伸張し、それぞれの第2タッチ電極が、前記第2フレーム領域において、対応する第2タッチ信号ケーブルに電気的に接続されている、項目7に記載のディスプレイパネル。
(項目9)
それぞれの第1タッチ電極が、電気的に接続された複数の第1電極ブロックを含み、それぞれの第1電極ブロックが格子状金属ワイヤを含み、それぞれの第2タッチ電極が、電気的に接続された複数の第2電極ブロックを含み、それぞれの第2電極ブロックが格子状金属ワイヤを含む、項目1に記載のディスプレイパネル。
(項目10)
項目1から9のいずれか一項に記載のディスプレイパネルを備えるディスプレイ装置。
【国際調査報告】